以下、図面に従って本発明の実施形態を説明する。図1は、本実施形態にかかる撮像装置1の外観図である。図1の上が、撮像装置1の背面図である。図1の下が、撮像装置1の正面図である。撮像装置1は、本体2と本体2に着脱可能なレンズ部3から構成される。
本体2の背面の主要な範囲を占めるように、背面モニタ10が設けられる。背面モニタ10は、撮影画像や再生画像あるいは撮像装置の条件設定用のメニュー画面等を表示する画像表示装置である。背面モニタ10は、LCDあるいは有機EL等で構成される。背面モニタ10には、一体的にタッチパネル10aが設けられる。
本体2背面の左寄り上部には、電子ビューファインダ12が設けられる。電子ビューファインダ12は、覗き込み型の画像表示装置で、内部に小型のLCDあるいは有機ELが設けられる。また、電子ビューファインダ12の右枠にはアイセンサ12aが設けられる。アイセンサ12aは、撮影者により電子ビューファインダ12が覗かれているかを検知する光センサである。
本体2の上面には、フロントダイヤル20、シャッターボタン22、リアダイヤル24、電源ボタン26が設けられる。フロントダイヤル20とリアダイヤル24は、各種撮影パラメータの設定等に用いられるダイヤル式の操作部材である。また、フロントダイヤル20とリアダイヤル24は、後述する画像の色調整を行う画像調整画面で、色相の指定や彩度の設定を行う操作部材となる。画像調整画面では、フロントダイヤル20は第1のダイヤルとも呼ばれ、リアダイヤル24は第2のダイヤルとも呼ばれる。
シャッターボタン22は、撮影指示を入力するボタンである。例えば、シャッターボタン22は、1段目でAF、AE等の処理を、2段目で撮影を開始する2段式である。電源ボタン26は、撮像装置1の電源のオンオフを指示するボタンである。
本体2の背面には、PICTボタン30、モードボタン31、INFOボタン32、XY方向ボタン33、OKボタン34、メニューボタン35、再生ボタン36が設けられる。
PICTボタン30は、設定UIを呼び出すボタンである。ピクチャーモードは、画像調整処理のモードで、マルチカラー、カラークリエータ、モノクロクリエータの3つのモードが用意されているが、詳細は後述する。モードボタン31は、撮影モード等の撮像装置1の動作モードを切換えるボタンである。INFOボタン32は、情報表示画面を呼び出すボタンである。また、INFOボタン32は、ピクチャーモードの1つであるマルチカラーモードでは、個別選択と全選択を切換えるボタンとしても機能する。
XY方向ボタン33は、4つのボタンから構成され、背面モニタ10の画面上でカーソルを上下左右に移動させるボタンである。OKボタン34は、条件変更等を許可するボタンである。メニューボタン35は、メニュー画面を呼び出すボタンである。再生ボタン36は、撮影モードと再生モードの切換えを指示するボタンである。また、再生モード中でも、シャッターボタン22を1段目まで押下すると撮影モードに切換るようにしてもよい。
本体2の正面には、レンズ部3が設けられる。本体2の正面の左側にはグリップ14が形成される。また、本体2の正面のレンズ部3左横には、ピクチャーモードダイヤル40が設けられる。ピクチャーモードダイヤル40は、ピクチャーモードの3つのモードを切換えるダイヤルである。また、ピクチャーモードダイヤル40は、ピクチャーモードの3つのモードに通常撮影のモードを追加して、4つのモードを切換える形式にしてもよい。また、フロントダイヤル20やリアダイヤル24は、背面に、例えばXY方向ボタン33を取り囲むように設けてもよい。そして、後述するカラーディスクの回転方向とダイヤルの回転方向を一致させるようにすれば、より直感的な操作を提供することができる。
図2は、撮像装置1の全体ブロック図である。レンズ部3は、被写体像を撮像面上に結像する。レンズ部3は、以下不図示の、光学レンズ群、ピント及びズームのためのレンズ駆動部、絞り、絞り駆動部等を有する。レンズ制御部50は、レンズ駆動部、絞り駆動部等を制御する。また、レンズ制御部50は、本体2にレンズ情報を送ると共に、本体2からの指示に従ってレンズ制御を行う。
本体2は、シャッター部60、撮像部62、操作部材64、バッファーメモリ80、保存用メモリ82、外部メモリ84、カメラ制御部100を有する。
シャッター部60は、例えば電子制御式のフォーカルプレーンシャッターで、開閉自在に構成され、レンズ部3から入射された光が撮像部62へ達しないよう遮光を行う。シャッター部60は、通常はライブビューのために開放されている。
撮像部62は、不図示のCCDあるいはCMOS等の2次元光電素子群で、レンズ部3から入射され結像した被写体像を光電変換する。
操作部材64は、図1で説明した各ボタンやダイヤルを総括するもので、フロントダイヤル20、シャッターボタン22、リアダイヤル24、電源ボタン26、PICTボタン30、モードボタン31、INFOボタン32、XY方向ボタン33、OKボタン34、メニューボタン35、再生ボタン36、ピクチャーモードダイヤル40からなる。
バッファーメモリ80は、画像処理演算領域として、あるいは表示や外部メモリーデータの一時保管等に使用される。保存用メモリ82は、書き換え可能な不揮発性のメモリで、例えば、フラッシュメモリである。保存用メモリ82には、撮像装置1を制御するための制御プログラムや、撮像装置1の各種設定等及び画像調整画面用のグラフィックデータが格納される。外部メモリ84は、例えば、本体2から挿抜可能な不揮発性のフラッシュメモリで、撮影された画像データが保存される。
カメラ制御部100は、撮像装置1全体を統括的に制御する制御部である。カメラ制御部100は、撮像制御部102、シャッター制御部104、レンズ通信部106、外部メモリ制御部108、表示制御部110、画像処理部120、操作入力部130及びCPU140を有する。
撮像制御部102は、撮像部62を制御すると共に、撮像部62から出力される画像信号をデジタルの画像データに変換する。シャッター制御部104は、シャッター部60の開閉を制御する。レンズ通信部106は、レンズ部3と通信を行い、レンズ部3へピントの移動情報やズーム位置情報を送信したり、レンズ部3からレンズ情報や状態情報を受信する。
外部メモリ制御部108は、外部メモリ84への画像データの書込みや読出しを制御する。表示制御部110は、背面モニタ10や電子ビューファインダ12を制御して、背面モニタ10や電子ビューファインダ12にライブビュー画像、撮影画像やOSD(on screen display)を表示する。表示制御部110は、OSDの1つとして、操作入力部130への操作に応じて、画像調整画面を作成し、表示させる。なお、背面モニタ10や電子ビューファインダ12は同列な表示手段であるので、区別が不要な場合にはまとめて表示部90と呼ぶ。
画像処理部120は、撮像制御部102から出力される画像データに、補間処理やWB処理等の各種処理を施して、ライブビュー画像LV等を生成する。また、画像処理部120は、外部メモリ84に格納する為のJPEGデータ生成処理や、外部メモリ84に格納された画像データを展開して表示データに変換する。さらに、画像処理部120は、ピクチャーモードの画像調整画面での設定に応じて、各種画像調整処理を行う。
操作入力部130は、フロントダイヤル20等のダイヤル類、シャッターボタン22等のボタン類及びタッチパネル10aに入力された内容に応じた指示をCPU140に通知する。 そして、操作入力部130は、フロントダイヤル20により色相を指定し、指定された色相の彩度をリアダイヤル24により設定する。なお、フロントダイヤル20による操作入力を第1の操作入力、リアダイヤル24による操作入力を第2の操作入力とも呼ぶ。
CPU140は、保存用メモリ82に格納された制御プログラムを実行して、カメラ制御部100全体をコントロールする。なお、CPU140は、制御処理部と呼ぶ。
図3は、図2の全体ブロック図の一部であって、画像調整処理に関する要素をまとめたものである。画像調整処理とは、前述した画像調整画面で撮影者からの指示に応じて、ライブビュー画像LVや再生画像で、彩度や色調を調整する処理である。画像調整処理は、主に表示制御部110、画像処理部120、操作入力部130によって実行される。
前述したように画像調整処理として、マルチカラー、カラークリエータ、モノクロクリエータの3つのモードが用意されている。
表示制御部110は、選択されたモードに応じた画像調整画面を作成して、表示部90(背面モニタ10あるいは電子ビューファインダ12)に、作成した画像調整画面をライブビュー画像等に重畳して表示する。また、操作入力部130に画像調整画面上で撮影者から所定の指示が入力されると、表示制御部110は、指示内容に応じて画像調整画面を更新し、画像処理部120で作成された彩度等が変更された画像を表示部90に表示する。
