以下、本発明に係る更新情報配信システム、更新情報配信方法、及び更新情報配信プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
本発明に係る更新情報配信システムは、ユーザの地図情報を更新するための更新情報を、地図情報の基準区画毎に配信するシステムである。
ここで、「ユーザの地図情報」とは、ユーザが用いる装置の地図情報であり、具体的には、地図を表示する装置の地図情報であり、例えば、車載装置の地図情報、又は端末装置の地図情報等が挙げられる。ここで、「車載装置」とは、車両に搭載される装置であり、具体的には、車載用ナビゲーション装置を含む概念ある。また、「端末装置」とは、所定のコンピュータを搭載した装置であり、具体的には、スマートフォンや携帯用ナビゲーション装置を含む概念である。
また、「更新情報」とは、ユーザの地図情報を更新するための情報であって、基準区画毎に分割することが可能な情報である。また、「基準区画」とは、地図情報についての基準単位であり、例えば、地図上の数キロメートル(一例として、10キロメートル等)四方の領域に対応しているものである。
そして、本実施の形態においては、「基準区画」を「メッシュ」と称し、「メッシュ」が、「地図上の10キロメートル四方の領域」に対応しているものとして、「ユーザの地図情報」である「車載装置の地図情報」を更新するために、更新情報を地図情報のメッシュ毎に配信する場合について説明する。なお、以下では、車載装置を搭載した車両(車載装置を操作する者が搭乗する車両)を「自車両」と称して説明する。また、「自車両」とは、例えば、四輪自動車、二輪自動車、及び自転車等を含む概念であるが、以下では、自車両が四輪自動車である場合について説明する。
(構成)
まず、本実施の形態に係る更新情報配信システム100について説明する。この更新情報配信システム100は、車載装置1、及びセンター装置2を備えている。図1は、本発明の実施の形態に係る更新情報配信システムを例示するブロック図である。なお、更新情報配信システム100には、実際には、車載装置1以外にも、この車載装置1と同様な構成の他の車載装置が複数含まれているが、以下では、更新情報配信システム100に含まれている車載装置の全体を称する場合には、「更新情報配信システム100の車載装置」と総称して説明する。
(構成−車載装置)
最初に、車載装置1の構成について説明する。図1に示すように、車載装置1は、概略的に、通信部11、タッチパッド12、ディスプレイ13、スピーカ14、現在位置検出部15、記録部16、及び制御部17を備えている。
(構成−車載装置−通信部)
通信部11は、センター装置2との間でネットワークを介した通信を行う通信手段である。この通信部11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の移動体無線通信手段を用いることができる。
(構成−車載装置−タッチパッド)
タッチパッド12は、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。このタッチパッド12は、透明又は半透明状に形成され、ディスプレイ13の前面において当該ディスプレイ13の表示面と重畳するように設けられてタッチパネルとして形成されている。このタッチパッド12としては、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のタッチパッドを用いることができる。
(構成−車載装置−ディスプレイ)
ディスプレイ13は、後述する制御部17の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段であり、特に、後述する地図情報データベース161(以下、データベースを「DB」と称する)に格納された地図情報に基づいて地図を表示する表示手段である。このディスプレイ13の具体的な構成は任意であり、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。
(構成−車載装置−スピーカ)
スピーカ14は、後述する制御部17の制御に基づいて情報を音声にて出力する音声出力手段である。このスピーカ14から出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
(構成−車載装置−現在位置検出部)
現在位置検出部15は、車載装置1の現在位置(現在地)を検出する現在位置検出手段である。この現在位置検出部15は、GPS又は地磁気センサ(いずれも図示省略)を有し、現在の車載装置1の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
(構成−車載装置−記録部)
記録部16は、車載装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、DVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体、又はFlash、ROM、USBメモリ、SDカードの如き電気的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。(後述する記録部26も同様とする)。
また、この記録部16は、地図情報DB161を備えている。
地図情報DB161は、地図情報を格納する地図情報格納手段である。ここで、「地図情報」とは、案内に用いられる情報であり、また、前述のメッシュ単位にて区画される情報であり、道路、道路の交差点、道路構造物、施設等を含む各種の位置の特定に必要な情報であって、例えば、道路上に設定された各ノードに関するノードデータ(例えばノードID、座標等)や、道路上に設定された各リンクに関するリンクデータ(例えばリンクID、リンク名、接続ノードID、道路座標、道路種別(例えば、有料道路、一般道路、高架道路等)、車線数等)、地物データ(例えば信号機、道路標識、ガードレール、施設等)、地形データ等を含んで構成されている。このような地図情報DB161の地図情報は、後述する地図情報更新処理において更新される。
(構成−車載装置−制御部)
制御部17は、車載装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る更新情報配信プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して車載装置1にインストールされることで、制御部17の各部を実質的に構成する(後述する制御部27も同様とする)。
(構成−センター装置)
次に、センター装置2の構成について説明する。図1に示すように、センター装置2は、「更新情報配信システム100の車載装置」に対して情報を配信する装置であり、概略的に、通信部21、記録部26、及び制御部27を備えている。
(構成−センター装置−通信部)
通信部21は、「更新情報配信システム100の車載装置」との間でネットワークを介した通信を行う通信手段であり、具体的な構成については、通信部11の構成と同様である。
(構成−センター装置−記録部)
記録部26は、地図情報DB261、及びユーザ管理DB262を備えている。
地図情報DB261は、地図情報を格納する地図情報格納手段である。ここで、この地図情報DB261に格納されている「地図情報」とは、案内に用いられる情報であり、また、前述の車載装置1の地図情報DB161における地図情報と同様な単位(つまり、メッシュ単位)にて区画される情報であり、「更新情報配信システム100の車載装置」に格納されている地図情報に含まれている情報(例えば、ノードデータ、リンクデータ、地物データ、及び地形データ等)に対応する情報が含まれている情報である。そして、地図情報DB261には、地図に関する最新の情報(例えば、道路の撤廃又は新設の情報等)に基づいて所定期間(例えば、1日、1週間等)毎に生成された地図情報が、順次提供されて蓄積されている。つまり、この地図情報DB261には、地図上の各領域について、最新バージョンの地図情報と共に、過去の各バージョンの地図情報も格納されている。ここでは、例えば、地図情報の「バージョン」については、「バージョン1」〜「バージョン4」が設けられており、「バージョン1」が最も古く、「バージョン2」が「バージョン1」の次に古く、「バージョン3」が「バージョン2」の次に古く、「バージョン4」が最新であるものとして、前述の地図情報DB161に「バージョン3」の地図情報が格納されており、この地図情報DB261に、「バージョン1」〜「バージョン4」の地図情報が格納されているものとして、以下説明する。
