以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の集約型変電設備100の構成の一例を示す外観斜視図である。図中、符号10は変圧器タンクである。変圧器タンク10の外形寸法は、例えば、長さが約4m、幅が約1m、高さが約2mとすることができる。変圧器タンク10の4つの側板を、便宜上、正面側、背面側、右側面側、左側面側の側板とすると、変圧器タンク10の正面側の側板には、3個のフィーダ盤20(VCB盤とも称する)及び継電器盤30が配置されている。変圧器タンク10の背面側の側板には、直流電源盤50及び4個の放熱器60(冷却装置とも称する)が配置されている。変圧器タンク10の右側の側板には、3相交流の各相に対応して3個の気中ブッシング11が適長離隔して配置されている。変圧器タンク10の左側の側板には、NGR盤40が配置されている。変圧器タンク10の天板には、コンサベータ61が取り付けられている。
フィーダ盤20、継電器盤30、NGR盤40及び直流電源盤50は、変圧器タンク10に着脱可能に取り付けることができる。すなわち、集約型変電設備100を工場から搬出する前にフィーダ盤20、継電器盤30、NGR盤40及び直流電源盤50の全部又は一部を、変圧器タンク10に取り付けておくことができる。また、集約型変電設備100を設置場所へ搬送した後に、フィーダ盤20、継電器盤30、NGR盤40及び直流電源盤50の一部を変圧器タンク10に取り付けることもできる。なお、フィーダ盤20、継電器盤30、NGR盤40及び直流電源盤50それぞれの配置は、図1の例に限定されるものではない。また、フィーダ盤20の数及び放熱器60の数も図1の例に限定されない。
本実施の形態の集約型変電設備100は、発電所内または発電所の近隣に設置され、発電所で発生した電圧を昇圧して送電網に送出することができる。また、集約型変電設備100は、送電網の途中の変電所内に設置され、送電網を経由して送電された電圧を降圧してオフィス及び工場などの受電設備へ供給することができる。本明細書では、集約型変電設備100は、発電所(例えば、太陽光発電所)内または発電所の近隣に設置され、電圧を昇圧して送電網に送出する場合について説明する。
集約型変電設備100は、例えば、特高(特別高圧)連系変電所用の集約型の(パッケージ化された)変電設備である。特別高圧は、送電電圧が7000ボルトを超えるものをいう。集約型変電設備100の受電電圧(第1電圧)は、例えば、22kV(または33kVでもよい)とすることができ、送電電圧(第2電圧)は、例えば、77kV(または66kVでもよい)とすることができる。なお、集約型変電設備100の受電電圧(第1電圧)を6600V(高圧)とすることもできる。すなわち、本実施の形態の集約型変電設備100により、特別高圧又は高圧を扱う変電設備を実現することができる。以下、詳細に説明する。
図2は本実施の形態の変圧器タンク10の要部構成の一例を示す平面図である。図2は変圧器タンク10を上方から見た場合を示す。なお、図2では、便宜上、変圧器タンク10内に収容されている設備を破線で示す。変圧器タンク10の右側の側板には気中ブッシング11を取り付けてある。気中ブッシング11は、77kVの電圧(送電電圧)を出力するための端末である。なお、本実施の形態では、77kV側の出力端末を気中ブッシング11としているが、出力端末は気中ブッシングに限定されるものではない。例えば、ガス絶縁開閉装置(GIS:Gas Insulated Switch)と直結するガスブッシングとすることもできる。
図2に示すように、変圧器タンク10は、3相の各相に対応する3つの変圧器本体12、接地変圧器(EVT:Earthed Voltage Transformer)本体13、及び所内変圧器本体14を収容する。また、変圧器タンク10内には、変圧器本体12を冷却するための絶縁油2が満たされている。なお、変圧器本体12は、絶縁油2中に沈められているが、接地変圧器本体13及び所内変圧器本体14は絶縁油2中ではなく気中でもよい。すなわち、3つの変圧器本体12と、接地変圧器本体13及び所内変圧器本体14との間に区画壁を設け、変圧器本体12を収容する区画には絶縁油2を注入し、接地変圧器本体13及び所内変圧器本体14を収容する区画内は気中とすることができる。なお、接地変圧器本体13又は所内変圧器本体14を変圧器タンク10内に収容する場合、接地変圧器本体13又は所内変圧器本体14を独立した変圧器とせずに、変圧器本体12と同じ巻線(例えば、4巻線など)にする構成にしてもよい。
変圧器本体12は、鉄心及びコイルなどを備え、受電電圧(第1電圧、例えば、22kV)を送電電圧(第2電圧、例えば、77kV)に昇圧する。
接地変圧器本体13は、変圧器本体12の受電電圧側に接続される。接地変圧器本体13は、変圧器本体12の受電電圧側の零相電圧を検出し、例えば、1線地絡が発生したときに所要の電路を遮断するために用いられる。
