JP6585487B2 - 流路可変機構とそれを備えたエゼクタ - Google Patents

流路可変機構とそれを備えたエゼクタ Download PDF

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Description

本願は、流路の断面積を増減させる流路可変機構と、その流路可変機構を備えたエゼクタに関する。
例えば特許文献1に一般的なエゼクタが開示されている。このエゼクタでは、第1流体(駆動流体)がノズルから吸引室に噴射されることによって吸引室に負圧(圧力降下)が発生し、この負圧により第2流体(吸引流体)が吸引室に吸引される。そして、第1流体および第2流体は混合されディフューザから吐出される。ディフューザには、流路断面積が最小の平行流路(最狭部)と、下流にいくに従って流路断面積が大きくなる拡大流路とが上流側から順に設けられている。第1流体および第2流体の混合流体は、ディフューザの平行流路では流速が概ね音速となり、拡大流路を流れる際に減速および昇圧される。この状態において、吸引室の圧力(吸入圧力)とディフューザから吐出される流体の圧力(吐出圧力)とは一定の関係で維持される。つまり、エゼクタでは平行流路が圧力の臨界位置となり、吸入圧力が吐出圧力よりも低い値で維持される。
特開平7−139500号公報
ところで、上述したようなエゼクタでは、供給先における運転条件(混合流体の使用量や使用圧力)の変更等によって吐出圧力が上昇してしまい、この吐出圧力の上昇により第2流体の吸入流量(吸引量)を確保できなくなる場合がある。即ち、吐出圧力が所定値を超えると、平行流路における流速が音速よりも低下して圧力の臨界位置がなくなるため、吸入圧力が吐出圧力とほぼ同等の値まで上昇してしまう。そのため、吸引室に第2流体が吸引されにくくなり、第2流体の吸入流量が著しく減少する。
そこで、平行流路に流量調整バルブを設け、このバルブによって平行流路の流路断面積を減少させることにより、平行流路における流速を上昇させることが考えられる。しかしながら、この方策では、一定の長さを有する平行流路において僅かな区間で流路断面積が減少するだけであるため、流速を音速に維持して圧力の臨界位置を安定して形成することが困難であった。そのため、平行流路のような一定の長さを有する流路において全長に亘って流路断面積を増減し得る機構が強く望まれていた。
本願に開示の技術は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、一定の長さを有する流路において全長に亘って流路断面積を増減し得る流路可変機構およびそれを備えたエゼクタを提供することにある。
本願の流路可変機構は、複数の流路壁と、複数のアーム部と、複数の連結軸と、回転板とを備えている。上記複数の流路壁は、流路軸方向に延びる板状に形成され、上記流路軸周りに互いに接して配置され内側に流路を形成すると共に、幅方向における端部が上記流路軸方向に延びる軸に回転自在に支持されている。上記複数のアーム部は、上記各流路壁の外側面に設けられている。上記複数の連結軸は、上記流路軸方向に延びると共に上記各アーム部に連結されている。上記回転板は、上記流路軸と同軸に上記複数の流路壁の外周側に設けられ、上記流路軸周りに回転自在な環状板である。そして、上記回転板は、上記流路軸周りに円弧状に延びると共に一端から他端へいくに従って上記流路軸に近づくように形成され、上記各連結軸が摺動可能に挿入された複数の案内孔を有している。そして、本願の流路可変機構は、上記回転板を回転させることにより、上記流路壁が回転して上記流路の断面積を増減させるものである。
また、本願のエゼクタは、ノズルと、吸引室と、ディフューザとを備えている。上記ノズルは、第1流体が噴出するものである。上記吸引室は、上記ノズルが収容され、該ノズルから上記第1流体が噴出することによって生じる負圧により第2流体が吸引されるものである。上記ディフューザは、平行流路と、該平行流路の下流端に連なり、下流にいくに従って流路断面積が大きくなる拡大流路とを有し、上記吸引室の上記第1流体および上記第2流体が混合して吐出されるものである。そして、本願のエゼクタは、上記平行流路の流路断面積を増減させる上述した流路可変機構を備えているものである。