ユーザ管理DB262は、ユーザに関連する情報を格納する格納手段であり、特に、センター側履歴情報を格納する履歴情報格納手段であって、具体的には、センター側履歴情報、自宅位置特定情報、バージョン特定情報、走行推定テーブル、及び更新順位テーブルを格納するものである。
「センター側履歴情報」とは、ユーザの移動に関する履歴情報であり、具体的には、自車両の移動に関する履歴の情報である。図2は、センター側履歴情報を例示した図である。この図2に示すように、センター側履歴情報は、例えば、項目「装置ID」、項目「探索」、及び項目「走行」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。
ここで、項目「装置ID」に対応する情報は、「更新情報配信システム100の車載装置」を一意に識別するための識別情報(以下、装置ID)である(図2では、図1の車載装置1の装置IDである「ID1」)。この項目「装置ID」に対応する情報は、後述する走行推定テーブル生成処理において取得されて記録される。
また、項目「探索」には、更に、項目「探索始点」、項目「探索ルート」、項目「探索終点」、及び項目「探索種別」が含まれている。まず、項目「探索始点」に対応する情報は、探索ルートの始点である探索始点の位置を特定する情報である(図2では、経度及び緯度の座標であり「X11、Y11」等)。また、項目「探索ルート」に対応する情報は、探索ルートを特定する情報である(図2では、リンクIDの集合であり「L11、L12、L13、L14、L15」等)。ここで、「探索ルート」とは、自車両が走行するべきルートとして探索されたルートであり、具体的には、探索始点から後述の探索終点に至るルートである。また、図2の「L11、L12、L13、L14、L15」については、「リンクID」=「L11」に対応する道路、「リンクID」=「L12」に対応する道路、「リンクID」=「L13」に対応する道路、「リンクID」=「L14」に対応する道路、「リンクID」=「L15」に対応する道路の順で、探索始点から探索終点に至るルートを示している。また、項目「探索終点」に対応する情報は、探索ルートの終点である探索終点の位置を特定する情報であり、また、ユーザの移動の目的地を特定する情報である(図2では、経度及び緯度の座標であり「X16、Y16」等)。また、項目「探索種別」に対応する情報は、探索ルートを探索する場合の指標である探索種別(探索条件)を特定する探索種別特定情報である(図2では、「時間」、「距離」、及び「燃費」)。ここで、「時間」は、探索始点から探索終点に至るまでの所要時間が最短となるルートを探索することを示している。また、「距離」は、探索始点から探索終点に至るまでのルート上の所要距離が最短となるルートを探索することを示している。「燃費」は、探索始点から探索終点に至るまで燃費(つまり、所定量(例えば1リットル等)の燃料にて走行可能な距離)が最良(つまり、所定量の燃料にて走行可能な距離が最長)となるルートを探索することを示している。そして、これら項目「探索始点」、項目「探索ルート」、項目「探索終点」、及び項目「探索種別」のうちの、項目「探索始点」、項目「探索終点」、及び項目「探索種別」に対応する情報については、図1のタッチパッド12を介してユーザの所定操作が受け付けられることで車載装置1に設定されて、後述する走行推定テーブル生成処理において取得されて記録される。なお、図2において図示されていないが、項目「探索始点」、項目「探索終点」、及び項目「探索種別」に対応する情報には、各情報が車載装置1に設定された日時が関連づけられているものとする。また、これら図2の項目「探索始点」、項目「探索ルート」、項目「探索終点」、及び項目「探索種別」のうちの、項目「探索ルート」に対応する情報については、図1の車載装置1の制御部17が、車載装置1に設定された項目「探索始点」に対応する情報である「探索始点」から項目「探索終点」に対応する情報である「探索終点」に至る探索ルートであり、項目「探索種別」に対応する情報である探索種別特定情報に対応する探索ルートを探索し、探索された探索ルートが車載装置1に設定されて、後述する走行推定テーブル生成処理において取得されて記録される。なお、図2において図示されていないが、項目「探索ルート」に対応する情報には、この情報が車載装置1において探索された日時が関連づけられているものとする。
また、項目「走行」には、更に、項目「走行始点」、項目「走行ルート」、及び項目「走行終点」が含まれている。まず、項目「走行始点」に対応する情報は、実走行ルートの始点である走行始点の位置を特定する情報である(図2では、経度及び緯度の座標であり「X11、Y11」等)。また、項目「走行ルート」に対応する情報は、実走行ルートを特定する情報である(図2では、リンクIDの集合であり「L11、L42、L43、L14、L15」等)。ここで、「実走行ルート」とは、自車両が実際に走行したルートであり、具体的には、走行始点から後述の走行終点に至るルートである。また、図2の「L11、L42、L43、L14、L15」については、「リンクID」=「L11」に対応する道路、「リンクID」=「L42」に対応する道路、「リンクID」=「L43」に対応する道路、「リンクID」=「L14」に対応する道路、「リンクID」=「L15」に対応する道路の順で、走行始点から走行終点に至るルートを示している。また、項目「走行終点」に対応する情報は、実走行ルートの終点である走行終点の位置を特定する情報である(図2では、経度及び緯度の座標であり「X16、Y16」等)。そして、これら項目「走行始点」、項目「走行ルート」及び項目「走行終点」に対応する情報については、図1の現在位置検出部15による車載装置1の位置についての検出結果の履歴、及び当該検出結果の履歴に対応する地図上のリンクIDに基づいて、車載装置1の記録部16に格納されて、後述する走行推定テーブル生成処理において取得されて記録される。なお、図2において図示されていないが、項目「走行始点」、項目「走行ルート」、及び項目「走行終点」に対応する情報には、各々情報に対応する位置を自車両が走行した日時が関連づけられているものとする。
また、「自宅位置特定情報」とは、自車両のユーザの自宅の位置を特定する情報であって、自車両の装置IDと対応付けられている情報であり、具体的には、経度及び緯度の座標である。この自宅位置特定情報については、図1のタッチパッド12を介してユーザの所定操作が受け付けられることで車載装置1に設定されて、車載装置1とセンター装置2との無線通信を介して、センター装置2によって取得されて「ID1」と対応付けられて記録される。
また、「バージョン特定情報」とは、車載装置1の地図情報DB161における地図情報のバージョンを特定する情報あって、自車両の装置IDと対応付けられている情報である。このバージョン特定情報については、後述する走行推定テーブル生成処理において取得されて「ID1」と対応付けられて記録される。
また、「走行推定テーブル」とは、自車両の走行に関する推定の情報であって、自車両が走行する可能性の高低を推定する情報であり、また、自車両の装置IDと対応付けられている情報であり、具体的には、地図情報における自車両のユーザの自宅周辺の各メッシュにおける使用重要度(重要度)を特定する情報である。ここで、「使用重要度」とは、地図情報を自車両(つまり、ユーザ)が用いる可能性に対応する指標であり、具体的には、地図情報における各メッシュを自車両が用いる可能性の高低に対応するものである。この「使用重要度」については、任意の手法を用いて表すことができるが、ここでは、例えば、数値(具体的には、1以上の自然数)を用いて表し、値が小さいもの程「使用重要度」が高い(つまり、自車両によって用いられる可能性が高い)ものとして、以下説明する。また、「自車両のユーザの自宅周辺」とは、自車両のユーザの自宅を含む周辺領域であり、地図情報の更新ニーズに応じて任意に設定することができるが、ここでは、例えば、自宅の位置を中心とした領域であって、一辺がメッシュ5個分に対応する矩形の領域(つまり、25個分のメッシュに対応する領域)であるものとして、以下説明する。そして、この走行推定テーブルについては、後述する走行推定テーブル生成処理において「ID1」と対応付けられて記録される。
