以下に、本発明を実施するための形態について、添付の図面を用いて詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されてもよい。また、各実施の形態を適宜組み合せることも可能である。
[第1の実施形態]
<デジタルカメラの構成>
図1に第一の実施形態の撮像装置の一例としてのデジタルカメラの外観図を示す。なお、ここでは撮像装置の一例としてデジタルカメラについて述べるが、撮像装置はこれに限られない。例えば撮像装置は携帯型のカメラ付きメディアプレーヤや、いわゆるカメラ付きタブレットデバイス、カメラ付きパーソナルコンピュータなどであってもよい。
表示部28は画像や各種情報を表示する表示部である。シャッターボタン61は撮像指示を行うための操作部である。モードダイアル60は各種モードを切り替えるための操作部である。コネクタ112は接続ケーブルとデジタルカメラ100とのコネクタである。操作部70はユーザからの各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン等の操作部材より成る操作部である。
コントローラホイール73は操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材である。72は電源スイッチであり、電源オン、電源オフを切り替える。記録媒体200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体スロット201は記録媒体200を格納するためのスロットである。記録媒体スロット201に格納された記録媒体200は、デジタルカメラ100との通信が可能となる。蓋203は記録媒体スロット201の蓋である。インカメラ150は、撮像者側を撮像可能なカメラモジュールである。
図2は、本実施形態によるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。
図2において、撮像レンズ103はズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群である。シャッター101は絞り機能を備えるシャッターである。撮像部22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。バリア102は、デジタルカメラ100の、撮像レンズ103を含む撮像系を覆うことにより、撮像レンズ103、シャッター101、撮像部22を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
同様に撮像レンズ153はインカメラ(サブカメラ)側のズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群である。シャッター151はインカメラ側の絞り機能を備えるシャッターである。撮像部154はインカメラ側(撮像者側)の光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力される信号変換だけでなく、同時に撮像部154から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器13は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器13を介して表示部28により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器13からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器13においてアナログ変換し、表示部28に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダとして機能し、スルー画像表示を行える。本実施においては表示部28のアスペクト比を4:3として説明する。
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
システム制御部50は、デジタルカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。52はシステムメモリであり、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部はメモリ32、D/A変換器13、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
モード切り替えスイッチ60、第1シャッタースイッチ62、第2シャッタースイッチ64、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
モード切り替えスイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画記録モード、再生モード等のいずれかに切り替える。
静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮像モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、撮像シーン別の撮像設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等がある。モード切り替えスイッチ60で、静止画撮像モードに含まれるこれらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、モード切り替えスイッチ60で静止画撮像モードに一旦切り換えた後に、静止画撮像モードに含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮像モードにも複数のモードが含まれていてもよい。第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮像準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、アウトカメラ側でAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。もしモード切換えスイッチ60のポジションが複数カメラ同時撮像モードであった場合に第1シャッタースイッチ62がONとなった場合は、インカメラ側でもAF処理、AE処理などの動作を開始する。
