JP6577318B2 - エミッタおよび点滴灌漑用チューブ - Google Patents

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Description

本発明は、エミッタおよび当該エミッタを有する点滴灌漑用チューブに関する。
以前から、植物の栽培方法の一つとして点滴灌漑法が知られている。点滴灌漑法とは、植物が植えられている土壌上に点滴灌漑用チューブを配置し、点滴灌漑用チューブから土壌へ、水や液体肥料などの灌漑用液体を滴下する方法である。近年、点滴灌漑法は、灌漑用液体の消費量を最小限にすることが可能であるため、特に注目されている。
点滴灌漑用チューブは、通常、灌漑用液体が吐出される複数の貫通孔が形成されたチューブと、各貫通孔から灌漑用液体を吐出するための複数のエミッタ(「ドリッパ」ともいう)を有する。また、エミッタの種類としては、チューブの内壁面に接合して使用されるエミッタ(例えば、特許文献1参照)と、チューブに外側から突き刺して使用されるエミッタとが知られている。
図1は、特許文献1に記載されている、チューブの内壁面に接合して使用されるエミッタ1の構成を示す図である。図1Aは、エミッタ1の構成を示す斜視図であり、図1Bは、エミッタ1における流路2の部分拡大底面図である。エミッタ1は、灌漑用液体を取り入れるための取水口3および灌漑用液体を排出するための排出口4を含む。流路2は、流路2の中央に配置されている幅aの制御路5と、制御路5の長軸方向において、流路2の内側面の両側から交互に突出している複数の凸部6とを有する。流路2の一方の内側面から突出している複数の凸部6の各端面は、第1の仮想平面上に位置し、流路2の他方の内側面から突出している複数の凸部6の各端面は、前記第1の仮想平面に平行な第2の仮想平面上に位置している。これらの第1仮想平面および第2の仮想平面の間の空間が、制御路5に相当する。
特許文献1に記載のエミッタ1は、流路2が形成されている面がチューブの内面に接合された状態で使用される。特許文献1に記載のエミッタ1を使用した点滴灌漑用チューブは、所望の流量で灌漑用液体を供給することができるとともに、流路2内に砂粒や沈殿物などの異物が堆積して、詰まるのを抑制することができる。特許文献1には、詰まりが抑制される理由の1つとして、隣接する凸部6間で渦流が発生することを挙げている。
特開平5−276841号公報
しかしながら、特許文献1に記載のエミッタでは、渦流は、流れ方向と流路の幅方向とを含む平面に略平行な面内で発生するため、流路内を二次元的にしか撹拌することができない(後述の図5C、D参照)。このため、異物の堆積による詰まりを十分に防止することができないことがある。
そこで、本発明の目的は、流路における異物の堆積による詰まりを、より効果的に抑制することができ、灌漑用液体を定量的に吐出できるエミッタおよび点滴灌漑用チューブを提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明に係るエミッタは、灌漑用液体を流通させるチューブの内壁面において、前記チューブの内外を連通する吐出口に対応する位置に接合され、前記チューブ内の前記灌漑用液体を前記吐出口から定量的に前記チューブ外に吐出するためのエミッタであって、前記灌漑用液体を取り入れるための取水部と、前記吐出口に面して配置され、前記灌漑用液体を吐出するための吐出部と、前記取水部および前記吐出部を繋ぎ、前記灌漑用液体を流通させる流路と、前記流路に配置され、前記取水部から取り入れられた前記灌漑用液体の圧力を減圧させる減圧流路と、を有し、前記減圧流路は、前記チューブの内壁面によりその開口部を閉塞される溝と、前記減圧流路内における前記灌漑用液体の流れ方向において前記溝の内側面の両側から交互に突出している複数の凸部と、を含み、前記複数の凸部は、前記溝の深さ方向において互いに隣接している第1凸部および第2凸部をそれぞれ含み、前記第1凸部は、前記凸部において前記溝の深さ方向における一方の側に配置されており、かつその先端が、平面視されたときに前記溝の中心線を越えるように前記溝の内側面から突出しており、前記第2凸部は、前記凸部において前記溝の深さ方向における他方の側に配置されており、かつその先端が、平面視されたときに前記溝の中心線を越えないように前記溝の内側面から突出している。
また、上記の課題を解決するため、本発明に係る点滴灌漑用チューブは、灌漑用液体を吐出するための吐出口を有するチューブと、前記チューブの内壁面の前記吐出口に対応する位置に接合された、本発明に係るエミッタと、を有する。
本発明に係るエミッタおよび点滴灌漑用チューブでは、減圧流路内において深さ方向にも灌漑用液体が移動する渦流が発生するため、減圧流路における異物の堆積による詰まりをより効果的に抑制することができる。
図1A、Bは、特許文献1に記載のエミッタの構成を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る点滴灌漑用チューブの断面図である。 図3A〜Cは、本発明の実施の形態1に係るエミッタの構成を示す図である。 図4A〜Cは、本発明の実施の形態1に係るエミッタの構成を示す図である。 図5A〜Dは、比較用のエミッタについてのシミュレーション結果を示す図である。 図6A〜Dは、本発明の実施の形態1に係るエミッタについてのシミュレーション結果を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態2に係るエミッタの構成を示す図である。 図8A〜Cは、本発明の実施の形態2に係るエミッタの構成を示す図である。 図9A〜Cは、本発明の実施の形態2に係るエミッタの構成を示す図である。 図10A〜Cは、本発明の実施の形態2に係るエミッタの動作を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[実施の形態1]
(点滴灌漑用チューブおよびエミッタの構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る点滴灌漑用チューブ100の軸に沿う方向における断面図である。
図2に示されるように、点滴灌漑用チューブ100は、チューブ110およびエミッタ120を有する。
チューブ110は、灌漑用液体を流すための管である。チューブ110の材料は、特に限定されない。本実施の形態では、チューブ110の材料は、ポリエチレンである。チューブ110の管壁には、チューブ110の軸方向において所定の間隔(例えば、200〜500mm)で灌漑用液体を吐出するための複数の吐出口112が形成されている。吐出口112の開口部の直径は、灌漑用液体を吐出することができれば特に限定されない。本実施の形態では、吐出口112の開口部の直径は、1.5mmである。チューブ110の内壁面の吐出口112に対応する位置には、エミッタ120がそれぞれ接合される。チューブ110の軸方向に垂直な断面形状および断面積は、チューブ110の内部にエミッタ120を配置することができれば特に限定されない。
点滴灌漑用チューブ100は、エミッタ120の裏面124をチューブ110の内壁面に接合することによって作製される。チューブ110とエミッタ120との接合方法は、特に限定されない。チューブ110とエミッタ120との接合方法の例には、チューブ110またはエミッタ120を構成する樹脂材料の溶着や、接着剤による接着などが含まれる。なお、通常、吐出口112は、チューブ110とエミッタ120とを接合した後に形成されるが、接合前に形成されてもよい。
図3Aは、エミッタ120の平面図であり、図3Bは、エミッタ120の底面図であり、図3Cは、図3Bにおいて破線で示される領域の部分拡大底面図である。図4Aは、図3Aに示されるA−A線の断面図であり、図4Bは、図3Aに示されるB−B線の断面図であり、図4Cは、図4Bにおいて破線で示される領域の部分拡大断面図である。
