JP6591174B2 - 絶縁継手 - Google Patents

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Description

本発明は、水道水等の給水やその他の液体や気体等の流体の流路に設けられる絶縁継手に関し、特に袋ナットと継手本体が異種金属素材によって構成されていることにより発生する電気的腐食を防止する絶縁継手に関する。
従来より、袋ナットと継手本体とを備えた管継手があり、袋ナットと継手本体との間に金属リングを設けて、継手本体から袋ナットが抜け出ないように構成されているものが知られている。このような管継手の継手本体と袋ナットが異種金属、例えば、継手本体がステンレス鋼、袋ナットが青銅合金で形成されている場合には、継手本体と袋ナットの自然電位が異なることになる。自然電位が異なる金属同士が接触すると、異種金属間電流による腐食(電蝕)が発生する。特に流体が水で、しかも、管継手が地中に埋設されている場合には、その腐食(電蝕)が発生し易い。この腐食を防止するため、袋ナットと継手本体との間に絶縁部材を設け、両者を電気的に絶縁した絶縁継手が提案されている。
このような絶縁継手の構造として、例えば、継手本体の端部にフランジ部が形成され、このフランジ部に断面略L字形の樹脂製絶縁リングを係合し、この絶縁リングの外周に断面略L字形の金属製止め輪を係合することにより、袋ナットを継手本体に対して係合した構造が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照。)。
特許文献1に記載されている絶縁継手は、ステンレス鋼管の直管部の一端側にフレア端部を設けて形成した継手部に、異種金属製の袋ナットをそのフレア端部に遊嵌自在に取り付けた継手であり、ステンレス鋼管の直管部に設けた継手部に、円筒部を有するとともに円筒部の端部に拡径された鍔部が形成された絶縁スペーサを装着することにより、継手部と袋ナットが直接接触しないようにして電蝕を防止している。また、絶縁スペーサを装着した継手部のフレア端部と袋ナットの間に止め線を配し、袋ナットが継手本体から抜け出ることを防止している。
特許文献2に記載されている絶縁継手は、ステンレス製の継手本体の接続部に、一端外側部に立ち上がりフランジ部を設けた絶縁筒体と、同じく一端外側部に立ち上がりフランジ部を設けた抜け止めリング筒を絶縁筒体の外周に装着して嵌装することにより、異種金属素材により形成された継手本体と袋ナットが直接接触しないようにし、電蝕を防止するとともに、継手本体から袋ナットが抜け出ることを防止している。
特開2010−19408号公報 特開2005−351434号公報
特許文献1及び特許文献2に記載された絶縁継手のような構造の絶縁継手に接続される配管は、継手本体のフランジ面との間にガスケットを介在した状態で袋ナットを締め込むことにより、継手本体にシール状態で接続される。このため、絶縁継手の継手本体のフランジ面からガスケットに対して、少なくともシール状態を維持するに足る押圧力を作用させることが求められる。
継手は、元来、継手と配管が同軸状態で接続されることを前提として設計されているが、埋設配管に用いられる絶縁継手が施工上の制約から止むを得ず配管とやや芯ずれした状態で接続しなければならない場合などでは、袋ナット部にも曲げ荷重が加わるために、継手本体が配管構造部に対して傾き、ガスケットによるシール性が損なわれることがある。
特許文献1及び特許文献2に記載された絶縁継手では、継手と配管がやや芯ずれした状態で接続されたために継手と配管との同軸性が損なわれ、継手本体に曲げ荷重が加わった場合に、継手本体の傾きを抑制する構成を備えていないため、ガスケットとによるシール性が損なわれ、この部分から漏れが発生するおそれがある。
このような継手本体の傾きを抑制するため、絶縁継手において樹脂製リングや止め輪等の部品同士の隙間を無くす技術が想定される。しかし隙間が無ければ、絶縁継手を製造する際に、継手本体と袋ナットとの間に樹脂製リングや止め輪を組み入れることができず、継手の組立が困難となる。仮に隙間なく樹脂製リングや止め輪を組み込むことができたとしても、継手本体と袋ナットとの間に何らの隙間もない状態では、袋ナットを回すことができず、配管との接続作業が困難となる。