所内変圧器本体14は、変圧器本体12の受電電圧側に接続され、受電電圧を低圧(第3電圧、例えば、210〜105V)に変換する。所内変圧器本体14は、例えば、集約型変電設備100内の所要の機器に105V又は210Vの交流電圧を供給する。
変圧器本体12、接地変圧器本体13及び所内変圧器本体14の間の配線は、変圧器本体12、接地変圧器本体13及び所内変圧器本体14を変圧器タンク10内に取り付ける際に行われる。なお、図2の例では、変圧器タンク10は、接地変圧器本体13及び所内変圧器本体14の両方を収容しているが、接地変圧器本体13及び所内変圧器本体14のいずれか一方のみを収容してもよい。
従来、変圧器タンクとは別個の接地変圧器盤(EVT盤とも称する)を準備し、接地変圧器盤に接地変圧器本体を収容していた。変電設備の設置場所では、別個に搬送された変圧器タンク及び接地変圧器盤それぞれを所定の位置に配置して据え付け工事が行われ、系統図に従って配線工事が行われる。本実施の形態では、接地変圧器本体13が変圧器タンク10に収容してあり、接地変圧器本体13と変圧器本体12との間に配線も変圧器タンク10に収容するときに行われる。これにより、別々に行われていた据え付け工事及び配線工事が不要となり、変電設備の工事期間及び工事費用を低減することができる。
また、従来、変圧器タンクとは別個の所内変圧器盤(所内TR盤とも称する)を準備し、所内変圧器盤に所内変圧器本体を収容していた。変電設備の設置場所では、別個に搬送された変圧器タンク及び所内変圧器盤それぞれを所定の位置に配置して据え付け工事が行われ、系統図に従って配線工事が行われる。本実施の形態では、所内変圧器本体14が変圧器タンク10に収容してあり、所内変圧器本体14と変圧器本体12との間に配線も変圧器タンク10に収容するときに行われる。これにより、別々に行われていた据え付け工事及び配線工事が不要となり、変電設備の工事期間及び工事費用を低減することができる。また、接地変圧器本体13及び所内変圧器本体14を変圧器タンク10内に収容することにより、EVT盤及び所内TR盤が不要となり、設置スペースを削減することができる。
次に、変圧器タンク10の周囲に取り付けられる各種設備について説明する。
図3は本実施の形態の集約型変電設備100の構成の一例を示す正面図であり、図4は本実施の形態の集約型変電設備100の構成の一例を示す左側面図であり、図5は本実施の形態の集約型変電設備100の構成の一例を示す右側面図であり、図6は本実施の形態の集約型変電設備100の構成の一例を示す平面図である。
図3、図4及び図5に示すように、3つのフィーダ盤20が変圧器タンク10の周囲に着脱可能に取り付けられる。より具体的には、フィーダ盤20の天板に設けられたフック(不図示)に吊り下げチェーンを固定してフィーダ盤20を吊り下げて、所定位置まで移動させ、フィーダ盤20の背面上部の複数の取付金具21をボルト及びナットにより変圧器タンク10の側面に固定し、フィーダ盤20の底面の複数の取付金具22をボルト及びナットにより基台1に固定することができる。ボルト及びナットを外せば、フィーダ盤20を変圧器タンク10から取り外すことができる。なお、各盤を固定する固定金具の構成は一例であって、各図に示す例に限定されるものではなく、他の構成で代替することができる。
各フィーダ盤20は、真空遮断器(VCB:Vacuum Circuit Breaker)を収容している。真空遮断器は、変圧器本体12の受電電圧側に接続されるフィーダ(電路)に介装されている。フィーダ盤20のフィーダには、例えば、サブ変電所の変圧器(例えば、22kV/440V)及び低圧配線(200V〜400V程度)を介して、太陽光発電パネル及びPCS(直流交流変換装置)などが接続される。
なお、変圧器本体12が降圧変圧器である場合、複数のフィーダそれぞれには、例えば、サブ変電所の変圧器(例えば、22kV/440V)及び低圧配線(200V〜400V程度)を介して、工場やオフィスの受電設備などが接続される。
真空遮断器(VCB)は、電路の入り切りを行う開閉器であり、開閉器の電極を高真空の容器内に収容し、電流を遮断する際に電極間に発生するアーク放電を構成する物質を高真空内で拡散させてアークを消滅させる遮断器である。
従来、フィーダの数に相当する数のVCB盤を準備し、変電設備の設置場所では、別個に搬送されたVCB盤それぞれを所定の位置に配置して据え付け工事が行われ、系統図に従って配線工事が行われる。本実施の形態では、フィーダ盤20が変圧器タンク10の周囲に取り付けてあるので、変圧器タンク10の据え付け工事を行うだけで、フィーダ盤20も設置され、個別に必要としていたVCB盤の据え付け工事が不要となる。また、複数のフィーダ盤20を変圧器タンク10の周囲に取り付けるときに複数の真空遮断器に対する配線も行われるので、設置場所での配線工事も不要となり、変電設備の工事期間及び工事費用を低減することができる。
