JP6576219B2 - エンジン駆動の発電機 - Google Patents

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Description

この発明は、エンジン駆動の発電機に電気的に接続される負荷機器を起動した際の最大負荷が該発電機の定格容量を上回る場合であっても、該負荷機器の最大起動負荷に応じた大容量の発電機を用意する必要がなく、1基で広汎に対応し得るようにした技術に関するものである。
電力会社の電力供給系統から独立して電力を得る自家発電には、多数の形式のものが知られている。そして、何れの自家発電形式の自家発電であっても、その供給電力に接続される負荷が電灯や電熱ヒータのような発熱体の場合は、該電力に規定の電圧と電流が確保されていれば足り、電源周波数の変動は一般に問題視されない。
しかし、供給電力に接続される負荷がパルスモータ等の回転機器や、蛍光灯その他パソコンの如く適正動作が周波数に依存する電気機器の場合は、供給される電源の周波数が変動せず安定していることが要求される。例えば、最近の電気モータの回転制御の多くは電源周波数に依存するため、該周波数は正確で変動のないことが必要である。この要請に応えて、可搬式の発電機として、三相発電機で発電した三相交流をコンバータで直流に一旦変換した後、この直流をインバータで三相交流または単相交流に変換するインバータ発電機が実用化されている。前記インバータは、直流を断続的に入切して交流化する転流制御回路を有し、該回路で直流のオン−オフ(スイッチング)を所定の周期で実行することで、所望周波数の交流が得られるものである。そして、正確で安定した周波数を得るために、基準正弦波を使用したパルス幅変調(PWM)制御が一般に採用されている。
本発明は、内燃エンジン駆動の発電機の交流出力ラインに接続される負荷機器(例えば水中ポンプを駆動するモータ)を起動する際の電気負荷が、該発電機の定格容量を超える場合の技術的対策に関するものである。そこで、実施例として最近広く普及している内燃エンジンで駆動されるインバータ発電機の基本構成について説明する。但し、本願発明はインバータ発電機に限られるものでなく、内燃エンジンで駆動される通常の発電機も含まれる。図1において参照符号10は、120度の位相角で配置した3つの電機子巻線U、V、Wを有する三相発電機を示している。この三相発電機10は、内燃エンジン12により回転駆動されて三相交流を発電する。なお、前記内燃エンジン12は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを指すものであって、該エンジンにはその回転数を電気的に調整する回転数調整回路14(後述)が接続されている。
三相発電機10で発電された三相交流は、サイリスタやトライアック等の整流素子を備えたコンバータ16に入力され、該コンバータ16で直流に変換される。変換後の直流は、電解コンデンサ18で平滑された後に、下流側に設けたインバータ20で単相交流に変換される。該インバータ20は、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)やパワーMOSFET等の自己消弧形スイッチング素子からなり、そのゲートを駆動して直流のオン・オフ切換え(スイッチング動作)を高速で行うことで、該直流を単相交流に変換する。得られた単相交流は、前記インバータ20に直列接続した各正弦波出力フィルタ22を介して、U1相端およびV1相端に出力される。なお、図1は三相発電機10を1基備えて、U1相端およびV1相端に交流を出力する単相二線式を例示している。
前記三相発電機10、コンバータ16およびインバータ20の各電気要素は、制御ユニット24に内蔵した各種回路によって電気的な制御がなされる。すなわち、前記制御ユニット24における電源回路26は、前記三相発電機10のU相および0相に接続して交流電源の供給を受け、該電源回路26で電圧降下および直流交換を行った後、該制御ユニット24の各種回路へ降圧された直流電源を供給する。また、直流電圧制御回路28は、前記コンバータ16で交流から直流に変換された際の直流電圧を一定範囲に制御するものである。この直流電圧制御回路28は、前記コンバータ16で変換された直流の電圧を所望の値に設定するための抵抗(直流電圧設定抵抗)を基板中に備えている。
