JP6581311B2 - 地熱試掘孔における環境調和型のバイオスタビライザーとプロセス流体の使用 - Google Patents

地熱試掘孔における環境調和型のバイオスタビライザーとプロセス流体の使用

Info

Publication number
JP6581311B2
JP6581311B2 JP2018533769A JP2018533769A JP6581311B2 JP 6581311 B2 JP6581311 B2 JP 6581311B2 JP 2018533769 A JP2018533769 A JP 2018533769A JP 2018533769 A JP2018533769 A JP 2018533769A JP 6581311 B2 JP6581311 B2 JP 6581311B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
process fluid
ppm
biostabilizer
hop
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018533769A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019507204A (ja
Inventor
フロリアン・エマールシュトーファー
マルクス・オマン
ヨハン・マリハルト
マルニク・ミヒェル・ヴァステュン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Agrana Beteiligungs AG
Original Assignee
Agrana Beteiligungs AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agrana Beteiligungs AG filed Critical Agrana Beteiligungs AG
Publication of JP2019507204A publication Critical patent/JP2019507204A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6581311B2 publication Critical patent/JP6581311B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K8/00Compositions for drilling of boreholes or wells; Compositions for treating boreholes or wells, e.g. for completion or for remedial operations
    • C09K8/02Well-drilling compositions
    • C09K8/03Specific additives for general use in well-drilling compositions
    • C09K8/035Organic additives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N35/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing organic compounds containing a carbon atom having two bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. aldehyde radical
    • A01N35/06Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing organic compounds containing a carbon atom having two bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. aldehyde radical containing keto or thioketo groups as part of a ring, e.g. cyclohexanone, quinone; Derivatives thereof, e.g. ketals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N65/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing material from algae, lichens, bryophyta, multi-cellular fungi or plants, or extracts thereof
    • A01N65/08Magnoliopsida [dicotyledons]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K8/00Compositions for drilling of boreholes or wells; Compositions for treating boreholes or wells, e.g. for completion or for remedial operations
    • C09K8/60Compositions for stimulating production by acting on the underground formation
    • C09K8/605Compositions for stimulating production by acting on the underground formation containing biocides
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24TGEOTHERMAL COLLECTORS; GEOTHERMAL SYSTEMS
    • F24T10/00Geothermal collectors
    • F24T10/20Geothermal collectors using underground water as working fluid; using working fluid injected directly into the ground, e.g. using injection wells and recovery wells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/10Geothermal energy