また、「更新順位テーブル」とは、地図情報を更新する優先順位を特定するための情報であって、地図情報における各メッシュ相互間における優先順位を特定するための情報であり、また、自車両の装置IDと対応付けられている情報であり、具体的には、「走行推定テーブル」の使用重要度を更新することにより得られる情報である。そして、この更新順位テーブルについては、後述する更新順位テーブル生成処理において「ID1」と対応付けられて記録される。
(構成−センター装置−制御部)
図1の制御部27は、機能概念的に、設定部271、生成部272、推定部273、決定部274、及び配信部275を備えている。設定部271は、ユーザ管理DB262が格納しているセンター側履歴情報に基づいて、地図情報をユーザが用いる可能性に対応する使用重要度を、地図情報のメッシュ毎に設定する設定手段である。また、生成部272は、設定部271が設定した地図情報のメッシュ毎の使用重要度に基づいて、走行可能性ルートを生成する生成手段である。ここで、「走行可能性ルート」とは、地図情報のメッシュ間において自車両(つまり、ユーザ)が走行(移動)する可能性がある移動ルートである。また、推定部273は、生成部272が生成した走行可能性ルートに関する効果であって、地図情報を更新することによってユーザにもたらされる効果を推定する推定手段である。また、決定部274は、推定部273が推定した効果に基づいて、設定部271が設定した地図情報のメッシュ毎の使用重要度を更新することにより、地図情報を更新する優先順位を地図情報のメッシュ毎に決定する決定手段である。また、配信部275は、決定部274が決定した地図情報のメッシュ毎の優先順位に基づいて、更新情報を地図情報のメッシュ毎に順次配信する配信手段である。なお、これら制御部27の各部により行われる処理については、後述する。
(処理)
次に、このように構成される更新情報配信システム100のセンター装置2によって実行される、走行推定テーブル生成処理、更新順位テーブル生成処理、及び地図情報更新処理について説明する。
(処理−走行推定テーブル生成処理)
まず、走行推定テーブル生成処理について説明する。図3は、走行推定テーブル生成処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。「走行推定テーブル生成処理」とは、図1のセンター装置2におけるユーザ管理DB262に記録されている走行推定テーブルを生成(又は更新)する処理である。この走行推定テーブル生成処理を実行するタイミングは任意のタイミングであるが、例えば、所定時間(例えば、1時間、6時間、又は24時間等)毎に、車載装置1が車載装置側情報をセンター装置2に送信し、送信された車載装置側情報をセンター装置2が受信するように構成されており、センター装置2が車載装置側情報を受信する毎に起動されて実行するものとして、当該処理が起動したところから説明する。ここで、「車載装置側情報」とは、車載装置1側の情報であり、「車載装置側履歴情報」と「車載装置側バージョン特定情報」とを含む情報である。「車載装置側履歴情報」とは、ユーザの移動に関する履歴情報であり、具体的には、自車両の移動に関する履歴の情報であり、例えば、図2のセンター側履歴情報における各項目に対応する情報と同様な情報である。また、「車載装置側バージョン特定情報」とは、車載装置1の地図情報DB161における地図情報のバージョンを特定する情報であり、具体的には、地図情報におけるメッシュ毎のバージョンを特定する情報である。そして、図1の車載装置1については、「車載装置側履歴情報」を記録部16に蓄積しているものとし、蓄積している「車載装置側履歴情報」のうちのセンター装置2に対して未送信の情報及び「自宅周辺の全メッシュ(つまり、前述した25個分のメッシュに対応する領域)についてバージョン3」を特定する「車載装置側バージョン特定情報」を含む車載装置側情報を、所定時間毎に生成して、生成した車載装置側情報を、所定時間毎に送信するものとして、以下説明する。
まず、図3に示すように、SA1においてセンター装置2の制御部27は、車載装置側情報を取得する。具体的には、図1の車載装置1の通信部11を介して送信された車載装置側情報を、センター装置2の通信部21を介して受信し、受信した車載装置側情報を取得する。
図3に戻って、SA2においてセンター装置2の制御部27は、センター側情報を記録する。具体的には、SA1で取得した車載装置側情報の「車載装置側履歴情報」から、当該車載装置側履歴情報に含まれている各情報を取得し、取得した各情報を、図1のセンター装置2のユーザ管理DB262のセンター側履歴情報に蓄積して記録する。ここでは、例えば、図2の各情報を蓄積して記録する。また、図3のSA1で取得した車載装置側情報の「車載装置側バージョン特定情報」を取得し、取得した「車載装置側バージョン特定情報」が特定する情報を、図1のセンター装置2のユーザ管理DB262のバージョン特定情報として記録する。ここでは、例えば、「バージョン3」をバージョン特定情報として記録する。
図3に戻って、SA3においてセンター装置2の制御部27は、走行推定テーブルを生成した後、処理を終了する。図4は、走行推定テーブルの一例を示す図である。この図4における「M1」〜「M25」は、メッシュを一意に識別するためのメッシュ識別情報(以下、メッシュID)を示しており、各メッシュに表示されている数値(例えば、[1]等)については、各メッシュの使用重要度を示しているものとして、以下説明する。
走行推定テーブルの生成について具体的には、まず、センター装置2の制御部27は、図1のセンター装置2のユーザ管理DB262におけるバージョン特定情報に基づいて、車載装置1の地図情報DB161における地図情報のバージョンを特定する。ここでは、例えば、「車載装置1の地図情報DB161における地図情報」=「バージョン3」を特定する。
次、センター装置2の制御部27は、センター装置2のユーザ管理DB262の自宅位置特定情報に基づいて、自車両のユーザの自宅の位置を、前述のようにしてバージョンを特定した地図情報において特定し、更に、前述の「自車両のユーザの自宅周辺」の各メッシュを特定する。ここでは、例えば、図4の「M13」のメッシュ内の位置を自車両のユーザの自宅の位置として特定し、更に、「M1」〜「M25」のメッシュを「自車両のユーザの自宅周辺」の各メッシュとして特定する。
次に、センター装置2の設定部271は、センター装置2のユーザ管理DB262のセンター側履歴情報(つまり、SA2で蓄積した情報を含む情報)及び自宅位置特定情報に基づいて重要メッシュを特定する。ここで、「重要メッシュ」とは、自車両によって用いられる可能性が当該「重要メッシュ」以外のメッシュよりも高いメッシュである。この「重要メッシュ」については、任意に設定することができるが、ここでは、例えば、自宅メッシュ(自宅基準区画)、目的地メッシュ(目的地基準区画)、高頻度通過メッシュ(高頻度通過基準区画)、始点メッシュ(始点基準区画)、及び終点メッシュ(終点基準区画)、及び探索ルートメッシュを重要メッシュに設定するものとして、以下説明する。ここで、「自宅メッシュ」とは、自車両のユーザの自宅の位置に対応するメッシュである。「目的地メッシュ」とは、自車両のユーザの移動の目的地に対応するメッシュであり、具体的には、図2の項目「探索」の項目「探索終点」の座標の平均値に対応するメッシュである。「高頻度通過メッシュ」とは、所定頻度よりも高い頻度でユーザが通過する位置に対応するメッシュであり、具体的には、図2の項目「走行」の項目「走行ルート」のリンクIDにおける、最も始点側のリンクID(つまり、図面最も左側のリンクID)及び最も終点側のリンクID(つまり、図面最も右側のリンクID)以外のリンクIDの中で、「所定頻度」よりも高い頻度で出現しているリンクIDに対応するメッシュである。なお、「所定頻度」については、任意に設定することができるが、ここでは、例えば、センター装置2の負荷を軽減するために、高頻度通過メッシュが1つのみ選択されるように、「2」に設定されているものとして説明する。「始点メッシュ」とは、前述の探索始点に対応するメッシュであり、具体的には、図2の項目「探索」の項目「探索ルート」の探索ルートのうちの最も多く探索された探索ルート(以下、最多探索ルート)の探索始点に対応するメッシュである。「終点メッシュ」とは、前述の探索終点に対応するメッシュであり、具体的には、「最多探索ルート」の探索終点に対応するメッシュである。「探索ルートメッシュ」とは、前述の探索ルートに対応するメッシュであり、具体的には、「最多探索ルート」に対応するメッシュである。