表示制御部110は、画像調整画面を作成する機能部として、カラーマップ作成部112、カラーディスク作成部114、モノクロディスク作成部116を有する。
カラーマップ作成部112は、マルチカラー用の画像調整画面であるカラーマップを作成して、表示部90に表示させる。詳細は後述するが、カラーマップ作成部112は、カラーマップとして、色相を角度方向に対応させ、各色相の彩度を径方向の距離に対応させた2次元座標により、指定した色相の彩度を設定する画面を表示部90に表示させる。また、カラーマップ作成部112は、操作入力部130により設定された各色相の彩度の相対関係を示す多角形をカラーマップに表示させる。
カラーディスク作成部114は、カラークリエータ用の画像調整画面であるカラーディスクを作成して、表示部90に表示させる。モノクロディスク作成部116は、モノクロクリエータ用の画像調整画面であるモノクロディスクを作成して、表示部90に表示させる。
画像処理部120は、画像調整画面上で彩度や色調を調整する機能部として、マルチカラー処理部122、カラークリエータ処理部124、モノクロクリエータ処理部126を有する。
マルチカラー処理部122は、対象となる画像の中で、画像調整画面(カラーマップ)で指定された色相を有する画像の彩度を、設定された彩度に変更する処理を行い、画像を生成する。マルチカラーモードでは、画像の中で指定されていない色相の部分は、影響を受けない。
カラークリエータ処理部124は、自動調整された色バランスの画像を、画像調整画面(カラーディスク)で指定された色調に強調する処理を行う。さらに、カラークリエータ処理部124は、指定された色相に強調された画像の彩度を、画像調整画面(カラーディスク)で設定された彩度に変更する処理を行い、画像を生成する。カラークリエータモードでは、特定の色相を有する画像の彩度だけでなく画像全体の彩度が変化する。
モノクロクリエータ処理部126は、自動調整された色バランスのカラー画像に、画像調整画面(モノクロディスク)で指定された色相と彩度に基づくモノクロ変換を行い、モノクロ画像を生成する。モノクロクリエータモードでも、カラー画像全体にモノクロ変換がなされるので、特定の色相を有する画像の彩度だけでなく画像全体の彩度が変化する。なお、表示制御部110及び操作入力部130から構成される装置、またはさらに画像処理部120を加えた装置を画像調整装置と呼ぶ。
〈マルチカラーモード〉
まず、マルチカラーモードの画像調整処理を説明する。マルチカラーモードは、画像の中で指定された色相を有する部分の彩度を、設定された彩度に調整するものである。前述のように、画像の中で指定されていない色相の部分は、影響を受けない。
マルチカラーモードでは、画像調整画面として、色相を角度方向に対応させ、各色相の彩度を径方向の距離に対応させた2次元座標により、指定した色相の彩度を設定するカラーマップを表示させる。図4〜図16により、マルチカラーモードの画像調整画面を説明する。
図4は、表示部90の画面D1に、ライブビュー画像LVに重畳して表示される画像調整画面の例である。画像調整画面は、カラーマップ200と、カラーマップ200の4隅に配置される補助マーク(280、282、284、286)から構成される。
補助マークは、操作のための補助情報である。補助マーク280は、フロントダイヤル20が、色相を調整する手段であることを示す。補助マーク282は、リアダイヤル24が、彩度を調整する手段であることを示す。補助マーク284は、指定されている色相の色を示すものである。補助マーク286は、設定されている彩度の値を示す。±0は、彩度の現設定値がデフォルト値であることを示す。
図5は、カラーマップ200を拡大した図である。本例のカラーマップ200は、色相を12段階で指定できるようにした例である。各色相が、30°間隔の方向、つまり時計の「0時〜11時」と対応する。本例では、0時の色相を「黄」、1時の色相を「黄橙」、2時を「赤橙」、3時を「赤」、4時を「赤紫」、5時を「紫」、6時を「青紫」、7時を「青」、8時の色相を「緑を含む青」、9時を「青緑」、10時を「緑」、11時を「黄緑」とする。そして、以下の説明では、便宜上、図5で「黄(0時)、・・・、黄緑(11時)」のように示すように、各色相を対応する方向と対で表現する。ただし、「0時(黄)、・・・、11時(黄緑)」の各文字は、画面には表示しなくてもよい。
カラーマップ200の外周には、正12角形の色相環210が配置される。色相環210の30°間隔の扇型のエリアC0〜C11には、対応する色相の色が表示される。例えば、エリアC0は「黄」で表示され、エリアC1は「黄橙」で表示される。なお、色相環210の色は、12色に分断しないで、連続的に表示してもよい。
カラーマップ200には、角度方向に移動し色相を指定するコントロールバー230が設けられる。コントロールバー230は、彩度の設定位置を示す段数マーク232の列から構成される。本例では、コントロールバー230が8個の段数マーク232から構成される例を示す。すなわち、彩度が8段階で設定可能である。最外周の段数マーク232aが、彩度の最高値に対応し、最内周の段数マーク232bが、彩度の最低値に対応する。
図5では、コントロールバー230は0時の方向である。コントロールバー230の初期位置が0時の方向である。フロントダイヤル20の回転に応じて、コントロールバー230が回転される。フロントダイヤル20の回転方向と、コントロールバー230の回転方向は、ユーザから見て同じとする。
カラーマップ200では、各12色の色相の現在設定されている彩度の位置に、カラーマークM0〜M11が配置される。カラーマークM0は黄(0時)の彩度、カラーマークM1は黄橙(1時)を示す。カラーマークM0〜M11の12個をまとめてカラーマークMとも呼ぶ。
また、カラーマークM0〜M11は、対応する色相の色で表示される。そして、隣接する各カラーマークが直線で接続され、全体で1つの多角形を形成する。カラーマークMを頂点とし、隣接するカラーマークMを結ぶ直線を辺として形成される多角形を彩度グラフ240と呼ぶ。彩度グラフ240は、色相全体の彩度バランスを示す。
コントロールバー230で、現彩度の設定位置に、ポイントマーク250が表示される。ポイントマーク250は、段数マーク232及びカラーマークMに対して識別可能に表示される。例えば、ポイントマーク250は、段数マーク232やカラーマークMより大きなサイズで表示される。また、ポイントマーク250は、対応する色相の色で表示される。
ポイントマーク250は、リアダイヤル24の回転に応じて、段数マーク232の列を移動する。以下では、リアダイヤル24が時計方向に回転されると、ポイントマーク250が内周方向に移動して彩度が低く設定され、逆に、リアダイヤル24の反時計方向に回転されると、ポイントマーク250が外周方向に移動して彩度が高く設定されるものとする。
また、カラーマップ200には、設定可能な彩度の下限(最低値)を示す下限枠220と、設定可能な彩度の上限(最高値)を示す上限枠224と、彩度の初期値(デフォルト値)を示すニュートラルライン222が、それぞれ表示される。下限枠220、上限枠224、ニュートラルライン222は、彩度グラフ240と中心を共通にする正12角形である。
図5では、彩度が全て初期値に設定されているとする。そのため、カラーマークM0〜M11の全てが、ニュートラルライン222上の位置し、彩度グラフ240がニュートラルライン222に重なっている。
図6は、色相を変えずに、彩度を設定する操作を示す画像調整画面である。なお、図6以降では、煩雑さを避けるために、画面からライブビュー画像LVを省略し、カラーマップ200のみを示す。また、コントロールバー230は、段数マーク232を省略し、太い破線で示す。
図4のカラーマップ200で、リアダイヤル24が反時計方向に回転されると、図6のカラーマップ200aに示すように、コントロールバー230が0時方向のままで、コントロールバー230のポイントマーク250が外周側にリアダイヤル24の回転角に応じた段数だけ移動する。図6のカラーマップ200aは、ポイントマーク250が2段移動した例である。これにより、黄(0時)の彩度が2段分高く設定され、画像の中で黄の画像の彩度が、2段分高く表示される。細い破線は、ニュートラルライン222を示す。
図7は、指定された色相で彩度を設定する操作を示す画像調整画面である。図6のカラーマップ200aで、フロントダイヤル20が時計方向に回転されると、図7のカラーマップ200bに示すように、コントロールバー230がフロントダイヤル20の回転角に応じて時計方向に移動する。カラーマップ200bは、コントロールバー230が赤(3時)に移動した例を示す。これにより、赤が色相として指定される。
リアダイヤル24が時計方向に回転されると、ポイントマーク250が内周側にリアダイヤル24の回転角に応じた段数だけ移動する(カラーマップ200c)。カラーマップ200cは、2段移動した例を示す。これにより、赤(3時)の彩度が2段分低く設定される。画像の中で赤の画像の彩度が2段分低く表示される。
