しかしながら、特許文献1記載の液状物の吐出装置によれば、アクチュエータとボディとシリンジとを、ボディを介して互いに連結してディスペンス機構として一体化した状態でフレームに組み付けるようにしているので、液状物の補充のたびにボディとアクチュエータとを分解し、再度組み立てる必要があるため、その都度、吐出パラメータ調整(主にストローク調整)が必要となり作業性を低下させる問題を有している。
また、特許文献1記載の液状物の吐出装置では、アクチュエータとボディ及びシリンジをディスペンス機構として一体化した状態でボディ部分がフレームに組み付けられる位置を定位置としてセットした後に、作動ガス圧力をシリンジ内部に印加することにより、シリンジを本来の位置に移動させるようにしているので、シリンジに印加する吐出圧力が低い場合には、フレーム本体に固定されるボディとシリンジとの間をシールするОリングが抵抗となり、シリンジが下方に強制的に押し下げられない事態が起こることがある。このことは、近年の電子部品の小型化に伴い吐出圧力が低下傾向(0.1MPa以下、さらには0.01MPa程度の微圧となっている)にあることから無視できない問題である。即ち、吐出圧が低くなる少量の液状物の吐出・塗布の場合、シリンジを密封するОリングの抵抗でシリンジが所定の位置に押し下げられずに、バルブステムのストロークが本来の開度を得られない事態が起こる。さらに、吐出のための加圧が繰り返されているうちに、シリンジが定位置にまで押し下げられることによってバルブの開閉量・ストローク量が変動し、吐出量が変動してしまうことがある。例えば、シリンジが使用中に下がることで初期に設定したストローク量が増え、倍以上吐出量が増えてしまうことがある。このことから、少量の吐出を精度良く行うことは難しいものである。
また、特許文献1記載の液状物の吐出装置では、アクチュエータとアーマチャとの間のばねの力でバルブステムをバルブシート部材に押しつけるようにしているので、ボディに対してアクチュエータをねじ込むことでバルブステムのストローク量を調整する際に、同時にバルブステムを定位置に押し戻すばねそのものの荷重も増減する構造となっている。したがって、アクチュエータによるアーマチャの吸引に伴う初期荷重は、バルブステムを押し下げるスプリング負荷強度の影響を受けて、励磁初期において引き上げスピードの鈍化を招き、これがバルブ開放の応答の遅れを引き起こし、吐出量が目標値から外れるなどの影響を与える。この現象は、ボディとアクチュエータとの間の隙間を狭くする場合、即ち少量吐出時に特に顕著である。また、励磁初期におけるバルブステムの動き出しの遅れは非常に短い時間のバルブの開閉に際しては障害ともなる。
また、ボディのねじ部に対してアクチュエータをねじ込むことでバルブステムのストロークを調整するために、大きなねじ回転トルクが働くので、バルブステムがバルブシートに密着した時点を感触で知ることは難しく、作業者の感覚に頼りがちとなり、ゼロ点が正確に求められずに正確なストロークの把握を困難にする。しかも、過剰なアクチュエータのねじ込みにより、バルブステムに過大な負荷がかかって撓みを招くことがある。バルブステムに撓みが起こると、バルブステムの撓みが解消してからでないと弁機構が開かないことから、弁の開きに遅れが生じ、吐出量の制御が正確にできないという問題を伴う。
また、特許文献2の液状物の吐出装置によれば、アクチュエータから突出するギャップストローク調整用ロッドにアーマチャを突き当てることで、アーマチャの磁気吸引により上昇する際の上昇端を規制してニードルのストロークを調整するようにしているので、吸引開始時のアクチュエータとアーマチャとの間のギャップはストロークに関係なく一定である。しかも、アクチュエータと待機位置に在るアーマチャとの間のギャップは、一般に、製品出荷時には、ユーザー毎に異なる様々な用途に対応することを可能とするために最大ギャップ値として広めのギャップに設定されるため、アーマチャの吸引に際しては、設定されるストロークの大小に拘わらず、絶えず最大ギャップ値を開けて磁気吸引が開始される構造となる。
ここで、アクチュエータとしてソレノイドを用いる場合、バルブの応答性と励磁力には相関関係があり、励磁力が一定出力の場合にはソレノイドとアーマチャの位置関係に依存し、より近い距離から吸引ができればより素早くアーマチャは上昇し、同時により強いばねを装着することも可能となり、励磁終了後のばねによる反発力も強いものとなり、より高粘度流体のジェットが可能となる。また、同時に、バルブ動作がより短時間で1サイクルの開閉動作が完了となるので、より微少量の塗布も可能となる。
しかしながら、ソレノイドと待機位置に在るアーマチャとの間のギャップが最大ギャップ値のままに固定されている特許文献2記載の吐出装置の場合、より近い距離からアーマチャを吸引してより素早く上昇させるということは難しい。即ち、励磁に伴うアーマチャの吸引力が実際のストロークと関係なく、絶えず最大ギャップ値の隔たりを開けた位置関係となるため、アーマチャに働く磁気吸引力が減衰することとなる。このため、励磁力を一定出力のまま、応答性をさらに高め、より微少量の液状物を吐出させることが容易ではないという問題を伴う。
また、磁力による吸引力は吸着直前で最大となり、近づけば近づくほどに、吸着力は加速度的に強くなる。ところが、特許文献2記載の装置は、加速度的に応答性が高まる前にギャップストローク調整用ロッドにアーマチャが突き当てられて動きが止められるので、ストロークを小さくすればする程にソレノイドの吸着面とギャップストローク調整用ロッドで上昇が規制されるアーマチャとの間のギャップが開いて吸引力を減衰させるため、強い励磁力で吸引できない。即ち、ソレノイドによる吸引力を最大限に活用しきれていない問題がある。
さらに、特許文献2記載の吐出装置では、バルブ本体は、アクチュエータと、該アクチュエータによって駆動されかつニードルと磁気結合される被駆動部材(アーマチャとマグネットを含む連結部材)、さらにはシリンジに対して進退動することによりシリンジを連結して定位置に向けて付勢するポジショニングメンバーとを内蔵する複雑な構造とされているので、機構的に大型化して、ロボットに装着する際にスペース的な制約を受けるという新たな問題が発生した。
本発明は、より少量の液状物の吐出を精度良く可能とする吐出装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成する液状物の吐出装置は、先端にバルブシートアッセンブリが装着され、後端開口にシリンジシールアダプタが嵌合され、前記バルブシートアッセンブリとの間でニードル弁を構成するニードルが後端部のアーマチャを前記シリンジシールアダプタの外に配置した状態で収容され、前記バルブシートアッセンブリと前記シリンジシールアダプタとの間で保持されるシリンジと、前記アーマチャを吸着して前記ニードル弁の開閉を行うエンジンと、前記シリンジの先端を受け止めるシリンジブラケットと前記エンジンを支持するエンジンブラケットとをプラットフォームに有するバルブ本体とを備え、前記エンジンは、前記エンジンブラケットに対し前記シリンジと結合する位置と前記シリンジとの結合が解除される位置との軸方向2位置間で移動可能とされ、且つ前記シリンジと結合する位置で軸周りに回転して液状物吐出位置にセットされたときに前記エンジンブラケットと軸方向に係合される係合部を有し、前記エンジンが前記シリンジと結合する位置に軸方向移動したときに前記シリンジシールアダプタと前記エンジンとが摺動嵌合して連結されるようにしている。
