JP2004242881A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技の進行・制御を司る遊技制御手段における制御の負担を増大させることなく、オールマイティ図柄を用いた演出効果を高める。
【解決手段】表示制御基板に搭載されたCPUは、ランダムカウンタより抽出した乱数値に基づいて、図柄の可変表示における表示態様を一旦導出表示した飾り図柄の再変動を行う再変動表示態様とするか、一旦導出表示した飾り図柄の再変動は行わない非再変動表示態様とするかを、選択決定する。可変表示における表示態様を再変動表示態様として表示結果を大当りにするとともに、オールマイティ図柄を導出表示することを決定したときには、左図柄の表示結果となるオールマイティ図柄の導出表示に続いて、中図柄の表示結果が導出表示される。こうしてリーチ表示態様となった後、右図柄を一定速で可変表示させたままとする一方で、オールマイティ図柄は再変動させないように表示制御する。
【選択図】 図56
【解決手段】表示制御基板に搭載されたCPUは、ランダムカウンタより抽出した乱数値に基づいて、図柄の可変表示における表示態様を一旦導出表示した飾り図柄の再変動を行う再変動表示態様とするか、一旦導出表示した飾り図柄の再変動は行わない非再変動表示態様とするかを、選択決定する。可変表示における表示態様を再変動表示態様として表示結果を大当りにするとともに、オールマイティ図柄を導出表示することを決定したときには、左図柄の表示結果となるオールマイティ図柄の導出表示に続いて、中図柄の表示結果が導出表示される。こうしてリーチ表示態様となった後、右図柄を一定速で可変表示させたままとする一方で、オールマイティ図柄は再変動させないように表示制御する。
【選択図】 図56
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、可変表示の実行条件が成立した後に可変表示の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示領域を複数備えた可変表示装置を含み、識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(以下LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置上に所定の識別情報(以下、表示図柄)を更新表示させることで可変表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
この種の遊技機の中には、複数種類の表示図柄のうち少なくとも2種類の表示図柄と同一種類の表示図柄であるとみなされるオールマイティ図柄を含めた複数種類の表示図柄が複数の可変表示領域のいずれかで可変表示されるように構成されたものがある。そして、こうしたオールマイティ図柄を有効活用して遊技の興趣を向上させるために、表示図柄を導出表示する順番の最後にオールマイティ図柄が導出表示され、他の表示図柄の組合せが特定の組合せとなる条件を満たさないときに、オールマイティ図柄以外の少なくとも1つの表示図柄を再変動させる遊技機が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−128469号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の遊技機では、オールマイティ図柄を導出表示するか否かについては、遊技の進行・制御を司るメイン側の制御手段である遊技制御手段(回路)で決定していた。さらに、遊技制御手段は、表示装置上で可変表示される表示図柄の変動態様までをも決定していた。このため、遊技制御手段における制御の負担が増大していた。
【0006】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、遊技の進行・制御を司る遊技制御手段における制御の負担を増大させることなく、オールマイティ図柄を用いた演出効果の高い遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の遊技機は、可変表示の実行条件(例えば普通可変入賞球装置6への入賞)が成立した後に可変表示の開始条件(例えば可変表示装置4における前回の可変表示及び大当り遊技状態の終了)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示領域(例えば可変表示部42a〜42cなど)を複数備えた可変表示装置(例えば可変表示装置4)を含み、前記識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば主基板11に搭載されたCPU103など)と、前記遊技制御手段から送信されたコマンドに基づいて前記可変表示装置における前記識別情報の可変表示を制御する可変表示制御手段(例えば表示制御基板12に搭載されたCPU113など)、とを備え、前記遊技制御手段は、前記可変表示装置における表示を制御するためのコマンドとして少なくとも、前記識別情報の可変表示の開始と当該可変表示における可変表示パターンとを指定するための可変表示開始コマンド、及び前記識別情報の表示結果を指定するための識別情報指定コマンドを、送信する機能を有し、前記可変表示制御手段は、前記遊技制御手段から送信された可変表示開始コマンドの種類と識別情報指定コマンドの種類に基づいて、前記識別情報の可変表示における表示態様を、所定の可変表示領域にて一旦導出表示した識別情報を再可変表示させる再可変表示態様、及び可変表示領域にて一旦導出表示した識別情報の再可変表示を行わない非再可変表示態様を含んだ複数の表示態様のうちより、選択決定する表示態様決定手段(例えばCPU113が図36に示すステップS413、図37に示すステップS426、あるいは図39に示すステップS446の処理を実行する部分)と、前記表示態様決定手段により前記再可変表示態様が選択決定されたときに、前記所定の可変表示領域にて一旦導出表示する識別情報を選択決定する導出識別情報決定手段(例えばCPU113が図36に示すステップS418、図37に示すステップS430及びS431、図38に示すステップS434及びS435、図39に示すステップS450及びS451、あるいは図40に示すステップS454及びS455の処理を実行する部分)と、前記導出識別情報決定手段により、前記所定の可変表示領域にて一旦導出表示する識別情報として、他の可変表示領域にて導出表示される複数種類の識別情報との間で前記特定表示結果を構成しうる複数機能識別情報が選択決定されたとき(例えばCPU113により図37に示すステップS430と図39に示すステップS450のいずれかの処理が実行されたとき)には、前記所定の可変表示領域にて一旦導出表示した前記複数機能識別情報を再可変表示させないように表示制御する再可変表示規制手段、(例えばCPU113が可変表示装置4に図56や図57に示す表示を行わせる部分)とを含む。なお、複数機能識別情報は、他のすべての識別情報と同一種類の識別情報であるとみなすことができる万能識別情報であってもよいし、少なくとも2種類、すなわち複数種類の識別情報と同一種類の識別情報であるとみなすことができる識別情報であってもよい。
【0008】
請求項1に記載の構成によれば、識別情報の可変表示における表示態様を複数の表示態様のうちより選択決定する表示態様決定手段や、所定の可変表示領域にて一旦導出表示する識別情報を選択決定する導出識別情報決定手段が、サブ側の制御手段である可変表示制御手段に含まれている。これにより、可変表示装置にて行われる識別情報の可変表示における表示態様や、複数種類識別情報を一旦導出表示するか否かを、遊技の進行を制御する遊技制御手段が決定する必要がなくなり、遊技制御手段における制御の負担を増大させることがない。また、導出識別情報決定手段により所定の可変表示領域に複数機能識別情報を一旦導出表示させることが決定されたときには、一旦導出表示した複数機能識別情報を再可変表示規制手段が再可変表示させないように表示制御するので、複数機能識別情報が表示されたことによる遊技者の期待感を向上することができ、複数機能識別情報を用いた演出効果を高めることができる。
さらに、このように従来では遊技制御手段で行っていた制御を可変表示制御手段等の他の制御手段が行うことで、遊技制御手段が遊技の進行を制御するために実行する遊技制御プログラムの容量を節減することができ、遊技制御手段における回路構成も簡単になる。このことによって、遊技制御手段における遊技制御プログラムに不正があっても発見が容易になるとともに、不正発見のための検査も容易になる。加えて、回路構成に不正が加えられても容易に発見することができ、不正行為がなされることを防止できる。
【0009】
請求項2に記載の遊技機においては、前記可変表示制御手段は、前記表示態様決定手段により前記再可変表示態様が選択決定されたときに、前記導出識別情報決定手段による選択決定結果に従って前記所定の可変表示領域を含んだ複数の可変表示領域にて前記識別情報をリーチ表示態様で一旦導出表示した後、当該リーチ表示態様で一旦導出表示した識別情報を、一旦導出表示されることなく前記識別情報の可変表示が継続している可変表示領域における識別情報の可変表示態様と同期させて再可変表示させる再可変表示制御手段(例えばCPU113が可変表示装置4に図53や図54に示す表示を行わせる部分)を含む。この構成によれば、識別情報がリーチ表示態様にて一旦導出表示した後に行われる再可変表示における遊技者の期待感を高めることができる。
【0010】
請求項3に記載の遊技機においては、前記遊技制御手段は、前記識別情報の可変表示の終了を指定するための確定コマンドを送信する機能を有するとともに、可変表示の実行条件が成立したが当該可変表示の開始条件が成立していない前記識別情報の可変表示の実行を所定回数を上限に保留する保留記憶手段(例えば特図保留メモリ120)と、前記確定コマンドを送信したことに基づいて前記保留記憶手段により保留された可変表示の実行条件のうちのいずれか1つについて、可変表示の開始条件を成立させる開始条件成立手段(例えばCPU103がステップS130の可変表示開始待ち処理を実行する部分)と、前記開始条件成立手段が可変表示の開始条件を成立させたときに、前記可変表示装置における前記識別情報の可変表示に用いる可変表示パターンを決定する可変表示パターン決定手段(例えばCPU103がステップS131の可変表示設定処理を実行する部分)、とを含み、前記遊技制御手段から送信される可変表示開始コマンドは、前記識別情報の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの情報を含み、前記可変表示制御手段は、前記導出識別情報決定手段により前記所定の可変表示領域にて一旦導出表示する識別情報として前記複数機能識別情報が選択決定されたときに、前記可変表示装置にて行われる前記識別情報の可変表示において前記所定の可変表示領域に前記複数機能識別情報を表示結果として導出表示させた後、前記遊技制御手段から送信される確定コマンドを受信するより前の所定の変更タイミングにて、前記複数機能識別情報を複数種類の識別情報のうちの前記複数機能識別情報以外の識別情報へ変更する識別情報変更手段(例えばCPU113がステップS243の図柄可変表示中処理を実行する部分)を含む。なお、識別情報変更手段は、複数機能識別情報を複数機能識別情報以外の識別情報に差し替えることにより変更してもよいし、複数機能識別情報に複数機能識別情報以外の識別情報を重ね合わせることにより変更してもよい。この構成によれば、導出識別情報決定手段により所定の可変表示領域に一旦導出表示する識別情報として複数機能識別情報が選択決定されたときに、遊技制御手段から送信された確定コマンドを受信するより前の所定の変更タイミングにて、識別情報変更手段により複数機能識別情報がそれ以外の識別情報へ変更される。これにより、遊技者は、識別情報の可変表示における表示結果を確実に認識することができ、表示結果に疑いが生じることを防止できる。また、識別情報変更手段もサブ側の制御手段である可変表示制御手段に含まれているので、遊技制御手段における制御の負担を軽減することができる。
【0011】
請求項4に記載の遊技機においては、前記可変表示制御手段は、前記遊技制御手段から送信された可変表示開始コマンドにて指定された可変表示パターンに基づいて、前記識別情報変更手段により前記複数機能識別情報から変更する識別情報を決定する変更識別情報決定手段(例えばCPU113が図37に示すステップS436や図39に示すステップS456の処理を実行する部分)を含む。この構成によれば、複数機能識別情報を遊技状態に応じた適切な識別情報に差し替えることができる。
【0012】
請求項5に記載の遊技機においては、前記遊技制御手段から送信される可変表示開始コマンドは、前記識別情報の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを特定可能な情報を含み、前記識別情報差変更手段は、前記遊技制御手段から送信された可変表示開始コマンドによって前記特定表示結果とすることが特定されたときのみ、前記複数機能識別情報を変更する(例えば図49や図50に示すような図柄の可変表示を行う)。この構成によれば、遊技者が高い関心を寄せる特定表示結果のときのみ複数機能識別情報が変更されるので、表示制御にかかる負担を軽減することができる。
【0013】
請求項6に記載の遊技機においては、前記遊技制御手段から送信される可変表示開始コマンドは、識別情報を可変表示する可変表示時間を特定可能な情報を含み、前記可変表示制御手段は、前記所定の変更タイミングを、前記可変表示時間に基づいて決定する変更タイミング決定手段(例えばCPU113が図36に示すステップS413、図37に示すステップS426、あるいは図39に示すステップS446の処理を実行する部分)を含む。この構成によれば、複数機能識別情報の変更タイミングを決定するために遊技制御手段が特別の処理を実行する必要がなく、遊技制御手段における制御の負担を軽減することができる。
【0014】
請求項7に記載の遊技機においては、前記遊技制御手段から送信される可変表示開始コマンドは、前記識別情報の表示結果を前記特定表示結果とすることなく前記特定遊技状態とは異なる遊技者に有利な所定の遊技状態(例えば可動部材20a及び20bが1回所定時間のあいだ離隔して大入賞口が開成された状態、具体的には、小当り遊技状態)とするか否かを特定可能な情報を含み、前記可変表示制御手段は、前記可変表示装置にて行われる前記識別情報の可変表示において、前記複数機能識別情報を表示結果として導出表示させるか否かを判定する複数機能表示判定手段(例えばCPU113がステップS241の表示制御設定処理を実行する部分)を含み、前記複数機能表示判定手段は、前記遊技制御手段から送信された可変表示開始コマンドによって前記所定の遊技状態とすることが特定されたときは、前記複数機能識別情報を表示結果として導出表示させる旨の判定を行い、前記識別情報変更手段は、前記遊技制御手段から送信された可変表示開始コマンドによって前記所定の遊技状態とすることが特定されたときは、前記複数機能識別情報の変更を規制する変更規制手段(例えばCPU113が可変表示装置4に図51や図57に示す表示を行わせる部分)を含む。この構成によれば、識別情報の可変表示において複数機能識別情報が表示結果として導出表示されたときに特定遊技状態とは異なる所定の遊技状態とすることもできるので、複数機能識別情報が表示結果として導出表示された場合に遊技者が得られる利益に差異を持たせることができ、複数機能識別情報が表示結果として導出表示されることによる遊技者の期待感を向上することができる。
また、前記可変表示装置の上部に、所定条件の成立により遊技者にとって不利な第2の状態(例えば可動部材20a及び20bが近接して大入賞口が閉成された状態)から遊技者にとって有利な第1の状態(例えば可動部材20a及び20bが離隔して大入賞口が開成された状態)に変化する特別可変入賞球装置(例えば特別可変入賞球装置7)を設けた。これにより、例えば特定遊技状態や特定遊技状態とは異なる遊技者に有利な所定の遊技状態において、遊技球が特別可変入賞球装置に入賞しやすくなり、遊技興趣を高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明においてリーチとは、表示結果として導出表示した図柄(リーチ図柄という)が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ導出表示していない図柄(リーチ変動図柄という)については可変表示が行われている状態、あるいは、全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態のことである。具体的には、予め定められた複数の表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において可変表示が行われている状態(例えば、左、中、右の表示領域のうち左、中の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ可変表示が行われている状態)、あるいは、有効ライン上の表示領域の全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態(例えば、左、中、右の表示領域の全てで可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の図柄が揃っている態様で可変表示が行われている状態)である。
【0016】
本実施例における遊技機としては、LCD等からなる画像表示装置により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機や、LCDを搭載したスロットマシン等の遊技機である。
【0017】
また、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であっても、画像表示装置を有するものであれば、例えば、第2種あるいは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、識別情報としての図柄を可変表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。
【0018】
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域のほぼ中央位置には、各々が識別可能な識別情報として特別図柄及び飾り図柄を可変表示可能に表示する可変表示装置4が設けられている。この可変表示装置4の下側には、普通可変入賞球装置(始動入賞口)6が配置されている。可変表示装置4の上側には、特別可変入賞球装置(大入賞口)7が配置されている。可変表示装置4の右側には、普通図柄表示器40が設けられている。
【0019】
可変表示装置4は、例えばLCD等からなり、普通可変入賞球装置6に遊技球が入賞することが実行条件となる可変表示ゲームにおいて、数字、文字、図柄から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する表示図柄を、複数の可変表示領域にて可変表示可能に表示する。図2は、可変表示装置4における画像表示例を示す図である。この実施の形態では、可変表示装置4上に、特別図柄と、装飾図柄となる左中右の飾り図柄と、始動入賞記憶数とが表示されるものとする。特別図柄は特別図柄表示エリア41において可変表示される。左中右の飾り図柄はそれぞれ、飾り図柄表示エリア42に設けられた3つの可変表示部42a、42b、42cにおいて可変表示される。始動入賞記憶数は、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞して特別図柄及び飾り図柄の可変表示を実行するための実行条件が成立したが、従前の可変表示を実行中であるなどの理由のために可変表示を実際に開始するための条件である開始条件が成立していない保留数を示す。
【0020】
可変表示装置4による可変表示ゲームでは、特別図柄及び飾り図柄の可変表示を開始した後、一定時間が経過すると、特別図柄と飾り図柄の表示結果を所定の順序で導出表示し、確定図柄を停止表示する。確定図柄の組合せが所定の特定表示結果(大当り組合せ)となったときに、このパチンコ遊技機1は、特定遊技状態(大当り遊技状態ともいう)となる。この特定遊技状態においては、特別可変入賞球装置7が所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで開成され、開成されている間、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止める。そして、この開成サイクルを所定の上限回数(例えば、16回)まで繰り返すことができる。
【0021】
図3は、この実施の形態で用いられる特別図柄の例を示す図である。この実施の形態では、特別図柄として表示される図柄は9図柄であり、各図柄には「1」〜「9」の図柄番号が付されている。特別図柄表示エリア41には、図3に示すような9種類の特別図柄が可変表示される。ここで、図柄番号が「9」の特別図柄「0」が表示されると、次に、図柄番号が「1」の特別図柄「1」が表示される。そして、例えば、図柄番号が「1」である特別図柄「1」を小当り図柄とし、図柄番号が「3」である特別図柄「3」を通常大当り図柄とし、図柄番号が「7」である特別図柄「7」を確変大当り図柄とする。
【0022】
可変表示装置4による可変表示ゲームにおいて、特別図柄の可変表示が開始された後、特別図柄「1」が表示結果として導出表示されて確定したときに、パチンコ遊技機1は、小当り遊技状態となる。この小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7が所定時間(例えば、2秒)だけ所定回数(例えば、1回)開成される。特別図柄の可変表示が開始された後に、特別図柄「3」あるいは「7」が表示結果として導出表示されて確定したときに、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態となる。ここで、特別図柄の表示結果が「7」であるときには、パチンコ遊技機1が特別遊技状態(確変大当り遊技状態ともいう)となり、以後、所定条件が成立するまで特別図柄が当り図柄となる確率が向上するとともに、普通可変入賞球装置6の開放時間と開放回数が高められる。
【0023】
図4は、この実施の形態で用いられる左中右の各飾り図柄の例を示す図である。この実施の形態では、左中右の飾り図柄として表示される各図柄は、「1」〜「9」の図柄番号が付された9図柄を含み、さらに、左図柄は「10」の図柄番号が付されたオールマイティ図柄を含む。オールマイティ図柄は、左可変表示部42aにて表示可能であり、他の可変表示部42b、42cに同一図柄が導出表示されることで特定表示結果を構成可能に設計されている。また、中・右可変表示部42b、42cの一方で可変表示が継続した状態で、左可変表示部42aにおける表示結果としてオールマイティ図柄が導出表示されるとともに、中・右可変表示部42b、42cの他方で任意の飾り図柄が導出表示されることで、リーチ表示態様となる。すなわち、オールマイティ図柄は、他のすべての飾り図柄と同一種類の図柄であるとみなすことができる。
【0024】
左可変表示部42aでは、可変表示中に図柄番号「10」のオールマイティ図柄が表示されると、次に、図柄番号「1」の図柄が表示される。中・右可変表示部42b、42cでは、可変表示中に図柄番号「9」の図柄が表示されると、次に、図柄番号「1」の図柄が表示される。そして、特別図柄の確定図柄(最終停止図柄)が大当り図柄である場合すなわち大当り発生時には、左中右の飾り図柄が同一図柄となる。具体的には、特別図柄の確定図柄が「7」である確変大当りの場合には、左・中・右可変表示部42a〜42cにて、「3」、「5」、「7」又は「9」の同一図柄が確定表示される。また、特別図柄の確定図柄が「3」である通常大当りの場合には、左・中・右可変表示部42a〜42cにて、その他の同一図柄が確定表示される。
【0025】
さらに、特別図柄の確定図柄が小当り図柄である「1」の場合すなわち小当り発生時には、左可変表示部42aにてオールマイティ図柄が表示結果として導出表示され、中・右可変表示部42b、42cには、互いに異なる図柄が導出表示されて、可変表示の表示結果が確定表示される。
【0026】
普通可変入賞球装置6は、ソレノイド22(図7)によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物として構成される。普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞に基づく特別図柄及び飾り図柄の可変表示は、所定回数(本実施形態では、4回)まで後述する特図保留メモリ120(図9)に記憶される。
【0027】
特別可変入賞球装置7は、ソレノイド21a、21b(図7)によって入賞領域を開成・閉成制御する2つの可動部材20a、20bを備える。すなわち、可動部材20a及び20bは、ソレノイド21a及び21bがオフ状態であるときには互いに近接して特別可変入賞球装置7における入賞領域を閉成制御し、大入賞口を閉じた状態に保持する。他方、ソレノイド21a及び21bがオン状態であるときには、図5に示すように、可動部材20a及び20bが互いに離隔して特別可変入賞球装置7における入賞領域を開成制御し、大入賞口を開いた状態とする。特別可変入賞球装置7に入賞した遊技球は、所定の検出部により検出される。入賞球の検出に応答し、後述する主基板11と払出制御基板15(図6)とにより、所定数の賞球の払い出しが行われる。
【0028】
また、遊技盤2の表面には、上記した構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。また、パチンコ遊技機1には、点灯又は点滅する遊技効果ランプ9や効果音を発生するスピーカ8L、8Rが設けられている。
【0029】
図6は、パチンコ遊技機1の背面図であり、主要基板の配置レイアウトを示す。図6に示すように、本実施例におけるパチンコ遊技機1は、主として、電源基板10と、主基板11と、表示制御基板12と、音声制御基板13と、ランプ制御基板14と、払出制御基板15と、情報端子基板16とを備え、それぞれ適所に配設されている。
【0030】
電源基板10は、パチンコ遊技機1内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。
【0031】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、可変表示ゲームにおいて用いる乱数の生成機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、表示制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14及び払出制御基板15に対してそれぞれ指令情報の一例となる制御コマンドを出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。
【0032】
主基板11から表示制御基板12へ送信される制御コマンドは表示制御コマンドである。図7は、主基板11と表示制御基板12における回路構成、及び主基板11から表示制御基板12に送信される表示制御コマンドの信号線を示すブロック図である。図7に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板11から表示制御基板12へ送信される。また、主基板11と表示制御基板12との間には、ストローブ信号を送信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。
【0033】
図8は、この実施の形態で用いられる主基板11から表示制御基板12へ送信される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図8に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
【0034】
図8に示す例において、コマンド8000(h)〜80XX(h)は、可変表示装置4における特別図柄及び飾り図柄の可変表示の開始を指令する可変表示開始コマンドである。表示制御基板12の側では、この可変表示開始コマンドに含まれるEXTデータに対応して、特別図柄と飾り図柄の総可変表示時間を特定することができる。コマンド8F00(h)及び8F01(h)は、電源投入時に送出される特別図柄電源投入時指定コマンド及び普通図柄電源投入時指定コマンドである。なお、普通図柄電源投入時指定コマンドは、表示制御基板12が普通図柄表示器40の点灯制御を行う場合に用いられ、普通図柄表示器40がランプ制御基板14で制御される場合には、表示制御基板12には送出されない。
【0035】
コマンド90XX(h)は、特別図柄の予定停止図柄(最終停止図柄であるが、以下では、単に「確定図柄」ともいう)を指定する図柄指定コマンドである。特別図柄には通常大当り図柄と確変大当り図柄とが含まれており、特別図柄の確定図柄を指定することにより、通常大当りとするか確変大当りとするかを識別することができる。すなわち、図柄指定コマンドは、確変大当りとするか否かを示す情報を含んでいる。
【0036】
コマンドA000(h)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する確定コマンドである。また、コマンドD000(h)〜D300(h)は、普通図柄の点灯パターンに関する表示制御コマンドである。ただし、普通図柄表示器40がランプ制御基板14で制御される場合には、それらのコマンドは、表示制御基板12には送出されない。
【0037】
主基板11には、図7に示すように、始動入賞口である普通可変入賞球装置6や、大入賞口である特別可変入賞球装置7、その他の入賞口への遊技球の入賞を検出するための各入賞口スイッチ70からの配線も接続されている。さらに、主基板11には、普通可変入賞球装置6における可動翼片の可動制御や特別可変入賞球装置7における開成・閉成制御を行うためのソレノイド21a、21b及び22への配線が接続されている。
【0038】
主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路107、ソレノイド回路108などを搭載して構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM101、ワークメモリとして使用されるRAM102、プログラムに従って制御動作を行うCPU103及びI/Oポート104を含んでいる。
【0039】
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、図9に示すように、特図保留メモリ120と、コマンド送信テーブルメモリ121と、ランダムカウンタ122と、可変表示パターンテーブルメモリ123と、特別図柄選択テーブルメモリ124と、フラグメモリ125と、可変表示時間タイマ126とを備えている。
【0040】
特図保留メモリ120は、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞して特別図柄及び飾り図柄の可変表示を実行するための条件(実行条件)が成立したが、従前の可変表示を実行中である等の理由のために可変表示を実際に開始するための条件(開始条件)が成立していない保留状態を記憶するためのメモリである。この特図保留メモリ120は、図9に示すように、4つのエントリを備え、各エントリには、普通可変入賞球装置6への入賞順に始動開始記憶番号とその入賞により抽出された乱数値(後述するランダムR1の値)が対応付けて格納される。主基板11から表示制御基板12へ確定コマンドが送信されて特別図柄及び飾り図柄の可変表示が1回終了するごとに、最上位の情報に基づいた可変表示の開始条件が成立し、最上位の情報に基づいた可変表示が実行される。このとき、第2位以下の登録情報が1位ずつ繰り上がる。また、特別図柄及び飾り図柄の可変表示中等に遊技球が普通可変入賞球装置6に新たに入賞した場合には、その入賞による乱数値が最上位の空エントリに登録される。
【0041】
コマンド送信テーブルメモリ121には、主基板11からサブ側の各制御基板(表示制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、及び払出制御基板15)に出力する各制御コマンドについて、複数のコマンド送信テーブルが設けられている。図10は、コマンド送信テーブルメモリ121の構成の一例として、表示制御コマンドについてのコマンド送信テーブルを示す図である。図10に示す例では、12個のコマンド送信テーブルが設けられており、使用すべきコマンド送信テーブルは、コマンド送信個数カウンタで指定される。コマンド送信個数カウンタは、「0」〜「11」の範囲の値をとる。各コマンド送信テーブルは、例えば3バイトで構成され、1バイト目にはコマンドの送り先となるサブ側の制御基板を識別するためのINTデータが設定される。また、2バイト目には、制御コマンドの1バイト目のMODEデータが設定される。そして、3バイト目には、制御コマンドの2バイト目のEXTデータが設定される。
【0042】
また、複数のコマンド送信テーブルはリングバッファとして使用される。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、表示制御基板12に表示制御コマンドを送信する場合、コマンド送信カウンタが指しているコマンド送信テーブルに、表示制御コマンドであることを示すINTデータや、表示制御コマンドの1バイト目のMODEデータ、2バイト目のEXTデータを設定する。そして、コマンド送信個数カウンタの値を更新する。コマンド送信個数カウンタの値が12になった場合には、その値を0に戻す。
【0043】
図9に示すランダムカウンタ122は、遊技制御に用いられる判定用乱数や表示用乱数のカウントを行うものである。図11は、ランダムカウンタ122によりカウントされる各乱数を示す説明図である。ランダムカウンタ122は、図11に示すように、ランダムR1〜R5のカウントを行う。ランダムR1は、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を特定遊技状態とするか否かを決定する大当り判定用の乱数であり、「0」〜「299」の範囲の値をとる。ランダムR2は、ハズレ時にリーチするか否かを決定するリーチ判定用の乱数であり、「0」〜「1530」の範囲の値をとる。ランダムR3は、特別図柄及び飾り図柄の可変表示に用いる可変表示パターンを決定するための表示用の乱数であり、「0」〜「108」の範囲の値をとる。ランダムR4は、ハズレ時における特別図柄の確定図柄を決定するための表示用の乱数であり、「0」〜「5」の範囲の値をとる。ランダムR5は、大当りを生じさせる確率が向上している高確率状態(特別遊技状態)とするか否かを決定する確変判定用の乱数であり、「0」〜「9」の範囲の値をとる。なお、遊技効果を高めるために、ランダムR1〜R5以外の乱数が用いられてもよい。
【0044】
図9に示す可変表示パターンテーブルメモリ123は、状況にあわせて選択される複数の可変表示パターンテーブルを記憶する。具体的には、可変表示パターンテーブルメモリ123は、図12(A)に示す通常ハズレ可変表示パターンテーブル140、図12(B)に示すリーチハズレ可変表示パターンテーブル141、図12(C)に示す小当り可変表示パターンテーブル142、図12(D)に示す大当り可変表示パターンテーブル143を格納する。
【0045】
図12(A)に示す通常ハズレ可変表示パターンテーブル140は、リーチとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図12(B)に示すリーチハズレ可変表示パターンテーブル141は、リーチとした後に当りとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図12(C)に示す小当り可変表示パターンテーブル142は、特別図柄及び飾り図柄の可変表示における表示結果を小当りとするときに用いる可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図12(D)に示す大当り可変表示パターンテーブル143は、特別図柄及び飾り図柄の可変表示における表示結果を大当りとするときに用いる可変表示パターンを選択するためのテーブルである。
【0046】
各可変表示パターンテーブル140〜143には、例えば、複数の可変表示パターンと、可変表示時間タイマ126が計測する特別図柄と飾り図柄の総可変表示時間と、可変表示開始コマンドのEXTデータとして設定される制御コードとが対応付けて格納されている。すなわち、主基板11から送信されて表示制御基板12が受信する可変表示開始コマンドは、特別図柄及び飾り図柄の可変表示における可変表示パターンを、EXTデータにより指定する。また、表示結果をハズレとするか、小当りとするか、大当りとするかに応じて、異なる可変表示パターンが用いられる。このため、表示制御基板12の側では、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにより、特別図柄及び飾り図柄の可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを特定することができる。
【0047】
図9に示す特別図柄選択テーブルメモリ124は、例えば図13に示すようなハズレ時特別図柄決定用テーブル150を記憶する。ハズレ時特別図柄決定用テーブル150は、特別図柄の図柄番号と、ランダムカウンタ122から抽出されるランダムR4の値とを対応付けて格納することにより、ハズレ時における特別図柄の確定図柄を特定可能とする。
【0048】
図9に示すフラグメモリ125には、パチンコ遊技機1において遊技の進行を制御するために用いられる各種のフラグが設定される。例えば、フラグメモリ125には、後述する特別図柄プロセス処理(図25)において選択・実行すべき処理を示す特別図柄プロセスフラグが設けられている。また、I/Oポート104に入力される各種信号の状態や各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数ビットからなる入力状態フラグや、パチンコ遊技機1において各種のエラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応するビットがセットされる複数ビットからなるエラーフラグが設けられている。この他、所定時間が経過してタイマ割込みが発生するごとにセットされるタイマ割込フラグ等の各種のフラグが設けられている。
【0049】
可変表示時間タイマ126は、可変表示装置4における特別図柄及び飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間(可変表示時間)をメイン側で計測するためのダウンカウンタであり、主基板11が表示制御基板12に可変表示開始コマンドを送信するに際して、可変表示パターンで指定される総可変表示時間に対応したカウント値が初期値として設定される。
【0050】
図7に示すスイッチ回路107は、各入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝達する。ソレノイド回路108は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド21a、21b、22を駆動する。ソレノイド21a、21bは、それぞれリンク機構を介して可動部材20a、20bに連結されている。ソレノイド22は、リンク機構を介して普通可変入賞球装置6の可動翼片に連結されている。
【0051】
図6に示す表示制御基板12は、主基板11とは独立して可変表示ゲームにおける画像処理のための表示制御を行うものである。表示制御基板12は、主基板11から出力される表示制御コマンドに基づいて可変表示ゲームに用いられる画像を可変表示装置4上に表示させる。
【0052】
図14は、表示制御基板12のハードウェア構成例を示すブロック図である。表示制御基板12は、発振回路111と、リセット回路112と、表示制御用のCPU(Central Processing Unit)113と、ROM(Read Only Memory)114と、RAM(Random Access Memory)115と、ビデオディスプレイプロセッサ(以下、VDP:Video Display Processor)116と、キャラクタROM117と、VRAM(Video RAM)118と、LCD駆動回路119とを備えている。
【0053】
発振回路111は、CPU113及びVDP116に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路112は、CPU113及びVDP116をリセットするためのリセット信号を出力するものである。CPU113は、主基板11から表示制御コマンドを受信するとRAM115を作業領域として用いながらROM114から表示制御を行うための制御データを読み出す。また、CPU113は、読み出した制御データに基づいてVDP116に描画命令を送る。ROM114は、CPU113によって利用される各種制御プログラム等を格納する半導体メモリであり、RAM115は、CPU113によって作業領域として利用される半導体メモリである。
【0054】
VDP116は、画像表示を行うための表示装置制御機能及び高速描画機能を有し、CPU113からの描画命令に従って動作する。また、CPU113とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM118をマッピングしている。キャラクタROM117は、可変表示装置4に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、又は、文字、図形もしくは記号等を予め記憶しておくためのものである。VRAM118は、VDP116によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。LCD駆動回路119は、VDP116から入力された画像データを、色信号と同期信号とからなるビデオ信号に変換し、可変表示装置4に出力する。
【0055】
また、表示制御基板12は、図15に示すように、受信コマンドバッファメモリ130と、ランダムカウンタ131と、表示制御パターンテーブルメモリ132と、各種タイマ133と、飾り図柄選択テーブルメモリ134と、フラグメモリ135とを備えている。
【0056】
受信コマンドバッファメモリ130には、主基板11から受信した表示制御コマンドを格納するための受信コマンドバッファが複数設けられている。図16は、表示制御コマンドについての受信コマンドバッファの一構成例を示す図である。図16に示す例では、12個の受信コマンドバッファが設けられており、受信したコマンドを格納する受信コマンドバッファは、コマンド受信個数カウンタで指定される。コマンド受信個数カウンタは、「0」〜「11」の範囲の値をとる。各受信コマンドバッファは、例えば1バイトで構成され、複数の受信コマンドバッファをリングバッファとして使用することにより、2バイト構成の表示制御コマンドを6個格納することができる。
