<実施形態の第1例>
<電子機器の外観>
図1,2は、それぞれ、電子機器1の外観の一例を示す斜視図及び背面図である。電子機器1は、例えば、防水性を有するスマートフォン等の携帯電話機である。
図1,2に示されるように、電子機器1は、当該電子機器1の前面1aに位置するカバーパネル2と、当該カバーパネル2が取り付けられる機器ケース3とを備えている。カバーパネル2及び機器ケース3は、電子機器1の外装を成しており、電子機器1の筐体4を構成している。電子機器1の形状は、例えば、平面視において略長方形の板状となっている。
カバーパネル2には、後述する表示部150が表示する、文字、記号、図形等の各種情報が表示される表示領域2aが設けられている。カバーパネル2における、表示領域2aを取り囲む周縁部2bの大部分は、例えばフィルム等が貼られることによって黒色となっている。これにより、カバーパネル2の周縁部2bの大部分は、表示部150が表示する各種情報が表示されない非表示領域となっている。
表示領域2aの裏面には、後述するタッチセンサ160が取り付けられている。そして、表示部150は、タッチセンサ160における表示領域2a側の面とは反対側の面に取り付けられている。つまり、表示部150は、タッチセンサ160を介して表示領域2aの裏面に取り付けられている。これにより、ユーザは、表示領域2aを指等の操作子で操作することによって、電子機器1に対して各種指示を与えることができる。
なお、タッチセンサ160と表示部150との位置関係は上述した関係に限られない。表示領域2aに対する操作子による操作を検出することができれば、例えば、表示部150にタッチセンサ160の構成の一部あるいは全部が埋め込まれたような構成であってもよい。
図1に示されるように、カバーパネル2の上側端部には、レシーバ穴20が設けられている。また、カバーパネル2の上側端部からは、後述する前面側撮像部210が有する撮像レンズ21が視認可能となっている。また、カバーパネル2の下側端部にはスピーカ穴19が設けられている。そして、電子機器1の底面1c、つまり機器ケース3の底面(下側の側面)には、マイク穴18が設けられている。
図2に示されるように、電子機器1の背面1b、つまり機器ケース3の背面の上側端部からは、後述する背面側撮像部220が有する撮像レンズ22が視認可能となっている。
機器ケース3の内部には、複数の操作ボタン17から成る操作ボタン群170が設けられている。各操作ボタン17は、押しボタンなどのハードウェアボタンである。操作ボタンは、「操作キー」あるいは「キー」と呼ばれることがある。各操作ボタン17は、例えば、カバーパネル2の下側端部から露出している。ユーザは、各操作ボタン17を指等で操作することによって、電子機器1に対して各種指示を与えることができる。
複数の操作ボタン17には、例えば、ホームボタン、バックボタン及び履歴ボタンが含まれている。ホームボタンは、表示領域2aにホーム画面(初期画面)を表示させるための操作ボタンである。バックボタンは、表示領域2aに表示される画面を一つ前の画面に切り替えるための操作ボタンである。履歴ボタンは、電子機器1で実行されたアプリケーションの一覧を表示領域2aに表示させるための操作ボタンである。
<電子機器の電気的構成>
図3は、電子機器1の電気的構成の一例を示すブロック図である。図3に示されるように、電子機器1には、制御部100、第1無線通信部110、第2無線通信部120、第3無線通信部130、通知部140、タッチセンサ160、操作ボタン群170が設けられている。さらに電子機器1には、マイク180、外部スピーカ190、レシーバ200、前面側撮像部210、背面側撮像部220、水中検出部230及び電池250が設けられている。電子機器1に設けられたこれらの構成要素のそれぞれは、機器ケース3内に収められている。
制御部100は、一種の演算処理装置であって、例えば、電気回路であるCPU(Central Processing Unit)101、DSP(Digital Signal Processor)102などのプロセッサ及び記憶部103などを備えている。制御部100は、電子機器1の他の構成要素を制御することによって、電子機器1の動作を統括的に管理することが可能である。制御部100は、例えば、SoC(System-on-a-Chip)、MCU(Micro Control Unit)及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の副処理装置(co-processor)をさらに含んでもよい。また、制御部100は、CPU及び副処理装置の双方を協働させるか、あるいは双方のうちの一方を選択的に用いて、各種の制御をおこなってもよい。
記憶部103は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の、CPU101及びDSP102が読み取り可能な非一時的な記録媒体で構成されている。記憶部103には、電子機器1を制御するためのメインプログラム及び複数のアプリケーションプログラム等が記憶されている。制御部100の各種機能は、例えば、CPU101及びDSP102が記憶部103内の各種プログラムを実行することによって実現される。
なお、記憶部103は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていてもよい。記憶部103は、例えば、小型のハードディスクドライブ及びSSD(Solid State Drive)等を備えていてもよい。また、制御部100の全ての機能、あるいは制御部100の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアを必要としないハードウェアによって実現されても構わない。
第1無線通信部110には、第1アンテナ111が接続されている。第1無線通信部110は、第1アンテナ111を介して、電子機器1とは別の携帯電話機などの通信端末と無線通信を行うことが可能である。第1無線通信部110が行う無線通信は、基地局などの通信装置を介さずに、電子機器1と当該電子機器1とは別の通信端末とが直接的に行う無線通信であって、例えば、Bluetooth(登録商標)規格、あるいはNFC(Near field communication)規格などに則った無線通信である。なお、第1無線通信部110が行う無線通信は、アクセスポイントなどの通信装置を介さない、WiFi(Wireless Fidelity)に応じた無線通信であってもよい。