ここでは、例えば、図1のセンター装置2のユーザ管理DB262の自宅位置特定情報に基づいて、自車両のユーザの自宅の位置を特定した上で、図4において、「自宅メッシュ」=「M13」のメッシュを特定する。また、図2の項目「探索」の項目「探索終点」の座標の平均値を演算し、図4においてこの演算結果に対応するメッシュとして、「目的地メッシュ」=「M4」のメッシュを特定する。また、図2の項目「走行」の項目「走行ルート」のリンクIDにおける、最も始点側のリンクID(つまり、「L11」、「L21」、「L11」、「L11」、「L31」)及び最も終点側のリンクID(つまり、「L15」、「L25」、「L15」、「L15」、「L35」)以外のリンクID(「L12」〜「L14」、「L22」〜「L24」、「L32」〜「L34」、「L42」、「L43」)の中で、「所定頻度」=「2」よりも高い頻度で出現しているリンクIDである「L14」を特定し、図4においてこの特定結果に対応するメッシュとして、「高頻度通過メッシュ」=「M15」のメッシュを特定する。また、図2の項目「探索」の項目「探索ルート」の探索ルートのうちの「L11、L12、L13、L14、L15」に対応する探索ルートを「最多探索ルート」として特定し、図4においてこの特定結果に対応するメッシュとして、「始点メッシュ」=「M21」のメッシュ、「終点メッシュ」=「M25」のメッシュ、及び「探索ルートメッシュ」=「M22」〜「M24」のメッシュを特定する。
次に、センター装置2の設定部271は、前述の特定した重要メッシュに基づいて、各メッシュに対して使用重要度を設定する。なお、使用重要度の設定手法については、重要メッシュの使用重要度の値が最小となり、重要メッシュに近い位置のメッシュほど使用重要度の値が小さくなるように設定する手法である限りにおいて任意の手法を用いることができるが、ここでは、例えば、重要メッシュの「使用重要度」=「1」、重要メッシュの周囲のメッシュ(以下、第1周囲メッシュ)の「使用重要度」=「2」、第1周囲メッシュの周囲のメッシュ(以下、第2周囲メッシュ)の「使用重要度」=「3」、第2周囲メッシュの周囲のメッシュ(以下、第3周囲メッシュ)の「使用重要度」=「4」に設定する手法を用いる場合について説明する。なお、ここでの「周囲」とは、図4の上下方向又は左右方向において隣り合っていることを示しているものであり、上下方向又は左右方向以外の斜め方向において隣り合っていることを示しておらず、例えば、「M13」のメッシュの周囲のメッシュは、上下方向において「M13」のメッシュと隣り合っている「M8」のメッシュ及び「M18」のメッシュ、及び左右方向において「M13」のメッシュと隣り合っている「M12」のメッシュ及び「M14」のメッシュである。つまり、斜め方向において「M13」のメッシュと隣り合っている「M7」、「M9」、「M17」、及び「M19」各々のメッシュについては、「M13」のメッシュの周囲のメッシュには含まれないことになる。なお、前述の使用重要度の設定手法において、1つのメッシュ(以下、設定対象メッシュ)に対して設定される使用重要度の候補が複数あげられる場合(例えば、重要メッシュが複数存在する場合において、各重要メッシュに対するメッシュ単位での相対距離が異なっている場合等)が考えられるが、この場合においても、1つのメッシュに対して1つの使用重要度が設定されるように、以下に示す第1例又は第2例のように設定してもよい。第1例は、「設定対象メッシュ」への設定の候補となる使用重要度の数値を考慮して設定するものであり、具体的には、「設定対象メッシュ」への設定の候補となる使用重要度の数値のうちの最小の数値を設定するものである。また、第2例は、設定される使用重要度の値が互いに同じメッシュを「設定対象メッシュ」として順次設定するものであり、具体的には、設定される使用重要度の数値が小さいものほど先に設定される順番にて、順次使用重要度を設定して確定する(つまり、例えば、重要メッシュの使用重要度を設定して確定し、この後に、第1周囲メッシュの使用重要度を設定して確定し、この後に、第2周囲メッシュの使用重要度を設定して確定し、この後に、第3周囲メッシュの使用重要度を設定して確定する)ものである。そして、ここでは、例えば、図4に示すように、各メッシュに対して使用重要度を設定することにより、走行推定テーブルを生成して、生成した走行推定テーブルを図1のユーザ管理DB262に記録する。
(処理−更新順位テーブル生成処理)
次に、更新順位テーブル生成処理について説明する。図5は、更新順位テーブル生成処理のフローチャートである。「更新順位テーブル生成処理」とは、図1のセンター装置2におけるユーザ管理DB262に記録されている更新順位テーブルを生成(又は更新)する処理である。この更新順位テーブル生成処理を実行するタイミングは任意のタイミングであるが、例えば、センター装置2に対して新たに地図情報が登録された場合、すなわち、通信部21又は不図示の入力手段を介して、地図情報DB261に対して最新バージョンの地図情報が記録された場合、に起動されて実行するものとして、当該処理が起動したところから説明する。
まず、図5に示すように、SB1においてセンター装置2の生成部272は、走行推定テーブルを取得する。具体的には、図1のセンター装置2のユーザ管理DB262に記録されている走行推定テーブルを取得する。ここでは、例えば、図4の走行推定テーブルを取得する。
次に、SB2においてセンター装置2の生成部272は、走行可能性ルートを生成する。具体的には、SB1で取得した走行推定テーブルに基づいて、図1の車載装置1の地図情報DB161における地図情報のバージョンと同じバージョンの地図情報での走行可能性ルート(以下、旧走行可能性ルート)と、センター装置2の地図情報DB261における最新バージョンの地図情報での走行可能性ルート(以下、新走行可能性ルート)と、を生成する。
旧走行可能性ルートの生成について具体的には、まず、SB1において取得した走行推定テーブルにおいて、端点メッシュを特定する。ここで、「端点メッシュ」とは、前述の「走行可能性ルート」の端点(つまり、始点又は終点)を含んでいるメッシュである。この端点メッシュの特定手法については、走行推定テーブルにおいて「使用重要度」=「1」のメッシュから特定する手法である限りにおいて任意の手法を用いることができるが、ここでは、例えば、図3のSA3において特定した重要メッシュに関する情報(つまり、「自宅メッシュ」=「M13」のメッシュ、「目的地メッシュ」=「M4」のメッシュ、「高頻度通過メッシュ」=「M15」のメッシュ、「始点メッシュ」=「M21」のメッシュ、「終点メッシュ」=「M25」のメッシュ、及び「探索ルートメッシュ」=「M22」〜「M24」のメッシュを特定する情報)が図1のセンター装置2の記録部26に記録されているものとして、この記録されている重要メッシュに関する情報における「探索ルートメッシュ」を除いたもの全て(つまり、自宅メッシュ、目的地メッシュ、高頻度通過メッシュ、始点メッシュ、及び終点メッシュ)を端点メッシュとして特定するものとして、以下説明する。
次に、センター装置2のユーザ管理DB262の「バージョン特定情報」を参照して、車載装置1の地図情報DB161における地図情報のバージョンを特定し、特定したバージョンの地図情報をセンター装置2の地図情報DB261から取得する。ここでは、例えば、「車載装置1の地図情報DB161における地図情報」=「バージョン3」を特定し、「バージョン3」の地図情報を取得する。