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮像指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮像処理の動作を開始する。ここでもしモード切換えスイッチ60のポジションが複数カメラ同時撮像モードであった場合は、撮像部154からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでに一連の撮像処理を撮像部22からの一連の処理と同時に行う。
操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。利用者は、表示部28に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
なお操作部70の一つとして、表示部28に対する接触を検知可能なタッチパネル71を有する。タッチパネル71と表示部28とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル71を光の透過率が表示部28の表示を妨げないように構成し、表示部28の表示面の上層に取り付ける。そして、タッチパネル71における入力座標と、表示部28上の表示座標とを対応付ける。これにより、恰もユーザが表示部28上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を構成することができる。システム制御部50はタッチパネル71への以下の操作、あるいは状態を検出できる。
・タッチパネル71を指やペンで触れたこと(以下、タッチダウン(Touch−Down)と称する)。
・タッチパネル71を指やペンで触れている状態であること(以下、タッチオン(Touch−On)と称する)。
・タッチパネル71を指やペンで触れたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch−Move)と称する)。
・タッチパネル71へ触れていた指やペンを離したこと(以下、タッチアップ(Touch−Up)と称する)。
・タッチパネル71に何も触れていない状態(以下、タッチオフ(Touch−Off)と称する)。
これらの操作・状態や、タッチパネル71上に指やペンが触れている位置座標は内部バスを通じてシステム制御部50に通知され、システム制御部50は通知された情報に基づいてタッチパネル71上にどのような操作が行なわれたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル71上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル71上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。またタッチパネル71上をタッチダウンから一定のタッチムーブを経てタッチアップをしたとき、ストロークを描いたこととする。素早くストロークを描く操作をフリックと呼ぶ。フリックは、タッチパネル71上に指を触れたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作であり、言い換えればタッチパネル71上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行なわれたと判定できる。また、所定距離以上を、所定速度未満でタッチムーブしたことが検出された場合はドラッグが行なわれたと判定するものとする。タッチパネル71は、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いてもよい。
コントローラホイール73は、操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材であり、方向ボタンと共に選択項目を指示する際などに使用される。コントローラホイール73を回転操作すると、操作量に応じて電気的なパルス信号が発生し、このパルス信号に基づいてシステム制御部50はデジタルカメラ100の各部を制御する。このパルス信号によって、コントローラホイール73が回転操作された角度や、何回転したかなどを判定することができる。なお、コントローラホイール73は回転操作が検出できる操作部材であればどのようなものでもよい。例えば、ユーザの回転操作に応じてコントローラホイール73自体が回転してパルス信号を発生するダイヤル操作部材であってもよい。また、タッチセンサよりなる操作部材で、コントローラホイール73自体は回転せず、コントローラホイール73上でのユーザの指の回転動作などを検出するものであってもよい(いわゆる、タッチホイール)。
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮像された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
本実施形態のデジタルカメラ100は、上述の撮像モードに加えて、連写モードとマルチショットモードとを備える。
連写モードとは、静止画撮像モードの1つとして備えられた撮像モードである。モード切替スイッチ60を操作することにより連写モードに切り替えることができる。連写モードでは、1回のシャッター操作部61の全押し操作に応じて、撮像処理を連続して行う。連続して行われる撮像処理では、各々の撮像毎に共通の撮像パラメータが用いられる。すなわち、共通の露出やフォーカス位置で撮像し、共通の設定で画像処理を行って画像を生成する。また、連続回数については、1回の操作当たりに予め決められた回数を設定してもよいし、全押し操作が解除されるかRAMの空き容量がなくなるまで繰り返してもよい。連写モードでは短い期間で多くの撮像を行うため、単写に比べてシャッターを切るタイミングを逃しにくい。特に動体を撮像するときのように、適切なタイミングでシャッターを切ることが難しいシーンでは、連写することでシャッタータイミングを逃すことなくベストショットの画像を得ることができる。
