実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、打球発射装置が遊技球を発射する速さ(すなわち、遊技球を弾くばねの強さ)を調整する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
遊技者は、操作ノブ5を回転させることにより、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができる。具体的には、操作ノブ5を右に回転させていくことにより、打球発射装置から発射される遊技球の速さが徐々に増していき、所定の速さを越えると、発射された遊技球は打球レールを通って上方より遊技領域7の左側領域に入る。さらに操作ノブ5を右に回転させていくと、発射された遊技球は上方より遊技領域7の右側領域に入る。よって、操作ノブ5を右に回転させた状態で回転量を変化させることで、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができ、遊技球を打ち込む領域を調整することができる。
ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には誘導レールで区画された遊技領域7が形成されている。
遊技領域7のほぼ中央には、可変入賞球装置20が配置されている。可変入賞球装置20の下方には、第1始動入賞口11と、第2始動入賞口12と、第3始動入賞口13を形成する可変入賞球装置15とが設けられている。第1始動入賞口11に入った入賞球は第1始動口スイッチ11aによって検出され、第2始動入賞口12に入った入賞球は第2始動口スイッチ12aによって検出され、それぞれ、遊技盤6の背面に導かれる。また、可変入賞球装置15が開状態になることによって入賞可能になる第3始動入賞口13に入った入賞球は第3始動口スイッチ13aによって検出され、遊技盤6の背面に導かれる。可変入賞球装置15は、ソレノイド15aによって開状態にされる。以下、第1始動入賞口11と、第2始動入賞口12と、第3始動入賞口13とを、「始動入賞口」と総称したり、始動入賞口11,12,13と表すことがある。また、第1始動口スイッチ11aと、第2始動口スイッチ12aと、第3始動口スイッチ13aとを、「始動口スイッチ」と総称したり、始動口スイッチ11a,12a,13aと表すことがある。
遊技球が始動入賞口に入賞し始動口スイッチによって検出された場合には、可変入賞球装置20が1回または2回開閉制御される。開閉制御によって、左側の開放扉76Aが初期位置から左方向に移動し、右側の開放扉76Bが初期位置から右方向に移動することによって、可変入賞球装置20は開放状態になり、開放扉76A,76Bが初期位置に戻ることによって可変入賞球装置20は閉鎖状態になる。このように始動口スイッチの入賞検出に応じて可変入賞球装置20が開放動作を行う状態を始動動作状態という。以下、可変入賞球装置20を役物ということがある。また、遊技盤6には種々の役物が設けられているが、以下、役物という場合には、可変入賞球装置20を意味する。
可変入賞球装置20の内部における背面側には、演出表示を行うLCDなどによる演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する。この実施の形態では、演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
可変入賞球装置20の右方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。特別図柄表示器8は、例えば、7セグメント表示器によって構成される。
特別図柄表示器8の上方には、始動入賞口に遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDから成る特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。特別図柄始動記憶表示器18は、始動記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄始動記憶表示器18は、始動入賞口11,12,13に有効始動入賞がある毎に、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、特別図柄始動記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態をシフトする。なお、後述するように、演出表示装置9でも始動記憶数が表示されるので、特別図柄始動記憶表示器18を設けなくてもよい。
可変入賞球装置20の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。遊技領域7に設けられているゲート32を遊技球が通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄(この例では、7セグメントLEDでの数字表示)の可変表示が開始される。この実施の形態では、当りの場合には可変表示の終了時に「7」が停止表示され、はずれの場合には「7」以外が停止表示される。当りの場合には、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。なお、普通図柄の当り確率は、例えば12/13である。普通図柄表示器10の上方には、ゲート32を通過した通過球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32の通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板16が開状態にされる大入賞口が設けられている。開閉板16は、大入賞口を開閉する手段である。大入賞口に入った入賞球はカウントスイッチ23で検出される。
また、開閉板16の右方には入賞口(普通入賞口)38が設けられ、開閉板16の左方には入賞口(普通入賞口)39が設けられている。遊技球の入賞口38,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ38a,39aによって検出される。入賞口38,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成し、大入賞口の内部にも入賞領域が設けられている。入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の遊技球が景品(賞球)として遊技者に払い出される。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(可変入賞球装置20等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、遊技領域7の可変入賞球装置20の周辺の裏側には、磁力を検出する磁石センサ50a〜50dが設けられ、遊技領域7の各始動入賞口11〜13の周辺の裏側には、電波を検出する電波センサ51が設けられている。また、打球供給皿(上皿)3の周辺の裏側には、振動を検出する振動センサ52が設けられている。そして、この例では、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
なお、磁石センサ50a〜50dや、電波センサ51、振動センサ52の位置は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、電波センサ51を、可変入賞球装置20の周辺の裏側に設けるようにしてもよい。また、例えば、振動センサ52を、余剰球受皿(下皿)4の周辺の裏側に設けたり、遊技領域7の上方に設けたりしてもよい。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を落下する。打球が始動入賞口に入り始動口スイッチで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示を始めるとともに、演出表示装置9において飾り図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、特別図柄始動記憶表示器18における点灯するLEDを1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄(「0」〜「9」)の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果:具体的には、例えば「3」、「7」)であると、大当り遊技状態のうちの第1大当り遊技状態(始動動作状態を経ずに開始される大当り遊技状態)に移行する。また、小当り図柄(具体的には、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」、「9」)である場合には、始動動作状態に移行する。始動動作状態において、可変入賞球装置20の内部に設けられている特別領域に遊技球が入賞すると、第2大当り遊技状態(始動動作状態を経た後に開始される大当り遊技状態)に移行する。
次に、可変入賞球装置20について、図2〜図10を参照して説明する。図2および図3は、遊技盤6に設けられている可変入賞球装置20を正面からみた正面図である。図4は、図2および図3に示されている開放扉76A,76Bの裏面側に設けられている遊技球の通過口71,72,73を有する構造物を示す斜視図である。図5は、通過口71から特定領域を形成する特定入賞口66に至る経路を示す斜視図である。図6は、通過口73から特定領域を形成する特定入賞口に至る経路を示す斜視図である。図7(A)、図8(A)および図9は、可変入賞球装置20の下部を上側から見た上面図であり、図7(B)および図8(B)は、可変入賞球装置20の下部を正面側から見た正面図である。図9には、特定入賞口66の直上に設けられている回転体(円盤)86も示されている。図10は、回転体86を上側から見た上面図である。なお、図3、図5〜図9において、矢印は遊技球の進路を示す。
可変入賞装置(役物)20は、開閉モータ75の駆動によって開放扉76A,76Bが開放状態になると、遊技球が進入可能な状態になる。役物20に進入した遊技球は、通過口71,72,73のいずれかを通過して、役物20における下部側に流下する。通過口71を通過した遊技球は、第1役物入賞スイッチ71aで検出され、通過口72を通過した遊技球は、第2役物入賞スイッチ72aで検出され、通過口73を通過した遊技球は、第3役物入賞スイッチ73aで検出される。また、通過口71を通過した遊技球は、誘導樋71Aを通過して役物20内の左方に導かれる。通過口72,73を通過した遊技球は、誘導樋73Aを通過して役物20内の右方に導かれる。なお、図2には、開放扉76A,76Bが閉鎖して遊技球が役物20に進入不能である状態が示され、図3には、開放扉76A,76Bが開放した状態が示されている。また、第1役物入賞スイッチ71aと、第2役物入賞スイッチ72aと、第3役物入賞スイッチ73aとを、「役物入賞スイッチ」と総称することがある。
開放扉76A,76B(図4において図示せず)は、図4に示す構造物の手前側に設けられている。遊技球は、図4に示す構造物における3つの通路(手前側から奥側に向かう経路)のいずれかを通って通過口71,72,73のいずれかに至る。開放扉76A,76Bが閉鎖している状態(完全閉鎖状態)では、遊技球は、3つの通過口71,72,73のいずれにも進入不能である。開放扉76A,76Bが開放状態になると、3つの通過口71,72,73のいずれかに進入できる状態になるが、開放扉76A,76Bが最も開いている状態(完全開放状態)では3つの通過口71,72,73のいずれにも進入可能であるが、開放扉76A,76Bが完全開放状態から完全閉鎖状態に移行する期間では、開放面積が狭くなるにつれて、左右の通過口71,73に比べて、中央の通過口72を通過しやすくなる。また、完全閉鎖状態から完全開放状態に移行する期間では、中央の通過口72に遊技球が進入しやすい状態から、3つの通過口71,72,73のいずれにも進入可能な状態に徐々に移行する。
つまり、開放扉76A,76Bが完全閉鎖状態から開放状態への移行を開始した直後、および完全閉鎖状態に戻る直前では、相対的に、遊技球が中央の通過口72を通過する割合が高くなる。なお、開放扉76A,76Bが開放するということは役物20が開放状態になるということであり、開放扉76A,76Bが閉鎖するということは役物20が閉鎖状態になるということである。また、開放扉76Aと開放扉76Bとは、対象状態で移動する。対象状態で移動するとは、中心(中央の通過口72の中心軸)から開放扉76Aの端部(中央の通過口72寄りの端部)までの距離と、中心から開放扉76Bの端部(中央の通過口72寄りの端部)までの距離とが常に同じであることを意味する。
役物20の左右両側には、可動部材77,78が設けられている。可動部材77において動く部分は可動部77Aであり、可動部材78において動く部分は可動部78Aである。可動部77Aは可動部駆動ソレノイド77Bによって動かされ、可動部78Aは可動部駆動ソレノイド78Bによって動かされる。可動部77Aおよび可動部78Aは、それぞれ、上下方向に動く。役物20における最下部に設けられている特定領域を形成する特定入賞口66に入賞した遊技球は、特定領域スイッチ66aで検出される。なお、遊技球が特定入賞口66に入賞し特定領域スイッチ66aで検出されたことをV入賞ともいう。
通過口71を通過し誘導樋71A(図5において図示せず)によって導かれた遊技球は、図5(A)に示すように、特定入賞口66に至る通路71Bを通って、特定領域に到達することが可能である。通路71Bは、中途から、上方が開放している開放部(樋状通路)になり、開放部の始まり部分に、通路71Bに繋がり特定領域に到達不能な通路であるはずれ通路71Cが設けられている。図5(B)に示すように、可動部77Aは、動作時(下位置にあるとき)に通路71Bの開放部の始まり部分において通路71Bの下流への遊技球の通過を阻止し、遊技球をはずれ通路71Cに導く。図5(A)に示すように、可動部77Aが上位置にあるときには、遊技球は、可動部77Aに阻止されず、可動部77Aが設けられている位置から通路71Bの下流側に流下する。
通過口72,73を通過し誘導樋73A(図6において図示せず)によって導かれた遊技球は、図6(A)に示すように、特定入賞口66に至る通路73Bを通って、特定領域に到達することが可能である。通路73Bは、中途から、上方が開放している開放部(樋状通路)になっている。通路73Bの開放部は湾曲し、開放部の始まり部分における湾曲の内側には壁が存在しない。図6(B)に示すように、可動部77Aは、動作時(下位置にあるとき)に通路73Bの開放部の始まり部分において通路73Bの下流への遊技球の通過を阻止し、遊技球を、内壁が存在しない部分から、特定領域に到達不能な通路であるはずれ通路73Cに導く。図6(A)に示すように、可動部78Aが上位置にあるときには、遊技球は、可動部78Aに阻止されず、遠心力によって湾曲の外側の壁に沿うように通路73Bを流れるので、可動部78Aが設けられている位置から通路73Bの下流側に流下する。
通路73Bは、途中穴74に至る。回転体86は、途中穴74の下部に設けられている。途中穴74を通過した遊技球は、回転体86の側に流下する。
図7(A)に示すように、途中穴74を通過した遊技球は、通路74Bを通って特定領域の側に流下する。通路74Bは、回転体86の上部において、通過口71からの経路である通路71Bと合流する。
なお、この実施の形態では、通過口72を通った遊技球と通過口73を通った遊技球とは誘導樋73Aで合流するが、通過口72を通った遊技球と、通過口73を通った遊技球とを合流させず、通過口72から途中穴74に直接到達するような球通路を設けてもよい。
図7(B)に示すように、特定入賞口66に入賞し特定領域スイッチ66aで検出された遊技球は、さらに役物排出スイッチ85aで検出される。なお、特定入賞口66に入賞しなかった遊技球も、役物排出スイッチ85aで検出される。つまり、この実施の形態では、役物20に進入した全ての遊技球は、役物排出スイッチ85aで検出される。なお、特定入賞口66に入賞した遊技球は役物排出スイッチ85aで検出されず、特定入賞口66に入賞しなかった遊技球のみが役物排出スイッチ85aで検出されるように、球経路を構成してもよい。その場合には、特定領域スイッチ66aで検出された遊技球の数と役物排出スイッチ85aで検出された遊技球の数との和が、役物20から排出された遊技球の数になる。
図8(A)に示すように、はずれ通路71C,73Cを通った遊技球は、特定入賞口66の直上の近傍に形成されているはずれ口67,68から、特定入賞口66を通らない経路に誘導される。
また、図10に示すように、回転体86の表面には複数の凹部86Cが形成され、回転体86の一部には、切り欠き部86Aが設けられている。図10に示す例では、7個の凹部86Cが設けられている。途中穴74から通路74Bに入った遊技球および通路71Bを通過した遊技球は回転体86に至るが、回転体86の切り欠き部86Aのみから、特定入賞口66に入賞可能である。回転体86における枠領域(ドーナツ部)の表面に形成されている凹部86Cに入った遊技球は、回転体86によって移動され、はずれ口69から、特定入賞口66を通らない経路に誘導される。なお、凹部86Cは底面を有していない連通穴である。よって、凹部86Cに入った遊技球は下部に落下可能であるが、遊技球が入った凹部86Cがはずれ口69の位置に来るまでの間、回転体86の裏面の構造物によって落下は阻止されている。また、凹部86Cの外縁部の壁部によって、凹部86Cから特定入賞口66に向かって落下することも阻止されている。なお、1つの凹部86Cとそれに隣接する凹部86Cとの間(以下、「接続部」ともいう。)は連通穴ではないので、そこから遊技球が下部に落下することはない。
図9に破線矢印で示すように、回転体86は、回転体駆動モータ87(図10参照)の駆動によって回転(この例では、反時計回りに回転)する。回転体86の回転中に、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置したときに回転体86に到達した遊技球は、直ちに特定入賞口66に入賞可能である。また、回転体86におけるドーナツ部の内側の領域(内部領域)は、平面状に形成された領域である。よって、回転体86に到達した遊技球は、内部領域で転動した後に、切り欠き部86Aまたは凹部86Cに入ることもある。
また、図10に示すように、回転体86の近傍には、位置検出のためのセンサが設けられている。センサは、例えば、回転体86を挟むように設置されている発光ダイオード等の発光素子とフォトダイオードやフォトトランジスタ等の受光素子とからなり、回転体86には穴部87cが設けられている。穴部87cは、回転体86の内部領域における所定位置に形成されている。具体的には、回転体86が回転して、穴部を含む領域がセンサ設置位置に対応する位置にくると発光素子からの光を受光素子側に通過させるような位置に形成されている。なお、受光素子を、以下、位置センサ87aという。
途中穴74を通過し通路74Bを通って回転体86に到達した遊技球は、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置しているときには、ほぼ必ず切り欠き部86Aから落下して特定入賞口66に入賞する。しかし、通路71Bから遊技球が回転体86に到達した場合には、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置しているときでも、切り欠き部86Aから落下せず、切り欠き部86Aを渡ってしまうことがある。途中穴74から回転体86へのルートである通路74Bは回転体86の表面に対して急傾斜し、かつ、回転体86に対して上部から流下するように形成されているのに対して、通路71Bは、回転体86に流入する直前において、回転体86の表面に対して横方向から流入するように形成されているからである。
よって、この実施の形態では、遊技球が中央の通過口72または右の通過口73を通過した場合には、遊技球が左の通過口71を通過した場合に比べて、高い確率でV入賞が生ずる。つまり、通過口72および通過口73からの右ルートは、通過口71からの左ルートに対して、遊技球を特定入賞口66に誘導しやすくなっている。また、通過口72から途中穴74に直接到達するような球通路を設けた場合には、遊技球が中央の通過口72を通過したときには、可動部77A,78Aによって阻止されることがないので、左右の通過口71,73を通過した場合に比べて、特定入賞口66に到達しやすい。
なお、この実施の形態では、第2大当り遊技状態において、遊技球が役物入賞スイッチで検出された場合に入賞が生じたとする。すなわち、3つの役物入賞スイッチ71a,72a,73aが設けられている領域が入賞領域に相当する。しかし、可変入賞球装置20の内部において役物入賞スイッチとは別に遊技球を検出するスイッチを設け、遊技球がそのスイッチで検出された場合に入賞が生じたとしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図11を参照して説明する。図11は、遊技機を裏面から見た背面図である。図11に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース200に収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板191が設けられている。電源基板910には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。なお、この実施の形態では、クリアスイッチが電源基板910に設けられている場合を説明しているが、クリアスイッチの設置場所は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、遊技制御基板31や払出制御基板37など、電源基板910以外の基板に設けられていてもよい。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(例えば、始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。
なお、この実施の形態では、遊技枠側の裏面上方にターミナル基板160を設ける場合を示しているが、ターミナル基板160の配置の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、演出制御基板80を含む変動表示制御ユニットの背面側に裏カバーを設けて、その裏カバーの上にターミナル基板160を取り付けることによって、遊技盤側にターミナル基板160を配置するようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機1裏面において、上方には、遊技枠の開放状態を検出するドア開放スイッチ170も設けられている。なお、機構板の開放状態を検出するスイッチも設けるように構成されていてもよい。
貯留タンク138に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク138内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク138に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチを押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図12は、この実施の形態の遊技機の遊技の進み方の一例を示す説明図である。図12に示すように、始動入賞口に遊技球が入賞していずれかの始動口スイッチ11a,12a,13aの検出信号がオン状態になると、すなわち始動入賞が生ずると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。この実施の形態では、抽選の結果、大当り、小当りまたははずれに決定される。そして、特別図柄および飾り図柄の変動(可変表示)が開始される。特別図柄および飾り図柄の変動が終了すると、大当りに決定されている場合には、遊技状態が大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行される。大当り遊技状態では、開閉板16による大入賞口が16回(16ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド数は16で一定あるが、ラウンド数(例えば、2ラウンド、7ラウンド、16ラウンドのいずれか)を抽選等によって決定するようにしてもよい。
小当りに決定されている場合には、遊技制御手段は、役物20を開放状態に制御して始動動作を開始させる。始動動作状態において、役物20は、0.9秒間開放状態になる。開放状態になる回数(開放回数)は、1回、2回または3回である。始動動作状態において、遊技球が役物20に入賞し、さらに、遊技球が特定入賞口66に入賞して特定領域スイッチ66aで検出されるとV入賞が発生する。V入賞が発生すると、遊技状態が大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行される。V入賞が発生しなかった場合には、第2大当り遊技状態に移行しない。すなわち、はずれになる。
この実施の形態では、「始動入賞」が生ずると、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が行われ、それに同期して演出表示装置9において表示演出が行われる。変動時間が経過すると、特別図柄の停止図柄が導出表示され、停止図柄が小当り図柄である場合には、役物20が開放(羽根開放)し小当り遊技が開始される。
