JP2000282020A - 地熱井用掘削泥水組成物および掘削方法 - Google Patents

地熱井用掘削泥水組成物および掘削方法

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JP2000282020A
JP2000282020A JP11090629A JP9062999A JP2000282020A JP 2000282020 A JP2000282020 A JP 2000282020A JP 11090629 A JP11090629 A JP 11090629A JP 9062999 A JP9062999 A JP 9062999A JP 2000282020 A JP2000282020 A JP 2000282020A
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Jiyouji Kuwabara
蒸二 桑原
Mitsuru Yoshii
満 吉井
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Telnite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地熱井の地層温度250〜350℃の環境下
で、長時間放置されても泥水特性に変化をきたさず、安
定して泥水機能を維持して、掘削ができる地熱井用掘削
泥水組成物および掘削方法を提供する。 【解決手段】 天然ベントナイト単独、又は天然ベント
ナイトと、合成スメクタイト及び合成雲母から選ばれた
少なくとも1種との混合物を水に懸濁させて基本泥水と
し、これに分散剤および増粘助剤を添加することによっ
て、250℃以上の高温環境下で安定して泥水機能を維
持するようにし、地層温度に対応して組成を変えること
ができるようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温度環境下にさ
らされる坑井を掘削する際に用いる水系の掘削泥水組成
物及び掘削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】坑井の掘削方式は、一般に、掘削機械の
作動方式によって、回転式と衝撃式の2方式に分けられ
る。これらの方式は、使用目的によってそれぞれ特徴を
活かし、改良されてきている。近年は、回転式にその利
点が多くあり、その汎用性が認められ、掘削機械として
広く用いられている。この回転式は、中空パイプ状のド
リルストリングスの下端に錐状のビットを取り付け、ド
リルストリングスとビットを回転させて掘削する方式で
ある。回転するビットにより、地層の岩石を砕いて坑井
を掘進し、砕かれた地層の岩石(以下、カッティングス
という。)は、地表に運び出す必要があり、その役目を
果たすのが、掘削泥水(以下、泥水という。)である。
【0003】この泥水は、カッティングスを地表に運び
出す役目の他に、坑井の崩壊を防止するために泥壁を形
成する作用があり、また、ドリルストリングスの先端に
取り付けてあるビットを冷却する作用もある。回転式の
掘削機械で掘削するに際して、泥水は、ポンプによりド
リルストリングスの中をとおして、ビットの先端から噴
出させ、それによって、ビットを冷却し、カッティング
スを抱きかかえて、坑壁とドリルストリングスとの間隙
をとおって地表まで上昇する。これを繰り返し循環する
ことによって、連続的にカッティングスを地表に搬出す
る。このとき、泥水は、掘進によって新しくできた坑壁
の表面に、泥水を構成する組成物によって泥壁を形成
し、坑壁の崩壊を防止する。さらに、泥水圧によって、
高圧の蒸気、石油、天然ガス等(以下蒸気等という。)
が地層内から噴出するのを防止する効果、また、ドリル
ストリングスと坑壁との摩擦抵抗を小さくする効果等も
ある。すなわち、泥水は、カッティングスの搬出作用の
みでなく、坑壁の表面に薄くて強靱な泥壁を形成するこ
とによって、坑壁の崩壊を防止し、泥水圧と地層圧との
バランスを保って、蒸気等の噴出を防止し、ドリルスト
リングスと坑壁との摩擦抵抗を小さくし、ビットを冷却
する効果がある。
【0004】用いる泥水の組成は、地層の条件によって
選択されるが、従来から一般に用いられている代表的な
泥水は、次のとおりである。 (1)ベントナイト泥水:ベントナイト等の粘土鉱物の
水懸濁液に、少量の増粘剤及びフミン酸塩類及びリグニ
ンスルホン酸塩類またはアクリル酸塩類の1種または2
種以上を0〜2%添加した泥水。 (2)リグネ−ト泥水:ベントナイト等の粘土鉱物の水
懸濁液に、フミン酸塩類とリグニンスルホン酸塩類との
複合物を3〜5%添加した泥水。 (3)カルシウム泥水:ベントナイト等の粘土鉱物の水
懸濁液に、消石灰または石膏及びフミン酸塩類またはリ
グニンスルホン酸塩類を適宜に添加した泥水。 (4)ポリマ−泥水:ベントナイト等の粘土鉱物の水懸
濁液に、カルボキシメチルセルロ−スまたはその誘導
体、ザンサンガム等の天然系若しくは半合成系ポリマ−
またはアクリルアミド/アクリル酸の共重合物等の合成
系ポリマ−の1種または2種以上を添加した泥水。 (5)KClポリマ−泥水:前記(4)の泥水にKCl