第2無線通信部120には、第2アンテナ121が接続されている。第2無線通信部120は、例えば、電子機器1とは別の携帯電話機からの信号、あるいはインターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置からの信号を、基地局などを介して第2アンテナ121で受信することが可能である。第2アンテナ121からの送信信号は、例えば、基地局を介して、電子機器1以外の携帯電話機あるいはインターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置で受信される。第2無線通信部120が行う無線通信は、例えば、いわゆる移動体通信網を利用した無線通信であって、LTE(Long Term Evolution)、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)などの通信方式に応じた無線通信である。第2無線通信部120の通信エリアは、例えば、第1無線通信部110の通信エリアよりも広くなっている。
第2無線通信部120は、第2アンテナ121での受信信号に対して増幅処理及びダウンコンバートを行って制御部100に出力することが可能である。制御部100は、入力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる音声や音楽などを示す音信号などの情報を取得することが可能である。また第2無線通信部120は、制御部100で生成された送信信号に対して、アップコンバート及び増幅処理を行って、当該処理後の送信信号を第2アンテナ121から無線送信することが可能である。
第3無線通信部130には、第3アンテナ131が接続されている。第3無線通信部130は、第3アンテナ131を介して、電子機器1の現在位置を示す信号を受信することが可能である。第3無線通信部130は、例えば、GPS(Global Positioning System)を利用した装置である。第3無線通信部130は、GPS衛星からのGPS信号を受信し、当該GPS信号に基づいて電子機器1の現在位置を示す位置情報を求めることが可能である。位置情報には、例えば、緯度情報と経度情報とが含まれている。
以後、説明の便宜上、第1無線通信部110、第2無線通信部120及び第3無線通信部130を、それぞれ、「近距離無線通信部110」、「移動体通信部120」及び「位置情報通信部130」と呼ぶことがある。また、第1無線通信部110、第2無線通信部120及び第3無線通信部130が行う無線通信のそれぞれを、「近距離無線通信」、「移動体通信」及び「位置情報通信」と呼ぶことがある。また、第1無線通信部110、第2無線通信部120及び第3無線通信部130を特に区別する必要がないときには、それぞれを「無線通信部」と呼ぶことがある。
通知部140は、例えば、音、光、振動などによって、ユーザに各種情報を通知することが可能である。通知部140は、表示部150を備えている。
表示部150は、例えば、液晶パネルあるいは有機ELパネルである。表示部150は、制御部100に制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示することが可能である。表示部150が表示する各種情報は、カバーパネル2の表示領域2aに表示される。
タッチセンサ160は、カバーパネル2の表示領域2aに対する指等の操作子による操作を検出することが可能である。タッチセンサ160は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルである。ユーザが指等の操作子によってカバーパネル2の表示領域2aに対して操作を行うと、その操作に応じた操作信号がタッチセンサ160から制御部100に入力される。制御部100は、タッチセンサ160からの操作信号に基づいて、表示領域2aに対して行われた操作の内容を特定して、その内容に応じた処理を行うことが可能である。なおユーザは、指以外の操作子、例えば、スタイラスペンなどの静電式タッチパネル用ペンによって表示領域2aを操作することによっても、電子機器1に対して各種指示を与えることができる。
操作ボタン群170の各操作ボタン17は、ユーザによって操作されると、操作されたことを示す操作信号を制御部100に出力することが可能である。これにより、制御部100は、各操作ボタン17からの操作信号に基づいて、当該操作ボタン17が操作されたか否かを判断することができる。制御部100は、操作された操作ボタン17に応じた処理を行うことが可能である。なお、各操作ボタン17は、押しボタンなどのハードウェアボタンではなく、表示領域2aに表示されるソフトウェアボタンであってもよい。この場合には、ソフトウェアボタンへの操作がタッチセンサ160によって検出されて、制御部100は、操作されたソフトウェアボタンに応じた処理を行うことが可能である。
マイク180は、電子機器1の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部100に出力することが可能である。電子機器1の外部からの音は、例えば、機器ケース3の底面(下側の底面)に設けられたマイク穴18から電子機器1の内部に取り込まれてマイク180に入力される。
外部スピーカ190は、例えばダイナミックスピーカである。外部スピーカ190は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。外部スピーカ190から出力される音は、例えば、カバーパネル2の下側端部に設けられたスピーカ穴19から電子機器1の外部に出力される。スピーカ穴19から出力される音については、電子機器1から離れた場所でも聞こえるような音量となっている。
レシーバ200は、例えばダイナミックスピーカで構成されている。レシーバ200は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。レシーバ200は、例えば、受話音を出力することが可能である。レシーバ200から出力される音は、例えば、カバーパネル2の上側端部に設けられたレシーバ穴20から外部に出力される。レシーバ穴20から出力される音の音量は、例えば、外部スピーカ190からスピーカ穴19を介して出力される音の音量よりも小さくなっている。