図2に示されるように、エミッタ120は、吐出口112を覆うようにチューブ110の内壁面に接合されている。エミッタ120の形状は、チューブ110の内壁面に密着して、吐出口112を覆うことができれば特に限定されない。本実施の形態では、チューブ110の軸方向に垂直なエミッタ120の断面における、チューブ110の内壁面に接合する裏面124の形状は、チューブ110の内壁面に沿うように、チューブ110の内壁面に向かって凸の略円弧形状である。エミッタ120の平面視形状は、四隅がR面取りされた略矩形である。エミッタ120の大きさは、特に限定されない。本実施の形態では、エミッタ120の長辺方向の長さは25mmであり、短辺方向の長さは8mmであり、高さは2.5mmである。
エミッタ120は、可撓性を有する材料で成形されていてもよいし、可撓性を有しない材料で成形されていてもよい。エミッタ120の材料の例には、樹脂およびゴムが含まれる。樹脂の例には、ポリエチレンおよびシリコーンが含まれる。エミッタ120の可撓性は、弾性を有する樹脂材料の使用によって調整することができる。エミッタ120の可撓性の調整方法の例には、弾性を有する樹脂の選択や、硬質の樹脂材料に対する弾性を有する樹脂材料の混合比の調整などが含まれる。エミッタ120の成形品は、例えば、射出成形によって製造できる。
エミッタ120は、取水部150、接続流路141となる接続溝131、減圧流路142となる減圧溝132、および吐出部180を有する。取水部150は、エミッタ120の表面125側に配置されている。また、接続溝131、減圧溝132および吐出部180は、エミッタ120の裏面124側に配置されている。
エミッタ120およびチューブ110が接合されることにより、接続溝131および減圧溝132は、それぞれ接続流路141および減圧流路142となる。これにより、取水部150、接続流路141、減圧流路142および吐出部180から構成され、取水部150と吐出部180とを繋ぐ流路が形成される。流路は、取水部150から吐出部180まで灌漑用液体を流通させる。
取水部150は、エミッタ120の表面125側に長軸方向に沿って配置されている。本実施の形態では、2つの取水部150が、両側の外縁部において互いに離間して配置されている(図3A参照)。取水部150は、取水側スクリーン部151および複数の取水用貫通孔152をそれぞれ有する。
取水側スクリーン部151は、エミッタ120に取り入れられる灌漑用液体中の浮遊物が取水用凹部153内に侵入することを防止する。取水側スクリーン部151は、チューブ110内に対して開口しており、取水用凹部153および複数の凸条155を有する。
取水用凹部153は、エミッタ120の表面125側に形成されている凹部である。取水用凹部153の深さは特に限定されず、エミッタ120の大きさによって適宜設定される。取水用凹部153の底面上には複数の凸条155が形成されている。また、取水用凹部153の底面には取水用貫通孔152が形成されている。
複数の凸条155は、取水用凹部153の底面上に配置されている。凸条155の配置および数は、取水部150が取水用凹部153の開口部側から灌漑用液体を取り入れつつ、灌漑用液体中の浮遊物の侵入を防止することができれば特に限定されない。本実施の形態では、複数の凸条155は、凸条155の長軸方向がエミッタ120の短軸方向に沿うように配列されている。隣接する凸条155間の間隔は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。
取水用貫通孔152は、取水用凹部153の底面に形成されている。取水用貫通孔152の形状および数は、取水用凹部153の内部に取り込まれた灌漑用液体をエミッタ120内に取り込むことができれば特に限定されない。本実施の形態では、取水用貫通孔152は、取水用凹部153の底面に、エミッタ120の長軸方向に沿って両側の外縁部に形成された2つの長孔である。それぞれの長孔は、複数の凸条155により部分的に覆われているため、表面125側から見た場合、取水用貫通孔152は、多数の貫通孔に分かれているように見える(図3A参照)。
チューブ110内を流れてきた灌漑用液体は、取水側スクリーン部151によって浮遊物が取水用凹部153内に侵入することが防止されつつ、エミッタ120内に取り込まれる。
接続溝131(接続流路141)は、取水用貫通孔152(取水部150)と、減圧溝132とを接続する。接続溝131は、エミッタ120の裏面124側においてエミッタ120の短軸方向に沿って直線状に形成されている。接続溝131の中央部付近には、減圧溝132が接続されている。チューブ110およびエミッタ120が接合されることで、接続溝131とチューブ110の内壁面とにより、接続流路141が形成される。取水部150から取り込まれた灌漑用液体は、接続流路141を通って、減圧流路142に流れる。
減圧溝132(減圧流路142)は、流路に配置されており、接続溝131(接続流路141)と吐出部180とを接続する。減圧溝132(減圧流路142)は、取水部150から取り入れられた灌漑用液体の圧力を減圧させて、吐出部180に導く。減圧溝132は、裏面124の中央部分に、長軸方向に沿って配置されている。減圧溝132の上流端は接続溝131に接続されており、下流端は吐出部180に接続されている。減圧溝132の平面視形状は、ジグザグ形状である。
減圧溝132では、減圧流路142内における灌漑用液体の流れ方向において、両側の内側面から複数の凸部136が交互に突出している。凸部136の形状は、特に限定されないが、略三角柱形状であることが好ましい。凸部136は、減圧溝132の深さ方向において互いに隣接している第1凸部1361および第2凸部1362を含む。第1凸部1361は減圧溝132の深さ方向における一方の側に配置されており、第2凸部1362は減圧溝132の深さ方向における他方の側に配置されている。本実施の形態では、図3Cおよび図4Cに示されるように、第1凸部1361は減圧溝132の底側に配置されており、第2凸部1362は減圧溝132の開口部(裏面124)側に配置されている。また、第1凸部1361は、平面視されたときに、その先端が減圧溝132の中心線Lを越えるように減圧溝132の内側面から延在している。一方、第2凸部1362は、平面視されたときに、その先端が減圧溝132の中心線Lを越えないように減圧溝132の内側面から延在している(図3C参照)。チューブ110およびエミッタ120が接合されることで、チューブ110の内壁面により減圧溝133の開口部が閉塞されて、減圧流路142が形成される。取水部150から取り込まれた灌漑用液体は、減圧流路142により減圧されて吐出部180に導かれる。詳細については後述するが、減圧流路142は、減圧流路142内に異物が堆積するのを抑制することができる。
吐出部180は、エミッタ120の裏面124側に配置されている。吐出部180は、減圧流路142からの灌漑用液体をチューブ110の吐出口112に送る。吐出部180の構成は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。本実施の形態では、吐出部180は、吐出用凹部181を有する。
吐出用凹部181は、エミッタ120の裏面124側に配置されている。吐出用凹部181の平面視形状は、特に限定されず、例えば、略矩形である。
(点滴灌漑用チューブおよびエミッタの動作)
