以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態に係るサービスシステムのシステム構成の一例を示す図である。サービスシステム100は、携帯端末1A、BLE端末2、WiFiアクセスポイント(AP)3、BLE受信機4、デジタルサイネージ5、コントローラ6を含む。WiFi AP 3、BLE受信機4、デジタルサイネージ5、コントローラ6は、例えば、LAN
50で接続されている。
BLE受信機4は、例えば、据え置き型の単体の装置であったり、USB(Universal Serial Bus)接続によってデジタルサイネージ5に接続する外付け型の装置であったりする。BLE受信機4がUSB接続する外付け型の装置である場合には、BLE受信機4自身は、LANのインタフェースを有さず、デジタルサイネージ5の通信機能を用いて、LANの通信を行う。
デジタルサイネージ5は、タッチパネルディスプレイを有する装置である。デジタルサイネージ5は、ネットワークインタフェースを備えており、直接コントローラ6から表示する情報を受信してもよいし、ネットワークインタフェースを備えず、接続するBLE受信機4を通じて、コントローラ6から、表示する情報を受信してもよい。第1実施形態では、デジタルサイネージ5は、接続するBLE受信機4を通じてコントローラ6から表示する情報を受信することを想定する。ただし、これに限定されない。
携帯端末1Aは、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末である。携帯端末1Aは、少なくとも、WiFiとBluetooth(登録商標)との通信機能を有する。携帯端末1Aは、WiFiを通じて、WiFi APと接続し、WiFi APによる中継によって、コントローラ6と通信を行う。また、携帯端末1Aは、BluetoothによってBLE端末2と接続する。
BLE端末2は、例えば、カード型の単体の装置や、BLEモジュールを内蔵する、携帯端末1Aとは異なるウェアラブル端末である。BLE端末2は、Bluetoothを通じて受信される、携帯端末1Aからの指示により、BLEビーコンの送信を開始する。第1実施形態では、BLE端末2は、ユーザに貸与されるものではなく、ユーザ固有のものであることを前提とする。
BLEビーコンには、UUID等のBLEビーコンの発信元を識別する識別情報が含まれている。BLEビーコンに含まれる識別情報と受信側で登録されている識別情報とが合致する場合に、デジタルサイネージ5に情報が表示されたり、携帯端末1Aに情報がプッシュ通知されたりする。
第1実施形態では、携帯端末1Aは、WiFi接続時に、WiFi経由で、ユーザの個
人属性情報をコントローラ6に送信し、UUID等の識別情報をWiFi経由でコントローラ6から取得する。また、携帯端末1Aは、UUID等の識別情報を取得すると、BLE端末2にBLEビーコンの発信の指示を送信して、BLEビーコンの発信を開始させる。また、携帯端末1Aは、WiFiの接続が切断されると、BLE端末2にBLEビーコンの発信の停止の指示を送信して、BLEビーコンの発信を停止させる。
すなわち、第1実施形態では、携帯端末1A側にBLEビーコンを発信させることによって、携帯端末1AがBLEビーコンの受信側として動作する場合よりも電力消費を少なくさせている。さらに、BLEビーコンの発信を、携帯端末1AのWiFi接続時に限定することによって、さらに携帯端末1Aの消費電力を少なくさせている。
<装置構成>
図3は、携帯端末1Aのハードウェア構成の一例を示す図である。携帯端末1Aは、例えば、スマートフォン、タブレット端末等である。携帯端末1Aは、CPU(Central Processing Unit)101、記憶部102、タッチパネル103、ディスプレイ104、セ
ルラ通信部105、オーディオ入出力部106、スピーカー107、マイクロフォン108、セルラ用アンテナ110、WiFi通信部111、WiFi用アンテナ112、Bluetooth通信部113、Bluetooth用アンテナ114、電源回路115、蓄電池116を備える。
記憶部102は、ROM(Read Only Memory)102A、RAM(Random Access Memory)102B、不揮発性メモリ102Cを含む。RAM 102Bは、揮発性メモリであり、CPU 101に作業領域を提供する。ROM 102Aは、不揮発性であり、OS、プリインストールのアプリケーションプログラム、システムデータ等を記憶する。不揮発性メモリ102Cは、例えば、フラッシュメモリである。
不揮発性メモリ102Cは、ユーザ操作によって取得されたアプリケーションプログラム、ユーザデータ等を記憶する。不揮発性メモリ102Cには、サービスシステム100において情報提供を受けるためのサービス享受プログラムが格納されている。サービス享受プログラムは、例えば、アプリケーションダウンロードサイトからダウンロードされて取得される。
タッチパネル103は、位置入力装置の1つであって、ディスプレイ104の表面に配置されており、ディスプレイ104の画面に対応する指のタッチ位置の座標を入力する。タッチパネル103は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式等のいずれであってもよい。
ディスプレイ104は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)である。ディスプレイ104は、CPU 101から入力される信号に従って、画面データを表示する。
セルラ通信部105は、セルラ用アンテナ110と接続している。WiFi通信部111は、WiFi用アンテナ112と接続している。Bluetooth通信部113はBluetooth用アンテナ114と接続し、Bluetooth4.0の規格に対応している。セルラ通信部105、WiFi通信部111、Bluetooth通信部113は、それぞれ、接続されるアンテナを通じて受信した無線信号を電気信号に変換してCPU 101に出力したり、CPU 101から入力される電気信号を無線信号に変換してアンテナを通じて送信したりする。セルラ通信部105は、例えば、第3世代移動通信システム、第2世代移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)等のキャリアの無
線通信網のうちのいずれか1つ又は複数に対応する電子回路である。第1実施形態では、
セルラ通信部105及びセルラ用アンテナ110は、LTEに対応するものと想定して説明される。WiFiは、「第1の無線通信方式」の一例である。Bluetooth 4.0は、「第2の無線通信方式」の一例である。
オーディオ入出力部106は、音声出力装置としてのスピーカー107と、音声入力装置としてのマイクロフォン108と、を接続する。オーディオ入出力部106は、マイクロフォン108から入力された音声信号を電気信号に変換してCPU 101に出力したり、CPU 101から入力された電気信号を音声信号に変換してスピーカー107に出力したりする。
CPU 101は、ROM 102A又は不揮発性メモリ102Cに格納されるプログラムをRAM 102Bに展開し、展開された命令を実行することによって様々な処理を行う。CPU 101は、タッチパネル103、セルラ通信部105、オーディオ入出力部106、WiFi通信部111、Bluetooth通信部113のいずれかからの入力を受け、所定の処理を実行する。CPU 101は、所定の処理の実行結果を、記憶部102、ディスプレイ104、セルラ通信部105、オーディオ入出力部106、WiFi通信部111、Bluetooth通信部113のいずれかへ出力する。
電源回路115は、他のハードウェア要素に接続し(図示せず)、蓄電池116からの電力を他のハードウェア要素に供給する。蓄電池116は、例えば、リチウムイオン電池である。
なお、携帯端末1Aのハードウェア構成は、図3に示されるものに限定されず、適宜、追加、置換、削除等の変更が可能である。例えば、携帯端末1Aは、図3に示される構成に加えて、可搬記録媒体を駆動する可搬記録媒体駆動装置を備えてもよい。可搬記録媒体は、例えば、SDカード、microSDカード等である。携帯端末1Aは、「携帯端末」の一例である。
図4は、BLE受信機4のハードウェア構成の一例を示す図である。図4では、単体の装置としてのBLE受信機4が想定されている。BLE受信機4は、CPU 401、記憶部402、Bluetooth通信部403、Bluetooth用アンテナ404、デジタルサイネージ接続用インタフェース405、ネットワークインタフェース407を備える。記憶部402は、ROM 402A、RAM 402B、不揮発性メモリ402Cを備える。CPU 401、記憶部402、Bluetooth通信部403の説明は、図3のCPU 101、記憶部102の説明と同様であるため省略する。
デジタルサイネージ接続用インタフェース405は、デジタルサイネージ5と接続するためのインタフェースである。デジタルサイネージ接続用インタフェース405は、例えば、USBインタフェースである。ネットワークインタフェース407は、LAN 50と接続するためのインタフェースである。
BLE受信機4のハードウェア構成は、図4に限定されず、実施形態に応じて、適宜、追加、置換、削除等の変更が可能である。例えば、BLE受信機4が、USBメモリ型の装置である場合には、接続するデジタルサイネージ5の通信機能を利用して、LAN 50に接続するので、BLE受信4にネットワークインタフェース107は備えられなくてもよい。また、BLE受信機4は、ネットワークインタフェース107の代わりにWiFi通信部とWiFi用アンテナを備え、WiFiによって、WiFi APに接続し、コントローラ6と通信を行ってもよい。BLE受信機4は、「受信装置」の一例である。
BLE端末2のハードウェア構成は、BLE端末2がウェアラブル端末である場合には
、携帯端末1Aとほぼ同様のハードウェア構成となる。BLE端末2が専用の装置である場合には、BLE端末2のハードウェア構成は、例えば、BLE受信機4のハードウェア構成において、ネットワークインタフェース407、USBインタフェース405を除く構成となる。なお、BLE端末2が備えるBluetooth通信部は、BLEに対応している。BLE端末2は、「無線端末」の一例である。
WiFi AP 3のハードウェア構成は、例えば、CPU、RAM、ROM、不揮発性メモリ、WiFi通信部、WiFi用アンテナ、ネットワークインタフェースを有する構成である。コントローラ6は、専用又は汎用のコンピュータである。コントローラ6のハードウェア構成は、例えば、CPU、RAM、ROM、不揮発性メモリ、ネットワークインタフェースを有する構成である。コントローラ6は、不揮発性メモリに、サービスシステム100において情報を提供するためのサービス提供プログラムを格納している。WiFi AP 3は、「無線通信中継装置」の一例である。コントローラ6は、「情報提供装置」の一例である。
図5は、サービスシステム100の機能構成の一例を示す図である。携帯端末1Aは、機能構成として、セルラ送受信部11、WiFi送受信部12、WiFi制御部13、制御部14、Bluetooth制御部15、Bluetooth送受信部16、データベース17を含む。セルラ送受信部11は、セルラ通信部105及びセルラ用アンテナ110に相当する機能構成である。WiFi送受信部12は、WiFi通信部111及びWiFi用アンテナ112に相当する機能構成である。Bluetooth送受信部15は、Bluetooth通信部113及びBluetooth用アンテナ114に相当する機能構成である。
WiFi制御部13は、CPU 101がOSに含まれるWiFiに関するモジュールを実行することによって達成される機能構成である。WiFi制御部13は、WiFi送受信部12を制御する。より具体的には、WiFi制御部13は、WiFi送受信部12に対して、スキャンの実行の指示、WiFi送受信部12の受信信号に基づくWiFi AP 3の通信可能範囲への進入及び退出の検出、WiFi送受信部12と他の機能構成との間のデータの中継等を行う。WiFi制御部13はWiFi AP 3の通信可能範囲への進入及び退出を検出した場合には、制御部14に対して通知を行う。なお、WiFi通信可能範囲とは、WiFi AP 3との接続可能と判定される閾値以上の受信信号強度でWiFi AP 3からの信号が届く範囲のことである。
Bluetooth制御部15は、CPU 101がOSに含まれるBluetoothに関するモジュールを実行することによって達成される機能構成である。Bluetooth制御部15は、Bluetooth送受信部16を制御する。より具体的には、他のBluetooth対応機器との接続確立に係る処理、Bluetooth送受信部16と他の機能構成との間のデータの中継等を行う。
制御部14は、CPU 101がサービス享受プログラムを実行することによって達成される機能構成である。制御部14は、Bluetoothの接続が確立しているBLE端末2の発信の開始及び停止の制御を行う。より具体的には、制御部14は、WiFi制御部13からWiFi AP 3の通信可能範囲への進入の通知があり、且つ、WiFi
AP 3の通信可能範囲がBLEを用いるサービスの環境に適応している場合に、BLEビーコン設定情報の取得処理を行う。BLEビーコン設定情報は、BLEビーコンの送信の設定情報であり、UUID等のBLEビーコンの発信元の識別情報を含む。BLEビーコン設定情報の詳細は後述される。
BLEビーコン設定情報を取得すると、制御部14は、Bluetooth制御部15