図13は、特別図柄の停止図柄、当りの種類および判定値の関係を示す説明図である。図13に示すように、特別図柄の停止図柄には大当り図柄(この例では、「3」または「7」)、小当り図柄(この例では、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」または「9」)およびはずれ図柄(この例では、「0」)があるが、小当り図柄と第2大当り遊技状態におけるラウンド数とは対応している。また、小当り図柄と始動動作状態における役物20の開放回数は対応している。よって、小当り遊技においてV入賞が生ずる前の段階で遊技者の有利不利(開放回数)に関わる表示がなされ、特定入賞口66に遊技球が入賞するか否かに遊技者の興味を引きつけることができる。なお、この実施の形態では、ラウンド数は小当り図柄の種類で決まるが、小当り図柄の種類の種類に加えて、通過口71,72,73のいずれを遊技球が通過したかによって、決定されるラウンド数の範囲や種類、ラウンドの振り分け割合を異ならせるようにしてもよい。
また、図13には、特別図柄の停止図柄ごとの判定値も示されている。ただし、図13には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)が取り得る数値の範囲は、0〜441であるとする。判定値の総数は、大当り判定用乱数が取り得る数である442個ある。また、442個の判定値は、それぞれが異なる数値である。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503からカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値に一致する判定値に対応する大当り、小当りまたははずれとすることに決定する。なお、小当り遊技(始動動作状態に相当。)においてV入賞が生ずると第2大当り遊技が開始されるので、大当りまたは小当りとすることに決定するということは、実質的に、第1大当りとするか第2大当りとするのかを決定するということでもある。
なお、大当りには、通常大当りと確変大当りとがある。いずれの場合も、特別図柄の変動が終了したら、始動動作状態を経ず、直接、16ラウンドの大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行するが、確変大当りの場合には、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に移行する。
図13に示すように、この実施の形態では、複数種類の小当りがある。小当りには、始動動作状態において役物20を1回開放する小当りと、始動動作状態において役物20を2回開放する小当りと、始動動作状態において役物20を3回開放する小当りとがある。小当り種類と特別図柄の停止図柄とは対応している。また、小当り遊技においてV入賞が生じたことを条件に開始される第2大当り遊技にも複数の種類がある。すなわち、ラウンド数が異なる第2大当り遊技がある。
また、図13に示すように、この実施の形態では、遊技状態が確変状態であるときには、通常状態(非確変状態)に比べて、大当りに対応する判定値の数が多い。すなわち、大当りになる確率が高められている。また、この実施の形態では、遊技状態が確変状態であるときには、通常状態に比べて、はずれに対応する判定値が少ない。すなわち、はずれになる確率が低められている。
図13に示すように、特別図柄の停止図柄「0」は、はずれ図柄である。
また、図13に示すように、特別図柄の停止図柄「1」、「4」および「6」は、小当り図柄であり、始動動作状態において役物20が1回開放する。以下、始動動作状態において役物20を1回開放する小当りを小当り1ともいい、小当り1における始動動作状態を小当り1遊技状態ともいう。小当り1遊技状態においてV入賞が生じて移行した第2大当り遊技状態は、ラウンド数が3ラウンドの大当り遊技状態である。また、この実施の形態では、始動動作状態において、可動部材77,78が所定の可動パターンに従って可動するのであるが、小当り1遊技状態では、可動パターンAに従って可動部材77,78が可動する。なお、可動パターンについては後述する。
また、この実施の形態では、小当り1遊技後の第2大当り遊技のうち、特別図柄の停止図柄が「1」または「4」となったことにもとづいて移行された小当り1遊技においてV入賞して移行された第2大当り遊技の終了後には通常状態に移行される。一方、特別図柄の停止図柄が「6」となったことにもとづいて移行された小当り1遊技においてV入賞して移行された第2大当り遊技の終了後には時短状態に移行される。なお、この場合、時短状態は、第2大当り遊技の終了後、特別図柄の変動表示を10回実行するまで継続される。
また、図13に示すように、特別図柄の停止図柄「2」、「5」および「8」は、小当り図柄であり、始動動作状態において役物20が2回開放する。以下、始動動作状態において役物20を2回開放する小当りを小当り2ともいい、小当り2における始動動作状態を小当り2遊技状態ともいう。小当り2遊技状態においてV入賞が生じて移行した第2大当り遊技状態は、ラウンド数が7ラウンドの大当り遊技状態である。また、小当り2遊技状態では、可動パターンBに従って可動部材77,78が可動する。
また、この実施の形態では、小当り2遊技後の第2大当り遊技のうち、特別図柄の停止図柄が「2」となったことにもとづいて移行された小当り2遊技においてV入賞して移行された第2大当り遊技の終了後には通常状態に移行される。一方、特別図柄の停止図柄が「5」または「8」となったことにもとづいて移行された小当り2遊技においてV入賞して移行された第2大当り遊技の終了後には時短状態に移行される。なお、この場合、時短状態は、第2大当り遊技の終了後、特別図柄の変動表示を20回実行するまで継続される。
このように、この実施の形態では、小当り2遊技が行なわれる場合には小当り1遊技が行なわれる場合と比較して、役物20の開放回数が多いのであるから、V入賞して第2大当りとなる可能性が高められている。また、小当り2遊技が行なわれる場合には小当り1遊技が行なわれる場合と比較して、V入賞して第2大当りとなった場合のラウンド数が多いのであるから、V入賞して第2大当りとなった場合の遊技価値が高められている。また、小当り2遊技が行なわれる場合には小当り1遊技が行なわれる場合と比較して、第2大当り終了後に時短状態に移行される割合が高いのであるから、第2の大当り終了後の遊技価値が高められている。
また、図13に示すように、特別図柄の停止図柄「9」は、小当り図柄であり、始動動作状態において役物20が3回開放する。以下、始動動作状態において役物20を3回開放する小当りを小当り3ともいい、小当り3における始動動作状態を小当り3遊技状態ともいう。小当り3遊技状態においてV入賞が生じて移行した第2大当り遊技状態は、ラウンド数が11ラウンドの大当り遊技状態である。また、小当り3遊技状態では、可動パターンCに従って可動部材77,78が可動する。
また、この実施の形態では、小当り3遊技においてV入賞して移行された第2大当り遊技の終了後には時短状態に移行する。なお、この場合、時短状態は、第2大当り遊技の終了後、特別図柄の変動表示を30回実行するまで継続される。
このように、この実施の形態では、小当り3遊技が行なわれる場合には小当り1遊技や小当り2遊技が行なわれる場合と比較して、役物20の開放回数が多いのであるから、V入賞して第2大当りとなる可能性がさらに高められている。また、小当り3遊技が行なわれる場合には小当り1遊技や小当り2遊技が行なわれる場合と比較して、V入賞して第2大当りとなった場合のラウンド数が多いのであるから、V入賞して第2大当りとなった場合の遊技価値がさらに高められている。また、小当り3遊技が行なわれる場合には小当り1遊技や小当り2遊技が行なわれる場合と比較して、第2大当り終了後に100パーセントの確率で時短状態に移行されるのであるから、第2の大当り終了後の遊技価値がさらに高められている。
また、図13に示すように、特別図柄の停止図柄「3」は、通常大当り図柄であり、第1大当り遊技状態に移行される。また、第1大当り遊技の終了後には時短状態に移行される。なお、この場合、時短状態は、第1大当り遊技の終了後、特別図柄の変動表示を100回実行するまで継続される。
また、図13に示すように、特別図柄の停止図柄「7」は、確変大当り図柄であり、第1大当り遊技状態に移行される。また、第1大当り遊技の終了後には確変状態に移行されるとともに時短状態に移行される。なお、この場合、時短状態は、第1大当り遊技の終了後、次の大当りが発生するまで継続される。
また、役物20は、始動動作状態においてのみ開放状態に制御される。従って、それらの状態以外の遊技状態では、遊技球は役物に入賞しない。よって、それらの状態以外の遊技状態で役物の内部において入賞が検出されたということは、その入賞は正規の入賞でない(異常入賞である)ことになる。そこで、この実施の形態では、異常入賞が生じた場合には、その旨の報知を行うとともに、その入賞にもとづく賞球払出を行わないようにする。よって、役物20を備えた遊技機において、不正行為を発見しやすくなっている。また、不正行為に基づく賞球払出を防止することが可能になる。
次に、遊技機における制御手段等の構成および動作を説明する。
図14は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図14には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が内蔵されている。乱数回路503は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されるのではなく、主基板31において、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部に設けられていてもよい。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、入賞口スイッチ38a,39a、カウントスイッチ23、および位置センサ87aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド15a、開閉板16を開閉するためのソレノイド21、開閉扉76A,76Bを開閉させる開閉モータ75、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77B、可動部78Aを動作させる可動部駆動ソレノイド78Bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、主基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対するリセット信号を生成するとともに、電源確認信号を出力する電源監視回路920が搭載されている。電源監視回路920は、電源確認信号を出力する電源監視手段とリセット信号を生成するリセット信号生成手段とを実現する回路であるが、電源監視回路920として、市販の停電監視リセットモジュールICを使用することができる。電源監視回路920は、遊技機において用いられる所定電圧(例えば+30V(VSL))が所定値(例えば、21V)以下になった期間が、あらかじめ決められている時間(例えば56ms)以上継続すると電源確認信号の出力を停止する。具体的には、電源確認信号をオフ状態(ローレベル)にする。
また、電源監視回路920は、例えば、VCCが+4.5V以下になると、リセット信号をローレベルにする。なお、この実施の形態では、電源確認信号を出力する機能とリセット信号を出力する機能とが1つの電源監視回路920で実現されているが、それらを別の回路で実現してもよい。その場合、リセット信号を出力する回路として、ウォッチドッグタイマ内蔵ICを使用することができる。そのようなICとして、電源電圧の瞬断や瞬停などに起因してCPUが誤動作したり暴走したりすることを防止するために、クロック信号がクロック入力端子(CK端子)に入力されない期間(コンデンサ接続端子(TC端子)に接続される単一のコンデンサの容量に応じて設定される期間、また、タイマ監視時間は検出電圧可変端子(VS 端子)に接続される抵抗に応じて可変可能)が所定時間以上になると一定期間リセット信号をハイレベルからリセットレベル(CPUを動作停止させるレベル)としてのローレベル(ローレベル期間は、コンデンサ接続端子に接続される上記コンデンサの容量に応じて設定される)にすることを繰り返すウォッチドッグ機能を内蔵するとともに(ウォッチドッグタイマ停止端子(RCT端子)の入力レベルをGND端子の入力レベルと同じレベルである接地レベルにすることによってこの機能を停止可)、例えばVCC(動作可能電圧+0.8V以上)が+5VであるときにVCCが+4.2V以下になるとリセット信号をローレベルにし、VCCが高くなっていくときと低くなっていくときとでリセット信号のレベルを反転するための検出電圧値を変えるヒステリシス特性を有し、さらに、リセットレベルがローレベルであるリセット信号(RESET ̄端子の出力)の他に、リセットレベルがハイレベルであるリセット信号(RESET端子の出力)を出力可能であるシステムリセットICを使用することができる。
電源監視回路920は、遊技機に対する電力供給が停止する際には、電源確認信号の出力を停止(ローレベルにする)してから所定期間が経過したことを条件にリセット信号をローレベルにする。所定期間は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560が後述する電源断処理を実行するのに十分な時間である。すなわち、電源監視回路920は、電圧低下検出信号としての電源確認信号の出力を停止した後、遊技制御用マイクロコンピュータ560が電源断処理を実行完了した後に、動作停止信号(リセット信号のローレベル)を出力する。また、電源監視回路920は、電圧低下検出信号を出力する第1の電源監視手段と動作停止信号を出力する第2の電源監視手段とを兼ねている。また、遊技機に対する電力供給が開始され、VCCが例えば+4.5Vを越えるとリセット信号をハイレベルにする。
なお、この実施の形態では、電源監視回路920が主基板31に搭載されている場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、主基板31以外の基板に電源監視回路を搭載するようにしてもよい。例えば、電源監視回路を電源基板910に搭載するように構成しても構わない。
なお、この実施の形態では、1つの電源監視回路920が電源確認信号およびリセット信号の両方を出力する場合を示したが、電源確認信号を出力する電源監視回路とリセット信号を出力する電源監視回路(リセット回路。ただし、ウォッチドッグタイマのタイムアウトによりリセット信号を出力するようなものではなく、電源電圧の低下を検出してリセット信号を出力するもの。)とを別々に設けるように構成してもよい。また、この実施の形態では、直流の電源電圧(30VのVSLや5VのVCC)の低下を検出して電源確認信号やリセット信号を出力する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、上記のように電源監視回路を電源基板910に搭載するように構成した場合に、交流の電源電圧の低下を検出して電源確認信号やリセット信号を出力するようにしてもよい。また、例えば、半波整流しただけの電源電圧の低下を検出して電源確認信号やリセット信号を出力するようにしてもよく、様々な態様が考えられる。
また、上記のように、この実施の形態において、電源確認信号がオフ状態であるということは、電源電圧の低下を検出している状態であることを示しているものでもあり、電源確認信号がオン状態であるということは、電源電圧の低下を検出していない状態であることを示しているものでもある。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板177を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の表示制御、ランプの点灯制御およびスピーカ27の制御を行う。
図15は、中継基板177、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図15に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板177を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板177から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、中継基板177には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路177Aが搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図15には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板177から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板177からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図14に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ(図示せず)に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
次に、電源基板910の構成を図16のブロック図を参照して説明する。電源基板910には、遊技機内の各電気部品制御基板や機構部品への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチ914が設けられている。なお、電源スイッチ914は、遊技機において、電源基板910の外に設けられていてもよい。電源スイッチ914が閉状態(オン状態)では、交流電源(AC24V)がトランス911の入力側(一次側)に印加される。トランス911は、交流電源(AC24V)と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであるが、その出力電圧もAC24Vである。また、トランス911の入力側には、過電圧保護回路としてのバリスタ918が設置されている。
電源基板910は、電気部品制御基板(主基板31、払出制御基板37および演出制御基板80等)と独立して設置され、遊技機内の各基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VLP(DC+24V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAMに記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、VSLは、整流平滑回路915において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源になる。また、VLPは、ランプ点灯用の電圧であって、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流することによって生成される。
電源電圧生成手段としてのDC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のスイッチングレギュレータ(図16では2つのレギュレータIC924A,924Bを示す。)を有し、VSLにもとづいてVDDおよびVCCを生成する。レギュレータIC(スイッチングレギュレータ)924A,924Bの入力側には、比較的大容量のコンデンサ923A,923Bが接続されている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VCC等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。
図16に示すように、トランス911から出力されたAC24Vは、そのままコネクタ922Bに供給される。また、VLPは、コネクタ922Cに供給される。VCC、VDDおよびVSLは、コネクタ922A,922B,922Cに供給される。
コネクタ922Aに接続されるケーブルは、主基板31に接続される。コネクタ922Aには、VBBも供給されている。また、コネクタ922Bに接続されるケーブルは、払出制御基板37に接続される。なお、コネクタ922BにもVBBが供給されるようにしてもよい。すなわち、払出制御基板37にもバックアップ電源が供給されるようにし、後述する電源断処理が実行されるようにしてもよい。また、コネクタ922Cに接続されるケーブルは、ランプドライバ基板35に接続される。なお、演出制御基板80および音声出力基板70には、ランプドライバ基板35を経由して各電圧が供給される。
また、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。電源基板910に搭載されているので、電源基板910から主基板31に亘る電源系統を一系統にすることができ、クリアスイッチ921からのクリア信号の配線と電源系統とを分離しやすくすることができる。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル(オン状態)のクリア信号が出力され、コネクタ922Aを介して主基板31に出力される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければハイレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、押しボタン構造以外の他の構成であってもよい。また、クリアスイッチ921は、遊技機において、電源基板910以外に設けられていてもよい。なお、クリア信号は、主基板31を介して、払出制御基板37に送出される。
図17は、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたとき、および電力供給が停止するときにおける、AC24V、VSL、VCC、リセット信号および電源確認信号の状態を、模式的に示すタイミング図である。図17に示すように、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、VSLおよびVCCは徐々に規定値(直流+30Vおよび直流+5V)に達する。このとき、VCCが第1の所定値(例えば、4.5V)を超えると、電源監視回路920はリセット信号の出力を停止(ハイレベルに設定)してオフ状態とする。また、VSLが第2の所定値(例えば、21V)を超えると、電源監視回路920は電源確認信号の出力を開始(ハイレベルに設定)してオン状態とする。他方、パチンコ遊技機1への電力供給が停止するときに、VSLおよびVCCは徐々に低下する。このとき、VSLが第2の所定値にまで低下すると、電源監視回路920は電源確認信号をオフ状態として出力を停止(ローレベルに設定)する。また、VCCが第1の所定値にまで低下すると、電源監視回路920はリセット信号をオン状態として出力(ローレベルに設定)する。
図18は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図18に示すように、出力ポート0からは、払出制御基板37に送信される払出制御信号(本例では、接続信号)が出力される。また、大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21、および可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)15aに対する駆動信号も、出力ポート0から出力される。
なお、図18に示された「論理」(例えば1がオン状態)と逆の論理(例えば0がオン状態)を用いてもよいが、特に、接続信号については、主基板31と払出制御基板37との間の信号線において断線が生じた場合やケーブル外れの場合(ケーブル未接続を含む)等に、払出制御用マイクロコンピュータでは必ずオフ状態と検知されるように「論理」が定められる。具体的には、一般に、断線やケーブル外れが生ずると信号の受信側ではハイレベルが検知されるので、主基板31と払出制御基板37との間の信号線でのハイレベルが、遊技制御手段における出力ポートにおいてオフ状態になるように「論理」が定められる。従って、必要であれば、主基板31において出力ポートの外側に、信号を論理反転させる出力バッファ回路が設置される。
そして、出力ポート1から、ターミナル基板160を介して、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して、各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報(例えば、始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号)の出力データが出力される。なお、この実施の形態では、賞球信号1(賞球払出を1個検出するごとに出力される信号)や、遊技機エラー状態信号(遊技機がエラー状態(本例では、球切れエラー状態または満タンエラー状態)であることを示す信号)も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力される。この場合、払出制御基板37側において、賞球払出や遊技機のエラー状態が検出され、賞球信号1や遊技機エラー状態信号が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力された賞球信号1や遊技機エラー状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、主基板31に入力された賞球信号1や遊技機エラー状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
