JP6584251B2 - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、及び液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出装置、及び液体吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッド、その液体吐出ヘッドを含む液体吐出装置、及び液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
液体吐出装置の一例であるインクジェット記録装置には、液体流路中のエネルギー発生素子が駆動されて液体流路内の液体にエネルギーを付与し、吐出口から記録媒体に液体を吐出する形式の液体吐出ヘッドを含むものがある。特許文献1は、液体吐出ヘッドの基板に貫通穴である液体供給路を形成する方法を開示している。その方法では、第一および第二の平面を有するウェーハ(シリコン基板)を用意し、第一の平面からエッチングして複数の第一の流路を形成し、第二の平面から第一の平面に向かってエッチングして、第一の流路とつながる第二の流路を形成する。第一の流路と第二の流路のつながっている部分が、基板を貫通する液体供給路を構成している。第一の流路と第二の流路の形成を、ドライエッチングの一種である反応性イオンエッチング(RIE)によって行うと、エッチングガスを用いて基板に垂直な貫通穴を開けることができるため好ましい。反応性イオンエッチングは、一般的に、反応ガスを処理室内に導入してプラズマ化し、プラズマ化された反応ガスを用いて基板の処理面をエッチングすることで所定の形状を形成する手法である。具体的には、処理室内の下部電極に、例えば静電チャックにより基板を固定し、下部電極との間に高周波電源が接続された上部電極の微小孔から反応ガスを供給する。供給された反応ガスは上部電極と下部電極の間でプラズマ化し、基板をエッチングして所定の形状を形成する。
米国特許第7837887号明細書
図7(a)に示すように、基板11上にエッチングマスク41を配置して上述した反応性イオンエッチングを用いて流路を形成する際に、図7(b)〜(c)に示すように流路の底面がラウンド形状になることが知られている。これは、エッチングに寄与するエッチングガス(エッチャント)の供給量が、エッチングパターンの中央部と端部で異なるためである。図7(b)では、エッチャントの供給量が多いことを実線の矢印で、エッチャントの供給量が少ないことを破線の矢印でそれぞれ示している。第二の流路13を共通流路、第一の流路12を共通流路に連通する独立流路とすると、図7(c)に示すように、第二の流路つまり共通流路の底部がラウンド形状になるために、それに連通する複数の独立流路の長さが一定ではない。すなわち、第二の流路13の中心付近(中央部付近)に連通する第一の流路12の長さLと、第二の流路13の外側付近(周縁部付近)に連通する第一の流路12の長さL’には、差ΔLが生じる。具体的には、エッチング条件によるが、エッチング量Eが500μm程度のエッチングを行って第二の流路13を形成する場合、10〜200μm程度の長さの差ΔLが生じる。
液体吐出装置の一種であるインクジェット記録装置では、記録の高速化を図るために、液体吐出ヘッドの吐出周波数を高くすることが考えられる。吐出周波数の上限は、液体吐出後に、吐出口17へ至る液室14に液体が供給されて液体で満たされるのに要する時間(リフィル時間)によって決まる。リフィル時間が短くなるほど、より高い吐出周波数で記録を行うことができる。また、高精細な記録画像を得るために、吐出する液体の体積を小さくし、かつ吐出口17の配列間隔を狭めて解像度の向上を図る方法が有効であると考えられている。特に、一定の小体積の液滴を安定して吐出し、記録媒体に精度良く着弾させることが求められている。これに対し、前述したように複数の独立流路(第一の流路12)の長さが異なると、各独立流路においてエネルギー発生素子15までの流路抵抗が異なるため、リフィル時間を安定化させることや、一定の小体積の液滴を安定して吐出することが困難である。