図8は、彩度が上限または下限で停止される操作を示す画像調整画面である。図6のカラーマップ200aで、フロントダイヤル20が反時計方向に回転されると、図8のカラーマップ200dに示すように、コントロールバー230が黄緑(11時)に移動する。リアダイヤル24が時計方向に回転されると、ポイントマーク250が内周側に移動するが、ポイントマーク250は下限枠220で停止する(カラーマップ200e)。下限枠220停止後にリアダイヤル24が時計方向に回転されても、操作は無効とされる。
同様に、図6のカラーマップ200aで、リアダイヤル24が反時計方向に回転されると、ポイントマーク250が外周側に移動するが、ポイントマーク250は上限枠224で停止し、上限枠224より外側へは移動しない(カラーマップ200f)。
図6〜図8までは、個々の色相の彩度を調整する方式(個別選択と呼ぶ)について説明した。マルチカラーモードの画像調整画面では、全色相の彩度をまとめて調整(全選択と呼ぶ)することもできる。
そして、個別選択の画像調整画面から、全選択の画像調整画面への切換え方式として、ボタン押下による方式(全選択方式1と呼ぶ)と、コントロールバー230の移動で切換える方式(全選択方式2と呼ぶ)の2つが用意される。全選択方式1と全選択方式2の例を、以下に説明する。
図9は、全選択方式1による全選択の画像調整画面を説明する図である。図9上のカラーマップ200gは、個別選択の画像調整画面である。図4と同様に、補助マーク284は、指定されている色相の色を示すもので、補助マーク286は、設定されている彩度(−2)を示すものである。個別選択のカラーマップ200gで、INFOボタン32が押下されると、全選択の画像調整画面であるカラーマップ200hに切換わる。全てのカラーマークMがポイントマーク250に切換るので、カラーマークMがポイントマーク250と同じサイズで表示される。
全選択の画像調整画面には、個別選択と区別するための表示がされる。例えば、彩度グラフ240の各辺が、2重線で表示される。また、全選択を示す補助マーク288も同時に表示してもよい。なお、全選択の画像調整画面では、色相を指定するコントロールバー230は不要なので消去される。
図10は、全選択方式1での画像調整画面の推移を説明する図である。図9のカラーマップ200hの状態から、リアダイヤル24が反時計方向に回転操作されると、各色相の彩度が外周側に回転角に応じた段数だけ移動する(カラーマップ200i)。カラーマップ200iは、2段移動した例で、全色相の彩度が2段分高く設定される。彩度グラフ240は、色相間の彩度バランスを保持したまま拡大される。
また、カラーマップ200hで、INFOボタン32が押圧されると、全選択が解除されて、カラーマップ200jに示すような個別選択に戻り、コントロールバー230が表示される。
図11は、全選択方式2による全選択の画像調整画面を説明する図である。全選択方式2は、ボタンを使用しないで、コントロールバー230の移動により個別選択から全選択に切換える方式である。なお、コントロールバー230の移動により個別選択と全選択を切換える操作を、第3の操作とも呼ぶ。つまり、操作入力部は、第3の操作がなされた場合には、全ての色相が指定されたものとして、リアダイヤル24により全ての色相の彩度を設定する。
具体的には、全選択方式2は、カラーマップ200の0〜360°の間に、個別選択と全選択を切換える切換えエリアの予め定め、切換えエリアにコントロールバー230を移動させることで、個別選択と全選択を切換える方式である。以下では、11時から0時の間に切換エリアが設定された状態での操作例を説明する。
コントロールバー230が0時に位置する状態で(カラーマップ200k)、フロントダイヤル20で、コントロールバー230を11時方向へ移動する操作を行うと、コントロールバー230は固定した状態(0時のまま)で、全選択に切換る(カラーマップ200l)。この状態で、リアダイヤル24を回転操作すれば、全選択方式1と同様に、各色相の彩度を一括して調整することができる。全選択方式2でも、全選択方式1と同様に、画像調整画面では、コントロールバー230は消去される。
また、カラーマップ200lの状態で、表示されていないコントロールバー230を11時方向に移動させるかのように、フロントダイヤル20が反時計方向に回転操作されると、全選択が解除され、個別選択に戻る。そして、画像調整画面に、コントロールバー230が表示されて11時方向に移動する。
同様に、個別選択の状態で、コントロールバー230が11時に位置する状態から、フロントダイヤル20により、コントロールバー230を0時方向へ移動させるような操作された場合にも、全選択に切換る。そして、再度フロントダイヤル20が時計方向に回転操作されると、全選択が解除され、個別選択に戻る。この場合には、コントロールバー230が、表示されて0時方向に移動する。
また、全選択用の切換えエリアのための頂点を設けてもよい。つまり、彩度グラフ240を12角形から13角形に変更して、1つ増えた頂点を、全選択用の切換えエリアにしても良い。
次に、全選択の状態で、少なくとも1つの色相の彩度が上限の達した場合の処理について説明する。図8で説明したように、個別選択では、彩度が上限又は下限に達した場合に、それ以降の操作を無効と処理する。全選択では、以下説明する2つの処理を選択することが可能である。
全選択の第1の処理では、少なくとも1つの色相の彩度が上限に達すると、以降は、リアダイヤル24で彩度を上げる操作がされても、全ての色相で、彩度の変更はされない。つまり、上限に達していない彩度も変更されないようにする。もちろん、彩度を下げる操作がされた場合には、操作に応じて、全ての色相の彩度を下げる。
1つの色相の彩度が下限に達した場合も、同様である。つまり、少なくとも1つの色相の彩度が下限に達した状態では、以降は、リアダイヤル24で彩度を下げる操作がされても、全ての色相で、彩度の変更はされない。
全選択の第2の処理では、少なくとも1つの色相の彩度が上限に達した状態で、リアダイヤル24で彩度を上げる操作がされた場合には、上限に達していない色相の彩度が、操作に応じて上げられる。同様に、少なくとも1つの色相の彩度が下限に達した状態で、リアダイヤル24で彩度を下げる操作がされた場合には、下限に達していない色相の彩度が、操作に応じて下げられる。図12に、1つの色相の彩度が上限に達した状態での全選択の第2の処理の具体例を説明する。
図12は、全選択の第2の処理を説明する図である。彩度グラフ241aで、青紫(6時)の彩度が上限に達し、赤紫(4時)の彩度が下限に達した状態とする(カラーマップ201a)。リアダイヤル24で彩度を1段上げる操作がされると、彩度グラフ241bで青紫(6時)の彩度は上限で停止され、他の色相の彩度が1段上がり、黄(0時)が上限に達する(カラーマップ201b)。
さらに、リアダイヤル24で彩度を1段上げる操作がされると、彩度グラフ241cで、青紫(6時)と黄(0時)の彩度は上限で停止され、他の色相の彩度が1段上がり、青(7時)が上限に達する(カラーマップ201c)。
更に、リアダイヤル24で彩度を上げる操作がされると、上限に達していない色相の彩度だけが1段ずつ上がる(カラーマップ201d、カラーマップ201e)。全ての色相の彩度が上限に達した場合には(彩度グラフ241f、カラーマップ201f)、以降のリアダイヤル24の彩度を上げる操作は無効と処理される。
次に、カラーマップ201fで、リアダイヤル24で彩度を下げる操作がされると、全ての色相の彩度が下げられるのではなく、カラーマップ201a〜カラーマップ201eで彩度を上げる操作がされた順番を遡及するように、彩度が下げられる。つまり、リアダイヤル24で1段彩度を下げる操作がされると、カラーマップ201fの彩度グラフ241fからカラーマップ201eの彩度グラフ241eの状態に戻る。以下同様に、リアダイヤル24で彩度を1段下げる操作に応じて、カラーマップ201e→カラーマップ201d→カラーマップ201c→カラーマップ201b→カラーマップ201aのような段階で、彩度が下げられる。これにより、操作者の意図に沿った、全体の彩度調整を実現することができる。
次に、リセット操作を説明する。図13は、リセット操作が行われた状態を示す図である。カラーマップ200mは、黄緑(11時)と黄(0時)の彩度が調整された画像調整画面である。リセット操作(OKボタン34の押下)がされると、全色相の彩度は、初期位置に戻り、カラーマークM0〜M11は、ニュートラルライン222の位置に戻る(カラーマップ200n)。彩度グラフ240が、ニュートラルライン222に一致する。また、コントロールバー230は0時に移動する。また、リセット操作では、カラーマークM0〜M11が、ニュートラルライン222の位置ではなく、プリセットラインに戻るようにしてもよい。プリセットラインとは、例えば青近傍の彩度を上げて空を鮮やかに撮影できる彩度設定とか、全体に彩度を上げて、花を鮮やかに撮影できる彩度設定で、予め用意された彩度の条件である。プリセットラインは、メーカーで**モードのように初期値として設定しておいてもよいし、ユーザがお気に入り設定として登録できるようにしておいてもよい。