なお、ターミナル基板160を介して外部出力される信号は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力するようにしてもよい。また、例えば、この実施の形態では、賞球の払出を1個検出するごとに出力される賞球信号1を外部出力する場合を示しているのであるが、賞球信号1に代えて、賞球の払出を10個検出するごとに出力される賞球情報を、ターミナル基板160を介して外部装置に出力するようにしてもよい。この場合、払出制御基板37側において、遊技枠が開放状態であることや賞球の払出も検出され、ドア開放信号や賞球情報が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。だたし、ドア開放信号および賞球情報は、主基板31上で分岐され、遊技制御用マイクロコンピュータ560にも入力されるものとする。なお、この場合も、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
図19は、遊技制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図19に示すように、入力ポート0のビット0,2,3,5〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ38a,39a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、および振動センサ52からの検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット0〜6には、それぞれ、磁石センサ50a〜50d、電波センサ51、クリアスイッチ921、ドア開放スイッチ170からの検出信号が入力され、ビット7には賞球情報が入力される。また、入力ポート1のビット0〜2,5には、それぞれ、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、位置センサ87aからの検出信号が入力され、ビット6には電源確認信号が入力される。
図20は、ターミナル基板160の内部構成を示す回路図である。図20に示すターミナル基板160において、左側上段のコネクタCN−1は、主基板31からの信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタであり、左側下段のコネクタCN−2は、払出制御基板37からの信号を、主基板31を経由して伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、右側のコネクタCN1〜CN10は、ホールコンピュータなど外部装置に対して信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、ターミナル基板160には、ドライバ回路としての半導体リレー(PhotoMOSリレー)PC1〜PC10が搭載されている。
主基板31からのケーブルがコネクタCN−1に接続されることにより、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)から各種信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−1の端子「2」に始動口信号が入力され、コネクタCN−1の端子「3」に図柄確定回数1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「4」に図柄確定回数2信号が入力され、コネクタCN−1の端子「5」に大当り1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「6」に大当り2信号が入力され、コネクタCN−1の端子「7」に大当り3信号が入力され、コネクタCN−1の端子「8」に時短信号が入力され、コネクタCN−1の端子「9」にセキュリティ信号が入力される。
また、払出制御基板37からのケーブルが主基板31を経由してコネクタCN−2に接続されることにより、払出制御基板37(払出制御用マイクロコンピュータ)からの各種信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−2の端子「2」に賞球信号1が入力され、コネクタCN−2の端子「3」に遊技機エラー状態信号が入力される。
図20に示すように、ターミナル基板160では、コネクタCN−1およびコネクタCN−2の端子「1」に基準電位の信号線が接続され、その信号線が分岐して、各々の半導体リレーPC1〜PC10の入力端子「1」に接続されている。また、コネクタCN−1の端子「2」〜「9」およびコネクタCN−2のコネクタ「2」、「3」に接続された信号線は、それぞれ、1KΩの抵抗R1〜R10を介して半導体リレーPC1〜PC10の入力端子「2」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC10の出力端子「4」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN10の端子「1」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC10の出力端子「3」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN10の端子「2」に接続されている。
半導体リレーPC1〜PC10では、入力端子に信号電流が流れると、入力側の発光素子(LED)が発光する。発光された光は、LEDと対向に設けられた光電素子(太陽電池)に透明シリコンを通って照射される。光を受けた光電素子は、光の量に応じて電圧に交換し、この電圧は制御回路を通って出力部のMOSFETゲートを充電する。光電素子より供給されるMOSFETゲート電圧が設定電圧値に達すると、MOSFETが導通状態になり、負荷をオンさせる。入力端子の信号電流が切れると、発光素子(LED)の発光が止まる。LEDの発光が止まると、光電素子の電圧が下がり、光電素子から供給される電圧が下がると制御回路により、MOSFETのゲート負荷を急速に放電させる。この制御回路によりMOSFETが非導通状態になり、負荷をオフさせる。
以上のような半導体リレーPC1〜PC10の動作により、入力側のコネクタCN−1およびコネクタCN−2から入力された信号が出力側のコネクタCN1〜CN10に伝達され、ホールコンピュータなど外部装置に対して出力される。具体的には、コネクタCN1から始動口信号が出力され、コネクタCN2から図柄確定回数1信号が出力され、コネクタCN3から図柄確定回数2信号が出力され、コネクタCN4から大当り1信号が出力され、コネクタCN5から大当り2信号が出力され、コネクタCN6から大当り3信号が出力され、コネクタCN7から時短信号が出力され、コネクタCN8からセキュリティ信号が出力され、コネクタCN9から賞球信号1が出力され、コネクタCN10から遊技機エラー状態信号が出力される。なお、ターミナル基板160における各外部出力信号に対するコネクタの割り当ては、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、セキュリティ信号については、ターミナル基板160に設けられた一番端のコネクタ(例えば、コネクタCN10)から出力されるようにしてもよい。
なお、コネクタCN8から出力されるセキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。具体的には、後述する短絡異常が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が所定期間(例えば、4分間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、治具などを用いて複数の検出信号からの信号線を短絡させて不正にオン状態とさせるような不正行為が行われたことを、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、この実施の形態では、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、不自然なタイミングで(例えば、遊技店の開店時に全ての遊技機の電源リセット作業を終えた後であるにもかかわらず)初期化処理が実行されたことを認識可能とすることによって、不正に遊技機を電源リセットさせて電源リセットのタイミングで大当りを狙うような不正行為が行われた可能性を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
なお、この実施の形態では、上記のように、短絡異常が検出された場合と、初期化処理(例えば、遊技機への電源投入時に、クリアスイッチによる操作が行われたことにもとづいてRAM55の記憶内容をクリアするなどの処理)が実行された場合とで、共通のセキュリティ信号をターミナル基板160の共通のコネクタCN8から外部出力している。これは、初期化処理が実行されるのは、通常、遊技店の開店時に遊技機の電源リセット作業を行う場合のみであることから、1日のうち1回程度しか出力されない信号のためにターミナル基板160上に専用のコネクタや半導体リレーを設けることは効率的ではなく無駄が多い。そこで、この実施の形態では、短絡異常が検出された場合と、初期化処理が実行された場合とで、共通のコネクタCN8からセキュリティ信号を出力するように構成することによって、外部出力用の信号線や回路素子の無駄を低減している。すなわち、ホールコンピュータなどの外部装置に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
なお、セキュリティ信号として共通のコネクタから外部出力される信号は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、短絡異常にかぎらず、大入賞口や第1始動入賞口11、第2始動入賞口12、第3始動入賞口13への異常入賞を検出して、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。
また、例えば、遊技機に設けられた磁石センサ50a〜50dで異常磁気を検出した場合や、遊技機に設けられた電波センサ51で異常電波を検出した場合に、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。
上記のように、大入賞口への異常入賞や、第1始動入賞口11、第2始動入賞口12、第3始動入賞口13への異常入賞、異常磁気エラー、異常電波エラーについてもターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成すれば、1本の信号線さえ接続すればホールコンピュータなど外部装置でエラー検出を行えるようにすることができ、エラー検出に関する作業負担を軽減することができる。
なお、セキュリティ信号出力用の信号線とは別に、初期化処理実行の検出や、第1始動入賞口11への異常入賞の検出、第2始動入賞口12への異常入賞の検出、第3始動入賞口13への異常入賞の検出、大入賞口への異常入賞の検出、異常磁気エラーの検出、異常電波エラーの検出について、それぞれ別々の信号線を設けるようにし、ターミナル基板160から、セキュリティ信号とともに、それぞれのエラーに対応した外部出力信号も、ホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。そのように構成すれば、セキュリティ信号を確認することによって何らかのエラーが発生していることを認識できるとともに、さらにエラーの種類ごとに出力される信号を確認することによって遊技店側でエラーの種類を確認することができる。従って、遊技店側からエラーの種類の確認まで要求されているような場合には、セキュリティ信号とは別にエラー種類ごとの外部出力信号を設けることによって、より遊技店のニーズに応えた外部出力を行えるようにすることができる。一方で、何らかのエラーが発生していることの確認のみを要求しているような遊技店の場合には、外部出力される信号のうち、セキュリティ信号のみをホールコンピュータなどの外部装置に接続して確認するようにすればよい。
上記のように、半導体リレーPC1〜PC10をターミナル基板160に設けたことにより、外部から遊技機内部への信号入力を防止することができ、その結果、不正行為を確実に防止することができる。なお、上記の例では、ターミナル基板160に半導体リレーPC1〜PC10を設けていたが、半導体リレーPC1〜PC10ではなく、機械式のリレー等の他のリレー素子であってもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図21は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する処理も実行する。CPU56は、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。乱数回路503は、所定のクロック信号を用いて乱数を発生させる。一例として、乱数回路503は、CPU56から数値が読み出されるときに、0〜598の数値のいずれかの数値をCPU56に出力するように設定される。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S13)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップ監視タイマの値が判定値(例えば2)と同じ値になっているか否かを確認することにより判定できる。なお、そのような態様にかぎらず、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグを設定するように構成し、ステップS7でバックアップフラグがセットされているか否かを判定するように構成してもよい。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS10〜S12の処理によって、例えば、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値(例えば0)が設定される。
また、CPU56は、初期化処理を実行したことを指定する初期化指定コマンドをサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(ステップS14)。セキュリティ信号情報タイマは、ターミナル基板160から出力するセキュリティ信号のオン時間を計測するためのタイマである。この実施の形態では、ステップS14でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、後述する情報出力処理(S36参照)が実行されることによって、遊技機の電源投入時に初期化処理が実行されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S13)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、普通図柄の停止図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の表示結果を当り図柄とするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう。)において、普通図柄当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図22に示すステップS20〜S37のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源確認信号の出力の停止(オフ状態)を検出したときに電源停止時の処理を実行する電源断処理を実行する(ステップS20)。電源確認信号は、例えば主基板31に搭載されている電源監視回路920が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合にオフ状態となる。そして、電源断処理において、CPU56は、電源確認信号の出力の停止を検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。
次いで、CPU56は、短絡異常の発生を検出したことを示す短絡異常フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS21)、短絡異常フラグがセットされていなければ、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、入賞口スイッチ38a,39a、カウントスイッチ23、および位置センサ87aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS22)。なお、短絡異常フラグは、後述する短絡異常報知処理(ステップS24参照)において、短絡異常を検出したことにもとづいてセットされる。また、ステップS21で短絡異常フラグがセットされていた場合には、ステップS22〜S35の処理に移行することなく、ステップS36に移行する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS23)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS34,S35で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、複数の検出手段からの検出信号が同時にオン状態となったことを検出した場合などに短絡異常の報知を行わせるための短絡異常報知処理を行う(ステップS24)。
次いで、CPU56は、短絡異常の発生を検出したことを示す短絡異常フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS25)、短絡異常フラグがセットされていなければ、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS26)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS27,S28)。一方、ステップS25で短絡異常フラグがセットされていた場合には、ステップS26〜S35の処理に移行することなく、ステップS36に移行する。
図23は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム2:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(2)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(3)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
(4)ランダム5:普通図柄の停止図柄を決定する(普通図柄決定用)
なお、大当りにするのか小当りにするのかを決定するための大当り判定用乱数として、乱数回路503が生成する乱数が用いられる。以下、大当り判定用乱数を、ランダム1またはランダムRということがある。また、(1)〜(4)の乱数をソフトウェア乱数ということがある。
図22に示された遊技制御処理におけるステップS26では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、普通図柄当り判定用乱数が判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(4)の乱数以外のソフトウェア乱数も用いてもよい。
また、この実施の形態では、ハードウェア乱数であるランダム1(ランダムR)によって大当りまたは小当りを発生させるか否か決定することによって、特別図柄の停止図柄も決定されることになる。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8、大入賞口(開閉板16による大入賞口)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS30)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置15の制御状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、CPU56は、演出表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS31)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、入賞口スイッチ38a,39a、およびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、入賞口スイッチ38a,39a、およびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS33:出力処理)。
なお、CPU56は、ステップS33の出力処理を実行することによって、出力ポート0のビット0からの接続信号の出力も行う。そして、遊技機への電力供給の開始時にステップS33を実行して接続信号の出力を開始すると、遊技機の電源供給が停止したり、短絡異常などが生じて出力不能となったりしないかぎり、払出制御基板37に対して接続信号を継続して出力する。なお、払出制御基板37に出力された接続信号は、払出制御基板37上の回路に入力され、払出制御用マイクロコンピュータには入力されないように構成してもよいし、払出制御用マイクロコンピュータに入力されるように構成してもよい。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、特別図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS23において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS23において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1〜2信号、大当り1〜3信号、時短信号、セキュリティ信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS36)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS37)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS22〜S35(ステップS36を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、ステップS21またはステップS25において短絡異常フラグがセットされている場合には(ステップS21のYまたはステップS25のY)、ステップS36に移行する。すなわち、短絡異常が発生しているときには、ステップS22〜S35の処理が行われず、それらの処理によって制御される動作等が停止された状態(遊技停止状態)となる。厳密には、短絡異常報知処理(ステップS24)において短絡異常が検出された直後(つまり短絡異常フラグがセットされた直後)には、短絡異常報知処理以降のステップS25〜S35の処理が行われず、次回以降のタイマ割込処理でステップS22〜S35の処理が行われないようになる。例えば、スイッチ処理(ステップS22)が行われなくなることで、遊技球が、ゲートスイッチ32aや、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、入賞口スイッチ38a,39a、カウントスイッチ23を通過したとしても、通過したと認識されないようになる。また、例えば、賞球処理(ステップS32)が行われなくなることで、賞球の払い出しが停止されることになる。また、例えば、出力処理(ステップS33)が行われなくなることで、ソレノイド15aやソレノイド21の動作(遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御されるモータが設けられている場合にはモータの動作)が停止し、払出制御基板37に対する接続信号の出力が停止されることにより、遊技球の発射が停止される。このように、この実施の形態では、短絡異常フラグがセットされている期間には、ステップS22〜S35の処理(例えば、スイッチ処理や賞球処理、出力処理など)を行わないようにすることで、短絡異常を検出したときから、遊技機への電力供給が停止され電源断処理が行われるまでは、遊技に関する制御が停止されるように構成されている。なお、図22に示す例に限らず、ステップS21の処理の前に短絡異常報知処理(ステップS24)を実行し、ステップS25の処理を省略するように構成してもよい。