を添加した泥水。 (6)KClまたはKOHリグネ−ト泥水:前記(2)
のリグネ−ト泥水にKClまたはKOHを添加した泥
水。 (7)ポタシウムライム泥水:前記(3)のカルシウム
泥水にKOHを添加した泥水。
【0005】しかし、前記(1)〜(7)の各種泥水
は、高温度環境下、例えば、地層温度が120〜180
℃になると、泥水組成物が熱によって変化し、泥水機能
が劣化し、その機能を果たさなくなる。すなわち、流動
性、泥壁形成性、脱水量、潤滑性等の特性が悪化し、正
常な泥水機能を失ってしまう。したがって、上記高温度
環境下での坑井の掘削は、前記(1)〜(7)の組成を
もつ泥水では、掘削が困難である。高温度環境下での掘
削には、高温度にさらされても泥水の流動性、泥壁形成
性、脱水量、潤滑性等の特性に変化をきたさない泥水が
要求される。
【0006】一般に、高温度環境下で用いられている水
系掘削泥水としては、次のような泥水が知られている。 (8)高温度用ポリマ−泥水:ベントナイト等の粘土鉱
物の水懸濁液に、ポリマ−系高温度用脱水調整剤(例え
ば、ビニルアミド/ビニルスルホン酸の共重合物「独国
ヘキスト社の商品名:ホスタドリル」)、ポリマ−系高
温度用分散剤(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ス
チレンスルホン酸/無水マレイン酸との共重合物)を添
加し、さらに、必要に応じて坑壁保護剤、酸化防止剤等
を添加した泥水。 (9)高温度用リグナイト泥水:ベントナイト等の粘土
鉱物の水懸濁液に、重クロム酸またはクロム酸類とリグ
ナイト(フミン酸含有物質)類の反応生成物、ポリマ−
系高温度用脱水調整剤、分散剤としてスルホメチル化タ
ンニンまたはポリマ−系高温度用分散剤等を添加し、必
要に応じて坑壁保護剤、潤滑剤等を併用した泥水。 (10)G500−S泥水:ベントナイト等の粘土鉱物の
水懸濁液に、分散剤及び脱水減少剤としてG500−S
(フミン酸またはその塩類及びアクリル酸またはその塩
類との共重合物)、さらに、必要に応じて坑壁保護剤、
潤滑剤等を併用した泥水。 (11)無機合成ポリマ−泥水:ベントナイト等の粘土鉱
物の水懸濁液に、増粘剤として無機合成ポリマ−(例え
ば、米国バロイド社の商品名:サ−マビス)、分散剤と
してポリアクリル酸ナトリウム、脱水減少剤としてポリ
マ−系高温度用脱水調整剤を添加した泥水(特願平1−
140417)。
【0007】しかし、これら(8)〜(11)の泥水
は、250℃の地層温度にさらされると泥水特性が変化
する。その理由は、粘性の増加に伴うゲル化及び固相
化、さらに脱水特性(脱水量、泥壁)の悪化である。2
50℃は泥水機能が失われる限界の温度である。また、
泥水中には、一定量以上の固形懸濁物質(例えば、加重
剤、微細なカッティングス等)が存在するため、泥水比
重が1.40以上に上がった場合などは、泥水機能の劣
化が促進されるという欠点がある。地熱井は、例えば、
直径15〜20cmの孔を1000m以上の深さにまで
掘削するが、地層温度250℃以上を掘削している際、
ビット交換や坑内温度測定などのために、掘削途中の坑
内に72時間程度泥水を放置することが多くある。この
場合、前記(8)〜(11)の高温用泥水は、泥水機能
の劣化が促進されることによって、微細化されたカッテ
ィングスが、分離されずに泥水中に多量に固形懸濁物質
として残存し、地層温度(250℃以上)による熱処理
を受け、泥水の流動特性が低下(粘性の増加、ゲル化
等)する。泥水特性を失うと、ポンプによる循環が困難
となり、脱水量が増加して泥壁の形成性が悪くなり、蒸
気等の噴出防止効果が低下したり、坑壁の崩壊が起こる
可能性が高くなり、さらに、カッティングスの搬出が困
難になるという問題もある。したがって、前記(8)〜
(11)の泥水は、250℃以上の高温度下で安定した
泥水特性を維持できず、地層温度250℃以上の環境下
での掘削には適さない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、地熱井では、よ
り高温度地帯の掘削が要求されており、従来の浅部掘削
からより高温度の深部掘削へと移行しつつある。本発明
者らは、より高温度環境下(250℃以上)で安定して
掘削ができる泥水を開発すべく鋭意研究を行ってきた。
本発明は、抗井、特に地熱井の地層温度250〜350
℃の環境下で、安定して泥水機能を維持して、掘削を行
うことができる地熱井用掘削泥水組成物および掘削方法
を提供することを目的とする。ここで、「安定して泥水
機能を維持する」とは、250〜350℃の環境下に7
2時間程度放置されても泥水特性に変化をきたさず、泥
水機能を維持することをいう。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の地熱井用掘削泥水組成物は、天然ベントナ
イト単独、又は天然ベントナイトと、合成スメクタイト
及び合成雲母から選ばれた少なくとも1種との混合物を
水に懸濁させた基本泥水に、分散剤および増粘助剤を添
加してなり、250℃以上の高温環境下で使用可能にし
たことを特徴とする。また、本発明では、上記基本泥水
に、分散剤および増粘助剤を添加し、さらに潤滑剤及び
/又は脱水調整剤を添加してなり、250℃以上の高温
