JP6590531B2 - 自走式電子機器 - Google Patents
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Description
さらに、充電池が筐体内部に固定配置されている場合には、掃除機本体そのものと一体として充電作業をする必要があり、その充電中は、掃除ができないという問題がある。
しかし、掃除や自動走行を実行している途中に、単に、使用する充電池を他方に切り替える場合、掃除用モータや走行用モータにかかる電圧に大きな変動が生じ、モータの駆動に影響を及ぼし、予期しない動作をする場合や、動作不良になる場合もある。
また、充電池のセルの残容量(出力電圧)の低下以外にも、セルの不良やセルの発熱異常などが生じている場合には、安全性等の観点から、そのような異常状態の充電池への切り替えは行われないことが望ましい。
また前記各充電池は、前記電池セルの温度を検出する温度検出部をさらに備え、前記第2通信部が、前記温度検出部によって検出された温度情報を、前記第1通信部に送信し、前記制御部は、受信した温度情報を、動作可能な充電池を選択するために利用することを特徴とする。
この発明によれば、充電池ごとに取得したセル情報と、温度情報と、出力電圧とを利用して動作可能な充電池を選択し、動作可能な充電池が複数個ある場合は、出力電圧あるいは充電回数に基づいて使用すべき1つの充電池を選択するので、動作できない充電池が使用されることを未然に防止でき、さらに異常がなく出力電圧が低下していない充電池を選択することによって、電子機器を安全にできるだけ長時間使用することができる。
これによれば、電源スイッチが押された場合に、セル情報、温度情報、充電回数および出力電圧を利用して、使用すべき充電池が選択されるので、充電池の使用開始前に、充電池の動作可能状況を考慮して、電子機器の所定の機能を実行させるのに適切な充電池が選択されるようにすることができる。
これによれば、使用すべき1つの充電池を利用して所定の機能を実行している場合において、その充電池について新たに取得したセル情報、温度情報および出力電圧によって、電池セル異常状態、温度異常状態、出力電圧の低下状態のいずれかの状態が生じていることを検出した場合、他の動作可能な充電池を電源部に接続し、上記異常状態などが生じた充電池を解除するようにしているので、使用中の充電池の異常が原因で電子機器が機能停止する前に、他の動作可能な充電池に切り替えて、機能を継続することができる。
これによれば、掃除機能および走行機能を実行しているときに、使用している充電池が、電池セル異常状態、温度異常状態、出力電圧の低下状態のいずれかの状態となった場合、実行していた掃除機能および走行機能を停止した後、使用している充電池から他の動作可能な充電池に切り替えて、掃除機能および走行機能を再開するので、充電池の切替時に出力電圧の大きな変動が生じたとしても、意図しない動作が起こらないようにすることができ、掃除機能等の安全化を図ることができる。
なお、これによって、この発明が限定されるものではない。
図1に、この発明の自走式掃除機の一実施例の構成ブロック図を示す。
ここでは、自走式電子機器の一実施例として、自走式掃除機100について説明する。
ただし、自走式電子機器は、少なくとも充電池を備え、自動走行制御を行って、所定領域を移動する機能を有する電子機器であればよく、自走式掃除機に限定するものではない。
たとえば、自走式空気清浄機、自走式イオン発生機、ユーザが要求した機能を実行する自走式ロボット等も、自走式電子機器に含まれる。
図1において、この発明の自走式掃除機100(以下、単に、掃除機とも呼ぶ)は、充電池1と掃除機本体2とからなり、充電池1は、複数個の充電池から構成される。
残容量が減少し出力電力が低下した充電池のみを取り外して、図示しない充電器に装着して充電をするために、充電池は、ユーザが着脱することが可能な構成とすることが好ましい。各充電池を着脱可能とすることにより、1つの充電池を取り出して充電しているときでも、他の動作可能な充電池のみを本体2に収納した状態で、掃除をすることが可能となる。
