JP6584512B2 - シミュレーション装置及びシミュレーションプログラム - Google Patents
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Description
例えば、生産の実行を計画するMES(Manufacturing Execution System)と、設計情報の共有を可能とするPLM(Product Life cycle Management)とが導入されている。また、製品及び製造設備の検証を行うシミュレーション装置も導入されている。
その後、製品仕様の変更や、製造設備の機器の故障に伴い代替品を使用する場合に、改めてシミュレーション装置により検証が行われる。
この発明は、製造制御のシミュレーションでは現れない温度及び振動のような要因による影響を考慮したシミュレーションを可能とし、生産性を向上させることを目的とする。
オートメーションシステムに設けられたセンサで検出されたセンサ値と、そのセンサ値が検出された際の前記オートメーションシステムでの生産性とから機械学習を行い、前記生産性が高くなるセンサ値を適切値として計算する適切値計算部と、
設定を順次変更しながら、前記オートメーションシステムの動作のシミュレーションを実行して、前記設定毎の前記センサ値の予測値を計算するシミュレーション部と、
前記シミュレーション部によって計算された予測値が、前記適切値計算部によって計算された適切値に近い値である場合の前記設定を特定する設定特定部と
を備える。
***構成の説明***
図1は、実施の形態1に係るシミュレーションシステム100の構成図である。
シミュレーションシステム100は、シミュレーション装置10と、既に敷設され稼働しているオートメーションシステム20とを備える。シミュレーション装置10とオートメーションシステム20とは、ネットワーク30を介して接続されている。
なお、ここでは、オートメーションシステム20は、半導体工場のシステムであるとするが、製造設備の外界の要因が生産性に影響するシステムであれば、他のシステムであってもよい。
シミュレーション装置10は、オートメーションシステム20を構成するコントローラと、コントローラの制御プログラムと、フィールドバス及びセンサ及びアクチュエータのような各種デバイスとのオートメーションシステム20を構成する機器及びプログラムを仮想マシンにより忠実に再現する。そして、シミュレーション装置10は、仮想マシンにより、R101〜R110の各工程の挙動をS101〜S110として忠実に模擬する。シミュレーション装置10は、S101〜S110で発生した、コントローラによる機械語の実行と、各種デバイスの状態変化と等の全てのイベントを、ログ記憶装置40に記憶する。
シミュレーション装置10は、センサデータ51が示すセンサ値と、生産性データ52が示す生産性とに基づき、シミュレーションを実行して、オートメーションシステム20の適切な設定を特定する。適切とは、オートメーションシステム20での生産性が高くなるという意味である。設定とは、オートメーションシステム20に与えられるパラメータの値と、オートメーションシステム20で使用されるロジックと、オートメーションシステム20を構成するデバイスの配置等である。
シミュレーション装置10は、特定した設定を示す設定データ53をオートメーションシステム20へ送信する。すると、設定データ53が示す設定がオートメーションシステム20に反映される。なお、デバイスの配置については、別途人手で反映される。
エッチング装置201は、R105のエッチング工程を実行するための装置である。エッチング装置201は、制御信号が伝送される制御フィールドバス202に接続されたPLC203によって制御される。シミュレーション装置10は、図2に示す構成であれば、制御フィールドバス202及びPLC203の動作を模擬する。
エッチング装置201は、エッチング液206をワーク面205に散布する際の内部空間208の圧力を圧力センサ209により検出する。そして、エッチング装置201は、検出された圧力を示す圧力データを定期的にセンサネットワーク210を介して出力する。出力された圧力データは、圧力をセンサ値として示すセンサデータ51として、ネットワーク30を介してシミュレーション装置10に送信される。
上述した通り、内部空間208の圧力は、ポンプ207により制御される。そのため、ポンプ207を制御するパラメータを変えることにより、内部空間208の圧力を制御することが可能である。
内部空間208の圧力がポンプ207のパラメータにより制御可能であることと同様に、他のデバイスから出力されたデータが示すセンサ値も設定により制御可能である。
図2に示すエッチング装置201の場合であれば、シミュレーション装置10は、圧力が適切値に近い値になる、ポンプ207の制御に関するパラメータを特定する。
シミュレーション装置10は、データ受信部11と、適切値計算部12と、シミュレーション部13と、設定特定部14と、データ送信部15と、目標判定部16とを備える。
データ受信部11は、オートメーションシステム20が稼働している間に、オートメーションシステム20から定期的に送信されるセンサデータ51と生産性データ52との組を順次受信して、記憶装置に蓄積する。この際、データ受信部11は、センサデータ51と生産性データ52との組に対応付けて、センサ値が検出された際のオートメーションシステム20の設定も記憶装置に蓄積する。