次に、点滴灌漑用チューブ100の動作について説明する。まず、チューブ110内に灌漑用液体が送液される。灌漑用液体の例には、水、液体肥料、農薬およびこれらの混合液が含まれる。点滴灌漑用チューブ100へ送液される灌漑用液体の圧力は、簡易に点滴灌漑法を導入できるように、またチューブ110およびエミッタ120の破損を防止するため、0.1MPa以下であることが好ましい。チューブ110内の灌漑用液体は、取水部150からエミッタ120内に取り込まれる。具体的には、チューブ110内の灌漑用液体は、隣接する凸条155間の隙間から取水用凹部153に入り込み、取水用貫通孔152を通過する。このとき、取水部150は、取水側スクリーン部151(隣接する凸条155間の隙間)を有しているため、灌漑用液体中の浮遊物を除去することができる。
取水部131から取り込まれた灌漑用液体は、接続流路141に到達する。接続流路141に到達した灌漑用液体は、減圧流路142に流れ込む。
減圧流路142に流れ込んだ灌漑用液体は、減圧されつつ、吐出部180に流れ込む。詳細については後述するが、減圧流路142内では、3次元的に旋回しながら流れる渦流が生じている。吐出部180に流れ込んだ灌漑用液体は、チューブ110の吐出口112からチューブ110外に吐出される。
(シミュレーション)
前述したとおり、本実施の形態に係るエミッタ120では、凸部136は、減圧溝132の深さ方向に互いに連なる第1凸部1361および第2凸部1362を含む。そこで、第1凸部1361および第2凸部1362が減圧流路142を流れる灌漑用液体に与える作用について調べるためにシミュレーションを行った。また、比較のため、第1凸部1361を有しない凸部136’、すなわち減圧溝132の深さ方向全体に亘って、その先端が減圧溝132の中心線Lを越えないように減圧溝132の内側面から突出している凸部のみを含むエミッタ(以下、「比較用のエミッタ」ともいう)についてもシミュレーションを行った。
図5A〜Dは、比較用のエミッタについてのシミュレーション結果を示す図である。図5Aは、灌漑用液体の流れを示す減圧流路142’の斜視透視図であり、図5Bは、図5Aにおいて破線で示される領域の部分拡大透視図であり、図5Cは、灌漑用液体の流れを示す減圧流路142’の側面透視図であり、図5Dは、灌漑用液体の流れを示す、流れの上流側からみた減圧流路142’の正面透視図である。図6A〜Dは、本実施の形態に係るエミッタ120についてのシミュレーション結果を示す図である。図6Aは、灌漑用液体の流れを示す減圧流路142の斜視透視図であり、図6Bは、図6Aにおいて破線で示される領域の部分拡大透視図であり、図6Cは、灌漑用液体の流れを示す減圧流路142の側面透視図であり、図6Dは、灌漑用液体の流れを示す、流れの上流側からみた減圧流路142の正面透視図である。なお、図5A〜Cおよび図6A〜Cにおいて、灌漑用液体は左側から右側に流れていき、図5Dおよび図6Dにおいて、灌漑用液体は手前側から奥側に流れていく。
図5A、Bに示されるように、比較用のエミッタでは、減圧流路142’内に流入した灌漑用液体の大部分は、減圧溝の中心線付近をジグザグ状に流れることがわかる。減圧流路142’内に流入した灌漑用液体の一部は、流れ方向において隣接する凸部136’間の空間で旋回することもわかる。また、図5C、Dに示されるように、灌漑用液体は、減圧流路142’内において流れ方向と減圧流路142’の幅方向とを含む平面に略平行な面内を流れることがわかる。すなわち、比較用のエミッタでは、灌漑用液体は、減圧流路142’内を2次元的に流れることがわかる。また、前述したとおり、減圧流路142’内に流入した灌漑用液体の一部は、流れ方向において隣接する凸部136’間の空間で旋回して、減圧流路142’内の灌漑用液体を撹拌する。これにより、比較用のエミッタでは、エミッタ内に異物が流れ込んでしまったとしても、当該異物が流れ方向において隣接する凸部136’間に堆積するのをある程度抑制することができる。しかし、比較用のエミッタでは、流れ方向において隣接する凸部136’間の空間で2次元的にしか灌漑用液体を撹拌することができないため、異物の堆積を十分に抑制することができないことがある。
これに対し、本実施の形態に係るエミッタ120では、流れ方向において隣接する凸部136間の空間でより効果的に灌漑用液体を撹拌することができる。図6A、Bに示されるように、本実施の形態に係るエミッタ120でも、減圧流路142内に流入した灌漑用液体の大部分は、減圧溝132の中心線付近をジグザグ状に流れることがわかる。一方で、減圧流路142内に流入した灌漑用液体の一部は、流れ方向において隣接する凸部136間の空間で深さ方向にも旋回することがわかる。図6C、Dに示されるように、本実施の形態に係るエミッタ120では、灌漑用液体は、減圧溝132(減圧流路142)の深さ方向にも移動していることがわかる。これは、エミッタ120における凸部136は、その先端が減圧溝132の中心線Lを越えるように突出している第1凸部1361と、その先端が減圧溝132の中心線Lを越えないように突出している第2凸部1362とを含むためである。より具体的には、凸部136は、その突出方向における長さが異なる第1凸部1361および第2凸部1362を含むことにより、灌漑用液体の一部が第1凸部1361を避けるように流れるため、減圧溝132の深さ方向の流れが生じる。このように、第1凸部1361により灌漑用液体の流れ方向が変えられることによって、灌漑用液体は、流れ方向において隣接する凸部136間を3次元的に旋回する。これにより、減圧流路142における、流れ方向において隣接する凸部136間の空間で灌漑用液体が3次元的に撹拌され、比較用のエミッタと比較して、異物が堆積するのがより効果的に抑制される。このとき、第1凸部1361は、灌漑用液体の流れ方向を変えるが、灌漑用液体の流れを大きく阻害するものではないため、減圧流路142内を流れる灌漑用液体の流量に与えられる影響は問題とならない。また、比較用のエミッタとして、第1凸部1361を有しない凸部136’を含むエミッタについて説明した。しかし、第1凸部1361のみを有する凸部を含むエミッタについても、減圧溝132の深さ方向への流れを生じさせることができないため、流れ方向において隣接する凸部間の異物の堆積を十分に抑制することができないことがある。
(効果)
以上のように、本実施の形態に係るエミッタ120では、凸部136は、その先端が減圧溝132の中心線Lを越えるように突出している第1凸部1361と、その先端が減圧溝132の中心線Lを越えないように突出している第2凸部1362とを含む。これにより、減圧溝132の深さ方向にも灌漑用液体が移動する渦流を生じさせることができる。この結果として、第1凸部1361を有しない場合および第1凸部1361のみを有する場合と比較して、本実施の形態に係るエミッタ120では、減圧流路142内における灌漑用液体の撹拌効果をより高めることができる。したがって、本実施の形態に係るエミッタ120は、減圧流路142内で詰まりが生じるのを抑制しつつ、灌漑用液体を定量的に滴下することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2に係る点滴灌漑用チューブは、エミッタ220の構成が実施の形態1に係る点滴灌漑用チューブ100と異なる。そこで、エミッタ220について説明し、チューブ110の説明を省略する。
(エミッタの構成)
図7は、エミッタ本体221とフィルム222とを接合する前のエミッタ220の平面図である。図8Aは、エミッタ本体221とフィルム222とを接合した後のエミッタ220の平面図であり、図8Bは、エミッタ本体221とフィルム222とを接合した後のエミッタ220の底面図であり、図8Cは、図8Bにおいて破線で示される領域の部分拡大底面図である。図9Aは、エミッタ220の側面図であり、図9Bは、図8Aに示されるB−B線の断面図であり、図9Cは、図9Bにおいて破線で示される領域の部分拡大断面図である。
