JP6573216B2 - 気相成長装置及びエピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents

気相成長装置及びエピタキシャルウェーハの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、気相成長装置及びエピタキシャルウェーハの製造方法に関する。
シリコン単結晶基板の主表面に気相成長法によりシリコン単結晶薄膜であるエピタキシャル層を成長させたシリコンエピタキシャルウェーハは、バイポーラIC及びMOS−IC等の電子デバイスに広く使用されている。このような電子デバイスの微細化に伴い、素子を作りこむエピタキシャルウェーハの主表面の平坦度に対する要求がますます厳しくなっている。
エピタキシャルウェーハを製造する装置としては、複数枚のウェーハをバッチ式で処理する気相成長装置と、1枚1枚のウェーハを枚葉式で処理する気相成長装置がある。一般的に枚葉式の気相成長装置を使用して製造されたエピタキシャルウェーハの方がバッチ式の気相成長装置を使用して製造されたエピタキシャルウェーハよりエピタキシャルウェーハの主表面の平坦度が優れていると考えられている。よって、直径200mm以上のエピタキシャルウェーハを製造する装置としては、枚葉式の気相成長装置が主流になっている。
このような枚葉式の気相成長装置の構成例が、例えば、特許文献1〜5に開示されている。このような気相成長装置の一例として、図7A及び図7Bに気相成長装置101が示される。気相成長装置101は、基板にエピタキシャル層を成長させる反応炉102と、基板に成長させるエピタキシャル層の原料となる原料ガスを反応炉102内に供給するガス供給管103と、反応炉102内のガスを排出するガス排出管104を備える。気相成長装置101は、ガス供給管103を通じて反応炉102内に原料ガスを供給し、供給された原料ガスが基板Wの表面に沿うように流れた後、ガス排出管104から排出される。このような気相成長装置により基板上に成長させるエピタキシャル層の膜厚を均一化させる場合には、反応炉内を流れる原料ガスの流量分布が重要な因子となる。
そこで、例えば、特許文献6には、反応炉内を流れる原料ガスの流量のムラを低減させる装置が提案されている。具体的には、反応炉内に向かう原料ガスの流れを調整するバッフル板と、原料ガスが流れる方向に沿って延びる仕切板を原料ガスの流れの幅方向に沿って複数設けた気相成長装置が特許文献6に開示されている。このような装置の反応炉は、反応炉内に通じてガス供給管から流れる原料ガスが流入する入口と、入口の上方かつ入口より反応炉側に位置して反応炉内に至る出口と、入口と出口を接続する通路と、通路内に位置する段部と、を備える。そして、反応炉内には、ガス供給管から原料ガスが導かれ、原料ガスが反応炉内に至る通路の段部を乗り越えるようにして反応炉内の基板の表面に原料ガスが供給される。反応炉に導かれる原料ガスは、原料ガスが通過する複数の貫通孔を有するバッフル板により複数の噴流にされ、その各噴流が反応炉内に通じる通路の段部に衝突して分散することにより、基板に供給される原料ガスの流量のムラを解消している。
特開2014−110414号公報 特開2009−277730号公報 特開2005−183510号公報 特開2004−200603号公報 特開2003−168650号公報 特開2003−203866号公報
しかし、段部に衝突して分散した一部の噴流は、噴流と噴流の間を逆流して循環する流れを形成する。この循環する流れを形成する噴流の一例が図8に示される。図8では、図示下端から複数本の噴流Jが段部108cに向かって流れ、段部108cで衝突して分散した噴流Jの一部が、噴流Jと噴流Jの間を逆流して循環する。ここで、原料ガスの噴流が衝突する段部(通路)を構成する部材は、耐熱性が必要であるとともに、シリコンに対して不純物にならない等の制約がある。そのため、段部を有する通路を構成する部材の素材は、石英製にほぼ限定されている。そして、段部を有する通路には原料ガスが繰り返し導入されることにより、段部には原料ガスに起因する堆積物が堆積され、堆積物を除去するために段部はフッ酸で定期的に洗浄される。その結果、フッ酸洗浄後の段部の表面には多少の凹凸が生じ、この凹凸に原料ガスの噴流が衝突すると、図8に示す噴流Jが循環する流れが乱され、原料ガスの噴流全体の流れに影響が生じる。すると、基板の表面に向けて流れる原料ガスの流量分布に影響が生じる結果、基板上に成長させるエピタキシャル層の膜厚分布にも影響が及ぼされる。