に、BLEビーコンの送信開始指示を出力する。第1実施形態では、制御部14は、BLEビーコンの送信開始指示として、BLEビーコン設定情報の書き換えを指示するBLEビーコン設定情報書き換え通知を出力する。BLEビーコン設定情報書き換え通知には、BLEビーコン設定情報が含まれている。
なお、制御部14は、BLEビーコンの送信開始指示のメッセージとBLEビーコン設定情報書き換え通知とをBluetooth制御部15に出力してもよい。BLEビーコン設定情報書き換え通知は、Bluetooth制御部15、Bluetooth送受信部16を通じて、Bluetooth経由で、BLE端末2に送信される。
また、制御部14は、WiFi制御部13からWiFi AP 3との接続の切断が通知されると、Bluetooth制御部15に、BLEビーコンの送信停止指示を出力する。第1実施形態では、制御部14は、BLEビーコンの送信停止指示として、空白のBLEビーコン設定情報を含むBLEビーコン設定情報書き換え通知を出力する。なお、制御部14は、BLEビーコンの送信停止指示のメッセージをBluetooth制御部15に出力してもよい。また、制御部14は、WiFi制御部13からWiFi AP 3との接続の切断が通知されると、データベース17内のBLEビーコン設定情報171を削除する。制御部14は、「携帯端末」の「制御部」の一例である。
データベース17は、不揮発性メモリ102Cに相当する機能構成である。データベース17には、BLEビーコン設定情報171、個人属性情報172、接続実績テーブル173が格納される。BLEビーコン設定情報171は、WiFi経由で取得されて保存されたBLEビーコン設定情報である。第1実施形態では、BLEビーコン設定情報171は、WiFi AP 3との接続が切断されると削除される。ただし、これに限定されない。
個人属性情報172は、携帯端末1Aのユーザの属性に関する情報である。より詳細には、個人属性情報172には、ユーザ名、性別、使用言語、ユーザの年代、メールアドレス等が含まれている。第1実施形態では、個人属性情報172は、WiFi AP 3との初回の接続時に、ユーザによってタッチパネル104を通じて入力されて保存される。2回目以降のWiFi AP 3との接続時には、個人属性情報172がデータベース17から読み出される。個人属性情報172は、制御部14からWiFi制御部13、WiFi送受信部12を経由して出力され、WiFi経由でコントローラ6に送信される。個人属性情報は、「使用者の属性情報」の一例である。
接続実績テーブル173は、接続実績のあるWiFi AP 3に関する情報を格納するテーブルである。第1実施形態では、接続実績テーブル173に登録されているWiFi AP 3との接続時には、該WiFi AP 3との接続は2回目以降の接続なので、データベース17から個人属性情報172が読み出される。接続実績テーブル173の詳細は後述される。
次に、BLE端末2は、機能構成として、BLE制御部21、BLE送受信部22、BLEビーコン設定情報23とを有する。BLE送受信部22は、Bluetooth通信部とBluetooth用アンテナとに相当する。
BLE制御部21は、CPUがBLE端末2に搭載されるOSを実行することによって達成される機能構成である。BLE制御部21は、BLE送受信部22を制御する。より具体的には、BLE制御部21は、他のBluetooth機器との接続確立の処理、BLE送受信部22からのBLEビーコン信号の発信の処理等の制御を行う。例えば、BLE制御部21は、携帯端末1Aとの接続確立の処理を行う。
また、BLE制御部21は、携帯端末1AからBLEビーコンの送信開始指示を受信すると、通知されたBLEビーコン設定情報を不揮発性メモリに格納し、BLEビーコンを生成し、BLE送受信部22にBLEビーコンの送信開始を指示する。なお、第1実施形態では、BLEビーコンの送信開始指示として、BLEビーコン設定情報を含むBLEビーコン設定情報書き換え通知が携帯端末1AからBLE端末2に通知される。BLEビーコンは、例えば、100msの周期で送信される。BLEビーコンには、例えば、UUID、Major、Minor、送信RSSI、等が含まれる。BLEビーコンは、「識別情報を含む第2の無線通信方式の信号」の一例である。
また、BLE制御部21は、携帯端末1AからBLEビーコンの送信停止指示を受信すると、BLE送受信部22にBLEビーコンの送信停止を指示し、不揮発性メモリに格納されるBLEビーコン設定情報23を削除する。なお、第1実施形態では、BLEビーコンの送信停止指示として、空白のBLEビーコン設定情報を含むBLEビーコン設定情報書き換え通知が携帯端末1AからBLE端末2に通知される。BLE制御部21は、空白のBLEビーコン設定情報をBLEビーコン設定情報23に上書き更新することで、BLEビーコン設定情報を削除する。BLE端末2の不揮発性メモリは、「無線端末」の「記憶部」の一例である。
WiFi AP 3は、機能構成として、WiFi送受信部31、WiFi制御部32、ネットワーク制御部33を備える。WiFi送受信部31は、WiFi用アンテナ、WiFi処理用の回路に相当する。WiFi制御部32、ネットワーク制御部33は、それぞれ、WiFi AP 3のCPUがOSを実行することによって達成される機能構成である。WiFi制御部32は、ネットワーク制御部33とWiFi送受信部31との間の中継を行う。ネットワーク制御部33は、LAN 50とのインタフェースと、WiFi制御部32との間での中継を行う。
BLE受信機4は、機能構成として、BLE受信制御部41、ネットワーク制御部42、サイネージ制御部43を備える。BLE受信制御部41、ネットワーク制御部42、サイネージ制御部43は、それぞれ、CPU 401がOSを実行することによって達成される機能である。
BLE受信制御部41は、Bluetooth通信部403を制御する。より具体的には、BLE受信制御部41は、BLE受信機4の稼働中は、Bluetooth通信部403の受信機能をONにさせる。第1実施形態では、Bluetooth通信部403は、常時受信機能をONにさせる。携帯端末1AからのBLEビーコンがBluetooth通信部403によって受信されると、BLE受信制御部41は、受信されたBLEビーコンからBLEビーコン情報を抽出して、ネットワーク制御部42を通じて、コントローラ6に送信する。BLEビーコン情報は、例えば、BLEビーコンに含まれるUUID等の識別情報を含む。
ネットワーク制御部42は、ネットワークインタフェース407、BLE受信制御部41、サイネージ制御部43の間での中継を行う。サイネージ制御部43は、デジタルサイネージ接続用インタフェース405を制御し、デジタルサイネージ5との通信を制御する。
コントローラ6は、機能構成として、制御部61、ネットワーク制御部62、情報管理部63、利用者情報データベース64を備える。ネットワーク制御部62は、CPUがOSを実行することによって達成される機能である。ネットワーク制御部62は、ネットワークインタフェースの制御を行う。
制御部61と情報管理部63とは、CPUが不揮発性メモリ内のサービス提供プログラムを実行することによって達成される機能構成である。制御部61は、ネットワーク制御部62を通じて、携帯端末1Aから個人属性情報、BLE受信機4からBLEビーコン情報を受信する。制御部61は、携帯端末1Aから受信した個人属性情報に対応するBLEビーコン設定情報を生成し、ネットワーク制御部62を通じて、WiFi経由で、携帯端末1Aに生成したBLEビーコン設定情報を送信する。制御部61は、生成したBLEビーコン設定情報と、受信した個人属性情報とを情報管理部63に出力する。
制御部61は、BLE受信機4から受信したBLEビーコン情報に含まれるUUID等の識別情報が、利用者情報DB 64に登録されているか否かを判定する。制御部61は、情報管理部63に、BLEビーコン情報に含まれるUUID等の識別情報を渡して、利用者情報DB 64の検索を依頼する。
受信したBLEビーコン情報に含まれるUUID等の識別情報が利用者情報DB 64に登録されている場合には、制御部61は、情報管理部63を通じて、利用者情報DB 64から該UUID等の識別情報に対応する個人属性情報を読み出す。制御部61は、読み出された個人属性情報に応じた所定の情報をデータベース(図示せず)から読み出し、ネットワーク制御部62を通じて携帯端末1A又は/及びBLE受信機4に送信する。
利用者情報DB 64は、CPUのサービス提供プログラムの実行を通じて、不揮発性メモリ内に作成される。利用者情報DB 64は、BLEビーコン設定情報と、BLEビーコン設定情報を払い出した携帯端末1Aの個人属性情報と、を関連付けて保持する。利用者情報DB 64には、後述の、個人属性情報テーブルと、BLEビーコン設定情報テーブルとが格納されている。利用者情報DB 64は、「情報提供装置」の「記憶部」の一例である。
図6は、BLEビーコン設定情報に含まれる情報の一例を示す図である。BLEビーコン設定情報には、例えば、UUID、Major、Minor、RSSI、送信周期が含まれる。UUIDは、128ビットの組織固有の識別番号である。Major、Minorは、それぞれ、16ビットの識別番号で、UUIDの組織内の中分類、小分類を示す。例えば、ショッピングモールにおいて、UUID、Major、Minorは、それぞれ、ショッピングモールの識別、ショッピングモール内の店舗の識別、店舗内のBLE発信機の識別に用いられる。すなわち、第1実施形態において、UUID、Major、Minorの組合せは、BLEビーコンの発信元の識別情報となる。また、第1実施形態では、各個人属性情報について、それぞれ異なるUUID、Major、Minorの組合せが配布されるので、UUID、Major、Minorの組合せは、携帯端末1Aの使用者の識別情報としての意味合いも持つ。
RSSIは、受信信号強度であって、BLE端末2のBLEビーコンの発信信号強度を指定するものである。送信周期は、BLEビーコンの送信周期の指定である。
第1実施形態では、図6に示されるBLEビーコン設定情報が、コントローラ6から携帯端末1Aに通知され、携帯端末1Aのデータベース17にBLEビーコン設定情報171として格納される。また、携帯端末1AからBLE端末2に通知され、BLE端末2の不揮発性メモリに格納される。また、図6に示されるBLEビーコン設定情報は、コントローラ6の利用者情報DB 64にも格納される。なお、BLEビーコン設定情報に含まれる情報は、図6に示されるものに限定されない。
図7は、携帯端末1Aの接続実績テーブル173の一例である。接続実績テーブル17
3は、携帯端末1Aの接続実績のあるWiFi AP 3に関する情報を保持する。接続実績テーブル173のエントリには、WiFi AP 3のESSID(Extended Service Set Identifier)、BSSID(Basic Service Set Identifier)、BLEサービス
、の項目が含まれる。
ESSIDは、WiFiにおけるネットワーク識別子である。ESSIDは、最大32文字の英数字である。BSSIDは、48ビットの数値であって、通常、WiFi AP
3のMAC(Media Access Control)アドレスと同じ値に設定される。ESSID及びBSSIDは、WiFi AP 3が発信するWiFiビーコンに含まれており、携帯端末1Aは、WiFiビーコンからESSID及びBSSIDを取得する。
BLEサービスは、WiFi AP 3の通信可能範囲内におけるBLEサービスを示す情報であり、第1実施形態では、BLEサービスの項目には、0、1、2、3のいずれかの値が格納される。第1実施形態では、BLEサービスの項目に「0」が格納されている場合には、WiFi AP 3の通信可能範囲内においてBLEサービスは行われていないことが示される。BLEサービスの項目に「1」が格納されている場合には、WiFi AP 3の通信可能範囲内において、システム側が送信側となるBLE送信サービスが行われていることが示される。BLEサービスの項目に「2」が格納されている場合には、WiFi AP 3の通信可能範囲内において、システム側が受信側となるBLE受信サービスが行われていることが示される。BLEサービスの項目に「3」が格納されている場合には、WiFi AP 3の通信可能範囲内において、BLE送信サービスと、BLE受信サービスとの両方が行われていることが示される。
BLEサービスの項目に格納される値は、WiFi AP 3との接続確立時に、WiFi AP 3から通知されるBLE環境通知に含まれている。なお、図7に示されるBLEサービスに格納される値の定義は、一例であって、これに限定されない。
図8は、コントローラ6の利用者情報データベース64に含まれる個人属性情報テーブルの一例である。個人属性情報テーブルは、サービスシステム100によって提供されるサービスを利用する携帯端末1Aの個人属性情報を保持する。個人属性情報テーブルには、携帯端末1Aの端末識別情報と、個人属性情報とが含まれる。携帯端末1Aの端末識別情報には、例えば、携帯端末1AのMACアドレスが用いられる。個人属性情報は、WiFi AP 3との接続確立時に、携帯端末1Aからコントローラ6に送信される。図8に示される例では、個人属性情報には、ユーザ名、性別、国籍、使用言語、ユーザの年代、メールアドレスが含まれている。ただし、個人属性情報に含まれる情報は、図8に示されるものに限定されない。
図9は、コントローラ6の利用者情報データベース64に含まれるBLEビーコン設定情報テーブルの一例である。BLEビーコン設定情報テーブルは、サービスシステム100によって提供されるサービスを利用する携帯端末1Aに対してコントローラ6が払い出したBLEビーコン設定情報を保持する。