なおレシーバ200に代えて、圧電振動素子が設けられてもよい。圧電振動素子は、制御部100からの音声信号に基づいて振動することが可能である。圧電振動素子は、例えばカバーパネル2の裏面に設けられており、音声信号に基づく自身の振動によってカバーパネル2を振動させることが可能である。そして、ユーザが自身の耳をカバーパネル2に近づけることにより、カバーパネル2の振動が音声としてユーザに伝達される。レシーバ200に代えて圧電振動素子が設けられる場合には、レシーバ穴20は不要である。
前面側撮像部210は、撮像レンズ21及び撮像素子などで構成されている。撮像レンズ21は、電子機器1の前面1aの上側端部から視認可能となっている。したがって、前面側撮像部210は、電子機器1の前面1a側に存在する物体を撮像することが可能である。
背面側撮像部220は、撮像レンズ22及び撮像素子などで構成されている。撮像レンズ22は、電子機器1の背面1bの上側端部から視認可能となっている。したがって、背面側撮像部220は、電子機器1の背面1b側に存在する物体を撮像することが可能である。
前面側撮像部210及び背面側撮像部220のそれぞれは、制御部100の制御によって被写体を撮像し、撮像した被写体を示す静止画像あるいは動画像を生成して制御部100に出力することが可能である。
水中検出部230は、筐体4が水中にある状態、つまり電子機器1が水中にある状態を検出することが可能である。以後、このような状態を「水中状態」とも呼ぶ。また、筐体4が水中にない状態、つまり電子機器1が水中にない状態を「非水中状態」とも呼ぶ。本明細書では、非水中状態は筐体4が大気中にある状態、つまり電子機器1が大気中にある状態を意味する。水中状態は、例えば、ユーザが手で電子機器1を持った状態で、電子機器1を水中に入れることで生じ得る。なお、電子機器1を水中に入れる目的としては、例えば、電子機器1の前面側撮像部210及び背面側撮像部220を用いた水中撮影などが想定され得る。水中検出部230は、例えば、圧力センサ240及び制御部100などで構成されてよい。
圧力センサ240は、例えば、気体や液体の圧力をステンレスダイヤフラム又はシリコンダイヤフラムなどの部材を介して感圧素子で計測し、計測した値を電気信号に変換し制御部100に出力することが可能である。制御部100は、圧力センサ240から入力された電気信号に基づいて圧力値を判別することが可能である。制御部100は、判別した圧力値に応じて、筐体4が水中にある状態を検出することが可能である。具体的には、制御部100は、例えば、判別した圧力値が、所定の閾値を超えると、筐体4が水中にある状態を検出してよい。所定の閾値は、例えば、筐体4が水中にあるときに制御部100が判別する圧力値を予め測定することで、該圧力値に適宜設定されてよい。
なお、水中検出部230は、圧力センサ240の代りに静電容量を検出可能な静電容量センサを用いて水中状態を検出してもよい。静電容量センサは、静電容量を測定し、測定した静電容量の値を電気信号に変換し、制御部100に出力することが可能である。制御部100は、静電容量センサから入力された電気信号に基づいて、静電容量の値を判別することが可能である。制御部100は、例えば、判別した静電容量の値に応じて、筐体4が水中に在る状態を検出することが可能である。制御部100は、例えば、判別した静電容量の値が、所定の閾値を超えると、筐体4が水中にある状態を検出してよい。所定の閾値は、例えば、筐体4が水中にあるときに制御部100が判別する静電容量の値を予め測定することで、該静電容量の値に適宜設定されてよい。静電容量を検出可能なセンサとして、タッチセンサ160を用いてもよい。また、水中検出部230は、圧力センサ240及び静電容量センサの両方を用いて水中状態を検出してもよい。
電池250は、電子機器1の電源を出力することが可能である。電池250は、例えば、リチウムイオン二次電池等の充電式の電池である。電池250は、電子機器1が備える制御部100及び第1無線通信部110等の各種電子部品に対して電源を供給することが可能である。
<水中状態での無線通信について>
電子機器1では、水中状態で無線通信部が無線通信を行うことがある。例えば、水中撮影で得られた画像などを、水中状態のまま近距離無線通信によって送信する場合がある。このような水中状態での近距離無線通信は、通信対象となる通信端末が水中にある状態、あるいは当該通信端末が水中にない状態で行われる。また、電子機器1では、例えば、水中状態で移動体通信部120が通話を着信したり、位置情報通信部130が位置情報を受信したりする場合がある。
ここで、電波が水中を伝搬する場合には、大気中を伝搬する場合と比較してその減衰率が大きくなる場合がある。したがって、水中状態において無線通信部が行う無線通信は、非水中状態において無線通信部が行う無線通信よりも通信品質が低下する場合がある。
そこで、電子機器1では、水中状態において無線通信部が無線通信を行う場合には、ユーザに警告を示す警告情報を通知する。以下では、この動作について詳細に説明する。
<警告情報の通知動作の一例>
図4は、警告情報を通知する電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。ステップS1において、制御部100は、電子機器1が無線通信を行うか否かを判定する。例えば、制御部100は、近距離無線通信部110、移動体通信部120及び位置情報通信部130のうち少なくとも一つが無線通信を行う場合に、電子機器1が無線通信を行うと判定する。
ステップS1において無線通信が行われると判定されると、ステップS2が実行される。一方、ステップS1において無線通信が行われないと判定される場合には、再度ステップS1が実行される。
ステップS2において、制御部100は、圧力センサ又は静電容量センサ等のセンサから入力された電気信号に基づいて、水中状態であるか否かを判定する(以下、単に「制御部100は、水中状態であるか否かを判定する」ともいう)。ステップS2において水中状態であると判定されると、つまり水中検出部230によって水中状態が検出されると、ステップS3が実行される。一方、ステップS2において水中状態でないと判定される場合、つまり水中検出部230によって水中状態が検出されない場合には、再度ステップS2が実行される。つまり、ステップS1において無線通信が行われると判定された後、ステップS2において水中状態であると判定されるまでの間、ステップS2が繰り返し実行される。このようなステップS2の処理は、例えば、所定時間毎に行われる。