そこで本発明は、吐出口に接続された流路における流路抵抗のばらつきが小さい液体吐出ヘッド、液体吐出装置、及び液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の液体吐出ヘッドは、基板と、基板の第一の面側に設けられた液体を吐出するエネルギーを発生するエネルギー発生素子と、を有する。基板には、基板を第一の面から第一の面と反対側の面である第二の面まで貫通し、液体を第二の面側から第一の面側に供給する流路が設けられている。流路は、複数の第一の流路と、第一の流路よりも第二の面側に位置する第二の流路とを有する。複数の第一の流路は第二の流路の底部に開口し、複数の第一の流路は、第一の面と垂直な方向において、相対的に長さが長い流路と長さが短い流路とを有し、長い流路は短い流路よりも単位長さ当たりの流路抵抗が小さい。
本発明によれば、液体吐出後の液体のリフィル時間を均一化することができ、また、吐出する液体の体積を均一化することができる。従って、より安定した液体吐出を実現することができ、より高精細で高品位の画像を形成することができる。
液体吐出ヘッドを含む液体吐出装置の要部を模式的に示す平面図である。 液体吐出ヘッドの一部切り欠き斜視図と断面図である。 液体吐出ヘッドの製造工程を示す断面図である。 液体吐出ヘッドの断面図である。 液体吐出ヘッドの断面図である。 液体吐出ヘッドの第一の流路の開口を示す図である。 従来の液体吐出ヘッドの断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の液体吐出ヘッドを含む液体吐出装置の要部を模式的に示す平面図である。図1に示すように、本実施形態の液体吐出装置は、記録紙等の記録媒体1を支持して搬送するプラテン2等の支持機構と、記録媒体1に対向する位置に配置され、記録媒体1の搬送方向Aに実質的に直交する方向Bに往復移動するキャリッジ3とを有する。キャリッジ3に液体吐出ヘッド(インクジェット記録ヘッド)4が搭載されている。記録媒体1が停止した状態で、キャリッジ3がレール5に沿って記録媒体1の幅方向Bに移動しながら、キャリッジ3に搭載された液体吐出ヘッド4が適宜のタイミングで記録媒体1に液滴(インク滴)を吐出して着弾させる。キャリッジ3の1回の走査が終了したら、記録媒体1を搬送方向Aに所定距離だけ搬送して、記録媒体1の未記録部分をキャリッジ3と対向させる。そして、再びキャリッジ3の移動と液体吐出ヘッド4からの液体吐出を行う。このように、キャリッジ3の移動および液体吐出ヘッド4からの液体吐出と、記録媒体1の搬送とを交互に繰り返し行うことにより、記録媒体1への液体吐出による記録を行う。
図2(a)に、この液体吐出ヘッド4の一部切り欠き斜視図を示し、図2(b)にその要部のA−A線断面図を示している。この液体吐出ヘッド4は、基板11に吐出口形成部材16が積層された構成である。基板11としては、例えばシリコン基板を用いることができる。基板11には、吐出口形成部材16に向けて液体を供給するための第一の流路12と第二の流路13が形成されている。第一の流路12と第二の流路13は連通して、基板11を板厚方向に貫通する貫通穴である流路(液体供給路)を構成している。基板11の、吐出口形成部材16が積層される第一の面11aに、液体を吐出するためのエネルギー発生素子が設けられている。基板11がシリコン基板である場合、第一の面11aは結晶方位が(100)の面であることが好ましい。基板11の第一の面側に設けられるエネルギー発生素子の一例としては、通電に応じ液体に膜沸騰を生じさせる熱エネルギーを発生する電気熱変換素子などの発熱素子や、圧電素子が挙げられる。基板11の第一の面11aに積層される吐出口形成部材16には、液室14を形成するための凹部が形成されており、エネルギー発生素子(発熱素子)15が、この液室14内に位置している。吐出口形成部材16には、エネルギー発生素子15と対向する位置に、液体を吐出する吐出口17が形成されている。厳密に言うと基板11は発熱素子を内蔵するために多層構造になっている場合もあるが、一つの部材であるとみなされる。吐出口形成部材16は、例えば感光性樹脂や無機材料で形成することができる。基板1を第一の面11aから第一の面11aと反対側の面である第二の面11bまで貫通する流路によって、基板1の第二の面側から第一の面側に液体が供給される。供給された液体は、液室14内においてエネルギー発生素子15によってエネルギーを与えられる。このエネルギーによって、液体は液体吐出口17から吐出される。