また、絶縁リングの強度を増す技術も考えられるが、単に絶縁リングの肉厚を増しても
絶縁リング自体が圧縮変形してしまい、継手本体の傾きを抑制してガスケットによるシール性を維持するには不十分であることが発明者らの検討により明らかとなった。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、継手の組立時や組立後における袋ナットを用いた配管接続作業時に必要な部品同士の隙間を確保しつつ、曲げ荷重に対する継手本体の傾きを抑止し、配管とのガスケットシール性を維持することができる絶縁継手を提供することである。
前記の目的を達成するための請求項1に係る発明は、継手本体と配管とをガスケットを介して継手本体に設けた袋ナットで前記配管の接続端部に螺着して接続する継手であって、前記継手本体の接合端部に設けたフランジ部に略断面L字形の拡縮可能な絶縁リングを係合し、この絶縁リングと前記袋ナットの内周段部面との間に略断面L字形の拡縮可能な止め輪を介在させるとともに、前記絶縁リングの曲折部の止め輪側の曲折円弧部のアールを前記止め輪の曲折部の絶縁リング側の曲折円弧部のアールより大とた絶縁継手である。
請求項に係る発明は、前記袋ナットの締付け時に前記絶縁リングの円筒部と前記止め輪の円筒部とが面接触して曲げ強度を向上させた絶縁継手である。
請求項に係る発明は、前記袋ナットの締付け時に、前記ガスケットから継手本体のフランジ部を介して絶縁リングの曲折円弧部が止め輪の曲折円弧部に食い込んで曲げ荷重の支点を前記絶縁リングの曲折部と円筒部との接続位置付近に移動させた絶縁継手である。
請求項に係る発明は、前記袋ナットの締付け時に止め輪の縦外面と前記袋ナットの前記内周段部面とが強く当接することにより、芯ずれを防いで曲げ強度を増すようにした絶縁継手である。
請求項に係る発明は、前記絶縁リングと前記止め輪には、長さ方向に沿ってそれぞれスリットを切欠き形成した絶縁継手である。
請求項1に係る発明によると、絶縁リングと止め輪の曲折円弧部のアールを異にすることにより、絶縁継手を組み立てる上で絶縁リングと止め輪との間の隙間を必要としても、袋ナットの締め込みによって前記隙間を無くして両者を密着させることが可能となり、もて継手の曲げ強度を向上させることができるとともに、絶縁リングの組立性はもとより、袋ナットによる配管接続の作業性も極めて良好となる。しかも、絶縁継手の組立時には、止め輪の曲折円弧部のアールが、あたかも突起状に機能を発揮することにより、絶縁リングと止め輪との部分的な当接により両者の隙間を確保して組立を容易にし、配管への袋ナットの螺合接合時には、止め輪の曲折円弧部のアールが絶縁リングの曲折円弧部の食い込み、止め輪により絶縁リングが圧縮されて密着し、もって継手の曲げ強度を向上することができる。
請求項に係る発明によると、袋ナットを締付けると、絶縁リングの円筒部と止め輪の円筒部が確実に面接触するので、継手の曲げ強度の向上に著しく寄与することが可能となる。
請求項に係る発明によると、曲げ荷重による絶縁リングの曲折部への応力集中を防ぐことができるので、絶縁リングの破損を確実に防止することができる。
請求項に係る発明によると、止め輪の縦外面のテーパ面と袋ナットの内周段部面のテーパ面により調芯されるので、袋ナットの螺合による継手軸芯方向のへの押圧力を止め輪を介して絶縁リングに伝達することができるため、継手本体と袋ナットの間に介在した絶縁リングや止め輪とを密着することができ、もって継手の曲げ強度を向上することができる。
請求項に係る発明によると、絶縁継手の組立時に、絶縁リングと止め輪とを円滑に拡縮することができ、組立性の向上のみならず、絶縁継手の曲げ強度の向上にも寄与することができる。
本発明における絶縁継手の一例を示す断面図である。 図1に示す絶縁継手のA部拡大断面図である。 (a)絶縁リングと止め輪が線接触している状態を示す図である。(b)止め輪が絶縁リングに食い込んで面接触している状態を示す図である。 本発明における絶縁継手の接合方法の一例を示す図である。 参考例の絶縁リングと止め輪を示す拡大断面図である。 強度を確認試験の試験方法を示す図である。 強度の確認試験の結果を示す図である。