ステップS3において、通知部140は、警告を示す警告情報をユーザに通知する。例えば、制御部100は、表示領域2aに警告情報が表示されるように表示部150を制御することによって、ユーザに通知する。
図5は、表示領域2aに表示される、警告情報300を含む警告画面400の一例を示す図である。図5の例では、警告情報300として、「水中では通信品質が低下します」という文字列301が表示されている。これにより、ユーザは、水中状態では、無線通信部が行う無線通信の通信品質が低下することを知ることができる。また、図5の例では、警告画面400には、電池250の現在の容量を示す電池残量アイコン401と、現在の時刻402と、無線通信部での電波の受信状況を示す受信状況アイコン(電波状況アイコンとも呼ばれる)403とが示される。
警告情報300は、無線通信部が行う無線通信の通信品質を改善するための通信改善情報を含んでいてもよい。図6は、通信改善情報を含む警告情報300が表示される警告画面400の一例を示す図である。図6の例では、警告情報300として、「端末を水中から出して下さい」という文字列302が表示されている。これにより、ユーザは、電子機器1を水中から出すことによって、無線通信部が行う無線通信の通信品質を改善することができる。なお、警告画面400は、図5及び図6に示されるような警告情報300の両方を含んでいてよい。
通信改善情報は、電子機器1を水中から出すようにユーザに促す情報ではなく、水中状態のままで無線通信部が行う無線通信の通信品質を改善するための情報であってもよい。例えば、電子機器1を水中から出すことによってではなく、近距離無線通信において、電子機器1と通信対象である通信端末との端末間距離を小さくすることによって、水中状態での通信品質を向上することができる。また、移動体通信及び位置情報通信において、水中にある電子機器1を水面に近づけることによって、水中状態での通信品質を向上することができる。
図7は、水中状態のままで無線通信部が行う無線通信の通信品質を改善するための通信改善情報を通知する、電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS11において、制御部100は、電子機器1が無線通信を行うか否かを判定する。例えば、制御部100は、近距離無線通信部110、移動体通信部120及び位置情報通信部130のうち少なくとも一つが無線通信を行う場合に、電子機器1が無線通信を行うと判定する。
ステップS11において無線通信が行われると判定されると、ステップS12が実行される。一方、ステップS11において無線通信が行われないと判定される場合には、再度ステップS11が実行される。
ステップS12において、制御部100は、水中状態であるか否かを判定する。ステップS12において水中状態であると判定されると、つまり水中検出部230によって水中状態が検出されると、ステップS13が実行される。一方、ステップS12において水中状態でないと判定される場合、つまり水中検出部230によって水中状態が検出されない場合には、再度ステップS12が実行される。つまり、ステップS11において無線通信が行われると判定された後、ステップS12において水中状態であると判定されるまでの間、ステップS12が繰り返し実行される。このようなステップS12の処理は、例えば、所定時間毎に行われる。
ステップS13において、制御部100は、電子機器1が行う無線通信が近距離無線通信であるか否かを判定する。ステップS13において近距離無線通信であると判定されると、ステップS14が実行される。ステップS14において、通知部140は、電子機器1と通信対象の通信端末との端末間距離を近づけるように促す警告情報300をユーザに通知する。例えば、制御部100は、当該警告情報300を含む警告画面400を表示するように表示部150を制御することによって、ユーザに警告情報300を通知する。図8は、当該警告情報300を含む警告画面400の一例を示す図である。図8の例では、警告情報300として、「端末同士を近づけてください」という文字列303が表示されている。これにより、ユーザは、電子機器1と通信対象の通信端末との端末間距離を近づけることによって、水中状態での近距離無線通信の通信品質を向上することができる。
一方、ステップS13において近距離無線通信でないと判定されると、ステップS15が実行される。ステップS15において、通知部140は、電子機器1を水面に近づけるように促す警告情報300をユーザに通知する。例えば、制御部100は、当該警告情報300を含む警告画面400を表示するように表示部150を制御することによって、ユーザに警告情報300を通知する。図9は、当該警告情報300を含む警告画面400の一例を示す図である。図9の例では、警告情報300として、「端末を水面に近づけてください」という文字列304が表示されている。これにより、ユーザは、電子機器1を水面に近づけることによって、水中状態での移動体通信、位置情報受信などの無線通信の通信品質を向上することができる。
警告情報300は、例えば、無線通信部が無線通信を行っており、かつ水中検出部230において水中状態が検出されている間通知される。警告情報300は、例えば、水中検出部230において水中状態が検出されなくなった場合に通知されなくなる。なお、警告情報300は、ユーザの所定操作によって通知されなくなってもよいし、所定時間経過後に通知されなくなってもよい。
また、警告情報300は、無線通信部が無線通信を行うときに水中検出部230が水中状態を検出する場合に通知されるのではなく、無線通信部が無線通信を行うときに水中状態が検出され、かつ当該無線通信の通信品質が低い場合に通知されてもよい。例えば、無線通信部が無線通信を行うときに水中状態が検出され、かつ当該無線通信における信号強度が所定値以下である場合に、警告情報300が通知されてもよい。この場合、無線通信における信号強度が所定値より大きくなったときに、警告情報300が通知されなくなってもよい。
なお、通知部140は、表示部140が表示する文字列ではなく、表示部140が表示する記号や図形などによって警告情報を通知してもよい。また、通知部140は、警告画面400以外によってユーザに警告情報を通知してもよい。例えば、警告情報は、外部スピーカ190などの音出力部から出力される音によってユーザに通知されてもよい。この場合、出力される音の種類によって、複数種類の警告情報が通知されるようにしてもよい。