また、収納する複数の充電池は、定格電圧、出力電流能力、インターフェース仕様(物理仕様、電気仕様、ソフト仕様)が適合していれば、定格容量、残容量、寿命などがそれぞれ異なる充電池を混載してもよい。
さらに、充電池の形状、大きさが同一であって、掃除機本体の内部空間に収納できる充電池であれば、掃除機以外の他の用途で利用されている充電池を使用してもよい。
ただし、1または複数の充電池を筐体内部に固定配置してもよい。
たとえば、掃除機本体2の筐体内部に、複数の充電池を設置できる空間を設け、本体2の上面パネルを取り外した後、上記空間内にある残容量の少なくなった充電池を取り外し、上記空間内に充電済みの充電池を取り付ければよい。
掃除機本体2は、従来と同様に、充電池1から出力された電力を利用して、掃除機能や自律的に走行する走行機能等を実行する部分である。
充電池1(BT1)は、主として、制御部11、電池セル12、セル状態検出部13、通信部14、温度検出部15、記憶部16を備える。
充電池1を複数個備える場合、他の充電池(BT2〜BTn)も、同様の構成を備える。充電池1は、自走式掃除機100に装着されると、電源線4と通信線5を介して、掃除機本体2に接続される。
あるいは、充電池1と掃除機本体2に、それぞれ電源端子と通信端子とを備え、充電池1が本体内に装着されたときに、互いの電源端子と通信端子がそれぞれ接触するように構成してもよい。
通信線5は、充電池1と本体2の互いの通信部(14,26)を接続するラインであり、この通信線5を介して所定の情報が双方向通信される。
電池セル12は、充電可能な蓄電装置であり、具体的には、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池などが用いられる。
セル状態検出部13は、電池セル12に内蔵してもよく、あるいは、電池セルの近傍に取り付けてセルの状態を検出するようにしてもよい。セル状態検出部13は、電池セル12から、異常状態を示す情報を検出した場合に、電池セル12に異常が発生したことを示す信号を制御部11に送る。
制御部11は、セル状態検出部13から得た信号に基づいて、セルの状態を示すセル情報を、通信部14を介して、掃除機本体2に送信する。
温度検出部15は、電池セル12の温度を検出する部分であり、いわゆる温度センサーに相当する。温度検出部15によって検出された温度情報は、通信線5を介して、本体2の通信部26へ送信される。
充電池1は、上記のような構成に限るものではなく、これらの構成の他に、たとえば、充電器に接続して充電を行うための充電端子を備える。
図1において、掃除機本体2は、主として、制御部21,電源部22,切替スイッチ23,接続切替部24,電圧検出部25,通信部26,走行機能部27,掃除機能部28,入力部29を備える。
制御部21は、掃除機1の各構成要素の動作を制御する部分であり、主として、CPU,ROM,RAM,I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータにより実現される。CPUは、ROM等に予め格納されたプログラムに基づいて、各種ハードウェアを有機的に動作させて、この発明の掃除機能、走行機能、充電池の切替機能などを実行する。たとえば、制御部21は、各充電池から取得した情報と、検出された各充電池の出力電圧に基づいて、使用すべき1つの充電池を選択する。
切替スイッチ23は、充電池1の電池セル12に接続された電源線4と、電源部22との間に配置され、電池セル12から電源線4を介して供給される電力の供給経路を、接続および解除(遮断)する部分である。
接続切替部24は、電源部22と各充電池との接続および解除を行う部分であり、具体的には、切替スイッチ23の接続および解除を制御する部分である。
接続切替部24が、各切替スイッチ23をそれぞれ制御することによって、電力を供給する充電池が選択され、選択された充電池が電源部22に接続される。掃除機能等の実行中は、原則として、1つの電池セル12のみが、電源部22に接続されるように、切替スイッチ23を切り替える。
たとえば、各充電池の充電回数17,各充電池の温度検出部15によって検出された温度情報、各充電池のセル状態検出部13によって検出されたセル情報を受信する。
