JP6582844B2 - 運転状態検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転状態検知装置に関する。
従来、車両に設けられたセンサによって取得した情報に基づいて、ドライバの居眠り状態や、運転操作のふらつき状態等の車両の運転状態を判定することが行われている。例えば、特許文献1には、車両が備えるヨーレートセンサ及び車速センサが検出した車両のヨーレート及び車速に基づいて車両の走行軌跡を演算し、当該走行軌跡と、ナビゲーションシステムから取得した車両の走行路の道路線形とに基づいて、ドライバの居眠り状態を検知する装置が開示されている。
特開2010−102538号公報
しかしながら、センサによって演算した車両の走行軌跡は推定したものに過ぎず、正確な走行軌跡を得られるとは限らないという問題がある。このため、特許文献1における装置は、車両の運転状態を誤って検知するおそれがあるという問題が生じていた。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、車両の運転状態を精度良く検知することができる運転状態検知装置を提供することを目的とする。
本発明の運転状態検知装置は、車両の位置を示す車両位置情報を複数取得する第1取得手段と、前記車両が走行している道路の線形を示す線形情報を取得する第2取得手段と、前記車両位置情報と前記線形情報とに基づいて、前記車両の運転状態がふらつき状態であることを検知する検知手段とを備える。
このようにすることで、運転状態検知装置は、センサを用いて車両の位置を推定することなく車両の位置を示す車両位置情報を取得し、当該車両位置情報に基づいてふらつき状態を検知するので、車両の運転状態を精度良く検知することができる。
前記線形情報は、道路位置を示す道路位置情報を複数含み、前記検知手段は、複数の前記車両位置情報のそれぞれが示す車両の位置と、当該車両の位置に対応する道路位置との差の変化に基づいて、前記ふらつき状態を検知してもよい。
ふらつき状態である場合、車両が道路の中心線や白線と一定の間隔を保って走行せず、道路位置と車両の位置との差が大きく変化する。したがって、運転状態検知装置は、当該差の変化を用いることにより、正確にふらつき状態を検知することができる。
前記検知手段は、複数の前記車両位置情報に基づく前記車両の走行軌跡における頂点及び変曲点の少なくともいずれかを示す第1特徴点を抽出するとともに、前記線形情報に基づく前記道路の線形における頂点及び変曲点の少なくともいずれかを示す第2特徴点を抽出し、抽出した複数の前記第1特徴点と、複数の第2特徴点との関係に基づいて、前記ふらつき状態を検知してもよい。
このようにすることで、運転状態検知装置は、車両の走行軌跡及び道路の線形の形状の特徴を示す特徴点のみに基づいてふらつき状態を効率的に検知することができる。
前記検知手段は、複数の前記車両位置情報に基づく前記車両の走行軌跡に含まれる軌跡パターンと、前記線形情報に基づく前記道路の線形に含まれる線形パターンとに基づいて、前記ふらつき状態を検知してもよい。
このようにすることで、運転状態検知装置は、パターン同士を比較することで容易にふらつき状態を検知することができる。
前記検知手段は、複数の前記車両位置情報に基づく前記車両の走行軌跡を周波数解析するとともに、前記線形情報に基づく前記道路の線形を周波数解析し、それぞれの周波数分布の違いに基づいて前記ふらつき状態を検知してもよい。
このようにすることで、運転状態検知装置は、それぞれの周波数分布の違いに基づいてふらつきに対応する周波数成分を特定し、ふらつき状態を精度良く検知することができる。
本発明によれば、車両の運転状態を精度良く検知することができるという効果を奏する。
運転状態検知装置の構成を示す図である。 車両の位置と道路位置との差を算出する例を示す図である。 運転状態検知装置が、ふらつき状態を検知するときの処理の手順を示すフローチャートである。 軌跡パターンと線形パターンとに基づいてふらつき状態を検知する例を示す図である。 周波数分布の例を示す図である。
[運転状態検知装置10の構成]
以下、本発明の一実施形態に係る運転状態検知装置10について説明する。図1は、運転状態検知装置10の構成を示す図である。運転状態検知装置10は、例えば、車両1に搭載され、車両1の運転状態がふらつき状態であることを検知するコンピュータである。
運転状態検知装置10は、RAMやROM等を含んでいる記憶部11と、CPU(Central Processing Unit)等を含んでいる制御部12とを備える。
