JP6576813B2 - 還元剤供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関から排出される排気の浄化に用いる液体還元剤を排気管内に供給するための還元剤供給装置に関する。
車両に搭載されるディーゼルエンジン等の内燃機関の排気中にはNOX(窒素酸化物)が含まれている。かかるNOXを還元して窒素や水等に分解することにより排気を浄化するための装置として、尿素SCR(Selective Catalystic Reduction)システムが実用化されている。尿素SCRシステムは、液体還元剤として尿素水溶液を使用し、尿素水溶液が分解することにより生成されるアンモニアを排気中のNOXと反応させることにより、NOXを分解するシステムである。
かかる尿素SCRシステムは、排気通路に配設された選択還元触媒と、選択還元触媒よりも上流側の排気通路に尿素水溶液を供給するための還元剤供給装置とを備える。選択還元触媒は、尿素水溶液が分解することにより生成されるアンモニアを吸着し、流入する排気中のNOXとアンモニアとの還元反応を促進する機能を有する。また、還元剤供給装置は、貯蔵タンク内に収容された尿素水溶液を圧送するポンプと、ポンプにより圧送される尿素水溶液を噴射する噴射弁とを備える。
尿素SCRシステムで使用される尿素水溶液の凍結温度は、濃度によって異なる。最も低い凍結温度でも、その温度はマイナス11℃程度である。そのため、停車中に尿素水溶液が凍結し、体積が膨張することによって、ポンプや噴射弁、さらには尿素水溶液を流通させる配管等が破損しないように、内燃機関の停止時には尿素水溶液が還元剤供給装置内から貯蔵タンクに回収される。尿素水溶液は、内燃機関の始動時に還元剤供給装置内に再充填される(例えば、特許文献1を参照)。
特開2010−7560号公報
ここで、還元剤供給装置には、噴射弁を排気熱等の高温の熱量から保護するために、噴射弁を空冷あるいは水冷等により冷却する手段が備えられる。内燃機関の停止後には、かかる冷却手段の機能も停止する場合が多い。上述のように尿素水溶液を貯蔵タンクに回収する制御を実行するにあたり、噴射弁の弁体の周囲の隙間や噴孔等、微細な空間に存在する尿素水溶液をすべて回収することは現実的に困難である。噴射弁の内部に尿素水溶液が残留すると、すでに噴射弁の冷却機能が停止した状態では、排気管等から伝達される熱の影響を受けて、噴射弁の内部に残留した尿素水溶液が加熱されやすくなる。
残留した尿素水溶液が加熱されると、尿素水溶液中の水分が蒸発して、尿素水溶液が結晶化する。結晶化した尿素水溶液は、液体の尿素水溶液に触れることによって再び液体に戻り得る。しかしながら、結晶化した尿素水溶液によって噴射弁を開弁できない場合には、内燃機関の始動時において尿素水溶液を充填しようとしても、内部の空気が抜けないために、液体の尿素水溶液が噴射弁に到達できない。このため、結晶化した尿素水溶液を融解し得るほどの高温に晒されるまでは尿素水溶液の噴射制御を開始することができない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、液体還元剤が結晶化している場合であっても、液体還元剤を噴射弁に到達させやすくすることが可能な、新規かつ改良された還元剤供給装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、内燃機関の排気管に取り付けられて液体還元剤を噴射する噴射弁と、液体還元剤を圧送するポンプと、圧送される液体還元剤を噴射弁に導く供給通路と、を備え、液体還元剤の噴射制御の終了時に噴射弁及び供給通路内の液体還元剤がタンク内に回収され、液体還元剤の噴射制御の開始時に液体還元剤が噴射弁及び供給通路に充填される還元剤供給装置において、供給通路の容積を拡大可能な容積拡大部を備える、還元剤供給装置が提供される。
容積拡大部は、液体還元剤の充填時に可動部が移動して供給通路の容積を拡大してもよい。
容積拡大部は、通電制御によって可動部を移動可能なアクチュエータを有してもよい。
液体還元剤の噴射制御の開始時に、供給通路内の圧力があらかじめ定められた設定圧力となるように液体還元剤が圧送され、容積拡大部が、大気圧下で液体還元剤の供給経路に存在する空気が設定圧力で噴射弁側に押し込まれたときに、圧縮された空気が存在し得る部分に接続されてもよい。
供給通路は、屈曲部分又は湾曲部分を有し、屈曲部分又は湾曲部分よりも下方側の高さ位置で供給通路と噴射弁とが接続され、容積拡大部は、屈曲部分又は湾曲部分に対して上方に接続されてもよい。
以上説明したように本発明によれば、液体還元剤が結晶化している場合であっても、液体還元剤を噴射弁に到達させやすくすることができる。
本発明の実施の形態にかかる還元剤供給装置を備えた尿素SCRシステムを示す概略図である。 同実施形態にかかる還元剤供給装置の制御装置の構成例を示すブロック図である。 従来の還元剤供給装置を示す模式図である。 同実施形態にかかる還元剤供給装置の一例を示す模式図である。 同実施形態にかかる還元剤供給装置の他の例を示す模式図である。 同実施形態にかかる還元剤供給装置の制御方法の一例を示すフローチャートである。 同実施形態にかかる還元剤供給装置の制御方法の他の例を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.尿素SCRシステムの全体構成>
