JP6575090B2 - クレーンのブーム脱着装置およびクレーンのブーム脱着方法 - Google Patents
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第2の発明により、クレーンとは別の動力装置を用いる必要なくブームの脱着が行え、かつ、上部旋回体の大型化、重量、およびコストを抑制できる。
上部旋回体13は、下部走行体11に対して旋回自在に、下部走行体11の上に搭載される。上部旋回体13は、旋回フレーム15と、運転室17と、起伏シリンダ19と、起伏シリンダ支持装置19sと、を備える。旋回フレーム15の一部には、ブーム20が取り付けられるブーム支持ブラケット15aがある。運転室17は、旋回フレーム15に搭載される。起伏シリンダ19は、上部旋回体13に対してブーム20を起伏させるシリンダであり、油圧シリンダである。起伏シリンダ19の基端部は、起伏シリンダフットピン19aを介して旋回フレーム15に連結される。起伏シリンダ19の先端部は、起伏シリンダロッドピン19bを介してブーム20に連結される。起伏シリンダ支持装置19sは、起伏シリンダ19とブーム20とが切り離された状態のとき(起伏シリンダロッドピン19bが取り外されたとき)に、旋回フレーム15に対して起伏シリンダ19を支持する。
以下では、ブーム20の長手方向が水平方向(または略水平方向)となるようにブーム20が配置された場合について説明する。ブーム20の伸縮可能な方向(長手方向)をブーム伸縮方向Xとする。ブーム20の先端側から後端側に向かう側をブーム後端側X1とし、その逆側をブーム先端側X2とする。ブーム20の幅方向(ブーム伸縮方向Xに直交する水平方向)を、ブーム幅方向Yとする。
側板25a・25aは、図4に示すように、ブーム幅方向Yに対向する2枚の板材である。
先端シーブ25bは、先端ブーム25の先端部の下端部に配置される滑車であり、ブーム幅方向Yに並ぶように複数枚設けられ、例えば4枚設けられる。先端シーブ25bには、フックH1(図9A参照)を吊るための吊上げロープが掛けられる。
先端シーブ固定ピン25c(ブームポイントピン)は、側板25aに対して先端シーブ25bを回転自在に支持するピンである。先端シーブ固定ピン25cは、ブーム幅方向Yに延び、2枚の側板25a・25aよりもブーム幅方向Y両外側に突出する。
なお、図9Aに示すように、先端ブーム25には、補助フックH2を吊るための補助シーブ27が取り付けられてもよい。
伸縮用油圧ホース33は、伸縮シリンダ31と上部旋回体13との間で油を供給および排出するための油圧ホースであり、ブーム20のブーム後端側X1の端部と上部旋回体13とにつながれる。
天板83は、図6および図7に示すように、基端ブーム21(ブーム20)に接し、基端ブーム21(ブーム20)を支持する部分である。天板83は、第二ブーム後端側支持装置72の上端部を構成し、内枠82の上端部に固定される。天板83の厚さ方向は、上下方向である。なお、図7では、ブーム20の内部構造を省略した。
固縛部材89aは、基端ブーム21の外周部を縛ることが可能な部材であり、具体的には例えば、バンド、ベルト、ロープ、またはチェーンなどである。固縛部材89aの長さは調整可能である。固縛装置89と基端ブーム21の外周部との間に当て部材(図示なし)が設けられてもよく、例えば、ブーム伸縮方向Xから見た基端ブーム21の角部に当てられる角当て部材が設けられてもよい。
固縛部材固定部89bは、固縛部材89aが固定される部分である。固縛部材固定部89bは、外枠81に固定され、さらに詳しくは、外枠81からブーム幅方向Y外側に突出する。固縛部材固定部89bには、固縛部材89aを取り付けるための部分が設けられ、具体的には例えば、かぎ状部分または孔(いずれも図示なし)が設けられる。なお、図7において二点鎖線で示すように、固縛部材89aは、内枠82または天板83に固定されてもよい。
図2に示すブーム脱着装置1によるブーム脱着方法の概略は次の通りである。上部旋回体13よりもブーム先端側X2でブーム20が支持された状態にする(図9A〜図9C参照)。また、上部旋回体13とブーム20との、ブームフットピン20aおよび起伏シリンダロッドピン19bによる連結が切り離された状態にする。これらの状態で、ブーム20を伸縮動作させることで、基端ブーム21を(ブーム20のブーム後端側X1の端部を)ブーム伸縮方向Xに移動させる。これにより、上部旋回体13に対してブーム20を脱着させる(図9D〜図9F参照)。ブーム脱着方法の詳細は次の通りである。