前記インバータ20に内蔵した自己消弧形スイッチング素子のゲートは、インバータ駆動回路30により駆動される。例えば、インバータ駆動回路30はパルス幅変調(PWM)回路を備え、正弦波用のデータ信号から作られた基準周波数の正弦波と、搬送波(三角波)とが重畳された合成信号の入力を受け、ここでパルス幅変調されたパルスが前記自己消弧形スイッチング素子のゲートを開閉駆動して転流制御を行う。また、図1において基準正弦波発生回路32は、基準となる所望周波数の正弦波を作り出すのに必要なデータ信号を発生するものである。この基準正弦波発生回路32からの正弦波作成用のデータ信号は、該回路32に接続している正弦波変換回路34へ入力される。この正弦波変換回路34は、前記データ信号を使用して所望の基準正弦波を発生する。そして前記基準正弦波は、搬送波発生回路36が発生する搬送波(三角波で、前記基準正弦波より高い周波数に設定してある)と出力比較されて、重畳的な合成信号を形成し、該合成信号が前記インバータ駆動回路30へ入力される。なお、前記基準正弦波発生回路32では、基準正弦波を設定する電圧を所望の値に設定するための抵抗(基準正弦波電圧設定抵抗)を基板中に備えており、この抵抗はモジュールとしての交換が可能になっている。また、符号38は電圧フィードバック回路を示し、この電圧フィードバック回路38は前記U1相端およびV1相端に出力された単相交流の電圧を検出して、その検出値を前記インバータ駆動回路30へフィードバックするものである。
図1の三相発電機10は、単独の電機子巻線U、V、Wを備えていて、最終的に単相交流を出力するものであった。これに対し、図2に示すインバータ発電機の三相発電機10は、マスター電機子巻線10aとスレーブ電機子巻線10bとを有して、最終的に単相交流を出力するもので、それ以外の基本構成は、図1のインバータ発電機と同じである。但し、コンバータは、前記マスター巻線10aが発電した三相交流を直流に変換する第1コンバータ16aと、前記スレーブ巻線10bが発電した三相交流を直流に変換する第2コンバータ16bとから構成される。これら第1および第2コンバータ16a、16bからの各直流は、前記インバータ20において単相交流に変換される。得られた単相交流は、各正弦波出力フィルタ22を介してU1相端、V1相端およびW1相端に出力される。
なお図2のインバータ発電機は、U1相、V1相およびW1相の出力端を有するが、交流出力は三相でなく単相になっている。すなわちインバータ20から出力される交流は単相であって、この単相交流はU1相端およびV1相端に出力される。従って、図示のW1相端は中性点0になっている。これはインバータ20が内蔵する自己消弧形スイッチング素子を二相分だけとして、前記インバータ駆動回路30による該スイッチング素子のゲート制御を二相分についてのみ行うようにしたからである。なお、図2に示すインバータ発電機に関して、前記電源回路26、直流電圧制御回路28および電圧フィードバック回路38が前記制御ユニット24に内蔵されていることは、図1に示すインバータ発電機の構成と同じである。
図1に示す回路は単相二線方式のものであり、また図2に示す回路は単相三線方式であったが、図8に略示する如く、三相四線方式の回路も存在する。これは、三相発電機10の中性点から引き出した中性線0に対し、U1相、V1相およびW1相の電圧線を共通接続することで、U1相−W1相、W1相−V1相およびU1相−V1相の各相間に高い電圧を得る方式である。例えば、U1相、W1相およびV1相の各端子にAC230Vが出力される場合、前記三相四線方式では、U1相−W1相、W1相−V1相およびU1相−V1相に相間電圧として何れもAC400Vが出力される。そして、この三相四線方式を採用したインバータ発電機にも本発明を応用することで、後述するインラッシュ(突入電流)に対して効果的に使用し得る。
特開2008−237009号公報
図1の単相二線方式、図2の単相三線方式および図8の三相四線方式に係るインバータ発電機は、内燃エンジンにより回転駆動される三相発電機から出力される三相交流をコンバータで直流に変換した後に、インバータにより直流から交流へ変換し、併せて前記制御ユニットで前記コンバータおよびインバータの適切な電気的制御を行うことで、正確で安定した所要周波数の単相または三相の交流が得られるものである。