図4及び図6に示すように、直流電源盤50が変圧器タンク10の周囲に着脱可能に取り付けられる。より具体的には、直流電源盤50の天板に設けられたフック(不図示)に吊り下げチェーンを固定して直流電源盤50を吊り下げて、所定位置まで移動させ、直流電源盤50の背面上部の複数の取付金具51をボルト及びナットにより変圧器タンク10の側面に固定し、直流電源盤50の底面の複数の取付金具52をボルト及びナットにより基台1に固定することができる。ボルト及びナットを外せば、直流電源盤50を変圧器タンク10から取り外すことができる。また、直流電源盤50を変圧器タンク10に取り付ける際に、不図示のブッシングを接続することにより、所要の配線も行うことができる。
直流電源盤50は、複数の真空遮断器を含む機器を動作させるための直流電圧を供給する直流電源装置(直流電源本体)53(後述の図11参照)を収容する。機器は、直流電圧を電源として必要とする機器であり、例えば、遮断器、断路器、保護継電器、その他の制御回路などを含む。なお、変圧器の冷却装置が自冷式でない場合、冷却装置も機器に含まれる。
従来、変圧器タンクとは別個の直流電源盤を準備し、変電設備の設置場所では、別個に搬送された変圧器タンク及び直流電源盤それぞれを所定の位置に配置して据え付け工事が行われ、系統図に従って配線工事が行われる。本実施の形態では、直流電源盤50が変圧器タンク10の周囲に取り付けてあるので、変圧器タンク10の据え付け工事を行うだけで、直流電源盤50も設置され、個別に必要としていた直流電源盤の据え付け工事が不要となる。また、直流電源盤50を変圧器タンク10の周囲に取り付けるときに必要な配線も予め行われるので、設置場所での配線工事も不要となり、変電設備の工事期間及び工事費用を低減することができる。
図3、図4及び図6に示すように、NGR(Neutral Grounding Resistor)盤40が変圧器タンク10の周囲に着脱可能に取り付けられる。より具体的には、NGR盤40の天板に設けられたフック(不図示)に吊り下げチェーンを固定してNGR盤40を吊り下げて、所定位置まで移動させ、NGR盤40の背面上部の複数の取付金具41をボルト及びナットにより変圧器タンク10の側面に固定し、NGR盤40の底面の複数の取付金具42をボルト及びナットにより基台に1固定することができる。ボルト及びナットを外せば、NGR盤40を変圧器タンク10から取り外すことができる。また、NGR盤40を変圧器タンク10に取り付ける際に、不図示のブッシングを接続することにより、所要の配線も行うことができる。
NGR盤40は、変圧器本体12の受電電圧側に接続される中性点接地抵抗器を収容する。中性点接地抵抗器(NGR)は、接地変圧器(EVT又はGPT:Grounded Potential Transformerとも称する)の中性点に取り付けられる地絡電流を抑制・検出する抵抗器である。
従来、変圧器タンクとは別個のNGR盤を準備し、変電設備の設置場所では、別個に搬送された変圧器タンク及びNGR盤それぞれを所定の位置に配置して据え付け工事が行われ、系統図に従って配線工事が行われる。本実施の形態では、NGR盤40が変圧器タンク10の周囲に取り付けてあるので、変圧器タンク10の据え付け工事を行うだけで、NGR盤40も設置され、個別に必要としていたNGR盤40の据え付け工事が不要となる。また、NGR盤40を変圧器タンク10の周囲に取り付けるときに必要な配線も予め行われるので、設置場所での配線工事も不要となり、変電設備の工事期間及び工事費用を低減することができる。
図3、図5及び図6に示すように、継電器盤30が変圧器タンク10の周囲に着脱可能に取り付けられる。より具体的には、継電器盤30の天板に設けられたフック(不図示)に吊り下げチェーンを固定して継電器盤30を吊り下げて、所定位置まで移動させ、継電器盤30の背面上部の複数の取付金具(不図示)をボルト及びナットにより変圧器タンク10の側面に固定し、継電器盤30の底面の複数の取付金具32をボルト及びナットにより基台1に固定することができる。ボルト及びナットを外せば、継電器盤30を変圧器タンク10から取り外すことができる。また、継電器盤30を変圧器タンク10に取り付ける際に、不図示のブッシングを接続することにより、所要の配線も行うことができる。
継電器盤30は、変圧器本体12の送電電圧側に接続される連系開閉器300(図11参照)に設けられた遮断器VCB303(図11参照)へ制御信号を送出する複数の保護継電器35、36、37、及びフィーダ盤20内の遮断器VCB25へ制御信号を送出する複数の保護継電器38(図11参照)を収容する。連系開閉器300は、例えば、ガス絶縁開閉装置(GIS:Gas Insulated Switch)であり、変流器、断路器、遮断器、避雷器、EVT(接地変圧器)、接地装置(作業用接地装置とも称する)、母線電線路などを絶縁性が高い気体(例えば、六フッ化硫黄)が充填された単一の接地容器内に収容した装置である。電流を遮断する際に電極間に発生するアーク放電に対し、気体を吹き付けることにより、アークを消滅(消弧)することができる。なお、連系開閉器(開閉装置とも称する)は、母線部分を気中絶縁とし、開閉設備はガス絶縁としたハイブリッドGISでもよい。