ここで、エンジンは係合部を有するエンジンカバーを備え、係合部は、バルブ本体に対し回転可能ではあるが軸方向には引っ掛かって軸方向移動を阻止する頸部を形成する第1の肩部と第3の肩部との間の環状溝と、該環状溝の底部となる円柱面に対して接平面となる2つの平面と劣弧形の第2肩部とを形成してバルブ本体に対する軸方向移動を可能にする切り欠きとを有することが好ましい。
また、第1肩部と第2肩部との間の間隔は、エンジンカバーの下端開口縁部とシリンジシールアダプタとの間に、少なくともシリンジを離脱させるに必要なスペースを生むのに必要な距離であることが好ましい。
また、エンジンのアーマチャと接触する面には、樹脂プレートが被せられ、磁気吸引時にアーマチャが樹脂プレートとのみ接触させることが好ましい。
さらに、エンジンブラケットは、プラットフォームとは切り離された独立した部品として構成されると共に、プラットフォームに対しガイドピンとバルブストローク調整機構とによって接近離反可能に取り付けられ、バルブストローク調整機構の操作によってエンジンブラケットを昇降動作させることでエンジンそのものを軸方向移動させてバルブストロークの調整を行うことが好ましい。
ここで、エンジンブラケットあるいはプラットフォームのいずれか一方に出没可能に備えられる度当たりピンと、いずれか他方に設けられる証面とで構成され、エンジンが原点に到達したときに、度当たりピンを証面に当接させることで原点を固定することが好ましい。
ここで、バルブストローク調整機構は、エンジンブラケットとプラットフォームとの間に組み込まれた送りねじ機構とプラットフォームとエンジンブラケットとの間に互いに離反する方向に常時斥力を与える部材とを有し、送りねじ機構は右ねじと左ねじとが同一軸上に離間させて形成された1本のストローク調整用ねじと、右雌ねじ部材及び左雌ねじ部材との組み合わせから成るターンバックル方式の送りねじ機構であり、エンジンブラケットとプラットフォームとで互いに逆向きとなる関係でねじが形成されることで、ストローク調整用ねじを回転させたときにプラットフォームとエンジンブラケットとが互いに引き寄せられあるいは引き離される構造であることが好ましい。
さらに、エンジンブラケットとプラットフォームとは固定されており、エンジンカバーはエンジンブラケットに対し、シリンジと結合する位置とシリンジとの結合が解除される位置との2位置の間で軸方向移動可能とされ、且つシリンジと結合する位置で軸周りに回転して液状物吐出位置に切り替えられたときに軸方向に係合されるものであり、液状物吐出位置にエンジンカバーが固定された状態で、エンジンカバー内のエンジンがバルブストローク調整機構によってアーマチャに向けてエンジンカバー内を移動させられることによって、ニードルの開閉ストロークの調整が行われるものであることが好ましい。
本発明の液状物の吐出装置によれば、バルブ本体からシリンジを取り外す際に、エンジンをバルブ本体から取り外す必要が無く、シリンジだけを取り外して交換あるいは再取付けが可能となるので、吐出の再現性を確保できるため、再度の吐出パラメータ調整が不必要となり作業性を上げることができる。即ち、エンジンとシリンジとは各々をそれぞれ分解せずに容易に分離でき、尚且つ取り外しが容易な構造であるので、組み立て及び取り外しが迅速に実施できる。しかも、吐出の再現性を確保できるため、再度の吐出パラメータ調整が不必要となり作業性を上げることができる。
加えて、ストロークが短くなる程に待機位置にあるアーマチャとエンジンの吸着面との間のギャップも狭くなり、ソレノイドの吸引力が加速度的に強力になって応答速度が加速度的に速くなり、高サイクルでの微少量の吐出が可能となる吐出装置を実現できる。即ち、少量吐出時即ちニードルのストロークが小さくなるように調整されたときにも、励磁初期におけるニードルの引き上げスピードの鈍化、引いてはバルブ開放の応答の遅れを引き起こすことがなく、吐出量が目標値から外れるなどの影響を与えることがない。
しかも、エンジンにアーマチャが吸着されることでストロークエンドに達することから、エンジンによる吸引力を最大限に活用することができ、ストローク調整量の大小に拘わらず応答性が損なわれることがない。
しかも、エンジンそのものを移動させることでストローク調整するようにしているので、可動部の構造が複雑にならない上に、バルブ本体側にシリンジとエンジンとを連結するための大がかりな機構が不要なので、装置構成が全体的にコンパクトにできるという利点がある。
また、請求項6記載の発明によれば、バルブストローク調整時に度当たりピンが突き当たることでニードルに過度な負荷を掛けて撓ませること無くゼロ点を正確に求めることができるので、正確に所望のニードルのストローク量を設定することができる。また、ニードルを撓ませるような負荷がニードルに対し直接かかることがないため、撓んだニードルが復元するまでの間はバルブが開かないという吐出タイミングの遅れなどが生ずることがない。依って、液状物の吐出に際して求められる極微小な範囲のニードル弁のストローク調整を正確に管理できるため吐出量の制御が正確にできる。
さらに、請求項7記載によれば、プラットフオームとエンジンブラケットとの間に送りねじ機構を設けるだけの簡易な構造でバルブストローク調整機構を構成しているので、安価にできると共にストロークの微調整が簡単に実施できる。しかも、エンジンそのものが上下動することで、ストロークの調整が行われるので、アーマチャとエンジン本体・ソレノイドの吸着面との間のギャップも同時に小さくなることから、強い励磁力でアーマチャを吸引でき、応答速度が速くなる。
以下、本発明にかかる液状物の吐出装置(以下、バルブと呼ぶ)の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。尚、バルブは、一般的には、鉛直方向(下向き)に液状物を吐出させるように用いられるが、ワーク(被塗物)の形状によっては取付角度を変えて斜め下方に向けて吐出されることもある。しかし、本明細書においては主に下向きに吐出する例を挙げて説明する。したがって、本明細書において、特に断りがない限り、上下方向あるいは長手方向とはバルブを開閉するためのニードルの移動する方向(軸方向)であり、バルブの実際の向きに関係なく、長手方向に移動する場合には昇降あるいは上昇ないし下降と呼ぶ。また、本明細書において、下あるいは先端とはシリンジ先端(ノズル)側を、上あるいは後端とはその反対側のエンジン側をそれぞれ意味する。
図1〜図12に、本発明にかかるバルブの第1の実施形態を示す。この実施形態にかかるバルブは、バルブシートアッセンブリ(弁座,以下、バルブアッセイ3と略称)とニードル(弁体)4とを備えニードル弁を構成するシリンジ2と、シリンジ2内のニードル4を駆動してニードル弁の開閉を行うエンジン5と、これらエンジン5とシリンジ2とを連結ないし分離可能に支持するバルブ本体1との組み合わせから成り、シリンジ2内に作動ガスの圧力が印加された状態でニードル4がエンジン5の駆動で引き上げられ(ニードル弁が開けられ)ることにより、シリンジ2内の液状物が吐出されるものである。