しかし、インバータ発電機の交流出力には、当然のことながら定格容量があり、この定格容量は三相発電機10の発電容量、内燃エンジン12の最大回転数、コンバータ16やインバータ20の電気変換効率等の各種要素に総合的に依存する。また、一般に発電機の出力容量(定格出力)と、これに電気的に接続される負荷機器54の電気容量との間には密接な関係がある。殊に、負荷機器の駆動源であるモータを始動する際は、該モータに定常運転時を遙かに超える大きな電気的負荷(突入電流)が短時間ではあるが発生する。しかるに、発電機の定格容量が前記負荷機器における起動時の大きな電気的負荷より小さい場合は、これに対処困難である。例えば、モータで駆動される水中ポンプやベルトコンベアを始動する場合、その負荷率は約3倍〜4倍になる。
従って、エンジン駆動の発電機に負荷機器を電気的に接続する場合は、該負荷機器の始動時に発生する大きな電気負荷を考慮して、該発電機の定格容量に充分な余裕を持たせ、大きな容量の発電機を選定するのが一般的である。例えば、水中ポンプを使用する場合、発電機に接続される電気モータ(負荷機器)の電気容量が11KVAの場合、前記発電機の発電容量は約3〜4倍の50KVAの型式を選定する必要がある。
このように従来は、発電機に接続される負荷機器の電気容量は、起動時には約3倍〜4倍の負荷容量が必要になるため、これに対応して該発電機の定格発電出力も、負荷機器の最大負荷に見合ったものを選定する必要があった。しかし、前記発電機に接続される負荷機器は1機種とは限らない。むしろ工事現場等では、水中ポンプ、ベルトコンベアその他電気モータにより駆動される各種建機が、1基の発電機に交互に接続換えをされる場合が多い。このような場合に、各種負荷機器毎に各最大負荷に見合った定格負荷の発電機を用意することは、理想的ではあるがコスト面から実際的でない。また、現場で使用される可能性のある各種負荷機器の中から最大の電気負荷を要する機種に合わせて、大きな定格容量を有する発電機を1基だけ用意することも考えられる。しかし、1つの負荷機器の最大負荷だけが突出していて、他の負荷機器の最大負荷は余り大きくない場合、最大定格が大きい発電機を選定することはオーバースペックになりかねず、コスト等の兼ね合いから好ましくない。
発明者は、前記課題を解決するべく試行を重ねた結果、以下の知見を得た。すなわち、エンジン駆動の発電機の交流出力には定格があって、その定格交流出力の範囲内で運転がなされる。しかし、各種の電気応用機器は、定格出力の範囲内で定常運転する必要があることは勿論であるが、瞬間的に定格出力を超えただけで直ちに損傷等の不具合を生じては実用的でないから、定格出力に対し或る程度の余裕を見込んで設計してある。どの程度の余裕を見込むかは、各種電気機器により差はあるが、短時間であれば定格出力を超えても運転を続行し得る余裕を持たせた安全設計がなされている。しかし、安全設計を見込んであるとしても、前記発電機の場合、或る程度の余裕を見込んだ安全設計がなされてはいるが、これに接続される負荷機器の起動時の大きな電気負荷を克服し得る程度にはなっていない。
発明者はこの点に注目したものであって、起動時の電気負荷が発電機の定格容量を大きく超える負荷機器を接続する場合、当該負荷機器を起動して定常運転に移行させるまでの短時間だけ、当該発電機を駆動する内燃エンジンの回転数を増大させて、該発電機から定格交流出力を超えた大きな交流を出力させることにしたものである。勿論、前記発電機の操作に関与する者が、その交流出力ラインに接続される負荷機器の起動負荷が該発電機の定格出力を大きく超えていることを覚知した場合に、内燃エンジンのスロットル弁を手動操作して一時的に回転数を増大させることは考えられる。しかし、この場合は、負荷機器の起動毎に操作者の手を煩わせることになって実用的でない。そこで、本願の発明者は、発電機の交流出力ラインに各種の負荷機器を接続しても、その負荷機器の起動負荷が大きい場合はこれを自動的に検知して、該発電機における内燃エンジンの回転数を増大させるようにしたものである。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため請求項に記載の発明は、
内燃エンジンと、前記内燃エンジンの回転数を電気的に調整する回転数調整回路と、前記内燃エンジンにより駆動されて三相交流を発電する三相発電機と、前記三相発電機が発電した三相交流を直流に変換するコンバータと、前記コンバータからの直流を単相交流に変換するインバータと、前記コンバータおよびインバータを電気的に制御する制御ユニットとからなるインバータ発電機において、