Description

本発明は、地熱試掘孔におけるプロセス流体の使用に関し、ここに該プロセス流体にはバイオスタビライザーが含まれる。
地球熱学とは、地熱エネルギーの技術的利用を意味する。地熱エネルギーは、地殻に蓄えられた熱であり、再生可能なエネルギー源の中に位置付けされる。それは、直接的(例えば、熱ポンプの手段によって)または間接的(例えば、電流を発生させる)かのいずれかで利用することができる。表層地球熱学(400メートルまでの深度までの掘削)と深部地球熱学(400メートルから、通常4000メートルまたは5000メートルまでの掘削深度を有する)との間の特徴を描写する。地熱堆積物を吸い上げる坑は地熱坑井と呼ばれる。低エンタルピー地熱堆積物を例えばアルプス地域のようなところで利用するような場合、概して深い地熱坑井が必要である。このことに関して、地熱掘削法(地熱試掘孔を生成するための)は本明細書中で用いる地球熱学の用語の範囲内であり、あるいは、掘削深度が400メートルよりも深い場合は深部地球熱学の範囲の中である。地球熱学において、プロセス流体(すなわち、通常消費されることなくプロセスまたは方法で使用する流体)は、通常は水を含む、例えば地熱堆積物を吸い上げる掘削流体または地熱堆積物を操作する(すなわち、吸い上げるまたは利用する)間の熱キャリアとして、使用される。
地球熱学においては、Hot Dry Rock技術(「Enhanced Geothermal System」または「Hot Fractured Rock」としても知られている)は特徴的な役割を演じる。このプロセスにおいては、プロセス流体(通常、水性ベースで)は少なくとも2の近接する地熱試掘孔の間で循環する。操作の間は、冷却プロセス流体を第1地熱試掘孔を介して地熱堆積物(すなわち、地層)に送り、温かい状態(おそらく、自然に存在する深層水に富む)で第2地熱試掘孔で再度引き抜かれる。高圧(通常、150 barにのぼる)下のプロセス流体中で加圧することによって、地層に存在する亀裂が拡げられ、ある環境では新たなものが形成され、それは流体と地層との間の熱交換に利用可能な表面を大規模に増大する。例えば油および天然ガス製造におけるハイドロリックフラクチャリングにおいて普通でるものと異なり、亀裂を開けたまま維持するための充填材料(「プロパラント」)は多くの場合で必要でない。作業の間は高圧が維持されるからである。
地熱掘削プロセスにおいては、典型的に掘削流体を地熱試掘孔にポンプ送給することが要求される。この掘削流体(プロセス流体)は、通常、さらなる添加剤を含む水中の粉砕したベントナイトの懸濁液である。掘削流体は、連続サイクルで維持される。中でも、それは掘削ずりを排出するための、および掘削器具により発生した摩擦熱を排出するための試錐孔を安定化するために作用する。
地殻の内部は、粉砕したおよび存在する地層の両方において、膨大な種の微生物によってコロニー形成されているかまたはコロニー形成可能である。それらの増殖および代謝により、これらの微生物の多くが地球熱学、主に深部地球熱学、特に地熱掘削プロセスを複雑化または不可能にさえし得る;すなわち、これらが「望ましくない微生物」である。望ましくない微生物は、例えば、導水管および金属製の他の器具の腐食をその代謝産物によって促進し得、スライムを形成することによってまたはその増殖(「バイオフィルム」)によってパイプを詰まらせ得る(すなわち、細胞外ポリマー物質の形成)。これは「生物汚損」としても知られている。また、望ましくない微生物がバイオスタビライザーを含まないプロセス流体中に蓄積するかもしれず、このプロセス流体が制御された環境から環境(例えば、地下水に)に漏れ出した場合には生態系やヒトを危険にさらし得る。
これらおよび他の背景で、殺生物剤またはバイオスタビライザー(バイオスタットまたはバイオスタット剤とも呼ばれる)が望ましくない微生物に対して頻繁に利用されている。
通常、グルタルアルデヒドまたはトリアジン誘導体のような攻撃的な殺生物剤が、地球熱学、主として深部地球熱学、および特に地熱掘削法において用いられ、これはヒトおよび環境に有害である。この課題は、例えば、Ashrafら、一般用語で、環境調和型の殺生物剤(「グリーン殺生物剤」)に記載されているように認識されている。とりわけ、後記する刊行物は、油およびガス生産において使用するための伝統的な殺生物剤に対する別法を開示している:
しかしながら、かかる先行技術の別の殺生物剤は、地殻において優勢であるかもしれない条件(例えば、高温)下、および、とりわけ好熱性微生物に対する適用の複雑さでの高コスト、低効率のような1またはそれを超える多くの不利な点を有する。また、これらはそれらの大部分が未だ殺生物剤であり、生態系に不明な影響を有するかもしれないバイオスタビライザーを含まない。さらに、膨大な種の望ましくない微生物に対して広いスペクトルの活性を集合的に達成するできるだけ利用可能な、多くの異なるおよび好ましくは環境調和型の殺生物剤またはバイオスタビライザーを有することは有利である。環境調和性の問題は、特に重大なこととして欧州において最も顕著であり、実際、地球熱学、特に 深部地球熱学をさらに確立していくうえで必須でさえある。さらに、数ある中で、例えば、地殻に使用するプロセス流体をこの地殻から塩を分離する場合に起こる場合がある高塩濃度によって、以前に使用された殺生物剤の有効性が低下していると考えられている。
これらおよび他の理由のために、本発明の1の目的は、地球熱学(特に、深部地球熱学)、すなわち地熱試掘孔のための、および地熱掘削法についての全ての前で、すなわち掘削流体の形態において使用する、環境調和型のバイオスタビライザーを含むプロセス流体、ならびに関連する製造方法および対応する使用方法を提供することである。とりわけ、このバイオスタビライザーは、選択された望ましくない中温性または好熱性の微生物;とりわけ現在使用されている殺生物剤によって増殖または代謝を阻止することがわずかに不十分である微生物に対して有効である。具体的には、このバイオスタビライザーは、地殻に典型的な環境条件、地熱的に利用可能な地層で有効でなければならない。なお、このバイオスタビライザーはできるだけ単純かつ経済的に製造し得、利用し得るものであるべきである。このことが、その産業スケールでの使用に求められるからである。
したがって、本発明は、地熱坑井用のプロセス流体(および地熱試掘孔におけるプロセス流体の使用)に関する。本発明のプロセス流体は、バイオスタビライザーを含み、そのバイオスタビライザーが少なくとも1の有機酸、またはそれらの塩、アルコールもしくはアルデヒド、ここに該少なくとも1の有機酸はホップ酸、樹脂酸、脂肪酸およびそれらの混合物空なる群から選択される、からなることを特徴とする。
驚くべきことに、これらの有機酸は地球熱学における、特に深部地球熱学における生物安定に特に好適であることが見出された。
したがって、これらの有機酸は特に1km〜5kmの深度の地層で優勢かもしれない高温でも有効であり、この環境で発生するまたは増殖し得る選択した望ましくない中温性または好熱性微生物に対してさえ有効である。
これらの有機酸は、特に単純かつ費用効果的に添加して、本発明のプロセス流体を得ることができ−例えば、ホップ酸はホップ抽出物の形態で添加してもよく、選択された樹脂酸は天然樹脂、とりわけロジンの形態で−好ましくは天然樹脂、とりわけロジンの形態で選択された樹脂酸のアルカリ溶液として添加してもよい。
該有機酸は、特に、WO 00/053814 A1、WO 01/88205 A1、WO 2004/081236 A1およびWO 2008/067578 A1の文献に記載されているように、すでに食品製造においてバイオ安定化であることが証明されている。しかしながら、地球熱学または深部地球熱学における使用は、これらの文献に示唆されていない。食品製造における使用において、これらの有機酸はヒトおよび環境によって許容されることが見出されている。
Emerstorferらにおいて、ホップベータ酸、樹脂酸ならびに樹脂酸およびミリスチン酸の混合物の最小阻止濃度が、種々の細菌、酵母およびカビに対して調べられ、水酸化カリウムおよび過酸化水素の効果と比較された. しかしながら、地球熱学または深部地球熱学における使用は、この文献において示唆されていない。
Wangらも抗菌剤として樹脂酸誘導体に言及しているが、その地球熱学におけるまたは地殻におけるものでさえ、とりわけその深部地球熱学に典型的な困難な条件における使用は、この文献において示唆されていない。
US 2003/0015480 A1の主題は、例えば製紙において(微)生物を制御(増殖)するためにホップ酸を用いる方法である。しかしながら、地球熱学における使用は、開示も示唆もされていない。
GB 1 417 237は水性基体上の掘削泥を開示している。そこでは、高含量の樹脂酸を有するトール油画分が提唱されているが、バイオ安定化効果または地熱坑井でさえ全く言及されていない。その潤滑性に必須であるとして表されるトール油画分に対する濃度の範囲は、0.45%〜3%(v/v)、すなわち0.25〜500 ppmのバイオ安定化効果について好ましい範囲よりも実質的に高い。
US 2015/353806は、掘削流体に添加してそれらの潤滑性を改善する濃縮物に関する。中でも、"樹脂酸の酸[...]"は潤滑性を改善するために濃縮物の実行可能な内容物として言及されているが、この文献においてもバイオ安定化効果または地熱坑井のいずれにも全く言及はない。言及したいずれの文献も、本発明を予期せず、また本発明に導くものでもない。
地球熱学における使用では、大量(大体積)の本発明のプロセス流体が要求される。したがって、好ましくは本発明のプロセス流体は少なくとも104 L、好ましくは少なくとも105 L、特に少なくとも106 Lの量で提供する。地熱掘削プロセスにおいては、例えば、105〜107リットルの本発明のプロセス流体が掘削流体として通常必要とされる。
地殻は地球の最も外側の固体の殻であり、ほぼ100 kmの深さ、平均してほぼ35 kmの深さまで伸び得る。地殻の上層は、通常約10 m〜20 mの通常の深さで地表を形成する。その下には、異なる幅を有する広範な種々の地層が存在する。一般的に、地殻の温度は、かなりの場所によるふれはあるが、1kmの深度毎に約25℃〜30℃上昇する。
例えば、深部地球熱学によって採掘される地熱堆積物は1〜3 kmに存在し、そこの温度は通常25〜90℃になり得;したがって、局所の条件に依存して、中温性、好熱性および/または超好熱性の微生物が、とりわけ深部地球熱学においては役割を演じている。1 kmの深度では、50℃を超える温度であり、30 MPaを超える間隙圧および6未満のpH値がそこで予想される環境条件である。局所条件に依存して、好塩性または耐塩性の微生物も、とりわけ深部地球熱学において役割を演じている。
それぞれの深度に棲息する微生物に加えて 、時としてその増殖も戦わなければならず、例えば、プロセス流体自体をそれぞれの深度にポンプ輸送することによって導入する。
以下では、とりわけ深部地球熱学において望ましくない微生物を記載する:望ましくない微生物は、細菌、菌類および古細菌の群から選択され、好ましくはそれは細菌の群から選択される。特に望ましくないのは、以下のもののうちの1種以上を生成する微生物(全ての細菌の前で)である:酸、細胞外ポリマー物質(例えば、バイオフィルムにおいて)、およびスルフィド。特に望ましくないのは、数ある中で、生じる臭気、健康上の心配、および生じる硫化物によって生じる腐食のため、硫化物生成物である。
