JP6582460B2 - 強化繊維パッケージ、パッケージ収納物、強化繊維束の接続方法及び切断方法、並びに繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents

強化繊維パッケージ、パッケージ収納物、強化繊維束の接続方法及び切断方法、並びに繊維強化複合材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、強化繊維パッケージ、パッケージ収納物、強化繊維束の接続方法及び切断方法、並びに繊維強化複合材料の製造方法に関する。
スポーツやレジャー用途、自動車及び航空機等の産業用途、電気電子機器や家電機器の筐体用途等の様々な分野において、軽量、高強度、かつ高剛性である点から、強化繊維にマトリックス樹脂が含浸された繊維強化複合材料が広く用いられている。ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維が製造される際には、通常、複数本の強化繊維が束ねられて強化繊維束とされ、該強化繊維束が紙管等に巻き取られた後に包装材で包装される。
例えば、長尺の強化繊維束が紙管に円筒状に巻かれてなる筒状体が、熱収縮性フィルムを用いて包装された強化繊維パッケージが知られている(例えば、特許文献1〜3)。該強化繊維パッケージの使用時には、一般に、任意のパッケージの強化繊維束における内周面側の末端と、それとは別のパッケージの強化繊維束における外周面側の末端とが、それら強化繊維束が直列に繋がるように接続され、連続的に引き出されつつ使用される。
しかし、熱収縮性フィルムで包装した強化繊維パッケージにおいて、強化繊維束における筒状体の外周面側の末端が該外周面上に位置していると、該末端を引き出す際に、筒状体の外周面上の熱収縮性フィルムを破断する必要がある。筒状体の外周面上の熱収縮性フィルムを破断すると、特に筒状体の内周面側の末端から強化繊維束を引き出して使用する場合に、強化繊維束の残量が少なくなったときに円筒状に巻かれた強化繊維束が型崩れして絡まりやすくなる。
特許文献4には、強化繊維束における筒状体の内周面側の末端と外周面側の末端が、該筒状体の上端面側に引き出された状態で、筒状体が熱収縮性フィルムで包装された強化繊維パッケージが記載されている。
特開平10−212070号公報 実公昭48−38016号公報 特開2000−85724号公報 特開昭47−19123号公報
特許文献4の強化繊維パッケージでは、筒状体の外周面上の熱収縮性フィルムを破断せずに複数のパッケージの強化繊維束を直列に接続し、それら強化繊維束を連続的に引き出して使用することができる。そのため、筒状体の外周面上の熱収縮性フィルムを破断した場合に比べて、強化繊維束を引き出してその残量が少なくなったときに強化繊維束が型崩れしにくい。
しかし、強化繊維束の末端が引き出された状態で包装されていると、強化繊維パッケージの取り扱い時に強化繊維束の引き出された部分が邪魔になりやすく、取り扱い性が低下する。
本発明は、筒状体の外周面上の熱収縮性フィルムを破断せずに強化繊維束を使用でき、引き出される際に強化繊維束が型崩れして絡まりにくく、かつパッケージの取り扱い性に優れた強化繊維パッケージ;該強化繊維パッケージを備えるパッケージ収納物;強化繊維パッケージを用いた強化繊維束の接続方法及び切断方法;並びに繊維強化複合材料の製造方法を提供する。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]強化繊維束が筒状に巻かれてなる筒状体の少なくとも外周面が熱収縮性フィルムで覆われ、該熱収縮性フィルムが熱収縮されて前記外周面に密着した強化繊維パッケージであって、前記強化繊維束は、前記外周面側の第1の末端と、前記筒状体の内周面側の第2の末端を有し、前記強化繊維束における前記第1の末端寄りの部分が前記筒状体の端面に配置され、かつ前記第1の末端が前記外周面と前記熱収縮性フィルムの間に位置していることを特徴とする、強化繊維パッケージ。
[2]前記強化繊維束における前記第1の末端側の前記端面に配置された部分が、前記第1の末端から50cm以内であり、かつ当該部分の長さが3cm以上である、[1]に記載の強化繊維パッケージ。
[3]強化繊維束が筒状に巻かれてなる筒状体の外周面が熱収縮性フィルムで覆われ、該熱収縮性フィルムが熱収縮されて、前記外周面に密着した強化繊維パッケージであって、前記強化繊維束は、前記外周面側の第1の末端と、前記筒状体の内周面側の第2の末端を有し、前記強化繊維束における前記第1の末端寄りの部分が前記筒状体の一方の端面にあり、前記熱収縮性フィルムは前記第1の末端寄りの部分がある前記筒状体の端面にも密着しており、前記第1の末端寄りの部分が前記筒状体の端面と熱収縮性フィルムの間に位置し、かつ前記第1の末端が、前記筒状体の筒内部に位置していることを特徴とする、強化繊維パッケージ。
[4]前記強化繊維束が、厚みAに対する幅Bの比B/Aが20以上の扁平状である、[1]〜[3]のいずれかに記載の強化繊維パッケージ。
[5]箱体と、該箱体に収納された複数の[1]〜[4]のいずれかの強化繊維パッケージと、を備えるパッケージ収納物。
[6]前記筒状体の外周面に熱収縮性フィルムが密着した状態のまま、任意の強化繊維パッケージにおける前記第1の末端と、それとは別の強化繊維パッケージにおける前記第2の末端とが、それら強化繊維パッケージの強化繊維束が直列に繋がるように接続されている、[5]に記載のパッケージ収納物。
[7]前記箱体が、複数の前記強化繊維パッケージを一方の端面が上方を向くように収納する収納本体と、前記収納本体の上端開口部を閉じる上蓋とを備え、前記上蓋には、各強化繊維パッケージに対応する複数の開口部が形成され、任意の強化繊維パッケージにおける前記第1の末端と、それとは別の強化繊維パッケージにおける前記第2の末端とが、それら強化繊維パッケージの強化繊維束が直列に繋がるように、各々の開口部に強化繊維束が通された状態で接続されている、[5]に記載のパッケージ収納物。