以下、本発明に係る絶縁継手とその継手の接合方法を図面に基づいて詳細に説明する。図1においては、本発明における絶縁継手の実施形態の一例を配管との接続後の状態で示しており、図2においては、図1の絶縁継手の要部を示している。
図1及び図2において、本発明における絶縁継手1は、継手本体2と、袋ナット3と、絶縁リング4と止め輪5とを有し、継手本体2は、袋ナット3によりガスケット6を介し、外部の配管7が接続可能になっている。配管7は、例えば、サドル付分水栓の分岐部や、止水栓の端部に設けられた配管部である。
継手本体2は、例えば、ステンレス等の材料によって略円筒状に形成されている。継手本体2は、最も径が小さな一端部側の第1胴部21と、中央部側の第2胴部22と、最も径が大きな他端部側の第3胴部23との3段に形成されている。この継手本体2の第3胴部23の外周にネジ溝が設けられており、この第3胴部23である他端部に配管等を可撓可能に接続するための可撓部等が取り付けられるようになっている。また、第1胴部21側の第2胴部22の外周22aは、例えば六角又は八角状等に形成されており、継手本体2(絶縁継手)を工具等により固定保持できるようになっている。
第1胴部21の接合部(継手本体2の一端部)には、その径方向外方に延びるフランジ部24が設けられている。このフランジ部24を形成する2つのフランジ形成面のうち端面側とは反対側のフランジ形成面25は、基部の円弧面から連続して続く垂直面に形成されている。
また、第1胴部21のフランジ部24より第2胴部22側の外周は、袋ナット4の軸方向の移動を許容する袋ナット移動凹部26として形成されている。この袋ナット移動凹部26の第2胴部22側は、絶縁リング4及び止め輪5の縮径を許容する絶縁部材縮径凹部27が設けられている。この絶縁部材縮径凹部27を形成する第2胴部22側の壁面(移動停止壁28ということがある。)は、傾斜されている。すなわち、第1胴部21の外周はフランジ部24の外周を含めると、フランジ部24、袋ナット移動凹部26、絶縁部材縮径凹部27の3段に形成されている。
継手本体2に係合される袋ナット3は、継手本体2とは異種金属材質の材料によって製造され、例えば、青銅合金によって製造される。袋ナット3は、一端部の内周面に径方向内方に延びる内周段部31を有しており、この内周段部31の内径は、継手本体2のフランジ部24の外径より大きく、例えば、若干大きな寸法で形成されていることが好ましい。
袋ナット3の内周段部31の内周側先端の外方側には絶縁リング4及び止め輪5を縮径する切欠きテーパ面31aが形成されており、また、内周段部31の基部にはテーパ部31bが形成されている。袋ナット3の略中央部から他端部までの内周には、外部の配管7に形成された雄ねじに螺合可能な雌ネジ32が形成されている。さらに、袋ナット3内周のテーパ部31bとネジ部32との間には、絶縁リング4及び止め輪5が嵌合する嵌合凹部33が設けられている。
絶縁リング4は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の弾性を有する樹脂材料により断面略L字形で環状に形成され、継手本体2のフランジ部24を被覆可能な大径部41と継手本体2の袋ナット移動凹部26を被覆可能な円筒部42と、大径部41と円筒部42とを結ぶ曲折部43とを有している。
大径部41の袋ナット3内周面側には、袋ナット3の内周段部31の先端に設けられた切欠きテーパ面31aに当接し、絶縁リング4を縮径させるテーパ面41aが形成されている。
曲折部43の継手本体2のフランジ部24側の曲折円弧部43aは、凹状円弧面に形成されたフランジ形成面25と互いに面接触するように同じ曲率の凸状円弧面に形成されている。また、この曲折部43の止め輪5側の曲折円弧部43bは、後述する止め輪5の曲折部53の曲折円弧部53aよりもアールが大きい(円弧の半径Rが大きい)凹状円弧面に形成されている。
絶縁リング4には、長さ方向に沿ってスリット(図示せず)が切欠き形成されており、これにより、継手軸芯方向から見るとC型環状を呈している。従って、絶縁リングは弾性を有する樹脂材料により形成されていることと併せ、絶縁リング4を拡縮させて継手本体2の外周に取付けることができる。なお、スリットではなく、長さ方向に切込みを互い違いに設けることにより絶縁リングを拡縮可能にすることもできる。