図2(b)は、この液体吐出ヘッドの断面図(図2(a)のA−A線断面図)を示している。第二の面11b側に開口する凹部状の第二の流路13は、ラウンド形状である。すなわち、第二の流路13は、その底部が、中心(中央部)では深く、外側である周縁部(端部)では浅い形状である。この第二の流路13は、基板11の第二の面11bから反応性イオンエッチングすることによって形成されている。基板11の第一の面11aから反応性イオンエッチングすることによって形成された第一の流路12は、第一の面11aを第二の流路13の底部に連通させる流路であり、複数の第一の流路12が第二の流路13の底部に開口している。第二の流路13は、第一の流路12よりも、第二の面11b側に位置する。逆にいえば、第一の流路12は、第二の流路13よりも、第一の面11a側に位置する。複数の第一の流路12は、第一の面11aと垂直な方向において、相対的に長さが長い流路(以下「長い流路」と称する)と、相対的に長さが短い流路(以下「短い流路」と称する)とを有する。ここでは、複数の第一の流路のうち長い流路は、短い流路よりも、第二の流路の底部のうちの外側に開口している。
本発明では、複数の第一の流路のうち長い流路は短い流路よりも単位長さ当たりの流路抵抗が小さいことを特徴とする。本実施形態では、第一の流路12の各々が、第一の面11aにおける面積(開口面積)よりも、第二の流路13との連通部(第二の流路13の底部)における面積が大きい。より詳しくは、第一の流路12は、エネルギー発生素子15に近い位置から、エネルギー発生素子15から離れるにつれて(第一の面側から第二の面側に向かって)徐々に断面積が大きくなるように形成されている。
前述したように、第二の流路13がラウンド形状に形成されているため、複数の第一の流路(独立流路)12は、第一の面11aと垂直な方向における長さが長い流路と短い流路とを含んでいる。仮に、第一の面側から第二の面側に向かって、第一の面と平行な方向における断面積が全ての第一の流路で一定であれば、長い流路は流路抵抗が大きく、短い流路は流路抵抗が小さくなってしまう。しかし、本実施形態では、第一の流路12の各々の長さに応じて第二の流路の底部に開口する開口の面積が変わっている。具体的には、複数の第一の流路12の第一の面11aにおける開口の面積は(複数の第一の流路間で)実質的に等しいが、長い流路は、短い流路よりも、第二の流路の底部に開口する開口の面積が大きい。そのため、長い流路と短い流路との流路抵抗の差が小さく抑えられ、第一の流路(独立流路)12の長さの違いによる流路抵抗のばらつきの影響を抑えることができる。その結果、各流路におけるリフィル時間を安定化させることや、一定の小体積の液滴を安定して吐出することが可能になる。
本実施形態では、長い流路は、第一の面に開口する開口の面積よりも、第二の流路の底部に開口する開口の面積の方が大きい。そして、第一の面側から第二の面側に向かって、第一の面と平行な方向における断面積が徐々に大きくなっている。このような流路を反応性イオンエッチングによって形成する方法について、図3を用いて以下に説明する。この方法には、エッチングとコーティングとを繰り返すボッシュプロセスと、エッチングと同時に流路の側壁を保護するノンボッシュプロセスがある。
まず図3(a)に示すように、基板11を用意する。続いて図3(b)に示すようにエッチングマスク41を用いて流路13を形成する。続いて図3(c)、図3(d)に示すように第一の流路12を形成する。
流路の形成は、ICP(誘導結合プラズマ)装置を用いるドライエッチングを用いるのが好ましいが、他の方式のプラズマソースを有するドライエッチング装置を用いても構わない。例えば、ECR(電子サイクロトロン共鳴)装置やNLD(磁気中性線放電)プラズマ装置を用いるドライエッチングを行うこともできる。
ボッシュプロセスの場合、エッチング用のガスとして例えばSF6ガスを用いることができ、コーティングガスとして例えばC48ガスを用いることができる。一般的な流路を形成する際のエッチングの条件としては、エッチングステップとコーティングステップを共に、ガス圧力を0.1Paから50Pa、ガス流量を50sccmから1000sccmの範囲で制御する。そして、エッチングステップの時間を5秒から20秒の範囲で、コーティングステップの時間を1秒から10秒の間で制御することにより、垂直性の高い流路を形成できる。
