[第1実施形態]
[レコードプレーヤの概略構成]
図1に示すように、レコードプレーヤ10は、ターンテーブル11と、駆動モータ12と、非接触伝達機構13と、トーンアーム14と、筐体16とを備える。筐体16の上面には、ターンテーブル11とトーンアーム14が取り付けられている。
ターンテーブル11は、レコード17を回転させるテーブルであり、平面形状が円形をしており、上面にレコード17が載置される。スピンドル18は、ターンテーブル11を回転自在に支持する。スピンドル18とターンテーブル11は図示しない係合部によって係合し、スピンドル18とターンテーブル11は一緒に回転する。スピンドル18は、ターンテーブル11が取り付けられた状態では、先端がターンテーブル11の上面中央から突出する。スピンドル18の先端は、ターンテーブル11上に載置されるレコード17を取り付けるために使用される。筐体16の天板16aには、軸受け19(図2参照)が設けられている。スピンドル18は、軸受け19に挿入されて回転自在に支持されている。スピンドル18は、ターンテーブル11の回転軸R11を構成する。
ターンテーブル11は、外周部に磁性部21を有する。この磁性部21は、後述する駆動側回転体28とともに非接触伝達機構13を構成する。
筐体16は、直方体形状をしており、底面四隅には筐体16を支持する4個の脚部22が設けられている。また、筐体16には、回転速度切替スイッチ23、スタート/ストップスイッチ24、電源ボタン26が設けられている。スタート/ストップスイッチ24は、レコードプレーヤ10の電源が投入されている状態で、ターンテーブル11の回転と停止を切り替えるスイッチである。回転速度切替スイッチ23は、ターンテーブル11の回転数を、例えば、毎分33+(1/3)回転と、毎分45回転との間で切り替えるスイッチである。
トーンアーム14は、ターンテーブル11の側方に配置されている。トーンアーム14の先端には、ピックアップ機構を構成するカートリッジ27が着脱可能に設けられている。カートリッジ27には、レコード針、コイル、および永久磁石(図示せず)が取り付けられている。カートリッジ27において、レコード17の溝に接触するレコード針が振動すると、コイルと永久磁石の一方が他方に対して振動する。カートリッジ27は、コイルと永久磁石の電磁誘導の作用を通じて、レコード針の振動を電気信号に変換して出力する。
駆動モータ12は、筐体16の内部に取り付けられており、ターンテーブル11を回転させる駆動力を発生する。なお、筐体16に対する駆動モータ12の取り付け構造については後述する。
レコード17を再生する場合には、レコード17は、中心の開口にスピンドル18が挿通されて、ターンテーブル11上に載置される。
そして、ターンテーブル11が回転すると、レコード17が回転する。回転するレコード17上に、トーンアーム14の先端のカートリッジ27が移動されて、トーンアーム14が下降すると、カートリッジ27のレコード針がレコード17の盤面と接触する。カートリッジ27は、レコード針を通じて、レコード17の音溝に応じた音声信号をピックアップして、これを電気信号に変換する。電気信号は、図示しないアンプを介して内蔵スピーカ、又は外付けのスピーカ、ヘッドホンなどに出力されて、レコード17に記録された音声が再生される。
[非接触伝達機構]
図2および図3に示すように、非接触伝達機構13は、ターンテーブル11の外周部に設けられた磁性部21と、駆動側回転体28とを備える。駆動側回転体28は、駆動モータ12の駆動軸12Aとリジッドに結合され、駆動モータ12の駆動力により回転する。
駆動モータ12は、保持部29に保持されている。保持部29は、基板29a、スペーサ部材29b、固定板29cとを備える。駆動モータ12は、基板29a上に固定されている。スペーサ部材29bは、基板29aと固定板29cとを、両者の間に所定の間隔を空けた状態で保持する。
駆動モータ12は、スペーサ部材29bによって基板29aと固定板29cとの間に形成された空間に配されている。固定板29cは、筐体16の天板16aに対して、例えば
防振ブッシュ30Aおよび段付きネジ30Bを介して取り付けられている。防振ブッシュ30Aは、ゴムなどの弾性体から構成され、上下にフランジ部を有する略円筒形状に形成されている。防振ブッシュ30Aは、天板16aの複数個所に嵌め込まれている。
防振ブッシュ30Aの内周面に段付きネジ30Bが挿入され、固定板29cに形成されたネジ穴に段付きネジ30Bの先端部が螺合することにより天板16aと固定板29cとが連結されている。これにより、保持部29、防振ブッシュ30Aおよび段付きネジ30Bを介して駆動モータ12が筐体16の内部に取り付けられている。駆動モータ12の駆動軸12Aは、固定板29cおよび天板16aに形成された貫通穴29dおよび貫通穴16bを貫通して筐体16の天板16aから上方に突出している。駆動モータ12が防振ブッシュ30Aを介して筐体16に取り付けられているため、駆動モータ12の振動を防振ブッシュ30Aが吸収する。これにより、駆動モータ12の振動がターンテーブル11に伝達することを防止することができる。
