JP6576997B2 - 冷却管及び金型冷却機構 - Google Patents
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すなわち、従来の技術では、内側パイプが銅パイプや薄肉ステンレスパイプなどの金属で形成されているが、冷却流体が内側パイプ内を通って冷却穴に供給される際、金属の内側パイプは外側からの熱が伝わり易く、内部を流通する冷却流体の温度が冷却穴に供給する前に上がってしまうという問題があった。すなわち、冷却穴に供給された冷却流体が金型の熱で加熱された後、排出のために内側パイプの外周を通過するが、この加熱された冷却流体によって内側パイプが外側から熱せられると共に、内側パイプ内を流れる冷却流体の温度も上昇してしまう。このように、従来の内側パイプが単なる金属管であるために、内外間の熱交換によって内部を通る冷却流体の温度が上昇し、冷却穴に供給されて金型を冷却する際に熱損失が大きくなって冷却効率が低下してしまっていた。
すなわち、この冷却管では、外側パイプが、金属で形成され、内側パイプが、樹脂で形成されているので、金属よりも熱伝導率が低い樹脂の内側パイプが内部を流れる冷却流体に対して内側パイプを介した外部との熱交換を抑制し、冷却流体の低い温度を維持することができる。
すなわち、この冷却管では、内側パイプが、金属で形成された外側筒部材と、金属よりも熱伝導率の低い断熱材料で形成され外側筒部材の内側に挿入された内側筒部材とを備えているので、金属の外側筒部材で内側パイプの耐熱性が確保されると共に、熱伝導率の低い内側筒部材で内部を流通する冷却流体への熱交換を抑制することができる。
すなわち、この冷却管では、内側パイプが、金属で形成された主筒部材と、主筒部材の内周面に金属よりも熱伝導率の低い断熱材料で層状に形成された内側低熱伝導率層とを備えているので、金属の主筒部材により内側パイプの耐熱性が確保されると共に、熱伝導率の低い内側低熱伝導率層で内部を流通する冷却流体への熱交換を抑制することができる。
すなわち、この冷却管では、内側パイプが、さらに主筒部材の外周面に金属よりも熱伝導率の低い断熱材料で層状に形成された外側低熱伝導率層を備えているので、内側低熱伝導率層だけでなく主筒部材の外周に形成した外側低熱伝導率層により、外部から熱伝導をさらに抑制することができる。
すなわち、本発明の冷却管及び金型冷却機構によれば、内側パイプの少なくとも一部が、外側パイプよりも熱伝導率の低い断熱材料で形成されているので、外部からの熱が内側パイプ内の冷却流体に伝わり難くなり、低い温度が維持された冷却流体を冷却穴に供給することで、冷却効率の低下を抑えることができる。
上記金型2は、入れ子2Aと、入れ子2Aの外側に設置されたおも型2Bとを備えている。
本実施形態では、外側パイプ7が、金属で形成され、内側パイプ5が、金属よりも熱伝導率の低い断熱材料である樹脂で形成されている。例えば、外側パイプ7が鋼パイプ又はステンレスパイプであり、内側パイプ5が、耐熱ABS,ポリアミド樹脂(PA6,PA66),フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂などで形成されている。
なお、本実施形態では、外側基端部6を外側パイプ7の基端部に一体に設けているが、外側基端部6を別体に設け、外側パイプ7の基端部に着脱可能に螺着させて取り付けた構造としても構わない。
なお、第1接続部6aと第2接続部7aとは、ホース接続用に雌ねじが形成されている。
また、外側パイプ7は、先端部外周に設けられ冷却穴3の内周面に密着可能な外側シール部材7bを有している。
この内側パイプ5の基端部5aは、外側基端部6に形成されたパイプ取付穴6bに固定されている。すなわち、内側パイプ5の基端部5aは、雄ねじ加工されており、外側基端部6のパイプ取付穴6b内において雌ねじ加工された部分にねじ込まれて固定されている。なお、パイプ取付穴6bには、第1接続部6aが連通している。
なお、外側パイプ7の先端は、先端側穴部3cと開口側穴部3bとの境の段部に当接しているので、冷却管4の先端方向への移動が規制されている。また、外側基端部6の基端を押さえ板(バックプレート)で支持しても構わない。
なお、樹脂の内側パイプ5の熱伝導量は、銅パイプの内側パイプと比較すると1/1000程度であり、薄肉ステンレスパイプの内側パイプと比較すると1/100程度となる。したがって、本実施形態では、隙間Sを流れる戻りの熱い冷却流体と内側パイプ5内を流れる冷却流体との熱交換を無視できる程度に大幅に低減することが可能になる。
例えば、上記各実施形態では、冷却穴への冷却管の取り付けにOリングを用いているが、冷却穴に雌ねじ部を形成し、この雌ねじ部に螺着する雄ねじ部を外側パイプの外周面に形成して、ネジ方式で冷却管を冷却穴に取り付けても構わない。また、Oリングと上記ネジ方式とを併用しても構わない。
Claims (4)
- 金型に形成された冷却穴に挿入され冷却流体を前記冷却穴内に供給する冷却管であって、
基端側の供給口から内部に供給された前記冷却流体を先端側の開口部から前記冷却穴内に放出する内側パイプと、
前記内側パイプを隙間を空けて内側に配して前記冷却穴内の前記冷却流体を前記隙間を通して基端側から外部に排出する外側パイプとを備え、
前記内側パイプの少なくとも一部が、前記外側パイプよりも熱伝導率の低い断熱材料で形成され、
前記外側パイプが、金属で形成され、
前記内側パイプが、金属で形成された外側筒部材と、
金属よりも熱伝導率の低い断熱材料で形成され前記外側筒部材の内側に挿入された内側筒部材とを備えていることを特徴とする冷却管。 - 金型に形成された冷却穴に挿入され冷却流体を前記冷却穴内に供給する冷却管であって、
基端側の供給口から内部に供給された前記冷却流体を先端側の開口部から前記冷却穴内に放出する内側パイプと、
前記内側パイプを隙間を空けて内側に配して前記冷却穴内の前記冷却流体を前記隙間を通して基端側から外部に排出する外側パイプとを備え、
前記内側パイプの少なくとも一部が、前記外側パイプよりも熱伝導率の低い断熱材料で形成され、
前記外側パイプが、金属で形成され、
前記内側パイプが、金属で形成された主筒部材と、
前記主筒部材の内周面に金属よりも熱伝導率の低い断熱材料で層状に形成された内側低熱伝導率層とを備えていることを特徴とする冷却管。 - 請求項2に記載の冷却管において、
前記内側パイプが、さらに前記主筒部材の外周面に金属よりも熱伝導率の低い断熱材料で層状に形成された外側低熱伝導率層を備えていることを特徴とする冷却管。 - 金型に形成された冷却穴と、
前記冷却穴に挿入され冷却流体を前記冷却穴内に供給する冷却管とを備え、
前記冷却管が、請求項1から3のいずれか一項に記載の冷却管であることを特徴とする金型冷却機構。
Priority Applications (1)
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JP2017200062A JP6576997B2 (ja) | 2017-10-16 | 2017-10-16 | 冷却管及び金型冷却機構 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017200062A JP6576997B2 (ja) | 2017-10-16 | 2017-10-16 | 冷却管及び金型冷却機構 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2019072733A JP2019072733A (ja) | 2019-05-16 |
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Family Applications (1)
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JP2017200062A Active JP6576997B2 (ja) | 2017-10-16 | 2017-10-16 | 冷却管及び金型冷却機構 |
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