保護継電器は、計器用変成器を介して変電設備に発生した短絡故障又は地絡故障などの故障を検出し、検出した故障による影響が電力系統の他の箇所に波及することを最小限に抑えるため、故障区間を特定して、迅速に電力系統から切り離すように遮断器へ制御信号を送出する。
従来、変圧器タンクとは別個の継電器盤を準備し、変電設備の設置場所では、別個に搬送された変圧器タンク及び継電器盤それぞれを所定の位置に配置して据え付け工事が行われ、系統図に従って配線工事が行われる。本実施の形態では、継電器盤30が変圧器タンク10の周囲に取り付けてあるので、継電器盤30の据え付け工事が不要となる。また、継電器盤30を変圧器タンク10の周囲に取り付けるときに必要な配線も予め行われるので、設置場所での配線工事を削減することができ、変電設備の工事期間及び工事費用を低減することができる。
図5及び図6に示すように、変圧器タンク10内に満たされた絶縁油2を循環させて絶縁油を冷却する放熱器60を変圧器タンク10の周囲に取り付けてある。変圧器本体12は、鉄心及びコイルなどを備え、電圧変換効率を高くすることができるものの、銅損及び鉄損が発生して熱に変わる。変電設備が扱う電圧が高くなるほど変圧器も大きな電力を扱うことにより、発熱が問題となる。そこで、変圧器タンク10内を絶縁油2で満たし、その中に変圧器本体12を収容する。変圧器本体12で発生した熱を吸収した絶縁油2は、放熱器60へ送られ、放熱器60で冷却されて再び変圧器タンク10内へ循環される。これにより、高い電圧(例えば、特別高圧)を扱う変電設備を実現することができる。
図6に示すように、変圧器タンク10の周囲にフィーダ盤20、継電器盤30、NGR盤40、直流電源盤50及び放熱器60を取り付けた状態で、集約型変電設備100の幅方向の寸法を所定値(例えば、3m)以内とすることにより、集約型変電設備100全体を一括して運搬車両に搭載して輸送することができる。
図7は本実施の形態のフィーダ盤20の取り付け状態の一例を示す模式図である。図7では、変圧器タンク10及びフィーダ盤20の要部の縦断面を模式的に示す。変圧器タンク10内には絶縁油2が満たされている。絶縁油2中に変圧器本体12が保持されている。なお、便宜上、変圧器本体12を保持する保持部材は省略している。変圧器本体12は、鉄心121及びコイル122などを備え、コイル122から口出線123が導出されている。
フィーダ盤20の内壁の所要位置には、真空遮断器23が固定されている。真空遮断器23は、真空バルブ24を備え、フィーダ盤20は、真空バルブ24内に設けられた電極232から真空バルブ24の外側に配線される配線部27を収容している。真空バルブ24は樹脂231(例えば、エポキシ樹脂)でモールドしてある。また、配線部27は樹脂25(例えば、エポキシ樹脂など)でモールドしてある。
真空遮断器23の電極232で遮断する電路には、例えば、22kVの電圧が印加されている。このため、従来、真空遮断器及び配線部などの充電部と、真空遮断器を収容するVCB盤(人が触れる)との間には十分な絶縁を保つため、比較的長い沿面距離を設ける必要があり、VCB盤の形状が大きくなる傾向があった。本実施の形態では、真空バルブ24及び配線部27を樹脂231、25でモールドしてあるので、絶縁耐力が増加し、沿面距離を比較的短くすることができ、フィーダ盤20を小型化することができ、低コストを実現することができる。なお、本実施の形態では、フィーダ盤20それぞれに真空遮断器23を収容する構成であるが、小型化できるので、一つのフィーダ盤20に複数(例えば、2つ)の真空遮断器23(2つのうちの一つは、主幹フィーダ用の真空遮断器23とすることができる)を収容してもよい。
図7に示すように、変圧器タンク10の側板10aにコネクタ部26が取り付けられる。コネクタ部26には、変圧器本体12の受電電圧側の口出線123が接続される。また、コネクタ部26には、フィーダ盤20の樹脂25でモールドされた配線部27が接続される。コネクタ部26は、例えば、スリップオン方式のコネクタであり、口出線123及び配線部27が電気的に接続されるとともに、ブッシングによって絶縁される。これにより、フィーダ盤20を変圧器タンク10に取り付ける場合は、コネクタ部26の接続だけで簡単に配線することができ、複雑な配線工事が不要となる。
次に、本実施の形態に対する比較例として、各種の設備を個別に設置場所で据え付ける場合について説明する。