また、電子機器1がLEDなどによって構成される通知ランプを備えている場合には、通知ランプから出力される光によって、警告情報をユーザに通知してもよい。この場合、出力される光の色、発光パターンなどによって、複数種類の警告情報が通知されるようにしてもよい。
また、電子機器1が圧電振動素子、モータなどによって構成される振動部を備えている場合には、振動部が電子機器1を振動させることによって、警告情報をユーザに通知してよい。この場合、振動パターン、振動量などによって、複数種類の警告情報が通知されるようにしてもよい。
上記の各例では、電子機器1が警告情報を通知しているが、電子機器1が近距離無線通信を行う場合には、通信対象となる通信端末が警告情報を通知してもよい。例えば、電子機器1は、水中検出部230での水中状態検出結果を通信対象である通信端末に送信してもよい。当該通信端末は、受信した水中状態検出結果に基づいて警告情報を通知してもよい。また、通信端末が水中検出部を備える場合には、当該水中検出部での水中検出結果が電子機器1に送信されてもよい。電子機器1は、受信した水中検出結果に基づいて通知部140によって警告情報を通知してもよい。
<実施形態の第2例>
<アンテナの共振周波数>
近距離無線通信部110、移動体通信部120及び位置情報通信部130のそれぞれは、例えば異なる周波数帯を利用して無線通信を行う。
近距離無線通信部110は、例えば、2.4GHz帯でのBluetooth(登録商標)規格に則った近距離無線通信を行う。この場合、第1アンテナ111は、2.4GHz帯での無線通信に適した構成となっている。移動体通信部120は、例えば、700MHz帯でのLTEに応じた移動体通信を行う。この場合、第2アンテナ121は、700MHz帯での無線通信に適した構成となっている。位置情報通信部130は、例えば、1575.42MHz帯(以降、「1.5GHz帯」と呼ぶことがある)でGPS信号を受信する。この場合、第3アンテナ131は、1.5GHz帯での無線通信に適した構成となっている。
700M帯〜900MHz帯などの比較的低い周波数帯での無線通信に適したアンテナは、「LowBandアンテナ」とも呼ばれる。また、1700MHz帯〜2600MHz帯などの比較的高い周波数帯での無線通信に適したアンテナは、「HighBandアンテナ」とも呼ばれる。
ここで、「アンテナが所定周波数帯での無線通信に適している」とは、例えば、アンテナの共振周波数が、所定周波数帯での無線通信に適するように設定されていることを意味する。例えば、アンテナは、その共振周波数が所定周波数帯に近くなるように構成される。アンテナの共振周波数は、所定周波数帯に含まれていてもよい。また、「アンテナが所定周波数帯での無線通信に適している」とは、例えば、アンテナが所定周波数帯での無線通信において所望の通信品質が得られるように構成されていることを意味する。例えば、アンテナは、無線通信部が送信あるいは受信する信号強度が所定値以上となるように構成されてもよいし、所定周波数帯でのVSWR(Voltage Standing Wave Ratio)が所定値以下となるように構成されてもよい。
水中状態でのアンテナの共振周波数は、非水中状態でのアンテナの共振周波数よりも低くなる場合がある。このためアンテナは、例えばその共振周波数が、非水中状態における所定周波数帯での無線通信に適するように構成されている。
図10は、水中状態でのアンテナの共振周波数のずれを説明するための図である。図10の例では、非水中状態でのVSWRを示すグラフ500と、水中状態でのVSWRを示すグラフ501とが示されている。また、水中状態でのアンテナの共振周波数fwと、非水中状態でのアンテナの共振周波数faとが示されている。共振周波数fa及びfwは、例えば、後述する1倍波(基本波)での共振周波数を示している。
第2アンテナ121において、共振周波数faは、例えば、700MHzである。これにより、非水中状態での第2アンテナ121は、700MHz帯での無線通信に適している。一方、共振周波数fwは、例えば490MHzであって、共振周波数faより低下する。よって、移動体通信部120が、水中状態での第2アンテナ121を用いて700MHz帯での無線通信を行う場合には、その通信品質は非水中状態の場合と比較して低下する。
このような共振周波数のずれ量は、例えば、筐体4におけるアンテナの位置など電子機器1の構成によって変化する。よって、これらの構成が同様なアンテナにおける共振周波数のずれ量の割合はほぼ同一となる。第1アンテナ111、第2アンテナ121及び第3アンテナ131のそれぞれにおける共振周波数のずれ量の割合が同一であって、第1アンテナ111の共振周波数faが2.4GHzの場合には、第1アンテナ111の共振周波数fwは、1.68(=2.4×490/700)GHzとなる。よって、近距離無線通信部110が、水中状態での第1アンテナ111を用いて、2.4GHz帯での無線通信を行う場合には、その通信品質は非水中状態の場合と比較して低下する。
同様に、第3アンテナ131の共振周波数faが1.5GHzの場合には、第3アンテナ131の共振周波数fwは、1.05(=1.5×490/700)GHzとなる。よって、位置情報通信部130が、水中状態での第3アンテナ131を用いて、1.5GHz帯での無線通信を行う場合には、その通信品質は非水中状態の場合と比較して低下する。
上記のように、水中状態でのアンテナの共振周波数が低いことによって無線通信の通信品質が低下している状態では、近距離無線通信において端末間距離を近づけることによって、あるいは移動体通信及び位置情報通信のそれぞれにおいて電子機器1を水面に近づけることによって、水中での無線通信の通信品質を十分に向上することができない場合がある。
そこで、電子機器1では、水中状態において、無線通信部が利用するアンテナをより適したアンテナに切り替えることによって、水中状態での無線通信の通信品質を向上する。以下では、このようなアンテナの切り替えについて詳細に説明する。
<n倍波での共振周波数>