シリンジ2には、先端にバルブアッセイ3が装着される一方、後端開口部にシリンジシールアダプタ(以下、アダプタ6と略称する)が嵌合されている。そして、ニードル4は、アダプタ6の中心の貫通孔7から挿入されてシリンジ2の先端に装着されるバルブアッセイ3に先端部分が挿入され、アダプタ6とバルブアッセイ3との2点でシリンジ中心軸上に配置された状態で保持される。尚、バルブアッセイ3は、特定の構造に限定されるものではなく、ルアーロック(ねじ込み)式でも、ルアースルー(非ねじ込み)式でも、何れの方式でも良いが、例えば本実施形態ではシリンジ2の先端の口部に設けられた雌ねじ部に螺合させることにより固定するルアーロック(ねじ込み)式が採用されている。
ニードル4には、エンジン・ソレノイドの磁気吸引力で駆動され易くするためのアーマチャ8がエンジン側の端部即ち後端に備えられている。例えば図4及び図5に示すように、円盤状のアーマチャ8の裏面側に突出するボス部にねじ孔を備える一方、ニードル4の上端にねじを設け、アーマチャ8のねじ孔にニードル4のねじ部分をねじ込むことで一体化される。ニードル4とアーマチャ8とは、本実施形態の場合、ねじ締結で一体化されているが、これに特に限られるものでは無く、例えば溶接などの他の固着手段で連結しても良いし、一体成形品であっても良い。
ニードル4は、シリンジ2の後端開口部に嵌合されるアダプタ6の貫通孔7を通してシリンジ2内に収容され、アダプタ6の外側の凹所9にアーマチャ8が収容される。アーマチャ8は、アダプタ6の外の凹所9に収容され、ソレノイドモジュールの吸着面と対向させられると共に軸方向に移動可能とされている。ここで、アーマチャ8は、アダプタ6の凹所9の中に完全に収まる必要はないが、好ましくは凹所9の中に完全に収まることであり、より好ましくは凹所9の縁とほぼ面一になるようにアーマチャ8の上面が位置することである。この場合、エンジンカバー15をシリンジ2との結合が解除された位置に押し上げてシリンジ2を傾けて取り出す際に必要とされるエンジンカバー15との間の隙間を最小化できる。
ここで、市場に流通するシリンジ2は、多種多様であるが、最も流通性が高いものとしては、例えば55cc、30cc、10cc及び5ccの4種類のシリンジ2が挙げられる。そこで、バルブ本体1は、使用目的に合致した最も大きなシリンジサイズ、例えば55ccのシリンジの外径・長さに適合するものとして、各シリンジに適合するサイズのアダプタ6と不足するシリンジ長さの調整のためのエクステンションロッド(図示省略)との併用により、30cc、10cc及び5ccのシリンジにも適合可能とすることが好ましい。勿論、シリンジサイズ毎に専用のバルブ本体1とアダプタ6とを用いるようにしても良い。本実施形態の場合、アダプタ6は、複数のシリンジに適合可能なユニバーサルアダプタであり、55cc及び30cc用の第1プラグ部36と、10cc用の第2プラグ部37と、シリンジ2の外にはみ出てエンジンカバー15の連結ポート部18と嵌合する筒状のエンジン連結部12と、アーマチャ8を収容する凹所9と、エクステンションロッドを嵌合させるための凹所10と、該凹所9,10とシリンジ2内を連通させる貫通孔7とを有する(図4,5及び図12を参照)。本実施形態の場合、アーマチャ8を収容する凹所9と、エクステンションロッドを嵌合させるための凹所10とは、連続した2段凹所とされている。そして、図示していないエクステンションロッドを利用する場合には、例えば、アダプタ6のアーマチャ8を収容する凹所9及びその下の凹所10にエクステンションロッドを嵌合させて継ぎ足すことにより、エンジンカバー15の連結ポート部18と嵌合させるに必要な長さが確保される。図示していないが、エクステンションロッドには、アダプタ6と同様に、エンジンカバー15の連結ポート部18と嵌合するエンジン連結部12とその内側の凹所9とが備えられ、凹所9にニードル4のアーマチャ8が収容されるように設けられることが好ましい。また、エンジン連結部12は、シリンジ2内に嵌合される第1プラグ部分36との間の段差部分39がシリンジ2の開口端面に当接して、連結ポート部18を嵌合させる際の反力を受けると共に位置決めのためのストッパとして機能する。
バルブ本体1は、図1に示すように、シリンジ2の先端例えばバルブアッセイ3を受け止めて支持するシリンジブラケット14と、軸方向の2位置間で移動可能にエンジンを支持するエンジンブラケット13とを有し、シリンジブラケット14とエンジンブラケット13との間でシリンジ2とエンジン5とを同軸に連結した状態で保持するように設けられている。
エンジンブラケット13は、図9に示すように、本実施形態では図10に示すプラットフォーム11とは切り離された独立した部品として構成され、プラットフォーム11に対しガイドピン19とバルブストローク調整機構20とによって接近離反可能に取り付けられている。即ち、エンジンブラケット13は、エンジンカバー15を介してエンジン5そのものを移動させることでニードル4のストローク量を調整する構造とされている。例えば、図10に示すように、エンジンブラケット13は、プラットフォーム11に対して例えば圧入や打ち込みなどにより固定された複数本好ましくは4本のガイドピン19によってエンジンブラケット13が平行に摺動自在にプラットフォーム11に支持されると共に、プラットフォーム11との間にバルブストローク調整機構20が組み込まれて互いに接近あるいは離隔するように相対的に摺動可能(軸方向に平行移動可能)に連結されている。
このエンジンブラケット13は、例えばフォークエンドとも呼ばれる二股状のエンジン支持腕30を有し、該エンジン支持腕30をエンジンカバー15の係合部28の環状溝16から成る頸部に差し入れることで、軸方向には係合して移動不能とし且つ軸周りには回転自在にエンジンカバー15を支持するものである。エンジン支持腕30は、例えば図9に示すように、エンジンカバー15の頸部となる環状溝16の底部となる円柱面に対して接平面となる互いに対向する2平面に対して平行な2平面から成る挟持面31と、エンジンカバー15の頸部の上のフランジ43並びにカバーキャップ44(これらを総称してエンジンカバー頭部27と呼ぶ)の一部が収まる湾曲した壁面で囲まれた凹部32と、エンジンカバー15の第3肩部42に当接してエンジンカバー頭部27が落下しないように引っ掛ける座面33とを有する。凹部32にエンジンカバー頭部27が収容されることで、エンジンカバー15とエンジン支持腕30との軸心が合わされると共に、エンジン5とシリンジ2とがバルブ本体1に対し傾斜することがないように保持される。尚、エンジンカバー頭部27を収める凹部32の高さは、エンジンカバー15がシリンジ2と切り離される位置に移動させられたときにエンジンカバー頭部27の第3肩部42が乗り越える高さとし、エンジン支持腕30の開放口側へのエンジンカバー15の水平移動、即ちエンジンカバー15の取り外しを許容するものとされている。