図8は比較例の場合の変電設備の設置例を示す模式図である。図8は各設備を上方から見た場合を示し、据付面積(占有面積)の概要を表す。図8に示すように、比較例の場合の変電設備は、所内TR盤255、EVT盤220、VCB盤(主幹)230、VCB盤(フィーダF1)240、VCB盤(フィーダF2)250、VCB盤(フィーダF3)260、継電器盤210、直流電源盤270、NGR盤280の9個の設備(ユニット)を、例えば、一列に配置して据え付ける。据え付け工事は、例えば、コンクリート基礎工事を行い、アンカーボルト等でそれぞれの設備を固定する作業を行う。また、変電所の鉄塔の位置に応じて、連系開閉器300、VCT(Voltage and Current Transformer:計器用変成器)400、及び変圧器200を配置して据え付け工事を行う。変圧器200と各設備との間にはダクトを設けて、ダクト内を通じて必要な配線工事を行う。
図9は比較例の場合の変電設備の系統図である。なお、図9では、すべての配線を図示しておらず、主な配線だけを図示している。図9に示すように、VCB盤(F1)240内では、遮断器VCB241、変流器242、保護・計測器243などが接続されている。VCB盤(F2)250内では、遮断器VCB251、変流器252、保護・計測器253などが接続されている。VCB盤(F3)260内では、遮断器VCB261、変流器262、保護・計測器263などが接続されている。VCB盤(主幹)230内では、変流器235、遮断器VCB232、保護・計測器233、保護継電器234などが接続されている。なお、図9では、NGR盤280は不図示である。
EVT盤220内では、避雷器221、EVT222などが接続されている。所内TR盤255内では、所内変圧器256(22kV/105V)が接続されている。直流電源盤270内では、直流電源装置271が接続されている。変圧器200内では、変圧器202、変流器201、203が接続されている。継電器盤210内では、保護継電器211、212、213が接続されている。
連系開閉器300内では、変流器301、断路器302、遮断器VCB303、避雷器304、接地装置305、EVT306が接続されている。図9に示すように、所内TR盤250、EVT盤220、VCB盤(主幹)230、VCB盤(フィーダF1)240、VCB盤(フィーダF2)250、VCB盤(フィーダF3)260、継電器盤210、直流電源盤270、NGR盤280、変圧器200、VCT400、連系開閉器300の間では、多くのケーブルにより配線接続を行う必要がある。
上述のように、比較例の場合、変電設備全体を構成する各種設備を所定の位置に配置して個別に据え付け工事を行うとともに、各種設備を系統図に従って配線する配線工事が必要となる。例えば、変電所の電圧区分が特別高圧になると、各種設備の形状も大型化し、各種設備の据え付け工事及び配線工事の期間及び費用が増大する。
次に、本実施の形態の集約型変電設備100を設置場所で据え付ける場合について説明する。
図10は本実施の形態の集約型変電設備100の設置例を示す模式図である。図10は各設備を上方から見た場合を示し、据付面積(占有面積)の概要を表す。図10に示すように、本実施の形態の集約型変電設備100の場合、変電所の鉄塔の位置に応じて、連系開閉器300、VCT(Combines Voltage and Current Transformer:計器用変成器)400、及び集約型変電設備100を配置して据え付け工事を行う。すなわち、図8に示す比較例の場合には、変圧器200及び9個のユニットを個別に据え付ける工事が必要であった。本実施の形態では、集約型変電設備100だけを据え付ければよい。なお、連系開閉器300及びVCT400は、図8に示す比較例の場合と同様であるので、便宜上、破線を用いて図示している。
このように、本実施の形態によれば、コンクリート基礎工事、設備の据え付け工事の工数を低減することができるので、設備設置工事期間を短縮することができる。また、工事の工数を低減することができるので工事費用を低減することができる。
また、本実施の形態では、図9のEVT盤220内のEVT222に相当する接地変圧器本体13を変圧器タンク10内に収容している。これにより、本実施の形態では、EVT盤220が不要となり、変電設備全体の形状の小型化及び軽量化に寄与することができる。
また、本実施の形態では、図9の所内TR盤250内の所内変圧器に相当する所内変圧器本体14を変圧器タンク10内に収容している。これにより、本実施の形態では、所内TR盤250が不要となり、変電設備全体の形状の小型化及び軽量化に寄与することができる。
また、本実施の形態では、図9のVCB盤(主幹)230、VCB盤(F1)240、VCB盤(F2)250、及びVCB盤(F3)260内の遮断器VCB232、241、251、261に相当する真空遮断器23及び配線部27をモールドタイプとしている。これにより、本実施の形態では、フィーダ盤20を小型化するとともに低コスト化することができる。また、設備(ユニット)の数を削減し、真空遮断器23及び配線部27をモールドタイプとすることにより、保守が容易となる。
また、本実施の形態では、変圧器本体12の鉄心121を鉄損の少ないタイプとし、コイル122の巻線を、例えば、断面積の小さい細線を多数撚り集めた撚線を用いて有効断面積を大きくして銅損を少なくすることにより、高変換効率の変圧器とすることにより、発熱を抑制することができる。これにより、比較例の場合に比べて、放熱器60の形状を小さくし、軽量化するとともに、放熱器60の数を削減することができる。