駆動側回転体28は、保持部29、防振ブッシュ30A、段付きネジ30Bおよび駆動モータ12を介して、筐体16に回転自在に取り付けられている。駆動側回転体28は、円柱部31と、永久磁石32とが一体に設けられている。円柱部31は、非磁性体で構成されている。円柱部31は、筐体16から突出している駆動軸12Aによって中心が貫通されて、駆動軸12Aに取り付けられている。駆動側回転体28は、駆動軸12Aの回転により回転し、駆動軸12Aは、駆動側回転体28の回転軸R12を構成する。
永久磁石32は、円筒形状に形成されており、円柱部31の外周面に沿って配されている。永久磁石32は、硬磁性体を多極着磁したものであり、具体的には、N極とS極の各磁極が等間隔で周方向に交互に配列されている。本実施形態では、永久磁石32は、例えば、18極に着磁されており、すなわち、N極とS極を各9個備えている(図4A〜図4C参照)。
永久磁石32は、駆動側回転体28の外周部において、駆動側回転体28の回転軸R12と平行な側面に設けられている。ターンテーブル11と駆動側回転体28とは、それぞれの回転軸R11,R12が平行な状態で、かつ、それぞれの側面同士が対向する状態で配置されている。
図1に示したように、駆動側回転体28は、筐体16の正面16cから見て、ターンテーブル11の回転軸R11よりも背面側に配置されている。なお、筐体16の正面16cとは、レコードプレーヤ10を設置する場合に前面に位置する面であり、例えば、筐体16の天板16aに接する4つの面のうち、カートリッジ27に最も近い面を正面としている。また、駆動側回転体28は、ターンテーブル11を挟んでトーンアーム14とは反対側に配置されている。
磁性部21は、軟磁性体で構成されている。磁性部21は、ターンテーブル11の外周部において全周に渡って設けられている。本例においては、磁性部21はターンテーブル11と一体に形成されている。すなわち、ターンテーブル11も軟磁性体で構成されている。ここで、軟磁性体は、磁石の磁界中にある間だけ磁化されて、磁界外に退避すると磁力が残らない特性を持つものをいう。このような軟磁性体として、例えば、電磁純鉄又はケイ素鉄が用いられる。
上述したように、カートリッジ27は、コイルおよび永久磁石を備えているため、磁気による影響を受ける。磁気による影響は、音声信号の読み出し品質の低下を招く懸念がある。本例では、永久磁石32を備えた駆動側回転体28は、ターンテーブル11を挟んで反対側に配されている。そのため、筐体16において、カートリッジ27から離れた位置に永久磁石3が配されているため、カートリッジ27は、永久磁石32の磁力による影響を受けにくい。
また、ターンテーブル11の外周部には磁性部21が設けられており、磁性部21は永久磁石32によって磁化される。そして、磁性部21は、カートリッジ27の近傍に配置される。しかし、磁性部21は、軟磁性体で構成されているため、磁性部21において、永久磁石32の近傍に位置する部分は磁化されるものの、永久磁石32の磁界外に退避する部分には、磁力が残らない。そのため、筐体16において、永久磁石32から離れた位置にあるカートリッジ27に対しては、磁性部21からの磁気の影響も少ない。そのため、カートリッジ27の音声信号の読み出し品質が低下する懸念も少ない。
磁性部21は、ターンテーブル11の外周部において、回転軸R11と平行な側面に設けられている。磁性部21は、永久磁石32と部分的に対向する状態で配置され、磁性部21には、永久磁石32の磁力によって永久磁石32からの吸引力が作用する。ターンテーブル11は、永久磁石32から磁性部21へ作用する吸引力により、駆動側回転体28の回転に伴って従動回転する。
磁性部21は、凸部33と凹部34とが等間隔で周方向に交互に配列して構成された歯車形状を有する。凸部33および凹部34は、特許請求の範囲における第1部分および第2部分にそれぞれ相当する。
凸部33は、永久磁石32と対向する部分において永久磁石32に向かって突出する凸部である。本実施形態では、ターンテーブル11と駆動側回転体28とは側面同士が対向して配されているため、凸部33は、ターンテーブル11の径方向に突出している。凹部34は、凸部33よりも永久磁石32との間隔が開く方向に凹んでいる凹部である。これにより、凸部33は凹部34よりも永久磁石32からの磁力の影響の大きさが相対的に大きく、凹部34は凸部33よりも永久磁石32からの磁力の影響の大きさが相対的に小さくなっている。
磁性部21のうち永久磁石32と対向する部分において、1つの凹部34を挟んで隣接する2つの凸部33の一方は永久磁石32のN極と対向し、他方はN極に隣接するS極と対向するように、磁性部21の各凸部33の間隔が規定されている。本実施形態では、磁性部21は、例えば、216個の凸部33および凹部34を有する。
レコードプレーヤ10の構成部品の中で、ターンテーブル11は外径が最も大きな部品である。そのターンテーブル11の外周部に磁性部21が設けられており、それにより、ターンテーブル11は、駆動側回転体28に対する従動側回転体として機能する。このように外径が大きなターンテーブル11が従動側回転体として機能するため、駆動モータ12及び駆動側回転体28の回転数に対するターンテーブル11の回転数の比に相当する減速比を大きくすることができる。