図7に示されるように、エミッタ220は、チューブ110の内壁面に接合されるエミッタ本体221と、エミッタ本体221に接合されたフィルム222とを有する。エミッタ本体221およびフィルム222は、一体として形成されていてもよいし、別体として形成されていてもよい。本実施の形態では、エミッタ本体221およびフィルム222は、ヒンジ部223を介して一体的に形成されている。
エミッタ本体221およびフィルム222は、いずれも可撓性を有する一種類の材料で成形されていることが好ましい。しかし、エミッタ本体221およびフィルム222が別体として形成されている場合には、エミッタ本体221は、可撓性を有しない材料で成形されていてもよい。また、後述するダイヤフラム部(第1ダイヤフラム部267および第2ダイヤフラム部275)も、エミッタ220の一部として一体的に成形されていることが好ましい。本実施の形態では、エミッタ本体221と、ダイヤフラム部を含むフィルム222とは、可撓性を有する一種類の材料で一体的に形成されている。エミッタ本体221およびフィルム222の材料の例には、樹脂およびゴムが含まれる。樹脂の例には、ポリエチレンおよびシリコーンが含まれる。エミッタ本体221およびフィルム222の可撓性は、弾性を有する樹脂材料の使用によって調整することができる。エミッタ本体221およびフィルム222の可撓性の調整方法の例には、弾性を有する樹脂の選択や、硬質の樹脂材料に対する弾性を有する樹脂材料の混合比の調整などが含まれる。エミッタ本体221およびフィルム222の一体成形品は、例えば、射出成形によって製造できる。
本実施の形態に係るエミッタ220は、取水部250と、第1接続流路241となる第1接続溝231と、第1減圧流路242となる第1減圧溝232と、第2接続流路243となる第2接続溝233と、第2減圧流路244となる第2減圧溝234と、第3減圧流路245となる第3減圧溝235と、流量減少部260と、流路開閉部270と、吐出部280とを有する。取水部250、流量減少部260および流路開閉部270は、エミッタ220の表面225側に配置されている。また、第1接続溝231、第1減圧溝232、第2接続溝233、第2減圧溝234、第3減圧溝235および吐出部280は、エミッタ220の裏面224側に配置されている。
エミッタ220およびチューブ110が接合されることにより、第1接続溝231、第1減圧溝232、第2接続溝233、第2減圧溝234および第3減圧溝235は、それぞれ第1接続流路241、第1減圧流路242、第2接続流路243、第2減圧流路244および第3減圧流路245となる。これにより、取水部250、第1接続流路241、第1減圧流路242、第2接続流路243、第2減圧流路244、流量減少部260および吐出部280から構成され、取水部250と吐出部280とを繋ぐ第1流路が形成される。また、取水部250、第1接続流路241、第1減圧流路242、第2接続流路243、第3減圧流路245、流路開閉部270、流路減少部260および吐出部280から構成され、取水部250と吐出部280とを繋ぐ第2流路が形成される。第1流路および第2流路は、いずれも取水部250から吐出部280まで灌漑用液体を流通させる。本実施の形態では、取水部250から第2接続流路243までの間は、第1流路と第2流路とが重複している。また、第2流路における流路開閉部270の下流側は、流量減少部260に接続されており、流量減少部260から吐出部280までの間も、第1流路と第2流路とが重複している。
取水部250は、エミッタ220の表面225の約半分の領域に配置されている(図7および図8A参照)。取水部250が配置されていない表面225の領域には、流量減少部260および流路開閉部270(フィルム222)が配置されている。取水部250は、取水側スクリーン部251および取水用貫通孔252を有する。
取水側スクリーン部251は、エミッタ220に取り入れられる灌漑用液体中の浮遊物が取水用凹部253内に侵入することを防止する。取水側スクリーン部251は、チューブ110内に対して開口しており、取水用凹部253、複数のスリット254および複数の凸条255を有する。
取水用凹部253は、エミッタ220の表面225において、フィルム222が接合されていない領域の全体に形成されている1つの凹部である。取水用凹部253の深さは特に限定されず、エミッタ220の大きさによって適宜設定される。取水用凹部253の外周壁には複数のスリット254が形成されており、取水用凹部253の底面上には複数の凸条255が形成されている。また、取水用凹部253の底面には取水用貫通孔252が形成されている。
複数のスリット254は、取水用凹部253の内側面と、エミッタ本体221の外側面とを繋いでおり、エミッタ本体221の側面から灌漑用液体を取水用凹部253内に取り入れつつ、灌漑用液体中の浮遊物が取水用凹部253内に侵入することを防止する。スリット254の形状は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。本実施の形態では、スリット254の形状は、エミッタ本体221の外側面から取水用凹部253の内側面に向かうにつれて、幅が大きくなるように形成されている(図7および図8A参照)。このように、スリット254は、いわゆるウェッジワイヤー構造となるように構成されているため、取水用凹部253内に流入した灌漑用液体の圧力損失が抑制される。
複数の凸条255は、取水用凹部253の底面上に配置されている。凸条255の配置および数は、取水部250が取水用凹部253の開口部側から灌漑用液体を取り入れつつ、灌漑用液体中の浮遊物の侵入を防止することができれば特に限定されない。本実施の形態では、複数の凸条255は、凸条255の長軸方向がエミッタ220の短軸方向に沿うように配列されている。また、凸条255は、エミッタ本体221の表面225から取水用凹部253の底面に向かうにつれて幅が小さくなるように形成されている(図9B参照)。すなわち、凸条255の配列方向において、隣接する凸条255間の空間は、いわゆるウェッジワイヤー構造となっている。また、隣接する凸条255間の間隔は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。このように、隣接する凸条255間の空間は、いわゆるウェッジワイヤー構造となるように構成されているため、取水用凹部253内に流入した灌漑用液体の圧力損失が抑制される。
取水用貫通孔252は、取水用凹部253の底面に形成されている。取水用貫通孔252の形状および数は、取水用凹部253の内部に取り込まれた灌漑用液体をエミッタ本体221内に取り込むことができれば特に限定されない。本実施の形態では、取水用貫通孔252は、取水用凹部253の底面において、エミッタ220の長軸方向に沿って形成された1つの長孔である。この長孔は、複数の凸条255により部分的に覆われているため、表面225側から見た場合、取水用貫通孔252は、多数の貫通孔に分かれているように見える。
チューブ110内を流れてきた灌漑用液体は、取水側スクリーン部251によって浮遊物が取水用凹部253内に侵入することが防止されつつ、エミッタ本体221内に取り込まれる。
第1接続溝231(第1接続流路241)は、取水用貫通孔252(取水部250)と、第1減圧溝232とを接続する。第1接続溝231は、裏面224の外縁部においてエミッタ220の長軸方向に沿って直線状に形成されている。チューブ110およびエミッタ220が接合されることで、第1接続溝231とチューブ110の内壁面とにより、第1接続流路241が形成される。取水部250から取り込まれた灌漑用液体は、第1接続流路241を通って、第1減圧流路242に流れる。