【0057】
ランダムカウンタ131は、飾り図柄の可変表示内容を決定するために用いられる各種乱数のカウントを行うものである。図17は、ランダムカウンタ131によりカウントされる各乱数を示す説明図である。ランダムカウンタ131は、図17に示すように、ランダムR10〜R16のカウントを行う。ランダムR10は、大当り時における飾り図柄の確定図柄と、ハズレ時に左の飾り図柄における確定図柄とを、決定する乱数であり、「0」〜「106」の範囲の値をとる。ランダムR11は、小当り時やハズレ時に中の飾り図柄における確定図柄を決定する乱数であり、「0」〜「162」の範囲の値をとる。ランダムR12は、小当り時やリーチとしない通常ハズレ時に右の飾り図柄における確定図柄を決定する乱数であり、「0」〜「72」の範囲の値をとる。ランダムR13は、リーチとするときに一旦導出表示して仮停止表示する図柄を決定する乱数であり、「0」〜「180」の範囲の値をとる。仮停止表示状態では、表示制御基板12が主基板11から送信される確定コマンドを受信する前に、左・中・右可変表示部42a〜42cのいずれかにおいて飾り図柄が停留して表示され、例えば揺れ変動表示等によって遊技者に可変表示の表示結果が確定していない旨を報知する。
【0058】
ランダムR14は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドに基づいて特定された可変表示パターンに対応して、可変表示装置4に特別図柄及び飾り図柄の可変表示を行わせるための表示制御パターンを決定する乱数であり、「0」〜「17」の範囲の値をとる。ランダムR15は、飾り図柄の可変表示において、一旦導出表示した飾り図柄を再可変表示(以下では、「再変動」ともいう)させる再変動用の表示制御パターンを用いるか、飾り図柄の再変動を行わない非再変動用の表示制御パターンを用いるかを決定する乱数であり、「0」〜「21」の範囲の値をとる。ランダムR16は、可変表示の表示結果を大当りとする場合に、可変表示中に左可変表示部42aにおいて図柄番号「10」のオールマイティ図柄を表示結果として導出表示させるか否かを決定する乱数であり、「0」〜「12」の範囲の値をとる。
【0059】
表示制御パターンテーブルメモリ132は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドの種類と図柄指定コマンドの種類とに基づいて選択される複数の表示制御パターンテーブルを記憶する。具体的には、表示制御パターンテーブルメモリ132は、図18(A)に示す通常ハズレ表示制御パターンテーブル160、図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161、図19に示す小当り表示制御パターンテーブル162、図20(A)及び(B)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル163、164、図21(A)及び(B)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル165、166を格納する。
【0060】
図18(A)に示す通常ハズレ表示制御パターンテーブル160は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにて、リーチとすることなくハズレとする通常ハズレの可変表示パターンが指定されていたときに選択される。通常ハズレ表示制御パターンテーブル160には、可変表示装置4における可変表示を制御して表示結果を通常ハズレとするための複数種類の表示制御パターンと、総可変表示時間と、ランダムR14の値とが対応付けて格納されている。
【0061】
図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにて、リーチとした後に当りとすることなくハズレとするリーチハズレの可変表示パターンが指定されていたときに選択される。リーチハズレ表示制御パターンテーブル161には、可変表示装置4における可変表示を制御して表示結果をリーチハズレとするための複数種類の表示制御パターンと、総可変表示時間と、ランダムR14及びR15の値とが対応付けて格納されている。
【0062】
図19に示す小当り表示制御パターンテーブル162は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにて小当りの可変表示パターンが指定され、かつ、図柄指定コマンドにて図柄番号「1」の特別図柄「1」を確定図柄とすることが指定されていたときに、選択される。小当り表示制御パターンテーブル162には、可変表示装置4における可変表示を制御して表示結果を小当りとするための複数種類の表示制御パターンと、総可変表示時間と、ランダムR14及びR15の値とが対応付けて格納されている。
【0063】
図20(A)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル163は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにて大当りの可変表示パターンが指定され、かつ、図柄指定コマンドにて図柄番号「3」の特別図柄「3」を確定図柄とすることが指定され、さらに、ランダムR16の値に基づいてオールマイティ図柄を表示結果として導出表示させると決定したときに、選択される。図20(B)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル164は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにて大当りの可変表示パターンが指定され、かつ、図柄指定コマンドにて確定図柄として特別図柄「3」が指定され、さらに、ランダムR16の値に基づいてオールマイティ図柄を表示結果として導出表示しないと決定したときに、選択される。
【0064】
図21(A)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル165は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにて大当りの可変表示パターンが指定され、かつ、図柄指定コマンドにて図柄番号「7」の特別図柄「7」を確定図柄とすることが指定され、さらに、ランダムR16の値に基づいてオールマイティ図柄を表示結果として導出表示させると決定したときに、選択される。図21(B)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル166は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにて大当りの可変表示パターンが指定され、かつ、図柄指定コマンドにて確定図柄として特別図柄「7」が指定され、さらに、ランダムR16の値に基づいてオールマイティ図柄を表示結果として導出表示しないと決定したときに、選択される。
【0065】
図15に示す各種タイマ133は、可変表示装置4の表示制御に用いられる複数種類のタイマを含んで構成される。具体的には、各種タイマ133は、プロセスタイマ、可変表示時間タイマ、図柄差替時間タイマ及び監視タイマを含んでいる。プロセスタイマは、各表示制御パターンテーブル160〜166を用いて決定された表示制御パターンに従って設定されているプロセスタイマ値をカウントダウンすることにより、特別図柄及び飾り図柄を表示制御パターンに従った態様で可変表示させる可変表示期間を計測する。
【0066】
各種タイマ133に含まれる可変表示時間タイマは、可変表示装置4における特別図柄及び飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間(可変表示時間)をサブ側で計測するためのダウンカウンタであり、主基板11から受信した可変表示開始コマンドで指定される可変表示パターンの総可変表示時間に対応したカウント値が、初期値として設定される。
【0067】
また、各種タイマ133に含まれる図柄差替時間タイマは、特別図柄及び飾り図柄の可変表示を開始してから所定の差替タイミングまでの残り時間を計測するためのものである。この差替タイミングは、可変表示中にオールマイティ図柄を表示結果として左可変表示部42aに導出表示した後、主基板11から送信される確定コマンドを受信するより前に、オールマイティ図柄をオールマイティ図柄以外の飾り図柄に差し替えることにより変更するタイミングである。図柄差替時間タイマは、可変表示の表示結果を大当りとするときで、かつ、ランダムR16の値に基づいてオールマイティ図柄を表示結果として導出表示することを決定したときに、総可変表示時間よりも所定時間(例えば、2秒)だけ短い時間に対応したカウント値が初期値として設定されてカウントダウン動作を開始する。監視タイマは、可変表示時間タイマがタイムアウトしてからの経過時間を計測するためのものであり、主基板11から表示制御コマンドを所定時間以上受信しなかったときにタイムアウトする。
【0068】
飾り図柄選択テーブルメモリ134は、可変表示装置4にて可変表示される飾り図柄の確定図柄を決定するために用いられる図柄決定用テーブルを記憶する。具体的には、飾り図柄選択テーブルメモリ134は、図22(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル170、図22(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル171、図23(A)に示す左図柄決定用テーブル172、図23(B)に示す中図柄決定用テーブル173、及び図23(C)に示す右図柄決定用テーブル174、図23(D)に示すリーチ図柄決定用テーブル175を格納する。
【0069】
図22(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル170は、通常大当りとしてパチンコ遊技機1を特定遊技状態とするとき、すなわち特別図柄の確定図柄を「3」とするときに、左中右で同一となる飾り図柄の確定図柄を決定するためのテーブルである。例えば、通常大当り図柄決定用テーブル170には、飾り図柄における確定図柄の図柄番号と、ランダムR10の値とが対応付けて格納されている。すなわち、通常大当り図柄決定用テーブル170は、ランダムカウンタ131から抽出されるランダムR10の値に基づいて、通常大当り時における飾り図柄の確定図柄を決定可能に構成されている。
【0070】
図22(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル171は、確変大当りとしてパチンコ遊技機1を特別遊技状態とするとき、すなわち特別図柄の確定図柄を「7」とするときに、左中右で同一となる飾り図柄の確定図柄を決定するためのテーブルである。例えば、確変大当り図柄決定用テーブル171には、通常大当り図柄決定用テーブル170と同様に、飾り図柄における確定図柄の図柄番号と、ランダムR10の値とが対応付けて格納されている。
【0071】
図23(A)に示す左図柄決定用テーブル172は、当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するとき、すなわち特別図柄の確定図柄を「1」、「3」、及び「7」以外の図柄とするときに、左可変表示部42aにおける飾り図柄の確定図柄を決定するためのテーブルである。例えば、左図柄決定用テーブル172には、左可変表示部42aにおける確定図柄の図柄番号と、ランダムR10の値とが対応付けて格納されている。すなわち、左図柄決定用テーブル172は、ランダムカウンタ131から抽出されるランダムR10の値に基づいて、ハズレ時における左可変表示部42aの確定図柄を決定可能に構成されている。なお、リーチ表示態様とした後に大当りとすることなくハズレの確定図柄を導出表示するときには、中・右可変表示部42b又は42cにおける飾り図柄の確定図柄を、左図柄決定用テーブル172を用いて決定された左可変表示部42aにおける飾り図柄の確定図柄と同一のものに設定すればよい。あるいは、中・右可変表示部42b及び42cにおける飾り図柄の確定図柄を、左可変表示部42aにおける飾り図柄の確定図柄とは異なる同一のものに設定してもよい。
【0072】
図23(B)に示す中図柄決定用テーブル173は、小当りあるいはハズレの表示結果を導出表示するときに、中可変表示部42bにおける飾り図柄の確定図柄を決定するためのテーブルである。例えば、中図柄決定用テーブル173には、中可変表示部42bにおける確定図柄の図柄番号と、ランダムR11の値とが対応付けて格納されている。すなわち、中図柄決定用テーブル173は、ランダムカウンタ131から抽出されるランダムR11の値に基づいて、小当り時あるいはハズレ時における中可変表示部42bの確定図柄を決定可能に構成されている。なお、リーチとした後に大当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するときに、中図柄決定用テーブル173を用いて決定された飾り図柄の確定図柄が左図柄決定用テーブル172を用いて決定された飾り図柄の確定図柄と同じである場合には、導出される表示結果をハズレとするために、中可変表示部42bにおける確定図柄の図柄番号を1加算するなどしてもよい。
【0073】
図23(C)に示す右図柄決定用テーブル174は、小当り時あるいは通常ハズレ時に、右可変表示部42cにおける飾り図柄の確定図柄を決定するためのテーブルである。例えば、右図柄決定用テーブル174には、左・中可変表示部42a又は42bにおける確定図柄の図柄番号に対する加算値と、ランダムR12の値とが対応付けて格納されている。小当り時には、右図柄決定用テーブル174を用いて決定した加算値を、中図柄決定用テーブル173を用いて決定した中可変表示部42bにおける確定図柄の図柄番号に加算することで、右可変表示部42cにおける確定図柄を決定し、中可変表示部42bと右可変表示部42cとで確定図柄が異なる表示結果が導出表示されるように設定する。通常ハズレ時には、右図柄決定用テーブル174を用いて決定した加算値を、左図柄決定用テーブル172を用いて決定した左可変表示部42aにおける確定図柄の図柄番号に加算することで、右可変表示部42cにおける確定図柄を決定し、左可変表示部42aと右可変表示部42cとで確定図柄が異なる表示結果が導出表示されるように設定する。
【0074】
図23(D)に示すリーチ図柄決定用テーブル175は、飾り図柄の可変表示中にリーチ表示態様となるように仮停止させる飾り図柄を決定するためのテーブルである。
【0075】
フラグメモリ135は、表示制御基板12が可変表示装置4の表示制御を行うために用いられる各種のフラグが設定される。例えば、フラグメモリ135には、後述する表示制御プロセス処理(図32)において選択・実行すべき処理を示す表示制御プロセスフラグが設けられている。また、CPU113に入力される表示制御信号CD0〜CD7の状態等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数ビットからなるコマンド受信フラグが設けられている。コマンド受信フラグの各ビットは、可変表示開始コマンドを受信したことを示す可変表示開始フラグや、図柄指定コマンドを受信したことを示す有効フラグなどに割り付けられている。この他、所定時間が経過してタイマ割込みが発生するごとにセットされるタイマ割込フラグ等の各種のフラグが設けられている。
【0076】
図6に示す音声制御基板13、ランプ制御基板14は、主基板11から送信される制御コマンドに基づいて、音声出力制御、ランプ出力制御を、それぞれ主基板11とは独立して実行するサブ側の制御基板である。なお、表示制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14は、それぞれ独立した基板として、例えば、パチンコ遊技機1の裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置されてもよい。さらに、表示制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14を、まとめて1つの基板として構成してもよい。払出制御基板15は、遊技球の貸出や賞球等の払出制御を行うものである。情報出力基板16は、各種遊技関連情報を外部に出力するためのものである。
【0077】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。図24は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対する電源が投入されると、遊技制御メイン処理が開始され、まず、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、初期設定処理を実行する(ステップS101)。この初期設定処理において、割込モードやスタックポインタの設定が行われ、内蔵デバイスレジスタが初期化される。また、CTC(カウンタ/タイマ回路)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化を行った後、RAM102をアクセス可能状態に設定する。
【0078】
この後、前回の電源断時にRAM102の全部又は一部について所定のデータ保護処理が行われることにより、バックアップがなされたか否かを判別する(ステップS102)。パチンコ遊技機1では、不測の電源断が生じたときに、RAM102に記憶されたデータの全部又は一部を保護するための処理が行われる。このような保護処理が行われていた場合には、バックアップありと判別される。
【0079】
ステップS102にてバックアップありと判別したときには(ステップS102;Yes)、バックアップデータのチェックとしてパリティチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判別する(ステップS103)。チェック結果が正常であれば(ステップS103;Yes)、主基板11の内部状態とサブ側の各制御基板(表示制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、及び払出制御基板15)の制御状態を電源断時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を実行する(ステップS104)。そして、バックアップ保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値が設定され、そのアドレスに復帰する。
【0080】
ステップS102にてバックアップなしと判別したときや(ステップS102;No)、ステップS103にてチェック結果が正常ではなかったときには(ステップS103;No)、ステップS105に進み、所定の初期化処理が実行される。この初期化処理では、RAM102のクリアや、所定の作業領域に対する初期値設定、サブ側の各制御基板に対する初期設定用のコマンド送出などが行われる。また、CPU103に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行うことにより、以後、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにタイマ割込みが発生する。
【0081】
この後、ランダムカウンタ122によりカウントされる表示用乱数であるランダムR3及びR4を更新する表示用乱数更新処理を実行するとともに(ステップS106)、フラグメモリ125に設けられたタイマ割込フラグをチェックするなどして、タイマ割込みが発生したか否かを確認する(ステップS107)。フラグメモリ125に設けられたタイマ割込フラグは、CTCのレジスタ値が0となってタイマ割込みが発生したときにセットされる。CPU103は、タイマ割込フラグがセットされているか否かを判別することにより、タイマ割込みが発生したか否かを確認することができる。タイマ割込みが発生していないときには(ステップS107;No)、ステップS106及びS107を繰り返し実行するループ処理が行われる。
【0082】
ステップS107にてタイマ割込みの発生が確認されたときには(ステップS107;Yes)、所定のスイッチ処理を実行することにより、各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態を判定する(ステップS108)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS109)。この後、ランダムカウンタ122によりカウントされる判定用乱数であるランダムR1、R2及びR5を更新する判定用乱数更新処理(ステップS110)と、表示用乱数であるランダムR3及びR4を更新する表示用乱数更新処理(ステップS111)とを、順次実行する。
【0083】
次に、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS112)。図25は、ステップS112の特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU103は、まず、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞したか否かを、各入賞口スイッチ70に含まれる始動球検出スイッチから入力される検出信号や、フラグメモリ125に設けられた入力状態フラグなどをチェックすることにより、判別する(ステップS121)。遊技球が入賞して始動球検出スイッチからの検出信号がオン状態となった場合(ステップS121;Yes)、入賞処理を実行し(ステップS122)、遊技球が入賞していない場合(ステップS121;No)、入賞処理(ステップS122)をスキップする。
【0084】
図26は、ステップS122の入賞処理を示すフローチャートである。この入賞処理において、CPU103は、まず、特図保留メモリ120が記憶している始動入賞記憶数が最大値の4であるか否かを判別する(ステップS141)。ここで、特図保留メモリ120において、始動入賞記憶番号「4」に対応した乱数値が記憶されている場合には、始動入賞記憶数が4であると判別される。
【0085】
始動入賞記憶数が4であるときには(ステップS141;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効として、そのまま入賞処理が終了する。一方、始動入賞記憶数が4未満であるときには(ステップS141;No)、始動入賞記憶数を1加算し(ステップS142)、ランダムカウンタ122より大当り判定用のランダムR1の値を抽出する(ステップS143)。そして、抽出した乱数値を特図保留メモリ120の空エントリの先頭にセットする(ステップS144)。
【0086】
この後、CPU103は、フラグメモリ125に格納されている特別図柄プロセスフラグの値に基づいて、図25に示すステップS130〜S136の7個の処理のいずれかを選択する。以下に、ステップS130〜S136の各処理について説明する。
【0087】
ステップS130の可変表示開始待ち処理は、特別図柄プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、特図保留メモリ120が記憶している始動入賞記憶数が0か否かを判別する。ここで、特図保留メモリ120において、始動入賞記憶番号「1」に対応した乱数値が記憶されていない場合には、始動入賞記憶数が0であると判別される。始動入賞記憶数が0であれば、表示制御基板12を介して可変表示装置4上にデモンストレーション画面を表示するなどして、処理を終了する。一方、始動入賞記憶数が0ではないと判別すると、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示設定処理に対応した値である「1」に更新する。
【0088】
このステップS130の可変表示開始待ち処理では、例えば、主基板11が表示制御基板12に対して確定コマンドを送信したことに基づいて、それまで実行されていた可変表示装置4における特別図柄と飾り図柄の可変表示が終了したときに、特図保留メモリ120により保留された次の可変表示が開始可能な状態となる。すなわち、ステップS130の可変表示開始待ち処理において特別図柄プロセスフラグの値が「1」に更新されることで、特図保留メモリ120にランダムR1の値が記憶されることで保留されている可変表示の実行のうち、いずれか1つについての開始条件が成立することとなる。
【0089】
ステップS131の可変表示設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図27に示すように、まず、特図保留メモリ120から始動入賞記憶番号「1」に対応して格納されている乱数値を読み出す(ステップS151)。この際、始動入賞記憶数を1減算し、かつ、特図保留メモリ120の第2〜第4エントリ(始動入賞記憶番号「2」〜「4」)に格納された乱数値を1エントリずつ上位にシフトする(ステップS152)。
【0090】
その後、CPU103は、ステップS151で読み出した値、すなわち上述したステップS122の入賞処理にて既に抽出されているランダムR1の値に基づいて大当りとするか否かを決定する(ステップS153)。大当りとしないときには(ステップS153;No)、さらに小当りとするか否かを決定する(ステップS154)。この実施の形態では、図29に示すように、低確率時にはランダムR1の値が「3」であるときに「大当り」と決定し、「7」、「79」、「103」、「107」のいずれかであるときに「小当り」と決定する。それ以外の値であるときには「ハズレ」と決定する。高確率時にはランダムR1の値が「3」、「7」、「79」、「103」、「107」のいずれかであるときに「大当り」と決定し、「13」、「17」、「59」、「83」のいずれかであるときに「小当り」と決定する。それ以外の値であるときには「ハズレ」と決定する。
【0091】
ステップS153及びS154にて「ハズレ」と決定したときには(ステップS154;No)、CPU103は、ランダムカウンタ122よりランダムR4の値を抽出し(ステップS155)、特別図柄選択テーブルメモリ124に記憶された図13に示すハズレ時特別図柄決定用テーブル150を用いて、特別図柄の確定図柄を決定する(ステップS156)。
【0092】
ステップS156に続いて、CPU103は、ランダムカウンタ122よりランダムR2及びR3の値を抽出し(ステップS157)、抽出したランダムR2の値に基づいてリーチとするか否かを決定する(ステップS158)。例えば、抽出したランダムR2の値が「105」〜「1530」のいずれかであるときには、リーチとしないことを決定する。一方、ランダムR2の値が「0」〜「104」のいずれかであるときには、リーチとすることを決定する。
【0093】
ステップS158にてリーチとすることを決定したときには(ステップS158;Yes)、CPU103は、可変表示パターンテーブルメモリ123に格納された可変表示パターンのうちから、図12(B)に示すリーチハズレ可変表示パターンテーブル141を選択する。そして、ステップS157にて抽出したランダムR3の値に基づいてリーチハズレ可変表示パターンテーブル141を参照することにより、リーチハズレに対応した可変表示パターンを決定する(ステップS159)。
【0094】
ステップS158にてリーチとしないと決定したときには(ステップS158;No)、CPU103は、ステップS157にて抽出したランダムR3の値に基づいて図12(A)に示す通常ハズレ可変表示パターンテーブル140を参照することにより、通常ハズレに対応した可変表示パターンを決定する(ステップS160)。この後、ステップS170に進む。
【0095】
また、ステップS154にて「小当り」と決定したときには(ステップS154;Yes)、CPU103は、特別図柄の確定図柄を小当り用の図柄である「1」とすることを決定し(ステップS161)、ランダムカウンタ122よりランダムR3の値を抽出する(ステップS162)。そして、図12(C)に示す小当り可変表示パターンテーブル142を参照することにより、小当りに対応した可変表示パターンを決定する(ステップS163)。この後、ステップS170に進む。
【0096】
ステップS153にて「大当り」と決定したときには(ステップS153;Yes)、CPU103は、ランダムカウンタ122よりランダムR5の値を抽出し(図28に示すステップS164)、確変大当りとするか否かを決定する(ステップS165)。例えば、ランダムR5の値が奇数であるときには、確変大当りとすることを決定する。一方、ランダムR5の値が偶数であるときには、通常大当りとすることを決定する。
【0097】
ステップS165にて通常大当りとすることを決定したときには(ステップS165;No)、特別図柄の確定図柄を通常大当り用の図柄である「3」とすることを決定する(ステップS166)。一方、確変大当りとすることを決定したときには(ステップS165;Yes)、特別図柄の確定図柄を確変大当り用の図柄である「7」とすることを決定する(ステップS167)。
【0098】
ステップS166あるいはS167の後、CPU103は、ランダムカウンタ122よりランダムR3の値を抽出し(ステップS168)、図12(D)に示す大当り可変表示パターンテーブル143を参照することにより、大当りに対応した可変表示パターンを決定する(ステップS169)。この後、ステップS170に進む。
【0099】
図27に示すステップS170において、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示制御処理に対応した値である「2」に更新した後、可変表示設定処理を終了する。こうして、図27及び図28のフローチャートに示す可変表示設定処理により、主基板11の側にて、可変表示装置4にて行われる可変表示における特別図柄の確定図柄と、可変表示パターンとが選択決定される。ここで、図12(A)〜(D)に示すように、各可変表示パターンテーブル140〜143では、可変表示パターンと可変表示における総可変表示時間とが対応付けられている。従って、この可変表示設定処理により可変表示パターンを決定することにより、可変表示における特別図柄と飾り図柄の総可変表示時間も決定されることとなる。
【0100】
図25に示すステップS132の可変表示制御処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、可変表示装置4において特別図柄及び飾り図柄の全図柄が可変表示を開始するように制御する。具体的には、上述したステップS131の可変表示設定処理にて決定した特別図柄の確定図柄や可変表示パターンに対応する制御データを、コマンド送信テーブルメモリ121にて、コマンド送信個数カウンタにより指定されるコマンド送信テーブルに設定するなどして、可変表示開始コマンドと図柄指定コマンドを送信可能に設定する。そして、可変表示パターンに対応する総可変表示時間を可変表示時間タイマ126に設定し、可変表示開始コマンドが送信されるとともにカウントダウンを開始する。この後、可変表示時間タイマ126がタイムアウトすると、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示停止時処理に対応した値である「3」に更新する。
【0101】
ステップS133の可変表示停止時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、主基板11から表示制御基板12に確定コマンドを送信するための設定を行う。具体的には、確定コマンドに対応する制御データを、コマンド送信テーブルメモリ121にて、コマンド送信個数カウンタにより指定されるコマンド送信テーブルに設定するなどして、確定コマンドを送信可能に設定する。そして、可変表示の表示結果が大当りあるいは小当りとなるときには、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である「4」に更新し、ハズレとなるときには、特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0102】
ステップS134の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、大入賞口としての特別可変入賞球装置7を開放する制御を開始するための設定を行う。そして、特別可変入賞球装置7を開放する制御を開始するとともに、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理に対応した値である「5」に更新する。
【0103】
ステップS135の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、開成された特別可変入賞球装置7への遊技球の入賞検出、賞球の払出指令、開成時間の計測、及び開成サイクルのラウンド数表示のための表示制御コマンド設定等を行う。
【0104】
例えば、可変表示の表示結果が小当りであったときには、ステップS135の大入賞口開放中処理において、CPU103は、特別可変入賞球装置7の開成時間が所定時間に達すると、特別図柄プロセスフラグの値を「6」に更新する。
【0105】
可変表示の表示結果が大当りであったときには、ステップS135の大入賞口開放中処理において、CPU103は、入賞球数が所定数に達するか開成時間が所定時間に達すると、特別図柄プロセスフラグの値を更新する。具体的には、1回の大当りについて、特別可変入賞球装置7の開成回数をカウントし、開成回数が例えば16回に達していれば、特定遊技状態(大当り状態)を終了する条件が終了したとして特別図柄プロセスフラグの値を「6」に更新する。一方、開成回数が16回に達していなければ、特別可変入賞球装置7を一旦閉成した後、所定時間が経過するのを待って再度開成する。
【0106】
ステップS136の通常遊技状態復帰処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「6」のときに実行される処理であり、CPU103は、小当り遊技状態あるいは大当り遊技状態を終了させる処理を行い、特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0107】
以上説明したような特別図柄プロセス処理が終了すると、図24に示すステップS113に進み、普通図柄プロセス処理を実行する。この普通図柄プロセス処理において、CPU103は、普通図柄表示器40の表示制御内容を指示する制御データを、コマンド送信テーブルメモリ121にて、コマンド送信個数カウンタにより指定されるコマンド送信テーブルに設定するなどして、主基板11から表示制御基板12に普通図柄用の表示制御コマンドを送信可能に設定する。表示制御基板12では、主基板11から送信された表示制御コマンドに基づく普通図柄表示器40の表示制御が行われる。具体的には、所定の実行条件が成立したときに普通図柄表示器40を制御して所定の普通図柄を所定の可変表示時間が経過するまで点灯・点滅表示させた後、当り又はハズレの普通図柄が確定表示される。
【0108】
普通図柄プロセス処理が終了すると、所定のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から表示制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して、コマンド送信テーブルに格納されている制御コマンドを送出する(ステップS114)。また、CPU103は、所定の情報出力処理を実行することにより、各種出力データの格納領域の内容をI/Oポート104に含まれる各出力ポートに出力する(ステップS115)。この情報出力処理では、主基板11から情報出力基板16に、大当り情報、始動情報、確率変動情報などをホール管理用コンピュータに対して出力する指令の送出も行われる。
【0109】
続いて、CPU103は、所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに普通可変入賞球装置6における可動翼片の可動制御や特別可変入賞球装置7の開閉駆動を行う(ステップS116)。この実施の形態では、図1及び図5に示すように、特別可変入賞球装置7が可変表示装置4の上側に配置されている。そして、CPU103がステップS116のソレノイド出力処理を実行して、ソレノイド回路108によりソレノイド21a及び21bがオン状態に制御されると、可動部材20a、20bが互いに離隔する方向に移動して、入賞領域が開成された状態となる。このように特別可変入賞球装置7が可変表示装置4の上側に配置されたことで、大当り遊技状態や小当り遊技状態において遊技球が特別可変入賞球装置7に入賞しやすくなる。
【0110】
ステップS116のソレノイド出力処理を実行した後、CPU103は、所定の賞球処理を実行することにより、各入賞口スイッチ70から入力された検出信号に基づく賞球数の設定などを行い、払出制御基板15に対して払出制御コマンドを出力可能とする(ステップS117)。
【0111】
次に、表示制御基板12に搭載された表示制御用のCPU113の動作を説明する。図30は、CPU113が実行する表示制御メイン処理を示すフローチャートである。表示制御メイン処理を開始すると、まず、所定の初期化処理を実行することにより、RAM115のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための33ミリ秒タイマの初期設定等を行う(ステップS201)。
【0112】
その後、CPU113は、フラグメモリ135に設けられたタイマ割込フラグを監視し、タイマ割込フラグがセットされるまでループ処理を実行する(ステップS202;No)。このループ処理では、ランダムカウンタ131がカウントするランダムR10〜R16を更新する乱数更新処理が実行される。この実施の形態では、CPU113にて33ミリ秒ごとにタイマ割込みが発生し、このタイマ割込みが発生すると、所定のタイマ割込処理を実行することにより、フラグメモリ135に設けられたタイマ割込フラグがセットされる。
【0113】
CPU113では、33ミリ秒ごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの表示制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、主基板11からの表示制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。表示制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU113は、自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
【0114】
主基板11からの表示制御INT信号がオン状態となることによりCPU113において割込みがかかることで、CPU113は、表示制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポートから、データを読み込む。そして、2バイト構成である表示制御コマンドのMODEデータ、EXTデータを順次受信し、受信コマンドバッファメモリ130にて、コマンド受信個数カウンタにより指定される受信コマンドバッファに、受信したコマンドを格納する。受信コマンドバッファに対する表示制御コマンドの格納が完了すると、コマンド受信個数カウンタのカウント値を更新して、次に受信する表示制御コマンドを適切な受信コマンドバッファに格納できるように設定する。
【0115】
こうして受信コマンドバッファに主基板11から送信された表示制御コマンドが格納される一方で、図30に示すステップS202にてタイマ割込みの発生が確認される。このタイマ割込みの発生が確認されると(ステップS202;Yes)、CPU113は、コマンド解析処理を実行することにより、受信した表示制御コマンドを解析する(ステップS203)。
【0116】
図31は、ステップS203のコマンド解析処理を示すフローチャートである。このコマンド解析処理を開始すると、CPU113は、まず、受信コマンドバッファメモリ130に設けられた受信コマンドバッファに、主基板11から受信した表示制御コマンドが格納されているか否かを確認する(ステップS231)。コマンドが格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致しているときには、受信コマンドが格納されていない。受信コマンドバッファに受信コマンドが格納されているときには(ステップS231;Yes)、CPU113が受信コマンドバッファから受信コマンドを読み出す(ステップS232)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく。
【0117】
CPU113は、読み出した受信コマンドが図柄指定コマンドであるか否かを判別する(ステップS233)。図柄指定コマンドであれば(ステップS233;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM115に確保された特別図柄用の確定図柄格納エリアに格納するとともに(ステップS234)、対応する有効フラグをセットする(ステップS235)。図柄指定コマンドのEXTデータは、特別図柄の図柄番号を示すデータとなっている。これに対して、ステップS232にて読み出した受信コマンドが図柄指定コマンドではないときには(ステップS233;No)、ステップS234及びS235をスキップする。
【0118】
続いて、CPU113は、ステップS232にて読み出した受信コマンドが可変表示開始コマンドであるか否かを判別する(ステップS236)。可変表示開始コマンドであれば(ステップS236;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM115に確保された可変表示パターン格納エリアに格納してセーブするとともに(ステップS237)、フラグメモリ135に設けられた可変表示開始受信フラグをセットする(ステップS238)。これに対して、ステップS232にて読み出した受信コマンドが可変表示開始コマンドではないときには(ステップS236;No)、ステップS237及びS238をスキップする。
【0119】
また、読み出した受信コマンドがその他の表示制御コマンド(例えば確定コマンド)であるときには、フラグメモリ135に設けられたコマンド受信フラグにて、受信した表示制御コマンドに対応するビットをセットし(ステップS239)、ステップS231にリターンする。こうして受信コマンドバッファに格納された全ての受信コマンドに対応した各種の処理が実行され、全ての受信コマンドが読み出されると、コマンド解析処理が終了する。
【0120】
図30に示すように、このようなコマンド解析処理が終了すると、ランダムカウンタ131がカウントするランダムR10〜R16を更新するためのカウンタ更新処理を実行した後(ステップS204)、表示制御プロセス処理を実行する(ステップS205)。図32は、ステップS205の表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。この表示制御プロセス処理において、CPU113は、フラグメモリ135に設けられている表示制御プロセスフラグの値に基づいて、図32に示すステップS240〜S245の6個の処理のいずれかを選択する。以下に、ステップS240〜S245の各処理について説明する。