[8]複数の[1]〜[4]のいずれかに記載の強化繊維パッケージを並べ、任意の強化繊維パッケージにおける前記第1の末端と、それとは別の強化繊維パッケージにおける前記第2の末端とを、それら強化繊維パッケージの強化繊維束が直列に繋がるように接続する強化繊維束の接続方法であって、前記強化繊維束における前記第1の末端側の前記端面に配置された部分を掴み、前記筒状体の外周面に熱収縮性フィルムが密着した状態のまま該強化繊維束における前記第1の末端を引き出して、強化繊維束の前記第1の末端と、それとは別の強化繊維束の前記第2の末端とを接続する、強化繊維束の接続方法。
[9]前記強化繊維パッケージにおける前記第1の末端と、それとは別の前記強化繊維パッケージにおける前記第2の末端とを、それらを重ね合わせた状態で加圧エアーを吹き付けて、互いの強化繊維を絡み合わせて接続する、[8]に記載の強化繊維束の接続方法。
[10]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の強化繊維パッケージ、又は[5]〜[7]のいずれかに記載のパッケージ収納物における強化繊維パッケージから強化繊維束を引き出し、ロータリーカッターで切断することを特徴とする、強化繊維束の切断方法。
[11]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の強化繊維パッケージ、又は[5]〜[7]のいずれかに記載のパッケージ収納物における強化繊維パッケージから強化繊維束を引き出す引出工程と、引き出された強化繊維束に樹脂組成物を含浸させる樹脂含浸工程と、を有する、繊維強化複合材料の製造方法。
本発明の強化繊維パッケージは、筒状体の外周面上の熱収縮性フィルムを破断せずに強化繊維束を使用でき、引き出される際に強化繊維束が型崩れして絡まりにくく、かつパッケージの取り扱い性に優れている。
本発明のパッケージ収納物は、強化繊維パッケージにおける筒状体の外周面上の熱収縮性フィルムを破断せずに強化繊維束を使用でき、引き出される際に強化繊維束が型崩れして絡まりにくく、かつパッケージの取り扱い性に優れている。
本発明の強化繊維束の接続方法及び切断方法によれば、パッケージの取り扱い性を確保しつつ、強化繊維束が型崩れして絡まることを抑制できる。
本発明の繊維強化複合材料の製造方法によれば、パッケージの取り扱い性を確保しつつ、強化繊維束が型崩れして絡まることを抑制し、安定して繊維強化複合材料を製造できる。
本発明の強化繊維パッケージの一例を示した斜視図である。 図1の強化繊維パッケージから支持体を取り外した状態を示した斜視図である。 図2の強化繊維パッケージから強化繊維束の第1の末端と第2の末端を引き出した様子を示した斜視図である。 任意の強化繊維パッケージにおける強化繊維束の第1の末端と、それとは別の強化繊維パッケージにおける強化繊維束の第2の末端とを直列に接続した様子を示した斜視図である。 本発明のパッケージ収納物の一例を示した斜視図である。 図5のパッケージ収納物における強化繊維束を引き出す様子を示した斜視図である。 本発明の強化繊維パッケージの他の例を示した斜視図である。 図7の強化繊維パッケージのA−A断面図である。 実施例で作製した筒状体を示した斜視図である。 実施例1において図9の筒状体に熱収縮性フィルムを巻き付ける様子を示した斜視図である。 実施例2において図9の筒状体に熱収縮性フィルムを巻き付ける様子を示した斜視図である。 比較例1において図9の筒状体に熱収縮性フィルムを巻き付ける様子を示した斜視図である。
本明細書において、「上端面」とは、使用時に筒状体の軸方向を鉛直方向にして置いた状態において上方に向く端面を意味する。また、「下端面」とは、上端面と反対側の端面を意味する。
[強化繊維パッケージ]
本発明の強化繊維パッケージは、強化繊維束が筒状に巻かれてなる筒状体の少なくとも外周面が熱収縮性フィルムで覆われて包装されたものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の強化繊維パッケージの第1実施形態の一例について、図1〜3に基づいて説明する。
本実施形態の強化繊維パッケージ1は、図1に示すように、円筒状の支持体10と、支持体10に強化繊維束12が円筒状に巻かれてなる筒状体14と、筒状体14における外周面14a、上端面14b及び下端面14cを覆う熱収縮性フィルム16と、を備える。
支持体10としては、強化繊維束を巻き取る際に使用されている公知の支持体を採用でき、例えば、紙管、樹脂管(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂)等が挙げられる。
強化繊維束が巻かれる支持体は、円筒状には限定されず、例えば、角筒状、円柱状、角柱状等であってもよい。
支持体10としては、円筒状の紙管が好ましい。
支持体10は、筒状体14の内周面側から強化繊維束12を引き出して使用する場合等には、図2に示すように、筒状体14から引き抜かれる。そのため、支持体10は筒状体14から引き抜きやすいものが好ましい。この点から、支持体10としては、円筒状で、かつ軸方向に連続した溝、またはミシン目を有している、いわゆるセンタープルに適した紙管が特に好ましい。
熱収縮性フィルム16は、筒状体14を包装する包装材であり、筒状体14の外周面14aと、上端面14b及び下端面14cの外縁側の一部とを覆った状態で熱収縮されることで、筒状体14の外周面14a、上端面14b及び下端面14cに密着している。この例では、筒状体14の上端面14b及び下端面14cにおける支持体10寄りの部分は露出している。
熱収縮性フィルム16としては、物品の包装に用いられている公知の熱収縮性フィルムを採用できる。例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム等が挙げられる。