本実施形態では、18極の磁極数を持つ駆動側回転体28に対して、磁性部21は、各磁極に対応する凸部33が216個形成されている。この場合の減速比は、216:18=12:1である。ターンテーブル11の回転速度は、レコードの規格によって決まっているため、減速比が大きいほど、駆動側回転体28及び駆動モータ12の回転速度を速くすることができる。駆動側回転体28及び駆動モータ12の回転速度が速いほど、回転ムラが低減し、回転ムラが少ないほど、音質が向上する。このため、ターンテーブル11の外周部に磁性部21を設けることにより、回転ムラの低減が可能になり、その結果、音質が向上する効果が期待できる。
また、回転ムラを低減するためには、ターンテーブル11が重い方が、慣性モーメントが大きくなるため、有利である。しかしながら、ターンテーブル11を重くすると大きな回転力が必要になるが、上述したように、駆動モータ12に対するターンテーブル11の減速比を大きくすることができるので、大きな回転力を伝えやすい。ターンテーブル11の外周部に磁性部21を設けることの効果には、このような効果もある。
上記構成の非接触伝達機構13が作動する原理について説明する。図4Aに示すように、軟磁性体である磁性部21において、永久磁石32の近傍に位置する部分は、永久磁石によって磁化される。例えば、磁性部21において、永久磁石32と対向する部分は、N極と対向する凸部33がS極となり、S極と対向する凸部33がN極となり、永久磁石32と磁性部21のそれぞれの磁極間で吸引力が発生する。
図4Aに示すように、永久磁石32と磁性部21との間に生じる磁束Mは、永久磁石32のN極から凸部33に向かい、磁性部21の内部を通り、凹部34を挟んで隣接する凸部33の先端から、永久磁石32のS極へ向かう。磁束Mは、磁束の通り道となる磁路が最短になるように形成される。図4Aに示すように、永久磁石32と磁性部21の各磁極が対向している場合は、各磁極間において磁束Mは直線で結ばれる。
図4Bに示すように、駆動モータ12の駆動力により駆動側回転体28が回転し始めると、永久磁石32と磁性部21の各磁極間(二点鎖線で囲まれた範囲内)の磁束Mが湾曲する。各磁極間で磁束Mが湾曲した場合、永久磁石32が発する磁力は、磁束Mの磁路が最短になるように、すなわち、図4Bにおける磁束Mの湾曲部分が直線に戻るように磁性部21に作用する。この磁力は、永久磁石32が磁性部21を吸引する吸引力として作用する。図4Cに示すように、この吸引力が、駆動側回転体28の回転に追従してターンテーブル11を回転させる回転力として、ターンテーブル11に伝達される。
また、上述のとおり、磁性部21は軟磁性体であるため、永久磁石32の磁界中にある部分は、磁化されるが、磁界外に退避すると、磁力が残らない。そのため、磁性部21において、永久磁石32の磁界外に退避した部分については、磁力を発することはなく、磁性部21において永久磁石32の磁界外の部分が周囲に対して磁気の影響を及ぼすことはない。
非接触伝達機構13は、駆動モータ12の駆動力を磁力によって非接触でターンテーブル11に伝達することができる。そのため、音質に影響を与える、駆動モータ12の振動がターンテーブル11に伝達されるのを抑制できる。
以上のように、レコードプレーヤ10は、非接触でターンテーブル11を駆動する状態を外部から視認可能で、かつ、磁気に起因してユーザや音質に与える悪影響が少ない非接触伝達機構13を備えている。
具体的には、ターンテーブル11の外周部において、駆動側回転体28の永久磁石32と対向する磁性部21が設けられているため、ターンテーブルの裏面の回転軸の近傍などに磁性部を設ける場合と比較して、非接触で駆動する状態を外部から視認させやすい。
加えて、磁性部21は、永久磁石32の磁界中にある間だけ磁化されて、磁界外に退避すると磁力が残らない特性を持つ軟磁性体で構成されている。そのため、例えば、磁性部が永久磁石であったり、磁力が残る特性を持つ硬磁性体である場合と比較して、ターンテーブル11において磁化される部分が限定されるため、ユーザが頻繁にアクセスするターンテーブル11の外周部に磁性部21が設けられていても、磁気に起因してユーザに与える悪影響が少ない。
また、磁性部21に軟磁性体を使用することにより、次のような効果もある。従来技術(特許文献1、2参照)のように、駆動側回転体及び従動側回転体の両方を磁石又は強磁性体にするとお互いの吸引力が高くなり軸受けの負荷が高くなる。そのため、軸受けの劣化が早い。これに対して永久磁石32と軟磁性体である磁性部21の組み合わせであるレコードプレーヤ10は、軸受け19の劣化を低減することができる。また、高価な磁石又は強磁性体の使用量を減らすことができるため、レコードプレーヤ10のコスト低減も可能である。
さらに、上述のとおり、ターンテーブル11の外周部に磁性部21を設けたことにより、減速比の増大による回転ムラの低減効果が期待できる。加えて、磁性部21を軟磁性体で構成し、かつ、筐体16において、駆動側回転体28の永久磁石32をカートリッジ27から相対的に離れた位置に配置することで、カートリッジ27に対する磁気に起因する悪影響も低減することができる。
上記第1実施形態では、磁性部21は、ターンテーブル11と一体に形成しているが、図5に示すように、ターンテーブル11の外周部に磁性部21を付属部品として取り付ける形態でもよい。この場合、例えば、ターンテーブル11には、下面から突出する円形状のボス11aが形成され、環状に形成された磁性部21がボス11aに嵌合されて一体化される。
