以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせてもよい。例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示とすればよい。
画像表示装置5の表示領域の始動入賞記憶表示エリア5Hの左側方には、変動中特図表示エリア5Iが設けられている。変動中特図表示エリア5Iには、現在実行されている可変表示に対応した画像が表示される。例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中特図表示エリア5Iに丸型で青色の画像が表示される。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中特図表示エリア5Iに丸型で赤色の画像が表示される。即ち、第1または第2開始条件の成立とともに、始動入賞記憶表示エリア5Hから除去された表示がこの変動中特図表示エリア5Iにシフトして表示されればよい。この、変動中特図表示エリア5Iの表示により、遊技者は第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bのいずれで特図ゲームが実行されているかを把握することができる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、電源基板16、払出制御基板17といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と電源基板16や払出制御基板17との間で伝送される各種の制御信号、及び、演出制御基板12と音声制御基板13やランプ制御基板14等との間で伝送される各種の制御信号を中継するためドロア中継基板19も搭載されている。なお、ドロア中継基板19は、図3に示すように遊技盤側のドロア中継基板19aと遊技枠側のドロア中継基板19bとから構成されている。さらに、ドロア中継基板19と音声制御基板13やランプ制御基板14等の間には、各種の制御信号を中継するため枠中継基板26が設けられる。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
電源基板16は、外部電源である交流電源から供給される電力を、主基板11や演出制御基板12、払出制御基板17などの各種制御基板に供給するために、交流(AC;alternating current)を直流(DC;Direct Current)に変換するための整流回路や、所定の直流電圧を特定の直流電圧(例えば、DC32Vや12V、5Vなどの電圧)に変換する電源回路などを備えている。電源基板16が備える電源回路の出力電圧は、ドロア中継基板19を介して主基板11や演出制御基板12などに供給される。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
図2に示すように、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111、電源基板16から供給されたDC32Vの電圧とDC5Vの電圧とを監視し、電源断信号やリセット信号といった信号を出力する第1電源監視回路112や第2電源監視回路113、遊技制御用マイクロコンピュータ100にバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路114などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23、エラー系スイッチ29といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。主基板11は、各種スイッチからの検出信号を受信すると、各種スイッチに応じた賞球の払い出しを実行させるための賞球信号を払出制御基板17に送出する。なお、この賞球信号は、電源基板16を経由して伝送されてもよい。払出制御基板17は、賞球信号を受信すると、球払出装置18を駆動して賞球信号に応じた賞球を払い出させる。エラー系スイッチ29は、例えばセンサと称されるものなどのように、電波や磁石等を検知する任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部がバックアップ電源回路114によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源回路114が備えるコンデンサが放電してバックアップ電源回路114が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわちCPU103の制御状態に応じたデータ(遊技プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。CPU103の制御状態に応じたデータとは、停電等(電断)が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。I/O105の入力ポートには、各種スイッチからの検出信号や、第1電源監視回路112からの電源断信号などが入力される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、枠中継基板26を介して、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、枠中継基板26を介して、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。演出制御基板12に搭載されたRAM122は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102と異なり、バックアップ電源回路によってバックアップされていない。従って、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止すると、RAM122が記憶する内容は全く保存されず消滅してしまうことになる。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどに供給する。
図3は、前面枠を解放した状態のパチンコ遊技機の斜視図である。図3に示すように、パチンコ遊技機1の遊技機用枠3には、遊技枠161と前面枠162とが開閉自在に設けられている。前面枠162には、遊技盤2の表面に形成される遊技領域を前面枠162の正面から視認可能にするガラス窓163が形成されている。また、前面枠162には、遊技効果ランプ9などの演出装置も設けられている(図3において図示せず)。
遊技盤2の裏面には、主基板11と、演出制御基板12と、ドロア中継基板19aと、が設けられている。ドロア中継基板19aは、主基板11や演出制御基板12などと、遊技枠161側の各種基板との間で伝送される電圧や各種の制御信号を中継する基板である。ドロア中継基板19aには、ドロアコネクタ32a、32bが設けられている。即ち、ドロアコネクタ32a、32bは、ドロア中継基板19aを介して、遊技盤2に設けられている。ドロアコネクタ32aは、所定の配線を介して主基板11に接続されており、ドロアコネクタ32bは、所定の配線を介して演出制御基板12に接続されている。
遊技枠161には、電源基板16と、払出制御基板17と、ドロア中継基板19bと、枠中継基板26(図3において図示せず)と、が設けられている。ドロア中継基板19bは、電源基板16や払出制御基板17、枠中継基板26などと、遊技盤2側の各種基板との間で伝送される電圧や各種の制御信号を中継する基板である。ドロア中継基板19bには、枠側コネクタ33a、33bが設けられている。即ち、枠側コネクタ33a、33bは、ドロア中継基板19bを介して、遊技枠161に設けられている。枠側コネクタ33a、33bは、電源基板16に接続されている。また、枠側コネクタ33aは、払出制御基板17にも接続されており、枠側コネクタ33bは、枠中継基板26にも接続されている。枠側コネクタ33a、33bは、遊技盤2を遊技枠161に設置する際に、ドロアコネクタ32a、32bと結合する位置に設けられている。
遊技枠161は、遊技盤2を設置するための枠である。遊技枠161には、遊技盤2と同等の大きさの溝が形成されており、この溝に遊技盤2をはめ込み、ストッパなどで遊技盤2を遊技枠161に固定すると、遊技盤2が遊技枠161に設置される。遊技盤2を遊技枠61に設置する際には、ドロアコネクタ32aが枠側コネクタ33aと結合し、ドロアコネクタ32bが枠側コネクタ33bと結合する。これにより、遊技盤2側の各種基板(主基板11など)と遊技枠161側の各種基板(電源基板16など)とが、ドロアコネクタ32a、32bや、枠側コネクタ33a、33b、ドロア中継基板19a、19b(ドロア中継基板19)を介して接続される。このようにドロアコネクタ32a、32bと枠側コネクタ33a、33bとによって、電源基板16などと主基板11などとの接続を容易にすることができる。
図4は、電源基板16とドロア中継基板19bの構成例を示すブロック図である。電源基板16は、主に、サーミスタ56、コモンモードチョークコイル57、整流部61、直流電源部62、リレー71及びリレードライブ回路72を備えている。
サーミスタ56は、電源投入時に交流電源50から発生する突入電流を抑制するための突入電流防止抵抗である。サーミスタ56は、電流が流れていない状態や電流が流れ始めた過渡状態では抵抗値が大きく、電流が流れ始めてある程度の期間が経過すると、自己発熱により抵抗値が減少する性質を有している。コモンモードチョークコイル57は、ノイズを除去するためのノイズフィルタである。整流部61は、例えば、4つのダイオードをブリッジ接続して形成された全波整流回路で構成され、交流電圧を直流電圧に変換(整流)する。
直流電源部62は、整流部61によって直流電圧に変換された電圧を、例えばDC32Vや12V、5Vなどといった特定の直流電圧に変換するDC−DCコンバータなどによって構成される電源回路を含んでいる。この実施の形態では、一例として、直流電源部62は、主基板11に入力される直流電圧を出力する電源回路として、DC32Vの電圧を出力する電源回路(32V電源回路)と、DC12Vの電圧を出力する電源回路(12V電源回路)と、DC5Vの電圧を出力する電源回路(5V電源回路)とを含んでいる。また、直流電源部62は、演出制御基板12に入力される直流電圧を出力する電源回路として、DC32Vの電圧を出力する電源回路(32V電源回路)と、DC12Vの電圧を出力する電源回路(12V電源回路)と、DC5Vの電圧を出力する電源回路(5V電源回路)とを含んでいる。直流電源部62において作成された各電圧(GND;groundを含む)は、ドロア中継基板19bへ伝送される。なお、この実施の形態では、32V電源回路、12V電源回路及び5V電源回路を2つずつ設けたが、各電源回路の数は2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。
リレー71は、例えば、コイルと接点部とを含む電磁リレーであり、コイルに電流が流れると、電磁力によって接点部が開状態から閉状態に切り替わり(オン状態となり)、コイルに電流が流れなくなると、電磁力がなくなって接点部が閉状態から開状態に切り替わる(オフ状態となる)電気部品である。リレー71は、サーミスタ56の両端を短絡可能に設けられている。例えば、コイルに電流が流れて、接点部が閉状態になると、サーミスタ56の両端が短絡してサーミスタ56に電流がほとんど流れない状態、即ちサーミスタの無効状態となる。また、コイルに電流が流れなくなり、接点部が開状態になると、サーミスタ56の短絡が解除されてサーミスタ56に電流が流れる状態、即ちサーミスタの有効状態となる。このように、リレー71は、サーミスタ56を無効化するための電路と有効化するための電路とに切り替え可能に設けられている。
リレードライブ回路72は、例えば、抵抗とトランジスタなどから構成され、直流電源部62のうちの12V電源回路(この実施の形態では、一例として、演出制御基板12に入力される12Vの電圧を出力する電源回路)の出力電圧に応じて、リレー71を駆動させる(リレー71のコイルに電流を流して接点部を閉状態にさせる)ための回路である。この実施の形態では、リレードライブ回路72は、例えば、12V電源回路の出力電圧を監視し、当該電圧がDC6Vといった所定の電圧以上となったときに、リレー71のコイルに電流を流して、リレー71の接点部を閉状態とさせる。なお、リレードライブ回路72が監視する対象の電圧は、12V電源回路の出力電圧に限られない。例えば、リレードライブ回路72が監視する対象の電圧は、上記12V電源回路の出力電圧、32V電源回路の出力電圧、5V電源回路の出力電圧その他直流電圧が印加される電路における電圧であれば、いずれの電圧であってもよい。
図5は、電源基板16の構成例を示す回路図である。図5に示すように、電源基板16は、入力端子51a、51b、電源スイッチ52、ヒューズ53、サージアブソーバ54、コンデンサ55、サーミスタ56、コモンモードチョークコイル57、コンデンサ58、整流部61、直流電源部62、出力端子63a〜63h、リレー71及びリレードライブ回路72を備えている。
入力端子51aと入力端子51bとには、図4に示すように交流電源50が接続される。電源スイッチ52は、スイッチS1とスイッチS2とを含み、スイッチS1の一端には入力端子51aが接続され、スイッチS2の一端には入力端子51bが接続されている。スイッチS1の他端は、コモンモードチョークコイル57のコイルL2の一端に接続され、スイッチS2の他端は、ヒューズ53の一端に接続されている。ヒューズ53の他端は、サーミスタ56を介してコモンモードチョークコイル57のコイルL1の一端に接続されている。スイッチS1の他端とヒューズ53の他端とには、並列に接続されたサージアブソーバ54とコンデンサ55とが接続されている。コモンモードチョークコイル57のコイルL1の他端とコイルL2の他端とには、コンデンサ58が接続されている。