それに対し、第一の流路12の断面積を徐々に大きくするためのエッチングでは、コーティングにより形成される側壁保護膜を積極的に除去するステップを、エッチングステップ中に導入する。具体的には、時間の調整と、プラテンパワーの供給(プラテン2への電荷の印加)が挙げられる。例えば、エッチング時間を、垂直性の高い流路を形成するための前述した条件に比べて10%以上長くし、その間プラテンパワーを50Wから200Wの範囲で印加する。プラテンパワーを印加することで、イオンを基板11(被エッチング物)に引き付けることができるため、コーティングされた側壁保護膜を積極的に除去することが可能である。このようなエッチング条件の下でエッチング等を行うことにより、第一の流路12は、断面積が徐々に大きくなる形状に形成される。ただし、本発明は、エッチングステップの時間およびプラテンパワーだけでなく、ガス圧、ガス流量、コイルパワーなどのパラメータを調整することによって所望のエッチングを実施することも可能である。また、コーティングステップの条件を変更し、側壁保護膜を薄くすることも可能である。
次に、エッチングしながら側壁を保護するノンボッシュプロセスの具体的な条件に関して説明する。この場合、SF6ガスとO2ガスを用いることができる。ノンボッシュプロセスの場合、エッチングとコーティングを交互に繰り返さず、エッチング中の副生成物を側壁に付着させながらエッチングを行うため、ボッシュプロセスよりも垂直性は劣るが、ほぼ垂直なエッチングが可能である。ガス圧力を0.1Paから50Pa、ガス流量を50sccmから1000sccmの範囲で制御することによりエッチングが可能である。本実施形態では、側壁方向のエッチングをより強くするエッチング条件を採用する。具体的には、ガス圧力を5Pa以下の低真空にすることで、エッチングに寄与するガスをより散乱させて側壁方向へのエッチングを実施する。ただし、本発明は、ガス圧だけでなく、ガス流量、コイルパワー、プラテンパワーなどのパラメータを調整することによって所望のエッチングを実施することも可能である。
上記の実施形態では、第一の流路のうち長い流路が、第一の面側から第二の面側に向かって、第一の面と平行な方向における断面積が徐々に大きくなっている形態を例示したが、第一の流路の全ての部分でこのようになっている必要はない。例えば、図4(a)に示すように、複数の第一の流路のうち長さが相対的に長い流路12は、第一の部分12aと第二の部分12bとを有していてもよい。第一の部分12aは、第一の面11a側から第二の面11b側に向かって、第一の面11aと平行な方向における断面積が徐々に大きくなっている。第二の部分12bは、第一の面11a側から第二の面11b側に向かって、第一の面11aと平行な方向における断面積が実質的に等しい。
このような流路は、例えば以下のようにして形成する。まず、基板11を第一の面から垂直にエッチングし、最も短い第一の流路12が第二の流路13に連通した時点で、それから第一の流路12の断面積が徐々に大きくなるようにエッチング条件を変更する。この結果、長さの長い第一の流路12は、第一の面から延びている断面積が一定の第一の部分12aと、第2の流路13との連通部を含む、断面積が拡大している第二の部分12bとを含むように形成できる。ここで、第一の流路12のうち長さの短い流路は、第一の面側から前記第二の面側に向かって、第一の面と平行な方向における断面積が実質的に等しい状態で伸びている。
このような形態であれば、長い第一の流路12の余剰長さの部分だけ断面積が大きくなっているので、長さの差に伴う流路抵抗のばらつきを低減するように断面積を調整することが比較的容易にできる。また、本実施例では、第一の面側において開口の面積が一定である箇所が大きいため、隣接する第一の流路同士の間隔を広くする必要がなく、設計上の制約が小さい。
最も短い第一の流路12が第二の流路13に連通したことの検知は、例えば光センサによって行われる。すなわち、第一の流路12を形成するためのエッチング時に発する光を捉え、一部の第一の流路12が第二の流路13に連通することにより、基板11のエッチング面積が減少してエッチング時の発光量が減少することを検知する。このようにエッチングに伴う発光量が減少し始めたときが、最も短い第一の流路12が第二の流路13に連通したときであると認識できる。
第一の流路12を形成するためのエッチング条件としては、エッチングステップとコーティングステップを共に、ガス圧力を0.1Paから50Pa、ガス流量を50sccmから1000sccmの範囲で制御する。最も短い第一の流路12が第二の流路13に連通するまでは、エッチングステップの時間を5秒から20秒の範囲で、コーティングステップの時間を1秒から10秒の間で制御することにより、垂直性の高いエッチングを実施する。すなわち、断面積が一定になるようなエッチング条件の下でエッチングを開始する。そして、最も短い第一の流路12が第二の流路13に連通した時点で、コーティングにより形成される側壁保護膜を積極的に除去するステップを、エッチングステップ中に導入する。例えば、エッチング時間を、垂直性の高い流路を形成するための条件に比べて10%以上長くし、その間プラテンパワーを50Wから200Wの範囲で印加する。すなわち、少なくとも1つの第一の流路12が第二の流路13と連通した時点で、第一の流路12の断面積が大きくなるようにエッチング条件を変更して、エッチングを続行する。