第1減圧溝232(第1減圧流路242)は、流量減少部260より上流側の第1流路および第2流路に配置されており、第1接続溝231(第1接続流路241)と第2接続溝233(第2接続流路243)とを接続する。第1減圧溝232(第1減圧流路242)は、取水部250から取り入れられた灌漑用液体の圧力を減圧させて、第2接続溝233(第2接続流路243)に導く。第1減圧溝232は、裏面224の外縁部においてエミッタ220の長軸方向に沿って直線状に配置されている。第1減圧溝232の上流端は第1接続溝231に接続されており、第1減圧溝232の下流端は第2接続溝233の上流端に接続されている。第1減圧溝232の平面視形状は、ジグザグ形状である。第1減圧溝232には、内側面から突出する略三角柱形状の第3凸部236が灌漑用液体の流れ方向に沿って交互に配置されている。本実施の形態では、第3凸部236は、第1減圧溝232の底側に配置されている第1凸部1361と、第1減圧溝232の開口部(裏面224)側に配置されている第2凸部1362とを含む(後述の図8Cおよび図9C参照)。チューブ110およびエミッタ220が接合されることで、第1減圧溝232とチューブ110の内壁面により、第1減圧流路242が形成される。取水部250から取り込まれた灌漑用液体は、第1減圧流路242により減圧されて第2接続溝233(第2接続流路243)に導かれる。
第2接続溝233(第2接続流路243)は、第1減圧溝232(第1減圧流路242)と、第2減圧溝234(第2減圧流路244)および第3減圧溝235(第3減圧流路245)とを接続する。第2接続溝233は、裏面224の外縁部においてエミッタ220の短軸方向に沿って直線状に形成されている。チューブ110およびエミッタ220が接合されることで、第2接続溝233とチューブ110の内壁面とにより、第2接続流路243が形成される。取水部250から取り込まれ、第1接続流路241に導かれ、第1減圧流路242で減圧された灌漑用液体は、第2接続流路243を通って、第2減圧流路244および第3減圧流路245に導かれる。
第2減圧溝234(第2減圧流路244)は、流量減少部260より上流側の第1流路に配置されており、第2接続溝233(第2接続流路243)と、流量減少部260とを接続する。第2減圧溝234(第2減圧流路244)は、第2接続溝233(第2接続流路243)から流入した灌漑用液体の圧力を減圧させて、流量減少部260に導く。第2減圧溝234は、裏面224の外縁部においてエミッタ220の長軸方向に沿って配置されている。第2減圧溝234の上流端は第2接続溝233の下流端に接続されており、第2減圧溝234の下流端は流量減少部260に連通した第1接続用貫通孔265に接続されている。第2減圧溝234の形状は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。本実施の形態では、第2減圧溝234の平面視形状は、第1減圧溝232の形状と同様のジグザグ形状である。第2減圧溝234には、内側面から突出する略三角柱形状の第4凸部237が灌漑用液体の流れ方向に沿って交互に配置されている。第4凸部237は、第2減圧溝234の底側に配置されている第1凸部1361と、第2減圧溝234の開口部(裏面224)側に配置されている第2凸部1362とを含む(後述の図8Cおよび図9C参照)。チューブ110およびエミッタ220が接合されることで、第2減圧溝234とチューブ110の内壁面により、第2減圧流路244が形成される。本実施の形態では、第2減圧溝234(第2減圧流路244)は、後述する第3減圧溝235(第3減圧流路245)より長くなっている。このため、第2減圧溝234(第2減圧流路244)を流れる灌漑用液体は、第3減圧溝235(第3減圧流路245)を流れる灌漑用液体よりも減圧される。取水部250から取り込まれ、第1減圧流路242で減圧された灌漑用液体の一部は、第2減圧流路244により減圧されて流量減少部260に導かれる。
第3減圧溝235(第3減圧流路245)は、流量減少部260より上流側の第2流路に配置されており、第2接続溝233(第2接続流路243)と、流路開閉部270とを接続する。第3減圧溝235(第3減圧流路245)は、第2接続溝233(第2接続流路243)から流入した灌漑用液体の圧力を減圧させて、流路開閉部270に導く。第3減圧溝235は、裏面224の中央部分においてエミッタ220の長軸方向に沿って配置されている。第3減圧溝235の上流端は第2接続流路243の下流端に接続されており、第3減圧溝235の下流端は流路開閉部270に連通した第3接続用貫通孔274に接続されている。第3減圧溝235の形状は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。本実施の形態では、第3減圧溝235の平面視形状は、第1減圧溝232の形状と同様のジグザグ形状である。第3減圧溝235には、内側面から突出する略三角柱形状の第5凸部238が灌漑用液体の流れ方向に沿って交互に配置されている。図8Cおよび図9Cに示されるように、第5凸部238は、第3減圧溝235の底側に配置されている第1凸部1361と、第3減圧溝235の開口部(裏面224)側に配置されている第2凸部1362とを含む。チューブ110およびエミッタ220が接合されることで、第3減圧溝235とチューブ110の内壁面により、第3減圧流路245が形成される。取水部250から取り込まれ、第1減圧流路242で減圧された灌漑用液体の他の一部は、第3減圧流路245により減圧されて流路開閉部270に導かれる。詳細については後述するが、第2流路は、灌漑用液体の圧力が低圧の場合にのみ機能する。
流量減少部260は、第1流路内において第2減圧流路244(第2減圧溝234)と吐出部280との間に配置されており、かつエミッタ220の表面225側に配置されている。流量減少部260は、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じて灌漑用液体の流量を減少させつつ、灌漑用液体を吐出部280に送る。流量減少部260の構成は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。本実施の形態では、流量減少部260は、流量減少用凹部261と、第1弁座部262と、連通溝263と、吐出部280に連通した流量減少用貫通孔264と、第2減圧溝234(第2減圧流路244)に連通した第1接続用貫通孔265と、流路開閉部270の流路開閉用貫通孔273に連通した第2接続用貫通孔266と、フィルム222の一部である第1ダイヤフラム部267とを有する。流量減少用凹部261の内面には、吐出部280に連通した流量減少用貫通孔264と、第2減圧溝234(第2減圧流路244)に連通した第1接続用貫通孔265と、流路開閉部270の流路開閉用貫通孔273に連通した第2接続用貫通孔266とが開口している。
流量減少用凹部261の平面視形状は、略円形状である。流量減少用凹部261の底面には、吐出部280に連通した流量減少用貫通孔264と、第2減圧溝234(第2減圧流路144)に連通した第1接続用貫通孔265と、流路開閉部270に連通した第2接続用貫通孔266と、第1弁座部262とが配置されている。流量減少用凹部261の深さは、特に限定されず、連通溝263の深さ以上であればよい。