マルチショットモードとは、静止画撮像モードの1つとして備えられた撮像モードである。モード切替スイッチ60を操作することによりマルチショットモードに切り替えることができる。マルチショットモードでは、1回のシャッター操作部61の全押し操作に応じて、露出やフォーカス位置を変えた3回の撮像を行い、3枚のRAW画像をメモリ32上に生成する。そして撮像後の後処理で3枚のRAW画像から最終的に6枚の画像を生成し、記録媒体200に保存する。3回の撮像を行う際は、露出値の違うパターンで3回撮像する場合、ピント位置を変えて3回撮像する場合などがあり、撮像シーンの解析結果に応じてシステム制御部50が自動的に撮像パラメータの少なくとも一部を変える仕組みになっている。また後処理で6枚の画像を生成する際は、3枚のRAW画像のうちの任意の画像に対して、ぼかし処理、色フィルター処理、トリミングなどの画像処理を組み合わせて実施し、最終的に6枚の画像を生成する。生成された6枚の画像は、短い期間で同じ被写体を撮像したものであるにも関わらず、構図や色、明るさやピントなどの組み合わせが異なる、バリエーション豊かな6枚の画像となる。従ってデジタルカメラの操作に詳しくないユーザーや、構図の取り方に詳しくないユーザーであっても、同じ被写体に対して互いに雰囲気が異なり、それぞれ面白みのある画像を撮像することができる。なお、ここで生成する画像の6枚という数は一例である。少なくとも複数の画像が生成されるモードであればよい。
<デジタルカメラの動作>
図3に、デジタルカメラの起動から終了までの動作のフローチャートを示す。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを、システムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することにより実現する。電源スイッチ72が操作されてデジタルカメラ100が起動すると図3の処理を開始する。
S301では、システム制御部50は、モード切り替えスイッチ60の位置をチェックして、現在のモードが撮像モードかどうかを判定する。撮像モードであると判定された場合はS302で撮像モードの処理を行い、撮像モードではないと判定された場合はS303に進む。撮像モード処理については図4を用いて後述する。
S303では、システム制御部50は、モード切換えスイッチ60の位置をチェックして、現在のモードが再生モードであるかを判定する。再生モードであると判定された場合はS304へ進み、再生モードではないと判定された場合はS305に進む。
S304では再生モードの処理を行う。ここでいう再生モードの処理とは、画像閲覧や、拡大表示、画像を消去する処理などが含まれる。
一方、S305ではその他の処理を行う。ここでいうその他の処理とは、現在時刻を表示するだけの時計表示モードの処理などがあげられる。
それぞれのモード処理が終了するとS306へ進む。
S305では、システム制御部50は、カメラ動作をシャットダウンさせるか否かを判定する。具体的には、電源スイッチ72の押下による電源オフの指示を受け付けた場合や、電源部30の残量が所定量以下になったことを検知した場合に、システム制御部50はカメラ動作をシャットダウンさせると判定する。シャットダウンさせると判定された場合はカメラ動作を終了し、シャットダウンしないと判定された場合はS301へ戻り、図3の処理を繰り返す。
以上がデジタルカメラの起動から終了までの動作の説明である。
<撮像モード処理>
続いて、図3のS302で実行される撮像モード処理について説明する。
図4に撮像モード処理のフローチャートを示す。この処理は、前述の図3のフローチャート中の撮像モード処理の詳細である。またこの処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することにより実現する。
まず、S401にて、システム制御部50は、モード切り替えスイッチ60の位置をチェックして、現在のモードがマルチショットモードであるかどうかの判定を行う。マルチショットモードであると判定された場合はS402に進み、図5を用いて後述するマルチショットモード処理を実行する。一方、マルチショットモードではないと判定された場合は、S403へ進む。
S403にて、システム制御部50は、モード切り替えスイッチ60の位置をチェックして、現在のモードが連写モードであるかどうかの判定を行う。連写モードであると判定された場合はS404に進み、図8を用いて後述する連写モード処理を実行する。一方、連写モードではないと判定された場合はS405へ進む。
S405ではシステム制御部50は、モード切り替えスイッチ60の位置をチェックして、現在のモードが一枚撮像モードであるかどうかの判定を行う。一枚撮像モードであると判定された場合はS406へ進み、そうではないと判定された場合はS407へ進む。
S406ではシステム制御部50は、通常の撮像モード処理を行う。ここでいう通常の撮像モードとは1回のシャッター操作部61の全押し操作に応じて、1枚のRAW画像をメモリ32上に生成しそれを現像することで一枚の画像を生成する。
S407ではシステム制御部50は、撮像モードを終了するかどうかの判定を行う。終了すると判定された場合は撮像モード処理を抜け、図3の処理に戻る。終了しないと判定された場合はS401へ戻る。
以上が撮像モード処理についての説明である。
続いて、図4のS402のマルチショットモード処理およびS404の連写モード処理について説明する。
<マルチショットモード処理>
まず、S402のマルチショットモード処理について説明する。
図5にマルチショットモード処理のフローチャートを示す。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを、システムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することにより実現する。