BLEビーコン設定情報テーブルは、携帯端末1Aの端末識別情報と、該携帯端末1Aに払い出されたBLEビーコン設定情報とが含まれる。携帯端末1Aの端末識別情報は、個人属性情報テーブルに用いられる端末識別情報と同種の情報が用いられる。BLEビーコン設定情報テーブルのBLEビーコン設定情報には、図9に示される例では、UUID、Major、Minor、RSSI、送信周期が格納されている。
個人属性情報テーブルとBLEビーコン設定情報テーブルとは、端末識別情報によって紐付けされている。なお、個人属性情報テーブルとBLEビーコン設定情報テーブルの代
わりに、端末識別情報と、個人属性情報テーブルと、BLEビーコン設定情報とを含むテーブルが格納されてもよい。
<処理の流れ>
図10A及び図10Bは、携帯端末1Aの制御部14の処理のフローチャートの一例である。図10A及び図10Bに示される処理は、制御部14にWiFi制御部13からWiFi AP 3との接続確立が通知されると開始される。なお、図10A及び図10Bに示される処理の主体は、サービス享受プログラムを実行するCPU 101であるが、便宜上、CPU 101がサービス享受プログラムを実行することによって達成される機能構成である制御部14を主体として説明する。
OP1では、制御部14は、WiFi制御部13からのWiFi AP 3との接続確立完了の通知の受信の待機状態である。WiFi制御部13からWiFi AP 3との接続確立完了が通知された場合には(OP1:YES)、処理がOP2に進む。
OP2では、制御部14は、WiFi AP 3からのBLE環境通知の受信を待機する。制御部14が、WiFi制御部13を通じてWiFi AP 3からのBLE環境通知を受信した場合には(OP2:YES)、処理がOP4に進む。例えば、WiFi AP 3との接続確立完了から所定時間が経過しても、BLE環境通知が受信されない場合には(OP2:NO)、処理がOP3に進む。
OP3では、BLE環境通知が受信されず、接続中のWiFi AP 3の通信可能範囲ではBLEサービスが行われていないことが示されるので、制御部14は、接続実績テーブル173を更新する。具体的には、制御部14は、接続実績テーブル173の、接続中のWiFi AP 3のエントリのBLEサービスの項目に「0」を格納する。その後、図10Aに示される処理が終了する。
OP4では、BLE環境通知が受信されたので、制御部14は、WiFi AP 3のBSSIDで接続実績テーブル173を検索する。接続実績テーブル173にWiFi AP 3のBSSIDが含まれている場合には、すなわち、WiFi AP 3の接続実績がある場合には(OP5:YES)、処理がOP6に進む。接続実績テーブル173にWiFi AP 3のBSSIDが含まれていない場合には、すなわち、WiFi AP
3の接続実績がない場合には(OP5:NO)、処理がOP7に進む。
OP6では、WiFi AP 3との接続実績があるので、制御部14は、データベース17から個人属性情報172を読み込む。OP7では、WiFi AP 3との接続実績がないので、制御部14は、ディスプレイ104に、個人属性情報の入力画面を表示させる。ユーザからの個人属性情報の入力が完了すると、制御部14は入力された個人属性情報をデータベース17に格納する。
OP8では、制御部14は、WiFi制御部13、WiFi送受信部12を通じて、WiFi経由で、コントローラ6に個人属性情報を送信する。
図10BのOP9では、制御部14は、WiFi制御部13を通じて、BLEビーコン設定情報の受信を待機する。制御部14がBLEビーコン設定情報を受信した場合には(OP9:YES)、処理がOP10に進む。
OP10では、制御部14は、BLEビーコン設定情報をデータベース17に保存する。OP11では、制御部14は、接続実績テーブル173を更新する。接続実績テーブル173の更新内容は、例えば、OP1で接続完了したWiFi AP 3のエントリが未
作成の場合には該WiFi AP 3のエントリの作成と、OP2で受信されたBLE環境通知で通知された値のBLEサービスの項目への設定である。
OP12では、制御部14は、Bluetooth制御部15に、BLEビーコン設定情報書き換え通知を出力する。OP12で送信されるBLEビーコン設定情報書き換え通知には、OP9で受信されたBLEビーコン設定情報が含まれる。BLEビーコン設定情報が含まれるBLEビーコン設定情報書き換え通知は、BLE端末2に対するBLEビーコン送信開始指示である。BLEビーコン設定情報書き換え通知は、Bluetooth制御部15からBluetooth送受信部16を経て、BLE端末2にBluetooth経由で送信される。その後、BLE端末2からBLEビーコンの送信が開始される。
OP13では、制御部14は、WiFi制御部13からのWiFi AP 3との接続の切断通知の受信を待機する。制御部14がWiFi制御部13からWiFi AP 3との接続の切断通知を受信した場合には(OP13:YES)、処理がOP14に進む。
OP14では、制御部14は、Bluetooth制御部15に、BLEビーコン設定情報書き換え通知を出力する。BLEビーコン設定情報書き換え通知には、空白のBLEビーコン設定情報が含まれる。空白のBLEビーコン設定情報が含まれるBLEビーコン設定情報書き換え通知は、BLE端末2に対するBLEビーコン送信停止指示である。BLEビーコン設定情報書き換え通知は、Bluetooth制御部15からBluetooth送受信部16を経て、BLE端末2にBluetooth経由で送信される。その後、BLE端末2からBLEビーコンの送信が停止される。
また、OP14では、制御部14は、データベース17に格納されているBLEビーコン設定情報171を削除する。その後、図10Bに示される処理が終了する。
なお、図10A及び図10Bに示される処理は一例であって、実行順等は実施形態によって適宜変更されてもよい。例えば、OP11の接続実績テーブルの更新処理は、OP5のWiFi AP 3の接続実績の判定からOP11までの間のいずれのタイミングで実行されてもよい。また、OP12、OP14では、BLEビーコン設定情報に加えて、BLEビーコン送信開始指示又はBLEビーコン送信停止指示のメッセージが送信されてもよい。
図11は、BLE端末2のBLE制御部21の処理のフローチャートの一例である。図11に示される処理は、BLE端末2と携帯端末1Aとの接続が確立すると開始される。なお、図11に示される処理の主体は、BLE端末2のCPUであるが、便宜上、機能構成であるBLE制御部21を主体として説明する。
OP21では、BLE制御部21は、携帯端末1AからのBLEビーコン設定情報書き換え通知の受信を待機する。BLE制御部21は、BLE送受信部22を通じて、携帯端末1AからBLEビーコン設定情報書き換え通知を受信した場合には(OP21:YES)、処理がOP22に進む。
OP22では、BLE制御部21は、受信したBLEビーコン設定情報書き換え通知に含まれるBLEビーコン設定情報を確認する。受信したBLEビーコン設定情報書き換え通知に含まれるBLEビーコン設定情報が空白の場合には(OP22:NO)、処理がOP24に進む。BLEビーコン設定情報書き換え通知に含まれるBLEビーコン設定情報が空白ではない場合には(OP22:YES)、処理がOP23に進む。
OP23では、BLEビーコン設定情報が空白ではないBLEビーコン設定情報書き換
え通知はBLEビーコン送信開始指示であるので、BLE制御部21は、BLE送受信部22に、BLEビーコン設定情報を含むBLEビーコンの送信開始を指示する。また、BLE制御部21は、BLEビーコン設定情報を不揮発性メモリに保存する。その後、処理がOP21に進む。
OP24では、BLEビーコン設定情報が空白であるBLEビーコン設定情報書き換え通知はBLEビーコン送信停止指示であるので、BLE制御部21は、BLE送受信部22に、BLEビーコンの送信停止を指示する。また、BLE制御部21は、不揮発性メモリ内のBLEビーコン設定情報23を削除する。その後、図11に示される処理が終了する。
図12は、BLE受信機4の処理のフローチャートの一例である。図12に示される処理は、BLE受信機4の起動を契機に開始され、BLE受信機4の稼働中繰り返し実行される。なお、図12に示される処理の主体は、BLE受信機4のCPU 401であるが、便宜上、機能構成であるBLE受信制御部41を主体として説明する。
OP31では、BLE受信制御部41は、BLEビーコンの受信を待機する。BLE受信制御部14が、BLEビーコンを受信した場合には(OP31:YES)、処理がOP32に進む。
OP32では、BLE制御部41は、受信したBLEビーコンからBLEビーコン情報を取り出して、ネットワーク制御部42を通じて、コントローラ6に送信する。BLEビーコン情報は、例えば、UUID、Major、Minor、送信RSSI、受信RSSIを含む。その後、処理がOP31に進む。
図13は、コントローラ6の制御部61の、携帯端末1AがWiFi AP 3に接続する場合の処理のフローチャートの一例である。図13に示される処理は、コントローラ6の起動を契機に開始され、コントローラ6の稼働中繰り返し実行される。図13の処理の主体は、コントローラ6のCPUであるが、便宜上、機能構成である制御部61を主体として説明する。
OP41では、制御部61は、WiFiの認証サーバとしての機能を備えており、携帯端末1Aの認証要求の受信を待機する。携帯端末1Aの認証要求を、WiFi AP 3を経由して、ネットワーク制御部62を通じて受信した場合には(OP41:YES)、処理がOP42に進む。
OP42では、制御部61は、携帯端末1Aについて、認証シーケンスを行う。OP43では、制御部61は、情報管理部63を通じて、携帯端末1Aの端末識別情報を利用者情報DB 64に保存する。より具体的には、携帯端末1Aの端末識別情報は、個人属性情報テーブルと、BLEビーコン設定情報テーブルにそれぞれ登録される。携帯端末1Aの端末識別情報は、例えば、携帯端末1AのMACアドレスであり、認証シーケンスを通じて取得可能である。
OP44では、制御部61は、BLE環境通知を携帯端末1Aに対して送信する。BLE環境通知には、BLEサービスが実行されているか、BLEサービスが実行されている場合には、そのサービスがBLE送信サービス、BLE受信サービス、両方、のいずれであるかを示す情報が含まれる。BLE環境通知は、制御部61からネットワーク制御部62に出力され、WiFi AP 3を通じてWiFi経由で携帯端末1Aに届けられる。
OP45では、制御部61は、携帯端末1Aからの個人属性情報の受信を待機する。制
御部61が携帯端末1Aから個人属性情報をネットワーク制御部62を通じて受信した場合には(OP45:YES)、処理がOP46に進む。
OP46では、制御部61は、BLEビーコン設定情報を作成する。BLEビーコン設定情報には、例えば、UUID、Major、Minor、RSSI、送信周期が含まれる。例えば、UUIDは、サービスシステム100で固有のものが用いられる。Major及びMinorは、サービスシステム100内で他の携帯端末1Aと重複が無いように、決定される。RSSI及び送信周期は、例えば、WiFi AP 3内のBLEサービスに応じて予め決められた値が設定される。
OP47では、制御部61は、BLEビーコン設定情報を携帯端末1Aに送信する。BLEビーコン設定情報は、制御部61からネットワーク制御部62に出力され、WiFi
AP 3を通じてWiFi経由で携帯端末1Aに届けられる。
OP48では、制御部61は、情報管理部63を通じて、端末識別情報、BLEビーコン設定情報、個人属性情報を紐づけして利用者情報DB 64に保存する。より具体的には、制御部61は、端末識別情報とBLEビーコン設定情報とを対応付けて、BLEビーコン設定情報に格納する。制御部61は、端末識別情報と個人属性情報とを対応付けて個人属性情報テーブルに格納する。その後、図13に示される処理が終了する。
図13では、コントローラ6が認証サーバを兼ねている場合が想定されている。ただし、これに限定されず、コントローラ6が認証サーバを兼ねていない場合でも、WiFi AP 3又は認証サーバから携帯端末1Aとの接続の通知を受けることによって、BLEビーコン設定情報を送信するようにしてもよい。
図14は、コントローラ6の制御部61の、BLE受信機4から携帯端末1AのBLE情報を受信した場合の処理のフローチャートの一例である。図14に示される処理は、コントローラ6の起動を契機に開始され、コントローラ6の稼働中繰り返し実行される。図14の処理の主体は、コントローラ6のCPUであるが、便宜上、機能構成である制御部61を主体として説明する。
OP51では、制御部61は、BLEビーコン情報の受信を待機する。制御部61がBLE受信機4からネットワーク制御部62を通じてBLEビーコン情報を受信した場合には(OP51:YES)、処理がOP52に進む。
OP52では、制御部61は、受信したBLEビーコン情報に含まれるUUID等の識別情報が、配布したBLEビーコン設定情報と同じ情報であるか否かを、BLEビーコン設定情報テーブルに基づいて判定する。受信したBLEビーコン情報に含まれるUUID等の識別情報が、配布したBLEビーコン設定情報と同じ情報である場合には(OP52:YES)、処理がOP53に進む。受信したBLEビーコン情報に含まれるUUID等の識別情報が、配布したBLEビーコン設定情報と同じ情報でない場合には(OP52:NO)、図14に示される処理が終了する。