環境下で安定した泥水機能を維持することを特徴とす
る。また、本発明の掘削方法は、地層温度250℃以下
で使用される泥水を用い、これに、増粘剤、分散剤、及
び増粘助剤を添加して、掘削するに従って変化する地層
温度に対応して泥水組成を変えることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明は、天然ベントナイトと、合成スメ
クタイトおよび合成雲母から選ばれた材料を水に懸濁さ
せてなる泥水(以下、基本泥水という。)を用いる。さ
らに、地層温度のみならず、地層条件の変化に応じて、
上記基本泥水に分散剤、脱水調整剤、潤滑剤、増粘助
剤、その他必要に応じて坑壁安定剤、加重剤等を添加し
てなる高温度用掘削泥水組成物である。
【0011】本発明で用いられる増粘剤は、天然粘土鉱
物または合成粘土類などがある。天然粘土鉱物として
は、モンモリロナイトを主成分とした天然ベントナイト
類などを用いることができる。合成粘土類としては、合
成スメクタイト、合成雲母などを用いることができる。
合成スメクタイトは、例えば、ヘクトライト型スメクタ
イトに類似した構造を有する膨潤性ケイ酸塩であり、特
願昭61−135470「合成膨潤性ケイ酸塩およびそ
の製造方法」により合成された合成スメクタイトであ
る。合成雲母は、例えば、タルクを出発物質として、珪
フッ化物を合成した雲母であり、特願平1−8557
「フッ素雲母の製造方法」による合成雲母である。上記
合成雲母は、250〜350℃の高温環境下で、泥水粘
性等の泥水特性を良好に維持するために、平均粒径が8
μm以下、好ましくは3μm以下、さらに好ましく2μ
m以下のものを用いる。また、上記基本泥水である天然
粘土鉱物と合成粘土類との複合物の配合割合は、重量比
で天然粘土鉱物:合成粘土類が、1:1から4:1で、
好ましくは、1:1から3:1である。
【0012】本発明で用いられる分散剤としては、例え
ば、フミン酸とアクリル酸を主成分とする重合物(商品
名:G−500S)、アクリル酸とスチレンスルホン酸
の重合物、AMPS類(例えば、2アクリルアミド・2
メチルプロパンスルホン酸重合物)、アクリル酸とマレ
イミド類との重合物、アクリル酸とシラン類との重合
物、アクリル酸とフッ素化合物類との重合物等からなる
グループから選ばれた1種又は2種以上の組み合わせで
ある。
【0013】本発明で用いられる増粘助剤としては、水
溶性の有機高分子類の高分子量体があり、例えば、分子
量50〜600万のAMPS類、分子量50〜600万
のアクリル酸とスチレンスルホン酸の重合物類などがあ
る。その他、ビニルアミド/ビニルスルホン酸の共重合
物などを用いることができる。本発明で用いられる脱水
調整剤としては、分子量20〜50万のAMPS類、分
子量5〜10万のポリスチレンスルホン酸ナトリウム、
分子量20〜50万のアクリル酸とスチレンスルホン酸
の重合物類などがある。その他、ビニルアミド/ビニル
スルホン酸の共重合物などを用いることができる。
【0014】本発明で用いられる潤滑剤としては、金属
石鹸類、例えば、オレイン酸、ステアリン酸及びト−ル
油脂肪酸と陽イオンとの反応物、ジエタノ−ルアミド及
びモノエタノ−ルアミドの反応物、脂肪酸とアミン塩の
中和物の石鹸類、例えば、オレイン酸、ステアリン酸及
びト−ル油脂肪酸とジエタノ−ルアミン塩との中和物な
どがある。また、これらの石鹸類を水溶性の溶媒に溶解
させたものなども有効に使用することができる。
【0015】本発明で用いられる坑壁安定剤としては、
スルホン化アスファルト類、リグナイト類などがある。
本発明で用いられる加重剤としては、バライト、ヘマタ
イト、炭酸カルシウムなどがある。
【0016】上述の泥水用材料を用いて、地層温度、地
層状態に応じた組成に泥水を作泥し、高温度下の地熱井
の掘削に用いる。また、掘削に際しての泥水の調整に
は、地層温度の低い地層(深さが浅い地層)では、従来
の泥水で掘削し、地層温度が上昇(深さが深い地層)し
てきて、従来の泥水では、流動特性が変化し、泥水とし
ての流動性を喪失し、坑井掘削が困難になってきた場
合、従来泥水の組成に上記泥水材料を適宜に添加混合す
ることによって、地層温度に対応した泥水組成に順次変
更し、高温度下にある地熱井の掘削を容易に、より安全
に掘進することができる。すなわち、地層温度が250
℃までは、従来の天然ベントナイトを主体にし、分散剤
としてフミン酸系分散剤やポリアクリル酸系の高分子分
散剤を添加した泥水組成物で掘削できるが、地層温度が
上昇し、250〜350℃の範囲になると、従来の天然
ベントナイトを主成分とする泥水では、流動性が悪化
し、泥水の循環が困難となり、掘削がより困難になる。
この場合、従来の天然ベントナイト泥水に、新たに上記
合成粘土類を適宜に添加し、さらに耐熱性の高い上記分
散剤を添加し、高温下での流動性の向上を図る。
【0017】さらに詳細に説明すると、地層温度が約2
50℃又は250〜300℃に上昇した場合、従来泥水
に水を添加しながら、清水100重量部に対して、増粘
剤として、天然ベントナイトが3〜6重量部、合成粘土
類(合成スメクタイトまたは合成雲母)が1〜2重量
部、または天然ベントナイトと合成粘土類との複合物が
3〜6重量部となるように添加する。また同時に、分散