好ましくは、望ましくない微生物は細菌である。それは好ましくはファーミキューテス、バクテロイデス、アクチノバクテリアまたはプロテオバクテリアの門、とりわけファーミキューテス門に属する。それらは、好ましくは以下の属のうちの1に属し:Pseudomonas、Cobetia、Shewanella、Thermoanaerobacter、Arcobacter、Pseudoalteromonas、Marinobacterium、Halolactibacillus(Halolactobacillusとしても知られている)、Selenihalanaerobacter、Vibrio、Desulfovibrio、Burkholderia、Arcobacter、Dietzia、Microbacterium、Idiomarina、Marinobacter、HalomonasおよびHalanaerobium、より好ましくはHalolactibacillusおよびHalanaerobiumから選択される属に属する。
古細菌のうちで特に望ましくないものは、Methanosarcinales、MethanohalophilusおよびMethanolobus属である。
本発明のバイオスタビライザーを含むプロセス流体が、これらの望ましくない微生物の多く、好ましくはファーミキューテスまたはアクチノバクテリアの多く、とりわけファーミキューテスに対して有効であることを本発明の一部として見出した。特に驚くべきことに、本発明のバイオスタビライザーを含むプロセス流体は、Dietzia、Microbacterium、HalolactibacillusおよびHalanaerobium属から選択される細菌に対して有効であった。
本発明のプロセス流体は、Halolactibacillusのメンバーに対して特に有効である。これは、従来の環境上有害な殺生物剤は、−本発明によるバイオスタビライザーとは異なり−Halolactibacillusに対する有効性が不十分であると推測できる。
Halolactibacillus属には、例えば、H. halophilusおよびH. miurensisが含まれる。本発明によるバイオスタビライザーは、これらの型の両方に対して特に有効である。
ここで使用する殺生物剤は、とりわけHalanaerobiumに対しては不十分にしか作用しない。Halanaerobium属には例えばHalanaerobium congolenseが含まれ、これは、例えば質量濃度10%のNaClおよび嫌気性条件下、45℃で良好に増殖し、チオ硫酸塩または硫黄化合物を、望ましくない臭いの発生し得る硫化物に還元することができる。また、Halanaerobium praevalensは特に望ましくない。
該有機酸または該有機酸を含む構成物は、特に、文献WO 00/053814 A1、WO 01/88205 A1、WO 2004/081236 A1およびWO 2008/067578 A1から本来知られている。すべての製造方法または調製方法はこれらの文献に記載されており、とりわけホップ抽出物については、天然樹脂もしくはミリスチン酸、またはそれらの塩が本発明により好ましい。
ホップ酸は、雌性ホップ植物の未受精花の成分である。これらの渋い味覚のホップ成分は、数世紀の間、保存性のビールの生産に使用されており、したがって、ヒトの栄養につながるその方法も見出した。したがって、とりわけ本明細書で提案する最終濃度での、環境調和性が得られる。
ホップ植物Humulus lupulusは、Cannabaceaeの植物科に属し;ホップは多数の国で栽培されており、ビールの生産に用いられている。未受精雌性ホップ植物は、ホップ樹脂を保持しているいわゆるホップ・コーンを形成する。ホップ樹脂は、代わって、最も変化する種類のバイオ安定化物質を含む。ホップ成分は、エタノールまたは超臨界CO2--を用いて抽出することができる。
ホップ樹脂から回収可能な苦い構成物には、フムロン(アルファ酸)およびルプロン(ベータ酸)のような種々の画分が含まれる。これらの物質は微生物阻害活性を有し、熱によってそのアイソフォームに変換することができ、それによって望ましくない微生物に対していまだ存在する阻害効果で良好な水溶解性が得られる。溶解性を高め、保存時の沈殿を防ぐために、調製方法ですでに技術的賦形剤として少量のミリスチン酸を添加することが行われている。好適なホップ酸の例はWO 00/053814 A1にも見出すことができる。
多くの脂肪酸化合物は生理学的に無害な天然産物である。したがって、本明細書中で示唆する、特に最終濃度での環境調和性が得られる。本発明による脂肪酸化合物は、脂肪酸アルコールまたは脂肪酸アルデヒドとすることもできる。脂肪酸化合物は、(脂肪族)骨格の物理化学的特性、特にバイオ安定化濃度での溶解度ならびにC1原子の構造が保持される限り、−OH、−SH、−NH2、−F、−Cl、−Br、−Iなどの官能基(ヒト、動物または植物に対して毒性である誘導体を除く);脂肪族側鎖および/または1またはそれを超える(とりわけ2または3の)(不飽和)二重結合も可能、を取り込むように修飾することもできる。脂肪酸のバイオ安定化効果は、例えばWO 2004/081236 A1から公知である。一般的に、本発明による遊離脂肪酸およびその石鹸がそのアルデヒドまたはエステルよりも良好な抗菌抗力を有することを実験が示している。特に抗菌活性に関して、ミリスチン酸またはその石鹸は、本発明において特に有用であることが証明された。
マツからの樹木樹脂、例えば、大部分が樹脂酸からなる蒸留によってそれから得たロジンは、何世紀もヒトによる消費のために使用されてきた殺菌特性を有する。したがって、本明細書で提唱するとりわけ最終濃度での環境調和性を提供する。
好ましくは、樹脂酸または樹脂はマツから得られる。オーストリアン・ブラックパインPinus nigra Austriacaのようなマツは、マツ科の植物ファミリーに属し;主に北半球に分布し、それからの樹脂はギリシャ風の樹脂の香りを付けたワインであるレチーナ(Retsina)の製造に長い伝統を有する。バイオ安定化上の有効成分を得るために、松脂は好ましくは2の画分テルペンチンおよびロジンに蒸留によって分離する。ここに、ロジンは樹脂酸の混合物である有効成分からなる。これらは、アルカリで溶解して、アルカリ性樹脂酸塩とすることができる。
ロジンは、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸およびそれらの異性体のような芳香族化合物の混合物である。固形ロジンブロックとして市販されているこれらのいわゆる樹脂酸は、種々の程度のバイオ安定化活性を有し、水溶液のアルカリ性樹脂酸塩として使用することができる。樹脂ソープの溶解性を高め、貯蔵時の沈殿を防ぐためには、 その調製工程において技術的賦形剤として予め少量のミリスチン酸を添加することが好ましい。
本発明によれば、例えば「Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Vol. A 23(1993)73〜88ページに記載されているようなすべての食物−和合性の樹脂(木材樹脂、より特にはベンゾイン、マツ・バルム、ミルラおよびトル−バルサムのようなバルダムのような)を用いることができる。経済上の理由および本発明により、主としてロジン生成物およびその誘導体が好ましい。このような生成物は、例えば「Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Vol. A 23(1993)79〜88ページに記載されている。
一部は、中温性、好熱性、超好熱性、耐塩性のおよび/または好塩性の細菌、特にファーミキューテスまたはアクチノバクテリア門の細菌による前記した驚くべきバイオ安定化効果のため、本発明のプロセス流体は、好ましい形態において、深部地球熱学における地熱試掘孔に使用するために提供される。とりわけ、本発明のプロセス流体は、Hot Dry Rock法における地熱試掘孔のために提供される。
本発明の過程において、ゲル化剤として多糖類、特にデンプンおよび改質デンプンのようなバイオポリマーを含めた場合に、本発明のプロセス流体が本明細書に記載する望ましくない微生物に対して特に良好なバイオ安定化に作用することが示された。これらのバイオポリマーは、例えば地熱試掘孔における微生物分解に対して非常に弱い。一方で、バイオポリマーおよび/または本発明のバイオスタビライザーのようなプロセス流体に添加した成分の(意図的な)分解は、一定時間経過後は望ましいものになり得る。両方が本発明で実現し得る。これらの物質の分解は、原則的にその無害性およびその基本的に安全な生分解性により、ある程度は制御可能だからである。
したがって、本発明のプロセス流体は、好ましい形態において、それがさらに少なくとも1のゲル化剤を含む点において特徴付けられ、ここに該ゲル化剤はバイオポリマーまたはそのポリマー誘導体であり;好ましくは、ここに該バイオポリマーは多糖類、好ましくは好ましくはデンプン、キサンタンのような植物ガム、セルロース、特にポリアニオン性セルロース、またはペクチン、とりわけデンプンである。本発明によれば、数ある中で当業者により適当であるとみなされたバイオポリマーのいずれの誘導体も、この形態においては可能であるが;しかしながら、バイオポリマーのゲル化特性は、実質的に保持されなければならずまたは−分解性に関しては−調整可能または制御可能でなければならない。好ましいバイオポリマーまたはその誘導体はWO 2012/045711 A1、US 4,659,811、WO 2006/109225、US 5,681,796、US 4,964,604、US 4,169,798またはUS 6,810,959または前記に引用した文献のうちの選択した1に開示されている。
本発明のさらに好ましい形態において、プロセス流体は地熱試掘孔における掘削流体として使用する。本発明のプロセス流体は、この目的に特に好適であることが証明されている(実施例1Bを参照されたい)。
本発明のプロセス流体には、さらなる成分を含めることができる。数ある中でも、掘削流体、または地球熱学または深部地球熱学における他の用途に典型的である成分、または当業者が地熱試掘孔における使用に好都合であるとみなし得るいずれか他の成分を含めることができる。好ましくは、以下の群から選択される1またはそれを超える物質が存在する:特に2の段落で前記したゲル化剤;緩衝化剤、特に酢酸、フマル酸、炭酸カリウム、ホウ砂、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムから選択されるもの;および粘鉱物、特に微粒化した形態の(例えば、粉砕した)ベントナイトから選択されるもの。実施例1Aは、地熱試掘孔における掘削流体として首尾よく使用した本発明のプロセス流体を示す。
驚くべきことに、消泡剤が本発明のプロセス流体に含まれる場合、特に掘削流体(実施例1Bを参照されたい)として使用する場合に有利なことを見出した。好ましくは、この消泡剤は、非−イオン性界面活性剤、例えば脂肪アルコールアルコキシレートまたはアルキレンオキサイドまたはアルキレンオキサイドポリマーベースである。好適な製品は、例えばBASF SEのBASOPUR(登録商標)DF 5である。
好ましくは、本発明のプロセス流体は水を含む。
驚くべきことに、本発明の過程において、本発明のプロセス流体は、水が含まれるかまたは水を添加した場合に、本明細書に記載する望ましくない微生物に対してバイオ安定化に作用し、より良好、より軟質の水が生成することを見出した。本発明のプロセス流体は、acts 特によくバイオ安定化を操作する。水の硬度が最大で20°dH(German Hardness)または3,57 mmol/l(アルカリ土類金属イオン)、好ましくは15°dHまたは2,67 mmol/l以下、より好ましくは10°dHまたは1,78 mmol/l以下、なおより好ましくは最大で7,5°(dHまたは1,34 mmol/l、特に最大で5°dHまたは0,89 mmol/lの場合に、本発明のプロセス水が特に良好にバイオ安定化に作用する。 特に深部地球熱学における本発明のプロセス流体の使用によって、アルカリ土類イオンは溶解するようになり、より高い水の硬度を生じ得る。