S501では、システム制御部50は、撮像部22で撮像された画像をほぼリアルタイムで表示するスルー画像表示(ライブビュー)を行う。
図7(A)に、マルチショットモードで表示部28に表示されるスルー画像表示の表示例を示す。スルー画像701は、現在撮像されている被写体のスルー画像(ライブビュー画像)である。ダイアログ702には、現在デジタルカメラ100に設定されている撮像条件(撮像設定)が表示される。図示の例では、左から順に、画像圧縮率低、画素数Lサイズ、マルチショットモードでの残り撮像指示可能回数が1234回、動画の残り撮像可能時間12分34秒であることを示している。撮像指示可能回数は、記録媒体200の残容量に応じた静止画の残り撮像可能枚数(この例では7404枚)を、マルチショットモードでの1回の撮像指示で生成される画像の数である6で割った数であり、あと何回の撮像指示を行えるかを示している。マルチショットモードアイコン703は、現在の撮像モードがマルチショットモードであることを表すアイコンである。なお、このマルチショットモードアイコンにタッチすることで、撮像モード変更画面を表示させて他の撮像モードに変更することもできる。FUNCボタン704は、FUNCメニューを表示させるためのタッチアイコンである。FUNCボタン704がタッチされると、システム制御部50はスルー画像に重畳してFUNCメニューを表示する。FUNCメニューを表示した画面において、ユーザーは各種撮像条件を設定することができる。DISPボタン705は、スルー画像に重畳して表示される情報の種類、量が異なる他の表示モードに切り替えるためのタッチボタンである。
S502では、システム制御部50は、シャッター操作部61が半押しされてSW1がオンとなったか否かを判定する。SW1がオンとなったと判定した場合はS504に進み、そうでない場合はS550のその他の撮像処理へ進む。その他の撮像処理については図6を用いて後述する。その後、S503へ進む。なお、タッチシャッターが有効となっている場合は、タッチパネル71のスルー画像上に対するタッチダウンがあった場合にもSW1がオンとなるものとする。
S503では、システム制御部50は、モード切替スイッチ60の操作による他モードへの移行指示や、電源スイッチ72の押下による電源OFFとする指示などの、マルチショットモードを終了させるイベントがあったか否かを判定する。マルチショットモードを終了させるイベントがあったと判定した場合は処理を終了する。マルチショットモードを終了させるイベントが無いと判定した場合にはS501に戻って処理を繰り返す。
一方、S504では、システム制御部50はSW1がオンになったことに応じて、AF、AEなどの撮像準備処理を行う。これにより、フォーカス位置や絞りなどの撮像準備パラメータを決定する。
続いて、S505では、システム制御部50は、シャッター操作部61を全押しにする操作などによってSW2がオンとなったか否かを判定する。SW2がオンとなったと判定した場合にはS507に進み、そうでない場合にはS506に進む。なお、タッチシャッターが有効となっている場合は、SW1をオンとするトリガーとなったタッチダウンから継続したタッチ操作におけるタッチアップによってもSW2がオンとなるものとする。
S506では、システム制御部50は、SW1がオンとなった状態のままであるか否かを判定する。SW1がオンのままであればS505に戻り、SW1がオフとなった場合はその他の撮像処理に進む。
S507では、システム制御部50は、撮像部22で撮像しているスルー画像から現在撮像している被写体を解析する。例えば、検出された顔やモノなどの被写体が静止しているか否か、主被写体とその他の被写体に距離があるかどうか、逆光のシーンであるか、被写体に動きがあるか否か等を解析する。
S508では、システム制御部50は、S507での解析結果に基づいて、露出ブラケット撮像を行うか否かを判定する。露出ブラケット撮像とは、シャッター速度と絞りの組み合わせによる露出の設定を、自動的に少しずつ変えた設定にして複数枚の撮像を行う撮像方法である。露出ブラケットを行うと判定する条件としては例えば、S507で逆光のシーンであると判定された場合などがある。逆に露出ブラケット撮像ではなく、フォーカスブラケット撮像を行うと判定する条件としては、被写体が静止しており、互いに距離があると判定された場合などがある。露出ブラケット撮像を行うと判定した場合はS509にすすみ、そうでない場合はS510に進む。
S509では、システム制御部50は、露出ブラケット撮像を行う。すなわち、露出値を、それぞれ通常値(適正値、すなわちS504で決定した値)、アンダー寄り(暗め)、オーバー寄り(明るめ)の異なる値に設定して3回の連続撮像(連写)を行う。すなわち複数回撮像が行われる。こうして3つのRAW画像が撮像される。
S510では、システム制御部50は、フォーカスブラケット撮像を行う。フォーカスブラケット撮像では、フォーカス位置(ピント位置)がそれぞれ異なるように、フォーカス位置を合焦位置(すなわちS504で決定した値)、合焦位置から手前側、及び合焦位置から奥側に自動的にずらして3回の連続撮像(連写)を行う。すなわち撮像ごとに異なるパラメータを用いて複数回撮像が行われる。こうして3つのRAW画像(デモザイク処理を含む現像処理をする前のデータ)が撮像される。
S511では、システム制御部50は、生成された画像の数をカウントするためにシステムメモリ52に保持された変数iを、初期値である1にセットする。
S512では、システム制御部50は、撮像されたRAW画像を解析して、i番目の画像として生成すべき画像を生成するための画像処理内容を決定する。例えば画像解析として顔検出を行い、検出された顔の位置と大きさに応じたトリミング処理を施すと決定する。なお、特に特別な処理を施していない通常画像を1枚は生成するように、i=1の時は特別な画像処理は行わない(通常の画像生成に必要な処理は行う)ように決定するものとする。また、一回の撮像指示に応じて生成される6枚の画像の中に同じような画像が含まれないように、変数i毎に異なる画像処理条件となるように決定される。