剤として、G−500Sが0.5〜2重量部、アクリル
酸とスチレンスルホン酸の重合品が0.5〜2重量部、
AMPS類が0.5〜2重量部、G−500SとAMP
S類との混合物(G−500S:AMPS類が、1:4
から4:1)が0.5〜2重量部、またはアクリル酸と
スチレンスルホン酸の重合品とG−500Sとの混合物
(G−500S:アクリル酸とスチレンスルホン酸の重
合品が、1:4から4:1)が0.5〜2重量部となる
ように分散剤を添加する。これによって、従来泥水を温
度250℃以上で安定して掘削することができる掘削泥
水組成物に変えることができる。
【0018】さらに地層温度が約300℃又は300〜
350℃に上昇した場合には、清水100重量部に対し
て、増粘剤として、天然ベントナイトが3〜6重量部、
合成粘土類が1〜2重量部、または天然ベントナイトと
合成粘土類との混合物(天然ベントナイト:合成粘土類
が、3:1から1:1)が3〜6重量部となるように添
加する。さらに、分散剤として、G−500Sが0.5
〜2重量部、アクリル酸とスチレンスルホン酸の重合品
が0.5〜2重量部、G−500Sとアクリル酸とスチ
レンスルホン酸の重合品との混合物(G−500S:ア
クリル酸とスチレンスルホン酸の重合品が1:3)若し
くはG−500SとAMPS類との混合物(G−500
S:AMPS類が1:3)が1〜3重量部となるように
分散剤を添加する。これによって、従来泥水を温度30
0℃以上で安定して掘削することができる掘削泥水組成
物に変えることができる。
【0019】次いで、地層温度が350℃に上昇した場
合には、清水100重量部に対して、天然ベントナイト
が2〜4重量部および合成粘土類の合成雲母が2〜4重
量部になるように増粘剤を添加する。また、G−500
SとAMPS類の混合物(G−500S:AMPS類が
1:3)が1.0〜3.0重量部となるように分散剤を
添加する。これによって、従来泥水を温度350℃で安
定して掘削することができる掘削泥水組成物に変えるこ
とができる。
【0020】この他に、地層条件などにより、泥水の特
性を維持するために、増粘助剤として、分子量10万以
上のポリスチレンスルホン酸ナトリウムが0.5〜2重
量部、分子量600万のAMPS類が0.5〜1.0重
量部、脱水調整剤としては、分子量20〜50万のAM
PS類が0.5〜1.0重量部、分子量5〜10万のポ
リスチレンスルホン酸ナトリウムが0.5〜1.0重量
部、若しくは合成スメクタイトが0.1〜0.5重量部
になるように適宜添加することにより、脱水調整効果を
上げることができる。さらに、ビットやドリルパイプ等
の磨耗や泥壁の潤滑性を維持し、掘削中の障害を小さく
するために、潤滑剤として金属石鹸類が0〜1.0重量
部になるように添加し、坑井の掘削をより安全に且つよ
り迅速にする。また、必要に応じ、抗壁安定剤が0〜2
重量部、加重剤が0〜50重量部となるように添加す
る。以上のように、本発明のもう一つの特徴は、従来の
泥水の組成に、新たに、増粘剤(合成粘土類など)、分
散剤、増粘助剤、潤滑剤、脱水調整剤などを適宜に添加
し、各地層温度に対応した泥水組成になるように調整し
ながら、抗井を掘削することにある。
【0021】
【実施例】実施例−1 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)6重量部添加し、充分に懸濁膨
潤した後、分散剤として、G−500Sを0.5重量部
とアクリル酸・スチレンスルホン酸の重合品を1.5重
量部との混合物を添加し、次に、増粘助剤(分子量50
万のポリスチレンスルホン酸ソ−ダ)を0.3重量部添
加混合した。さらに泥水pHを10.0に水酸化ナトリ
ウム溶液を用いて調整し、泥水を作成した。この泥水に
掘削堀屑(カッティングス)を10重量部添加し、模擬
泥水とした。この泥水を250℃の温度下でロ−リング
しながら16時間養生した。その後の泥水特性を測定
し、表1に示す。ここで表1に示される記号を説明す
る。流動特性として、AVは見かけ粘土(cP)であ
り、PVはプラスチック粘度(cP)であり、YVはイ
ールドバリュー(1b/100ft2)であり、Gel
はゲルストレングスで10秒ゲル/10分ゲルを記載し
(1b/100ft2)、pHは流体の酸度アルカリ度
である。また、脱水特性として、WLは脱水量(ml/
30min)であり、FCは泥壁の厚さ(mm)であ
る。以下に示す表2〜4についても同様である。実施例−2 実施例−1と同じ組成の泥水を250℃の温度下で72
時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表1に示
す。
【0022】実施例−3 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)6重量部添加し、充分に懸濁膨
潤した後、分散剤として、G−500Sを1.0重量部
とAMPS類を1.5重量部との混合物を添加し、さら
に、増粘助剤(分子量50万のポリスチレンスルホン酸
ソ−ダ)を0.3重量部添加混合し、泥水pHを10.
0に水酸化ナトリウム溶液を用いて調整し、泥水を作成
した。この泥水に掘削堀屑(カッティングス)を10重
