JP6577917B2 - ピンクランプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、板状部品を貫通するロケートピンを備えたピンクランプ装置に関する。
従来、例えば自動車の車体に用いられている板状部品は、車体の組立時に他の板状部品にスポット溶接によって溶接されることが多い。スポット溶接によって溶接される2枚の板状部品は、ピンクランプ装置によって互いに重なる状態で保持される。スポット溶接が行われるときは、スパッタが飛散して板状部品やクランプ装置の先端部などに付着することが知られている。
従来のこの種のピンクランプ装置としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているものがある。
特許文献1に記載されたピンクランプ装置は、板状部品に穿設された位置決め用の穴に嵌合するロケートピンと、板状部品をクランプする爪を有する揺動式のクランプアームとを備えている。
ロケートピンは、第1のシリンダによって駆動されて前進あるいは後退する。クランプアームは、第2のシリンダによって駆動され、前進しながら爪がロケートピン内に収容されるように揺動する。また、クランプアームは、第2のシリンダによって駆動されて後退しながら爪がロケートピンから突出するように揺動する。特許文献1に示すピンクランプ装置においては、クランプアームが第2のシリンダによって駆動されて後退する行程でクランプアームの爪が突出することにより2枚の板状部品がクランプされる。
特許文献2の図5〜図7には、一つのシリンダによってロケートピンと揺動式のクランプアームとが駆動されるピンクランプ装置が示されている。ロケートピンは、シリンダのピストンロッドに接続されており、ピストンロッドと一体に前進あるいは後退する。クランプアームは、ロケートピンの内部に配置され、長手方向の中間部においてロケートピンに揺動自在に支持されている。クランプアームの一端部には爪が設けられ、他端部にはカム機構が接続されている。
カム機構は、ロケートピンが前進する行程で爪がロケートピンのスリットから突出するようにクランプアームを揺動させる。また、カム機構は、ロケートピンが後退する行程で爪がロケートピンのスリット内に収容されるようにクランプアームを揺動させる。爪は、スリットから突出した状態でスリットの開口部分が閉塞される形状に形成されている。
このようにスリットの開口部分が閉塞されることにより、スポット溶接時にスパッタが装置内に入ることを防ぐことができる。
実用新案登録第2604153号公報 特開2016−34683号公報
特許文献1に示すピンクランプ装置では、シリンダが2つ必要であるため、製造コストが高くなるという問題があった。
特許文献2に示すピンクランプ装置では、溶接後に板状部材を解放するために爪がロケートピンのスリット内に収容される行程において、スリットの開口部が開放される時期がある。このため、このピンクランプ装置では、スポット溶接時に板状部品やロケートピンの表面などにスパッタとして付着した粉体やその他の微細な異物などがスリットの開口部から装置内に入るおそれがある。この明細書においては、スパッタとして付着した粉体を単に「スパッタ粉」という。
ピンクランプ装置内に入ったスパッタ粉やその他の微細な異物などがピストンロッドやカム機構などの摺動部分に付着すると、ピンクランプ装置が動作不良を起こし易くなる。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、使用するシリンダを一つとするともに、スパッタ粉やその他の微細な異物が装置内に侵入してピストンロッドやカム機構などの摺動部に付着することを防ぎ、低価格で動作の信頼性が高いピンクランプ装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係るピンクランプ装置は、円筒状のハウジングと、前記ハウジングの一端部に設けられたワーク当接部と、前記ハウジングの他端部に設けられ、前記ハウジングの中心線と平行な方向に往復するピストンロッドを