この実施の形態では、遊技制御基板(主基板31)とカードユニットとの双方から払出制御基板37に対して接続信号が出力されているときに、払出制御基板37から発射制御基板91に発射制御信号が出力されるように構成されている。そして、発射制御基板91は、少なくとも払出制御基板37から発射制御信号が出力されていなければ、駆動モータに通電しないように構成されている。そのため、遊技制御基板(主基板31)から払出制御基板37に対して接続信号が出力されていなければ、打球操作ハンドル(操作ノブ)5が操作されたとしても駆動モータが駆動されず、遊技球が発射されることはない。したがって、この実施の形態では、短絡異常が検出されたときには、ステップS34の処理が行われず、払出制御基板37に対する接続信号の出力が停止されることによって、遊技球が発射されない発射停止状態に移行される。
なお、発射停止状態に制御するために、例えば、CPU56から発射制御基板91に対して発射停止信号を出力し、発射停止信号を入力した発射制御基板31において、打球操作ハンドル(操作ノブ)5が操作されたとしても駆動モータを駆動せず、打球が発射されないように制御するようにしてもよい。なお、発射制御基板91における制御状態は、電源再投入によって初期化される。すなわち打球が発射可能な状態に制御される。
なお、詳細については後述するが、短絡異常が発生している場合(短絡異常フラグがセットされている場合)であっても、ステップS36の情報出力処理は実行され、所定期間(本例では、4分間)は情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置のみがセットされ続けるため、セキュリティ信号を所定期間出力する処理は実行される。このように、短絡異常フラグがセットされているときには、遊技に関する制御が停止される(ステップS22〜S35の処理が省略される)が、全ての制御が停止されるのではなく、情報出力処理(ステップS36)において、セキュリティ信号の外部出力が行われる。そのため、短絡異常が検出されたことにもとづいて遊技に関する制御を停止した場合(例えば、スイッチ処理の停止や賞球処理の停止、出力処理の停止、発射停止などを行った場合)でも、短絡異常が検出されたことを外部に報知することができる。また、遊技に関する制御が停止されている場合であっても、後述する電源断処理も行われる。
また、この実施の形態では、電源断処理を短絡異常報知処理の前に実行するように構成されている。そのような構成を備えることによって、この実施の形態では、VSLなどの電源電圧が低下している状態で無駄に短絡異常報知処理が実行されてしまうことを防止するようにしている。
また、短絡異常の発生を検出して遊技停止状態とする際に、可変入賞球装置15や大入賞口の中に開放状態であるものがある場合には、それらを閉鎖状態とする処理を実行してから遊技停止状態とするようにしてもよい。具体的には、ソレノイド15aやソレノイド21への出力ビットを含む出力ポート0(図18参照)を0クリアすることにより、ソレノイド15aやソレノイド21への出力を停止し、可変入賞球装置15や大入賞口を閉鎖状態としてから遊技停止状態とするようにしてもよい。また、この場合、出力ポート0に含まれる接続信号への出力ビットも同様に0クリアすることにより、接続信号の出力を停止してから遊技停止状態とするようにしてもよい。ただし、そのような処理を実行しなくても、この実施の形態では、遊技停止状態に移行すれば、賞球処理(ステップS32参照)や出力処理(ステップS33参照)が実行されなくなるので、遊技停止状態中に賞球が行われてしまったり遊技球の発射が行われてしまったりする不都合は生じない。
図24および図25は、ステップS20の電源断処理の一例を示すフローチャートである。電源断処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、電源確認信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS1450)。オン状態であれば、RAM55に形成されているバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS1451)。オフ状態であれば、バックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS1452)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(例えば2)と一致すれば(ステップS1453)、ステップS1454以降の電力供給停止時処理すなわち電力の供給停止のための準備処理を実行する。つまり、遊技の進行を制御する状態から遊技状態を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。なお、「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源確認信号のオフ状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源確認信号のオフ状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、バックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるステップS7では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パリティデータを作成する(ステップS1454〜S1463)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS1454)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS1455)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS1456)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS1457)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS1458)、ポインタの値を1増やし(ステップS1459)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS1460)。そして、ステップS1457〜S1460の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS1461)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS1462)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS1463)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータになる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、短絡異常が発生したことを示す短絡異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1464)。短絡異常フラグがセットされていれば、短絡異常フラグをリセットする(ステップS1465)とともに、後述するセキュリティ信号の出力期間を計測するためのセキュリティ信号情報タイマの値をリセット(値0にクリア)する(ステップS1466)。
ステップS1465で短絡異常フラグがリセットされることにより、ステップS21,S25でYと判定されなくなり、遊技機への電力供給停止時に遊技停止状態が解除された状態となるとともに、セキュリティ信号の出力中である場合にはステップS1466でセキュリティ信号情報タイマの値がリセットされることによりセキュリティ信号の出力も停止される。なお、ステップS1464〜S1466における短絡異常フラグおよびセキュリティ信号情報タイマの値をリセットする処理を、電源断処理で行わずに電源投入時(例えば、メイン処理のステップS41〜S43の復帰時処理)で行ってもよい。また、短絡異常フラグとセキュリティ信号情報タイマの値とのうちの一方を電源断処理でリセットし、他方を電源投入時にリセットしてもよい。すなわち、遊技に関する制御の停止(タイマ割込処理のステップS21〜S35の処理(例えば、スイッチ処理や賞球処理、出力処理など)をスキップすること)の解除と、セキュリティ信号の出力の停止とを、一方を電源断処理で行い、他方を電源投入時に行ってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、短絡異常フラグがセットされていても、ステップS1454〜S1463におけるパリティデータの作成を行う。そして、その後の電源投入時に、ステップS8のパリティチェックでチェック結果が正常であれば、ステップS41の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。すなわち、短絡異常フラグがセットされて遊技停止状態となっていても、データのバックアップが可能である。
また、電源断処理が行われることにより、ステップS1465において短絡異常フラグがリセットされるので、その後、図22に示すS22〜S35の処理はスキップされない。つまり、遊技機への電力供給が停止され電源断処理が行われることにより、遊技停止状態は解除される。また、パチンコ遊技機1に遊技停止状態を解除するための専用の停止解除スイッチを設けてもよい。また、例えば、停止解除スイッチを単独で押下することにより遊技停止状態を解除できるように構成してもよいし、停止解除スイッチを押下しながら電源スイッチ914を押下することにより遊技停止状態を解除できるように構成してもよい。
また、短絡異常フラグは、初期化処理のRAMクリア処理(ステップS10)においても初期化(すなわちリセット)される。電源断処理が正常に行われなかった場合は、ステップS8の処理においてNOとなり初期化処理が行われると考えられるため、電源断の後、再投入されると、復帰時の処理(ステップS41〜S43)と初期化処理とのいずれが実行されるかに関わらずリセットされる。
センサ異常フラグがセットされていなければ、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS1471)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS1472)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS1473)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS1474)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS1475)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS1476)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS1477)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS1478)。その後、処理数を1減らし(ステップS1479)、処理数が0でなければ(ステップS1480のN)、ステップS1474に戻る。処理数が0であれば(ステップS1480のY)、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS1481)、ループ処理に入る。なお、出力ポートをクリアする処理をチェックサムデータを作成する処理の前に実行してもよい。例えば、CPU56は、ステップS1453でYと判定した後、直ちにステップS1472〜S1480の出力ポートクリアの処理を実行するようにしてもよい。
ループ処理では、電源確認信号がオン状態になったか否かを監視する(ステップS1482)。そして、電源確認信号がオフ状態の間は(ステップS1482のN)、ステップS1482の処理を繰り返し実行して待機する。これに対して、ステップS1482にて電源確認信号がオン状態となったときには(ステップS1482のY)、所定の電断復旧時における設定を行った後(ステップS1483)、図21に示すメイン処理の先頭にリターンする。一例として、ステップS1483の処理では、CPU56に内蔵されたスタックポインタに電源断復旧時ベクタテーブルの記憶アドレスを格納し、遊技制御用タイマ割込み処理から復帰(リターン)させる。ここで、電源断復旧時ベクタテーブルは、ROM54に記憶された制御コード(遊技制御プログラム)の先頭アドレスを指定するものであればよい。図22に示すタイマ割込処理のような割込処理から復帰(リターン)するときには、スタックポインタで指定されるアドレスの記憶データが復帰アドレスとして読み出される。こうして、ステップS1483の処理を実行した後には、CPU56により、ROM54に記憶されている制御コードの先頭から、遊技制御の実行を開始(再開)させることができる。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、ステップS1454〜S1481の電力供給停止時処理が実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(判定値になっているバックアップ監視タイマのおよびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
この実施の形態では、RAM55がバックアップ電源によって電源バックアップ(遊技機への電力供給が停止しても所定期間はRAM55の内容が保存されこと)されている。この例では、ステップS1452〜S1479の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源確認信号の出力が停止されたときのRAM55の内容にもとづくチェックサムもRAM55のバックアップ領域に保存される。遊技機への電力供給が停止した後、所定期間内に電力供給が復旧したら、遊技制御手段は、上述したステップS41〜S43の処理によって、RAM55に保存されているデータ(電力供給が停止した直前の遊技制御手段による制御状態である遊技状態を示すデータ(例えば、特別図柄プロセスフラグの状態、大当りフラグの状態、確変フラグの状態、時短フラグの状態、出力ポートの出力状態等)を含む)に従って、遊技状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、電力供給停止の期間が所定期間を越えたらバックアップ監視タイマの値とチェックサムとが正規の値とは異なるはずであるから、その場合には、ステップS10〜S13の初期化処理が実行される。
以上のように、電力供給停止時処理(電力の供給停止のための準備処理)によって、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実に変動データ記憶手段(この例ではRAM55の一部の領域)に保存される。よって、停電等による電源断が生じても、所定期間内に電源が復旧すれば、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。
また、電源確認信号がオン状態になった場合には、ステップS1に戻る。その場合、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータが設定されているので、ステップS41〜S43の復旧処理が実行される。よって、電力供給停止時処理を実行した後に電源確認信号がオン状態になったときには、遊技の進行を制御する状態に戻る。従って、電源瞬断等が生じても、遊技制御処理が停止してしまうようなことはなく、自動的に、遊技制御処理が続行される。
図26は、変動パターンと判定値との関係の一例を示す説明図である。ただし、図26には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。判定値の総数は、変動パターン決定用乱数が取り得る数である150個ある。また、150個の判定値は、それぞれが異なる数値である。CPU56は、所定の時期に、変動パターン決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を変動パターン決定用乱数とするのであるが、変動パターン決定用乱数値に一致する判定値に対応する変動パターンを使用することに決定する。すなわち、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動時間を選択する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した特別図柄の停止図柄の種類に応じて、変動パターンを決定する。
図26に示すように、この実施の形態では、特別図柄の停止図柄としてはずれ図柄(本例では、図柄「0」)が選択された場合には、変動パターン#1〜#3(リーチ演出なし)が用いられる。また、特別図柄の停止図柄として小当り1図柄(本例では、図柄「1」、「4」または「6」)が選択された場合には、変動パターン#4〜#6(リーチ演出なし)が用いられる。
また、特別図柄の停止図柄として小当り2図柄(本例では、「2」、「5」または「8」)が選択された場合には、変動パターン#7〜#9が用いられる。変動パターン#7,#8は、飾り図柄の変動中にノーマルリーチを伴う変動パターンである。また、変動パターン#9は、飾り図柄の変動中に、ノーマルリーチとは異なるリーチ態様のスーパーリーチAを伴う変動パターンである。
また、特別図柄の停止図柄として小当り3図柄(本例では、「9」)が選択された場合には、変動パターン#10〜#12が用いられる。変動パターン#10は、飾り図柄の変動中にノーマルリーチを伴う変動パターンである。また、変動パターン#11は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチAを伴う変動パターンである。また、変動パターン#12は、飾り図柄の変動中に、ノーマルリーチおよびスーパーリーチAとは異なるリーチ態様のスーパーリーチBを伴う変動パターンである。
このように、この実施の形態では、飾り図柄の変動中にリーチ演出が実行される場合には小当り2遊技または小当り3遊技が実行され、リーチ演出が実行されない場合には小当り1遊技が実行される。リーチ演出が実行された後に開始された小当り遊技では役物20の開放回数が多い小当り2遊技または小当り3遊技が実行されるので、リーチ演出が実行されることによって、V入賞して第2遊技状態に移行することへの期待感を高めることができる。
また、この実施の形態では、飾り図柄の変動中にスーパーリーチ演出が実行される場合には小当り3遊技が実行される割合が高く、ノーマルリーチ演出が実行される場合には小当り2遊技が実行される割合が高い。スーパーリーチ演出が実行された後に開始された小当り遊技では役物20の開放回数が小当り2遊技よりもさらに多い小当り3遊技が実行されるので、スーパーリーチ演出が実行されることによって、V入賞して第2遊技状態に移行することへの期待感をさらに高めることができる。
また、特別図柄の停止図柄として通常大当り図柄(本例では、「3」)が選択された場合には、変動パターン#13〜#15が用いられる。変動パターン#13は、飾り図柄の変動中にノーマルリーチを伴う変動パターンである。また、変動パターン#14は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチAを伴う変動パターンである。また、変動パターン#15は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチBを伴う変動パターンである。
また、特別図柄の停止図柄として確変大当り図柄(本例では、「7」)が選択された場合には、変動パターン#16〜#18が用いられる。変動パターン#16は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチAを伴う変動パターンである。また、変動パターン#17は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチBを伴う変動パターンである。また、変動パターン#18は、飾り図柄の変動中に、ノーマルリーチ、スーパーリーチAおよびスーパーリーチBとは異なるリーチ態様のスーパーリーチCを伴う変動パターンである。
また、この実施の形態では、飾り図柄の変動中にスーパーリーチ演出が実行される場合には大当りとなる割合が高いのであるから、スーパーリーチ演出が実行されることによって、第1大当りが発生することへの期待感を高めることができる。
図27は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS29)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。
CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ(第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12aまたは第3始動口スイッチ13a)がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS322)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。また、特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(この例では2)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。小当りフラグ(小当り1フラグ〜小当り3フラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値(この例では4)に更新する。大当りフラグも小当りフラグもセットされていない場合(はずれである場合)には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
役物開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動動作を行わせるための処理を実行して、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、役物開放中処理(ステップS305)に応じた値(この例では5)に更新する。
役物開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。特定領域スイッチ66aがオンしたか否か確認するとともに、役物開放時間が経過したか否か確認する。特定領域スイッチ66aがオンした場合には、V入賞フラグをセットする。役物開放時間が経過した場合には、役物を閉鎖状態にする。そして、役物開放回数カウンタの値を−1し、役物開放回数カウンタの値が0でなければ、再び始動動作を行わせるために役物を開放状態にする。役物開放回数カウンタの値が0であれば、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物閉鎖後処理(ステップS306)に対応した値(この例では6)に更新する。
役物閉鎖後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。V入賞フラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。V入賞フラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口開放中処理(ステップS308)に応じた値(この例では8)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立した場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS309)に応じた値(この例では9)に更新する。
大入賞口閉鎖後処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態を大当り終了処理(ステップS310)に対応した値(この例では10)に更新する。
大当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値(この例では0)に更新する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図28は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図28に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板177を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図29に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図29に示された極性と逆極性であってもよい。