整流部61は、ダイオードDa,Db,Dc,Dd,De,Dfから構成される。このうち、ダイオードDa,Db,Dc,Ddは、全波整流回路61aを構成している。また、ダイオードDe,Dfは、全波整流回路61aのダイオードDa,Dbと共に全波整流回路61bを構成している。即ち、この例では、全波整流回路61aと全波整流回路61bとはダイオードDa,Dbを共有している。ここで、ダイオードDaのカソードとダイオードDcのアノードは、ダイオードDfのアノードと共に、コモンモードチョークコイル57のコイルL2の他端に接続されている。また、ダイオードDbのカソードとダイオードDdのアノードは、ダイオードDeのアノードと共に、コモンモードチョークコイル57のコイルL1の他端に接続されている。ダイオードDaのアノードとダイオードDbのアノードは相互に接続され、整流部61の低電圧ノードNLを形成している。ダイオードDcのカソードとダイオードDdのカソードは相互に接続され、整流部61の第1高電圧ノードNH1を形成している。ダイオードDeのカソードとダイオードDfのカソードは相互に接続され、整流部61の第2高電圧ノードNH2を形成している。
直流電源部62は、一例として、32V電源回路62a、12V電源回路62b、5V電源回路62c、32V電源回路62d、12V電源回路62e及び5V電源回路62fを含んでいる。32V電源回路62a、12V電源回路62b及び5V電源回路62c(電源回路62a〜62c)には、整流部61の第1高電圧ノードNH1と低電圧ノードNLとが接続されている。電源回路62a〜62cは、例えば、演出制御基板12、音声基板13、ランプ基板14等、主として演出制御に関与する基板に入力される電圧を出力する。また、32V電源回路62d、12V電源回路62e及び5V電源回路62f(電源回路62d〜62f)には、整流部61の第2高電圧ノードNH2と低電圧ノードNLとが接続されている。電源回路62d〜62fは、例えば、主基板11等、遊技制御に関与する基板に入力される電圧を出力する。電源回路62a〜62fの出力ノードは、出力端子63a〜63fに接続されている。また、整流部61の低電圧ノードNLは、出力端子63g、63hに接続されている。出力端子63g、63hの電圧(低電圧ノードNLの電圧)は、電源回路62a〜62fの基準電圧(GND)となっている。出力端子63a〜63c、63gは、ドロア中継基板19bの枠側コネクタ33bに接続された配線に接続されており、出力端子63d〜63f、63hは、ドロア中継基板19bの枠側コネクタ33aに接続された配線に接続されている。
リレー71は、コイル71Lと接点部71Sとを備えている。接点部71Sの一端は、サーミスタ56の一端に接続されており、接点部71Sの他端は、サーミスタ56の他端に接続されている。即ち、リレー71の接点部71Sは、サーミスタ56に並列に接続されている。また、コイル71Lは、リレードライブ回路72に接続されている。
リレードライブ回路72は、一例として、トランジスタ73、抵抗74〜76、ダイオード77及び電解コンデンサ78から構成される。トランジスタ73のエミッタは、整流部61の低電圧ノードNL(出力端子63h)に接続されており、トランジスタ73のコレクタは、コイル71Lの一端に接続されている。コイル71Lの他端は、12V電源回路62bの出力ノード(出力端子63b)に接続されている。また、コイル71Lの他端には、抵抗74の一端が接続されており、抵抗74の他端には、抵抗75の一端が接続されている。抵抗75の他端には、抵抗76の一端とトランジスタ73のベースとが接続されている。抵抗76の他端は、トランジスタ73のエミッタに接続されている。また、ダイオード77のカソードは、抵抗74の一端に接続されており、ダイオード77のアノードは、抵抗74の他端に接続されている。また、電解コンデンサ78の正電極は、抵抗75の一端に接続されており、電解コンデンサ78の負電極は、抵抗76の他端に接続されている。
図6は、主基板11などとドロア中継基板19aの構成例を示すブロック図である。図6に示すように、ドロア中継基板19aのドロアコネクタ32aは、主基板11に接続された配線に接続されている。この配線を介して、ドロアコネクタ32aから主基板11へ、DC32V、12V、5V、GNDの各電圧や各種信号が伝送される。ドロアコネクタ32aから主基板11へ伝送される信号には、クリア信号が含まれていてもよい。クリア信号は、電源基板16に搭載されたクリアスイッチ(図示せず)が押されている期間オン状態となる電気信号であればよい。なお、クリアスイッチは主基板11に搭載されていてもよい。クリア信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。また、ドロア中継基板19aのドロアコネクタ32bは、演出制御基板12に接続された配線に接続されている。この配線を介して、ドロアコネクタ32bから演出制御基板12へ、DC32V、12V、5V、GNDの各電圧や各種信号が伝送される。
なお、この実施の形態では、2つのドロアコネクタを経由して、主基板11と演出制御基板12とへ、電圧や信号を伝送するように構成しているが、主基板11に接続された配線と演出制御基板12に接続された配線とをまとめて1つのドロアコネクタに接続し、1つのドロアコネクタを経由して、主基板11と演出制御基板12とへ、電圧や信号を伝送するように構成してもよい。この場合には、電源基板16の出力端子63a〜63hは、上記1つのドロアコネクタに対応する1つの枠側コネクタに接続されていればよい。
この実施の形態では、主基板11へ伝送されるDC32Vの電圧は、例えば、ソレノイド回路111を介して図2に示すソレノイド81、82に供給され、これらのソレノイドを駆動させるために用いられるとともに、第1電源監視回路112及び第2電源監視回路113によって監視される。主基板11へ伝送されるDC12Vの電圧は、例えば、スイッチ回路110を介して図2に示すゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B、カウントスイッチ23、エラー系スイッチ29といった各種スイッチに供給され、これらのスイッチを作動させるために用いられたり、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに供給され、これらの装置が備えるLEDを駆動(点灯)させるために用いられたりする。また、主基板11へ伝送されるDC5Vの電圧は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100や電源監視回路を構成する停電監視リセットモジュールICといった各種ICに供給され、これらのICを駆動させるために用いられる。このDC5Vの電圧は、後述するフィルタ回路36に設けられた電解コンデンサ87c、87dにより、電源の供給が遮断されたときの低下速度が、DC32Vの電圧やDC12Vの電圧、演出制御基板12に供給されるDC5Vなどの電圧の低下速度と比較して十分に遅くなっている。なお、このDC5Vの電圧は、電源投入時の上昇速度も、DC32Vの電圧やDC12Vの電圧などの上昇速度と比較して十分に遅くなっている。
演出制御基板12へ伝送されるDC32Vの電圧は、例えば、演出用可動部材用のソレノイドや演出用のモータに供給され、これらソレノイドやモータを駆動させるために用いられる。演出制御基板12へ伝送されるDC12Vの電圧は、例えば、演出用可動部材用のセンサや装飾用LEDに供給され、これらセンサや装飾用LEDを駆動させるために用いられる。また、演出制御基板12へ伝送されるDC5Vの電圧は、例えば、演出制御用CPU120やROM121、RAM122などといった各種ICに供給され、これらのICを駆動させるために用いられる。
主基板11は、上記した遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などの他に、フィルタ回路36を備えている。また、演出制御基板12は、上記した演出制御用CPU120やROM121などの他に、フィルタ回路37を備えている。フィルタ回路36、37は、電源基板16からドロア中継基板19(19a、19b)を介して供給される各電圧のライン(各電源ライン)に発生するノイズを除去するための回路である。
ドロアコネクタ32aを経由したDC32V、12V、5Vの各電圧は、主基板11のフィルタ回路36に入力される。フィルタ回路36から出力された各電圧は、主基板11が備える遊技制御用マイクロコンピュータ100や各回路などに入力される。例えば、フィルタ回路36から出力されたDC32V及び5Vの電圧は、第1電源監視回路112と第2電源監視回路113とにそれぞれ入力される。また、フィルタ回路36から出力されたDC5Vの電圧は、遊技制御用マイクロコンピュータ100やバックアップ電源回路114に入力される。このDC5Vの電圧は、遊技制御用マクロコンピュータ100や、電源監視回路を構成する停電監視リセットモジュールICなどの各ICを駆動させるための電圧となっている。また、フィルタ回路36から出力されたDC12Vの電圧は、ソレノイド回路111に入力される。なお、DC32V、12V、5Vの各電圧は、上記の回路やIC以外の回路やICなどにも入力されてもよい。
また、ドロアコネクタ32bを経由したDC32V、12V、5Vの各電圧は、演出制御基板12のフィルタ回路37に入力される。フィルタ回路37から出力された各電圧は、演出制御基板12が備える演出制御用CPU120や各回路などに入力される。
図7は、フィルタ回路の一例を示している。図7(A)に示すように、主基板11に設けられたフィルタ回路36は、一例として、三端子コンデンサ85a〜85c、高周波のノイズ対策用のバイパスコンデンサ(デカップリングコンデンサともいう。)86a〜86c及び低周波のノイズ対策用の電解コンデンサ87a〜87dを用いて構成されている。三端子コンデンサ85aの入力端子(IN)は、DC32V電源ライン(DC32Vの電圧がかかる電路)の入力側の配線に接続されており、三端子コンデンサ85aの出力端子(OUT)は、DC32V電源ラインの出力側の配線に接続されている。また、三端子コンデンサ85aのグランド端子(GND)は、接地(GNDラインに接続)されている。三端子コンデンサ85aの出力端子とグランド端子とには、0.1μF(micro farad)のバイパスコンデンサ86aが接続されている。また、三端子コンデンサ85aの出力端子とグランド端子とには、330μFの電解コンデンサ87aが接続されている。なお、電解コンデンサ87aの正電極は、三端子コンデンサ85aの出力端子に接続されており、電解コンデンサ87aの負電極は、三端子コンデンサ85aのグランド端子に接続されている。後述する電解コンデンサ87b〜87eの極性についても同様である。
三端子コンデンサ85bの入力端子(IN)は、DC12V電源ライン(DC12Vの電圧がかかる電路)の入力側の配線に接続されており、三端子コンデンサ85bの出力端子(OUT)は、DC12V電源ラインの出力側の配線に接続されている。また、三端子コンデンサ85bのグランド端子(GND)は、接地されている。三端子コンデンサ85bの出力端子とグランド端子とには、0.1μFのバイパスコンデンサ86bが接続されている。また、三端子コンデンサ85bの出力端子とグランド端子とには、220μFの電解コンデンサ87bが接続されている。
三端子コンデンサ85cの入力端子(IN)は、DC5V電源ライン(DC5Vの電圧がかかる電路)の入力側の配線に接続されており、三端子コンデンサ85cの出力端子(OUT)は、DC5V電源ラインの出力側の配線に接続されている。また、三端子コンデンサ85cのグランド端子(GND)は、接地されている。三端子コンデンサ85cの出力端子とグランド端子とには、0.1μFのバイパスコンデンサ86cが接続されている。また、三端子コンデンサ85cの出力端子とグランド端子とには、2700μFの電解コンデンサ87cが接続され、さらに、2700μFの電解コンデンサ87dが接続されている。即ち、並列に接続された2つの電解コンデンサ87c、87dが三端子コンデンサ85cの出力端子とグランド端子とに接続されている。なお、2つの電解コンデンサ87c、87dに代えて、5400μFまたは2700μFの電解コンデンサを1つ接続してもよく、また、2700μFよりも少ない容量の電解コンデンサを3つ以上並列に接続してもよい。
図7(B)に示すように、演出制御基板12に設けられたフィルタ回路37は、一例として、三端子コンデンサ85a〜85c、バイパスコンデンサ86a〜86c及び電解コンデンサ87a、87b、87eを用いて構成されている。DC32V電源ラインに設けられた三端子コンデンサ85a、バイパスコンデンサ86a、電解コンデンサ87a、および、DC12V電源ラインに設けられた三端子コンデンサ85b、バイパスコンデンサ86b、電解コンデンサ87bは、主基板11に設けられたフィルタ回路36における各部品と同じであり、各部品の接続関係も同じであるので、これらの部品についての説明を省略する。
また、DC5V電源ラインに設けられた三端子コンデンサ85c、バイパスコンデンサ86cは、主基板11に設けられたフィルタ回路36における各部品と同じであり、各部品の接続関係も同じであるので、これらの部品についての説明を省略する。三端子コンデンサ85cの出力端子とグランド端子とには、470μFの電解コンデンサ87eが接続されている。
ここで、フィルタ回路36とフィルタ回路37とを比べると、DC5V電源ラインに設けられた電解コンデンサの容量が異なっている。具体的には、フィルタ回路36における電解コンデンサの容量は、合計で5400μFであるのに対し、フィルタ回路37における電解コンデンサの容量は、470μFである。電解コンデンサの容量が大きいほど、放電時間が延びることとなる。例えば、入力側のDC5V電源ラインが遮断された場合、フィルタ回路37における出力側のDC5Vの電圧低下(電圧の低下速度)に比べて、フィルタ回路36における出力側のDC5Vの電圧低下が遅くなる。したがって、フィルタ回路36における電解コンデンサ87c、87dは、遅延回路としての機能を有している。なお、フィルタ回路36において遅延回路を組み込まない場合には、電解コンデンサ87c、87dに代えて、470μFの電解コンデンサ87eを接続、即ち、フィルタ回路36とフィルタ回路37とを完全に同一にすればよい。