図4(a)では、第一の流路12の長い流路が直線的なテーパ面によって断面積が徐々に大きくなっている。これに対して、図4(b)に示すように、第一の流路12の長い流路が曲面によって断面積が徐々に大きくなるようにしてもよい。
以上、第二の流路13がラウンド形状である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第二の流路13が図5に示されるような複雑な形状であっても、長さが相対的に長い流路を、長さが相対的に短い流路よりも、単位長さ当たりの流路抵抗を小さくすることによって、液体の供給性能を均一化することができる。図5は、長さの長い流路の断面積が、長さの短い流路の断面積よりも大きくなっており、単位長さ当たりの流路抵抗としては小さくなっている構成を示している。
尚、単位長さ当たりの流路抵抗とは、長さの異なる各流路の同じ長さ(単位長さ)当たりの流路抵抗である。従って、本発明では、各流路の流路全体の流路抵抗はできるだけ揃えるが、流路間で流路の長さが異なるので、各流路の単位長さ当たりの流路抵抗は異なることとなる。
図6は、第一の流路の、第二の流路の底部における開口を示す図である。図6(a)に示す形態(第一の例)では、長手方向Xの端部の第一の流路12が、長手方向Xの中央の第一の流路12よりも、長手方向X及び短手方向Yに拡げられている(長さが長い)。図6(b)に示す形態(第二の例)では、長手方向Xの端部の第一の流路12は、長手方向Xの中央の第一の流路12よりも、短手方向Yに拡げられており、長手方向Xに同じ寸法を有している。図6(c)に示す形態(第三の例)では、長手方向Xの端部の第一の流路12は、長手方向Xの中央の第一の流路12よりも、長手方向Xに拡げられており、短手方向Yに同じ寸法を有している。これらの3つの構成は、第一の流路12及び第二の流路13を形成する際の設計上の制約があった場合などにおいて、特に効果的である。
図6(a)に示す形態は、長手方向X及び短手方向Yにおいて、第一の流路12、第二の流路13、またはその両方において、第一の流路12の断面積と長さが比例の関係となるように設計するのが望ましい場合に効果的である。図6(b)に示す形態は、長手方向Xにおいて、第一の流路12やエネルギー発生素子15の配列間隔を狭めたい場合に効果的である。図6(c)に示す形態は、短手方向Yにおいて、第二の流路13の開口の大きさに制約がある場合、具体的には、第二の流路13の開口を短手方向Yに拡げられず、その結果、第一の流路12の開口が短手方向Yに制約される場合に効果的である。図6(c)に示す形態は、第二の流路13の開口を短手方向Yに拡げることなく第一の流路12と第二の流路13を連通させることが可能となる。
第一の流路を形成するエッチングマスクは、例えば図6(d)に示す形状とすることができる。図6(d)に示す形態(第四の例)では、エッチングマスク42を、複数の第一の流路12が配列軸20から同一の距離だけ離れるように形成する。より詳細には、第一の流路12の第一の面18における開口のうち配列軸20に近い辺12aと、配列軸20との間の短手方向Yの距離L1,L2が、全ての第一の流路12において一定となるようにする。そのうえで、第一の流路12を、流路断面積が一定でなく、第二の流路13の長手方向Xの側壁に近い第一の流路12が、第二の流路13の長手方向Xの側壁から離れた第一の流路12よりも流路断面積が大きくなるように形成する。この際、第一の流路12の流路断面積を長手方向Xと短手方向Yの両方向に拡大する。このような形態は、第一の流路12を長手方向Xにも短手方向Yにもあまり大きく拡大できない場合や、第二の流路13を長手方向Xにあまり大きく形成できない場合に有効である。しかも、第一の流路12の開口と配列軸20との間の短手方向Yの距離L1,L2が一定となるため、液滴体積がより安定した液滴を吐出することができる。
