JP6590469B2 - 光学ガラス、レンズプリフォーム及び光学素子 - Google Patents
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Description
Li2O成分 0〜10.0%
Na2O成分 0〜15.0%
K2O成分 0〜15.0%
である(1)記載の光学ガラス。
MgO成分 0〜15.0%
CaO成分 0〜15.0%
SrO成分 0〜15.0%
BaO成分 0〜30.0%
である(1)から(4)のいずれか記載の光学ガラス。
TiO2成分 0〜25.0%
Bi2O3成分 0〜10.0%
である(1)から(7)のいずれか記載の光学ガラス。
SiO2成分 0〜10.0%
B2O3成分 0〜10.0%
Al2O3成分 0〜10.0%
である(1)から(11)のいずれか記載の光学ガラス。
Y2O3成分 0〜10.0%
La2O3成分 0〜10.0%
Gd2O3成分 0〜10.0%
Yb2O3成分 0〜10.0%
である(1)から(13)のいずれか記載の光学ガラス。
GeO2成分 0〜10.0%
TeO2成分 0〜15.0%
ZrO2成分 0〜10.0%
Ta2O5成分 0〜10.0%
Ga2O3成分 0〜10.0%
SnO2成分 0〜10.0%
Sb2O3成分 0〜3.0%
である(1)から(15)のいずれか記載の光学ガラス。
本発明の光学ガラスを構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。本明細書中で特に断りがない場合、各成分の含有量は、全て酸化物換算組成のガラス全質量に対する質量%で表示されるものとする。ここで、「酸化物換算組成」とは、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が熔融時に全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総質量を100質量%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
P2O5成分は、ガラス形成成分であり、且つガラス原料の溶解温度を下げる必須成分である。特に、P2O5成分の含有量を5.0%以上にすることで、ガラスの安定性及び可視域における透過率を高めることができる。従って、P2O5成分の含有量は、好ましくは5.0%、より好ましくは13.0%、さらに好ましくは18.0%、さらに好ましくは22.0%を下限とする。
他方で、P2O5成分の含有量を40.0%以下にすることで、高屈折率を得ることができる。従って、P2O5成分の含有量は、好ましくは40.0%、より好ましくは35.0%、さらに好ましくは32.0%を上限とする。
P2O5成分は、原料としてAl(PO3)3、Ca(PO3)2、Ba(PO3)2、BPO4、H3PO4等を用いることができる。
他方で、Nb2O5成分の含有量を60.0%以下にすることで、ガラスの耐失透性を高めることができる。従って、Nb2O5成分の含有量は、好ましくは60.0%、より好ましくは55.0%、さらに好ましくは50.0%を上限とする。
Nb2O5成分は、原料としてNb2O5等を用いることができる。
他方で、ZnO成分の含有量の上限は、好ましくは30.0%、より好ましくは25.0%、さらに好ましくは22.0%を上限としてもよい。
ZnO成分は、原料としてZnO、Zn(PO3)2、ZnSO4、ZnF2等を用いることができる。
特に、この合計含有量を0.1%以上にすることで、ガラス原料の溶解温度を低くでき、ガラス転移点を下げられ、且つガラスの耐失透性及び可視域の光についての透過率を高められる。従って、質量和(R2O+MO)は、好ましくは0.1%、より好ましくは1.0%、さらに好ましくは1.5%、さらに好ましくは2.0%を下限とする。
他方で、この合計含有量を40.0%以下にすることで、屈折率の低下やアッベ数の上昇を抑えられる。従って、質量和(R2O+MO)は、好ましくは40.0%、より好ましくは30.0%、さらに好ましくは25.0%を上限とする。
他方で、Li2O成分の含有量を10.0%以下にすることで、屈折率の低下やアッベ数の上昇を抑えられ、且つ耐失透性を高められる。従って、Li2O成分の含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは2.3%、さらに好ましくは1.5%を上限とする。
Li2O成分は、原料としてLi2CO3、LiPO3、LiNO3、LiF等を用いることができる。
他方で、Na2O成分の含有量を15.0%以下にすることで、屈折率の低下やアッベ数の上昇を抑えられる。従って、Na2O成分の含有量は、好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは7.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とする。