以上のように、本願の流路可変機構によれば、回転板を回転させることによって案内孔が変位する。つまり、案内孔は流路軸を中心として公転する。そうすると、連結軸は案内孔の端部へ向かって相対的に変位する。ここで、案内孔は一端から他端へいくに従って流路軸に近づくように形成されているため、連結軸は案内孔の変位方向(回転板の回転方向)に応じて流路軸に近づいたり遠ざかったりする。つまり、連結軸は案内孔によって流路軸に近づく方向または遠ざかる方向へ変位される。この連結軸の変位に伴い、アーム部が変位して流路壁が正方向または逆方向に回転する。こうして複数の流路壁が回転することにより、複数の流路壁によって形成された流路の断面積を増減させることができる。つまり、流路軸方向に延びる流路壁全体が回転するため、流路の全長に亘って流路断面積を増減させることができる。
また、本願のエゼクタによれば、吸引室に噴出した第1流体と吸引室に吸引された第2流体とが混合してディフューザから吐出される。第1流体および第2流体の混合流体は、ディフューザの平行流路では流速が概ね音速となり、拡大流路を流れる際に減速および昇圧される。ディフューザにおいて、平行流路は流路断面積が最小となる部分(いわゆる「のど部」)である。この状態において、吸引室の圧力(吸入圧力)とディフューザから吐出される流体の圧力(吐出圧力)とは一定の関係で維持される。つまり、エゼクタでは平行流路が圧力の臨界位置となり、吸入圧力は吐出圧力よりも低い値で維持される。
ここで、外部条件の変更により吐出圧力が上昇して所定値を超えると、平行流路における流速が音速よりも低下する。そうすると、エゼクタでは、圧力の臨界位置がなくなり、吸入圧力が吐出圧力とほぼ同等の値まで次第に上昇してゆく。この吸入圧力の上昇により、第2流体の吸入流量が著しく減少してしまう。そこで、本願のエゼクタによれば、平行流路の流路断面積を増減させる流路可変機構を設けるようにしたため、吐出圧力の上昇時に流路可変機構によって平行流路の流路断面積を減少させることにより、平行流路における流速を音速に維持することができる。これにより、平行流路において圧力の臨界位置が安定して確保することができるので、吐出圧力が上昇しても吸入圧力の上昇をできるだけ抑えることができる。したがって、第2流体の吸入流量の減少を抑えることができる。
図1は、実施形態に係るエゼクタの概略構成を示す縦断面図である。 図2は、実施形態に係る流路可変機構の流路最大状態を示す横断面図である。 図3は、実施形態に係る流路可変機構の要部について流路最大状態を示す横断面図である。 図4は、実施形態に係る流路可変機構の流路最小状態を示す横断面図である。 図5は、実施形態に係る流路可変機構の要部について流路最小状態を示す横断面図である。
以下、本願の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本願に開示の技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
図1に示すように、本実施形態のエゼクタ1は、高圧蒸気(第1流体)を噴出させることによって低圧蒸気(第2流体)を吸引し、これら蒸気を混合して吐出する蒸気エゼクタである。つまり、本実施形態のエゼクタ1において、高圧蒸気は駆動流体であり、低圧蒸気は吸引流体である。本実施形態のエゼクタ1には、本願の請求項に係る流路可変機構40が設けられている。
〈エゼクタの全体構成〉
エゼクタ1は、上流側から順に、入口流路10と、吸引室20と、ディフューザ30とを備えている。入口流路10は、上下流方向(図1において左右方向)に延びる流路である。入口流路10は、上流側に高圧蒸気の流入口11が設けられており、下流端にノズル12が設けられている。入口流路10は、高圧蒸気が流入口11から流入してノズル12の開口13から噴出される。吸引室20には、入口流路10の下流端が接続され、ノズル12が収容されている。また、吸引室20には、低圧蒸気の吸引口21が設けられている。吸引室20は、ノズル12から高圧蒸気が噴出することによって生じる負圧(圧力降下)により低圧蒸気が吸引口21から吸引される。つまり、吸引室20では、高圧蒸気のジェットポンプ効果によって生じる負圧により、低圧蒸気を吸引するための吸引力が発生する。