図9A〜図9Fの順に示すように、ブーム20が上部旋回体13から取り外される。以下ではブーム20の取り外しを手順に沿って説明する。
第一ブーム後端側支持装置71が、レール53上に配置され、さらに詳しくは、レール53のブーム後端側X1の端部(またはその近傍)に配置される。
図9Cに示すように、第一ブーム後端側支持装置71の高さが調整される。さらに詳しくは、図6に示す昇降シリンダ85を伸ばすことで、天板83を上昇させる。これにより、第一ブーム後端側支持装置71が、ブーム20の荷重を受け、ブーム20を支持する。
図9Cに示すように、基端ブーム21が、固縛装置89により第一ブーム後端側支持装置71に固縛される。
上記のブーム20の取り付け手順とは逆の手順(またはほぼ逆の手順)により、図9F〜図9Aの順に、ブーム20が上部旋回体13に取り付けられる。以下ではブーム20の取り付けを手順に沿って説明する。なお、図9A〜図9Fにおける動作の向きを表す矢印は逆向きであるとして説明する。
図9Eに示すように、ブーム20が伸縮シリンダ31(図2参照)により伸ばされることで、基端ブーム21が先端ブーム25に対してブーム後端側X1に移動する。このときブーム後端側支持装置70が、基端ブーム21の移動に追従して、ブーム後端側X1に走行移動する。ブーム20のブーム後端側X1の端部(ブームフット)と起伏シリンダ19とが干渉しない位置に、ブーム後端側支持装置70が上げられることで、ブーム20が上げられる。
第二ブーム後端側支持装置72の固縛部材89aが、ブーム20から取り外される。
第二ブーム後端側支持装置72が下げられ、第二ブーム後端側支持装置72がレール53から取り外される。
第一ブーム後端側支持装置71の固縛部材89aがブーム20から取り外される。
図3に示すブーム先端側支持装置60の固定ピン65が、先端固定部61から取り外される。
図9Aに示すように、フックH1、補助フックH2、および補助シーブ27がブーム20に取り付けられる。
図1に示すブーム脱着装置1による効果は次の通りである。ブーム脱着装置1は、ブーム20と、ブーム支持装置50と、を備える。ブーム20は、ブームフットピン20aを介して上部旋回体13に起伏可能に取り付けられ、伸縮可能である。
[構成1−1]ブーム支持装置50は、上部旋回体13よりもブーム先端側X2に配置される。
[構成1−2]ブーム支持装置50は、上部旋回体13とブーム20とのブームフットピン20aによる連結が切り離された状態でブーム20が伸縮動作したときに、ブーム20のブーム後端側X1の端部(後端部)がブーム伸縮方向Xに移動可能となるように、ブーム20を支持する。
上部旋回体13の大型化および重量を抑制できる結果、クレーン10の動作に必要な燃料および排気ガスの量を抑制できる。また、上部旋回体13を輸送するための車両を小型化でき、上部旋回体13の輸送に必要な燃料および排気ガスの量を抑制でき、上部旋回体13の輸送に必要なコストを抑制できる。
[構成2]図2に示すように、ブーム支持装置50は、ブーム先端側支持装置60と、ブーム先端側支持装置60よりもブーム後端側X1に配置されるブーム後端側支持装置70と、を備える。
[構成3]ブーム支持装置50は、ブーム伸縮方向Xに延びるレール53を備える。ブーム後端側支持装置70は、レール53に沿ってブーム伸縮方向Xに移動可能である。
[構成4]ブーム後端側支持装置70は、図6に示すように、天板83(ブーム20を支持する部分)を任意の高さに変える昇降シリンダ85(支持高さ変更部)を備える。
また、起伏シリンダロッドピン19bの取り付けが行われる場合は、上記[構成4]により、起伏シリンダロッドピン19bのピン孔の位置合わせも容易に行える。
上記[構成4]により、ブーム20の取り外し時には次の効果が得られる。天板83がブーム20を支持していない状態のときに(図9Bと図9Cとの間の状態を参照)、昇降シリンダ85が天板83を高くすることで、ブーム後端側支持装置70がブーム20を支持できる。よって、図9Cに示すように、ブーム20が支えられた状態でブームフットピン20aの取り外しができるので、ブームフットピン20aの取り外しを確実に行える。
[構成5]図2に示すように、ブーム後端側支持装置70は、ブーム伸縮方向Xに間隔をあけて複数設けられる。
[構成6]ブーム支持装置50は、ブーム20を搬送するためのトラック40(搬送台車)に設けられる。