OP53では、制御部61は、受信したBLEビーコン情報とUUID等の識別情報が合致するBLEビーコン設定情報に関連付けられた個人属性情報を利用者情報データベース64から取得する。より具体的には、制御部61は、BLEビーコン設定情報テーブルから、受信したBLEビーコン情報に含まれるUUID等の識別情報に合致するBLEビーコン設定情報に対応する端末識別情報を取得し、個人属性情報テーブルにおいて該端末識別情報に対応付けられた個人属性情報を取得する。
OP54では、制御部61は、取得した個人属性情報に応じたプッシュ情報、デジタルサイネージ情報をデータベース(図示せず)から取得する。プッシュ情報は、携帯端末1Aにプッシュ通知で通知される情報である。デジタルサイネージ情報は、デジタルサイネージ5から出力される情報である。
OP55では、制御部61は、取得したプッシュ情報をネットワーク制御部62を通じて出力する。プッシュ情報は、WiFi AP 3からWiFiを経由して携帯端末1Aに送信される。
OP56では、制御部61は、取得したデジタルサイネージ情報をネットワーク制御部62を通じて出力する。デジタルサイネージ情報は、LAN 50を通じてBLE受信機4に送信され、BLE受信機4が接続するデジタルサイネージ5に表示又は音声出力される。その後、図14に示される処理が終了する。
なお、図14に示される処理は一例であって、コントローラ6の処理はこれに限定されない。図14では、携帯端末1Aへのプッシュ通知と、デジタルサイネージ5への情報の表示が行われることが前提となっているが、これに限定されず、OP55、OP56の処理は、実施されるサービス内容にしたがって適宜変更可能である。
図15A及び図15Bは、第1実施形態に係るサービスシステム100におけるサービス提供の処理のシーケンスの一例を示す図である。図15A及び図15Bでは、図2に示されるサービスシステム100が示されているが、便宜上、デジタルサイネージ5は省略されている。
図15Aでは、携帯端末1A及びBLE端末2を有するユーザは、WiFi AP 3の圏外に位置し、WiFi AP 3の通信可能範囲に向かって移動していることとする。WiFi AP 3は、所定の周期でWiFiビーコンを出力している。WiFiビーコンの送信周期は、例えば、100msである。また、携帯端末1Aは、WiFi AP
3への接続実績はないことを想定する。
S1では、携帯端末1AがWiFi AP 3を検索するため、所定の周期でスキャンを行う。スキャン周期は、例えば、180秒である。S2では、携帯端末1Aが移動して、WiFi AP 3の通信可能範囲に進入すると、スキャンにより、携帯端末1AがWiFi AP 3を検出する。S3では、携帯端末1AとWiFi AP 3との間で接続シーケンスが行われる。この接続シーケンスにおいて、携帯端末1Aの認証がコントローラ6で行われる。
S4では、コントローラ6は、携帯端末1Aの認証要求に基づいて認証処理を行い(図13、OP42)、携帯端末1Aの端末識別情報を利用者情報DB 64に保存する(図13、OP43)。以降、携帯端末1AとWiFi AP 3との接続が確立する。
S5では、コントローラ6は、携帯端末1Aに、BLE環境通知を送信する(図13、OP44)。BLE環境通知には、サービスシステム100において行われるBLEサービスがBLE受信サービスであることを示す情報、例えば、BLEサービス「2」が含まれる。BLE環境通知は、WiFi経由、すなわち、WiFi AP 3を経由して、携帯端末1Aに受信される(図10A、OP2:YES)。
S6では、携帯端末1AにはWiFi AP 3への接続実績がないので(図10A、OP5:NO)、携帯端末1Aは、ユーザから個人属性情報の入力を受け(図10A、OP7)、個人属性情報をWiFi経由でコントローラ6に送信する(図10A、OP8)
。
S7では、コントローラ6は、携帯端末1Aから個人属性情報を受信し(図13、OP45:YES)、BLEビーコン設定情報を生成する(図13、OP46)。S8では、コントローラ6は、生成したBLEビーコン設定情報をWiFi経由で携帯端末1Aに送信する(図13、OP47)。S9では、コントローラ6は、携帯端末1Aの端末識別情報、個人属性情報、BLEビーコン設定情報を関連付けて保存する(図13、OP48)。
S10では、携帯端末1Aは、BLEビーコン設定情報を受信し(図10B、OP9:YES)、BLE端末2にBLEビーコン設定情報書き換え通知をBluetooth経由で送信する(図10B、OP12)。BLEビーコン設定情報書き換え通知には、携帯端末1Aが受信したBLEビーコン設定情報が含まれる。
S11では、BLE端末2は、携帯端末1AからのBLEビーコン設定情報書き換え通知を受信し(図11、OP21:YES、OP22:YES)、BLEビーコンの送信を開始する(図11、OP23)。以降、BLEビーコンは、所定の周期で送信される。BLEビーコンの送信周期は、例えば、100msである。BLEビーコンには、例えば、コントローラ6から通知されたBLEビーコン設定情報のUUID、Major、Minor、RSSI等の情報が含まれている。
S12では、携帯端末1AのユーザがBLE受信4に近づく方向に移動し、BLE受信機4は、BLE端末2からのBLEビーコンを受信し(図12、OP31:YES)、BLEビーコンに含まれるBLEビーコン情報を取り出して、コントローラ6に通知する(図12、OP32)。BLEビーコン情報には、例えば、UUID、Major、Minor、送信RSSI、受信RSSIが含まれる。BLE受信機4は、BLE端末2からBLEビーコンを受信する度に、BLEビーコン情報をコントローラ6に通知する。
ただし、これに限られず、例えば、BLE受信機4は、BLE端末2からのBLEビーコンの初回受信時にBLEビーコン情報をコントローラ6に通知し、以降の同じBLEビーコン情報を含むBLEビーコンの受信時には、BLEビーコン情報のコントローラ6への通知は行わなくてもよい。この場合には、BLE受信機4は、BLE端末2からBLEビーコンを受信できなくなった場合に、コントローラ6にその旨を通知する。コントローラ6は、BLE受信機4からBLEビーコンが受信されなくなった旨の通知を受けると、デジタルサイネージ5の表示を初期画面に遷移させたり、Pushサービスで携帯端末1Aに「またおいでください」等のメッセージを送信したりしてもよい。なお、BLEビーコンに含まれるUUIDが変更になると、BLE受信機4は、同じBLE端末2からのBLEビーコンであったとしても、異なるものと認識し、BLEビーコン情報をコントローラ6に通知する。
S13では、コントローラ6は、BLE受信機4からBLEビーコン情報を受信し(図14、OP51:YES)、該BLEビーコン情報に該当する情報が利用者情報DB 64に存在するか判定する(図14、OP52)。図15Aに示される例では、BLE受信機4から受信したBLEビーコン情報は、利用者情報DB 64に存在している(図14、OP52:YES)。
S14では、コントローラ6は、BLEビーコン情報に対応する個人属性情報を取得し(図14、OP53)、個人属性情報に対応するプッシュ情報を取得し(図14、OP54)、取得したプッシュ情報を携帯端末1AにWiFi経由でプッシュ通知する(図14、OP55)。プッシュ情報は、プッシュ通知で通知される情報を示す。S15では、携
帯端末1Aは、プッシュ情報を受信し、ディスプレイに表示する。
S16では、携帯端末1AがBLE受信機4にさらに近づいたことによって、コントローラ6は、個人属性情報に対応するデジタルサイネージ情報を取得し、取得したデジタルサイネージ情報をBLE受信機4に通知する(図14、OP56)。デジタルサイネージ情報は、デジタルサイネージ5から出力される情報であり、画像データ、動画データ、音声データ等である。S17では、BLE受信機4を通じてデジタルサイネージ5のディスプレイにデジタルサイネージ情報が出力される。
携帯端末1AがBLE受信機4にさらに近づいたことは、BLE受信機4によって測定されるBLEビーコンの受信信号強度(受信RSSI)が大きくなることによって判定可能である。受信RSSIはBLE受信機4がBLEビーコン情報の一つとしてコントローラ6に通知する。
図15Bでは、図15Aの続きであって、携帯端末1Aのユーザが移動し、携帯端末1AがWiFi AP 3の通信可能範囲から退出する場合の処理のシーケンスの一例が示される。
S18では、携帯端末1AのユーザがBLE受信機4から遠ざかる方向に移動する。S19では、携帯端末1Aのユーザが、WiFi AP 3の通信可能範囲外へと移動する。なお、BLE端末2からは引き続き所定の周期でBLEビーコンが送信されており、携帯端末1Aは、所定の周期でWiFi APのスキャンを行っている。
S20では、携帯端末1Aは、WiFi AP 3の通信可能範囲外へと移動したので、WiFi AP 3との接続が切断されたことを検出する(図10B、OP13:YES)。
S21では、携帯端末1Aは、BLE端末2に、BLEビーコン設定情報書き換え通知を送信する(図10B、OP14)。BLEビーコン設定情報書き換え通知には、空白のBLEビーコン設定情報が含まれている。BLEビーコン設定情報書き換え通知の送信後、携帯端末1Aは、データベース17内のBLEビーコン設定情報171を削除する。
S22では、BLE端末2は、BLEビーコン設定情報書き換え通知を受信し(図11、OP21:YES)、空白のBLEビーコン設定情報が含まれているので(図11、OP22:NO)、BLEビーコンの送信を停止する(図11、OP24)。BLE端末2は、空白のBLEビーコン設定情報でBLEビーコン設定情報23を上書きするので、BLE端末2からBLEビーコン設定情報が実質上削除される。
なお、携帯端末1Aが最初に接続するWiFi AP 3と、接続切断時に接続していたWiFi AP 3とは、同じ機器でなくてもよい。携帯端末1AがWiFiの接続を確立してから接続切断するまでに接続するWiFi AP 3は、例えば、ESSIDが同じWiFi AP 3であればよい。例えば、携帯端末1AがWiFi AP#1と最初に接続確立し、移動により、WiFi AP#2にハンドオーバした場合、WiFi AP#1とWiFi AP#2とのESSIDが同じであれば、携帯端末1AはWiFi
AP#1との切断を、WiFiとの切断とはみなさない。
<第1実施形態の作用効果>
第1実施形態では、携帯端末1Aは、BLE端末2と接続し、WiFi AP 3に接続すると、WiFi経由でBLEビーコン設定情報を取得する。これによって、携帯端末1Aは、BLEビーコンの送信側として動作し、サービスシステム100から情報の提供
を受けることができる。
BLE端末2のBLEビーコンの受信及び受信待機は、Bluetoothの受信機能によって行われるため、BLEビーコンの受信及び受信待機に係る消費電力は、例えば、20mA〜30mA程度である。一方、BLEビーコンはアドバタイズチャネルを用いて送信されるので、データチャネルの送信機能はOFFのままアドバタイズチャネルの送信機能をONにすればよい。そのため、BLE端末2のBLEビーコンの送信に係る消費電力は、例えば、4〜8mA程度と、Bluetoothの受信機能に比べると小さい消費電力である。また、Bluetoothの受信機能は、消費電力を考慮して、間欠的にONにされて用いられることもある。Bluetoothの受信機能が間欠的にONにされる場合には、BLEビーコンの送信周期100ms〜200msに合わせて、例えば、Bluetoothの受信機能は、300ms周期で一回あたり30ms間ONにされる。一方、BLEビーコンの送信周期は100ms〜200msで、1回のBLEビーコンの送信に係る時間は数msである。
すなわち、Bluetoothの受信機能が間欠的にONにされる場合と比較しても、BLEビーコンの送信に係る消費電力の方が小さい。したがって、携帯端末1AをBLEビーコンの送信側装置として動作させることによって、携帯端末1AのBLEサービスの享受に係る消費電力を低減することができる。
また、第1実施形態では、携帯端末1AがWiFi AP 3に接続してBLEビーコン設定情報を取得してからWiFi AP 3との接続が切断されるまでの間に限定して、BLEビーコンの送信が行われる。BLEビーコンの送信を行う期間が限定されるので、携帯端末1AのBLEサービスの享受に係る消費電力をより低減することができる。
また、第1実施形態では、携帯端末1AはWiFi AP 3に接続してBLEビーコン設定情報を取得するとBLE端末2にBLEビーコンの送信の開始を指示する。また、WiFi AP 3の通信可能範囲は、BLEビーコンの到達範囲に比べると大きい。BLE受信機4は常時Bluetoothの受信機能をONにすることが想定されている。すなわち、第1実施形態では、携帯端末1AのユーザがBLE受信機4に近づくころには、携帯端末1A(BLE端末2)からのBLEビーコンの送信は開始されている。そのため、携帯端末1AがBLE受信機4に近づくと、ユーザが不自然に感じないタイミングで、プッシュ通知やデジタルサイネージ5への情報表示等が行われ、レスポンスが改善される。
BLEビーコンは、100ms〜200msの周期で送信されるため、BLEビーコンに含まれるUUID等の識別情報を用いることによって、携帯端末1Aのユーザの行動分析を行うことができる。一方で、携帯端末1Aのユーザの行動分析が行えることは、プライバシーの問題もある。第1実施形態では、携帯端末1AがWiFi AP 3の通信可能範囲を退出すると、BLEビーコンの送信が停止されるため、携帯端末1Aのユーザの行動分析が行えるのは、WiFi AP 3の圏外に限定される。そのため、携帯端末1Aのユーザの行動履歴がむやみに記録されるような、プライバシーの問題も軽減される。