【0121】
ステップS240の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、表示制御プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、CPU113は、図33に示すように、まず、フラグメモリ135に設けられた可変表示開始フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS251)。上述したコマンド解析処理において、可変表示時間を特定可能な可変表示開始コマンドが受信コマンドバッファから読み出されたときには、可変表示開始フラグがセットされる。
【0122】
ステップS251にて可変表示開始フラグがセットされているときには(ステップS251;Yes)、可変表示開始フラグをクリアし(ステップS252)、表示制御プロセスフラグの値を表示制御設定処理に対応した値である「1」に更新する(ステップS253)。一方、可変表示開始フラグがセットされていないときには(ステップS251;No)、そのまま可変表示開始コマンド受信待ち処理が終了する。
【0123】
図32に示すステップS241の表示制御設定処理は、表示制御プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。図34は、ステップS241の表示制御設定処理を示すフローチャートである。この処理では、主基板11から送信された可変表示開始コマンドの種類と図柄指定コマンドの種類に基づいて決定される可変表示の表示態様と表示結果に応じた処理が、選択されて実行される。
【0124】
表示制御設定処理を開始するにあたって、CPU113は、RAM115に確保された特別図柄用の確定図柄格納エリアと可変表示パターン格納エリアに格納されたデータを読み出し、主基板11から送信された表示制御コマンドにて指定された特別図柄の確定図柄と、可変表示パターンとを、特定する。このとき、特別図柄の確定図柄と、可変表示パターンの内容とが合致しない場合には、所定の基準に従って、実際の遊技状態に極力近づけた表示結果を導出できるように、特別図柄の確定図柄と、可変表示パターンの内容の整合を取るようにしてもよい。
【0125】
表示制御設定処理を開始したCPU113は、既に特定した特別図柄の確定図柄と可変表示パターンに基づいて、可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する(ステップS261)。大当りとしないときには(ステップS261;No)、小当りとするか否かを決定する(ステップS262)。ステップS261及びステップS262にてハズレとすることを決定したときには(ステップS262;No)、リーチとするか否かを決定する(ステップS263)。
【0126】
ステップS263にてリーチとしないことを決定したときには(ステップS263;No)、通常ハズレ表示設定処理を実行する(ステップS264)。一方、リーチとすることを決定したときには(ステップS263;Yes)、リーチハズレ表示設定処理を実行する(ステップS265)。ステップS264及びステップS265の後、ステップS270に進む。
【0127】
ステップS261にて大当りとすることを決定したとき(ステップS261;Yes)、CPU113は、特別図柄の確定図柄に基づいて、確変大当りとするか否かを決定する(ステップS266)。すなわち、特別図柄の確定図柄が「3」であるときには通常大当りとすることを決定し、特別図柄の確定図柄が「7」であるときには確変大当りとすることを決定する。
【0128】
ステップS266にて確変大当りとせず、通常大当りとすることを決定したときには(ステップS266;No)、通常大当り表示設定処理を実行する(ステップS267)。一方、確変大当りとすることを決定したときには(ステップS266;Yes)、確変大当り表示設定処理を実行する(ステップS268)。ステップS267及びステップS268の後、ステップS270に進む。
【0129】
ステップS262にて小当りとすることを決定したとき、すなわち特別図柄の確定図柄が「1」であるとき(ステップS262;Yes)、CPU113は、小当り表示設定処理を実行する(ステップS269)。ステップS270において、CPU113は、表示制御プロセスフラグの値を可変表示開始処理に対応した値である「2」に更新する。
【0130】
図35は、ステップS264の通常ハズレ表示設定処理をより詳細に示すフローチャートである。この処理において、CPU113は、まず、表示制御パターンを選択するための表示制御パターンテーブルとして、図18(A)に示す通常ハズレ表示制御パターンテーブル160を設定する(ステップS401)。この際、CPU113は、可変表示開始コマンドにて指定された可変表示パターンに対応する総可変表示時間を特定する。続いて、ランダムカウンタ131よりランダムR14の値を抽出する(ステップS402)。そして、総可変表示時間とランダムR14の値に基づき、通常ハズレ表示制御パターンテーブル160を用いて通常ハズレ用の表示制御パターンを決定する(ステップS403)。
【0131】
続いて、CPU113は、左可変表示部42aにおける飾り図柄の確定図柄を決定するためのテーブルとして、図23(A)に示す左図柄決定用テーブル172を設定し、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づいて、左可変表示部42aにおける確定図柄を決定する(ステップS404)。また、右可変表示部42cにおける飾り図柄の確定図柄を決定するためのテーブルとして図23(C)に示す右図柄決定用テーブル174を設定し、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR12の値に基づいて、右可変表示部42cにおける確定図柄を左可変表示部42aにおける確定図柄とは異なるものとして決定する(ステップS405)。さらに、任意の飾り図柄を中可変表示部42bにおける確定図柄として決定する(ステップS406)。
【0132】
図36は、図34に示すステップS265のリーチハズレ表示設定処理をより詳細に示すフローチャートである。この処理において、CPU113は、まず、表示制御パターンを選択するための表示制御パターンテーブルとして、図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161を設定する(ステップS411)。この際、CPU113は、可変表示開始コマンドにより指定された可変表示パターンに対応する総可変表示時間を特定する。続いて、ランダムカウンタ131よりランダムR14及びR15の値を抽出する(ステップS412)。そして、総可変表示時間とランダムR14及びR15の値に基づき、リーチハズレ表示制御パターンテーブル161を用いてリーチハズレ用の表示制御パターンを選択決定する(ステップS413)。
【0133】
ここで、リーチハズレ表示制御パターンテーブル161には、可変表示中に一旦導出表示した飾り図柄を再変動させる表示制御パターンと、再変動させない表示制御パターンとが格納されている。図18(B)に示す例では、ステップS412にて抽出したランダムR15の値が「0」〜「5」のいずれかであるときには、一旦導出表示した飾り図柄を再変動させる表示制御パターンが選択される。一方、ランダムR15の値が「6」〜「21」のいずれかであるときには、導出表示した飾り図柄を再変動させない表示制御パターンが選択される。こうしたステップS413の処理により、可変表示の表示結果をリーチハズレとするときに、可変表示における表示態様を一旦導出表示した飾り図柄の再変動を行う再変動表示態様とするか、一旦導出表示した飾り図柄の再変動は行わない非再変動表示態様とするかを、選択決定することができる。
【0134】
ステップS413にて選択決定された表示制御パターンに基づいて、CPU113は、飾り図柄の再変動を実行するか否かを判定する(ステップS414)。再変動しないと判定したときには(ステップS414;No)、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づき、図23(A)に示す左図柄決定用テーブル172を用いて左可変表示部42aにおける確定図柄を決定する(ステップS415)。また、右可変表示部42cにおける確定図柄を左可変表示部42aにおける確定図柄と同一のものとすることを決定するとともに(ステップS416)、左・右可変表示部42a、42cにおける確定図柄とは異なる飾り図柄を、中可変表示部42bにおける確定図柄として決定する(ステップS417)。
【0135】
一方、ステップS414にて再変動すると判定したときには(ステップS414;Yes)、左・中可変表示部42a、42bにて一旦導出表示してリーチ表示態様で仮停止させる飾り図柄を決定するためのテーブルとして図23(D)に示すリーチ図柄決定用テーブル175を設定し、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づいて、リーチ表示態様で仮停止させるリーチ図柄を決定する(ステップS418)。そして、リーチ図柄とは異なる飾り図柄を左可変表示部42a又は右可変表示部42cにおける確定図柄として決定する(ステップS419)。
【0136】
図37及び図38は、図34に示すステップS267の通常大当り表示設定処理をより詳細に示すフローチャートである。この処理において、CPU113は、まず、ランダムカウンタ131よりランダムR16の値を抽出し(ステップS421)、抽出したランダムR16の値に基づいてオールマイティ図柄を導出表示するか否かを決定する(ステップS422)。例えば、ステップS421にて抽出したランダムR16の値が「0」〜「9」のいずれかであるときには、左可変表示部42aにおける飾り図柄の可変表示において、オールマイティ図柄を表示結果として導出表示しないことを決定する。一方、ランダムR16の値が「10」〜「12」のいずれかであるときには、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにおける可変表示の表示結果として導出表示することを決定する。
【0137】
ステップS422にてオールマイティ図柄を導出表示しないことを決定したとき(ステップS422;No)、CPU113は、表示制御パターンを選択するための表示制御パターンテーブルとして、図20(A)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル163を設定する(ステップS423)。一方、オールマイティ図柄を導出表示することを決定したときには(ステップS422;Yes)、図20(B)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル164を設定する(ステップS424)。また、ステップS423、S424において、CPU113は、可変表示開始コマンドにより指定された可変表示パターンに対応する総可変表示時間を特定する。
【0138】
続いて、CPU113は、ランダムカウンタ131よりランダムR14及びR15の値を抽出し(ステップS425)、総可変表示時間とランダムR14及びR15の値に基づき、ステップS423あるいはS424にて設定した表示制御パターンテーブルを用いて通常大当り用の表示制御パターンを選択決定する(ステップS426)。
【0139】
ここで、図20(B)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル164は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにおける表示結果として導出表示させた後、主基板11から送信された確定コマンドを受信するより前に、所定の差替タイミングにてオールマイティ図柄を他の飾り図柄に差し替えて変更するための表示制御パターンを格納している。従って、図20(B)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル164を用いて表示制御パターンを選択決定したときには、各種タイマ133に含まれる図柄差替時間タイマに、総可変表示時間よりも所定時間(例えば2秒)だけ短い時間に相当するカウント初期値が設定される。すなわち、図柄差替時間タイマにおけるカウント初期値は、特別図柄と飾り図柄の総可変表示時間に基づいて決定される。そして、特別図柄及び飾り図柄の可変表示開始とともに、図柄差替時間タイマのカウントダウン動作が開始されることとなる。
【0140】
また、図20(A)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル163と、図20(B)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル164には、図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161と同様に、可変表示中に一旦導出表示した飾り図柄を再変動させる表示制御パターンと、再変動させない表示制御パターンとが格納されている。従って、ステップS426の処理にて表示制御パターンを選択決定することにより、可変表示の表示結果を通常大当りとするときに、可変表示の表示態様を再変動表示態様とするか、非再変動表示態様とするかを、選択決定することができる。
【0141】
ステップS426にて選択決定された表示制御パターンに基づいて、CPU113は、飾り図柄の再変動を実行するか否かを判定する(ステップS427)。再変動しないと判定したときには(ステップS427;No)、さらに、オールマイティ図柄を導出表示するか否かを判定する(ステップS428)。ステップS428にてオールマイティ図柄を導出表示しないと判定したときには(ステップS428;No)、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、図23(D)に示すリーチ図柄決定用テーブル175を用いて、左・右可変表示部42a、42cにてリーチ表示態様で仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS429)。この後、ステップS436に進む。
【0142】
ステップS428にてオールマイティ図柄を導出表示すると判定したとき(ステップS428;Yes)、CPU113は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにて仮停止表示する図柄として決定する(ステップS430)。さらに、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、リーチ図柄決定用テーブル175を用いて右可変表示部42cにて仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS431)。この後、ステップS436に進む。
【0143】
また、ステップS427にて飾り図柄の再変動を実行すると判定したとき(ステップS427;Yes)、CPU113は、さらにオールマイティ図柄を導出表示するか否かを判定する(図38に示すステップS432)。ステップS432にてオールマイティ図柄を導出表示しないと判定したときには(ステップS432;No)、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、リーチ図柄決定用テーブル175を用いて左・中可変表示部42a、42bにてリーチ表示態様で仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS433)。この後、ステップS436に進む。
【0144】
ステップS432にてオールマイティ図柄を導出表示すると判定したとき(ステップS432;Yes)、CPU113は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにて仮停止表示する図柄として決定する(ステップS434)。さらに、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、リーチ図柄決定用テーブル175を用いて中可変表示部42bにて仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS435)。この後、ステップS436に進む。
【0145】
図37に示すステップS436において、CPU113は、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づき、図22(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル170を用いて通常大当り用の確定図柄、すなわち左・中・右可変表示部42a〜42cにおける同一の確定図柄を決定する。ステップS436にて決定された確定図柄は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにおける可変表示の表示結果として導出表示した場合に、所定の差替タイミングにてオールマイティ図柄と差し替えられる図柄となる。すなわち、このステップS436の処理により、オールマイティ図柄と差し替えられる図柄が決定される。
【0146】
図39及び図40は、図34に示すステップS268の確変大当り表示設定処理をより詳細に示すフローチャートである。この処理において、CPU113は、まず、ランダムカウンタ131よりランダムR16の値を抽出し(ステップS441)、抽出したランダムR16の値に基づいてオールマイティ図柄を導出表示するか否かを決定する(ステップS442)。
【0147】
ステップS442にてオールマイティ図柄を導出表示しないことを決定したとき(ステップS442;No)、CPU113は、表示制御パターンを選択するための表示制御パターンテーブルとして、図21(A)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル165を設定する(ステップS443)。一方、オールマイティ図柄を導出表示することを決定したときには(ステップS442;Yes)、図21(B)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル166を設定する(ステップS444)。また、ステップS443、S444において、CPU113は、可変表示開始コマンドにより指定された可変表示パターンに対応する総可変表示時間を特定する。
【0148】
続いて、CPU113は、ランダムカウンタ131よりランダムR14及びR15の値を抽出し(ステップS445)、総可変表示時間とランダムR14及びR15の値に基づき、ステップS443あるいはS444にて設定した表示制御パターンテーブルを用いて確変大当り用の表示制御パターンを選択決定する(ステップS446)。
【0149】
ここで、図21(B)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル166は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにおける表示結果として導出表示させた後、主基板11から送信された確定コマンドを受信するより前に、所定の差替タイミングにてオールマイティ図柄を他の飾り図柄に差し替えて変更するための表示制御パターンを格納している。従って、図21(B)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル166を用いて表示制御パターンを選択決定したときには、各種タイマ133に含まれる図柄差替時間タイマに、総可変表示時間よりも所定時間(例えば2秒)だけ短い時間に相当するカウント初期値が設定される。すなわち、図柄差替時間タイマにおけるカウント初期値は、特別図柄と飾り図柄の総可変表示時間に基づいて決定される。そして、特別図柄及び飾り図柄の可変表示開始とともに、図柄差替時間タイマのカウントダウン動作が開始されることとなる。
【0150】
また、図21(A)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル165と、図21(B)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル166には、図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161と同様に、可変表示中に一旦導出表示した飾り図柄を再変動させる表示制御パターンと、再変動させない表示制御パターンとが格納されている。従って、ステップS446の処理にて表示制御パターンを選択決定することにより、可変表示の表示結果を確変大当りとするときに、可変表示における表示態様を再変動表示態様とするか、非再変動表示態様とするかを、選択決定することができる。
【0151】
ステップS446にて選択決定された表示制御パターンに基づいて、CPU113は、飾り図柄の再変動を実行するか否かを判定する(ステップS447)。再変動しないと判定したときには(ステップS447;No)、さらに、オールマイティ図柄を導出表示するか否かを判定する(ステップS448)。ステップS448にてオールマイティ図柄を導出表示しないと判定したときには(ステップS448;No)、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、図23(D)に示すリーチ図柄決定用テーブル175を用いて、左・右可変表示部42a、42cにてリーチ表示態様で仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS449)。この後、ステップS456に進む。
【0152】
ステップS448にてオールマイティ図柄を導出表示すると判定したとき(ステップS448;Yes)、CPU113は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにて仮停止表示する図柄として決定する(ステップS450)。さらに、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、リーチ図柄決定用テーブル175を用いて右可変表示部42cにて仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS451)。この後、ステップS456に進む。
【0153】
また、ステップS447にて飾り図柄の再変動を実行すると判定したとき(ステップS447;Yes)、CPU113は、さらにオールマイティ図柄を導出表示するか否かを判定する(図40に示すステップS452)。ステップS452にてオールマイティ図柄を導出表示しないと判定したときには(ステップS452;No)、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、リーチ図柄決定用テーブル175を用いて左・中可変表示部42a、42bにてリーチ表示態様で仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS453)。この後、ステップS456に進む。
【0154】
ステップS452にてオールマイティ図柄を導出表示すると判定したとき(ステップS452;Yes)、CPU113は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにて仮停止表示する図柄として決定する(ステップS454)。さらに、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、リーチ図柄決定用テーブル175を用いて中可変表示部42bにて仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS455)。この後、ステップS456に進む。
【0155】
図39に示すステップS456において、CPU113は、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づき、図22(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル170を用いて確変大当り用の確定図柄、すなわち左・中・右可変表示部42a〜42cにおける同一の確定図柄を決定する。ステップS456にて決定された確定図柄は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにおける可変表示の表示結果として導出表示した場合に、所定の差替タイミングにてオールマイティ図柄と差し替えられる図柄となる。すなわち、このステップS456の処理により、オールマイティ図柄と差し替えられる図柄が決定される。
【0156】
図41は、図34に示すステップS269の小当り表示設定処理をより詳細に示すフローチャートである。この処理において、CPU113は、まず、表示制御パターンを選択するための表示制御パターンテーブルとして、図19に示す小当り表示制御パターンテーブル162を設定する(ステップS461)。この際、CPU113は、可変表示開始コマンドにより指定された可変表示パターンに対応する総可変表示時間を特定する。続いて、ランダムカウンタ131よりランダムR14及びR15の値を抽出する(ステップS462)。そして、総可変表示時間とランダムR14及びR15の値に基づき、小当り表示制御パターンテーブル162を用いて小当り用の表示制御パターンを選択決定する(ステップS463)。
【0157】
ここで、図19に示す小当り表示制御パターンテーブル162には、図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161と同様に、可変表示中に一旦導出表示した飾り図柄を再変動させる表示制御パターンと、再変動させない表示制御パターンとが格納されている。従って、ステップS463の処理にて表示制御パターンを選択決定することにより、可変表示の表示結果を小当りとするときに、可変表示における表示態様を再変動表示態様とするか、非再変動表示態様とするかを、選択決定することができる。
【0158】
ステップS463に続いて、CPU113は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにおける確定図柄とすることを決定する(ステップS464)。すなわち、可変表示の表示結果を小当りとするときには、左可変表示部42aに表示結果として導出表示されたオールマイティ図柄を差し替えることなく可変表示を終了することが決定される。これにより、左可変表示部42aに表示結果として導出表示されたオールマイティ図柄が差し替えられるのは、可変表示の表示結果が特定表示結果である大当りとなるときのみとなり、小当りとなるときにはオールマイティ図柄の差し替えによる変更が規制される。
【0159】
ステップS463にて選択決定された表示制御パターンに基づいて、CPU113は、飾り図柄の再変動を実行するか否かを判定する(ステップS465)。再変動しないと判定したときには(ステップS465;No)、任意の飾り図柄を右可変表示部42cにおける確定図柄として決定し(ステップS466)、右可変表示部42cにおける確定図柄とは異なる図柄を中可変表示部42bにおける確定図柄として決定する(ステップS467)。
【0160】
また、ステップS465にて飾り図柄の再変動を実行すると判定したとき(ステップS465;Yes)、CPU113は、中可変表示部42bにおいて仮停止表示する図柄、及び確定図柄として、任意の飾り図柄を選択決定する(ステップS468)。さらに、中可変表示部42bにおける確定図柄とは異なる図柄を右可変表示部42cにおける確定図柄として決定する(ステップS469)。
【0161】
図32に示すステップS242の可変表示開始時処理は、表示制御プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この処理において、CPU113は、図42に示すように、まず、今回実行する可変表示にて、オールマイティ図柄を表示結果として導出表示するか否かを判定する(ステップS271)。オールマイティ図柄を導出表示するときには(ステップS271;Yes)、可変表示の表示結果を小当りとするか否かを判定する(ステップS272)。
【0162】
ステップS272にて表示結果を小当りとしないとき(ステップS272;No)、CPU113は、表示結果を大当りとし、かつ、オールマイティ図柄を表示結果として導出表示すると判断して、各種タイマ133に含まれる図柄差替時間タイマのカウントダウン動作をスタートさせる(ステップS273)。このときには、図柄差替時間タイマに、可変表示における特別図柄と飾り図柄の総可変表示時間よりも所定時間(例えば2秒)だけ短い時間に相当するカウント初期値が設定されている。そして、ステップS273を実行した後には、図柄差替時間タイマにおけるカウント値が定期的にカウントダウンされる。
【0163】
ステップS271にてオールマイティ図柄を導出表示しないと判定したときや(ステップS271;No)、ステップS272にて表示結果を小当りにすると判定したときには(ステップS272;Yes)、ステップS273をスキップし、図柄差替時間タイマのカウントダウン動作は行わない。
【0164】
続いて、CPU113は、VDP116に指令を送り、可変表示装置4の特別図柄表示エリア41にて特別図柄を、左・中・右の可変表示部42a〜42cにて飾り図柄を、それぞれ徐々に加速する態様で表示させて、特別図柄及び飾り図柄の可変表示を開始させる(ステップS274)。また、可変表示パターンに対応した総可変表示時間に相当するカウント初期値を、各種タイマ133に含まれる可変表示時間タイマにセットしてカウントダウン動作を開始させることにより、可変表示時間の計測を開始させる(ステップS275)。そして、表示制御プロセスフラグの値を図柄可変表示中処理に対応する値である「3」に更新する。
【0165】
図32に示すステップS243の図柄可変表示中処理は、表示制御プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU113は、図43に示すように、まず、各種タイマ133に含まれる図柄差替時間タイマがタイムアウトしたか否かを判別する(ステップS281)。図柄差替時間タイマがタイムアウトするときには、左可変表示部42aにてオールマイティ図柄が表示結果として導出表示されているが、主基板11から送信される確定コマンドは未だ受信していない。
【0166】
図柄差替時間タイマがタイムアウトしたとき(ステップS281;Yes)、CPU113は、所定の差替タイミングが到来したと判断して、左可変表示部42aにて表示結果として導出表示されているオールマイティ図柄を、大当りの確定図柄として選択決定したオールマイティ図柄以外の飾り図柄に差し替える(ステップS282)。一方、図柄差替時間タイマがタイムアウトしていないときには(ステップS281;No)、ステップS282をスキップする。図柄差替時間タイマがカウントダウン動作を行っていないときにも、ステップS282はスキップされる。
【0167】
続いて、CPU113は、各種タイマ133に含まれる可変表示時間タイマがタイムアウトしたか否かを判別する(ステップS283)。可変表示時間タイマには、可変表示装置4にて行われている可変表示の残り時間に相当するカウント値が格納され、可変表示の終了タイミングでカウント値が「0」となる。可変表示時間タイマがタイムアウトしたときには(ステップS283;Yes)、各種タイマ133に含まれる監視タイマに対して予め定められたカウント初期値を設定し、その監視タイマのカウントダウンをスタートさせるとともに(ステップS284)、表示制御プロセスフラグの値を図柄停止待ち処理に対応する値である「4」に更新する(ステップS285)。可変表示時間タイマがタイムアウトしていないときには(ステップS283;No)、ステップS284及びS285をスキップする。
【0168】
図32に示すステップS244の図柄停止待ち処理は、表示制御プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、CPU113は、図44に示すように、まず、主基板11から送信された確定コマンドを表示制御コマンドとして受信したか否かを判別する(ステップS291)。確定コマンドを受信していないときには(ステップS291;No)、監視タイマがタイムアウトしたか否かを判別し(ステップS292)、タイムアウトしていなければ(ステップS292;No)、そのまま図柄停止待ち処理が終了する。
【0169】
一方、監視タイマがタイムアウトしたとき(ステップS292;Yes)、CPU113は、何らかの異常が発生したと判断して、可変表示装置4上に所定のエラー画面を表示する制御を行う(ステップS293)。この後、ステップS296に進む。
【0170】
また、ステップS291にて確定コマンドを受信したと判別したとき(ステップS291;Yes)、CPU113は、可変表示装置4にて実行中である特別図柄及び飾り図柄の可変表示を終了させ、各図柄における確定図柄を停止表示する制御を行い(ステップS294)、各図柄の表示結果が特定表示結果である大当りとなったか否かを判別する(ステップS295)。大当りではないときには(ステップS295;No)、ステップS296に進み、大当りであるときには(ステップS295;Yes)、ステップS297に進む。
【0171】
ステップS296において、CPU113は、表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新して、図柄停止待ち処理を終了する。また、ステップS297においては、表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応する値である「5」に更新して、図柄停止待ち処理が終了する。
【0172】
図32に示すステップS245の大当り表示処理は、表示制御プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、CPU113は、可変表示装置4を制御することにより、確変大当りにより発生する特別遊技状態や、通常大当りにより発生する特定遊技状態に応じた画像を表示する制御を行う。そして、特別遊技状態や特定遊技状態が終了すると、表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0173】
以下、図45〜図57を参照して、可変表示装置4における特別図柄と飾り図柄の可変表示を制御するための表示制御パターンの例について説明する。図45は、各表示制御パターンを構成するプロセス(可変表示の状態)を示す説明図である。なお、以下の説明では、左可変表示部42aに表示される飾り図柄を左図柄、中可変表示部42bに表示される飾り図柄を中図柄、右可変表示部42cに表示される飾り図柄を右図柄ともいう。
【0174】
図46(A)は、主基板11に搭載されたCPU103により図12(A)に示す通常ハズレ可変表示パターンテーブル140を用いて決定される可変表示パターンのうち、通常A(ハズレ)の可変表示パターンに対応して選択決定される表示制御例を示すタイミング図である。図47(A)は、図46(A)の表示制御タイミングに対応した図柄の可変表示態様の一例を示している。
【0175】
この例では、EXTデータが00(h)である可変表示開始コマンドを、表示制御基板12のCPU113が主基板11から受信すると、図18(A)に示す通常ハズレ表示制御パターンテーブル160を用いてCPU113が独自に決定した表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図46(A)に示す表示制御タイミングが選択決定される。図46(A)に示す表示制御タイミングによる可変表示では、可変表示の開始タイミングから全図柄の確定図柄が停止表示されるタイミングまでの総可変表示時間が、EXTデータが00(h)である可変表示開始コマンドに対応して、T0に設定されている。
【0176】
図46(A)に示す表示制御タイミングによる場合、まず、プロセスaにおいて左、右、中図柄の加速変動が行われる。プロセスaにより全図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbにより一定速の可変表示が行われる。その後、左図柄、右図柄の順に順次、プロセスcにより減速変動に移行し、表示結果となる図柄を導出表示する。導出表示された左図柄、右図柄については、プロセスdにより仮停止表示され、停止表示結果が確定していない状態で、導出表示された図柄を図柄のスクロール方向の順方向と逆方向とに交互に揺動する態様で表示される。こうした揺動する態様での仮停止表示は、揺れ変動表示とも称する。
【0177】
その後、中図柄がプロセスcにより減速変動に移行し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、全図柄の確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。なお、中図柄も、プロセスcによる減速変動の後に所定時間が経過するまで仮停止表示を行い、その後に停止表示するようにしてもよい。図46(A)に示す表示制御タイミングに従って、可変表示装置4上には、例えば図47(A)に示すように、リーチとなることなく、左図柄、右図柄、中図柄の順に導出表示され、ハズレの確定図柄が停止表示される。
【0178】
図46(B)は、図12(B)に示すリーチハズレ可変表示パターンテーブル141を用いて決定される可変表示パターンのうち、リーチA(ハズレ)の可変表示パターンに対応して選択決定される表示制御例を示すタイミング図である。図47(B)は、図46(B)の表示制御タイミングに対応した図柄の可変表示態様の一例を示している。
【0179】
この例では、EXTデータが10(h)であるリーチA(ハズレ)の可変表示開始コマンドを、表示制御基板12のCPU113が主基板11から受信すると、図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161を用いてCPU113が独自に決定した表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図46(B)に示す表示制御タイミングが選択決定される。図46(B)に示す表示制御タイミングによる可変表示では、可変表示の開始タイミングから全図柄の確定図柄が停止表示されるタイミングまでの総可変表示時間が、EXTデータが10(h)である可変表示開始コマンドに対応して、T2に設定されている。
【0180】
図46(B)に示す表示制御タイミングによる場合、まず、プロセスaにおいて左、右、中図柄が加速変動し、全図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbにより一定速の可変表示が行われる。一定速の可変表示が所定期間行われた後に、左図柄、右図柄の順に順次、プロセスcによる減速変動に移行し、表示結果となる図柄を導出表示させる。導出表示した左図柄と右図柄は、それぞれプロセスdによる仮停止表示状態となる。その後、中図柄がプロセスcにより減速変動し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、全図柄の確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。図46(B)に示す表示制御タイミングに従って、可変表示装置4上では、例えば図47(B)に示すように、通常のリーチ表示態様にて可変表示が行われた後、中図柄の表示結果が導出表示されてハズレの確定図柄が停止表示される。
【0181】
図46(C)は、図12(D)に示す大当り可変表示パターンテーブル143を用いて決定される可変表示パターンのうち、リーチA(大当り)の可変表示パターンに対応して選択決定される表示制御例を示すタイミング図である。図47(C)は、図46(C)の表示制御タイミングに対応した図柄の可変表示態様の一例を示している。
【0182】
この例では、EXTデータが30(h)であるリーチA(大当り)の可変表示開始コマンドを、表示制御基板12のCPU113が主基板11から受信すると、CPU113は、さらに主基板11から送信された図柄指定コマンドにて、特別図柄の確定図柄を通常大当り図柄である「3」とすることが指定されていると特定する。そして、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR16の値に基づき、オールマイティ図柄を導出表示するか否かを決定する。図46(C)に示す例では、オールマイティ図柄の導出表示を行わないことに決定し、図20(A)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル163を用いて表示制御パターンを選択決定する。こうして選択決定した表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図46(C)に示す表示制御タイミングが決定される。図46(C)に示す表示制御タイミングによる可変表示では、可変表示の開始タイミングから全図柄の確定図柄が停止表示されるタイミングまでの総可変表示時間が、EXTデータが30(h)である可変表示開始コマンドに対応して、T7に設定されている。
【0183】
図46(C)に示す表示制御タイミングによる場合、プロセスaにおいて左、右、中図柄の加速変動が行われ、全図柄が所定速度まで加速した後に、プロセスbにより一定速の可変表示が行われる。一定速の可変表示が所定期間行われた後に、左図柄、右図柄の順に順次、プロセスcによる減速変動に移行し、表示結果となる図柄を導出表示させる。導出表示された左図柄と右図柄は、それぞれプロセスdによる仮停止表示状態となる。その後、中図柄がプロセスcにより減速変動し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、全図柄の確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。図46(C)に示す表示制御タイミングに従って、可変表示装置4上では、例えば、図47(C)に示すように、通常のリーチ表示態様にて可変表示が行われた後、中図柄の表示結果が導出表示されて通常大当りの確定図柄が停止表示される。
【0184】
図48(A)に示す表示制御例では、図46(C)に示す例と同様に、主基板11において、CPU103が図12(D)に示す大当り可変表示パターンテーブル143を用いてリーチA(大当り)の可変表示パターンを使用することを決定する。そして、EXTデータが30(h)であるリーチA(大当り)の可変表示開始コマンドが主基板11から表示制御基板12へ送信される。また、図柄指定コマンドでは、特別図柄の確定図柄を通常大当り図柄である「3」とすることが指定される。
【0185】