したがって、本発明のプロセス流体は、好ましい形態において、さらに硬水軟化剤を含むことによって特徴付けられる。当業者により好都合とみなされるすべての硬水軟化剤が適当である。好ましくは、硬水軟化剤はカチオン交換器またはキレート剤であり、特にゼオライト(ゼオライトAのような)、無機ポリリン酸(三リン酸のような)、エチレンジアミンテトラ酢酸およびそれらの塩、ニトリロトリ酢酸およびそれらの塩、ポリアクリル酸、およびクエン酸塩(またはクエン酸)から選択される。
複数の指定した有機酸がそれに含まれる場合に、本発明のプロセス流体は望ましくない微生物に関するバイオ安定化に特に良好に作用することを見出した。この結果は、バイオ安定化効果に関して相乗効果を生じた。したがって、本発明のもう1の好ましい形態は、 本発明のプロセス流体は、バイオスタビライザーが好ましくは:
少なくとも1のホップ酸、またはその塩、アルコールもしくはアルデヒド、および少なくとも1の脂肪酸、またはその塩、アルコールもしくはアルデヒド、または
少なくとも1の樹脂酸、またはその塩、アルコールもしくはアルデヒド、および少なくとも1の脂肪酸、またはその塩、アルコールもしくはアルデヒド、または
少なくとも1のホップ酸、またはその塩、アルコールもしくはアルデヒド、および少なくとも1の樹脂酸、またはその塩、アルコールもしくはアルデヒド、および少なくとも1の脂肪酸、またはその塩、アルコールもしくはアルデヒド
から選択される混合物を含むことにおいて特徴付けられ;
特に、バイオスタビライザーは、少なくとも1のホップ酸、またはその塩、アルコールもしくはアルデヒド、および少なくとも1の樹脂酸、またはその塩、アルコールもしくはアルデヒド、および少なくとも1の脂肪酸、またはその塩、アルコールもしくはアルデヒドの混合物である。
本発明の過程において、ホップ抽出物、天然樹脂(とりわけロジン)およびミリスチン酸またはその塩から選択される少なくとも1を含む1のバイオスタビライザーが、 驚くべきことに本明細書にいう望ましくない微生物に関して特に有効であることを証明した。その結果、本発明のプロセス流体は、特に好ましい形態において、バイオスタビライザーが以下の成分:ホップ抽出物、天然樹脂、好ましくはロジン、ここに天然樹脂は好ましくは溶解した形態で添加される、およびミリスチン酸またはその塩の少なくとも1、好ましくは少なくとも2、特にはすべての混合物であることに特徴付けられる。もう1の特に好ましい形態は、本発明によるプロセス流体に関し、それはさらに、バイオスタビライザーが以下の成分:ホップ抽出物、天然樹脂、好ましくはロジン、ここに天然樹脂は好ましくは溶解した形態で添加する、およびミリスチン酸またはその塩の少なくとも1、好ましくは少なくとも2、特にすべてを添加することによって得ることができることによってさらに特徴付けられる。
好ましくは、本発明のホップ酸は、フムロン、イソフムロン、コフムロン、アドフムロン、プレフムロン、ポストフムロン、テトラヒドロイソフムロン、およびテトラヒドロデオキシフムロンからなる群から選択されるアルファホップ酸、あるいはルプロン、コルプロン、アドルプロン、プレルプロン、ポストルプロン、ヘキサヒドロコルプロン、およびヘキサヒドロルプロンからなる群から選択されるベータホップ酸からなる、これらは生物安定化に好適だからである。
好ましくは本発明の樹脂酸はピマール酸、ネオアビエチン酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、レボピマール酸、およびパルストリン酸(palustrinic acid)からなる群から選択される。これらが生物安定化に好適だからである。
好ましくは、本発明の脂肪酸は、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、イコセン酸(icosenoic acid)、鯨油酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ティムノドン酸、クルパノドン酸、およびセルボン酸よりなる群から選択される。それらは生物安定化に好適だからである。特に好ましくは、ミリスチン酸である。
本発明の過程における研究は、特に望ましくない微生物に関する生物安定化に好適であるバイオスタビライザーの成分に関する濃度範囲を明らかにした。したがって、本発明のもう1の好ましい形態は、以下のように特徴付けられる本発明のプロセス流体をいう:
プロセス流体中のホップ酸の合計濃度は、0.01〜1000 ppm、好ましくは0.05〜100 ppm、より好ましくは0,1〜10 ppm、特に0.5〜5 ppmであり;および/または
−プロセス流体中の樹脂酸の合計濃度は0.05〜5000 ppm、好ましくは0.25〜500 ppm、より好ましくは0.5〜50 ppm、特に0.25〜25 ppmであり;および/または
−プロセス流体中の脂肪酸の合計濃度は0.05〜5000 ppm、好ましくは0.25〜500 ppm、より好ましくは0.5〜50 ppm、特に0.25〜25 ppmである。
好ましくは、「ppm」(「百万分率」)とは、プロセス流体(kg)の全重量の各々の有機酸(または複数)(mg)のパーセンテージをいい、すなわちppmはmg/kgを表す。
記載する濃度は最終バイオスタビライザー濃度であり、すなわちプロセス流体は記載する最終濃度のバイオスタビライザーで地熱試掘孔にポンプ送輸することができ、各々の具体的な適用の技術的結果に加えてそこでそのバイオ安定化効果を表明することができる。プロセス流体は、特にその最終濃度で、環境と調和する。
選択した状況においては、本発明のプロセス流体のバイオ安定化スペクトルを拡大し、またはそれと共にさらなる殺生物剤効果を提供することが必要である。したがって、本発明のプロセス流体は、さらに好ましい形態において、少なくとも1の他の微生物学的に活性な物質および/またはバイオスタビライザー、好ましくは酢酸、乳酸、プロピオン酸、安息香酸、ソルビン酸、ギ酸、およびそれらの塩から選択され;WO 2012/149560 A2に開示されているようなキトサンおよびキトサン誘導体も好ましい、を含むことにより特徴付けられる。
本発明のさらなる態様において、本発明の地熱試掘孔におけるプロセス流体、好ましくは深部地球熱学用の、特にHot Dry Rock法の使用を開示する。好ましい形態において、少なくとも104 L、好ましくは少なくとも105 L、特に少なくとも106 Lの本発明のプロセス流体を用いる。好ましくは、望ましくない微生物は、細菌、好ましくはファーミキューテス、アクチノバクテリア、バクテロイデス、またはプロテオバクテリアの門、特にファーミキューテスまたはアクチノバクテリアの門から選択される細菌であるプロセス流体のバイオスタビライザーによってその増殖および/または代謝で阻害される。この望ましくない微生物は、さらにPseudomonas、Cobetia、Shewanella、Thermoanaerobacter、Arcobacter、Pseudoalteromonas、Marinobacterium、Halolactibacillus、Selenihalanaerobacter、Vibrio、Desulfovibrio、Burkholderia、Arcobacter、Dietzia、Microbacterium、Idiomarina、Marinobacter、HalomonasおよびHalanaerobiumから選択される細菌の属、より好ましくはDietzia、Microbacterium、HalolactibacillusおよびHalanaerobiumから選択される属に属する。
さらに好ましい形態において、 本発明のプロセス流体は、100 m〜8000 m、好ましくは200 m〜7000 m、より好ましくは300 m〜6000 m、なおより好ましくは400 m〜5000 m、特に500 m〜4000 mまたは600 m〜3500 mでさえの深度で使用する。
本発明のプロセス流体は、好ましくは掘削流体として使用するために利用する。
本発明のもう1の態様は、地熱試掘孔をバイオ安定化する、好ましくは深部地球熱学の方法に関し、特にプロセス流体を試錐孔にポンプ送輸することを含むHot Dry Rock法に関する。好ましい形態において、少なくとも104 L、好ましくは少なくとも105 L、特に少なくとも106 Lの本発明のプロセス流体が、地熱試掘孔にポンプ送輸される。
さらに好ましい形態において、地熱試掘孔をバイオ安定化する、本発明のプロセス流体 は、100 m〜8000 m、好ましくはof 200 m〜7000 m、より好ましくは300 m〜6000 m、なおより好ましくは400 m〜5000 m、特に500 m〜4000 mまたは600 m〜3500 mでさえの深度の地熱試掘孔で使用する。このプロセスにおいて、本発明のプロセス流体は好ましくは掘削流体として使用する。
好ましくは、生物安定化のための本発明の方法においては、望ましくない微生物がプロセス流体のバイオスタビライザーによってその増殖および/または代謝において阻害され、それは細菌であり、好ましくはファーミキューテス、アクチノバクテリア、バクテロイデスまたはプロテオバクテリアの門、特にファーミキューテスまたはアクチノバクテリアの門から選択される。この望ましくない微生物は、さらに、Pseudomonas、Cobetia、Shewanella、Thermoanaerobacter、Arcobacter、Pseudoalteromonas、Marinobacterium、Halolactibacillus、Selenihalanaerobacter、Vibrio、Desulfovibrio、Burkholderia、Arcobacter、Dietzia、Microbacterium、Idiomarina、Marinobacter、HalomonasおよびHalanaerobiumから選択される細菌の属に属し、より好ましくはDietzia、Microbacterium、HalolactibacillusおよびHalanaerobiumから選択される属に属する。本発明のさらなる態様において、本発明のプロセス流体を調製する方法を開示し、ここに該プロセス流体は水を含む。この方法は、少なくとも1の有機酸、またはそれらの塩、アルコールもしくはアルデヒドを、水またはプロセス流体の含水部分に添加することを含み、ここに少なくとも1の有機酸はホップ酸、樹脂酸、脂肪酸、およびそれらの2またはすべての混合物空なる群から選択される。好ましい形態において、少なくとも104 L、好ましくは少なくとも105 L、特に少なくとも106 Lの本発明のプロセス流体を調製する。
本発明のプロセス流体が樹脂酸を含む場合、樹脂またはその留分、とりわけロジンの形態で添加することが極めて経済的である。その結果として、本発明の調製方法は、少なくとも1の樹脂酸を供給する場合、好ましい形態において、少なくとも1の樹脂酸を樹脂の形態で、好ましくは天然樹脂の形態で、なおより好ましくはロジンの形態で添加することによって特徴付けられる。もう1の形態において、そのように行う場合に、好ましくは松脂、マツ・バルム、ロジン酸、ロジン酸の塩(樹脂石鹸)、松脂の非変性誘導体(すなわち、強酸または強塩基の影響なしに得られた誘導体)に基づく、溶解した、乳化したもしくは分散した、またはペースト状のロジン生成物を用いることが好ましい。ロジン誘導体としては、レボピマール酸、ネオアビエチン酸、パルストリン酸(palustrinic acid)、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、ピマール酸、およびイソピマール酸のような、化学合成したまたはロジン生成物から単離したかのいずれかであるロジンの個々の成分も本発明により好ましい。ロジンの誘導体は、本発明の意味の範囲内のものとし得、さらに、水素添加、重合、付加反応、エステル化、ニトリル化(nitrilation)、アミノ化ほかに提供することができる。この段落に記載の形態においては、各々の樹脂酸含有成分(樹脂またはその留分のような)は、アルコール性の溶液または懸濁液として、好ましくはエタノールの1〜95%、とりわけ10〜80%溶液、またはアルカリ溶液として、好ましくは0.5〜35%のアルカリ溶液(少なくとも1の脂肪酸を記載したようにアルカリ溶液に添加することもできる)添加する場合が特に好ましい。