止め輪5は、例えば、青銅合金により断面略L字形で環状に形成され、継手の径方向外方に延びる鍔部51と、絶縁リング4の円筒部42に被装可能な円筒部52と、鍔部51と円筒部52とを結ぶ曲折部53とを有している。
鍔部51の袋ナット3の内周段部31側には、袋ナット3の内周段部面31cと当接する縦外面54が、鍔部51先端の袋ナット3の内周段部31側には、袋ナット3のテーパ部31bと当接するテーパ部55が形成されている。また、鍔部51先端の絶縁リング4側には、袋ナット3の内周段部31の先端に設けられた切欠きテーパ面31aに当接し、止め輪5を縮径させる傾斜角部56が形成されている。
曲折部53の絶縁リング4側の曲折円弧部53aは、絶縁リング4の曲折円弧部43bよりもアールが小さい(円弧の半径rが小さい)凸状円弧面に形成されている。
また、止め輪5には、長さ方向に沿ってスリット(図示せず)が切欠き形成されており、止め輪5を拡縮させて継手本体2の外周に取付けることができる。なお、スリットではなく、長さ方向に切込みを互い違いに設けることにより止め輪を拡縮可能にすることもできる。
上記のように構成された絶縁継手の作用について以下に説明する。
図3の(a)は、絶縁継手1に外部の配管を取付けるため、袋ナット3をフランジ部24側に引き寄せ、袋ナット3の内周段部面31cに押された止め輪5が絶縁リング4に当接し、止め輪5に押された絶縁リング4が継手本体2のフランジ部24のフランジ形成面25に当接した状態を示している。この状態では、各部が単に接触しているだけで、相互に力を作用させてはいない。
止め輪5の曲折部53の曲折円弧部53aのアールは、絶縁リング4の曲折部43の曲折円弧部43bのアールよりも小さく形成されているので、この状態では、止め輪5の曲折部53の曲折円弧部53aと絶縁リング4の曲折部43の曲折円弧部43bとは面接触ではなく線接触している。このため、絶縁リング4と止め輪5の間には隙間60、61が存在している。このように、外力が作用しない状況においては、絶縁リング4と止め輪の間に隙間60、61が存在するため、絶縁リング4と止め輪5の組立を簡単に行うことができる。次に、袋ナット3を配管7に接続して締め込んでいく。この際、少なくとも絶縁リングと止め輪の間には隙間60、61が存在するため、袋ナット3を円滑に回転して締め込むことができる。特に、両部品の円筒部42、52との隙間61は、隙間60と比して対向面積が大きいことから、確実に隙間を確保するのが望ましい。
さらに袋ナット3を締め込んでいくと、止め輪5は袋ナット3の内周段部面31cに押圧されて曲折部53の曲折円弧部53aで絶縁リング4の曲折部43の曲折円弧部43bを強く押圧する。絶縁リング4の曲折部43の曲折円弧部43aは、継手本体2のフランジ形成面25に当接しているために絶縁リング4は止め輪5に押されてもそれ以上移動することができない。また絶縁リング4は止め輪5よりも柔らかい材質である樹脂で形成されているため、止め輪5の曲折部53の曲折円弧部53aは、絶縁リング4の曲折部43の曲折円弧部43bに食い込んで変形させ、最終的には、図3の(b)に示すように、止め輪5の曲折部53の曲折円弧部53aと絶縁リング4の曲折部43の曲折円弧部43bが面接触する。
また、この過程において、止め輪5のテーパ部55には袋ナット3内周のテーパ部31bからの押圧力が作用するため、止め輪5は外周全面から圧縮力が作用し、調芯されながら縮径する。止め輪5の円筒部52は絶縁リング4の円筒部42に被装されているため、両者は芯ずれを起こすことなく縮径し、継手本体2の袋ナット移動凹部26の周囲に面接触する。
このようにして袋ナット3を完全に締め込むと、止め輪5と絶縁リング4間に当初存在していた隙間60、61がなくなり、止め輪5と絶縁リング4を継手本体2の外周面に芯ずれを起こすことなく確実に面接触させることができるので、これらが一体となって継手の曲げ強度を向上させる。特に、止め輪5の曲折円弧部53aが、絶縁リング4の曲折円弧部43bに食い込むことにより、止め輪5を絶縁リング4に圧接し、絶縁リング4の密度を高めることで、継手の曲げ強度をより向上することができる。