これまでは、色相を指定する入力手段として、フロントダイヤル20を使用する例を説明した。前述したように、マルチカラーモードでは、指定された色相を有する画像の彩度だけが変更される。つまり、マルチカラーモードは、特定の画像の彩度を変更する画像調整である。従って、現に画面に表示されている画像を指定する方が直接的とも言える。以下に、彩度設定する色相を画像から直接入力する例を説明する。
図14は、タッチパネル10aにより表示画像から色相を指定する例を示す図である。カラーマップ200pが表示される画面の左側に、ライブビュー画像LVや再生画像等が表示される。画面Dで、彩度を変更したい被写体へタッチ操作が行われると、操作入力部130で、タッチ位置が特定される。特定されたタッチ位置に表示された被写体物の色相が検出され、12色の色相の中から検出された被写体の色相に近い色相が選択される。詳細は、図28で説明する。タッチされた被写体に近い色相にコントロールバー230が移動されたカラーマップ200qが表示される。以降は、これまでと同様に、リアダイヤル24の回転操作により、彩度が設定される。なお、画面のタッチ操作が行われた箇所に、タッチされた被写体の位置を示すためのカーソル260を表示してもよい。
また、ライブビュー画像LVや再生画像等で被写体を特定する手段は、タッチパネル10aには限られない。例えば、XY方向ボタン33によって、画面上で被写体を特定して、特定された被写体の色相を検出するようにしてもよい。12色の色相の中から検出された被写体の色相に近い色相が選択される。
図15は、カラーマークMのサイズを彩度に応じて変化させる画像調整画面である。図14までの例では、カラーマークMのサイズは彩度に関わらず一定の例を示した。カラーマークMのサイズを彩度に応じた大きさ、つまり径方向の距離に応じたサイズで示す例を、図15で説明する。これにより、カラーマークMの径方向の位置だけでなく、カラーマークMのサイズによっても、彩度の高低を把握することができる。
カラーマップ202aに示すように、カラーマークMが上限枠224の位置、つまり彩度が上限の場合には、カラーマークM(ポイントマーク250を含む)のサイズを最大にする。例えばカラーマークM0やカラーマークM8が最大サイズである。
また、カラーマークMがニュートラルライン222、つまり彩度が初期値の場合には、カラーマークMのサイズを中間的なサイズにする。カラーマップ202aでは、カラーマークM5とカラーマークM7が、中間的サイズである。カラーマークMが下限枠220の位置、つまり彩度が下限の場合には、カラーマークMのサイズを最小にする。カラーマップ202aでは、カラーマークM6が最小サイズである。
また、カラーマップ202a及びカラーマップ202cに示すように、カラーマークMのサイズは、上限から下限の全ての位置で、隣接するカラーマークM同士が重複しないようなサイズに選ばれる。
なお、図15では個別選択で画面例を示したが、全選択にも適用可能である。以上説明したマルチカラーモードによれば、他の色相の彩度を変更することなく希望の色相の彩度のみ変更することができるので、自在な色作りをすることができる。
また、マルチカラーモードでは画像調整画面として、色相を角度方向に対応させ、各色相の彩度を径方向の距離に対応させた2次元座標のカラーマップ200により、指定した色相の彩度を設定するので、初心者ユーザであっても、希望する色相の彩度を直感的に調整することができる。また、カラーマップ200には多角形の彩度グラフ240が表示されるので、この彩度グラフ240の形状により、各色相の彩度のバランスが一目でわかる。
また、マルチカラーモードでは、2つのダイヤルの回転操作で、それぞれ色相の指定と彩度の設定がなされるので、電子ビューファインダ12を覗きこみながらの操作も簡単である。
また、マルチカラーモードでは、個別選択に加えて全選択を設けたので、特定の色相の彩度を変更することだけでなく、全体の色相の彩度をまとめて変更することも可能になる。これにより、最初に画像全体の彩度を全体選択で適当な位置にあわせた後に、特定の色相の彩度を上下させるような調整も可能になる。
そして、全選択への切換えを、ボタン方式とダイヤル方式の両方を用意し、利用環境に応じて選択できるようにした。ダイヤル方式を使えば、電子ビューファインダ12を覗きこみながらの切換え操作も簡単にできる。また、カラーマークのサイズを、彩度の高低(径方向の距離)に応じた大きさにしたので、カラーマークのサイズによっても、彩度の高低が示される。カラーマークのサイズの大小と彩度の高低が一致するので、使用者が操作の方向を間違えることも防止できる。
〈ピクチャーモード〉
これまでは、ピクチャーモードの中のマルチカラーモードの画像調整処理を説明した。以下では、マルチカラーモード、モノクロクリエータ及びカラークリエータの3つ画像調整画面を対比して説明する。
なお、マルチカラーモード、モノクロクリエータ、カラークリエータの各画像調整画面を、第1の画像調整画面、第2の画像調整画面、第3の画像調整画面とも呼ぶ。そして、カラーマップ作成部112、モノクロディスク作成部116、カラーディスク作成部114を、第1の表示制御部、第2の表示制御部、第3の表示制御部とも呼ぶ。
図16は、マルチカラーモードによる画像調整の手順を説明する図である。マルチカラーモードのカラーマップ200に関する説明は、説明済であるので、省略する。表示部90の画面D1は、撮影モードで通常表示されるライブビュー画像LVの画面である。この画面でピクチャーモードダイヤル40がマルチカラーモードの位置であるCIに合わせられて、PICTボタン30が押下されると、マルチカラーモードが設定される。
ライブビュー画像LVの右側にカラーマップ200が重畳表示される(画面D2)。カラーマップ203として、色相環210、コントロールバー230や彩度グラフ240が表示される。なお、画面D2は、個別選択の画面である。
個別選択(画面D2)から、INFOボタン32が押下されると全選択(画面D3)になる。前述した全選択方式1である。カラーマップ203aでは、彩度グラフ240の各辺が2重線で表示され、全選択に切換ったことが示される。
個別選択の状態(画面D2)から、フロントダイヤル20によりコントロールバー230を0時から11時に移動する操作がされると、全選択の状態になる(画面D4)。前述した全選択方式2である。カラーマップ203bでも、彩度グラフ240の各辺が2重線で表示され、全選択に切換ったことが示される。
このように、カラーマップ作成部112(第1の表示制御部)は、画像の中で指定された色相の彩度を調整する画像調整画面であって、色相を角度方向に対応させ、各色相の彩度を径方向の距離に対応させた2次元座標上で、彩度を調整する色相と調整する彩度をそれぞれ設定する第1の画像調整画面を生成する。
図17は、モノクロクリエータモードによる画像調整を説明する図である。モノクロクリエータモードは、レンズ部3にカラーフィルタを装着した場合と同様の効果をデジタル画像処理により実現するものである。カラーフィルタによる効果の一例を挙げる。例えば、レンズ部3に赤色フィルタが装着されると、赤近傍波長の光はフィルタを透過し、その他の波長はフィルタに吸収される為、赤色が強く反映されたモノクロ画像を得ることができる。換言すれば、赤色フィルタが装着されると、赤の輝度が強く、補色の輝度が抑えられるため、モノクロ画像では赤の部分が明るく(白く)、補色の部分が暗く(黒く)なります。モノクロクリエータモードでは、ユーザからの指示に応じて画像処理によりこのような画像を生成する。
モノクロクリエータモードは、画像の色バランスを指定のフィルタ色にシフトし、設定されたフィルタ濃度でバランスの重み付けした画像をモノクロ画像に変換する処理である。そのため、モノクロクリエータモードでは、マルチカラーモードと異なり、画像の特定の色相部分だけでなく画像全体が変更される。後述カラークリエータモードも同様である。
ライブビュー画像LVがカラー表示される通常の画面(画面D10)で、ピクチャーモードダイヤル40がモノクロモードの位置であるMに合わせられて、PICTボタン30が押下されると、通常のライブビュー表示がモノクロクリエータモードに切換る。
モノクロクリエータモードでは、ライブビュー画像LVはモノクロ表示され、ライブビュー画像LVの右側にモノクロディスク400aが重畳表示される(画面D11)。モノクロディスク400aは、モノクロクリエータモードにおける画像調整画面である。