また、第1実施形態では、異なるサービスシステム100では、異なるUUIDが用いられるため、携帯端末1Aは、異なるサービスシステム100内のWiFi AP 3に接続する度に、新しいBLEビーコン設定情報を用いることになる。すなわち、第1実施形態では、携帯端末1AのBLEビーコン設定情報は固定されていない。そのため、携帯端末1Aのユーザの成りすましのようなBLEビーコン設定情報の悪用を抑制することができる。また、第1実施形態では、WiFi AP 3との接続の切断によって、携帯端末1AはBLEビーコン設定情報を削除するので、よりセキュリティの高いものとなって
いる。
BLE端末2が携帯端末1Aのユーザの固有のものであることを想定する場合、携帯端末1Aのユーザは、BLE端末2の貸与の手間なく、携帯端末1Aにサービス享受プログラムをインストールすることによってスムーズにサービスを受けることができる。また、ユーザ固有の携帯端末を利用することによって、サービスを受ける人数が限定されなくなり、より多くの人にサービスを提供することができる。また、BLE端末2の回収に係る手間を省くことができる。
また、第1実施形態では、携帯端末1Aからコントローラ6に個人属性情報が送信され、コントローラ6では、BLEビーコン設定情報と個人属性情報とが紐づけられて保持される。そのため、携帯端末1Aのユーザは、最初に個人属性情報を入力することで、サービスシステム100内のいかなる場所でも自身の属性に応じた情報を取得することができる。サービスシステム100の管理者からしても、各ユーザの個人属性情報を設定しなくてもよいため、設定の手間が省ける。
なお、第1実施形態では、携帯端末1AとWiFi AP 3との接続の切断を契機に、携帯端末1Aはデータベース17からBLEビーコン設定情報171を削除するが、BLEビーコン設定情報171の削除は行われなくてもよい。また、コントローラ6から携帯端末1AへのBLEビーコン設定情報の通知やプッシュ通知は、LTE等のセルラ網を経由して送信されてもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態では、BLEビーコンの送信機能が携帯端末に搭載される。第2実施形態では、第1実施形態と共通する説明は省略される。
第2実施形態に係るサービスシステムのシステム構成は、図2に示される第1実施形態に係るシステム構成において、BLE端末2を含まない構成である。すなわち、第2実施形態に係るサービスシステムは、携帯端末と、WiFi AP 3と、BLE受信機4と、デジタルサイネージ5と、コントローラ6とを含む。
第2実施形態において、携帯端末のハードウェア構成は、図3と同様であって、Bluetooth通信部113及びBluetooth用アンテナ114がBLEに対応したものとなる。それ以外は、第1実施形態と同様である。
図16は、第2実施形態に係るサービスシステム100Bの機能構成の一例を示す図である。WiFi AP 3、BLE受信機4、コントローラ6の機能構成は、第1実施形態と同様である。
携帯端末1Bは、機能構成として、セルラ送受信部11、WiFi送受信部12、WiFi制御部13、制御部14B、データベース17、BLEビーコン制御部18、BLEビーコン送信部19を含む。セルラ送受信部11、WiFi送受信部12、WiFi制御部13、データベース17は、第1実施形態で説明された通りである。
BLEビーコン送信部19は、Bluetooth通信部113及びBluetooth用アンテナ114に相当する。BLEビーコン制御部18は、CPU 101がOSに含まれるBLEに関するモジュールを実行することによって達成される機能構成である。BLEビーコン制御部18は、BLEビーコン送信部19を制御する。より具体的には、BLEビーコン制御部18は、BLEビーコン送信部19に対するBLEビーコンの送信の開始及び停止を制御する。
第2実施形態において、制御部14Bは、第1実施形態と同様にして、BLEビーコン制御部18に対して、BLEビーコン設定情報書き換え通知を出力する。BLEビーコン制御部18は、BLEビーコン設定情報書き換え通知が入力されると、BLEビーコンの送信又は停止をBLEビーコン送信部19に指示する。
すなわち、第2実施形態において、制御部14Bは、図10A及び図10Bに示される処理を行う。ただし、第1実施形態においてBLE端末2に対して通知されたBLEビーコン設定情報書き換え通知は、第2実施形態では、BLE端末2に代わりBLEビーコン制御部18に対して通知される。また、BLEビーコン制御部18は、図11に示されるBLE端末2と同様の処理を行う。ただし、第1実施形態においてBLE端末2が携帯端末1Aから入力されたBLEビーコン設定情報書き換え通知は、第2実施形態では、制御部14BからBLEビーコン制御部18に通知される。また、第2実施形態では、BLEビーコン制御部18は、BLEビーコン設定情報171の書き換え等の処理は行わない。
なお、第2実施形態では、制御部14からBLEビーコン制御部18に対して、BLEビーコン設定情報書き換え通知の代わりに、BLEビーコン送信開始指示又は停止指示のメッセージが通知されてもよい。
図17A及び図17Bは、第2実施形態に係るサービスシステム100Bにおけるサービス提供の処理のシーケンスの一例を示す図である。図17Aでは、携帯端末1Bを有するユーザは、WiFi AP 3の圏外に位置し、WiFi AP 3の通信可能範囲に向かって移動していることとする。WiFi AP 3は、所定の周期でWiFiビーコンを出力している。また、携帯端末1Bは、WiFi AP 3への接続実績はないことを想定する。S31からS39に係る処理は、第1実施形態の図15AのS1からS9までの処理と同様であるため省略する。
S40では、携帯端末1Bは、BLEビーコン設定情報を受信し(図10B、OP9:YES)、データベース17内のBLEビーコン設定情報171を書き換える(図10B、OP10)。S41では、携帯端末1Bは、BLEビーコンの送信を開始する(図11、OP23)。以降、BLEビーコンは、携帯端末1Bから、所定の周期で送信される。
S42からS50に係る処理は、第1実施形態の図10AのS12から図10BのS30に係る処理と同様である。携帯端末1BのユーザがBLE受信機4に近づき、BLE受信4が携帯端末1Bから発信されたBLEビーコンを受信すると、BLE受信機4からコントローラ6にBLEビーコン情報が通知される(S42)。コントローラ6から個人属性情報に応じたプッシュ情報が携帯端末1Bに通知されたり(S45)、デジタルサイネージ情報がデジタルサイネージ5に表示されたりする(S47)。その後、携帯端末1BのユーザがWiFi AP 3の通信可能範囲から遠ざかる方向に移動し(S48)、WiFi AP 3の通信可能範囲から退出し(S49)、WiFiとの接続が切断されたことが検出される(S50)。
S51では、携帯端末1Bは、WiFi AP 3との接続が切断されたので、ビーコン送信を停止する(図11、OP24)。また、携帯端末1Bは、データベース17内のBLEビーコン設定情報171を削除する(図10B、OP14)。
<第2実施形態の作用効果>
第2実施形態では、BLE送信機能が携帯端末1Bに搭載される場合でも、サービスシステム100BのBLEサービスを享受可能であることが示される。BLE送信機能が携帯端末1Bに搭載される場合には、BLE端末2と携帯端末1AとのBluetooth
による接続等の操作をしなくてもBLEサービスを受けることができるので、ユーザにとって設定がより容易となる。
<第3実施形態>
第1実施形態、第2実施形態のように、WiFi AP 3との接続が確立してからBLEビーコンの送信が開始されるのでは、WiFi AP 3の通信可能範囲への進入時に、BLEサービスを受けることが難しい。WiFi AP 3の通信可能範囲への進入と、WiFi AP 3との接続確立までの間に時間間隔があるからである。
WiFi AP 3の通信可能範囲への進入時に行われるBLEサービスには、例えば、ユーザがショッピングモールに入った場合に、携帯端末又は入り口付近に設定されたデジタルサイネージから「いらっしゃいませ」という音声が流れるサービスがある。例えば、ショッピングモールの入り口がWiFi AP 3の通信可能範囲の境界付近である場合には、携帯端末とWiFi AP 3との接続確立のシーケンスの間に、ユーザが入り口を通り過ぎてしまい、「いらっしゃいませ」の音声のタイミングが間に合わない可能性が高い。
第3実施形態では、携帯端末のWiFi APの通信可能範囲への進入時のBLEサービスを実現させるために、携帯端末は、WiFi APの通信可能範囲に進入する前の、WiFi APからのWiFiビーコンを検出した時点で、Bluetoothの受信機能をONにする。
図18は、第3実施形態に係るサービスシステムにおける処理の流れの一例を示す図である。WiFi接続可能エリアAR1は、WiFi AP 3との接続可能と判定される閾値以上の受信信号強度でWiFi AP 3からの信号が届くエリアであり、通信可能範囲ともいう。WiFi検出可能エリアAR2は、WiFi AP 3と接続可能な受信信号強度よりも弱いものの、検出可能な受信信号強度で、WiFi AP 3からの信号が届くエリアである。すなわち、WiFi接続可能エリアAR1の半径よりもWiFi検出可能エリアAR2の半径の方が大きい。また、各エリアへの進入を判定する受信信号強度の閾値は、WiFi検出可能エリアAR2よりもWiFi接続可能エリアAR1の方が大きい。
S100では、携帯端末1Cは、WiFi検出可能エリアAR2の外に存在する。このとき、携帯端末1CのBluetoothの受信機能及びBLE送信機能ともにOFFであるとする。
S200では、携帯端末1Cは、WiFi検出可能エリアAR2に進入する。携帯端末1Cは、受信したWiFiビーコンから得られるESSIDで接続実績があり、且つ、BSSIDでBLEサービスの実績がある場合には、WiFiのスキャン周期を短くし、Bluetoothの受信機能の間欠的動作を開始させる。
S300では、携帯端末1Cは、WiFi接続可能エリアAR1に進入する。S400では、すでにBluetoothの受信機能はONになっているので、携帯端末1Cは、BLE送信機7から発信されるBLEビーコンを受信する。携帯端末1Cから、例えば、LET経由で、BLEビーコンに含まれるUUID等がコントローラ6に送信され、コントローラ6から情報がデジタルサイネージ又は携帯端末1Cに送信されて、「いらっしゃいませ」の音声が流れる。S300とS400とは、どちらが先に発生してもよい。
S500では、携帯端末1CとWiFi AP 3との接続が確立するので、第1及び第2実施形態と同様にして、携帯端末1Cは、BLE送信機能をONにしてBLEビーコ
ンを発信する。この時、携帯端末1Cは、WiFiのスキャン周期を元の値に戻す。また、WiFi AP 3のWiFi接続可能エリアAR1内に他のBLE送信機7が存在しない場合には、携帯端末1Cは、Bluetoothの受信機能をOFFにする。他のBLE送信機7が存在するか否かは、例えば、コントローラ6からのBLE環境通知によって携帯端末1Cに通知される。
上記のように、携帯端末1CはWiFi検出可能エリアAR2への進入によって、BLE受信機能をONにすることで、サービスシステムからのBLE送信サービスを受けることが可能となる。これによって、携帯端末1CがWiFi検出可能エリアAR2に進入してから、WiFi接続可能エリアAR1に進入してWiFi AP 3との接続が確立し、BLEビーコンの送信を開始するまでの間もBLEサービスを受けることができる。なお、レスポンスを重視する場合には、WiFi検出可能エリアAR2の進入の際の携帯端末1CのBluetoothの受信機能は、間欠的動作ではなく常時ONであってもよい。
図19は、携帯端末1Cの、WiFiの送受信機能、Bluetoothの受信機能、BLE発信機能のそれぞれのON状態のタイミングチャートの一例である。図19の符号は、図18の符号とそれぞれ対応している。
S100の、携帯端末1CがWiFi検出可能エリアAR2の圏外に存在する場合には、WiFiスキャンは、例えば、180秒周期で実行されている。このとき、携帯端末1Cの、Bluetoothの受信機能及びBLEの送信機能はOFF状態である。
S200の、携帯端末1CがWiFi検出可能エリアAR2に進入した場合には、WiFiスキャンの実行周期は、例えば、5秒に変更される。これは、携帯端末1CのWiFi接続可能エリアAR1への進入を看過しないためである。また、携帯端末1CのWiFi検出可能エリアAR2への進入の検出を契機に、Bluetoothの受信機能の間欠動作がONにされ、携帯端末1Cは、BLEビーコンの検出を開始する。Bluetoothの受信機能の間欠動作では、例えば、300ms周期でBluetoothの受信機能がONにされ、1回当たりON状態が30ms継続する。
S300の、携帯端末1CがWiFi接続可能エリアAR1に進入した場合には、WiFi AP3との接続が開始される。
S400では、S300の携帯端末1CのWiFi接続可能エリアAR1への進入に先んじて、携帯端末1CがBLE送信機7から発信されたBLEビーコンを受信する。BLEビーコンの受信によって、携帯端末1Cは、BLEビーコン情報をコントローラ6に送信し、コントローラ6から、携帯端末1Cに所定の情報がプッシュ通知、又は、デジタルサイネージに所定の情報が送信される。
S500では、携帯端末1Cは、WiFi AP 3との接続が確立し、WiFiを経由してコントローラ6からBLEビーコン設定情報を受信する。BLEビーコン設定情報の受信によって、携帯端末1CのBluetoothの受信機能の間欠的動作が停止される。また、携帯端末1CのBLE発信機能はOFFからONに変更され、所定の周期でBLEビーコンの発信が開始される。BLEビーコンの発信周期は、例えば、100msである。なお、WiFi AP 3のWiFi接続可能エリアAR1内で他のBLE端末7が存在する場合には、Bluetoothの受信機能は、ONのままであってもよい。