ここでは、適切値計算部12は、多変量線形回帰を用いた機械学習を行う。適切値計算部12は、機械学習の手法として知られている他の手法を用いてもよい。
各受信タイミングに、n種類のセンサデータ51と、生産性データ52との組がデータ受信部11によって受信されるとする。したがって、受信されるセンサデータ51が示すセンサ値の集合xは、x:=(x1,...,xn)である。そして、適切値の集合θは、θ:=(θ1,...,θn)である。ここでは、計算の便宜上、集合xに要素x0を追加し、集合θに要素θ0を追加し、x:=(x0,x1,...,xn)∈Rn+1、θ:=(θ0,θ1,...,θn)∈Rn+1、θ0x0=1とする。ここで、Rは実数を表し、Rに上付き文字として示されたn+1は要素数を表す。
このとき、多変量線形回帰の予測式hθ(x)は数1のようになる。
このとき、多変量線形回帰における費用関数J(θ)は数2のようになる。
つまり、適切値計算部12は、適切値の集合θの全ての要素θjの値が収束するまで、m個の新たなセンサ値と生産性と組からtmpjを計算して、集合θを更新する処理を繰り返す。
費用関数J(θ)の値が時系列に単調減少していれば、費用関数J(θ)は正しく機能しているとみなすことができる。
図4は、実施の形態1に係るシミュレーション装置10の動作を示すフローチャートである。
実施の形態1に係るシミュレーション装置10の動作は、実施の形態1に係るシミュレーション方法に相当する。また、実施の形態1に係るシミュレーション装置10の動作は、実施の形態1に係るシミュレーションプログラムの処理に相当する。
予測値が適切値に近い値でない場合には(S5でNO)、設定特定部14は、処理をS3に戻して、使用設定を変更させる。一方、予測値が適切値に近い値である場合には(S5でYES)、設定特定部14は、処理をS6に進める。
生産性が目標値以下の場合には(S7でNO)、目標判定部16は、処理をS2に戻して、適切値を計算し直させる。一方、生産性が目標値よりも高い場合には(S7でYES)、目標判定部16は、処理を終了する。
そこで、S7から処理をS2に戻す際、オートメーションシステム20に設けられたセンサの位置を変更してもよい。これにより、オートメーションシステム20の異なる位置に設けられたセンサで検出されたセンサ値と、そのセンサ値が検出された際のオートメーションシステム20の生産性とから、適切値を計算し直させることができる。
例えば、ログ記憶装置40に蓄積されたイベントのログを参照して、シミュレーションが適切であるか検証することが可能である。そして、検証した結果に基づき、シミュレーションロジックを変更することが可能である。また、設定を繰り返し変更して、設定毎のセンサ値を取得することにより、設定とセンサ値との関係をより的確に模擬するシミュレーションロジックを構築することが可能である。
以上のように、実施の形態1に係るシミュレーション装置10は、稼働中のオートメーションシステム20のセンサ値及び生産性から適切なセンサ値を機械学習して、オートメーションシステム20の設定を決定する。
これにより、徐々にオートメーションシステム20の生産性を高くすることができる。
シミュレーション装置10はコンピュータである。
シミュレーション装置10は、プロセッサ901、補助記憶装置902、メモリ903、通信装置904、入力インターフェース905、ディスプレイインターフェース906といったハードウェアを備える。
プロセッサ901は、信号線910を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
入力インターフェース905は、ケーブル911により入力装置907に接続されている。
ディスプレイインターフェース906は、ケーブル912によりディスプレイ908に接続されている。
補助記憶装置902は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)である。
メモリ903は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
通信装置904は、データを受信するレシーバー9041及びデータを送信するトランスミッター9042を含む。通信装置904は、例えば、通信チップ又はNIC(Network Interface Card)である。
入力インターフェース905は、入力装置907のケーブル911が接続されるポートである。入力インターフェース905は、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子である。
ディスプレイインターフェース906は、ディスプレイ908のケーブル912が接続されるポートである。ディスプレイインターフェース906は、例えば、USB端子又はHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。
入力装置907は、例えば、マウス、キーボード又はタッチパネルである。
ディスプレイ908は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。