図18は、モノクロディスク400の拡大図である。モノクロディスク400では、角度方向でフィルタ色が指定され、径方向の長さでフィルタ濃度が設定される。カラーマップ200の色相と彩度が、モノクロディスク400のフィルタ色とフィルタ濃度に相当する。
モノクロディスク400には、色相環410、中立エリア420、コントロールバー430、濃度リング440が設けられる。色相環410は、フィルタ色の方向を示すスケールである。色相環410には、変化する色相が連続的に表示される。カラーマップ200では、色相環210は多角形形状であったが、モノクロディスク400では色相環410は円周状に表示される。モノクロディスク400にが、カラーマップ200で表示された多角形の彩度グラフ240が存在しないからである。
中立エリア420は、レンズ部3にカラーフィルタを装着していない状態に設定する領域である。コントロールバー430は、角度方向でフィルタ色を指定するもので、フロントダイヤル20の回転に応じて回転する。濃度リング440は、径の大小でフィルタ濃度の高低を示すもので、リアダイヤル24の回転に応じて、径が変化する。本例では、濃度リング440の径が大きいほどフィルタ濃度が高く、濃度リング440の径が小さいほどフィルタ濃度が低いとする。
画面D11のモノクロディスク400aは、コントロールバー430が4時の方向で、濃度リング440が最大径の状態である。4時方向のフィルタ色を赤とすると、ライブビュー画像LVは、レンズ部3に赤色フィルタが装着されたように画像処理されて表示される。被写体の赤い部分が、モノクロ画像で最大限明るく表示される。ライブビュー画像LVの花が赤とすると、画面D11では、画面D10に比べて、花の部分の輝度が高く表示される。
画面D11のモノクロディスク400aで、リアダイヤル24がマイナス方向に回転されると、画面D12のモノクロディスク400bに示すように、濃度リング440の径が小さくなり、フィルタ濃度が低く設定される。画面D12では、ライブビュー画像LVの花の部分が暗く表示される。
また、画面D12のモノクロディスク400bで、更にリアダイヤル24がマイナス方向に回転されると、画面D13のモノクロディスク400cに示すように、濃度リング440の径がより小さくなり、フィルタ濃度が低く設定される。画面D13では、ライブビュー画像LVの花の部分が画面D12より暗くなる。
画面D11で、フロントダイヤル20がマイナス方向に回転されて、コントロールバー430が10時に移動されると、画面D14に切換る。ここで、「10時」は「4時」から180°回転された位置にあるので、「10時」のフィルタ色を、赤の補色の緑とする。赤の補色である緑がフィルタ色として指定されたので、画面D14のモノクロディスク400dに示すように、赤の輝度が低下し、ライブビュー画像LVの花の部分が画面D11より暗くなる。
画面D14で、リアダイヤル24がマイナス方向に回転されると、画面D15のモノクロディスク400eに示すように、濃度リング440の径が小さくなりフィルタ濃度は低下するが、赤の輝度が上がるので、ライブビュー画像LVの花の部分が画面D14より明るくなる。
画面D15で、リアダイヤル24がさらにマイナス方向に回転されると、画面D16のモノクロディスク400fに示すようにフィルタ濃度が低下し、ライブビュー画像LVの花の部分が画面D15より更に明るくなる。
また、画面D12で、フロントダイヤル20がマイナス方向に回転されると、画面D15に移行する。同様に、画面D13で、フロントダイヤル20がマイナス方向に回転されると、画面D16に移行する。
なお、コントロールバー430が0時位置、つまり中立エリア420に合わされた状態では、レンズにカラーフィルタを装着していない状態にあるので、濃度の調整はできない。
このように、モノクロディスク作成部116(第2の表示制御部)は、カラー画像をモノクロ画像に変換するモノクロ係数を、設定されたフィルタ色とフィルタ濃度に応じて調整する画像調整画面であって、フィルタ色を角度方向に対応させ、フィルタ濃度を径方向の距離に対応させた2次元座標上で、フィルタ色とフィルタ濃度をそれぞれ設定するモノクロディスク400(第2の画像調整画面)を生成する。
以上のように、モノクロクリエータモードにより、実際のフィルタを装着することなしで、フィルタ装着したと同等な画像を取得することができる。画像調整画面としてモノクロディスク400を表示することにより、フィルタ色の指定とフィルタ濃度の設定を簡単に行うことができる。
図19は、カラークリエータモードによる画像の調整を説明する図である。カラークリエータモードは、ホワイトバランスを指定の色相に補正し、彩度を設定された値に画像調整する処理である。カラークリエータモードでは、カラーディスク500が画像調整画面として表示される。
ライブビュー画像LVが表示される通常の画面(画面D20)で、ピクチャーモードダイヤル40がカラーモードの位置であるCIIに合わせられて、PICTボタン30が押下されると、通常のライブビュー表示がカラークリエータモードに切換る。
カラークリエータモードでは、ライブビュー画像LVの右側にカラーディスク500aが重畳表示される(画面D21)。
図20は、カラーディスク500の拡大図である。カラーディスク500もカラーマップ200と同様に、角度方向で色相を示し、径方向の長さで彩度の高低を示す。
カラーディスク500には、色相環510、中立エリア520、カーソル540、ニュートラルライン550が設けられる。
色相環510は、色相の角度方向を示すためのスケールで、モノクロディスク400の色相環410と同等である。中立エリア520も、モノクロディスク400の中立エリア420と同等である。カーソル540は、色相の指定と彩度の設定を行うものである。カーソル540は、フロントダイヤル20の回転に応じて角度方向が変化し、リアダイヤル24の回転に応じて、径方向の位置が変化する。本例では、カーソル540が外周側に位置するほど彩度が高く、内周側に位置するほど彩度が低いとする。
図19に戻る。画面D21のカラーディスク500aでは、カーソル540は、角度方向が4時で、径方向の位置が最外周である。図17の例と同様に、4時方向を赤とすると、赤方向にホワイトバランスが強調補正され、彩度が最大になるような画像処理がされる。ライブビュー画像LVは、彩度が高く、赤みが強く表示される。
画面D21で、リアダイヤル24がマイナス方向に回転されると、画面D22のカラーディスク500bに示すように、カーソル540が内周側に移動されて、彩度が低く設定される。ライブビュー画像LVは、彩度が低く、赤みが強く表示される。
画面D21で、フロントダイヤル20が回転されて、カーソル540が10時の方向に移動されると、画面D23のカラーディスク500cに示すように、10時方向を緑とすると、緑方向にホワイトバランスが強調補正される。ライブビュー画像LVは、彩度が高く、緑が強く表示される。
画面D23で、フロントダイヤル20が回転されて、カーソル540が10時の方向で、内周側に移動されると、画面D24に示すカラーディスク500dように、彩度が低く設定される。ライブビュー画像LVは、彩度が低く、緑が強く表示される。
画面D22で、フロントダイヤル20が回転されてカーソル540が10時の方向に移動されると、画面D24に移行する。
また、カーソル540が0時の方向に合わされて、リアダイヤル24の回転で、カーソル540が中立エリア520の径方向に沿って調整されると、ホワイトバランスが特定の色相を強調補正することなく、彩度だけの調整を行うことができる。
カラークリエータモードにより、画像全体を指定した色味に強調し、かつ鮮やかさも調整することができる。
このように、カラーディスク作成部114(第3の表示制御部)は、画像のカラーバランスを強調補正する色相と、カラーバランスが強調補正される画像全体の彩度をそれぞれ設定して、画像全体の色調整を指示する画像調整画面であって、色相を角度方向に対応させ、彩度を径方向の距離に対応させた2次元座標上で、カーソルを移動させて、色相と彩度を設定するカラーディスク500(第3の画像調整画面)を生成する。
また、ピクチャーモードでは、「色相と彩度」や「フィルタ色とフィルタ濃度」を「フロントダイヤル20とリアダイヤル24」で操作することを説明したが、これに限るものではない。例えば、「フロントダイヤル20とリアダイヤル24」の代わりに、レンズ鏡筒に設けた操作リングを、操作手段に利用してもよい。上記したように、それぞれの調整手法に応じた3種の画像調整画面を用意した。操作の容易な3種の画像調整画面が用意されているので、初心者ユーザであっても、好みの画像を撮影することができる。
〈ピクチャーモードの制御処理〉
次に、ピクチャーモードにおける制御処理を説明する。以下の処理は、主にカメラ制御部100により実行される。