受信された情報は、それぞれ、受信充電回数41,受信温度情報42,受信セル情報43、電池ID情報49として、充電池ごとに、記憶部40に記憶される。
また、筐体側面に設けられたマイクロスイッチからなる障害検知部、壁や机などの対象物までの距離を測定する超音波センサや赤外線センサを用いて、障害物を避けながら、所定の領域内を自動走行させる。
このような走行機能部27および掃除機能部28の動作は、電源部22から各機能部のハードウェアに与えられる動作電源電圧30によって実行される。
電源スイッチは、ユーザが電源投入操作を行うためのスイッチであり、すべての充電池の電源線4に接続される。電源スイッチが押された(オン入力)場合、各電池セル12に接続された電源線4から、それぞれ電力が本体2内に供給され、少なくとも、制御部21,接続切替部24,電圧検出部25,通信部26が動作できる状態となる。
記憶部40には、主として、受信充電回数41,受信温度情報42,受信セル情報43,検出出力電圧44,使用電池情報45,電圧判定条件46,温度判定値47,選択電池条件48、電池ID情報49などが、記憶される。
受信温度情報42は、充電池の電池セル12の温度であり、充電池ごとに記憶される情報である。
受信セル情報43は、充電池の電池セル12の状態(正常または異常)を示す情報であり、充電池ごとに記憶される情報である。
上記した3つの情報(41,42,43)は、通信線5を介して、各充電池1から送られてくる情報である。
検出出力電圧44は、電圧検出部25によって検出される情報であり、各充電池の電池セル12から出力される電力の電源電圧値であり、充電池ごとに記憶される。
図3(a)に、n個の各充電池から取得される情報を示す。上記したように、n個の充電池(BT1〜BTn)から、情報(41〜44,49)を取得し、記憶部40に記憶する。いずれの情報も変化するものであるので、書き換え可能なメモリに記憶される。
電圧判定条件46は、充電池から取得された検出出力電圧と比較されるしきい値電圧を記憶したものであり、予め適合する電池型番毎に固定的に設定されている情報である。検出出力電圧(V)と、しきい値電圧とを比較することにより、後述するように、使用する充電池の選択や、充電池の切替判定、掃除の可否判定などの処理が行われる。
運転停止電圧Vaは、掃除機能等の実行を許可するか否かを判断するためのしきい値電圧であり、掃除運転時の電圧Va1と、掃除停止時の電圧Va2とを別々に設定している。
たとえば、掃除運転時のしきい値電圧Va1=15.5(V)、掃除停止時のしきい値電圧Va2=16(V)とする。
ここで、一般的に、Va1<Va2であるが、これは、電池セルの内部インピーダンスにより出力電流の大きい方が出力電圧が低くなるためである。
たとえば、Vc=13(V)が設定され、現在使用中の充電池の検出出力電圧Vが、このしきい値電圧Vcよりも小さい場合(V<Vc)、速やかに電源遮断するか、あるいは、他の動作可能な充電池に切り替える。
たとえば、温度判定値47として、0度から40度(=To)が予め設定され、受信された温度情報(T)が、T≧Toとなっていた場合、電池セルに温度異常が発生していると判断し、掃除機能等の動作を停止させるか、あるいは、他の動作可能な充電池に切り替える。
図3(c)に、選択電池条件48の一実施例の説明図を示す。
ここでは、3つの選択電池条件48を示している。この3つの条件のうち、どの条件を使用するかを、予め設定しておく。
すなわち、図3(a)に示すように、複数の充電池から受信した充電回数(JC1〜JCn)を比較し、そのうち最も小さい充電回数を持つ充電池を、使用する充電池として選択する。一般的に、充電池は、充電回数が増加すれば、最大電池容量が少なくなる傾向があるので、充電回数の小さい充電池を選択した方が、動作時間を長くすることができる。
すなわち、図3(a)に示したように、取得した複数の充電池の検出出力電圧44(VB〜VBn)を比較し、検出出力電圧44が最も大きい値を示した充電池を、使用する電池に選択する。
これによれば、現在検出された出力電圧のうち、最も出力電圧が大きい充電池が選択されるので、動作時間を長くすることができる。
充電池番号が数字でなく、アルファベットを含む製造番号のようなものである場合は、アルファベット順などの特定の順序に基づいて、充電池を選択すればよい。