さらに、エンジンブラケット13のエンジン支持腕30の凹部32の座面33には、上向きに力が働くボールプランジャ35が設けられている。このボールプランジャ35は、エンジンカバー15を押し上げる方向に補助的に付勢するためのものであり、エンジンカバー15がシリンジ2と切り離される位置に配置されたときに、エンジンカバー15ひいてはエンジン5を僅かに持ち上げるものである。
また、バルブストローク調整機構20は、ストローク調整用ねじ21でガイドピン(図示省略)に沿ってエンジンブラケット13を上下動させる構造とされている。ストローク調整用ねじ21は、本実施形態の場合、例えば右ねじ21aと左ねじ21bとが同一軸上に離間させて形成された1本の雄ねじ部材(ターンバックルボルト21と呼ばれる)と、右雌ねじ部材22a及び左雌ねじ部材22bとの組み合わせから成るターンバックル方式の送りねじ機構であり、エンジンブラケット13とプラットフォーム11とで互いに逆向きとなる関係でねじが形成されることで、ストローク調整用ねじ21を回転させたときにプラットフォーム11とエンジンブラケット13とが互いに引き寄せられあるいは引き離される構造を成している。例えば、エンジンブラケット13に右雌ねじ部材22a、プラットフォーム11に左雌ねじ部材22b(あるいはその逆でも良い)をそれぞれ螺切し若しくはねじ要素を埋設することによって形成し、ターンバックルボルト21で連結すると共にターンバックルボルト21の一端にマイクロアジャストメントキャップ(メモリ付きノブ)24を取り付けて手回し可能にしたものである。本実施形態の場合、プラットフォーム11とエンジンブラケット13との間には、両者に対して互いに離反する方向に常時斥力を与える部材例えば圧縮コイルばね23が内蔵されており、送りねじ機構の遊び・がたつき(バックラッシュ)を吸収するように設けられている。これにより、エンジンブラケット13に保持されたエンジンカバー15がバルブストローク調整機構20の調整動作に連動してアーマチャ8に向けて接近あるいはアーマチャ8から離反するように直線移動させられる。尚、マイクロアジャストメントキャップ24にはねじ軸の回転による送り量と対応する関係となる目盛りが入れられ、エンジンブラケット13側に入れられている基線を利用してストローク量が読み取れるようにされている。
また、エンジンブラケット13とプラットフォーム11との間には、エンジンブラケット13の下降を規制する度当たり25と証面となる証ピン26とが備えられている。度当たり25は、エンジンブラケット13あるいはプラットフォーム11のいずれか一方に出没可能に備えられ、ニードル4弁が閉じられ尚且つソレノイド吸着面若しくは絶縁プレート54とアーマチャ8との間の隙間が0となった時点の位置(原点あるいは0点という)で証ピン26に当接するように、その突出量が任意に調整可能に設けられている。例えば、エンジンブラケット13側のねじ孔に螺合してプラットフォーム11側の端面に向けて出没可能な雄ねじ部材から成る度当たり25を備え、プラットフォーム11側の証ピン26に対して当接させるように設けられている。これにより、度当たり25がプラットフォーム11側の証ピン26と当接することによって、それ以上はエンジンブラケット13が降下することがない構造とされる。したがって、度当たり25が証ピン26に当接した位置からエンジンブラケット13延いてはこれに保持されているエンジンカバー15を持ち上げることによって、エンジンカバー15に内蔵されるソレノイド5の吸着面とアーマチャ8との間のギャップ即ちバルブストロークが正確に設定することができる。尚、度当たり25には、度当たり25の遊び回転を防止する抵抗体として例えばOリング内蔵の滑り止めブロック45が設けられている。また、度当たり25を構成する雄ねじ部材例えばボルトと滑り止めブロック45とは、本実施形態の場合別体とされているが、一体成形としても良いし、場合によっては滑り止めブロック45を設けずに0点出しを完了した後に、接着剤などで度当たり25そのものをエンジンブラケット13に固着させても良い。また、証面としては硬い材質の証ピン26を埋設するようにしているが、これに限定されず、直接プラットフォーム11の端面に度当たり25を押し当てるようにしても良い。
他方、シリンジブラケット14は、例えばバルブアッセイ3のノズルアダプタ46を受け支える円錐面の座面を有するノズルリテーナ47を備え、エンジンカバー頭部27が収まるエンジンブラケット13の凹部32と同軸上にシリンジ2先端のバルブアッセイ3を受け止めるように設けられている。ノズルリテーナ47は、バルブアッセイ3のノズルアダプタ46を円錐座面に当接させることで定位置に位置決めできるように設けられている。尚、シリンジブラケット14には、例えば、カートリッジヒータ48と温度センサ19が内蔵され、少なくともシリンジ2の先端のバルブアッセイ3を加熱するように設けられている。シリンジ2内の液状物への温調管理は液状物粘度の安定のために必要であるが、シリンジ2全体を加温することは液状物にヒートダメージを与える場合がある。そこで、本実施形態のバルブは、通常は、シリンジ2の先端部のバルブアッセイ3を集中して加温するようにしているが、液状物によってはシリンジ2の全体を加温することもある。
エンジン5は、エンジンカバー15の筒状の収蔵部に収容されて固定され、エンジンカバー15を介してエンジンブラケット13に支持されている。即ち、エンジンカバー15の動きは、エンジンそのものの動きとなる。本実施形態の場合、エンジン5としては、ソレノイドモジュールが採用されており、励磁によりアーマチャ8を吸引してニードル4の開閉を実現するようにしている。ソレノイドモジュールは、例えば、コイルボビン51と、該コイルボビン51に巻回されたコイル(即ちソレノイド)50と、コイルボビン51の中心に配置されるソレノイドコア(鉄芯)52と、これらを覆うコイルハウジング53と、コイルハウジング53の底部開口を塞いでソレノイドコア52の周辺を覆う絶縁プレート54とで構成され、エンジンカバー15に組み込まれている。ソレノイドモジュールは、コイルハウジング53をエンジンカバー15に締結用ねじ例えば4本のねじ(図示省略)で連結することによって、エンジンカバー15内に固定されている。
ソレノイドコア52は、本実施形態の場合、コイルボビン51並びにコイルハウジング53に対して固定されており、アーマチャ8に常時接触して吸引されたアーマチャ8を原位置に押し戻すプッシャ55と、該プッシャ55を介してアーマチャ8を待機位置に押し戻す力を常時付勢する付勢機構例えば圧縮コイルばね56とを内蔵する。尚、付勢機構56としては、上述のばねに限らず、互いに反発する一対以上のマグネット(図示省略)の反発力の利用や、ポリテトラフルオロエチレンなどの低摩擦係数・低摩耗性の樹脂層を有する鞘管などをばね56の外に被せること等によって、発塵等を防ぐようにしても良い。