アンテナは、n(nは1以上の奇数)倍波における複数の共振周波数を有している。よって、アンテンにおける1倍波(基本波)での共振周波数だけでなく、3倍波、5倍波などのより高次の倍波での共振周波数を利用して無線通信を行うことができる。図11は、第1アンテナ111、第2アンテナ121及び第3アンテナ131それぞれにおける共振周波数の一例を示す図である。図11の例では、非水中状態での共振周波数と水中状態での共振周波数とを示している。非水中状態での共振周波数は、1倍波での共振周波数fa1、3倍波での共振周波数fa3及び5倍波での共振周波数fa5が示されている。また、水中状態での共振周波数は、1倍波での共振周波数fw1、3倍波での共振周波数fw3及び5倍波での共振周波数fw5が示されている。
図11に示されるように、非水中状態での第1アンテナ111における、共振周波数fa1,fa3及びfa5のそれぞれは、例えば、2.4GHz,7.2GHz,12GHzである。また、水中状態での第1アンテナ111における、共振周波数fw1,fw3及びfw5のそれぞれは、例えば、1.68GHz、5.04GHz及び8.4GHzである。
非水中状態での第2アンテナ121における、共振周波数fa1,fa3及びfa5のそれぞれは、例えば、700MHz、2.1GHz及び3.5GHzである。また、例えば、水中状態での第2アンテナ121における、共振周波数fw1,fw3及びfw5のそれぞれは、例えば、490MHz,1.47GHz及び2.45GHzである。
非水中状態での第3アンテナ131における、共振周波数fa1,fa3及びfa5のそれぞれは、例えば、1.5GHz、4.5GHz及び7.5GHzである。また、例えば、水中状態での第3アンテナ131における、共振周波数fw1,fw3及びfw5のそれぞれは、1.05GHz、3.15GHz及び5.25GHzである。
図11に示されるように、非水中状態での第1アンテナ111における1倍波の共振周波数(2.4GHz)は、非水中状態での第2アンテナ121における3倍波の共振周波数(2.1GHz)及び5倍波の共振周波数(3.5GHz)、非水中状態での第3アンテナ131における1倍波の共振周波数(1.5GHz)及び3倍波の共振周波数(4.5GHz)などよりも近距離無線通信での通信周波数帯(2.4GHz)に近い。よって、非水中状態での第1アンテナ111は、非水中状態での第2アンテナ121及び第3アンテナ131よりも近距離無線通信に適している。
また、非水中状態での第2アンテナ121における1倍波の共振周波数(700MHz)は、非水中状態での第1アンテナ111における1倍波の共振周波数(2.4GHz)、非水中状態での第3アンテナ131における1倍波の共振周波数(1.5GHz)などよりも移動体通信での通信周波数帯(700MH)に近い。よって、非水中状態での第2アンテナ121は、非水中状態での第1アンテナ111及び第3アンテナ131よりも近距離無線通信に適している。
また、非水中状態での第3アンテナ131における1倍波の共振周波数(1.5GHz)は、非水中状態での第1アンテナ111における1倍波の共振周波数(2.4GHz)、非水中状態での第2アンテナ121における1倍波の共振周波数(700MHz)及び3倍波の共振周波数(2.1GHz)よりも位置情報通信での通信周波数帯(1.5GHz)に近い。よって、非水中状態での第3アンテナ131は、非水中状態での第1アンテナ111及び第2アンテナ121よりも位置情報通信に適している。
一方、水中状態での第2アンテナ121における3倍波の共振周波数(1.47GHz)は、水中状態での第1アンテナ111における1倍波の共振周波数(1.68GHz)、水中状態での第3アンテナ131における1倍波の共振周波数(1.05GHz)及び3倍波の共振周波数(3.15GHz)などよりも位置情報通信での通信周波数帯(1.5GHz)に近い。よって、水中状態での第2アンテナ121は、水中状態での第1アンテナ111及び第3アンテナ131よりも位置情報通信に適している。
また、水中状態での第2アンテナ121における5倍波の共振周波数(2.45GHz)は、水中状態での第1アンテナ111における1倍波の共振周波数(1.68GHz)及び3倍波の共振周波数(5.04GHz)、水中状態での第3アンテナ131における1倍波の共振周波数(1.05GHz)及び3倍波の共振周波数(3.15GHz)などよりも近距離無線通信での通信周波数帯(2.4GHz)に近い。よって、水中状態での第2アンテナ121は、水中状態での第1アンテナ111及び第3アンテナ131よりも位置情報通信に適している。
上述のように、アンテナが非水中状態において所定周波数帯での無線通信に適するように構成した場合には、水中状態では当該無線通信に適さなくなる場合がある。また、非水中状態において所定周波数帯の無線通信に適していないアンテナが、水中状態では当該無線通信に適するようになる場合がある。
そこで、電子機器1では、水中状態において、アンテナの接続先をより適した無線通信部に切り替える。以下では、このようなアンテナ切り替え動作について詳細に説明する。
<アンテナ切り替え動作の一例>
図12は、アンテナの接続先を切り替える電子機器1の電気的構成の一例を示すブロック図である。図12では、図4で示した電気的構成と同様の部分の図示を省略している。図12の例では、電子機器1は、切替部260をさらに備えている。
切替部260は、制御部100に制御されて、第2アンテナ121を近距離無線通信部110に接続するか、あるいは移動体通信部120に接続するかを切り替えることが可能である。
図13は、アンテナ切り替え動作を行う電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。ステップS21において、切替部260は、第2アンテナ121を第2無線通信部120(移動体通信部120)に接続する。初期状態において、第2アンテナ121は移動体通信部120に接続されている。この場合には、移動体通信部120は、第2アンテナ121を用いて移動体通信を行うことができる。
ステップS22において、制御部100は、水中状態であるか否かを判定する。ステップS22において水中状態であると判定されると、つまり水中検出部230によって水中状態が検出されると、ステップS23が実行される。一方、ステップS22において水中状態でないと判定される場合、つまり水中検出部230によって水中状態が検出されない場合には、再度ステップS21が実行される。つまり、ステップS22において水中状態であると判定されるまでの間、第2アンテナ121は移動体通信部120に接続される。