ディフューザ30は、上下流方向に延びる流路である。ディフューザ30は、吸引室20に接続され、高圧蒸気および低圧蒸気の出口流路を構成している。ディフューザ30は、上流側から順に連なる、絞り流路31、平行流路32および拡大流路33を有している。絞り流路31は、上流端が吸引室20に接続され、下流端に平行流路32が連なって(接続されて)いる。絞り流路31は、吸引室20においてノズル12(入口流路10)と対向する位置に接続されている。絞り流路31は、下流にいくに従って流路断面積(流路径)が小さくなっている。平行流路32は、流路断面積(流路径)が一定の流路であり、下流端に拡大流路33が連なって(接続されて)いる。拡大流路33は、下流にいくに従って流路断面積(流路径)が大きくなっている。ディフューザ30は、直線状の流路であり、平行流路32の流路断面積が最小となっている。つまり、ディフューザ30において平行流路32はいわゆる「のど部」を構成している。ディフューザ30は、吸引室20に噴出された高圧蒸気と吸引室20に吸引された低圧蒸気とが混合して吐出されるものであり、混合蒸気が拡大流路33を流れる際に混合蒸気を減速および昇圧するものである。
〈エゼクタの動作〉
上述したエゼクタ1では、入口流路10に流入した高圧蒸気がノズル12から吸引室20内に噴出されると共に、その高圧蒸気の噴出によって低圧蒸気が吸引口21から吸引室20内に吸引される。そして、吸引室20の高圧蒸気および低圧蒸気は混合してディフューザ30から吐出される。ディフューザ30から吐出された蒸気は、使用箇所に供給される。高圧蒸気および低圧蒸気の混合蒸気は、ディフューザ30の平行流路32(のど部)では流速が概ね音速となり、拡大流路33を流れる際に減速および昇圧される。この状態のエゼクタ1では、吸入圧力とディフューザ30から吐出される混合蒸気の圧力(以下、吐出圧力という。)とは一定の関係で維持される。つまり、エゼクタ1では平行流路32が圧力の臨界位置となり、吸入圧力は吐出圧力よりも低い値で維持される。
〈流路可変機構の構成〉
流路可変機構40は、ディフューザ30に設けられ、平行流路32の流路断面積(流路径)を増減させて流量を調整するものであり、いわゆる流量調整機構を構成している。流路可変機構40は、絞り流路31を構成する配管のフランジ35と、拡大流路33を構成する配管のフランジ36とに挟まれて設けられている。図2〜図5にも示すように、流路可変機構40は、複数対(本実施形態では、4対)の流路壁41およびアーム部43と、2つの回転板45と、回転筒48とを備えている。
4つの流路壁41は、平行流路32の流路軸P方向(上下流方向)に延びるやや厚めの板状部材である。4つの流路壁41は、互いが流路軸Pを囲うように流路軸P周りに配置されて内側に平行流路32を形成している(図2および図4参照)。つまり、平行流路32は4つの流路壁41によって形成されており、4つの流路壁41によって囲まれた面積が平行流路32の流路断面積であり、流路壁41の長さ(流路軸P方向の長さ)が平行流路32の長さである。流路壁41の内側面には円弧面が形成されており、この円弧面に別の流路壁41の端部が接している。そして、流路壁41は、別の流路壁41と接する端部とは反対側の端部が、流路軸P方向に延びて設けられた固定軸42に回転自在に支持されている。つまり、流路壁41は固定軸42周りに回転自在となっている。なお、固定軸42は円形の軸部材である。4つのアーム部43は、流路軸P方向に延びるやや厚めの板状部材である。アーム部43は、流路壁41の外側面に該外側面から突出して設けられている(図2および図4参照)。また、アーム部43は、流路軸P方向の長さが流路壁41の長さよりも短くなっており、流路壁41における流路軸P方向の中央に設けられている(図1参照)。