Na2O成分は、原料としてNa2CO3、NaH2PO4、NaNO3、NaF、Na2SiF6等を用いることができる。
他方で、K2O成分の含有量を15.0%以下にすることで、屈折率の低下やアッベ数の上昇を抑えられる。従って、K2O成分の含有量は、好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは7.0%を上限とする。
K2O成分は、原料としてK2CO3、KH2PO4、KNO3、KF、KHF2、K2SiF6等を用いることができる。
他方で、この合計量は0%超にしてもよい。これにより、ガラス転移点(Tg)を下げられ、且つ可視域の光についての透過率を高められる。従って、R2O成分の質量和は、好ましくは0%超、より好ましくは0.5%、さらに好ましくは1.0%を下限としてもよい。
他方で、この比率は、好ましくは30.00、より好ましくは20.00、さらに好ましくは15.00を上限としてもよい。
他方で、MgO成分の含有量を15.0%以下にすることで、耐失透性の低下及びガラス転移点の上昇を抑えられる。従って、MgO成分の含有量は、好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは7.0%を上限とする。
また、CaO成分及びSrO成分の各々の含有量を15.0%以下にすることで、耐失透性の低下及びガラス転移点の上昇を抑えられ、且つガラスの熱的安定性も高められる。従って、CaO成分及びSrO成分の各々の含有量は、好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%を上限とし、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
MgO成分、CaO成分及びSrO成分は、原料としてMgO、MgCO3、Mg(PO3)2、MgF2、CaCO3、Ca(PO3)2、CaF2、SrCO3、Sr(NO3)2、SrF2等を用いることができる。
他方で、BaO成分の含有量を30.0%以下にすることで、ガラス転移点及び比重の上昇を抑えられ、且つ、過剰な含有による耐失透性の低下を抑えられる。従って、BaO成分の含有量は、好ましくは30.0%、より好ましくは25.0%、さらに好ましくは20.0%、さらに好ましくは15.0%、さらに好ましくは12.0%を上限とする。
BaO成分は、原料としてBaCO3、Ba(PO3)2、BaSO4、Ba(NO3)2、BaF2等を用いることができる。
特に、この合計含有量を3.5%以上にすることで、耐失透性や屈折率、可視光についての透過率を高められ、ガラス転移点の上昇を抑えられ、ガラスの熱膨張係数を小さくでき、且つ比重を低減できる。従って、質量和(MgO+ZnO)は、好ましくは3.5%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは6.5%、さらに好ましくは7.5%を下限とする。ここで、質量和(MgO+ZnO)は、10.0%超としてもよく、13.0%超としてもよく、15.0%超としてもよい。
他方で、この合計含有量は、好ましくは30.0%、より好ましくは25.0%、さらに好ましくは22.0%を上限としてもよい。
他方で、この比率は、好ましくは20.00、より好ましくは15.00、さらに好ましくは10.00を上限としてもよい。
他方で、TiO2成分の含有量を25.0%以下にすることで、可視光についての透過率の低下を抑えられ、耐失透性の低下を抑えられる。従って、TiO2成分の含有量は、好ましくは25.0%、より好ましくは20.0%、さらに好ましくは17.0%、さらに好ましくは15.0%、さらに好ましくは10.0%、さらに好ましくは7.0%を上限とする。
TiO2成分は、原料としてTiO2等を用いることができる。
他方で、Bi2O3成分の含有量を10.0%以下にすることで、耐失透性の低下を抑えられ、且つ可視光についての透過率の低下を抑えることができる。また、Bi2O3成分の還元によってポットが侵される問題を抑えられる。従って、Bi2O3成分の含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは7.0%を上限とし、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
特に、この合計量を30.0%以上にすることで、ガラスの屈折率を高められ、且つアッベ数を低くできる。従って、質量和(TiO2+Nb2O5+Bi2O3)は、好ましくは30.0%、より好ましくは35.0%、さらに好ましくは40.0%を下限とする。
他方で、この合計量を70.0%以下にすることで、可視光についての透過率を高めて着色を低減できる。また、これにより着色の少ない安定なガラスが得られるため、モールドプレス用として有用なガラスを得られる。従って、質量和(TiO2+Nb2O5+Bi2O3)は、好ましくは70.0%、より好ましくは63.0%、さらに好ましくは58.0%、さらに好ましくは54.0%を上限とする。