[第2実施形態]
図6〜図9は、第2実施形態を示す。上記第1実施形態では、非接触伝達機構を構成する磁性部として、凸部(第1部分)と、凹部(第2部分)とが周方向に交互に配列された歯車形状の磁性部を使用している。これに対して、図6に示すように、第2実施形態のレコードプレーヤ40は、非接触伝達機構を構成する磁性部として、ターンテーブルの外周に沿って形成された環状体であって、周方向において等間隔で複数の開口部が形成された環状体を使用する。磁性部としての環状体において、隣接する開口部を繋ぐ周面部が第1部分、開口部が第2部分に相当する。このように、磁性部は、凹凸形状の形態に限られず、凹部の代わりに開口を利用した形態としてもよい。
また、第2実施形態のレコードプレーヤ40では、駆動側回転体および磁性部を筐体内に配し、駆動側回転体と磁性部とが対向する部分を外部から視認可能にするための透明板が筐体に設けられている。この点が、筐体の外観上において、上記第1実施形態とは異なる点である。第2実施形態では、第1実施形態と同一の部材については同一の符号を示して説明を省略し、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
レコードプレーヤ40は、ターンテーブル41と、駆動モータ42と、非接触伝達機構43と、トーンアーム14と、筐体46とを備える。
ターンテーブル41は、上記第1実施形態のターンテーブル11と同様、平面形状が円形をしており、上面にレコード17が載置される。スピンドル48は、軸受け49(図7参照)に挿入されて回転自在に支持されている。スピンドル48は、ターンテーブル41の回転軸R21を構成する。
筐体46は、内部フレーム46aと、ケース46bと、透明板46cとを備えている。図7に示すように、内部フレーム46aは、ケース46b内に収容されており、駆動モータ42や軸受け49などの部品が取り付けられる取付基板である。駆動モータ42は、ターンテーブル41を回転させる。
ケース46bの天板46dには、開口部46eが形成されている。ターンテーブル41は、下方部分が開口部46eを通してケース46b内に埋め込まれる形態で設けられている。ターンテーブル41の下方部分とともに、後述する駆動モータ42の駆動軸42Aに結合される駆動側回転体53もケース46bの内部に配置される。これにより、駆動側回転体53が発する磁力のシールド効果を高めることが可能になる。
内部フレーム46aに対する駆動モータ42の取り付け構造は、上記第1実施形態の筐体16に対する駆動モータ12の取り付け構造と同様であり、保持部29、防振ブッシュ30Aおよび段付きネジ30Bを介して駆動モータ42が内部フレーム46aに取り付けられている。これにより、駆動モータ42の振動がターンテーブル41に伝達することを防止することができる。
駆動モータ42の駆動軸42Aは、固定板29cおよび内部フレーム46aに形成された貫通穴29dおよび貫通穴46fを貫通して内部フレーム46aの上方に突出している。
図8に示すように、非接触伝達機構43は、磁性部51と、駆動側回転体53とを備える。駆動側回転体53は、駆動モータ42の駆動軸42Aとリジッドに結合され、駆動モータ42の駆動力により回転する。
駆動側回転体53は、保持部29、防振ブッシュ30A、段付きネジ30Bおよび駆動モータ42を介して、内部フレーム46aに回転自在に取り付けられている。駆動側回転体53は、上記第1実施形態の駆動側回転体28と同様に、円柱部31と、永久磁石32とが一体に設けられ、永久磁石32は、例えば18極に着磁されている。円柱部31は、内部フレーム46aから突出している駆動軸42Aによって中心が貫通され、駆動軸42Aと一緒に回転する。駆動軸42Aは、駆動側回転体53の回転軸R22を構成する。
永久磁石32は、駆動側回転体53の外周部において、駆動側回転体53の回転軸R22と平行な側面に設けられている。ターンテーブル41と駆動側回転体53とは、それぞれの回転軸R21,R22が平行な状態で、かつ、それぞれの側面同士が対向する状態で配置されている。
駆動側回転体53は、上記第1実施形態の駆動側回転体28と同様に、筐体46の正面46gから見て、ターンテーブル41の回転軸R21よりも背面側に配置されている。また、駆動側回転体53は、ターンテーブル41を挟んでトーンアーム14とは反対側に配置されている。
磁性部51は、上記第1実施形態の磁性部21と同様に、ターンテーブル41とともに軟磁性体で構成され、ターンテーブル41の外周部において全周に渡って設けられている。磁性部51は、ターンテーブル41の外周部において,ターンテーブル41の回転軸R21と平行な側面に設けられている。磁性部51は、永久磁石32と部分的に対向する状態で配置され、永久磁石32の磁力によって永久磁石32からの吸引力が作用する。
磁性部51は、ターンテーブル41の下方部分に設けられている。駆動側回転体53は、磁性部51と対向するように筐体46内に配置されている。ケース46bには、ケース46b内の駆動側回転体53が配置される部分に対応する位置に透明板46cが設けられている。透明板46cは、駆動側回転体53と磁性部51とが対向する部分が視認できる大きさで形成されている。この透明板46cを通して、駆動側回転体53がターンテーブル41を非接触で駆動する状態を外部から視認することが可能である。