第一の流路を形成するエッチングマスクは、他にも図6(e)に示す形態(第五の例)にすることができる。エッチングマスク42は、複数の第一の流路12が配列軸20から同一の距離だけ離れるように形成する。より詳細には、第一の流路12の第一の面18における開口のうち配列軸20に近い辺12aと、配列軸20との間の短手方向Yの距離L1,L2が、全ての第一の流路12において一定となるようにする。そのうえで、第一の流路12を、流路断面積が一定でなく、第二の流路13の長手方向Xの側壁に近い第一の流路12が、第二の流路13の長手方向Xの側壁から離れた第一の流路12よりも流路断面積が大きくなるように形成する。この際、第一の流路12の流路断面積を長手方向Xと短手方向Yの両方向に拡大する。この形態では、第一の流路12はエネルギー発生素子15に対し一列のみ設けられ、液体はエネルギー発生素子15に対して片側からのみから供給される。
第一の流路を形成するエッチングマスクは、第一の流路12を形成するための開口形状が矩形以外の形状であってもよく、例えば図6(f)に示すような形態(第六の例)にも適用できる。ここでは、少なくとも一つの第一の流路12の、第二の流路13に開口する開口の重心位置Gは、基板11の厚さ方向Zに見たときに、第2の部分Bより第1の部分Aに近接している。図示の例では第1の部分Aの辺長SAと第2の部分Bの辺長SBがSA>SBの関係を満たしている。第一の流路12の開口形状を矩形ではなく、図6(f)に示したような台形形状とすることで、第一の流路12の流路が長い部分を平面的に拡げ、一つの第一の流路12の中でも、より効率的に流路抵抗の差を少なくすることができる。
以上説明したような方法で流路12,13が形成された基板11を含む液体吐出ヘッド4を製造すると、各流路の流路抵抗が概ね一致するため、リフィル時間を安定して短くでき、また、吐出する液滴の体積を安定して小さくすることができる。
4 液体吐出ヘッド
11 基板
11a 第一の面
11b 第二の面
12 第一の流路
13 第二の流路
15 エネルギー発生素子

Claims (20)

  1. 基板と、前記基板の第一の面側に設けられた液体を吐出するエネルギーを発生するエネルギー発生素子と、を有する液体吐出ヘッドであって、
    前記基板には、前記基板を前記第一の面から前記第一の面と反対側の面である第二の面まで貫通し、前記液体を前記第二の面側から前記第一の面側に供給する流路が設けられており、
    前記流路は、複数の第一の流路と、前記第一の流路よりも前記第二の面側に位置する第二の流路とを有し、前記複数の第一の流路は前記第二の流路の底部に開口し、
    前記複数の第一の流路は、前記第一の面と垂直な方向において、相対的に長さが長い流路と長さが短い流路とを有し、前記長い流路は前記短い流路よりも単位長さ当たりの流路抵抗が小さいことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記長い流路は、前記短い流路よりも前記第二の流路の底部に開口する開口の面積が大きい請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記長い流路と前記短い流路とは、前記第一の面に開口する開口の面積が等しい請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記長い流路は、前記第一の面に開口する開口の面積よりも、前記第二の流路の底部に開口する開口の面積の方が大きい請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記長い流路は、前記第一の面側から前記第二の面側に向かって、前記第一の面と平行な方向における断面積が徐々に大きくなっている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記長い流路は、前記第一の面側から前記第二の面側に向かって、前記第一の面と平行な方向における断面積が徐々に大きくなっている部分と、前記第一の面と平行な方向における断面積が等しくなっている部分とを有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記短い流路は、前記第一の面側から前記第二の面側に向かって、前記第一の面と平行な方向における断面積が等しくなっている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記長い流路は、前記短い流路よりも前記第二の流路の底部のうちの外側に開口している請求項1乃至7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記複数の第一の流路は、前記第二の流路の底部の中心から外側に向かうに従って、前記第一の面と垂直な方向の長さが長くなっている流路を有する、請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 基板と、前記基板の第一の面側に設けられた液体を吐出するエネルギーを発生するエネルギー発生素子と、を有する液体吐出ヘッドであって、