また、[構成6]により、ブーム20の取り付け前に、ブーム支持装置50にブーム20が支持された状態でトラック40がブーム20を搬送した場合、搬送時のブーム20の状態のままで、ブーム20の取り付け作業を開始できる。
本実施形態のブーム脱着方法による効果は次の通りである。このブーム脱着方法は、図1に示すブーム20を備えるクレーン10に用いられる。ブーム20は、ブームフットピン20aを介して上部旋回体13に起伏可能に取り付けられ、伸縮可能である。
[構成7]上部旋回体13よりもブーム先端側X2でブーム20が支持された状態、かつ、上部旋回体13とブーム20とのブームフットピン20aによる連結が切り離された状態で、ブーム20を伸縮動作させる。この伸縮動作により、ブーム20のブーム後端側X1の端部をブーム伸縮方向Xに移動させる。
この[構成7]により、上記「(効果1)」と同様の効果が得られる。
図10〜図11Fを参照して、図10に示す第2実施形態のブーム脱着装置201について、第1実施形態との相違点を説明する。なお、ブーム脱着装置201のうち、第1実施形態との共通点については、第1実施形態と同一の符号を付し、説明を省略した。
ジャッキ211c(トランスリフター)は、カーボディ211bに取り付けられる油圧ジャッキ(油圧シリンダ)である。ジャッキ211cは、上部旋回体13を任意の高さに持ち上げる。さらに詳しくは、ジャッキ211cは、地面に対してカーボディ211bを持ち上げることで、上部旋回体13の地面に対する高さを任意に変えることが可能であり、上部旋回体13の地面に対する傾きを任意に変えることが可能である。ジャッキ211cは、複数箇所に設けられ、具体的には4か所に設けられ、ブーム伸縮方向Xおよびブーム幅方向Yに互いに間隔をあけて配置される。
図11A〜図11Fの順に示すように、上部旋回体13からブーム20が取り外される。図11F〜図11Aの順に示すように、上部旋回体13にブーム20が取り付けられる。第2実施形態のブーム脱着方法の、第1実施形態との相違点は次の通りである。
図9Cに示すように第1実施形態では、ブーム20の取り外し時に、ブーム20が下げられることで先端ブーム25がブーム先端側支持装置60に支持された。
一方、図10に示す第2実施形態では、例えば、第1実施形態よりも荷台41が低いことなどにより、ブーム20を下げるだけではブーム先端側支持装置60に先端ブーム25を支持させることができない。そこで、図11Cに示すように、ジャッキ211cにより、上部旋回体13の地面に対する高さが調整され、上部旋回体13の地面に対する傾きが調整される。さらに詳しくは、上部旋回体13の前側(ブーム先端側X2)部分よりも、後側(ブーム後端側X1)部分が高く持ち上げられる。これにより、先端ブーム25がブーム先端側支持装置60に支持される。
第1実施形態では、ブーム20の取り付け時に、図9Cに示す第一ブーム後端側支持装置71の高さが調整されることにより、ブームフットピン20aのピン孔、および、起伏シリンダロッドピン19bのピン孔、それぞれの上下方向の位置合わせが行われた。
一方、第2実施形態では、例えば、第一ブーム後端側支持装置71の高さ調整だけでは上記のピン孔の位置が合わない。そこで、図11Cに示すように、ジャッキ211cにより上部旋回体13の高さや傾きが調整される。これにより、ブームフットピン20aのピン孔、および、起伏シリンダロッドピン19bのピン孔の上下方向の位置合わせが行われる。
図10に示すブーム脱着装置201による効果は次の通りである。ブーム脱着装置201は、ジャッキ211cを備える。
[構成8]ジャッキ211cは、上部旋回体13を任意の高さに持ち上げる。
上記[構成8]により、ブーム20の取り付け時には次の効果が得られる。ジャッキ211cにより上部旋回体13を任意の高さに持ち上げることで、上部旋回体13の(ブーム支持ブラケット15aの)ブームフットピン20aのピン孔の位置を任意の高さに変えることができる。よって、ブームフットピン20aの取り付けを容易に行える。
上記の各実施形態は様々に変形されてもよい。
図1に示すクレーン10はホイール式でもよい。
図2に示すブーム20の単位ブームの段数は4段だったが、この段数は2段、3段、または5段以上でもよい。
上記実施形態ではブーム支持装置50は、トラック40に設けられた。しかし、ブーム支持装置50は、トラック40以外の搬送台車に設けられてもよく、例えばトレーラーに設けられてもよく、また例えばブーム20の搬送専用の台車に設けられてもよく、この台車と一体でもよい。また、ブーム支持装置50は、搬送台車に設けられなくてもよく、地面や床面などに固定されてもよい。