磁性部51は、ターンテーブル41の外周に沿って形成された環状体であり、この環状体には、等間隔で複数の開口部51aが形成されている。また、磁性部51には、各開口部51aの間を繋ぐ周面部51bが設けられている。各開口部51a及び各周面部51bは、それぞれ等間隔で周方向に交互に配列されている。
周面部51bは開口部51aよりも永久磁石32からの磁力の影響の大きさが相対的に大きく、開口部51aは周面部51bよりも永久磁石32からの磁力の影響の大きさが相対的に小さい。上述のとおり、各周面部51bが第1部分に相当し、開口部51aが第2部分に相当する。
磁性部51のうち永久磁石32と対向する部分において、1つの開口部51aを挟んで隣接する2つの周面部51bのそれぞれに、永久磁石32のN極とS極の境界が対向するように、環状体である磁性部51の各周面部51bの間隔が規定されている。本実施形態では、例えば、磁性部51は、216個の開口部51aおよび周面部51bを有する。よって、駆動側回転体53に対する磁性部51の減速比、すなわち駆動モータ42に対するターンテーブル41の減速比は、上記第1実施形態と同様に12:1である。
第2実施形態の非接触伝達機構43の動作原理について、図9を参照しながら説明する。図9に示すように、軟磁性体である磁性部51において、永久磁石32の近傍に位置する部分は、第1実施形態と同様に、永久磁石32によって磁化される。そして、第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、永久磁石32と磁性部51の間において、磁束Mの磁路が最短で形成されるように、永久磁石32が発する磁力が作用する。
第2実施形態では、磁性部51のうち永久磁石32と対向する部分において、各周面部51bには、永久磁石32のN極とS極の境界がそれぞれ対向する。そして、図9に示すように、各周面部51bの略中央部と、N極とS極の境界が対向した状態で、磁束Mの磁路が最短となる。この状態では、1つの周面部51bに対して、永久磁石32の1つのN極とそのN極に隣接する1つのS極の両方が対向することになる。磁束Mは、永久磁石32のN極から対向する1つの周面部51に向かい、磁性部51内で折り返して、同じ周面部51から対向するS極へ向かう。これにより、永久磁石32と磁性部51のそれぞれの磁極間で吸引力が発生する。
第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、駆動モータ42の駆動力により駆動側回転体53が回転して、各磁極間で磁束Mが湾曲すると、永久磁石32の磁力は、磁束Mの磁路が最短になるように、すなわち、磁束Mの湾曲部分が直線に戻るように磁性部51に作用する。この力が、永久磁石32が磁性部51を吸引する吸引力として作用する。この吸引力が、駆動側回転体53の回転に追従してターンテーブル41を回転させる回転力として、ターンテーブル41に伝達される。
また、磁性部51において、永久磁石32の磁界外の部分が周囲に対して磁気の影響を及ぼすことがない点も、第1実施形態と同様である。
第2実施形態においても、ターンテーブル41の外周部に磁性部51を設けたことによる効果は、第1実施形態と同様である。なお、第2実施形態においては、下方部分に磁性部51を有するターンテーブル41は筐体46内に埋め込まれる形態で設けられている。そのため、第1実施形態と異なり、非接触で駆動する状態を外部から視認させるためには、筐体46の一部に取り付けられる透明板46cが必要である。しかし、磁性部51はターンテーブル41の外周部に設けられているため、ターンテーブル41の内周側に駆動側回転体53や磁性部51を設ける場合と比較して、非接触で駆動する状態を外部から視認させやすい。
第2実施形態における透明板46cは一例であり、透明板46cの大きさや形状は適宜変更が可能である。例えば、ケース46b全体を透明にしてもよい。
[第3実施形態]
図10〜図13は、第3実施形態を示す。上記第1および第2実施形態では、磁性部21,51は、ターンテーブル11,41の外周部において、ターンテーブル11,41の回転軸と平行な側面に設けられているが、図10に示すように、第3実施形態のレコードプレーヤ60は、ターンテーブルの外周部において、ターンテーブルの回転軸と直交する平面に磁性部を設けたものである。
なお、第3実施形態のレコードプレーヤ60では、第2実施形態のレコードプレーヤ40と同様に、駆動側回転体および磁性材を筐体内に配し、駆動側回転体と磁性部とが対向する部分を外部から視認可能にするための透明板が筐体に設けられている。第3実施形態では、第1および第2実施形態と同一の部材については同一の符号を示して説明を省略し、第1および第2実施形態との相違点を中心に説明する。
レコードプレーヤ60は、ターンテーブル61と、駆動モータ62と、非接触伝達機構63と、トーンアーム14と、筐体46とを備える。
ターンテーブル61は、上記第1実施形態のターンテーブル11と同様、平面形状が円形をしており、上面にレコード17が載置される。スピンドル68は、軸受け49(図11参照)に挿入されて回転自在に支持されている。スピンドル68は、ターンテーブル61の回転軸R31を構成する。