次に、前述の特定した端点メッシュから2つの端点メッシュを取得し、取得した端点メッシュ各々における中央の位置を端点として特定し、図2の項目「探索」の項目「探索種別」において、最も多く用いられている探索種別(以下、最多探索種別)を特定し、特定した「最多探索種別」が反映されるように、前述の取得した地図情報において、前述の特定した中央の位置各々の相互間における旧走行可能性ルートを生成する。そして、ここでの取得する2つの端点メッシュについては、前述の特定した端点メッシュの全ての組合せを取得してもよいし、一部の組合せを取得してもよいが、ここでは例えば、前述の特定した端点メッシュのうちの「M21」のメッシュ及び「M25」のメッシュの組合せ以外の組合せを取得して、旧走行ルートを生成するものとして、以下説明する。また、ここでの、旧走行可能性ルートの生成については、公知のルート生成(探索)手法を用いることができるので、詳細の説明については省略する。図6は、走行可能性ルートを例示する図である。ここでは、例えば、図2の項目「探索」の項目「探索種別」=「時間」が反映されるように(走行する時間が最短になるルートを選択するように)、「バージョン3」の地図情報において、図6に示すように、「M13」のメッシュの端点と「M4」のメッシュの端点との間の、所要時間が「30(分)」の旧走行可能性ルート(以下、第1旧走行可能性ルート)を生成する。また、第1旧走行可能性ルートの生成と同様にして、図4の「M13」のメッシュの端点と「M21」のメッシュの端点との間の旧走行可能性ルート(以下、第2旧走行可能性ルート)、「M13」のメッシュの端点と「M25」のメッシュの端点との間の旧走行可能性ルート(以下、第3旧走行可能性ルート)、「M13」のメッシュの端点と「M15」のメッシュの端点との間の旧走行可能性ルート(以下、第4旧走行可能性ルート)、「M4」のメッシュの端点と「M21」のメッシュの端点との間の旧走行可能性ルート(以下、第5旧走行可能性ルート)、「M4」のメッシュの端点と「M15」のメッシュの端点との間の旧走行可能性ルート(以下、第6旧走行可能性ルート)、「M15」のメッシュの端点と「M25」のメッシュの端点との間の旧走行可能性ルート(以下、第7旧走行可能性ルート)、「M4」のメッシュの端点と「M25」のメッシュの端点との間の旧走行可能性ルート(以下、第8旧走行可能性ルート)、「M15」のメッシュの端点と「M21」のメッシュの端点との間の旧走行可能性ルート(以下、第9旧走行可能性ルート)を生成する。
また、新走行可能性ルートの生成について具体的には、まず、旧走行可能性ルートを生成する場合と同様にして、端点メッシュを特定する。次に、最新バージョンの地図情報をセンター装置2の地図情報DB261から取得する。ここでは、例えば、「バージョン4」の地図情報を取得する。次に、旧走行可能性ルートを生成する場合と同様にして、「バージョン4」の地図情報において、図6に示す所要時間が「15(分)」の第1新走行可能性ルートを含む第1〜第9新走行可能性ルートを生成する。なお、第1〜第9新走行可能性ルート各々については、端点が第1〜第9旧走行可能性ルートの端点と同様なものであるものとする。
図5に戻って、SB3においてセンター装置2の推定部273は、効果を推定する。具体的には、SB2で生成した走行可能性ルートに関する効果であって、地図情報を更新することによってユーザにもたらされる効果を推定する。このユーザにもたらされる効果の推定手法については、任意の手法を用いることができるが、ここでは、例えば、SB2で生成した旧走行可能性ルート及び新走行可能性ルートのうちの、同じ端点間の旧走行可能性ルート及び新走行可能性ルート相互間における、前述の「最多探索種別」に対応する効果の大小を推定する手法を用いるものとして、以下説明する。なお、「最多探索種別に対応する効果の大小」とは、最多探索種別を基準とした効果の大小であって、旧走行可能性ルート及び新走行可能性ルート相互間における効果の大小であり、具体的には、「最多探索種別」=「時間」の場合には、所要時間が短い方が「効果大」となり、所要時間が長い方が「効果小」となるものであり、「最多探索種別」=「距離」の場合には、所要距離が短い方が「効果大」となり、所要距離が長い方が「効果小」となるものであり、「最多探索種別」=「燃費」の場合には、燃費が良い(つまり、所定量の燃料にて走行可能な距離が長い)方が「効果大」となり、燃費が悪い(つまり、所定量の燃料にて走行可能な距離が短い)方が「効果大」となるものである。効果の推定について、より詳細には、まず、SB2で生成した同じ端点間の旧走行可能性ルート及び新走行可能性ルートであって、未だ効果の推定が行われていない旧走行可能性ルート及び新走行可能性ルート(以下、未推定走行可能性ルート)を一組取得する。次に、図2の項目「探索種別」に対応する情報を参照して「最多探索種別」を特定し、特定した「最多探索種別」に対応する指標(具体的には、「最多探索種別」=「時間」に対する「指標」=「所要時間」、「最多探索種別」=「距離」に対する「指標」=「所要距離」、又は「最多探索種別」=「燃費」に対する「指標」=「所定量の燃料にて走行可能な距離」)を、前述の取得した未推定走行可能性ルートにおいて取得し、取得した指標に基づいて、旧走行可能性ルート及び新走行可能性ルート相互間の効果の大小を推定する。
ここでは、例えば、図6に示す第1旧走行可能性ルート及び第1新走行可能性ルートを未推定走行可能性ルートとして取得する。次に、図2の項目「探索種別」に対応する情報を参照して「最多探索種別」=「時間」を特定し、「最多探索種別」=「時間」に対応する指標として「第1旧走行可能性ルート」=「30(分)」及び「第1新走行可能性ルート」=「15(分)」を取得する。そして、「第1新走行可能性ルート」=「15(分)」の方が、「第1旧走行可能性ルート」=「30(分)」よりも短いので、「第1新走行可能性ルート」=「効果大」及び「第1旧走行可能性ルート」=「効果小」を推定する。
図5に戻って、SB4においてセンター装置2の決定部274は、使用重要度を更新する。具体的には、SB3で推定した効果を取得し、取得した効果に基づいて、SB1で取得した走行推定テーブルの使用重要度を更新する。この使用重要度の更新手法については、SB3にて「効果大」と推定した走行ルートを含むメッシュの数値を減少させる手法である限りにおいて任意の手法を用いることができるが、ここでは、例えば、SB3にて「効果大」と推定した走行ルートを含むメッシュであって、端点メッシュを除くメッシュ(以下、単に「効果大のメッシュ」)の使用重要度の数値を「1」減少させ、SB3にて「効果小」と推定した走行ルートを含むメッシュであって、端点メッシュを除くメッシュ(以下、単に「効果小のメッシュ」)の使用重要度の数値を「1」増加させる手法を用いるものとして、以下説明する。なお、効果大のメッシュと効果小のメッシュとが同一のメッシュとなった場合には(例えば、一般道路の上に高速道路が新設される等した場合には)、当該同一のメッシュの使用重要度の数値を「1」減少させるものとする。また、SB1において取得した走行推定テーブル(つまり、未だ使用重要度が更新されていない状態)において、例えば、所定値(ここでは、「3」)以上の使用重要度のメッシュ(以下、低重要度メッシュ)については、ユーザに用いられる可能性が比較的低いことを考慮して、このSB4を実行する毎に、使用重要度の数値を「1」増加させるものとする。
図7は、使用重要度の更新例である。ここでは、例えば、SB3で推定した「第1新走行可能性ルート」=「効果大」及び「第1旧走行可能性ルート」=「効果小」を取得し、図7に示すように、「効果大のメッシュ」である「M3」のメッシュ及び「M8」のメッシュの使用重要度を「2」から「1」に更新し、また、「効果小のメッシュ」である「M9」のメッシュ及び「M14」のメッシュの使用重要度を「2」から「3」に更新し、また、「低重要度メッシュ」である「M1」のメッシュ及び「M6」のメッシュの使用重要度を「4」から「5」に更新し、また、「低重要度メッシュ」である「M2」のメッシュ、「M7」のメッシュ、及び「M11」のメッシュの使用重要度を「3」から「4」に更新する。
図5に戻って、SB5においてセンター装置2の制御部27は、SB2で生成した走行可能性ルート全てについて、SB3及びSB4の処理を行ったか否かを判定する。具体的には、SB3及びSB4の処理を行った走行可能性ルートに、処理済みを示す処理済みフラグ等を設定し、当該処理済フラグが未設定の走行可能性ルート(つまり、前述の未推定走行可能性ルート)が存在するか否かに基づいて判定する。そして、処理済フラグが未設定の走行可能性ルートが存在する場合には、SB2で生成した走行可能性ルート全てについて、SB3及びSB4の処理を行ったわけではない(つまり、SB2で生成した走行可能性ルートにおいて、SB3及びSB4の処理を行っていないものがある)ものと判定し(SB5のNO)、SB2で生成した走行可能性ルート全てについて、SB3及びSB4の処理が行われるまで、繰り返しSB3及びSB4の処理を行う。また、処理済フラグが未設定の走行可能性ルートが存在しない場合には、SB2で生成した走行可能性ルート全てについて、SB3及びSB4の処理を行ったものと判定し(SB5のYES)、SB6に移行する。図8は、使用重要度の更新例である。ここでは、例えば、SB2で生成した第1〜第9旧走行可能性ルート及び第1〜第9新走行可能性ルートの全てについて、SB3及びSB4の処理を行った場合、図8に示すように使用重要度を更新した後、SB6に移行する。