まず、本実施形態にかかる還元剤供給装置20を備えた尿素SCRシステム10の全体構成の一例について説明する。図1は、尿素SCRシステム10の構成例を示す模式図である。尿素SCRシステム10は、ディーゼルエンジン等に代表される内燃機関5の排気系に接続された排気管11の途中に配設された選択還元触媒13と、選択還元触媒13よりも上流側で排気管11内に液体還元剤を噴射する還元剤供給装置20とを備える。尿素SCRシステム10は、例えば自動車等の車両や建設機械、農機等に搭載され、液体還元剤としての尿素水溶液を用いて、内燃機関5から排出される排気中のNOXを還元して分解することにより、排気を浄化するシステムである。
尿素水溶液は、例えば凍結温度が最も低い、約32.5%濃度の尿素水溶液とすることができる。この場合の凍結温度は、約−11℃である。かかる尿素水溶液は、濃度が上昇するにつれて凍結温度が上昇する特性を有しており、溶媒としての水分が蒸発することによって、結晶化しやすくなる。
選択還元触媒13は、内燃機関5の排気中に含まれるNOXを選択的に還元する。例えば、選択還元触媒13は、還元剤供給装置20により供給される尿素水溶液が分解して生成されるアンモニアを吸着する。そして、選択還元触媒13に流入する排気中のNOXは、アンモニアと還元反応することによって分解される。かかる選択還元触媒13は、温度が高いほどアンモニアの吸着可能量が減少する特性を有する。また、選択還元触媒13は、吸着可能量に対する実際のアンモニアの吸着率が高いほど、NOXの還元効率が高くなる特性を有する。
還元剤供給装置20は、選択還元触媒13よりも上流側の排気管11内に、液体還元剤としての尿素水溶液を供給する。尿素水溶液の供給量は、排気中に含まれるNOXの濃度、選択還元触媒13におけるアンモニアの吸着可能量、及び選択還元触媒13の温度等に基づいて、選択還元触媒13の下流側に、NOXあるいはアンモニアが流出しないように制御される。
この他、排気管11には、図示しない温度センサ、NOXセンサ及びアンモニアセンサ等の各種センサが設けられていてもよい。これらのセンサは、それぞれ、排気の温度、NOX濃度、アンモニア濃度等の検出に用いられ得る。また、温度センサによって検出される排気温度は、選択還元触媒13の温度推定に用いられてもよい。
<2.還元剤供給装置>
次に、本実施形態にかかる還元剤供給装置20の構成の一例について詳細に説明する。図1に示すように、還元剤供給装置20は、選択還元触媒13よりも上流側の排気管11に固定された噴射弁31と、尿素水溶液を圧送するポンプ41を有するポンプユニット40と、容積拡大部60とを備える。ポンプ41、噴射弁31及び容積拡大部60は、マイクロコンピュータ等を備えて構成される制御装置100によって駆動制御される。
ポンプ41は、第1の供給通路58を介して、尿素水溶液を貯留する貯蔵タンク50と接続される。また、ポンプ41は、第2の供給通路57を介して噴射弁31と接続される。第2の供給通路57には、他端が貯蔵タンク50に接続されたリターン通路59が接続されており、リターン通路59にはオリフィス45が備えられる。オリフィス45は、第2の供給通路57内の圧力が保持されやすくするために設けられる。また、第2の供給通路57には、第2の供給通路57内の圧力Puを検出するための圧力センサ43が備えられる。
なお、本明細書において、第1の供給通路58からポンプ41及び第2の供給通路57を経由して噴射弁31に至る尿素水溶液の流通経路を「尿素水溶液の供給経路」とも言う。
噴射弁31としては、例えば、通電制御により開弁又は閉弁が切り替えられる電磁式噴射弁が用いられる。かかる噴射弁31は、通電され得るコイルを備え、当該コイルへの通電により発生する磁力によって弁体が移動して開弁する構造を有している。本実施形態では、制御装置100は、第2の供給通路57内の圧力Puが所定の目標値Ptgtとなるように制御しつつ、尿素水溶液の目標噴射量に応じて噴射弁31の開弁時間を調節する。かかる噴射弁31は、排気管11内に直接的に尿素水溶液を噴射するものであり、噴孔が排気管11内に臨むようにして排気管11に取り付けられている。
なお、噴射弁31は、図1に示したように、排気が流れる排気管11の本流部分に取り付けられてもよいし、排気管11の本流部分に合流する分岐部分に取り付けられてもよい。この場合、液体還元剤は、分岐管を通じて排気管11の本流部分に供給される。
噴射弁31は、例えば、内燃機関5の冷却水が流通可能な、図示しない冷却ハウジング内に保持されてもよい。かかる冷却ハウジングは、内燃機関5の運転中には冷却水が循環して噴射弁31を冷却し得る一方、内燃機関5が停止すると、冷却水の循環も停止する。あるいは、噴射弁31は、表面積を拡大して放熱効率を向上し得る、放熱フィンを有していてもよい。かかる放熱フィンは、特に車両等の走行時に、放熱フィンの周囲を流れる空気に乗せて熱を放出し、噴射弁31を冷却し得る。