図8は、フィルタ回路36、37の入力電圧と出力電圧との関係を示す図である。図8(A)に示すように、DC32V電源ラインにおけるフィルタ回路36、37の入力電圧がT1のタイミングで32Vから0Vに低下した場合、フィルタ回路36、37の出力電圧は、T1から徐々に低下していき、T2のタイミングでほぼ0Vとなる。図8(B)に示すように、DC12V電源ラインにおけるフィルタ回路36、37の入力電圧がT1のタイミングで12Vから0Vに低下した場合、フィルタ回路36、37の出力電圧は、T1から徐々に低下していき、T3のタイミングでほぼ0Vとなる。また、図8(C)に示すように、DC5V電源ラインにおけるフィルタ回路36の入力電圧がT1のタイミングで5Vから0Vに低下した場合、フィルタ回路36の出力電圧は、T1から徐々に低下していき、T4のタイミングでほぼ0Vとなる。一方、DC5V電源ラインにおけるフィルタ回路37の入力電圧がT1のタイミングで5Vから0Vに低下した場合、フィルタ回路37の出力電圧は、T1から徐々に低下していき、T4よりもかなり早いT5のタイミングでほぼ0Vとなる。
図8(C)に示すように、出力側の電圧が5Vから低下して、例えば、主基板11のCPU(CPU103)や演出制御基板12のCPU(演出制御用CPU120)が停止する電圧であるCPU停止電圧に到達するタイミングは、フィルタ回路37よりもフィルタ回路36が期間τ遅延している。このように主基板11のDC5V電源ラインにおけるフィルタ回路36は、遅延回路として機能する電解コンデンサ87c、87dを有しているので、電解コンデンサ87c、87dによって第1電源監視回路112や第2電源監視回路113などに入力される5Vの電圧の低下が遅延することになる。
主基板11に搭載された第1電源監視回路112及び第2電源監視回路113は、例えば停電監視用IC(停電監視リセットモジュールICともいう。)を用いて構成され、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧(所定の電源回路の電圧)に応じて、電源断信号及びリセット信号を出力する回路である。
第1電源監視回路112は、主基板11に供給された第1の電源電圧としてのDC32Vの電圧(DC32V電源ラインの電圧)と、主基板11に供給された第2の電源電圧としてのDC5Vの電圧(DC5V電源ラインの電圧)と、を監視する。第1電源監視回路112は、DC32Vの電圧が、例えば21Vといった第1閾値を超えるか、または、DC5Vの電圧が、例えば4.2Vといった第3閾値を超えると、オフ状態(ハイレベル)の電源断信号を出力する。その一方で、DC32Vの電圧が第1閾値以下(21V以下)になるか、または、DC5Vの電圧が第3閾値以下(4.2V以下)になると、オン状態(ローレベル)の電源断信号を出力する。なお、DC32Vの電圧が第1閾値以下になった期間や、DC5Vの電圧が第3閾値以下になった期間が、予め決められている時間(一例として56ms)以上継続したときに、オン状態(ローレベル)の電源断信号を出力するようにしてもよい。
第2電源監視回路113は、主基板11に供給された第1の電源電圧としてのDC32Vの電圧(DC32V電源ラインの電圧)と、主基板11に供給された第2の電源電圧としてのDC5Vの電圧(DC5V電源ラインの電圧)と、を監視する。第2電源監視回路113は、DC32Vの電圧が、例えば9Vといった第2閾値を超えるか、または、DC5Vの電圧が、例えば4.2Vといった第3閾値を超えると、オフ状態(ハイレベル)のリセット信号を出力する。その一方で、DC32Vの電圧が第2閾値以下(9V以下)になるか、または、DC5Vの電圧が第3閾値以下(4.2V以下)になると、オン状態(ローレベル)のリセット信号を出力する。なお、DC32Vの電圧が第2閾値以下になった期間や、DC5Vの電圧が第3閾値以下になった期間が、予め決められている時間(一例として56ms)以上継続したときに、オン状態(ローレベル)のリセット信号を出力するようにしてもよい。第2電源監視回路113から出力されたリセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU103に入力される。CPU103は、リセット信号がオフ状態になると、動作を開始し、リセット信号がオン状態になると、動作を停止する。そして、CPU103は、リセット信号が再びオフ状態になると、動作を開始する。CPU103は、動作を開始するときには、例えば初期化処理や電断復旧時の処理などの各種処理を実行する。
この実施の形態では、上述したようにDC5V電源ラインにおけるフィルタ回路36に遅延回路として機能する電解コンデンサ87c、87dが含まれていることもあり、同じタイミングでDC32V電源ラインとDC5V電源ラインが遮断された場合には、DC5Vの電圧よりもDC32Vの電圧の方が早く低下するようになっている。
電源断信号やリセット信号は、例えばローレベルとなることでオン状態となりハイレベルとなることでオフ状態となる負論理の電気信号であればよい。なお、第1電源監視回路112及び第2電源監視回路113は、パチンコ遊技機1の立ち下がり時における電圧を監視したり、電源投入時においてパチンコ遊技機1の立ち上がり時における電圧を監視したり、所定期間交流電源の供給が途切れた(遮断された)ことを監視したり、することができる。すなわち、第1電源監視回路112や第2電源監視回路113は、供給電圧が低下した状態を電力低下条件とし、条件を満たす場合に電源断信号やリセット信号を出力(オン状態に)すればよい。第1電源監視回路112及び第2電源監視回路113から出力された電源断信号及びリセット信号は、所定の信号ラインを介して、遊技制御用マイクロコンピュータ100へと伝送される。
なお、第1電源監視回路112や第2電源監視回路113は、電源基板16や払出制御基板17などに設けられていてもよい。この場合には、第1電源監視回路112や第2電源監視回路113から出力された電源断信号やリセット信号は、例えば電源基板16や払出制御基板17などに搭載された出力ドライバ回路によって増幅された後に所定のコネクタや信号ラインを介して、主基板11へと伝送されればよい。
図9は、電源監視回路の一例を示す図である。第1電源監視回路112は、電源監視用IC90a、抵抗91a、92a及びコンデンサ93a〜96aを用いて構成されている。電源監視用IC90aは、VCC端子、VSA端子、VSB端子、GND端子及びOUT端子を有している。電源監視用IC90aの内部では、VCC端子とGND端子との間に電圧検出用の抵抗raと抵抗rbとが直列に接続されて設けられている。抵抗raと抵抗rbとの接続点は、VSA端子に接続されている。VCC端子は、DC5V電源ラインに接続されている。GND端子は、接地(GNDラインに接続)されている。VCC端子とGND端子とには、0.1μFのコンデンサ95aが接続されている。また、VSA端子とGND端子とには、0.01μFのコンデンサ96aが接続されている。
DC32V電源ラインとGNDラインとの間には、電圧検出用の抵抗91aと抵抗92aとが直列に接続されて設けられている。この実施の形態では、一例として、抵抗91aの値は2.4kΩであり、抵抗92aの値は150Ωである。抵抗91aと抵抗92aとの接続点は、VSB端子に接続されている。抵抗91aの一端(DC32V電源ライン側の一端)とGND端子とには、1000pFのコンデンサ93aが接続されている。また、VSB端子とGND端子とには、1000pFのコンデンサ94aが接続されている。また、OUT端子は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える入出力ポート105(図2におけるI/O105)に接続されている。
電源監視用IC90aは、VSA端子(抵抗raと抵抗rbとの接続点)とVAB端子とに印加される各電圧にもとづいて、DC5Vの電圧やDC32Vの電圧が第3閾値や第1閾値以下であるか否かを検出し、OUT端子から電源断信号を出力するようになっている。
第2電源監視回路113は、電源監視用IC90b、抵抗91b、92b及びコンデンサ93b〜96bを用いて構成されている。第2電源監視回路113は、第1電源監視回路113の抵抗92a及びコンデンサ96aが、220Ωの抵抗92b及び1μFのコンデンサ96bに代わっただけで、それ以外は第1電源監視回路112と同じ構成を有している。
電源監視用IC90bは、VSA端子(抵抗raと抵抗rbとの接続点)とVAB端子とに印加される各電圧にもとづいて、DC5Vの電圧やDC32Vの電圧が第3閾値や第2閾値以下であるか否かを検出し、OUT端子からリセット信号を出力するようになっている。電源監視用IC90bから出力されたリセット信号は、CPU103のRESET端子に入力される。
ここで、第1電源監視回路112と第2電源監視回路113とを比べると、VSB端子とGND端子とに接続されている抵抗の値が異なっている。具体的には、第1電源監視回路112における抵抗92aの値は、150Ωであるのに対し、第2電源監視回路113における抵抗92bの値は、220Ωである。これにより、150Ωの抵抗92aに印加される電圧は、220Ωの抵抗92bに印加される電圧に比べて小さくなっている。従って、DC32V電源ラインが遮断された場合、第1電源監視回路112は、DC32Vの電圧が第1閾値以下になったときに、電源断信号をオン状態とし、第2電源監視回路113は、DC32Vの電圧が第1閾値よりも低い第2閾値以下になったときに、リセット信号をオン状態とする。このように第1電源監視回路112と第2電源監視回路113とにおいて閾値が異なっているので、DC32V電源ラインが遮断されたときには、リセット信号がオン状態となるタイミングは、電源断信号がオン状態となるタイミングよりも遅くなる。
また、第1電源監視回路112と第2電源監視回路113とを比べると、VSA端子とGND端子とに接続されているコンデンサの容量が異なっている。具体的には、第1電源監視回路112におけるコンデンサ96aの容量は、0.01μFであるのに対し、第2電源監視回路113におけるコンデンサ96bの容量は、1μFである。このコンデンサの容量が大きいほど、電源の供給が遮断されたときの放電時間が延びることとなる。例えば、DC5V電源ラインが遮断された場合、第1電源監視回路112における電源監視用IC90aのVSB端子の電圧低下に比べて、第2電源監視回路113における電源監視用IC90bのVSB端子の電圧低下が遅くなる。したがって、第2電源監視回路113におけるコンデンサ96bは、遅延回路としての機能を有している。なお、第2電源監視回路113において遅延回路を組み込まない場合には、コンデンサ96bに代えて、0.01μFのコンデンサを接続、即ち、第1電源監視回路112におけるコンデンサ96aと同一にすればよい。
また、VSA端子とGND端子とに接続されているコンデンサの容量が大きいほど、電源投入時の充電時間が延びることとなる。したがって、電源投入時には、第2電源監視回路113におけるDC5Vの電圧上昇(電圧の上昇速度)が、第1電源監視回路112におけるDC5Vの電圧上昇と比較して十分に遅くなる。
図10は、電源監視回路が出力する信号の出力タイミングを示す図である。図10(A)に示すように、t0のタイミングでDC32V電源ラインが遮断された場合、第1電源監視回路112及び第2電源監視回路113に入力されているDC32Vの電圧が低下していく。そして、DC32Vの電圧が第1閾値まで低下したt1のタイミングで、電源断信号がオフ状態からオン状態となる。電源断信号がオン状態となると、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐための電源断処理(後述するステップS20の処理)が所定期間実行されてt2のタイミングで終了する。その後、DC32Vの電圧が第2閾値まで低下したt3のタイミングで、リセット信号がオフ状態からオン状態となり、CPU103の動作が停止する。このように、DC32Vの電圧が第1閾値まで低下してから第2閾値まで低下するまでの間に電源断処理が実行される。従って、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができる。
また、図10(B)に示すように、t0のタイミングでDC5V電源ラインが遮断された場合、第1電源監視回路112及び第2電源監視回路113に入力されているDC5Vの電圧が低下していく。そして、DC5Vの電圧が第3閾値まで低下したt4のタイミングで、電源断信号がオフ状態からオン状態となる。電源断信号がオン状態となると、遊技制御用マイクロコンピュータ100において電源断処理が所定期間実行されてt5のタイミングで終了する。その後、t4のタイミングより遅延したt6のタイミングで、リセット信号がオフ状態からオン状態となる。このように第2電源監視回路113は、遅延回路として機能するコンデンサ96bを有しているので、コンデンサ96bによってリセット信号の出力が遅延し、電源断信号がオン状態となってからリセット信号がオン状態となるまでの間に電源断処理が実行される。従って、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができる。
なお、上述したように電源投入時には、第2電源監視回路113におけるDC5Vの電圧上昇(電圧の上昇速度)が、第1電源監視回路112におけるDC5Vの電圧上昇と比較して十分に遅くなる。これにより、電源断信号が完全にオフ状態となってからCPU103をリセットすることができる。
図11は、電源監視回路に遅延回路がない場合(例えば、コンデンサ96bの容量が0.01μFの場合)の出力タイミングを示す図である。図11(A)に示すように、t0のタイミングでDC5V電源ラインが遮断された場合、第1電源監視回路112及び第2電源監視回路113に入力されているDC5Vの電圧が低下していく。そして、DC5Vの電圧が第3閾値まで低下したt4のタイミングで、電源断信号がオフ状態からオン状態となる。また、t4のタイミングで、リセット信号がオフ状態からオン状態となる。リセット信号がオン状態となると、電源断信号がオン状態であったとしても、遊技制御用マイクロコンピュータ100において電源断処理が実行されない。
また、コンデンサの精度のバラツキなどにより、図11(B)に示すようにリセット信号のオン状態となるタイミングが電源断信号のオン状態となるタイミングよりも遅くなった場合、t4のタイミングで電源断信号がオフ状態からオン状態となると、遊技制御用マイクロコンピュータ100において電源断処理が開始される。しかし、電源断処理が終了するt5のタイミングよりも前のt7のタイミングでリセット信号がオフ状態からオン状態となる。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ100において電源断処理が最後まで実行されない。このように、電源監視回路に遅延回路がない場合には、電源断処理が実行されなかったり、電源断処理が途中で終了してしまったりするので、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができない。
