JP6582260B1 - 立体形状のティーバッグ - Google Patents
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Abstract
Description
また、ティーバッグは、茶類のみならず、顆粒出汁や入浴剤等を充填し、その抽出、又は溶解のためにも使用されている。
例えば、特許文献1には、水生哺乳類の形状を切り開いた平面形状の切開形布を組み立てて製造する、水生哺乳類の形状のティーバッグが記載されている。
特許文献1に記載のティーバッグも、溶媒中に沈めることで、水性哺乳類が溶媒中を泳いでいるかのように見えるという点にユニークさがある。
あえて溶媒中に沈めずに水面に漂わせることで、美観を生じさせるティーバッグは、従来存在していなかった。
フィルターが重畳する重畳部を有する重畳フィルターを含む立体形状のティーバッグであって、
前記重畳部を形成するフィルター間に存する原料充填空間と、
前記重畳フィルターが重なり形成された袋状部を備え、
原料が、前記原料充填空間に充填されてなることを特徴とする、立体形状のティーバッグである。
一方で、本発明の立体形状ティーバッグは、袋状部を備えるものの、茶葉等の原料を、重畳部を形成するフィルター間に存する原料充填空間に充填する。
このようなティーバッグは、長時間水面に浮かせることができる。
原料充填空間が袋状部よりも上部に位置することで、立体型ティーバッグの重心が上部となり、当該重心より下部に空気が存することになる。そのため、この立体形状ティーバッグは、より長時間水面に浮かせることができる。
上述したティーバッグを形成する重畳フィルターであって、フィルターが重畳する重畳部と、前記袋状部を構成する袋状部構成壁部とを備える。
折込線を備えることで、フィルターの折曲が容易となり、簡便に立体形状のティーバッグを形成することができる。
折込線を溶着部とすることで、フィルターの折込がより容易となる。また、ティーバッグにおいて溶着は一般に行われており、特別な装置等を用意する必要もなく、折込線を形成することができる。
このような形状とすることで、翼を持った鳥類を模した立体形状のティーバッグを容易に形成することができる。
立体形状のティーバッグの製造方法であって、
フィルターを重畳させ、重畳部を形成する重畳工程と、
フィルターを平面状の所定の外形形状に画定する、画定工程と、
原料を、前記重畳部を形成するフィルター間に存する原料充填空間に充填する、充填工程と、
前記フィルターを折曲し、袋状部を形成する立体形成工程を備える。
さらに、重畳したフィルター同士を溶着する溶着工程を備え、
前記溶着工程において、重畳部の周縁の一部を除いて溶着し、原料投入口を形成する工程を含み、
前記充填工程後、前記原料投入口を封止する封止工程を備える。
このような工程を備えることで、原料の充填が容易となる。
本発明のティーバッグにおいて、フィルターの種類は通常ティーバッグに用いることができる素材であれば特に限定されず、紙、不織布、ナイロン紗、ポリエステル紗及び植物由来の生分解性繊維等を用いることができる。
本明細書中において、原料とは、水、及びお湯等の溶媒に浸漬させる物質の総称を意味する。
原料としては、例えば、茶葉、漢方、コーヒー、健康食品、インスタント類(味噌汁、スポーツ飲料、スープ)、出汁用原料等の食品を用いることができ、顆粒状、粉末状のものを用いることができる。
また、アロマ及びポプリ等の雑貨、石、鉱石等の、風呂に入れることで温泉効能的用途を有する雑貨、脱臭剤及び防臭剤等を用いることができる。さらに、医薬原料、及び洗顔料の粉末等の化粧品原料を用いることができる。
図1に実施例1に係る重畳フィルター10aを示す。
なお、本明細書中において重畳フィルターとは、2枚以上のフィルターが重なりあった重畳部を一部又は全部に備えるフィルターの複合体を意味する。
実施例1において、重畳フィルター10aは、略十字形であって、図1の横方向に位置する突出部15と、縦方向に位置する突出部14との長さが異なるように、外形形状を画定する。
なお、「外形形状を画定する」とは、設定した外形のティーバッグを作出する目的で行われる全ての操作が含まれる。例えば、フィルター同士の溶着、縫合、及び仮止めなどのフィルター同士を結合する操作や、外形を画定する操作や切断などの操作が含まれる。
本実施形態においては、レーザーを用いて図1に示す外形形状に切断し、超音波を用いてフィルターの溶着を行った。
実施例1において、溶着部11a−1〜a−4は折込線となっている。
この原料投入口12aを通り、溶着部11により画定されている空間が、原料充填空間13aである。
実施例1においては、突出部14が重畳フィルター10aの中心を頂点として、谷折りされる。このように、重畳フィルター10aを折曲することで、原料充填空間13aとは異なる空間である、袋状部16aが形成される。
袋状部16aは、突出部14と、突出部15のうち、折込線11a−1及び折込線11a−4で区切られた一部分からなり、すなわち、突出部14及び突出部15が袋状部16aを構成する壁部となる。
原料充填空間13a及び袋状部16aの位置関係について、原料充填空間13aが袋状部16aよりも上部に位置する形状とすることで、抽出時において長時間水面に浮かせることが可能となる。
一方、実施例1の立体形状ティーバッグは、このように、重畳フィルター10aにおける重畳部を形成するフィルター間に存する原料充填空間13aに原料を充填し、原料充填空間13aとは別に、重畳フィルター10同士が重なり形成された袋状部16aを有することを特徴とする。
図3に示すように、重畳フィルター10aの略十字形の突出部のうち、相対的に長く形成された2つの突出部15は、鶴の翼部となる。