尚、アーマチャ8そのものは磁気吸着に適した金属で形成されていることが好ましい。このことから、アーマチャ8にはソレノイドへ磁気吸着され易くするために例えば電磁軟鉄・磁性軟鉄(所謂、純鉄)が採用される。このため、ソレノイドの金属部分との衝突を高速で繰り返すと、損耗する虞がある。そこで、ソレノイドモジュールのソレノイドコア52の周辺のアーマチャ8と対向する面には、樹脂材の覆いを設けて、金属同士の直接の衝突を回避してアーマチャ8の損耗を減らすことが好ましい。そこで、本実施形態では、コイルハウジング53とソレノイドコア52との間の環状の面を覆う円環状の樹脂製プレート(以下、絶縁プレート54と呼ぶ)をソレノイドコア(鉄芯)52の周辺のアーマチャ8と対向する面に嵌合させると共に、アーマチャ8と対向するソレノイドコア52の下端面(所謂、吸着面となる)が少なくとも周囲の絶縁プレート54と面一、より好ましくは若干凹むように設けられ、アーマチャ8が吸着された際に絶縁プレート54のみと衝突・接触する構造とされている。ここで、絶縁プレート54を構成する樹脂としては、例えば、PEEK樹脂(ポリエーテルエーテルケトン)、芳香族ポリエーテルケトン、POM樹脂(ポリアセタール)、MCナイロン(日本ポリペンコ社の登録商標)などの機械的強度に優れ、耐摩耗性、絶縁性、摺動性などに優れる樹脂材が好ましい。本実施形態では、絶縁プレート54は、例えば周縁にねじが切られ、コイルハウジング53の開口周縁の内面に切られた雌ねじと螺合させることで固定されるように設けられているが、固定方法はこれに特に限られず、例えば接着や圧入などで固定するようにしても良い。
また、プッシャ55も樹脂製にしても良い。この場合には、アーマチャ8の損耗を防ぐと共に発塵の虞が少なくなる。また、アーマチャ8の残留磁気を取り除くため、焼鈍処理を行うと、アーマチャ8が柔らかくなるので、金属製のプッシャ55の場合にはプッシャ55が当接する中央部分には硬い材料から成る当て金(図示省略)を埋め込んで耐摩耗性を上げるようにしても良い。
エンジンカバー15には、エンジンブラケット13に対し、シリンジ2と嵌合する位置(図1〜図5参照)とシリンジ2との結合が解除される位置(図6及び図7参照)との2位置の間で軸方向移動可能とし、且つシリンジ2と嵌合する位置では軸周りに回転可能とすると共にエンジンカバー15が液状物吐出位置にセットされたときにはバルブ本体1と軸方向に係合される係合部28が設けられており、該係合部28をエンジンブラケット13に引っ掛けることでバルブ本体1に支持されている。この係合部28は、エンジンブラケット13のエンジン支持腕30に挟み込まれ回転可能ではあるが軸方向には引っ掛かって軸方向移動を阻止する頸部を形成する第1肩部40と第3肩部42との間の環状溝16と、該環状溝16の底部となる円柱面に対して接平面となる2つの平面(以下、接平面57と呼ぶ)と劣弧形の第2肩部41とを形成してエンジンブラケット13のエンジン支持腕30に挟み込まれた状態での軸方向移動を可能にする切り欠き17とを有する。換言すれば、液状物吐出位置にエンジン5を移動させたときにエンジンブラケット13のエンジン支持腕30の下端縁58と当接する第1肩部40と、シリンジ2との結合が解除される位置まで移動させたときにエンジンブラケット13のエンジン支持腕30の下端縁58と当接する第2肩部41と、シリンジ2と結合される位置及び液状物吐出位置に移動させた時にエンジン支持腕30の凹部32に嵌合されてエンジンブラケット13とエンジンカバー15との芯合わせを行う第3肩部42とを設けている。ここで、切り欠き17は、例えば180°間隔で2箇所、即ちエンジン支持腕30の間を通過する幅をあけて互いに平行な接平面57を形成して成る。また、第1肩部40と第2肩部41との間の軸方向の間隔換言すれば切り欠き17の深さ(軸方向の長さ)は、エンジンカバー15の下端開口縁(連結ポート部18の縁)とシリンジ2との間に、少なくともシリンジ2を離脱させるに必要なスペースを生むのに必要な距離である。
斯くして、エンジンカバー15の切り欠き17の接平面57がエンジン支持腕30の挟持面31と平行に位置させられてエンジン支持腕30の間に差し込まれているとき(この状態における位置をシリンジ2との結合が解除された位置と呼ぶ)、エンジンカバー15は回転できず、軸方向にのみ移動できるように保持される。このとき、最上端まで押し上げられたエンジンカバー15は、エンジンカバー頭部27がエンジン支持腕30の凹部32の外に離脱することでフォークエンド形状の開口側にはエンジン支持腕30との間の係合が解除されるので、必要であればエンジンブラケット13から取り外すことができる状態となる。換言すると、エンジン5は、手前側に水平移動させることによりエンジン支持腕30から自在に取り外すことができる(図7参照)。他方、第1肩部40と第3肩部42との間の環状溝16から成る頸部にエンジンブラケット13のエンジン支持腕30が差し込まれ尚且つエンジン支持腕30の挟持面31とエンジンカバー15の切り欠き17の接平面57とが平行の関係にある位置(この位置をシリンジ2との結合位置と呼ぶ)では、軸方向に移動できると共に回転もできるように保持される。そして、このシリンジ2との結合が解除される位置から特定の角度例えば90°軸周りに捻ることによってエンジンカバー15の第2肩部41とエンジンブラケット13のエンジン支持腕30の下端縁58とが対向・当接する関係にある位置(この位置を特に液状物吐出位置と呼ぶ)では、エンジンカバー15の軸方向移動が阻止される。即ち、エンジンカバー15を下端まで押し下げ、その後90°回転させて第1肩部40にエンジン支持腕30の下端縁58を突き当てることで、エンジンカバー15をシリンジ2と連結させると共にエンジン支持腕30にセットすることができる。
また、エンジンカバー15の係合部28には、エンジン冷却システムのエンジンブラケット13側の冷却ガス流路を塞ぐボールプランジャー29が設けられている。このボールプランジャー29は、エンジンカバー15をシリンジ2との結合が解除される位置まで押し上げた際に、軸方向と直交する方向に突出し、エンジン支持腕30の冷却ガス流路の接続口34に嵌め込まれて、冷却ガスの噴出を防ぐと共に、エンジンカバー15の自重降下を防ぐものであり、例えば第2肩部41と第1肩部40の間の切り欠き17の接平面57の中央に備えられている。尚、冷却用ガスの供給の仕方は実施形態のものに特に限定されない。
また、エンジンカバー15には、ソレノイドモジュールを収容した空間よりもシリンジ2側(開口端側)に、アダプタ6のシリンジ2の外にはみ出るエンジン連結部12に嵌合する空間即ち連結ポート部18を有する。連結ポート部18はアダプタ6のエンジン連結部12の輪郭(外周面形状)と合致する雌形状例えば円筒であり、アダプタ6のエンジン連結部12に嵌合させることで、エンジンカバー15とシリンジ2とを芯合わせして連結すると共にエンジンカバー15とシリンジ2との間を気密状態に保って作動ガス供給流路を確立するシール機構を兼ねる。したがって、エンジンカバー15内の作動ガス供給流路を介して供給される作動ガスが漏れなくシリンジ2内に供給される。図中の符号38は気密構造とするためのOリングである。
尚、エンジンカバー15の上部には、カバーキャップ44が被せられ、例えば連結ピンなどでエンジンカバー15に対して固定されている。カバーキャップ44には、シリンジ2内に作動ガス例えば圧縮空気や窒素ガス等の不活性ガス(以下、単に作動ガスと呼ぶ)を供給するためのホースが接続される作動ガス継手59と、ソレノイド50に給電するための電源ケーブル60が通されている。