量部添加し、模擬泥水とした。この泥水を250℃の温
度下でロ−リングしながら16時間養生した。その後の
泥水特性を測定し、表1に示す。実施例−4 実施例−3と同じ組成の泥水を250℃の温度下で72
時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表1に示
す。
【0023】実施例−5 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)3.4重量部と合成スメクタイ
ト1.1重量部を添加し、充分に懸濁膨潤した後、分散
剤としてG−500Sを2.0重量部を添加し、さら
に、増粘助剤(分子量50万のポリスチレンスルホン酸
ソ−ダ)を0.3重量部添加混合し、泥水pHを10.
0に水酸化ナトリウム溶液を用いて調整し、泥水を作成
した。この泥水に掘削堀屑(カッティングス)を10重
量部添加し、模擬泥水とした。この泥水を250℃の温
度下でロ−リングしながら16時間養生した。その後の
泥水特性を測定し、表1に示す。実施例−6 実施例−5と同じ組成の泥水を250℃の温度下で72
時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表1に示
す。
【0024】実施例−7 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)5.25重量部と合成スメクタ
イト1.75重量部を添加し、充分に懸濁膨潤した後、
分散剤としてアクリル酸・スチレンスルホン酸の重合品
を2.0重量部とを添加し、さらに、増粘助剤(分子量
50万のポリスチレンスルホン酸ソ−ダ)を0.3重量
部添加混合し、泥水pHを10.0に水酸化ナトリウム
溶液を用いて調整し、泥水を作成した。この泥水に掘削
堀屑(カッティングス)を10重量部添加し、模擬泥水
とした。この泥水を250℃の温度下でロ−リングしな
がら16時間養生した。その後の泥水特性を測定し、表
1に示す。実施例−8 実施例−7と同じ組成の泥水を250℃の温度下で72
時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表1に示
す。
【0025】実施例−9 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)5.25重量部と合成雲母(平
均粒径7.44μm)1.75重量部を添加し、充分に
懸濁膨潤した後、分散剤として、G−500Sを2.0
重量部を添加し、さらに、増粘助剤(分子量50万のポ
リスチレンスルホン酸ソ−ダ)を0.2重量部添加混合
し、泥水pHを10.0に水酸化ナトリウム溶液を用い
て調整し、泥水を作成した。この泥水に掘削堀屑(カッ
ティングス)を10重量部添加し、模擬泥水とした。こ
の泥水を250℃の温度下でロ−リングしながら16時
間養生した。その後の泥水特性を測定し、表1に示す。実施例−10 実施例−9と同じ組成の泥水を250℃の温度下で72
時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表1に示
す。
【0026】実施例−11 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)5.25重量部と合成雲母(平
均粒径7.44μm)1.75重量部を添加し、充分に
懸濁膨潤した後、分散剤として、G−500Sを1.0
重量部とアクリル酸・スチレンスルホン酸の重合品を
2.0重量部との混合物を添加し、さらに、増粘助剤
(分子量50万のポリスチレンスルホン酸ソ−ダ)を
0.3重量部添加し、泥水pHを10.0に水酸化ナト
リウム溶液を用いて調整し、泥水を作成した。この泥水
に掘削堀屑(カッティングス)を10重量部添加し、模
擬泥水とした。この泥水を250℃の温度下でロ−リン
グしながら16時間養生した。その後の泥水特性を測定
し、表1に示す。実施例−12 実施例−11と同じ組成の泥水を250℃の温度下で7
2時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表1に示
す。
【0027】比較例−1 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)7重量部添加し、充分に懸濁膨
潤した後、分散剤として、G−500Sを2.0重量部
添加し、さらに、増粘助剤(高分子量のポリスチレンス
ルホン酸)を0.3重量部添加混合し、泥水pHを1
0.0に水酸化ナトリウム溶液を用いて調整し、泥水を
作成した。この泥水に掘削堀屑(カッティングス)を1
0重量部添加し、従来使用されている模擬泥水とした。
この泥水を250℃の温度下でロ−リングしながら16
時間養生した。その後の泥水特性を測定し、表1に示
す。比較例−2 比較例−1と同じ組成の泥水を250℃の温度下で72
時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表1に示
す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例−13 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)6.0重量部を添加し、充分に