図11に示すように、ターンテーブル61は、磁性部71と一体に形成されている。ターンテーブル61は、上記第2実施形態のターンテーブル41と同様に、下方部分が開口部46eを通してケース46b内に埋め込まれる形態で設けられている。ターンテーブル61の下方部分とともに、後述する駆動モータ62の駆動軸62Aに結合される駆動側回転体73もケース46bの内部に配置される。これにより、駆動側回転体73が発する磁力のシールド効果を高めることが可能になる。
内部フレーム46aに対する駆動モータ62の取り付け構造は、上記第1実施形態の筐体16に対する駆動モータ12の取り付け構造と同様であり、保持部29、防振ブッシュ30Aおよび段付きネジ30Bを介して駆動モータ62が内部フレーム46aに取り付けられている。これにより、駆動モータ62の振動がターンテーブル61に伝達することを防止することができる。
駆動モータ62の駆動軸62Aは、固定板29cおよび内部フレーム46aに形成された貫通穴29dおよび貫通穴46fを貫通して内部フレーム46aの上方に突出している。
図12に示すように、非接触伝達機構63は、磁性部71と、駆動側回転体73とを備える。駆動側回転体73は、駆動モータ62の駆動軸62Aとリジッドに結合され、駆動モータ62の駆動力により回転する。
駆動側回転体73は、保持部29、防振ブッシュ30A、段付きネジ30Bおよび駆動モータ62を介して、内部フレーム46aに回転自在に取り付けられている。駆動側回転体73は、円板部76と、永久磁石77とが一体に設けられている。円板部76は、内部フレーム46aから突出している駆動軸62Aによって中心が貫通され、駆動軸62Aと一緒に回転する。駆動軸62Aは、駆動側回転体73の回転軸R32を構成する。
永久磁石77は、環状に形成され、円板部76の上面に配されている。永久磁石77は、駆動側回転体73の外周部において、駆動側回転体73の回転軸R32と直交する平面73aに設けられている。永久磁石77は、上記第1実施形態の永久磁石32と同様に、硬磁性体を多極着磁したものであり、例えば、18極に着磁されている。
駆動側回転体73は、上記第1実施形態の駆動側回転体28と同様に、筐体46の正面46gから見て、ターンテーブル61の回転軸R31よりも背面側に配置されている。また、駆動側回転体73は、ターンテーブル61を挟んでトーンアーム14とは反対側に配置されている。
磁性部71は、上記第1実施形態の磁性部21と同様に、ターンテーブル61とともに軟磁性体で構成され、ターンテーブル61の外周部において全周に渡って設けられている。磁性部71は、ターンテーブル61の外周部において、ターンテーブル61の回転軸R31と直交する平面61aに設けられている。
磁性部71は、ターンテーブル61の下方部分に設けられている。ターンテーブル61と駆動側回転体73とは、それぞれの回転軸R31,R32が平行な状態で、かつ、それぞれの平面61a,73a同士が部分的に対向する状態で筐体46内に配置されている。透明板46cは、ケース46b内の駆動側回転体73が配置される部分に対応する位置に設けられている。透明板46cは、駆動側回転体73と磁性部71とが対向する部分が視認できる大きさで形成されている。上記第2実施形態と同様に、透明板46cを通して、駆動側回転体73がターンテーブル61を非接触で駆動する状態を外部から視認することが可能である。
磁性部71は、凸部78と凹部79とが等間隔で周方向に交互に配列して構成された冠歯車形状を有する。凸部78および凹部79は、特許請求の範囲における第1部分および第2部分にそれぞれ相当する。
凸部78は、永久磁石77と対向する部分において永久磁石77に向かって突出する凸部である。本実施形態では、ターンテーブル61と駆動側回転体73とは平面61a,73a同士が対向して配されているため、凸部78は、ターンテーブル61の回転軸R31と平行に突出している。凹部79は、凸部78よりも永久磁石77との間隔が開く方向に凹んでいる凹部である。これにより、凸部78は凹部79よりも永久磁石77からの磁力の影響の大きさが相対的に大きく、凹部79は凸部78よりも永久磁石77からの磁力の影響の大きさが相対的に小さくなっている。
磁性部71のうち永久磁石77と対向する部分において、1つの凹部79を挟んで隣接する2つの凸部78の一方は永久磁石77のN極と対向し、他方はN極に隣接するS極と対向するように、磁性部71の各凸部78の間隔が規定されている。本実施形態では、磁性部71は、例えば、216個の凸部78および凹部79を有する。よって、駆動側回転体73に対する磁性部71の減速比、すなわち駆動モータ62に対するターンテーブル61の減速比は、上記第1及び第2実施形態と同様に12:1である。
非接触伝達機構63は、上記第1及び第2実施形態の非接触伝達機構13,43と同様に、ターンテーブル61を非接触で駆動する。すなわち、図13に示すように、軟磁性体である磁性部71において、永久磁石77の近傍に位置する部分は、永久磁石77によって磁化される。例えば、磁性部71において、永久磁石77と対向する部分は、N極と対向する凸部78がS極となり、S極と対向する凸部78がN極となり、永久磁石32と磁性部51のそれぞれの磁極間で吸引力が発生する。