上記実施形態では、ブーム支持装置50は装置であったが、ブーム支持装置50の一部または全部は装置でないブーム支持部でもよい。装置でないブーム支持部は、ブロック状の物でもよく、例えば木などでもよい。
横部材55や補強部材63は設けられなくてもよい。同様に、上記実施形態の構成要素の一部が設けられなくてもよい。
ブーム後端側支持装置70は、高さ調整不可能に構成されてもよく、例えば入れ子でない箱状部材などにより構成されてもよい。
ブーム後端側支持装置70は、ブーム伸縮方向Xに移動不可能でもよく、例えばフレーム51や荷台41に固定されてもよい。
ブーム後端側支持装置70に、ブーム20の荷重を検出する荷重検出手段が設けられてもよい。この荷重検出手段により、図9Cに示すブームフットピン20aを取り外すときに、ブーム後端側支持装置70がブーム20を適切に支持しているかどうかを検出できる。図6に示す昇降シリンダ85が油圧シリンダの場合、この荷重検出手段は、例えば油圧シリンダに供給される作動油の圧力を検出する油圧センサである。この荷重検出手段は、ロードセルなどでもよい。
上記実施形態では、油圧シリンダである昇降シリンダ85により天板83の高さが変えられたが、天板83の高さは、例えば電動モータなどにより電力を用いて変えられてもよい。
第2実施形態では、ジャッキ211cにより、上部旋回体13の地面に対する傾きが調整されたが、傾きが調整されずに高さのみ調整されてもよい。
10 クレーン(移動式クレーン)
13 上部旋回体
20 ブーム
20a ブームフットピン
40 トラック(搬送台車)
50 ブーム支持装置(ブーム支持部)
53 レール
60 ブーム先端側支持装置(ブーム先端側支持部)
70 ブーム後端側支持装置(ブーム後端側支持部)
71 第一ブーム後端側支持装置(第一ブーム後端側支持部)
72 第二ブーム後端側支持装置(第二ブーム後端側支持部)
85 昇降シリンダ(支持高さ変更部)
211c ジャッキ
X ブーム伸縮方向
X1 ブーム後端側
X2 ブーム先端側
Claims (6)
- ブームフットピンを介して上部旋回体に起伏可能に取り付けられ、伸縮可能なブームと、
前記上部旋回体よりもブーム先端側に配置されるブーム支持部と、
を備え、
前記ブーム支持部は、
ブーム先端側支持部と、
ブーム伸縮方向に延びるレールと、
前記ブーム先端側支持部よりもブーム後端側に配置され、前記レールに沿ってブーム伸縮方向に移動可能であるブーム後端側支持部と、
を備え、
前記ブーム支持部は、前記上部旋回体と前記ブームとの前記ブームフットピンによる連結が切り離された状態で前記ブームが伸縮動作したときに、前記ブームの後端部がブーム伸縮方向に移動可能となるように、前記ブームを支持する、
クレーンのブーム脱着装置。 - 請求項1に記載のクレーンのブーム脱着装置であって、
前記ブーム後端側支持部は、前記ブームを支持する部分を任意の高さに変える支持高さ変更部を備える、
クレーンのブーム脱着装置。 - 請求項1または2に記載のクレーンのブーム脱着装置であって、
前記ブーム後端側支持部は、ブーム伸縮方向に間隔をあけて複数設けられる、
クレーンのブーム脱着装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のクレーンのブーム脱着装置であって、
前記ブーム支持部は、前記ブームを搬送するための搬送台車に設けられる、
クレーンのブーム脱着装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のクレーンのブーム脱着装置であって、
前記上部旋回体を任意の高さに持ち上げるジャッキを備える、
クレーンのブーム脱着装置。 - ブームフットピンを介して上部旋回体に起伏可能に取り付けられ、伸縮可能なブームを備えるクレーンのブーム脱着方法であって、
前記上部旋回体よりもブーム先端側に配置されるブーム支持部で前記ブームが支持された状態、かつ、前記上部旋回体と前記ブームとの前記ブームフットピンによる連結が切り離された状態で、前記ブームを伸縮動作させることで、前記ブームの後端部をブーム伸縮方向に移動させ、
前記ブーム支持部は、
ブーム先端側支持部と、
ブーム伸縮方向に延びるレールと、
前記ブーム先端側支持部よりもブーム後端側に配置され、前記レールに沿ってブーム伸縮方向に移動可能であるブーム後端側支持部と、
を備える、
クレーンのブーム脱着方法。
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