有するシリンダと、前記ハウジングの内周部に移動自在に嵌合する筒状部を有し、一端側に前記ワーク当接部から突出する中空状のロケートピンが設けられるとともに他端部が前記ピストンロッドに連結された可動ピンと、前記ピストンロッドに揺動自在に連結された状態で前記可動ピンの内部に配置され、揺動に伴って前記ロケートピンの横穴を通ってロケートピンの中空部に対して出入りする爪が一端部に設けられたクランプアームと、前記可動ピンの内部に位置するカムを有し、前記ピストンロッドの往復動作を揺動動作に変換して前記クランプアームを前記可動ピンに対して揺動させるカム機構とを備え、前記可動ピンの前記筒状部の外周部に、前記ハウジングの内周面に摺動する軸受の機能と、前記ハウジングと前記筒状部との間をシールする機能とを有するリングが設けられ、前記ワーク当接部は、前記ロケートピンが通る貫通穴を有し、前記可動ピンは、前記筒状部を構成するとともに前記ピストンロッドに連結される円筒体と、前記貫通穴に摺動自在に嵌合する軸部を有しかつ前記円筒体の内周部に嵌合する連結部を有するロケートピンとに分けて構成され、前記連結部は、前記円筒体の径方向に延びる複数の連結ピンを介して前記円筒体に固定され、前記連結ピンの前記径方向の外側への移動が前記リングによって規制されているものである。
本発明は、前記ピンクランプ装置において、前記爪は、前記横穴を通って前記ロケートピンから突出した状態で前記横穴が閉塞される形状に形成されていてもよい。
本発明は、前記ピンクランプ装置において、前記カム機構は、前記クランプアームに形成された貫通穴からなるカムと、前記可動ピンの前記筒状部を径方向に貫通する状態で前記中心線と平行に延びる長穴と、前記ハウジングの径方向に延びて前記長穴およびカムに通されるとともに両端部が前記ハウジングに固定され、カムフォロアを構成するピンとを備え、前記カムは、前記ロケートピンが前記ワーク当接部から突出する第1の方向へ前記クランプアームが移動することにより前記爪がロケートピン内に収容され、かつ前記第1の方向とは反対の第2の方向へ前記クランプアームが移動することにより前記爪が前記ロケートピンから突出する形状に形成されていてもよい。
本発明によれば、シリンダのピストンロッドが前進あるいは後退することによって、ロケートピンが前進あるいは後退するとともに、クランプアームが揺動して爪が出入りする。ロケートピンを例えば板金部品やその他の板状部品などのワークに貫通させた状態において、ロケートピンがシリンダ側に後退するとともに、爪がロケートピンから突出することによって、ワークがワーク当接部と爪とによって挟まれて保持される。
このため、一つのシリンダでロケートピンとクランプアームとが駆動されてワークを保持したり解放することができるから、製造コストを低く抑えることができる。
また、可動ピンの筒状部とハウジングとの間がリングによってシールされるから、スパッタ粉やその他の微細な異物がワーク当接部と可動ピンとの間から装置内に入ったとしても、これらの侵入物がピストンロッドの摺動部やカム機構のカムに付着することはない。
したがって、本発明によれば、使用するシリンダを一つとすることができるとともに、ピストンロッドやカムなどの摺動部に侵入物が付着することを防ぐことが可能になるから、低価格で動作の信頼性が高いピンクランプ装置を提供することができる。
本発明に係るピンクランプ装置の断面図である。図1は、板状部品を保持している状態を示す。 本発明に係るピンクランプ装置の断面図である。図2は、爪が退避位置に位置している状態を示す。 ピンクランプ装置の正面図である。 ピンクランプ装置の前端部を拡大して示す断面図である。 図1におけるV−V線断面図である。 図1におけるVI−VI線断面図である。 円筒体の断面図である。
以下、本発明に係るピンクランプ装置の一実施の形態を図1〜図7によって詳細に説明する。