図30は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図30に示す例において、コマンド8001(H)〜8011(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターン#1〜#18に対応)。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8011(H)のいずれかを受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8CXX(H)(XX=0〜9)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を特定可能な演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、XXとして設定されるデータは、特別図柄の停止図柄を示すデータである。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、小当り遊技(始動動作状態)の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。ただし、小当り終了指定コマンドは、小当り遊技(始動動作状態)においてV入賞しなかった場合に送信される。V入賞した場合には、大当り開始指定コマンドが送信される。
コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態になったことを示す演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態から通常状態(非確変状態)に戻ったことを示す演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。
コマンドE001(H)は、始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(始動入賞指定コマンド)である。なお、始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンドを、保留記憶数そのものを示す演出制御コマンドにしてもよい。
コマンドE1XX(H)は、時短状態における特別図柄の変動可能回数(残り回数)を示す演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。なお、時短状態における特別図柄の変動に関わる演出制御コマンドとして、時短状態における特別図柄の変動の実行済み回数(演出制御コマンド送信時に実行される変動も含める。)を示す演出制御コマンドにしてもよい。この実施の形態では、時短状態とは、普通図柄の変動時間が短縮される遊技状態である。なお、遊技状態が確変状態であるときにも、普通図柄の変動時間が短縮される。
コマンドE401(H)は、役物20への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(役物入賞指定コマンド)である。コマンドE402(H)は、特定入賞口66への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(V入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図30に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプ等の発光体の表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
図31は、ステップS322の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS41)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS42)。また、CPU56は、乱数を生成するためのカウンタからカウント値を読み出してソフトウェア乱数を抽出するとともに、乱数回路503のカウント値を読み出してランダムR(乱数回路503が生成する大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS43)。ステップ43では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム2(図23参照)の値(変動パターン用乱数を生成するためのカウンタの値)を抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、変動パターン用乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
また、特別図柄保留記憶表示器18の表示を、保留記憶数カウンタの値を示す表示に変更する(ステップS44)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100に、始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS45)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS31)において演出制御コマンドを送信する(他の演出制御コマンドについても同様)。
図32および図33は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理が実行される状態は、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態である。
特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS52)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている判定値(図13参照)と大当り判定用乱数とを比較し、大当りとするか、小当りとするか、またははずれとするかを決定する処理を実行するプログラムである。なお、大当りとするか否かを決定するということは、第1大当り遊技状態に移行させるか否かを決定するということであり、小当りとするかを決定するということは、始動動作状態に移行させるか否か決定するということである。また、大当りとするか、小当りとするか、またははずれとするかを決定するということは、特別図柄表示器8における停止図柄(表示結果)を決定するということでもある(図13参照)。
通常大当りとすることに決定(言い換えれば、通常大当り図柄「3」に決定)したときには(ステップS63)、CPU56は、大当りに決定したことを示す大当りフラグをセットする(ステップS64)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS68)。また、確変大当りとすることに決定(言い換えれば、確変大当り図柄「7」に決定)したときには(ステップS65)、CPU56は、大当りフラグおよび確変大当りに決定したことを示す確変大当りフラグをセットする(ステップS66,S67)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS68)。
大当りとすることに決定しなかった場合には、CPU56は、小当り1図柄(具体的には、図柄「1」、「4」または「6」)に決定した場合には(ステップS69)、小当り1に決定したことを示す小当り1フラグをセットし(ステップS70)、ステップS75に移行する。また、小当り2図柄(具体的には、図柄「2」、「5」または「8」)に決定した場合には(ステップS71)、小当り2に決定したことを示す小当り2フラグをセットし(ステップS72)、ステップS75に移行する。また、小当り3図柄(具体的には、図柄「9」)に決定した場合には(ステップS73)、小当り3に決定したことを示す小当り3フラグをセットし(ステップS74)、ステップS68に移行する。
図34は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS90)。そして、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(ステップS91)。変動パターンテーブルとは、図26に示されたような、変動パターンと対応させて判定値が設定されているROM54の領域である。
なお、この実施の形態では、図26に示すように、特別図柄の停止図柄としてはずれ図柄(具体的には「0」)が選択されている場合には、変動パターン#1〜#3を含む変動パターンテーブルから変動パターンが選択される。また、特別図柄の停止図柄として小当り1図柄(具体的には「1」、「4」または「6」)が選択されている場合には、変動パターン#4〜#6を含む変動パターンテーブルから変動パターンが選択される。また、特別図柄の停止図柄として小当り2図柄(具体的には「2」、「5」または「8」)が選択されている場合には、変動パターン#7〜#9を含む変動パターンテーブルから変動パターンが選択される。また、特別図柄の停止図柄として小当り3図柄(具体的には「9」)が選択されている場合には、変動パターン#10〜#12を含む変動パターンテーブルから変動パターンが選択される。また、特別図柄の停止図柄として通常大当り図柄(具体的には「3」)が選択されている場合には、変動パターン#13〜#15を含む変動パターンテーブルから変動パターンが選択される。また、特別図柄の停止図柄として確変大当り図柄(具体的には「7」)が選択されている場合には、変動パターン#16〜#18を含む変動パターンテーブルから変動パターンが選択される。
さらに、CPU56は、ステップS91で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS92)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に表示結果指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS93)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS94)。例えば、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、ステップS91の処理で選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS95)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS96)。
図35は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図36は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、特別図柄の停止図柄を既に導出表示しているか否か確認する(ステップS130)。停止図柄を既に導出表示している場合には、演出時間タイマがタイムアウトしていれば(値が0になっていれば)、特別図柄プロセスフラグの値を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS146,S148)。演出時間タイマがタイムアウトしていない場合には、演出時間タイマの値を−1する(ステップS147)。なお、特別図柄の停止図柄を既に導出表示しているか否かは、例えば、ステップS131の処理の実行時にフラグをセットし、ステップS130の処理でそのフラグがセットされているか否かによって確認される。
特別図柄の停止図柄を導出表示していない場合は、CPU56は、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、図柄確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS132)。
大当りフラグがセットされている場合(特別図柄表示器8には特定表示結果としての3または7が導出表示されている。)には、CPU56は、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS133,S134)。また、開放回数カウンタに大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットし(ステップS135)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開始前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS137)。なお、開放回数カウンタに設定されるラウンド数は、第1大当りのラウンド数である16ラウンド(16R)に相当する16である。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態移行後の特別図柄の変動表示の実行回数をカウントするための時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS138)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を1減算し(ステップS139)、減算後の時短回数カウンタの値が0となったか否かを確認する(ステップS140)。減算後の時短回数カウンタの値が0となっていれば、CPU56は、時短フラグをリセットする(ステップS141)。
次いで、CPU56は、小当りフラグ(具体的には、小当り1フラグ〜小当り3フラグのいずれか)がセットされているか否かを確認する(ステップS142)。セットされていなければ(すなわち、はずれであれば)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS143)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS144)。そして、RAM55に形成されている演出時間タイマに演出時間(この実施の形態では、3秒または6秒)を設定する(ステップS145)。演出時間とは、演出制御用マイクロコンピュータ100が変動停止後の演出を実行している期間に相当する時間である。
図37は、役物開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。役物開放前処理において、CPU56は、小当り1フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS411A)。セットされていれば、始動動作における可変入賞球装置20(役物)の開放回数を示す役物開放回数カウンタに1を設定する(ステップS411B)。小当り1フラグがセットされていなければ、CPU56は、小当り2フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS411C)。セットされていれば、役物開放回数カウンタに2を設定する(ステップS411D)。小当り2フラグもセットされていなければ(すなわち、小当り3フラグがセットされている場合)、役物開放回数カウンタに3を設定する(ステップS411E)。
次いで、CPU56は、役物の開放時間を示す役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS412)。そして、役物20を開放状態にする(ステップS413)。具体的には、開閉扉76A,76Bを駆動する開閉モータ75の駆動を開始して、役物(可変入賞球装置)20を開放状態にさせる。また、役物20の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS414)、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS415)。
図38は、役物開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS420)。タイムアウトしていれば、役物開放回数カウンタの値が0になっているか否か(始動動作状態における最終回の開放が既に終了しているか否か)確認する(ステップS420A)。役物開放回数カウンタの値が0になっている場合には、ステップS434に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、役物開放回数カウンタの値を−1する(ステップS420B)。そして、役物開放回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS420C)。そして、役物開放回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS420C)。役物開放回数カウンタの値が0になった場合、すなわち、始動動作の終了条件が成立した場合には、ステップS434に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、CPU56は、役物を再度開放するための制御を行う。すなわち、役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS420D)。さらに、役物20を開放状態に制御する(ステップS420E)。
ステップS434では、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS424に移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になった場合には、特別図柄プロセスフラグの値を、役物閉鎖後処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS435)。
以上のように、CPU56は、最終回の開放についての役物開放時間(0.9秒)が経過した後、役物内遊技球個数カウンタの値が0になったときに、すなわち全ての遊技球が役物20から排出されたときに、特別図柄プロセスフラグの値を役物閉鎖後処理に応じた値に更新する(ステップSS420,S420A,S420C,S434,S435)。つまり、役物開放中処理において、全ての遊技球が役物20から排出されたことを条件に、遊技状態(この場合には、特別図柄プロセスフラグの値)を変化させる。なお、役物閉鎖後処理において、V入賞が生じなかったことを条件に特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に応じた値に更新する(図43におけるステップS454,S462参照)。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、役物開放時間タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS422)。タイムアウトしていれば、役物20を閉鎖状態に制御する(ステップS432)。具体的には、開閉扉76A,76Bを閉鎖する方向に開閉モータ75を回転させる。また、回転体86を初期位置で停止させるとともに、可動部材77,78における可動部77A,78Aを初期位置(遊技球を阻止しない位置)で停止させる(ステップS433)。
なお、回転体86の初期位置は、位置センサ87aが検出信号を出力したときの回転体86の位置である。つまり、回転体86に設けられている穴部87cがセンサ設置位置に対応する位置にきたときの回転体86の位置である。従って、CPU56は、実際には、ステップS431において、位置センサ87aが検出信号を出力したときに、回転体駆動モータ87の駆動を停止する。また、可動部駆動ソレノイド77B,78Bの駆動を停止することによって、可動部77A,78Aを初期位置に戻す。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、回転体・可動部制御を実行する(ステップS423)。また、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aまたは第3役物入賞スイッチ73aがオンしたら、すなわち役物に入賞した遊技球を検出したら(ステップS424)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS425)、演出制御用マイクロコンピュータ100に役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS426)。また、役物排出スイッチ85aがオンしたら、すなわち役物から排出された遊技球を検出したら(ステップS427)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS428)。
遊技球が特定入賞口66に進入したことを示す特定領域スイッチ66aがオンしたら(ステップS429)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS430)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS431)。
図39は、回転体・可動部制御を示すフローチャートである。回転体・可動部制御において、CPUは、回転体86および可動部77A,78Aが動作中(回転体・可動部動作中)であるか否か確認する(ステップS440)。動作中でなければ、役物20が開放したか否か確認する(ステップS441)。オンしたら、回転体86の駆動を開始する(ステップS442)。すなわち、回転体駆動モータ87を回転させる。また、可動部77A,78Aの駆動を開始する(ステップS443)。すなわち、可動部駆動ソレノイド77B,78Bの駆動を開始する。なお、ステップS442,S443の処理を実行すると、CPU56は、回転体・可動部動作中であることを示す内部フラグをセットする。また、役物20が開放したか否かは、例えば、ステップS413の処理の実行時にフラグをセットし、ステップS441の処理でそのフラグがセットされているか否かによって確認される。
回転体・可動部動作中である場合には(ステップS440のY)、CPU56は、小当り1フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS444)。セットされていれば、可動パターンAに従って回転体87および可動部77A,78Aを駆動制御する(ステップS445)。小当り1フラグがセットされていなければ、CPU56は、小当り2フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS446)。セットされていれば、可動パターンBに従って回転体87および可動部77A,78Aを駆動制御する(ステップS447)。小当り2フラグもセットされていなければ(すなわち、小当り3フラグがセットされている場合)、CPU56は、可動パターンCに従って回転体87および可動部77A,78Aを駆動制御する(ステップS448)。
図40〜図42は、役物20の1回の開放における回転体86および可動部77A,78Aの動作例を示すタイミング図である。図40は、可動パターンAに従って回転体86および可動部77A,78Aを動作させた場合を示す。また、図41は、可動パターンBに従って回転体86および可動部77A,78Aを動作させた場合を示す。また、図42は、可動パターンCに従って回転体86および可動部77A,78Aを動作させた場合を示す。
図40〜図42に示すように、回転体86は、0.9秒+αの時間だけ定速回転する。αは、役物20の開放開始時点より0.9秒が経過したときから、役物20に進入した全ての遊技球が排出されるときまでの期間である。
可動パターンAに従って動作させる場合、図40に示すように、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77Bは、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.1秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。また、可動部78Aは、回転体・可動部動作中になったときから0.2秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.5秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。
従って、CPU56は、回転体・可動部動作中であって小当り1フラグがセットされている場合には、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過すると、0.1秒間だけ可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止させ、回転体・可動部動作中になったときから0.2秒が経過すると、0.5秒間だけ可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止させる(ステップS444,S445参照)。なお、具体的には、CPU56は、回転体・可動部動作中であって小当り1フラグがセットされている場合には、回転体・可動部動作中になったときに、値を減算していく第1タイマに0.4秒に相当する値をセットし、値を減算していく第2タイマに0.2秒に相当する値をセットする。そして、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止するとともに第1タイマに0.1秒に相当する値をセットし、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止するとともに第2タイマに0.5秒に相当する値をセットする。その後、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を再開させ、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を再開させる。