ここで、噴射弁31は、結晶化した尿素水溶液によって開弁できなくなる場合がある。例えば、噴孔に残留した尿素水溶液が結晶化した場合、結晶化した尿素水溶液によって噴孔が塞がれ、噴射弁31を駆動して弁体をリフトさせたとしても、尿素水溶液は噴射弁31から噴射されない。また、弁体の周囲の隙間に残留した尿素水溶液が結晶化した場合、結晶化した尿素水溶液によって弁体が固着し、噴射弁31に対して通電を行っても弁体をリフトさせることができない。このように噴射弁31が開弁しなくなると、尿素水溶液を噴射させることができないだけでなく、内燃機関5の始動時に尿素水溶液を還元剤供給装置20内に充填する際に、尿素素溶液の供給経路内の空気を抜くことができず、尿素水溶液を充填することができなくなる。
ポンプ41としては、例えば電動式のダイヤフラムポンプやモータポンプが用いられる。制御装置100は、第2の供給通路57内の圧力Pu、すなわち、噴射弁31に供給される尿素水溶液の圧力が所定の目標値Ptgtで維持されるように、ポンプ41の出力を制御する。例えば、制御装置100は、圧力センサ43により検出される圧力Puと目標値Ptgtとの偏差ΔPに基づいて、ポンプ41の出力をフィードバック制御する。
ポンプユニット40には、ポンプ41によって圧送される尿素水溶液の流れる方向を切り替えるための流路切替弁71が備えられている。流路切替弁71は、例えば電磁弁を用いて構成され、制御装置100によって駆動される。本実施形態では、流路切替弁71は、ポンプ41の吸入側と第1の供給通路58、及び、ポンプ41の吐出側と第2の供給通路57をそれぞれ接続する第1の状態と、ポンプ41の吐出側と第1の供給通路58、及び、ポンプ41の吸入側と第2の供給通路57をそれぞれ接続する第2の状態とを切り替え得る。
排気管11内への尿素水溶液の噴射制御を行う場合には、尿素水溶液が貯蔵タンク50側から噴射弁31側へ流れるように、流路切替弁71が第1の状態に保持される。また、還元剤供給装置20内の尿素水溶液を貯蔵タンク50に回収する場合には、尿素水溶液が噴射弁31側から貯蔵タンク50側へ流れるように、流路切替弁71が第2の状態に保持される。例えば、流路切替弁71が、通電状態において第1の状態となり、非通電状態において第2の状態となる場合、尿素水溶液の噴射制御時には流路切替弁71は非通電状態で維持され、尿素水溶液の回収時に制御装置100は流路切替弁71に対して通電する。なお、流路切替弁71を用いる代わりに、逆回転可能なポンプを用いることによって、尿素水溶液が回収可能になっていてもよい。
容積拡大部60は、第2の供給通路57に接続され、第2の供給通路57の容積を拡大可能になっている。かかる容積拡大部60は、例えば、通電制御によって可動部65が進退動し、当該可動部65に接続された図示しないダイヤフラムが変形することによって、第2の供給通路57に連通する空間の容積を変化させるものとすることができる。可動部65は、例えば、所定の空間内を進退動可能なピストンであってよい。可動部65を進退動させるアクチュエータとしては、例えば、電磁コイル式のアクチュエータや、ピエゾ式のアクチュエータとすることができる。
本実施形態にかかる還元剤供給装置20では、アクチュエータに対して電流を供給したときに第2の供給通路57の容積が拡大される形式の容積拡大部60が用いられている。したがって、噴射弁31が正常に開弁して、尿素水溶液の噴射制御が実行される間、容積拡大部60を非通電状態にすることができ、電力消費量が増えることを防ぐことができる。
かかる容積拡大部60は、結晶化した尿素水溶液により噴射弁31を開弁できない場合であっても、尿素水溶液を噴射弁31に到達させるために、2つの機能を発揮し得る。
1つ目の機能は、第2の供給通路57内の圧力Puを上昇させた後に、第2の供給通路57の容積を拡大することにより、負圧によって、第2の供給通路57内の気相を引き込むことである。例えば、内燃機関5の始動時に、ポンプ41を駆動して第2の供給通路57内の圧力Puを上昇させた状態で、第2の供給通路57の容積を拡大させるように容積拡大部60を駆動させると、容積拡大部60内に負圧が発生する。かかる負圧によって、液体である尿素水溶液よりも先に、圧縮率の高い空気が容積拡大部60に流れ込む。したがって、噴射弁31側に押し込まれる空気の体積が減少し、尿素水溶液が噴射弁31に到達しやすくなる。
2つ目の機能は、単純に、第2の供給通路57の容積を拡大することにより、噴射弁31側に押し込まれる空気の一部を容積拡大部60内に導入させて、尿素水溶液を噴射弁31に到達させやすくすることである。かかる機能を発揮させる場合には、容積拡大部60は、噴射弁31にできるだけ近い位置に接続されるとよい。例えば、噴射弁31を開弁できない状態でポンプ41を駆動させた場合に尿素水溶液が到達しない位置において、容積拡大部60が接続されるとよい。これにより、より高圧の空気が容積拡大部60に導入され、噴射弁31側に押し込まれる空気の体積をより小さくすることができる。
すなわち、容積拡大部60が発揮し得る1つ目の機能は、第2の供給通路57内がある程度高圧になった状態で、負圧により気相部分を引き込むことであり、2つ目の機能は、気相部分が押し込まれる領域を、噴射弁31側とは別に形成することである。これらの2つの機能は、容積拡大部60により第2の供給通路57の容積を拡大させるタイミングや、容積拡大部60の接続位置等により、いずれか一方の機能のみが発揮される場合も有り得るし、両方の機能が発揮される場合も有り得る。