なお、図13では、磁性部71と永久磁石77との間に生じる磁束Mの図示を分かりやすくするため、磁性部71と永久磁石77との間を離して図示しているが、実際は、磁性部71と永久磁石77とが互いに近接して配されている。
磁性部71と永久磁石77との間に生じる磁束Mは、永久磁石77のN極から凸部78に向かい、磁性部71の内部を通り、凹部79を挟んで隣接する凸部78の先端から、永久磁石77のS極へと向かう。磁束Mは、磁路が最短になるように形成される。駆動モータ62の駆動力により駆動側回転体73が回転して、各磁極間で磁束Mが湾曲すると、永久磁石72の磁力は、磁束Mの磁路が最短になるように、すなわち、磁束Mの湾曲部分が直線に戻るように磁性部71に作用する。この力が、永久磁石77が磁性部71を吸引する吸引力として作用する。この吸引力が、駆動側回転体53の回転に追従してターンテーブル61を回転させる回転力として、ターンテーブル61に伝達される。
また、磁性部71において、永久磁石77の磁界外の部分が周囲に対して磁気の影響を及ぼすことがない点も、第1および第2実施形態と同様である。
第3実施形態においても、ターンテーブル61の外周部に磁性部71を設けたことによる効果は、第1実施形態と同様である。また、第3実施形態においても、磁性部71を有するターンテーブル11の下方部分を筐体46内に埋め込み、非接触で駆動する状態を外部から視認させるための透明板46cを設けたことによる効果は、第2実施形態と同様である。また、第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、透明板46cの大きさや形状は適宜変更が可能である。
[第4実施形態]
図14〜図17は、第4実施形態を示す。第4実施形態のレコードプレーヤ80は、ターンテーブルの外周部の内周面側に凸部および凹部を有する磁性部を設けたものである。第4実施形態では、第1〜第3実施形態と同一の部材については同一の符号を示して説明を省略し、第1〜第3実施形態との相違点を中心に説明する。
レコードプレーヤ80は、ターンテーブル81と、駆動モータ82と、非接触伝達機構83と、トーンアーム14と、筐体16とを備える。
ターンテーブル81は、平面形状が円形をしており、切欠き86を有する。切欠き86は、ターンテーブル81の外周部に沿った円弧状の切欠きであり、ターンテーブル81の上面にレコード17を載置するのに支障が無い程度の大きさに形成されている。スピンドル88は、軸受け19(図15参照)に挿入されて回転自在に支持されている。スピンドル88は、ターンテーブル81の回転軸R41を構成する。
図15および図16に示すように、非接触伝達機構83は、磁性部91と、駆動側回転体93とを備える。駆動側回転体93は、駆動モータ82の駆動軸82Aとリジッドに結合され、駆動モータ82の駆動力により回転する。
筐体16に対する駆動モータ82の取り付け構造は、上記第1実施形態の筐体16に対する駆動モータ12の取り付け構造と同様であり、保持部29、防振ブッシュ30Aおよび段付きネジ30Bを介して駆動モータ82が筐体16に取り付けられている。これにより、駆動モータ82の振動がターンテーブル81に伝達することを防止することができる。
駆動側回転体93は、保持部29、防振ブッシュ30A、段付きネジ30Bおよび駆動モータ82を介して、筐体16に回転自在に取り付けられている。駆動側回転体93は、上記第1実施形態の駆動側回転体28と同様に、円柱部31と、永久磁石32とが一体に設けられ、永久磁石32は、例えば18極に着磁されている。円柱部31は、筐体16から突出している駆動軸82Aによって中心が貫通され、駆動軸82Aと一緒に回転する。駆動軸82Aは、駆動側回転体93の回転軸R42を構成する。
永久磁石32は、駆動側回転体93の外周部において、駆動側回転体93の回転軸R42と平行な外周面に設けられている。ターンテーブル81と駆動側回転体93とは、それぞれの回転軸R41,R42が平行な状態で、かつ、ターンテーブル81の内周面と駆動側回転体93の外周面とが対向する状態で配置されている。
駆動側回転体93は、上記第1実施形態の駆動側回転体28と同様に、筐体16の正面16cから見て、ターンテーブル81の回転軸R41よりも背面側に配置されている。
図17に示すように、磁性部91は、軟磁性体から形成され、ターンテーブル81の外周部において全周に渡って設けられている。磁性部91は、例えば、その外周面をターンテーブル81の内周面に嵌合させて一体化している。磁性部91は、ターンテーブル81の外周部において,ターンテーブル81の回転軸R41と平行な内周面側に設けられている。磁性部91は、永久磁石32と部分的に対向する状態で配置され、永久磁石32の磁力によって永久磁石32からの吸引力が作用する。
駆動側回転体93は、磁性部91と対向するようにターンテーブル81の内部に配置されている。そのため、第1実施形態の構成に比べて駆動側回転体93の磁力が周囲に与える影響が軽減される。すなわち、駆動側回転体93がターンテーブル81の内部に配置されことで駆動側回転体93が発する磁力のシールド効果を高めることが可能になる。さらに、切欠き86は、ターンテーブル81内の駆動側回転体93が配置される部分に対応する位置に配されている。切欠き86は、駆動側回転体93と磁性部91とが対向する部分が視認できる大きさで形成されている。この切欠き86を通して、駆動側回転体93がターンテーブル81を非接触で駆動する状態を外部から視認することが可能である。