図1に示すピンクランプ装置1は、図1において左側に図示されているワークとしての複数の板状部品2を互いに重ね合わせて保持するためのものである。図1には2枚の板状部品2が描かれているが、板状部品2の枚数は適宜変更可能である。以下においては、図1において板状部品2が位置する左側をピンクランプ装置1の前側とし、これとは反対側をピンクランプ装置1の後側として説明する。本発明における「一端」は、この実施の形態においては前端に相当する。また、本発明における「他端」は、この実施の形態においては後端に相当する。さらに、以下においては、図1の紙面と直交する方向を左右方向として説明する。
板状部品2には、位置決め用の貫通穴2aが穿設されている。ピンクランプ装置1は、詳細は後述するが、複数の板状部品2を厚み方向の両側から挟むワーク当接部材3およびクランプアーム4と、板状部品2の貫通穴2aに嵌合するロケートピン5などを備えている。
<ハウジングの構成>
ワーク当接部材3は、本発明でいう「ワーク当接部」に相当するもので、円環状の円板部3aと、この円板部3aから前方に向けて突出する円筒部3bとによって構成されており、ロケートピン5が通る貫通穴6が穿設されている。
板状部3aは、図3に示すように、複数の固定用ボルトによって後述するハウジング8の前端部に固定されている。
貫通穴6の穴壁面には、図1に示すように、ロケートピン5との間をシールするためのリング状のシール部材9が設けられている。
このワーク当接部材3が前端部に設けられたハウジング8は、円筒状に形成された本体部11と、この本体部11の後端部から左右両側方に突出する板状の取付部12(図3参照)とを有している。このピンクランプ装置1の前後方向は、ハウジング8の本体部11の中心線Cと平行な方向である。
取付部12は、図示していないロボットアームのツール取付座に取付けられるものである。
<シリンダの構成>
ハウジング8の後端部には、シリンダ13が取付けられている。このシリンダ13は、エアシリンダで、ハウジング8に固定用ボルト(図示せず)によって固定されたシリンダ本体14と、このシリンダ本体14の中に前後方向へ移動自在に嵌合されたピストン15と、このピストン15から前方に向けて延びるピストンロッド16とを備えている。
シリンダ本体14は、ハウジング8の本体部11と同一軸線上に位置する円筒14aと、この円筒14aの前端部を閉塞する前側蓋体14bと、円筒14aの後端部を閉塞する後側蓋体14cとによって構成されている。ピストン15は、円筒14aの内周部に前後方向へ移動自在に嵌合している。円筒14aの前端部と後端部には、前側空気ポート17と後側空気ポート18とがそれぞれ形成されている。前側空気ポート17は、ピストン15より前側に形成された前側気室19に連通されている。後側空気ポート18は、ピストン15より後側に形成された後側気室20に連通されている。これらの前側空気ポート17と後側空気ポート18には空気供給装置(図示せず)が接続されている。この空気供給装置から後側空気ポート18に圧縮空気が供給されることによりピストン15が前進する。また、空気供給装置から前側空気ポート17に圧縮空気が供給されることによって、ピストン15が後退する。
前側蓋体14bには、ピストンロッド16を通すために貫通孔21が穿設されている。この貫通孔21は、ピストンロッド16が移動自在に嵌合する形状に形成されている。また、この前側蓋体14bは、ピストンロッド16との間をシールするためにシール部材22を備えている。
ピストン15は、円板状に形成されており、外周面に位置検出用のマグネット23と、円筒14aとの間をシールするためのシール部材24を備えている。
ピストンロッド16は、上述した中心線と同一軸線上に位置付けられ、ピストン15に固定用ボルト25によって固定されている。また、ピストンロッド16は、前側蓋体14bを貫通してハウジング8の本体部11内まで延びている。このピストンロッド16は、ピストン15と一体に前後方向(上述した本体部11の中心線Cと平行な方向)に往復する。
このピストンロッド16の前端部16aにおける左右方向の中央部には、後述するクランプアーム4の後端部を挿入するためのスリット26が形成されている。スリット26は、前後方向に延びるように形成されている。