ここで、液状物を吐出させるためにシリンジ2内に印加される作動ガスは、作動ガス継手59と繋がるエンジンカバー15内の作動ガス流通路を経てシリンジ2内に供給される。作動ガス流通路は、例えば、エンジンカバー15の上部に被せられるカバーキャップ44に設けられた作動ガス継手59と、該ガス継手59とソレノイドコア52が収容されるエンジンカバー15の中央の孔とを連通させるガス流路77と、ソレノイドコア52と中央孔との間の狭隘な隙間78と、この隙間78と繋がるソレノイドコア52とコイルボビン51との間の狭隘な隙間、連結ポート部18内のソレノイドモジュールとアーマチャ8との間の空間、アダプタ6とアーマチャ8との間の隙間、アダプタ6の中央の貫通孔7とニードル4との間の隙間で構成されている。したがって、作動ガスは、エンジンカバー15のガス流路77からソレノイドコアの周囲の狭隘な隙間に導入されてからエンジンカバー15の連結ポート部18のソレノイドモジュールとアーマチャ8との間の空間に供給され、さらにアダプタ6の中心の孔とニードル4との間の狭隘な隙間を経てシリンジ2内へ供給され、シリンジ2内の液状物に印加される。尚、作動ガス流路はOリング79,80によって気密構造とされている。
また、本実施形態の場合、エンジンブラケット13とエンジンカバー15との間には、冷却ガス例えば圧縮空気や窒素ガス等の不活性ガス(以下、単に冷却ガスと呼ぶ)をコイルの周りに供給して冷却させるエンジン冷却システムが構成されている。このエンジン冷却システムは、エンジンブラケット13内の冷却ガス流路と、エンジンカバー15内の冷却ガス流路とで構成されている。
エンジンブラケット13内の冷却ガス流路は、エンジン支持腕30の互いに平行な2つの挟持面31にそれぞれ開口されている接続口34と、エンジンブラケット13の基部(エンジン支持腕30の根元部分)に備えられている冷却ガス導入用のガス継手61及び冷却ガス排出用のガス継手62との間をそれぞれ連通させるものである。接続口34は、エンジン支持腕30の挟持面31で且つエンジンカバー15の頸部の環状溝16の底部と摺接する部位(接点を通る直線上)に設けられ、一方が冷却ガス供給用、他方が冷却ガス排出用として使用される。これら接続口34は、エンジンカバー15がシリンジ2と嵌合されて連結される位置で且つ液状物吐出位置にセットされる前の状態(エンジンカバー15側の冷却ガス流路の開口部が対向しない不連通状態)では、エンジンカバー15の頸部の環状溝16の底部に接触することによって塞がれる構造とされている。
他方、エンジンカバー15側の冷却ガス流路は、コイルハウジング53内のソレノイド50の周りの空間63を含む流路であり、エンジンカバー15が液状物吐出位置にセットされたときにエンジンブラケット13側の接続口34と連通させられる導入用開口部64と排出用開口部65とを有し、導入用開口部64を経てエンジンブラケット13側から供給された冷却ガスをソレノイド50の周りの空間63を通過させて排出用開口部65からエンジンブラケット13内の冷却ガス流路を経由して排出させるものである。冷却ガスは、通常、液状物吐出・塗布作業に悪影響を与える虞のない場所例えば作業現場から離れた場所で大気中へ放出させられるが、場合によっては除熱後に再びガス継手61に戻して循環させるようにしても良い。導入用開口部64と排出用開口部65とは、エンジンカバー15が液状物吐出位置にセットされたときに、エンジン支持腕30の挟持面31の間に挟まれて挟持面31上の接続口34と各々合致させられる位置、例えば環状溝16の底部となる円柱面と切り欠き17の接平面57と平行な軸平面とが交わる箇所にそれぞれ開口されている。そして、各開口部64,65にはOリング66が嵌め込まれ、冷却ガスの漏れを無くすシール構造が構成される。
また、エンジンカバー15内のコイルハウジング53を収容する空間の天井面には、エンジンカバー15の導入用開口部64に繋がる流路67と、該通路67を囲む凹み68と、排出用開口部65に繋がる流路69と、電源ケーブルを通す孔70と、エンジンカバー15とコイルハウジング53と連結する締結用ねじ(図示省略)を通す4箇所の透孔71とが開口されている(図8(B)参照)。他方、コイルハウジング53には、4本の締結用ねじをねじ込ませるための4箇所の雌ねじ75と、エンジンカバー15の凹部68によって形成される流路に繋がる給気口72と、コイルハウジング53内の冷却ガスをコイルハウジング53の外に排出するための排気口73と、該排気口73とエンジンカバー15の流路69とを繋ぐ溝74とが設けられている。また、エンジンカバー15とコイルハウジング53との間には、コイルハウジングの天井部分を挟んでOリング80が介在されて気密構造とされている。したがって、エンジンカバー15の導入用開口部64に繋がる流路67から供給された冷却ガスは、凹み68によって形成される流路を経て給気口72からソレノイド50の周囲の空間63へ導入され、ソレノイド50を冷却してから排気口73から溝74を経由して流路69即ちエンジンブラケット13の冷却ガス流路へ還流させられる。尚、本実施形態の場合には、コイルハウジング53の給気口72を利用してソレノイドへの給電を行う電源ケーブル60が通されている。また、図示していないがコイルボビン51のコイルハウジング53の天井に対向する面には固定用のボス(突起)を備え、コイルハウジング53の天井にあけた孔76に嵌合させることによって、コイルハウジング53と固定されている。尚、符号81はエンジンカバー15とコイルハウジング53との間を密封するOリングである。
以上のように構成された本実施形態のバルブによれば、バルブアッセイ3及びニードル4を予め装着したシリンジ2をバルブ本体1のシリンジブラケット14のノズルリテーナ47にバルブアッセイ3を宛がうように装入してからエンジン5と連結するようにしているので、シリンジ2を本来の位置に移動させ所定の定位置を確保できる。エンジンカバー15をシリンジ2との結合が解除される位置からシリンジ2と結合される位置へ手動によって移動(降下)させて、シリンジ2後端のアダプタ6にエンジンカバー15の連結ポート部18を嵌合させるだけで、アダプタ6とエンジンカバー15の連結ポートとが密封嵌合させられて気密状態が保たれるシール機構を構成すると共に、シリンジ2とエンジンとが芯合わせられてからバルブ本体1に組み込まれる。
