JP6580312B2 - 二重化監視制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、二重化監視制御システムに係り、特に、パイプライン沿線上に監視対象が点在するパイプライン施設に用いるのに好適な、二重化監視制御システムに関する。
パイプライン沿線上に、(1)緊急時のパイプライン遮断用の緊急遮断弁を有するバルブステーション、(2)加温減圧装置を有する減圧ステーション、(3)計量設備を有する供給ステーション等のステーション設備(ローカルステーションとも称する)が多数点在するパイプライン施設が知られている。大規模パイプラインでは、ステーション数が100を超えることも珍しくない。
このようなパイプラインの遠隔監視(SCADA:Supervisory Control And Data Acquisition)システムは、監視対象となるステーションがパイプライン沿線上の遠隔地に点在することから、通信インフラを介し、パイプライン操業に必要な情報を収集する必要がある。
また、パイプライン施設は重要なライフライン設備であり、パイプライン輸送の安全性確保のため、遠隔監視システムは24時間365日リアルタイムでの集中監視が要求されると共に、緊急時におけるパイプライン遮断設備としての十分な信頼性が要求される。
パイプラインの遠隔監視システムは、大別すると以下の3つの要素により構成される。
(i)中央監視装置
中央監視室に設置され、パイプライン運用データを蓄積するためのデータベースとパイプライン全体を集中監視するためのHMI(Human Machine Interface)装置。
(ii)通信ネットワーク装置
中央監視装置とローカル制御装置間のデータ通信回線ならびにデータ通信装置。
(iii)ローカル制御装置
ローカルステーションに設置され、パイプライン付帯設備(緊急遮断弁、フィールド計器等)とプロセス接続され、それらの監視制御を行うコントローラ装置。
通信業者による仮想専用線VPN(Virtual Private Network)サービスが普及する以前は、通信回線は1対1接続による専用回線が基本であり、図1に例示する如く、中央監視装置20とローカル制御装置40A、40B、40C … は、1対多接続によるツリー型ネットワーク構成をとっていた。当時の専用回線は低速・小容量であり、現在に比べて回線品質が悪いことから、通信機器メーカー製の専用の通信装置(テレメータ装置)32によりデータ通信を行っていた。このため、遠隔監視システムは、メーカーによる専用装置が主流であった。
一方近年の回線品質の向上とTCP/IPによるVPN回線の普及により、遠隔監視システムは、図2に例示するような、通信ネットワーク装置34を利用した多対多接続によるメッシュ型ネットワーク構成が可能となった。また、TCP/IPによる通信インターフェースにより、遠隔監視システムはメーカーによる専用装置から、中央監視装置20は汎用PC(パーソナルコンピュータ)、ローカル制御装置40A、40B、40C … はプログラマブル・ロジック・コントローラPLC(Programmable Logic Controller)等の汎用機への転換が促進された。
パイプライン施設は重要なライフライン設備であり、操業管理を司る遠隔監視システムの各要素(中央監視装置20、通信ネットワーク装置34、ローカル制御装置40A、40B、40C … )において、設備故障に対してバックアップ可能な冗長化構成による十分な信頼性が要求される。
そこで、特許文献1には、システムを構成する複数の制御装置と複数のリモート入出力装置との間でデータ伝送するときに、この間の伝送経路を切り替えるようにした二重化監視制御システムが記載されている。
又、特許文献2には、遠隔地で動作する複数の計算機システムとして構成された冗長構成を、中央の計算機システムと連携して自動的に切り替えるようにした冗長切替方式が記載されている。
又、特許文献3には、プラント監視制御システムのプラント監視制御の信頼性を保持しながら、冗長構成によるコストアップを抑制するため、平常時には上位、中位、下位のそれぞれのネットワークを介して種類の異なるデータを分散通信し、異常時には正常なネットワークを介してデータ通信するようにしたプラント監視制御システムが記載されている。