懸濁膨潤した後、分散剤として、G−500Sを0.5
重量部とアクリル酸・スチレンスルホン酸の重合品1.
5重量との混合物を添加し、さらに、増粘助剤(分子量
50万のポリスチレンスルホン酸ソ−ダ)を0.5重量
部添加し、泥水pHを10.0に水酸化ナトリウム溶液
を用いて調整し、泥水を作成した。この泥水に掘削堀屑
(カッティングス)を10重量部添加し、模擬泥水とし
た。この泥水を300℃の温度下でロ−リングしながら
16時間養生した。その後の泥水特性を測定し、表2に
示す。実施例−14 実施例−13と同じ組成の泥水を300℃の温度下で7
2時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表2に示
す。
【0030】実施例−15 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)6.0重量部を添加し、充分に
懸濁膨潤した後、分散剤として、G−500Sを0.5
重量部とAMPS類を1.5重量部の混合を添加し、さ
らに、増粘助剤(分子量50万のポリスチレンスルホン
酸ソ−ダ)を0.5重量部添加し、泥水pHを10.0
に水酸化ナトリウム溶液を用いて調整し、泥水を作成し
た。この泥水に掘削堀屑(カッティングス)を10重量
部添加し、模擬泥水とした。この泥水を300℃の温度
下でロ−リングしながら16時間養生した。その後の泥
水特性を測定し、表2に示す。実施例−16 実施例−15と同じ組成の泥水を300℃の温度下で7
2時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表2に示
す。
【0031】実施例−17 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)2.0重量部と合成スメクタイ
ト2.0重量部を添加し、充分に懸濁膨潤した後、分散
剤として、アクリル酸・スチレンスルホン酸の重合品
2.0重量部を添加し、さらに、増粘助剤(分子量50
万のポリスチレンスルホン酸ソ−ダ)を0.5重量部添
加し、泥水pHを10.0に水酸化ナトリウム溶液を用
いて調整し、泥水を作成した。この泥水に掘削堀屑(カ
ッティングス)を10重量部添加し、模擬泥水とした。
この泥水を300℃の温度下でロ−リングしながら16
時間養生した。その後の泥水特性を測定し、表2に示
す。実施例−18 実施例−17と同じ組成の泥水を300℃の温度下で7
2時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表2に示
す。
【0032】実施例−19 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)2.25重量部と合成スメクタ
イト0.75重量部を添加し、充分に懸濁膨潤した後、
分散剤として、G−500Sを0.5重量部とAMPS
類1.5重量との混合物を添加し、さらに、増粘助剤
(分子量50万のポリスチレンスルホン酸ソ−ダ)を
0.5重量部添加し、泥水pHを10.0に水酸化ナト
リウム溶液を用いて調整し、泥水を作成した。この泥水
に掘削堀屑(カッティングス)を10重量部添加し、模
擬泥水とした。この泥水を300℃の温度下でロ−リン
グしながら16時間養生した。その後の泥水特性を測定
し、表2に示す。実施例−20 実施例−19と同じ組成の泥水を300℃の温度下で7
2時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表2に示
す。
【0033】実施例−21 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)5.25重量部と合成雲母(平
均粒径7.44μm)1.75重量部を添加し、充分に
懸濁膨潤した後、分散剤として、G−500Sを1.0
重量部を添加し、さらに、増粘助剤(分子量50万のポ
リスチレンスルホン酸ソ−ダ)を0.5重量部添加し、
泥水pHを10.0に水酸化ナトリウム溶液を用いて調
整し、泥水を作成した。この泥水に掘削堀屑(カッティ
ングス)を10重量部添加し、模擬泥水とした。この泥
水を300℃の温度下でロ−リングしながら16時間養
生した。その後の泥水特性を測定し、表−2に示す。実施例−22 実施例−21と同じ組成の泥水を300℃の温度下で7
2時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表2に示
す。
【0034】実施例−23 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)3.5重量部と合成雲母(平均
粒径7.44μm)3.5重量部を添加し、充分に懸濁
膨潤した後、分散剤として、G−500Sを0.5重量
部とAMPS類1.5重量部の混合物を添加し、さら
に、増粘助剤(分子量50万のポリスチレンスルホン酸
ソ−ダ)を0.5重量部添加し、泥水pHを10.0に
水酸化ナトリウム溶液を用いて調整し、泥水を作成し
た。この泥水に掘削堀屑(カッティングス)を10重量
部添加し、模擬泥水とした。この泥水を300℃の温度