しかしながら、図48(A)に示す表示制御例では、表示制御基板12の側において、図46(C)に示す例とは異なり、CPU113がランダムカウンタ131より抽出したランダムR16の値に基づき、オールマイティ図柄を導出表示することを決定する。この場合、CPU113は、図20(B)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル164を用いて表示制御パターンを選択決定する。また、CPU113は、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づき、図22(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル170を用いて飾り図柄における通常大当り用の確定図柄を決定する。この例では、通常大当り用の確定図柄として「4」が決定されるものとする。
【0186】
こうして選択決定された表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図48(A)に示す表示制御タイミングが決定される。図48(A)に示す表示制御タイミングによる可変表示では、可変表示の開始タイミングから全図柄の確定図柄が停止表示されるタイミングまでの総可変表示時間が、EXTデータが30(h)である可変表示開始コマンドに対応して、T7に設定されている。
【0187】
図48(A)に示す表示制御タイミングによる場合、プロセスaにおいて左、右、中図柄の加速変動が行われ、全図柄が所定速度まで加速した後に、プロセスbにより一定速の可変表示が行われる。一定速の可変表示が所定期間行われた後、図49(B)に示すように、左図柄の表示結果としてオールマイティ図柄が導出表示される。導出表示されたオールマイティ図柄は、プロセスfによる仮停止表示状態となる。続いて、右図柄の表示結果となる飾り図柄が導出表示され、図49(C)に示すように、プロセスdによる仮停止表示状態となる。こうして、可変表示装置4に表示された飾り図柄はリーチ表示態様となる。そして、中図柄は、プロセスcにより減速変動し、図49(D)に示すように、右図柄と同一の図柄が表示結果として導出表示され、プロセスdによる仮停止表示状態となる。
【0188】
こうして大当りとなる表示結果が導出表示されたときには、表示制御基板12の側で主基板11から送信された確定コマンドを受信するよりも前に、図柄差替時間タイマがタイムアウトすることにより差替タイミングが到来する。差替タイミングとなると、CPU113は、左図柄の表示結果として仮停止表示状態にあるオールマイティ図柄を、図49(E)に示すように、通常大当りの表示結果となるオールマイティ図柄以外の飾り図柄に差し替える。そして、特別図柄表示エリア41に図柄指定コマンドで指定された特別図柄「3」を導出表示し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、図49(F)に示すように、通常大当りの確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。
【0189】
また、図48(A)に示す表示制御例において、主基板11から送信された図柄指定コマンドにて、特別図柄の確定図柄を確変大当り図柄である「7」とすることが指定されたとする。このときには、CPU113がランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づき、図22(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル171を用いて確変大当り用の確定図柄を決定する。
【0190】
例えば確変大当り用の確定図柄として「7」が決定されたときには、図50(D)に示すように、可変表示の表示結果としてオールマイティ図柄を含んだ確変大当りの表示結果が導出表示され、各図柄が仮停止表示状態となった後に、図柄差替時間タイマがタイムアウトして差替タイミングが到来する。差替タイミングとなると、CPU113は、左図柄の表示結果として仮停止表示状態にあるオールマイティ図柄を、図50(E)に示すように、確変大当りの表示結果となるオールマイティ図柄以外の飾り図柄に差し替える。そして、特別図柄表示エリア41に図柄指定コマンドで指定された特別図柄「7」を導出表示し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、図50(F)に示すように、確変大当りの確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。
【0191】
図48(B)は、図12(C)に示す小当り可変表示パターンテーブル142を用いて決定される可変表示パターンのうち、リーチA(小当り)の可変表示パターンに対応して選択決定される表示制御例を示すタイミング図である。図51は、図48(B)の表示制御タイミングに対応した図柄の可変表示態様の一例を示している。
【0192】
この例では、EXTデータが20(h)であるリーチA(小当り)の可変表示開始コマンドを、表示制御基板12のCPU113が主基板11から受信すると、CPU113は、さらに主基板11から送信された図柄指定コマンドにて、特別図柄の確定図柄を小当り図柄である「1」とすることが指定されていると特定する。この場合には、左図柄の確定図柄としてはオールマイティ図柄が選択決定される。そして、図19に示す小当り表示制御パターンテーブル162を用いて表示制御パターンを選択決定する。こうして選択決定された表示制御パターンに対応して、複数の表示制御タイミングのうちから図48(B)に示す表示制御タイミングが決定される。図48(B)に示す表示制御タイミングによる可変表示では、可変表示の開始タイミングから全図柄の確定図柄が停止表示されるタイミングまでの総可変表示時間が、EXTデータが20(h)である可変表示開始コマンドに対応して、T5に設定されている。
【0193】
図48(B)に示す表示制御タイミングによる場合、左、右、中図柄の加速変動に続いて一定速の可変表示が行われた後、図51(B)に示すように、左図柄の表示結果としてオールマイティ図柄が導出表示される。導出表示されたオールマイティ図柄は、プロセスfによる仮停止表示状態となる。続いて、右図柄の表示結果として任意の飾り図柄(図51に示す例では「7」)が導出表示され、図51(C)に示すように、プロセスdによる仮停止表示状態となる。こうして可変表示装置4に表示された飾り図柄は、リーチ表示態様となる。そして、中図柄がプロセスcにより減速変動し、図51(D)に示すように、右図柄とは異なる図柄が表示結果として導出表示され、プロセスdによる仮停止表示状態となる。
【0194】
こうして小当りとなる表示結果が導出表示されたときには、左図柄の表示結果として導出表示されて仮停止表示状態にあるオールマイティ図柄の差し替えを行わない。そして、特別図柄表示エリア41に図柄指定コマンドで指定された特別図柄「1」を導出表示し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、図51(E)に示すように、小当りの確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。
【0195】
図52及び図55は、表示制御基板12のCPU113が複数の表示制御パターンのうちから、一旦導出表示した左図柄を再変動させるための表示制御パターンを選択決定した場合における、表示制御例を示すタイミング図である。
【0196】
図52(A)に示す表示制御例では、主基板11に搭載されたCPU103が図12(B)に示すリーチハズレ可変表示パターンテーブル141を用いてリーチA(ハズレ)の可変表示パターンを使用すると決定し、EXTデータが10(h)である可変表示開始コマンドを送信する。表示制御基板12のCPU113は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドを受信すると、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR14及びR15の値に基づき、図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161を用いて表示制御パターンを選択決定する。
【0197】
この場合、例えば抽出されたランダムR15の値が「0」〜「5」のいずれかであるときに、可変表示における表示態様を再変動表示態様とするための表示制御パターンが選択決定される。こうして選択決定した表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図52(A)に示す表示制御タイミングが決定される。図52(A)に示す表示制御タイミングによる可変表示では、可変表示の開始タイミングから全図柄の確定図柄が停止表示されるタイミングまでの総可変表示時間が、EXTデータが10(h)である可変表示開始コマンドに対応して、T2に設定されている。
【0198】
図52(A)に示す表示制御タイミングによる場合、左、右、中図柄の加速変動に続いて一定速の可変表示が行われた後、図53(B)及び(C)に示すように、左図柄、中図柄の順に順次、同一の図柄が表示結果として導出表示され、それぞれ仮停止表示状態となる。こうして可変表示装置4に表示された飾り図柄は、リーチ表示態様となる。この後、左図柄と右図柄が、中図柄と重ねて表示されてから、図53(D)に示すように、中図柄から分身する態様で表示される。このとき、CPU113はプロセスeにより、一旦導出表示されて仮停止表示状態となっていた左図柄を、一定速の可変表示が継続して行われている右図柄の可変表示態様と同期させて再変動させる。
【0199】
こうして一旦導出表示された左図柄の再変動が開始されると、図53(E)に示すように、左図柄と右図柄は中図柄から離れる方向へ移動する。そして、図53(F)に示すように、本来の左図柄と右図柄の可変表示位置に戻る。この後、左図柄と右図柄をプロセスcにより減速変動し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、図53(H)に示すように、リーチハズレの確定図柄を停止表示する。
【0200】
図52(B)に示す表示制御例では、主基板11に搭載されたCPU103が図12(D)に示す大当り可変表示パターンテーブル143を用いてリーチA(大当り)の可変表示パターンを使用すると決定し、EXTデータが30(h)である可変表示開始コマンドを送信する。また、図柄指定コマンドでは、特別図柄の確定図柄として確変大当り図柄である「7」が指定される。
【0201】
表示制御基板12のCPU113は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドを受信すると、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR16の値に基づき、オールマイティ図柄を導出表示しないことを決定する。この場合、CPU113は、図21(A)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル165を用いて表示制御パターンを選択決定する。このとき、例えばランダムカウンタ131より抽出したランダムR15の値が「0」〜「5」のいずれかであるとして、可変表示における表示態様を再変動表示態様とするための表示制御パターンが選択決定されるものとする。CPU113は、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づき、図22(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル171を用いて、飾り図柄における確変大当り用の確定図柄を決定する。この例では、確変大当り用の確定図柄として「7」が決定されるものとする。
【0202】
こうして選択決定された表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図52(B)に示す表示制御タイミングが決定される。図52(B)に示す表示制御タイミングによる可変表示では、可変表示の開始タイミングから全図柄の確定図柄が停止表示されるタイミングまでの総可変表示時間が、EXTデータが30(h)である可変表示開始コマンドに対応して、T7に設定されている。
【0203】
図52(B)に示す表示制御タイミングによる場合、左、右、中図柄の加速変動に続いて一定速の可変表示が行われた後、図54(B)及び(C)に示すように、左図柄、中図柄の順に順次、同一の図柄が表示結果として導出表示され、それぞれ仮停止表示状態となる。こうして可変表示装置4に表示された飾り図柄は、リーチ表示態様となる。この後、左図柄と右図柄が、中図柄と重ねて表示されてから、図54(D)に示すように、中図柄から分身する態様で表示される。このとき、CPU113はプロセスeにより、一旦導出表示されて仮停止表示状態となっていた左図柄を、一定速の可変表示が継続して行われている右図柄の可変表示態様と同期させて再変動させる。
【0204】
こうして一旦導出表示された左図柄の再変動が開始されると、図54(E)に示すように、左図柄と右図柄は中図柄から離れる方向へ移動する。そして、図54(F)に示すように、本来の左図柄と右図柄の可変表示位置に戻る。この後、左図柄と右図柄をプロセスcにより減速変動し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、図54(H)に示すように、確変大当りの確定図柄を停止表示する。
【0205】
図55(A)に示す表示制御例では、図52(B)に示す例と同様に、主基板11において、CPU103が図12(D)に示す大当り可変表示パターンテーブル143を用いてリーチA(大当り)の可変表示パターンを使用すると決定する。そして、EXTデータが30(h)であるリーチA(大当り)の可変表示開始コマンドが主基板11から表示制御基板12へ送信される。また、図柄指定コマンドでは、特別図柄の確定図柄として確変大当り図柄である「7」が指定される。
【0206】
しかしながら、図55(A)に示す表示制御例では、表示制御基板12の側において、図52(B)に示す例とは異なり、CPU113がランダムカウンタ131より抽出したランダムR16の値に基づき、オールマイティ図柄を導出表示することを決定する。この場合、CPU113は、図21(B)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル166を用いて表示制御パターンを選択決定する。このとき、例えばランダムカウンタ131より抽出したランダムR15の値が「6」〜「21」のいずれかであるとして、可変表示における表示態様を再変動表示態様とするための表示制御パターンが選択決定される。また、CPU113は、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づき、図22(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル171を用いて、飾り図柄における確変大当り用の確定図柄を決定する。この例では、確変大当り用の確定図柄として「7」が決定されるものとする。
【0207】
こうして選択決定された表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図55(A)に示す表示制御タイミングが決定され、各図柄の可変表示が開始される。図55(A)に示す表示制御タイミングによる場合、左、右、中図柄の加速変動に続いて一定速の可変表示が行われた後、図56(B)に示すように、左図柄の表示結果としてオールマイティ図柄が導出表示される。導出表示されたオールマイティ図柄は、プロセスfによる仮停止表示状態となる。続いて、中図柄の表示結果となる飾り図柄が導出表示され、図56(C)に示すように、プロセスdによる仮停止表示状態となる。こうして、可変表示装置4に表示された飾り図柄はリーチ表示態様となる。
【0208】
図56(C)に示すようなリーチ表示態様となった後、左図柄と右図柄が、中図柄と重ねて表示されてから、図56(D)に示すように、中図柄から分身する態様で表示される。このとき、CPU113は、プロセスeにより右図柄を一定速で可変表示させたままとする一方で、オールマイティ図柄が一旦導出表示されて仮停止表示状態となっている左図柄については、プロセスfにより再変動することなく仮停止表示状態を継続させる。こうして、再変動表示態様であっても、一旦導出表示されたオールマイティ図柄については再変動させないように表示制御される。
【0209】
続いて、図56(E)に示すように、一旦オールマイティ図柄が導出表示された左図柄は再変動することなく仮停止表示状態となったままで、左図柄と右図柄は中図柄から離れる方向へ移動する。そして、図56(F)に示すように、本来の左図柄と右図柄の可変表示位置に戻る。この後、右図柄は、プロセスcにより減速変動し、図56(G)に示すように、中図柄と同一の図柄が表示結果として導出表示され、プロセスdによる仮停止表示状態となる。
【0210】
こうして大当りとなる表示結果が導出表示されたときには、表示制御基板12の側で主基板11から送信された確定コマンドを受信するよりも前に、図柄差替時間タイマがタイムアウトすることにより差替タイミングが到来する。差替タイミングとなると、CPU113は、左図柄の表示結果として仮停止表示状態にあるオールマイティ図柄を、確変大当りの表示結果となるオールマイティ図柄以外の飾り図柄に差し替える。そして、特別図柄表示エリア41に図柄指定コマンドで指定された特別図柄「7」を導出表示し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、図56(H)に示すように、確変大当りの確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。
【0211】
図55(B)に示す表示制御例では、図48(B)に示す例と同様に、主基板11において、CPU103が図12(C)に示す小当り可変表示パターンテーブル142を用いてリーチA(小当り)の可変表示パターンを使用すると決定する。そして、EXTデータが20(h)であるリーチA(小当り)の可変表示開始コマンドが主基板11から表示制御基板12へ送信される。また、図柄指定コマンドでは、特別図柄の確定図柄として小当り図柄である「1」が指定される。
【0212】
EXTデータが20(h)である可変表示開始コマンドを受信した表示制御基板12のCPU113は、図19に示す小当り表示制御パターンテーブル162を用いて表示制御パターンを選択決定する。このとき、例えばランダムカウンタ131より抽出したランダムR15の値が「0」〜「5」のいずれかであるとして、可変表示における表示態様を再変動表示態様とするための表示制御パターンが選択決定されるものとする。
【0213】
こうして選択決定された表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図55(B)に示す表示制御タイミングが決定され、各図柄の可変表示が開始される。図55(B)に示す表示制御タイミングによる場合、左、右、中図柄の加速変動に続いて一定速の可変表示が行われた後、図57(B)に示すように、左図柄の表示結果としてオールマイティ図柄が導出表示される。導出表示されたオールマイティ図柄は、プロセスfによる仮停止表示状態となる。続いて、中図柄の表示結果となる飾り図柄が導出表示され、図57(C)に示すように、プロセスdによる仮停止表示状態となる。こうして、可変表示装置4に表示された飾り図柄はリーチ表示態様となる。
【0214】
図57(C)に示すようなリーチ表示態様となった後、左図柄と右図柄が、中図柄と重ねて表示されてから、図57(D)に示すように、中図柄から分身する態様で表示される。このとき、CPU113は、プロセスeにより右図柄を一定速で可変表示させたままとする一方で、オールマイティ図柄が一旦導出表示されて仮停止表示状態となっている左図柄については、プロセスfにより再変動することなく仮停止表示状態を継続させる。
【0215】
続いて、図57(E)に示すように、一旦オールマイティ図柄が導出表示された左図柄は再変動することなく仮停止表示状態となったままで、左図柄と右図柄は中図柄から離れる方向へ移動する。そして、図57(F)に示すように、本来の左図柄と右図柄の可変表示位置に戻る。この後、右図柄は、プロセスcにより減速変動し、図57(G)に示すように、中図柄とは異なる図柄が表示結果として導出表示され、プロセスdによる仮停止表示状態となる。
【0216】
こうして小当りとなる表示結果が導出表示されたときには、左図柄の表示結果として導出表示されて仮停止表示状態にあるオールマイティ図柄の差し替えは行わない。そして、特別図柄表示エリア41に図柄指定コマンドで指定された特別図柄「1」を導出表示し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、図57(E)に示すように、小当りの確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。
【0217】
以上説明したように、この実施の形態によれば、飾り図柄の可変表示において一旦導出表示した左図柄を再変動させる再変動表示態様とするときに、左図柄の表示結果としてオールマイティ図柄を導出表示するときには、オールマイティ図柄が一旦導出表示されて仮停止表示状態となっている左図柄について、再変動させることなく仮停止表示状態を継続させる。これにより、オールマイティ図柄が表示されたことによる遊技者の期待感を向上することができ、オールマイティ図柄を用いた演出効果を高めることができる。
【0218】
また、可変表示の表示結果として大当りの確定図柄を表示するときに、左図柄の表示結果としてオールマイティ図柄を導出表示するときには、オールマイティ図柄を導出表示した後、表示制御基板12の側で主基板11から送信された確定コマンドを受信するより前に、所定の差替タイミングにて、オールマイティ図柄を大当りの表示結果となるオールマイティ図柄以外の飾り図柄に差し替える。これにより、例えば特図保留メモリ120に可変表示の実行が保留されている場合のように、1回の可変表示が終了すると直ちに次の可変表示の実行が開始されるような場合でも、遊技者は、飾り図柄の可変表示における表示結果を確実に認識することができ、表示結果に疑いが生じることを防止できる。
【0219】
他方、可変表示の表示結果として小当りの確定図柄を表示するときには、左図柄の表示結果としてオールマイティ図柄を導出表示した後、オールマイティ図柄を差し替えることなく可変表示を終了する。そして、可変表示の表示結果を小当りとして小当り遊技状態となったときには、可変表示装置4の上部に配置された特別可変入賞球装置7が所定時間(例えば、2秒)だけ所定回数(例えば、1回)開成され、大当り遊技状態とは異なる有利な遊技状態となる。これにより、オールマイティ図柄が表示された場合に遊技者が得られる利益に差異を持たせることができ、オールマイティ図柄が表示されることによる遊技者の期待感を向上することができる。
【0220】
また、可変表示の表示態様を再変動表示態様とするか否かの決定や、可変表示においてオールマイティ図柄を導出表示するか否かの決定は、メイン側の制御基板である主基板11に搭載されたCPU103ではなく、サブ側の制御基板である表示制御基板12に搭載されたCPU113が決定する。これにより、メイン側の制御基板である主基板11における制御の負担を軽減することができる。さらに、こうした従来ではメイン側の制御基板で行っていた制御をサブ側の制御基板が行うようにしたことで、例えば主基板11のCPU103のような、メイン側の制御回路が遊技の進行を制御するために実行する遊技制御プログラムの容量を節減することができ、制御回路の回路構成も簡単になる。このことによって、メイン側の制御回路における遊技制御プログラムに不正があっても発見が容易になるとともに、不正発見のための検査も容易になる。加えて、回路構成に不正が加えられても容易に発見することができるので、不正行為がなされることを防止できる。
【0221】
また、特別可変入賞球装置7を可変表示装置4の上部に配置したことで、遊技球が特別可変入賞球装置7に入賞しやすくなり、遊技興趣を高めることができる。
【0222】
なお、上記実施の形態では、オールマイティ図柄が左可変表示部42aにて可変表示される飾り図柄に含まれるものとして説明したが、これに限定されず、中可変表示部42bあるいは右可変表示部42cにて可変表示される飾り図柄に含まれてもよい。そのほか、本発明は、特別図柄と飾り図柄を用いて可変表示を行うパチンコ遊技機に限定されず、複数種類の図柄が可変表示される可変表示部が複数設けられた構成において、いずれかの可変表示部にて可変表示される図柄にオールマイティ図柄が含まれる任意の遊技機に適用することができる。
【0223】
また、上記実施の形態では、他のすべての飾り図柄と同一種類の図柄であるとみなすことができるオールマイティ図柄を用いるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、少なくとも2種類、すなわち複数種類の図柄と同一種類の図柄であるとみなすことができる複数機能図柄であればよい。
【0224】
上記実施の形態では、可変表示装置4に特別図柄表示エリア41と飾り図柄表示エリア42とが設けられ、飾り図柄表示エリア42に含まれる3つの可変表示部42a、42b、42cにおいて左中右の飾り図柄がそれぞれ可変表示されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、可変表示装置4に設けられた複数の可変表示領域において、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示するものであればよい。例えば、可変表示装置4に設けられた3つの可変表示領域において、左中右の特別図柄がそれぞれ可変表示されるものであってもよい。
【0225】
上記実施の形態では、図33に示す可変表示開始コマンド受信待ち処理にて可変表示開始フラグがセットされていると判別したときに、図34に示す表示制御設定処理を実行した後、図42に示す可変表示開始時処理を実行することで特別図柄と飾り図柄の可変表示を開始するものとして説明した。しかしながら、この発明は、これに限定されるものではなく、可変表示開始コマンドを受信した時点で、所定の表示制御パターンに基づいて直ちに特別図柄及び飾り図柄の可変表示を開始するものであってもよい。
【0226】
また、上記実施の形態では、オールマイティ図柄を他の飾り図柄に差し替えることにより変更するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、オールマイティ図柄に他の飾り図柄を重ね合わせることにより変更するようにしてもよい。
【0227】
図1、図5及び図6に示した装置構成、図7、図9、図14及び図15に示すブロック構成、図12、図13及び図18〜図23に示すテーブル構成や、図24〜図44に示すフローチャート構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更及び修正が可能である。
【0228】
さらに、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0229】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0230】
また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【0231】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、以下に示す効果を有する。
【0232】
請求項1に記載の遊技機によれば、導出識別情報決定手段により所定の可変表示領域に複数機能識別情報を一旦導出表示させることが決定されたときには、一旦導出表示した複数機能識別情報を再可変表示規制手段が再可変表示させないように表示制御する。これにより、複数機能識別情報が表示されたことによる遊技者の期待感を向上することができ、複数機能識別情報を用いた演出効果を高めることができる。
また、識別情報の可変表示における表示態様を複数の表示態様のうちより選択決定する表示態様決定手段や、所定の可変表示領域にて一旦導出表示する識別情報を選択決定する導出識別情報決定手段が、サブ側の制御手段である可変表示制御手段に含まれているので、遊技制御手段における制御の負担を軽減することができる。
【0233】
請求項2に記載の遊技機においては、表示態様決定手段により再可変表示態様が選択決定されたときに、所定の可変表示領域を含んだ複数の可変表示領域にて識別情報をリーチ表示態様で一旦導出表示した後、再可変表示制御手段が一旦導出表示した識別情報を導出表示されることなく可変表示が継続している可変表示領域における識別情報の可変表示態様と同期させて再可変表示させる。これにより、識別情報がリーチ表示態様にて一旦導出表示した後に行われる再可変表示における遊技者の期待感を高めることができる。
【0234】
請求項3に記載の遊技機においては、導出識別情報決定手段により所定の可変表示領域に一旦導出表示する識別情報として複数機能識別情報が選択決定されたときに、識別情報の可変表示において所定の可変表示領域に複数機能識別情報を表示結果として導出表示させた後、遊技制御手段から送信される確定コマンドを受信するより前の所定の変更タイミングにて、複数機能識別情報を複数機能識別情報以外の識別情報へ変更する。これにより、遊技者は、識別情報の可変表示における表示結果を確実に認識することができ、表示結果に疑いが生じることを防止できる。
また、識別情報変更手段もサブ側の制御手段である可変表示制御手段に含まれているので、遊技制御手段における制御の負担を軽減することができる。
【0235】
請求項4に記載の遊技機においては、変更識別情報決定手段が複数機能識別情報から変更する識別情報を可変表示開始コマンドに基づいて決定するので、複数機能識別情報を遊技状態に応じた適切な識別情報に差し替えることができる。
【0236】
請求項5に記載の遊技機においては、可変表示開始コマンドによって識別情報の表示結果を特定表示結果とすることが特定されたときのみ、複数機能識別情報を変更するので、遊技者が高い関心を寄せる特定表示結果のときのみ複数機能識別情報が変更され、表示制御にかかる負担を軽減することができる。
【0237】
請求項6に記載の遊技機においては、識別情報を可変表示する可変表示時間に基づいて変更タイミング決定手段が変更タイミングを決定するので、遊技制御手段が変更タイミングを決定するために特別の処理を実行する必要がなく、遊技制御手段における制御の負担を軽減することができる。
【0238】
請求項7に記載の遊技機においては、可変表示開始コマンドによって識別情報の表示結果を特定表示結果とすることなく特定遊技状態とは異なる遊技者に有利な所定の遊技状態とすることが特定されたときに、変更規制手段が複数機能識別情報の変更を規制する。これにより、識別情報の可変表示において複数機能識別情報が表示結果として導出表示されたときに特定遊技状態とは異なる所定の遊技状態とすることもできる。従って、複数機能識別情報が表示結果として導出表示された場合に遊技者が得られる利益に差異を持たせることができ、複数機能識別情報が表示結果として導出表示されることによる遊技者の期待感を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】可変表示装置における画像表示例を示す図である。
【図3】この実施の形態で用いられる特別図柄の例を示す図である。
【図4】この実施の形態で用いられる左中右の飾り図柄の例を示す図である。
【図5】特別可変入賞球装置における入賞領域を開成した状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の背面図である。
【図7】主基板と表示制御基板における回路構成等を示すブロック図である。
【図8】表示制御コマンドの内容の一例を示す図である。
【図9】遊技制御用マイクロコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【図10】コマンド送信テーブルメモリの構成例を示す図である。
【図11】遊技制御用マイクロコンピュータのランダムカウンタによりカウントされる各乱数の例を示す図である。
【図12】可変表示パターンテーブルの構成例を示す図である。
【図13】ハズレ時特別図柄決定用テーブルの例を示す図である。
【図14】表示制御基板におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図15】表示制御基板の構成例を示すブロック図である。
【図16】受信コマンドバッファメモリの構成例を示す図である。
【図17】表示制御基板のランダムカウンタによりカウントされる各乱数の例を示す図である。
【図18】表示制御パターンテーブルの構成例を示す図である。
【図19】表示制御パターンテーブルの構成例を示す図である。
【図20】表示制御パターンテーブルの構成例を示す図である。
【図21】表示制御パターンテーブルの構成例を示す図である。
【図22】大当り図柄決定用テーブルの例を示す図である。
【図23】各種の図柄決定用テーブルの例を示す図である。
【図24】遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図25】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図26】図25における入賞処理の詳細を示すフローチャートである。
【図27】図25における可変表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図28】図25における可変表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図29】当りを判定する処理について説明するための説明図である。
【図30】表示制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図31】コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図32】表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図33】図32における可変表示開始コマンド受信待ち処理の詳細を示すフローチャートである。
【図34】図32における表示制御設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図35】図34における通常ハズレ表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図36】図34におけるリーチハズレ表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図37】図34における通常大当り表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図38】図34における通常大当り表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図39】図34における確変大当り表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図40】図34における確変大当り表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図41】図34における小当り表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図42】図32における可変表示開始時処理の詳細を示すフローチャートである。
【図43】図32における図柄可変表示中処理の詳細を示すフローチャートである。
【図44】図32における図柄停止待ち処理の詳細を示すフローチャートである。
【図45】各表示制御パターンを構成するプロセスを示す説明図である。
【図46】図柄の再変動を行わず、オールマイティ図柄を表示結果として導出表示しない場合における表示制御例を示すタイミング図である。
【図47】図46に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の例を示す図である。
【図48】図柄の再変動を行わず、オールマイティ図柄を表示結果として導出表示する場合における表示制御例を示すタイミング図である。
【図49】図48(A)に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の一例を示す図である。
【図50】図48(A)に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の一例を示す図である。
【図51】図48(B)に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の一例を示す図である。
【図52】図柄の再変動を行い、オールマイティ図柄を表示結果として導出表示しない場合における表示制御例を示すタイミング図である。
【図53】図52(A)に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の一例を示す図である。
【図54】図52(B)に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の一例を示す図である。
【図55】図柄の再変動を行い、オールマイティ図柄を表示結果として導出表示する場合における表示制御例を示すタイミング図である。
【図56】図55(A)に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の一例を示す図である。
【図57】図55(B)に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤(ゲージ盤)
3 … 遊技用枠(台枠)
4 … 可変表示装置
6 … 普通可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … ランプ
10 … 電源基板
11 … 主基板
12 … 表示制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 払出制御基板
16 … 情報出力基板
20a、20b … 可動部材(大入賞口開閉用)
21a、21b、22 … ソレノイド
40 … 普通図柄表示器
41 … 特別図柄表示エリア
42 … 飾り図柄表示エリア
42a、42b、42c … 可変表示部
43 … 始動記憶数表示エリア
70 … 各入賞口スイッチ
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101 … ROM
102 … RAM
103 … CPU
104 … I/O
111 … 発振回路
112 … リセット回路
113 … CPU
114 … ROM
115 … RAM
116 … VDP
117 … キャラクタROM
118 … VRAM
119 … LCD駆動回路
120 … 特図保留メモリ
121 … コマンド送信テーブルメモリ
122 … ランダムカウンタ(ランダムR1〜R5)
123 … 可変表示パターンテーブルメモリ
124 … 特別図柄選択テーブルメモリ
125 … フラグメモリ
126 … 可変表示時間タイマ
130 … 受信コマンドバッファメモリ
131 … ランダムカウンタ(ランダムR10〜R13)
132 … 表示制御パターンテーブルメモリ
133 … 各種タイマ
134 … 飾り図柄選択テーブルメモリ
135 … フラグメモリ
140 … 通常ハズレ可変表示パターンテーブル
141 … リーチハズレ可変表示パターンテーブル
142 … 小当り可変表示パターンテーブル
143 … 大当り可変表示パターンテーブル
150 … ハズレ時特別図柄決定用テーブル
160 … 通常ハズレ表示制御パターンテーブル
161 … リーチハズレ表示制御パターンテーブル
162 … 小当り表示制御パターンテーブル
163、164 … 通常大当り表示制御パターンテーブル
165、166 … 確変大当り表示制御パターンテーブル
170 … 通常大当り図柄決定用テーブル
171 … 確変大当り図柄決定用テーブル
172 … 左図柄決定用テーブル
173 … 中図柄決定用テーブル
174 … 右図柄決定用テーブル
175 … リーチ図柄決定用テーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、可変表示の実行条件が成立した後に可変表示の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示領域を複数備えた可変表示装置を含み、識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(以下LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置上に所定の識別情報(以下、表示図柄)を更新表示させることで可変表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
この種の遊技機の中には、複数種類の表示図柄のうち少なくとも2種類の表示図柄と同一種類の表示図柄であるとみなされるオールマイティ図柄を含めた複数種類の表示図柄が複数の可変表示領域のいずれかで可変表示されるように構成されたものがある。そして、こうしたオールマイティ図柄を有効活用して遊技の興趣を向上させるために、表示図柄を導出表示する順番の最後にオールマイティ図柄が導出表示され、他の表示図柄の組合せが特定の組合せとなる条件を満たさないときに、オールマイティ図柄以外の少なくとも1つの表示図柄を再変動させる遊技機が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−128469号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の遊技機では、オールマイティ図柄を導出表示するか否かについては、遊技の進行・制御を司るメイン側の制御手段である遊技制御手段(回路)で決定していた。さらに、遊技制御手段は、表示装置上で可変表示される表示図柄の変動態様までをも決定していた。このため、遊技制御手段における制御の負担が増大していた。