2つの回転板45は、環状の板部材であり、流路軸P周りに配置された4つの流路壁41に挿入されて該流路壁41の外周側に配置されている。つまり、流路可変機構40には、上流側と下流側の2か所に流路軸Pと同軸の回転板45が設けられている。回転板45には、4つの案内孔46が形成されている。4つの案内孔46は、回転板45の周方向において互いに等間隔で設けられている。案内孔46は、流路軸P周りに円弧状に延びる長孔であり、一端から他端(図2〜図5において右回り)にいくに従って流路軸Pに近づくように延びている。そして、2つの回転板45は流路軸Pを回転中心として回転自在に設けられている。なお、図2および図4では、上流側から視た断面図を示し、回転板45は下流側のものを示す。
また、流路可変機構40は、アーム部43と2つの回転板45とを連結する連結軸44を備えている。つまり、本実施形態では4つの連結軸44が設けられている。連結軸44は、流路軸P方向に延びる円形の軸部材である。連結軸44は、中央部がアーム部43の先端部(突出端部)に挿入されて固定され、両端部が2つの回転板45の案内孔46に摺動可能(変位可能)に挿入されている(図3および図5参照)。連結軸44の外径は、案内孔46の幅と概ね同じ大きさである。
図1に示すように、絞り流路31側のフランジ35および拡大流路33側のフランジ36には、平行流路32側に突出する環状部35a,36aが形成されている。流路可変機構40では、4つの流路壁41は環状部35a,36aの内周側に位置し、4つのアーム部43および2つの回転板45は2つの環状部35a,36aの間に位置している。流路壁41の長さ(流路軸P方向の長さ)はそして、流路可変機構40では、環状部35a,36aの外周側に回転筒48が設けられている。回転筒48は、流路壁41と略同じ長さの円筒部材である。回転筒48の内径は、環状部35a,36aの外径と略同じであり、回転板45の外径よりも若干大きい。回転筒48は、流路軸Pを回転中心Pとして回転自在に設けられている。
流路可変機構40では、回転筒48を回転板45と固定(連結)する2つの固定ピン51が設けられている。回転筒48には径方向に貫通する2つの貫通孔49が形成される一方、2つの回転板45には外縁部に凹部47が形成されている(図2〜図5参照)。回転筒48において、2つの貫通孔49は、流路軸P方向に並び、2つの回転板45に対応する位置に設けられている。固定ピン51は、回転筒48の貫通孔49を貫通し、先端部が回転板45の凹部47に挿入されている。この固定ピン51により、回転筒48が回転板45と固定(連結)され、回転筒48と回転板45とが一体で回転する。なお、流路可変機構40では、回転筒48と環状部35a,36aとの間をシールするためのOリング37が設けられている。これにより、流路可変機構40において平行流路32からの蒸気漏れが防止される。
〈流路可変機構の動作〉
流路可変機構40では、手動で回転筒48を回転させることにより、平行流路32の流路断面積が増減される。なお、以下で言及する「右回り」および「左回り」とは上流側から視た方向を示し、案内孔46の「前端」および「後端」とは上流側から視て右回りに回転した際の回転方向前方側の端部および回転方向後方側の端部を示すものとする。
例えば、図2に矢印で示すように、回転筒48が右回りに回転されると、2つの回転板45が回転筒48と共に右回りに回転する。これにより、回転板45の案内孔46が右回りに変位する。つまり、案内孔46は流路軸Pを中心として右回りに公転する。そうすると、連結軸44は案内孔46の後端へ向かって相対的に変位する。ここで、案内孔46は後端にいくに従って流路軸Pから遠ざかるように形成されているため、連結軸44は案内孔46の右回りの変位によって流路軸Pから遠ざかる方向に変位する。つまり、連結軸44は案内孔46によって流路軸Pから遠ざかる方向へ案内される。この連結軸44の変位に伴い、アーム部43が流路軸Pから遠ざかる方向に変位する。アーム部43が流路軸Pから遠ざかる方向に変位すると、それに伴って、流路壁41が左回りに回転する。その際、流路壁41は端部が別の流路壁41の円弧面を摺動しながら回転する。こうして4つの流路壁41が左回りに回転すると、4つの流路壁41によって囲まれた空間が大きくなるので、平行流路32の流路断面積が増大する。