熱収縮性フィルム16としては、強化繊維束12との密着性が高いものが好ましい。これにより、強化繊維束12を引き出して使用する場合に強化繊維束12の残量が少なくなっても、強化繊維束12が熱収縮性フィルム16と密着していることで型崩れしにくくなる。
熱収縮性フィルム16は、筒状体14を形成する強化繊維束12がすべて引き出された状態においても、自立した状態を維持できるものが好ましい。これにより、強化繊維束12を引き出して使用する場合に強化繊維束12がより型崩れしにくくなる。
例えば、強化繊維束12を形成する強化繊維が炭素繊維の場合、熱収縮性フィルム16として、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の高分子フィルムを好適に用いることができる。特に厚みが10μm以上のポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムが自立性の観点からより好ましい。
強化繊維束12は、図1〜3に示すように、筒状体14の外周面14a側の第1の末端12aと、筒状体14の内周面側の第2の末端12bとを有している。強化繊維束12は、第1の末端12aから第2の末端12bまで連続した強化繊維を束ねて形成されたものである。
強化繊維束12は、図1に示すように、第1の末端12aが筒状体14の外周面14aと熱収縮性フィルム16の間に位置している状態で、第1の末端12a寄りの部分12cが筒状体14の上端面14bに配置されている。
強化繊維束12の第1の末端12aが筒状体14の外周面14aと熱収縮性フィルム16の間に収納されていることで、強化繊維パッケージ1の運搬時等に強化繊維束12が邪魔になりにくく、強化繊維パッケージ1の取り扱い性が優れる。また、強化繊維束12の第1の末端12a寄りの部分12cが筒状体14の上端面14bに配置されていることで、図1に示すように、筒状体14の外周面14a上の熱収縮性フィルム16を破断しなくても、強化繊維束12の第1の末端12aを引き出すことが可能である。そのため、強化繊維束12を第2の末端12bから引き出して使用する場合、強化繊維束12の残量が少なくなっても、筒状体14の外周面14a側の強化繊維束12が熱収縮性フィルム16と密着していることで型崩れしにくい。これにより、使用時に強化繊維束12が絡まることを抑制できる。
この例では、強化繊維束12における第1の末端12a寄りの部分12cは、一部が熱収縮性フィルム16における支持体10側の縁から露出している。これにより、熱収縮性フィルム16における筒状体14の上端面14bを覆う部分も破断することなく、強化繊維束12における部分12cを把持して第1の末端12aを容易に引き出すことができる。
なお、本発明の効果を損なわない範囲であれば、第1実施形態の強化繊維パッケージにおいて、強化繊維束における筒状体の上端面に配置された部分は、すべて熱収縮性フィルムで覆われていてもよい。例えば、筒状体14の上端面14bに配置された強化繊維束12の部分12cが、すべて熱収縮性フィルム16で覆われていてもよい。この場合は、例えば、熱収縮性フィルム16における筒状体14の上端面14bを覆う部分に、当該部分を筒状体14の外周面14aを覆う部分が破断されないように破断することを補助する、円形状の切り取り線を形成する態様を採用できる。該態様では、切り取り線で熱収縮性フィルム16における筒状体14の上端面14bを覆う部分を部分的に切り取って、筒状体14の上端面14b上に配置された強化繊維束12の部分12cを露出させることができる。これにより、筒状体14の外周面14a上の熱収縮性フィルム16を破断せずに、強化繊維束12の第1の末端12aを引き出すことができる。
強化繊維束12の第1の末端12a側における、筒状体14の上端面14bに配置された部分12cは、第1の末端から50cm以内であり、かつ部分12cの長さが3cm以上であることが好ましい。これにより、強化繊維束12における筒状体14の上端面14b上の部分12cを把持して第1の末端12aを引き出すことが容易になる。
なお、強化繊維束における筒状体の上端面上に配置されている部分が第1の末端から50cm以内であるとは、強化繊維束の当該部分のうち、第1の末端から最も遠い位置と、第1の末端との距離が50cm以下であることを意味する。
第1の末端12aを引き出すことが容易になる点、また、第1の末端12aを引き出した際に、第1の末端12aから部分12cまでの強化繊維束が、他の部分の強化繊維束を傷つける可能性を低くできる点から、筒状体14の上端面14bに配置された強化繊維束12の部分12cは、第1の末端から50cm以内であることが好ましく、第1の末端から35cm以内であることがより好ましく、第1の末端から25cm以内であることがさらに好ましい。
強化繊維パッケージ1を箱体に収納する作業、収納したパッケージ収納物を運搬する作業などの際に、意図せずに第1の末端12aが熱収縮性フィルム16と筒状体14の外周面14aの間から外れて外部に露出することを防止する点から、筒状体14の上端面14bに配置された強化繊維束12の部分12cは、第1の末端12aから4cm以上離れていることが好ましく、8cm以上離れているであることがより好ましい。
第1の末端12aを引き出すことが容易になる点から、筒状体14の上端面14bに配置された強化繊維束12の部分12cの長さは、3cm以上が好ましく、5cm以上がより好ましく、7cm以上がさらに好ましい。強化繊維束12の部分12cの長さに上限はないが、箱体内で絡まったり、箱体に収納する作業時に引っかかったりすることを防止する点から、30cm以下であることが好ましく、20cm以下であることがより好ましい。
強化繊維束12は、厚みAに対する幅Bの比B/Aが20以上の扁平状であることが好ましい。
強化繊維束12がこのような扁平状であることで、筒状体14の外周面14aの凹凸が小さくなり、筒状体14の外周面14aに位置する強化繊維束12と熱収縮性フィルム16との密着性がより優れたものとなる。そのため、強化繊維束12を第2の末端12bから引き出して使用する場合に、強化繊維束12の残量が少なくなっても強化繊維束12がより型崩れしにくくなる。