あるいは、充電池を装着するスロット位置に、番号が付与されている場合、番号の小さい方に装着されている充電池を選択してもよい。
なお、選択電池条件48は、図3(c)に示すような3つの条件に限るものではなく、必要に応じて他の条件を利用してもよい。
電池ID情報49は、搭載された充電池の型番や製造日など充電池固有の情報であり、読み出した型番が適合外である場合は選択電池から除外する。ここで適合外であるか否かは、たとえば、掃除機本体記憶部40に記録している適合電池型番リストと照合して判断する。また、電池型番情報に基づいてそれぞれの放電特性に最適なしきい値を設定することができる。
図2では、2つの充電池1(BT1,BT2)を備え、2つの電源線4にそれぞれ切替スイッチ23(SW1,SW2)が接続されているものを示す。なお、図2には、図1の接続ブロックの一部分を省略して図示している。
図2において、充電池1の電池セル12は、+端子と、−端子を持ち、+端子は電源線4に接続され、−端子は本体2と共通の接地点(GND)に接続される。
また、電源線4は、電圧検出部25にも接続され、電池セル12の+端子に接続された電源線4に出力されている電圧が、電圧検出部25によって検出される。
たとえば、本体2の通信部26から、充電回数を取得するための充電回数要求信号が送信された場合、充電池1の記憶部16から充電回数17が読み出され、充電池1の通信部14から、その充電回数17が送信される。
また、温度情報要求信号が、本体2から充電池1に送信された場合、温度検出部15によって検出された温度情報が、通信線5を介して、本体2の通信部26に送信される。
また、電池セルの状態を取得するためのセル情報要求信号が、本体2から充電池1に送信された場合、セル状態検出部13によって検出された電池セルの状態を示すセル情報が、通信線5を介して、本体の通信部26に送信される。
ユーザによって電源スイッチが押された場合、図示しない電源供給経路が閉じ、すべての充電池からの合成電力によって、制御部21,電圧検出部25,接続切替部24,通信部26、記憶部40などが駆動されて、切替スイッチ23の切替ができるようになる。
図5に、充電池と電源部との接続の切替説明図を示す。
図5(a)は、2つの切替スイッチ23(SW1,SW2)が、どちらも解放されている状態を示しており、この場合、電源部22から出力される動作電源電圧30は、ゼロボルトである。
図5(b)は、2つの切替スイッチ23のうち、一方の切替スイッチSW1を接続して、充電池BT1の電池セル12からの電力を受けて、電源部22から、動作電源電圧30を出力している状態を示している。この場合、充電池BT1から供給される電力を利用して、掃除機1の各機能ブロックが動作することになる。
図5(d)は、2つの切替スイッチのうち、他方の切替スイッチSW2を接続して、充電池BT2の充電セル12からの電力を受けて、動作電源電圧30を出力している状態を示している。
たとえば、一方の充電池BT1の残容量が減少し、所定の動作電源電圧30を出力できなくなった場合などにおいて、掃除中に、他方の充電池BT2に切りかえる必要が生じた場合、切替スイッチ23を切りかえて、図5(b)の接続状態から、図5(d)の接続状態に切りかえることになる。
ただし、2つの充電池(BT1,BT2)のどちらからも電力が供給されていない状態を避けるために、一旦、図5(c)に示すように、2つの電池セル12を電源部22に接続させるように、2つの切替スイッチ23(SW1,SW2)を接続状態にする必要がある。
その後、切替スイッチSW2を接続状態として、図5(c)のように、両方の切替スイッチ23が接続状態となるようにした後、図5(d)に示すように、切替スイッチSW1を解放状態として、充電池BT2の電池セルのみが接続されるようにする。図5(d)の接続状態となった後に、停止させていた掃除機能と走行機能を再開させる。
そして、電圧検出部25によって出力電圧を判定し、さらに、通信部26によって各種情報を受信して、動作可能である充電池のうち、所定の選択電池条件に基づいて、使用すべき充電池を1つに決定する。使用すべき充電池が決定された後、使用しない充電池の電池セルの接続を解除する。これにより、図5(b)または図5(d)のいずれかの接続状態となり、掃除機能などが実行できる状態となる。