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える入出力ポート105(図2におけるI/O105)における入力ポートの構成例を示すブロック図である。一例として、入出力ポート105には、図12に示すようなビット割当てを有する入力ポートIP00〜入力ポートIP02が含まれている。図12(A)に示す入力ポートIP00には、例えば、第0ビット[ビット0]にエラー系スイッチ29の検出信号の一つとして磁石センサ信号1が入力され、第1ビット[ビット1]にエラー系スイッチ29の検出信号の一つとして磁石センサ信号2が入力され、第2ビット[ビット2]にエラー系スイッチ29の検出信号の一つとして磁石センサ信号3が入力され、第3ビット[ビット3]にエラー系スイッチ29の検出信号の一つとして電波センサ信号が入力される。なお、第4ビット[ビット4]〜第7ビット[ビット7]は空きビットとなっており、例えば、新たに信号が入力される場合など、拡張用に用いられる。なお、エラー系スイッチ29には、磁石センサ信号1を検出するスイッチ、磁石センサ信号2を検出するスイッチ、磁石センサ信号3を検出するスイッチ、電波センサ信号を検出するスイッチといった各種スイッチが含まれている。
図12(B)に示す入力ポートIP01には、例えば、第0ビット[ビット0]に普通入賞口スイッチ1の検出信号が入力され、第1ビット[ビット1]に普通入賞口スイッチ2の検出信号が入力され、第2ビット[ビット2]にカウントスイッチ23の検出信号が入力される。なお、図示は省略したが、普通入賞口は、遊技領域の所定の位置に設けられており、遊技球が入球した場合、所定球数の賞球を払い出すための入賞口である。この実施の形態では、普通入賞口1と普通入賞口2とが設けられており、普通入賞口1に入賞した遊技球は普通入賞口スイッチ1によって検出され、普通入賞口2に入賞した遊技球は普通入賞口スイッチ2によって検出される。また、第3ビット[ビット3]〜第7ビット[ビット7]は拡張用に用いられる。なお、普通入賞口スイッチは、複数の普通入賞口に共通のスイッチであってもよい。例えば、遊技盤2の所定位置(例えば、遊技領域の右側方と左側方)に複数の普通入賞口を設け、いずれの普通入賞口に入賞した場合にも、一つの普通入賞口スイッチにより入賞を検出するようにしてもよい。
図12(C)に示す入力ポートIP02には、例えば、第0ビット[ビット0]に第1始動口スイッチ22Aの検出信号である始動入賞信号SS1が入力され、第1ビット[ビット1]に第2始動口スイッチ22Bの検出信号である始動入賞信号SS2が入力され、第2ビット[ビット2]にゲートスイッチ21の検出信号が入力され、第3ビット[ビット3]に電源断信号が入力され、第4ビット[ビット4]にクリア信号が入力される。なお、第5ビット[ビット5]〜第7ビット[ビット7]は拡張用に用いられる。
図12に示すように、この実施の形態では、入力ポートIP00がエラー検出用、入力ポートIP01が払出制御用、入力ポートIP02が可変表示用、といったように、信号の種類に応じて入力されるポートが異なっている。そのため、必要な情報の種類に応じて確認するポートを選択でき、処理負担を軽減させることができる。また、入力ポートIP02では、第1始動口スイッチ22Aからの始動入賞信号SS1と、第2始動口スイッチ22Bからの始動入賞信号SS2とが、それぞれ別個のビットに入力される。この場合、入力ポートIP02に入力された始動入賞信号SS1と始動入賞信号SS2はそれぞれ、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部で分岐されて、乱数回路104とCPU103とに伝送されるようにしてもよい。もしくは、入力ポートIP02に入力された始動入賞信号SS1と始動入賞信号SS2は、乱数回路104とCPU103に共通の内部バス上に伝送されることにより、乱数回路104とCPU103の双方に供給できるようにしてもよい。あるいは、第1始動口スイッチ22Aからの始動入賞信号SS1と、第2始動口スイッチ22Bからの始動入賞信号SS2とを、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部でそれぞれ分岐して、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵された乱数回路104とCPU103とに伝送されるようにしてもよい。この場合には、入力ポートIP02において、乱数回路104に伝送される始動入賞信号SS1、SS2が入力されるビットと、CPU103に伝送される始動入賞信号SS1、SS2が入力されるビットとを、それぞれ別個に設けるようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)したときには、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄(第1特図)の可変表示を実行するための始動条件(第1始動条件)が成立する。また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)したときには、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄(第2特図)の可変表示を実行するための始動条件(第2始動条件)が成立する。
なお、可変表示の始動条件(第1始動条件または第2始動条件)が成立したものの、例えば先に成立した始動条件に基づく可変表示が実行されている場合や、遊技状態が大当り遊技状態に制御されている場合などといった、可変表示を開始することができない場合には、所定の上限値(例えば第1特図と第2特図のそれぞれに対応して「4」など)に達するまで、可変表示の実行が保留される。
第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して可変表示の始動条件が成立した後、可変表示を開始するための開始条件(第1開始条件または第2開始条件)が成立したときには、その可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、可変表示結果を導出表示する以前に決定される。
そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを特定可能に指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始される。その後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定図柄が停止表示(導出表示)される。
画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示が行われる。飾り図柄の可変表示が開始された後、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることがある。ここで、飾り図柄の可変表示状態は、いずれかの飾り図柄表示エリアにて停止表示された飾り図柄が予め定められた大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続することにより、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動することにより、リーチ状態となる。
具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動することにより、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。
また、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単に「リーチ演出」ともいう)と称する。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDにおける点灯動作(点滅動作)、演出用可動部材の動作などを、飾り図柄の可変表示状態が「リーチ」となる以前とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。なお、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない場合を「非リーチ」ともいい、予め定められたチャンス目などの特殊な組合せとならない限り、可変表示結果が「大当り」となる可能性はない。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作、あるいは演出用模型の所定動作などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどといった、パチンコ遊技機1において実行される遊技の有利度を、遊技者に予め告知(示唆)するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを予告する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。予告演出となる演出動作は、それが実行されるか否かによっては特別図柄の可変表示時間に変化が生じないものであればよい。
第1特図や第2特図を用いた特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示結果となる確定図柄(確定特別図柄)が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定図柄(確定飾り図柄)が導出表示される。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始される時点と終了する時点がほぼ同じ(全く同じでもよい)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい)であることを、「可変表示の同期」ともいう。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。第1特別図柄表示装置4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、画像表示装置5において大当りを想起させるような飾り図柄の組合せ(大当り組合せ)が停止表示される。
大当り遊技状態では、大入賞口扉用のソレノイド82が駆動され、遊技領域の所定位置に設けられた大入賞口が開放状態(第1状態)となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を遊技者にとって有利な開放状態(第1状態)とするラウンドが実行される。こうしたラウンドの実行期間以外の期間では、大入賞口を遊技者にとって不利な閉鎖状態(第2状態)とする。
大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンドは、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰り返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。
また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも始動入賞口を遊技球が通過しやすくなる有利開放制御が行われるようにしてもよい。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
このようなパチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
図5に示す電源スイッチ52がオン状態(スイッチS1とスイッチS2とがオン状態)とされることによりパチンコ遊技機1への電力の供給が開始(電源が投入)されると、入力端子51a、51bに接続された交流電源50から突入電流が電源基板16内に流れ込み、サーミスタ56を通過する。なお、電源投入時では、リレー71のコイル71Lに電流が流れておらず、接点部71Sが開状態となっているので、サーミスタ56は有効となっている。電源スイッチ52がオン状態とされる前では、サーミスタ56に電流が流れていないので、サーミスタ56の抵抗値は大きくなっている。従って、電源基板16内に流れ込む突入電流は、サーミスタ56が設けられていない場合と比べて、抑制される。電源スイッチ52がオン状態とされてから(サーミスタ56に電流が流れ始めてから)ある程度の期間が経過すると、サーミスタ56に流れる電流によりサーミスタ56が自己発熱して、サーミスタ56の抵抗値が減少し、サーミスタ56での電力消費が抑えられる。
交流電源50から出力された交流電圧は、サーミスタ56やコモンモードチョークコイル57などを介して整流部61の全波整流回路61a及び全波整流回路61bに入力される。全波整流回路61aに入力された交流電圧は、整流されて直流電圧に変換される。この直流電圧は、第1高電圧ノードNH1と低電圧ノードNLとの間に発生し、直流電源部62の32V電源回路62a、12V電源回路62b及び5V電源回路62cに入力される。また、全波整流回路61bに入力された交流電圧は、整流されて直流電圧に変換される。この直流電圧は、第2高電圧ノードNH2と低電圧ノードNLとの間に発生し、直流電源部62の32V電源回路62d、12V電源回路62e及び5V電源回路62fに入力される。
電源回路62a〜62fに入力された直流電圧は、所定の直流電圧(DC32V、DC12V及びDC5Vのいずれか)に変換されて、出力端子63a〜63fに出力される。なお、電源回路62a〜62fの出力電圧は、電源投入時または電源投入前では0Vであり、電源投入後に0Vから所定の直流電圧に向かって上がっていく。
電源投入後に、12V電源回路62bの出力電圧が、例えば、DC6Vといった所定電圧以上になると、リレードライブ回路72のトランジスタ73が動作して、リレー71のコイル71Lに電流が流れる。即ち、リレードライブ回路72は、12V電源回路62bの出力電圧を監視し、例えば、DC6Vといった所定電圧以上になったときに、リレー71のコイル71Lに電流を流す。具体的には、DC6V以上の電圧が抵抗74〜76にかかるとともに、トランジスタ73のベースに電流(ベース電流)が流れて、トランジスタ73がオン状態(トランジスタ73のコレクタ・エミッタ間に電流が流れる状態)となる。トランジスタ73のコレクタにはコイル71Lが接続されているので、コイル71Lには、トランジスタ73のコレクタに流れる電流(コレクタ電流)と同じ電流が流れる。なお、リレードライブ回路72のトランジスタ73が動作するための出力電圧は、DC6Vに限定されず、DC4VやDC8V、DC10VなどといったようにDC6V以外の電圧であってもよい。DC6V以外の電圧に設定するためには、抵抗74〜76の抵抗値を適宜変更すればよい。