又、特許文献4には、データ中継装置が故障した場合、通信経路を自動的に切り換える通信経路切換手段をデータ収集装置内に設けることで、電力消費機器の計測・制御・監視とエネルギー計測機器からのデータ収集を継続して行うことができるようにした遠隔制御システムが記載されている。
又、特許文献5には、制御端末と回線制御装置等の装置との通信断が発生した場合に、自動的に通信路を予備系の経路に切り換えて、システム内のデータ通信が途絶えるのを防ぐようにした二重化切換システムが記載されている。
又、特許文献6には、遠隔監視制御システムにおいて、HDLC(High-Level Data Link Control)に基づいて運用される汎用の子局装置を二系列化することが記載されている。
特許第4776374号公報 特開平5−233345号公報 特開2001−325157号公報 特開2006−118807号公報 特開2006−338600号公報 特開2010−166332号公報
通信回線の二重化では、メイン回線は、回線速度(通信速度)が高速で通信容量も大容量である光ケーブル等の地上回線が利用される場合が多いのに対し、バックアップ回線は、特に広域での対災害性の高い衛星通信回線が選定される場合が多い。
バックアップ回線は、災害等によりメイン回線が被災した場合の通信回線として利用されるが、その通信速度・通信容量は、メイン回線に比べて低速・小容量である場合が多い。このため、中央監視装置によるデータ収集周期を、メイン回線の回線速度に合わせた場合には、バックアップ回線使用時にデータが欠損する恐れがある。一方、バックアップ回線の回線速度に合わせた場合は、メイン回線の通信性能が十分に発揮されないという問題点を有していた。
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、遠隔監視システムにおいて、異なる通信性能が混在したネットワーク構成においても、遅い通信回線に全体性能が影響されることなく、最適なデータ収集が可能な二重化監視制御システムを提供することを課題とする。
本発明は、中央監視装置と、監視拠点毎に配設したローカル制御装置とを結ぶ高速のメイン回線、及び、該メイン回線とは独立した低速のバックアップ回線でなる常時二重化回線を通信回線として備え、各監視拠点の通信回線別にデータ収集周期を独立で設定可能として、通常時は、メイン回線により短いデータ収集周期でデータを収集すると共に、バックアップ回線により回線診断を行い、メイン回線不通時は、バックアップ回線により長いデータ収集周期でデータを収集し、メイン回線復旧時は、バックアップ回線によるデータ収集を停止して、メイン回線によるデータ収集及びバックアップ回線による回線診断を再開するようにした二重化監視制御システムであって、前記中央監視装置に接続されるサーバを並列状態で二重化し、通常時は、プライマリサーバのみが通信回線を介して監視拠点からデータ収集を行うと共に、通信回線は利用せずにプライマリサーバからセカンダリサーバにデータを供給し、プライマリサーバによるデータ収集機能が停止した場合のみ、セカンダリサーバによる監視拠点からのデータ収集を行うようにして、前記課題を解決したものである。
ここで、前記メイン回線の一部が不通となった場合は、該不通となった監視拠点のみバックアップ回線によるデータ収集を行うことができる。
又、前記バックアップ回線によるデータ収集を、重要監視拠点についてのみ行うことができる。
本発明は、又、中央監視装置と、監視拠点毎に配設したローカル制御装置とを結ぶ高速のメイン回線、及び、該メイン回線とは独立した低速のバックアップ回線でなる常時二重化回線を通信回線として備え、各監視拠点の通信回線別にデータ収集周期を独立で設定可能として、通常時は、メイン回線により短いデータ収集周期でデータを収集すると共に、バックアップ回線により回線診断を行い、メイン回線不通時は、バックアップ回線により長いデータ収集周期でデータを収集し、メイン回線復旧時は、バックアップ回線によるデータ収集を停止して、メイン回線によるデータ収集及びバックアップ回線による回線診断を再開するようにした二重化監視制御システムであって、前記データ収集周期を、通信回線単位だけでなく、監視拠点毎に独立して設定可能とするようにして、同様に前記課題を解決したものである。