ここでは、図2に示すように、2つの充電池(BT1,BT2)を備えた場合について示す。
図4において、セル情報、温度情報は、通信線5を介して、充電池から受信した情報に基づいて、正常か異常かを判断した結果を示している。
すなわち、受信セル情報43によって、電池セルが正常に動作できる状態であると判断した場合を「正常」とし、電池セルに何らかの異常が発生し動作できない状態であると判断した場合を「異常」とする。
また、受信温度情報42によって、電池セルの検出温度が、温度判定値47と比較して、通常動作が可能と考えられる温度範囲内であれば「正常」とし、通常動作が可能でないと考えられる場合には「異常」とする。
選択充電池は、セル情報と温度情報と出力電圧との所定の組合せが満たされた場合に、2つの充電池(BT1,BT2)のうち、選択すべき充電池を示している。
図4には、図示していないが、組合せ条件としては、上記の他に、充電回数も考慮してもよい。
掃除可否は、セル情報と温度情報と出力電圧との所定の組合せが満たされた場合に、掃除動作を行ってもよいか否かを示したものである。ここでは、掃除動作に走行動作も含むものとし、掃除を許可する場合は走行動作も許可し、掃除を不可とする場合は走行動作も不可とするものとする。
すなわち、2つの充電池(BT1,BT2)とも、セル情報と温度情報とが「正常」であって、どちらの充電池とも、現在の出力電圧(V)がVa2以上の場合(V≧Va2)に、現在選択されている充電池がBT1であるとした場合に、充電池BT1から充電池BT2への切り替えを許可することを意味する。なお、図示していないが、選択された充電池がBT2であった場合は、充電池BT2から充電池BT1への切り替えを許可する。
2番目以降の他の条件の場合は、切り替えた後の他方の充電池のセル情報あるいは温度情報が「異常」であるか、あるいは、その充電池の出力電圧が電圧判定条件のしきい値電圧よりも低い場合であるので、他方の充電池への切替を不可とする。
すなわち、電源スイッチの解放状態と同じように、充電池の電池セルを電源部22から切り離し、掃除も他の充電池への切替も、不可とする。
ただし、他方の充電池の出力電圧(V)が、Va1,Va2,Vcのいずれかよりも小さい場合は、充電池を選択することなく、掃除運転も停止させる。
複数の充電池が搭載されている場合、図4に示したような条件が成立するときに、動作可能な充電池のうち、1つの充電池が選択され、掃除等の処理が可能な出力電圧を出力している場合には、その選択された充電池を使用して、掃除等の処理を実行させるようにする。
これにより、複数の充電池が存在する場合は、セル情報と温度情報を利用して、動作可能な充電池を選択するとともに、一方から他方の充電池に切り替え可能な場合にのみ、他方の充電池に切り替えるようにしているので、より効率的かつ長時間の掃除や走行機能を実行させることができる。
図6に、充電池の接続選択処理の一実施例のフローチャートを示す。
ここでは、自走式掃除機が停止している状態において、ユーザによって電源を投入する電源スイッチが押された場合に、複数の充電池のうち、いずれか1つの使用すべき充電池を選択するまでの処理について説明する。
そして、動作可能な充電池が複数個ある場合は、動作可能な充電池の出力電圧あるいは充電回数等に基づいて、使用すべき1つの充電池を選択する。その後、選択された1つの充電池のみを、電源部22に接続する。
ステップS2において、ユーザによって、電源投入(オン)のための電源スイッチが押し下げられたか否かがチェックされる。電源スイッチが入力された場合、ステップS3に進み、その他の場合は、スイッチS1に戻る。
電源スイッチが入力されると、少なくとも、制御部21と接続切替部24が起動させられる。
ステップS4において、電圧検出部25が、各充電池から出力される出力電圧を検出し、記憶部40に、充電池ごとに、検出出力電圧44として記憶する。
ステップS7において、制御部21は、通信部26を介して、各充電池の充電回数を取得し、受信充電回数41として記憶する。ここで、各充電池1に対して、充電回数要求を送信し、充電池の制御部11は、記憶部16に記憶されている充電回数17を読み出して、通信線5を介して、本体の通信部26に送信する。