コイル71Lに電流が流れると、コイル71Lの電磁力によって接点部71Sが開状態から閉状態に切り替わる。これによりサーミスタ56の両端が短絡するので、サーミスタ56が無効となる。このようにリレー71が駆動すると、サーミスタ56だけを通る電路から、サーミスタ56と接点部71Sとの並列回路を通る電路に、電路が切り替わる。サーミスタ56と接点部71Sとの並列回路を通る電路では、殆どの電流が接点部71Sを通り、サーミスタ56に流れる電流は僅か(ほぼ0)となる。従って、電路が切り替わることにより、突入電流を抑制するためのサーミスタ56が無効化されることとなる。また、電路が切り替わることにより、サーミスタ56に流れる電流は僅か(ほぼ0)となるので、サーミスタ56による電力消費が殆ど無くなる。従って、主基板11や演出制御基板12といった各種基板(負荷)への電力供給に余裕を持たせることができる。なお、サーミスタ56が無効化されることによって、サーミスタ56による電圧降下がなくなり、その分、各電源回路62a〜62fに入力される直流電圧が高くなるとともに、各電源回路62a〜62fの出力電圧が高くなることがある。
例えば、各種基板(負荷)への電力供給に余裕がない状態で、打球発射装置が備える発射モータの駆動に大電力が消費される場合などには、発射モータの駆動時に一時的に電源回路の出力電圧が著しく低下する。この場合、交流電源50からの電力の供給が途切れていないにもかかわらず、電力低下条件を満たし、第1電源監視回路112や第2電源監視回路113にて電源断信号やリセット信号が誤出力されてしまう可能性がある。しかし、この実施の形態では、上述したようにリレー71によってサーミスタ56の両端が短絡してサーミスタ56による電力消費が殆ど無くなり、各種基板(負荷)への電力供給に余裕を持たせることができるので、電源回路の出力電圧が著しく低下して第1電源監視回路112や第2電源監視回路113にて電源断信号やリセット信号が誤出力されてしまうことを防止できる。あるいは、電源回路の出力電圧と所定電圧(閾値)との差に余裕を持たせることができるので、電源回路の出力電圧が僅かに低下しても、第1電源監視回路112などにて電源断信号などが誤出力されてしまうことがない。
このように打球発射装置が備える発射モータの駆動に大電力が消費される場合などであっても、電源回路62a〜62fの出力ノードや出力端子63a〜63f、電源回路62a〜62fの出力ノードから出力端子63a〜63fまでの電路、出力端子63a〜63f以降の電路(主基板11や演出制御基板12における電路など)において、所望の電圧を得ることができる。例えば、大電力が消費されるときであっても、DC32V電源ライン(DC32Vの電圧がかかる電路)においてはDC32V(あるいはほぼ32V)、DC12V電源ライン(DC12Vの電圧がかかる電路)においてはDC12V(あるいはほぼ12V)、DC5V電源ライン(DC5Vの電圧がかかる電路)においてはDC5V(あるいはほぼ5V)の電圧を得ることができる。
なお、パチンコ遊技機1への電力の供給が停止(遮断)されると、リレー71のコイル71Lに電流が流れなくなって、接点部71Sが閉状態から開状態に切り替わる。これによりサーミスタ56の短絡が解除されるので、サーミスタ56が有効となる。
また、電源投入後、32V電源回路62a〜62fの出力電圧は、ドロア中継基板19を経由して、主基板11や演出制御基板12などに供給される。32V電源回路62dの出力電圧が、例えば、21Vといった第1閾値を超えると、主基板11に搭載された第1電源監視回路112は、オフ状態(ハイレベル)の電源断信号を出力する。また、32V電源回路62dの出力電圧が、例えば、9Vといった第2閾値を超えると、主基板11に搭載された第2電源監視回路113は、オフ状態(ハイレベル)のリセット信号を出力する。なお、32V電源回路62dの出力電圧が、例えば、21V以下になると、第1電源監視回路112は、オン状態(ローレベル)の電源断信号を出力し、9V以下になると、第2電源監視回路113は、オン状態(ローレベル)のリセット信号を出力する。32V電源回路62dの出力電圧が、再度第1閾値や第2閾値を超えると、第1電源監視回路112や第2電源監視回路113は、オフ状態の信号を出力する。
遊技中には、遊技者によってスティックコントローラ31が傾倒操作されるなどして、パチンコ遊技機1に衝撃や振動が生じることがあり、その衝撃や振動によって電源基板16と主基板11との接続が不安定になる場合がある。例えば、衝撃や振動によりドロアコネクタ32aと枠側コネクタ33aとの結合が、部分的にあるいは全体的に解除されることにより、電源基板16から主基板11への各電圧や各種信号の伝送が瞬断(瞬電や瞬停ともいう。)することがある。このような不安定な状況には、例えば、DC32V電源ラインとDC5V電源ラインとが共に切断される場合(DC32Vの電圧及びDC5Vの電圧の伝送が瞬断する場合)や、DC32V電源ラインは接続されているもののDC5V電源ラインが切断される場合(DC32Vの電圧の伝送は瞬断しないがDC5Vの電圧の伝送が瞬断する場合)、DC5V電源ラインは接続されているもののDC32V電源ラインが切断される場合(DC5Vの電圧の伝送は瞬断しないがDC32Vの電圧の伝送が瞬断する場合)などがある。
例えば、DC32V電源ラインとDC5V電源ラインとが共に切断された場合、図10(A)で示したように、第1電源監視回路112から電源断信号が出力され、遊技制御用マイクロコンピュータ100において電源断処理が実行された後に、第2電源監視回路113からリセット信号が出力される。なお、この実施の形態では、上述したようにDC5V電源ラインにおけるフィルタ回路36に遅延回路として機能する電解コンデンサ87c、87dが含まれており、DC5Vの電圧よりもDC32Vの電圧の方が早く低下するようになっているので、図10(A)に示すタイミングで電源断信号及びリセット信号が出力される。
また、DC32V電源ラインは接続されているもののDC5V電源ラインが切断される場合、図10(B)で示したように、第1電源監視回路112から電源断信号が出力され、遊技制御用マイクロコンピュータ100において電源断処理が実行された後に、第2電源監視回路113からリセット信号が出力される。このように、この実施の形態では、遅延回路として機能するコンデンサ96bを有しているので、コンデンサ96bによってリセット信号の出力が遅延し、電源断信号が出力されてからリセット信号が出力されるまでの間に電源断処理を確実に実行できる。これにより電源断処理が実行されなかったり、電源断処理が途中で終了してしまったりすることがない。従って、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができる。
また、DC5V電源ラインは接続されているもののDC32V電源ラインが切断される場合、上記DC32V電源ラインとDC5V電源ラインとが共に切断された場合と同様に、図10(A)に示すタイミングで電源断信号及びリセット信号が出力される。このようにドロアコネクタ32aと枠側コネクタ33aとの接続が不安定になった場合でも、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができる。
また、例えば、DC32V電源ライン、または、DC5V電源ラインにおいて瞬断が発生し、DC32Vの電圧が第1閾値以下、または、DC5Vの電圧が第3閾値以下とならない場合(各電源ラインが切断されたものの、電力低下条件を満たさない場合)、電源断信号及びリセット信号が出力されることはない。この実施の形態では、上述したようにDC5V電源ラインにおけるフィルタ回路36に遅延回路として機能する電解コンデンサ87c、87dが含まれているので、DC5V電源ラインが切断されてから電力停止条件が満たされるまでの期間が、遅延回路を含んでいない場合と比べて長くなる。これにより、DC32Vの電圧低下よりもDC5Vの電圧低下の方を確実に遅くすることができるとともに、DC5V電源ラインにおける瞬断の許容範囲が広くなる。従って、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができる。
なお、電解コンデンサ87c、87dなどの遅延回路を含んでいない場合には、DC5V電源ラインにおける瞬断の許容範囲が狭く、しかも、上記したコンデンサ96bなどの遅延回路がない場合には、DC32Vの電圧低下がなくDC5Vの電圧低下があったときなどに、電源断処理が実行されない、または、電源断処理が途中で終了してしまう。従って、電解コンデンサ87c、87dやコンデンサ96bなどの遅延回路がない場合には、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができない。
主基板11では、電源基板16からの電力供給が開始され、遊技制御用マイクロコンピュータ100へのリセット信号がハイレベル(オフ状態)になったことに応じて、CPU103によってプログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理が実行された後、遊技制御メイン処理が実行される。
図13は、遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す遊技制御メイン処理において、CPU103は、まず、割込み禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。次いで、CPU103は、払出制御基板17に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに対して、接続信号の出力を開始する(ステップS4)。なお、CPU103は、ステップS4で接続信号の出力を開始すると、遊技機の電源供給が停止したり、何らかの通信エラーが生じて出力不能となったりしないかぎり、払出制御用マイクロコンピュータに対して接続信号を継続して出力する。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるI/O105などの設定(初期化)がなされる。次に、CPU103は、RAM102をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリアスイッチからオン状態のクリア信号が伝送されたか否か、すなわち、クリアスイッチがオンされているか否かを判定する(ステップS7)。なお、CPU103は、入力ポートIP02を介して1回だけクリア信号の状態(オン/オフ)を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7にてクリアスイッチがオンされていないと判定された場合(ステップS7;No)、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられたメインバックアップフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS8a)。メインバックアップフラグは、電力供給が停止するときに、後述する電源断処理(ステップS20)が実行されることにより設定される。メインバックアップフラグの設定箇所はバックアップ電源回路114によってバックアップされ、電力供給が停止した場合でも、メインバックアップフラグの設定は保存される。ステップS8aにてメインバックアップフラグがオンとなっていると判定された場合(ステップS8a;Yes)、メインバックアップフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS8b)。
次に、CPU103は、RAM102のデータチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判定する(ステップS9a)。ステップS9aの処理では、例えばRAM102の特定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出し、算出されたチェックサムとメインチェックサムバッファに記憶されているチェックサムとを比較する。ここで、メインチェックサムバッファには、前回の電力供給停止時に、同様の処理によって算出されたチェックサムが記憶されている。そして、比較結果が不一致であれば、RAM102の特定領域におけるデータが電力供給停止時のデータとは異なっていることから、チェック結果が正常でないと判定される。
ステップS9aにてチェック結果が正常であると判定された場合(ステップS9a;Yes)、CPU103は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態などを電力供給停止時の状態へと戻すために、電断復旧時の設定を行う(ステップS9b)。具体的には、ROM101に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM102内の領域)に設定する。作業領域はバックアップ電源回路114によってバックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。これによって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(遊技プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU103は、ROM101に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定することにより、電断復旧時に対応したコマンドの送信設定を行う。なお、この送信設定がなされた後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてからバックアップコマンドが送信されることになる。