本発明によれば、常時二重化された、通信速度が異なる通信回線それぞれの回線速度(通信容量)に合わせて、通信回線別にデータ収集周期を独立で設定可能としたので、遠隔監視システムにおいて、異なる通信性能が混在したネットワーク構成においても、遅い通信回線に全体性能が影響されることなく、最適なデータ収集が可能となる。更に、通常時は、常時二回線接続されたうちのバックアップ回線を使って回線診断が可能となる。
ツリー型ネットワークの遠隔監視システムの例を示す図 メッシュ型ネットワークの遠隔監視システムの例を示す図 本発明の第1実施形態の全体構成を示す図 本発明で用いることが可能な帯域専用型衛星通信回線の例を示す図 同じく帯域共用型衛星通信回線の例を示す図 第1実施形態におけるメイン回線によるデータ収集の手順を示すフローチャート 同じくバックアップ回線によるデータ収集の手順を示すフローチャート パイプラインに適用した本発明の第2実施形態の全体構成を示す図
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態及び実施例に記載した内容により限定されるものではない。又、以下に記載した実施形態及び実施例における構成要件には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態及び実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
本発明の第1実施形態の構成を図3に示す。本実施形態においては、次のような冗長化構成を採っている。
(a)中央監視装置設置拠点の冗長化
中央監視装置20Aが設置されるセンター拠点10Aの災害対策として、バックアップ拠点10Bを設け、このバックアップ拠点10Bには、センター拠点10Aと同様の中央監視装置20Bを設置する。VPN回線のようなメッシュ型ネットワークの採用により、バックアップ拠点10Bの設置が安価で容易に可能である。
(b)中央監視装置の冗長化
機器故障等に対する冗長化対策として、例えば中央監視装置にあるデータ蓄積のためのデータベースサーバは、プライマリサーバ22A(または22B)とセカンダリサーバ24A(または24B)による冗長化構成とする。
そして、通常時は、プライマリサーバ(稼働系)22A(または22B)のみが通信回線を介してデータ収集を行う。これは、データ収集に必要な通信帯域(通信容量)をなるべく小さくし、通信費用(ランニングコスト)の削減を図るためである。セカンダリサーバ(待機系)24A(または24B)は、通常時は待機状態にあり、通信回線は利用せずにプライマリサーバ22A(または22B)経由でデータを収集することにより、プライマリサーバ22A(または22B)とセカンダリサーバ24A(または24B)間のデータは等値化できる。
このようにして、二重化サーバは待機冗長化し、プライマリサーバ22A(または22B)によるデータ収集機能が停止した場合のみ、セカンダリサーバ24A(または24B)でデータ収集が開始される。これにより、常時、一方のサーバのみでデータ収集を行うため、通信回線への通信負荷低減を図ることができる。
(c)ネットワーク(通信回線)の冗長化
通信回線は、メイン回線50とバックアップ回線52による二重化ネットワークとする。メイン回線50は、高速・大容量である光ケーブル等の地上回線(例えばVPN回線)を利用し、バックアップ回線52は、特に広域での対災害性の高い衛星通信回線(低速・小容量)を用いることができる。バックアップ回線52は、非常時(メイン回線50不通時または対災害時)の通信回線として利用され、重要監視拠点のみ開設することができる。
(d)ローカル制御装置の冗長化
ローカル制御装置の中央処理装置であるCPUも、冗長化構成とすることができる。