可動パターンBに従って動作させる場合、図41に示すように、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77Bは、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.2秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。また、可動部78Aは、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.7秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。
従って、CPU56は、回転体・可動部動作中であって小当り2フラグがセットされている場合には、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過すると、0.2秒間だけ可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止させ、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過すると、0.7秒間だけ可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止させる(ステップS446,S447参照)。なお、具体的には、CPU56は、回転体・可動部動作中であって小当り2フラグがセットされている場合には、回転体・可動部動作中になったときに、値を減算していく第1タイマに0.4秒に相当する値をセットし、値を減算していく第2タイマに0.1秒に相当する値をセットする。そして、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止するとともに第1タイマに0.2秒に相当する値をセットし、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止するとともに第2タイマに0.7秒に相当する値をセットする。その後、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を再開させ、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を再開させる。
可動パターンAに従って動作させる場合、図42に示すように、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77Bは、回転体・可動部動作中になったときから0.2秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.5秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。また、可動部78Aは、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.7秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。
従って、CPU56は、回転体・可動部動作中であって小当り3フラグがセットされている場合には、回転体・可動部動作中になったときから0.2秒が経過すると、0.5秒間だけ可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止させ、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過すると、0.7秒間だけ可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止させる(ステップS446,S448参照)。なお、具体的には、CPU56は、回転体・可動部動作中であって小当り3フラグがセットされている場合には、回転体・可動部動作中になったときに、値を減算していく第1タイマに0.2秒に相当する値をセットし、値を減算していく第2タイマに0.1秒に相当する値をセットする。そして、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止するとともに第1タイマに0.5秒に相当する値をセットし、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止するとともに第2タイマに0.7秒に相当する値をセットする。その後、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を再開させ、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を再開させる。
図40〜図42に示すように、可動パターンBに従って回転体86および可動部77A,78Bが動作される場合、可動パターンAに従って回転体86および可動部77A,78Bが動作される場合と比較して、可動部77A,78Aが遊技球の通過を阻止する位置に制御される時間が短くV入賞しやすい。また、可動パターンCに従って回転体86および可動部77A,78Bが動作される場合、可動パターンAや可動パターンBに従って回転体86および可動部77A,78Bが動作される場合と比較して、可動部77A,78Aが遊技球の通過を阻止する位置に制御される時間が短くV入賞しやすい。従って、この実施の形態では、可動パターンA、可動パターンBおよび可動パターンCの順にV入賞しやすくなる。
図43は、役物閉鎖後処理(ステップS307)を示すフローチャートである。役物閉鎖後処理において、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS454)。V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットする(ステップS455)。
次いで、CPU56は、小当り1フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS456A)。セットされている場合には、開放回数カウンタに第2大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)のうち小当り1に対応する3をセットする(ステップS456B)。小当り1フラグがセットされていなければ、CPU56は、小当り2フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS456C)。セットされている場合には、開放回数カウンタに第2大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)のうち小当り2に対応する7をセットする(ステップS456D)。小当り2フラグもセットされていなければ(すなわち、小当り3フラグがセットされている場合)、開放回数カウンタに第2大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)のうち小当り3に対応する11をセットする(ステップS456E)。
さらに、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS457)。また、大当りフラグをセットする(ステップS458)。
そして、CPU56は、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS459)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS460)。
ステップS454の処理でV入賞フラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、小当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS461)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS462)。
図44は、大当り遊技(第1大当り遊技および第2大当り遊技)における各ラウンドの前に実行される大入賞口開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放時表示コマンドを送信していなければ大入賞口開放時表示コマンドを送信する制御を行う(ステップS470,S471)。また、ラウンド開始前タイマの値を−1する(ステップS472)。ラウンド開始前タイマがタイムアウト(ラウンド開始前タイマの値が0)したら(ステップS473)、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS474)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
そして、開放時間タイマに開放時間(例えば、29秒)に相当する値を設定する(ステップS475)。さらに、大入賞口(役物)を開放状態に制御する。具体的には、大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放するラウンドでは、ソレノイド21を駆動して開閉板16を開状態にする(ステップS477)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS309)に応じた値に更新する(ステップS478)。
図45は、大入賞口開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS480)。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS485に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS481)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS485に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS482)。また、カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS483,S484)。
ステップS485では、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板16を閉状態にする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後表示コマンドを送信する制御を行い(ステップS486)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS309)に応じた値に更新する(ステップS487)。
図46は、大入賞口閉鎖後処理(ステップS309)を示すフローチャートである。大入賞口閉鎖後処理において、CPU56は、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS500)。開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS502に移行する(ステップS501)。開放回数カウンタの値が0になっている場合、すなわち、大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合には、特別図柄の停止図柄(特別図柄通常処理のステップS62で決定した停止図柄)が「6」であるか否かを確認する(ステップS504)。停止図柄が6であれば、時短フラグをセットするとともに、時短回数カウンタに10をセットする(ステップS505,S506)。そして、ステップS519に移行する。停止図柄が「6」でなければ、CPU56は、特別図柄の停止図柄が「5」または「8」であるか否かを確認する(ステップS507)。停止図柄が「5」または「8」であれば、時短フラグをセットするとともに、時短回数カウンタに20をセットする(ステップS508,S509)。そして、ステップS519に移行する。停止図柄が「5」または「8」でなければ、CPU56は、特別図柄の停止図柄が「9」であるか否かを確認する(ステップS510)。停止図柄が「9」であれば、時短フラグをセットするとともに、時短回数カウンタに30をセットする(ステップS511,S512)。そして、ステップS519に移行する。
停止図柄が「9」でもなければ、CPU56は、特別図柄の停止図柄が「3」であるか否かを確認する(ステップS513)。停止図柄が「3」であれば(すなわち、通常大当り図柄であれば)、時短フラグをセットするとともに、時短回数カウンタに100をセットする(ステップS514,S515)。そして、ステップS519に移行する。停止図柄が「3」でもなければ、CPU56は、特別図柄の停止図柄が「7」であるか否かを確認する(ステップS516)。停止図柄が「7」であれば(すなわち、確変大当り図柄であれば)、時短フラグをセットするとともに、確変フラグをセットする(ステップS517,S518)。そして、ステップS519に移行する。
次いで、CPU56は、セットされていれば、大当りフラグや確変大当りフラグ、小当り1フラグ、小当り2フラグ、小当り3フラグをリセットする(ステップS519)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS310)に応じた値に更新する(ステップS520)。
図47は、大当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS531)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS534に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS532)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS533)、処理を終了する。
ステップS534では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS535)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS536)。
図48は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、各入力ポート(入力ポート0〜2)(図19参照)に入力されているデータを順次入力し(ステップS2101)、入力したデータをその処理対象の入力ポートに対応するポートバッファにセットする(ステップS2102)。
この実施の形態では、スイッチ処理において、まず、入力ポート0に入力されているデータを入力して、入力ポート0について以降のステップS2102〜S2112の処理を実行する。次いで、未処理の入力ポートがあることからステップS2113でNと判定されて再びステップS2101に戻り、入力ポート1について入力ポート1に入力されているデータを入力して、以降のステップS2102〜S2112の処理を実行する。次いで、さらに未処理の入力ポートがあることからステップS2113でNと判定されて再びステップS2101に戻り、入力ポート2について入力ポート2に入力されているデータを入力して、以降のステップS2102〜S2112の処理を実行する。そして、ステップS2113で全ての入力ポートについて処理を終了したと判定し、スイッチ処理を終了する。
次いで、RAM55に形成されるウェイトカウンタの初期値をセットし(ステップS2103)、ウェイトカウンタの値が0になるまで、ウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS2104,S2105)。
ウェイトカウンタの値が0になると、再度、処理対象の入力ポートのデータを入力し(ステップS2106)、入力したデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS2107)。そして、論理積の演算結果を、処理対象の入力ポートに対応するポートバッファにセットする(ステップS2108)。ステップS2103〜S2108の処理によって、ほぼ[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS2104,S2105の処理時間)]の時間間隔を置いて入力ポート0から入力した2回の入力データのうち、2回とも「1」になっているビットのみが、ポートバッファにおいて「1」になる。つまり、所定期間としての[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS2104,S2105の処理時間)]だけスイッチの検出信号のオン状態が継続すると、ポートバッファにおける対応するビットが「1」になる。
さらに、CPU56は、処理対象の入力ポートに対応する前回ポートバッファにセットされているデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に排他的論理和をとる(ステップS2109)。排他的論理和の演算結果において、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果と、今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビットが「1」になる。CPU56は、さらに、排他的論理和の演算結果と、ポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS2110)。この結果、前回のスイッチオン/オフの判定結果と今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビット(排他的論理和演算結果による)のうち、今回オンと判定されたスイッチに対応したビット(論理積演算による)のみが「1」として残る。
そして、CPU56は、ステップS2110における論理積の演算結果を処理対象の入力ポートに対応するスイッチオンバッファにセットし(ステップS2111)、ステップS2108における演算結果がセットされているポートバッファの内容を前回ポートバッファにセットする(ステップS2112)。
次いで、CPU56は、入力ポート0〜2の全てについて処理を終了したか否かを確認する(ステップS2113)。未処理の入力ポートが残っていれば、ステップS2101に戻り、以降の処理を繰り返し実行する。全ての入力ポートについて処理を終了していれば、スイッチ処理を終了する。
以上の処理によって、所定期間継続してオン状態であったスイッチのうち、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果がオフであったスイッチ、すなわち、オフ状態からオン状態に変化したスイッチに対応したビットが、入力ポートごとに対応するスイッチオンバッファにおいて「1」になっている。
なお、スイッチ処理において設定された各スイッチオンバッファの値は、例えば、賞球処理(ステップS32参照)において、各入賞口への入賞の有無を判定する際に用いられる。例えば、賞球処理において、入力ポート0に対応したスイッチオンバッファのビット0が「1」となっているか否かを確認し、「1」となっていればカウントスイッチ23がオン状態となったと判定して、大入賞口への入賞に応じた賞球数を払出制御手段に払い出させるための処理が実行される。また、例えば、入力ポート0に対応したスイッチオンバッファのビット2やビット3が「1」となっているか否かを確認し、「1」となっていれば、入賞口スイッチ38aや入賞口スイッチ39aがオン状態となったと判定して、普通入賞口への入賞に応じた賞球数を払出制御手段に払い出させるための処理が実行される。また、例えば、入力ポート2に対応したスイッチオンバッファのビット0〜2が「1」となっているか否かを確認し、「1」となっていれば、第1始動入賞口スイッチ11aや、第2始動入賞口スイッチ12a、第3始動入賞口スイッチ13aがオン状態となったと判定して、始動入賞口への入賞に応じた賞球数を払出制御手段に払い出させるための処理が実行される。
なお、この実施の形態では、図19に示すように、入力ポート1のビット0〜4,7および入力ポート2のビット5については負論理となっているが、例えば、負論理となっているビットに関しては排他的論理和をとることによって極性を反転した上で、図48に示す処理を行うようにすればよい。
図49は、遊技制御処理におけるステップS24の短絡異常報知処理の処理例を示すフローチャートである。この実施の形態において、「短絡異常」とは、複数の検出手段からの検出信号が同時にオン状態となったことを示す異常である。一般に、複数の検出手段からの検出信号が同時にオン状態となった場合には、治具などを用いて複数の検出信号からの信号線を短絡させて不正にオン状態とさせている可能性があることから、異常として検出するようにし、そのような不正行為が行われたことを、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにしている。なお、この実施の形態では、振動センサ52、カウントスイッチ23、電波センサ51、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、および第3始動口スイッチ13aが全て同時にオン状態となった場合に短絡異常が発生したと判定する(ただし、後述するように、電源確認信号がオフ状態でないことを条件に短絡異常が発生したと判定可能である)。
短絡異常報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、入力ポート0に入力されているデータを入力し(ステップS2201)、入力データが「10000001(B)」と一致するか否かを確認する(ステップS2202)。一致していなければ、そのまま処理を終了する。入力データが「10000001(B)」と一致していれば、入力ポート0の0ビット目と7ビット目のみがオン状態(すなわち、カウントスイッチ23と振動センサ52からの検出信号のみがオン状態。図19参照。)ということである。この場合、次のステップS2203の処理に移行する。
次いで、CPU56は、入力ポート1に入力されているデータを入力し(ステップS2203)、入力したデータと「00010000(B)」との排他的論理和をとる(ステップS2204)。これは、図19に示すように、入力ポート1のビット4(電波センサ51からの検出信号)は負論理であることから、極性を反転させるためである。次いで、CPU56は、排他的論理和をとった演算結果と「00010000(B)」との論理積をとる(ステップS2205)。そして、CPU56は、論理積をとった演算結果が「00010000(B)」と一致するか否かを確認する(ステップS2206)。一致していなければ、そのまま処理を終了する。演算結果が「00010000(B)」と一致していれば、入力ポート1の4ビット目がオン状態(すなわち、電波センサ51からの検出信号がオン状態。図19参照。)ということである。この場合、次のステップS2207に移行する。
次いで、CPU56は、入力ポート2に入力されているデータを入力し(ステップS2207)、入力したデータと「01000111(B)」との論理積をとる(ステップS2208)。そして、CPU56は、論理積をとった演算結果が「01000111(B)」と一致するか否かを確認する(ステップS2209)。一致していなければ、そのまま処理を終了する。演算結果が「01000111(B)」と一致していれば、入力ポート2の0〜2ビット目および6ビット目がオン状態(すなわち、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、および第3始動口スイッチ13aが全てオン状態であるとともに、電源確認信号もオン状態。図19参照。)ということである。この場合、CPU56は、短絡異常が発生しているものと判定し、ステップS2210の処理に移行する。
ステップS2201〜S2209の処理が実行されることによって、この実施の形態では、振動センサ52、カウントスイッチ23、電波センサ51、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、および第3始動口スイッチ13aが全て同時にオン状態となった場合に短絡異常が発生したと判定される。ただし、ステップS2207〜S2209の処理において電源確認信号のオン状態も確認されるので、この実施の形態では、電源確認信号がオフ状態(電源電圧の低下を検出している状態)でないことを条件に短絡異常が発生したと判定可能に構成されている。これは、電源確認信号がオフ状態となっているということは、遊技機への電力供給が停止されるなどしてVSLなどの電源電圧が不安定な状態となっているときであるから、各検出手段からの検出信号の出力状態も不安定であることが想像され、このような状態で判定を行っても短絡異常の判定を正しく行えない可能性が高いためである。そこで、この実施の形態では、電源確認信号がオン状態であること(オフ状態でないこと)を条件に短絡異常を判定可能に構成することによって、VSLなどの電源電圧が不安定な状態となっている場合に短絡異常と判定してしまうことを防止するようにしている。
次いで、ステップS2209でYと判定すると(すなわち、短絡異常が発生したと判定すると)、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、4分)をセットする(ステップS2210)。この実施の形態では、ステップS2201でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、情報出力処理(S36参照)が実行されることによって、短絡異常が検出されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、4分)外部出力される。そして、CPU56は、短絡異常フラグをセットする(ステップS2211)。