容積拡大部60により拡大される容積の大きさは、特に限定されない。例えば、尿素水溶液を貯蔵タンク50内に回収した後に、尿素水溶液の供給経路内に存在する空気の体積V0を100(相対値)としたときに、容積拡大部60によって拡大される容積が、5〜20(相対値)の範囲内とすることができる。容積拡大部60によって拡大される容積が5(相対値)未満の場合には、噴射弁31に対して尿素水溶液を到達させることが困難になる場合がある。また、容積拡大部60によって拡大される容積が20(相対値)を超えると、尿素水溶液を充填すべき領域の容積が大きくなりすぎて、尿素水溶液の充填量が過大になり、充填効率が低下するおそれがある。
<3.還元剤供給装置の基本動作>
本実施形態にかかる還元剤供給装置20では、以下のように基本的な動作が行われる。
まず、内燃機関5の運転状態においては、流路切替弁71が第1の状態で維持され、尿素水溶液が貯蔵タンク50側から噴射弁31側に流れ得る状態で保持されて、ポンプ41が作動する。貯蔵タンク50内の尿素水溶液はポンプ41によって吸い上げられ、第2の供給通路57を介して噴射弁31に向けて圧送される。このとき、圧送される尿素水溶液の一部は、リターン通路59を介して貯蔵タンク50に戻される。
このように尿素水溶液を循環させながら、制御装置100は、第2の供給通路57内の圧力Puが所定の目標値Ptgtとなるように、ポンプ41の出力をフィードバック制御する。また、制御装置100は、内燃機関5の運転状態等に基づいて尿素水溶液の目標噴射量を算出し、噴射弁31の開弁制御を行う。例えば、制御装置100は、尿素水溶液の圧力が目標値Ptgtで維持されていることを前提として、所定の噴射サイクル中における噴射弁31の開弁時間の割合を調節する。これにより、排気管11内に尿素水溶液が噴射される。
特に、内燃機関5の始動時において、噴射弁31を開弁可能な場合には、噴射弁31の開弁により、尿素水溶液の供給経路内に存在していた空気が外部に排出され、当該供給経路内に尿素水溶液が充填され得る。
また、内燃機関5の停止時においては、流路切替弁71が第2の状態に切り替えられ、尿素水溶液が噴射弁31側から貯蔵タンク50側に流れ得る状態で保持されて、ポンプ41が作動する。このとき、噴射弁31は開弁状態で維持され、噴射弁31及びリターン通路59を介して第2の供給通路57内に空気(又は排気)を吸入しながら、噴射弁31、第1の供給通路58、第2の供給通路57、リターン通路59及びポンプ41内の尿素水溶液が貯蔵タンク50内に回収される。
<4.制御装置>
次に、本実施形態にかかる還元剤供給装置20の制御に用いられる制御装置100の構成例について説明する。図2は、制御装置100の構成のうち、内燃機関5の始動時において尿素水溶液を充填する制御に関連する部分を機能的に示したブロック図である。制御装置100は、公知のマイクロコンピュータや、ポンプ41及び噴射弁31の駆動回路等を備えて構成される。
かかる制御装置100は、ポンプ制御部101と、噴射弁制御部103と、容積拡大部制御部105と、異常判定部107とを備える。これらの各部は、具体的には、マイクロコンピュータによるプログラムの実行により実現される機能であってよい。制御装置100には、直接、あるいは、CAN等のバス配線を介して、圧力センサ43等のセンサの検出信号、及び、内燃機関5の運転状態に関連する情報等が入力される。また、制御装置100は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の図示しない記憶素子を備える。これらの記憶素子は、マイクロコンピュータにより実行されるプログラムや、演算処理に用いられる各種パラメータ、演算結果、検出結果等を記憶する。
(4−1.ポンプ制御部)
ポンプ制御部101は、ポンプ41の出力を制御する。例えば、ポンプ制御部101は、ポンプ41を回転駆動するモータの駆動電力を制御して、ポンプ41の回転数を制御する。これにより、尿素水溶液の吐出量が調節される。本実施形態では、ポンプ制御部101は、内燃機関5の始動時において、あらかじめ設定された所定の出力でポンプ41を駆動し、尿素水溶液を噴射弁31側に圧送する。その後、ポンプ制御部101は、圧力センサ43により検出される第2の供給通路57内の圧力Puが所定の目標値Ptgtで維持されるようにポンプ41の出力をフィードバック制御する。
(4−2.噴射弁制御部)
噴射弁制御部103は、噴射弁31の通電制御を実行する。噴射弁制御部103は、内燃機関5の始動時において、ポンプ41の駆動開始後に噴射弁31を開弁して、尿素水溶液の供給経路内に存在する空気を排出させ、尿素水溶液が当該供給経路内に充填されるよう制御を行う。例えば、噴射弁制御部103は、ポンプ41の駆動開始後の所定時間、噴射弁31を開弁状態で維持してもよい。あるいは、噴射弁制御部103は、ポンプ41の駆動開始後に、噴射弁31を断続的に開弁してもよい。
(4−3.容積拡大部制御部)