S513では、システム制御部50は、S512で決定した画像処理を、3枚のRAW画像のいずれかに施して可視化画像(現像された画像)を生成する。ここで施す画像処理には以下のうちの何れか、または組み合わせである。トリミング処理(アスペクト比変更処理を含む)、ぼかし処理、色処理。ぼかし処理には、主被写体と判定される被写体や、画像中央部以外のエッジを和らげる処理(ジオラマ風など)が含まれる。色処理には、モノクロ画像にする処理、1色を残して他の色をモノクロにする処理(ワンポイントカラー)、セピアにする処理、画像周辺部を暗くする処理(トイカメラ風になる)などが含まれる。また、暖色を強調する処理、寒色を強調する処理、彩度を淡くする処理、彩度を高める処理などが含まれる。なお、変数i=1の時は3枚のRAW画像のうち、露出ブラケットであれば適正露出(通常露出)で撮像された画像から可視化画像を生成し、フォーカスブラケットであればフォーカス位置を合焦位置として撮像された画像から可視化画像を生成する。
S514では、システム制御部50は、S513での画像処理が終了次第、S513の画像処理で生成された画像を表示部28にクイックレビュー表示として表示する。この表示は1枚ずつ行われる。
S515では、システム制御部50は、S513で生成された画像を画像ファイルとして記録媒体200に記録する。なお、1回の撮像指示に応じて生成された1組の画像群に含まれる6枚の画像の画像ファイルのそれぞれには、属性情報として、同一の撮像指示に応じて撮像された同一グループに属する画像であることを示す識別子が付与される。例えば画像ファイルのヘッダ情報に、同一グル―プの画像のそれぞれには同一のグループ識別子が付与される。このグループ識別子によって、互いに関連する画像であることを識別できる。
S516では、システム制御部50は、変数i=6であるか否かを判定する。すなわち、6枚の画像(グループ内の全画像)を生成したか否かの判定である。i=6であると判定するとS551のレックレビュー処理に進む。一方、そうでない場合にはS517に進んでiを1つインクリメントし、S512に戻って同一グループの次の画像の生成を行う。このようにi=6となるまで処理を繰り返すことにより、S514では、生成された画像が1枚ずつ順次表示される。
図7(B)の(1)〜(6)に、変数i=1〜6の6回分繰り返されるS514でのクイックレビューでの表示例を示す。表示部28には、i=1〜6までの処理によって生成された下記の画像が、下記の順番で順次表示される。なお、各画像の表示期間は次の画像を生成するためにS513で要した画像処理の時間に依存する。
1.(1)の画像:適正露出または合焦位置で撮像されたRAW画像(元画像)に、特別な処理を施していない画像(標準の処理を施した画像)である。撮像モードのオートモードで撮像される画像と同じ画像処理が施される標準的な画像である。
2.(2)の画像:(1)の画像の元画像と同じRAW画像を、人物の顔の位置とサイズに基づいて自動的に3:4の縦長のアスペクト比でトリミング処理し、色を淡くする色処理を施した画像である。
3.(3)の画像:露出ブラケット撮像によって、(1)の画像の撮像とは異なる露出で撮像された画像に、色褪せたような色処理を施した画像である。
4.(4)の画像:(3)の画像の元画像と同じRAW画像を、顔の位置と大きさに基づいて1:1のアスペクト比でトリミングし、色処理を施してモノクロとした画像である。
5.(5)の画像:(1)、(3)の画像とは異なる露出で撮像された元画像(RAW画像)を、(顔には基づかずに)3:4の縦長のアスペクト比でトリミング処理して生成された画像である。
6.(6)の画像:(5)の画像の元画像と同じRAW画像を、(顔には基づかずに)1:1のアスペクト比でトリミングし、彩度を上げる色処理を施して生成された画像である。
6つの画像の生成が終わると、S551のレックレビュー処理に進む。このレックレビュー処理については、図10を用いて後述する。S551の処理が終わると、S501に戻って処理を繰り返す。
続いて、図5のS550の処理について説明する。
図6に、図5のS550で実行されるその他の撮像処理のフローチャートを示す。
S601では、システム制御部50は、FUNCボタン504に対するタップ操作(タッチパネル71がタッチされ、所定距離以上のタッチムーブを検出せずに、FUNCボタン504上でタッチアップが検出される操作))があったか否かを判定する。なお、本実施形態ではFUNCボタンはソフトキーであるタッチボタンとして説明しているが、ハードウェアキーとして有していてもよい。FUNCボタンに対するタップ操作があったと判定するとS602に進み、そうでない場合はS603に進む。
S602では、システム制御部50は、スルー画像に重畳して、記録画素数や圧縮率、ストロボ発光有無やセルフタイマー設定などの各種撮像条件を設定するためのメニュー項目を含むFUNCメニューを表示させる。そして、FUNCメニューを表示している状態で受け付けたユーザー操作に応じて撮像条件を設定する。
S603では、システム制御部50は、操作部70に含まれるMenuボタンが押下されたか否かを判定する。Menuボタンはハードウェアボタンとして説明するが、タッチパネル71に表示されるソフトキーとしてもよい。Menuボタンが押下されたと判定するとS604に進み、そうでない場合はその他の撮像モードでの処理を終了する。
S604では、システム制御部50は、表示部28にMenu画面を表示する。Menu画面は、前述のFuncメニューとは異なるメニュー項目よりなる設定メニューである。Menu画面には、AF(オートフォーカス)の設定項目、顔検出を行うか否かの設定項目、タッチシャッターを有効とするか無効とするかの設定項目、後述するレックレビュータイマーの設定項目などが含まれる。レックレビュータイマーの設定項目では、レックレビューなし(レビュー時間0秒)、レビュー時間0.5秒、レビュー時間2秒、レビュー時間10秒、ホールド(時間に応じて自動的に終了させることはしない設定)の何れかを設定できる。システム制御部50は、Menu画面を表示している状態で受け付けたユーザー操作に応じて各種設定を行う。設定された内容や設定値は不揮発性メモリ56に記憶される。