ピストンロッド16の前端部16aには、スリット26を横切る第1の連結ピン27を介して後述する可動ピン31が連結されている。第1の連結ピン27は、円柱状に形成されており、図5に示すように、ピストンロッド16の前端部16aと、後述する可動ピン31の円筒体32とを左右方向に貫通している。
<可動ピンの構成>
可動ピン31は、図1に示すように、前端側に中空状のロケートピン5を有し、ピストンロッド16と一体に前後方向に移動するものである。この実施の形態による可動ピン31は、ピストンロッド16に第1の連結ピン27を介して連結された円筒体32と、この円筒体32の前端部に複数の第2の連結ピン33によって連結されたロケートピン5とに分けて構成されている。
<円筒体の構成>
円筒体32は、本発明でいう「筒状部」を構成するもので、ハウジング8の本体部11の中に前後方向へ移動自在に嵌合されている。上述した第1の連結ピン27は、図5に示すように、円筒体32の後端部に穿設された貫通孔34に嵌合する状態で円筒体32を径方向に貫通している。
円筒体32の外周部であって前端部と後端部とには、図7に示すように、円筒体32の周方向に延びる第1の環状溝35と第2の環状溝36が形成されている。これらの第1および第2の環状溝35,36には、それぞれリング37が装着されている。これらのリング37は、第1および第2の環状溝35,36に嵌合するとともに、本体部11の内周面に移動自在に嵌合する形状に形成されている。これらのリング37を形成する材料は、次の二つの機能を実現可能なプラスチック材料である。第1の機能は、本体部11の内周面に摺動する軸受としての機能である。第2の機能は、本体部11と円筒体32との間をシールする機能である。円筒体32は、これらのリング37を介して本体部11内に装着されることによって、本体部11と同一軸線上に位置付けられ、本体部11に前後方向へ移動自在に支持されることになる。また、ワーク当接部材3とロケートピン5との間からスパッタ粉やその他の微細な異物がハウジング8内に侵入した場合であっても、リング37がこれらの侵入物の更なる侵入を阻止する。
第1および第2の環状溝35,36のうち、後側に位置する第1の環状溝35は、図1および図5に示すように、前後方向において第1の連結ピン27と同じ位置に形成されている。このため、第1の連結ピン27は、第1の環状溝35内に装着されたリング37によって円筒体32の径方向への移動が規制された状態で、円筒体32内に保持されている。すなわち、第1の環状溝25に装着されたリング37は、第1の連結ピン27の抜け止め用の部品としても機能する。
第1および第2の環状溝35,36のうち、前側に位置する第2の環状溝36は、前後方向において後述する第2の連結ピン33と同じ位置に形成されている。第2の連結ピン33は、円筒体32にロケートピン5を連結するためのものである。この第2の連結ピン33は、円筒体32の径方向に延びるピン孔38(図7参照)に嵌合されて後述するロケートピン5の後端部に径方向の外側から挿入されている。この実施の形態による第2の連結ピン33とピン孔38は、円筒体32を周方向に4等分する位置にそれぞれ設けられている。これらの第2の連結ピン33は、第2の環状溝36内に装着されたリング37によって円筒体32の径方向の外側への移動が規制された状態で、円筒体32に保持されている。すなわち、この第2の環状溝36内に装着されたリング37は、第2の連結ピン33の抜け止め用の部品として機能する。この実施の形態においては、第2の連結ピン33が本発明でいう「連結ピン」に相当する。
円筒体32の前後方向の中間部には、図7に示すように、長穴39が形成されている。この長穴39は、円筒体32を周方向に2等分する位置にそれぞれ形成されている。円筒体32の周方向における長穴39の幅は、後述する固定ピン41(図1および図6参照)が移動自在に嵌合する幅である。また、円筒体32の前後方向における長穴39の幅は、上述したピストン15の往復ストロークより僅かに長い幅である。
<ロケートピンの構成>