下でロ−リングしながら16時間養生した。その後の泥
水特性を測定し、表2に示す。実施例−24 実施例−23と同じ組成の泥水を300℃の温度下で7
2時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表2に示
す。
【0035】比較例−3 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)6重量部添加し、充分に懸濁膨
潤した後、分散剤として、G−500Sを2.0重量部
添加し、さらに、増粘助剤(分子量50万のポリスチレ
ンスルホン酸ソーダ)を0.5重量部添加混合し、泥水
pHを10.0に水酸化ナトリウム溶液を用いて調整
し、泥水を作成した。この泥水に掘削堀屑(カッティン
グス)を10重量部添加し、従来使用されている模擬泥
水とした。この泥水を300℃の温度下でロ−リングし
ながら16時間養生した。その後の泥水特性を測定し、
表2に示す。比較例−4 比較例−3と同じ組成の泥水を300℃の温度下で72
時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表2に示
す。
【0036】
【表2】
【0037】実施例−25 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)3.5重量部と合成雲母(平均
粒径7.44μm)3.5重量部を添加し、充分に懸濁
膨潤した後、分散剤として、G−500Sを0.5重量
部とAMPS類1.5重量部の混合物を添加し、さら
に、増粘助剤(分子量600万のAMPS類)を0.3
重量部添加し、泥水pHを10.0に水酸化ナトリウム
溶液を用いて調整し、泥水を作成した。この泥水に掘削
堀屑(カッティングス)を10重量部添加し、模擬泥水
とした。この泥水を350℃の温度下でロ−リングしな
がら16時間養生した。その後の泥水特性を測定し、表
3に示す。実施例−26 実施例−25と同じ組成の泥水を350℃の温度下で7
2時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表3に示
す。
【0038】実施例−27 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)3.5重量部と合成雲母(平均
粒径2.62μm)3.5重量部を添加し、充分に懸濁
膨潤した後、分散剤として、G−500Sを0.5重量
部とAMPS類1.5重量部の混合物を添加し、さら
に、増粘助剤(分子量600万のAMPS類)を0.2
重量部添加し、泥水pHを10.0に水酸化ナトリウム
溶液を用いて調整し、泥水を作成した。この泥水に掘削
堀屑(カッティングス)を10重量部添加し、模擬泥水
とした。この泥水を350℃の温度下でロ−リングしな
がら16時間養生した。その後の泥水特性を測定し、表
3に示す。実施例−28 実施例−27と同じ組成の泥水を350℃の温度下で7
2時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表3に示
す。
【0039】実施例−29 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)3.5重量部と合成雲母(平均
粒径1.12μm)3.5重量部を添加し、充分に懸濁
膨潤した後、分散剤として、G−500Sを0.5重量
部とAMPS類1.5重量部の混合物を添加し、さら
に、増粘助剤(分子量600万のAMPS類)を0.2
重量部添加し、泥水pHを10.0に水酸化ナトリウム
溶液を用いて調整し、泥水を作成した。この泥水に掘削
堀屑(カッティングス)を10重量部添加し、模擬泥水
とした。この泥水を350℃の温度下でロ−リングしな
がら16時間養生した。その後の泥水特性を測定し、表
3に示す。実施例−30 実施例−29と同じ組成の泥水を350℃の温度下で7
2時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表3に示
す。
【0040】比較例−5 清水100重量部に天然ベントナイト(グニゲルVO:
クニミネ工業(株)製)6重量部添加し、充分に懸濁膨
潤した後、分散剤として、G−500Sを2.0重量部
添加し、さらに、増粘助剤(分子量50万のポリスチレ
ンスルホン酸ソーダ)を0.5重量部添加混合し、泥水
pHを10.0に水酸化ナトリウム溶液を用いて調整
し、泥水を作成した。この泥水に掘削堀屑(カッティン
グス)を10重量部添加し、従来使用されている模擬泥
水とした。この泥水を350℃の温度下でロ−リングし
ながら16時間養生した。その後の泥水特性を測定し、
表3に示す。比較例−6 比較例−5と同じ組成の泥水を350℃の温度下で72
時間静置した。その後の泥水特性を測定し、表3に示
す。
【0041】
【表3】
【0042】実施例−31 清水100重量部に増粘剤として天然ベントナイト(グ
ニゲルVO:クニミネ工業(株)製)を3.5重量部と
合成雲母(平均粒径1.12μm)を3.5重量部添加
し、充分に懸濁膨潤した後、分散剤としてG−500S
を0.5重量部とAMPS類を1.5重量部添加し、次
に、増粘助剤として分子量600万のAMPS類を0.