そして、回転筒48および回転板45が更に右回りに回転し、案内孔46がその後端と連結軸44とが接するまで変位すると、連結軸44は流路軸Pから最も遠ざかる位置に変位する(図2および図3の状態)。この状態では、一例として図2に示すように、固定ピン51が最上位から所定角度θ1だけ左回りに回転した位置にある。こうして連結軸44が流路軸Pから最も遠ざかる位置に変位すると、各流路壁41の左回りの回転量が最大となり、平行流路32の流路断面積が最大となる。
また、図4に矢印で示すように、回転筒48が左回りに回転されると、2つの回転板45が回転筒48と共に左回りに回転する。これにより、回転板45の案内孔46が左回りに変位する。つまり、案内孔46は流路軸Pを中心として左回りに公転する。そうすると、連結軸44は案内孔46の前端へ向かって相対的に変位する。ここで、案内孔46は前端にいくに従って流路軸Pに近づくように形成されているため、連結軸44は案内孔46の左回りの変位によって流路軸Pに近づく方向に変位する。つまり、連結軸44は案内孔46によって流路軸Pに近づく方向へ案内される。この連結軸44の変位に伴い、アーム部43が流路軸Pに近づく方向に変位する。アーム部43が流路軸Pに近づく方向に変位すると、それに伴って、流路壁41が右回りに回転する。その際、流路壁41は端部が別の流路壁41の円弧面を摺動しながら回転する。こうして4つの流路壁41が右回りに回転すると、4つの流路壁41によって囲まれた空間が小さくなるので、平行流路32の流路断面積が減少する。
そして、回転筒48および回転板45が更に左回りに回転し、案内孔46がその前端と連結軸44とが接するまで変位すると、連結軸44は流路軸Pから最も近づく位置に変位する(図4および図5の状態)。この状態では、一例として図4に示すように、固定ピン51が最上位から所定角度θ2(>θ1)だけ左回りに回転した位置にある。こうして連結軸44が流路軸Pから最も近づく位置に変位すると、各流路壁41の右回りの回転量が最大となり、平行流路32の流路断面積が最小となる。以上のように、流路可変機構40では、回転筒48を回転させることにより、平行流路32の流路断面積を調整(増減)することができる。
例えば、混合蒸気の供給先である使用箇所において、運転状況が変動して、使用蒸気量が一時的に減少したり、使用蒸気圧力が一時的に上昇操作されたりすると、エゼクタ1の吐出流量が減少し吐出圧力が上昇する。そして、吐出圧力が所定値を超えると、平行流路32における流速が音速よりも低下して圧力の臨界位置がなくなるため、吸入圧力が吐出圧力とほぼ同等の値まで次第に上昇してゆく。このまま何らの措置も講じなければ、吸入圧力の上昇により低圧蒸気の吸入流量が著しく減少してしまう。この場合、本実施形態では、流路可変機構40によって平行流路32の流路断面積を減少させることにより、平行流路32における混合蒸気の流速が音速に維持される。これにより、平行流路32において圧力の臨界位置が安定して確保されるので、吐出圧力が上昇しても吸入圧力は元の低い値に回復する。つまり、吐出圧力が上昇しても吸入圧力の上昇が抑えられる。その結果、吸入流量の減少を抑制することができるので、吸収比が小さいエゼクタ1を提供することができる。吸収比とは、吸入流量に対する入口流路10の流量の割合である。
また、本実施形態のエゼクタ1は、図1に示すように、ノズル12から吸引室20に噴出される高圧蒸気の噴出量を調整する調整弁15が入口流路10に設けられている。調整弁15は、弁体16と、弁軸17と、ハンドル18とを有している。弁体16は、入口流路10に収容され、先端が円錐状に形成されている。弁軸17は、上下流方向に延びる軸部材であり、入口流路10に挿入されている。弁軸17は、内方端が弁体16に接続され、外方端がハンドル18に接続されている。調整弁15では、ハンドル18を正逆方向に回転させることにより、弁体16の先端がノズル12の開口13に出入りする。これにより、ノズル12の開口13の面積が増減され、高圧蒸気の噴出量が調整される。