ロケートピン5は、前後方向に延びる中空の円柱状に形成されている。このロケートピン5は、スパッタが付着し難い材料によって形成することができる。また、このロケートピン5には、スパッタが付着し難い表面処理を施すことができる。この実施の形態によるロケートピン5は、以下の4つの機能部を有している。
第1の機能部は、板状部品2の貫通穴2a内に入り易くするためにロケートピン5の先端部に設けられたガイド部5aである。ガイド部5aは、前方に向かうにしたがって次第に細くなる形状に形成されている。
第2の機能部は、ワーク当接部材3の貫通穴6に移動自在に嵌合する軸部5bである。この軸部5bの前後方向の長さは、図1に示すように、可動ピン31がピストンロッド16とともに後方へ移動した状態において、このロケートピン5の先端部がワーク当接部材3より前方に突出する長さである。
第3の機能部は、ロケートピン5の後端部を円筒体32に連結するための連結部5cである。連結部5cは、円筒体32の前端部内に嵌合する円板状に形成されている。この連結部5cの外周部分には、上述した第2の連結ピン33が挿入される凹部42が形成されている。この凹部42は、連結部5cを周方向に4等分する位置であって、4本の第2の連結ピン33と対応する位置にそれぞれ設けられている。この凹部42内には、円環状のスペーサ43が嵌合している。
第2の連結ピン33の先端部は、このスペーサ43の中空部内に嵌合している。このため、ロケートピン5の連結部5cは、スペーサ43と第2の連結ピン33とを介して円筒体32の前端部に連結されることになる。この連結構造により、円筒体32とロケートピン5は、一方が他方に対して前後方向に移動することができない状態で連結されることになる。
第4の機能部は、後述するクランプアーム4を収容するための中空部5dである。この中空部5dは、ロケートピン5の後端に開口し、ロケートピン5の後端から軸部5b内をガイド部5aの後端近傍まで前方に延びている。この中空部5dの開口形状は、後述するロケートピン5が移動自在に嵌合する長方形である。この中空部5dの前端部は、軸部5bの外周面に開口する横穴44を介してロケートピン5の外に連通されている。この横穴44が開口する方向は、図1においては上方であって、前後方向および第1の連結ピン27の軸線方向と直交する方向である。横穴44の開口形状は、開口方向から見て所定の幅で前後方向に延びる長方形である。この所定の幅とは、クランプアーム4の厚みに相当する幅で、クランプアーム4の前端部に設けられている後述する爪45が嵌合する幅である。
<クランプアームの構成>
クランプアーム4は、前後方向に細長い板状に形成されており、ロケートピン5の中空部5dと円筒体32の内部とに収容されている。この板状のクランプアーム4は、側面(主面)が前後方向に延びるとともに、第1の連結ピン27の軸線方向と直交する方向に延びる状態で使用されている。
クランプアーム4の前端部には爪45が設けられ、後端部にはピン孔46が形成されている。また、クランプアーム4の中間部にはカム47が設けられている。
爪45は、クランプアーム4の他の部分と一体に形成されており、他の部分より所定の方向に突出している。この所定の方向とは、前後方向および第1の連結ピン27の軸線方向と直交する方向であって、ロケートピン5の中心部から横穴44を指向する方向である。
クランプアーム4の後端部のピン孔46は、第1の連結ピン27が回動自在に嵌合する形状に形成されている。第1の連結ピン27は、クランプアーム4の後端部がピストンロッド16のスリット26に挿入された状態でピン孔46に嵌合されている。このようにピン孔46に第1の連結ピン27が嵌合することにより、クランプアーム4が第1の連結ピン27を介してピストンロッド16および円筒体32に揺動自在に支持されることになる。クランプアーム4の揺動方向は、第1の連結ピン27と直交する仮想平面に沿う方向である。
クランプアーム4が揺動することにより、爪45がロケートピン5の中空部5dに対して横穴44を通って出入りする。この実施の形態による爪45は、クランプアーム4が揺動することによって、図1に示すようにロケートピン5から突出したクランプ位置と、図2に示すようにロケートピン5内に収容される退避位置との間で移動する。
爪45は、図4に示すように、クランプ位置に位置付けられた状態、すなわち横穴44を通ってロケートピン5から突出した状態において、横穴44が閉塞される形状に形成されている。
<カムの構成>
カム47は、往復動作を揺動動作に変換してクランプアーム4を揺動させるカム機構51の一部を構成するもので、クランプアーム4を貫通する貫通穴によって構成されている。貫通穴がクランプアーム4を貫通する方向は、第1の連結ピン27の軸線方向と平行な方向である。
カム47(貫通穴)の開口形状は、前後方向に延びる直線部47aと、この直線部47aの後端から傾斜して延びる傾斜部47bとを有する長穴状であって、固定ピン41が移動自在に嵌合する形状である。
固定ピン41は、カム47に係合するカムフォロアを構成するものである。この固定ピン41は、円柱状に形成されており、図6に示すように、カム47内と、円筒体32の長穴39と、ハウジング8のピン孔52とに通された状態でハウジング8に固定されている。すなわち、この実施の形態によるカム機構51は、カム47と、円筒体32の長穴39と、固定ピン41とによって固定されている。
カム47は、ピストンロッド16が前進または後退することによって、固定ピン41に対して前進または後退する。
カム47の傾斜部47bが傾斜する方向は、図1に示すように、前進時にクランプアーム4が連結ピン27を中心にして爪45の退避方向(図1においては反時計方向)に揺動する方向である。図1は、固定ピン41がカム47の直線部47aにおける前端部分に嵌合している状態で描いてある。この実施の形態によるピンクランプ装置1は、この状態で爪45がクランプ位置に位置するように構成されている。
この状態からピストンロッド16とともにクランプアーム4が前進し、図2に示すように、固定ピン41がカム47の傾斜部47bに係合すると、クランプアーム4が固定ピン41によって爪45の突出方向とは反対方向に押されて爪45が退避位置に位置付けられる。
すなわち、カム47は、ロケートピン5がワーク当接部材3から突出する方向(前方であって本発明でいう「第1の方向」)へクランプアーム4が移動することにより、爪45がロケートピン5内に収容され、かつクランプアーム4が後方(第1の方向とは反対の第2の方向)へ移動することにより爪45がロケートピン5から突出する形状に形成されている。
<動作の説明>
このように構成されたピンクランプ装置1を使用して2枚の板状部品2を保持するためには、図2に示す状態から行う。図2に示す状態は、ロケートピン5が前進し、爪45がロケートピン5内に収容されている状態である。この状態でピンクランプ装置1を板状部品2に接近させ、板状部品2の貫通穴2aにロケートピン5のガイド部5aを挿入する。このときのピンクランプ装置1の移動は、図示していないロボットによって行われる。そして、板状部品2がワーク当接部材3に当接するまでピンクランプ装置1を板状部品2に対して前進させる。
次に、シリンダ13のピストン15を後退させる。このようにピストン15が後退することにより可動ピン31とクランプアーム4とが一体に後退し、カム47が固定ピン41に対して後退する。この後退行程の初期には、カム47の傾斜部47bが固定ピン41により爪45の突出方向に押されることによって、クランプアーム4が図2において時計方向に揺動し、爪45がロケートピン5から突出する。固定ピン41とカム47との接触点が傾斜部47bの前端に達することによって、爪45がクランプ位置に位置付けられる。そして、この状態でさらにピストン15が後退することにより、クランプ位置にある爪45が板状部品2に当たり、図1に示すように、板状部品2をワーク当接部材3に押し付ける。このときの押圧力の大きさは、ピストン15に加えられる空気圧と同等である。このように爪45が板状部品2を押すことにより、2枚の板状部品2が爪45とワーク当接部材3とに挟まれて互いに重なる状態で保持される。
これらの板状部品2は、このようにピンクランプ装置1に保持された状態で例えばスポット溶接によって互いに溶接される。スポット溶接時にはスパッタが飛散し、板状部品2の近傍に位置する部品に付着する。このとき、ロケートピン5の横穴44が爪45によって塞がれているから、スポット溶接時に横穴44にスパッタが入ることはない。溶接が終了した後、ピストン15を前進させる。このようにピストン15が前進することにより、可動ピン31とクランプアーム4とが一体に前進する。この前進行程の初期には、カム47と固定ピン41との接触点が直線部47aにあるために、クランプアーム4が揺動することはない。このため、横穴44が爪45によって塞がれた状態でロケートピン5とクランプアーム4とが前進し、爪45が板状部品2から前方に離れる。
一方、このときは、可動ピン31の円筒体32がワーク当接部材3に接近し、円筒体32とワーク当接部材3との間に形成されている環状空間Sが徐々に狭くなる。この場合は、円筒体32およびロケートピン5の連結部5cが実質的にピストン15として機能するから、環状空間S内の空気を圧縮する。このため、ワーク当接部材3と可動ピン31との間が正圧になる。
その後、ロケートピン5とクランプアーム4とが更に前進することにより、固定ピン41がカム47の傾斜部47bに係合するようになってクランプアーム4が図1において反時計方向に揺動する。そして、図2に示すように、円筒体32がワーク当接部材3に当接することにより前進動作が規制され、爪45が退避位置に位置付けられる。このように爪45が退避位置に位置している状態でピンクランプ装置1が板状部品2に対して後退することにより、板状部品2が解放される。
<実施の形態による効果の説明>
このように構成されたピンクランプ装置1によれば、一つのシリンダ13でロケートピン5とクランプアーム4とが駆動されて板状部品2を保持したり解放することができる。このため、このピンクランプ装置1の製造コストは、シリンダを2個使用するピンクランプ装置と較べると低く抑えることができる。
また、可動ピン31の円筒体32とハウジング8の本体部11との間がリング37によってシールされるから、ワーク当接部材3とロケートピン5との間から装置内にスパッタ粉やその他の微細な異物が入ったとしても、これらの侵入物がピストンロッド16やカム機構51のカム47などの摺動部に付着することはない。
したがって、この実施の形態によれば、使用するシリンダ13を一つとすることができるとともに、ピストンロッド16やカム47などの摺動部に異物が付着することを防ぐことが可能になるから、低価格で動作の信頼性が高いピンクランプ装置を提供することができる。
この実施の形態による爪45は、ロケートピン5の横穴44を通ってロケートピン5から突出した状態で横穴44が閉塞される形状に形成されている。このため、スポット溶接時に飛散したスパッタが横穴44に入ることがない。したがって、この実施の形態よれば、動作の信頼性が更に高くなるピンクランプ装置を提供することができる。
また、この実施の形態によれば、ロケートピン5の軸部5bがワーク当接部材3の貫通穴6に嵌合しているから、板状部品2と隣り合うワーク当接部材3にスパッタ粉やその他の微細な異物が装置内により一層入り難くなる。
ロケートピン5は、スパッタが付着し難くなるように、スパッタが付着し難い材料によって形成したり、スパッタが付着し難い表面処理を行うことが望ましいものである。スパッタが付着し難い材料は、一般的に高価である。この実施の形態においては、可動ピン31が円筒体32とロケートピン5とに分かれているから、可動ピン31の全体をスパッタが付着し難い材料によって形成したり、可動ピン31の全体に上述した表面処理を施す場合と較べると、スパッタが付着し難い高価な材料の使用量を少なく抑えることができるとともに、スパッタが付着し難い表面処理を行う部材の大きさを小さくすることができる。このため、製造コストがより一層低くなる。
また、リング37が第2の連結ピン33の抜け止め用の部品として機能するから、専ら第2の連結ピン33の抜け止め用の部品が不要になる。このため、部品数が減少して製造コストが更に低くなるとともに、組立てが容易になる。
この実施の形態においては、スポット溶接後にワークを解放する行程でロケートピン5と爪45とがワーク当接部材3に対してシリンダ13とは反対側(前側)に移動するから、爪45とロケートピン5の横穴44との間に隙間が生じたとしても、スパッタ粉やその他の微細な異物がこの隙間に入り難くなる。また、可動ピン31の筒状部(円筒体32と連結部5c)が実質的にピストンになってワーク当接部材3と筒状部との間の空間S内の空気を圧縮するから、ワーク当接部材3と可動ピン31との間が正圧になる。このため、ワーク当接部材3とロケートピン5の軸部5bとの間をシールするシール部材9が摩耗してシール性が低下したような場合であっても、スパッタ粉やその他の微細な異物の侵入を防止することができる。
1…ピンクランプ装置、3…ワーク当接部材(ワーク当接部)、4…クランプアーム、5…ロケートピン、5b…軸部、5c…連結部、5d…中空部、6…貫通穴、8…ハウジング、13…シリンダ、16…ピストンロッド、31…可動ピン、32…円筒体(筒状部)、33…第2の連結ピン(連結ピン)、37…リング、39…長穴、41…固定ピン(ピン)、44…横穴、45…爪、47…カム、51…カム機構。

Claims (3)

  1. 円筒状のハウジングと、
    前記ハウジングの一端部に設けられたワーク当接部と、
    前記ハウジングの他端部に設けられ、前記ハウジングの中心線と平行な方向に往復するピストンロッドを有するシリンダと、
    前記ハウジングの内周部に移動自在に嵌合する筒状部を有し、一端側に前記ワーク当接部から突出する中空状のロケートピンが設けられるとともに他端部が前記ピストンロッドに連結された可動ピンと、
    前記ピストンロッドに揺動自在に連結された状態で前記可動ピンの内部に配置され、揺動に伴って前記ロケートピンの横穴を通ってロケートピンの中空部に対して出入りする爪が一端部に設けられたクランプアームと、
    前記可動ピンの内部に位置するカムを有し、前記ピストンロッドの往復動作を揺動動作に変換して前記クランプアームを前記可動ピンに対して揺動させるカム機構とを備え、
    前記可動ピンの前記筒状部の外周部に、前記ハウジングの内周面に摺動する軸受の機能と、前記ハウジングと前記筒状部との間をシールする機能とを有するリングが設けられ
    前記ワーク当接部は、前記ロケートピンが通る貫通穴を有し、
    前記可動ピンは、
    前記筒状部を構成するとともに前記ピストンロッドに連結される円筒体と、
    前記貫通穴に摺動自在に嵌合する軸部を有しかつ前記円筒体の内周部に嵌合する連結部を有するロケートピンとに分けて構成され、
    前記連結部は、前記円筒体の径方向に延びる複数の連結ピンを介して前記円筒体に固定され、
    前記連結ピンの前記径方向の外側への移動が前記リングによって規制されていることを特徴とするピンクランプ装置。
  2. 請求項1記載のピンクランプ装置において、
    前記爪は、前記横穴を通って前記ロケートピンから突出した状態で前記横穴が閉塞される形状に形成されていることを特徴とするピンクランプ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のピンクランプ装置において、
    前記カム機構は、
    前記クランプアームに形成された貫通穴からなるカムと、
    前記可動ピンの前記筒状部を径方向に貫通する状態で前記中心線と平行に延びる長穴と、
    前記ハウジングの径方向に延びて前記長穴およびカムに通されるとともに両端部が前記ハウジングに固定され、カムフォロアを構成するピンとを備え、
    前記カムは、
    前記ロケートピンが前記ワーク当接部から突出する第1の方向へ前記クランプアームが移動することにより前記爪がロケートピン内に収容され、かつ前記第1の方向とは反対の第2の方向へ前記クランプアームが移動することにより前記爪が前記ロケートピンから突出する形状に形成されていることを特徴とするピンクランプ装置。
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