3重量部添加混合した。そして、潤滑剤として金属石鹸
類を0.5重量部と、脱水調整剤として分子量20〜5
0万のAMPS類を0.3重量部とを添加混合した。さ
らに泥水pHを10.0に水酸化ナトリウム溶液を用い
て調整し、泥水を作成した。この泥水に掘削堀屑(カッ
ティングス)を10重量部添加し、模擬泥水とした。こ
の泥水を250、300、350℃の温度下でそれぞれ
ロ−リングしながら16時間養生した。その後の泥水特
性を測定し、表4に示す。なお、表4に示す潤滑特性の
単位は、潤滑係数については無次元で、極圧潤滑性につ
いては1b/in2である。
【0043】比較例−7 実施例−31の泥水組成物から潤滑剤と脱水調整剤を除
いた組成の泥水を作成した。この泥水を250、30
0、350℃の温度下でそれぞれロ−リングしながら1
6時間養生した。その後の泥水特性を測定し、表4に示
す。
【0044】
【表4】
【0045】表1によれば、実施例1〜12は、250
℃養生後、粘性と脱水特性が維持された泥水である。一
方、比較例1、2は、ゲル値が高く、泥壁形成性が劣っ
た泥水である。表2によれば、実施例13〜24は、3
00℃養生後、粘性と脱水特性が維持された泥水であ
る。一方、比較例3、4は、ゲル値が高く、泥壁形成性
が劣った泥水である。表3によれば、実施例25〜30
は、300℃養生後、粘性と脱水特性が維持された泥水
である。一方、比較例5、6は、泥水の固相化があり、
粘性とゲル値が高いため、泥水特性、脱水特性が測定で
きない、悪化した泥水である。表4によれば、実施例3
1は、250,300,350℃養生後、粘性と脱水特
性が維持され、さらに潤滑特性が得られた泥水泥水であ
る。一方、比較例7は、脱水特性および潤滑特性が実施
例31より大きく劣る泥水である。
【0046】
【発明の効果】上記説明したように、本発明のよれば、
地熱井の地層温度250〜350℃の環境下で72時間
程度放置されても、泥水特性に変化をきたさず、安定し
て泥水機能を維持して、掘削ができる地熱井用掘削泥水
組成物を提供することができる。また、抗井などを掘削
する際に、掘削の進行に伴って変化する地層温度に対応
して、泥水組成物の組成を変え、それによって、浅部掘
削から深部掘削に至る領域において、安定した泥水機能
を保ちながら掘削を進めることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ベントナイト単独、又は天然ベント
    ナイトと、合成スメクタイト及び合成雲母から選ばれた
    少なくとも1種との混合物を水に懸濁させた基本泥水
    に、分散剤および増粘助剤を添加してなり、250℃以
    上の高温環境下で使用可能にしたことを特徴とする地熱
    井用掘削泥水組成物。
  2. 【請求項2】 天然ベントナイト単独、又は天然ベント
    ナイトと、合成スメクタイト及び合成雲母から選ばれた
    少なくとも1種との混合物を水に懸濁させた基本泥水
    に、分散剤および増粘助剤を添加し、さらに潤滑剤及び
    /又は脱水調整剤を添加してなり、250℃以上の高温
    環境下で安定した泥水機能を維持するようにしたことを
    特徴とする地熱井用掘削泥水組成物。
  3. 【請求項3】 地層温度250℃以下で使用される泥水
    を基材とし、これに増粘剤、分散剤、及び増粘助剤を添
    加することによって、250℃以上の地層温度に対応し
    て泥水組成を変えることを特徴とする抗井の掘削方法。
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