磁性部91は、凸部96と凹部97とが等間隔で周方向に交互に配列して構成された内歯車形状を有する。凸部96および凹部97は、特許請求の範囲における第1部分および第2部分にそれぞれ相当する。
凸部96は、永久磁石32と対向する部分において永久磁石32に向かって突出する凸部である。本実施形態では、ターンテーブル81の内周面と駆動側回転体93の外周面とが対向して配されているため、凸部96は、ターンテーブル81の径方向に突出している。凹部97は、凸部96よりも永久磁石32との間隔が開く方向に凹んでいる凹部である。これにより、凸部96は凹部97よりも永久磁石32からの磁力の影響の大きさが相対的に大きく、凹部97は凸部96よりも永久磁石32からの磁力の影響の大きさが相対的に小さくなっている。
磁性部91のうち永久磁石32と対向する部分において、1つの凹部97を挟んで隣接する2つの凸部96の一方は永久磁石32のN極と対向し、他方はN極に隣接するS極と対向するように、磁性部91の各凸部96の間隔が規定されている。本実施形態では、磁性部91は、例えば、216個の凸部96および凹部97を有する。よって、駆動側回転体93に対する磁性部91の減速比、すなわち駆動モータ82に対するターンテーブル81の減速比は、上記第1〜第3実施形態と同様に12:1である。
非接触伝達機構83は、上記第1〜第3実施形態の非接触伝達機構13,43,63と同様に、ターンテーブル81を非接触で駆動する。すなわち、軟磁性体である磁性部91において、永久磁石32の近傍に位置する部分は、永久磁石32によって磁化される。例えば、磁性部91において、永久磁石32と対向する部分は、N極と対向する凸部96がS極となり、S極と対向する凸部96がN極となって吸引力が発生する。
上記第1〜第3実施形態と同様に、永久磁石32と磁性部91との間に生じる磁束Mは、磁路が最短になるように形成される。各磁極間で磁束Mが湾曲すると、永久磁石32の磁力は、磁束Mの磁路が最短になるように磁性部91に作用する。この力が、永久磁石32が磁性部91を吸引する吸引力として作用する。この吸引力が、駆動側回転体93の回転に追従してターンテーブル81を回転させる回転力として、ターンテーブル81に伝達される。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。上記第1実施形態では、駆動側回転体の永久磁石を露呈させているが、図18に示すように、駆動側回転体28の周囲を覆って磁力を遮蔽するシールド部材99を設けた形態でもよい。この場合、シールド部材99は、例えば軟磁性体から形成される。また、シールド部材99は、切欠き99aを有しており、切欠き99aを通して磁性部21が駆動側回転体28と対向する。
上記各実施形態では、筐体の内部に、防振ブッシュ30Aなどを介して駆動モータを取り付ける例を上げているが、図19および図20に示すように、筐体とは別体に設けた保持部材101に駆動モータを保持し、筐体に対して駆動モータを離して設置してもよい。これにより、駆動モータの振動がターンテーブルに伝達することを防止することができる。
図19及び図20に示す例の場合、例えば、筐体16には、側面からターンテーブル11の近傍位置まで切り欠かれた切欠き102を形成し、この切欠き102の内部に駆動モータ12を保持した保持部材101を設置する。これにより、磁性部と駆動側回転体を部分的に対向する位置に配することができるため、上記各実施形態と同様に、駆動モータの回転力をターンテーブルに非接触で伝達することができる。なお、図19および図20においては、トーンアーム14、回転速度切替スイッチ23、スタート/ストップスイッチ24、電源ボタン26などの図示を省略している。
また、上記各実施形態では、磁性部を構成する軟磁性体として、電磁純鉄、ケイ素鉄などを用いているが、これに限らず、永久磁石の磁界中にある間だけ磁化されて、磁界外に退避すると磁力が残らない特性を持つものであればよく、例えば、炭素の含有量が少なく純鉄に近い鉄、ケイ素鋼、パーマロイ材などでもよく、その他、焼入れが不可能な鉄鋼材料でもよい。
上記各実施形態では、駆動側回転体に対する磁性部の減速比を12:1とする例を上げているが、駆動モータの回転ムラが少ない回転速度、永久磁石、磁性部の寸法等に応じて適宜変更してもよい
上記各実施形態では、駆動側回転体を構成する永久磁石として円筒形状又は環状に形成されたものを使用しているが、これに限らず、円弧状に形成された複数の永久磁石を周方向に並べて配置してもよい。
また、上記第2および第3実施形態では、駆動側回転体と磁性部とが対向する部分を外部から視認するための透明板が筐体に設けられているが、透明板に代えて、筐体に切欠きを形成してもよい。あるいは、上記第4実施形態では、ターンテーブルに切欠きを形成して、駆動側回転体と磁性部とが対向する部分を露呈させているが、ターンテーブルの少なくとも一部分を透明板にしてもよい。