記憶部11は、制御部12を機能させるための各種のプログラムを記憶する。記憶部11は、車両1のナビゲーションシステムに用いられているデジタルマップ情報を記憶する。デジタルマップ情報には、道路の線形を示す線形情報が複数含まれている。複数の線形情報のそれぞれには、例えば、道路の中心線の位置や道路の車線位置に対応し、道路位置を示す道路位置情報が複数含まれている。本明細書における「線形」は、線の形状を意味しており、「道路の線形」は、道路の中心線又は車線の位置を結んだ線の形状を意味している。
制御部12は、図1に示すように、第1取得部121と、第2取得部122と、検知部123と、報知部124とを備える。
第1取得部121は、車両1の位置(以下、車両位置という。)を示す車両位置情報を複数取得する。具体的には、第1取得部121は、車両1のナビゲーションシステムに用いられている汎地球測位航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用することにより、所定時間(例えば、100ms)ごとに、人工衛星から車両位置情報を受信することにより、車両位置情報を複数取得する。
第2取得部122は、車両1が走行している道路の線形を示す線形情報を取得する。具体的には、第2取得部122は、第1取得部121が車両位置情報を取得すると、記憶部11に記憶されているデジタルマップ情報を参照し、取得した車両位置情報が示す車両位置に対応する道路位置情報を含む線形情報を取得する。第2取得部122は、例えば、複数の車両位置を結んで形成される線(以下、「走行軌跡」という)と、複数の道路位置情報が示す道路位置とを比較し、走行軌跡から所定の距離内にある道路位置を示す線形情報を取得する。第2取得部122は、車両位置に対応する道路位置情報を含む線形情報が複数存在する場合には、第1取得部121が取得した複数の車両位置情報に基づいて車両1の進行方向を特定し、方向が異なる複数の線形情報のうち、特定した進行方向に対応する線形情報を取得する。
なお、第2取得部122は、第1取得部121が車両位置情報を取得する時間間隔よりも長い時間間隔で線形情報を取得するようにしてもよい。
また、第2取得部122は、車両1が外部装置等と無線通信を行う通信部を備えている場合には、通信部を介して、外部装置から線形情報を取得してもよい。
検知部123は、取得した車両位置情報と線形情報とに基づいて、車両1の運転状態がふらつき状態であることを検知する。具体的には、検知部123は、複数の車両位置情報のそれぞれが示す車両位置と、第2取得部122が取得した線形情報に含まれる複数の道路位置のうち、当該車両位置に対応する道路位置との差を算出し、差の大きさに基づいて、運転状態がふらつき状態であることを検知する。
図2は、車両位置と道路位置との差を算出する例を示す図である。図2において、ラインLVは、車両1の走行軌跡であり、ラインLRは、車両1が走行した道路の線形である。ラインLVには、第1取得部121が取得した複数の車両位置情報のそれぞれに対応する車両位置PV1、PV2、PV3、PV4及びPV5が示されている。ラインLRには、線形情報に含まれている複数の道路位置PR1、PR2、PR3、PR4及びPR5が示されている。
検知部123は、複数の車両位置PV1、PV2、PV3、PV4及びPV5のそれぞれについて、最も近い道路位置との位置の差を算出する。図2に示す例では、検知部123は、車両位置PV1と道路位置PR1との差E1、車両位置PV2と道路位置PR2との差E2、車両位置PV3と道路位置PR3との差E3、車両位置PV4と道路位置PR4との差E4、車両位置PV5と道路位置PR5との差E5を算出する。
検知部123は、現在時刻から所定時間以内に取得された複数の車両位置情報のそれぞれについて算出した差の変化に基づいて、ふらつき状態を検知する。具体的には、検知部123は、現在時刻から所定時間以内に取得された複数の車両位置情報に対応する車両位置のそれぞれについて、隣接する車両位置に対して算出された2つの差の変化量を算出する。図2に示す例では、検知部123は、変化量として、差E1−差E2の絶対値、差E2−差E3の絶対値、差E3−差E4の絶対値、差E4−差E5の絶対値を算出する。
検知部123は、算出した複数の変化量の合計が、予め定められた所定量よりも大きい場合に、ふらつき状態を検知する。この場合において、検知部123は、算出した変化量の最大値が第1の閾値を超えているとともに、算出した変化量の最小値が第2の閾値以下であることを条件としてふらつき状態を検知してもよい。このようにすることで、運転状態検知装置10は、車両位置が、線形情報が示す道路の位置に対して大きく変化していることに基づいて、ふらつき状態を精度良く検知することができる。