【0006】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、遊技の進行・制御を司る遊技制御手段における制御の負担を増大させることなく、オールマイティ図柄を用いた演出効果の高い遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の遊技機は、可変表示の実行条件(例えば普通可変入賞球装置6への入賞)が成立した後に可変表示の開始条件(例えば可変表示装置4における前回の可変表示及び大当り遊技状態の終了)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示領域(例えば可変表示部42a〜42cなど)を複数備えた可変表示装置(例えば可変表示装置4)を含み、前記識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば主基板11に搭載されたCPU103など)と、前記遊技制御手段から送信されたコマンドに基づいて前記可変表示装置における前記識別情報の可変表示を制御する可変表示制御手段(例えば表示制御基板12に搭載されたCPU113など)、とを備え、前記遊技制御手段は、前記可変表示装置における表示を制御するためのコマンドとして少なくとも、前記識別情報の可変表示の開始と当該可変表示における可変表示パターンとを指定するための可変表示開始コマンド、及び前記識別情報の表示結果を指定するための識別情報指定コマンドを、送信する機能を有し、前記可変表示制御手段は、前記遊技制御手段から送信された可変表示開始コマンドの種類と識別情報指定コマンドの種類に基づいて、前記識別情報の可変表示における表示態様を、所定の可変表示領域にて一旦導出表示した識別情報を再可変表示させる再可変表示態様、及び可変表示領域にて一旦導出表示した識別情報の再可変表示を行わない非再可変表示態様を含んだ複数の表示態様のうちより、選択決定する表示態様決定手段(例えばCPU113が図36に示すステップS413、図37に示すステップS426、あるいは図39に示すステップS446の処理を実行する部分)と、前記表示態様決定手段により前記再可変表示態様が選択決定されたときに、前記所定の可変表示領域にて一旦導出表示する識別情報を選択決定する導出識別情報決定手段(例えばCPU113が図36に示すステップS418、図37に示すステップS430及びS431、図38に示すステップS434及びS435、図39に示すステップS450及びS451、あるいは図40に示すステップS454及びS455の処理を実行する部分)と、前記導出識別情報決定手段により、前記所定の可変表示領域にて一旦導出表示する識別情報として、他の可変表示領域にて導出表示される複数種類の識別情報との間で前記特定表示結果を構成しうる複数機能識別情報が選択決定されたとき(例えばCPU113により図37に示すステップS430と図39に示すステップS450のいずれかの処理が実行されたとき)には、前記所定の可変表示領域にて一旦導出表示した前記複数機能識別情報を再可変表示させないように表示制御する再可変表示規制手段、(例えばCPU113が可変表示装置4に図56や図57に示す表示を行わせる部分)とを含む。なお、複数機能識別情報は、他のすべての識別情報と同一種類の識別情報であるとみなすことができる万能識別情報であってもよいし、少なくとも2種類、すなわち複数種類の識別情報と同一種類の識別情報であるとみなすことができる識別情報であってもよい。
【0008】
請求項1に記載の構成によれば、識別情報の可変表示における表示態様を複数の表示態様のうちより選択決定する表示態様決定手段や、所定の可変表示領域にて一旦導出表示する識別情報を選択決定する導出識別情報決定手段が、サブ側の制御手段である可変表示制御手段に含まれている。これにより、可変表示装置にて行われる識別情報の可変表示における表示態様や、複数種類識別情報を一旦導出表示するか否かを、遊技の進行を制御する遊技制御手段が決定する必要がなくなり、遊技制御手段における制御の負担を増大させることがない。また、導出識別情報決定手段により所定の可変表示領域に複数機能識別情報を一旦導出表示させることが決定されたときには、一旦導出表示した複数機能識別情報を再可変表示規制手段が再可変表示させないように表示制御するので、複数機能識別情報が表示されたことによる遊技者の期待感を向上することができ、複数機能識別情報を用いた演出効果を高めることができる。
さらに、このように従来では遊技制御手段で行っていた制御を可変表示制御手段等の他の制御手段が行うことで、遊技制御手段が遊技の進行を制御するために実行する遊技制御プログラムの容量を節減することができ、遊技制御手段における回路構成も簡単になる。このことによって、遊技制御手段における遊技制御プログラムに不正があっても発見が容易になるとともに、不正発見のための検査も容易になる。加えて、回路構成に不正が加えられても容易に発見することができ、不正行為がなされることを防止できる。
【0009】
請求項2に記載の遊技機においては、前記可変表示制御手段は、前記表示態様決定手段により前記再可変表示態様が選択決定されたときに、前記導出識別情報決定手段による選択決定結果に従って前記所定の可変表示領域を含んだ複数の可変表示領域にて前記識別情報をリーチ表示態様で一旦導出表示した後、当該リーチ表示態様で一旦導出表示した識別情報を、一旦導出表示されることなく前記識別情報の可変表示が継続している可変表示領域における識別情報の可変表示態様と同期させて再可変表示させる再可変表示制御手段(例えばCPU113が可変表示装置4に図53や図54に示す表示を行わせる部分)を含む。この構成によれば、識別情報がリーチ表示態様にて一旦導出表示した後に行われる再可変表示における遊技者の期待感を高めることができる。
【0010】
請求項3に記載の遊技機においては、前記遊技制御手段は、前記識別情報の可変表示の終了を指定するための確定コマンドを送信する機能を有するとともに、可変表示の実行条件が成立したが当該可変表示の開始条件が成立していない前記識別情報の可変表示の実行を所定回数を上限に保留する保留記憶手段(例えば特図保留メモリ120)と、前記確定コマンドを送信したことに基づいて前記保留記憶手段により保留された可変表示の実行条件のうちのいずれか1つについて、可変表示の開始条件を成立させる開始条件成立手段(例えばCPU103がステップS130の可変表示開始待ち処理を実行する部分)と、前記開始条件成立手段が可変表示の開始条件を成立させたときに、前記可変表示装置における前記識別情報の可変表示に用いる可変表示パターンを決定する可変表示パターン決定手段(例えばCPU103がステップS131の可変表示設定処理を実行する部分)、とを含み、前記遊技制御手段から送信される可変表示開始コマンドは、前記識別情報の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの情報を含み、前記可変表示制御手段は、前記導出識別情報決定手段により前記所定の可変表示領域にて一旦導出表示する識別情報として前記複数機能識別情報が選択決定されたときに、前記可変表示装置にて行われる前記識別情報の可変表示において前記所定の可変表示領域に前記複数機能識別情報を表示結果として導出表示させた後、前記遊技制御手段から送信される確定コマンドを受信するより前の所定の変更タイミングにて、前記複数機能識別情報を複数種類の識別情報のうちの前記複数機能識別情報以外の識別情報へ変更する識別情報変更手段(例えばCPU113がステップS243の図柄可変表示中処理を実行する部分)を含む。なお、識別情報変更手段は、複数機能識別情報を複数機能識別情報以外の識別情報に差し替えることにより変更してもよいし、複数機能識別情報に複数機能識別情報以外の識別情報を重ね合わせることにより変更してもよい。この構成によれば、導出識別情報決定手段により所定の可変表示領域に一旦導出表示する識別情報として複数機能識別情報が選択決定されたときに、遊技制御手段から送信された確定コマンドを受信するより前の所定の変更タイミングにて、識別情報変更手段により複数機能識別情報がそれ以外の識別情報へ変更される。これにより、遊技者は、識別情報の可変表示における表示結果を確実に認識することができ、表示結果に疑いが生じることを防止できる。また、識別情報変更手段もサブ側の制御手段である可変表示制御手段に含まれているので、遊技制御手段における制御の負担を軽減することができる。
【0011】
請求項4に記載の遊技機においては、前記可変表示制御手段は、前記遊技制御手段から送信された可変表示開始コマンドにて指定された可変表示パターンに基づいて、前記識別情報変更手段により前記複数機能識別情報から変更する識別情報を決定する変更識別情報決定手段(例えばCPU113が図37に示すステップS436や図39に示すステップS456の処理を実行する部分)を含む。この構成によれば、複数機能識別情報を遊技状態に応じた適切な識別情報に差し替えることができる。
【0012】
請求項5に記載の遊技機においては、前記遊技制御手段から送信される可変表示開始コマンドは、前記識別情報の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを特定可能な情報を含み、前記識別情報差変更手段は、前記遊技制御手段から送信された可変表示開始コマンドによって前記特定表示結果とすることが特定されたときのみ、前記複数機能識別情報を変更する(例えば図49や図50に示すような図柄の可変表示を行う)。この構成によれば、遊技者が高い関心を寄せる特定表示結果のときのみ複数機能識別情報が変更されるので、表示制御にかかる負担を軽減することができる。
【0013】
請求項6に記載の遊技機においては、前記遊技制御手段から送信される可変表示開始コマンドは、識別情報を可変表示する可変表示時間を特定可能な情報を含み、前記可変表示制御手段は、前記所定の変更タイミングを、前記可変表示時間に基づいて決定する変更タイミング決定手段(例えばCPU113が図36に示すステップS413、図37に示すステップS426、あるいは図39に示すステップS446の処理を実行する部分)を含む。この構成によれば、複数機能識別情報の変更タイミングを決定するために遊技制御手段が特別の処理を実行する必要がなく、遊技制御手段における制御の負担を軽減することができる。
【0014】
請求項7に記載の遊技機においては、前記遊技制御手段から送信される可変表示開始コマンドは、前記識別情報の表示結果を前記特定表示結果とすることなく前記特定遊技状態とは異なる遊技者に有利な所定の遊技状態(例えば可動部材20a及び20bが1回所定時間のあいだ離隔して大入賞口が開成された状態、具体的には、小当り遊技状態)とするか否かを特定可能な情報を含み、前記可変表示制御手段は、前記可変表示装置にて行われる前記識別情報の可変表示において、前記複数機能識別情報を表示結果として導出表示させるか否かを判定する複数機能表示判定手段(例えばCPU113がステップS241の表示制御設定処理を実行する部分)を含み、前記複数機能表示判定手段は、前記遊技制御手段から送信された可変表示開始コマンドによって前記所定の遊技状態とすることが特定されたときは、前記複数機能識別情報を表示結果として導出表示させる旨の判定を行い、前記識別情報変更手段は、前記遊技制御手段から送信された可変表示開始コマンドによって前記所定の遊技状態とすることが特定されたときは、前記複数機能識別情報の変更を規制する変更規制手段(例えばCPU113が可変表示装置4に図51や図57に示す表示を行わせる部分)を含む。この構成によれば、識別情報の可変表示において複数機能識別情報が表示結果として導出表示されたときに特定遊技状態とは異なる所定の遊技状態とすることもできるので、複数機能識別情報が表示結果として導出表示された場合に遊技者が得られる利益に差異を持たせることができ、複数機能識別情報が表示結果として導出表示されることによる遊技者の期待感を向上することができる。
また、前記可変表示装置の上部に、所定条件の成立により遊技者にとって不利な第2の状態(例えば可動部材20a及び20bが近接して大入賞口が閉成された状態)から遊技者にとって有利な第1の状態(例えば可動部材20a及び20bが離隔して大入賞口が開成された状態)に変化する特別可変入賞球装置(例えば特別可変入賞球装置7)を設けた。これにより、例えば特定遊技状態や特定遊技状態とは異なる遊技者に有利な所定の遊技状態において、遊技球が特別可変入賞球装置に入賞しやすくなり、遊技興趣を高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明においてリーチとは、表示結果として導出表示した図柄(リーチ図柄という)が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ導出表示していない図柄(リーチ変動図柄という)については可変表示が行われている状態、あるいは、全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態のことである。具体的には、予め定められた複数の表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において可変表示が行われている状態(例えば、左、中、右の表示領域のうち左、中の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ可変表示が行われている状態)、あるいは、有効ライン上の表示領域の全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態(例えば、左、中、右の表示領域の全てで可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の図柄が揃っている態様で可変表示が行われている状態)である。
【0016】
本実施例における遊技機としては、LCD等からなる画像表示装置により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機や、LCDを搭載したスロットマシン等の遊技機である。
【0017】
また、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であっても、画像表示装置を有するものであれば、例えば、第2種あるいは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、識別情報としての図柄を可変表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。
【0018】
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域のほぼ中央位置には、各々が識別可能な識別情報として特別図柄及び飾り図柄を可変表示可能に表示する可変表示装置4が設けられている。この可変表示装置4の下側には、普通可変入賞球装置(始動入賞口)6が配置されている。可変表示装置4の上側には、特別可変入賞球装置(大入賞口)7が配置されている。可変表示装置4の右側には、普通図柄表示器40が設けられている。
【0019】
可変表示装置4は、例えばLCD等からなり、普通可変入賞球装置6に遊技球が入賞することが実行条件となる可変表示ゲームにおいて、数字、文字、図柄から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する表示図柄を、複数の可変表示領域にて可変表示可能に表示する。図2は、可変表示装置4における画像表示例を示す図である。この実施の形態では、可変表示装置4上に、特別図柄と、装飾図柄となる左中右の飾り図柄と、始動入賞記憶数とが表示されるものとする。特別図柄は特別図柄表示エリア41において可変表示される。左中右の飾り図柄はそれぞれ、飾り図柄表示エリア42に設けられた3つの可変表示部42a、42b、42cにおいて可変表示される。始動入賞記憶数は、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞して特別図柄及び飾り図柄の可変表示を実行するための実行条件が成立したが、従前の可変表示を実行中であるなどの理由のために可変表示を実際に開始するための条件である開始条件が成立していない保留数を示す。
【0020】
可変表示装置4による可変表示ゲームでは、特別図柄及び飾り図柄の可変表示を開始した後、一定時間が経過すると、特別図柄と飾り図柄の表示結果を所定の順序で導出表示し、確定図柄を停止表示する。確定図柄の組合せが所定の特定表示結果(大当り組合せ)となったときに、このパチンコ遊技機1は、特定遊技状態(大当り遊技状態ともいう)となる。この特定遊技状態においては、特別可変入賞球装置7が所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで開成され、開成されている間、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止める。そして、この開成サイクルを所定の上限回数(例えば、16回)まで繰り返すことができる。
【0021】
図3は、この実施の形態で用いられる特別図柄の例を示す図である。この実施の形態では、特別図柄として表示される図柄は9図柄であり、各図柄には「1」〜「9」の図柄番号が付されている。特別図柄表示エリア41には、図3に示すような9種類の特別図柄が可変表示される。ここで、図柄番号が「9」の特別図柄「0」が表示されると、次に、図柄番号が「1」の特別図柄「1」が表示される。そして、例えば、図柄番号が「1」である特別図柄「1」を小当り図柄とし、図柄番号が「3」である特別図柄「3」を通常大当り図柄とし、図柄番号が「7」である特別図柄「7」を確変大当り図柄とする。
【0022】
可変表示装置4による可変表示ゲームにおいて、特別図柄の可変表示が開始された後、特別図柄「1」が表示結果として導出表示されて確定したときに、パチンコ遊技機1は、小当り遊技状態となる。この小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7が所定時間(例えば、2秒)だけ所定回数(例えば、1回)開成される。特別図柄の可変表示が開始された後に、特別図柄「3」あるいは「7」が表示結果として導出表示されて確定したときに、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態となる。ここで、特別図柄の表示結果が「7」であるときには、パチンコ遊技機1が特別遊技状態(確変大当り遊技状態ともいう)となり、以後、所定条件が成立するまで特別図柄が当り図柄となる確率が向上するとともに、普通可変入賞球装置6の開放時間と開放回数が高められる。
【0023】
図4は、この実施の形態で用いられる左中右の各飾り図柄の例を示す図である。この実施の形態では、左中右の飾り図柄として表示される各図柄は、「1」〜「9」の図柄番号が付された9図柄を含み、さらに、左図柄は「10」の図柄番号が付されたオールマイティ図柄を含む。オールマイティ図柄は、左可変表示部42aにて表示可能であり、他の可変表示部42b、42cに同一図柄が導出表示されることで特定表示結果を構成可能に設計されている。また、中・右可変表示部42b、42cの一方で可変表示が継続した状態で、左可変表示部42aにおける表示結果としてオールマイティ図柄が導出表示されるとともに、中・右可変表示部42b、42cの他方で任意の飾り図柄が導出表示されることで、リーチ表示態様となる。すなわち、オールマイティ図柄は、他のすべての飾り図柄と同一種類の図柄であるとみなすことができる。
【0024】
左可変表示部42aでは、可変表示中に図柄番号「10」のオールマイティ図柄が表示されると、次に、図柄番号「1」の図柄が表示される。中・右可変表示部42b、42cでは、可変表示中に図柄番号「9」の図柄が表示されると、次に、図柄番号「1」の図柄が表示される。そして、特別図柄の確定図柄(最終停止図柄)が大当り図柄である場合すなわち大当り発生時には、左中右の飾り図柄が同一図柄となる。具体的には、特別図柄の確定図柄が「7」である確変大当りの場合には、左・中・右可変表示部42a〜42cにて、「3」、「5」、「7」又は「9」の同一図柄が確定表示される。また、特別図柄の確定図柄が「3」である通常大当りの場合には、左・中・右可変表示部42a〜42cにて、その他の同一図柄が確定表示される。
【0025】
さらに、特別図柄の確定図柄が小当り図柄である「1」の場合すなわち小当り発生時には、左可変表示部42aにてオールマイティ図柄が表示結果として導出表示され、中・右可変表示部42b、42cには、互いに異なる図柄が導出表示されて、可変表示の表示結果が確定表示される。
【0026】
普通可変入賞球装置6は、ソレノイド22(図7)によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物として構成される。普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞に基づく特別図柄及び飾り図柄の可変表示は、所定回数(本実施形態では、4回)まで後述する特図保留メモリ120(図9)に記憶される。
【0027】
特別可変入賞球装置7は、ソレノイド21a、21b(図7)によって入賞領域を開成・閉成制御する2つの可動部材20a、20bを備える。すなわち、可動部材20a及び20bは、ソレノイド21a及び21bがオフ状態であるときには互いに近接して特別可変入賞球装置7における入賞領域を閉成制御し、大入賞口を閉じた状態に保持する。他方、ソレノイド21a及び21bがオン状態であるときには、図5に示すように、可動部材20a及び20bが互いに離隔して特別可変入賞球装置7における入賞領域を開成制御し、大入賞口を開いた状態とする。特別可変入賞球装置7に入賞した遊技球は、所定の検出部により検出される。入賞球の検出に応答し、後述する主基板11と払出制御基板15(図6)とにより、所定数の賞球の払い出しが行われる。
【0028】
また、遊技盤2の表面には、上記した構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。また、パチンコ遊技機1には、点灯又は点滅する遊技効果ランプ9や効果音を発生するスピーカ8L、8Rが設けられている。
【0029】
図6は、パチンコ遊技機1の背面図であり、主要基板の配置レイアウトを示す。図6に示すように、本実施例におけるパチンコ遊技機1は、主として、電源基板10と、主基板11と、表示制御基板12と、音声制御基板13と、ランプ制御基板14と、払出制御基板15と、情報端子基板16とを備え、それぞれ適所に配設されている。
【0030】
電源基板10は、パチンコ遊技機1内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。
【0031】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、可変表示ゲームにおいて用いる乱数の生成機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、表示制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14及び払出制御基板15に対してそれぞれ指令情報の一例となる制御コマンドを出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。
【0032】
主基板11から表示制御基板12へ送信される制御コマンドは表示制御コマンドである。図7は、主基板11と表示制御基板12における回路構成、及び主基板11から表示制御基板12に送信される表示制御コマンドの信号線を示すブロック図である。図7に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板11から表示制御基板12へ送信される。また、主基板11と表示制御基板12との間には、ストローブ信号を送信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。
【0033】
図8は、この実施の形態で用いられる主基板11から表示制御基板12へ送信される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図8に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
【0034】
図8に示す例において、コマンド8000(h)〜80XX(h)は、可変表示装置4における特別図柄及び飾り図柄の可変表示の開始を指令する可変表示開始コマンドである。表示制御基板12の側では、この可変表示開始コマンドに含まれるEXTデータに対応して、特別図柄と飾り図柄の総可変表示時間を特定することができる。コマンド8F00(h)及び8F01(h)は、電源投入時に送出される特別図柄電源投入時指定コマンド及び普通図柄電源投入時指定コマンドである。なお、普通図柄電源投入時指定コマンドは、表示制御基板12が普通図柄表示器40の点灯制御を行う場合に用いられ、普通図柄表示器40がランプ制御基板14で制御される場合には、表示制御基板12には送出されない。
【0035】
コマンド90XX(h)は、特別図柄の予定停止図柄(最終停止図柄であるが、以下では、単に「確定図柄」ともいう)を指定する図柄指定コマンドである。特別図柄には通常大当り図柄と確変大当り図柄とが含まれており、特別図柄の確定図柄を指定することにより、通常大当りとするか確変大当りとするかを識別することができる。すなわち、図柄指定コマンドは、確変大当りとするか否かを示す情報を含んでいる。
【0036】
コマンドA000(h)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する確定コマンドである。また、コマンドD000(h)〜D300(h)は、普通図柄の点灯パターンに関する表示制御コマンドである。ただし、普通図柄表示器40がランプ制御基板14で制御される場合には、それらのコマンドは、表示制御基板12には送出されない。
【0037】
主基板11には、図7に示すように、始動入賞口である普通可変入賞球装置6や、大入賞口である特別可変入賞球装置7、その他の入賞口への遊技球の入賞を検出するための各入賞口スイッチ70からの配線も接続されている。さらに、主基板11には、普通可変入賞球装置6における可動翼片の可動制御や特別可変入賞球装置7における開成・閉成制御を行うためのソレノイド21a、21b及び22への配線が接続されている。
【0038】
主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路107、ソレノイド回路108などを搭載して構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM101、ワークメモリとして使用されるRAM102、プログラムに従って制御動作を行うCPU103及びI/Oポート104を含んでいる。
【0039】
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、図9に示すように、特図保留メモリ120と、コマンド送信テーブルメモリ121と、ランダムカウンタ122と、可変表示パターンテーブルメモリ123と、特別図柄選択テーブルメモリ124と、フラグメモリ125と、可変表示時間タイマ126とを備えている。
【0040】
特図保留メモリ120は、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞して特別図柄及び飾り図柄の可変表示を実行するための条件(実行条件)が成立したが、従前の可変表示を実行中である等の理由のために可変表示を実際に開始するための条件(開始条件)が成立していない保留状態を記憶するためのメモリである。この特図保留メモリ120は、図9に示すように、4つのエントリを備え、各エントリには、普通可変入賞球装置6への入賞順に始動開始記憶番号とその入賞により抽出された乱数値(後述するランダムR1の値)が対応付けて格納される。主基板11から表示制御基板12へ確定コマンドが送信されて特別図柄及び飾り図柄の可変表示が1回終了するごとに、最上位の情報に基づいた可変表示の開始条件が成立し、最上位の情報に基づいた可変表示が実行される。このとき、第2位以下の登録情報が1位ずつ繰り上がる。また、特別図柄及び飾り図柄の可変表示中等に遊技球が普通可変入賞球装置6に新たに入賞した場合には、その入賞による乱数値が最上位の空エントリに登録される。
【0041】
コマンド送信テーブルメモリ121には、主基板11からサブ側の各制御基板(表示制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、及び払出制御基板15)に出力する各制御コマンドについて、複数のコマンド送信テーブルが設けられている。図10は、コマンド送信テーブルメモリ121の構成の一例として、表示制御コマンドについてのコマンド送信テーブルを示す図である。図10に示す例では、12個のコマンド送信テーブルが設けられており、使用すべきコマンド送信テーブルは、コマンド送信個数カウンタで指定される。コマンド送信個数カウンタは、「0」〜「11」の範囲の値をとる。各コマンド送信テーブルは、例えば3バイトで構成され、1バイト目にはコマンドの送り先となるサブ側の制御基板を識別するためのINTデータが設定される。また、2バイト目には、制御コマンドの1バイト目のMODEデータが設定される。そして、3バイト目には、制御コマンドの2バイト目のEXTデータが設定される。
【0042】
また、複数のコマンド送信テーブルはリングバッファとして使用される。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、表示制御基板12に表示制御コマンドを送信する場合、コマンド送信カウンタが指しているコマンド送信テーブルに、表示制御コマンドであることを示すINTデータや、表示制御コマンドの1バイト目のMODEデータ、2バイト目のEXTデータを設定する。そして、コマンド送信個数カウンタの値を更新する。コマンド送信個数カウンタの値が12になった場合には、その値を0に戻す。
【0043】
図9に示すランダムカウンタ122は、遊技制御に用いられる判定用乱数や表示用乱数のカウントを行うものである。図11は、ランダムカウンタ122によりカウントされる各乱数を示す説明図である。ランダムカウンタ122は、図11に示すように、ランダムR1〜R5のカウントを行う。ランダムR1は、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を特定遊技状態とするか否かを決定する大当り判定用の乱数であり、「0」〜「299」の範囲の値をとる。ランダムR2は、ハズレ時にリーチするか否かを決定するリーチ判定用の乱数であり、「0」〜「1530」の範囲の値をとる。ランダムR3は、特別図柄及び飾り図柄の可変表示に用いる可変表示パターンを決定するための表示用の乱数であり、「0」〜「108」の範囲の値をとる。ランダムR4は、ハズレ時における特別図柄の確定図柄を決定するための表示用の乱数であり、「0」〜「5」の範囲の値をとる。ランダムR5は、大当りを生じさせる確率が向上している高確率状態(特別遊技状態)とするか否かを決定する確変判定用の乱数であり、「0」〜「9」の範囲の値をとる。なお、遊技効果を高めるために、ランダムR1〜R5以外の乱数が用いられてもよい。
【0044】
図9に示す可変表示パターンテーブルメモリ123は、状況にあわせて選択される複数の可変表示パターンテーブルを記憶する。具体的には、可変表示パターンテーブルメモリ123は、図12(A)に示す通常ハズレ可変表示パターンテーブル140、図12(B)に示すリーチハズレ可変表示パターンテーブル141、図12(C)に示す小当り可変表示パターンテーブル142、図12(D)に示す大当り可変表示パターンテーブル143を格納する。
【0045】
図12(A)に示す通常ハズレ可変表示パターンテーブル140は、リーチとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図12(B)に示すリーチハズレ可変表示パターンテーブル141は、リーチとした後に当りとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図12(C)に示す小当り可変表示パターンテーブル142は、特別図柄及び飾り図柄の可変表示における表示結果を小当りとするときに用いる可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図12(D)に示す大当り可変表示パターンテーブル143は、特別図柄及び飾り図柄の可変表示における表示結果を大当りとするときに用いる可変表示パターンを選択するためのテーブルである。
【0046】
各可変表示パターンテーブル140〜143には、例えば、複数の可変表示パターンと、可変表示時間タイマ126が計測する特別図柄と飾り図柄の総可変表示時間と、可変表示開始コマンドのEXTデータとして設定される制御コードとが対応付けて格納されている。すなわち、主基板11から送信されて表示制御基板12が受信する可変表示開始コマンドは、特別図柄及び飾り図柄の可変表示における可変表示パターンを、EXTデータにより指定する。また、表示結果をハズレとするか、小当りとするか、大当りとするかに応じて、異なる可変表示パターンが用いられる。このため、表示制御基板12の側では、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにより、特別図柄及び飾り図柄の可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを特定することができる。
【0047】
図9に示す特別図柄選択テーブルメモリ124は、例えば図13に示すようなハズレ時特別図柄決定用テーブル150を記憶する。ハズレ時特別図柄決定用テーブル150は、特別図柄の図柄番号と、ランダムカウンタ122から抽出されるランダムR4の値とを対応付けて格納することにより、ハズレ時における特別図柄の確定図柄を特定可能とする。
【0048】
図9に示すフラグメモリ125には、パチンコ遊技機1において遊技の進行を制御するために用いられる各種のフラグが設定される。例えば、フラグメモリ125には、後述する特別図柄プロセス処理(図25)において選択・実行すべき処理を示す特別図柄プロセスフラグが設けられている。また、I/Oポート104に入力される各種信号の状態や各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数ビットからなる入力状態フラグや、パチンコ遊技機1において各種のエラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応するビットがセットされる複数ビットからなるエラーフラグが設けられている。この他、所定時間が経過してタイマ割込みが発生するごとにセットされるタイマ割込フラグ等の各種のフラグが設けられている。
【0049】
可変表示時間タイマ126は、可変表示装置4における特別図柄及び飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間(可変表示時間)をメイン側で計測するためのダウンカウンタであり、主基板11が表示制御基板12に可変表示開始コマンドを送信するに際して、可変表示パターンで指定される総可変表示時間に対応したカウント値が初期値として設定される。
【0050】
図7に示すスイッチ回路107は、各入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝達する。ソレノイド回路108は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド21a、21b、22を駆動する。ソレノイド21a、21bは、それぞれリンク機構を介して可動部材20a、20bに連結されている。ソレノイド22は、リンク機構を介して普通可変入賞球装置6の可動翼片に連結されている。
【0051】
図6に示す表示制御基板12は、主基板11とは独立して可変表示ゲームにおける画像処理のための表示制御を行うものである。表示制御基板12は、主基板11から出力される表示制御コマンドに基づいて可変表示ゲームに用いられる画像を可変表示装置4上に表示させる。
【0052】
図14は、表示制御基板12のハードウェア構成例を示すブロック図である。表示制御基板12は、発振回路111と、リセット回路112と、表示制御用のCPU(Central Processing Unit)113と、ROM(Read Only Memory)114と、RAM(Random Access Memory)115と、ビデオディスプレイプロセッサ(以下、VDP:Video Display Processor)116と、キャラクタROM117と、VRAM(Video RAM)118と、LCD駆動回路119とを備えている。
【0053】
発振回路111は、CPU113及びVDP116に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路112は、CPU113及びVDP116をリセットするためのリセット信号を出力するものである。CPU113は、主基板11から表示制御コマンドを受信するとRAM115を作業領域として用いながらROM114から表示制御を行うための制御データを読み出す。また、CPU113は、読み出した制御データに基づいてVDP116に描画命令を送る。ROM114は、CPU113によって利用される各種制御プログラム等を格納する半導体メモリであり、RAM115は、CPU113によって作業領域として利用される半導体メモリである。
【0054】
VDP116は、画像表示を行うための表示装置制御機能及び高速描画機能を有し、CPU113からの描画命令に従って動作する。また、CPU113とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM118をマッピングしている。キャラクタROM117は、可変表示装置4に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、又は、文字、図形もしくは記号等を予め記憶しておくためのものである。VRAM118は、VDP116によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。LCD駆動回路119は、VDP116から入力された画像データを、色信号と同期信号とからなるビデオ信号に変換し、可変表示装置4に出力する。
【0055】
また、表示制御基板12は、図15に示すように、受信コマンドバッファメモリ130と、ランダムカウンタ131と、表示制御パターンテーブルメモリ132と、各種タイマ133と、飾り図柄選択テーブルメモリ134と、フラグメモリ135とを備えている。
【0056】
受信コマンドバッファメモリ130には、主基板11から受信した表示制御コマンドを格納するための受信コマンドバッファが複数設けられている。図16は、表示制御コマンドについての受信コマンドバッファの一構成例を示す図である。図16に示す例では、12個の受信コマンドバッファが設けられており、受信したコマンドを格納する受信コマンドバッファは、コマンド受信個数カウンタで指定される。コマンド受信個数カウンタは、「0」〜「11」の範囲の値をとる。各受信コマンドバッファは、例えば1バイトで構成され、複数の受信コマンドバッファをリングバッファとして使用することにより、2バイト構成の表示制御コマンドを6個格納することができる。
【0057】
ランダムカウンタ131は、飾り図柄の可変表示内容を決定するために用いられる各種乱数のカウントを行うものである。図17は、ランダムカウンタ131によりカウントされる各乱数を示す説明図である。ランダムカウンタ131は、図17に示すように、ランダムR10〜R16のカウントを行う。ランダムR10は、大当り時における飾り図柄の確定図柄と、ハズレ時に左の飾り図柄における確定図柄とを、決定する乱数であり、「0」〜「106」の範囲の値をとる。ランダムR11は、小当り時やハズレ時に中の飾り図柄における確定図柄を決定する乱数であり、「0」〜「162」の範囲の値をとる。ランダムR12は、小当り時やリーチとしない通常ハズレ時に右の飾り図柄における確定図柄を決定する乱数であり、「0」〜「72」の範囲の値をとる。ランダムR13は、リーチとするときに一旦導出表示して仮停止表示する図柄を決定する乱数であり、「0」〜「180」の範囲の値をとる。仮停止表示状態では、表示制御基板12が主基板11から送信される確定コマンドを受信する前に、左・中・右可変表示部42a〜42cのいずれかにおいて飾り図柄が停留して表示され、例えば揺れ変動表示等によって遊技者に可変表示の表示結果が確定していない旨を報知する。
【0058】
ランダムR14は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドに基づいて特定された可変表示パターンに対応して、可変表示装置4に特別図柄及び飾り図柄の可変表示を行わせるための表示制御パターンを決定する乱数であり、「0」〜「17」の範囲の値をとる。ランダムR15は、飾り図柄の可変表示において、一旦導出表示した飾り図柄を再可変表示(以下では、「再変動」ともいう)させる再変動用の表示制御パターンを用いるか、飾り図柄の再変動を行わない非再変動用の表示制御パターンを用いるかを決定する乱数であり、「0」〜「21」の範囲の値をとる。ランダムR16は、可変表示の表示結果を大当りとする場合に、可変表示中に左可変表示部42aにおいて図柄番号「10」のオールマイティ図柄を表示結果として導出表示させるか否かを決定する乱数であり、「0」〜「12」の範囲の値をとる。
【0059】
表示制御パターンテーブルメモリ132は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドの種類と図柄指定コマンドの種類とに基づいて選択される複数の表示制御パターンテーブルを記憶する。具体的には、表示制御パターンテーブルメモリ132は、図18(A)に示す通常ハズレ表示制御パターンテーブル160、図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161、図19に示す小当り表示制御パターンテーブル162、図20(A)及び(B)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル163、164、図21(A)及び(B)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル165、166を格納する。
【0060】
図18(A)に示す通常ハズレ表示制御パターンテーブル160は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにて、リーチとすることなくハズレとする通常ハズレの可変表示パターンが指定されていたときに選択される。通常ハズレ表示制御パターンテーブル160には、可変表示装置4における可変表示を制御して表示結果を通常ハズレとするための複数種類の表示制御パターンと、総可変表示時間と、ランダムR14の値とが対応付けて格納されている。
【0061】
図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにて、リーチとした後に当りとすることなくハズレとするリーチハズレの可変表示パターンが指定されていたときに選択される。リーチハズレ表示制御パターンテーブル161には、可変表示装置4における可変表示を制御して表示結果をリーチハズレとするための複数種類の表示制御パターンと、総可変表示時間と、ランダムR14及びR15の値とが対応付けて格納されている。
【0062】