ステップS7にてクリアスイッチがオンされていると判定された場合や(ステップS7;Yes)、ステップS8aにてメインバックアップフラグがオンとなっていないと判定された場合(ステップS8a;No)、ステップS9aにてチェック結果が正常でないと判定された場合(ステップS9a;Yes)、CPU103は、初期化処理(後述するステップS10〜S13)を実行する。
初期化処理では、CPU103は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM102の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。続いて、作業領域の初期設定を行う(ステップS11)。例えば、CPU103は、ROM101に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する。ステップS11の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、遊技プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
次に、CPU103は、初期化コマンドの送信設定を行う(ステップS12)。例えば、ROM101に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、その内容に従って演出制御基板12を初期化するための初期化コマンドを演出制御基板12に送信する処理を実行する。初期化コマンドとして、画像表示装置5に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板17への初期化コマンド等を使用することができる。なお、ステップS13で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてから初期化コマンドが送信されることになる。
次いで、CPU103は、初期化処理時に対応して予め定められたセキュリティ信号出力時間(例えば、30秒)を設定する(ステップS13)。例えば、セキュリティ信号出力時間に対応したタイマ初期値を、RAM102の所定領域に設けられたセキュリティ信号情報タイマにセットする。セキュリティ信号情報タイマは、パチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板から出力するセキュリティ信号のオン時間を計測するためのタイマである。この実施の形態では、ステップS13でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、後述する情報出力処理(図14のステップS23)が実行されることによって、遊技機の電源投入時に初期化処理が実行されたときに、セキュリティ信号が所定時間外部出力される。
ステップS13の処理を実行した後や、ステップS9bの処理を実行した後、CPU103は、パチンコ遊技機1における電力供給の開始(電源投入)に対応して、遊技機固有情報を外部出力するための設定を行う(ステップS14)。遊技機固有情報を外部出力するための設定としては、例えば、遊技機固有情報の外部出力を要求する固有情報出力要求フラグをセットし、遊技機固有情報の読出開始アドレスを固有情報読出ポインタにセットする。次に、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。ステップS15では、CPU103は、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路104に乱数値を更新させるための設定を行う。
続いて、CPU103は、シリアル通信回路(図示せず)を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(ステップS15a)。ステップS15aでは、CPU103は、シリアル通信回路設定プログラムに従ってROM101の所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路に設定することによって、シリアル通信回路に払出制御用マイクロコンピュータとシリアル通信させるための設定を行う。次に、CPU103は、シリアル通信回路の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS15b)。ステップS15bでは、CPU103は、割込優先順位設定プログラムに従って処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。例えば、CPU103は、各割込処理のデフォルトの優先順位を含む所定の割込処理優先順位テーブルに従って、各割込処理の優先順位を初期設定する。
なお、例えば、タイマ割込みとシリアル通信回路からの割込要求とが同時に発生した場合、タイマ割込みによる割込処理を優先して行えばよい。また、ユーザによって各割込処理のデフォルトの優先順位を変更してもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された割込処理を指定する指定情報を、あらかじめROM101の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU103は、ROM101の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、割込処理の優先順位を設定してもよい。
なお、乱数回路104やシリアル通信回路の設定処理は、ステップS15〜S15bだけでなく、ステップS5の処理において実行されてもよい。例えば、ステップS5において、CPU103は、内蔵デバイスレジスタとして、シリアル通信回路のボーレートレジスタや通信設定レジスタ、割込制御レジスタ、ステータスレジスタに、初期値を設定する処理を実行してもよい。また、CPU103は、シリアル通信回路が送受信するデータのデータフォーマットを設定したり、シリアル通信回路が発生する各割込要求を許可するか否かを設定したり、してもよい。
次に、CPU103は、所定時間(例えば2ms)ごとに定期的にタイマ割込みがかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込み設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
ステップS16にてタイマ割込みの設定が完了すると、CPU103は、まず、割込み禁止状態にして(ステップS17)、遊技用乱数更新処理(ステップS18)を実行して、再び割込み許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU103は、遊技用乱数更新処理が実行されるときには割込み禁止状態にして、遊技用乱数更新処理の実行が終了すると割込み許可状態にする。
遊技用乱数更新処理が実行されるときに割込み禁止状態にされるのは、遊技用乱数更新処理が後述する遊技制御用タイマ割込み処理でも実行されることから、遊技制御用タイマ割込み処理における遊技用乱数更新処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18の処理中にタイマ割込みが発生して遊技用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18の処理中では割込み禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
ステップS19で割込み許可状態に設定されると、次にステップS17の処理が実行されて割込み禁止状態とされるまで、タイマ割込みなどの割り込み要求を許可する状態となる。そして、割込み許可状態に設定されている間に、タイマ割込みが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、後述する遊技用タイマ割込み処理を実行する。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込要求信号を受信して割込要求を受け付けると、図14のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図14に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、電源断処理を実行する(ステップS20)。
図15は、ステップS20にて実行される電源断処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す電源断処理では、CPU103は、まず、電源断信号が入力されるポートを確認し、電源断信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS150)。ステップS150にて電源断信号がオン状態でないと判定された場合(ステップS150;No)、CPU103は、電源断処理を終了する。また、ステップS150にて電源断信号がオン状態であると判定された場合(ステップS150;Yes)、CPU103は、割込み禁止に設定する(ステップS151)。続いて、例えばCPU103が遊技制御用マイクロコンピュータ100に設けられた出力ポートの所定ビットにクリアデータをセットするなどして、ソレノイド81、82の駆動制御に関する設定を初期化する(ステップS152)。このときには、出力ポートの所定ビット以外にも、クリアすべき出力ポートにはクリアデータを設定するようにしてもよい。ステップS152の処理を実行した後には、例えばRAM102の特定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出するなどして、チェックデータの作成を行う(ステップS153)。
一例として、ステップS153の処理では、RAM102における所定領域の先頭アドレスをチェックサム算出開始アドレスに設定し、その所定領域の最終アドレスに対応してチェックサム算出回数を設定する。こうしたチェックサム算出開始アドレスとチェックサム算出回数の設定に用いられるアドレスで特定されるRAM102の所定領域は、電力供給停止時でも内容が保存されるべき記憶領域として予め定められた内容保存領域であればよい。そして、この内容保存領域における記憶データを順次に読み出して排他的論理和を演算する。例えば、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットした後、RAM102においてポインタが指すアドレスの記憶データを読み出して、初期値が「00」であるチェックサムデータとの排他的論理和を演算した上で、演算結果を新たなチェックサムデータとしてストアする。このときには、ポインタの値を1加算するとともに、チェックサム算出回数を1減算する。続いて、チェックサム算出回数が「0」以外の値であれば、さらにポインタが指すアドレスの記憶データを読み出して、チェックサムデータとの排他的論理和を演算する処理や、ポインタの値を1加算してチェックサム算出回数を1減算する処理を、チェックサム算出回数が「0」になるまで繰り返し実行すればよい。チェックサム算出回数が「0」になったときには、チェックサムデータの各ビット値を反転して、得られた値をメインチェックサムバッファにストアして記憶させればよい。こうしてメインチェックサムバッファに記憶されたデータは、電源投入時にチェックされるパリティデータとして使用される。
その後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられたメインバックアップフラグをオン状態にセットし(ステップS154)、所定のRAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定することなどにより、RAM102へのアクセスを禁止する(ステップS155)。ステップS155の処理を実行した後、CPU103は、無限ループ処理を繰返し実行することにより制御状態を待機状態に移行させる。電源電圧が低下していくときには、CPU103の動作などに暴走が生じることや、各種信号線における信号レベル(電圧レベル)が不安定になることなどにより、RAM102の記憶内容が誤って変更される可能性がある。そこで、ステップS155の処理によりRAM102へのアクセスを禁止した状態に設定することで、RAM102に設けられたバックアップ用の記憶領域などにおける記憶内容の誤った変更(破損)を防止できる。
図14に示すステップS20の処理を実行した後、CPU103は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定するスイッチ処理を実行する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、スイッチ処理の実行結果に応じて主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、遊技制御プロセス処理を実行する(ステップS25)。遊技制御プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部に設けられた遊技プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
遊技制御プロセス処理に続いて、スイッチ処理の実行結果に応じて普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS27)。一例として、コマンド制御処理では、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部など)に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図16は、図14に示すステップS25にて実行される遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS31)。一例として、ステップS31では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
ステップS31にて始動入賞が発生した場合には(ステップS31;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS32)。一例として、ステップS32の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付)の乱数回路104や、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてRAM102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数値(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けて記憶されればよい。