容積拡大部制御部105は、容積拡大部60の通電制御を実行する。容積拡大部制御部105は、内燃機関5の始動時において、所定のタイミングで容積拡大部60を駆動して第2の供給通路57の容積を拡大させる。これにより、内燃機関5の始動時に、結晶化した尿素水溶液により噴射弁31を開弁することができずに尿素水溶液が充填されにくくなっている状態においても、尿素水溶液が噴射弁31に到達しやすくなる。
例えば、容積拡大部制御部105は、内燃機関5の始動時に、噴射弁31の異常の有無にかかわらず、容積拡大部60を駆動させてもよい。あるいは、容積拡大部制御部105は、内燃機関5の始動後、後述する異常判定部107により、噴射弁31から尿素水溶液が噴射されていないと判定された場合に、容積拡大部60を駆動させてもよい。
また、容積拡大部制御部105は、後述する異常判定部107により、噴射弁31から尿素水溶液が噴射されていると判定された場合に、容積拡大部60の駆動を停止し、拡大されていた第2の供給通路57の容積を元に戻す。これにより、尿素水溶液の噴射制御が実行されている間に、容積拡大部60で消費される電力量をゼロにすることができる。このとき、容積拡大部60内に気相が残っていたとしても、噴射弁31による尿素水溶液の噴射が妨げられることはない。
(4−3−1.従来の例)
図3は、容積拡大部を有しない従来の還元剤供給装置において、噴射弁31を開弁できない場合に、尿素水溶液が噴射弁31に到達しにくいことを示す説明図である。例えば、内燃機関5の始動後、第2の供給通路57内の圧力Puが900kPaで維持されるように尿素水溶液が圧送されるとする。このとき、大気圧(≒101.3kPa)下で尿素水溶液の供給経路内に存在していた空気の体積は、ボイルの法則にしたがって、約9分の1になる。
すなわち、大気圧(≒101.3kPa)下で尿素水溶液の供給経路内に存在していた空気の体積V0を100(相対値)とすると、加圧時の当該空気の体積Vpは、100/9(相対値)となる。したがって、噴射弁31を開弁できない状態では、尿素水溶液が噴射弁31に向けて圧送された場合であっても、噴射弁31側には体積Vpが100/9(相対値)の空気が存在することになる。そのため、尿素水溶液が噴射弁31に到達できず、噴射弁31内で結晶化した尿素水溶液を融解させることができない。
(4−3−2.第1の例)
図4は、容積拡大部60を有する還元剤供給装置20において、噴射弁31を開弁できない場合であっても、第2の供給通路57内の空気の一部を負圧により容積拡大部60に移動させて、尿素水溶液を噴射弁31に到達させる第1の例を示す説明図である。図4に示す還元剤供給装置20の例では、噴射弁31が閉じられた状態でポンプ41により尿素水溶液を圧送したときに尿素水溶液が到達し得る位置に、容積拡大部60が接続されている。尿素水溶液の圧送時における尿素水溶液が到達する位置は、例えば尿素水溶液の供給経路の容積と、加圧時の圧力とに基づいて求めることができる。かかる還元剤供給装置20では、ポンプ41を駆動して第2の供給通路57内の圧力を上昇させた状態で、容積拡大部制御部105は、容積拡大部60を駆動して第2の供給通路57の容積を拡大させる。
そうすると、容積拡大部60には負圧が発生するため、第2の供給通路57内に存在する空気が容積拡大部60に向けて移動する。このとき、液体である尿素水溶液に比べて、収縮率がより高い空気の方が移動しやすく、第2の供給通路57内に存在している空気の一部が容積拡大部60に移動する。したがって、噴射弁31側に閉じ込められる空気の体積は小さくなって、尿素水溶液が噴射弁31内に到達しやすくなる。噴射弁31に到達した尿素水溶液は、噴射弁31内を流れて結晶化した尿素水溶液を湿潤させ、液化する。これにより、噴射弁31の開弁が可能になる。
かかる第1の例にしたがって容積拡大部60を駆動する場合、容積拡大部60は、第2の供給通路57の上方に延びるように接続されてもよい。容積拡大部60がこのように接続されていれば、空気が容積拡大部60により移動しやすくなる。また、第1の例にしたがって容積拡大部60を駆動する場合、噴射弁31は、噴孔が下方に位置するように設けられてもよい。噴射弁31の噴孔が下方に位置することにより、噴射弁31に到達した尿素水溶液が、噴射弁31内を伝って噴孔まで流れやすくなる。したがって、尿素水溶液が噴射弁31内に完全に充填されなくても、噴射弁31を開弁することができる。
この場合、図4に示したように、第2の供給通路57に屈曲部分70又は湾曲部分を設け、当該屈曲部分70又は湾曲部分よりも下方側の高さ位置で第2の供給通路57と噴射弁31とが接続されてもよい。これにより、尿素水溶液が屈曲部分70又は湾曲部分に到達することにより、尿素水溶液が高低差により噴射弁31内に流れ込みやすくなる。
また、第1の例にしたがって容積拡大部60を駆動する場合、容積拡大部60は、噴射弁31が閉じられた状態で尿素水溶液を圧送したときに尿素水溶液が到達しない位置に接続されてもよい。容積拡大部60がかかる位置に接続されていれば、ポンプ41による尿素水溶液の圧送後に容積拡大部60を駆動して第2の供給通路57の容積を拡大したときに、噴射弁31側に押し込まれている空気の一部を確実に容積拡大部60に移動させることができる。
(4−3−3.第2の例)