なお、この実施の形態では、ステップS2210の処理が実行されることによって、短絡異常が検出された場合に所定時間(本例では、4分間)にわたってセキュリティ信号が外部出力される場合が示されているが、セキュリティ信号の出力期間は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、短絡異常が検出されてセキュリティ信号の外部出力を開始すると、遊技機の電源供給が停止されるまでセキュリティ信号の外部出力を継続するように構成してもよい。この場合、例えば、後述する情報出力処理において、セキュリティ信号情報タイマの値を確認するのではなく、短絡異常フラグがセットされているか否かを確認し、短絡異常フラグがセットされていればステップS1007の処理を実行することによって、遊技機の電源供給が停止されるまでセキュリティ信号の外部出力を継続するようにしてもよい。また、例えば、短絡異常が検出されて後述する情報出力処理におけるステップS1007〜S109の処理を実行してセキュリティ信号の外部出力を開始すると、その後の遊技停止状態ではステップS36の情報出力処理も実行しないように構成することにより(従って、ステップS1001の情報バッファのクリアも行われない)、セキュリティ信号が外部出力され続けるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、短絡異常を検出した場合には、ステップS2211でセットした短絡異常フラグにもとづいて遊技停止状態とする(ステップS21,S25参照)とともに、ステップS2210でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいてセキュリティ信号を外部出力する場合を示したが、この実施の形態で示した態様にかぎられない。例えば、短絡異常を検出したことを遊技機上で報知(短絡異常報知)するように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、短絡異常を検出したことを示すコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、そのコマンドを受信したことにもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出表示装置9において短絡異常報知画面を表示したり、各ランプ28a〜28cやスピーカ27を用いて短絡異常が発生したことを報知したりしてもよい。
なお、短絡異常を検出した場合、この実施の形態で示した遊技停止状態への制御、セキュリティ信号の外部出力、および上記の短絡異常報知のうち、少なくとも1つを実行するように構成すればよく、これら全てを実行するように構成してもよいし、いずれか2つを実行するように構成してもよい。また、遊技停止状態に制御する場合に、図22に示したタイマ割込処理のステップS22〜S35の全ての処理を実行しないようにするのではなく、これらのうち一部の処理については遊技停止状態中であっても実行するように構成してもよい。例えば、遊技停止状態中であってもステップS22のスイッチ処理は実行するようにし、既に発射された遊技球の各入賞口への入賞は有効に検出するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、ステップS2201〜S2209の処理において、複数の入力ポート0〜2の入力状態を順次判定することによって、複数の検出手段(本例では、振動センサ52、カウントスイッチ23、電波センサ51、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、および第3始動口スイッチ13a)からの検出信号が同時に変化したか否かを判定している。そのため、検出手段の数が多くなった場合でも短絡異常の判定を正確に行うことができる。
また、この実施の形態では、電源断処理では複数のタイマ割込(本例では、2回のタイマ割込)にわたって電源確認信号のオン状態を確認し(ステップS1450〜S1453参照)、スイッチ処理では所定のウェイト期間(ステップS2103〜S2105参照)にわたって各入力ポートの入力状態を確認しているのに対して、図49に示す短絡異常報知処理では、1タイマ割込内で各入力ポートの入力状態を確認して短絡異常の判定を行っている。このように、この実施の形態では、電源断処理やスイッチ処理などの特定の判定処理にかかる判定期間よりも短い期間により短絡異常と判定する。そのため、短絡異常の判定を迅速に行うことができる。
また、この実施の形態では、遊技枠の開放状態を検出するドア開放スイッチ170を備えているのであるが、図49に示す短絡異常の判定においては、ドア開放スイッチ170からの検出信号を判定対象から除外して、複数の検出手段からの検出信号が同時に変化したか否かを判定している。具体的には、ステップS2203〜S2206の処理において、ドア開放スイッチ170からの検出信号が入力される入力ポート1の6ビット目については、オン状態であるか否かの判定は行われていない。そのため、不正行為が行われる際に遊技枠を開放状態とすることにより短絡異常と判定されることを防がれてしまうことを防止することができる。
図50は、ステップS36の情報出力処理を示すフローチャートである。なお、情報出力処理では、始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、およびセキュリティ信号を外部出力する処理が実行されるのであるが、図50では、このうちのセキュリティ信号を外部出力する部分の処理が示されている。
情報出力処理において、CPU56は、まず、初期値(00(H))をRAM55に形成されている情報バッファにセットする(ステップS1001)。次いで、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマをロードし(ステップS1002)、セキュリティ信号情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1003)、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1004)。この実施の形態では、短絡異常が発生したと判定された場合には、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では4分)がセットされ(短絡異常報知処理のステップS2210参照)、その所定時間が経過していないときは、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(セキュリティ信号情報タイマの値が0のとき)に、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
また、この実施の形態では、遊技機への電力供給が開始されて初期化処理が実行されたときにも、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)がセットされ(メイン処理におけるステップS14参照)、その所定時間が経過していないときは、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(セキュリティ信号情報タイマの値が0のとき)に、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1004のN)、セキュリティ信号情報タイマを1減算し(ステップS1005)、演算結果をセキュリティ信号情報タイマにストアする(ステップS1006)。そして、情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置(図18に示す例では出力ポート1のビット7)をセットする(ステップS1007)。情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置がセットされると、その後、情報バッファを出力値にセットし(ステップS1008)、出力値を出力ポート1に出力する(ステップS1009)ことによって、セキュリティ信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。なお、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1004のY)、ステップS1007の処理が実行されない結果(ステップS1001で情報バッファがクリアされているので)、セキュリティ信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1002〜S1007の処理によって、短絡異常が検出されてから4分が経過するまで、または遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されてから30秒が経過するまで、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8を用いてセキュリティ信号が出力される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図51は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図52は、図51に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する。大当りとすることに決定されていない場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動終了後演出処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
変動終了後演出処理(ステップS805):飾り図柄の変動終了後に、小当りの種類等を報知するための演出を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(ステップS806):小当り遊技中の制御を行う。例えば、演出表示装置9において、小当り遊技に対応した表示演出を行う。そして、小当り終了指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。そうでない場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS807):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、大当り終了指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS808)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS808):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、複数の検出手段(本例では、振動センサ52、カウントスイッチ23、電波センサ51、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、および第3始動口スイッチ13a)と、所定の電源電圧(本例では、30VのVSL、5VのVCC)を監視し、該所定の電源電圧が低下したことにもとづいて所定信号(本例では、電源確認信号)を出力する監視手段(本例では、電源監視回路920)とを備える。そして、複数の検出手段からの検出信号が同時に変化したことにもとづいて異常(本例では、短絡異常)と判定する。この場合、監視手段が出力する所定信号が入力されていないこと(本例では、電源確認信号がオフ状態でないこと)を条件に異常と判定可能である。そのため、所定の電源電圧が不安定な状態となっている場合に異常と判定してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、複数の入力ポート(本例では、入力ポート0〜2)を備え、複数の入力ポートの入力状態を順次判定すること(図49のステップS2201〜S2209参照)によって、複数の検出手段からの検出信号が同時に変化したか否かを判定する。そのため、検出手段の数が多くなった場合でも異常の判定を正確に行うことができる。
また、この実施の形態によれば、特定の判定処理(本例では、電源断処理、スイッチ処理)にかかる判定期間よりも短い期間により異常と判定する。具体的には、電源断処理では複数のタイマ割込(本例では、2回のタイマ割込)にわたって電源確認信号のオン状態を確認し(ステップS1450〜S1453参照)、スイッチ処理では所定のウェイト期間(ステップS2103〜S2105参照)にわたって各入力ポートの入力状態を確認しているのに対して、図49に示す短絡異常報知処理では、1タイマ割込内で各入力ポートの入力状態を確認して短絡異常の判定を行っている。そのため、異常の判定を迅速に行うことができる。
また、この実施の形態によれば、検出手段として、遊技枠の開放状態を検出する枠検出手段(本例では、ドア開放スイッチ170)を含む。そして、枠検出手段からの検出信号を判定対象から除外して、複数の検出手段からの検出信号が同時に変化したか否かを判定している。そのため、不正行為が行われる際に遊技枠を開放状態とすることにより異常と判定されることを防がれてしまうことを防止することができる。例えば、この実施の形態で示すような短絡異常が検出される場合、ピアノ線を用いたり電波を照射したりするなどの不正行為が行われている場合であることが想定されるが、遊技枠を開放することなくピアノ線を用いたり電波を照射したりするなどの行為が行われる場合がある。そうすると、短絡異常の判定対象にドア開放スイッチ170からの検出信号も含めてしまうと、遊技枠を開放することなくこれらの不正行為が行われた場合には、短絡異常として検出できない可能性がある。そこで、この実施の形態では、ドア開放スイッチ170からの検出信号については短絡異常の判定対象から除外することによって、遊技枠を開放することなく不正行為が行われている場合にも短絡異常を検出できるようにしている。
なお、この実施の形態では、振動センサ52、カウントスイッチ23、電波センサ51、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、および第3始動口スイッチ13aからの検出信号を短絡異常の判定対象とする場合を示したが、この実施の形態で示した態様にかぎられない。例えば、磁石センサ50a〜50dからの検出信号も短絡異常の判定対象としてもよい。この場合、4つの磁石センサ50a〜50dからの検出信号の全てを短絡異常の判定対象としてもよいし、一部の検出信号のみを短絡異常の判定対象としてもよい。また、例えば、ゲートスイッチ32aや、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、各入賞口スイッチ38a,39aからの検出信号も短絡異常の判定対象としてもよい。
ただし、判定対象の検出信号が多くなるに従って、それらが同時にオン状態となる頻度が低下すると思われることから、短絡異常の検出頻度が低下してしまうおそれがある。例えば、電波を照射するような不正行為と磁石を用いた不正行為とが同時に行われる頻度は高くないと思われることから、電波センサ51からの検出信号と磁石センサ50a〜50dからの検出信号との両方を判定対象としてしまうと、短絡異常の検出頻度が著しく低下してしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、判定対象として電波センサ51からの検出信号に的を絞り、磁石センサ50a〜50dからの検出信号については判定対象から除外することによって、必要以上に短絡異常の検出頻度が低下することを防止している。なお、逆に、磁石センサ50a〜50dからの検出信号を判定対象とし、電波センサ51からの検出信号や振動センサ52からの検出信号を判定対象から除外したりしてもよく、短絡異常の判定対象として様々な組み合わせが考えられる。
また、この実施の形態では、入力ポート0〜2のうちの一部のビットに入力される検出信号(本例では、振動センサ52、カウントスイッチ23、電波センサ51、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、および第3始動口スイッチ13aからの検出信号)を短絡異常の判定対象とする場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、入力ポート0〜2に入力される検出信号のうち少なくとも一部の信号が含まれていれば、入力ポート0〜2に入力される検出信号のうちのいずれか複数(少なくとも2以上)の検出信号を判定対象としてもよいし、全ての検出信号を判定対象としてもよい。また、この実施の形態では、短絡異常の判定において全ての入力ポート0〜2の入力状態を確認する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、入力ポート0〜2のうちのいずれか1つまたは2つの入力状態を確認することによって短絡異常の判定を行うように構成してもよい。例えば、いずれか1つの入力ポートのうちの複数のビットに入力される検出信号が全てオン状態となっているか否かを確認することによって短絡異常が発生したか否かを判定するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、遊技制御を実現するための一連の処理を繰り返し実行する制御手段(本例では、図22に示すタイマ割込処理を実行するCPU56)を備える。そして、制御手段は、一連の処理として、少なくとも、監視手段が出力する所定信号にもとづいて実行される電圧低下処理(本例では、電源断処理(ステップS20参照))と、異常判定手段により異常と判定するための異常判定処理(本例では、短絡異常報知処理(ステップS24参照))とを実行可能であり、電圧低下処理を異常判定処理の前に実行可能である(本例では、図22に示すように、タイマ割込処理内において、電源断処理を短絡異常報知処理の前に実行している)。そのため、所定の電源電圧が低下している状態で無駄に異常判定処理が実行されてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、遊技制御を実現するための一連の処理を繰り返し実行する処理が図22に示すタイマ割込処理である場合を示したが、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、図21に示すメイン処理のステップS16〜S19の間のループ内において、図22に示すステップS20〜S37と同様の処理を実行するように構成されたものであってもよい。このように、何らかのフロー形式で遊技制御を実現するための一連の処理が繰り返し実行されるものであればよい。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、第1の実施の形態では、1つの電源監視回路920が電源確認信号およびリセット信号の両方を出力する場合を示したが、電源確認信号(電源断信号)を出力する電源監視回路とリセット信号を出力する電源監視回路とを別々に設けるように構成してもよい。以下、電源確認信号(電源断信号)を出力する電源監視回路とリセット信号を出力する電源監視回路とを別々に設ける第2の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
また、この実施の形態では、主基板31と電源基板910とはドロア中継基板19aを介して接続されるものとする。また、この実施の形態では、第1の実施の形態で示した電源監視回路920に代えて、電源断信号を出力する第1電源監視回路112と、リセット信号を出力する第2電源監視回路113とを備える。また、この実施の形態において、電源断信号は、第1の実施の形態で示した電源確認信号に相当する。ただし、この実施の形態では、電源断信号のオン状態(ローレベル)は電源確認信号のオフ状態(ローレベル)に相当し、電源断信号のオフ状態(ハイレベル)は電源確認信号のオン状態(ハイレベル)に相当する。
図53は、第2の実施の形態における主基板31などとドロア中継基板19aの構成例を示すブロック図である。図53に示すように、ドロア中継基板19aのドロアコネクタ132aは、主基板31に接続された配線に接続されている。この配線を介して、ドロアコネクタ132aから主基板31へ、DC32V、12V、5V、GNDの各電圧や各種信号が伝送される。ドロアコネクタ132aから主基板31へ伝送される信号には、クリア信号が含まれていてもよい。クリア信号は、電源基板910に搭載されたクリアスイッチ(図示せず)が押されている期間オン状態となる電気信号であればよい。なお、クリアスイッチは主基板31に搭載されていてもよい。クリア信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。また、ドロア中継基板19aのドロアコネクタ132bは、演出制御基板80に接続された配線に接続されている。この配線を介して、ドロアコネクタ132bから演出制御基板80へ、DC32V、12V、5V、GNDの各電圧や各種信号が伝送される。
なお、この実施の形態では、2つのドロアコネクタを経由して、主基板31と演出制御基板80とへ、電圧や信号を伝送するように構成しているが、主基板31に接続された配線と演出制御基板80に接続された配線とをまとめて1つのドロアコネクタに接続し、1つのドロアコネクタを経由して、主基板31と演出制御基板80とへ、電圧や信号を伝送するように構成してもよい。この場合には、電源基板910の出力端子は、上記1つのドロアコネクタに対応する1つの枠側コネクタに接続されていればよい。
この実施の形態では、主基板31へ伝送されるDC32Vの電圧は、例えば、ソレノイド回路111を介して各ソレノイドに供給され、これらのソレノイドを駆動させるために用いられるとともに、第1電源監視回路112および第2電源監視回路113によって監視される。主基板31へ伝送されるDC12Vの電圧は、例えば、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23といった各種スイッチに供給され、これらのスイッチを作動させるために用いられたり、特別図柄表示器8に供給され、これらの装置が備えるLEDを駆動(点灯)させるために用いられたりする。また、主基板31へ伝送されるDC5Vの電圧は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560や電源監視回路を構成する停電監視リセットモジュールICといった各種ICに供給され、これらのICを駆動させるために用いられる。このDC5Vの電圧は、後述するフィルタ回路136に設けられた電解コンデンサ187c,187dにより、電源の供給が遮断されたときの低下速度が、DC32Vの電圧やDC12Vの電圧、演出制御基板80に供給されるDC5Vなどの電圧の低下速度と比較して十分に遅くなっている。なお、このDC5Vの電圧は、電源投入時の上昇速度も、DC32Vの電圧やDC12Vの電圧などの上昇速度と比較して十分に遅くなっている。
演出制御基板80へ伝送されるDC32Vの電圧は、例えば、演出用可動部材用のソレノイドや演出用のモータに供給され、これらソレノイドやモータを駆動させるために用いられる。演出制御基板80へ伝送されるDC12Vの電圧は、例えば、演出用可動部材用のセンサや装飾用LEDに供給され、これらセンサや装飾用LEDを駆動させるために用いられる。また、演出制御基板80へ伝送されるDC5Vの電圧は、例えば、演出制御用CPU101やROM、RAMなどといった各種ICに供給され、これらのICを駆動させるために用いられる。
主基板31は、上記した遊技制御用マイクロコンピュータ560やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などの他に、フィルタ回路136を備えている。また、演出制御基板80は、上記した演出制御用CPU101やROMなどの他に、フィルタ回路137を備えている。フィルタ回路136,137は、電源基板910からドロア中継基板19aを介して供給される各電圧のライン(各電源ライン)に発生するノイズを除去するための回路である。
ドロアコネクタ132aを経由したDC32V、12V、5Vの各電圧は、主基板31のフィルタ回路136に入力される。フィルタ回路136から出力された各電圧は、主基板31が備える遊技制御用マイクロコンピュータ560や各回路などに入力される。例えば、フィルタ回路136から出力されたDC32Vおよび5Vの電圧は、第1電源監視回路112と第2電源監視回路113とにそれぞれ入力される。また、フィルタ回路136から出力されたDC5Vの電圧は、遊技制御用マイクロコンピュータ560やバックアップ電源回路114に入力される。このDC5Vの電圧は、遊技制御用マイクロコンピュータ560や、電源監視回路を構成する停電監視リセットモジュールICなどの各ICを駆動させるための電圧となっている。また、フィルタ回路136から出力されたDC12Vの電圧は、ソレノイド回路111に入力される。なお、DC32V、12V、5Vの各電圧は、上記の回路やIC以外の回路やICなどにも入力されてもよい。
また、ドロアコネクタ132bを経由したDC32V、12V、5Vの各電圧は、演出制御基板80のフィルタ回路137に入力される。フィルタ回路137から出力された各電圧は、演出制御基板80が備える演出制御用CPU101や各回路などに入力される。