S604の処理が終わると、図4の処理に戻る。
以上がその他の撮像処理の説明である。
<連写モード処理>
続いて、図4のS404で実行される連写モード処理について説明する。
図8は連写モード処理のフローチャートである。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを、システムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することにより実現する。
S801ではシステム制御部50は、撮像部22で撮像された画像をほぼリアルタイムで表示するスルー画像表示(ライブビュー)を行う。
図9(A)に、連写モードで表示部28に表示されるスルー画像表示の表示例を示す。スルー画像901は、現在撮像されている被写体のスルー画像(ライブビュー画像)である。ダイアログ902は前述したダイアログ702と同様である。連写モードアイコン903は、現在の撮像モードが連写モードであることを表すアイコンである。なお、このマルチショットモードアイコンにタッチすることで、撮像モード変更画面を表示させて他の撮像モードに変更することもできる。FUNCボタン904、DISPボタン905は、前述したFUNCボタン704、DISPボタン705と同様である。
S802、S850、S803、S804では、それぞれ前述したS502とS550、S503、S504と同様の処理が実行される。
S805は、システム制御部50は、シャッター操作部61を全押しにする操作などによってSW2がオンとなったか否かを判定する。SW2がオンとなった場合にはS807に進み、そうでない場合にはS806に進む。
S806では図5のS506と同様の処理が実行される。
S807では、システム制御部50は、撮像処理を行う。ここでの処理は一枚撮像するのみとする。ここでは、S504で決定された撮像準備パラメータを用いて撮像し、あらかじめユーザからのメニュー操作によって設定された撮像パラメータを用いて画像処理を行うことで画像を生成する。そしてS808へ進む。
S808では、システム制御部50は、S807で生成された画像を表示部28にクイックレビュー表示として表示する。このときの表示例を図9(B)に示す。
S809では、システム制御部50は、S807で生成された画像を画像ファイルとして記録媒体200に記録する。なお、画像ファイルには、属性情報として、同一の撮像指示に応じて撮像された同一グループに属する画像であることを示す識別子が付与される。例えば画像ファイルのヘッダ情報に、同一グル―プの画像のそれぞれには同一のグループ識別子が付与される。このグループ識別子によって、互いに関連する画像であることを識別できる。そしてS810へ進む。
S810では、シャッター操作部61が全押しされているかどうかの判定を行う。全部押しされていると判定された場合は、S807へ戻り、S807〜S809の処理を繰り返す。つまり連写を継続する。なお、繰り返す撮像では、S804で決定された撮像準備パラメータを再度用いて撮像し、あらかじめユーザからのメニュー操作によって設定された撮像パラメータを用いて画像処理を行うことで画像を生成する。すなわち、連写の撮像ごとに同じパラメータを用いて画像を生成する。また、連写速度を確保するために、クイックレビュー表示を省略してもよい。例えば連写速度として秒間の撮像回数を指定できる機能を持つ場合、その秒間撮像回数の設定値が一定回数以上である場合にクイックレビュー表示を省略する。一方、全押しではないと判定された場合は撮像を終了しS851のレックレビュー処理に進む。レックレビュー処理については後述図10のレックレビュー処理で詳しく説明する。レックレビュー処理が終了するとS801へ戻り撮像待機状態となる。
<レックレビュー処理>
続いて、図5のS551、および図8のS851のレックレビュー処理について説明する。
図10にレックレビュー処理のフローチャートを示す。
S1001では、システム制御部50は、レックレビュー表示を行う。マルチショット用のレックレビューでは、1回の撮像指示で生成された1組の画像である画像が、図7(c)のように同一画面に配置されて表示される。また、連写モードのレックレビューでも、図9(c)のように同一画面に配置されて表示される。
S1002では、システム制御部50は、レックレビュー表示を自動的に終了させるためのタイマー(レビュー時間)のカウントダウンをスタートする。レビュー時間は、上述のMenu画面において予め設定された時間である。
S1003では、システム制御部50は、操作部70に含まれるSETボタンを押下する操作があったか否かを判定する。SETボタンの押下があった場合にはS1005のレックレビューホールド処理に進み、そうでない場合はS1004に進む。
レックレビューホールド処理については図11を用いて後述する。
S1004では、システム制御部50は、S1002のタイマー開始からレビュー時間が経過したか否かを判定する。レビュー時間が経過していなければS1003に処理を戻し、レビュー時間が経過していた場合は、レックレビュー表示を終了して図5または図8の処理に戻る。
図11に図10のS1005で実行されるレックレビューホールド処理のフローチャートを示す。
S1101では、システム制御部50は、マルチショットモードでの撮像でレックレビューホールド処理が開始したか否かを判定する。マルチショットモードでの撮像でレックレビューホールド処理が開始したと判定した場合はS1102へ進み、そうではない場合はS1103へ進む。