他方で、この比率は、好ましくは1.00、より好ましくは0.80、さらに好ましくは0.50を上限としてもよい。
他方で、WO3成分の含有量を15.0%以下にすることで、耐失透性を高め、且つ可視光についての透過率の低下を抑えられる。従って、WO3成分の含有量は、好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは7.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とし、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
WO3成分は、原料としてWO3等を用いることができる。
他方で、SiO2成分の含有量を10.0%以下にすることで、SiO2成分による耐失透性の低下が抑えられるため、安定性の高いガラスを得易くすることができる。従って、SiO2成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満とする。
SiO2成分は、原料としてSiO2、K2SiF6、Na2SiF6等を用いることができる。
他方で、B2O3成分の含有量を10.0%以下にすることで、耐失透性の低下を抑えられ、且つ可視光についての透過率を高められる。従って、B2O3成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
B2O3成分は、原料としてH3BO3、Na2B4O7、Na2B4O7・10H2O、BPO4等を用いることができる。
特に、Al2O3成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラス原料の溶融性を高められ、耐失透性を高められる。従って、Al2O3成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満とする。
Al2O3成分は、原料としてAl2O3、Al(OH)3、AlF3等を用いることができる。
特に、この合計量を0.1%以上にすることで、ガラスの安定性を高めることで耐失透性を高められる。従って、質量和(SiO2+B2O3+Al2O3)は、好ましくは0.1%、より好ましくは0.3%、さらに好ましくは0.5%、さらに好ましくは1.0%、さらに好ましくは1.3%、さらに好ましくは1.5%を下限とする。
他方で、この合計量を20.0%以下にすることで、ガラスの屈折率及び耐失透性の低下を抑えられる。従って、質量和(SiO2+B2O3+Al2O3)は、好ましくは20.0%以下、より好ましくは15.0%以下、さらに好ましくは10.0%以下、さらに好ましくは7.5%以下、さらに好ましくは5.0%未満とする。
他方で、Y2O3成分の含有量を10.0%以下にすることで、耐失透性の低下や、ガラス転移点の上昇を抑えることができる。従って、Y2O3成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
Y2O3成分は、原料としてY2O3、YF3等を用いることができる。
他方で、La2O3成分、Gd2O3成分及びYb2O3成分の含有量を各々10.0%以下にすることで、ガラスのアッベ数の上昇を抑えられ、且つ耐失透性の低下を抑えられる。従って、La2O3成分、Gd2O3成分及びYb2O3成分の各々の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
La2O3成分、Gd2O3成分及びYb2O3成分は、原料としてLa2O3、La(NO3)3・XH2O(Xは任意の整数)、Gd2O3、GdF3、Yb2O3等を用いることができる。
他方で、GeO2成分の含有量を10%以下にすることで、ガラスの材料コストを低減できる。従って、GeO2成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%以下、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
GeO2成分は、原料としてGeO2等を用いることができる。
他方で、TeO2成分の含有量を15.0%以下にすることで、ガラスの耐失透性を高められ、且つ、TeO2成分の還元によってポットが侵される問題を抑えられる。従って、TeO2成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
TeO2成分は、原料としてTeO2等を用いることができる。
他方で、ZrO2成分の含有量を10.0%以下にすることで、屈折率の低下を抑えられる。従って、ZrO2成分の含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
ZrO2成分は、原料としてZrO2、ZrF4等を用いることができる。
他方で、Ta2O5成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの耐失透性を高められる。従って、Ta2O5成分の含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
