JP6584256B2 - 構造体および容器 - Google Patents
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このように、光によって劣化するものを収容する容器には、内容物の劣化を防止するために、遮光性を有する、不透明な容器が使用されている。
そのため、遮光性の容器を使用する化粧品等では、使用者が、内容物の追加や、新品の製品の買い換えのタイミングを適正に把握することが困難であるという問題がある。
しかしながら、このような透明な窓を形成すると、ここから、常時、紫外線等の光が侵入することになり、収容した物が光によって劣化してしまう。
また、特許文献2には、内容物を収容する透明部(半透明部)を有する内容器と、内容器の口筒部に取付けられる取付けキャップと、取付けキャップに廻動可能に取り付けられる、内容器を挿入する、内容器の透明部に対応する位置に窓部を有する不透明な外容器とを有する窓付き容器が記載されている。
また、特許文献2に記載される窓付き容器も、同様に、通常は遮光性を保ちつつ、必要に応じて、外容器を廻動して、内容器の透明部と外容器の窓部とを一致させることによって、内容物を確認することができる。
再帰性反射構造に液体を供給および排出する機構とを有することを特徴とする構造体を提供する。
また、三角柱の頂角、および、錐体の頂点を通過する底面に垂直な三角形の頂角が、80〜100°であるのが好ましい。
また、三角柱は、底面が二等辺三角形の三角柱であり、錐体は、正角錐および円錐の少なくとも一方であるのが好ましい。
また、三角柱および錐体の配列周期をp、対向する透明板の距離をdとした際に、p/2<dであるのが好ましい。
さらに、再帰性反射構造に液体を供給および排出する機構が、互いに接離可能に配置された1組の透明板と、透明板の間に入れられた液体とで構成されるのが好ましい。
なお、本明細書において、『〜』を用いて表される数値範囲は、『〜』の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
図1(A)および図1(B)に示すように、容器10は、容器本体12と、蓋体14と、残量確認部16とを有して構成される。
なお、図1(A)は正面図であり、図1(B)は、側面図である。正面図は、本発明の特徴である残量確認部16を正面から見た図であり、側面図は、図1(A)の正面図に対して、上下方向を軸に容器を90°回転した図である。上下方向とは、容器10を通常の状態で載置した際に、鉛直方向となる方向である。
また、蓋体14は、容器本体12の排出口を閉塞するためのものであり、螺合や凹凸を利用する嵌合等の公知の手段によって、排出口となる筒状部に着脱可能に構成され、容器本体12の排出口を閉塞および開放する。
従って、容器本体12および蓋体14の形状や大きさ、構成、形成材料等には、限定はない。また、本発明の容器は、容器本体12と蓋体14とから構成される物に限定はされず、例えば、中蓋を有してもよく、スプレーによって内容物を排出するものであってもよく、取り外しができない揺動する蓋体によって排出口を開閉するものであってもよい。
なお、容器本体12および蓋体14を遮光性にする方法は、容器本体12および蓋体14に遮光性を付与できる塗料を塗布する方法、容器本体12および蓋体14を遮光性の包装材で包む方法、容器本体12および蓋体14を遮光性を確保できる材料で形成する方法等、公知の方法が各種利用可能である。
図2(A)および図2(B)に概念的に示すように、図示例の残量確認部16は、第1透明板20と、第2透明板24と、弾性体26と、液体28とを有して構成される。
また、図1(A)および図1(B)に示されるように、残量確認部16は、一例として、直方体状の形状を有する。
また、第2透明板24の第1透明板20との対向面24aは、下端部の所定領域(後述する領域24b)を除いて、再帰性反射構造(再帰反射構造)を有する。なお、第2透明板24は、一体成型されたものでもよく、透明な板状の基材に、透明な再帰性反射構造を貼り付けた構成を有するものでもよい。
以下の説明では、『第2透明板24の第1透明板20との対向面24a』を、単に『対向面24a』とも言う。