前記インバータからの交流出力ラインに設けられて、該交流出力ラインを流れる1次電流を2次電流に変換する変流器と、
前記変流器で変換された2次電流に係る交流を直流に変換する第2コンバータと、
前記第2コンバータで変換された直流を差動増幅するオペアンプとからなり、
前記オペアンプにより所定値に差動増幅された直流電圧を前記回転数調整回路へ入力して、前記インバータ発電機に電気的に接続される負荷機器の最大負荷に応じて前記内燃エンジンの回転数を調整するようにし
前記オペアンプの出力側と前記回転数調整回路の入力側とは出力信号調整回路で接続され、
前記出力信号調整回路は、
前記オペアンプから分岐した一方の直流電圧が入力されると共に、定電圧ダイオードにより定電圧を出力する第2オペアンプと、
前記オペアンプから分岐した他方の直流電圧が入力される第3オペアンプと、
前記第2オペアンプから定電圧に調整された直流電圧および前記第3オペアンプから所定値に差動増幅された直流電圧が入力されて、各直流電圧に対応する出力信号の波形を加算させる加算回路とからなり、
前記加算回路から出力される直流の信号波形は、前記負荷機器における負荷率の所望値までは前記信号波形の上昇幅が大きく、また前記所望値より後は該信号波形の上昇幅が緩やかになっていることを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、インバータ発電機に接続される負荷機器における起動時の電気負荷が大きい場合は、起動時に瞬間的に発生する過負荷電流を検出して該インバータ発電機を駆動するエンジンの回転数を増大させることで対応することができる。また、内燃エンジンの回転数調整回路へ入力される出力信号の上昇幅に差が設けてあるので、内燃エンジンの回転数が低くてもインバータ発電機の出力効率を高めることができる。
請求項に係る発明では、前記オペアンプから出力される直流が前記回転数調整回路に入力されるラインに切換スイッチが設けられ、前記切換スイッチは常には前記オペアンプの出力側と前記回転数調整回路とを接続していると共に、前記切換スイッチを切換えて所定値の直流を前記回転数調整回路へ入力することで、前記内燃エンジンの回転数を上限値まで上昇させることができることを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、常にはエコモードによる定常運転を行い、ユーザーの希望に応じて内燃エンジンの回転数を増大させることで、インバータ発電機の発電効率を増加させることができる。
内燃エンジンにより駆動される発電機に接続される負荷機器における起動時の電気負荷が大きい場合は、その過負荷電流を検出して、該発電機を駆動するエンジンの回転数を増大させることで、起動時の電気負荷が大きい負荷機器であっても円滑に始動させることができる。
本発明が実施される単相二線の交流を出力するインバータ発電機の全体回路図である。 本発明が実施される単相三線の交流を出力するインバータ発電機の全体回路図である。 インバータ発電機の交流出力ラインに変流器を設けて、負荷機器を起動させた際の負荷電流の増大を検知する場合の回路図である。 図3に示した回路に、更に効率化を図るための回路を付加した場合の回路図である。 変流器で検出した出力信号の波形図であって、(1)はオペアンプからの出力信号波形、(2)は第3オペアンプからの出力信号波形、(3)は第2オペアンプからの出力信号波形、(4)は加算回路を経た出力信号波形を示している。 突入電流に対処するため出力電圧を調整する保護装置の回路図である。 図6に示す回路に設けた過電流制御回路および基準正弦波信号回路の詳細を示す回路図である。 本発明が実施される三相四線の交流を出力するインバータ発電機の一部回路図である。
本発明は、内燃エンジン駆動の発電機の交流出力ラインACに負荷機器54を接続して起動させた場合に、該発電機の定格交流出力を超える大きな電気負荷を生じても、この過大負荷を自動的に検出して内燃エンジン12の回転出力を一時的に増大させ、これによりインバータ発電機の出力を増加させることで対処するものである。なお、本発明が実施される発電機は、内燃エンジンで駆動される形式のものであれば、一般的な発電機であっても、インバータ発電機であってもよいことは前述した通りである。なお、インバータ発電機の場合は、これに使用される制御ユニット24は、図1の単相二線式および図2の単相三線式で説明したものと全く同じである。
図1および図2に示すように、インバータ発電機の交流出力ラインACには、例えば水中ポンプを駆動するモータが負荷機器54として接続されている。この負荷機器54は、前述したように、起動時に大きな電気負荷を生ずるために、前記交流出力ラインACに過負荷電流が突発的に流れる。この過負荷電流を検出するために、図3に示す如く、一方の交流出力ラインAC(例えばU相)に変流器CTを設ける。この変流器CTは、交流出力ラインACに流れる交流の1次電流を2次電流に変換する所謂変成器であって、この2次電流を伴う交流を直流に変換して増幅することで、前記負荷機器54に生じた過大な負荷電流を知ることができる。
図3において、前記変流器CTで変成された2次電流を伴う交流は、直流変換素子である第2コンバータ40へ入力され、ここで直流に変換される。変換された直流は、電解コンデンサ58で濾波された後、オペアンプ42に入力されて所定電圧値に差動増幅される。差動増幅された直流は、下流に設けたダイオード60およびエコモード用の切換スイッチ56(後述)を通過した後、図1および図2で説明した内燃エンジン12の回転数調整回路14に入力される。前記回転数調整回路14は、これに入力される電気的な制御信号の強弱等の変化を受けて前記内燃エンジン12のスロットル弁を開閉し、該内燃エンジン12の回転数を増減させるものである。
前記回転数調整回路14へ入力される直流の電流値は、前記交流出力ラインACに接続される前記負荷機器54を起動した際に生ずる過負荷電流の大きさに比例している。従って、前記負荷機器54に生じた過負荷電流に応じた電流値の直流が前記回転数調整回路14に入力され、該回転数調整回路14は内燃エンジン12の回転数の増減を制御する。例えば、前記負荷機器54を起動する際の電気負荷が、インバータ発電機の定格交流出力を上回る場合は、前記交流出力ラインACに流れる過負荷電流を前記変流器CTが検出し、前記回転数調整回路14に内燃エンジン12の回転数を増大させる指令を与える。これによりインバータ発電機は、起動時の電流が大きい負荷機器が接続されても、一時的なエンジン回転数の増大により対応することができる。すなわち、負荷機器の始動電流が大きい(高負荷)時は、内燃エンジン12の回転数を上げることで対処でき、また定常運転に移行して通常負荷になった際は、内燃エンジン12の回転数を下げて使用することができる。このように、起動時の電気負荷が大きい負荷機器54をインバータ発電機に電気的に接続する場合であっても、それに応じた大きな定格出力のインバータ発電機を用意する必要がなく、適切な定格出力のインバータ発電機を用意するだけで起動電流の大きな負荷機器に対応でき、極めて経済的である。
(エコモードスイッチについて)
図3に関して説明したように、前記オペアンプ42から出力される直流が前記回転数調整回路14に入力されるラインには、切換スイッチ56が設けられている。この切換スイッチ56は、前記回転数調整回路14への入力ラインを、前記オペアンプ42の側と+5Vの直流電源の側との何れかへ選択的に切換え得る回路スイッチである。そして、前記切換スイッチ56は、図3に示すように、常には前記オペアンプ42の側に接続しているが(エコモード運転)、ユーザーが前記内燃エンジン12の回転数を上げてインバータ発電機を高効率化することを望む場合は、前記+5Vの直流電源側に強制的に切換えて、高い回転数での使用を可能にする。すなわち、切換スイッチ56はエコモードスイッチであって、常には前記オペアンプ42からの出力を前記回転数調整回路14に入力させて、経済的なエコモード運転を実現している。
(エンジン出力を向上させる付加回路について)
図4に示す回路は、図3の回路に付加するだけでエンジン出力を更に向上させ得る提案に関するものである。すなわち、前記オペアンプ42の出力側と、前記回転数調整回路14の入力側との間に、図4に示す出力信号調整回路44を介在させることで、前記内燃エンジン12の回転数が低い状態であっても高い出力を得ることができる。
例えば、前記出力信号調整回路44は、図4に示すように、前記オペアンプ42から分岐した一方の直流電圧が入力される第2オペアンプ48と、該オペアンプ42から分岐した他方の直流電圧が入力される第3オペアンプ50とを備えている。前記第2オペアンプ48および第3オペアンプ50の何れにも、その反転入力端子(−)と出力端子との間に調整抵抗62が並列接続されて出力信号波形が低くなるよう設定してある。ここで、前記オペアンプ42からの出力波形を図5(1)に示し、また前記第3オペアンプ50からの出力波形を図5(2)に示す。また、前記第2オペアンプ48の出力端に定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)46が接続され、該第2オペアンプ48からの出力を定電圧にすることで、出力信号波形の上限を頭打ちにしている(図5(3)参照)。前記第2オペアンプ48から出力され、かつ前記定電圧ダイオード46により調整された直流電圧と、前記第3オペアンプ50から出力された直流電圧とは、加算回路(オペアンプ)52に入力され、該加算回路52は各直流電圧に対応して重畳している各出力信号波形を加算することで合成信号を得る(図5(4)参照)。
すなわち、前記加算回路52で加算された出力信号波形は、図5(4)に示すように、負荷率が50%を超える辺りまでは該波形の上昇幅が大きく、そのピークを過ぎた以降は該波形の上昇幅が緩やかになっている。従って、図5(4)に示す出力信号の波形を前記回転数調整回路14へ入力することで、インバータ発電機を駆動する前記内燃エンジン12の回転数が低い状態であっても、該インバータ発電機から高い出力を得ることができる。なお、出力電圧を調整するためには、前記第2オペアンプ48および第3オペアンプ50の夫々に並列接続した前記調整抵抗62の抵抗値を変化させて、夫々の出力信号を調整することで達成される。このように、前記出力信号調整回路44を図3に示す回路に付帯させることで、前記内燃エンジン12の出力効率を高めることができると共に、エンジン騒音の抑制や燃費改善が得られて経済的な運転を達成することができる。
(突入電流に対応するための回路)
インバータ発電機は、駆動源である内燃エンジンやモータの回転数が変動しても、三相発電機から出力される交流の電圧や周波数は変動することがなく、常に一定である。しかし、インバータ発電機に接続される負荷機器の起動電流が大きい場合は、該インバータに逆負荷が加わり起動困難になったりするので、これを好適に解決する提案を図1〜図5を参照して説明したところである。これにより、異なる定格交流出力のインバータ発電機を複数基用意しなくても、或る範囲までならば、異なる負荷機器にも1台で対応し得る優れた利点がある。しかしながら、前記負荷機器を起動する際の電気負荷が大きいということは、起動時の突入電流(インラッシュカーレント)が大きいことを意味する。この突入電流は、瞬時に大きなパルス性の電流が立ち上がるものであるから、前記負荷機器に接続されるインバータ発電機が充分な定格容量を有していないと、該インバータ発電機の回路系に逆流して不都合を発生させ、場合によってはインバータ自体の焼損を招くこともある。
これに対処するには、図6に示す保護回路を設けて、前記負荷機器54の起動時に大きな突入電流が発生した場合に、インバータ発電機の交流出力電圧を一時的に低下させることが提案される。例えば、図6に示すインバータ発電機において、U相、V相およびW相の各交流出力ラインACに図3で説明した変流器CTを設け、この変流器CTで検出した信号を過電流制御回路64に入力させる。前記過電流制御回路64は、図7に示すように、オペアンプ66とスイッチング素子であるNPNトランジスタ68との組合せからなる。すなわち、前記負荷機器54の起動時に生じた突入電流は、前記変流器CTで変成されて該突入電流の大きさに比例した電流値の交流が出力され、前記オペアンプ66の非反転端子(+)に入力されて差動増幅された後、該オペアンプ66の出力端子から前記トランジスタ68のベースBに入力される。このベースBへ入力される交流電圧が過電流を規定する閾値を超えると、前記トランジスタ68が駆動されて、コレクタCからエミッタEへ電流が流れ、これにより図6に示す基準正弦波信号回路70へ入力信号が入力される。この入力信号は、前記突入電流の大きさに比例した所謂「過負荷信号」であって、前記U相、V相およびW相毎に前記基準正弦波信号回路70に入力される。
前記基準正弦波信号回路70の概略を、図7に示す。すなわち、基準正弦波信号回路70へ入力されたU相、V相およびW相の信号は、各対応のD/Aコンバータ72へ入力される。また、消去可能な半導体メモリであるEP−ROM78には、図1の基準正弦波発生回路32で生成される1相分の基準正弦波データが入力されている。前記EP−ROM78からの基準正弦波データは、前記D/Aコンバータ72へ入力される。また、前記三相分配回路74において120度位相をずらされた信号も、前記各D/Aコンバータ72へ入力される。従って前記D/Aコンバータ72からは120度ずつ位相のずれた三相交流が前記U1相、V1相およびW1相に出力される。すなわち、各相毎の前記過負荷信号に応じた基準正弦波に関するデータが、前記各対応のD/Aコンバータ72を介して図6に示す保護制御回路76へ入力される。この保護制御回路76の内容は、図1および図3で説明したインバータ駆動回路(PWM変調回路)30および直流電圧制御回路28であって、前記過負荷信号が入力している間だけ基準正弦波の出力を低下させるものである。換言すれば、インバータ発電機が出力する交流の定常電圧を、一時的に低い適正電圧に切り替えるものである。この図6および図7に示す回路によれば、インバータ発電機の交流出力の電圧を、前記負荷機器54に突入電流が発生している短時間だけ低下させることで、起動負荷の大きな負荷機器であってもトラブルなく起動させることができる。また、インバータ発電機の容量を小さなものにすることができるので、低コストでありながら始動電流の大きい負荷機器に対応し得る利点がある。
10 三相発電機,12 内燃エンジン,14 回転数調整回路,16 コンバータ,
20 インバータ,24 制御ユニット,40 コンバータ(第2),
42 オペアンプ,44 出力信号調整回路,46 定電圧ダイオード,
48 第2オペアンプ,50 第3オペアンプ,52 加算回路,54 負荷機器,
56 切換スイッチ,AC 交流出力ライン,CT 変流器

Claims (2)

  1. 内燃エンジン(12)と、前記内燃エンジン(12)の回転数を電気的に調整する回転数調整回路(14)と、前記内燃エンジン(12)により駆動されて三相交流を発電する三相発電機(10)と、前記三相発電機(10)が発電した三相交流を直流に変換するコンバータ(16)と、前記コンバータ(16)からの直流を単相交流に変換するインバータ(20)と、前記コンバータ(16)およびインバータ(20)を電気的に制御する制御ユニット(24)とからなるインバータ発電機において、
    前記インバータ(20)からの交流出力ライン(AC)に設けられて、該交流出力ライン(AC)を流れる1次電流を2次電流に変換する変流器(CT)と、
    前記変流器(CT)で変換された2次電流に係る交流を直流に変換する第2コンバータ(40)と、
    前記第2コンバータ(40)で変換された直流を差動増幅するオペアンプ(42)とからなり、
    前記オペアンプ(42)により所定値に差動増幅された直流電圧を前記回転数調整回路(14)へ入力して、前記インバータ発電機に電気的に接続される負荷機器(54)の最大負荷に応じて前記内燃エンジン(12)の回転数を調整するようにし
    前記オペアンプ(42)の出力側と前記回転数調整回路(14)の入力側とは出力信号調整回路(44)で接続され、
    前記出力信号調整回路(44)は、
    前記オペアンプ(42)から分岐した一方の直流電圧が入力されると共に、定電圧ダイオード(46)により定電圧を出力する第2オペアンプ(48)と、
    前記オペアンプ(42)から分岐した他方の直流電圧が入力される第3オペアンプ(50)と、
    前記第2オペアンプ(48)から定電圧に調整された直流電圧および前記第3オペアンプ(50)から所定値に差動増幅された直流電圧が入力されて、各直流電圧に対応する出力信号の波形を加算させる加算回路(52)とからなり、
    前記加算回路(52)から出力される直流の信号波形は、前記負荷機器(54)における負荷率の所望値までは前記信号波形の上昇幅が大きく、また前記所望値より後は該信号波形の上昇幅が緩やかになっている
    ことを特徴とするエンジン駆動のインバータ発電機。
  2. 前記オペアンプ(42)から出力される直流が前記回転数調整回路(14)に入力されるラインに切換スイッチ(56)が設けられ、前記切換スイッチ(56)は常には前記オペアンプ(42)の出力側と前記回転数調整回路(14)とを接続していると共に、前記切換スイッチ(56)を切換えて所定値の直流を前記回転数調整回路(14)へ入力することで、前記内燃エンジン(12)の回転数を上限値まで上昇させることができる請求項記載のエンジン駆動のインバータ発電機。
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