また、例えば強化繊維束12の断面が円形状の場合等に比べて、強化繊維束12が扁平状であると、巻かれた状態で接している強化繊維束12同士に局所的に力がかかりにくく、強化繊維束12を引き出すときにも互いに引っ掛かりにくい。そのため、保管時に強化繊維束12の物性が低下しにくく、また巻き取り時や引き取り時に強化繊維束12が傷つきにくい。
比B/Aは、強化繊維束12と熱収縮性フィルム16との密着性が優れ、強化繊維束12が型崩れしにくくなる点から、20以上が好ましく、30以上がより好ましく、40以上がさらに好ましい。過度にトウが薄くなることで、トウの端部が毛羽立ちしやすくなることを防止する観点から、比B/Aは、100以下が好ましく、85以下がより好ましく、70以下がさらに好ましい。
強化繊維束12の繊維軸に垂直な面で切断した断面形状は、特に限定されず、例えば、長方形状であってもよく、楕円状であってもよい。
強化繊維束12を形成する強化繊維としては、繊維強化複合材料に用いられる公知の強化繊維を採用できる。強化繊維としては、例えば、無機繊維、有機繊維、金属繊維、又はこれらを組み合わせたハイブリッド構成の強化繊維等が挙げられる。
無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維等が挙げられる。有機繊維としては、アラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、その他一般のナイロン繊維、ポリエステル繊維等が挙げられる。金属繊維としては、ステンレス、鉄等の繊維が挙げられ、また金属を被覆した炭素繊維でもよい。
なかでも、強化繊維としては、炭素繊維が好ましい。
強化繊維束12を構成する強化繊維の直径及び本数は、特に制限されない。通常、強化繊維の直径は3〜100μm程度であり、本数は1000〜100000本程度である。
なお、「強化繊維の直径」とは、強化繊維の断面の等面積円相当径(すなわち、強化繊維の断面の投影面積と同じ面積を持つ円の直径を意味する。
本発明の強化繊維パッケージの用途は、特に限定されず、例えば、短繊維と樹脂とからなるSMC(シートモールディングコンパウンド)、長繊維と樹脂とからなる棒状の引抜材、強化繊維を切断して製造されるチョップ等の製造に使用できる。
(第2実施形態)
以下、本発明の強化繊維パッケージの第2実施形態の一例について、図7及び図8に基づいて説明する。図7における図1と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
本実施形態の強化繊維パッケージ2は、図7及び図8に示すように、円筒状の支持体10と、支持体10に強化繊維束12が円筒状に巻かれてなる筒状体14と、筒状体14における外周面14a、強化繊維束12における第1の末端12aがある上端面14bを覆う熱収縮性フィルム16Aと、を備える。
熱収縮性フィルム16Aは、筒状体14を包装する包装材である。熱収縮性フィルム16Aは、筒状体14の外周面14aと、上端面14bを覆った状態で熱収縮されることで、筒状体14の外周面14a、上端面14bを覆った状態でそれらに密着している。下端面14cは熱収縮性フィルム16Aに覆われていてもよいし、覆われていなくてよい。強化繊維パッケージ2においては、強化繊維束12は全て熱収縮性フィルム16Aによって覆われているため、外部には露出していない。これにより、運搬時等に強化繊維束12が邪魔になりにくく、強化繊維パッケージ2は取り扱い性が優れる。
熱収縮性フィルム16Aとしては、第1実施形態における熱収縮性フィルム16と同じものが使用でき、好ましい態様も同じである。
強化繊維パッケージ2においては、強化繊維束12における第1の末端12a寄りの部分12cが筒状体14の上端面14bと熱収縮性フィルム16Aの間に位置し、かつ強化繊維束12の第1の末端12aが支持体10の内部に位置している。すなわち、強化繊維束12における第1の末端12a寄りの部分12cが筒状体14の上端面14bと熱収縮性フィルム16Aの間に位置し、かつ強化繊維束12の第1の末端12aが筒状体14の筒内部に位置している。
これにより、熱収縮性フィルム16Aにおける筒状体14の上端面14b上の部分だけを破断すれば、強化繊維束12の部分12cを掴んで第1の末端12aを引き出すことができる。すなわち、熱収縮性フィルム16Aにおける筒状体14の外周面14a上の部分を破断しなくても、強化繊維束12の第1の末端12aを引き出すことが可能である。そのため、強化繊維束12を第2の末端12bから引き出して使用する場合、強化繊維束12の残量が少なくなっても、筒状体14の外周面14a側の強化繊維束12が熱収縮性フィルム16Aと密着していることで型崩れしにくい。これにより、使用時に強化繊維束12が絡まることを抑制できる。
また、強化繊維パッケージ2においては、強化繊維束12における部分12cが筒状体14の上端面14bに位置した状態で、筒状体14の上端面14bが熱収縮性フィルム16Aで覆われているため、強化繊維束12の部分12cが動きにくい。そのため、使用時に強化繊維束12の部分12cを安定して掴みやすく、第1の末端12aを引き出しやすい。
以上説明したように、本発明の強化繊維パッケージにおいては、強化繊維パッケージの取り扱い性を優れたものとしつつ、筒状体の外周面上の熱収縮性フィルムを破断せずに強化繊維束を使用でき、引き出される際に強化繊維束が型崩れして絡まることを抑制できる。
なお、本発明の強化繊維パッケージは、前記した強化繊維パッケージ1、2には限定されない。例えば、強化繊維パッケージ1、2は支持体10を備えるものであったが、本発明の強化繊維パッケージは支持体を備えないものであってもよい。