図示例において、対向面24aは、一例として、長尺なプリズム(三角柱)を稜線と直交する方向に配列した、いわゆるプリズムシート状(プリズム構造)の再帰性反射構造を有している。具体的には、対向面24aは、プリズムの稜線を、図1(A)の図中横方向、ならびに、図1(B)、図2(A)および図2(B)の紙面に垂直方向に一致して、図中上下方向にプリズムを配列した、再帰性反射構造を有している。また、対向面24aのプリズムは、一例として、頂角が90°の二等辺三角形の底面を有し、頂角を第1透明板20に向けて配列される。
しかしながら、後述するように、残量確認部16は、通常時には再帰性反射による全反射構造となっているため、容器外部からの目視的には、金属光沢面のようになっている。また、残量確認部16は、容器本体12内に収容される内容物の残量を確認する際には、透明になっている。
従って、残量確認部16の再帰性反射構造は、基本的に、使用者に目視されない。
なお、遮光性にするのは、領域24bおよび領域20aのいずれか一方でもよい。しかしながら、再帰性反射構造の非形成領域から容器本体12への光の侵入を、より確実に防止するためには、少なくとも領域24bは遮光性であるのが好ましく、領域24bおよび領域20aの両者が遮光性であるのがより好ましい。
具体的には、離間して配置される長方形の第1透明板20と第2透明板24との間隙の周辺を、無端ベルト状の弾性体26によって液密に閉塞(封止)した構成を有する。すなわち、残量確認部16は、第1透明板20と第2透明板24とからなる上下面、および、弾性体26からなる側面を有する、液密な中空の直方体状である。
また、残量確認部16は、第1透明板20を容器本体12に貼着することで、容器本体12に装着される。従って、前述のように、容器本体12において、第1透明板20の貼着部は、透明である。
従って、図2(A)および図2(B)に示すように、残量確認部16では、第2透明板24を押圧することで、離間していた第1透明板20と第2透明板24とを近接でき、第2透明板24の押圧を開放することで、第1透明板20と第2透明板24とを、元の離間状態に戻せる。
また、残量確認部16内において、対向面24aの再帰性反射構造よりも下方には、液体28が充填される。従って、図2(A)および図2(B)に示すように、残量確認部16では、第1透明板20と第2透明板24とが離間している状態では、液体28は下方に位置するが、第1透明板20と第2透明板24とを近接した状態では、液体28が押し上げられて、第2透明板24の対向面24aに形成された再帰性反射構造に供給される。
図3(A)に概念的に示すように、第1透明板20と第2透明板24とが離間している通常の状態では、第2透明板24の再帰性反射構造は、空気と接触している。従って、この状態では、第2透明板24から空気に入射する光の臨界角は41.8°である。
前述のように、対向面24aの再帰性反射構造を構成するプリズムは、頂角が90°の二等辺三角形である。従って、例えば残量確認部16に正面から入射した光Lの入射角は45°で、臨界角よりも大きいため、光Lは全反射される。すなわち、図3(A)に示す状態では、残量確認部16は、光Lを全反射する、金属光沢状態のようになっており、残量確認部16から容器本体12の内部に光Lが入射することを防止でき、容器10の遮光性は維持されている。
以下の説明では、残量確認部16が光を反射する状態を単に『反射状態』とも言う。
そのため、例えば残量確認部16に正面から入射した入射角45°の光Lは、臨界角未満の角度で入射するため、第2透明板24と水(液体28)との界面を透過して、水および容器本体12の側面の透明部を透過して、容器本体12に到る。
従って、この状態では、残量確認部16は光が透過可能な透明な状態になっており、使用者は、外部から容器本体12の内部を視認して、内容物の残量を確認できる。
以下の説明では、残量確認部16が光を透過する状態を単に『透過状態』とも言う。
しかも、本発明によれば、反射状態では、基本的に正面から入射した光Lを全反射するため、残量確認部16は、外観的には金属光沢面のようになっており、他方、透過状態では、基本的に正面から入射した光Lをほぼ透過する。すなわち、本発明によれば、残量確認部16における反射状態と透過状態とのコントラストが高い点でも好ましい。