これらの影響は、反応炉内に通じる通路の段部における表面の凹凸形状を原因とする。そのため、メンテナンスにより通路を構成する部材を取り外して洗浄等した後に元通りに設置したつもりであっても次のような問題が生じる。つまり、段部を有する通路を構成する部材の配置の僅かな違い及び段部の表面形状の僅かな変化などによりメンテナンス前に達成できたエピタキシャル層の膜厚分布を再現することができない等の問題が生じる。よって、以上のような影響及び問題を引き起こす原因となる段部の表面における凹凸形状、段部の配置等に原料ガスの流れが影響を受けないように原料ガスの流れを安定させる必要がある。
本発明の課題は、原料ガスの流れを安定させることが可能となる気相成長装置及びエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の気相成長装置は、
原料ガスにより基板にエピタキシャル層を気相成長させる反応炉と、
反応炉内に通じる入口と、入口の上方かつ入口より反応炉側に位置して反応炉内に至る出口と、を有して入口と出口を接続して反応炉内に原料ガスを導入する通路と、
通路内に位置して入口に対向する第1面と第1面の上端から出口に延びる第2面を有する段部と、
入口に対向する第1開口と、第1開口から入口の外側に向けて延びた先に位置する第2開口と、を有して入口に原料ガスを導く管状の流路と、
第2開口に対応した形状、かつ、第2開口に連なって通じる貫通孔を有して原料ガスを貫通孔から流路に導くバッフルと、
を備えることを特徴とする。
本発明の気相成長装置は、バッフルの貫通孔に対応した形状の第2開口を有する管状の流路を備える。よって、バッフルの貫通孔を通過して管状の流路に至った原料ガスは、管状の流路いっぱいに広がって管状の流路を流れた後、通路に流入して段部に衝突する。ここで、段部に衝突した原料ガスの一部は逆流しようとするが、後から次々に流路いっぱいに広がった原料ガスが流れ、逆流しようとする原料ガスの流れは後からの流れに飲み込まれ、打ち消される。そのため、メンテナンスで段部の表面の多少の凹凸が形成されたり、メンテナンス前後で段部の配置が僅かにずれたりして段部の衝突で逆流しようとする原料ガスの流れに影響が生じるとしても、その流れは打ち消される。その結果、段部の配置、段部の表面の形状は、原料ガス全体の流れに大きな影響を与えない。したがって、メンテナンス前後で原料ガスの流れを安定させることができ、メンテナンス前後で同じような原料ガスを基板に向けて導くことが可能となる。
本発明の実施態様では、流路は、第1開口と第2開口の間に位置する湾曲した湾曲管路と、湾曲管路に連なって通じるとともに第1開口側の流路の端に位置する端管路と、を有する。
これによれば、湾曲管路により原料ガスを導く方向を誘導できる。
本発明の実施態様では、第1面は、反応炉側から鉛直方向に延びる軸線を中心とする円弧状の曲面であり、端管路は、軸線に対して直交する方向に沿って位置する。
具体的には、流路により原料ガスの少なくとも一部が第1面に対して垂直に導かれる。
これによれば、メンテナンス前に作製したエピタキシャル層の膜厚分布をメンテナンス後に作製するエピタキシャルウェーハで再現しようとする際に再現性を高めることができる。また、原料ガスの流量を増減させても、原料ガスの流量分布が大きく変化しないようにすることができる。
本発明の実施態様では、基板は、シリコン単結晶基板であり、エピタキシャル層は、シリコンエピタキシャル層であり、流路は石英製である。
これによれば、流路がシリコンエピタキシャルウェーハの汚染源になるのを抑制することができる。
本発明の実施態様では、流路は、正方形、長方形、又は、正方形若しくは長方形の角を丸めた形状の横断面を有する。
また、本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法は、
原料ガスにより基板にエピタキシャル層を気相成長させる反応炉内に通じる入口と、入口の上方かつ入口より反応炉側に位置して反応炉内に至る出口と、を接続する通路内において入口に対向する第1面と第1面の上端から出口に延びる第2面を有する段部に向けて原料ガスを導入する工程と、
導入する工程により導入した原料ガスによりエピタキシャル層を基板に成長する工程と、
を備え、
導入する工程は、