図21は、撮像装置1全体の処理手順を説明するためのフローチャートである。撮像装置1は、撮影モードに設定されているとする。カメラ制御部100は、背面モニタ10または電子ビューファインダ12に、撮像部62で撮影された画像(ライブビュー画像LV)を表示する(ステップS10)。カメラ制御部100は、ライブビュー画像LVを表示させながら、UI(user interface)処理を行う(ステップS12)。
図22は、UI(user interface)処理の手順を示すサブルーチンである。CPU140は、保存用メモリ82から、前回実行されたピクチャーモードの設定条件を読み出す(ステップS30)。CPU140は、現在ピクチャーモードのいずれのモードに設定されているかで、処理を選択する(ステップS32)。CPU140は、通常のライブビュー画面からピクチャーモードに切換えられた場合には、ピクチャーモードダイヤル40の位置に応じて、モードを選択する。
CPU140は、現在ピクチャーモードがマルチカラーモードである場合には、マルチカラー処理を行う(ステップS34)。CPU140は、現在ピクチャーモードがカラークリエータモードである場合には、カラークリエータ処理を行う(ステップS36)。CPU140は、現在ピクチャーモードがモノクロクリエータモードである場合には、モノクロクリエータ処理を行う(ステップS38)。ステップS34〜ステップS38の詳細は、後述する。
CPU140は、操作入力部130からの通知により、モード変更操作がされたかを判断する(ステップS40)。CPU140は、モード変更操作がされたと判断すると(ステップS40YES)、ステップS30に戻る。CPU140は、モード変更操作がされていないと判断すると(ステップS40NO)、図21のステップS14に進む。
図21に戻る。CPU140は、操作入力部130からの通知により、電源ボタン26の押下によりパワーオフ操作がされたかを判断する(ステップS14)。CPU140は、パワーオフ操作がされていないと判断すると(ステップS14NO)、シャッターボタン22の押下により撮影操作がされたかを判断する(ステップS16)。
CPU140は、撮影操作がされたと判断すると(ステップS16YES)、撮影処理を実行して(ステップS18)、ステップS10に戻る。CPU140は、撮影操作がされていないと判断すると(ステップS16NO)、ステップS10に戻る。
CPU140は、パワーオフ操作がされたと判断すると(ステップS14YES)、終了処理を実行して(ステップS20)、処理を終了する。
図22に戻り、ステップS34のマルチカラー処理を説明する。図23は、マルチカラー処理の手順を示すサブルーチンである。
CPU140は、PICTボタン30の押下により、マルチカラー呼出操作がされたかを判断する(ステップS50)。CPU140は、ステップS30で読み出した前回のピクチャーモードの設定条件により、前回の設定に合わせた処理を行う(ステップS52)。
CPU140は、前回の設定が個別選択であった場合には、個別選択の画像調整画面(カラーマップ)を表示する(ステップS54)。具体的には、前回最後に表示されたカラーマップ200が表示される。例えば、CPU140は、図6で示したカラーマップ200を表示する。
また、CPU140は、前回の設定が全選択方式1であった場合には、図9のカラーマップ200hのような全選択方式1の画像調整画面を表示する(ステップS56)。具体的には、前回最後に表示された全選択方式1のカラーマップ200が表示される。
また、CPU140は、前回の設定が全選択方式2であった場合には、図11のカラーマップ200lのような全選択方式2の画像調整画面を表示する(ステップS58)。ステップS56と同様に、前回最後に表示された全選択方式2のカラーマップ200が表示される。
図24は、個別選択と全選択方式1と全選択方式2の関係を示す図である。前述のように個別選択と全選択方式1は、ボタン操作によって切換えられる。個別選択と全選択方式2は、ダイヤル操作によって切換えられる。
次に、CPU140は、ボタン操作がされたかを判断する(ステップS60)。CPU140は、ボタン操作がされたと判断すると(ステップS60YES)、ボタン操作処理を行う(ステップS62)。
図25は、ボタン操作処理の手順を示すサブルーチンである。以下では、ボタン操作の中で、INFOボタン32の操作による処理のみを説明する。ピクチャーモードに無関係な他のボタン操作については、省略する。
CPU140は、INFOボタン32の操作がされたかを判断する(ステップS100)。CPU140は、INFOボタン32の操作がされたと判断すると(ステップS100YES)、現在の設定に応じた処理を行う(ステップS102)。CPU140は、INFOボタン32の操作がされていないと判断すると(ステップS100NO)、図23のステップS64に進む。
CPU140は、現在の設定が、全選択方式2の場合には、INFOボタン32の操作を無視して、図23のステップS64に戻る。CPU140は、現在の設定が全選択方式1の場合には、個別選択に変更する(ステップS104)。
CPU140は、現在の設定が個別選択の場合には、彩度が上限に達している色相が1個以上あるかを判断する(ステップS106)。CPU140は、彩度が上限に達している色相が1つもないと判断すると(ステップS106NO)、全選択方式1へ変更して(ステップS110)、ステップS112に進む。
CPU140は、彩度が上限に達している色相が1個以上あると判断すると(ステップS106YES)、彩度が下限に達している色相が1個以上あるかを判断する(ステップS108)。CPU140は、彩度が下限に達している色相が1つもないと判断する(ステップS108NO)、全選択方式1へ変更する(ステップS110)。
CPU140は、変更に伴う表示処理を行う(ステップS112)。CPU140は、表示制御部110にカラーマップ200の変更を指示する。表示制御部110のカラーマップ作成部112は、変更に対応したカラーマップ200を作成し、表示制御部110は、作成されたカラーマップ200を表示部90に表示させる。CPU140は、ステップS112の後は、ステップS68に進む。
CPU140は、彩度が下限に達している色相が1個以上あると判断すると(ステップS108YES)、全選択方式1への変更を行わないで、ステップS64に戻る。上限及び下限に達した彩度がそれぞれ存在する場合には、彩度をまとめて変更方式はなじまないからである。
図23に戻る。CPU140は、ボタン操作がされていないと判断すると(ステップS60NO)、ステップS64に進む。CPU140は、ダイヤル操作がされたかを判断する(ステップS64)。CPU140は、ダイヤル操作がされたと判断すると(ステップS64YES)、ダイヤル操作処理を行う(ステップS66)。CPU140は、ダイヤル操作がされていないと判断すると(ステップS64NO)、ステップS68に進む。
図26は、ダイヤル操作処理の手順を示すサブルーチンである。CPU140は、操作がリアダイヤル24の操作であるかを判断する(ステップS120)。CPU140は、操作がリアダイヤル24の操作でないと判断すると(ステップS120NO)、ステップS140に進む。CPU140は、操作がリアダイヤル24の操作であると判断すると(ステップS120YES)、現在の設定に応じた処理を選択する(ステップS122)。
CPU140は、現在の設定が個別選択の場合には、リアダイヤル24の回転方向と回転角に応じて、指定された色相で設定された彩度に変更する(ステップS124)。
また、CPU140は、現在の設定が全選択方式1,2の場合には、リアダイヤル24の操作が彩度を高くする方向であるかを判断する(ステップS126)。CPU140は、リアダイヤル24の操作が彩度を高くする方向であるかを判断すると(ステップS126YES)、彩度が上限に達している色相があるかを判断する(ステップS128)。CPU140は、彩度が上限に達している色相があると判断すると(ステップS128YES)、リアダイヤル24の操作を無効として、ステップS140に進む。
CPU140は、彩度が上限に達している色相がないと判断すると(ステップS128NO)、全色相の彩度を高く変更して(ステップS130)、ステップS136に進む。
CPU140は、リアダイヤル24の操作が彩度を高くする方向でないと判断すると(ステップS126NO)、彩度が下限に達している色相があるかを判断する(ステップS132)。CPU140は、彩度が下限に達している色相があると判断する(ステップS132YES)、リアダイヤル24の操作を無効として、ステップS140に進む。
CPU140は、彩度が下限に達している色相がないと判断すると(ステップS132NO)、全色相の彩度を低く変更して(ステップS134)、ステップS136に進む。