図5に戻って、SB6においてセンター装置2の決定部274は、更新順位テーブルを記録した後、処理を終了する。具体的には、SB3及びSB4の処理によって使用重要度が更新された最終の走行推定テーブルを、更新順位テーブルとして図1のセンター装置2におけるユーザ管理DB262に記録する。ここでは、例えば、図8に示す走行推定テーブルを、更新順位テーブルとして記録する。
(処理−地図情報更新処理)
次に、地図情報更新処理について説明する。図9は、地図情報更新処理のフローチャートである。「地図情報更新処理」とは、「更新情報配信システム100の車載装置」における地図情報を更新する処理である。この地図情報更新処理を実行するタイミングは任意のタイミングであるが、例えば、センター装置2に対して新たに地図情報が登録された場合、すなわち、通信部21又は不図示の入力手段を介して、地図情報DB261に対して最新バージョンの地図情報が記録された場合、に起動されて実行するものとして、当該処理が起動したところから説明する。なお、ここでは、図1の車載装置1における地図情報DB161に記録されている地図情報を更新する場合について説明する。
まず、図9に示すように、SC1においてセンター装置2の配信部275は、更新対象区画が存在するか否かを判定する。ここで、「更新対象区画」とは、図1の車載装置1の地図情報DB161における地図情報の更新対象となる区画であり、具体的には、自車両のユーザの自宅周辺のメッシュ(つまり、例えば、前述の25個分のメッシュ)のうちの、センター装置2の地図情報DB261における最新バージョンよりも古いバージョンのメッシュである。判定について具体的には、まず、センター装置2のユーザ管理DB262のバージョン特定情報を取得し、取得したバージョン特定情報が特定するバージョンと、センター装置2の地図情報DB261における最新バージョンと、を自車両のユーザの自宅周辺のメッシュ毎に比較する。そして、取得したバージョン特定情報が特定する自宅周辺の全てのメッシュのバージョンが最新バージョンである場合には、更新対象区画が存在しないものと判定し(SC1のNO)、処理を終了する。また、取得したバージョン特定情報が特定する自宅周辺の全てのメッシュのバージョンが最新バージョンであるわけではない場合(つまり、自宅周辺のメッシュに、最新バージョンでないメッシュが含まれている場合)には、更新対象区画が存在するものと判定し(SC1のYES)、SC2に移行する。ここでは、例えば、「走行推定テーブル生成処理」において説明したように、自宅周辺の全メッシュが「バージョン3」であり、最新バージョンである「バージョン4」よりも古いので、更新対象区画が存在するものと判定してSC2に移行する。
図9に戻って、SC2においてセンター装置2の配信部275は、更新順位テーブルが存在するか否かを判定する。具体的には、図1のユーザ管理DB262に更新順位テーブルが記録されているか否かに基づいて判定する。そして、ユーザ管理DB262に更新順位テーブルが記録されている場合、更新順位テーブルが存在するものと判定し(SC2のYES)、SC3に移行する。また、ユーザ管理DB262に更新順位テーブルが記録されていない場合、更新順位テーブルが存在しないものと判定し(SC2のNO)、SC8に移行する。ここでは、例えば、前述の「更新順位テーブル生成処理」が実行済である場合には、SC3に移行し、「更新順位テーブル生成処理」が実行済でない場合には、SC8に移行する。
図9に戻って、SC3においてセンター装置2の決定部274は、地図情報の各メッシュ相互間において、地図情報を更新する優先順位を決定する。具体的には、図1のユーザ管理DB262の更新順位テーブルの使用重要度に基づいて、地図情報を更新する優先順位を決定する。この優先順位の決定手法については、使用重要度の数値が小さいものほど優先順位が高くなる手法である限りにおいて任意の手法を用いることができる。ここでは、例えば、優先順位としての数値が小さいものほど優先順位が高いことを示すものとして、図8の場合には、「使用重要度」=「1」〜「5」に対して「優先順位」=「1」〜「5」、「使用重要度」=「10」に対して「優先順位」=「6」、及び「使用重要度」=「11」に対して「優先順位」=「7」を決定する。
図9に戻って、SC4においてセンター装置2の配信部275は、更新情報を生成する。具体的には、まず、自車両のユーザの自宅周辺のメッシュにおける未だ地図情報を更新していないメッシュ(つまり、未だ更新情報の生成対象となっていないメッシュ)のうちの、優先順位が最も高いメッシュを1つのみ特定する。次に、特定したメッシュについての、図1の車載装置1の地図情報DB161の地図情報と地図情報DB262の最新バージョンの地図情報との差分を特定し、特定した差分に対応する更新情報であって前述の特定したメッシュに対応する更新情報を生成する。ここでは、例えば、図8の場合には、「M3」のメッシュを特定し、車載装置1の地図情報DB161の「バージョン3」の地図情報と最新バージョンである「バージョン4」の地図情報との差分を特定し、特定した差分に対応する更新情報であって「M3」のメッシュに対応する更新情報を生成する。
図9に戻って、SC5においてセンター装置2の配信部275は、更新情報を配信する。具体的には、図1のSC4で生成した更新情報を車載装置1の装置IDと共に、通信部21を介して、車載装置1に送信して配信する。ここでは、例えば、SC4で生成した「M3」のメッシュに対応する更新情報及び「ID1」を配信する。
一方、車載装置1については、記録部16に自己の装置ID(つまり、「ID1」)が記録されているものとし、車載装置1の制御部17は、センター装置2から配信された更新情報及び装置IDを、通信部11を介して受信し、受信した装置IDが自己の装置ID(つまり、「ID1」)であるか否かを記録部16に記録されている装置IDを参照して判定し、受信した装置IDが自己の装置IDであると判定した場合には、受信した更新情報が反映されるように、地図情報DB161の地図情報を更新する。そして、車載装置1の制御部17は、地図情報DB161の地図情報の更新の進捗を監視し、更新が終了した場合に、更新が終了したことを示す情報である更新終了情報を自己の装置IDと共に、通信部11を介して、センター装置2に送信する。ここでは、例えば、車載装置1の制御部17は、「M3」のメッシュに対応する更新情報及び「ID1」を受信し、受信した「ID1」が自己の装置IDであるものと判定した上で、受信した「M3」のメッシュに対応する更新情報が反映されるように、地図情報DB161の地図情報を更新し、更新が終了した場合に、更新終了情報及び「ID1」を送信する。
図9に戻って、SC6においてセンター装置2の配信部275は、更新終了情報を受信したか否かを判定する。具体的には、図1の通信部21を監視することにより、図9のSC5で配信した装置IDと一致する装置IDと共に送信された更新終了情報を受信したか否かを判定する。そして、SC5で配信した装置IDと一致する装置IDと共に送信された更新終了情報を受信しなかった場合、更新終了情報を受信しなかったものと判定し(SC6のNO)、SC5で配信した装置IDと一致する装置IDと共に送信された更新終了情報を受信するまで、繰り返しSC6の処理を行う。また、SC5で配信した装置IDと一致する装置IDと共に送信された更新終了情報を受信した場合、更新終了情報を受信したものと判定し(SC6のYES)、SC7に移行する。ここでは、例えば、更新終了情報及び「ID1」を受信した場合、更新終了情報を受信したものと判定してSC7に移行する。
次に、SC7においてセンター装置2の配信部275は、SC1で判定した更新対象区画全てについて、地図情報の更新が終了したか否かを判定する。具体的には、SC4において更新情報の生成対象となったメッシュのメッシュIDを、SC4を実行する毎に制御部27のメモリに記録することとし、当該メモリに更新対象区画に対応するメッシュのメッシュIDが全て記録されたか否かに基づいて、地図情報の更新が終了したか否かを判定する。そして、制御部27のメモリに更新対象区画に対応するメッシュのメッシュIDが全て記録されたわけではない場合、SC1で判定した更新対象区画全てについての地図情報の更新が終了したわけではない(つまり、SC1で判定した更新対象区画において、地図情報の更新が終了していない区画がある)ものと判定し(SC7のNO)、制御部27のメモリに更新対象区画に対応するメッシュのメッシュIDが全て記録されるまで、SC4〜SC7の処理を繰り返し行う。また、制御部27のメモリに更新対象区画に対応するメッシュのメッシュIDが全て記録された場合、SC1で判定した更新対象区画全てについての地図情報の更新が終了したものと判定し(SC7のYES)、処理を終了する。ここでは、例えば、図8の「M1」〜「M25」のメッシュについて、図9のSC3で決定した優先順位に従って、決定した優先順位の値が小さいものほど先に処理が行われるように、SC4〜SC7の処理を順次行って、図8の「M1」〜「M25」のメッシュ全てについて地図情報の更新が終了した後に、処理を終了する。