なお、図19に示される携帯端末1Cの、WiFi機能、Bluetoothの受信機能、BLEビーコン送信機能の動作周期は、イメージさせるための一例であって、図19
に示される値に限定されない。また、Bluetoothの受信機能がONであるとは、Bluetooth通信部が信号受信の待機状態又は受信状態であることを示す。Bluetoothの受信機能がOFFであるとは、Bluetooth通信部の受信機能が動作していない状態であり、例えばBluetoothの信号が携帯端末1Cに届いたとしても、受信信号に関する処理が実行されない状態のことを示す。
また、BLE送信機能のONとは、所定の周期でBLEビーコンを発信する状態であることを示す。BLE送信機能のOFFとは、Bluetooth通信部のBLEビーコンの送信機能が動作していない状態であり、周期にかかわらずBLEビーコンを発信しない状態である。
図20は、第3実施形態に係るサービスシステム100Cの機能構成の一例である。第3実施形態に係るサービスシステム100Cは、携帯端末1Cと、WiFi AP 3と、BLE受信機4と、デジタルサイネージ(図示せず)と、コントローラ6と、BLE端末7と、を含む。携帯端末1Cと、WiFi AP 3と、BLE受信機4と、デジタルサイネージと、BLE端末7とは、それぞれ、サービスシステム100Cに複数含まれてもよい。
WiFi AP 3と、BLE受信機4と、コントローラ6とのそれぞれのハードウェア構成は、第1実施形態と同様である。BLE端末7は、例えば、据え置き型の発信機であって、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ、Bluetooth通信部、Bluetooth用アンテナ、ネットワークインタフェース等を備える。
WiFi AP 3と、BLE受信機4と、コントローラ6との、それぞれの機能構成は、第1実施形態と同様である。ただし、図20では、便宜上、BLE受信機4の機能構成が一部省略されている。
第3実施形態において、携帯端末1Cは、機能構成として、セルラ送受信部11、WiFi送受信部12、WiFi制御部13、制御部14C、Bluetooth制御部15C、Bluetooth送受信部16C、データベース17、BLEビーコン制御部18、BLEビーコン送信部19を備える。セルラ送受信部11、WiFi送受信部12、WiFi制御部13、データベース17、BLEビーコン制御部18、BLEビーコン送信部19は、第1実施形態又は第2実施形態と同様である。
Bluetooth送受信部16Cは、Bluetooth通信部113、Bluetooth用アンテナ114に相当する。Bluetooth制御部15Cは、CPU 101がOSを実行することによって達成される機能構成である。Bluetooth制御部15Cは、Bluetooth送受信部16Cの受信機能のON/OFFを制御する。例えば、Bluetooth制御部15Cは、制御部14Cからの指示に従って、Bluettooth送受信部16Cの受信機能をONにし、所定の周期で、所定の継続時間、受信機能の間欠的動作を開始させる。
第3実施形態において、制御部14Cは、WiFi制御部13からWiFiスキャンの結果を取得し、携帯端末1CのWiFi検出可能エリアAR2及びWiFi接続可能エリアAR1への進入を検出する。各エリアAR1、AR2への進入の検出は、例えば、WiFiスキャンの結果得られるWiFiビーコンの受信信号強度と、閾値との比較によって行われる。WiFi検出可能エリアAR2への進入の検出閾値は、WiFi接続可能エリアAR1への進入の検出閾値未満の値である。
制御部14Cは、携帯端末1CのWiFi検出可能エリアAR2への進入を検出した場
合には、Bluetooth制御部15Cに、Bluetoothの受信機能のONを指示する。また、制御部14Cは、WiFi制御部13に、スキャン周期を、短い値に変更するよう指示する。
制御部14Cは、携帯端末1CのWiFi接続可能エリアAR1への進入を検出した場合には、BLEビーコン制御部18に、BLEビーコンの発信開始を指示する。また、制御部14Cは、WiFi制御部13に、スキャン周期を、元の値に変更するよう指示する。また、制御部14Cは、Bluetooth制御部15Cに、Bluetoothの受信機能のOFFを指示する。ただし、接続実績テーブル172に、WiFi AP 3において複数のBLE送信サービスの実施が記録されている場合には、制御部14Cは、Bletoothの受信機能のOFFの指示を行わなくてもよい。
Bluetooth制御部15Cは、BLEビーコンの受信を検出すると、制御部14Cに通知する。制御部14Cは、受信されたBLEビーコンからBLEビーコン情報を取り出し、WiFi AP 3との接続が確立していない場合には、セルラ送受信部11に出力してLTE経由でコントローラ6に送信する。WiFi AP 3との接続が確立している場合には、制御部14Cは、BLEビーコン情報をWiFi制御部13に出力し、WiFi経由で、コントローラ6に送信してもよい。コントローラ6からプッシュ通知で所定の情報を受信した場合には、制御部14Cは、受信した情報をディスプレイに表示させる。なお、コントローラ6の他に、BLE送信サービスに対応するサーバが存在する場合には、制御部14Cは、セルラ送受信部11経由で、該サーバにBLEビーコン情報を送信し、該サーバから情報を取得する。
BLE端末7は、機能構成として、BLE送信制御部71を備える。BLE送信制御部71は、BLE端末7のCPUがOSを実行して達成される機能である。BLE送信制御部71は、Bluetooth通信部から所定の周期でのBLEビーコンの送信の開始及び停止を制御する。第3実施形態では、BLE端末7は、BLEビーコンを所定の周期で送信しているものとする。
図21A及び図21Bは、第3実施形態に係る携帯端末1Cの制御部14Cの処理のフローチャートの一例である。図21Aに示される処理は、携帯端末1Cの起動とともに開始される。
OP61では、制御部14Cは、WiFi制御部13からWiFi AP 3のスキャン結果より、WiFi AP 3の検出を待機する。Wi Fi AP 3は、例えば、WiFi AP 3からの信号の受信信号強度の値にかかわらず、測定結果が得られることによって検出される。WiFi AP 3が検出された場合には(OP61:YES)、処理がOP62に進む。
OP62では、制御部14Cは、検出されたWiFi AP 3のRSSIと閾値1とを比較する。閾値1は、検出可能エリアAR2への進入を検出するための閾値である。検出されたWiFi AP 3のRSSIが閾値1以上である場合には(OP62:YES)、処理がOP63に進む。検出されたWiFi AP 3のRSSIが閾値1未満である場合には(OP62:NO)、携帯端末1Cは検出可能エリアAR2の圏外に存在することが示され、処理がOP61に進む。
OP63では、制御部14Cは、検出されたWiFi AP 3のRSSIと閾値2とを比較する。閾値2は、接続可能エリアAR1への進入を検出するための閾値である。閾値2>閾値1である。検出されたWiFi AP 3のRSSIが閾値2以上である場合には(OP63:YES)、接続可能エリアAR1への進入が検出され、処理がOP64
に進む。検出されたWiFi AP 3のRSSIが閾値2未満である場合には(OP63:NO)、携帯端末1Cの検出可能エリアAR2への進入が検出され、処理が図21BのOP71に進む。
図21BのOP71からOP76の処理は、携帯端末1Cが検出可能エリアAR2内、且つ、接続可能エリアAR1の外に位置する場合の処理である。
OP71では、制御部14Cは、検出されたWiFi AP 3について、接続実績とBLEサービスの実績とがあるか否かを接続実績テーブル172を参照して判定する。より具体的には、制御部14Cは、検出されたWiFi AP 3のESSIDについて、接続実績テーブル172にエントリがあるか否かによって、検出されたWiFi AP 3の接続実績の有無を判定する。また、制御部14Cは、検出されたWiFi AP 3のBSSIDについて、接続実績テーブル172にBLEサービスの実績が関連付けられているか否かによって、検出されたWiFi AP 3のBLEサービスの実績の有無を判定する。
検出されたWiFi AP 3について、接続実績とBLEサービスの実績とがある場合には(OP71:YES)、処理がOP72に進む。検出されたWiFi AP 3について、接続実績とBLEサービスの実績とのいずれか、または両方がない場合には(OP71:NO)、処理がOP61に進む。
OP72では、制御部14Cは、WiFi制御部13に、WiFiスキャン周期を短い値に設定するよう指示する。
OP73では、制御部14Cは、Bluetooth制御部15Cに、Bluetoothの受信機能のONを指示する。これによって、携帯端末1CのBluetoothの受信機能の間欠的動作が開始される。
OP74では、制御部14Cは、BLEビーコンの受信を待機する。BLEビーコンの受信がBluetooth制御部15Cから通知された場合には(OP74:YES)、処理がOP75に進む。なお、所定時間経過してもBLEビーコンが受信されない場合には、処理がOP61に進む。BLEビーコンの受信の待機時間は、例えば、WiFiスキャン周期よりも短い値に設定される。
OP75では、制御部14Cは、受信したBLEビーコンのBLEビーコン情報をLTE経由でUUIDに対応する装置に送信し、該装置から表示データを取得する。UUIDに対応する装置は、例えば、所定のサーバ、又は、コントローラ6である。その後、処理がOP61に進む。
図21AのOP64及びOP65の処理は、携帯端末1Cの接続可能エリアAR1内への進入が検出された場合の処理である。OP64では、制御部14Cは、WiFi制御部13からWiFi AP 3との接続完了通知の入力を待機する。WiFi制御部13からWiFi AP 3との接続完了通知が入力された場合には(OP64:YES)、処理がOP65に進む。所定時間経過してもWiFi AP 3との接続完了通知が入力されない場合には、処理がOP61に進む。WiFi AP 3との接続完了通知の入力の待機時間は、例えば、WiFiスキャン周期よりも短い値に設定される。
OP65では、制御部14Cは、Bluetooth制御部15Cに、Bluetoothの受信機能のOFFを指示する。これによって、Bluetooth送受信部16Cの間欠的な受信動作は停止される。その後、処理は、図10AのOP2に進む。なお、W
iFi AP 3の通信可能範囲において、他のBLE端末7によるBLE送信サービスが行われていることが判明している場合には、OP65の処理は行われなくてもよい。また、コントローラ6からのBLE環境通知の受信と、OP65のBluetoothの受信機能のOFFの処理とは、BLE環境通知の受信タイミングによって、前後してもよい。
図22A及び図22Bは、第3実施形態に係るサービスシステム100Cにおける処理のシーケンスの一例を示す図である。図22Aでは、携帯端末1Cを有するユーザは、WiFi AP 3の検出可能エリアAR2の外に位置し、WiFi AP 3の検出可能エリアAR2に向かって移動していることとする。また、携帯端末1Cには、WiFi AP 3への接続実績とBLEサービスの実績が保存されていることを想定する。また、BLE端末7は、WiFi AP 3の接続可能エリアAR1の境界付近に設置されていることとする。
S61では、携帯端末1Cは、所定の周期でWiFiスキャンを行う。WiFiのスキャン周期は、例えば、180秒である。
S62では、携帯端末1Cは、スキャン周期のタイミングで、WiFiスキャンを行う。WiFiスキャンの処理の一つとして、携帯端末1Cからプローブ信号が発信される。移動によって携帯端末1Cは、WiFi AP 3の検出可能エリアAR2に進入していることとする。
S63では、WiFiスキャンで携帯端末1Cより発信されたプローブ信号がWiFi
AP 3に届き、WiFi AP 3は、プローブ応答信号を発信する。
S64では、携帯端末1Cは、プローブ応答信号を受信し(図21A、OP61:YES)、プローブ応答信号のRSSIよりWiFi AP 3の検出可能エリアへの進入を検出する(図21A、OP62:YES、OP63:NO)。
S65では、携帯端末1Cには、WiFi AP 3への接続実績とBLEサービスの実績が保存されていることが想定されているので(図21B、OP71:YES)、携帯端末1Cは、Bluetoothの受信機能をONにして、受信動作を開始する(図21B、OP73)。以降、例えば、300ms周期で、1回当たり30msのBluetoothの間欠的受信動作が行われる。また、携帯端末1CのWiFiスキャン周期も、例えば、より短い値である、5秒に変更される(図21B、OP72)。
S66、S67は、例えば、5秒周期で行われるWiFiスキャンの処理である。S66、S67の時点では、携帯端末1Cは、まだWiFi AP 3の接続可能エリアAR1には進入していないこととする。
S68では、携帯端末1CのユーザがBLE端末7に近づいたことによって、携帯端末1CがBLE端末7から発信されているBLEビーコンを受信する(図21B、OP74:YES)。S69では、携帯端末1Cは、BLEビーコンからBLEビーコン情報を取出し、LTE経由でコントローラ6に送信する(図21B、OP75)。S70では、LTE経由でコントローラ6からプッシュ情報が通知され、携帯端末1Cに「いらっしゃいませ」等のメッセージが表示される。