また、継手本体2の外周面に面接触した絶縁リング4、止め輪5が一体となって継手の強度を向上させているので、継手1に曲げ荷重が作用した際の曲げ荷重の支点(作用点)が、図2に示すように、絶縁リング4の曲折部43と円筒部42との接続位置B付近に移動し、絶縁リング4の曲折円弧部43bに応力集中が生じないため、絶縁リング4の破損が防止され、継手の曲げ強度が向上する。なお、図2では、説明の便宜のため、隙間61を残して図示している。
さらに、継手本体2が傾く原因となる絶縁リング4と止め輪5の間の隙間60、61がなくなるだけでなく、袋ナット3の内周段部31の内周面31dと止め輪5の円筒部52の外周面52aの間隔が小さいため、継手本体2に曲げ荷重が作用しても継手本体2が傾く余地が殆んどないので、継手本体2の傾きを抑制し、配管とのガスケットシール性を維持することができる。
次に、図4により、本発明における絶縁継手の組立方法及び接合方法を説明する。
先ず、絶縁リング4、止め輪5をそれぞれ拡径し、継手本体2のフランジ部24外周に仮装着する(図4(a)参照。)。次に、継手本体2のフランジ部24側から袋ナット3を挿入すると、袋ナット3の切欠きテーパ面31aに押された絶縁リング4と止め輪5が移動停止壁28に当接する(図4(b)参照。)。さらに袋ナット3を挿入することにより、絶縁リング4のテーパ面41aを袋ナット3の切欠きテーパ面31aに滑らせ、絶縁リング4を縮径させる(図4(c)参照。)。袋ナット3をさらに挿入することにより、絶縁リング4が袋ナット3の嵌合凹部33に対向し、拡径する(図4(d)参照。)。袋ナット3をさらに挿入して止め輪5の傾斜角部56を袋ナット3の切欠きテーパ面31aに滑らせ、止め輪5を縮径させる。この時、止め輪5の内周に位置する絶縁リング4は、再度縮径する(図4(e)参照。)。さらに袋ナット3を挿入すると、絶縁リング4と止め輪5が拡径して袋ナット3の嵌合凹部33に係合する(図4(f)参照。)。絶縁リング4と止め輪5が嵌合凹部33に係合した袋ナット3を継手本体2のフランジ部24に係合させると組立が終了する(図4(g)参照。)。
このように組み立てた絶縁継手1に配管7を接合する際に、袋ナット3を締め込んでガスケット6を押圧すると、継手本体2のフランジ部24のフランジ形成面25と絶縁リング4の曲折部43の曲折円弧部43aとが、次に絶縁リング4の曲折部43の曲折円弧部43bと止め輪5の曲折部53の曲折円弧部53aとが、さらに止め輪5の縦外面54と袋ナット3の内周段部面31cとが順次押圧固定される。
また、この時、袋ナット3内周のテーパ部31bから止め輪5のテーパ部55に押圧力が作用するため、止め輪5には外周全面から圧縮力が作用して調芯されながら縮径するので、最終的には止め輪5及び絶縁リング4が芯ずれを起こすことなく継手本体2の袋ナット移動凹部26の周囲に面接触して固定され、その結果、絶縁継手の曲げ強度が増加する。
次に、本発明における絶縁継手の効果を実施例と比較例により説明する。
実施例及び比較例として、継手呼び径25の絶縁継手に使用する絶縁リングと止め輪を図2に示す形状で製作した。なお、絶縁リングの材質にはPPSを、止め輪の材質には青銅合金を使用した。実施例は、絶縁リングの曲折円弧部のアールを止め輪の曲折円弧部のアールよりも大とし、絶縁リングの円筒部の厚さを変化させた。比較例は、曲折円弧部のアールと止め輪の曲折円弧部のアールを等しくし、絶縁リングの円筒部の厚さと止め輪の円筒部の厚さを変化させた。これらの寸法の組合せは、表1に示すとおりである。
Figure 0006591174
また、参考例として、図5に示す形状の絶縁リング71と止め輪72を準備した。この絶縁リング71は、止め輪72が当接する側のアールが極めて小さく形成されおり、また、止め輪72は円筒部を備えていない。この絶縁リング71と止め輪72の材質には、実施例及び比較例と同じPPS及び青銅合金を使用した。また、絶縁リング71と止め輪72の細部の寸法は表1に示すとおりである。