ステップS23において、切替部260は、第2アンテナ121を第1無線通信部110(近距離無線通信部110)に接続する。よって、近距離無線通信部110は、第2アンテナ121を用いて近距離無線通信を行うことができる。上述のように、水中状態では、第2アンテナ121は、第1アンテナ111よりも近距離無線通信に適している。よって、水中状態での近距離無線通信の通信品質を向上することができる。
また、非水中状態において移動体通信に用いられる第2アンテナ121を、水中状態での近距離無線通信に用いることができる。よって、第2アンテナ121の接続先を切り替えるという簡単な構成によって、例えばマッチング回路などを追加することなく、水中状態での近距離無線通信の通信品質を向上することができる。
ステップS23が実行されると、再度ステップS22が実行される。
第1アンテナ111は、例えば、水中状態の判定結果に関わらず、近距離無線通信部110に接続されている。この場合、近距離無線通信部110は、水中状態において、第2アンテナ121だけでなく第1アンテナ111も用いて近距離無線通信を行ってもよい。水中状態での第1アンテナ111を近距離無線通信に利用できる場合には、水中状態での近距離無線通信の通信性能をより向上することができる。
上述のように、水中状態での第2アンテナ121は、水中状態での第3アンテナ131よりも位置情報通信に適している。よって、水中状態が検出される場合に、第2アンテナ121を位置情報通信部130に接続してもよい。
図14は、第2アンテナ121を位置情報通信部130に接続可能な電子機器1の電気的構成の一例を示す図である。図14では、図4で示した電気的構成と同様の部分の図示を省略している。図14の例では、切替部260は、第2アンテナ121の接続先を近距離無線通信部110、移動体通信部120あるいは位置情報通信部130に切り替えることが可能である。
図15は、このような切り替え動作を行う電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。ステップS31において、切替部260は、第2アンテナ121を第2無線通信部120(移動体通信部120)に接続する。初期状態において、第2アンテナ121は移動体通信部120に接続されている。この場合には、移動体通信部120は、第2アンテナ121を用いて移動体通信を行うことができる。
ステップS32において、制御部100は、水中状態であるか否かを判定する。ステップS32において水中状態であると判定される場合、つまり水中検出部230によって水中状態が検出される場合には、ステップS33が実行される。一方、ステップS32において水中状態でないと判定される場合、つまり水中検出部230によって水中状態が検出されない場合には、再度ステップS31が実行される。
ステップS33において、制御部100は、無線通信部が無線通信を行うか否かを判定する。ステップS33において無線通信部が無線通信を行うと判定される場合には、ステップS34が実行される。一方、ステップS33において無線通信部が無線通信を行わないと判定される場合には、ステップS32が再度実行される。
ステップS34において、制御部100は、無線通信を行うのが第1無線通信部110(近距離無線通信部110)、第2無線通信部120(移動体通信部120)及び第3無線通信部130(位置情報通信部)のうち、どの無線通信部かを判定する。ステップS34において、第2無線通信部120(移動体通信部120)が無線通信を行うと判定される場合には、ステップS31が実行される。つまり、第2アンテナ121は移動体通信部120に接続されたままとなる。よって、移動体通信部120は、第2アンテナ121を用いて移動体通信を行うことができる。
ステップS34において、第1無線通信部110(近距離無線通信部110)が無線通信を行うと判定される場合には、ステップS35が実行される。ステップS35において、切替部260は、第2アンテナ121を第1無線通信部110(近距離無線通信部110)に接続する。よって、近距離無線通信部110は、第2アンテナ121を用いて近距離無線通信を行うことができる。上述のように、水中状態では、第2アンテナ121は、第1アンテナ111よりも近距離無線通信に適している。よって、水中状態での、近距離無線通信の通信品質を向上することができる。ステップS35が実行されると、ステップS32が再度実行される。
ステップS34において、第3無線通信部130(位置情報通信部130)が無線通信を行うと判定される場合には、ステップS36が実行される。ステップS36において、切替部260は、第2アンテナ121を第3無線通信部130(位置情報通信部130)に接続する。よって、位置情報通信部130は、第2アンテナ121を用いて位置情報通信を行うことができる。上述のように、水中状態では、第2アンテナ121は、第3アンテナ131よりも位置情報通信に適している。よって、水中状態での、位置情報通信の通信品質を向上することができる。S36が実行されると、ステップS32が再度実行される。
上記の各例では、切替部260が第2アンテナ121を近距離無線通信部110あるいは位置情報通信部130に接続する場合に、第2アンテナ121は移動体通信部120に接続されないが、第2アンテナ121は移動体通信部120に接続されたままでもよい。これにより、水中状態での第2アンテナ121を移動体通信に用いることができる場合には、移動体通信部120は第2アンテナ121を用いて移動体通信を行うことができる。なお、一つのアンテナを複数の無線通信部に接続する場合には、周波数フィルタ回路などの、当該複数の無線通信部がそれぞれ行う無線通信における信号成分を切り分けられる回路を設けてもよい。
3倍波、5倍波などの高次の倍波における共振周波数を利用して、無線通信を行う場合には、その信号強度が低下する場合がある。この場合、信号を増幅するための増幅回路を設けてもよい。当該増幅回路は、水中状態と非水中状態とで異なる増幅率で増幅できるような回路であってもよい。
なお、水中状態においてより適したアンテナを接続することができるのであれば、アンテナの共振周波数、切り替えられるアンテナ、当該アンテナの接続先は、上記の例に限られない。例えば、上記の各例では、第2アンテナ121の接続先が切り替えられているが、第1アンテナ111及び第3アンテナ131の接続先が切り替えられてもよい。例えば、水中状態での第1アンテナ111が、水中状態での第2アンテナ121よりも移動体通信に適している場合には、水中状態と判定されたときに、第1アンテナを移動体通信部120に接続してもよい。