ここで、受信セル情報43の中に、異常を示す情報があれば、対応する充電池の電池セルが「異常」と判断し、異常を示す情報がなければ、電池セルは、「正常」と判断する。
また、受信温度情報42と、予め記憶されている温度判定値47とを比較し、受信した温度情報が、温度判定値の示す正常な温度範囲内にあれば、温度は「正常」と判断し、正常な温度範囲内になければ、電池セルの温度は「異常」と判断する。
ここでは、異常が検出された充電池の電池セル12に接続された切替スイッチ23を切り替えて、その接続点を解放する。その後、ステップS13へ進む。
ステップS13において、電圧検出部25によって検出された各充電池の出力電圧を、電圧判定条件46を用いて、判定する。
たとえば、V<Va2の場合と、V<Vcの場合は、充電池の検出出力電圧Vが低いので、その充電池は動作可能でないと判断する。一方、V≧Va2の場合は、その充電池は動作可能であると判断する。
すなわち、電圧低下した充電池に接続された切替スイッチ23を解放する。その後、ステップS16へ進む。
ステップS17において、動作可能な充電池が1つもない場合は、処理を終了する。あるいは、動作可能な充電池が1つもないことや、充電池の充電が必要なことを、表示または音声等を利用して、ユーザに報知してもよい。
この場合、その後の走行処理および掃除処理をするための充電池が1つに確定する。
ステップS19からステップS27において、動作可能な充電池が複数個存在するので、予め設定された選択電池条件48に基づいて、実際に使用すべき1つの充電池を選択する。
ステップS19において、記憶部40から、選択電池条件48を読み出す。
ステップS21において、複数の動作可能な充電池の出力電圧の大きさを比較する。
ステップS22において、比較の結果、最高出力電圧を示している充電池を使用することに決定する。ここで、最高出力電圧の充電池のみを電源部22に接続し、他の充電池の接続を解除する。
また、使用電池情報45に、使用することに決定された充電池の情報を記憶し、処理を終了する。
なお、最高出力電圧が同一の充電池が複数個ある場合は、それらの充電池のうち、任意の充電池を選択すればよい。
ステップS25において、比較の結果、最小充電回数を示している充電池を使用することに決定する。最小充電回数が同一の充電池が複数存在する場合は、それらの充電池のうち任意の充電池を選択すればよい。ここで、最小充電回数の充電池のみを電源部22に接続し、他の充電池の接続を解除する。
また、使用電池情報45に、使用することに決定された充電池の情報を記憶し、処理を終了する。
ステップS27において、比較の結果、最小番号の充電池を使用することに決定し、最小番号の充電池のみを電源部22に接続し、他の充電池の接続を解除する。
また、使用電池情報45に、使用することに決定された充電池の情報を記憶し、処理を終了する。
図7および図8に、この発明の充電池接続切替処理の一実施例のフローチャートを示す。
ここでは、電源投入操作がされて、図6に示した接続選択処理によって使用する1つの充電池が選択された後に、掃除および走行処理を実行中に、使用する充電池を切り替える場合について説明する。
この発明では、掃除処理および走行処理を実行中に、充電池の出力低下等の原因の発生のため、充電池を切り替える必要がでてきた場合は、一旦、掃除処理および走行処理を停止した後に、使用する充電池を、動作可能な他の充電池に切り替えることを特徴とする。
ステップS52において、掃除機能を起動させる入力があったか否かをチェックする。
掃除起動入力があった場合は、ステップS53へ進み、ない場合は、ステップS51へ戻る。掃除機能を起動させる入力としては、たとえば、ユーザが、掃除起動スイッチを押した場合、起動タイマーが設定されておりそのタイマーの設定時刻が到来した場合などがある。
ステップS54において、記憶部40から使用電池情報45を読み出す。
ステップS55において、複数の充電池のうち、使用電池情報45によって特定される使用中の充電池から、通信線5を介してセル情報と温度情報を取得し、さらに電圧検出部25によって、使用中の充電池の電池セルから出力されている出力電圧を検出させる。