また、本発明の調製方法において、if 少なくとも1の樹脂酸および/または脂肪酸を添加することが好都合である場合もある。この少なくとも1の樹脂酸および/または脂肪酸 は塩類溶液または懸濁液としてであり、好ましくはカリウム塩溶液、特に0.5〜35%のカリウム塩溶液である。
経済的な理由のため、少なくとも1のホップ酸を調製プロセスに加えることが好ましく、この少なくとも1のホップ酸はホップ抽出物の形態である。ホップ抽出物自体の製造は長年知られており、通常、雌性ホップ植物の未受精花からの抽出を溶媒としてアルコール、とりわけエタノールを用いて、または好ましくは超臨界CO2を用いた抽出によって行う。ホップ抽出物の添加の他の好ましい変形は、WO 00/053814 A1に開示されている。
本発明のさらに好ましい形態において、本発明の調製方法には、さらに、さらなる抗菌剤またはスタビライザーを、水またはプロセス流体の含水部分(好ましくは酢酸、乳酸、プロピオン酸、安息香酸、ソルビン酸、ギ酸およびそれらの塩から選択される)に添加することが含まれる。WO 2012/149560 A2に開示されているようなキトサンおよびキトサン誘導体の添加も好ましい。
本発明による調製方法のさらに好ましい特徴は、WO 00/053814 A1、WO 01/88205 A1、WO 2004/081236 A1またはWO 2008/067578 A1の文献に開示されている。
本発明のプロセス流体は、例えば液体、ゲルまたは液体フォーム(liquid foam)とし得る。好ましくは、プロセス流体は水である。好ましくは、プロセス流体は液体またはゲルである。
なお、本発明のプロセス流体のバイオスタビライザーは、特に水またはプロセス流体の含水部分に溶解することが好ましいが−部分的または全体的に、バイオスタビライザーの分散液または懸濁液で提供する。
バイオスタビライザーは、細菌、古細菌または菌類細胞のような微生物の増殖(特に増殖)および/または代謝の速度を落とすまたは阻害し得る物質と理解される。それに対して、殺生物剤は微生物を死滅させる物質と理解される。これに関して、殺生物剤はバイオスタビライザーよりもより攻撃的に作用する。バイオスタビライザーが特別な環境下では殺生物剤としても作用し得ることは当業者に明らかである(例えば、非常に感受性の高い微生物における高用量ほか)。
物質のバイオ安定化効果は本明細書に引用する文献に開示されているような方法による他のものの中でも当該技術分野で知られている多くの異なる方法で測定することができる。バイオ安定化効果を判定する好ましい方法は、微量希釈試験、スポット試験またはウェル拡散試験である。また、WhiteらまたはJorgensenおよびFerraroに開示されている方法も好ましい。
バイオ安定化効果の測定については、物質を1またはそれを超える特定の濃度(例えば、0.1 ppm、0.5 ppm、1 ppm、5 ppm、10 ppm、25 ppm、50 ppm、100 ppm、200 ppm、300 ppm、400 ppm、500 ppm、1000 ppm、5000 ppm、10000 ppm)まで試料に加える場合があり、ここに試料は生存している望ましくない微生物を含み、純粋な培養物、混合培養物、地殻から採取した試料または地殻から採取した試料と同様のもの(例えば、下水汚泥)を含む。ついで、物質のバイオ安定化効果は、試料と物質とを1またはそれを超える特定の時点(例えば、1 d、2 d、3 d、4 d、5 d、10 d、20 d、30 d、60 d、90 d、120 d)でその開始時間のそれ自体および/または対照(物質を含まず、例えば物質の代わりに水を含む試料)と比較することによって判定することができる。この比較は、平板し、CFU/ml(コロニー形成単位)を測定するかまたは濁度を測定する(例えば、OD600を測定する)ことによって細菌の数を測定することを含む直接比較とすることができる。この比較は間接比較とすることもでき、例えば、望ましくない微生物によって引き起こされ得る望ましくない効果(例えば、硫化物産生、酸産生、細胞外ポリマー物質の産生)の測定とすることができる。特に深部地球熱学においては、減少した微生物の硫化物産生は、バイオスタビライザーとしての物質の適合性を判定する重要なパラメータとすることができる。バイオスタビライザーは、選択した望ましくない微生物に対して、好ましくは本明細書に記載するもののような記載した効果の1またはそれを超えるものを有する:対照におけるよりも少ないバイオマスの増加、対照におけるよりも少ない硫化物の産生、対照におけるよりも少ない酸の産生、対照におけるよりも少ない細胞外ポリマー物質の産生、対照におけるよりも少ないバイオフィルムの産生。
Brock Biology of Microorganisms、138ページによれば、中温性、好熱性、超好熱性、耐塩性、および好塩性なる用語は、以下のように理解される:
中温性:20℃〜45℃で最もよく増殖する微生物をいう; 好熱性:45℃〜80℃で最もよく増殖する微生物をいう;超好熱性:80℃以上で最もよく増殖する微生物をいう;耐塩性:高塩濃度(例えば、質量濃度25%のNaCl)で増殖することができる微生物をいう;好塩性:増殖のために高塩濃度を必要とする(例えば、質量濃度25%のNaCl)微生物をいう。
本発明を以下の図および実施例によって説明するが、勿論のこと本発明はそれらに限定されるものではない。
図1A〜1M:Halanaerobium congolenseに対するバイオスタビライザーの効果。実施例4に従って、DSM11287菌株を種々の濃度のバイオスタビライザー A(ホップ酸)またはバイオスタビライザーB(樹脂酸/ミリスチン酸)にさらした。(A)バイオスタビライザーを含まない場合の増殖曲線;(B)0.5 ppm、(C)1 ppm、(D)10 ppm、(E)50 ppm、(F)100 ppm、(G)250 ppmのバイオスタビライザーAを含む場合の増殖曲線;および(H)0.5 ppm、(I)1 ppm、(J)10 ppm、(K)50 ppm、(L)100 ppm、(M)250 ppmのバイオスタビライザーBを含む場合の増殖曲線を示す。生物安定化に向かう用量−依存性の傾向が明らかである。
図2A〜2M:Halolactibacillus miurensisに対するバイオスタビライザーの効果。実施例4に従って、DSM 17074菌株を、種々の濃度のバイオスタビライザーA(ホップ酸)またはバイオスタビライザーB(樹脂酸/ミリスチン酸)にさらした。(A)バイオスタビライザーを含まない場合の増殖曲線;(B)0.5 ppm、(C)1 ppm、(D)10 ppm、(E)50 ppm、(F)100 ppm、(G)250 ppmのバイオスタビライザーAを含む場合の増殖曲線;ならびに(H)0.5 ppm、(I)1 ppm、(J)10 ppm、(K)50 ppm、(L)100 ppm、(M)250 ppmのバイオスタビライザーBを含む場合の増殖曲線を示す。生物安定化に向かう用量−依存性の傾向は明らかである。
図3A〜3M:Halolactibacillus halophilusに対するバイオスタビライザーの効果。実施例4に従って、DSM 17073菌株を種々の濃度のバイオスタビライザーA(ホップ酸)またはバイオスタビライザーB(樹脂酸/ミリスチン酸)にさらした。(A)バイオスタビライザーを含まない場合の増殖曲線;(B)0.5 ppm、(C)1 ppm、(D)10 ppm、(E)50 ppm、(F)100 ppm、(G)250 ppmのバイオスタビライザーAを含む場合の増殖曲線;および(H)0.5 ppm、(I)1 ppm、(J)10 ppm、(K)50 ppm、(L)100 ppm、(M)250 ppmのバイオスタビライザーBを含む場合の増殖曲線を示す。生物安定化に向かう用量−依存性の傾向は明らかである。
図4A〜4C:Halolactibacillus miurensisに対する化学殺生物剤メチレンビス[5−メチルオキサゾリジン]と比較したホップ酸の効果。実施例5に従って、DSM 17074菌株をホップ酸を含有するホップ抽出物または当該技術分野で公知の殺生物剤3,3‘−メチレンビス[5−メチルオキサゾリジン]に種々の濃度でさらした。(A)バイオスタビライザーを含まない場合の増殖曲線;(B)10、25または50 ppmのメチレンビス[5−メチルオキサゾリジン]を含む場合の増殖曲線;(C)10、25または50 ppmのホップ酸を含む場合の増殖曲線を示す。生物安定化に向かう用量−依存性の傾向は明らかである。さらに、Halolactibacillus miurensisに対するホップ酸のバイオ安定化効果は、驚くべきことに 低濃度、例えば10 ppmの場合でさえ化学殺生物剤メチレンビス[5−メチルオキサゾリジン]よりも強いことが図からみることができる。
図5A〜5C:Halolactibacillus halophilusに対する化学殺生物剤メチレンビス[5−メチルオキサゾリジン]と比較したホップ酸の効果。実施例5に従って、DSM 17074菌株を was exposed to a ホップ酸を含むホップ抽出物または当該技術分野で公知の殺生物剤3,3‘−メチレンビス[5−メチルオキサゾリジン]に種々の濃度でさらした。(A)バイオスタビライザーを含まない場合の増殖曲線;(B)5、10、25、50、100、200、1000、2000 or 5000 ppmのメチレンビス[5−メチルオキサゾリジン]を含む場合の増殖曲線;(C)0.25、0.5、20、100 or 200 ppmのホップ酸を含む場合の増殖曲線を示す。生物安定化に向かう用量−依存性の傾向は明らかである。さらに、Halolactibacillus miurensisに対するホップ酸のバイオ安定化効果は、驚くべきことに 低濃度、例えば20 ppmの場合でさえ、例えば25 ppmの化学殺生物剤メチレンビス[5−メチルオキサゾリジン]よりも強いことが図からみることができる。
実施例
実施例1A
地熱試掘孔用の掘削流体としての本発明のプロセス流体の調製
地熱試掘孔に対して、バイオスタビライザーを含む750000 Lのプロセス流体を掘削流体として提供した:
以下の物質を720000 Lの水に添加した:バイオスタビライザーとしてのホップ酸抽出物(1 g/lのホップ酸濃度について700 kgの10%アルカリ性ホップ酸溶液)。掘削した固形物を阻害するための61000 kgの炭酸カリウム;18000 kgのポリアニオン性セルロース(PAC)および2250 kgのキサンタン。
また、以下の物質を脂肪アルコールオキシレート塩基に添加した:4000 kgのクエン酸、1500 kgのソーダ、3000 kgのベントナイトおよび720 Lの消泡剤。
実施例1B
地熱試掘孔における掘削流体としてのプロセス流体の本発明の使用
750〜3200 mの掘削深度における地熱試掘孔に実施例1Aのバイオスタビライザーを含む掘削流体を用いた場合、微生物のコンタミネーションおよび臭気のような有害な効果は顕著に減少し、掘削流体の粘度の変化またはキサンタンの分解は防止することができた。
微生物試験は、100 μlの掘削流体試料を平板し、37℃にて2日間インキュベートすることによって平板カウント寒天上で行った(微生物数はCFU=掘削流体1 ml当たりのコロニー形成単位で示す):
1日目 第2の孔セクション(深度750 m)の開始。バイオスタビライザーおよび消泡剤を含まない以外は実施例1Aの掘削流体を用いた。
11日目 掘削流体からサンプリング。−寒天一面を覆う細菌増殖。したがって、CFUはよく決められなかったが、3000を遙かに超えることは確実であった。配列決定によって測定したところ、中でも顕著な比率のMicrobacterium属およびDietzia属の細菌が試料に存在した。ここでは、バイオスタビライザーを含むが消泡剤を含まない実施例1Aの掘削流体を用いた。予期せぬことに、実施例1Aの掘削流体(すなわち、バイオスタビライザーおよび消泡剤を含む)を用いてから短時間に消泡剤を用いることが有利であることが示された。