図54は、第2の実施の形態におけるフィルタ回路の一例を示している。図54(A)に示すように、主基板31に設けられたフィルタ回路136は、一例として、三端子コンデンサ185a〜185c、高周波のノイズ対策用のバイパスコンデンサ(デカップリングコンデンサともいう。)186a〜186cおよび低周波のノイズ対策用の電解コンデンサ187a〜187dを用いて構成されている。三端子コンデンサ185aの入力端子(IN)は、DC32V電源ライン(DC32Vの電圧がかかる電路)の入力側の配線に接続されており、三端子コンデンサ185aの出力端子(OUT)は、DC32V電源ラインの出力側の配線に接続されている。また、三端子コンデンサ185aのグランド端子(GND)は、接地(GNDラインに接続)されている。三端子コンデンサ185aの出力端子とグランド端子とには、0.1μF(micro farad)のバイパスコンデンサ186aが接続されている。また、三端子コンデンサ185aの出力端子とグランド端子とには、330μFの電解コンデンサ187aが接続されている。なお、電解コンデンサ187aの正電極は、三端子コンデンサ185aの出力端子に接続されており、電解コンデンサ187aの負電極は、三端子コンデンサ185aのグランド端子に接続されている。後述する電解コンデンサ187b〜187eの極性についても同様である。
三端子コンデンサ185bの入力端子(IN)は、DC12V電源ライン(DC12Vの電圧がかかる電路)の入力側の配線に接続されており、三端子コンデンサ185bの出力端子(OUT)は、DC12V電源ラインの出力側の配線に接続されている。また、三端子コンデンサ185bのグランド端子(GND)は、接地されている。三端子コンデンサ185bの出力端子とグランド端子とには、0.1μFのバイパスコンデンサ186bが接続されている。また、三端子コンデンサ185bの出力端子とグランド端子とには、220μFの電解コンデンサ187bが接続されている。
三端子コンデンサ185cの入力端子(IN)は、DC5V電源ライン(DC5Vの電圧がかかる電路)の入力側の配線に接続されており、三端子コンデンサ185cの出力端子(OUT)は、DC5V電源ラインの出力側の配線に接続されている。また、三端子コンデンサ185cのグランド端子(GND)は、接地されている。三端子コンデンサ185cの出力端子とグランド端子とには、0.1μFのバイパスコンデンサ186cが接続されている。また、三端子コンデンサ185cの出力端子とグランド端子とには、2700μFの電解コンデンサ187cが接続され、さらに、2700μFの電解コンデンサ187dが接続されている。すなわち、並列に接続された2つの電解コンデンサ187c,187dが三端子コンデンサ185cの出力端子とグランド端子とに接続されている。なお、2つの電解コンデンサ187c,187dに代えて、5400μFまたは2700μFの電解コンデンサを1つ接続してもよく、また、2700μFよりも少ない容量の電解コンデンサを3つ以上並列に接続してもよい。
図54(B)に示すように、演出制御基板80に設けられたフィルタ回路137は、一例として、三端子コンデンサ185a〜185c、バイパスコンデンサ186a〜186cおよび電解コンデンサ187a,187b,187eを用いて構成されている。DC32V電源ラインに設けられた三端子コンデンサ185a、バイパスコンデンサ186a、電解コンデンサ187a、および、DC12V電源ラインに設けられた三端子コンデンサ185b、バイパスコンデンサ186b、電解コンデンサ187bは、主基板31に設けられたフィルタ回路136における各部品と同じであり、各部品の接続関係も同じであるので、これらの部品についての説明を省略する。
また、DC5V電源ラインに設けられた三端子コンデンサ185c、バイパスコンデンサ186cは、主基板31に設けられたフィルタ回路136における各部品と同じであり、各部品の接続関係も同じであるので、これらの部品についての説明を省略する。三端子コンデンサ185cの出力端子とグランド端子とには、470μFの電解コンデンサ187eが接続されている。
ここで、フィルタ回路136とフィルタ回路137とを比べると、DC5V電源ラインに設けられた電解コンデンサの容量が異なっている。具体的には、フィルタ回路136における電解コンデンサの容量は、合計で5400μFであるのに対し、フィルタ回路137における電解コンデンサの容量は、470μFである。電解コンデンサの容量が大きいほど、放電時間が延びることとなる。例えば、入力側のDC5V電源ラインが遮断された場合、フィルタ回路137における出力側のDC5Vの電圧低下(電圧の低下速度)に比べて、フィルタ回路136における出力側のDC5Vの電圧低下が遅くなる。従って、フィルタ回路136における電解コンデンサ187c,187dは、遅延回路としての機能を有している。なお、フィルタ回路136において遅延回路を組み込まない場合には、電解コンデンサ187c,187dに代えて、470μFの電解コンデンサ187eを接続、すなわち、フィルタ回路136とフィルタ回路137とを完全に同一にすればよい。
図55は、第2の実施の形態におけるフィルタ回路136,137の入力電圧と出力電圧との関係を示す図である。図55(A)に示すように、DC32V電源ラインにおけるフィルタ回路136,137の入力電圧がT1のタイミングで32Vから0Vに低下した場合、フィルタ回路136,137の出力電圧は、T1から徐々に低下していき、T2のタイミングでほぼ0Vとなる。図55(B)に示すように、DC12V電源ラインにおけるフィルタ回路136,137の入力電圧がT1のタイミングで12Vから0Vに低下した場合、フィルタ回路136,137の出力電圧は、T1から徐々に低下していき、T3のタイミングでほぼ0Vとなる。また、図55(C)に示すように、DC5V電源ラインにおけるフィルタ回路136の入力電圧がT1のタイミングで5Vから0Vに低下した場合、フィルタ回路136の出力電圧は、T1から徐々に低下していき、T4のタイミングでほぼ0Vとなる。一方、DC5V電源ラインにおけるフィルタ回路137の入力電圧がT1のタイミングで5Vから0Vに低下した場合、フィルタ回路137の出力電圧は、T1から徐々に低下していき、T4よりもかなり早いT5のタイミングでほぼ0Vとなる。
図55(C)に示すように、出力側の電圧が5Vから低下して、例えば、主基板31のCPU(CPU56)や演出制御基板80のCPU(演出制御用CPU101)が停止する電圧であるCPU停止電圧に到達するタイミングは、フィルタ回路137よりもフィルタ回路136が期間τ遅延している。このように主基板31のDC5V電源ラインにおけるフィルタ回路136は、遅延回路として機能する電解コンデンサ187c,187dを有しているので、電解コンデンサ187c,187dによって第1電源監視回路112や第2電源監視回路113などに入力される5Vの電圧の低下が遅延することになる。
主基板31に搭載された第1電源監視回路112および第2電源監視回路113は、例えば停電監視用IC(停電監視リセットモジュールICともいう。)を用いて構成され、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧(所定の電源回路の電圧)に応じて、電源断信号およびリセット信号を出力する回路である。
第1電源監視回路112は、主基板31に供給された第1の電源電圧としてのDC32Vの電圧(DC32V電源ラインの電圧)と、主基板31に供給された第2の電源電圧としてのDC5Vの電圧(DC5V電源ラインの電圧)と、を監視する。第1電源監視回路112は、DC32Vの電圧が、例えば21Vといった第1閾値を超えるか、または、DC5Vの電圧が、例えば4.2Vといった第3閾値を超えると、オフ状態(ハイレベル)の電源断信号を出力する。その一方で、DC32Vの電圧が第1閾値以下(21V以下)になるか、または、DC5Vの電圧が第3閾値以下(4.2V以下)になると、オン状態(ローレベル)の電源断信号を出力する。なお、DC32Vの電圧が第1閾値以下になった期間や、DC5Vの電圧が第3閾値以下になった期間が、予め決められている時間(一例として56ms)以上継続したときに、オン状態(ローレベル)の電源断信号を出力するようにしてもよい。
第2電源監視回路113は、主基板31に供給された第1の電源電圧としてのDC32Vの電圧(DC32V電源ラインの電圧)と、主基板31に供給された第2の電源電圧としてのDC5Vの電圧(DC5V電源ラインの電圧)と、を監視する。第2電源監視回路113は、DC32Vの電圧が、例えば9Vといった第2閾値を超えるか、または、DC5Vの電圧が、例えば4.2Vといった第3閾値を超えると、オフ状態(ハイレベル)のリセット信号を出力する。その一方で、DC32Vの電圧が第2閾値以下(9V以下)になるか、または、DC5Vの電圧が第3閾値以下(4.2V以下)になると、オン状態(ローレベル)のリセット信号を出力する。なお、DC32Vの電圧が第2閾値以下になった期間や、DC5Vの電圧が第3閾値以下になった期間が、予め決められている時間(一例として56ms)以上継続したときに、オン状態(ローレベル)のリセット信号を出力するようにしてもよい。第2電源監視回路113から出力されたリセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるCPU56に入力される。CPU56は、リセット信号がオフ状態になると、動作を開始し、リセット信号がオン状態になると、動作を停止する。そして、CPU56は、リセット信号が再びオフ状態になると、動作を開始する。CPU56は、動作を開始するときには、例えば初期化処理や電断復旧時の処理などの各種処理を実行する。
この実施の形態では、上述したようにDC5V電源ラインにおけるフィルタ回路136に遅延回路として機能する電解コンデンサ187c,187dが含まれていることもあり、同じタイミングでDC32V電源ラインとDC5V電源ラインが遮断された場合には、DC5Vの電圧よりもDC32Vの電圧の方が早く低下するようになっている。
電源断信号やリセット信号は、例えばローレベルとなることでオン状態となりハイレベルとなることでオフ状態となる負論理の電気信号であればよい。なお、第1電源監視回路112および第2電源監視回路113は、パチンコ遊技機1の立ち下がり時における電圧を監視したり、電源投入時においてパチンコ遊技機1の立ち上がり時における電圧を監視したり、所定期間交流電源の供給が途切れた(遮断された)ことを監視したり、することができる。すなわち、第1電源監視回路112や第2電源監視回路113は、供給電圧が低下した状態を電力低下条件とし、条件を満たす場合に電源断信号やリセット信号を出力(オン状態に)すればよい。第1電源監視回路112および第2電源監視回路113から出力された電源断信号およびリセット信号は、所定の信号ラインを介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560へと伝送される。
なお、第1電源監視回路112や第2電源監視回路113は、電源基板910や払出制御基板37などに設けられていてもよい。この場合には、第1電源監視回路112や第2電源監視回路113から出力された電源断信号やリセット信号は、例えば電源基板910や払出制御基板37などに搭載された出力ドライバ回路によって増幅された後に所定のコネクタや信号ラインを介して、主基板31へと伝送されればよい。
図56は、第2の実施の形態における電源監視回路の一例を示す図である。第1電源監視回路112は、電源監視用IC90a、抵抗91a、92aおよびコンデンサ93a〜96aを用いて構成されている。電源監視用IC90aは、VCC端子、VSA端子、VSB端子、GND端子およびOUT端子を有している。電源監視用IC90aの内部では、VCC端子とGND端子との間に電圧検出用の抵抗raと抵抗rbとが直列に接続されて設けられている。抵抗raと抵抗rbとの接続点は、VSA端子に接続されている。VCC端子は、DC5V電源ラインに接続されている。GND端子は、接地(GNDラインに接続)されている。VCC端子とGND端子とには、0.1μFのコンデンサ95aが接続されている。また、VSA端子とGND端子とには、0.01μFのコンデンサ96aが接続されている。
DC32V電源ラインとGNDラインとの間には、電圧検出用の抵抗91aと抵抗92aとが直列に接続されて設けられている。この実施の形態では、一例として、抵抗91aの値は2.4kΩであり、抵抗92aの値は150Ωである。抵抗91aと抵抗92aとの接続点は、VSB端子に接続されている。抵抗91aの一端(DC32V電源ライン側の一端)とGND端子とには、1000pFのコンデンサ93aが接続されている。また、VSB端子とGND端子とには、1000pFのコンデンサ94aが接続されている。また、OUT端子は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が備える入出力ポート580に接続されている。
電源監視用IC90aは、VSA端子(抵抗raと抵抗rbとの接続点)とVAB端子とに印加される各電圧にもとづいて、DC5Vの電圧やDC32Vの電圧が第3閾値や第1閾値以下であるか否かを検出し、OUT端子から電源断信号を出力するようになっている。
第2電源監視回路113は、電源監視用IC90b、抵抗91b、92bおよびコンデンサ93b〜96bを用いて構成されている。第2電源監視回路113は、第1電源監視回路113の抵抗92aおよびコンデンサ96aが、220Ωの抵抗92bおよび1μFのコンデンサ96bに代わっただけで、それ以外は第1電源監視回路112と同じ構成を有している。
電源監視用IC90bは、VSA端子(抵抗raと抵抗rbとの接続点)とVAB端子とに印加される各電圧にもとづいて、DC5Vの電圧やDC32Vの電圧が第3閾値や第2閾値以下であるか否かを検出し、OUT端子からリセット信号を出力するようになっている。電源監視用IC90bから出力されたリセット信号は、CPU56のRESET端子に入力される。
ここで、第1電源監視回路112と第2電源監視回路113とを比べると、VSB端子とGND端子とに接続されている抵抗の値が異なっている。具体的には、第1電源監視回路112における抵抗92aの値は、150Ωであるのに対し、第2電源監視回路113における抵抗92bの値は、220Ωである。これにより、150Ωの抵抗92aに印加される電圧は、220Ωの抵抗92bに印加される電圧に比べて小さくなっている。従って、DC32V電源ラインが遮断された場合、第1電源監視回路112は、DC32Vの電圧が第1閾値以下になったときに、電源断信号をオン状態とし、第2電源監視回路113は、DC32Vの電圧が第1閾値よりも低い第2閾値以下になったときに、リセット信号をオン状態とする。このように第1電源監視回路112と第2電源監視回路113とにおいて閾値が異なっているので、DC32V電源ラインが遮断されたときには、リセット信号がオン状態となるタイミングは、電源断信号がオン状態となるタイミングよりも遅くなる。
また、第1電源監視回路112と第2電源監視回路113とを比べると、VSA端子とGND端子とに接続されているコンデンサの容量が異なっている。具体的には、第1電源監視回路112におけるコンデンサ96aの容量は、0.01μFであるのに対し、第2電源監視回路113におけるコンデンサ96bの容量は、1μFである。このコンデンサの容量が大きいほど、電源の供給が遮断されたときの放電時間が延びることとなる。例えば、DC5V電源ラインが遮断された場合、第1電源監視回路112における電源監視用IC90aのVSB端子の電圧低下に比べて、第2電源監視回路113における電源監視用IC90bのVSB端子の電圧低下が遅くなる。従って、第2電源監視回路113におけるコンデンサ96bは、遅延回路としての機能を有している。なお、第2電源監視回路113において遅延回路を組み込まない場合には、コンデンサ96bに代えて、0.01μFのコンデンサを接続、すなわち、第1電源監視回路112におけるコンデンサ96aと同一にすればよい。
また、VSA端子とGND端子とに接続されているコンデンサの容量が大きいほど、電源投入時の充電時間が延びることとなる。従って、電源投入時には、第2電源監視回路113におけるDC5Vの電圧上昇(電圧の上昇速度)が、第1電源監視回路112におけるDC5Vの電圧上昇と比較して十分に遅くなる。
図57は、第2の実施の形態における電源監視回路が出力する信号の出力タイミングを示す図である。図57(A)に示すように、t0のタイミングでDC32V電源ラインが遮断された場合、第1電源監視回路112および第2電源監視回路113に入力されているDC32Vの電圧が低下していく。そして、DC32Vの電圧が第1閾値まで低下したt1のタイミングで、電源断信号がオフ状態からオン状態となる。電源断信号がオン状態となると、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐための電源断処理が所定期間実行されてt2のタイミングで終了する。その後、DC32Vの電圧が第2閾値まで低下したt3のタイミングで、リセット信号がオフ状態からオン状態となり、CPU56の動作が停止する。このように、DC32Vの電圧が第1閾値まで低下してから第2閾値まで低下するまでの間に電源断処理が実行される。従って、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができる。
また、図57(B)に示すように、t0のタイミングでDC5V電源ラインが遮断された場合、第1電源監視回路112および第2電源監視回路113に入力されているDC5Vの電圧が低下していく。そして、DC5Vの電圧が第3閾値まで低下したt4のタイミングで、電源断信号がオフ状態からオン状態となる。電源断信号がオン状態となると、遊技制御用マイクロコンピュータ560において電源断処理が所定期間実行されてt5のタイミングで終了する。その後、t4のタイミングより遅延したt6のタイミングで、リセット信号がオフ状態からオン状態となる。このように第2電源監視回路113は、遅延回路として機能するコンデンサ96bを有しているので、コンデンサ96bによってリセット信号の出力が遅延し、電源断信号がオン状態となってからリセット信号がオン状態となるまでの間に電源断処理が実行される。従って、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができる。
なお、上述したように電源投入時には、第2電源監視回路113におけるDC5Vの電圧上昇(電圧の上昇速度)が、第1電源監視回路112におけるDC5Vの電圧上昇と比較して十分に遅くなる。これにより、電源断信号が完全にオフ状態となってからCPU56をリセットすることができる。
図58は、第2の実施の形態における電源監視回路に遅延回路がない場合(例えば、コンデンサ96bの容量が0.01μFの場合)の出力タイミングを示す図である。図58(A)に示すように、t0のタイミングでDC5V電源ラインが遮断された場合、第1電源監視回路112および第2電源監視回路113に入力されているDC5Vの電圧が低下していく。そして、DC5Vの電圧が第3閾値まで低下したt4のタイミングで、電源断信号がオフ状態からオン状態となる。また、t4のタイミングで、リセット信号がオフ状態からオン状態となる。リセット信号がオン状態となると、電源断信号がオン状態であったとしても、遊技制御用マイクロコンピュータ560において電源断処理が実行されない。
また、コンデンサの精度のバラツキなどにより、図58(B)に示すようにリセット信号のオン状態となるタイミングが電源断信号のオン状態となるタイミングよりも遅くなった場合、t4のタイミングで電源断信号がオフ状態からオン状態となると、遊技制御用マイクロコンピュータ560において電源断処理が開始される。しかし、電源断処理が終了するt5のタイミングよりも前のt7のタイミングでリセット信号がオフ状態からオン状態となる。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560において電源断処理が最後まで実行されない。このように、電源監視回路に遅延回路がない場合には、電源断処理が実行されなかったり、電源断処理が途中で終了してしまったりするので、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができない。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、第1電源監視回路112は、主基板31に供給された第1の電源電圧としてのDC32Vの電圧(DC32V電源ラインの電圧)と、主基板31に供給された第2の電源電圧としてのDC5Vの電圧(DC5V電源ラインの電圧)と、を監視する。第1電源監視回路112は、DC32Vの電圧が、例えば21Vといった第1閾値以下になるか、または、DC5Vの電圧が、例えば4.2Vといった第3閾値以下になると、オン状態(ローレベル)の電源断信号を出力する。また、第2電源監視回路113は、主基板31に供給された第1の電源電圧としてのDC32Vの電圧(DC32V電源ラインの電圧)と、主基板31に供給された第2の電源電圧としてのDC5Vの電圧(DC5V電源ラインの電圧)と、を監視する。第2電源監視回路113は、DC32Vの電圧が、例えば9Vといった第2閾値以下になるか、または、DC5Vの電圧が、例えば4.2Vといった第3閾値以下になると、オン状態(ローレベル)のリセット信号を出力する。DC5V電源ラインにおけるフィルタ回路136には、遅延回路として機能する電解コンデンサ187c,187dが含まれており、DC5V電源ラインが切断されてから電力停止条件が満たされるまでの期間が、遅延回路を含んでいない場合と比べて長くなる。これにより、DC32Vの電圧低下よりもDC5Vの電圧低下の方を確実に遅くすることができるとともに、DC5V電源ラインにおける瞬断の許容範囲が広くなる。従って、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができる。また、接続不良により制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)が初期化されてしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、第1電源監視回路112は、主基板31に供給された第1の電源電圧としてのDC32Vの電圧(DC32V電源ラインの電圧)と、主基板31に供給された第2の電源電圧としてのDC5Vの電圧(DC5V電源ラインの電圧)と、を監視する。第1電源監視回路112は、DC32Vの電圧が、例えば21Vといった第1閾値を超えるか、または、DC5Vの電圧が、例えば4.2Vといった第3閾値を超えると、オフ状態(ハイレベル)の電源断信号を出力する。また、第2電源監視回路113は、主基板31に供給された第1の電源電圧としてのDC32Vの電圧(DC32V電源ラインの電圧)と、主基板31に供給された第2の電源電圧としてのDC5Vの電圧(DC5V電源ラインの電圧)と、を監視する。第2電源監視回路113は、DC32Vの電圧が、例えば9Vといった第2閾値を超えるか、または、DC5Vの電圧が、例えば4.2Vといった第3閾値を超えると、オフ状態(ハイレベル)のリセット信号を出力する。第2電源監視回路113は、遅延回路として機能するコンデンサ96bを有している。従って、コンデンサ96bによってリセット信号の出力が遅延し、電源断信号が出力されてからリセット信号が出力されるまでの間に電源断処理を確実に実行できる。従って、遊技者が不利益を被ってしまうことを防ぐことができる。また、接続不良により制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)が初期化されてしまうことを防止することができる。
なお、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図15に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定の期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や飾り図柄(演出図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。スロット機に適用する場合、例えば、操作レバーからの検出信号と他のBETボタンやストップボタンなどからの検出信号とが同時にオン状態となったことにもとづいて、不正にボーナスを狙うために電波を照射する行為が行われたものとして短絡異常と判定するように構成してもよい。そして、この場合に、上記の各実施の形態と同様の処理に従って、電源確認信号がオフ状態でないことを条件に短絡異常と判定するように構成すればよい。
また、本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、図柄変動を伴う図柄変動遊技(図柄変動を行い、変動表示結果として大当り図柄が停止表示したときに大当り遊技状態に移行して大入賞口を開放するもの)と可変入賞球装置(役物)20を用いた役物遊技とを組み合わせて行う遊技機に適用する場合を示したが、このような態様にかぎられない。例えば、役物遊技のみを行う遊技機に適用し、振動センサや電波センサなど複数の検出手段からの検出信号が同時にオン状態となったことを検出して短絡異常を検出するように構成してもよい。また、例えば、図柄変動遊技のみを行う遊技機に適用し、カウントスイッチや始動口スイッチなど複数の検出手段からの検出信号が同時にオン状態となったことを検出して短絡異常を検出するように構成してもよい。