そして、CPU140は、カラーマークのサイズ設定処理を行う(ステップS136)。図27は、カラーマークのサイズ設定処理の手順を示すサブルーチンである。表示制御部110のカラーマップ作成部112は、カラーマークMの径方向の位置に応じて、カラーマークの表示サイズを変更する。前述の図15では、径方向に応じて連続的に、カラーマークのサイズを大きくする例を示したが、図27では、ニュートラルライン222を基準にカラーマークMの表示サイズを変更する処理例を説明する。なお、以下のカラーマークMには、ポイントマーク250も含まれるものとする。
CPU140は、カラーマークMがニュートラルライン222より内側、つまり初期値より低い値に変更されたかを判断する(ステップS160)。CPU140は、カラーマークがニュートラルライン222より内側に変更されたと判断すると(ステップS160YES)、変更された彩度に応じて、カラーマークMのサイズを、通常より小サイズに設定する(ステップS162)。
CPU140は、カラーマークMがニュートラルライン222より内側に変更されていないと判断すると(ステップS160NO)、カラーマークMのサイズを通常サイズに設定する(ステップS164)。
CPU140は、変更された全ての色相のカラーマークMについて、サイズ設定が終了したかを判断する(ステップS166)。全選択が設定された場合である。個別選択の場合には、ステップS166は常にYESとなる。CPU140は、変更された全ての色相のカラーマークMについて、サイズ設定が終了していないと判断すると(ステップS166NO)、次のカラーマークMに切換えて(ステップS168)、ステップS160に戻る。CPU140は、変更された全ての色相のカラーマークMについて、サイズ設定処理したと判断すると(ステップS166YES)、図26のステップS138に進む。
CPU140は、ステップS136の後に、彩度変更に対応する表示処理を指示する(ステップS138)。CPU140からの指示により、マルチカラー処理部122は画像処理における指定された色相の彩度を変更する。そして、マルチカラー処理部122は、指定された色相について変更された彩度で、ライブビュー画像LV等を生成する。また、カラーマップ作成部112は、変更に対応したカラーマップ200を生成する。表示制御部110は、彩度が変更されたライブビュー画像LVと対応するカラーマップ200を表示する。
CPU140は、操作がフロントダイヤル20の操作であるかを判断する(ステップS140)。CPU140は、操作がフロントダイヤル20の操作でないと判断すると(ステップS140NO)、図23のステップS68に進む。
CPU140は、操作がフロントダイヤル20の操作であると判断すると(ステップS140YES)、現在の設定に応じた処理を選択する(ステップS142)。CPU140は、現在の設定が個別選択である場合には、操作内容が全選択方式2の操作であるかを判断する(ステップS144)。全選択方式2に変更する操作は、図11で説明した操作である。
CPU140は、操作内容が全選択方式2の操作でないと判断すると(ステップS144NO)、フロントダイヤル20の操作方向と回転角に応じて、色相を変更する(ステップS146)。
CPU140は、操作内容が全選択方式2の操作であると判断すると(ステップS144YES)、個別選択から全選択方式2に設定を変更する(ステップS148)。
また、CPU140は、現在の設定が全選択方式2である場合には、操作内容が全選択を解除する操作であるかを判断する(ステップS150)。CPU140は、操作内容が全選択を解除する操作であると判断すると(ステップS150YES)、全選択方式2から個別選択に設定を変更する(ステップS152)。
CPU140は、ステップS146、ステップS148、ステップS152の後に、色相等の変更に対応する表示処理を行う(ステップS154)。表示処理は、ステップS138と同等であるので、説明は省略する。CPU140からの指示により、カラーマップ作成部112は、指定される色相を変更したカラーマップ200や、個別選択と全選択を切換えたカラーマップ200を生成する。
CPU140は、操作内容が全選択方式2を解除する操作でないと判断すると(ステップS150NO)、図23に戻る。また、CPU140は、現在の設定が全選択方式1である場合にも、フロントダイヤル20の操作は無効として、図23のステップS68に進む。
図23に戻る。CPU140は、タッチパネル操作がされたかを判断する(ステップS68)。CPU140は、タッチパネル操作がされていないと判断すると(ステップS68NO)、ステップS72に進む。CPU140は、タッチパネル操作がされたと判断すると(ステップS68YES)、タッチパネル操作処理を行う(ステップS70)。
図28は、タッチパネル操作処理の手順を示すサブルーチンである。図14で説明した操作の処理である。CPU140は、個別選択が設定されているかを判断する(ステップS180)。タッチパネル操作による色相の指定は、個別選択でのみ有効とする。
CPU140は、個別選択が設定されていると判断すると(ステップS180YES)、タッチ箇所はライブビュー画像LVであるかを判断する(ステップS182)。CPU140は、タッチ箇所がライブビュー画像LVであると判断すると(ステップS182YES)、画像処理部120のマルチカラー処理部122は、タッチ箇所の画像を抽出して、タッチ箇所の色相を特定する。マルチカラー処理部122は、特定したタッチ箇所の色相に最も近い色相を、カラーマップ200の12色の色相の中から選択する。
CPU140は、タッチ箇所の色相にポイントマーク250を移動させる(ステップS184)。カラーマップ作成部112は、マルチカラー処理部122で選択された色相に対応する角度方向にコントロールバー230を移動させたカラーマップ200を作成する。
CPU140は、ステップS184の処理後、図23に戻る。CPU140は、個別選択が設定されていない(ステップS180NO)、あるいは、タッチ箇所はライブビュー画像LVでない(ステップS182NO)と判断すると、図23のステップS72に進む。
図23に戻る。CPU140は、OKボタン34の押下によりリセット操作がされたかを判断する(ステップS72)。CPU140は、リセット操作がされたと判断すると(ステップS72YES)、全色の彩度を初期値に戻すリセット処理を行う(ステップS74)。図13で説明したように、全ての色相の彩度がニュートラルライン222に戻り、コントロールバー230も0時に戻ったカラーマップ200が表示される。CPU140は、リセット操作がされていないと判断すると(ステップS72NO)、ステップS76に進む。
CPU140は、マルチカラーモードが閉じられる操作がされたかを判断する(ステップS76)。マルチカラーモードを閉じられる操作とは、例えば、PICTボタン30の押下である。CPU140は、マルチカラーモードが閉じられる操作がされていないと判断すると(ステップS76NO)、ステップS54に戻る。
CPU140は、マルチカラーモードが閉じられる操作がされたと判断すると(ステップS76YES)。マルチカラーモードの最終の設定状態とコントロールバー230位置等を保存用メモリ82に記憶して(ステップS78)、マルチカラーモードを終了し、図22のステップS40に戻る。
〈ピクチャーモードの画像処理〉
マルチカラーモード、モノクロクリエータ及びカラークリエータのそれぞれ画像処理を順番に説明する。
図29は、マルチカラーモードのマルチカラー処理の手順を示すフローチャートである。画像処理部120のマルチカラー処理部122が、主に以下のマルチカラー処理を実行する。ユーザは、マルチカラーモードを利用することで、多色の彩度を個別に調整し、自在な色作りをすることができる。
マルチカラー処理部122は、保存用メモリ82から、各色相の彩度値を取得する(ステップS200)。各色相の彩度値とは、例えば、前回のマルチカラーモードで設定された値、あるいは未設定の場合には初期値(デフォルト値)で、保存用メモリ82に記憶された彩度値である。
マルチカラー処理部122は、各色相に対応するカウンタnに12を設定する(ステップS202)。12は、カラーマップ200で選択可能な色相の数で、図5と同様に12色とする。
カラーマップ200で所定の調整がされたとする。マルチカラー処理部122は、カラーマップ200で設定されたCOLOR(n)の彩度レベルを取得する(ステップS204)。COLOR(n)は、n番目の色相を意味する。例えば、COLOR(12)は、図5の11時の色相である黄緑である。また、図5のカラーマップ200で示したように彩度を8段階とすると、取得される彩度レベル=−3、−2、−1、0、+1、+2、+3、+4のいずれかとなる。
マルチカラー処理部122は、COLOR(n)の彩度値の補正処理を行う(ステップS206)。マルチカラー処理部122は、ステップS204で取得したCOLOR(n)の彩度レベルにより、ステップS200で取得した彩度値を補正する。