18日目 > 300 CFU/ml
21日目 93 CFU/ml
29日目 13 CFU/ml
37日目 14 CFU/ml
43日目 19 CFU/ml
50日目 18 CFU/ml
61日目 掘削終了
したがって、本発明のバイオスタビライザーを含むプロセス流体が、特にMicrobacterium属およびDietzia属の細菌に対する地熱掘削における掘削流体としても有効であることを見出した。
実施例2
Halanaerobiumに対するバイオ安定化効果
増殖培地の調製:
微量元素ストック溶液:1 Lの蒸留水に、1.50 gのニトリロトリ酢酸を添加し、KOHを用いてpHを6.5に調節した。ついで:MgSO4 x 7 H2O 3 g、MnSO4 x H2O 0.50 g、NaCl 1 g、FeSO4 x 7 H2O 0.10 g、CoSO4 x 7 H2O 0.18 g、CaCl2 x 2 H2O 0.10 g、ZnSO4 x 7 H2O 0.18 g、CuSO4 x 5 H2O 0.01 g、KAl(SO42 x 12 H2O 0.02 g、H3BO3 0.01 g、Na2MoO4 x 2 H2O 0.01 g、NiCl2 x 6 H2O 0.03 g、Na2SeO3 x 5 H2O 0.30 mgおよびNa2WO4 x 2 H2O 0.40 mgを添加し、KOHを用いてpHを7に調節した。
培地ベース:1 Lの蒸留水に、NH4Cl 1 g、K2HPO4 0.3 g、KH2PO4 0.3 g、MgCl2 x 6 H2O 10 g、CaCl2 x 2 H2O 0.1 g、KCl 1 g、酢酸ナトリウム 0.5 g、 0.5 g、トリプチカーゼ1 g、酵母エキス 1 g、NaCl 100 g、微量元素ストック溶液 1 mlおよびレサズリン 0.001 gを添加した。
培地のベースを煮沸し、N2:CO2(80:20 v/v)下で冷却した。N2:CO2(80:20 v/v)下、培養管中のアリコートをオートクレーブにかけた。無菌の培地ベースに以下の無菌ストック溶液を括弧内に示す濃度まで添加した:2% Na2S x 9 H2O(0.2 ml/10 ml)、10% NaHCO3(0.2 ml/10 ml)、1Mグルコース(0.2 ml/10 ml)および1M チオ硫酸ナトリウム(0.2 ml/10 ml)。所望により、pHを7に調節した。このようにした増殖培地を得た。
Halanaerobium congolense(DSM 11287)はGerman Collection of Microorganisms and Cell Cultures(DSMZ)から得た。嫌気性条件下、42℃にて前−培養物を増殖培地で増殖させ、それによって7日間インキュベートした。
Provide 5 各々2 mlの増殖培地を含む5の培養管(R0〜R4)を準備し、ここでバイオスタビライザー(ホップ抽出物、ナトリウム塩溶液中のロジンおよびナトリウム塩溶液中のミリスチン酸の形態)を各培養管中の増殖培地に以下の濃度まで添加した:
培養管 ホップ酸 樹脂酸 ミリスチン酸
[ppm] [ppm] [ppm]
R0 0 0 0
R1 5 25 25
R2 20 100 100
R3 100 500 500
R4 200 1000 1000
培養管に各々20 μlの前−培養物を接種し、前記した増殖条件で1、2、3および4日インキュベートした後、光学密度(OD)を測定した。R0と比較して低い光学密度が見出され、R0に対する密度の差は、バイオスタビライザー濃度が高くなるにつれて増大した。また、個々に生成したH2Sの量も測定することができる。
実施例3
Halolactibacillusに対するバイオ安定化効果
増殖培地の調製:
ペプトン 5 g、酵母エキス 5 g、グルコース 10 g、KH2PO4 1 g、MgSO4 x 7 H2O 0.2 g、NaCl 40 g、Na2CO3 10 gを1Lの蒸留水に添加する。所望により、pHを2〜6に調節してもよい。
Halolactibacillus halophilus(DSM 17073)は、German Collection of Microorganisms and Cell Cultures(DSMZ)から得られる。前−培養物を増殖培地中、30℃にて増殖させ、それによって3日間インキュベートする。
各々2 mlの増殖培地を含む5の培養管(R0〜R4)を準備し、ここでバイオスタビライザー(ホップ抽出物の形態の、ナトリウム塩溶液中のロジンおよびナトリウム塩溶液中のミリスチン酸)を以下の濃度まで各培養管中の増殖培地に添加した:
培養管 ホップ酸 樹脂酸 ミリスチン酸
[ppm] [ppm] [ppm]
R0 0 0 0
R1 5 25 25
R2 20 100 100
R3 100 500 500
R4 200 1000 1000
各20 μlの前−培養物を培養管に接種し、前記した増殖条件で1、2、3および4日インキュベートした後に光学密度を測定した。R0と比較して低い光学密度がみられ、R0に対する密度の差が高濃度のバイオスタビライザーで増大した。
実施例4
HalanaerobiumおよびHalolactibacillusに対するバイオ安定化効果
3の規定した細菌菌株(Halanaerobium congolense DSM 11287、Halolactibacillus halophilus DSM 17073、Halolactibacillus miurensis DSM 17074)の増殖に対する選択したバイオスタビライザー(ホップベータ酸または樹脂酸/ミリスチン酸、バイオスタビライザーAまたはB)の効果は、イン・ビトロ(in vitro)実験によって分析した。
選択したバイオスタビライザーに対して、以下の水性ストック溶液を用いた:(A)10%アルカリ性ベータホップ酸溶液(ホップ抽出物)および(B)樹脂酸(ロジン)およびミリスチン酸(60:40)の20%アルカリ性溶液
Figure 0006581311
3の試験菌株の各々を表1によるバイオ安定化実験の前に数日間増殖させた。種の同一性は配列決定によってチェックし、公表されているデータベースでの配列比較によって再度チェックした。
バイオ安定化実験はBioscreen機器で行った。それは、同時にインキュベーターとして作用する特別のマイクロタイタープレートフォトメーターを含み、同時に2までの100のウェルを含むいわゆるハニカムマイクロタイタープレートに適応することができる。増殖の判定は、600 nmでのOD測定によって行う。インキュベーションの間、ハニカムマイクロタイタープレートは各測定の15秒前に中強度で5秒間振盪した。OD測定は15分毎に行った。
行った各試験において、試験菌株当たり2のハニカムマイクロタイタープレートを用い、各々同じスキームにより実行した。0.5 ppm、1 ppm、10 ppm、50 ppm、100 ppm、および250 ppmの濃度で、各々、第1のマイクロタイタープレートでバイオスタビライザーAを試験し、各々、第2のプレートでバイオスタビライザーBを試験した。この実施例におけるppmの濃度データは、(Aについては)増殖培地中のホップ酸の最終濃度および(Bについては、組成60:40における)樹脂酸/ミリスチン酸の最終濃度をいう。この実施例における「ppm」は溶液(すなわち、増殖培地+添加物)1 kg当たりの有機酸(すなわち、ホップ酸または樹脂酸/ミリスチン酸)mgを表す。
すべての試験菌株は、各掲載バイオスタビライザー濃度で7倍試験した(すなわち、n=7)。この目的のために、それぞれのバイオスタビライザー濃度をハニカムマイクロタイタープレートの7のウェルの各細菌菌株と平行して調べた。また、バイオスタビライザー濃度当たり3のウェルを対照手段として含めた、すなわち、細菌懸濁液の代わりに、殺菌水をウェルにピペットで添加した。また、各プレートの7のウェルは、選択した試験条件下で各菌株の典型的な増殖を検出するさらなる対照のためにバイオスタビライザーを含まないで行った。殺菌対照は、各々、バイオスタビライザーおよび細菌菌株(バイオスタビライザーを含まないおよび細菌懸濁液を含まない培地)当たり3のさらなるウェルを含んだ。
各ウェルに、表1によるそれぞれの増殖培地、細菌懸濁液(または適当な対照の無菌水)およびバイオスタビライザー溶液を適当な濃度でピペット添加した。Halanaerobium congolenseについては厳密に嫌気性の雰囲気をつくるために、増殖培地をoxyrase(酸素除去酵素)と混合した。すべての成分を混合することによって、目的のバイオスタビライザー 濃度を各々達成した。その後、すべてのウェルを2〜3滴の殺菌パラフィン油で被覆した。これはHalanaerobium congolenseに対しては嫌気性条件を維持するよう作用し、Halolactibacillus miurensisおよびHalolactibacillus halophilusに対しては微好気性条件をつくりだす。
マイクロタイタープレートのウェル中の各体積の組成(Halanaerobium congolense用)
300 μl 1.25 x 増殖培地(DSMZ No. 933)
50 μl 細菌懸濁液
10 μl Oxyrase(登録商標)(Oxyrase Inc.、Ohio、USA)
10 μl 適当な濃度のバイオスタビライザー溶液
2〜3滴の被覆用パラフィン
マイクロタイタープレートのウェル中の各体積の組成(他の3の菌株用)
300 μl 1.25 x 増殖培地(DSMZ No. 785またはCASO)
50 μl 細菌懸濁液
10 μl 適当な濃度のバイオスタビライザー溶液
2〜3滴の被覆用パラフィン
それぞれの増殖曲線を図に示す。それはshow a strong concentration−dependent influence on the 増殖 of the test strains by the バイオスタビライザーによる試験菌株の増殖に対する強い濃度−依存性の影響を示している。高濃度のバイオスタビライザーでは、増殖培地の不透明化(すなわち、バイオ安定化効果を評価する高いOD値、それは適当であるが増殖曲線の過程またはOD獲得となる初期OD値ではない)を生じ−時として以上となる(バイオスタビライザーは時として溶液から沈殿するため)が、なお生物安定化に向かう用量−依存性の傾向は図から明らかである。
大部分のバイオスタビライザー/試験菌株の組合せでは、0.5 ppmの濃度ですでに増殖に対する影響を生じている(低いOD獲得または最大ODに達するのが遅い)。増殖の完全な阻害(すなわち、増殖を高めるODはもはや起こらない)が大部分が10 ppmまたは50 ppmのバイオスタビライザー濃度で菌株−独立してみられた(表2を参照されたい)。
試験条件下で、バイオスタビライザーAおよびBは、試験細菌の増殖を阻害すること、すなわち、バイオ安定化を行うことができた。
Figure 0006581311
実施例5
比較例
Halolactibacillusに対する、当該技術分野で公知であり、大きな技術スケールで使用されていた化学殺生物剤メチレンビス[5−メチルオキサゾリジン]と比較したホップ酸のバイオ安定化効果。この試験は(バイオスタビライザーおよびその濃度に関する以外は)実質的に実施例4に従って行った。これらの研究の結果を図4A〜図4Cおよび図5A〜図5Cに示す。ホップ酸による生物安定化に向かう用量−依存性の傾向は、明らかである。さらに、驚くべきことに、Halolactibacillusに対するホップ酸のバイオ安定化効果が化学殺生物剤メチレンビス[5−メチルオキサゾリジン]の場合よりもより低濃度でさえ強かったことが研究の間に示された(図4B〜図4Cおよび図5B〜図5Cを参照されたい)。
引用した非特許文献:
Figure 0006581311