入口に対向する第1開口と、第1開口から入口の外側に向けて延びた先に位置する第2開口と、を有して入口に原料ガスを導く管状の流路と、
第2開口に対応した形状、かつ、第2開口に連なって通じる貫通孔を有して原料ガスを貫通孔から流路に導くバッフルと、
を使用して段部に原料ガスを導入することを特徴とする。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法では、バッフルの貫通孔に対応した形状の第2開口を有する管状の流路を使用して原料ガスを反応炉の段部に導入する。そのため、上記の気相気相成長装置と同様に原料ガスの流れを安定させることが可能となる。よって、エピタキシャル層の膜厚分布の再現性が高いエピタキシャルウェーハを製造することができる可能性がある。
本発明の実施態様では、流路は、互いに融合させる融合面を有する第1部材と第2部材の少なくとも一方の融合面に溝を形成した後に、第1部材と第2部材の融合面を融合させて溝が管状に形成されたものを流路として使用する。
これによれば、原料ガスを導く流路を作製するのが容易となる。
本発明の一例の気相成長装置を示す模式断面図。 図1Aの気相成長装置の基板に向けてガスが通過する部材を示す平面的な模式図。 図1Aのインジェクションインサートを示す模式斜視図。 図2Aの模式平面図。 図2Bの模式正面図。 比較例で使用したインジェクションインサートを示す模式平面図。 図3Aの模式正面図。 メンテナンス前に作製したエピタキシャルウェーハの膜厚分布を示す実施例1の等高線図。 メンテナンス後に作製したエピタキシャルウェーハの膜厚分布を示す実施例1の等高線図。 メンテナンス前に作製したエピタキシャルウェーハの膜厚分布を示す比較例の等高線図。 メンテナンス後に作製したエピタキシャルウェーハの膜厚分布を示す比較例の等高線図。 キャリアガスである水素を通常用いる流量にして作製したエピタキシャルウェーハの膜厚分布を示す実施例2の等高線図。 キャリアガスである水素を通常用いる流量の2倍(図6Aの2倍)にして作製したエピタキシャルウェーハの膜厚分布を示す実施例2の等高線図。 従来の気相成長装置の一例を示す模式断面図。 図7Aの各部材を平面的に示した模式図。 従来の気相成長装置において反応炉に向かう原料ガスの噴流の流れを示す流路図。
図1Aは、本発明の一例である枚葉式の気相成長装置1を示す。気相成長装置1により基板Wにエピタキシャル層が気相成長され、エピタキシャルウェーハが製造される。
気相成長装置1は、基板Wを収容する反応炉2を備える。反応炉2は、容器状に形成される。反応炉2は、円筒又は円環状のベースリング3と、ベースリング3を上側から蓋をして反応炉2の天井を構成するアッパードーム4と、ベースリング3を下側から蓋をして反応炉2の底側を構成するロワードーム5と、を備える。
ベースリング3は反応炉2を構成するベースとなる部材である。ベースリング3は、ベースリング3の内側にガスを導入する導入口3aと、ベースリング3の内側のガスをベースリング3の外に排出する排出口3bと、を備える。導入口3aと排出口3bは、ベースリング3の中心線となる、例えば、鉛直方向に延びる軸線Oを軸とする円弧の曲面状の開口、いわば、アーチ状に形成された開口として形成される。
ベースリング3の内側には、アッパーライナー6とロワーライナー7が位置する。アッパーライナー6及びロワーライナー7は、導入口3aから導入されるガスを反応炉2内に導く導入通路8と、反応炉2内のガスを反応炉2外に排出する排出口3bに導く排出通路9と、を形成するための部材である。
アッパーライナー6は、ベースリング3の内周に嵌まり込むことが可能な円環状に形成される石英製の部材である。アッパーライナー6は、ベースリング3の内側に嵌まり込んだ状態でアッパードーム4側に位置する。
ロワーライナー7は、ベースリング3の内側に嵌まり込むことが可能な円環状に形成される石英製の部材である。ロワーライナー7は、ベースリング3の内側に嵌り込んだ状態でロワードーム5上に載置される。
アッパーライナー6とロワーライナー7により形成される導入通路8は、反応炉2内に通じる入口8aと、入口8aの上方かつ入口8aより反応炉2側に位置して反応炉2内に至る出口8bと、入口8aと出口8bを接続する通路内に位置する段部8cと、を備える。段部8cは、入口8aに対向する第1面8c1と、第1面8c1の上端から出口8bに延びる第2面8c2を備える。第1面8c1は、軸線Oを軸とする円弧の曲面状であり、第2面8c2は、水平面となる。導入通路8が本発明の「通路」に相当する。なお、アッパーライナー6とロワーライナー7により形成される排出通路9は、導入通路8と同様であるため、説明を省略する。