上記の各例では、非水中状態において所定の周波数帯での無線通信を行う無線通信部に接続されているアンテナを、水中状態では当該所定の周波数帯より高い周波数帯での無線通信を行う無線通信部に接続しているが、水中状態において当該所定の周波数帯より低い周波数帯での無線通信を行う無線通信部に接続してもよい。
例えば、移動体通信部120が2.1GHz帯での移動体通信を行う場合には、非水中状態での第2アンテナ121における1倍波の共振周波数は、例えば、2.1GHzに設定される。この場合、水中状態での第2アンテナ121における1倍波での共振周波数は、例えば、1.47(=2.1×490/700)GHzとなる。よって、水中状態での第2アンテナ121は、位置情報通信に適している。この場合、水中状態において、第2アンテナ121の接続先を、2.1GHz帯での移動体通信を行う移動体通信部120から、より低い1.5GHz帯での位置情報通信を行う位置情報通信部130に切り替えてもよい。
<実施形態の第3例>
上記の各例では、水中状態で無線通信を行う場合に警告情報を通知することによって、あるいは、アンテナの接続先を切り替えることによって、無線通信部の通信品質を向上しているが、水中状態で無線通信を行う場合に、警告情報の通知とアンテナ切り替えとの両方の動作を行ってもよい。
図16は、このような動作を行う電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。ステップS41において、切替部260は、第2アンテナ121を第2無線通信部120(移動体通信部120)に接続する。初期状態において、第2アンテナ121は移動体通信部120に接続されている。この場合には、移動体通信部120は、第2アンテナ121を用いて移動体通信を行うことができる。
ステップS42において、制御部100は、水中状態であるか否かを判定する。ステップS42において、水中状態であると判定される場合、つまり水中検出部230によって水中状態が検出される場合には、ステップS43が実行される。一方、ステップS42において水中状態でないと判定される場合、つまり水中検出部230によって水中状態が検出されない場合には、再度ステップS41が実行される。つまり、水中検出部230において水中状態が検出されるまでの間、第2アンテナ121は移動体通信部120に接続される。
ステップS43において、切替部260は、第2アンテナ121を第1無線通信部110(近距離無線通信部110)に接続する。よって、近距離無線通信部110は、第2アンテナ121を用いて近距離無線通信を行うことができる。
ステップS44において、制御部100は、無線通信部が無線通信を行うか否かを判定する。ステップS44において無線通信部が無線通信を行うと判定される場合には、ステップS45が実行される。一方、ステップS44において無線通信部が無線通信を行わないと判定される場合には、ステップS42が再度実行される。
ステップS45において、通知部140は、警告を示す警告情報をユーザに通知する。例えば、制御部100は、警告情報300を表示領域2aに表示するように表示部150を制御することによって、ユーザに警告情報300を通知する。表示部150は、例えば、図5,6に示されるような警告画面400を表示する。このように、警告情報の通知と、アンテナの接続先の切り替えとの両方が行われることから、どちらか一方が行われる場合と比較して、水中状態での無線通信の通信品質をより向上することができる。
なお、本実施例においても、図7で示されるように、近距離無線通信か否かが判定されて、その判定結果に基づいて、図8あるいは図9に示されるような警告画面400が表示されてもよい。
また、本実施例においても、図15に示されるように、無線通信を行うのが第1無線通信部110、第2無線通信部120及び第3無線通信部130のうち、どの無線通信部かを判定されて、その判定結果に基づいて、第2アンテナの接続先を切り替えてもよい。
<各種変形例>
複数のパーツが直接的または間接的に適宜連結されることで、一体的な機器ケース3が形成されてもよい。このような構成を有する具体例として電子機器1Bを説明する。
図17は、電子機器1Bの外観の一例を概略的に示す背面図である。電子機器1Bは、えば、例えば、防水性を有するスマートフォン等の携帯電話機である。電子機器1Bでは、例えば、カバーパネル2に対して取り付けられた複数のモジュール3a〜3dによって1つの機器ケース3が形成されている。このとき、モジュール3aとしては、例えば、前面側撮像部210が内蔵されたカメラ装置が採用され得る。また、モジュール3bとしては、例えば、制御部100などの電子機器1Bの動作を制御する制御装置が採用され得る。また、モジュール3cとしては、例えば、電池250が内蔵された電子機器1Bの電源装置が採用され得る。また、モジュール3dとしては、例えば、その他の構成が適宜内蔵された装置が採用され得る。
このような構成では、例えば、モジュール3bとしての電子機器1Bの制御装置に含まれるCPU及びDSPなどのプロセッサが、記憶部103に記憶されるプログラムを実行することによって、電子機器1Bの動作が制御される。例えば、モジュール3bは、無線通信部による無線通信を制御することが可能である。また、モジュール3bは、水中状態であるか否かを検出する処理を実行することが可能である。また、モジュール3bは、通知部140が警告情報をユーザへ通知する動作を制御することが可能である。また、モジュール3bは、切替部260が第1無線通信部110に第2アンテナ121を接続するか否かを切り替える動作を制御することが可能である。
また上記の各例では、本開示の技術をスマートフォン等の携帯電話機に適用する場合を例にあげて説明したが、本開示の技術は、水中で無線通信を行う他の電子機器にも適用することができる。例えば、本開示の技術は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末あるいはユーザの体などに装着されるウェアラブルタイプの電子機器等にも適用することができる。
以上のように、本開示の技術は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。