図6に示す試験装置75により本発明における絶縁継手の効果を確認した。供試品を装着する絶縁継手76の端部である袋ナット77に配管78を接続し、この配管78を袋ナット77の近傍で万力(バイス)79に固定した。絶縁継手76の他端である伸縮可撓式継手構造80(水道用ステンレス鋼管継手:JWWA G116)に、長さ1000mmの水道用ステンレス鋼管(JWWA G115)81を接続し、このステンレス鋼管の他端には他の継手82とバルブ(図示せず)を設けて閉塞している。水道用ステンレス鋼管81には図示しない手動ポンプと圧力計を接続し、水道用ステンレス鋼管81内に封入された水に対する加圧と圧力の計測ができるようにしている。また、伸縮可撓式継手構造80の端部80aからの距離Lが1000mmの位置にデジタルプッシュプルゲージ83を当て、水道用ステンレス鋼管81を介して絶縁継手76に曲げ荷重を作用させるとともに、その荷重を計測するように構成した。
供試品を絶縁継手76に装着した後、水道用ステンレス鋼管81内の水を手動ポンプにより1.75MPaまで加圧し、袋ナット77と継手本体間の絶縁性をテスターによる導通チェックで確認した。その後、デジタルプッシュプルゲージ82を介して水道用ステンレス鋼管81に曲げ荷重を試験環境の床面に対して水平に加え(矢印Pの方向)、袋ナット77の接合部(ガスケット部)から漏水を生じた際の荷重である「漏れ荷重」と、漏水後に手動ポンプを操作しても水圧が上昇しなくなった際の荷重である「破壊荷重」を計測した。
実施例、比較例及び参考例の試験結果を表1に示す。また、表1に示された試験結果をグラフに表したものを図7に示す。図7から、参考例に比べると、実施例及び比較例の破壊荷重が概ね大きいことが確認できる。また、比較例に比べると、実施例の漏れ荷重、破壊荷重がともに概ね大きくなることを示している。このことから、絶縁リングの曲折円弧部の半径を止め輪の曲折円弧部の半径より大きくすると、継手の曲げ強度を効果的に向上させ得ることを確認することができた。一方で、絶縁リングの円筒部厚も漏れ荷重及び破壊荷重に関連すると思われるので、絶縁リングの円筒部厚を適切に選択することも継手の曲げ強度を増加させる上で重要であると考えられる。
従って、他の呼び径の継手に適合した絶縁リング及び止め輪を製作する際等には、実際に今回実施したような試験を行って各部の寸法を決定することが必要である。
以上説明したように、本発明における絶縁継手と接合方法は、継手の組立時や袋ナットを用いた配管との接合時に必要な部品同士の隙間を確保しつつ、曲げ荷重に対する継手本体の傾きを抑止して継手の曲げ荷重に対する強度を増加させ、配管とのガスケットシール性を維持することができるので、施工作業を容易にするとともに施工品質を向上させることができ、その価値は非常に大きいものがある。
1 絶縁継手
2 継手本体
3 袋ナット
31 内周段部
31a 切欠きテーパ面
31b テーパ部
31c 内周段部面
33 嵌合凹部
4 絶縁リング
41 大径部
42 円筒部
43 曲折部
5 止め輪
51 鍔部
52 円筒部
53 曲折部
54 縦外面
6 ガスケット
7 配管
75 試験装置
B 絶縁リングの曲折部と円筒部との接続位置
L 曲げ荷重の作用点までの長さ
P 曲げ荷重の作用方向

Claims (5)

  1. 継手本体と配管とをガスケットを介して継手本体に設けた袋ナットで前記配管の接続端部に螺着して接続する継手であって、前記継手本体の接合端部に設けたフランジ部に略断面L字形の拡縮可能な絶縁リングを係合し、この絶縁リングと前記袋ナットの内周段部面との間に略断面L字形の拡縮可能な止め輪を介在させるとともに、前記絶縁リングの曲折部の止め輪側の曲折円弧部のアールを前記止め輪の曲折部の絶縁リング側の曲折円弧部のアールより大としたことを特徴とする絶縁継手。
  2. 前記袋ナットの締付け時に前記絶縁リングの円筒部と前記止め輪の円筒部とが面接触して曲げ強度を向上させた請求項1に記載の絶縁継手。
  3. 前記袋ナットの締付け時に、前記ガスケットから継手本体のフランジ部を介して絶縁リングの曲折円弧部が止め輪の曲折円弧部に食い込んで曲げ荷重の支点を前記絶縁リングの曲折部と円筒部との接続位置付近に移動させた請求項1又は2に記載の絶縁継手。
  4. 前記袋ナットの締付け時に止め輪の縦外面と前記袋ナットの前記内周段部面とが強く当接することにより、芯ずれを防いで曲げ強度を増すようにした請求項1乃至のいずれか1項に記載の絶縁継手。
  5. 前記絶縁リングと前記止め輪には、長さ方向に沿ってそれぞれスリット切欠き形成されている請求項1乃至のいずれか1項に記載の絶縁継手。
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