図5は、容積拡大部60を有する還元剤供給装置20において、噴射弁31を開弁できない場合であっても、第2の供給通路57内の空気を押し込む領域を噴射弁31側以外の領域に形成して、尿素水溶液を噴射弁31に到達させる第2の例を示す説明図である。図5に示す還元剤供給装置20の例では、噴射弁31が閉じられた状態でポンプ41により尿素水溶液を圧送したときに尿素水溶液が到達しない位置に、容積拡大部60が接続されている。かかる還元剤供給装置20では、ポンプ41の駆動の前後にかかわらず、容積拡大部制御部105は、容積拡大部60を駆動して第2の供給通路57の容積を拡大させてよい。
第2の例では、加圧されて圧縮された空気の一部が容積拡大部60内にも導入されることから、噴射弁31側に押し込まれる空気の体積は小さくなる。したがって、尿素水溶液が噴射弁31内に到達しやすくなる。
かかる第2の例にしたがって容積拡大部60を駆動する場合においても、噴射弁31は、噴孔が下方に位置するように設けられてもよい。また、第2の例にしたがって容積拡大部60を駆動する場合においても、図5に示したように、第2の供給通路57に屈曲部分70又は湾曲部分を設け、当該屈曲部分70又は湾曲部分よりも下方側の高さ位置で第2の供給通路57と噴射弁31とが接続されてもよい。これにより、尿素水溶液が噴射弁31内に流れやすくなって、尿素水溶液が噴射弁31内に完全に充填されなくても、噴射弁31を開弁することができる。
なお、第2の例にしたがって容積拡大部60を駆動する場合においても、容積拡大部60は、噴射弁31が閉じられた状態で尿素水溶液を圧送したときに尿素水溶液が到達し得る位置に接続されてもよい。ただし、この場合には、第2の供給通路57内の圧力Puが所定の目標値Ptgtに到達する以前に容積拡大部60に尿素水溶液が流れ込むため、容積拡大部60に移動させ得る空気の体積が小さくなるおそれがある。したがって、第2の例では、容積拡大部60は、噴射弁31が閉じられた状態で尿素水溶液を圧送したときに尿素水溶液が到達しない位置に接続されることが好ましい。
(4−3−4.異常判定部)
異常判定部107は、噴射弁31から尿素水溶液が噴射されているか否かを判定する。噴射弁31から尿素水溶液が噴射されているか否かを判定する方法は特に限定されない。
例えば、異常判定部107は、第2の供給通路57内の圧力Puが所定値以上に高められた状態で、ポンプ41の出力を一定とし、噴射弁31を開弁状態で維持するように制御を行った場合の圧力変化に基づいて、噴射弁31から尿素水溶液が噴射されているか否かを判定する。噴射弁31が正常に開弁している場合、第2の供給通路57内の圧力Puは所定の速度で低下する。一方、噴射弁31が開弁しない場合には、第2の供給通路57内の圧力Puは変化しない。
したがって、例えば、噴射弁31を開弁状態にしてから所定時間経過後の圧力の閾値を設定しておくことにより、噴射弁31の詰まりの有無を判定することができる。このとき、閾値を複数設定して、噴孔の詰まり度合いまで区別できるようにしてもよいし、1つの閾値を設定して、噴孔の詰まりの有無のみを区別できるようにしてもよい。
あるいは、異常判定部107は、噴射弁31に通電される電流波形及びポンプ41の出力に基づいて、噴射弁31の異常を判定することができる。具体的に、異常判定部107は、噴射弁31に対して開弁指示を送信した場合に、噴射弁31に通電される電流波形を監視し、当該電流波形に基づいて弁体が移動しているか否かを判別することにより、弁体の固着の有無を判定してもよい。
噴射弁31は、電磁コイルへの通電量が増大するにつれて弁体を引き付ける磁力が増大し、弁体が移動する構成を有する。弁体が固着していない場合、通電量を徐々に大きくしていくと、弁体が移動し始めるときに一旦電流値が低下するため、電流波形に変化点が発現する。一方、弁体が固着している場合、通電量を増大させても弁体が移動しないため、電流波形に変化点は発現しない。異常判定部107は、噴射弁31に開弁指示を送信した場合に、噴射弁31に通電される電流波形に、このような変化点が発現したか否かを判別することにより、弁体の固着の有無を判定し得る。
さらに、異常判定部107は、選択還元触媒13の下流側にNOXセンサが設けられている場合には、尿素水溶液の噴射制御を実行した上で、NOX濃度が適切に抑えられているか否かを見ることによって、噴射弁31の異常を判定してもよい。この場合、例えば、検出されるNOX濃度が、内燃機関5から排出される排気のNOX濃度から大きく低下していない場合等に、噴射弁31の異常が生じていると判定することができる。
<5.フローチャート>
次に、本実施形態にかかる還元剤供給装置20の制御方法の例について説明する。以下では、内燃機関5の始動時において、尿素水溶液を供給経路内に充填する際の制御のフローチャートの例について説明する。
(5−1.内燃機関の始動時に毎回容積を拡大させる例)