具体的には、中央監視装置20Aは監視拠点40A〜40Eとルータ54Aを介してメイン回線(VPN回線)50で通信接続すると共に、中央監視装置20Aは重要監視拠点(図では40A、40C、40E)と超小型衛星通信地球局VSAT(Very Small Aperture Terminal)28Aを介してバックアップ回線(衛星通信回線)52で接続する。
前記バックアップ回線52は、メイン回線50が不通となった場合でも遠隔監視を継続する必要がある重要監視拠点40A、40C、40Eのみに設けられている。
即ち、ライフラインであるパイプラインには、災害等によりパイプライン自体の破損が生じた場合、被害の拡大を防ぐために緊急的にパイプラインを遮断するための緊急遮断装置が設けられている。この緊急遮断装置のみのバルブステーションが、必ずしも重要度が低いわけではないが、緊急遮断装置に加えて例えば加温減圧設備、流量計等の計量設備、放散設備、地震計、ガス分析計(例えばガスクロマトグラフ等)などの付帯設備があるステーションが、より重要度が高い重要監視拠点と位置付けられる。
この重要監視拠点は、メイン回線50が不通の場合も、バックアップ回線52により遠隔監視が継続される。
ここで、前記監視拠点40A〜40Eのデータ収集周期は、回線毎に独立で設定可能とされ、非対称冗長化が図られている。
即ち、重要監視拠点40Aとメイン回線50経由の回線Aのデータ収集周期ta、同じく重要監視拠点40Aとバックアップ回線52経由の回線Xのデータ収集周期tx、監視拠点40Bとメイン回線50経由の回線Bのデータ収集周期tb、重要監視拠点40Cとメイン回線50経由の回線Cのデータ収集周期tc、同じく重要監視拠点40Cとバックアップ回線52経由の回線Yのデータ収集周期ty、監視拠点40Dとメイン回線50経由の回線Dのデータ収集周期td、重要監視拠点40Eとメイン回線50経由の回線Eのデータ収集周期te、同じく重要監視拠点40Eとバックアップ回線52経由の回線Zのデータ収集周期tzは、全て独立で設定可能とされている。
メイン回線50に用いることができるVPN回線の回線速度は1Mbps、監視拠点40からのデータ収集時間は5秒以内であるのに対し、バックアップ回線52に用いることができる衛星通信回線の回線速度は128kbpsであり、監視拠点40からのデータ収集時間は30秒以上かかり、遅延時間も遅くなる。衛星通信回線による衛星通信の場合、一般の通信と比べて信号の伝搬距離が長い。通信衛星は赤道上空約36,000kmに位置しているので、地球局と通信衛星の間の往復距離は約72,000kmになる。電波は光と同じく300,000km/秒の速さで伝搬するため、衛星通信での基本的な伝搬遅延時間は
72,000÷300,000=0.24秒
となる。
衛星通信方式には、図4に例示する帯域専用型と、図5に例示する帯域共用型がある。図4に示した帯域専用型の衛星通信は、1対多接続のツリー型ネットワークであり、通信衛星65を介した端末(センター局64〜子局RTU(Remote Terminal Unit)66)間の通信は、1ホップ接続で、ランニング費用は、専用する帯域に比例する。この帯域専用型サービスの要求から応答までの遅延時間は、0.24秒×2=0.48秒である。
一方、図5に例示する帯域共用型の衛星通信は、多対多接続のメッシュ型ネットワークであり、端末間の通信は、HUB局68を経由する2ホップ接続となり、ランニング費用は、端末数に比例する。この帯域共用型サービスの要求から応答までの遅延時間は、0.24秒×4=0.96秒となる。
図4の帯域専用型、図5の帯域共用型のいずれを採用するかは、データ収集時間とランニング費用の兼ね合いによる。
前記のようにして、ネットワークを二重化し、通常時は、メイン回線50を介してのみデータ収集を行い、バックアップ回線52ではデータ収集は行わずに、回線診断信号のみデータ通信される。回線故障時は、メイン回線50が不通となった重要監視拠点のみ、バックアップ回線52に切り替えてデータ収集を行う。
また、メイン回線50が復旧した際は、自動的にメイン回線50によるデータ収集に切り替わる。
即ち、常時は回線A〜Eでデータを収集し、回線Aの不通時には回線Xでデータを収集し、回線Aが回復したことが判明した場合には、再び優先順位の高い回線Aによるデータ収集に自動的に切り替える。