以上のように、上記実施形態の流路可変機構40によれば、回転板45を回転させることによって案内孔46が変位し、それに伴って、連結軸44が案内孔46の前端または後端へ向かって相対的に変位する。ここで、案内孔46は後端(一端)から前端(他端)へいくに従って流路軸Pに近づくように形成されているため、連結軸44を案内孔46の変位方向(即ち、回転板45の回転方向)に応じて流路軸Pに近づいたり遠ざかったりさせることができる。この連結軸44の変位に伴い、アーム部43が変位して流路壁41が右回りまたは左回りに回転する。こうして複数の流路壁41が回転することにより、複数の流路壁41によって形成された平行流路32の流路断面積を増減させることができる。つまり、流路軸P方向に延びる流路壁41の全体が回転するため、平行流路32の全長に亘って流路断面積を増減させることができる。
また、上記実施形態のエゼクタ1によれば、ディフューザ30における平行流路32を流路可変機構40により構成して平行流路32の流路断面積を増減させるようにした。これにより、吐出圧力の上昇時に平行流路32の流路断面積を減少させることで、平行流路32における混合蒸気の流速を音速に維持することができ、平行流路32において圧力の臨界位置を安定して確保することができる。したがって、吐出圧力の上昇による吸入流量の減少をできるだけ抑えることができ、従来よりも吸入流量を確保することができる。
なお、上記実施形態の流路可変機構40では、流路壁41を4つ設けた形態について説明したが、それ以外の数量であってもよい。その場合、アーム部43、連結軸44および案内孔46の数量は流路壁41と同数設けられる。
また、上記実施形態の流路可変機構40では、回転板45を上流側および下流側の何れか一方だけに設けるようにしてもよい。つまり、回転板45は1つであってもよい。
また、上記実施形態の流路可変機構40は、エゼクタ1の平行流路32に適用した場合について説明したが、本願の流路可変機構は、その他のシステムや機器における流路に適用するようにしてもよい。
また、上記実施形態のエゼクタ1では、第1流体および第2流体として、高圧蒸気および低圧蒸気を用いた形態について説明したが、本願に開示の技術は、その他の流体を用いた場合でも同様に適用することができる。
本願に開示の技術は、流路の断面積を増減させる流路可変機構およびエゼクタについて有用である。
1 エゼクタ
12 ノズル
20 吸引室
30 ディフューザ
32 平行流路(流路)
33 拡大流路
40 流路可変機構
41 流路壁
43 アーム部
44 連結軸
45 回転板
46 案内孔
P 流路軸

Claims (2)

  1. 流路軸方向に延びる板状に形成され、上記流路軸周りに互いに接して配置され内側に流路を形成すると共に、幅方向における端部が上記流路軸方向に延びる軸に回転自在に支持された複数の流路壁と、
    上記各流路壁の外側面に設けられた複数のアーム部と、
    上記流路軸方向に延びると共に上記各アーム部に連結された複数の連結軸と、
    上記流路軸と同軸に上記複数の流路壁の外周側に設けられ、上記流路軸周りに回転自在な環状板であり、上記流路軸周りに円弧状に延びると共に一端から他端へいくに従って上記流路軸に近づくように形成され、上記各連結軸が摺動可能に挿入された複数の案内孔を有する回転板とを備え、
    上記回転板を回転させることにより、上記流路壁が回転して上記流路の断面積を増減させる
    ことを特徴とする流路可変機構。
  2. 第1流体が噴出するノズルと、
    上記ノズルが収容され、該ノズルから上記第1流体が噴出することによって生じる負圧により第2流体が吸引される吸引室と、
    平行流路と、該平行流路の下流端に連なり、下流にいくに従って流路断面積が大きくなる拡大流路とを有し、上記吸引室の上記第1流体および上記第2流体が混合して吐出されるディフューザと、
    上記平行流路の流路断面積を増減させる請求項1に記載の流路可変機構とを備えている
    ことを特徴とするエゼクタ。
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