S71では、WiFiスキャン周期のタイミングで、携帯端末1CはWiFiスキャンを行う。S72では、携帯端末1Cから発信されたプローブ信号を受信し、WiFi AP 3がプローブ応答を発信する。
S73では、移動により携帯端末1Cは、WiFi AP 3の接続可能エリアAR1に進入しており、携帯端末1Cは、プローブ応答のRSSIから、WiFi AP 3の接続可能エリアAR1に進入していることを検出する(図21A、OP63:YES)。
S74では、携帯端末1Cは、WiFi AP 3との接続シーケンスを行う。S75では、コントローラ6からBLE環境通知が送信される。
S76では、携帯端末1Cは、WiFi AP 3との接続が確立したので(図21A、OP64:YES)、Bluetoothの受信機能をOFFにして間欠的な受信動作を停止させる(図21A、OP65)。その後、携帯端末1Cから個人属性情報がコントローラ6に送信され、コントローラ6からBLEビーコン設定情報が送信される(図22Bでは省略)。
S77では、携帯端末1Cは、BLEビーコン設定情報を受信すると、BLEビーコンの発信を開始する。
<第3実施形態の作用効果>
第3実施形態では、携帯端末1CがWiFi AP 3の検出可能エリアAR2に進入した場合に、携帯端末1CのBluetoothの受信機能をONにする。これによって、携帯端末1CがWiFi AP 3との接続を確立してBLEビーコンを発信するまでの間に、携帯端末1Cのユーザは、BLE受信サービスによる情報の提供を受けることが可能となる。
また、第3実施形態では、検出可能エリアAR2への進入を契機としてBluetoothの受信機能がONにされるのは、携帯端末1CにWiFi AP 3との接続実績とBLEサービスの実績がある場合に限定される。これによって、BLE送信サービスがなされていない場合にもBluetoothの受信機能をONにするような、無駄な電力の消費を抑制することができる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係るサービスシステムは、BLEビーコンに含まれる情報の一つに、送信信号強度があることを利用した、BLEビーコンの送信信号強度と受信信号強度との差から、BLEビーコンの発信元装置とBLE受信機との距離を判定可能な機能を用いたサービスを提供する。
図23は、第4実施形態に係るサービスシステム100Dのシステム構成の一例を示す図である。第4実施形態に係るサービスシステム100Dは、第1実施形態に係るサービスシステム100と同様のシステム構成であり、携帯端末1D、BLE端末2、WiFi
AP 3、BLE受信機4、デジタルサイネージ5、コントローラ6を含む。なお、第4実施形態に係るサービスシステム100Dは、第2実施形態に係るサービスシステム100Bと同様のシステム構成であってもよい。
携帯端末1Dは、第1実施形態と同様に、WiFi AP 3経由でBLEビーコン設定情報を取得すると、BLE端末2からのBLEビーコン信号の発信を開始させる。
BLE受信機4は、携帯端末1Dから発信されるBLEビーコンの受信信号強度と、BLEビーコンに含まれるBLEビーコンの発信信号強度との差分から、携帯端末1Dとの距離を「Far」と「Near」の2段階で判別する。以降、BLEビーコンの発信装置との距離が「Far」と判定される領域をFar領域、「Near」と判定される領域を
Near領域と称する。Far領域は、Near領域より大きく、Near領域を包含する。Near領域は、例えば、BLE発信機から1〜3メートルの距離の範囲である。Far領域は、例えば、BLE発信機からBLEビーコンを検出できる程度の距離の範囲である。なお、BLEビーコンの到達距離は、発信電力にもよるが、例えば、2.5メートルから50メートルである。
BLE受信機4は、携帯端末1Dとの距離情報である「Far」又は「Near」を、BLEビーコン情報とともに又はBLEビーコン情報に含めて、コントローラ6に通知する。コントローラ6は、BLEビーコン情報に対応する個人属性情報と、距離情報とに基づいて、プッシュ情報又はデジタルサイネージ情報を決定して、携帯端末1D又はデジタルサイネージ5へ送信する。
サービスシステム100Dにおいて提供されるサービスの一例として、携帯端末1DがFar領域に進入すると、携帯端末1Dにプッシュ通知が行われ、携帯端末1DがNear領域に進入すると、デジタルサイネージ5にユーザの個人属性情報に応じた情報が表示される、というサービスがある。また、このとき、デジタルサイネージ5に表示される情報がファイルのダウンロードを提供する情報であり、デジタルサイネージ5の付近にWiGig APが設置されている場合には、WiGi APからファイルをダウンロードできるというサービスもある。
このサービスでは、デジタルサイネージ5を通じてユーザ操作によってファイルのダウンロードの指示が入力されると、BLE受信機4又はデジタルサイネージ5がWiFi AP 3を通じて携帯端末1DにWiGig APの通信可能範囲内であることを通知する。携帯端末1Dは、WiFi AP 3経由で、WiGig APの通信可能範囲内であることの通知を受信すると、WiGig APとの接続シーケンスを開始する。
第4実施形態における各装置のハードウェア構成及び機能構成は、第1実施形態と同様である。なお、第4実施形態のシステム構成が第2実施形態と同様の場合には、第4実施形態における各装置のハードウェア構成及び機能構成は、第2実施形態と同様である。
図24は、第4実施形態に係るBLE受信機4のBLE受信制御部41の処理の一例である。図24に示される処理は、BLE受信機4の起動を契機に開始される。図24の処理の主体は、BLE受信機4のCPUであるが、便宜上、機能構成のBLE受信制御部41を主体として説明する。
OP91では、BLE受信制御部41は、BLEビーコンの受信を待機する。BLEビーコン制御部41がBLEビーコンを受信した場合には(OP91:YES)、処理がOP92に進む。
OP92では、BLE受信制御部41は、BLEビーコンの送信信号強度と受信信号強度との差分を取得する。BLEビーコンの送信信号強度は、BLEビーコンに含まれている。BLEビーコンの受信信号強度は、BLE受信機4の測定によって取得される。
OP93では、BLE受信制御部41は、取得した差分と、Near閾値とを比較する。Near閾値は、BLEビーコンの発信元装置がNear領域内に存在することを判定するための閾値である。取得した差分がNear閾値未満である場合には(OP93:YES)、BLEビーコンの発信元装置との距離情報が「Near」であることが判定され、処理がOP94に進む。取得した差分がNear閾値以上である場合には(OP93:NO)、処理がOP95に進む。
OP94では、BLE受信制御部41は、BLEビーコン情報をコントローラ6に送信する。BLEビーコン情報には、例えば、UUID、Major、Minor、送信RSSI、受信RSSI、距離情報「Near」が含まれる。その後、処理がOP91に進む。
OP95では、BLE受信制御部41は、取得した差分と、Far閾値とを比較する。Far閾値は、BLEビーコンの発信元装置がFar領域内に存在することを判定するための閾値である。取得した差分がFar閾値未満である場合には(OP95:YES)、BLEビーコンの発信元装置との距離情報が「Far」であることが判定され、処理がOP96に進む。取得した差分がFar閾値以上である場合には(OP95:NO)、処理がOP91に進む。
OP96では、BLE受信制御部41は、BLEビーコン情報をコントローラ6に送信する。BLEビーコン情報には、例えば、UUID、Major、Minor、送信RSSI、受信RSSI、距離情報「Far」が含まれる。その後、処理がOP91に進む。
図24に示される例では、OP94、OP96において、距離情報をBLEビーコン情報に含めて送信しているが、これに限定されず、BLEビーコン情報に距離情報を含めず、BLEビーコン情報と距離情報とを別々に送信してもよい。また、携帯端末1DのBLEビーコンの発信信号強度が、サービスシステム100D内で一律である場合には、BLRビーコンの受信信号強度に基づいて、距離情報が「Near」又は「Far」であることが判定されてもよい。
図25A及び図25Bは、第4実施形態に係るサービスシステム100Dにおける情報提供の処理のシーケンスの一例を示す図である。図25Aに示される例の前提は、第1実施形態の図15Aに示される例と同じであるとする。サービスシステム100Dは、携帯端末1DがFar領域に進入すると、携帯端末1Dにプッシュ通知が行われ、携帯端末1DがNear領域に進入すると、デジタルサイネージ5に所定の情報が表示される、というサービスが提供されていることとする。また、デジタルサイネージ5の近傍にはWiGig APが設置されており、デジタルサイネージ5の操作によって、WiGig AP経由でファイルをダウンロードできるようになっていることとする。
S81からS91までの、携帯端末1DがBLEビーコン設定情報を取得して、BLE端末2からのBLEビーコンの送信が開始されるまでの処理は、図15AのS1からS11と同様であるため、説明を省略する。
S92では、BLE受信機4は、BLE端末2からのBLEビーコンを受信し(図24、OP91:YES)、BLE端末2との距離が「Far」であることを判定する(図24、OP95:YES)。BLE受信機4はコントローラ6に距離情報「Far」を含むBLEビーコン情報を送信する(図24、OP96)。
S93では、コントローラ6は、BLE受信機4からBLEビーコン情報を受信し(図14、OP51)、該BLEビーコン情報に該当する情報が利用者情報DB 64に存在するか判定する(図14、OP52)。図25Aに示される例では、BLE受信機4から受信したBLEビーコン情報は、利用者情報DB 64に存在している(図14、OP52:YES)。
S94では、コントローラ6は、BLEビーコン情報に対応する個人属性情報を取得し(図14、OP53)、個人属性情報と距離情報「Far」に対応するプッシュ情報を取得し(図14、OP54)、取得したプッシュ情報を携帯端末1DにWiFi経由でプッ
シュ通知する(図14、OP55)。S95では、携帯端末1Dは、プッシュ情報を受信し、ディスプレイに表示する。例えば、携帯端末1Dには、店舗内のデジタルサイネージ5の近傍で開催されているセール情報等が表示される。
S96では、携帯端末1Dのユーザは、例えば、プッシュ通知で携帯端末1Dのディスプレイに表示された情報に従って、デジタルサイネージ5にさらに近づくように移動し、Near領域に進入したとする。
S97では、BLE受信機4は、BLE端末2からのBLEビーコンを受信し(図24、OP91:YES)、BLE端末2との距離が「Near」であることを判定する(図24、OP93:YES)。BLE受信機4はコントローラ6に距離情報「Near」を含むBLEビーコン情報を送信する(図24、OP94)。
S98では、コントローラ6は、BLE受信機4からBLEビーコン情報を受信し(図14、OP51)、該BLEビーコン情報に該当する情報が利用者情報DB 64に存在するか判定する(図14、OP52)。
S99では、コントローラ6は、BLEビーコン情報に対応する個人属性情報を取得し(図14、OP53)、個人属性情報と距離情報「Near」に対応するデジタルサイネージ情報を取得し(図14、OP54)、デジタルサイネージ5に送信する(図14、OP56)。
S100では、デジタルサイネージ5は、デジタルサイネージ情報を受信し、ディスプレイに表示する。例えば、デジタルサイネージ5には、商品の詳細情報と、該商品のプロモーション動画ファイルのダウンロードボタンとが表示される。
S101では、携帯端末1Dのユーザがデジタルサイネージ5に対して、動画ファイルのダウンロードの操作を行う。S102では、BLE受信機4は、デジタルサイネージ5からのダウンロードの操作入力を受けて、WiGig APと携帯端末1Dとに、ダウンロード通知を行う。携帯端末1Dに通知されるダウンロード通知は、WiFi AP 3によって中継され、WiFi経由で送信される。携帯端末1Dに通知されるダウンロード通知には、例えば、WiGigのセルの識別情報等の情報が含まれる。WiGig APは、ダウンロード通知を受信すると、例えば、所定のサーバから対象ファイルのダウンロードを開始する。
S103では、携帯端末1Dは、WiFi経由ダウンロード通知を受信すると、WiGigを起動し、携帯端末1DとWiGig APとの間で接続シーケンスが行われる。S104では、携帯端末1DとWiGig APとの間の接続が確立し、WiGig経由で対象ファイルのダウンロードが開始される。
<第4実施形態の作用効果>
第4実施形態に係るサービスシステム100Dは、BLEビーコンの送信信号強度と受信信号強度とから、BLEビーコンの送信元装置とBLE受信機4とのおおよその距離が推測できる機能を利用して、段階的なサービスを提供することができる。
<第5実施形態>
第5実施形態では、携帯端末は、複数のBLE端末とBluetoothで接続し、サービスシステムは、各BLE端末のユーザの関係性等に基づいた情報を提供する。
図26は、第5実施形態に係るサービスシステム100Eのシステム構成の一例を示す
図である。サービスシステム100Eは、携帯端末1E、BLE端末2A及び2B、WiFi AP 3、BLE受信機4、デジタルサイネージ5、コントローラ6を含む。
携帯端末1Eは、BLE端末2A及び2BとそれぞれBluetoothで接続される。例えば、BLE端末2Aは携帯端末1Eのユーザが所有し、BLE端末2Bは携帯端末1Eのユーザの子供が所有する。第5実施形態では、携帯端末1Eは、WiFi AP 3との接続が確立すると、BLE端末2A及び2Bのそれぞれのユーザについての個人属性情報をコントローラ6に送信する。コントローラ6は、BLE端末2A及び2Bのそれぞれに対してBLEビーコン設定情報を生成して、携帯端末1Eに通知する。