例えば、筒状体の下端面から第1の末端を引き出せるように強化繊維パッケージを設置できる場合等においては、強化繊維束における第1の末端が筒状体の外周面と熱収縮性フィルムの間に位置している状態で、第1の末端寄りの部分が筒状体の下端面に配置されるようにしてもよい。また、強化繊維束における第1の末端が筒状体の筒内部に位置している状態で、第1の末端寄りの部分が筒状体の下端面に配置されるようにしてもよい。この場合は下端面14cが熱収縮フイルムAで覆われていればよい。
[強化繊維束の接続方法]
以下、本発明の強化繊維束の接続方法として、強化繊維パッケージ1の強化繊維束12を接続する方法について説明する。
強化繊維パッケージ1は、例えば、複数個を並べて互いの強化繊維パッケージ1の強化繊維束12を直列に繋げた状態で使用することができる。具体的には、図4に示すように、任意の強化繊維パッケージ1における強化繊維束12の第1の末端12aと、それとは別の強化繊維パッケージ1における強化繊維束12の第2の末端12bとを、それら強化繊維束12が直列に繋がるように接続して使用することができる。これにより、より長尺とした強化繊維束12を連続的に引き出して使用できるため、強化繊維束12が無くなる度に強化繊維パッケージ1を取り換えなくて済み、より効率的に繊維強化複合材料の製造が行える。
複数の強化繊維パッケージ1における互いの強化繊維束12を接続する際には、まず、各々の強化繊維パッケージ1について、強化繊維束12の第1の末端12aと第2の末端12bを引き出す。具体的には、図2に示すように、筒状体14から支持体10を引き抜き、図3に示すように、筒状体14の内周面側から第2の末端12bを上方に引き出す。また、強化繊維束12の第1の末端12a側における、筒状体14の上端面14bに位置する部分12cを掴み、図3に示すように、筒状体14の外周面14aに熱収縮性フィルム16が密着した状態のまま、強化繊維束12の第1の末端12aを引き出す。
次いで、図4に示すように、強化繊維パッケージ1における強化繊維束12の第1の末端12aと、それとは別の強化繊維パッケージ1における強化繊維束12の第2の末端12bとを、それらの強化繊維束12が直列に繋がるように接続して接続部18を形成する。
熱収縮性フィルム16の外側に強化繊維束12の第1の末端12aを引き出す際には、強化繊維束12における第1の末端12aから30cm以上を引き出すことが好ましく、50cm以上を引き出すことがより好ましい。これにより、強化繊維束12の第1の末端12aと、それとは別の強化繊維束12の第2の末端12bとを接続する作業が容易になる。
互いの強化繊維束12の第1の末端12aと第2の末端12bとを接続する方法としては、互いの強化繊維束12の第1の末端12aと第2の末端12bとを重ね合わせた状態で、その部分に加圧エアーを吹き付け、互いの強化繊維を絡み合わせて接続する、いわゆるエアースプライシングによる方法が好ましい。該方法では、接続部の断面積が過度に大きくならないことで、強化繊維束を使用する工程でのトラブルを防止しながら、互いの強化繊維束の第1の末端と第2の末端とを充分な強度で接続できる点で有利である。
なお、互いの強化繊維束12の第1の末端12aと第2の末端12bとを接続する方法としては、接着剤を使用する方法、粘着テープを使用する方法、末端同士を結び合わせる方法を採用してもよい。
強化繊維パッケージ2を用いる場合も、第1の末端12aを引き出した後は強化繊維パッケージ1の場合と同様の方法で、互いの強化繊維束12の第1の末端12aと第2の末端12bとを接続することができる。強化繊維パッケージ1と強化繊維パッケージ2の間で、互いの強化繊維束12の第1の末端12aと第2の末端12bとを接続してもよい。
以上説明した本発明の接続方法によれば、本発明の強化繊維パッケージにおける筒状体の外周面上の熱収縮性フィルムを破断させずに強化繊維束の第1の末端を引き出して、それとは別の強化繊維パッケージにおける強化繊維束の第2の末端と接続できる。そのため、接続した強化繊維束を引き出して使用する際に、強化繊維束が型崩れして絡まることを抑制できる。
[強化繊維束の切断方法]
本発明の強化繊維束の切断方法は、例えばSMCの製造の場合等に、本発明の強化繊維パッケージから強化繊維束を引き出し、ロータリーカッターで切断する方法である。
例えば、前記のように任意の強化繊維パッケージ1や強化繊維パッケージ2における第1の末端12aと、それとは別の強化繊維パッケージ1や強化繊維パッケージ2における第2の末端12bとを接続した状態で、より長尺とした強化繊維束12を連続的に引き出してロータリーカッターで切断していくことが可能である。
後述するパッケージ収納物の箱体に収納された強化繊維パッケージの場合も同様に切断作業を行うことができる。
本発明の強化繊維束の切断方法においては、本発明の強化繊維パッケージにおける筒状体の外周面上の熱収縮性フィルムを破断させずに強化繊維束を引き出し、切断して使用することができる。そのため、引き出される強化繊維束が型崩れして絡まることが抑制されるため、切断操作を安定して行うことができる。
[パッケージ収納物]
本発明のパッケージ収納物は、箱体内に複数の本発明の強化繊維パッケージが収納されたものである。以下、本発明のパッケージ収納物の一例について、図5及び図6に基づいて説明する。
本実施形態のパッケージ収納物100は、図5に示すように、箱体20と、箱体20に収納された6個の強化繊維パッケージ1と、を備える。
この例の箱体20は、収納本体22と、収納本体22の上端開口部を閉じる上蓋24とを備えている。
収納本体22は、平面視矩形状の底面部26と、底面部26の周縁部から立ち上がる側面部28とを備えており、内部に各強化繊維パッケージ1を筒状体14の上端面14bが上方を向くように収納できるようになっている。
収納本体22の形状及び大きさは、収納する強化繊維パッケージ1の形状、大きさ、数、配列等に応じて適宜設定すればよい。
収納本体22内には、各強化繊維パッケージ1を仕切る仕切り部材が設けられていてもよい。