このプログラムは、メモリ903にロードされ、プロセッサ901に読み込まれ、プロセッサ901によって実行される。
更に、補助記憶装置902には、OS(Operating System)も記憶されている。
そして、OSの少なくとも一部がメモリ903にロードされ、プロセッサ901はOSを実行しながら、「部」の機能を実現するプログラムを実行する。
図5では、1つのプロセッサ901が図示されているが、シミュレーション装置10が複数のプロセッサ901を備えていてもよい。そして、複数のプロセッサ901が「部」の機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
また、「部」の処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値とが、メモリ903、補助記憶装置902、又は、プロセッサ901内のレジスタ又はキャッシュメモリにファイルとして記憶される。
また、「部」の機能を実現するプログラムは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD等の記憶媒体に記憶される。
Claims (4)
- オートメーションシステムが稼働している間に、前記オートメーションシステムから送信される前記オートメーションシステムに設けられたセンサで検出されたセンサ値と、そのセンサ値が検出された際の前記オートメーションシステムでの生産性を示す生産性データとの組を順次受信して、そのセンサ値が検出された際の、前記センサ値に影響を与える前記オートメーションシステムの設定と対応付けて記憶装置に蓄積するデータ受信部と、
前記データ受信部によって受信され前記記憶装置に蓄積された前記センサ値と前記生産性データとの組から機械学習を行い、前記生産性が高くなるセンサ値を適切値として計算する適切値計算部と、
設定を順次変更しながら、前記オートメーションシステムの動作のシミュレーションを実行して、前記記憶装置に蓄積された前記センサ値と前記センサ値に対応付られた前記設定とに基づき、前記オートメーションシステムを各設定にした場合の前記センサ値の予測値を計算するシミュレーション部と、
前記シミュレーション部によって計算された予測値が、前記適切値計算部によって計算された適切値に近い値である場合の前記設定を特定する設定特定部と
を備えるシミュレーション装置。 - 前記シミュレーション装置は、
前記設定特定部によって特定された設定を用いて前記オートメーションシステムが動作した場合における前記オートメーションシステムでの生産性が目標値よりも高くなったか否かを判定する目標判定部を備え、
前記適切値計算部は、前記生産性が前記目標値よりも高くならなかったと前記目標判定部が判定した場合、前回適切値を計算した後に蓄積された前記センサ値と前記生産性との組を用いて機械学習を行い、前記生産性が高くなるセンサ値を適切値として計算し直し、
前記設定特定部は、前記予測値が、前記適切値計算部によって計算し直された適切値に近い値である場合の前記設定を特定する
請求項1に記載のシミュレーション装置。 - 前記シミュレーション装置は、
前記設定特定部によって特定された設定を用いて前記オートメーションシステムが動作した場合における前記オートメーションシステムでの生産性が目標値よりも高くなったか否かを判定する目標判定部を備え、
前記適切値計算部は、前記生産性が前記目標値よりも高くならなかったと前記目標判定部が判定した場合、前記オートメーションシステムの異なる位置に設けられたセンサで検出されたセンサ値と、そのセンサ値が検出された際の前記オートメーションシステムでの生産性とから機械学習を行い、前記生産性が高くなるセンサ値を適切値として計算し直し、
前記設定特定部は、前記予測値が、前記適切値計算部によって計算し直された適切値に近い値である場合の前記設定を特定する
請求項1に記載のシミュレーション装置。 - オートメーションシステムが稼働している間に、前記オートメーションシステムから送信される前記オートメーションシステムに設けられたセンサで検出されたセンサ値と、そのセンサ値が検出された際の前記オートメーションシステムでの生産性を示す生産性データとの組を順次受信して、そのセンサ値が検出された際の、前記センサ値に影響を与える前記オートメーションシステムの設定と対応付けて記憶装置に蓄積するデータ受信処理と、
前記データ受信処理によって受信され前記記憶装置に蓄積された前記センサ値と、前記生産性データとの組から機械学習を行い、前記生産性が高くなるセンサ値を適切値として計算する適切値計算処理と、
設定を順次変更しながら、前記オートメーションシステムの動作のシミュレーションを実行して、前記記憶装置に蓄積された前記センサ値と前記センサ値に対応付られた前記設定とに基づき、前記オートメーションシステムを各設定にした場合の前記センサ値の予測値を計算するシミュレーション処理と、
前記シミュレーション処理によって計算された予測値が、前記適切値計算処理によって計算された適切値に近い値である場合の前記設定を特定する設定特定処理と
をコンピュータに実行させるシミュレーションプログラム。
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