また、本実施の形態の集約型変電設備100の据付面積(占有面積)は、比較例の場合と比べて大幅に削減(例えば、40%〜60%程度)することができ、設置スペースの確保が容易になる。本実施の形態の集約型変電設備100は、小型化、軽量化が図れるので、例えば、集約型変電設備100を1台の運搬車両で輸送することができ、従来の変電設備のように複数台の運搬車両で輸送する場合に比べて、輸送費用を低減することができる。
図11は本実施の形態の集約型変電設備100の系統図である。なお、図11では、すべての配線を図示しておらず、主な配線だけを図示している。図11において、連系開閉器300及びVCT400は、図9の場合と同様であるので、説明は省略する。集約型変電設備100は、変圧器タンク10の周囲にフィーダ盤20、継電器盤30、直流電源盤50及び不図示のNGR盤40が配置されている。
変圧器タンク10内では、変圧器(変圧器本体)12、変流器15、16、EVT(接地用変圧器)13、所内変圧器(所内変圧器本体)14及び避雷器17などが接続されている。フィーダ盤20内では、遮断器VCB(真空遮断器)23、変流器28、保護・計測器29などが接続されている。継電器盤30内では、保護継電器35、36、37、38などが接続されている。直流電源盤50内では直流電源装置53が接続されている。また、変圧器タンク10、フィーダ盤20、継電器盤30及び直流電源盤50の相互間の配線も、集約型変電設備100内で予め実現されている。
図9に示す比較例との場合に比べて、本実施の形態では、設置場所での各設備(ユニット)間の配線を大幅に削減することができ、配線工事時間の短縮化、配線材料コストの低減化を実現することができる。
本実施の形態において、変圧器タンク10内に、電源変動を抑えるための負荷時タップ切替装置を設けることができる。負荷時タップ切替装置は、コイルの巻線に設けられたタップ上のある地点を選択することにより、変圧器の巻数比を所要の範囲内で変更可能とする装置である。負荷時タップ切替装置は、変圧器本体12を収容する区画とは別の区画内に収容することができ、当該区画内を絶縁油を満たすことができる。
本実施の形態の集約型変電設備は、第1電圧と該第1電圧よりも高い第2電圧との間で電圧を変換する変圧器本体と、前記変圧器本体を収容する変圧器タンクと、前記変圧器本体の前記第1電圧側に接続され、前記第1電圧と該第1電圧よりも低い第3電圧との間で電圧を変換する所内変圧器本体と、前記変圧器本体の前記第1電圧側に接続される接地変圧器本体とを備え、前記所内変圧器本体及び前記接地変圧器本体の少なくとも一方を前記変圧器タンクに収容してある。
本実施の形態では、変圧器タンクは、第1電圧と当該第1電圧よりも高い第2電圧との間で電圧を変換する変圧器本体を収容する。第1電圧は、例えば、22kVとすることができ、この場合、第2電圧は、66kV又は77kVとすることができる。変圧器本体は、昇圧変圧器として使用することができるとともに降圧変圧器としても使用することができる。なお、変圧器タンク内には、変圧器(鉄心及び巻線)を冷却するための油が満たされている。
所内変圧器本体は、変圧器本体の第1電圧側に接続され、第1電圧と当該第1電圧よりも低い第3電圧との間で電圧を変換する。第3電圧は、例えば、105V又は210Vなどとすることができる。所内変圧器本体は、例えば、集約型変電設備内の所要の機器に105V又は210Vの交流電圧を供給する。
接地変圧器本体は、変圧器本体の第1電圧側に接続される。接地変圧器本体は、EVT(Earthed Voltage Transformer)とも称され、変圧器本体の第1電圧側の零相電圧を検出し、例えば、1線地絡が発生したときに電路を遮断するために用いられる。
変圧器タンクは、所内変圧器本体及び接地変圧器本体の少なくとも一方を収容してある。従来、変圧器タンクとは別個の所内変圧器盤(所内TR盤)を準備し、所内変圧器盤に所内変圧器本体を収容していた。変電設備の設置場所では、別個に搬送された変圧器タンク及び所内変圧器盤それぞれを所定の位置に配置して据え付け工事が行われ、系統図に従って配線工事が行われる。本実施の形態では、所内変圧器本体が変圧器タンクに収容してあり、所内変圧器本体と変圧器本体との間に配線も変圧器タンクに収容するときに行われる。これにより、別々に行われていた据え付け工事及び配線工事が不要となり、変電設備の工事期間及び工事費用を低減することができる。
また、従来、変圧器タンクとは別個の接地変圧器盤(EVT盤)を準備し、接地変圧器盤に接地変圧器本体を収容していた。変電設備の設置場所では、別個に搬送された変圧器タンク及び接地変圧器盤それぞれを所定の位置に配置して据え付け工事が行われ、系統図に従って配線工事が行われる。本実施の形態では、接地変圧器本体が変圧器タンクに収容してあり、接地変圧器本体と変圧器本体との間に配線も変圧器タンクに収容するときに行われる。これにより、別々に行われていた据え付け工事及び配線工事が不要となり、変電設備の工事期間及び工事費用を低減することができる。