ステップS56において、上記したステップS8と同様に、取得したセル情報と温度情報とを用いて、使用中の充電池のセル異常および温度異常があるか否かをチェックする。
ステップS58において、ステップS11と同様に、使用中の充電池の出力電圧が低下していないかどうかを判定する。ここでも、現在の検出出力電圧(V)と、図3(b)のしきい値電圧との差異を用いて判定する。
ステップS60において、使用中の充電池に異常が発生し、あるいは、その出力電圧が所定値よりも低下した場合には、現在行っている掃除処理と走行処理を停止させる。
ここで、他の充電池のセル情報、温度情報および出力電圧を取得して、これらの取得された情報に異常がなく、出力電圧も正常な数値を示している場合に、他の充電池が動作可能な充電池であると判断する。
一方、セル異常あるいは温度異常、出力電圧が所定よりも低下していることのいずれかが検出された場合は、その充電池は動作できない充電池と判断する。
あるいは、もし、充電台へ戻ることができる程度の電力が残っている場合、たとえば、使用中の充電池の出力電力VがVa1よりも小さく、Vc以上の場合(Vc≦V<Va1)、充電台のある位置まで、帰還する処理を実行してもよい。
ステップS65において、接続切替部24が、1つの動作可能な充電池を電源部22に接続するように、切替スイッチ23を切り替える。すなわち、現在使用中の充電池を電源部22に接続したままで、他の動作可能な1つの充電池も電源部22に接続する。
ステップS67において、使用電池情報45に、上記切替後に電源部22に接続した充電池の情報を記憶させる。
ステップS68において、停止させていた掃除処理および走行処理を再開させる。その後、ステップS53へ戻り、上記した一連の処理を繰り返し実行する。
ステップS72において、選択電池条件48が出力電圧判定をするものに設定されていた場合は、ステップS73とS74を実行し、複数の充電池の出力電圧を比較した結果、最高の出力電圧を示した充電池を、電源部22に接続させる。
また、ステップS75において、選択電池条件48が、充電回数による判定をするものに設定されていた場合は、ステップS76とS77を実行し、複数の充電池の充電回数を比較した結果、最小の充電回数を示した充電池を、電源部22に接続させる。
なお、最高出力電圧、あるいは、最小充電回数が同一の充電池が複数存在する場合は、それらの充電池のうち、任意の1つの充電池を選択すればよい。その後、図7のステップS66へ進む。
また、掃除中あるいは走行中において、他の充電池に切り替える必要が生じたときには、一旦、掃除処理および走行処理を停止した後に、充電池の切替処理を行い、その後、掃除処理等を再開するので、掃除中等に、モータにかかる電圧に大きな電圧変動が生じることがなく、意図しない走行動作等を防止することができる。
(実施形態1)
上記実施形態では、動作可能な充電池を選択する条件として、セル情報、温度情報および出力電圧を利用したが、これらに限るものではない。たとえば、その他の選択条件として、充電回数と、充電回数のしきい値とを利用し、現在の充電回数が、予め設定された充電回数のしきい値以上となっていた充電池は、動作可能な充電池から除外してもよく、あるいは、選択する優先順位を低くしてもよい。
複数の動作可能な充電池の中から1つの充電池を選択する条件として、最高出力電圧や、最小充電回数を利用していたが、電源投入時に、すべての充電池を接続して種々の情報を取得したときに、検出した出力電圧の大きさの順序や、取得した充電回数の大きさの順序をチェックし、充電池を切り替える場合の優先順位を、各充電池に付与してもよい。充電池を切り替える必要が生じた場合は、充電回数等を利用して付与した優先順位に従って、優先順位の高いものから順に、使用すべき充電池を選択すればよい。
上記実施形態では、充電池の異常を検出する条件として、セル異常および温度異常とを利用したが、これに限るものではない。たとえば、充電池の製造年月日が情報として取得することができる場合は、この製造年月日を利用し、装着された充電池が現在よりも何年前に製造されたものであるかをチェックし、所定の年数以前に製造されたものは、異常ではないが、動作可能な充電池から除外するようにしてもよい。