重畳部は、重畳フィルターの所定の外形形状の重心となる点に対して点対称、又は重心となる点を通る対称軸に対して線対称となるように形成してなることが好ましい。
重畳部を点対称、又は線対称となるように形成することで、原料を充填した後に重心が安定し、抽出時の挙動を制御することが可能となる。
本実施形態においては、鶴を模した立体形状ティーバッグを形成するための重畳フィルター10aの外形形状を示したに過ぎず、本発明の重畳フィルターは、重畳部を形成するフィルター間に存する原料充填空間と、前記重畳フィルターが重なり形成された袋状部を備える立体形状フィルターが形成可能なものであれば、あらゆる外形形状を採用することができる。
同様に、立体形状ティーバッグは、鶴を模した形状に限定されず、あらゆる立体形状を採用することができる。
このような形状とすることで、重心が中央付近に位置する立体形状ティーバッグを形成することができ、当該立体形状ティーバッグは、より抽出時の挙動を安定化させることができる。
このような形状とすることで、立体形状ティーバッグの重心が中央付近に位置するため、より安定して水面に浮くことができる。
なお、鶴を模した形状においては、頭部17及び尾部18を二等分する面が、対称面となる。
なお、この重畳フィルター同士を溶着する工程と、外形形状を画定する画定工程が同一である必要はなく、例えば、外形形状は縫製により画定され、重畳したフィルター同士は溶着する形態であってもよい。
本発明の重畳フィルターは、折込線を有さない形態であってもよく、折込線を有する形態であってもよいが、好ましくは立体形状を形成するための折込部を示す折込線を備える。
なお、折込線は、点線及び破線等の間隔をあけて形成されたものであってもよい。
本発明において、折込線は溶着された溶着部とする形態が好ましい。
溶着部を折込線とすることで、重畳フィルターの折込が容易となる。
例えば、重畳フィルターにそれぞれが嵌合、又は引掛が可能な雄部、及び雌部を形成しておき、これらを嵌合、又は引掛ることで、袋状部を形成する形態であってもよい。
また、重畳フィルターが突起部及び切込みを備え、当該突起部を当該切込みに挿設することで形成された袋状部であってもよい。
次いで、図4に、実施例2の重畳フィルター10bを示す。重畳フィルター10bは、原料充填空間13bを、原料充填空間13b−1、及び原料充填空間13b−2に分割する、溶着部11bを有している。溶着部11bは、さらに、原料投入口12bを、原料投入口12b−1、及び原料投入口12b−2に分割している。
その結果、より綺麗に、かつより長時間水面に浮かぶ立体形状ティーバッグを形成することが可能となる。
茶原料が原料充填空間13aに充填された実施例1のティーバッグ20a並びに、茶原料が袋状部に充填された以外は、実施例1と同一の構造及び形状を有している従来の立体形状のティーバッグ(比較例1)を、お湯に投入し、その様子を観察した。
結果を図5に示す。
図5に示す通り、実施例1のティーバッグ20aは、胴体部分、及び顔部分が水面から浮き出ているのに対し、比較例1は、ティーバッグ全体が水中に沈んでいることがわかる。
また、実施例1のティーバッグ20aは、その後15分間に渡り、図6の状態を維持していた。
11 溶着部
12 原料投入口
13 原料充填空間
14 縦方向に位置する突出部
15 横方向に位置する突出部
16 袋状部
17 頭部
18 尾部
20 立体形状ティーバッグ
Claims (9)
- フィルターが重畳する重畳部を有する重畳フィルターを含む立体形状のティーバッグであって、
前記重畳部を形成するフィルター間に存する原料充填空間と、
前記重畳フィルターが重なり形成された袋状部を備え、
原料が、前記原料充填空間に充填されてなることを特徴とする、立体形状のティーバッグ。 - 前記原料充填空間の一部又は全部が、前記袋状部よりも上部に位置することを特徴とする、請求項1に記載の立体形状のティーバッグ。
- 請求項1又は2に記載のティーバッグを形成する重畳フィルターであって、
フィルターが重畳する重畳部と、前記袋状部を構成する袋状部構成壁部とを備える、重畳フィルター。 - 前記袋状部構成壁部が、所定の折込線を有することを特徴とする、請求項3に記載の重畳フィルター。
- 前記折込線が、重畳部を形成するフィルターが溶着された溶着部からなることを特徴とする、請求項4に記載の重畳フィルター。
- 前記重畳フィルターの外形形状が、略十字形であって、2組の対面する2つの突出部の長さが組ごとに異なり、同組の突出部の長さが略同一であることを特徴とする、請求項3〜5の何れか一項に記載の重畳フィルター。
- 立体形状のティーバッグの製造方法であって、
フィルターを重畳させ、重畳部を形成する重畳工程と、
フィルターを平面状の所定の外形形状に画定する、画定工程と、
原料を、前記重畳部を形成するフィルター間に存する原料充填空間に充填する、充填工程と、
前記フィルターを折曲し、袋状部を形成する立体形成工程と、を備えることを特徴とする、立体形状のティーバッグの製造方法。 - 前記立体形成工程が、前記原料充填空間の一部又は全部が、袋状部よりも上部に位置するよう前記袋状部を形成する工程であることを特徴とする、請求項7に記載のティーバッグの製造方法。
- さらに、重畳したフィルター同士を溶着する溶着工程を備え、
前記溶着工程において、重畳部の周縁の一部を除いて溶着し、原料投入口を形成する工程を含み、
前記充填工程後、前記原料投入口を封止する封止工程を備える、請求項7又は8の何れか一項に記載のティーバッグの製造方法。
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