Claims (26)

  1. 地熱試掘孔におけるプロセス流体の使用であって、プロセス流体がバイオスタビライザーを含み、該バイオスタビライザーが少なくとも1の有機酸、またはその塩、アルコールもしくはアルデヒドを含み、ここに該少なくとも1の有機酸がホップ酸、樹脂酸およびそれらの混合物よりなる群から選択されることを特徴とする使用。
  2. 該プロセス流体が地熱試掘孔における掘削流体として使用される、請求項1に記載の使用。
  3. 該プロセス流体がさらに少なくとも1の消泡剤を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
  4. 該消泡剤が非−イオン性界面活性剤ベースのものであることを特徴とする、請求項3に記載の使用。
  5. 該プロセス流体がさらに少なくとも1のゲル化剤を含み、該ゲル化剤がバイオポリマーまたはそのポリマー誘導体であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の使用。
  6. 該バイオポリマーが多糖類であることを特徴とする、請求項5に記載の使用。
  7. 該多糖類がデンプン、植物ガム、セルロースおよびペクチンからなる群より選択されることを特徴とする、請求項6に記載の使用。
  8. 該セルロースがポリアニオン性セルロースであることを特徴とする、請求項7に記載の使用。
  9. 該プロセス流体がさらに硬水軟化剤を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
  10. 該バイオスタビライザーが:
    少なくとも1のホップ酸、またはその塩、アルコールもしくはアルデヒドおよび少なくとも1の樹脂酸、またはその塩、アルコールもしくはアルデヒド
    を含む
    ことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
  11. 該バイオスタビライザーが以下の成分:
    −ホップ抽出物、および
    −天然樹脂
    の少なくとも1であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
  12. 該天然樹脂がロジンであることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
  13. 該バイオスタビライザーが以下の成分:
    −ホップ抽出物、および
    −天然樹脂
    の少なくとも1を添加することによって得ることができることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の使用。
  14. 該天然樹脂がロジンであることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
  15. 該バイオスタビライザーが:
    該ホップ酸がバイオスタビライザー中に存在し、該ホップ酸がフムロン、イソフムロン、コフムロン、アドフムロン、プレフムロン、ポストフムロン、テトラヒドロイソフムロン、およびテトラヒドロデオキシフムロンからなる群から選択されるアルファホップ酸、またはルプロン、コルプロン、アドルプロン、プレルプロンポストルプロン、ヘキサヒドロコルプロン、およびヘキサヒドロルプロンからなる群から選択されるベータホップ酸であり;および/または
    該樹脂酸がバイオスタビライザー中に存在し、該樹脂酸がピマール酸、ネオアビエチン酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、レボピマール酸、およびパルストリン酸(palustrinic acid)からなる群から選択されること
    において特徴付けられる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の使用。
  16. −プロセス流体中のホップ酸の合計濃度が0.01〜1000 ppmであり;および/または
    −プロセス流体中の樹脂酸の合計濃度が0.05〜5000 ppmであること
    において特徴付けられる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の使用。
  17. −プロセス流体中のホップ酸の合計濃度が0.05〜100 ppmであり;および/または
    −プロセス流体中の樹脂酸の合計濃度が0.25〜500 ppmであること
    において特徴付けられる、請求項16に記載の使用。
  18. −プロセス流体中のホップ酸の合計濃度が0.1〜10 ppmであり;および/または
    −プロセス流体中の樹脂酸の合計濃度が0.5〜50 ppmであること
    において特徴付けられる、請求項16に記載の使用。
  19. −プロセス流体中のホップ酸の合計濃度が0.5〜5 ppmであり;および/または
    −プロセス流体中の樹脂酸の合計濃度が0.25〜25 ppmであること
    において特徴付けられる、請求項16に記載の使用。
  20. さらに、酢酸、乳酸、プロピオン酸、安息香酸、ソルビン酸、ギ酸、およびそれらの塩から選択される少なくとも1のさらなる抗菌剤および/またはバイオスタビライザーを含むことを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の使用。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載のプロセス流体を地熱試掘孔にポンプ送輸することを含む、地熱試掘孔をバイオ安定化する方法。
  22. 該プロセス流体を掘削流体として地熱試掘孔にポンプ送輸することを含む、請求項21に記載の地熱試掘孔をバイオ安定化する方法。
  23. さらに、消泡剤およびゲル化剤も含む、粘鉱物を含むことを特徴とする、請求項1〜20のいずれか1項に記載の地熱試掘孔用のプロセス流体。
  24. 該粘土鉱物がベントナイトであることを特徴とする、請求項23に記載のプロセス流体。
  25. 該プロセス流体が水を含み、さらに少なくとも1の有機酸、またはそれらの塩、アルコールもしくはアルデヒドを水またはプロセス流体の含水部分に添加することを含み、ここに該少なくとも1の有機酸はホップ酸、樹脂酸、およびそれらの混合物からなる群から選択され、さらに粘土鉱物および消泡剤の添加を含む、請求項23または24に記載のプロセス流体の調製方法。
  26. さらにゲル化剤の添加も含む、請求項25に記載の調製方法。
JP2018533769A 2015-12-23 2016-12-23 地熱試掘孔における環境調和型のバイオスタビライザーとプロセス流体の使用 Active JP6581311B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP15202340.4 2015-12-23
EP15202340.4A EP3184601A1 (de) 2015-12-23 2015-12-23 Prozessfluid mit umweltverträglichem biostabilisator
PCT/EP2016/082552 WO2017109168A1 (de) 2015-12-23 2016-12-23 Verwendung eines prozessfluids mit umweltverträglichem biostabilisator in einer geothermischen bohrung