ステップS32の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS33)。一例として、ステップS33の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。また、ステップS32の処理により抽出された可変表示結果決定用の乱数値や変動パターン決定用の乱数値に基づいて、変動パターンがスーパーリーチA〜スーパーリーチDといった特定のリーチ演出を伴う特定の変動パターンに決定されるか否かの判定を行うようにしてもよい。この場合、特定の変動パターンに決定されるか否かの判定結果を特定可能な入賞時判定結果指定コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
特定の変動パターンに決定されるか否かを判定する処理では、まず、可変表示結果決定用の乱数値を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定する。例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるROM101の所定領域などには、可変表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果に対して判定値が設定された可変表示結果決定テーブルが予め記憶されており、ステップS32の処理により抽出された可変表示結果決定用の乱数値と合致する判定値が割り当てられた決定結果を特定することで、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定することができる。続いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果に応じて、複数種類の変動パターンに対して異なる判定値が設定された変動パターン決定テーブルを選択する。この変動パターン決定テーブルは、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるROM101の所定領域などに予め記憶されていればよい。
こうして選択した変動パターン決定テーブルを参照することで、ステップS32の処理により抽出された変動パターン決定用の乱数値と合致する判定値が割り当てられた変動パターンを特定する。これにより、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといった特定のリーチ演出を行う特定の変動パターンに決定されるか否かを判定することができる。このように、始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)を遊技球が通過して始動入賞が発生したときには、その始動入賞に対応する可変表示ゲームの実行が開始されるより前に、変動パターンが特定の変動パターンに決定されるか否かの判定を行い、その判定結果を特定可能な入賞時判定結果指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信されればよい。
ステップS31にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS31;No)、ステップS33の処理を実行した後には、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップS41)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、遊技プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、ステップS101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。
ステップS101にて可変表示が開始不可能であるときには(ステップS101;No)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示が開始可能であるときには(ステップS101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS102)。このときには、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値など)を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを所定割合で決定する。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。
ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに遊技状態決定用の乱数値と遊技状態決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
ステップS102の処理に続いて、内部フラグなどの設定を行う(ステップS103)。一例として、ステップS103の処理では、ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいてもよい。その後、遊技プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS104)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。図17は、パチンコ遊技機1において用いられる変動パターンの設定例を示している。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における変動時間(可変表示時間)ごとに、予め複数パターンが用意されている。したがって、変動パターンを決定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を決定することができる。
ステップS111の処理では、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用の乱数値と変動パターン決定テーブルとを用いて、使用パターンとなる変動パターンを所定割合で決定する。このときには、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができる。
また、ステップS111の処理では、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合の変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。あるいは、変動パターンを決定するより前に、リーチ決定用の乱数値とリーチ決定テーブルとを用いて、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS111の処理では、可変表示結果やリーチ有無の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができればよい。
ステップS111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS112)。一例として、ステップS112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドや、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを通知する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS112の処理により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時間が設定される。また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが行われる。その後、遊技プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS113)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS122)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS123)。
ステップS123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS124)。一例として、ステップS124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
ステップS124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS125)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS126)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS127)、遊技制御プロセス処理を終了する。なお、ステップS127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立に基づき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
遊技プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の大当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS131)。大当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことなどであればよい。大当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS131;No)、大当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップ132)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS131;Yes)、大当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS133)。
一例として、ステップS133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。その後、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。起動用の電力供給が開始された演出制御用CPU120では、所定の演出制御メイン処理が実行される。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。こうしたタイマ割込みフラグをオン状態にする割込みは、演出制御用のタイマ割込みとなる。演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込みが発生するまで待機する。
演出制御用のタイマ割込みが発生してタイマ割込フラグがオンになったときには、これをクリアしてオフ状態にするとともに、演出制御用のタイマ割込み処理を実行する。なお、演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込み処理の他に、コマンド受信用の割込み処理を実行可能であり、主基板11から中継基板15を介して伝送される演出制御コマンドを受信できればよい。演出制御用のタイマ割込み処理において、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体(発光部材)における点灯動作、演出用可動部材の駆動動作といった、各種の演出装置を用いた動作制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図18は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域などに記憶された演出プロセスフラグの値を判定し、演出制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。演出プロセスフラグの判定値に応じて実行される処理には、ステップS170〜S176の処理が含まれている。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態であるときに実行される大当り中演出における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させること、その他の演出制御を実行して、大当り遊技状態に対応した大当り中演出を実行可能にする。大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態が終了するときに実行される大当り終了演出(エンディング演出)における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させること、その他の演出制御を実行して、大当り遊技状態の終了に対応した大当り終了演出を実行可能にする。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