BLE端末2A、BLE端末2Bはそれぞれが通知されたBLEビーコン設定情報を用いてBLEビーコンを発信する。これによって、サービスシステム100Eは、BLE端末2A、2Bのそれぞれのユーザの属性に応じた情報提供することができる。
図27は、第5実施形態に係るサービスシステム100Eの機能構成の一例を示す図である。第5実施形態に係るサービスシステム100Eの機能構成は、1台の携帯端末1Eに対して複数のBLE端末2がBluetoothで接続すること以外は、図5に示される第1実施形態に係るサービスシステム100と同様である。なお、図27では、WiFi AP 3、BLE受信機4、デジタルサイネージ5、コントローラ6の機能構成は、便宜上、省略されている。
携帯端末1Eのデータベース17には、Bluetoohで接続されるBLE端末2の数に相当する数のBLEビーコン設定情報171と個人属性情報172とが格納される。制御部14Eは、WiFi AP 3との接続が確立すると、Bluetoothで接続されているBLE端末2の数に相当する数の個人属性情報をコントローラ6に送信し、Bluetoothで接続されているBLE端末2の数に相当する数のBLEビーコン情報を取得する点が第1実施形態と異なる。
図28は、第5実施形態に係るコントローラ6の個人属性情報テーブルの一例である。第5実施形態では、個人属性情報テーブルは、エントリの項目に、端末識別情報、個人属性情報に加え、BLE端末番号も含む。第5実施形態では、1台の携帯端末1Eに複数のBLE端末2がBluetoothで接続されるので、BLE端末番号は、Bluetoothで接続されているBLE端末を識別するための情報である。
図28に示される例では、個人属性情報テーブルには、端末識別情報が「UE0001」のエントリが2つ含まれている。2つのエントリのそれぞれのBLE端末番号は、「1」と「2」である。これは、端末識別情報が「UE0001」である携帯端末1Eには、2台のBLE端末2がBluetoothで接続されていることが示される。また、第5実施形態では、コントローラ6において、BLE端末2は、端末識別情報とBLE端末番号との組合せで識別される。
また、1台の携帯端末1EとBluetoothで接続するBLE端末2間では、マスタ−スレーブの関係があり、マスタとなるBLE端末2に対応する個人属性情報のBLE端末番号は、「1」となる。いずれのBLE端末2がマスタとなるかは、携帯端末1Eのユーザによって決定され、個人属性情報に含まれる。例えば、図27において、BLE端末2Aが携帯端末1Eのユーザが所有するBLE端末であり、BLE端末2Bは携帯端末1Eのユーザの子供が所有するBLE端末である場合には、携帯端末1Eのユーザの個人属性情報のBLE端末番号が「1」となる。
図29は、第5実施形態に係るコントローラ6のBLEビーコン設定情報テーブルの一
例である。第5実施形態では、BLEビーコン設定情報テーブルは、エントリの項目に、エントリ番号、端末識別情報、BLE端末番号、BLEビーコン設定情報、ペアリング番号を含む。エントリ番号は、BLEビーコン設定情報のエントリの識別番号である。
ペアリング番号には、該当エントリのBLE端末2のマスタとなるBLE端末2のエントリ番号が格納される。例えば、図29に示される例では、エントリ番号「10002」のエントリのペアリング番号は「10001」であって、エントリ番号「10001」のエントリのBLE端末2をマスタとすることが示される。BLE端末2がマスタである場合には、ペアリング番号には、自身のエントリ番号が格納される。また、BLE端末2が携帯端末1Eと1対1でペアリングしている場合には、ペアリング番号には「0」が格納される。
コントローラ6では、携帯端末1Eからの個人属性情報を受信すると、個人属性情報テーブルのエントリが作成される。次に、作成された個人属性情報テーブルの端末識別情報とBLE端末番号とが同じエントリがBLEビーコン設定情報テーブルに作成される。
BLE受信機4からBLEビーコンに含まれるBLEビーコン情報がコントローラ6に届いた場合には、エントリ登録とは反対に、まず、BLEビーコン設定情報テーブルで受信されたBLEビーコン情報に合致するエントリが検索される。次に、検出されたBLEビーコン設定情報テーブルのエントリの端末識別情報とBLE端末番号をキーに、個人属性情報テーブルが検索され、BLEビーコン情報に対応する個人属性情報が取得される。
図30A及び図30Bは、第5実施形態に係るサービスシステム100Eにおける処理のシーケンスの一例を示す図である。図30A及び図30Bでは、図27に示されるサービスシステム100Eが示されるが、便宜上、デジタルサイネージ5は省略されている。BLE端末2Aは、マスタであり、BLE端末2Bはスレーブであるとする。
図30Aでは、携帯端末1E及びBLE端末2Aを有するユーザとBLE端末2Bを有するユーザとは、WiFi AP 3の圏外に位置し、WiFi AP 3の通信可能範囲に向かって移動していることとする。また、携帯端末1Eは、WiFi AP 3への接続実績はないことを想定する。
S111からS115の、WiFi AP 3の検出から接続確立までの処理は、第1実施形態の図15AのS1からS5と同様である。
S116では、携帯端末1Eは、個人属性情報をコントローラ6にWiFi経由で送信する(図10A、OP8)。このとき、携帯端末1Eからは、携帯端末1Eのユーザと、BLE端末2Bのユーザとの、2つの個人属性情報が送信される。すなわち、S116では、携帯端末1Eは、2つのBLEビーコン設定情報を要求している。
S117では、コントローラ6は、2つの個人属性情報を受信し(図13、OP45:YES)、2つの個人属性情報それぞれに対応するBLEビーコン設定情報を生成する(図13、OP46)。S118では、コントローラ6は、生成した2つのBLEビーコン設定情報をWiFi経由で携帯端末1Eに送信する(図13、OP47)。また、コントローラ6は、携帯端末1Eの端末識別情報、個人属性情報、BLEビーコン設定情報を関連付けて保存する(図13、OP48)。
S119、S121では、携帯端末1Eは、2つのBLEビーコン設定情報を受信し(図10B、OP9:YES)、BLE端末2A、2BそれぞれにBLEビーコン設定情報書き換え通知をBluetooth経由で送信する(図10B、OP12)。
S120、S122では、BLE端末2A、2Bそれぞれは、携帯端末1EからのBLEビーコン設定情報書き換え通知を受信し(図11、OP21:YES、OP22:YES)、BLEビーコンの送信を開始する(図11、OP23)。このあと、BLE端末2Bのユーザが、携帯端末1Eのユーザから離れて、BLE受信機4に近づいたとする。
S123では、BLE受信機4は、BLE端末2BからのBLEビーコンを受信し(図12、OP31)、BLEビーコンに含まれるBLEビーコン情報を取り出して、コントローラ6に通知する(図12、OP32)。
S124では、コントローラ6は、BLE受信機4からBLEビーコン情報を受信し(図14、OP51)、BLEビーコン情報に対応する個人属性情報を取得し(図14、OP53)、個人属性情報に対応するデジタルサイネージ情報を取得する(図14、OP54)。取得されたデジタルサイネージ情報は、BLE受信機4に通知される(図14、OP56)。
S125では、BLE受信機4を通じてデジタルサイネージ5のディスプレイにデジタルサイネージ情報が表示される。例えば、BLE端末2Bのユーザが子供である場合には、デジタルサイネージ5には、子供向けの商品の詳細情報が表示される。
S126では、携帯端末1Eのユーザ及びBLE端末2Bのユーザが、WiFi AP
3の通信可能範囲から遠ざかる方向へ移動する。S127では、携帯端末1EのユーザがWiFi AP 3の通信可能範囲から退出する。なお、BLE端末2A、2Bからは引き続き所定の周期でBLEビーコンが送信されており、携帯端末1Eは所定の周期でWiFi APのスキャンを行っている。
S128では、携帯端末1Eは、WiFi AP 3の圏外へと移動したので、WiFi AP 3との接続が切断されたことを検出する(図10B、OP13:YES)。
S129、S130では、携帯端末1Eは、BLE端末2A、2Bそれぞれに、BLEビーコン設定情報書き換え通知を送信する(図10B、OP14)。BLEビーコン設定情報書き換え通知には、空白のBLEビーコン設定情報が含まれている。BLEビーコン設定情報書き換え通知の送信後、携帯端末1Eは、データベース17内のBLEビーコン設定情報171を削除する。
S131、S132では、BLE端末2A、2Bそれぞれは、BLEビーコン設定情報書き換え通知を受信し(図11、OP21:YES)、空白のBLEビーコン設定情報が含まれているので(図11、OP22:NO)、BLEビーコンの送信を停止する(図11、OP24)。
なお、携帯端末1EのユーザがWiFi AP 3の通信可能範囲から退出した際に、BLE端末2Bのユーザが離れた場所におり、BLEビーコン設定情報書き換え通知が届かない場合には、BLEビーコンの発信を停止させるために、以下のような処理が行われてもよい。携帯端末1EはBluetoothの受信機能をONにし、BLE端末2Bが発信するBLEビーコンの受信を待機する。BLE端末2Bのユーザが携帯端末1Eのユーザの元に戻ってきて、携帯端末1EがBLE端末2BからのBLEビーコンを受信すると、携帯端末1Eが空白のBLEビーコン設定情報を含むBLEビーコン設定情報書き換え通知をBLE端末2に送信する。その後、携帯端末1Eは、Bluetoothの受信機能をOFFにする。
<第5実施形態の作用効果>
第5実施形態では、サービスシステム100Eは、1台の携帯端末1Eに対して複数のBLE端末2をBluetoothで接続させた場合に、各BLE端末2に対してBLEビーコン設定情報が生成されることによって、各BLE端末2のユーザに情報を提供することができる。
<第5実施形態の応用例>
第5実施形態では、サービスシステム100Eは、BLE端末2AとBLE端末2Bとのそれぞれのユーザの属性に応じた情報を提供するサービスについて説明された。これを応用して、例えば、BLE端末2AとBLE端末2Bとの関係性を個人属性情報に含めることによって、サービスシステム100Eは、BLE端末2AとBLE端末2Bとのユーザの関係性に応じた情報を提供することができる。
例えば、BLE端末2AとBLE端末2Bとの関係性が親子である場合には、BLE端末2A及びBLE端末2Bの個人属性情報に、「親子」という関係性を示す情報を含める。コントローラ6は、BLE受信機4から、BLE端末2A及びBLE端末2BのBLEビーコン情報を通知された場合に、BLE端末2A及びBLE端末2Bの関係性を示す情報に基づいて、親子向けの情報をデジタルサイネージ5に送信する。サービスとしては、例えば、親子であるBLE端末2AとBLE端末2Bとのユーザがデジタルサイネージ5に近づくと、デジタルサイネージ5に親子向けの商品の詳細情報が表示される。
また、BLE受信機4にBLEビーコンの受信履歴を残すようにすることで、BLE受信機4が分散配置されている場合に、サービスシステム100E内のBLE端末2A及びBLE端末2Bの移動履歴の情報を提供することができる。BLE受信機4のBLEビーコンの受信履歴は、BLE受信機4の不揮発性メモリに保持され、例えば、BLEビーコンの受信時刻と、BLEビーコン情報との対応付けを含めばよい。
例えば、BLE端末2Aのユーザが親で、BLE端末2Bのユーザが子供である場合には、以下のようにして、迷子検索のサービスを実現することができる。まず、携帯端末1Eからコントローラ6にBLE端末2Bの移動履歴を問い合わせる。コントローラ6は各BLE受信機4に対して、BLE端末2BのBLEビーコン設定情報を送信し、BLE端末2BのBLEビーコン受信履歴を収集する。BLE受信機4は、コントローラ6から通知されたBLE端末2BのBLEビーコン設定情報と合致するBLEビーコン情報の受信履歴をコントローラ6に送信する。コントローラ6は、各BLE受信機4の識別情報と、各BLE受信機4から収集したBLE端末2BのBLEビーコン受信履歴とを、BLE端末2Bの移動履歴として、携帯端末1Eに提供する。BLE端末2Bの移動履歴の中で最新のBLEビーコンの受信履歴を記録したBLE受信機4の近傍にBLE端末2Bのユーザ(子供)がいることが判明する。
第5実施形態では、1台の携帯端末1Eと複数のBLE端末2とがBluetoothで接続することで、複数のBLE端末2を関連付ける。これに代えて、それぞれがBLEビーコンの発信機能を有する携帯端末1Eを、複数台関連付けしてもよい。この場合には、例えば、マスタとなる携帯端末1Eのメールアドレスと関係性とを個人属性情報に含めることによって、サービスシステム100Eは、関連付けられた携帯端末1Eの関係性に応じた情報を提供することができる。
<その他>
上記第1実施形態及び第2実施形態と、上記第3実施形態〜第5実施形態との1つ又は複数とを組み合わせてもよい。
<記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる非一時的な記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスク、ROM(リードオンリーメモリ)等がある。さらに、SSD(Solid State Drive)は、コンピュータ等から取り外し可能な記録媒体としても、コン
ピュータ等に固定された記録媒体としても利用可能である。