報知部124は、検知部123がふらつき状態を検知したことに応じて、ふらつき状態を検知したことを車両1のドライバに報知する。例えば、報知部124は、車両1に設けられているスピーカ(不図示)からふらつき状態を検知したことを示す警告音声を出力したり、車両1に設けられているナビゲーションシステムのディスプレイ(不図示)にふらつき状態を検知したことを示す警告画面を表示させたりすることにより、車両1のドライバにふらつき状態を検知したことを報知する。
このようにすることで、運転状態検知装置10は、車両1のドライバにふらつき状態であることを認識させ、運転に集中させることができる。
[ふらつき状態の検知に係るフローチャート]
図3は、運転状態検知装置10が、ふらつき状態を検知するときの処理の手順を示すフローチャートである。
まず、第1取得部121は、車両位置情報を取得する(S10)。
続いて、第2取得部122は、S10において取得された車両位置情報に基づいて、記憶部11に記憶されているデジタルマップ情報から一の線形情報を取得する(S20)。
続いて、検知部123は、取得した線形情報に含まれている複数の道路位置のうち、S10において取得された車両位置情報が示す車両位置に対応する道路位置を特定する(S30)。
続いて、検知部123は、車両位置と、道路位置との差を算出する(S40)。
続いて、検知部123は、現在時刻から所定時間以内に取得された複数の車両位置情報のそれぞれについて算出した差の変化量が、予め定められた所定量よりも大きいか否かを判定する(S50)。検知部123は、差の変化量が所定量以下の場合、S10に処理を移し、差の変化量が所定量よりも大きい場合、S60に処理を移す。
報知部124は、S60においてふらつき状態を検知したことを車両1のドライバに報知し、その後、S10に処理を移す。
(ふらつき状態の検知方法の変形例1)
上述の実施形態において、検知部123は、複数の車両位置情報のそれぞれが示す車両位置と、当該車両位置に対応する道路位置との差の変化に基づいてふらつき状態を検知したが、これに限らない。
検知部123は、複数の車両位置情報に基づく車両1の走行軌跡が示す曲線において、頂点及び変曲点の少なくともいずれかを示す第1特徴点を抽出するとともに、線形情報に基づく道路の線形が示す曲線において、頂点及び変曲点の少なくともいずれかを示す第2特徴点を抽出し、抽出した複数の第1特徴点と、複数の第2特徴点との関係に基づいて、ふらつき状態を検知してもよい。
この場合において、検知部123は、抽出された第1特徴点の数と、抽出された第2特徴点の数とが異なる場合にふらつき状態を検知したり、複数の第1特徴点が示す位置と、複数の第2特徴点の位置との差に基づいてふらつき状態を検知したりする。このようにすることで、運転状態検知装置10は、車両1の走行軌跡及び道路の線形の形状の特徴を示す特徴点のみに基づいてふらつき状態を効率的に検知することができる。
(ふらつき状態の検知方法の変形例2)
また、検知部123は、複数の車両位置情報に基づく車両1の走行軌跡に含まれる軌跡パターンと、線形情報に基づく道路の線形に含まれる線形パターンとに基づいて、ふらつき状態を検知してもよい。例えば、検知部123は、所定時間おき(例えば、10秒おき)に、車両1の走行区間に対応する車両1の軌跡パターンと、当該走行区間に対応する道路の線形パターンとを特定する。そして、検知部123は、特定した線形パターンに基づいて、ふらつき状態を検知するための領域を定義し、特定した軌跡パターンの少なくとも一部が当該領域を外れた場合に、ふらつき状態を検知する。
例えば、検知部123は、図4に示すように、特定した線形パターンを示すラインLRに対して、所定位置だけ離れた2つのボーダーラインLR1と、ボーダーラインLR2とを定義し、これらのボーダーラインLR1と、ボーダーラインLR2との間の領域をふらつき状態を検知するための領域と定義する。そして、検知部123は、特定した軌跡パターンの少なくとも一部が当該領域を外れた場合に、ふらつき状態を検知する。図4に示す例では、車両1の軌跡パターンを示すラインLVの一部が、当該領域を外れているため、検知部123は、ふらつき状態を検知する。このようにすることで、検知部123は、パターン同士を比較することで容易にふらつき状態を検知することができる。
また、検知部123は、特定した軌跡パターンと線形パターンとの一致度を算出し、算出した一致度が予め定められた閾値以下の場合に、ふらつき状態であると判定してもよい。
(ふらつき状態の検知方法の変形例3)