Ta2O5成分は、原料としてTa2O5等を用いることができる。
他方で、Ga2O3成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの耐失透性を高めつつ、ガラスの摩耗度を大きくして研磨加工し易くできる。従って、Ga2O3成分の含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
Ga2O3成分は、原料としてGa2O3、GaF3を用いることができる。
他方で、SnO2成分の含有量を10.0%以下にすることで、溶融ガラスの還元によるガラスの着色や、ガラスの失透を抑えられる。また、SnO2成分と溶解設備(特にPt等の貴金属)との合金化が低減されるため、溶解設備の長寿命化を図ることができる。従って、SnO2成分の含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
SnO2成分は、原料としてSnO、SnO2、SnF2、SnF4を用いることができる。
他方で、Sb2O3成分の含有量を3.0%以下にすることで、ガラス溶融時における過度の発泡が生じ難くなり、且つ、Sb2O3成分と溶解設備(特にPt等の貴金属)の合金化を抑えられる。また、金型に付着していた不純物の主成分となっていたSb2O3成分の含有量を低減することで、金型に付着する不純物が低減されるため、ガラス成形体の表面に形成される凹凸及び曇りを低減できる。従って、Sb2O3成分の含有量は、好ましくは3.0%、より好ましくは1.0%、さらに好ましくは0.5%を上限とする。
Sb2O3成分は、原料としてSb2O3、Sb2O5、Na2H2Sb2O7・5H2O等を用いることができる。
他方で、F成分の含有量を5.0%以下にすることで、ガラスへの脈理の発生を低減でき、且つガラスを失透し難くすることができる。従って、酸化物基準の質量に対する外割りでのF成分の含有量は、好ましくは5.0%、より好ましくは3.0%、さらに好ましくは1.0%を上限とする。
F成分は、原料としてZrF4、AlF3、NaF、CaF2、K2SiF6、Na2SiF6、LaF3等を用いることができる。
他方で、S成分の含有量を5.0%以下にすることで、ガラス溶融時における過度の発泡を生じ難くできる。従って、酸化物基準の質量に対する外割りでのS成分の含有量は、好ましくは5.0%、より好ましくは3.0%、さらに好ましくは1.0%を上限とする。
S成分は、原料として硫酸塩を用いることが好ましく、例えばLi2SO4・H2O、Na2SO4、K2SO4、MgSO4、CaSO4・1/2H2O、SrSO4、ZnSO4・7H2O、La2(SO4)3・9H2O等を用いることができる。
次に、本発明の光学ガラスに含有すべきでない成分、及び含有することが好ましくない成分について説明する。
P2O5成分 5.0〜40.0mol%、
Nb2O5成分 15.0〜50.0mol%及び
ZnO成分 10.0〜40.0mol%
並びに
Li2O成分 0〜30.0mol%
Na2O成分 0〜30.0mol%
K2O成分 0〜20.0mol%
MgO成分 0〜35.0mol%
CaO成分 0〜30.0mol%
SrO成分 0〜15.0mol%
BaO成分 0〜25.0mol%
TiO2成分 0〜35.0mol%
Bi2O3成分 0〜5.0mol%
WO3成分 0〜10.0mol%
SiO2成分 0〜20.0mol%
B2O3成分 0〜20.0mol%
Al2O3成分 0〜10.0mol%
Y2O3成分 0〜5.0mol%
La2O3成分 0〜5.0mol%
Gd2O3成分 0〜5.0mol%
Yb2O3成分 0〜5.0mol%
GeO2成分 0〜10.0mol%
TeO2成分 0〜10.0mol%
ZrO2成分 0〜10.0mol%
Ta2O5成分 0〜3.0mol%
Ga2O3成分 0〜10.0mol%
SnO2成分 0〜10.0mol%
Sb2O3成分 0〜1.5mol%
F成分 0〜20.0mol%
S成分 0〜10.0mol%
本発明の光学ガラスは、例えば以下のように作製される。すなわち、上記原料を各成分が所定の含有量の範囲内になるように均一に混合し、作製した混合物を石英坩堝又はアルミナ坩堝に投入して粗溶融した後、白金坩堝、白金合金坩堝又はイリジウム坩堝に入れて1000〜1400℃の温度範囲で2〜10時間溶融し、攪拌均質化して泡切れ等を行った後、1300℃以下の温度に下げてから仕上げ攪拌を行って脈理を除去し、金型に鋳込んで徐冷することにより作製される。そして、作製されたガラスについて、組成に応じて500℃〜700℃の範囲で1〜100時間アニールすることで、後述するような優れた物性を有するガラスを得ることができる。
本発明の光学ガラスは、高い屈折率を有しながらも、より高い分散(低いアッベ数)を有する。