S1102ではシステム制御部50は、図12(a)のように「消去する画像を選んでください」というガイダンス表示をレックレビュー表示に重畳させて表示する。その後、S1105へ進む。なお、この表示は、左上の画像がカーソル1200で囲まれている状態で開始される。カーソル1200の移動操作は後述のS1116で受け付ける。また、ここで消去する画像を選択させるのは、マルチショットモードで得られる複数の画像は、それぞれ雰囲気の異なる画像であり、明らかに不要と判断できるもの以外は残しておきたいことが考えられるためである。すなわち、消去しない画像を選択するよりも、消去する画像を選択するほうが、ユーザ操作の手番が少なくてすむ可能性が高い。故に、マルチショットモードのレックレビュー表示では、消去する画像を選択させる。
一方、S1103では、システム制御部50は、連写モードでの撮像でレックレビューホールド処理が開始したか否かを判定する。連写モードでの撮像でレックレビューホールド処理が開始したと判定した場合はS1104へ進む。そうではない場合は処理を終了し、図10の処理に戻る。
S1104ではシステム制御部50は、図12(e)のように「残す画像を選んでください」というガイダンス表示をレックレビュー表示に重畳させて表示する。その後S1105へ進む。なお、この表示は、左上の画像がカーソル1200で囲まれている状態で開始される。カーソル1200の移動操作は後述のS1116で受け付ける。また、ここで残す画像(すなわち消去しない画像)を選択させるのは、連写モードで得られる複数の画像は、ほぼ同じ画像であり、ベストショットのみを残したいシーンが多いと考えられるためである。すなわち、消去する画像を選択するよりも、消去しない画像を選択するほうが、ユーザ操作の手番が少なくてすむ可能性が高い。故に、連写モードのレックレビュー表示では、残す画像を選択させる。
S1105では、システム制御部50は、操作部70に含まれるSETボタンを押下する操作があったか否かを判定する。SETボタンの押下があったと判定した場合にはS1106に進み、そうでない場合はS1115に進む。
まず、S1106に進む場合について説明する。
S1106では、システム制御部50は、画像選択処理を行う。ここでは、SETボタンが押されたときにカーソル1200で囲まれている画像を処理対象として選択する。具体的には、SETボタンが押されたときにカーソル1200で囲まれている画像の識別子をメモリに登録する。なお、本実施形態では、複数の画像を選択可能である。複数の画像を選択した場合、メモリには複数の画像の識別子が登録される。
次に、S1107では、システム制御部50は、カーソル1200で囲まれている画像に対してチェックマークの表示を行う。表示例としては、マルチショットモードのレックレビューのときは図12(B)のように、選択される画像に重畳表示する。連写モードのレックレビューのときは図12(F)のように表示する。複数の画像が選択される場合には、複数の画像にチェックマークが重畳表示される。そしてS1108へ進む。
S1108では、システム制御部50は、画像選択処理を終了するかどうかの判定を行う。具体的には、処理する画像の選択を終えて、画像への処理を開始するための指示を受け付けたか否かを判断する。選択した画像への処理を開始するための指示は、画面に表示されるMENUボタンを操作することで入力することができる。
システム制御部50が、選択を終了すると判断した場合はS1109へ進む。一方、選択を終了しないと判断した場合はS1105へ戻り、S1105以降の処理を繰り返す。なお、繰り返し実行される場合、SETボタンを押下したときにカーソル1200で囲まれている画像が既に処理対象として選択済みであった場合には、その選択を解除する。これに併せて、チェックマークの表示も消す。
S1109ではシステム制御部50は、マルチショットモードでの撮像でレックレビューホールド処理が開始したか否かを判定する。この処理はS1101と同様である。
マルチショットモードでの撮像でレックレビューホールド処理が開始したと判定した場合はS1110へ進み、そうではない場合はS1111へ進む。
S1110では、システム制御部50は、選択された画像を消去する。このときの表示例を図12(c)に示す。ここで消去された画像は、レックレビューに表示されなくなる。
一方、S1111では、システム制御部50は、連写モードでの撮像でレックレビューホールド処理が開始したか否かを判定する。連写モードでの撮像でレックレビューホールド処理が開始したと判定した場合はS1112へ進み、そうではない場合はS1113へ進む。
S1112では、システム制御部50は、選択した画像以外を消去する。このときの表示例を図12(g)に示す。ここで消去された画像は、レックレビューに表示されなくなる。
S1110またはS1112の処理を終えると、S1113に進む。
S1113では、システム制御部50は、レックレビューに画像が表示されているか否かを判定する。具体的には、システム制御部50は、画像のデータが表示用のメモリに残っているかどうかの判定を行う。画像のデータがメモリに残っている場合は、すなわちレックレビューに表示される画像が残っているため、S1114へ進む。一方、画像のデータがメモリに残っていない場合はレックレビューホールド処理を終了し、図5のS501または図8のS801へ戻る。
S1110ではシステム制御部50は、メモリに残っている画像を表示する。例えば、マルチショットモードのレックレビューのときは図12(d)のように、図12(b)の画面で選択していなかった画像が表示される。また、連写モードのレックレビューのときは図12(h)のように、図12(f)の画面で選択していた画像が表示される。そしてS1101へ戻りレックレビューホールド状態を継続する。
次に、S1105でSETボタンが押下されていないと判断された場合について説明する。この場合処理はS1115に進む。
S1115では、システム制御部50は、シャッター操作部61が半押しされてSW1がオンとなったか否かを判定する。SW1がオンとなったと判定した場合は撮像のための処理を優先し、レックレビューホールド処理を終了し、図5のS501または図8のS801へ進む。そうでない場合はS1116へ進む。