また、その他の異常を検出する条件としては、たとえば、充電池の近傍に設置された結露センサを利用し、予め設定されたレベル以上の結露が発生していることを検知した場合は異常と判断すればよい。
動作可能な充電池が複数個存在する場合、使用する1つの充電池を選択するために、出力電圧、充電回数、および充電池の番号を利用したが、これに限るものではない。たとえば、充電池を装着する位置を特定する番号、電池の定格容量等を利用してもよい。電池の定格容量を利用する場合は、電池切り替えまでの最初の運転時間が常に最長になるよう、大容量の充電池を優先的に選択するようにすればよい。
Claims (5)
- 複数の充電池を備えた自走式電子機器であって、
電子機器の動作電源電圧を生成する電源部と、
前記電源部と各充電池との接続および解除を行う接続切替部と、
各充電池から出力される出力電圧を検出する電圧検出部と、
各充電池と通信し、各充電池の所定の情報を取得する第1通信部と、
制御部とを備え、
前記各充電池は、充電可能な電池セルと、前記電池セルの状態を検出するセル状態検出部と、充電回数を記憶した記憶部と、第2通信部とを備え、
前記第2通信部は、前記セル状態検出部によって検出された電池セルの状態を示すセル情報と、前記記憶部に記憶された充電回数とを、前記第1通信部に送信し、
前記制御部は、充電池ごとに取得した前記セル情報と、前記検出された充電池ごとの出力電圧とを利用して動作可能な充電池を選択し、
動作可能な充電池が複数個ある場合に、予め設定された選択電池条件に基づいて、複数の動作可能な充電池の前記出力電圧あるいは前記充電回数を比較し、動作可能な充電池のうち、前記検出された出力電圧が最大の充電池を使用すべき1つの充電池として選択するか、あるいは、前記充電回数が最小の充電池を使用すべき1つの充電池として選択し、
前記接続切替部が、前記選択された充電池と前記電源部とを接続し、
前記電源部が、前記接続された充電池から供給される電力を利用して動作電源電圧を生成して、前記制御部が、自走式電子機器の所定の機能を実行させることを特徴とする自走式電子機器。 - 前記各充電池は、前記電池セルの温度を検出する温度検出部をさらに備え、
前記第2通信部が、前記温度検出部によって検出された温度情報を、前記第1通信部に送信し、前記制御部は、受信した温度情報を、動作可能な充電池を選択するために利用することを特徴とする請求項1に記載の自走式電子機器。 - 電源投入操作を行うための電源スイッチを、さらに備え、
前記電源スイッチが押された場合、 前記接続切替部によって、すべての充電池を前記電源部に接続した後、前記電圧検出部が、各充電池から出力される出力電圧を検出し、前記第1通信部が、前記各充電池の第2通信部から送信されるセル情報、温度情報、および検出した充電回数を受信し、
前記制御部が、受信した各充電池のセル情報、温度情報、充電回数および出力電圧を利用して、使用すべき1つの充電池を選択した後、前記接続切替部によって、選択された1つの充電池のみを前記電源部に接続し、他の充電池は前記電源部に接続しないようにすることを特徴とする請求項2に記載の自走式電子機器。 - 前記セル情報が、充電池の電池セルが異常状態であることを示している場合と、前記温度情報が、充電池の所定の正常動作範囲外の温度であることを示している場合と、前記出力電圧が所定の出力電圧しきい値よりも低下している場合のいずれかが成立している充電池が存在する場合、
その充電池は、使用すべき充電池として選択されないことを特徴とする請求項3に記載の自走式電子機器。 - 前記充電池から検出された出力電圧と比較するしきい値電圧からなる電圧判定条件を記憶した第2記憶部を備え、
現在使用中の充電池の出力電圧が前記しきい値電圧よりも小さい場合に、他の動作可能な充電池に切り替え、他の動作可能な充電池が無い場合は前記所定の機能を停止させ、
前記しきい値電圧は、運転停止を判断する基準となる運転停止電圧と、過放電による充電池の劣化を防止するための放電電圧の最低値である動作禁止電圧とを含むことを特徴とする請求項1に記載の自走式電子機器。
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