以上説明したように、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、第1電源監視回路112は、主基板11に供給された第1の電源電圧としてのDC32Vの電圧(DC32V電源ラインの電圧)と、主基板11に供給された第2の電源電圧としてのDC5Vの電圧(DC5V電源ラインの電圧)と、を監視する。第1電源監視回路112は、DC32Vの電圧が、例えば21Vといった第1閾値以下になるか、または、DC5Vの電圧が、例えば4.2Vといった第3閾値以下になると、オン状態(ローレベル)の電源断信号を出力する。また、第2電源監視回路113は、主基板11に供給された第1の電源電圧としてのDC32Vの電圧(DC32V電源ラインの電圧)と、主基板11に供給された第2の電源電圧としてのDC5Vの電圧(DC5V電源ラインの電圧)と、を監視する。第2電源監視回路113は、DC32Vの電圧が、例えば9Vといった第2閾値以下になるか、または、DC5Vの電圧が、例えば4.2Vといった第3閾値以下になると、オン状態(ローレベル)のリセット信号を出力する。DC5V電源ラインにおけるフィルタ回路36には、遅延回路として機能する電解コンデンサ87c、87dが含まれており、DC5V電源ラインが切断されてから電力停止条件が満たされるまでの期間が、遅延回路を含んでいない場合と比べて長くなる。これにより、DC32Vの電圧低下よりもDC5Vの電圧低下の方を確実に遅くすることができるとともに、DC5V電源ラインにおける瞬断の許容範囲が広くなる。従って、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、第1電源監視回路112は、主基板11に供給された第1の電源電圧としてのDC32Vの電圧(DC32V電源ラインの電圧)と、主基板11に供給された第2の電源電圧としてのDC5Vの電圧(DC5V電源ラインの電圧)と、を監視する。第1電源監視回路112は、DC32Vの電圧が、例えば21Vといった第1閾値を超えるか、または、DC5Vの電圧が、例えば4.2Vといった第3閾値を超えると、オフ状態(ハイレベル)の電源断信号を出力する。また、第2電源監視回路113は、主基板11に供給された第1の電源電圧としてのDC32Vの電圧(DC32V電源ラインの電圧)と、主基板11に供給された第2の電源電圧としてのDC5Vの電圧(DC5V電源ラインの電圧)と、を監視する。第2電源監視回路113は、DC32Vの電圧が、例えば9Vといった第2閾値を超えるか、または、DC5Vの電圧が、例えば4.2Vといった第3閾値を超えると、オフ状態(ハイレベル)のリセット信号を出力する。第2電源監視回路113は、遅延回路として機能するコンデンサ96bを有している。従って、コンデンサ96bによってリセット信号の出力が遅延し、電源断信号が出力されてからリセット信号が出力されるまでの間に電源断処理を確実に実行できる。従って、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば図3に示すようにドロアコネクタ32aは、ドロア中継基板19aを介して、遊技盤2に設けられている。ドロアコネクタ32aは、所定の配線を介して主基板11に接続されている。また、枠側コネクタ33aは、ドロア中継基板19bを介して、遊技枠161に設けられている。枠側コネクタ33aは、電源基板16に接続されている。遊技盤2を遊技枠61に設置する際には、ドロアコネクタ32aが枠側コネクタ33aと結合する。これにより、遊技盤2側の各種基板(主基板11など)と遊技枠161側の各種基板(電源基板16など)とが、ドロアコネクタ32aや、枠側コネクタ33a、ドロア中継基板19a、19b(ドロア中継基板19)を介して接続される。このようにドロアコネクタ32a、32bと枠側コネクタ33a、33bとによって、電源基板16などと主基板11などとの接続を容易にすることができるとともに、ドロアコネクタ32aと枠側コネクタ33aとの接続が不安定になった場合でも、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、図5に示す12V電源回路62bの出力電圧が、例えば、DC6Vといった所定電圧以上になると、リレードライブ回路72のトランジスタ73が動作して、リレー71のコイル71Lに電流が流れる。コイル71Lに電流が流れると、コイル71Lの電磁力によって接点部71Sが開状態から閉状態に切り替わる。これによりサーミスタ56の両端が短絡するので、サーミスタ56が無効となる。このようにリレー71が駆動すると、サーミスタ56だけを通る電路から、サーミスタ56と接点部71Sとの並列回路を通る電路に、電路が切り替わる。サーミスタ56と接点部71Sとの並列回路を通る電路では、殆どの電流が接点部71Sを通り、サーミスタ56に流れる電流は僅か(ほぼ0)となる。従って、突入電流を抑制するためのサーミスタ56が無効化されることとなる。また、サーミスタ56に流れる電流は僅か(ほぼ0)となるので、サーミスタ56による電力消費が殆ど無くなる。従って、例えば、打球発射装置が備える発射モータの駆動に大電力が消費される場合であっても、各種基板(負荷)への電力供給に余裕を持たせることができ、電源回路62a〜62fの出力ノードや出力端子63a〜63f、電源回路62a〜62fの出力ノードから出力端子63a〜63fまでの電路、出力端子63a〜63f以降の電路(主基板11や演出制御基板12における電路など)において、所望の電圧を得ることができる。
なお、例えば、交流電源50からの電力が供給されてから所定時間経過後にリレー71を駆動させてサーミスタ56を短絡する場合には、経過時間によっては電流が流れ始めた過渡状態でサーミスタ56が短絡して突入電流が抑制されないことがある。従って、電源回路62a〜62fの出力ノードや出力端子63a〜63f、電源回路62a〜62fの出力ノードから出力端子63a〜63fまでの電路、出力端子63a〜63f以降の電路などにおいて、所望の電圧を得ることができない。一方、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、電源回路の出力電圧といった特定の電圧を監視して、当該電圧が、定常状態であることを示す所定電圧(上記実施の形態ではDC6V)となったときにリレー71を駆動させてサーミスタ56を短絡させるので、電流が流れ始めた過渡状態でサーミスタ56が短絡することがない。従って、電源回路62a〜62fの出力ノードや出力端子63a〜63f、電源回路62a〜62fの出力ノードから出力端子63a〜63fまでの電路、出力端子63a〜63f以降の電路などにおいて、所望の電圧を得ることができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、32V電源回路62a、62dが32Vの電圧を出力するものとして説明した。しかし、DC32V電源ラインには、30V〜34V等といった幅を持った電圧が出力されてもよい。
上記実施の形態では、第1閾値を21Vとし、第2閾値を9Vとし、第3閾値を4.2Vとしたが、各閾値を変更してもよい。第1閾値や第2閾値は、図9に示す抵抗91a、91b、92a、92bの値を調整することにより変更することができる。また、第2閾値と第3閾値とを異なる値(電圧)としたが、第2閾値と第3閾値とを同じ値(電圧)としてもよい。例えば、第2閾値と第3閾値とを共に4.2Vとしてもよい。
上記実施の形態では、ステップS8bにてメインバックアップフラグをクリアしてオフ状態としたが、メインバックアップフラグをクリアするタイミングは、ステップS8bのタイミングに限定されない。例えば、ステップS150にて電源断信号がオン状態でないと判定された場合(ステップS150;No)、メインバックアップフラグをクリアしてオフ状態としてから、電源断処理を終了してもよい。この場合には、ステップS8bの処理を行わなくてもよい。
上記実施の形態では、ステップS150にて電源断信号がオン状態であると判定された場合(ステップS150;Yes)、ステップS151〜S155の処理を直ちに実行したが、ステップS151〜S155の処理を直ちに実行しなくてもよい。例えば、RAM102の所定領域に電源断確認用カウンタ(タイマ)を設け、ステップS150にて電源断信号がオン状態であると判定された場合(ステップS150;Yes)、電源断確認用カウンタの値を1加算する。そして、電源断確認用カウンタの値が「2」でなければ電源断処理を終了し、電源断確認用カウンタの値が「2」であればステップS151〜S155の処理を実行するようにしてもよい。この場合には、ステップS150にて電源断信号がオン状態でないと判定されたときに(ステップS150;No)、電源断確認用カウンタの値をクリアすればよい。また、電源断確認用カウンタを設けた場合には、電源断確認用カウンタがメインバックアップフラグの役割を持つようにしてもよい。例えば、電源断確認用カウンタの値が「2」となった場合、当該「2」の値がメインバックアップフラグのオン状態に対応すればよい。
上記実施の形態では、リレー71を、例えば、コイルと接点部とを有する電磁リレーで構成したが、リレーは電磁リレーといった有接点リレーに限定されず、例えば、半導体を用いて構成される無接点リレーなどであってもよく、また、有接点リレーと無接点リレーとを組み合わせたもの(ハイブリットリレー)であってもよい。
また、上記実施の形態では、リレー71を、コイルに電流が流れると、接点部が開状態から閉状態に切り替わり、コイルに電流が流れなくなると、接点部が閉状態から開状態に切り替わるもの、即ち、常開接点(A接点やメーク接点などともいう。)の接点部を有するリレーとした。しかし、リレーは、常開接点の接点部を有するリレーに限定されず、常閉接点(B接点やブレーク接点などともいう。)の接点部を有するリレーや、切替接点(C接点やトランスファ接点などともいう。)の接点部を有するリレーなどであってもよい。また、サーミスタ56を無効化するための電路と有効化するための電路とに切り替えるリレーは、1つに限られず、2つ以上であってもよい。この場合、同じ種類(常開接点や常閉接点、切替接点など)の接点部を有するリレーを複数用いてもよく、異なる種類の接点部を組み合わせて用いてもよい。
上記実施の形態では、リレー71の接点部71Sの一端は、サーミスタ56の一端に接続され、リレー71の接点部71Sの他端は、サーミスタ56の他端に接続されていることとした。即ち、サーミスタ56と接点部71Sとを並列接続にした。しかし、サーミスタ56を無効化するための回路は上記のものに限定されない。例えば、リレーが動作した場合には、サーミスタ56を通る電路が遮断される(サーミスタ56の一端側、他端側、又は、一端側と他端側が開放される)とともに、サーミスタ56を通らないで後段のコモンモードチョークコイル57へ向かう電路が形成されるようにしてもよい。この場合、例えば、切替接点の接点部を有するリレーを用いて回路を構成すればよい。例えば、サーミスタ56に並んで電線を設け、この電線とサーミスタ56の一端側に切替接点の接点部を有するリレーを設置する。そして、電線の一端とサーミスタ56の一端とを、切替接点の接点部の他端(2つの接点を有する側の端子)にそれぞれ接続し、接点部の一端を、ヒューズ53の他端に接続する。そして、電線の他端は、サーミスタ56の他端に接続すればよい。なお、電線とサーミスタ56の他端側に切替接点の接点部を有するリレーを設置してもよく、電線とサーミスタ56の一端側と他端側とに切替接点の接点部を有するリレーをそれぞれ設置してもよい。このように、リレーによって、サーミスタ56だけを通る電路と、サーミスタ56を通らない電路とに切り替え可能に構成してもよい。なお、サーミスタ56を無効化するための電路には、上記実施の形態で示したサーミスタ56と接点部71Sとの並列回路を通る電路の他、サーミスタ56を通らない電路が含まれる。
上記実施の形態では、サーミスタ56を1つ設置したが、サーミスタ56を2つ以上設置してもよい。この場合、複数のサーミスタを直列、並列、及び、直列と並列との組合せのいずれかで接続すればよい。サーミスタを無効化させるためのリレーは、複数のサーミスタに対して設けられていてもよく、複数のサーミスタのうちの一部に対して設けられていてもよい。
上記実施の形態では、リレードライブ回路72を、例えば、抵抗やトランジスタなどのハードウェアで構成したが、リレードライブ回路72はハードウェアで構成したものに限定されない。例えば、リレードライブ回路72を、ソフトウェアで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとで構成してもよい。例えば、電源基板16にCPUなどを搭載し、このCPUによって12V電源回路の出力電圧などを監視して、所定電圧となったときに、リレーを動作させてもよい。また、演出制御CPU120などといった他の基板に搭載されたCPUによってリレーを動作させてもよい。
また、リレードライブ回路72を、図5に示すようにトランジスタ73、抵抗74〜76、ダイオード77及び電解コンデンサ78によって構成した。この場合には、12V電源回路の出力電圧がDC6V以上となってからトランジスタ73がオン状態となるまでに遅延が生じることとなる。しかし、トランジスタ73を用いずにリレードライブ回路を構成して、12V電源回路の出力電圧がDC6V以上になったタイミングでリレー71のコイル71Lに電流が流れるようにしてもよい。
上記実施の形態においては、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、1つ目のコマンドとして、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込みにおいて)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態や変形例で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
こうしたスロットマシンにおいて、上記実施の形態における電解コンデンサ87c、87dやコンデンサ96bといった遅延回路や、第1電源監視回路112、第2電源監視回路113、ドロアコネクタ32a、枠側コネクタ33aなどが備えられていればよい。そして、電解コンデンサ87c、87dによって第1電源監視回路112や第2電源監視回路113などに入力される5Vの電圧の低下が遅延したり、コンデンサ96bによってリセット信号の出力が遅延したりすればよい。このようなスロットマシンにおいても、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができる。また、こうしたスロットマシンにおいて、上記実施の形態におけるサーミスタ56やリレー71、リレードライブ回路72などが備えられていればよい。そして、上記実施の形態で説明したように、例えば、12V電源回路62bの出力電圧が、所定電圧(DC6V以上)となったときに、リレー72がオン状態となればよい。このようなスロットマシンにおいても、所望の電圧を得ることができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。