また、図9のSC2において更新順位テーブルが存在しないものと判定した(SC2のNO)後に移行したSC8において、センター装置2の配信部275は、更新情報を生成する。具体的には、SC3の優先順位の決定がなされなかった場合に一律に用いられる更新順序であってメッシュの更新順序(例えば、図8の「M1」〜「M25」の順で更新すること等)が予め定められているものとし、自車両のユーザの自宅周辺のメッシュにおける未だ地図情報を更新していないメッシュから、当該更新順序に従ってメッシュを1つのみ特定する。そして、特定したメッシュについての更新情報を、図9のSC4と同様にして生成する。ここでは、例えば、図8の「M1」のメッシュを特定し、車載装置1の地図情報DB161の「バージョン3」の地図情報と最新バージョンである「バージョン4」の地図情報との差分を特定し、特定した差分に対応する更新情報であって「M1」のメッシュに対応する更新情報を生成する。
次に、SC9〜S11においてセンター装置2の配信部275は、SC5〜SC7と同様な処理を行った後、処理終了する。ここでは、例えば、図8の「M1」〜「M25」のメッシュについて、一律に用いられる更新順序にて、SC4〜SC7の処理を順次行って、図8の「M1」〜「M25」のメッシュ全てについて地図情報の更新が終了した後に、処理を終了する。
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、地図情報を更新することによってユーザにもたらされる効果に基づいて、ユーザが用いる可能性に対応する使用重要度を更新することにより、地図情報を更新する優先順位を地図情報のメッシュ毎に決定することから、例えば、ユーザが用いる可能性を考慮して更新情報を配信することができるので、地図情報についてのユーザの更新ニーズに応じた順序で更新情報を配信することが可能となり、また、地図情報を更新するためのユーザからの要求である更新要求を受信したか否かに関わらず更新情報を配信することができるので、地図情報を更新するための負荷を低減させることが可能となる。
また、ユーザ管理DB262が格納している探索種別特定情報に基づいて、地図情報を更新することよってユーザにもたらされる効果を推定することから、例えば、ユーザの更新ニーズに対応する効果を適切に推定することができるので、地図情報についてのユーザの更新ニーズに応じた適切な順序で更新情報を配信することができる。
また、自宅メッシュ、目的地メッシュ、高頻度通過メッシュ、始点メッシュ、又は終点メッシュのうちの、少なくとも2つの基準区画相互間の走行可能性ルートを生成部272が生成するように、地図情報のメッシュ毎の使用重要度を設定することから、例えば、ユーザが実際に移動する可能性が比較的高い移動ルートに基づいて地図情報を更新する優先順位を決定することができるので、ユーザに特に有用な更新情報から順次配信することができる。
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係る更新情報配信システムを用いて行われる更新のための負荷の低減量及び更新ニーズに応じた順序での更新情報の配信の適切さが従来と同程度であっても、従来と異なる構造により従来と同程度の負荷の低減量及び更新情報の配信の適切さを有している場合には、本願発明の課題は解決されている。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。例えば、センター装置2の制御部27における設定部271、生成部272、推定部273、決定部274、及び配信部275のうちの少なくとも一部を、車載装置1に設けてもよい。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(更新順位テーブル生成処理について)
また、上記実施の形態では、図5のSB2での走行可能性ルートの生成については、図8の「使用重要度」=「1」のメッシュのうちの、探索ルートメッシュ(つまり、「M22」〜「M24」のメッシュ)以外のメッシュ全てを端点メッシュとして特定した上で、特定した端点メッシュ相互間全てについて走行可能性ルート(つまり、第1〜第9旧走行可能性ルート及び第1〜第9新走行可能性ルート)を生成する場合について説明したが、これに限られない。例えば、図8の「使用重要度」=「1」のメッシュ全てを端点メッシュとして特定した上で、特定した端点メッシュ相互間全てについて走行可能性ルートを生成してもよいし、「使用重要度」=「1」のメッシュのうちの2個以上の任意の数のメッシュを端点メッシュとして特定した上で、特定した端点メッシュ相互間全てについて走行可能性ルートを生成してもよい。そして、この生成した走行可能性ルートに基づいて、実施の形態に記載した場合と同様にして、図5のSB3〜SB6を行ってもよい。
また、上記実施の形態では、図5のSB2及びSB3において相互に同一の探索種別特定情報を用いる場合について説明したが、これに限られない。例えば、ユーザの更新ニーズに沿うように任意に選択した互いに異なる探索種別特定情報を、SB2及びSB3において用いてもよい。
また、上記実施の形態では、図5のSB4での使用重要度の更新については、使用重要度の数値を「1」だけ変化(増加又は減少)させる場合について説明したが、これに限られない。例えば、「2」以上変化させてもよいし、また、ユーザの更新ニーズに基づいて端点メッシュに毎に重みづけを行って、行った重みづけに対応する数だけ変化させてもよい。
(地図情報更新処理について)
また、上記実施の形態では、図9のSC4及びSC5については、メッシュ1個分ずつ順次処理を行う場合について説明したが、これに限られない。例えば、メッシュ2個以上の予め定められた複数個分ずつSC4及びSC5を行ってもよい。
また、上記実施の形態では、図9のSC4〜SC7については、SC1における更新対象区画に対応するメッシュ全てについて処理する場合について説明したが、これに限られない。例えば、SC3において決定した優先順位の数値が所定値(例えば、「3」等)以下であるメッシュのみ(つまり、優先順位が高いメッシュのみ)について、SC4〜SC7を行ってもよい。このように構成した場合、図1のセンター装置2の負荷を低減することができる。
また、上記実施の形態における図9のSC3及びSC4と同様な処理を、図9の「地図情報更新処理」とは別に、当該「地図情報更新処理」を実行する前に行って、図8の各メッシュに対応する更新情報を事前に生成するように構成した上で、図9の「地図情報更新処理」を実行する場合、SC3及びSC4を省略してもよい。このように構成した場合、「地図情報更新処理」の処理時間を短縮することにより、図1の車載装置1の地図情報DB161の地図情報を迅速に更新することが可能になる。
(探索種別特定情報について)
また、上記実施の形態では、図2の探索種別特定情報(つまり、項目「探索種別」に対応する情報)として「時間」、「距離」、及び「燃費」を用いる場合について説明したが、これに限られない。例えば、探索種別特定情報として「一般道路」、及び「有料道路」を用いてもよい。ここで、探索種別特定情報として「一般道路」は、探索するルートの全長における一般道路の長さの割合が最大になるようにルートを探索することに対応し、探索種別特定情報として「有料道路」は、探索するルートの全長における有料道路の長さの割合が最大になるようにルートを探索することに対応している。そして、探索種別特定情報として「一般道路」、及び「有料道路」を用いた場合における図5のSB3での効果の推定については、「探索種別特定情報」=「一般道路」に基づいて効果を推定する場合、旧走行可能性ルート及び新走行可能性ルート相互間において、ルートの全長における一般道路の長さの割合が大きい方が「効果大」となり、当該割合が小さい方が「効果小」となるように推定し、「探索種別特定情報」=「有料道路」に基づいて効果を推定する場合、旧走行可能性ルート及び新走行可能性ルート相互間において、ルートの全長における有料道路の長さの割合が大きい方が「効果大」となり、当該割合が小さい方が「効果小」となるように推定するものとする。