本発明の光学ガラスの屈折率(nd)は、好ましくは1.70、より好ましくは1.75、さらに好ましくは1.80を下限とする。屈折率(nd)の上限は、好ましくは2.20、より好ましくは2.00、さらに好ましくは1.92であってもよい。このような高い屈折率を有することで、さらに素子の薄型化を図っても大きな光の屈折量を得ることができる。
また、本発明の光学ガラスのアッベ数(νd)は、好ましくは35、より好ましくは30を上限とし、さらに好ましくは28未満、さらに好ましくは26未満とする。アッベ数(νd)の下限は、好ましくは10、より好ましくは15、さらに好ましくは17であってもよい。このような低いアッベ数を有することで、例えば高いアッベ数を有する光学素子と組み合わせた場合に、高い結像特性等を図ることができる。
従って、このような高屈折率高分散の光学ガラスを、例えば光学素子の用途に用いることで、高い結像特性等を図りながらも、光学設計の自由度を広げることができる。
なお、本発明の光学ガラスのガラス転移点の下限は特に限定されないが、本発明の光学ガラスのガラス転移点は、好ましくは460℃、より好ましくは500℃、さらに好ましくは520℃を下限としてもよい。
作製された光学ガラスから、例えばリヒートプレス成形や精密プレス成形等のモールドプレス成形の手段を用いて、ガラス成形体を作製することができる。すなわち、光学ガラスからモールドプレス成形用のプリフォームを作製し、このプリフォームに対してリヒートプレス成形を行った後で研磨加工を行ってガラス成形体を作製したり、研磨加工を行って作製したプリフォームや、公知の浮上成形等により成形されたプリフォームに対して精密プレス成形を行ってガラス成形体を作製したりすることができる。なお、ガラス成形体を作製する手段は、これらの手段に限定されない。
他方で、比較例のガラスはλ70が498nmであった。
そのため、本発明の実施例の光学ガラスは、比較例のガラスに比べて、可視光について高い透過率を有していることが明らかになった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれもアッベ数(νd)が35以下、より詳細には27以下であるため、所望の低いアッベ数(νd)を有していることが明らかになった。
加えて、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれも失透していない安定なガラスであった。
Claims (10)
- 質量%で、
P2O5成分を5.0%以上40.0%以下、
Nb2O5成分を20.0%以上50.0%以下、
ZnO成分を7.5%以上30.0%以下
含有し、
WO3成分の含有量が5.0%以下、
GeO2成分の含有量が1.0%未満
であり、
R2O成分の含有量の和が12.0%以下であり、
R2O成分及びMO成分を合計で0.1%以上40.0%以下含有し、
TiO2成分、Nb2O5成分及びBi2O3成分の合計含有量(質量和)が、35.0%以上54.0%以下であり、
質量比ZnO/R2Oが0.70以上であり、
V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びMo成分を含有せず、
1.75以上の屈折率(nd)を有し、30以下のアッベ数(νd)を有する光学ガラス(但し、励起光の照射によって前記励起光と異なる波長のレーザー光を発振させるレーザー媒体に用いるものを除く)(RはLi、Na及びKからなる群より選択される1種以上であり、MはMg、Ca、Sr及びBaからなる群より選択される1種以上である)。 - 質量%で、
SiO2成分 0〜10.0%
B2O3成分 0〜10.0%
Al2O3成分 0〜10.0%
である請求項1記載の光学ガラス。 - 質量和(SiO2+B2O3+Al2O3)が0.1%以上20.0%以下である請求項1又は2記載の光学ガラス。
- 質量%で
Y2O3成分 0〜10.0%
La2O3成分 0〜10.0%
Gd2O3成分 0〜10.0%
Yb2O3成分 0〜10.0%
である請求項1から3のいずれか記載の光学ガラス。 - Ln2O3成分(Lnは、Y、La、Gd及びYbからなる群より選択される1種以上である)の含有量の和が15.0%以下である請求項1から4のいずれか記載の光学ガラス。
- 質量%で、
TeO2成分 0〜15.0%
ZrO2成分 0〜10.0%
Ta2O5成分 0〜10.0%
Ga2O3成分 0〜10.0%
SnO2成分 0〜10.0%
Sb2O3成分 0〜3.0%
である請求項1から5のいずれか記載の光学ガラス。 - 分光透過率が70%を示す波長(λ70)が490nm以下である請求項1から6のいずれか記載の光学ガラス。
- ガラス転移点が680℃以下である請求項1から7のいずれか記載の光学ガラス。
- 請求項1から8のいずれか記載の光学ガラスからなる光学素子。
- 請求項1から8のいずれか記載の光学ガラスからなる研磨加工用及び/又は精密プレス成形用のプリフォーム。
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