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019507204A JP2019507204A (ja) 2019-03-14
JP6581311B2 true JP6581311B2 (ja) 2019-09-25

Family

ID=55072464

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018533769A Active JP6581311B2 (ja) 2015-12-23 2016-12-23 地熱試掘孔における環境調和型のバイオスタビライザーとプロセス流体の使用

Country Status (9)

Country Link
US (2) US11873442B2 (ja)
EP (2) EP3184601A1 (ja)
JP (1) JP6581311B2 (ja)
CN (1) CN108431169B (ja)
CA (1) CA3009430C (ja)
DK (1) DK3394204T3 (ja)
HU (1) HUE046624T2 (ja)
PL (1) PL3394204T3 (ja)
WO (1) WO2017109168A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112251213B (zh) * 2020-10-15 2022-09-23 中国地质科学院水文地质环境地质研究所 地热系统中的复合化学刺激剂
CN115490466A (zh) * 2022-09-27 2022-12-20 利丰新能源技术(山东)股份有限公司 一种基于压裂技术的干热岩工艺
CN115637242A (zh) * 2022-10-20 2023-01-24 中南大学 微生物复合菌剂及其制备方法和赤泥原位生物脱碱的方法

Family Cites Families (40)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3047493A (en) * 1958-05-26 1962-07-31 Gulf Research Development Co Drilling process and water base drilling muds
DE2224959C2 (de) * 1972-05-23 1974-06-12 Deutsche Texaco Ag, 2000 Hamburg Verwendung einer Tallölfraktion als Schmiermittel für wässrige Bohrspülungen
CA1023239A (en) 1973-05-01 1977-12-27 Leroy L. Carney Water-in-oil emulsions and emulsifiers for preparing the same
US4064056A (en) * 1976-06-28 1977-12-20 Texaco Inc. Drilling fluids containing an additive composition
US4169798A (en) 1976-11-26 1979-10-02 Celanese Corporation Well-treating compositions
US4233162A (en) * 1978-02-07 1980-11-11 Halliburton Company Oil well fluids and dispersants
US4659811A (en) 1984-05-29 1987-04-21 Henkel Corporation Alkaline refined gum and use thereof in improved well-treating compositions
US4964604A (en) 1989-12-26 1990-10-23 Emile Lombard Hanging bracket for curtain rods
US5096617A (en) * 1990-05-24 1992-03-17 The B. F. Goodrich Company Defoamer emulsion
US5576271A (en) * 1993-05-12 1996-11-19 Phillips Petroleum Compay Composition and process for stabilizing viscosity or controlling water loss of polymer-containing water based fluids
GB9407535D0 (en) * 1994-04-13 1994-06-08 Procter & Gamble Detergent compositions
US5681796A (en) 1994-07-29 1997-10-28 Schlumberger Technology Corporation Borate crosslinked fracturing fluid and method
US5979556A (en) * 1996-07-25 1999-11-09 Union Oil Company Of California Slow acidizing of geological formations
US6302209B1 (en) * 1997-09-10 2001-10-16 Bj Services Company Surfactant compositions and uses therefor
DE19909827A1 (de) 1999-03-05 2000-09-07 Betatec Hopfenprodukte Gmbh Verfahren zur Bekämpfung von Mikroorganismen in einem zuckerhaltigen, wässrigen Prozeßmedium
JP2000282020A (ja) 1999-03-31 2000-10-10 Terunaito:Kk 地熱井用掘削泥水組成物および掘削方法
CN1450864A (zh) * 1999-07-27 2003-10-22 罗狄亚公司 啤酒花酸抗细菌组合物
US6547971B2 (en) * 2000-03-08 2003-04-15 Hercules Incorporated Methods of using hop acids to control organisms
AT500496B8 (de) 2000-05-16 2007-02-15 Tulln Zuckerforschung Gmbh Verfahren zur hemmung von thermophilen mikroorganismen in zuckerhaltigen medien
US6810959B1 (en) 2002-03-22 2004-11-02 Bj Services Company, U.S.A. Low residue well treatment fluids and methods of use
AT502601A1 (de) 2003-03-11 2007-04-15 Tulln Zuckerforschung Gmbh Verfahren zur herstellung von zucker oder zuckerhaltigen produkten aus zuckerhaltigen pflanzlichen rohstoffen
US7632787B2 (en) 2005-04-13 2009-12-15 Schlumberger Technology Corporation Low damage treatment fluids and methods of using the same
AT504593B1 (de) 2006-12-05 2010-06-15 Tulln Zuckerforschung Gmbh Verfahren zur silierung
US7939471B2 (en) 2006-12-29 2011-05-10 Halliburton Energy Services, Inc. Subterranean treatment fluids comprising viscoelastic surfactant gels
CA2594108C (en) 2007-03-09 2014-06-03 Techstar Energy Services Inc. Drilling fluid and methods
US20090281006A1 (en) * 2008-05-07 2009-11-12 Harold Walters Methods of treating a lower-quality water for use as some of the water in the forming and delivering of a treatment fluid into a wellbore
WO2011005820A1 (en) * 2009-07-09 2011-01-13 Titan Global Oil Services Inc. Compositions and processes for fracturing subterranean formations
CA2820892C (en) * 2010-02-12 2019-12-03 Rhodia Operations Compositions with freeze thaw stability
EA201390449A1 (ru) 2010-10-07 2013-11-29 Акцо Нобель Кемикалз Интернэшнл Б.В. Разрыв пласта с низким остатком
US20120273207A1 (en) 2011-04-29 2012-11-01 Jack Li Chitosan as biocide in oilfield fluids
WO2014009765A1 (en) * 2012-07-11 2014-01-16 Omnova Solutions Rheological agent, preparation methods and uses thereof
US9267069B2 (en) * 2012-11-07 2016-02-23 Halliburton Energy Services, Inc. Water-based drilling fluid with cyclodextrin shale stabilizer
US10081757B2 (en) * 2012-12-05 2018-09-25 Isp Investments Llc Shale swelling inhibitors
FR3000497B1 (fr) * 2012-12-28 2015-04-03 Total Raffinage Marketing Concentre d'additifs biodegradable ameliorant la lubrifiance des boues a l'eau, son utilisation et boue a l'eau pour le forage
CN103923625B (zh) 2013-01-14 2016-05-11 中国石油天然气集团公司 一种高温环境下钻井用发泡剂
US9371489B2 (en) * 2013-03-15 2016-06-21 GreenStract, LLC Plant-based compositions and uses thereof
US8772002B1 (en) * 2013-03-15 2014-07-08 Hercules Incorporated Method for treatment of microorganisms during propagation, conditioning and fermentation using hops acid extracts and organic acid
US20150072901A1 (en) * 2013-09-09 2015-03-12 Clearwater International Llc Lost circulation and fluid loss materials containing guar chaff and methods for making and using same
GB2512759A (en) * 2014-05-22 2014-10-08 David Wood A method and apparatus for monitoring stress cage material concentrations in a circulating drilling fluid
EP3492550A1 (de) 2014-12-23 2019-06-05 Agrana Beteiligungs- Aktiengesellschaft Prozessfluid mit umweltverträglichem biostabilisator

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017109168A1 (de) 2017-06-29
PL3394204T3 (pl) 2020-05-18
EP3184601A1 (de) 2017-06-28
CN108431169A (zh) 2018-08-21
DK3394204T3 (da) 2019-12-16
JP2019507204A (ja) 2019-03-14
US11884870B2 (en) 2024-01-30
EP3394204B1 (de) 2019-09-25
US11873442B2 (en) 2024-01-16
CA3009430C (en) 2019-05-14
EP3394204A1 (de) 2018-10-31
CN108431169B (zh) 2020-08-04
HUE046624T2 (hu) 2020-03-30
US20180371307A1 (en) 2018-12-27
CA3009430A1 (en) 2017-06-29
US20210238466A1 (en) 2021-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11884870B2 (en) Use of a process fluid with an environmentally compatible biostabilizer in a geothermal borehole
US11827847B2 (en) Process fluid with environmentally friendly biostabilisator
CN104001712B (zh) 碱茅与微生物组联合修复石油污染土壤的方法
US20230086243A1 (en) Microbial Surfactants to Prevent and/or Remove Asphaltene Deposits
AU2011216044B2 (en) Process for preventing or mitigating biofouling
CN105010387A (zh) 一种改进型油田复合型杀菌剂的配制工艺
WO2015072541A1 (ja) 金属の生物腐食抑制剤
CN103109850A (zh) 一种高效抑制铁细菌的复合杀菌剂
FI112950B (fi) Muurahaishapon suolojen ja niiden vesiliuosten käyttö hydrauliikkaväliaineena ja -väliaineessa
Matthews et al. Application of phosphate solubilising microorganisms to increase the solubilisation of rock phosphates in soil
CN106399200B (zh) 一株产碱菌及其在高盐高聚废水中的应用
CN111165492B (zh) 乙酰丙酮在抑制蓝藻生长中的应用
CN115398003A (zh) 产生包含亲水性槐糖脂的组合物的方法
Muscolo et al. Effects of olive mill wastewater on seed germination and seedling growth
KR100913825B1 (ko) 담수에 서식하는 남조류를 이용한 에탄올 생산방법
CN108633880A (zh) 海水杀贝剂及其制备方法和应用
CN103081914B (zh) 一种采油回注水杀菌剂及其应用
CN1853468A (zh) 醛类复合高效杀生剂
WO2018003626A1 (ja) 殺菌剤
CN103734127B (zh) 一种生物杀菌分散剂及其制备方法
RU2124629C1 (ru) Состав для вытеснения нефти
CN117178771A (zh) 一种微创结香的方法
CN106212498A (zh) 一种专用于油田水处理的专用杀菌剂
James Experimental effects of lime application on aquatic macrophytes: 3 growth response versus exposure time
Battersby et al. Effect of xanthan on the growth of sulphate-reduction bacteria in marine sediments.

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180827

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180827

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180827

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20181210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190702

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190829

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6581311

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250