S1116ではシステム制御部50は、レックレビューホールド状態でのその他の処理を行う。ここでいうその他の処理とは、レックレビュー画面のカーソル(1200)移動などがあげられる。例えば、図12(a)の画面が表示されている状態で、タッチパネルを介して他の画像をタッチすれば、タッチした画像を囲むようにカーソルを移動させる。あるいは、上下左右の4方向ボタンを用いてカーソルを上下左右に移動させることもできる。
その後、S1105へ戻る。
以上が、レックレビューホールド処理の説明である。
以上述べたように、本実施形態の撮像装置では、撮像モードに応じて、レックレビュー時に、所定の処理を行う画像を選択するのか、処理を行わない画像を選択するのかを切り替える。これにより、ユーザの意図に沿った選択手順を実現し、選択する際のユーザの手間を低減することができる。
[その他の実施形態]
上述の実施形態では、連写モードやマルチショットモードは、モード切り替えスイッチ60への操作に従って切り替わる場合を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えばモード遷移のためのGUIを表示してもよい。この場合連写モードに遷移するためのアイコンやマルチショットモードに遷移するためのアイコンが表示され、ユーザがいずれかのアイコンを選択することで、選択されたアイコンに対応するモードに遷移する。
また、上述の実施形態において連写モードでは、SW2がオンとなる前に行った撮像準備処理(AF・AEなど)の結果を、各撮像に共通に用いる場合を例に挙げて説明した。これについては、連写の撮像ごとに撮像準備処理を行ってもよい。あるいは、上記の各撮像に共通の撮像準備パラメータを用いる連写モードに加えて、連写の撮像ごとに撮像準備処理を行って、撮像ごとに異なるパラメータを用いて撮像する連写モードを備えてもよい。連写の撮像ごとに撮像準備処理を行うモードでは、AF値やAE値は撮像ごとに異なる値を用いる一方で、画像処理(例えば色処理など)の際に用いるパラメータは、あらかじめ設定された共通のパラメータが用いられる(つまり、共通の画像処理が施される)。そのため、マルチショットモードに比べて、生成される複数の画像の雰囲気が大きく異なることはない。したがって、このモードでも、レックレビュー表示は撮像準備処理(AF・AEなど)の結果を各撮像に共通に用いる場合と同様に表示する。
また、上述の実施形態では、S1107で画像選択時にチェックマークをつける例を示したが、画像の明度を用いて、消去される画像と残される画像をはっきり区別させるような表示と処理を行ってもよい。具体的には、マルチショットモード時は図13(A)〜(D)のように表示する。ここでは、図13(A)では、全ての画像が明るく表示されている。ここで、カーソルで囲まれている左上の画像を選択すると図13(B)のように、左上の画像の明るさが暗く表示される。これにより、画像が削除されることをユーザに直感的に把握させることができる。なお、明暗の他に例えばカラー表示されている状態から、白黒表示あるいはグレースケール表示にすることで選択した状態を表してもよい。
また、連写モード時は、図13(E)〜(H)のように表示する。連写モードでは残す画像を選択させるため、図13(E)のようにレビュー表示される画像全てが暗く表示された状態でレビュー表示を開始する。そのうちの一つの画像を選択すると、例えば図13(F)のように、選択した画像が明るく表示され、この画像を残すことをユーザに直感的に把握させる。この場合もマルチショットモード時と同様に、明暗ではなくカラーと白黒、グレースケール表示とを切り替えることで選択した状態を表してもよい。
また、上述の実施形態に加えて、再生モードにおいて複数の画像を表示している状態で、削除する画像を選択できるようにしてもよい。この場合、例えば複数の画像を選択して削除するための削除モードに入るメニューをユーザが選択することで、ブラケット撮像のレックレビュー時のような画面に遷移する指示を入力することができるようにする。再生モードで再生される画像は少なくともレックレビュー表示を終えて記録されている画像であり、連写モードでのレックレビュー時に表示される複数の画像に比べて、保存したい画像のほうが削除したい画像よりも多いと考えられる。故に、再生モードでは、保存する画像を選択できるようにするのではなく、削除する画像を選択できるようにする。これにより、ユーザの選択操作の手間を低減することができる。
また、上述の実施形態では、ブラケット撮像モードと連写モードのどちらのモードでも、得られた複数の画像は、レックレビュー表示の前に、一旦記録媒体に記録される場合を例に挙げて説明した。しかしながら、書き込みおよび読み込み速度の速いバッファメモリを用意しておき、連続した撮像を行うモードでは、バッファメモリに画像を溜めておくように実装することも考えられる。この場合、一連の撮像が終わった後にバッファメモリの画像データを記録媒体に、画像ファイルとして記録することになる。このような場合には、以下のようにしてもよい。
すなわち、上述したように、連写モードの場合は保存する画像が少ないと考えられる。そのため、バッファメモリから記録媒体に画像データを移動させる前にレビュー表示を行い、ユーザ選択を受け付け、選択された画像のみを記録媒体に記録するようにしてもよい。このようにすることで、効率的な記録制御を実現することができる。例えば、書き込み回数に上限のあるSDカード等を記録媒体に用いる際には、無駄な書き込みが減り、記録媒体の利用可能期間を延ばすことができる。また、無駄な書き込みによるデジタルカメラの電力消費も抑えることができる。
一方、ブラケット撮像モードでは削除する画像が少ない、逆に言えば、保存する画像が多いと考えられる。このような場合には、ユーザの選択後にバッファメモリから記録媒体への記録を開始すると、ユーザに処理の間の時間を待たせることになる。そこで、この場合は先にバッファメモリから記録媒体に記録し、並行してレビュー表示とユーザ選択の受け付けを行い、選択された画像のみを削除または記録媒体への記録をしないようにする。これにより、ユーザが処理を待つ時間を低減し、よりスムーズなUIを実現することができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。