図6は、内燃機関5の始動時に、噴射弁31の異常の有無にかかわらず容積拡大部60を駆動させて、尿素水溶液を供給経路内に充填する方法の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS10において、車両のキースイッチがオンにされ、制御装置100が起動すると、ステップS12において、制御装置100のポンプ制御部101は、あらかじめ設定された所定の出力でポンプ41を駆動させる。次いで、ステップS14において、制御装置100の容積拡大部制御部105は、ポンプ41の駆動開始から、あらかじめ設定された所定時間が経過したか否かを判別する。容積拡大部制御部105は、所定時間が経過するまで待機した後(S14:No)、所定時間が経過したときに(S14:Yes)、ステップS16に進み、容積拡大部60を駆動して第2の供給通路57の容積を拡大させる。所定時間は、例えば、第2の供給通路57に対する容積拡大部60の接続位置に応じて設定され得る。
上述した第1の例にしたがって、負圧により空気を容積拡大部60に移動させるには、第2の供給通路57内の圧力Puが比較的高い値となった後に容積拡大部60が駆動されることが好ましい。この場合、所定時間は、例えば30〜120秒とすることができる。また、上述した第2の例にしたがって、加圧されて圧縮される空気を容積拡大部60内にも導入する場合には、容積拡大部60が駆動されるタイミングは特に制限されない。すなわち、所定時間は、例えば0〜180秒とすることができる。
次いで、ステップS18において、制御装置100の異常判定部107は、噴射弁31の異常判定を行う。かかるステップS18では、異常判定部107は、噴射弁31から尿素水溶液が噴射されているか、すなわち、噴射弁31に異常が無く、正常に開弁しているかを判定する。異常判定部107は、上述の例のとおり、第2の供給通路57内の圧力Puの変化や、噴射弁31に対して開弁指示を送信したときの電流波形、NOX濃度等に基づいて、噴射弁31の異常の有無を判定し得る。ステップS20において、異常判定部107は、噴射弁31の異常の有無を判別する。噴射弁31に異常が見られる場合(S20:No)、尿素水溶液の噴射が開始されていないと推定されることから、第2の供給通路57の容積の拡大を継続したまま、容積異常判定部107は、ステップS18に戻って、異常判定を繰り返す。
一方、ステップS20において、噴射弁31に異常が無いと判定された場合(S20:Yes)、ステップS22に進む。ステップS22において、容積拡大部制御部105は、容積拡大部60の駆動を停止し、拡大されていた第2の供給通路57の容積を元に戻す。その後、ステップS24において、容積拡大部制御部105は、尿素水溶液の噴射制御を開始させる許可指令を生成する。例えば、容積拡大部制御部105は、許可フラグを立ててもよい。以降、尿素水溶液の噴射制御が開始され、尿素水溶液を供給経路内に充填させる制御を終了する。
(5−2.噴射弁の異常時に容積を拡大させる例)
図7は、内燃機関5の始動時に、噴射弁31に異常が見られた場合に容積拡大部60を駆動させて、尿素水溶液を供給経路内に充填する方法の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS30において、車両のキースイッチがオンにされ、制御装置100が起動すると、ステップS32において、制御装置100のポンプ制御部101は、あらかじめ設定された所定の出力でポンプ41を駆動させる。
次いで、ステップS34において、制御装置100の異常判定部107は、噴射弁31の異常判定を行う。かかるステップS34では、異常判定部107は、噴射弁31から尿素水溶液が噴射されているか、すなわち、噴射弁31に異常が無く、正常に開弁しているかを判定する。異常判定部107は、上述の例のとおり、第2の供給通路57内の圧力Puの変化や、噴射弁31に対して開弁指示を送信したときの電流波形、NOX濃度等に基づいて、噴射弁31の異常の有無を判定し得る。
次いで、ステップS36において、異常判定部107は、噴射弁31の異常の有無を判別する。噴射弁31に異常が見られる場合(S36:No)、ステップS42に進み、制御装置100の容積拡大部制御部105は、容積拡大部60を駆動し、第2の供給通路57の容積を拡大する。第2の供給通路57の容積が拡大された後は、ステップS34に戻って、異常判定部107は、再び異常判定を行う。
一方、噴射弁31に異常が見られない場合(S38:Yes)、ステップS38に進み、容積拡大部制御部105は容積拡大部60の駆動を停止する。これにより、第2の供給通路57の容積が拡大されていた場合には元の容積に戻される。また、容積拡大部60が駆動されていない場合には、そのままの状態で維持される。その後、ステップS40において、容積拡大部制御部105は、尿素水溶液の噴射制御を開始させる許可指令を生成する。例えば、容積拡大部制御部105は、許可フラグを立ててもよい。以降、尿素水溶液の噴射制御が開始され、尿素水溶液を供給経路内に充填させる制御を終了する。
以上説明したように、本実施形態にかかる還元剤供給装置20は、第2の供給通路57の容積を拡大する容積拡大部60を備えている。したがって、内燃機関5の始動時に、尿素水溶液を供給経路内に充填する際に、結晶化した尿素水溶液によって噴射弁31が開弁されない場合であっても、尿素水溶液を噴射弁31に到達させやすくすることができる。これにより、結晶化した尿素水溶液が湿潤されて液化され、噴射弁31を開弁可能にすることができる。