上蓋24には、各強化繊維パッケージ1に対応する6個の開口部30が形成されている。
この例のパッケージ収納物100においては、強化繊維パッケージ1は支持体10が抜き取られた状態になっている。各強化繊維パッケージ1における強化繊維束12の第1の末端12aと第2の末端12bは、強化繊維束12が上蓋24の開口部30を通るように引き出されている。そして、強化繊維パッケージ1における強化繊維束12の第1の末端12aと、それとは別の強化繊維パッケージ1における強化繊維束12の第2の末端12bとは、各開口部30に強化繊維束12が通された状態で、6個の強化繊維パッケージ1の強化繊維束12が直列に繋がるように上蓋24の上方で接続されている。
互いの強化繊維束12の第1の末端12aと第2の末端12bとの接続は、各強化繊維束12を上蓋24の開口部30を通して引き出す以外は、前記の強化繊維束の接続方法で説明した要領で行える。
パッケージ収納物100内の各強化繊維パッケージ1における強化繊維束12を直列に接続した状態では、各強化繊維パッケージ1の筒状体14の外周面14aには熱収縮性フィルム16が密着した状態のままになっている。すなわち、筒状体14の外周面14a上の熱収縮性フィルム16は破断されていない状態になっている。
開口部30の大きさは、強化繊維パッケージ1の熱収縮性フィルム16が通過しにくいように、使用前の強化繊維パッケージ1における筒状体14の上端面14bの大きさよりも小さくなっている。これにより、強化繊維束12が引き出されてその残量が少なくなったときに、強化繊維束12とともに熱収縮性フィルム16が次工程へと送られることが抑制される。
開口部30の平面視形状は、この例では円形状である。なお、開口部30の平面視形状は、円形状には限定されず、矩形状等であってもよい。
パッケージ収納物100においては、図6に示すように、各強化繊維パッケージ1を取り出すことなく、上蓋24の開口部30を通じて、筒状体14の内周面側から強化繊維束12を引き出して切断等を行う。このように、パッケージ収納物100は強化繊維パッケージ1を収納した状態のまま強化繊維束を引き出して使用できる。
以上説明した本発明のパッケージ収納物においては、複数の強化繊維パッケージを収納した状態で運搬が行え、また箱体内に各強化繊維パッケージを収納した状態のまま強化繊維束を引き出して使用できるため、取り扱いが便利である。
なお、本発明のパッケージ収納物は、前記したパッケージ収納物100には限定されない。
例えば、本発明のパッケージ収納物における箱体内に収容する強化繊維パッケージの数は、6個には限定されず、5個以下であってもよく、7個以上であってもよい。
本発明のパッケージ収納物の箱体は、開口部が形成されていない上蓋を備えるものであってもよく、上蓋を備えないものであってもよい。
本発明のパッケージ収納物は、例えばパッケージ収納物100のように6個の強化繊維パッケージ1を備える場合に、各3個ずつの強化繊維パッケージ1の強化繊維束12を直列に接続したものであってもよい。
本発明のパッケージ収納物は、各強化繊維パッケージの強化繊維束が互いに接続されていない状態で収納されているものであってもよい。この場合には、使用現場において強化繊維束の接続作業を行えばよい。また、この場合には、各強化繊維パッケージは支持体を備えたまま収納されていてもよい。現場での作業が容易になる点では、各強化繊維パッケージは支持体が引き抜かれた状態で箱体に収納されていることが好ましい。
本発明のパッケージ収納物は、強化繊維パッケージ2が箱体に収納されたものであってもよい。
例えば、筒状体の下端面から第1の末端を引き出せるように強化繊維パッケージを設置できる箱体とした場合等においては、強化繊維束における第1の末端が筒状体の外周面と熱収縮性フィルムの間に位置している状態で、第1の末端寄りの部分が筒状体の下端面に配置された強化繊維パッケージが箱体に収納されたパッケージ収納物であってもよい。また、強化繊維束における第1の末端が筒状体の筒内部に位置している状態で、第1の末端寄りの部分が筒状体の下端面に配置された強化繊維パッケージが箱体に収納されたパッケージ収納物であってもよい。
本発明のパッケージ収納物において、箱体に収納される複数の強化繊維パッケージは、同じ態様ものであってもよく、異なる態様のものであってもよい。
[繊維強化複合材料の製造方法]
本発明の繊維強化複合材料の製造方法は、本発明の強化繊維パッケージ又はパッケージ収納物を用いて繊維強化複合材料を製造する方法である。本発明の繊維強化複合材料の製造方法は、本発明の強化繊維パッケージ又はパッケージ収納物における強化繊維パッケージから強化繊維束を引き出して使用する以外は、公知の態様を採用できる。
以下、本発明の繊維強化複合材料の製造方法の一例として、前記した強化繊維パッケージ1又はパッケージ収納物100を用いて、SMCを製造する方法について説明する。本実施形態の繊維強化複合材料の製造方法は、下記の引出工程、切断工程及び樹脂含浸工程を有することを特徴とする。
引出工程:強化繊維パッケージ1、又はパッケージ収納物100における強化繊維パッケージ1から強化繊維束12を引き出す工程。
切断工程:引き出した強化繊維束12を切断して短繊維化する工程。
樹脂含浸工程:切断された強化繊維束12に樹脂組成物を含浸させてSMCを得る工程。
(引出工程)
例えば、図4に示すように、複数の強化繊維パッケージ1の互いの強化繊維束12が直列に接続された状態で、筒状体14の内周面側から強化繊維束12を上方に連続的に引き出す。
パッケージ収納物100の場合は、図6に示すように、収納された各強化繊維パッケージ1の互いの強化繊維束12が直列に接続された状態で、上蓋24の開口部30を通じて、筒状体14の内周面側から強化繊維束12を上方に連続的に引き出す。
(切断工程)
強化繊維パッケージ1、又はパッケージ収納物100における強化繊維パッケージ1から引き出した強化繊維束12を、ロータリーカッターで所望の繊維長さとなるように切断する。
(樹脂含浸工程)