流量減少用貫通孔264は、流量減少用凹部261の底面の中央部分に配置されており、吐出部280に連通している。第1弁座部262は、流量減少用貫通孔264を取り囲むように流量減少用凹部261の底面に配置されている。第1弁座部262は、チューブ110を流れる灌漑用液体の圧力が第2圧力以上の場合に、第1ダイヤフラム部267が密着できるように形成されている。第1弁座部262に第1ダイヤフラム部267が接触することによって、流量減少用凹部261から吐出部280に流れ込む灌漑用液体の流量を減少させる。第1弁座部262の形状は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。本実施の形態では、第1弁座部262の形状は、円環状の凸部である。本実施の形態では、円環状の凸部の端面は、内側から外側に向かうにつれて流量減少用凹部261の底面からの高さが低くなっている。第1弁座部262の第1ダイヤフラム部267が密着可能な領域の一部には、流量減少用凹部261の内部と流量減少用貫通孔264を連通する連通溝263が形成されている。第2減圧溝234(第2減圧流路244)に連通した第1接続用貫通孔265と流路開閉部270の流路開閉用貫通孔273に連通した第2接続用貫通孔266とは、流量減少用凹部261の底面において、第1弁座部262が配置されていない領域に形成されている。なお、第2減圧溝234(第2減圧流路244)に連通した第1接続用貫通孔265は、第1弁座部262に囲まれるように配置され、吐出部280に連通した流量減少用貫通孔264が第1弁座部262の外側に配置されていてもよい。
第1ダイヤフラム部267は、フィルム222の一部である。第1ダイヤフラム部267は、流量減少用凹部261の内部とチューブ110の内部との連通を遮断するように配置されている。第1ダイヤフラム部267は、可撓性を有し、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じて、第1弁座部262に接触するように変形する。具体的には、第1ダイヤフラム部267は、灌漑用液体の圧力が高くなるにつれて、第1弁座部262に向かって変形し、やがて第1弁座部262に接触する。第1ダイヤフラム部267が第1弁座部262に密着している場合であっても、第1ダイヤフラム部267は、第1接続用貫通孔265、流量減少用貫通孔264および連通溝263を閉塞しないため、第1接続用貫通孔265から送られてきた灌漑用液体は、連通溝263および流量減少用貫通孔264を通って、吐出部280に送られうる。なお、第1ダイヤフラム部267は、後述の第2ダイヤフラム部275と隣接して配置されている。
流路開閉部270は、第2流路内において第3減圧流路245(第3減圧溝235)と吐出部280との間に配置されており、かつエミッタ220の表面225側に配置されている。流路開閉部270は、チューブ110内の圧力に応じて第2流路を開放して、灌漑用液体を吐出部280に送る。本実施の形態では、流路開閉部270は、流路開閉用貫通孔273および第2接続用貫通孔266を介して流量減少部260に接続されており、第3減圧流路245(第3減圧溝235)からの灌漑用液体は、流路開閉部270および流量減少部260を通って吐出部280に到達する。流路開閉部270の構成は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。本実施の形態では、流路開閉部270は、流路開閉用凹部271と、第2弁座部272と、流量減少部260の第2接続用貫通孔266に連通した流路開閉用貫通孔273と、第3減圧流路245(第3減圧溝235)に連通した第3接続用貫通孔274と、フィルム222の一部である第2ダイヤフラム部275とを有する。流路開閉用凹部271の内面には、第3減圧流路245(第3減圧溝235)に連通した第3接続用貫通孔274と、流量減少部260に連通した流路開閉用貫通孔273とが開口している。また、流路開閉用凹部271は、流量減少部260の流量減少用凹部261と連通している。
流路開閉用凹部271の平面視形状は、略円形状である。流路開閉用凹部271の底面には、第3減圧溝235に接続された第3接続用貫通孔274と、流量減少部260に接続された流路開閉用貫通孔273と、第2弁座部272とが配置されている。第2弁座部272の端面は、第1弁座部262の端面より表面225側に配置されている。すなわち、第2弁座部272は、第1弁座部262より高く形成されている。これにより、フィルム222が灌漑用液体の圧力により変形した場合に、フィルム222は、第1弁座部262より先に第2弁座部272に接触する。
第3減圧溝235に連通した第3接続用貫通孔274は、流路開閉用凹部271の底面において、第2弁座部272が配置されていない領域に形成されている。第2弁座部272は、流路開閉用貫通孔273を取り囲むように流路開閉用凹部271の底面に配置されている。また、第2弁座部272は、第2ダイヤフラム部275に面して非接触に配置され、チューブ110を流れる灌漑用液体の圧力が第1圧力以上の場合、第2ダイヤフラム部275が密着できるように形成されている。チューブ110を流れる灌漑用液体の圧力が第1圧力以上の場合、第2ダイヤフラム部275は、第2弁座部272に密着して流路開閉用貫通孔273を閉塞し、その結果として第2流路を閉塞する。第2弁座部272の形状は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。本実施の形態では、第2弁座部272は、流路開閉用貫通孔273を取り囲むように配置された円環状の凸部である。
第2ダイヤフラム部275は、フィルム222の一部であり、第1ダイヤフラム部267と隣接して配置されている。第2ダイヤフラム部275は、流路開閉用凹部271の内部とチューブ110の内部との連通を遮断するように配置されている。第2ダイヤフラム部275は、可撓性を有し、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じて、第2弁座部272に接触するように変形する。具体的には、第2ダイヤフラム部275は、灌漑用液体の圧力が高くなるにつれて、第2弁座部272に向かって変形し、灌漑用液体の圧力が第1圧力に到達すると、第2弁座部272に接触する。これにより、第2流路(流路開閉用貫通孔273)は閉塞される。
吐出部280は、エミッタ220の裏面224側において、吐出口112に面して配置されている。吐出部280は、流量減少用貫通孔264からの灌漑用液体をチューブ110の吐出口112に送る。これにより、吐出部280は、灌漑用液体をエミッタ220の外部に吐出することができる。吐出部280の構成は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。本実施の形態では、吐出部280は、吐出用凹部281と、侵入防止部282とを有する。
吐出用凹部281は、エミッタ220の裏面224側に配置されている。吐出用凹部281の平面視形状は、略矩形である。吐出用凹部281の底面には、流量減少用貫通孔264および侵入防止部282が配置されている。
侵入防止部282は、吐出口112からの異物の侵入を防止する。侵入防止部282は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。本実施の形態では、侵入防止部282は、隣接して配置された2つの凸条部283を有する。2つの凸条部283は、エミッタ220をチューブ110に接合した場合に、流量減少用貫通孔264および吐出口112の間に位置するように配置されている。
フィルム222は、第1ダイヤフラム部267および第2ダイヤフラム部275を有する。フィルム222の厚さは、例えば0.3mmである。
ヒンジ部223は、エミッタ本体221の表面225の一部に接続されている。本実施の形態では、ヒンジ部223の厚さは、フィルム222と同じ厚さであり、エミッタ本体221およびフィルム222と一体的に成形されている。なお、フィルム222は、エミッタ本体221と別体として準備して、エミッタ本体221と接合してもよい。
エミッタ220は、ヒンジ部223を軸にフィルム222を回動させ、エミッタ本体221の表面225に接合することにより構成される。エミッタ本体221とフィルム222との接合方法は、特に限定されない。エミッタ本体221とフィルム222との接合方法の例には、フィルム222を構成する樹脂材料の溶着や、接着剤による接着などが含まれる。なお、ヒンジ部223は、エミッタ本体221とフィルム222とを接合した後に切断してもよい。
(点滴灌漑用チューブおよびエミッタの動作)
次に、本実施の形態に係る点滴灌漑用チューブの動作について説明する。まず、チューブ110内に灌漑用液体が送液される。灌漑用液体の例には、水、液体肥料、農薬およびこれらの混合液が含まれる。点滴灌漑用チューブへ送液される灌漑用液体の圧力は、簡易に点滴灌漑法を導入できるように、またチューブ110およびエミッタ220の破損を防止するため、0.1MPa以下であることが好ましい。チューブ110内の灌漑用液体は、取水部250からエミッタ220内に取り込まれる。具体的には、チューブ110内の灌漑用液体は、スリット254、または凸条255間の隙間から取水用凹部253に入り込み、取水用貫通孔252を通過する。このとき、取水部250は、取水側スクリーン部251(スリット254および凸条255間の隙間)を有しているため、灌漑用液体中の浮遊物を除去することができる。また、取水部250には、いわゆるウェッジワイヤー構造が形成されているため、取水部250へ流入した灌漑用液体の圧力損失は抑制される。
取水部250から取り込まれた灌漑用液体は、第1接続流路241に到達する。第1接続流路241に到達した灌漑用液体は、第1減圧流路242で減圧されつつ、第2接続流路243に到達する。第2接続流路243に到達した灌漑用液体は、第2減圧流路244および第3減圧流路245に流れ込み、減圧される。このとき、灌漑用液体は、第2減圧流路244と比較して流路長が短く、圧力損失の少ない第3減圧流路245を先行して進む。第3減圧流路245に流れ込んだ灌漑用液体は、第3接続用貫通孔274を通って流路開閉部270に流れ込む。本実施の形態に係るエミッタ220では、第1減圧溝232(第1減圧流路242)の内側面に配置されている第3凸部236と、第2減圧溝234(第2減圧流路244)の内側面に配置されている第4凸部237と、第3減圧溝235(第3減圧流路245)の内側面に配置されている第5凸部238とは、第1凸部1361および第2凸部1362をそれぞれ含む。これにより、本実施の形態に係るエミッタ220においても、第1減圧流路242、第2減圧流路244および第3減圧流路245内では、3次元的に旋回しながら流れる渦流が生じている。
流路開閉部270に流れ込んだ灌漑用液体は、流路開閉用貫通孔273および第2接続用貫通孔266を通って、流量減少部260に流れ込む。次いで、流量減少部260に流れ込んだ灌漑用液体は、流量減少用貫通孔264を通って吐出部280に流れ込む。最後に、吐出部280に流れ込んだ灌漑用液体は、チューブ110の吐出口112からチューブ110外に吐出される。
一方、第2減圧流路244に流れ込んだ灌漑用液体は、第1接続用貫通孔265を通って、流量減少部260に流れ込む。流量減少部260に流れ込んだ灌漑用液体は、流量減少用貫通孔264を通って吐出部280に流れ込む。吐出部280に流れ込んだ灌漑用液体は、チューブ110の吐出口112からチューブ110外に吐出される。
前述したように、流路開閉部270と流量減少部260とは、流路開閉用貫通孔273と第2接続用貫通孔266とを介して連通している。また、流量減少部260では、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じて、第1ダイヤフラム部267が変形することで灌漑用液体の流量が制御され、流路開閉部270では、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じて第2ダイヤフラム部275が変形することで灌漑用液体の流量が制御される。そこで、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じた流量減少部260および流路開閉部270の動作について説明する。
図10A〜Cは、流量減少部260と、流路開閉部270との動作の関係を示す模式図である。なお、図10A〜Cは、図8Aに示されるB−B線における断面模式図である。図10Aは、チューブ110に灌漑用液体が送液されていない場合における断面図であり、図10Bは、チューブ110内の灌漑用液体の圧力が第1圧力である場合における断面図であり、図10Cは、チューブ110内の灌漑用液体の圧力が第1圧力を超える第2圧力である場合における断面図である。
チューブ110内に灌漑用液体が送液される前は、フィルム222に灌漑用液体の圧力が加わらないため、第1ダイヤフラム部267および第2ダイヤフラム部275は、変形していない(図10A参照)。
チューブ110内に灌漑用液体を送液し始めると、流量減少部260の第1ダイヤフラム部267は、第1弁座部262に向かって変形し始める。また、流路開閉部270の第2ダイヤフラム部275は、第2弁座部272に向かって変形し始める。しかしながら、この状態では、第1ダイヤフラム部267が第1弁座部262に密着しておらず、かつ第2ダイヤフラム部275が第2弁座部272に密着していないため、取水部250から取り入れられた灌漑用液体は、第1流路(第1接続流路241、第1減圧流路242、第2接続流路243、第2減圧流路244、流量減少部260および吐出部280)および第2流路(第1接続流路241、第1減圧流路242、第2接続流路243、第3減圧流路245、流路開閉部270、流量減少部260および吐出部280)の両方を通って、チューブ110の吐出口112から外部に吐出される。このように、チューブ110内への灌漑用液体の送液開始時や、チューブ110内の灌漑用液体の圧力が所定の圧力より低い場合には、取水部250から取り入れられた灌漑用液体は、第1流路および第2流路の両方を通って吐出される。
次いで、チューブ110内における灌漑用液体の圧力がより高くなると、第1ダイヤフラム部267および第2ダイヤフラム部275がさらに変形する。そして、第2ダイヤフラム部275が第2弁座部272に接触して、第2流路を閉塞する(図10B参照)。このとき、第2弁座部272の端面は、第1弁座部262の端面より表面225側に配置されているため、第2ダイヤフラム部275は、第1ダイヤフラム部267が第1弁座部262に接触するより先に第2弁座部272に接触する。このとき、第1ダイヤフラム部267は、第1弁座部262に接触していない。このように、チューブ110内の灌漑用液体の圧力がフィルム222を変形させるほど高くなると、第2ダイヤフラム部275が第2弁座部272に近接するため、第2流路を通って吐出される灌漑用液体の液量は減少する。そして、チューブ110内の灌漑用液体の圧力が第1圧力に到達すると、第2流路内の灌漑用液体は、吐出口112から吐出されなくなる。その結果、取水部250から取り入れられた灌漑用液体は、第1流路のみを通って、チューブ110の吐出口112から外部に吐出される。
チューブ110内の灌漑用液体の圧力がさらに高まると、第1ダイヤフラム部267は、第1弁座部262に向かってさらに変形する。通常は、灌漑用液体の圧力が高くなるにつれて、第1流路を流れる灌漑用液体の量が増大するはずであるが、本実施の形態に係るエミッタ220では、第1減圧流路242および第2減圧流路244で灌漑用液体の圧力を減少させるとともに、第1ダイヤフラム部267と第1弁座部262との間隔を狭めることで、第1流路を流れる灌漑用液体の量の過剰な増大を防止している。そして、チューブ110内の灌漑用液体の圧力が第1圧力を超える第2圧力以上である場合に、第1ダイヤフラム部267は、第1弁座部262に接触する(図10C参照)。この場合であっても、第1ダイヤフラム部267は、第1接続用貫通孔265、流量減少用貫通孔264および連通溝263を閉塞しないため、取水部250から取り入れられた灌漑用液体は、連通溝263を通って、チューブ110の吐出口112から外部に吐出される。このように、流量減少部260は、チューブ110内の灌漑用液体の圧力が第2圧力以上である場合、第1ダイヤフラム部267が第1弁座部262に接触することにより、第1流路を流れる灌漑用液体の液量の増大を抑制する。
このように、流量減少部260および流路開閉部270は、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じて、それぞれを流れる液量が相互に補完されるように機能するため、本実施の形態に係る点滴灌漑用チューブは、灌漑用液体の圧力が低圧および高圧のいずれの場合であっても、一定量の灌漑用液体をチューブ110外に吐出できる。
(効果)
以上のように、本実施の形態に係るエミッタ220では、第3凸部236、第4凸部237および第5凸部238は、その先端が第1減圧溝232、第2減圧溝234および第3減圧溝235の中心線を越えるように突出している第1凸部1361と、その先端が第1減圧溝232、第2減圧溝234および第3減圧溝235の中心線を越えないように突出している第2凸部1362とをそれぞれ含む。これにより、第1減圧溝232、第2減圧溝234および第3減圧溝235の深さ方向にも灌漑用液体が移動する渦流を生じさせることができる。この結果として、第1凸部1361を有しない場合および第1凸部1361のみを有する場合と比較して、本実施の形態に係るエミッタ220では、第1減圧流路242内における灌漑用液体の撹拌効果をより高めることができる。したがって、本実施の形態に係るエミッタ220は、第1減圧流路242、第2減圧流路244および第3減圧流路245内で詰まりが生じるのを抑制しつつ、灌漑用液体を定量的に滴下することができる。
さらに、上記実施の形態2に係る点滴灌漑用チューブは、主として低圧時に作動する流路開閉部270と、主として高圧時に作動する流量減少部260を有するため、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に依存せず、灌漑用液体を定量的に滴下することができる。
なお、上記実施の形態1、2では、減圧溝132、第1減圧溝232、第2減圧溝234および第3減圧溝235の深さ方向において、第1凸部1361が底側に配置されており、第2凸部1362が開口部(裏面124、224)側に配置されている場合について説明した。エミッタ120、220の成形しやすさ(離型のしやすさ)の観点からは、上記実施の形態1、2のように、第1凸部1361および第2凸部1362が配置されていることが好ましいが、第1凸部1361および第2凸部1362の配置はこれに限定されない。すなわち、減圧溝の深さ方向において、第1凸部1361が開口部(裏面124、224)側に配置され、第2凸部1362が底側に配置されていてもよい。
また、上記実施の形態2では、エミッタ220およびチューブ110が接合されることにより、第1接続流路241、第1減圧流路242、第2接続流路243、第2減圧流路244および第3減圧流路245が形成されているが、第1接続流路241、第1減圧流路242、第2接続流路243、第2減圧流路244および第3減圧流路245は、予めエミッタ220内に流路として形成されていてもよい。
また、上記実施の形態2では、第1弁座部262および第2弁座部272の高さを変えることにより、フィルム222が変形した場合に接触するタイミングを調整したが、第1弁座部262および第2弁座部272の高さは、同じであってもよい。この場合、第1ダイヤフラム部267および第2ダイヤフラム部275の厚みや材料(弾性)を変えることにより、フィルム222が変形した場合に接触するタイミングを調整してもよい。
また、本発明に係るエミッタおよび点滴灌漑用チューブは、上記実施の形態1、2に係るエミッタ120、220および点滴灌漑用チューブ100に限定されない。本発明に係るエミッタにおける減圧流路の構成は、ジグザグ形状の減圧流路を有するエミッタであれば適用されうる。たとえば、本発明に係るエミッタにおける減圧流路の構成は、米国特許第4718608号明細書や米国特許第5829685号明細書などに記載されているエミッタに適用されうる。
本発明によれば、詰まりを生じることなく、適切な速度での液体の滴下が可能なエミッタを簡易に提供することが可能である。したがって、点滴灌漑や耐久試験などの、長期の滴下を要する技術分野への上記エミッタの普及および当該技術分野のさらなる発展が期待される。
1 エミッタ
2 流路
3 取水口
4 排出口
5 制御路
6 凸部
a 流路の幅
100 点滴灌漑用チューブ
110 チューブ
112 吐出口
120、220 エミッタ
221 エミッタ本体
222 フィルム
223 ヒンジ部
124、224 裏面
125、225 表面
131、231 (第1)接続溝
132、232 (第1)減圧溝
233 第2接続溝
234 第2減圧溝
235 第3減圧溝
136、136’、236 (第3)凸部
1361 第1凸部
1362 第2凸部
237 第4凸部
238 第5凸部
141、241 (第1)接続流路
142、142’、242 (第1)減圧流路
243 第2接続流路
244 第2減圧流路
245 第3減圧流路
150、250 取水部
151、251 取水側スクリーン部
152、252 取水用貫通孔
153、253 取水用凹部
254 スリット
155、255 凸条
260 流量減少部
261 流量減少用凹部
262 第1弁座部
263 連通溝
264 流量減少用貫通孔
265 第1接続用貫通孔
266 第2接続用貫通孔
267 第1ダイヤフラム部
270 流路開閉部
271 流路開閉用凹部
272 第2弁座部
273 流路開閉用貫通孔
274 第3接続用貫通孔
275 第2ダイヤフラム部
180、280 吐出部
181、281 吐出用凹部
282 侵入防止部
283 凸条部
L 中心線

Claims (3)

  1. 灌漑用液体を流通させるチューブの内壁面において、前記チューブの内外を連通する吐出口に対応する位置に接合され、前記チューブ内の前記灌漑用液体を前記吐出口から定量的に前記チューブ外に吐出するためのエミッタであって、
    前記灌漑用液体を取り入れるための取水部と、
    前記吐出口に面して配置され、前記灌漑用液体を吐出するための吐出部と、
    前記取水部および前記吐出部を繋ぎ、前記灌漑用液体を流通させる流路と、
    前記流路に配置され、前記取水部から取り入れられた前記灌漑用液体の圧力を減圧させる減圧流路と、
    を有し、
    前記減圧流路は、
    前記チューブの内壁面によりその開口部を閉塞される溝と、
    前記減圧流路内における前記灌漑用液体の流れ方向において前記溝の内側面の両側から交互に突出している複数の凸部と、
    を含み、
    前記複数の凸部は、前記溝の深さ方向において互いに隣接している第1凸部および第2凸部をそれぞれ含み、
    前記第1凸部は、前記凸部において前記溝の深さ方向における一方の側に配置されており、かつその先端が、平面視されたときに前記溝の中心線を越えるように前記溝の内側面から突出しており、
    前記第2凸部は、前記凸部において前記溝の深さ方向における他方の側に配置されており、かつその先端が、平面視されたときに前記溝の中心線を越えないように前記溝の内側面から突出している、
    エミッタ。
  2. 前記第1凸部は、前記凸部において前記溝の底側に配置されており、
    前記第2凸部は、前記凸部において前記溝の前記開口部側に配置されている、
    請求項1に記載のエミッタ。
  3. 灌漑用液体を吐出するための吐出口を有するチューブと、
    前記チューブの内壁面の前記吐出口に対応する位置に接合された、請求項1または請求項2に記載のエミッタと、
    を有する、点滴灌漑用チューブ。
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