また、本実施形態にかかる還元剤供給装置20は、アクチュエータを用いて容積の拡大を制御可能な容積拡大部60を備えている。したがって、噴射弁31の異常の有無に応じて、あるいは、適宜のタイミングで、第2の供給通路57の容積を拡大させることができる。これにより、噴射弁31が開弁されない状態を効率的に解消することができる。あるいは、噴射弁31に異常が見られない場合における、無駄な電力消費をなくすことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態にかかる還元剤供給装置20では、制御装置100による制御指令に基づいて容積拡大部60が駆動されていたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、ダイヤフラム等が接続されたピストンをばね等で付勢しておき、第2の供給通路57内の圧力Puの上昇に応じてピストンが移動して、第2の供給通路57の容積が拡大されてもよい。かかる容積拡大部は、例えば、ポンプ41により尿素水溶液を圧送した状態で、尿素水溶液が到達しない位置に接続されてもよい。かかる容積拡大部によっても、噴射弁31が開弁しない場合であっても、尿素水溶液を噴射弁31に到達させやすくすることができる。また、かかる容積拡大部であれば、尿素水溶液の回収後に、供給経路内に残留していた尿素水溶液が凍結して、膨張した場合であっても、供給経路内の圧力の上昇を抑制することができる。したがって、第2の供給通路57等の破損のおそれを低減することができる。
また、上記実施形態にかかる還元剤供給装置20では、容積拡大部60を駆動して第2の供給通路57の容積を拡大させた後、噴射弁31が開弁したと判断されるまで容積を拡大していたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、第2の供給通路57の容積の拡大及び復帰を繰り返すことにより、第2の供給通路57内での尿素水溶液の到達位置を揺動させることができる。したがって、噴射弁31に対して、繰り返し尿素水溶液を流し込ませて、噴射弁31内で結晶化した尿素水溶液を液化することができる。
5 内燃機関
10 尿素SCRシステム
11 排気管
13 選択還元触媒
20 還元剤供給装置
31 噴射弁
41 ポンプ
43 圧力センサ
50 貯蔵タンク
57 第2の供給通路
58 第1の供給通路
60 容積拡大部
100 制御装置
101 ポンプ制御部
103 噴射弁制御部
105 容積拡大部制御部
107 異常判定部

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気管に取り付けられて液体還元剤を噴射する噴射弁と、前記液体還元剤を圧送するポンプと、圧送される前記液体還元剤を前記噴射弁に導く供給通路と、を備え、前記液体還元剤の噴射制御の終了時に前記噴射弁及び前記供給通路内の前記液体還元剤がタンク内に回収され、前記液体還元剤の噴射制御の開始時に前記液体還元剤が前記噴射弁及び前記供給通路に充填される還元剤供給装置において、
    前記供給通路の容積を拡大可能な容積拡大部を備え
    前記容積拡大部は、前記液体還元剤の充填時に可動部が移動して前記供給通路の容積を拡大し、
    前記容積拡大部は、通電制御によって前記可動部を移動可能なアクチュエータを有する、還元剤供給装置。
  2. 内燃機関の排気管に取り付けられて液体還元剤を噴射する噴射弁と、前記液体還元剤を圧送するポンプと、圧送される前記液体還元剤を前記噴射弁に導く供給通路と、を備え、前記液体還元剤の噴射制御の終了時に前記噴射弁及び前記供給通路内の前記液体還元剤がタンク内に回収され、前記液体還元剤の噴射制御の開始時に前記液体還元剤が前記噴射弁及び前記供給通路に充填される還元剤供給装置において、
    前記供給通路の容積を拡大可能な容積拡大部を備え
    前記液体還元剤の噴射制御の開始時に、前記供給通路内の圧力があらかじめ定められた設定圧力となるように前記液体還元剤が圧送され、
    前記容積拡大部が、大気圧下で前記液体還元剤の供給経路に存在する空気が前記設定圧力で前記噴射弁側に押し込まれたときに、圧縮された空気が存在し得る部分に接続される、還元剤供給装置。
  3. 内燃機関の排気管に取り付けられて液体還元剤を噴射する噴射弁と、前記液体還元剤を圧送するポンプと、圧送される前記液体還元剤を前記噴射弁に導く供給通路と、を備え、前記液体還元剤の噴射制御の終了時に前記噴射弁及び前記供給通路内の前記液体還元剤がタンク内に回収され、前記液体還元剤の噴射制御の開始時に前記液体還元剤が前記噴射弁及び前記供給通路に充填される還元剤供給装置において、
    前記供給通路の容積を拡大可能な容積拡大部を備え
    前記供給通路は、屈曲部分又は湾曲部分を有し、前記屈曲部分又は前記湾曲部分よりも方側の高さ位置で前記供給通路と前記噴射弁とが接続され、
    前記容積拡大部は、前記屈曲部分又は前記湾曲部分に対して上方に接続される、還元剤供給装置。
  4. 前記容積拡大部は、前記液体還元剤の充填時に可動部が移動して前記供給通路の容積を拡大する、請求項またはに記載の還元剤供給装置。
  5. 前記容積拡大部は、通電制御によって前記可動部を移動可能なアクチュエータを有する、請求項に記載の還元剤供給装置。
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