本実施の形態の集約型変電設備は、前記第1電圧側に接続される複数のフィーダに介装された複数の真空遮断器と、前記複数の真空遮断器を収容するフィーダ盤とを備え、前記フィーダ盤が前記変圧器タンクの周囲に着脱可能に取り付けられる。
本実施の形態では、変圧器本体の第1電圧側に接続される複数のフィーダに複数の真空遮断器が介装されている。変圧器本体が昇圧変圧器である場合、複数のフィーダそれぞれには、例えば、サブ変電所の変圧器(例えば、22kV/440V)及び低圧配線(200V〜400V程度)を介して、太陽光発電パネル及びPCS(直流交流変換装置)などが接続される。また、変圧器本体が降圧変圧器である場合、複数のフィーダそれぞれには、例えば、サブ変電所の変圧器(例えば、22kV/440V)及び低圧配線(200V〜400V程度)を介して、工場やオフィスの受電設備などが接続される。
真空遮断器(VCB:Vacuum Circuit Breaker)は、電路の入り切りを行い開閉器であり、開閉器の電極を高真空の容器内に収容し、電流を遮断する際に電極間に発生するアーク放電を構成する物質を高真空内で拡散させてアークを消滅させる遮断器である。
本実施の形態では、複数の真空遮断器を収容するフィーダ盤(VCB盤)が変圧器タンクの周囲に着脱可能に取り付けられる。従来、フィーダの数に相当する数のVCB盤を準備し、変電設備の設置場所では、別個に搬送されたVCB盤それぞれを所定の位置に配置して据え付け工事が行われ、系統図に従って配線工事が行われる。本実施の形態では、フィーダ盤が変圧器タンクの周囲に取り付けてあるので、変圧器タンクの据え付け工事を行うだけで、フィーダ盤も設置され、個別に必要としていたVCB盤の据え付け工事が不要となる。また、フィーダ盤を変圧器タンクの周囲に取り付けるときに複数の真空遮断器に対する配線も行われるので、設置場所での配線工事も不要となり、変電設備の工事期間及び工事費用を低減することができる。
本実施の形態の集約型変電設備において、前記真空遮断器は、真空バルブを備え、前記フィーダ盤は、前記真空バルブ内に設けられた電極から前記真空バルブの外側に配線される配線部を備え、前記真空バルブ及び前記配線部を樹脂でモールドしてある。
本実施の形態では、真空遮断器は、真空バルブを備える。フィーダ盤は、真空バルブ内に設けられた電極から真空バルブの外側に配線される配線部を備える。真空バルブ及び配線部を樹脂(例えば、エポキシ樹脂など)でモールドしてある。真空遮断器の電極で遮断する電路には、例えば、22kVの電圧が印加されている。このため、従来、真空遮断器及び配線部などの充電部と、真空遮断器を収容するVCB盤(人が触れる)との間には十分な絶縁を保つため、比較的長い沿面距離を設ける必要があり、VCB盤の形状が大きくなる傾向があった。本実施の形態では、真空バルブ及び配線部を樹脂でモールドしてあるので、絶縁耐力が増加し、沿面距離を比較的短くすることができ、フィーダ盤を小型化することができ、低コストを実現することができる。
本実施の形態の集約型変電設備は、前記変圧器タンクの側板に取り付けられ、前記変圧器本体の前記第1電圧側の口出線が接続されるコネクタ部を備え、前記樹脂でモールドされた配線部が前記コネクタ部に接続される。
本実施の形態では、変圧器タンクの側板にコネクタ部が取り付けられる。コネクタ部は、変圧器本体の第1電圧側の口出線が接続される。コネクタ部には、フィーダ盤の樹脂でモールドされた配線部が接続される。コネクタ部は、例えば、スリップオン方式のコネクタであり、口出線及び配線部が電気的に接続されるとともに、ブッシングによって絶縁される。これにより、フィーダ盤を変圧器タンクに取り付ける場合は、コネクタ部の接続だけで簡単に配線することができ、複雑な配線工事が不要となる。
本実施の形態の集約型変電設備は、前記変圧器タンクの側板に取り付けられ、前記変圧器本体の前記第1電圧側の口出線が接続されるコネクタ部を備え、前記樹脂でモールドされた配線部が前記コネクタ部に接続される。
本実施の形態では、直流電源盤は、複数の真空遮断器を含む機器を動作させるための直流電圧を供給する直流電源本体を収容する。機器は、直流電圧を電源として必要とする機器であり、例えば、変圧器の冷却装置、遮断器、断路器、保護継電器、その他の制御回路などを含む。
直流電源盤が変圧器タンクの周囲に着脱可能に取り付けられる。従来、変圧器タンクとは別個の直流電源盤を準備し、変電設備の設置場所では、別個に搬送された変圧器タンク及び直流電源盤それぞれを所定の位置に配置して据え付け工事が行われ、系統図に従って配線工事が行われる。本実施の形態では、直流電源盤が変圧器タンクの周囲に取り付けてあるので、変圧器タンクの据え付け工事を行うだけで、直流電源盤も設置され、個別に必要としていた直流電源盤の据え付け工事が不要となる。また、直流電源盤を変圧器タンクの周囲に取り付けるときに必要な配線も予め行われるので、設置場所での配線工事も不要となり、変電設備の工事期間及び工事費用を低減することができる。