また、検知部123は、複数の車両位置情報に基づく車両1の走行軌跡を周波数解析するとともに、線形情報に基づく道路の線形を周波数解析し、それぞれの周波数分布の違いに基づいてふらつき状態を検知してもよい。具体的には、検知部123は、車両1の走行軌跡を示す軌跡情報及び道路の線形を示す線形情報のそれぞれにバンドパスフィルタ(例えば、移動平均フィルタ)をかけて、ノイズ成分(例えば、取得した位置情報や線形情報に含まれる微小誤差)を除去する。その後、検知部123は、バンドパスフィルタをかけた後の軌跡情報及び線形情報に対してFFT(高速フーリエ変換)を行い、軌跡情報及び線形情報に対応する周波数分布(周波数スペクトル)を算出する。そして、検知部123は、それぞれの周波数分布の違いに基づいてふらつき状態を検知する。
図5は、周波数分布の例を示す図である。図5(a)は、線形情報に対応する道路の線形の周波数分布を示している。図5(b)は、ふらつきが小さい場合の走行軌跡の周波数分布を示している。図5(c)は、ふらつきが大きい場合の走行軌跡の周波数分布を示している。図5(b)と図5(c)とを比較すると明らかなように、ふらつき状態である場合の周波数分布においては、道路の線形に対応する周波数分布に比べて、高い周波数にピークが存在する。そこで、検知部123は、軌跡情報の周波数分布において、線形情報の周波数分布には含まれない所定の周波数以上の分布が含まれている場合にふらつき状態を検知する。
このようにすることで、運転状態検知装置10は、それぞれの周波数分布の違いに基づいてふらつきに対応する周波数成分を特定し、ふらつき状態を精度良く検知することができる。
[本実施形態における効果]
以上説明したように、運転状態検知装置10は、車両位置を示す車両位置情報を複数取得する第1取得部121と、車両1が走行している道路の線形を示す線形情報を取得する第2取得部122と、車両位置情報と線形情報とに基づいて、車両1の運転状態がふらつき状態であることを検知する検知部123とを備える。
このようにすることで、運転状態検知装置10は、センサを用いて車両位置を推定することなく車両位置を示す車両位置情報を取得し、当該車両位置情報に基づいてふらつき状態を検知するので、車両1の運転状態を精度良く検知することができる。
また、運転状態検知装置10の検知部123は、複数の車両位置情報のそれぞれが示す車両位置と、当該車両位置に対応する道路位置との差の変化に基づいて、ふらつき状態を検知する。ふらつき状態である場合、車両1が道路の中心線や白線と一定の間隔を保って走行せず、道路位置と車両位置との差が大きく変化する。したがって、運転状態検知装置10は、当該差の変化を用いることにより、正確にふらつき状態を検知することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 車両
10 運転状態検知装置
11 記憶部
12 制御部
121 第1取得部
122 第2取得部
123 検知部
124 報知部

Claims (3)

  1. 車両の位置を示す車両位置情報を複数取得する第1取得手段と、
    前記車両が走行している道路の線形を示す線形情報を取得する第2取得手段と、
    複数の前記車両位置情報に基づく前記車両の走行軌跡における頂点及び変曲点の少なくともいずれかを示す第1特徴点を抽出するとともに、前記線形情報に基づく前記道路の線形における頂点及び変曲点の少なくともいずれかを示す第2特徴点を抽出し、抽出した複数の前記第1特徴点と、複数の第2特徴点との関係に基づいて、前記車両の運転状態がふらつき状態であることを検知する検知手段と、
    を備える運転状態検知装置。
  2. 前記線形情報は、道路位置を示す道路位置情報を複数含み、
    前記検知手段は、複数の前記車両位置情報のそれぞれが示す車両の位置と、当該車両の位置に対応する道路位置との差の変化に基づいて、前記ふらつき状態を検知することを特徴とする、
    請求項1に記載の運転状態検知装置。
  3. 車両の位置を示す車両位置情報を複数取得する第1取得手段と、
    前記車両が走行している道路の線形を示す線形情報を取得する第2取得手段と、
    複数の前記車両位置情報に基づく前記車両の走行軌跡を周波数解析するとともに、前記線形情報に基づく前記道路の線形を周波数解析し、それぞれの周波数分布の違いに基づいて前記車両の運転状態がふらつき状態であることを検知する検知手段と、
    を備える運転状態検知装置。
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