図19に示す小当り表示制御パターンテーブル162は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにて小当りの可変表示パターンが指定され、かつ、図柄指定コマンドにて図柄番号「1」の特別図柄「1」を確定図柄とすることが指定されていたときに、選択される。小当り表示制御パターンテーブル162には、可変表示装置4における可変表示を制御して表示結果を小当りとするための複数種類の表示制御パターンと、総可変表示時間と、ランダムR14及びR15の値とが対応付けて格納されている。
【0063】
図20(A)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル163は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにて大当りの可変表示パターンが指定され、かつ、図柄指定コマンドにて図柄番号「3」の特別図柄「3」を確定図柄とすることが指定され、さらに、ランダムR16の値に基づいてオールマイティ図柄を表示結果として導出表示させると決定したときに、選択される。図20(B)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル164は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにて大当りの可変表示パターンが指定され、かつ、図柄指定コマンドにて確定図柄として特別図柄「3」が指定され、さらに、ランダムR16の値に基づいてオールマイティ図柄を表示結果として導出表示しないと決定したときに、選択される。
【0064】
図21(A)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル165は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにて大当りの可変表示パターンが指定され、かつ、図柄指定コマンドにて図柄番号「7」の特別図柄「7」を確定図柄とすることが指定され、さらに、ランダムR16の値に基づいてオールマイティ図柄を表示結果として導出表示させると決定したときに、選択される。図21(B)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル166は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにて大当りの可変表示パターンが指定され、かつ、図柄指定コマンドにて確定図柄として特別図柄「7」が指定され、さらに、ランダムR16の値に基づいてオールマイティ図柄を表示結果として導出表示しないと決定したときに、選択される。
【0065】
図15に示す各種タイマ133は、可変表示装置4の表示制御に用いられる複数種類のタイマを含んで構成される。具体的には、各種タイマ133は、プロセスタイマ、可変表示時間タイマ、図柄差替時間タイマ及び監視タイマを含んでいる。プロセスタイマは、各表示制御パターンテーブル160〜166を用いて決定された表示制御パターンに従って設定されているプロセスタイマ値をカウントダウンすることにより、特別図柄及び飾り図柄を表示制御パターンに従った態様で可変表示させる可変表示期間を計測する。
【0066】
各種タイマ133に含まれる可変表示時間タイマは、可変表示装置4における特別図柄及び飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間(可変表示時間)をサブ側で計測するためのダウンカウンタであり、主基板11から受信した可変表示開始コマンドで指定される可変表示パターンの総可変表示時間に対応したカウント値が、初期値として設定される。
【0067】
また、各種タイマ133に含まれる図柄差替時間タイマは、特別図柄及び飾り図柄の可変表示を開始してから所定の差替タイミングまでの残り時間を計測するためのものである。この差替タイミングは、可変表示中にオールマイティ図柄を表示結果として左可変表示部42aに導出表示した後、主基板11から送信される確定コマンドを受信するより前に、オールマイティ図柄をオールマイティ図柄以外の飾り図柄に差し替えることにより変更するタイミングである。図柄差替時間タイマは、可変表示の表示結果を大当りとするときで、かつ、ランダムR16の値に基づいてオールマイティ図柄を表示結果として導出表示することを決定したときに、総可変表示時間よりも所定時間(例えば、2秒)だけ短い時間に対応したカウント値が初期値として設定されてカウントダウン動作を開始する。監視タイマは、可変表示時間タイマがタイムアウトしてからの経過時間を計測するためのものであり、主基板11から表示制御コマンドを所定時間以上受信しなかったときにタイムアウトする。
【0068】
飾り図柄選択テーブルメモリ134は、可変表示装置4にて可変表示される飾り図柄の確定図柄を決定するために用いられる図柄決定用テーブルを記憶する。具体的には、飾り図柄選択テーブルメモリ134は、図22(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル170、図22(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル171、図23(A)に示す左図柄決定用テーブル172、図23(B)に示す中図柄決定用テーブル173、及び図23(C)に示す右図柄決定用テーブル174、図23(D)に示すリーチ図柄決定用テーブル175を格納する。
【0069】
図22(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル170は、通常大当りとしてパチンコ遊技機1を特定遊技状態とするとき、すなわち特別図柄の確定図柄を「3」とするときに、左中右で同一となる飾り図柄の確定図柄を決定するためのテーブルである。例えば、通常大当り図柄決定用テーブル170には、飾り図柄における確定図柄の図柄番号と、ランダムR10の値とが対応付けて格納されている。すなわち、通常大当り図柄決定用テーブル170は、ランダムカウンタ131から抽出されるランダムR10の値に基づいて、通常大当り時における飾り図柄の確定図柄を決定可能に構成されている。
【0070】
図22(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル171は、確変大当りとしてパチンコ遊技機1を特別遊技状態とするとき、すなわち特別図柄の確定図柄を「7」とするときに、左中右で同一となる飾り図柄の確定図柄を決定するためのテーブルである。例えば、確変大当り図柄決定用テーブル171には、通常大当り図柄決定用テーブル170と同様に、飾り図柄における確定図柄の図柄番号と、ランダムR10の値とが対応付けて格納されている。
【0071】
図23(A)に示す左図柄決定用テーブル172は、当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するとき、すなわち特別図柄の確定図柄を「1」、「3」、及び「7」以外の図柄とするときに、左可変表示部42aにおける飾り図柄の確定図柄を決定するためのテーブルである。例えば、左図柄決定用テーブル172には、左可変表示部42aにおける確定図柄の図柄番号と、ランダムR10の値とが対応付けて格納されている。すなわち、左図柄決定用テーブル172は、ランダムカウンタ131から抽出されるランダムR10の値に基づいて、ハズレ時における左可変表示部42aの確定図柄を決定可能に構成されている。なお、リーチ表示態様とした後に大当りとすることなくハズレの確定図柄を導出表示するときには、中・右可変表示部42b又は42cにおける飾り図柄の確定図柄を、左図柄決定用テーブル172を用いて決定された左可変表示部42aにおける飾り図柄の確定図柄と同一のものに設定すればよい。あるいは、中・右可変表示部42b及び42cにおける飾り図柄の確定図柄を、左可変表示部42aにおける飾り図柄の確定図柄とは異なる同一のものに設定してもよい。
【0072】
図23(B)に示す中図柄決定用テーブル173は、小当りあるいはハズレの表示結果を導出表示するときに、中可変表示部42bにおける飾り図柄の確定図柄を決定するためのテーブルである。例えば、中図柄決定用テーブル173には、中可変表示部42bにおける確定図柄の図柄番号と、ランダムR11の値とが対応付けて格納されている。すなわち、中図柄決定用テーブル173は、ランダムカウンタ131から抽出されるランダムR11の値に基づいて、小当り時あるいはハズレ時における中可変表示部42bの確定図柄を決定可能に構成されている。なお、リーチとした後に大当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するときに、中図柄決定用テーブル173を用いて決定された飾り図柄の確定図柄が左図柄決定用テーブル172を用いて決定された飾り図柄の確定図柄と同じである場合には、導出される表示結果をハズレとするために、中可変表示部42bにおける確定図柄の図柄番号を1加算するなどしてもよい。
【0073】
図23(C)に示す右図柄決定用テーブル174は、小当り時あるいは通常ハズレ時に、右可変表示部42cにおける飾り図柄の確定図柄を決定するためのテーブルである。例えば、右図柄決定用テーブル174には、左・中可変表示部42a又は42bにおける確定図柄の図柄番号に対する加算値と、ランダムR12の値とが対応付けて格納されている。小当り時には、右図柄決定用テーブル174を用いて決定した加算値を、中図柄決定用テーブル173を用いて決定した中可変表示部42bにおける確定図柄の図柄番号に加算することで、右可変表示部42cにおける確定図柄を決定し、中可変表示部42bと右可変表示部42cとで確定図柄が異なる表示結果が導出表示されるように設定する。通常ハズレ時には、右図柄決定用テーブル174を用いて決定した加算値を、左図柄決定用テーブル172を用いて決定した左可変表示部42aにおける確定図柄の図柄番号に加算することで、右可変表示部42cにおける確定図柄を決定し、左可変表示部42aと右可変表示部42cとで確定図柄が異なる表示結果が導出表示されるように設定する。
【0074】
図23(D)に示すリーチ図柄決定用テーブル175は、飾り図柄の可変表示中にリーチ表示態様となるように仮停止させる飾り図柄を決定するためのテーブルである。
【0075】
フラグメモリ135は、表示制御基板12が可変表示装置4の表示制御を行うために用いられる各種のフラグが設定される。例えば、フラグメモリ135には、後述する表示制御プロセス処理(図32)において選択・実行すべき処理を示す表示制御プロセスフラグが設けられている。また、CPU113に入力される表示制御信号CD0〜CD7の状態等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数ビットからなるコマンド受信フラグが設けられている。コマンド受信フラグの各ビットは、可変表示開始コマンドを受信したことを示す可変表示開始フラグや、図柄指定コマンドを受信したことを示す有効フラグなどに割り付けられている。この他、所定時間が経過してタイマ割込みが発生するごとにセットされるタイマ割込フラグ等の各種のフラグが設けられている。
【0076】
図6に示す音声制御基板13、ランプ制御基板14は、主基板11から送信される制御コマンドに基づいて、音声出力制御、ランプ出力制御を、それぞれ主基板11とは独立して実行するサブ側の制御基板である。なお、表示制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14は、それぞれ独立した基板として、例えば、パチンコ遊技機1の裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置されてもよい。さらに、表示制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14を、まとめて1つの基板として構成してもよい。払出制御基板15は、遊技球の貸出や賞球等の払出制御を行うものである。情報出力基板16は、各種遊技関連情報を外部に出力するためのものである。
【0077】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。図24は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対する電源が投入されると、遊技制御メイン処理が開始され、まず、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、初期設定処理を実行する(ステップS101)。この初期設定処理において、割込モードやスタックポインタの設定が行われ、内蔵デバイスレジスタが初期化される。また、CTC(カウンタ/タイマ回路)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化を行った後、RAM102をアクセス可能状態に設定する。
【0078】
この後、前回の電源断時にRAM102の全部又は一部について所定のデータ保護処理が行われることにより、バックアップがなされたか否かを判別する(ステップS102)。パチンコ遊技機1では、不測の電源断が生じたときに、RAM102に記憶されたデータの全部又は一部を保護するための処理が行われる。このような保護処理が行われていた場合には、バックアップありと判別される。
【0079】
ステップS102にてバックアップありと判別したときには(ステップS102;Yes)、バックアップデータのチェックとしてパリティチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判別する(ステップS103)。チェック結果が正常であれば(ステップS103;Yes)、主基板11の内部状態とサブ側の各制御基板(表示制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、及び払出制御基板15)の制御状態を電源断時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を実行する(ステップS104)。そして、バックアップ保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値が設定され、そのアドレスに復帰する。
【0080】
ステップS102にてバックアップなしと判別したときや(ステップS102;No)、ステップS103にてチェック結果が正常ではなかったときには(ステップS103;No)、ステップS105に進み、所定の初期化処理が実行される。この初期化処理では、RAM102のクリアや、所定の作業領域に対する初期値設定、サブ側の各制御基板に対する初期設定用のコマンド送出などが行われる。また、CPU103に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行うことにより、以後、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにタイマ割込みが発生する。
【0081】
この後、ランダムカウンタ122によりカウントされる表示用乱数であるランダムR3及びR4を更新する表示用乱数更新処理を実行するとともに(ステップS106)、フラグメモリ125に設けられたタイマ割込フラグをチェックするなどして、タイマ割込みが発生したか否かを確認する(ステップS107)。フラグメモリ125に設けられたタイマ割込フラグは、CTCのレジスタ値が0となってタイマ割込みが発生したときにセットされる。CPU103は、タイマ割込フラグがセットされているか否かを判別することにより、タイマ割込みが発生したか否かを確認することができる。タイマ割込みが発生していないときには(ステップS107;No)、ステップS106及びS107を繰り返し実行するループ処理が行われる。
【0082】
ステップS107にてタイマ割込みの発生が確認されたときには(ステップS107;Yes)、所定のスイッチ処理を実行することにより、各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態を判定する(ステップS108)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS109)。この後、ランダムカウンタ122によりカウントされる判定用乱数であるランダムR1、R2及びR5を更新する判定用乱数更新処理(ステップS110)と、表示用乱数であるランダムR3及びR4を更新する表示用乱数更新処理(ステップS111)とを、順次実行する。
【0083】
次に、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS112)。図25は、ステップS112の特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU103は、まず、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞したか否かを、各入賞口スイッチ70に含まれる始動球検出スイッチから入力される検出信号や、フラグメモリ125に設けられた入力状態フラグなどをチェックすることにより、判別する(ステップS121)。遊技球が入賞して始動球検出スイッチからの検出信号がオン状態となった場合(ステップS121;Yes)、入賞処理を実行し(ステップS122)、遊技球が入賞していない場合(ステップS121;No)、入賞処理(ステップS122)をスキップする。
【0084】
図26は、ステップS122の入賞処理を示すフローチャートである。この入賞処理において、CPU103は、まず、特図保留メモリ120が記憶している始動入賞記憶数が最大値の4であるか否かを判別する(ステップS141)。ここで、特図保留メモリ120において、始動入賞記憶番号「4」に対応した乱数値が記憶されている場合には、始動入賞記憶数が4であると判別される。
【0085】
始動入賞記憶数が4であるときには(ステップS141;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効として、そのまま入賞処理が終了する。一方、始動入賞記憶数が4未満であるときには(ステップS141;No)、始動入賞記憶数を1加算し(ステップS142)、ランダムカウンタ122より大当り判定用のランダムR1の値を抽出する(ステップS143)。そして、抽出した乱数値を特図保留メモリ120の空エントリの先頭にセットする(ステップS144)。
【0086】
この後、CPU103は、フラグメモリ125に格納されている特別図柄プロセスフラグの値に基づいて、図25に示すステップS130〜S136の7個の処理のいずれかを選択する。以下に、ステップS130〜S136の各処理について説明する。
【0087】
ステップS130の可変表示開始待ち処理は、特別図柄プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、特図保留メモリ120が記憶している始動入賞記憶数が0か否かを判別する。ここで、特図保留メモリ120において、始動入賞記憶番号「1」に対応した乱数値が記憶されていない場合には、始動入賞記憶数が0であると判別される。始動入賞記憶数が0であれば、表示制御基板12を介して可変表示装置4上にデモンストレーション画面を表示するなどして、処理を終了する。一方、始動入賞記憶数が0ではないと判別すると、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示設定処理に対応した値である「1」に更新する。
【0088】
このステップS130の可変表示開始待ち処理では、例えば、主基板11が表示制御基板12に対して確定コマンドを送信したことに基づいて、それまで実行されていた可変表示装置4における特別図柄と飾り図柄の可変表示が終了したときに、特図保留メモリ120により保留された次の可変表示が開始可能な状態となる。すなわち、ステップS130の可変表示開始待ち処理において特別図柄プロセスフラグの値が「1」に更新されることで、特図保留メモリ120にランダムR1の値が記憶されることで保留されている可変表示の実行のうち、いずれか1つについての開始条件が成立することとなる。
【0089】
ステップS131の可変表示設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図27に示すように、まず、特図保留メモリ120から始動入賞記憶番号「1」に対応して格納されている乱数値を読み出す(ステップS151)。この際、始動入賞記憶数を1減算し、かつ、特図保留メモリ120の第2〜第4エントリ(始動入賞記憶番号「2」〜「4」)に格納された乱数値を1エントリずつ上位にシフトする(ステップS152)。
【0090】
その後、CPU103は、ステップS151で読み出した値、すなわち上述したステップS122の入賞処理にて既に抽出されているランダムR1の値に基づいて大当りとするか否かを決定する(ステップS153)。大当りとしないときには(ステップS153;No)、さらに小当りとするか否かを決定する(ステップS154)。この実施の形態では、図29に示すように、低確率時にはランダムR1の値が「3」であるときに「大当り」と決定し、「7」、「79」、「103」、「107」のいずれかであるときに「小当り」と決定する。それ以外の値であるときには「ハズレ」と決定する。高確率時にはランダムR1の値が「3」、「7」、「79」、「103」、「107」のいずれかであるときに「大当り」と決定し、「13」、「17」、「59」、「83」のいずれかであるときに「小当り」と決定する。それ以外の値であるときには「ハズレ」と決定する。
【0091】
ステップS153及びS154にて「ハズレ」と決定したときには(ステップS154;No)、CPU103は、ランダムカウンタ122よりランダムR4の値を抽出し(ステップS155)、特別図柄選択テーブルメモリ124に記憶された図13に示すハズレ時特別図柄決定用テーブル150を用いて、特別図柄の確定図柄を決定する(ステップS156)。
【0092】
ステップS156に続いて、CPU103は、ランダムカウンタ122よりランダムR2及びR3の値を抽出し(ステップS157)、抽出したランダムR2の値に基づいてリーチとするか否かを決定する(ステップS158)。例えば、抽出したランダムR2の値が「105」〜「1530」のいずれかであるときには、リーチとしないことを決定する。一方、ランダムR2の値が「0」〜「104」のいずれかであるときには、リーチとすることを決定する。
【0093】
ステップS158にてリーチとすることを決定したときには(ステップS158;Yes)、CPU103は、可変表示パターンテーブルメモリ123に格納された可変表示パターンのうちから、図12(B)に示すリーチハズレ可変表示パターンテーブル141を選択する。そして、ステップS157にて抽出したランダムR3の値に基づいてリーチハズレ可変表示パターンテーブル141を参照することにより、リーチハズレに対応した可変表示パターンを決定する(ステップS159)。
【0094】
ステップS158にてリーチとしないと決定したときには(ステップS158;No)、CPU103は、ステップS157にて抽出したランダムR3の値に基づいて図12(A)に示す通常ハズレ可変表示パターンテーブル140を参照することにより、通常ハズレに対応した可変表示パターンを決定する(ステップS160)。この後、ステップS170に進む。
【0095】
また、ステップS154にて「小当り」と決定したときには(ステップS154;Yes)、CPU103は、特別図柄の確定図柄を小当り用の図柄である「1」とすることを決定し(ステップS161)、ランダムカウンタ122よりランダムR3の値を抽出する(ステップS162)。そして、図12(C)に示す小当り可変表示パターンテーブル142を参照することにより、小当りに対応した可変表示パターンを決定する(ステップS163)。この後、ステップS170に進む。
【0096】
ステップS153にて「大当り」と決定したときには(ステップS153;Yes)、CPU103は、ランダムカウンタ122よりランダムR5の値を抽出し(図28に示すステップS164)、確変大当りとするか否かを決定する(ステップS165)。例えば、ランダムR5の値が奇数であるときには、確変大当りとすることを決定する。一方、ランダムR5の値が偶数であるときには、通常大当りとすることを決定する。
【0097】
ステップS165にて通常大当りとすることを決定したときには(ステップS165;No)、特別図柄の確定図柄を通常大当り用の図柄である「3」とすることを決定する(ステップS166)。一方、確変大当りとすることを決定したときには(ステップS165;Yes)、特別図柄の確定図柄を確変大当り用の図柄である「7」とすることを決定する(ステップS167)。
【0098】
ステップS166あるいはS167の後、CPU103は、ランダムカウンタ122よりランダムR3の値を抽出し(ステップS168)、図12(D)に示す大当り可変表示パターンテーブル143を参照することにより、大当りに対応した可変表示パターンを決定する(ステップS169)。この後、ステップS170に進む。
【0099】
図27に示すステップS170において、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示制御処理に対応した値である「2」に更新した後、可変表示設定処理を終了する。こうして、図27及び図28のフローチャートに示す可変表示設定処理により、主基板11の側にて、可変表示装置4にて行われる可変表示における特別図柄の確定図柄と、可変表示パターンとが選択決定される。ここで、図12(A)〜(D)に示すように、各可変表示パターンテーブル140〜143では、可変表示パターンと可変表示における総可変表示時間とが対応付けられている。従って、この可変表示設定処理により可変表示パターンを決定することにより、可変表示における特別図柄と飾り図柄の総可変表示時間も決定されることとなる。
【0100】
図25に示すステップS132の可変表示制御処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、可変表示装置4において特別図柄及び飾り図柄の全図柄が可変表示を開始するように制御する。具体的には、上述したステップS131の可変表示設定処理にて決定した特別図柄の確定図柄や可変表示パターンに対応する制御データを、コマンド送信テーブルメモリ121にて、コマンド送信個数カウンタにより指定されるコマンド送信テーブルに設定するなどして、可変表示開始コマンドと図柄指定コマンドを送信可能に設定する。そして、可変表示パターンに対応する総可変表示時間を可変表示時間タイマ126に設定し、可変表示開始コマンドが送信されるとともにカウントダウンを開始する。この後、可変表示時間タイマ126がタイムアウトすると、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示停止時処理に対応した値である「3」に更新する。
【0101】
ステップS133の可変表示停止時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、主基板11から表示制御基板12に確定コマンドを送信するための設定を行う。具体的には、確定コマンドに対応する制御データを、コマンド送信テーブルメモリ121にて、コマンド送信個数カウンタにより指定されるコマンド送信テーブルに設定するなどして、確定コマンドを送信可能に設定する。そして、可変表示の表示結果が大当りあるいは小当りとなるときには、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である「4」に更新し、ハズレとなるときには、特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0102】
ステップS134の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、大入賞口としての特別可変入賞球装置7を開放する制御を開始するための設定を行う。そして、特別可変入賞球装置7を開放する制御を開始するとともに、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理に対応した値である「5」に更新する。
【0103】
ステップS135の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、開成された特別可変入賞球装置7への遊技球の入賞検出、賞球の払出指令、開成時間の計測、及び開成サイクルのラウンド数表示のための表示制御コマンド設定等を行う。
【0104】
例えば、可変表示の表示結果が小当りであったときには、ステップS135の大入賞口開放中処理において、CPU103は、特別可変入賞球装置7の開成時間が所定時間に達すると、特別図柄プロセスフラグの値を「6」に更新する。
【0105】
可変表示の表示結果が大当りであったときには、ステップS135の大入賞口開放中処理において、CPU103は、入賞球数が所定数に達するか開成時間が所定時間に達すると、特別図柄プロセスフラグの値を更新する。具体的には、1回の大当りについて、特別可変入賞球装置7の開成回数をカウントし、開成回数が例えば16回に達していれば、特定遊技状態(大当り状態)を終了する条件が終了したとして特別図柄プロセスフラグの値を「6」に更新する。一方、開成回数が16回に達していなければ、特別可変入賞球装置7を一旦閉成した後、所定時間が経過するのを待って再度開成する。
【0106】
ステップS136の通常遊技状態復帰処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「6」のときに実行される処理であり、CPU103は、小当り遊技状態あるいは大当り遊技状態を終了させる処理を行い、特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0107】
以上説明したような特別図柄プロセス処理が終了すると、図24に示すステップS113に進み、普通図柄プロセス処理を実行する。この普通図柄プロセス処理において、CPU103は、普通図柄表示器40の表示制御内容を指示する制御データを、コマンド送信テーブルメモリ121にて、コマンド送信個数カウンタにより指定されるコマンド送信テーブルに設定するなどして、主基板11から表示制御基板12に普通図柄用の表示制御コマンドを送信可能に設定する。表示制御基板12では、主基板11から送信された表示制御コマンドに基づく普通図柄表示器40の表示制御が行われる。具体的には、所定の実行条件が成立したときに普通図柄表示器40を制御して所定の普通図柄を所定の可変表示時間が経過するまで点灯・点滅表示させた後、当り又はハズレの普通図柄が確定表示される。
【0108】
普通図柄プロセス処理が終了すると、所定のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から表示制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して、コマンド送信テーブルに格納されている制御コマンドを送出する(ステップS114)。また、CPU103は、所定の情報出力処理を実行することにより、各種出力データの格納領域の内容をI/Oポート104に含まれる各出力ポートに出力する(ステップS115)。この情報出力処理では、主基板11から情報出力基板16に、大当り情報、始動情報、確率変動情報などをホール管理用コンピュータに対して出力する指令の送出も行われる。
【0109】
続いて、CPU103は、所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに普通可変入賞球装置6における可動翼片の可動制御や特別可変入賞球装置7の開閉駆動を行う(ステップS116)。この実施の形態では、図1及び図5に示すように、特別可変入賞球装置7が可変表示装置4の上側に配置されている。そして、CPU103がステップS116のソレノイド出力処理を実行して、ソレノイド回路108によりソレノイド21a及び21bがオン状態に制御されると、可動部材20a、20bが互いに離隔する方向に移動して、入賞領域が開成された状態となる。このように特別可変入賞球装置7が可変表示装置4の上側に配置されたことで、大当り遊技状態や小当り遊技状態において遊技球が特別可変入賞球装置7に入賞しやすくなる。
【0110】
ステップS116のソレノイド出力処理を実行した後、CPU103は、所定の賞球処理を実行することにより、各入賞口スイッチ70から入力された検出信号に基づく賞球数の設定などを行い、払出制御基板15に対して払出制御コマンドを出力可能とする(ステップS117)。
【0111】
次に、表示制御基板12に搭載された表示制御用のCPU113の動作を説明する。図30は、CPU113が実行する表示制御メイン処理を示すフローチャートである。表示制御メイン処理を開始すると、まず、所定の初期化処理を実行することにより、RAM115のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための33ミリ秒タイマの初期設定等を行う(ステップS201)。
【0112】
その後、CPU113は、フラグメモリ135に設けられたタイマ割込フラグを監視し、タイマ割込フラグがセットされるまでループ処理を実行する(ステップS202;No)。このループ処理では、ランダムカウンタ131がカウントするランダムR10〜R16を更新する乱数更新処理が実行される。この実施の形態では、CPU113にて33ミリ秒ごとにタイマ割込みが発生し、このタイマ割込みが発生すると、所定のタイマ割込処理を実行することにより、フラグメモリ135に設けられたタイマ割込フラグがセットされる。
【0113】
CPU113では、33ミリ秒ごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの表示制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、主基板11からの表示制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。表示制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU113は、自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
【0114】
主基板11からの表示制御INT信号がオン状態となることによりCPU113において割込みがかかることで、CPU113は、表示制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポートから、データを読み込む。そして、2バイト構成である表示制御コマンドのMODEデータ、EXTデータを順次受信し、受信コマンドバッファメモリ130にて、コマンド受信個数カウンタにより指定される受信コマンドバッファに、受信したコマンドを格納する。受信コマンドバッファに対する表示制御コマンドの格納が完了すると、コマンド受信個数カウンタのカウント値を更新して、次に受信する表示制御コマンドを適切な受信コマンドバッファに格納できるように設定する。
【0115】
こうして受信コマンドバッファに主基板11から送信された表示制御コマンドが格納される一方で、図30に示すステップS202にてタイマ割込みの発生が確認される。このタイマ割込みの発生が確認されると(ステップS202;Yes)、CPU113は、コマンド解析処理を実行することにより、受信した表示制御コマンドを解析する(ステップS203)。
【0116】
図31は、ステップS203のコマンド解析処理を示すフローチャートである。このコマンド解析処理を開始すると、CPU113は、まず、受信コマンドバッファメモリ130に設けられた受信コマンドバッファに、主基板11から受信した表示制御コマンドが格納されているか否かを確認する(ステップS231)。コマンドが格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致しているときには、受信コマンドが格納されていない。受信コマンドバッファに受信コマンドが格納されているときには(ステップS231;Yes)、CPU113が受信コマンドバッファから受信コマンドを読み出す(ステップS232)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく。
【0117】
CPU113は、読み出した受信コマンドが図柄指定コマンドであるか否かを判別する(ステップS233)。図柄指定コマンドであれば(ステップS233;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM115に確保された特別図柄用の確定図柄格納エリアに格納するとともに(ステップS234)、対応する有効フラグをセットする(ステップS235)。図柄指定コマンドのEXTデータは、特別図柄の図柄番号を示すデータとなっている。これに対して、ステップS232にて読み出した受信コマンドが図柄指定コマンドではないときには(ステップS233;No)、ステップS234及びS235をスキップする。
【0118】
続いて、CPU113は、ステップS232にて読み出した受信コマンドが可変表示開始コマンドであるか否かを判別する(ステップS236)。可変表示開始コマンドであれば(ステップS236;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM115に確保された可変表示パターン格納エリアに格納してセーブするとともに(ステップS237)、フラグメモリ135に設けられた可変表示開始受信フラグをセットする(ステップS238)。これに対して、ステップS232にて読み出した受信コマンドが可変表示開始コマンドではないときには(ステップS236;No)、ステップS237及びS238をスキップする。
【0119】
また、読み出した受信コマンドがその他の表示制御コマンド(例えば確定コマンド)であるときには、フラグメモリ135に設けられたコマンド受信フラグにて、受信した表示制御コマンドに対応するビットをセットし(ステップS239)、ステップS231にリターンする。こうして受信コマンドバッファに格納された全ての受信コマンドに対応した各種の処理が実行され、全ての受信コマンドが読み出されると、コマンド解析処理が終了する。
【0120】
図30に示すように、このようなコマンド解析処理が終了すると、ランダムカウンタ131がカウントするランダムR10〜R16を更新するためのカウンタ更新処理を実行した後(ステップS204)、表示制御プロセス処理を実行する(ステップS205)。図32は、ステップS205の表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。この表示制御プロセス処理において、CPU113は、フラグメモリ135に設けられている表示制御プロセスフラグの値に基づいて、図32に示すステップS240〜S245の6個の処理のいずれかを選択する。以下に、ステップS240〜S245の各処理について説明する。
【0121】
ステップS240の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、表示制御プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、CPU113は、図33に示すように、まず、フラグメモリ135に設けられた可変表示開始フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS251)。上述したコマンド解析処理において、可変表示時間を特定可能な可変表示開始コマンドが受信コマンドバッファから読み出されたときには、可変表示開始フラグがセットされる。
【0122】
ステップS251にて可変表示開始フラグがセットされているときには(ステップS251;Yes)、可変表示開始フラグをクリアし(ステップS252)、表示制御プロセスフラグの値を表示制御設定処理に対応した値である「1」に更新する(ステップS253)。一方、可変表示開始フラグがセットされていないときには(ステップS251;No)、そのまま可変表示開始コマンド受信待ち処理が終了する。
【0123】
図32に示すステップS241の表示制御設定処理は、表示制御プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。図34は、ステップS241の表示制御設定処理を示すフローチャートである。この処理では、主基板11から送信された可変表示開始コマンドの種類と図柄指定コマンドの種類に基づいて決定される可変表示の表示態様と表示結果に応じた処理が、選択されて実行される。
【0124】
表示制御設定処理を開始するにあたって、CPU113は、RAM115に確保された特別図柄用の確定図柄格納エリアと可変表示パターン格納エリアに格納されたデータを読み出し、主基板11から送信された表示制御コマンドにて指定された特別図柄の確定図柄と、可変表示パターンとを、特定する。このとき、特別図柄の確定図柄と、可変表示パターンの内容とが合致しない場合には、所定の基準に従って、実際の遊技状態に極力近づけた表示結果を導出できるように、特別図柄の確定図柄と、可変表示パターンの内容の整合を取るようにしてもよい。
【0125】
表示制御設定処理を開始したCPU113は、既に特定した特別図柄の確定図柄と可変表示パターンに基づいて、可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する(ステップS261)。大当りとしないときには(ステップS261;No)、小当りとするか否かを決定する(ステップS262)。ステップS261及びステップS262にてハズレとすることを決定したときには(ステップS262;No)、リーチとするか否かを決定する(ステップS263)。
【0126】
ステップS263にてリーチとしないことを決定したときには(ステップS263;No)、通常ハズレ表示設定処理を実行する(ステップS264)。一方、リーチとすることを決定したときには(ステップS263;Yes)、リーチハズレ表示設定処理を実行する(ステップS265)。ステップS264及びステップS265の後、ステップS270に進む。
【0127】
ステップS261にて大当りとすることを決定したとき(ステップS261;Yes)、CPU113は、特別図柄の確定図柄に基づいて、確変大当りとするか否かを決定する(ステップS266)。すなわち、特別図柄の確定図柄が「3」であるときには通常大当りとすることを決定し、特別図柄の確定図柄が「7」であるときには確変大当りとすることを決定する。
【0128】
ステップS266にて確変大当りとせず、通常大当りとすることを決定したときには(ステップS266;No)、通常大当り表示設定処理を実行する(ステップS267)。一方、確変大当りとすることを決定したときには(ステップS266;Yes)、確変大当り表示設定処理を実行する(ステップS268)。ステップS267及びステップS268の後、ステップS270に進む。
【0129】