切断された強化繊維束12に樹脂組成物を含浸させてSMCを製造する。
樹脂組成物を含浸させる方法は、公知の方法を採用できる。
切断された強化繊維束12に含浸させる樹脂組成物は、繊維強化複合材料に用いられる公知の樹脂を採用でき、熱硬化性樹脂組成物であってもよく、熱可塑性樹脂組成物であってもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。補強繊維として炭素繊維を用いる場合は、炭素繊維との接着性の点から、エポキシ樹脂又はビニルエステル樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル・エチレン−プロピレン−ジエン・スチレン(AES)樹脂、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート(ASA)樹脂等が挙げられる。
樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物には、難燃性材料(臭素系化合物、リン及び窒素を含む化合物、リン系化合物、金属水酸化物、シリコーン系化合物、及びヒンダードアミン化合物等)等の樹脂以外の成分が配合されてもよい。
樹脂組成物に配合する樹脂以外の成分は、1種でもよく、2種以上でもよい。
前記樹脂含浸工程で得られたSMCを、必要に応じてSMC以外の繊維強化複合材料と組み合わせて成形を行うことで、繊維強化複合材料成形体を得ることができる。
以上説明した本発明の繊維強化複合材料の製造方法においては、強化繊維パッケージの取り扱い性を確保しつつ、強化繊維束が型崩れして絡まることを抑制できるため、安定して繊維強化複合材料を製造することができる。
なお、本発明の繊維強化複合材料の製造方法は、前記したSMCの製造方法には限定されない。
例えば、本発明の繊維強化複合材料の製造方法は、樹脂含浸工程の前に切断工程を有さない方法であってもよい。
本発明の繊維強化複合材料の製造方法は、強化繊維パッケージから引き出した強化繊維束に樹脂組成物を含浸させて、棒状の繊維強化複合材料(引抜材)を製造する方法であってもよい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[比B/Aの測定]
炭素繊維束の任意の5か所の厚みAを直径6mmの平面プローブマイクロメーターで測定し、同様に任意の5か所の幅Bをノギスで測定した。そして、厚みAと幅Bのそれぞれの平均値を用いて、炭素繊維束の比B/Aを算出した。
[製造例1]
ミキサー(特殊機化工業(株)製、商品名:ハイビスディスパーミックス、ホモミキサー仕様:型式3D−5型)を用い、以下の手順で、転相乳化することでサイジング液を調製した。
エポキシ樹脂jER(登録商標)828(商品名、三菱化学株式会社製)40質量部、エポキシ樹脂jER(登録商標)1001(商品名、三菱化学株式会社製)40質量部、及びノニオン系界面活性剤プルロニックF88(商品名、BASF製)20質量部を、90℃にてプラネタリーミキサーとホモミキサーで混練、混合し、樹脂組成物(II)(サイジング剤)を得た。次に、この樹脂組成物に脱イオン水を少量ずつ滴下して転相点を通過した後、滴下する水量を増加した。最終的に樹脂組成物濃度40質量%のサイジング液を得た。
[実施例1]
サイジング剤が付着していない炭素繊維束(三菱レイヨン社製、商品名:パイロフィル(登録商標)TR 50S15L(フィラメント数15000本、ストランド強度5000MPa、ストランド弾性率242GPa))を、製造例1で製造したサイジング液を固形分が5質量%になるように調整した水分散液に浸漬し、ニップロールで炭素繊維束に対する含液率を20質量%に調整した後に、150℃の熱風乾燥炉で2分間乾燥した。得られた炭素繊維束の厚みAに対する幅Bの比B/Aは55であった。
特開2009−221017号公報の実施例1に記載の巻取機Aを用いて、内径82mm、長さ280mmの、軸方向に連続したミシン目を持つセンタープル紙管(支持体10)に、紙管軸方向の長さが265mmの筒状体を形成するように炭素繊維束(強化繊維束12)を5000m連続して巻き取って、図9に示す炭素繊維束筒状体(筒状体14)を形成した。得られた円筒状の炭素繊維束筒状体の外径は160mmであった。
図9に示すように、得られた炭素繊維束筒状体(筒状体14)の外周面14a側で強化繊維束12で輪を作り、その輪よりも第1の末端12a側の部分を外周面14aに沿って一周させ、一部を二つ折りにして前記輪の中に挿入するようにして、強化繊維束12の第1の末端12a側の部分を結んだ。なお、この際、結び目13から第1の末端12aまでの長さが40cmとなるようにした。
次に、図10に示すように、強化繊維束12の結び目13から第1の末端12aまでの部分を、筒状体14の上端面14bを通って第1の末端12aが外周面14aにおける結び目13と反対側に位置するように配置した。この状態の筒状体14の周囲に、高さ(紙管軸方向の長さ。以下、同じ。)385mm、長さ530mm、厚み20μmの低密度ポリエチレン熱収縮性フィルム(熱収縮性フィルム16)を巻き付けた後、フィルムの長さ方向の両方の端部16a,16bを5mm重ねて融着した。さらに、筒状体14及び熱収縮性フィルム16を130℃で20秒間加熱して、フィルムを熱収縮させて筒状体14に密着させ、炭素繊維束パッケージを得た。
得られた炭素繊維パッケージにおいては、筒状体14の上端面14bに配置されている、強化繊維束12における第1の末端12aから30cmの部分を掴んで引っ張ることで、熱収縮性フィルム16を除去することなく第1の末端12aを引き出すことができた。
[実施例2]
実施例1と同様にして得た筒状体14における強化繊維束12の第1の末端12a側の部分を、結び目13から第1の末端12aまでの長さを30cmとする以外は実施例1と同様にして結んだ。