第1透明板20および第2透明板24の透明度には、特に限定はなく、残量確認部16が透過状態になった際に、容器本体12が収容している内容物を視認できればよい。特に、残量確認部16が透過状態になった際に、容器本体12が収容している内容物の液面が視認できればよい。
ここで、後述する再帰性反射構造におけるプリズム等の頂角や使用する液体28の屈折率にもよるが、第2透明板24の形成材料の屈折率は、1.4〜1.8が好ましく、1.5〜1.6がより好ましい。第2透明板24の形成材料の屈折率を上記範囲とすることにより、より確実に反射状態で再帰性反射構造によって光を全反射させることができる。
しかしながら、本発明は、これに限定はされず、例えば球体や半球体を規則的あるいは不規則に配列してなる再帰性反射構造など、光透過性を有するものであれば、公知の再帰性反射構造が、各種、利用可能である。
その中でも特に、図示例のような底面が二等辺三角形である長尺なプリズムを配列してなる再帰性反射構造、正四角錐や正三角錐などの正角錐を規則的あるいは不規則に配列してなる再帰性反射構造、および、円錐を規則的あるいは不規則に配列してなる再帰性反射構造は、好適に利用される。
このような再帰性反射構造を利用することにより、反射状態における残量確認部16の光反射率を向上して、残量確認部16の遮光性をより向上できる、反射状態(遮光時)の意匠性を向上できる等の点で好ましい。
頂角を80°以上にすることにより、光Lの入射角が大きくなりすぎることに起因して、透過状態でも入射角が臨界角以上になって光Lを反射して透明性を低減することを防止できる点で好ましい。
また、頂角を100°以下にすることにより、光Lの入射角が小さくなりすぎることに起因して、反射状態でも入射角が臨界角未満になって光Lが容器本体12内に入射することを防止できる点で好ましい。
しかしながら、本発明では、再帰性反射構造が長尺なプリズムを配列する構成である場合には、稜線を上下方向にして、長尺なプリズムを配列した構成でもよい。すなわち、再帰性反射構造への液体28の供給方向と一致する方向に、プリズムの稜線を向けてもよい。このような構成とすることにより、毛細管現象を利用して、対向面24aの再帰性反射構造への液体28の供給を容易にし、かつ、第1透明板20と第2透明板24とを離間した際の再帰性反射構造からの液体の排水を円滑に行い、かつ、再帰性反射構造への液体28の残存も生じにくくできる。
ここで、生産性等を考慮すると、周期pは10〜100μmが好ましく、距離dは0.1〜1mmが好ましい。
また、この周期pや距離dに関しては、三角柱や錐体を用いる構成以外の、例えば球体や半球体を規則的あるいは不規則に配列した再帰性反射構造の場合も、同様である。
この構成を満たすことにより、第1透明板20と第2透明板24との間に、透過状態にする際に円滑に再帰性反射構造に液体28を供給し、また、反射状態に戻す際に液体28を円滑に再帰性反射構造から排出するための十分な空間を確保して、透過状態と反射状態との切換を円滑に行うことが可能になる。この効果は、特に、前述のプリズム等の頂角を80〜100°とする構成において、有効に得ることができる。
一例として、前述の水に加え、エチルアルコール、メチルアルコール等が例示される。
中でも、水は好適に利用される。
これらは、必要に応じて、混合して用いてもよい。
液体28として、このような屈折率の液体を使用することにより、透過状態における残量確認部16の光透過性を高くできる点で好ましい。
さらに、液体28は、第2透明板24等と同等の透明度を有するのが好ましい。
なお、図4(A)および図4(B)に示す容器40は、前述の容器10と同じ部材を使用しているので、同じ部材には同じ符号を付し、説明は異なる部位を主に行う。
また、容器40は、容器本体42の下部を被嵌して、容器本体42に摺接して上下方向に移動可能な底面が閉塞する筒状の残量確認部材46を有する。残量確認部材46は、容器本体42から抜けることなく、かつ、液密状態を保って容器本体42と上下方向に摺動可能に構成される。すなわち、容器40の下部は、管の軸線方向に液密に摺動可能な、下面が閉塞する二重管のようになっている。