ステップS262にて小当りとすることを決定したとき、すなわち特別図柄の確定図柄が「1」であるとき(ステップS262;Yes)、CPU113は、小当り表示設定処理を実行する(ステップS269)。ステップS270において、CPU113は、表示制御プロセスフラグの値を可変表示開始処理に対応した値である「2」に更新する。
【0130】
図35は、ステップS264の通常ハズレ表示設定処理をより詳細に示すフローチャートである。この処理において、CPU113は、まず、表示制御パターンを選択するための表示制御パターンテーブルとして、図18(A)に示す通常ハズレ表示制御パターンテーブル160を設定する(ステップS401)。この際、CPU113は、可変表示開始コマンドにて指定された可変表示パターンに対応する総可変表示時間を特定する。続いて、ランダムカウンタ131よりランダムR14の値を抽出する(ステップS402)。そして、総可変表示時間とランダムR14の値に基づき、通常ハズレ表示制御パターンテーブル160を用いて通常ハズレ用の表示制御パターンを決定する(ステップS403)。
【0131】
続いて、CPU113は、左可変表示部42aにおける飾り図柄の確定図柄を決定するためのテーブルとして、図23(A)に示す左図柄決定用テーブル172を設定し、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づいて、左可変表示部42aにおける確定図柄を決定する(ステップS404)。また、右可変表示部42cにおける飾り図柄の確定図柄を決定するためのテーブルとして図23(C)に示す右図柄決定用テーブル174を設定し、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR12の値に基づいて、右可変表示部42cにおける確定図柄を左可変表示部42aにおける確定図柄とは異なるものとして決定する(ステップS405)。さらに、任意の飾り図柄を中可変表示部42bにおける確定図柄として決定する(ステップS406)。
【0132】
図36は、図34に示すステップS265のリーチハズレ表示設定処理をより詳細に示すフローチャートである。この処理において、CPU113は、まず、表示制御パターンを選択するための表示制御パターンテーブルとして、図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161を設定する(ステップS411)。この際、CPU113は、可変表示開始コマンドにより指定された可変表示パターンに対応する総可変表示時間を特定する。続いて、ランダムカウンタ131よりランダムR14及びR15の値を抽出する(ステップS412)。そして、総可変表示時間とランダムR14及びR15の値に基づき、リーチハズレ表示制御パターンテーブル161を用いてリーチハズレ用の表示制御パターンを選択決定する(ステップS413)。
【0133】
ここで、リーチハズレ表示制御パターンテーブル161には、可変表示中に一旦導出表示した飾り図柄を再変動させる表示制御パターンと、再変動させない表示制御パターンとが格納されている。図18(B)に示す例では、ステップS412にて抽出したランダムR15の値が「0」〜「5」のいずれかであるときには、一旦導出表示した飾り図柄を再変動させる表示制御パターンが選択される。一方、ランダムR15の値が「6」〜「21」のいずれかであるときには、導出表示した飾り図柄を再変動させない表示制御パターンが選択される。こうしたステップS413の処理により、可変表示の表示結果をリーチハズレとするときに、可変表示における表示態様を一旦導出表示した飾り図柄の再変動を行う再変動表示態様とするか、一旦導出表示した飾り図柄の再変動は行わない非再変動表示態様とするかを、選択決定することができる。
【0134】
ステップS413にて選択決定された表示制御パターンに基づいて、CPU113は、飾り図柄の再変動を実行するか否かを判定する(ステップS414)。再変動しないと判定したときには(ステップS414;No)、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づき、図23(A)に示す左図柄決定用テーブル172を用いて左可変表示部42aにおける確定図柄を決定する(ステップS415)。また、右可変表示部42cにおける確定図柄を左可変表示部42aにおける確定図柄と同一のものとすることを決定するとともに(ステップS416)、左・右可変表示部42a、42cにおける確定図柄とは異なる飾り図柄を、中可変表示部42bにおける確定図柄として決定する(ステップS417)。
【0135】
一方、ステップS414にて再変動すると判定したときには(ステップS414;Yes)、左・中可変表示部42a、42bにて一旦導出表示してリーチ表示態様で仮停止させる飾り図柄を決定するためのテーブルとして図23(D)に示すリーチ図柄決定用テーブル175を設定し、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づいて、リーチ表示態様で仮停止させるリーチ図柄を決定する(ステップS418)。そして、リーチ図柄とは異なる飾り図柄を左可変表示部42a又は右可変表示部42cにおける確定図柄として決定する(ステップS419)。
【0136】
図37及び図38は、図34に示すステップS267の通常大当り表示設定処理をより詳細に示すフローチャートである。この処理において、CPU113は、まず、ランダムカウンタ131よりランダムR16の値を抽出し(ステップS421)、抽出したランダムR16の値に基づいてオールマイティ図柄を導出表示するか否かを決定する(ステップS422)。例えば、ステップS421にて抽出したランダムR16の値が「0」〜「9」のいずれかであるときには、左可変表示部42aにおける飾り図柄の可変表示において、オールマイティ図柄を表示結果として導出表示しないことを決定する。一方、ランダムR16の値が「10」〜「12」のいずれかであるときには、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにおける可変表示の表示結果として導出表示することを決定する。
【0137】
ステップS422にてオールマイティ図柄を導出表示しないことを決定したとき(ステップS422;No)、CPU113は、表示制御パターンを選択するための表示制御パターンテーブルとして、図20(A)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル163を設定する(ステップS423)。一方、オールマイティ図柄を導出表示することを決定したときには(ステップS422;Yes)、図20(B)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル164を設定する(ステップS424)。また、ステップS423、S424において、CPU113は、可変表示開始コマンドにより指定された可変表示パターンに対応する総可変表示時間を特定する。
【0138】
続いて、CPU113は、ランダムカウンタ131よりランダムR14及びR15の値を抽出し(ステップS425)、総可変表示時間とランダムR14及びR15の値に基づき、ステップS423あるいはS424にて設定した表示制御パターンテーブルを用いて通常大当り用の表示制御パターンを選択決定する(ステップS426)。
【0139】
ここで、図20(B)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル164は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにおける表示結果として導出表示させた後、主基板11から送信された確定コマンドを受信するより前に、所定の差替タイミングにてオールマイティ図柄を他の飾り図柄に差し替えて変更するための表示制御パターンを格納している。従って、図20(B)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル164を用いて表示制御パターンを選択決定したときには、各種タイマ133に含まれる図柄差替時間タイマに、総可変表示時間よりも所定時間(例えば2秒)だけ短い時間に相当するカウント初期値が設定される。すなわち、図柄差替時間タイマにおけるカウント初期値は、特別図柄と飾り図柄の総可変表示時間に基づいて決定される。そして、特別図柄及び飾り図柄の可変表示開始とともに、図柄差替時間タイマのカウントダウン動作が開始されることとなる。
【0140】
また、図20(A)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル163と、図20(B)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル164には、図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161と同様に、可変表示中に一旦導出表示した飾り図柄を再変動させる表示制御パターンと、再変動させない表示制御パターンとが格納されている。従って、ステップS426の処理にて表示制御パターンを選択決定することにより、可変表示の表示結果を通常大当りとするときに、可変表示の表示態様を再変動表示態様とするか、非再変動表示態様とするかを、選択決定することができる。
【0141】
ステップS426にて選択決定された表示制御パターンに基づいて、CPU113は、飾り図柄の再変動を実行するか否かを判定する(ステップS427)。再変動しないと判定したときには(ステップS427;No)、さらに、オールマイティ図柄を導出表示するか否かを判定する(ステップS428)。ステップS428にてオールマイティ図柄を導出表示しないと判定したときには(ステップS428;No)、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、図23(D)に示すリーチ図柄決定用テーブル175を用いて、左・右可変表示部42a、42cにてリーチ表示態様で仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS429)。この後、ステップS436に進む。
【0142】
ステップS428にてオールマイティ図柄を導出表示すると判定したとき(ステップS428;Yes)、CPU113は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにて仮停止表示する図柄として決定する(ステップS430)。さらに、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、リーチ図柄決定用テーブル175を用いて右可変表示部42cにて仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS431)。この後、ステップS436に進む。
【0143】
また、ステップS427にて飾り図柄の再変動を実行すると判定したとき(ステップS427;Yes)、CPU113は、さらにオールマイティ図柄を導出表示するか否かを判定する(図38に示すステップS432)。ステップS432にてオールマイティ図柄を導出表示しないと判定したときには(ステップS432;No)、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、リーチ図柄決定用テーブル175を用いて左・中可変表示部42a、42bにてリーチ表示態様で仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS433)。この後、ステップS436に進む。
【0144】
ステップS432にてオールマイティ図柄を導出表示すると判定したとき(ステップS432;Yes)、CPU113は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにて仮停止表示する図柄として決定する(ステップS434)。さらに、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、リーチ図柄決定用テーブル175を用いて中可変表示部42bにて仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS435)。この後、ステップS436に進む。
【0145】
図37に示すステップS436において、CPU113は、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づき、図22(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル170を用いて通常大当り用の確定図柄、すなわち左・中・右可変表示部42a〜42cにおける同一の確定図柄を決定する。ステップS436にて決定された確定図柄は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにおける可変表示の表示結果として導出表示した場合に、所定の差替タイミングにてオールマイティ図柄と差し替えられる図柄となる。すなわち、このステップS436の処理により、オールマイティ図柄と差し替えられる図柄が決定される。
【0146】
図39及び図40は、図34に示すステップS268の確変大当り表示設定処理をより詳細に示すフローチャートである。この処理において、CPU113は、まず、ランダムカウンタ131よりランダムR16の値を抽出し(ステップS441)、抽出したランダムR16の値に基づいてオールマイティ図柄を導出表示するか否かを決定する(ステップS442)。
【0147】
ステップS442にてオールマイティ図柄を導出表示しないことを決定したとき(ステップS442;No)、CPU113は、表示制御パターンを選択するための表示制御パターンテーブルとして、図21(A)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル165を設定する(ステップS443)。一方、オールマイティ図柄を導出表示することを決定したときには(ステップS442;Yes)、図21(B)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル166を設定する(ステップS444)。また、ステップS443、S444において、CPU113は、可変表示開始コマンドにより指定された可変表示パターンに対応する総可変表示時間を特定する。
【0148】
続いて、CPU113は、ランダムカウンタ131よりランダムR14及びR15の値を抽出し(ステップS445)、総可変表示時間とランダムR14及びR15の値に基づき、ステップS443あるいはS444にて設定した表示制御パターンテーブルを用いて確変大当り用の表示制御パターンを選択決定する(ステップS446)。
【0149】
ここで、図21(B)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル166は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにおける表示結果として導出表示させた後、主基板11から送信された確定コマンドを受信するより前に、所定の差替タイミングにてオールマイティ図柄を他の飾り図柄に差し替えて変更するための表示制御パターンを格納している。従って、図21(B)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル166を用いて表示制御パターンを選択決定したときには、各種タイマ133に含まれる図柄差替時間タイマに、総可変表示時間よりも所定時間(例えば2秒)だけ短い時間に相当するカウント初期値が設定される。すなわち、図柄差替時間タイマにおけるカウント初期値は、特別図柄と飾り図柄の総可変表示時間に基づいて決定される。そして、特別図柄及び飾り図柄の可変表示開始とともに、図柄差替時間タイマのカウントダウン動作が開始されることとなる。
【0150】
また、図21(A)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル165と、図21(B)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル166には、図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161と同様に、可変表示中に一旦導出表示した飾り図柄を再変動させる表示制御パターンと、再変動させない表示制御パターンとが格納されている。従って、ステップS446の処理にて表示制御パターンを選択決定することにより、可変表示の表示結果を確変大当りとするときに、可変表示における表示態様を再変動表示態様とするか、非再変動表示態様とするかを、選択決定することができる。
【0151】
ステップS446にて選択決定された表示制御パターンに基づいて、CPU113は、飾り図柄の再変動を実行するか否かを判定する(ステップS447)。再変動しないと判定したときには(ステップS447;No)、さらに、オールマイティ図柄を導出表示するか否かを判定する(ステップS448)。ステップS448にてオールマイティ図柄を導出表示しないと判定したときには(ステップS448;No)、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、図23(D)に示すリーチ図柄決定用テーブル175を用いて、左・右可変表示部42a、42cにてリーチ表示態様で仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS449)。この後、ステップS456に進む。
【0152】
ステップS448にてオールマイティ図柄を導出表示すると判定したとき(ステップS448;Yes)、CPU113は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにて仮停止表示する図柄として決定する(ステップS450)。さらに、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、リーチ図柄決定用テーブル175を用いて右可変表示部42cにて仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS451)。この後、ステップS456に進む。
【0153】
また、ステップS447にて飾り図柄の再変動を実行すると判定したとき(ステップS447;Yes)、CPU113は、さらにオールマイティ図柄を導出表示するか否かを判定する(図40に示すステップS452)。ステップS452にてオールマイティ図柄を導出表示しないと判定したときには(ステップS452;No)、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、リーチ図柄決定用テーブル175を用いて左・中可変表示部42a、42bにてリーチ表示態様で仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS453)。この後、ステップS456に進む。
【0154】
ステップS452にてオールマイティ図柄を導出表示すると判定したとき(ステップS452;Yes)、CPU113は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにて仮停止表示する図柄として決定する(ステップS454)。さらに、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR13の値に基づき、リーチ図柄決定用テーブル175を用いて中可変表示部42bにて仮停止表示する飾り図柄を決定する(ステップS455)。この後、ステップS456に進む。
【0155】
図39に示すステップS456において、CPU113は、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づき、図22(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル170を用いて確変大当り用の確定図柄、すなわち左・中・右可変表示部42a〜42cにおける同一の確定図柄を決定する。ステップS456にて決定された確定図柄は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにおける可変表示の表示結果として導出表示した場合に、所定の差替タイミングにてオールマイティ図柄と差し替えられる図柄となる。すなわち、このステップS456の処理により、オールマイティ図柄と差し替えられる図柄が決定される。
【0156】
図41は、図34に示すステップS269の小当り表示設定処理をより詳細に示すフローチャートである。この処理において、CPU113は、まず、表示制御パターンを選択するための表示制御パターンテーブルとして、図19に示す小当り表示制御パターンテーブル162を設定する(ステップS461)。この際、CPU113は、可変表示開始コマンドにより指定された可変表示パターンに対応する総可変表示時間を特定する。続いて、ランダムカウンタ131よりランダムR14及びR15の値を抽出する(ステップS462)。そして、総可変表示時間とランダムR14及びR15の値に基づき、小当り表示制御パターンテーブル162を用いて小当り用の表示制御パターンを選択決定する(ステップS463)。
【0157】
ここで、図19に示す小当り表示制御パターンテーブル162には、図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161と同様に、可変表示中に一旦導出表示した飾り図柄を再変動させる表示制御パターンと、再変動させない表示制御パターンとが格納されている。従って、ステップS463の処理にて表示制御パターンを選択決定することにより、可変表示の表示結果を小当りとするときに、可変表示における表示態様を再変動表示態様とするか、非再変動表示態様とするかを、選択決定することができる。
【0158】
ステップS463に続いて、CPU113は、オールマイティ図柄を左可変表示部42aにおける確定図柄とすることを決定する(ステップS464)。すなわち、可変表示の表示結果を小当りとするときには、左可変表示部42aに表示結果として導出表示されたオールマイティ図柄を差し替えることなく可変表示を終了することが決定される。これにより、左可変表示部42aに表示結果として導出表示されたオールマイティ図柄が差し替えられるのは、可変表示の表示結果が特定表示結果である大当りとなるときのみとなり、小当りとなるときにはオールマイティ図柄の差し替えによる変更が規制される。
【0159】
ステップS463にて選択決定された表示制御パターンに基づいて、CPU113は、飾り図柄の再変動を実行するか否かを判定する(ステップS465)。再変動しないと判定したときには(ステップS465;No)、任意の飾り図柄を右可変表示部42cにおける確定図柄として決定し(ステップS466)、右可変表示部42cにおける確定図柄とは異なる図柄を中可変表示部42bにおける確定図柄として決定する(ステップS467)。
【0160】
また、ステップS465にて飾り図柄の再変動を実行すると判定したとき(ステップS465;Yes)、CPU113は、中可変表示部42bにおいて仮停止表示する図柄、及び確定図柄として、任意の飾り図柄を選択決定する(ステップS468)。さらに、中可変表示部42bにおける確定図柄とは異なる図柄を右可変表示部42cにおける確定図柄として決定する(ステップS469)。
【0161】
図32に示すステップS242の可変表示開始時処理は、表示制御プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この処理において、CPU113は、図42に示すように、まず、今回実行する可変表示にて、オールマイティ図柄を表示結果として導出表示するか否かを判定する(ステップS271)。オールマイティ図柄を導出表示するときには(ステップS271;Yes)、可変表示の表示結果を小当りとするか否かを判定する(ステップS272)。
【0162】
ステップS272にて表示結果を小当りとしないとき(ステップS272;No)、CPU113は、表示結果を大当りとし、かつ、オールマイティ図柄を表示結果として導出表示すると判断して、各種タイマ133に含まれる図柄差替時間タイマのカウントダウン動作をスタートさせる(ステップS273)。このときには、図柄差替時間タイマに、可変表示における特別図柄と飾り図柄の総可変表示時間よりも所定時間(例えば2秒)だけ短い時間に相当するカウント初期値が設定されている。そして、ステップS273を実行した後には、図柄差替時間タイマにおけるカウント値が定期的にカウントダウンされる。
【0163】
ステップS271にてオールマイティ図柄を導出表示しないと判定したときや(ステップS271;No)、ステップS272にて表示結果を小当りにすると判定したときには(ステップS272;Yes)、ステップS273をスキップし、図柄差替時間タイマのカウントダウン動作は行わない。
【0164】
続いて、CPU113は、VDP116に指令を送り、可変表示装置4の特別図柄表示エリア41にて特別図柄を、左・中・右の可変表示部42a〜42cにて飾り図柄を、それぞれ徐々に加速する態様で表示させて、特別図柄及び飾り図柄の可変表示を開始させる(ステップS274)。また、可変表示パターンに対応した総可変表示時間に相当するカウント初期値を、各種タイマ133に含まれる可変表示時間タイマにセットしてカウントダウン動作を開始させることにより、可変表示時間の計測を開始させる(ステップS275)。そして、表示制御プロセスフラグの値を図柄可変表示中処理に対応する値である「3」に更新する。
【0165】
図32に示すステップS243の図柄可変表示中処理は、表示制御プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU113は、図43に示すように、まず、各種タイマ133に含まれる図柄差替時間タイマがタイムアウトしたか否かを判別する(ステップS281)。図柄差替時間タイマがタイムアウトするときには、左可変表示部42aにてオールマイティ図柄が表示結果として導出表示されているが、主基板11から送信される確定コマンドは未だ受信していない。
【0166】
図柄差替時間タイマがタイムアウトしたとき(ステップS281;Yes)、CPU113は、所定の差替タイミングが到来したと判断して、左可変表示部42aにて表示結果として導出表示されているオールマイティ図柄を、大当りの確定図柄として選択決定したオールマイティ図柄以外の飾り図柄に差し替える(ステップS282)。一方、図柄差替時間タイマがタイムアウトしていないときには(ステップS281;No)、ステップS282をスキップする。図柄差替時間タイマがカウントダウン動作を行っていないときにも、ステップS282はスキップされる。
【0167】
続いて、CPU113は、各種タイマ133に含まれる可変表示時間タイマがタイムアウトしたか否かを判別する(ステップS283)。可変表示時間タイマには、可変表示装置4にて行われている可変表示の残り時間に相当するカウント値が格納され、可変表示の終了タイミングでカウント値が「0」となる。可変表示時間タイマがタイムアウトしたときには(ステップS283;Yes)、各種タイマ133に含まれる監視タイマに対して予め定められたカウント初期値を設定し、その監視タイマのカウントダウンをスタートさせるとともに(ステップS284)、表示制御プロセスフラグの値を図柄停止待ち処理に対応する値である「4」に更新する(ステップS285)。可変表示時間タイマがタイムアウトしていないときには(ステップS283;No)、ステップS284及びS285をスキップする。
【0168】
図32に示すステップS244の図柄停止待ち処理は、表示制御プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、CPU113は、図44に示すように、まず、主基板11から送信された確定コマンドを表示制御コマンドとして受信したか否かを判別する(ステップS291)。確定コマンドを受信していないときには(ステップS291;No)、監視タイマがタイムアウトしたか否かを判別し(ステップS292)、タイムアウトしていなければ(ステップS292;No)、そのまま図柄停止待ち処理が終了する。
【0169】
一方、監視タイマがタイムアウトしたとき(ステップS292;Yes)、CPU113は、何らかの異常が発生したと判断して、可変表示装置4上に所定のエラー画面を表示する制御を行う(ステップS293)。この後、ステップS296に進む。
【0170】
また、ステップS291にて確定コマンドを受信したと判別したとき(ステップS291;Yes)、CPU113は、可変表示装置4にて実行中である特別図柄及び飾り図柄の可変表示を終了させ、各図柄における確定図柄を停止表示する制御を行い(ステップS294)、各図柄の表示結果が特定表示結果である大当りとなったか否かを判別する(ステップS295)。大当りではないときには(ステップS295;No)、ステップS296に進み、大当りであるときには(ステップS295;Yes)、ステップS297に進む。
【0171】
ステップS296において、CPU113は、表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新して、図柄停止待ち処理を終了する。また、ステップS297においては、表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応する値である「5」に更新して、図柄停止待ち処理が終了する。
【0172】
図32に示すステップS245の大当り表示処理は、表示制御プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、CPU113は、可変表示装置4を制御することにより、確変大当りにより発生する特別遊技状態や、通常大当りにより発生する特定遊技状態に応じた画像を表示する制御を行う。そして、特別遊技状態や特定遊技状態が終了すると、表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0173】
以下、図45〜図57を参照して、可変表示装置4における特別図柄と飾り図柄の可変表示を制御するための表示制御パターンの例について説明する。図45は、各表示制御パターンを構成するプロセス(可変表示の状態)を示す説明図である。なお、以下の説明では、左可変表示部42aに表示される飾り図柄を左図柄、中可変表示部42bに表示される飾り図柄を中図柄、右可変表示部42cに表示される飾り図柄を右図柄ともいう。
【0174】
図46(A)は、主基板11に搭載されたCPU103により図12(A)に示す通常ハズレ可変表示パターンテーブル140を用いて決定される可変表示パターンのうち、通常A(ハズレ)の可変表示パターンに対応して選択決定される表示制御例を示すタイミング図である。図47(A)は、図46(A)の表示制御タイミングに対応した図柄の可変表示態様の一例を示している。
【0175】
この例では、EXTデータが00(h)である可変表示開始コマンドを、表示制御基板12のCPU113が主基板11から受信すると、図18(A)に示す通常ハズレ表示制御パターンテーブル160を用いてCPU113が独自に決定した表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図46(A)に示す表示制御タイミングが選択決定される。図46(A)に示す表示制御タイミングによる可変表示では、可変表示の開始タイミングから全図柄の確定図柄が停止表示されるタイミングまでの総可変表示時間が、EXTデータが00(h)である可変表示開始コマンドに対応して、T0に設定されている。
【0176】
図46(A)に示す表示制御タイミングによる場合、まず、プロセスaにおいて左、右、中図柄の加速変動が行われる。プロセスaにより全図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbにより一定速の可変表示が行われる。その後、左図柄、右図柄の順に順次、プロセスcにより減速変動に移行し、表示結果となる図柄を導出表示する。導出表示された左図柄、右図柄については、プロセスdにより仮停止表示され、停止表示結果が確定していない状態で、導出表示された図柄を図柄のスクロール方向の順方向と逆方向とに交互に揺動する態様で表示される。こうした揺動する態様での仮停止表示は、揺れ変動表示とも称する。
【0177】
その後、中図柄がプロセスcにより減速変動に移行し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、全図柄の確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。なお、中図柄も、プロセスcによる減速変動の後に所定時間が経過するまで仮停止表示を行い、その後に停止表示するようにしてもよい。図46(A)に示す表示制御タイミングに従って、可変表示装置4上には、例えば図47(A)に示すように、リーチとなることなく、左図柄、右図柄、中図柄の順に導出表示され、ハズレの確定図柄が停止表示される。
【0178】
図46(B)は、図12(B)に示すリーチハズレ可変表示パターンテーブル141を用いて決定される可変表示パターンのうち、リーチA(ハズレ)の可変表示パターンに対応して選択決定される表示制御例を示すタイミング図である。図47(B)は、図46(B)の表示制御タイミングに対応した図柄の可変表示態様の一例を示している。
【0179】
この例では、EXTデータが10(h)であるリーチA(ハズレ)の可変表示開始コマンドを、表示制御基板12のCPU113が主基板11から受信すると、図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161を用いてCPU113が独自に決定した表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図46(B)に示す表示制御タイミングが選択決定される。図46(B)に示す表示制御タイミングによる可変表示では、可変表示の開始タイミングから全図柄の確定図柄が停止表示されるタイミングまでの総可変表示時間が、EXTデータが10(h)である可変表示開始コマンドに対応して、T2に設定されている。
【0180】
図46(B)に示す表示制御タイミングによる場合、まず、プロセスaにおいて左、右、中図柄が加速変動し、全図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbにより一定速の可変表示が行われる。一定速の可変表示が所定期間行われた後に、左図柄、右図柄の順に順次、プロセスcによる減速変動に移行し、表示結果となる図柄を導出表示させる。導出表示した左図柄と右図柄は、それぞれプロセスdによる仮停止表示状態となる。その後、中図柄がプロセスcにより減速変動し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、全図柄の確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。図46(B)に示す表示制御タイミングに従って、可変表示装置4上では、例えば図47(B)に示すように、通常のリーチ表示態様にて可変表示が行われた後、中図柄の表示結果が導出表示されてハズレの確定図柄が停止表示される。
【0181】
図46(C)は、図12(D)に示す大当り可変表示パターンテーブル143を用いて決定される可変表示パターンのうち、リーチA(大当り)の可変表示パターンに対応して選択決定される表示制御例を示すタイミング図である。図47(C)は、図46(C)の表示制御タイミングに対応した図柄の可変表示態様の一例を示している。
【0182】
この例では、EXTデータが30(h)であるリーチA(大当り)の可変表示開始コマンドを、表示制御基板12のCPU113が主基板11から受信すると、CPU113は、さらに主基板11から送信された図柄指定コマンドにて、特別図柄の確定図柄を通常大当り図柄である「3」とすることが指定されていると特定する。そして、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR16の値に基づき、オールマイティ図柄を導出表示するか否かを決定する。図46(C)に示す例では、オールマイティ図柄の導出表示を行わないことに決定し、図20(A)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル163を用いて表示制御パターンを選択決定する。こうして選択決定した表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図46(C)に示す表示制御タイミングが決定される。図46(C)に示す表示制御タイミングによる可変表示では、可変表示の開始タイミングから全図柄の確定図柄が停止表示されるタイミングまでの総可変表示時間が、EXTデータが30(h)である可変表示開始コマンドに対応して、T7に設定されている。
【0183】
図46(C)に示す表示制御タイミングによる場合、プロセスaにおいて左、右、中図柄の加速変動が行われ、全図柄が所定速度まで加速した後に、プロセスbにより一定速の可変表示が行われる。一定速の可変表示が所定期間行われた後に、左図柄、右図柄の順に順次、プロセスcによる減速変動に移行し、表示結果となる図柄を導出表示させる。導出表示された左図柄と右図柄は、それぞれプロセスdによる仮停止表示状態となる。その後、中図柄がプロセスcにより減速変動し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、全図柄の確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。図46(C)に示す表示制御タイミングに従って、可変表示装置4上では、例えば、図47(C)に示すように、通常のリーチ表示態様にて可変表示が行われた後、中図柄の表示結果が導出表示されて通常大当りの確定図柄が停止表示される。
【0184】
図48(A)に示す表示制御例では、図46(C)に示す例と同様に、主基板11において、CPU103が図12(D)に示す大当り可変表示パターンテーブル143を用いてリーチA(大当り)の可変表示パターンを使用することを決定する。そして、EXTデータが30(h)であるリーチA(大当り)の可変表示開始コマンドが主基板11から表示制御基板12へ送信される。また、図柄指定コマンドでは、特別図柄の確定図柄を通常大当り図柄である「3」とすることが指定される。
【0185】
しかしながら、図48(A)に示す表示制御例では、表示制御基板12の側において、図46(C)に示す例とは異なり、CPU113がランダムカウンタ131より抽出したランダムR16の値に基づき、オールマイティ図柄を導出表示することを決定する。この場合、CPU113は、図20(B)に示す通常大当り表示制御パターンテーブル164を用いて表示制御パターンを選択決定する。また、CPU113は、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づき、図22(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル170を用いて飾り図柄における通常大当り用の確定図柄を決定する。この例では、通常大当り用の確定図柄として「4」が決定されるものとする。
【0186】
こうして選択決定された表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図48(A)に示す表示制御タイミングが決定される。図48(A)に示す表示制御タイミングによる可変表示では、可変表示の開始タイミングから全図柄の確定図柄が停止表示されるタイミングまでの総可変表示時間が、EXTデータが30(h)である可変表示開始コマンドに対応して、T7に設定されている。
【0187】
図48(A)に示す表示制御タイミングによる場合、プロセスaにおいて左、右、中図柄の加速変動が行われ、全図柄が所定速度まで加速した後に、プロセスbにより一定速の可変表示が行われる。一定速の可変表示が所定期間行われた後、図49(B)に示すように、左図柄の表示結果としてオールマイティ図柄が導出表示される。導出表示されたオールマイティ図柄は、プロセスfによる仮停止表示状態となる。続いて、右図柄の表示結果となる飾り図柄が導出表示され、図49(C)に示すように、プロセスdによる仮停止表示状態となる。こうして、可変表示装置4に表示された飾り図柄はリーチ表示態様となる。そして、中図柄は、プロセスcにより減速変動し、図49(D)に示すように、右図柄と同一の図柄が表示結果として導出表示され、プロセスdによる仮停止表示状態となる。
【0188】
こうして大当りとなる表示結果が導出表示されたときには、表示制御基板12の側で主基板11から送信された確定コマンドを受信するよりも前に、図柄差替時間タイマがタイムアウトすることにより差替タイミングが到来する。差替タイミングとなると、CPU113は、左図柄の表示結果として仮停止表示状態にあるオールマイティ図柄を、図49(E)に示すように、通常大当りの表示結果となるオールマイティ図柄以外の飾り図柄に差し替える。そして、特別図柄表示エリア41に図柄指定コマンドで指定された特別図柄「3」を導出表示し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、図49(F)に示すように、通常大当りの確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。
【0189】
また、図48(A)に示す表示制御例において、主基板11から送信された図柄指定コマンドにて、特別図柄の確定図柄を確変大当り図柄である「7」とすることが指定されたとする。このときには、CPU113がランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づき、図22(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル171を用いて確変大当り用の確定図柄を決定する。
【0190】
例えば確変大当り用の確定図柄として「7」が決定されたときには、図50(D)に示すように、可変表示の表示結果としてオールマイティ図柄を含んだ確変大当りの表示結果が導出表示され、各図柄が仮停止表示状態となった後に、図柄差替時間タイマがタイムアウトして差替タイミングが到来する。差替タイミングとなると、CPU113は、左図柄の表示結果として仮停止表示状態にあるオールマイティ図柄を、図50(E)に示すように、確変大当りの表示結果となるオールマイティ図柄以外の飾り図柄に差し替える。そして、特別図柄表示エリア41に図柄指定コマンドで指定された特別図柄「7」を導出表示し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、図50(F)に示すように、確変大当りの確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。
【0191】