マルチカラー処理部122は、カウンタn←n−1に設定する(ステップS208)。補正する色相を切換えるためである。マルチカラー処理部122は、n>0であるかを判断する(ステップS210)。
マルチカラー処理部122は、n>0であると判断すると(ステップS210YES)、ステップS204に戻る。マルチカラー処理部122は、全色の補正が終了するまで繰り返す。マルチカラー処理部122は、n>0でないと判断すると(ステップS210NO)、全色の補正が終了したとして、マルチカラー処理部122は、補正後の彩度による画像を生成し、生成された画像を出力する(ステップS212)。
なお、マルチカラー処理の対象となる画像は、ライブビュー画像LVあるいは再生画像いずれでもよい。また、ライブビュー画像LVは、撮影中及びカラーマップ200表示中常に表示される。また、ライブビュー画像LVは、撮影が実行された場合には、画像ファイル化され、外部メモリ84に記憶される。
図30は、モノクロクリエータモードのモノクロクリエータ処理の手順を示すフローチャートである。前述のように、モノクロクリエータモードは、レンズ部3にカラーフィルタを装着した場合と同様の画像を画像処理により生成するものである。画像処理部120のモノクロクリエータ処理部126が、主にモノクロクリエータ処理を実行する。
モノクロクリエータ処理部126は、モノクロディスク400で設定された情報を取得する(ステップS220)。モノクロクリエータ処理部126は、モノクロディスク400で設定されたフィルタ色とフィルタ濃度の情報を取得する。設定されたフィルタ色を選択色と呼び、設定されたフィルタ色の補色を非選択色と呼ぶ。
モノクロクリエータ処理部126は、モノクロ係数(モノクロ変換係数と呼ぶ)を算出する(ステップS222)。モノクロクリエータ処理部126は、取得した設定情報から、モノクロ変換係数を決定する。具体的には、モノクロクリエータ処理部126は、標準モノクロ係数に対して、選択色を大きくし、非選択色が小さくなるようにバランスをとった重み付けを行って、モノクロ係数を算出する。また、モノクロクリエータ処理部126は、設定されたフィルタ濃度によっても、重み付けを変えて、モノクロ係数を算出する。
また、モノクロクリエータ処理部126は、フィルタ色やフィルタ濃度等の設定情報ごとに予め決められた係数を、保存用メモリ82に格納されたテーブルを参照して取得し、取得した係数で標準モノクロ係数に重み付けをしてもよい。
モノクロクリエータ処理部126は、撮像データから、WB(white balance)調整を行ったカラー画像データ(標準画像)を生成する(ステップS224)。モノクロクリエータ処理部126は、モノクロ係数に従って標準画像に重み付け演算をし、モノクロ画像化する(ステップS226)。モノクロクリエータ処理部126は、モノクロ画像を出力する(ステップS228)。
モノクロクリエータ処理の対象となる画像は、ライブビュー画像LVあるいは再生画像いずれでもよい。また、ライブビュー画像LVは、撮影中及びモノクロディスク400表示中常に表示される。また、ライブビュー画像LVは、撮影が実行された場合には、画像ファイル化され、外部メモリ84に記憶される。
図31は、カラークリエータモードのカラークリエータ処理の手順を示すフローチャートである。画像処理部120のカラークリエータ処理部124が、主にカラークリエータ処理を実行する。カラークリエータモードは、画像全体を指定した色味に強調し、かつ鮮やかさも調整できるモードである。
カラークリエータ処理部124は、カラーディスク500で設定された情報を取得する(ステップS240)。カラークリエータ処理部124は、カラーディスク500で設定された色相と彩度の情報を取得する。
カラークリエータ処理部124は、標準画像処理を行う(ステップS242)。カラークリエータ処理部124は、撮像データから、WB調整を行ったカラー画像データを生成
する。
カラークリエータ処理部124は、色味補正処理を行う(ステップS244)。カラークリエータ処理部124は、設定された色相方向にWBを強調補正するが、ただし、色相の回転は行わない。また、カラークリエータ処理部124は、設定された彩度に従って彩度を増減する。つまり、カラークリエータ処理部124は、設定された色相方向に重みをおいて、設定された彩度に応じて全体の彩度を補正する。
カラークリエータ処理部124は、色味補正処理した画像を生成し、出力する(ステップS246)。カラークリエータ処理の対象となる画像は、ライブビュー画像LVあるいは再生画像いずれでもよい。また、ライブビュー画像LVは、撮影中及びカラーディスク500表示中常に表示される。また、ライブビュー画像LVは、撮影が実行された場合には、画像ファイル化され、外部メモリ84に記憶される。
〈カラースケール表示〉
これまでは、画像調整画面として、色相と彩度あるいはフィルタ色とフィルタ濃度を極座標で表す例を説明したが、2次元表示としては極座標に限るものではない。図32は、色相と彩度をXYの直交座標で表した画像調整画面を示す図である。図32の画面D30は、ライブビュー画像LV(不図示)にカラークリエータグラフ600が重畳表示される画面である。カラークリエータグラフ600は、カラークリエータモードの画像調整画面である。
カラークリエータグラフ600は、カラーパレット610とモノクロパレット620から構成される。カラーパレット610は、カラーディスク500に相当し、カラーパレット610の左右方向が色相に対応し、上下方向が彩度に対応する。モノクロパレット620は、図20で説明した中立エリア520に相当するものである。
カラーパレット610は、色相に対応して、水平方向に順番に着色表示される。例えば、左端から右方向に順番に、黄、黄橙、赤橙、赤、赤紫、紫、青紫、青、緑を含む青、青緑、緑、黄緑の12色(C0、・・・、C11)が表示される。なお、色相は、画面D30のようにエリアで分割するのではなく、連続的に変化するよう表示されてもよい。
そして、カラーパレット610上に、上下左右に移動可能なカーソル630が表示される。カーソル630の水平方向の位置で色相が設定され、カーソル630の上下位置で彩度が設定される。
モノクロパレット620は、被写体の色バランスを変えずに、彩度だけを調整するためのエリアである。モノクロパレット620上でのカーソル630の上下位置によって、彩度が設定される。
また、カーソル630の移動は、これまでと同様にフロントダイヤル20とリアダイヤル24の組で行ってもよいが、XY方向ボタン33で直接行うようにしてもよい。
図32の画面D31は、ライブビュー画像LV(不図示)にマルチカラーグラフ650が重畳表示される画面である。マルチカラーグラフ650は、マルチカラーの画像調整画面である。マルチカラーグラフ650には、カラーパレット610と同様に、色相に対応して、水平方向に順番に着色表示される(C0、・・・、C11)。なお、色相は、エリアで分割されることなく連続的に変化するよう表示されてもよい。
また、マルチカラーグラフ650では、上下が彩度に相当する。マルチカラーグラフ650上で、左右方向の位置で色相が指定され、上下位置で指定された色相の彩度が設定される。各色相で設定された彩度の位置にマーカ680が表示され、マーカ680同士が直線で接続される。また、破線の水平線で示されるニュートラルライン685は、彩度の初期値(デフォルト値)を示す線である。ニュートラルライン685は、図4で説明したニュートラルライン222と同等である。カーソル670を移動させて色相の指及び彩度の設定が行われる。カーソル670は、マーカ680より大きなサイズで表示される。
また、カーソル670の移動操作は、これまでと同様にフロントダイヤル20とリアダイヤル24の組で行ってもよいが、XY方向ボタン33で直接行うようにしてもよい。
以上説明したXY座標による画像調整画面でも、極座標による画像調整画面と同様に、ユーザは操作手順を直観的に把握できるので、画像調整の知識を特に有さないユーザでも容易に操作ができる。
〈変形例〉
・作成したカラーマップ200、モノクロディスク400等の画像調整画面を、「お気に入り」として登録し、気に入った画像調整の条件を、簡単に呼び出せるようにしてもよい。
・制御プログラムを読込んだCPU140により実現される処理は、一部または全部をハードウェアによる処理に代えてもよい。
・上記実施形態では、指定可能な色相を12色としたが、一例であって、色相数は任意である。
・また、画像調整装置を撮像装置に適用した例を説明したが、画像再生装置や画像処理装置(例えば、PC)に適用してもよい。
・また、カラーマップ200、モノクロディスク400、カラーディスク500の3つの画像調整画面を選択的に表示する例を説明したが、画像調整装置は、3つの画像調整画面の1つまたは2つを表示するものであってもよい。
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。