    前記基板には、前記基板を前記第一の面から前記第一の面と反対側の面である第二の面まで貫通し、前記液体を前記第二の面側から前記第一の面側に供給する流路が設けられており、
    前記流路は、複数の第一の流路と、前記第一の流路よりも前記第二の面側に位置する第二の流路とを有し、前記複数の第一の流路は前記第二の流路の底部に開口し、
    前記複数の第一の流路は、前記第一の面と垂直な方向において、相対的に長さが長い流路と長さが短い流路とを有し、前記長い流路は前記短い流路よりも前記第二の流路の底部に開口する開口の面積が大きいことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  11. 前記長い流路と前記短い流路とは、前記第一の面に開口する開口の面積が等しい請求項10に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 前記長い流路は、前記第一の面に開口する開口の面積よりも、前記第二の流路の底部に開口する開口の面積の方が大きい請求項10または11に記載の液体吐出ヘッド。
  13. 前記長い流路は、前記第一の面側から前記第二の面側に向かって、前記第一の面と平行な方向における断面積が徐々に大きくなっている請求項10乃至12のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  14. 前記長い流路は、前記第一の面側から前記第二の面側に向かって、前記第一の面と平行な方向における断面積が徐々に大きくなっている部分と、前記第一の面と平行な方向における断面積が等しくなっている部分とを有する請求項10乃至12のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  15. 前記短い流路は、前記第一の面側から前記第二の面側に向かって、前記第一の面と平行な方向における断面積が等しくなっている請求項10乃至14のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  16. 前記長い流路は、前記短い流路よりも前記第二の流路の底部のうちの外側に開口している請求項10乃至15のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  17. 前記複数の第一の流路は、前記第二の流路の底部の中心から外側に向かうに従って、前記第一の面と垂直な方向の長さが長くなっている流路を有する、請求項16に記載の液体吐出ヘッド。
  18. 請求項1乃至17のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを有する液体吐出装置。
  19. 基板と、前記基板の第一の面側に設けられた液体を吐出するエネルギーを発生するエネルギー発生素子と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記基板の前記第一の面と反対側の面である第二の面から前記基板にエッチングを行い、凹部状の第二の流路を形成する工程と、
    前記基板の前記第一の面からエッチングを行い、前記第二の流路の底部に開口する複数の第一の流路を形成する工程と、を有し、
    前記複数の第一の流路を形成する工程では、前記複数の第一の流路は、前記第一の面と垂直な方向において、相対的に長さが長い流路と長さが短い流路とを有し、前記長い流路は前記短い流路よりも単位長さ当たりの流路抵抗が小さくなるように形成することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  20. 前記第二の流路を形成する工程におけるエッチングは反応性イオンエッチングである請求項19に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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