その後に、セット用作動ガス(作動ガスと同じでも可)を印加して、エンジン中央の作動ガス継手59からソレノイドコア52の周囲に形成された隙間を経てシリンジ2側に導入される。このとき、印加される圧力はシリンジ2を含めた加圧エリアの全てに同一のガス圧力を最終的には与えるが、その過程では隘路(アダプタ6の貫通孔7とニードル4との隙間)を通して供給されるシリンジ2内のガス圧が印加されるガス圧に到達するにはタイムラグが発生する。印加された圧力は、まずアーマチャ8が収納されたチャンバー(凹所9,10)側で所定の印加圧力に達する。即ち、アーマチャ8が収納されたチャンバー内の圧力が印加圧力に早く達するので、その圧力によりエンジン即ちエンジンカバー15が押し上げられる。そして、第1肩部40がエンジンブラケット13のエンジン支持腕30の下端縁58に当接することでエンジンカバー15の上昇が阻止され定位置に収まる。つまり、セット用作動ガスでエンジン5を上へ押し上げて、一定位置に落ち着くようにされている。また、ニードル4とアダプタ6との間の貫通孔7部分の隙間を通してシリンジ2内にもセット用作動ガスが供給されるので、シリンジ2内を満たしながらその圧力でシリンジ2が定位置にセットされる。これによって、その後、吐出のための加圧が繰り返されても、シリンジ2が定位置にまで押し下げられてバルブの開閉量・ストローク量が変動し、吐出量が変動してしまうことがない。
その後、図示していない制御装置によって、シリンジ2内に加えられる作動ガス圧力が液状物の吐出に適した圧力に切り替えられ、液状物の吐出・塗布作業に備えられる。また、吐出しようとする液状物の量に対応するニードル4の可動量・ストロークとなるように必要に応じてバルブストローク調整機構20を調整しかつ吐出時間が設定される。設定完了後、ソレノイド5の励磁により、アーマチャ8が吸引されてニードル4が持ち上げられることによってノズルが開口し、ニードル4が持ち上げられている間だけシリンジ2内の液状物が吐出される。
ここで、バルブストローク調整機構20は度当たり25が証ピン26に突き当たるまで押し下げることでゼロ点を正確に求めることができる。そこで、ゼロ点を基準に所望量だけマイクロアジャストメントキャップ24を回してエンジンブラケット13を引き上げることで、エンジン5とアーマチャ8との間のギャップ(換言すればニードル4弁の開度・ストローク)が正確に設定される。このため、ニードル4が撓むような過剰な負荷がニードル4にかからないので、撓んだニードル4が復元するまでの間はバルブが開かないという吐出タイミングの遅れなどが生ずることがない。
また、ニードル4のストローク調整は、エンジン5そのものを移動させてソレノイドの吸着面をアーマチャ8に対して接近ないし離間させることにより行われるので、アーマチャ吸引開始時のソレノイド吸着面とアーマチャ8との間のギャップも変動することとなる。つまり、ニードル4のストローク量が小さくなる程に磁気吸着面とアーマチャ8との間のギャップも小さくなる。これにより、少量吐出時のソレノイド5の吸引力が加速度的に強力となり、応答速度も加速度的に速くなる。しかも、ソレノイド5の吸着面あるいはこれとほぼ等しい絶縁プレート54にアーマチャ8が衝突することでストロークエンドに達するので、ソレノイドによる吸引力を最大限に活用することができ、応答性がより高まる。依って、液状物の高サイクルでの微少量吐出が可能となる吐出装置を実現できる。
また、シリンジ2の交換は、エンジンカバー15をシリンジ2との結合が解除される位置まで移動させることによって行われる。即ち、エンジンカバー15を液状物吐出位置から特定の角度例えば90°捻ってシリンジ2と結合される位置に切り替えると、エンジン支持腕30のボールプランジャ35によってエンジンカバー15が僅かに押し上げられる。そして、エンジンカバー15内に取り外し用の作動ガスが供給されることにより、あるいは既に印加されている作動ガスの圧力で、エンジンブラケット13のエンジン支持腕30の下端縁58に第2肩部41が当接するまで(エンジンカバー15がシリンジ2と連結が解除される位置まで)エンジンカバー15が強制的に押し上げられる。そして、エンジンカバー15の連結ポート部18がアダプタ6から外されて、それらの間の結合が解除されると共に隙間があけられる。このとき、第2肩部41の位置まで強制的に押し上げられたエンジンカバー15は、エンジン支持腕30の2つの挟持面31の冷却用ガスを噴射する接続口34に切り欠き17のボールプランジャー29のボールが嵌まり込んで塞がれ、冷却ガスの漏れが概ね阻止されると共に、エンジン支持腕30に引っ掛かってエンジン5の降下(場合によっては脱落)が防がれる。そして、エンジンカバー15とシリンジ2との間に発生する隙間を保持する。尚、エンジンの押し上げは、本実施形態の場合には、主に作動ガス圧を利用して行っているが、これに特に限定されるものではなく、場合によっては手動によって持ち上げても良い。
エンジンカバー15の連結ポート部18の開口端縁とアダプタ6との間に生ずる隙間は、シリンジ2の傾きを許容し、シリンジ2の取り外し・装着を可能にする。即ち、シリンジ2を傾けてシリンジブラケット14から引き上げることでシリンジ2がバルブ本体1から取り出される。しかも、エンジン5がガス圧により強制的に押し上げられるので、シリンジ2の交換・取り外しはスムーズに実施できる。また、必要あれば、エンジンカバー15をエンジン支持腕30の開口側へ水平に引き出せば、エンジン支持腕30即ちバルブ本体1からエンジン5を取り外すこともできる。
取り外したシリンジ2には液状物が補充され、あるいは新しいシリンジ2と交換されてから再びバルブ本体に取り付けられる。このとき、シリンジ2には、アダプタ6が嵌合され、ニードル4が中央の貫通孔7から挿入されてセットされる。したがって、シリンジ2との結合が解除される位置に待機しているエンジン5とバルブ本体1のシリンジブラケット14との間にニードル4をセットしたシリンジ2が差し込まれてから、エンジン5を手動で下降させると、エンジンカバー15の連結ポート部18がアダプタ6に嵌合されて、連結が図られると同時に位置決めが完了する。その後、セット用作動ガスの供給でエンジン5並びにシリンジ2が定位置に収められる。このとき、シリンジ2の交換・取り外しは、エンジン5をバルブ本体1から取り外すことなく行える。したがって、シリンジ2を装着した場合に吐出の再現性が得られるため、再度の吐出パラメータ調整が不要となり、作業性を低下させることがない。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態では、バルブストローク調整機構は、エンジンブラケット13とプラットフオーム11とが相対的に接近あるいは離反するように動きが与えられる構造として、エンジンカバー15そのものを移動させるようにしているが、これに特に限られるものではなく、エンジンブラケット13を固定にした一体構造のバルブ本体とし、固定的なエンジンブラケット13に対してエンジン5のアーマチャを駆動する部分を軸方向移動可能な構造とすることによりストローク調整可能としても良い。
図13〜図14に、エンジンブラケット13を固定にした吐出装置の一実施形態を示す。この実施形態にかかる吐出装置は、バルブストローク調整機構とそれに関連する部分を変更したものであり、基本形態は図1〜図12に示す実施形態の吐出装置と同じであるので、その説明を省略する。本実施形態にかかる吐出装置は、エンジンブラケット13が固定された一体構造のバルブ本体であり、エンジンブラケット13に支持されているエンジンカバー15に対してエンジン本体であるソレノイドモジュールソレノイドの吸着面が軸方向移動することによりストローク調整可能なバルブストローク調整機構を備えている。
本実施形態のバルブストローク調整機構は、エンジンカバー15が液状物吐出位置にセットされた状態で、エンジンカバー15に収容されるソレノイドモジュールの一部例えばソレノイドコア52あるいはソレノイドモジュール全体を軸方向に駆動するものである。エンジンカバー15は、図1〜図12に示す実施形態のそれと同様に、エンジンカバー15自体の軸方向移動の阻止と回転の許容とを可能とする環状溝16とエンジンカバー15自体の軸方向移動の許容と回転の阻止とを可能とする切り欠き17とを含む係合部28を有し、固定的なエンジンブラケット13のエンジン支持腕30によって決められたポジション間で移動可能に支持されている。このエンジンカバー15に対し、外力の付与があったときにソレノイドモジュールの一部例えばソレノイドコア52あるいはソレノイドモジュール全体が軸方向に摺動することを可能とするように支持する一方、カバーキャップ44にストローク調整用ねじ82をソレノイドコア52に向けて進退移動可能に備えることで、バルブストローク調整機構が構成される。例えば、ソレノイドコア52の上にストローク調整用ねじ82を備えることによって、ソレノイドコア52を直接押し下げるバルブストローク調整機構20を構築しても良い。ソレノイドコア52は、シリンジ2に印加される液状物の吐出用ガスの圧力を受けて押し上げられる力が常時付勢されているので、ストローク調整用ねじ82の底面に当接させられる。したがって、ストローク調整用ねじ82の動きと連動してソレノイドコア52が昇降し、ソレノイドコア52の位置即ちソレノイドの吸着面を可変にしてストローク量を調整することとなる。ストローク調整用ねじ82は、例えば、アジャストメントキャップ83のねじ孔に上部の取付用ねじ部をねじ込んでから接着剤で固定されて一体化され、ストローク調整用ねじとしての主たるねじ部分がカバーキャップ44のねじ孔に螺合されることで、ソレノイドコア52に向けて出入りするように設けられている。
アジャストメントキャップ83には、ストローク調整後のアジャストメントキャップ83の振動などに因る回転弛みを防ぐ位置決め手段が備えられ、ストローク量の変動を防ぐように設けられている。例えば、カバーキャップ44の上面に一定ピッチで環状に配列された多数の穴86と、この穴86に陥入するマイクロアジャストメントキャップ83側のノブ付き位置決めピン84とを組み合わせることによって構成されている。位置決めピン84は付勢手段例えば圧縮コイルばね85によって、常時カバーキャップ44の上面にむけて押しつけられているので、ノブを摘んで引き上げることでマイクロアジャストメントキャップ83の回転が許容される。この位置決め手段によれば、マイクロアジャストメントキャップ83の回転によって所望のストロークが設定されたときに、最も近くの穴86に位置決めピン84を嵌合させて固定することによってマイクロアジャストメントキャップ83のカバーキャップ44に対する固定が行われる。マイクロアジャストメントキャップ83には、図示していないが、ねじ軸の回転による送り量と対応する関係となる目盛りが入れられ、エンジンブラケット13側に入れられている基線を利用してストローク量が読み取れるように設けられている。
本実施形態の場合、ストローク調整用ねじ82が固定されたアジャストメントキャップ83がエンジンカバー15の上部のカバーキャップ44に対して回転自在に備えられる。そこで、アジャストメントキャップ83には、同キャップにあけられたねじ孔に螺合される止めねじから成る度当たり87が備えられ、カバーキャップ44の上面に向けて出没可能に設けられている。そして、度当たり87がカバーキャップ44の上面に当接することによって、それ以上はアジャストメントキャップ83が回転できない(換言すれば、ストローク調整用ねじ82が降下することがない)構造とされる。したがって、度当たり87がカバーキャップ44の上面に当接した位置から逆方向にアジャストメントキャップ83ひいてはこれに固定されているストローク調整用ねじ82を持ち上げることによって、ソレノイド5の吸着面とアーマチャ8との間のギャップ即ちバルブストロークが正確に設定できる。通常、出荷調整時に0点出しを行った際に、度当たり87をカバーキャップ44の上面に押し当て、その位置で接着剤などで固定すれば、その後のストローク調整が正確に行い得ると共にニードルが撓むようなこともない。
この実施形態の場合には、ストローク調整用ねじ82によるソレノイドコア52の直接駆動によって、ソレノイドコア52の先端面(以下、吸着面と呼ぶ)がアーマチャ8に向けて接近あるいは離反移動し、ソレノイドコア52の吸着面とアーマチャ8との間のギャップが調整されるストローク調整が行われる。このとき、ソレノイドの吸着面そのものがアーマチャ8に向けて移動するので、磁気吸引前のソレノイドの吸着面とアーマチャ8との間のギャップも変動する。つまり、ストロークが小さくなる程に、ギャップも小さくなり、ソレノイド50の吸引力が加速度的に強力となる。しかも、ソレノイド50の吸着面であるソレノイドコア52にアーマチャ8が突き当たってストロークエンドに達するので、ソレノイド50による吸引力を最大限に活用することができ、応答性がより高まる。依って、液状物の高サイクルでの微少量吐出が可能となる吐出装置を実現できる。この実施形態の場合、ソレノイドコア52の位置を可変にしているが、これに特に限られず、場合によっては、固定的なエンジンカバー15に対してソレノイドモジュール全体をエンジンカバー15内でバルブストローク調整機構によって上下方向に移動可能としても良い。
また、上述の実施形態では、ターンバックル方式の送りねじ機構でバルブストローク調整機構20が構成されているが、これに特に限られず、例えば1組の雄ねじと雌ねじとで構成される送りねじ機構をエンジンブラケット13あるいはプラットフォーム11のいずれか一方に設けるようにしても良い。
また、上述の実施形態では、予め液状物を充填したシリンジ2をバルブ本体1に装着して使用するシリンジ内蔵型の吐出装置の例を挙げて主に説明したが、この使用例に特に限られるものではなく、シリンジ2に代えて各種機能性カートリッジ(図示省略)を装着可能とし、液状物を加圧タンクからの圧送で外部から供給するタイプや、シリンジ外付けタイプ、シリンジ並列設置タイプ、ポンプ循環供給方式などの、さまざまな形式の液状物供給方式として使用することもできる。つまり、本明細書において、シリンジとは、液状物を直に充填したものに特に限られず、液状物を加圧タンクからの圧送で外部から供給するカートリッジタイプや、シリンジ外付けカートリッジタイプ、ポンプ循環供給方式などの、さまざまな形式の液状物供給方式として使用する容器全般を含むもの(これらを総称して機能性カートリッジと呼ぶ)を意味する用語として用いている。これら機能性カートリッジ(図示省略)を用いる場合においてもシリンジ2を用いる場合と同様であり、機能性カートリッジにニードル4を挿入し、あるいは必要に応じてエクステンションロッドを機能性カートリッジに嵌め込んでからニードル4を挿入し、さらには機能性カートリッジの先端にノズルシートアッセンブリ3を装着して、バルブ本体1に装着する。機能性カートリッジは、シリンジ2と異なり液状物が充填されていない点でシリンジ2と異なり、先端にバルブアッセイ3を備えると共にニードル4を収容する点で共通している。