(配信対象について)
また、上記実施の形態では、図9の地図情報更新処理での配信対象が更新情報である場合について説明したが、これに限られない。例えば、上記実施の形態の技術の「一時配信情報」の配信に適用して、図9の処理において一時配信情報を配信してもよい。ここで、「一時配信情報」とは、案内のために一時的に使用される情報であり、具体的には、最新バージョンの地図情報に対応する情報であり、図1の車載装置1の地図情報DB161の地図情報の更新が完了するまでの間に一時的に用いられる情報である。
〔実施の形態の特徴と効果の一部〕
最後に、これまでに説明した実施の形態の特徴と効果の一部を、以下に例示する。ただし、実施の形態の特徴と効果は、以下の内容に限定されず、以下の特徴の一部のみを具備することによって以下の効果の一部のみを奏する場合や、以下の特徴以外の他の特徴を具備することによって以下の効果以外の他の効果を奏する場合がある。
実施の形態の1つの側面1に係る更新情報配信システムは、ユーザの地図情報を更新するための更新情報を、前記地図情報の基準区画毎に配信する更新情報配信システムであって、ユーザの移動に関する履歴情報を格納する履歴情報格納手段と、前記履歴情報格納手段が格納している履歴情報に基づいて、前記地図情報をユーザが用いる可能性に対応する重要度を、前記地図情報の基準区画毎に設定する設定手段と、前記設定手段が設定した前記地図情報の基準区画毎の重要度に基づいて、前記地図情報の基準区画間においてユーザが移動する可能性がある移動ルートを生成する生成手段と、前記生成手段が生成した移動ルートに関する効果であって、前記地図情報を更新することによってユーザにもたらされる効果を推定する推定手段と、前記推定手段が推定した効果に基づいて、前記設定手段が設定した前記地図情報の基準区画毎の重要度を更新することにより、前記地図情報を更新する優先順位を前記地図情報の基準区画毎に決定する決定手段と、前記決定手段が決定した前記地図情報の基準区画毎の優先順位に基づいて、前記更新情報を前記地図情報の基準区画毎に順次配信する配信手段とを備える。
上記側面1に係る更新情報配信システムによれば、地図情報を更新することによってユーザにもたらされる効果に基づいて、ユーザが用いる可能性に対応する重要度を更新することにより、地図情報を更新する優先順位を地図情報の基準区画毎に決定することから、例えば、ユーザが用いる可能性を考慮して更新情報を配信することができるので、地図情報についてのユーザの更新ニーズに応じた順序で更新情報を配信することが可能となり、また、地図情報を更新するためのユーザからの要求である更新要求を受信したか否かに関わらず更新情報を配信することができるので、地図情報を更新するための負荷を低減させることが可能となる。
実施の形態の他の側面2に係る更新情報配信システムは、上記側面1に係る更新情報配信システムにおいて、前記履歴情報格納手段は、少なくとも、ユーザが探索した移動ルートの探索種別を特定する探索種別特定情報を、前記履歴情報として格納し、前記推定手段は、前記履歴情報格納手段が格納している前記探索種別特定情報に基づいて、前記地図情報を更新することよってユーザにもたらされる効果を推定する。
上記側面2に係る更新情報配信システムによれば、履歴情報格納手段が格納している探索種別特定情報に基づいて、地図情報を更新することよってユーザにもたらされる効果を推定することから、例えば、ユーザの更新ニーズに対応する効果を適切に推定することができるので、地図情報についてのユーザの更新ニーズに応じた適切な順序で更新情報を配信することができる。
実施の形態の他の側面3に係る更新情報配信システムは、上記側面1又は2に係る地図更新配信システムにおいて、前記設定手段は、ユーザの自宅の位置に対応する前記地図情報の基準区画である自宅基準区画、ユーザの移動の目的地に対応する前記地図情報の基準区画である目的地基準区画、所定頻度よりも高い頻度でユーザが通過する位置に対応する前記地図情報の基準区画である高頻度通過基準区画、ユーザが探索した移動ルートの始点に対応する前記地図情報の基準区画である始点基準区画、又はユーザが探索した移動ルートの終点に対応する前記地図情報の基準区画である終点基準区画のうちの、少なくとも2つの基準区画相互間の移動ルートを前記生成手段が生成するように、前記地図情報の基準区画毎の重要度を設定する。
上記側面3に係る更新情報配信システムによれば、自宅基準区画、目的地基準区画、高頻度通過基準区画、始点基準区画、又は終点基準区画のうちの、少なくとも2つの基準区画相互間の移動ルートを生成手段が生成するように、地図情報の基準区画毎の重要度を設定することから、例えば、ユーザが実際に移動する可能性が比較的高い移動ルートに基づいて地図情報を更新する優先順位を決定することができるので、ユーザに特に有用な更新情報から順次配信することができる。
実施の形態の他の側面4に係る更新情報配信方法は、ユーザの地図情報を更新するための更新情報を、前記地図情報の基準区画毎に配信する更新情報配信方法であって、設定手段が、履歴情報格納手段が格納しているユーザの移動に関する履歴情報に基づいて、前記地図情報をユーザが用いる可能性に対応する重要度を、前記地図情報の基準区画毎に設定する設定ステップと、生成手段が、前記設定ステップにおいて設定した前記地図情報の基準区画毎の重要度に基づいて、前記地図情報の基準区画間においてユーザが移動する可能性がある移動ルートを生成する生成ステップと、推定手段が、前記生成ステップにおいて生成した移動ルートに関する効果であって、前記地図情報を更新することによってユーザにもたらされる効果を推定する推定ステップと、決定手段が、前記推定ステップにおいて推定した効果に基づいて、前記設定ステップにおいて設定した前記地図情報の基準区画毎の重要度を更新することにより、前記地図情報を更新する優先順位を前記地図情報の基準区画毎に決定する決定手段と、配信手段が、前記決定ステップにおいて決定した前記地図情報の基準区画毎の優先順位に基づいて、前記更新情報を前記地図情報の基準区画毎に順次配信する配信ステップとを含む。
上記側面4に係る更新情報配信方法によれば、地図情報を更新することによってユーザにもたらされる効果に基づいて、ユーザが用いる可能性に対応する重要度を更新することにより、地図情報を更新する優先順位を地図情報の基準区画毎に決定することから、例えば、ユーザが用いる可能性を考慮して更新情報を配信することができるので、地図情報についてのユーザの更新ニーズに応じた順序で更新情報を配信することが可能となり、また、地図情報を更新するためのユーザからの要求である更新要求を受信したか否かに関わらず更新情報を配信することができるので、地図情報を更新するための負荷を低減させることが可能となる。
実施の形態の他の側面5に係る更新情報配信プログラムは、ユーザの地図情報を更新するための更新情報を、前記地図情報の基準区画毎に配信する更新情報配信プログラムであって、コンピュータを、履歴情報格納手段が格納しているユーザの移動に関する履歴情報に基づいて、前記地図情報をユーザが用いる可能性に対応する重要度を、前記地図情報の基準区画毎に設定する設定手段と、前記設定手段が設定した前記地図情報の基準区画毎の重要度に基づいて、前記地図情報の基準区画間においてユーザが移動する可能性がある移動ルートを生成する生成手段と、前記生成手段が生成した移動ルートに関する効果であって、前記地図情報を更新することによってユーザにもたらされる効果を推定する推定手段と、前記推定手段が推定した効果に基づいて、前記設定手段が設定した前記地図情報の基準区画毎の重要度を更新することにより、前記地図情報を更新する優先順位を前記地図情報の基準区画毎に決定する決定手段と、前記決定手段が決定した前記地図情報の基準区画毎の優先順位に基づいて、前記更新情報を前記地図情報の基準区画毎に順次配信する配信手段と、として機能させる。
上記側面5に係る更新情報配信プログラムによれば、地図情報を更新することによってユーザにもたらされる効果に基づいて、ユーザが用いる可能性に対応する重要度を更新することにより、地図情報を更新する優先順位を地図情報の基準区画毎に決定することから、例えば、ユーザが用いる可能性を考慮して更新情報を配信することができるので、地図情報についてのユーザの更新ニーズに応じた順序で更新情報を配信することが可能となり、また、地図情報を更新するためのユーザからの要求である更新要求を受信したか否かに関わらず更新情報を配信することができるので、地図情報を更新するための負荷を低減させることが可能となる。