本実施の形態の集約型変電設備は、前記第1電圧側に接続される中性点接地抵抗器と、前記中性点接地抵抗器を収容するNGR盤とを備え、前記NGR盤が前記変圧器タンクの周囲に着脱可能に取り付けられる。
本実施の形態では、NGR(Neutral Grounding Resistor)盤は、変圧器本体の第1電圧側に接続される中性点接地抵抗器を収容する。中性点接地抵抗器(NGR)は、接地変圧器(EVT又はGPT:Grounded Potential Transformerとも称する)の中性点に取り付けられる地絡電流を抑制・検出する抵抗器である。
NGR盤が変圧器タンクの周囲に着脱可能に取り付けられる。従来、変圧器タンクとは別個のNGR盤を準備し、変電設備の設置場所では、別個に搬送された変圧器タンク及びNGR盤それぞれを所定の位置に配置して据え付け工事が行われ、系統図に従って配線工事が行われる。本実施の形態では、NGR盤が変圧器タンクの周囲に取り付けてあるので、変圧器タンクの据え付け工事を行うだけで、NGR盤も設置され、個別に必要としていたNGR盤の据え付け工事が不要となる。また、NGR盤を変圧器タンクの周囲に取り付けるときに必要な配線も予め行われるので、設置場所での配線工事も不要となり、変電設備の工事期間及び工事費用を低減することができる。
本実施の形態の集約型変電設備は、前記第2電圧側に接続される開閉装置に設けられた複数の遮断器それぞれへ制御信号を送出する複数の保護継電器と、前記複数の保護継電器を収容する継電器盤とを備え、前記継電器盤が前記変圧器タンクの周囲に着脱可能に取り付けられる。
本実施の形態では、継電器盤は、変圧器本体の第2電圧側に接続される開閉装置に設けられた複数の遮断器それぞれへ制御信号を送出する複数の保護継電器を収容する。開閉装置は、例えば、ガス絶縁開閉装置(GIS:Gas Insulated Switch)であり、変流器、断路器、遮断器、避雷器、EVT(接地変圧器)、接地装置(作業用接地装置とも称する)、母線電線路などを絶縁性が高い気体(例えば、六フッ化硫黄)が充填された単一の接地容器内に収容した装置である。電流を遮断する際に電極間に発生するアーク放電に対し、気体を吹き付けることにより、アークを消滅(消弧)することができる。なお、開閉装置は、母線部分を気中絶縁とし、開閉設備はガス絶縁としたハイブリッドGISでもよい。
保護継電器は、計器用変成器を介して変電設備に発生した短絡故障又は地絡故障などの故障を検出し、検出した故障による影響が電力系統の他の箇所に波及することを最小限に抑えるため、故障区間を特定して、迅速に電力系統から切り離すように遮断器へ制御信号を送出する。
継電器盤が変圧器タンクの周囲に着脱可能に取り付けられる。従来、変圧器タンクとは別個の継電器盤を準備し、変電設備の設置場所では、別個に搬送された変圧器タンク及び継電器盤それぞれを所定の位置に配置して据え付け工事が行われ、系統図に従って配線工事が行われる。本実施の形態では、継電器盤が変圧器タンクの周囲に取り付けてあるので、継電器盤の据え付け工事が不要となる。また、継電器盤を変圧器タンクの周囲に取り付けるときに必要な配線も予め行われるので、設置場所での配線工事を削減することができ、変電設備の工事期間及び工事費用を低減することができる。
本実施の形態の集約型変電設備は、前記変圧器タンク内に満たされた絶縁油を循環させて絶縁油を冷却する冷却装置を備え、前記冷却装置を前記変圧器タンクの周囲に取り付けてある。
本実施の形態では、変圧器タンク内に満たされた絶縁油を循環させて絶縁油を冷却する冷却装置を変圧器タンクの周囲に取り付けてある。変圧器本体は、鉄心及びコイルなどを備え、電圧変換効率を高くすることができるものの、銅損及び鉄損が発生して熱に変わる。変電設備が扱う電圧が高くなるほど変圧器も大きな電力を扱うことにより、発熱が問題となる。そこで、変圧器タンク内を絶縁油で満たし、その中に変圧器本体を収容する。変圧器本体で発生した熱を吸収した絶縁油は、冷却装置へ送られ、冷却装置で冷却されて再び変圧器タンク内へ循環される。これにより、高い電圧を扱う変電設備を実現することができる。
本実施の形態の集約型変電設備において、前記第1電圧は、特別高圧又は高圧に区分され、前記第2電圧は、特別高圧に区分される。
本実施の形態では、第1電圧は、特別高圧(特高とも称する)又は高圧に区分され、第2電圧は、特別高圧に区分される。特別高圧は、送電電圧が7000ボルトを超えるものをいう。第1電圧は22kV又は33kVとなり、第2電圧は66kV又は77kVとなる。また、第1電圧は6600V(高圧)でもよい。これにより、特別高圧又は高圧を扱う変電設備を実現することができる。
なお、前述の実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせることができる。