以下では、本発明の実施の形態に係る照明器具について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
[照明器具]
まず、本実施の形態に係る照明器具の概要について、図1〜図3を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る照明器具1の概観斜視図である。図2は、本実施の形態に係る照明器具1の分解斜視図である。図3は、本実施の形態に係る照明器具1の断面図である。具体的には、図3は、図2に示す光軸Jを通る断面を示している。なお、各図において、光軸Jに平行な方向をZ軸方向、光軸Jに垂直で互いに直交する2つの方向をX軸方向及びY軸方向としている。
照明器具1は、ダウンライトなどの埋込型照明器具の一例であり、天井などの被取付部に埋込配設されて下方(Z軸負方向)に光を照射する。本実施の形態では、図1〜図3に示すように、照明器具1は、灯体10と、反射部材20とを備える。本実施の形態では、照明器具1は、さらに、光学部材30と、枠体40と、ネジ50とを備える。
以下、照明器具1が備える各構成部材について詳細に説明する。
[灯体]
灯体10は、器具本体11と、光源モジュール12とを備える。本実施の形態では、図2に示すように、灯体10は、さらに、取付部材13と、ホルダ14と、ネジ15とを備える。灯体10は、ホルダ14及びネジ15をそれぞれ2個ずつ備えるが、ホルダ14及びネジ15の個数は特に限定されない。
器具本体11は、照明器具1の本体であり、内部に光源モジュール12を備える筐体である。器具本体11は、例えば、アルミニウムなどの金属材料から形成される。具体的には、器具本体11は、アルミダイカスト製である。
図2に示すように、器具本体11は、有底円筒部110と、複数のフィン111とを有する。
有底円筒部110は、略円板状の底部110aと、底部110aの外周に沿って立設された側壁部110bとを有する。有底円筒部110の底部110aの内面には、光源モジュール12が配置され、取付部材13、2つのホルダ14及び2つのネジ15によって固定されている。
複数のフィン111は、有底円筒部110の底部110aの外面から立設されている。複数のフィン111の一部のフィンは、所定の方向(X軸負方向)に延設されている。
光源モジュール12は、照明器具1の光源の一例であり、白色などの所定の色(波長)の光を発する。光源モジュール12は、器具本体11に取り付けられている。具体的には、光源モジュール12は、2つのネジ15によって、有底円筒部110の底部110aにネジ止めされる。光源モジュール12は、電源回路(不図示)から供給される電力によって発光する。光源モジュール12が発した光は、光学部材30を透過して外部に出射される。
図2に示すように、光源モジュール12は、基板120と、発光部121とを備える。光源モジュール12は、LED(Light Emitting Diode)が基板120の主面に直接実装されたCOB(Chip On Board)構造を有する。なお、図示しないが、基板120上には、LED同士を電気的に接続するための所定形状の金属配線、及び、LEDを発光させるための電力を受ける受電端子が設けられている。また、光源モジュール12は、表面実装型(SMD:Surface Mount Device)型LEDを基板120に実装したSMD型の発光モジュールでもよい。
基板120は、例えば、セラミック基板、樹脂基板又はメタルベース基板などである。基板120の平面視形状は、矩形であるが、六角形若しくは八角形などの多角形又は円形などでもよい。基板120は、有底円筒部110の底部110aに載置される。
発光部121は、複数のLEDが封止部材によって封止されることによって、基板120の主面に設けられる。複数のLEDは、例えば、青色光を発する青色LEDチップであり、マトリクス状に配置されている。封止部材は、LEDが発する青色光を受けて黄色光を発する蛍光体粒子を含む蛍光体含有樹脂である。発光部121は、LEDが発する青色光と、蛍光体粒子によって波長変換された黄色光との合成光として白色光を発する。
取付部材13は、光源モジュール12に対する枠体として機能する樹脂製の部材である。取付部材13は、光源モジュール12の横方向(基板120の主面に平行な方向)への移動を規制する。
取付部材13は、図2に示すように、枠体部130と、爪部131とを備える。
枠体部130は、矩形の貫通孔130aを有する。貫通孔130aに光源モジュール12の基板120が配置されて、基板120の横方向への移動が規制される。貫通孔130aは、光源モジュール12の基板120の形状に応じた形状を有する。
枠体部130は、2つのネジ孔を有する。ネジ孔には、ネジ15がホルダ14を介して挿入され、枠体部130は、有底円筒部110の底部110aにネジ止めされる。これにより、枠体部130(取付部材13)は、器具本体11に固定される。
爪部131は、反射部材20を支持するために設けられている。爪部131の詳細な構成については、図6を用いて後で説明する。
ホルダ14は、光源モジュール12を取付部材13に取り付ける部材である。ホルダ14は、具体的には、樹脂製のホルダ本体と、金属製で導電性を有する接触端子とを備える。
ホルダ本体は、ネジ孔を有し、ネジ孔に挿通されたネジ15によって取付部材13にネジ止めされる。ホルダ本体がネジ止めされた際に、ホルダ本体の一部が光源モジュール12の基板120を押圧することで、光源モジュール12が取付部材13に固定される。
接触端子は、いわゆる速結端子である。接触端子は、金属板(例えば、銅板)に折り曲げ加工などを行うことで形成される。ホルダ14を取付部材13にネジ止めした場合に、接触端子は弾性変形する。弾性変形による復元力によって、接触端子は、光源モジュール12の受電端子を付勢して電気的に接続される。
ネジ15は、ホルダ14と取付部材13とを器具本体11に固定するための締結部材の一例である。ネジ15は、例えば、金属材料又は樹脂材料から形成される。
[反射部材]
反射部材20は、開口部210を有する筒状の部材である。反射部材20は、光源モジュール12から出射された光を反射して開口部210から放射する。つまり、反射部材20は、配光機能を有し、光源モジュール12から出射された光を所望の方向(例えば、下方)に向けて放射する。反射部材20は、照明器具1の主反射部として機能する。
反射部材20は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの樹脂材料から形成される。具体的には、反射部材20は、樹脂材料を用いた射出成形などによって形成される。なお、反射部材20は、アルミニウムなどの金属材料から形成されてもよい。
図4は、本実施の形態に係る照明器具1の反射部材20の概観斜視図である。図5は、本実施の形態に係る照明器具1の反射部材20の平面(下面)図である。
図4及び図5に示すように、反射部材20は、枠体部200と、開口部210と、穴部220と、突起部230と、爪部240と、第1凸部250と、第2凸部260とを備える。
枠体部200は、反射部材20の本体であり、環状の枠体部である。枠体部200の中央には、開口部210が設けられている。図4に示すように、枠体部200は、平板部201と、外壁部202と、内壁部203とを備える。
平板部201は、環状の平板であり、一方の主面(載置面)には光学部材30が載置される。具体的には、平板部201の載置面には第2凸部260が設けられているので、光学部材30は、第2凸部260上に載置される。平板部201(枠体部200)の平面視における外周形状は、器具本体11の有底円筒部110の側壁部110bの内面に沿った形状である。
外壁部202は、平板部201の外周に沿って立設された壁である。外壁部202の外側の側面には、2つの突起部230が設けられている。外壁部202の内側の側面には、爪部240と第1凸部250とが設けられている。
内壁部203は、平板部201の内周に沿って立設された壁である。内壁部203は、略円環状に設けられている。内壁部203と外壁部202とによって、光学部材30の横方向(平板部201の主面に平行な方向)への移動を規制する。
開口部210は、光源モジュール12からの光が入射する開口(入射口)と、入射口から入射した光が出射する開口(出射口)とを有する。開口部210の内面が反射面であり、入射口から入射した光を当該反射面によって反射し、出射口から放射する。開口部210は、内径が入射口から出射口に向かって漸次大きくなるように形成されている。反射面は、光を所望の方向に効率良く反射させるために所定の湾曲形状を有する。反射面には、銀又はアルミニウムなどの金属材料からなる金属蒸着膜が形成されてもよい。
穴部220及び突起部230は、灯体10が反射部材20を支持するために設けられている。穴部220及び突起部230の詳細については、後で図6及び図7を用いて説明する。
爪部240、第1凸部250及び第2凸部260は、光学部材30を支持するために設けられている。爪部240、第1凸部250及び第2凸部260の詳細については、後で図8及び図9を用いて説明する。
[光学部材]
光学部材30は、反射部材20の開口部210を覆うように設けられた透光性の部材である。図2に示すように、光学部材30は、導光部300と、被支持部310とを備える。
導光部300は、平面視において開口部210を覆うように設けられ、入射した光を所定の方向に向けて出射する。導光部300は、例えば、フレネル構造及び光拡散構造を有する。なお、導光部300の構造は、フレネル構造に限らず、光源モジュール12からの光を所定の方向に配光することができればいかなる構造でもよい。
被支持部310は、導光部300の外周から外方に延設された環状の板部である。被支持部310が反射部材20に支持されることで、光学部材30は、反射部材20に支持される。
本実施の形態では、被支持部310に凹部311が設けられている。凹部311は、光学部材30に設けられた第2被係止部の一例である。凹部311は、光学部材30の被係止部310の下面(枠体40側の面)に設けられている。凹部311の平面視形状は、例えば矩形であるが、特に限定されない。
光学部材30は、例えば、透光性を有する材料から形成される。具体的には、光学部材30は、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)などの透明樹脂材料から形成される。あるいは、光学部材30は、ガラス材料から形成されてもよい。
[枠体]
枠体40は、器具本体11にネジ50によって固定される筒状の枠体である。本実施の形態では、枠体40は、光学部材30から遠ざかる程、光出射方向(Z軸負方向)に向かって開口が広がる筒状の部材である。枠体40は、例えば、PBTなどの樹脂材料又は金属材料などから形成される。
枠体40は、補助反射部410と、取付バネ420と、鍔部430とを備える。
補助反射部410は、枠体40の内面に沿って設けられた補助反射板である。補助反射部410は、光学部材30から出射された光の一部を所定の方向(例えば、下方)に向けて反射する。補助反射部410は、例えば、アルミニウムなどの金属材料から形成される。あるいは、補助反射部410は、PBTなどの樹脂材料から形成されてもよい。
なお、本実施の形態では、枠体40と補助反射部410とが別体である例について示したが、これに限らない。補助反射部410は、枠体40の内面でもよい。例えば、枠体40の内面に金属蒸着膜などを補助反射部410として形成してもよい。
取付バネ420は、照明器具1を天井などの設置面に取り付けるために用いられる。具体的には、取付バネ420の復元力を利用して、取付バネ420と鍔部430とで天井板を挟持することで、照明器具1を取り付けることができる。取付バネ420は、鉄などの金属材料を用いてプレス加工などによって長尺状の細板形状に成形されている。本実施の形態では、3つの取付バネ420が設けられているが、取付バネ420の個数は特に限定されない。
鍔部430は、枠体40の光出射側の縁部に設けられている。具体的には、鍔部430は、枠体40の光出射側の端部から枠体40の外方に突出するように環状に設けられたフランジである。鍔部430の上面(光源モジュール12側の面)が天井などの設置面に当接することで、鍔部430と取付バネ420とによって天井板を挟持する。
[ネジ]
ネジ50は、器具本体11と枠体40とを固定するための締結部材の一例である。なお、図1及び図2では、1つのネジ50のみが示されているが、本実施の形態に係る照明器具1は、2つのネジ50を備える。なお、ネジ50の個数は、これに限定されない。ネジ50は、例えば、樹脂材料又は金属材料から形成される。
[取付部材と反射部材との係止構造]
次に、取付部材13と反射部材20との係止構造について、図6を用いて詳細に説明する。
図6は、本実施の形態に係る照明器具1の一部分解斜視図であって、取付部材13及び反射部材20を示す図である。図2及び図6に示すように、反射部材20は、2つの穴部220を備え、取付部材13は、2つの爪部131を備える。
2つの穴部220は、反射部材20に設けられた2つの第1被係止部の一例であり、灯体10に設けられた第1係止部(具体的には、爪部131)が係止する部分である。2つの穴部220は、図6に示すように、取付部材13の2つの爪部131に対応する位置に設けられている。具体的には、2つの穴部220は、Y軸方向に沿って設けられている。
2つの爪部131は、灯体10に設けられた2つの第1係止部の一例であり、反射部材20に設けられた2つの第1被係止部(穴部220)に係止する。図3に示すように、2つの爪部131が2つの穴部220にそれぞれ係止することで、取付部材13は、反射部材20を支持する。
2つの爪部131はそれぞれ、枠体部130の端部から反射部材20に向かって(Z軸負方向に)立設されている。2つの爪部131の各々の先端部は、鉤状(フック状)に曲がっている。つまり、爪部131は、L字状に形成されている。図3に示すように、2つの爪部131の鉤状の先端部が穴部220に挿入されて係止することで、反射部材20が取付部材13に支持される。2つの爪部131は、Y軸方向に並んで位置し、2つの穴部220にそれぞれ係止することで、反射部材20をY軸方向で挟持する。
本実施の形態では、2つの爪部131の各々の先端部が互いに反対方向に曲がっている。図3及び図6に示すように、2つの爪部131の各々が、2つの穴部220に対して、光軸Jに近い(内方)側から光軸Jから遠い(外方)側に挿入されているが、これに限らない。2つの爪部131の各々の先端部が互いに向かい合うように曲がっており、2つの穴部220に対して外方側から内方側に挿入されてもよい。
なお、例えば、爪部131の個数及び穴部220の個数は2つに限らず、取付部材13が3つ以上の爪部131を備え、反射部材20が爪部131と同数の穴部220を備えてもよい。
[反射部材と器具本体との当接構造]
次に、反射部材20と器具本体11との当接構造について、図4、図5及び図7を用いて説明する。
図7は、本実施の形態に係る照明器具1の器具本体11と反射部材20の突起部230が当接していることを示す下面図である。
突起部230は、反射部材20の外縁部に設けられ、灯体10に当接する突起である。突起部230は、外壁部202の外側の側面から斜め方向に突出している。斜め方向とは、突起部230と外壁部202との接続部分における外壁部202の法線方向に対して傾斜した方向である。例えば、突起部230は、外壁部202に沿った方向に突出している。
突起部230の先端には、灯体10に当接する当接部231が設けられている。具体的には、当接部231は、灯体10に点接触又は線接触する。より具体的には、図4及び図5に示すように、当接部231は、三角柱状の突起である。図7に示すように、当接部231の一辺が器具本体11に当接する。なお、当接部231は、器具本体11に当接しているだけであり、係止していない。
図4、図5及び図7に示すように、突起部230は外壁部202に沿って延設されているので、突起部230と外壁部202との間には、所定の空間が設けられている。このため、当接部231が器具本体11に当接した際に、寸法公差などによって突起部230を内方に押圧する力がかかったとしても、突起部230が弾性変形することにより、当該力を吸収することができる。また、図5に示すように、突起部230と外壁部202との間には補強部232(具体的には、平板部201が外壁部202の外方にまで延設されたリブ)が設けられている。このため、突起部230が破損するのを抑制することができる。
本実施の形態では、2つの突起部230が反射部材20の外縁部に設けられている。具体的には、2つの穴部220を結ぶ第1仮想線290と、2つの突起部230(当接部231)を結ぶ第2仮想線291とは、交差している。あるいは、第1仮想線290と第2仮想線291とは、ねじれの位置(立体交差している)にある。
なお、図5には、第1仮想線290及び第2仮想線291の投影像を二点鎖線で示している。投影像は、第1仮想線290及び第2仮想線291を開口部210の開口面に投影したときの像である。図5に示すように、第1仮想線290の投影像と第2仮想線291の投影像とがなす角度θは、45度以上90度以下である。
本実施の形態では、図6に示すように、Y軸方向に挟むようにして取付部材13が反射部材20を支持する。したがって、Y軸方向に沿った方向、すなわち、第1仮想線290に沿った方向には、反射部材20の移動が規制される。また、2つの突起部230によって、第2仮想線291に沿った方向への反射部材20の移動が規制される。したがって、第1仮想線290と第2仮想線291とのなす角度θが90度に近い程、反射部材20の移動を効果的に規制することができる。
[反射部材による光学部材の支持構造]
次に、反射部材20による光学部材30の支持構造について、図4、図5、図8及び図9を用いて説明する。
図8は、図5のVIII−VIII線における実施の形態に係る光学部材30が反射部材20に支持されていることを示す断面図である。図9は、本実施の形態に係る光学部材30の厚さに応じた第1凸部250と光学部材30との接触部分を示す断面図である。なお、図9に示す断面は、図8に示す断面と同様に、図5のVIII−VIII線における断面に相当する。
本実施の形態では、図5に示すように、反射部材20は、3つの爪部240と、2つの第1凸部250と、3つの第2凸部260とを有する。光学部材30は、爪部240と平板部201との間に配置される。具体的には、図8に示すように、光学部材30は、爪部240と、第1凸部250及び第2凸部260とによって挟持される。
爪部240は、第2係止部の一例であり、光学部材30に設けられた第2被係止部(図8に示す凹部311)に係止する。図4に示すように、爪部240は、外壁部202から内方に向かって凸に設けられている。具体的には、爪部240は、平板部201から離れた部分(外壁部202の立設方向(Z軸負方向)における先端部分)に設けられている。
図8に示すように、爪部240は、光学部材30の被支持部310に設けられた凹部311に係止する。爪部240は、照明器具1が天井などに取り付けられた場合に、光学部材30の下面側を支持する。
本実施の形態では、3つの爪部240は、互いの距離が大きくなるように離れて設けられている。具体的には、反射部材20を平面視したときの3つの爪部240がなす三角形の重心が、光軸Jの近傍(例えば、開口部210内)に位置するように、3つの爪部240は設けられている。これにより、照明器具1が天井などに取り付けられた場合、3点でバランス良く支えることができるので、光学部材30の落下を抑制することができる。
第1凸部250は、斜面を有する。具体的には、第1凸部250は、三角錐状の凸部である。なお、第1凸部250は、三角錐状に限らず、円錐状でもよい。図4及び図8に示すように、第1凸部250は、平板部201と外壁部202との接続部分に設けられている。第1凸部250は、平板部201に近い程、肉厚である。
第1凹部250の斜面には、光学部材30の外縁部が当接する。具体的には、図8に示すように、光学部材30の被支持部310が爪部240と平板部201との間に支持された場合に、被支持部310は、第1凸部250の斜面に当接する。より具体的には、被支持部310は、第1凸部250に点接触する。なお、第1凸部250は、光学部材30(被支持部310)が当接することによって撓んでいてもよい。
図9の(a)に示すように、被支持部310の厚さt1が設計寸法よりも小さい場合、被支持部310は、第1凸部250の斜面の、平板部201から離れた部分(点P)に当接する。逆に、図9の(b)に示すように、被支持部310の厚さt2が設計寸法よりも大きい場合、被支持部310は、第1凸部250の斜面の、平板部201に近い部分(点Q)に当接する。
このように、被支持部310に寸法公差が生じた場合でも、接触部分が斜面に沿って移動することで、被支持部310を第1凸部250に当接させることができる。したがって、横方向への移動を第1凸部250と外壁部202及び内壁部203とによって規制することができる。被支持部310の幅に寸法公差が生じた場合、及び、反射部材20に寸法公差が生じた場合も同様である。
第2凸部260は、平板部201に設けられている。具体的には、第2凸部260は、平板部201の載置面から突出した略半球状の凸部である。なお、第2凸部260の形状は、略半球状に限らず、角柱状又は角錐状などでもよい。
図8に示すように、第2凸部260の頂部(先端部)が光学部材30の被支持部310に当接する。つまり、光学部材30は、爪部240と第2凸部260とによって挟持されている。
本実施の形態では、3つの第2凸部260は、互いの距離が大きくなるように離れて設けられている。具体的には、反射部材20を平面視したときの3つの第2凸部260がなす三角形の重心が、光軸Jの近傍(例えば、開口部210内)に位置するように、3つの第2凸部260は設けられている。このとき、3つの第2凸部260がなす三角形と3つの爪部240がなす三角形とが互いに重ならないように、3つの第2凸部260は配置されていてもよい。これにより、爪部240が光学部材30に当接する部分と第2凸部260が光学部材30に当接する部分とを、平面視において効果的に分散させることができるので、光学部材30にかかる応力を分散させることができる。したがって、光学部材30の破壊などを抑制しつつ、光学部材30を強固に保持することができる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る照明器具1は、器具本体11、及び、器具本体11に取り付けられた光源モジュール12を備える灯体10と、開口部210を有し、光源モジュール12から出射された光を反射して開口部210から放射する筒状の反射部材20とを備え、反射部材20には、2つの穴部220が設けられ、灯体10には、2つの爪部131が設けられ、反射部材20は、2つの爪部131が2つの穴部220の各々に係止することによって、灯体10に支持され、反射部材20の外縁部には、灯体10に当接する少なくとも2つの突起部230が設けられている。
これにより、2つの爪部131が2つの穴部220にそれぞれ係止することで、反射部材20を灯体10に容易に取り付けることができる。例えば、ネジ止めなどを利用する場合は、部材点数の増加及び組み立て作業が煩雑化するのに対して、本実施の形態に係る照明器具1によれば、爪部131と穴部220とを係止させるだけで済むので、組み立て作業性を向上させることができる。
このとき、従来の照明器具においては、器具本体と反射体との間には、クリアランスを設ける設計を行うのが一般的である。クリアランスを設けることで、寸法公差を吸収することができ、また、照明器具の点灯中に発生する熱による器具本体又は反射体の膨張を吸収することができる。つまり、クリアランスを設けることで、組み立てを容易にすることができ、また、熱膨張などによる部材の欠損を抑制することができる。
しかしながら、クリアランスを設けることで、反射体が器具本体に対して適切に固定されなくなる。例えば、照明器具の運搬時、又は、取り付け時などに反射体ががたついて異音が発生する場合があり、照明器具の品質上好ましくない。
そこで、本実施の形態に係る照明器具1によれば、2つの突起部230が灯体10に当接しているので、反射部材20の灯体10に対する移動を規制することができる。すなわち、反射部材20は、2ヶ所の係止部分(爪部131と穴部220とが係止している部分)だけでなく、突起部230が設けられている2ヶ所の部分の少なくとも4ヶ所で灯体10に接触しているので、その移動が規制される。したがって、反射部材20ががたつく(移動する)ことによる異音の発生などを抑制することができる。
このとき、2つの突起部230は、灯体10に当接しているだけで、係止していない。したがって、組み立て作業時などにおいて、2つの突起部230には過度に応力がかからないので、突起部230(又は、灯体10若しくは反射部材20)の破損が抑制される。また、組み立て作業性が損なわれることも抑制することができる。
このように、本実施の形態に係る照明器具1によれば、組み立て作業性の悪化を抑制することができ、かつ、部材のがたつきの発生を抑制することができる。
また、例えば、2つの爪部131を結ぶ第1仮想線290と、2つの突起部230を結ぶ第2仮想線291とは、交差している、又は、ねじれの位置にある。
これにより、2ヶ所の係止部分で第1仮想線290の方向に、かつ、2つの突起部230で第2仮想線291の方向にそれぞれ反射部材20ががたつくのを抑制することができる。したがって、反射部材20のがたつきの発生を一層抑制することができる。
また、例えば、第1仮想線290と第2仮想線291とを開口部210の開口面に投影した場合に、第1仮想線290の投影像と第2仮想線291の投影像とがなす角度は、45度以上90度以下である。
これにより、第1仮想線290と第2仮想線291とのなす角度が大きいので、反射部材20のがたつきの発生をより一層抑制することができる。
また、例えば、照明器具1は、さらに、開口部210を覆うように設けられた透光性の光学部材30を備え、灯体10又は反射部材20には、さらに、爪部240と、斜面を有する第1凸部250とが設けられ、光学部材30には、凹部311が設けられ、光学部材30は、爪部240が凹部311に係止することで、灯体10又は反射部材20に支持され、光学部材30の外縁部は、斜面に当接している。
これにより、爪部240が凹部311に係止することで、光学部材30を反射部材20に容易に取り付けることができる。例えば、ネジ止めなどを利用する場合は、部材点数の増加及び組み立て作業が煩雑化するのに対して、本実施の形態に係る照明器具1によれば、爪部240と凹部311とを係止させるだけで済むので、組み立て作業性を向上させることができる。
さらに、照明器具1によれば、光学部材30の外縁部が第1凸部250に当接しているので、光学部材30の反射部材20に対する移動を規制することができる。すなわち、光学部材30は、係止部分(爪部240と凹部311とが係止している部分)だけでなく、第1凸部250が設けられている部分の少なくとも2ヶ所で反射部材20に接触しているので、その移動が規制される。したがって、光学部材30ががたつく(移動する)ことによる異音の発生などを抑制することができる。
また、第1凸部250は斜面を有し、光学部材30の外縁部は当該斜面に当接しているので、光学部材30又は反射部材20に寸法公差が生じたとしても、斜面上の異なる位置で当接することができる。したがって、光学部材30ががたつくことを抑制することができる。このように、第1凸部250が斜面を有することで、寸法公差が生じたとしても、その寸法公差を吸収し、光学部材30のがたつきの発生を抑制することができる。
また、例えば、光学部材30は、斜面に点接触している。
これにより、例えば、光学部材30と斜面(第1凸部250)とが面接触している場合、寸法公差が大きい場合には、部材の組み立てができなくなる(例えば、部材が破損する)場合がある。これに対して、本実施の形態に係る照明器具1では光学部材30が斜面に点接触しているので、光学部材30などに寸法公差が生じたとしても、図9に示したように、接触位置が斜面に沿ってずれることで光学部材30と反射部材20とを組み立てることができる。
また、例えば、第1凸部250は、光学部材30が当接することによって撓んでいる。
これにより、第1凸部250が撓むことによる復元力によって、光学部材30を押圧することで、光学部材30を第1凸部250と爪部240とによって強固に支持することができる。したがって、光学部材30のがたつきの発生をより一層抑制することができる。
また、例えば、灯体10又は反射部材20には、さらに、第2凸部260が設けられ、光学部材30は、爪部240と第2凸部260とによって挟持されている。
これにより、第2凸部260と爪部240とによって光学部材30を挟持するので、光学部材30のがたつきの発生を一層抑制することができる。
(その他)
以上、本発明に係る照明器具について、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、第1係止部の一例として、取付部材13に爪部131を設けたが、これに限らない。第1係止部は、灯体10に含まれる部材に設けられていればよい。例えば、第1係止部は、器具本体11(具体的には、有底円筒部110)に設けられていてもよい。また、少なくとも2つの第1係止部の少なくとも1つが取付部材13に設けられ、他の少なくとも1つが器具本体11に設けられてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、第2係止部の一例として、反射部材20に爪部240を設けたが、これに限らない。第2係止部は、灯体10に設けられてもよい。具体的には、第2係止部は、器具本体11に設けられてもよい。同様に、第1凸部250及び第2凸部260も、灯体10に設けられてもよい。すなわち、光学部材30は、反射部材20ではなく、灯体10(器具本体11など)に係止されてもよい。
あるいは、例えば、爪部240は、光学部材30に設けられていてもよい。つまり、光学部材30が第2係止部を有してもよい。この場合、灯体10又は反射部材20が第2被係止部を有する。第1凸部250及び第2凸部260も同様に、光学部材30に設けられていてもよい。
また、例えば、本実施の形態では、光学部材30が第2被係止部の一例として凹部311を備える例について示したが、これに限らない。光学部材30は、凹部311を備えなくてもよい。すなわち、光学部材30の下面が第2被係止部でもよい。
また、例えば、本実施の形態では、灯体10が取付部材13、ホルダ14及びネジ15などを備える例について示したが、これに限らない。例えば、灯体10は、取付部材13及びホルダ14を備えずに、光源モジュール12が灯体10に直接ネジ止めされてもよい。あるいは、光源モジュール12は、ネジ15ではなく、接着剤などによって灯体10に接着されてもよい。
また、例えば、本実施の形態では、光源モジュール12がLEDを備える例について示したが、これに限らない。光源モジュール12は、LEDの代わりに、有機EL(Electro Luminescence)素子又は半導体レーザ素子などを備えてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。