これにより、低速・小容量であるバックアップ回線52に対する通信負荷の低減が図られ、従量課金制(データ量に応じた課金方式)の回線利用時にも有利である。
前記メイン回線50によるデータ収集処理フローの例を図6に、バックアップ回線52によるデータ収集処理フローの例を図7に示す。通信回線の待機冗長化により、メイン回線50とバックアップ回線52の切り替えはRTU単位で実行されるので、メイン回線50を最大限有効に活用することができる。
まず、通常時は、図6に示す手順に従って、メイン回線50によるデータ収集を行う。具体的にはステップ100でデータを要求し、ステップ110で応答の有無を確認し、応答があった場合には、ステップ120でデータを保存する。一方、ステップ110の判定結果が否であり、データ要求に対して応答が無い場合には、ステップ130に進み、データ収集を停止する。そしてステップ140に進み、回線診断信号を送り、ステップ150で応答が無かった場合には、ステップ140に戻って回線診断信号を再び送る。
一方、ステップ150の判定結果が正であり、応答が確認できた時には、ステップ160に進みデータ収集を再開する。
図6のステップ130でデータ収集を停止した時には、図7のバックアップ回線によるデータ収集を行う。即ち、ステップ200でメイン回線50がデータ収集を停止しているか否かを判定し、停止していると判定された場合にはステップ210でデータ要求を行い、ステップ220で応答を確認する。応答が有った場合には、ステップ230に進みデータを保存する。
一方、ステップ220の判定結果が否であり、応答を確認出来なかった時にはステップ240に進み、データ収集を停止する。そしてステップ250で回線診断信号を送り、ステップ260で応答が確認できた時には、スタートに戻る。一方、ステップ260の判定結果が否である場合には、ステップ250に戻り、回線診断信号を再び送る。
以上を纏めると、通常時は、メイン回線50によるデータ収集(データ要求)を行い、バックアップ回線52は、回線診断信号による断線などのチェックを行う。
一方、メイン回線不通時(データ要求に対し応答が無い場合)には、メイン回線50は、回線診断信号による断線などのチェックを行う。一方、バックアップ回線52によりデータ収集(データ要求)を行う。
メイン回線復旧時(回線診断信号に対し応答が復旧した場合)は、メイン回線50によるデータ収集(データ要求)を再開する。一方、バックアップ回線52はデータ収集を停止し、回線診断信号による断線などのチェックを繰り返す。
パイプライン施設に適用した具体例である本発明の第2実施形態を図8に示す。
図8において、22A、24A、22B、24Bはデータベースサーバであって、22A、22Bはプライマリサーバ、24A、24Bはセカンダリサーバ、26A、26Bは、オペレータコンソール、28A、28Bは、超小型衛星通信地球局VSAT(Very Small Aperture Terminal)、30A、30Bはプリンタ、54A、54Bはルータ、60はパイプライン、62は、パイプライン60を遮断するための緊急遮断装置(バルブ)、70A〜70Rは、そのステーション、72はPLC、74はHMI、80は、パイプライン60の起点流量や終点流量・分岐流量などのパイプライン全体を管理すると共に、供給ステーションで供給先との取引メータとなる計量設備、82は災害情報把握のための地震計、84はガスの熱量管理のためのガスクロマトグラフなどのガス分析設備、86は、パイプライン60が破損した場合、破損個所からのガス漏洩による被害拡大を防ぐため、破損個所上下流の遮断装置(バルブ)62によりパイプライン60を遮断した後、遮断区間のガス放散を行うための放散設備、88は(加温)減圧設備である。
前記放散設備86は、放散するガス量と放散時間により計画設計された間隔で、パイプライン60のステーションに設けられる。
前記(加温)減圧設備88の二次圧力・二次温度は、二次側の設備を保護するために監視される。