図48(B)は、図12(C)に示す小当り可変表示パターンテーブル142を用いて決定される可変表示パターンのうち、リーチA(小当り)の可変表示パターンに対応して選択決定される表示制御例を示すタイミング図である。図51は、図48(B)の表示制御タイミングに対応した図柄の可変表示態様の一例を示している。
【0192】
この例では、EXTデータが20(h)であるリーチA(小当り)の可変表示開始コマンドを、表示制御基板12のCPU113が主基板11から受信すると、CPU113は、さらに主基板11から送信された図柄指定コマンドにて、特別図柄の確定図柄を小当り図柄である「1」とすることが指定されていると特定する。この場合には、左図柄の確定図柄としてはオールマイティ図柄が選択決定される。そして、図19に示す小当り表示制御パターンテーブル162を用いて表示制御パターンを選択決定する。こうして選択決定された表示制御パターンに対応して、複数の表示制御タイミングのうちから図48(B)に示す表示制御タイミングが決定される。図48(B)に示す表示制御タイミングによる可変表示では、可変表示の開始タイミングから全図柄の確定図柄が停止表示されるタイミングまでの総可変表示時間が、EXTデータが20(h)である可変表示開始コマンドに対応して、T5に設定されている。
【0193】
図48(B)に示す表示制御タイミングによる場合、左、右、中図柄の加速変動に続いて一定速の可変表示が行われた後、図51(B)に示すように、左図柄の表示結果としてオールマイティ図柄が導出表示される。導出表示されたオールマイティ図柄は、プロセスfによる仮停止表示状態となる。続いて、右図柄の表示結果として任意の飾り図柄(図51に示す例では「7」)が導出表示され、図51(C)に示すように、プロセスdによる仮停止表示状態となる。こうして可変表示装置4に表示された飾り図柄は、リーチ表示態様となる。そして、中図柄がプロセスcにより減速変動し、図51(D)に示すように、右図柄とは異なる図柄が表示結果として導出表示され、プロセスdによる仮停止表示状態となる。
【0194】
こうして小当りとなる表示結果が導出表示されたときには、左図柄の表示結果として導出表示されて仮停止表示状態にあるオールマイティ図柄の差し替えを行わない。そして、特別図柄表示エリア41に図柄指定コマンドで指定された特別図柄「1」を導出表示し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、図51(E)に示すように、小当りの確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。
【0195】
図52及び図55は、表示制御基板12のCPU113が複数の表示制御パターンのうちから、一旦導出表示した左図柄を再変動させるための表示制御パターンを選択決定した場合における、表示制御例を示すタイミング図である。
【0196】
図52(A)に示す表示制御例では、主基板11に搭載されたCPU103が図12(B)に示すリーチハズレ可変表示パターンテーブル141を用いてリーチA(ハズレ)の可変表示パターンを使用すると決定し、EXTデータが10(h)である可変表示開始コマンドを送信する。表示制御基板12のCPU113は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドを受信すると、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR14及びR15の値に基づき、図18(B)に示すリーチハズレ表示制御パターンテーブル161を用いて表示制御パターンを選択決定する。
【0197】
この場合、例えば抽出されたランダムR15の値が「0」〜「5」のいずれかであるときに、可変表示における表示態様を再変動表示態様とするための表示制御パターンが選択決定される。こうして選択決定した表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図52(A)に示す表示制御タイミングが決定される。図52(A)に示す表示制御タイミングによる可変表示では、可変表示の開始タイミングから全図柄の確定図柄が停止表示されるタイミングまでの総可変表示時間が、EXTデータが10(h)である可変表示開始コマンドに対応して、T2に設定されている。
【0198】
図52(A)に示す表示制御タイミングによる場合、左、右、中図柄の加速変動に続いて一定速の可変表示が行われた後、図53(B)及び(C)に示すように、左図柄、中図柄の順に順次、同一の図柄が表示結果として導出表示され、それぞれ仮停止表示状態となる。こうして可変表示装置4に表示された飾り図柄は、リーチ表示態様となる。この後、左図柄と右図柄が、中図柄と重ねて表示されてから、図53(D)に示すように、中図柄から分身する態様で表示される。このとき、CPU113はプロセスeにより、一旦導出表示されて仮停止表示状態となっていた左図柄を、一定速の可変表示が継続して行われている右図柄の可変表示態様と同期させて再変動させる。
【0199】
こうして一旦導出表示された左図柄の再変動が開始されると、図53(E)に示すように、左図柄と右図柄は中図柄から離れる方向へ移動する。そして、図53(F)に示すように、本来の左図柄と右図柄の可変表示位置に戻る。この後、左図柄と右図柄をプロセスcにより減速変動し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、図53(H)に示すように、リーチハズレの確定図柄を停止表示する。
【0200】
図52(B)に示す表示制御例では、主基板11に搭載されたCPU103が図12(D)に示す大当り可変表示パターンテーブル143を用いてリーチA(大当り)の可変表示パターンを使用すると決定し、EXTデータが30(h)である可変表示開始コマンドを送信する。また、図柄指定コマンドでは、特別図柄の確定図柄として確変大当り図柄である「7」が指定される。
【0201】
表示制御基板12のCPU113は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドを受信すると、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR16の値に基づき、オールマイティ図柄を導出表示しないことを決定する。この場合、CPU113は、図21(A)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル165を用いて表示制御パターンを選択決定する。このとき、例えばランダムカウンタ131より抽出したランダムR15の値が「0」〜「5」のいずれかであるとして、可変表示における表示態様を再変動表示態様とするための表示制御パターンが選択決定されるものとする。CPU113は、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づき、図22(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル171を用いて、飾り図柄における確変大当り用の確定図柄を決定する。この例では、確変大当り用の確定図柄として「7」が決定されるものとする。
【0202】
こうして選択決定された表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図52(B)に示す表示制御タイミングが決定される。図52(B)に示す表示制御タイミングによる可変表示では、可変表示の開始タイミングから全図柄の確定図柄が停止表示されるタイミングまでの総可変表示時間が、EXTデータが30(h)である可変表示開始コマンドに対応して、T7に設定されている。
【0203】
図52(B)に示す表示制御タイミングによる場合、左、右、中図柄の加速変動に続いて一定速の可変表示が行われた後、図54(B)及び(C)に示すように、左図柄、中図柄の順に順次、同一の図柄が表示結果として導出表示され、それぞれ仮停止表示状態となる。こうして可変表示装置4に表示された飾り図柄は、リーチ表示態様となる。この後、左図柄と右図柄が、中図柄と重ねて表示されてから、図54(D)に示すように、中図柄から分身する態様で表示される。このとき、CPU113はプロセスeにより、一旦導出表示されて仮停止表示状態となっていた左図柄を、一定速の可変表示が継続して行われている右図柄の可変表示態様と同期させて再変動させる。
【0204】
こうして一旦導出表示された左図柄の再変動が開始されると、図54(E)に示すように、左図柄と右図柄は中図柄から離れる方向へ移動する。そして、図54(F)に示すように、本来の左図柄と右図柄の可変表示位置に戻る。この後、左図柄と右図柄をプロセスcにより減速変動し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、図54(H)に示すように、確変大当りの確定図柄を停止表示する。
【0205】
図55(A)に示す表示制御例では、図52(B)に示す例と同様に、主基板11において、CPU103が図12(D)に示す大当り可変表示パターンテーブル143を用いてリーチA(大当り)の可変表示パターンを使用すると決定する。そして、EXTデータが30(h)であるリーチA(大当り)の可変表示開始コマンドが主基板11から表示制御基板12へ送信される。また、図柄指定コマンドでは、特別図柄の確定図柄として確変大当り図柄である「7」が指定される。
【0206】
しかしながら、図55(A)に示す表示制御例では、表示制御基板12の側において、図52(B)に示す例とは異なり、CPU113がランダムカウンタ131より抽出したランダムR16の値に基づき、オールマイティ図柄を導出表示することを決定する。この場合、CPU113は、図21(B)に示す確変大当り表示制御パターンテーブル166を用いて表示制御パターンを選択決定する。このとき、例えばランダムカウンタ131より抽出したランダムR15の値が「6」〜「21」のいずれかであるとして、可変表示における表示態様を再変動表示態様とするための表示制御パターンが選択決定される。また、CPU113は、ランダムカウンタ131より抽出したランダムR10の値に基づき、図22(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル171を用いて、飾り図柄における確変大当り用の確定図柄を決定する。この例では、確変大当り用の確定図柄として「7」が決定されるものとする。
【0207】
こうして選択決定された表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図55(A)に示す表示制御タイミングが決定され、各図柄の可変表示が開始される。図55(A)に示す表示制御タイミングによる場合、左、右、中図柄の加速変動に続いて一定速の可変表示が行われた後、図56(B)に示すように、左図柄の表示結果としてオールマイティ図柄が導出表示される。導出表示されたオールマイティ図柄は、プロセスfによる仮停止表示状態となる。続いて、中図柄の表示結果となる飾り図柄が導出表示され、図56(C)に示すように、プロセスdによる仮停止表示状態となる。こうして、可変表示装置4に表示された飾り図柄はリーチ表示態様となる。
【0208】
図56(C)に示すようなリーチ表示態様となった後、左図柄と右図柄が、中図柄と重ねて表示されてから、図56(D)に示すように、中図柄から分身する態様で表示される。このとき、CPU113は、プロセスeにより右図柄を一定速で可変表示させたままとする一方で、オールマイティ図柄が一旦導出表示されて仮停止表示状態となっている左図柄については、プロセスfにより再変動することなく仮停止表示状態を継続させる。こうして、再変動表示態様であっても、一旦導出表示されたオールマイティ図柄については再変動させないように表示制御される。
【0209】
続いて、図56(E)に示すように、一旦オールマイティ図柄が導出表示された左図柄は再変動することなく仮停止表示状態となったままで、左図柄と右図柄は中図柄から離れる方向へ移動する。そして、図56(F)に示すように、本来の左図柄と右図柄の可変表示位置に戻る。この後、右図柄は、プロセスcにより減速変動し、図56(G)に示すように、中図柄と同一の図柄が表示結果として導出表示され、プロセスdによる仮停止表示状態となる。
【0210】
こうして大当りとなる表示結果が導出表示されたときには、表示制御基板12の側で主基板11から送信された確定コマンドを受信するよりも前に、図柄差替時間タイマがタイムアウトすることにより差替タイミングが到来する。差替タイミングとなると、CPU113は、左図柄の表示結果として仮停止表示状態にあるオールマイティ図柄を、確変大当りの表示結果となるオールマイティ図柄以外の飾り図柄に差し替える。そして、特別図柄表示エリア41に図柄指定コマンドで指定された特別図柄「7」を導出表示し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、図56(H)に示すように、確変大当りの確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。
【0211】
図55(B)に示す表示制御例では、図48(B)に示す例と同様に、主基板11において、CPU103が図12(C)に示す小当り可変表示パターンテーブル142を用いてリーチA(小当り)の可変表示パターンを使用すると決定する。そして、EXTデータが20(h)であるリーチA(小当り)の可変表示開始コマンドが主基板11から表示制御基板12へ送信される。また、図柄指定コマンドでは、特別図柄の確定図柄として小当り図柄である「1」が指定される。
【0212】
EXTデータが20(h)である可変表示開始コマンドを受信した表示制御基板12のCPU113は、図19に示す小当り表示制御パターンテーブル162を用いて表示制御パターンを選択決定する。このとき、例えばランダムカウンタ131より抽出したランダムR15の値が「0」〜「5」のいずれかであるとして、可変表示における表示態様を再変動表示態様とするための表示制御パターンが選択決定されるものとする。
【0213】
こうして選択決定された表示制御パターンに対応して、複数種類の表示制御タイミングのうちから図55(B)に示す表示制御タイミングが決定され、各図柄の可変表示が開始される。図55(B)に示す表示制御タイミングによる場合、左、右、中図柄の加速変動に続いて一定速の可変表示が行われた後、図57(B)に示すように、左図柄の表示結果としてオールマイティ図柄が導出表示される。導出表示されたオールマイティ図柄は、プロセスfによる仮停止表示状態となる。続いて、中図柄の表示結果となる飾り図柄が導出表示され、図57(C)に示すように、プロセスdによる仮停止表示状態となる。こうして、可変表示装置4に表示された飾り図柄はリーチ表示態様となる。
【0214】
図57(C)に示すようなリーチ表示態様となった後、左図柄と右図柄が、中図柄と重ねて表示されてから、図57(D)に示すように、中図柄から分身する態様で表示される。このとき、CPU113は、プロセスeにより右図柄を一定速で可変表示させたままとする一方で、オールマイティ図柄が一旦導出表示されて仮停止表示状態となっている左図柄については、プロセスfにより再変動することなく仮停止表示状態を継続させる。
【0215】
続いて、図57(E)に示すように、一旦オールマイティ図柄が導出表示された左図柄は再変動することなく仮停止表示状態となったままで、左図柄と右図柄は中図柄から離れる方向へ移動する。そして、図57(F)に示すように、本来の左図柄と右図柄の可変表示位置に戻る。この後、右図柄は、プロセスcにより減速変動し、図57(G)に示すように、中図柄とは異なる図柄が表示結果として導出表示され、プロセスdによる仮停止表示状態となる。
【0216】
こうして小当りとなる表示結果が導出表示されたときには、左図柄の表示結果として導出表示されて仮停止表示状態にあるオールマイティ図柄の差し替えは行わない。そして、特別図柄表示エリア41に図柄指定コマンドで指定された特別図柄「1」を導出表示し、主基板11から送信された確定コマンドを受信すると、図57(E)に示すように、小当りの確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。
【0217】
以上説明したように、この実施の形態によれば、飾り図柄の可変表示において一旦導出表示した左図柄を再変動させる再変動表示態様とするときに、左図柄の表示結果としてオールマイティ図柄を導出表示するときには、オールマイティ図柄が一旦導出表示されて仮停止表示状態となっている左図柄について、再変動させることなく仮停止表示状態を継続させる。これにより、オールマイティ図柄が表示されたことによる遊技者の期待感を向上することができ、オールマイティ図柄を用いた演出効果を高めることができる。
【0218】
また、可変表示の表示結果として大当りの確定図柄を表示するときに、左図柄の表示結果としてオールマイティ図柄を導出表示するときには、オールマイティ図柄を導出表示した後、表示制御基板12の側で主基板11から送信された確定コマンドを受信するより前に、所定の差替タイミングにて、オールマイティ図柄を大当りの表示結果となるオールマイティ図柄以外の飾り図柄に差し替える。これにより、例えば特図保留メモリ120に可変表示の実行が保留されている場合のように、1回の可変表示が終了すると直ちに次の可変表示の実行が開始されるような場合でも、遊技者は、飾り図柄の可変表示における表示結果を確実に認識することができ、表示結果に疑いが生じることを防止できる。
【0219】
他方、可変表示の表示結果として小当りの確定図柄を表示するときには、左図柄の表示結果としてオールマイティ図柄を導出表示した後、オールマイティ図柄を差し替えることなく可変表示を終了する。そして、可変表示の表示結果を小当りとして小当り遊技状態となったときには、可変表示装置4の上部に配置された特別可変入賞球装置7が所定時間(例えば、2秒)だけ所定回数(例えば、1回)開成され、大当り遊技状態とは異なる有利な遊技状態となる。これにより、オールマイティ図柄が表示された場合に遊技者が得られる利益に差異を持たせることができ、オールマイティ図柄が表示されることによる遊技者の期待感を向上することができる。
【0220】
また、可変表示の表示態様を再変動表示態様とするか否かの決定や、可変表示においてオールマイティ図柄を導出表示するか否かの決定は、メイン側の制御基板である主基板11に搭載されたCPU103ではなく、サブ側の制御基板である表示制御基板12に搭載されたCPU113が決定する。これにより、メイン側の制御基板である主基板11における制御の負担を軽減することができる。さらに、こうした従来ではメイン側の制御基板で行っていた制御をサブ側の制御基板が行うようにしたことで、例えば主基板11のCPU103のような、メイン側の制御回路が遊技の進行を制御するために実行する遊技制御プログラムの容量を節減することができ、制御回路の回路構成も簡単になる。このことによって、メイン側の制御回路における遊技制御プログラムに不正があっても発見が容易になるとともに、不正発見のための検査も容易になる。加えて、回路構成に不正が加えられても容易に発見することができるので、不正行為がなされることを防止できる。
【0221】
また、特別可変入賞球装置7を可変表示装置4の上部に配置したことで、遊技球が特別可変入賞球装置7に入賞しやすくなり、遊技興趣を高めることができる。
【0222】
なお、上記実施の形態では、オールマイティ図柄が左可変表示部42aにて可変表示される飾り図柄に含まれるものとして説明したが、これに限定されず、中可変表示部42bあるいは右可変表示部42cにて可変表示される飾り図柄に含まれてもよい。そのほか、本発明は、特別図柄と飾り図柄を用いて可変表示を行うパチンコ遊技機に限定されず、複数種類の図柄が可変表示される可変表示部が複数設けられた構成において、いずれかの可変表示部にて可変表示される図柄にオールマイティ図柄が含まれる任意の遊技機に適用することができる。
【0223】
また、上記実施の形態では、他のすべての飾り図柄と同一種類の図柄であるとみなすことができるオールマイティ図柄を用いるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、少なくとも2種類、すなわち複数種類の図柄と同一種類の図柄であるとみなすことができる複数機能図柄であればよい。
【0224】
上記実施の形態では、可変表示装置4に特別図柄表示エリア41と飾り図柄表示エリア42とが設けられ、飾り図柄表示エリア42に含まれる3つの可変表示部42a、42b、42cにおいて左中右の飾り図柄がそれぞれ可変表示されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、可変表示装置4に設けられた複数の可変表示領域において、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示するものであればよい。例えば、可変表示装置4に設けられた3つの可変表示領域において、左中右の特別図柄がそれぞれ可変表示されるものであってもよい。
【0225】
上記実施の形態では、図33に示す可変表示開始コマンド受信待ち処理にて可変表示開始フラグがセットされていると判別したときに、図34に示す表示制御設定処理を実行した後、図42に示す可変表示開始時処理を実行することで特別図柄と飾り図柄の可変表示を開始するものとして説明した。しかしながら、この発明は、これに限定されるものではなく、可変表示開始コマンドを受信した時点で、所定の表示制御パターンに基づいて直ちに特別図柄及び飾り図柄の可変表示を開始するものであってもよい。
【0226】
また、上記実施の形態では、オールマイティ図柄を他の飾り図柄に差し替えることにより変更するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、オールマイティ図柄に他の飾り図柄を重ね合わせることにより変更するようにしてもよい。
【0227】
図1、図5及び図6に示した装置構成、図7、図9、図14及び図15に示すブロック構成、図12、図13及び図18〜図23に示すテーブル構成や、図24〜図44に示すフローチャート構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更及び修正が可能である。
【0228】
さらに、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0229】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0230】
また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【0231】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、以下に示す効果を有する。
【0232】
請求項1に記載の遊技機によれば、導出識別情報決定手段により所定の可変表示領域に複数機能識別情報を一旦導出表示させることが決定されたときには、一旦導出表示した複数機能識別情報を再可変表示規制手段が再可変表示させないように表示制御する。これにより、複数機能識別情報が表示されたことによる遊技者の期待感を向上することができ、複数機能識別情報を用いた演出効果を高めることができる。
また、識別情報の可変表示における表示態様を複数の表示態様のうちより選択決定する表示態様決定手段や、所定の可変表示領域にて一旦導出表示する識別情報を選択決定する導出識別情報決定手段が、サブ側の制御手段である可変表示制御手段に含まれているので、遊技制御手段における制御の負担を軽減することができる。
【0233】
請求項2に記載の遊技機においては、表示態様決定手段により再可変表示態様が選択決定されたときに、所定の可変表示領域を含んだ複数の可変表示領域にて識別情報をリーチ表示態様で一旦導出表示した後、再可変表示制御手段が一旦導出表示した識別情報を導出表示されることなく可変表示が継続している可変表示領域における識別情報の可変表示態様と同期させて再可変表示させる。これにより、識別情報がリーチ表示態様にて一旦導出表示した後に行われる再可変表示における遊技者の期待感を高めることができる。
【0234】
請求項3に記載の遊技機においては、導出識別情報決定手段により所定の可変表示領域に一旦導出表示する識別情報として複数機能識別情報が選択決定されたときに、識別情報の可変表示において所定の可変表示領域に複数機能識別情報を表示結果として導出表示させた後、遊技制御手段から送信される確定コマンドを受信するより前の所定の変更タイミングにて、複数機能識別情報を複数機能識別情報以外の識別情報へ変更する。これにより、遊技者は、識別情報の可変表示における表示結果を確実に認識することができ、表示結果に疑いが生じることを防止できる。
また、識別情報変更手段もサブ側の制御手段である可変表示制御手段に含まれているので、遊技制御手段における制御の負担を軽減することができる。
【0235】
請求項4に記載の遊技機においては、変更識別情報決定手段が複数機能識別情報から変更する識別情報を可変表示開始コマンドに基づいて決定するので、複数機能識別情報を遊技状態に応じた適切な識別情報に差し替えることができる。
【0236】
請求項5に記載の遊技機においては、可変表示開始コマンドによって識別情報の表示結果を特定表示結果とすることが特定されたときのみ、複数機能識別情報を変更するので、遊技者が高い関心を寄せる特定表示結果のときのみ複数機能識別情報が変更され、表示制御にかかる負担を軽減することができる。
【0237】
請求項6に記載の遊技機においては、識別情報を可変表示する可変表示時間に基づいて変更タイミング決定手段が変更タイミングを決定するので、遊技制御手段が変更タイミングを決定するために特別の処理を実行する必要がなく、遊技制御手段における制御の負担を軽減することができる。
【0238】
請求項7に記載の遊技機においては、可変表示開始コマンドによって識別情報の表示結果を特定表示結果とすることなく特定遊技状態とは異なる遊技者に有利な所定の遊技状態とすることが特定されたときに、変更規制手段が複数機能識別情報の変更を規制する。これにより、識別情報の可変表示において複数機能識別情報が表示結果として導出表示されたときに特定遊技状態とは異なる所定の遊技状態とすることもできる。従って、複数機能識別情報が表示結果として導出表示された場合に遊技者が得られる利益に差異を持たせることができ、複数機能識別情報が表示結果として導出表示されることによる遊技者の期待感を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】可変表示装置における画像表示例を示す図である。
【図3】この実施の形態で用いられる特別図柄の例を示す図である。
【図4】この実施の形態で用いられる左中右の飾り図柄の例を示す図である。
【図5】特別可変入賞球装置における入賞領域を開成した状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の背面図である。
【図7】主基板と表示制御基板における回路構成等を示すブロック図である。
【図8】表示制御コマンドの内容の一例を示す図である。
【図9】遊技制御用マイクロコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【図10】コマンド送信テーブルメモリの構成例を示す図である。
【図11】遊技制御用マイクロコンピュータのランダムカウンタによりカウントされる各乱数の例を示す図である。
【図12】可変表示パターンテーブルの構成例を示す図である。
【図13】ハズレ時特別図柄決定用テーブルの例を示す図である。
【図14】表示制御基板におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図15】表示制御基板の構成例を示すブロック図である。
【図16】受信コマンドバッファメモリの構成例を示す図である。
【図17】表示制御基板のランダムカウンタによりカウントされる各乱数の例を示す図である。
【図18】表示制御パターンテーブルの構成例を示す図である。
【図19】表示制御パターンテーブルの構成例を示す図である。
【図20】表示制御パターンテーブルの構成例を示す図である。
【図21】表示制御パターンテーブルの構成例を示す図である。
【図22】大当り図柄決定用テーブルの例を示す図である。
【図23】各種の図柄決定用テーブルの例を示す図である。
【図24】遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図25】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図26】図25における入賞処理の詳細を示すフローチャートである。
【図27】図25における可変表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図28】図25における可変表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図29】当りを判定する処理について説明するための説明図である。
【図30】表示制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図31】コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図32】表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図33】図32における可変表示開始コマンド受信待ち処理の詳細を示すフローチャートである。
【図34】図32における表示制御設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図35】図34における通常ハズレ表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図36】図34におけるリーチハズレ表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図37】図34における通常大当り表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図38】図34における通常大当り表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図39】図34における確変大当り表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図40】図34における確変大当り表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図41】図34における小当り表示設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図42】図32における可変表示開始時処理の詳細を示すフローチャートである。
【図43】図32における図柄可変表示中処理の詳細を示すフローチャートである。
【図44】図32における図柄停止待ち処理の詳細を示すフローチャートである。
【図45】各表示制御パターンを構成するプロセスを示す説明図である。
【図46】図柄の再変動を行わず、オールマイティ図柄を表示結果として導出表示しない場合における表示制御例を示すタイミング図である。
【図47】図46に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の例を示す図である。
【図48】図柄の再変動を行わず、オールマイティ図柄を表示結果として導出表示する場合における表示制御例を示すタイミング図である。
【図49】図48(A)に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の一例を示す図である。
【図50】図48(A)に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の一例を示す図である。
【図51】図48(B)に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の一例を示す図である。
【図52】図柄の再変動を行い、オールマイティ図柄を表示結果として導出表示しない場合における表示制御例を示すタイミング図である。
【図53】図52(A)に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の一例を示す図である。
【図54】図52(B)に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の一例を示す図である。
【図55】図柄の再変動を行い、オールマイティ図柄を表示結果として導出表示する場合における表示制御例を示すタイミング図である。
【図56】図55(A)に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の一例を示す図である。
【図57】図55(B)に示す表示制御例における図柄の可変表示態様の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤(ゲージ盤)
3 … 遊技用枠(台枠)
4 … 可変表示装置
6 … 普通可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … ランプ
10 … 電源基板
11 … 主基板
12 … 表示制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 払出制御基板
16 … 情報出力基板
20a、20b … 可動部材(大入賞口開閉用)
21a、21b、22 … ソレノイド
40 … 普通図柄表示器
41 … 特別図柄表示エリア
42 … 飾り図柄表示エリア
42a、42b、42c … 可変表示部
43 … 始動記憶数表示エリア
70 … 各入賞口スイッチ
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101 … ROM
102 … RAM
103 … CPU
104 … I/O
111 … 発振回路
112 … リセット回路
113 … CPU
114 … ROM
115 … RAM
116 … VDP
117 … キャラクタROM
118 … VRAM
119 … LCD駆動回路
120 … 特図保留メモリ
121 … コマンド送信テーブルメモリ
122 … ランダムカウンタ(ランダムR1〜R5)
123 … 可変表示パターンテーブルメモリ
124 … 特別図柄選択テーブルメモリ
125 … フラグメモリ
126 … 可変表示時間タイマ
130 … 受信コマンドバッファメモリ
131 … ランダムカウンタ(ランダムR10〜R13)
132 … 表示制御パターンテーブルメモリ
133 … 各種タイマ
134 … 飾り図柄選択テーブルメモリ
135 … フラグメモリ
140 … 通常ハズレ可変表示パターンテーブル
141 … リーチハズレ可変表示パターンテーブル
142 … 小当り可変表示パターンテーブル
143 … 大当り可変表示パターンテーブル
150 … ハズレ時特別図柄決定用テーブル
160 … 通常ハズレ表示制御パターンテーブル
161 … リーチハズレ表示制御パターンテーブル
162 … 小当り表示制御パターンテーブル
163、164 … 通常大当り表示制御パターンテーブル
165、166 … 確変大当り表示制御パターンテーブル
170 … 通常大当り図柄決定用テーブル
171 … 確変大当り図柄決定用テーブル
172 … 左図柄決定用テーブル
173 … 中図柄決定用テーブル
174 … 右図柄決定用テーブル
175 … リーチ図柄決定用テーブル
Claims (7)
- 可変表示の実行条件が成立した後に可変表示の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示領域を複数備えた可変表示装置を含み、前記識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段から送信されたコマンドに基づいて前記可変表示装置における前記識別情報の可変表示を制御する可変表示制御手段、とを備え、
前記遊技制御手段は、
前記可変表示装置における表示を制御するためのコマンドとして少なくとも、前記識別情報の可変表示の開始と当該可変表示における可変表示パターンとを指定するための可変表示開始コマンド、及び前記識別情報の表示結果を指定するための識別情報指定コマンドを、送信する機能を有し、
前記可変表示制御手段は、
前記遊技制御手段から送信された可変表示開始コマンドの種類と識別情報指定コマンドの種類に基づいて、前記識別情報の可変表示における表示態様を、所定の可変表示領域にて一旦導出表示した識別情報を再可変表示させる再可変表示態様、及び可変表示領域にて一旦導出表示した識別情報の再可変表示を行わない非再可変表示態様を含んだ複数の表示態様のうちより、選択決定する表示態様決定手段と、
前記表示態様決定手段により前記再可変表示態様が選択決定されたときに、前記所定の可変表示領域にて一旦導出表示する識別情報を選択決定する導出識別情報決定手段と、
前記導出識別情報決定手段により、前記所定の可変表示領域にて一旦導出表示する識別情報として、他の可変表示領域にて導出表示される複数種類の識別情報との間で前記特定表示結果を構成しうる複数機能識別情報が選択決定されたときに、前記所定の可変表示領域にて一旦導出表示した前記複数機能識別情報を再可変表示させないように表示制御する再可変表示規制手段、とを含む、
ことを特徴とする遊技機。 - 前記可変表示制御手段は、前記表示態様決定手段により前記再可変表示態様が選択決定されたときに、前記導出識別情報決定手段による選択決定結果に従って前記所定の可変表示領域を含んだ複数の可変表示領域にて前記識別情報をリーチ表示態様で一旦導出表示した後、当該リーチ表示態様で一旦導出表示した識別情報を、一旦導出表示されることなく前記識別情報の可変表示が継続している可変表示領域における識別情報の可変表示態様と同期させて再可変表示させる再可変表示制御手段を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記遊技制御手段は、
前記識別情報の可変表示の終了を指定するための確定コマンドを送信する機能を有するとともに、
可変表示の実行条件が成立したが当該可変表示の開始条件が成立していない前記識別情報の可変表示の実行を所定回数を上限に保留する保留記憶手段と、
前記確定コマンドを送信したことに基づいて前記保留記憶手段により保留された可変表示の実行条件のうちのいずれか1つについて、可変表示の開始条件を成立させる開始条件成立手段と、
前記開始条件成立手段が可変表示の開始条件を成立させたときに、前記可変表示装置における前記識別情報の可変表示に用いる可変表示パターンを決定する可変表示パターン決定手段、とを含み、
前記可変表示制御手段は、前記導出識別情報決定手段により前記所定の可変表示領域にて一旦導出表示する識別情報として前記複数機能識別情報が選択決定されたときに、前記可変表示装置にて行われる前記識別情報の可変表示において前記所定の可変表示領域に前記複数機能識別情報を表示結果として導出表示させた後、前記遊技制御手段から送信される確定コマンドを受信するより前の所定の変更タイミングにて、前記複数機能識別情報を複数種類の識別情報のうちの前記複数機能識別情報以外の識別情報へ変更する識別情報変更手段を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。 - 前記可変表示制御手段は、前記遊技制御手段から送信された可変表示開始コマンドにて指定された可変表示パターンに基づいて、前記識別情報変更手段により前記複数機能識別情報から変更する識別情報を決定する変更識別情報決定手段を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。 - 前記遊技制御手段から送信される可変表示開始コマンドは、前記識別情報の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを特定可能な情報を含み、
前記識別情報変更手段は、前記遊技制御手段から送信された可変表示開始コマンドによって前記特定表示結果とすることが特定されたときのみ、前記複数機能識別情報を変更する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の遊技機。 - 前記遊技制御手段から送信される可変表示開始コマンドは、識別情報を可変表示する可変表示時間を特定可能な情報を含み、
前記可変表示制御手段は、前記所定の変更タイミングを、前記可変表示時間に基づいて決定する変更タイミング決定手段を含む、
ことを特徴とする請求項3、4又は5に記載の遊技機。 - 前記遊技制御手段から送信される可変表示開始コマンドは、前記識別情報の表示結果を前記特定表示結果とすることなく前記特定遊技状態とは異なる遊技者に有利な所定の遊技状態とするか否かを特定可能な情報を含み、
前記可変表示制御手段は、前記可変表示装置にて行われる前記識別情報の可変表示において、前記複数機能識別情報を表示結果として導出表示させるか否かを判定する複数機能表示判定手段を含み、
前記複数機能表示判定手段は、前記遊技制御手段から送信された可変表示開始コマンドによって前記所定の遊技状態とすることが特定されたときは、前記複数機能識別情報を表示結果として導出表示させる旨の判定を行い、
前記識別情報変更手段は、前記遊技制御手段から送信された可変表示開始コマンドによって前記所定の遊技状態とすることが特定されたときは、前記複数機能識別情報の変更を規制する変更規制手段を含む、
ことを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003035770A JP2004242881A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003035770A JP2004242881A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 遊技機 |
Publications (1)
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ID=33021095
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003035770A Withdrawn JP2004242881A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 遊技機 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
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- 2003-02-13 JP JP2003035770A patent/JP2004242881A/ja not_active Withdrawn
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