次に、図11に示すように、強化繊維束12の結び目13から第1の末端12aまでの部分を、筒状体14の上端面14bを通って第1の末端12aがセンタープル紙管(支持体10)内、すなわち筒状体14の筒内部に位置するように配置した。この状態の筒状体14の周囲に、高さ385mm、長さ530mm、厚み20μmの低密度ポリエチレン熱収縮性フィルム(熱収縮性フィルム16A)を巻き付けた後、フィルムの長さ方向の両方の端部16a,16bを5mm重ねて融着した。さらに、筒状体14及び熱収縮性フィルム16を130℃で20秒間加熱して、フィルムを熱収縮させて筒状体14に密着させ、炭素繊維束パッケージを得た。その結果、熱収縮性フィルム16Aは、筒状体14の外周面14a、上端面14b及び下端面14cを被覆した。
得られた炭素繊維パッケージにおいては、熱収縮性フィルム16Aにおける筒状体14の上端面14bを覆う部分を破り、支持体10の内部に位置する炭素繊維束の第1の末端12aを引き出して把持できた。すなわち、熱収縮性フィルム16Aにおける筒状体14の外周面14aを覆う部分を除去することなく強化繊維束12の第1の末端12aを引き出すことができた。
[比較例1]
図12に示すように、実施例1と同様にして得た筒状体14における強化繊維束12の第1の末端12a側の部分を、結び目13から第1の末端12aまでの長さを10cmとする以外は実施例1と同様にして結んだ。次に、強化繊維束12の結び目13から第1の末端12aまでの部分を全て筒状体14の外周面14a上に配置した状態で、筒状体14の外周面14aに低密度ポリエチレン熱収縮性フィルム(熱収縮性フィルム16)を巻き付けた以外は実施例1と同様にして炭素繊維束パッケージを得た。
得られた炭素繊維パッケージにおいては、センタープル紙管(支持体10)のミシン目を切断して除去しても、熱収縮性フィルム16を除去することなく強化繊維束12における第1の末端12aを引き出すことはできなかった。
1、2 強化繊維パッケージ
10 支持体
12 強化繊維束
12a 第1の末端
12b 第2の末端
14 筒状体
14a 外周面
14b 上端面
14c 下端面
16、16A 熱収縮性フィルム
18 接続部
20 箱体
22 収納本体
24 上蓋
26 底面部
28 側面部
30 開口部
100 パッケージ収納物

Claims (10)

  1. 強化繊維束が筒状に巻かれてなる筒状体の少なくとも外周面が熱収縮性フィルムで覆われ、該熱収縮性フィルムが熱収縮されて前記外周面に密着した強化繊維パッケージであって、
    前記強化繊維束は、前記外周面側の第1の末端と、前記筒状体の内周面側の第2の末端を有し、
    前記強化繊維束における前記第1の末端寄りの部分が前記筒状体の端面に配置され、かつ前記第1の末端が前記外周面と前記熱収縮性フィルムの間に位置していることを特徴とする、強化繊維パッケージ。
  2. 前記強化繊維束における前記第1の末端側の前記端面に配置された部分が、前記第1の末端から50cm以内であり、かつ当該部分の長さが3cm以上である、請求項1に記載の強化繊維パッケージ。
  3. 前記強化繊維束が、厚みAに対する幅Bの比B/Aが20以上の扁平状である、請求項1〜のいずれか一項に記載の強化繊維パッケージ。
  4. 箱体と、該箱体に収納された複数の請求項1〜のいずれか一項の強化繊維パッケージと、を備えるパッケージ収納物。
  5. 前記筒状体の外周面に熱収縮性フィルムが密着した状態のまま、任意の強化繊維パッケージにおける前記第1の末端と、それとは別の強化繊維パッケージにおける前記第2の末端とが、それら強化繊維パッケージの強化繊維束が直列に繋がるように接続されている、請求項に記載のパッケージ収納物。
  6. 前記箱体が、複数の前記強化繊維パッケージを一方の端面が上方を向くように収納する収納本体と、前記収納本体の上端開口部を閉じる上蓋とを備え、
    前記上蓋には、各強化繊維パッケージに対応する複数の開口部が形成され、
    任意の強化繊維パッケージにおける前記第1の末端と、それとは別の強化繊維パッケージにおける前記第2の末端とが、それら強化繊維パッケージの強化繊維束が直列に繋がるように、各々の開口部に強化繊維束が通された状態で接続されている、請求項に記載のパッケージ収納物。
  7. 複数の請求項1〜のいずれか一項に記載の強化繊維パッケージを並べ、任意の強化繊維パッケージにおける前記第1の末端と、それとは別の強化繊維パッケージにおける前記第2の末端とを、それら強化繊維パッケージの強化繊維束が直列に繋がるように接続する強化繊維束の接続方法であって、
    前記強化繊維束における前記第1の末端側の前記端面に配置された部分を掴み、前記筒状体の外周面に熱収縮性フィルムが密着した状態のまま該強化繊維束における前記第1の末端を引き出して、強化繊維束の前記第1の末端と、それとは別の強化繊維束の前記第2の末端とを接続する、強化繊維束の接続方法。
  8. 前記強化繊維パッケージにおける前記第1の末端と、それとは別の前記強化繊維パッケージにおける前記第2の末端とを、それらを重ね合わせた状態で加圧エアーを吹き付けて、互いの強化繊維を絡み合わせて接続する、請求項に記載の強化繊維束の接続方法。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の強化繊維パッケージ、又は請求項4〜6のいずれか一項に記載のパッケージ収納物における強化繊維パッケージから強化繊維束を引き出し、ロータリーカッターで切断することを特徴とする、強化繊維束の切断方法。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の強化繊維パッケージ、又は請求項4〜6のいずれか一項に記載のパッケージ収納物における強化繊維パッケージから強化繊維束を引き出す引出工程と、
    引き出された強化繊維束に樹脂組成物を含浸させる樹脂含浸工程と、を有する、繊維強化複合材料の製造方法。
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