容器本体42は、互いに上下方向に摺動可能な状態で、残量確認部材46を下方に付勢しているのが好ましい。また、残量確認部材46は、容器本体42に対して回転できないように構成されるのが好ましい。
すなわち、この構成では、容器本体42を被嵌する円筒状の残量確認部材46に形成される、再帰性反射構造48を有する透明部と、容器本体42の凹部42aの側面に形成される透明部とで、1組の透明板を構成している。
従って、この状態では、前述の図3(A)と同様、残量確認部材46の透明部から入射する光は、再帰性反射構造48によって反射される。すなわち、残量確認部材46の透明部は、反射状態になっており、例えば金属光沢状態になっている。
液体28が凹部42aと残量確認部材46との間に流入すると、再帰性反射構造48と液体28とが接触する。これにより、前述の図3(B)と同様、残量確認部材46の透明部から入射する光が再帰性反射構造48を透過可能な透過状態となり、使用者が、容器本体42の内部を目視して、内容物の残量の確認できるようになる。
例えば、図2(A)および図2(B)に示す残量確認部16において、弾性体26を剛性体にすると共に、第2透明板24において、再帰性反射構造を形成されていない下部を弾性体で形成し、この部分を指などで押込み可能にする。これにより、容器本体12の収容物の残量を確認する際に、第2透明板24の弾性体を押し込むことで、図2(B)に示されるように、第1透明板20と対向面24aの再帰正反射構造との間に、液体28を供給して、反射状態から透過状態に切り換えるようにしてもよい。
また、後述する調光窓や調光ガラスのように、本発明の構造体を、ある程度の大きさの部材に利用する際には、給排水を行うポンプを用いて、第1透明板と第2透明板との間への液体の供給および排出を行うようにしてもよい。
一例として、反射状態と透過状態とを切り換えることができる、いわゆる調光窓や調光ガラスに、本発明の構造体を利用することが例示される。
1組の透明板の間に、霧状の液体を供給することで、1組の透明板からなる構造体を、曇りガラスのような半透明状態にできる。
従って、この構成によれば、本発明の構造体を、反射状態と、曇り状態と、透過状態との、3種の状態に切り換えることが可能になる。
12,42 容器本体
14 蓋体
16 残量確認部
20 第1透明板
24 第2透明板
26 弾性体
28 液体
42a 凹部
46 残量確認部材
48 再帰性反射構造
Claims (7)
- 対向して配置される、一方が他方との対向面に再帰性反射構造を有する、互いに接離可能に配置された1組の透明板と、
前記再帰性反射構造に液体を供給および排出する機構とを有し、
前記再帰性反射構造に液体を供給および排出する機構が、前記1組の透明板と、前記透明板の間に常在する前記液体とで構成され、前記透明板を近接して間隙を狭くすることで、前記液体を押圧して前記再帰性反射構造に液体を供給し、前記近接した前記透明板を離間して間隙を広くすることで、前記再帰性反射構造から液体を排出することを特徴とする構造体。 - 前記再帰性反射構造が、三角柱および錐体の少なくとも一方を、複数、配列することで構成される請求項1に記載の構造体。
- 前記三角柱の頂角、および、前記錐体の頂点を通過する底面に垂直な三角形の頂角が、80〜100°である請求項2に記載の構造体。
- 前記三角柱は、底面が二等辺三角形の三角柱であり、前記錐体は、正角錐および円錐の少なくとも一方である請求項2または3に記載の構造体。
- 前記三角柱および錐体の配列周期をp、前記対向する透明板の距離をdとした際に、p/2<dである請求項2〜4のいずれか1項に記載の構造体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造体を装着した容器。
- 前記構造体の装着位置が透明であり、かつ、前記構造体の装着位置以外の全体が遮光性を有する請求項6に記載の容器。
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