図8の例では、計量設備80、地震計82及びガス分析設備84が設けられた最初のステーション70A、放散設備86が設けられた3番目のステーション70C、(加温)減圧設備88と計量設備80が設けられた5番目のステーション70E、放散設備86と地震計82が設けられた9番目のステーション70I、(加温)減圧設備88と計量設備80が設けられた11番目のステーション70K、(加温)減圧設備88と計量設備80及び放散設備86が設けられた13番目のステーション70M、(加温)減圧設備88と計量設備80が設けられた15番目のステーション70O、(加温)減圧設備88、計量設備80及び放散設備86が設けられた17番目のステーション70Q、計量設備80及び地震計82が設けられた最後のステーション70Rは重要拠点とされ、衛星通信用のパラボラアンテナ76が設けられている。
基本的な構成及び作用は図3に示す第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
なお、重要拠点とする基準やメイン回線とバックアップ回線の種類は前記実施形態に限定されず、例えばメイン回線を無線回線とし、バックアップ回線を有線回線とすることもできる。
10A…センター拠点
10B…バックアップ拠点
20A、20B…中央監視装置
22A、22B…プライマリサーバ
24A、24B…セカンダリサーバ
40A〜40E…監視拠点
50…メイン回線
52…バックアップ回線
60…パイプライン
62…バルブ
70A〜70R…ステーション
72…PLC
74…HMI
76…パラボラアンテナ
80…計量設備
82…地震計
84…ガス分析設備
86…放散設備
88…(加温)減圧設備

Claims (4)

  1. 中央監視装置と、監視拠点毎に配設したローカル制御装置とを結ぶ高速のメイン回線、及び、該メイン回線とは独立した低速のバックアップ回線でなる常時二重化回線を通信回線として備え
    各監視拠点の通信回線別にデータ収集周期を独立で設定可能として、
    通常時は、メイン回線により短いデータ収集周期でデータを収集すると共に、バックアップ回線により回線診断を行い
    メイン回線不通時は、バックアップ回線により長いデータ収集周期でデータを収集し、
    メイン回線復旧時は、バックアップ回線によるデータ収集を停止して、メイン回線によるデータ収集及びバックアップ回線による回線診断を再開するようにした二重化監視制御システムであって、
    前記中央監視装置に接続されるサーバを並列状態で二重化し、通常時は、プライマリサーバのみが通信回線を介して監視拠点からデータ収集を行うと共に、通信回線は利用せずにプライマリサーバからセカンダリサーバにデータを供給し、プライマリサーバによるデータ収集機能が停止した場合のみ、セカンダリサーバによる監視拠点からのデータ収集を行うことを特徴とする二重化監視制御システム。
  2. 前記メイン回線の一部が不通となった場合は、該不通となった監視拠点のみバックアップ回線によるデータ収集を行うことを特徴とする請求項1に記載の二重化監視制御システム。
  3. 前記バックアップ回線によるデータ収集を、重要監視拠点についてのみ行うことを特徴とする請求項2に記載の二重化監視制御システム。
  4. 中央監視装置と、監視拠点毎に配設したローカル制御装置とを結ぶ高速のメイン回線、及び、該メイン回線とは独立した低速のバックアップ回線でなる常時二重化回線を通信回線として備え
    各監視拠点の通信回線別にデータ収集周期を独立で設定可能として、
    通常時は、メイン回線により短いデータ収集周期でデータを収集すると共に、バックアップ回線により回線診断を行い
    メイン回線不通時は、バックアップ回線により長いデータ収集周期でデータを収集し、
    メイン回線復旧時は、バックアップ回線によるデータ収集を停止して、メイン回線によるデータ収集及びバックアップ回線による回線診断を再開するようにした二重化監視制御システムであって、
    前記データ収集周期を、通信回線単位だけでなく、監視拠点毎に独立して設定可能としたことを特徴とする二重化監視制御システム。
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