反応炉2の内部には、基板Wを載置するサセプタ10と、サセプタ10を支持する支持部11と、サセプタ10を囲むプリヒートリング12と、が備わる。支持部11は、図示しない駆動手段に軸線O回りに回転可能となる。
図1Aの反応炉2の外側の上下には加熱源となるランプ13が配置され、反応炉2の外側の左右には反応炉2内にガスを供給する機構と、反応炉2内のガスを排出する機構が位置する。
図1Bは、基板Wにエピタキシャル層を成長させる各種ガスを供給する機構を説明する模式図である。図1Bは、基板Wに向かうガスが通過する各部材が平面的な模式図で示される。供給されるガスは、図1Bの左側のバッフル14、インジェクションインサート15(以下、「インサート15」とする。)、ロワーライナー7、プリヒートリング12、サセプタ10との順に各部材を通過して基板Wに到達する。その後、サセプタ10、プリヒートリング12、ロワーライナー7、との順に各部材を通過した後、反応炉2の外に排出される。なお、図1Bでは、基板W、サセプタ10、プリヒートリング12及びロワーライナー7が円状の形で示されている。
バッフル14は板状であり、ガスが通過する複数の貫通孔Hを備える。貫通孔Hはバッフル全体で12個形成され、各貫通孔Hは矩形状の開口を有する。図示しないマスフローコントローラーにより基板Wに供給させるガスがバッフル14に向けて導かれ、導かれたガスが貫通孔Hを通過することでガスの流れが調整され、インサート15に至る。
図2A〜図2Cはインサート15の模式図を示す。図2A及び図2Bに示すようにインサート15は、円弧状の辺S1と辺S1に対向する対向辺S2を有する1組のプレート16を有する。各プレート16は、対向辺S2から辺S1に向けて貫通する複数(6つ)の流路16a〜fを備える。流路16a〜fは、それぞれ、矩形状の横断面(例えば、正方形、長方形、又は、正方形若しくは長方形の角を丸めた形状の横断面)を有する管状の管路として形成され、両端にバッフル14の貫通孔H(図1B)に対応して矩形状に形成された開口(辺S1側の開口O1及び対向辺S2側の開口O2)を有する。流路16a〜dは、開口O1と開口O2の間に位置する湾曲した湾曲管路17と、湾曲管路17に連なって通じるとともに開口O1側の端に位置する端管路18と、を備える。湾曲管路17は、一部が湾曲する管状に形成され、図1Bに示すように端管路18が導入通路8の円弧状の第1面8c1の法線方向に沿うように(軸線Oに直交する方向に沿うように)湾曲する。端管路18は、直線状に形成され、軸線Oに直交する方向に沿って位置する。流路16e、16fは、直線状に形成され、軸線Oに直交する方向に沿って位置する。1組のプレート16は、バッフル14の貫通孔Hに対応して合計で12の開口O2を有する。各開口O2が対抗する貫通孔Hに連なって通じるようにバッフル14が取り付けられる。インサート15は、流路16a〜fが導入通路8の入口8aに対向して入口8a側から入口8aの外側(反応炉2の外側)に向けて水平方向に延びる。インサート15は、図1Aの導入口3aに挿入されて反応炉2に取り付けられる。図1Bに示すように流路16a〜fは、水平面に沿ってそれぞれ並列に配置され、流路16a〜fは水平面に沿って隣接して位置する。また、インサート15(両プレート16)は石英製である。各プレート16は、例えば、次のようにして作製される。先ず、2つの石英ブロックを用意する。用意した2つの石英ブロックは、それぞれ互いに融合させる融合面を有する。次に、用意した石英ブロックの少なくとも一方の融合面に貫通孔Hに対応する溝を形成する。そして、2つの石英ブロックの互いの融合面を向かい合わせて重ね、黒鉛ブロックにより荷重をかけた状態で電気炉に入れ、加熱して融合させる。こうして一体となった石英ブロックの外形をマシニングセンタにより整えることでプレート16が作製される。同様にして1組のプレート16を作製し、作製された1組のプレート16は、インサート15として、図1Bに示すようにバッフル14と導入通路8の間に取り付けられる。
以上のバッフル14、インサート15を経由した後、ロワーライナー7、プリヒートリング12、サセプタ10を経て基板Wにガスが供給される。例えば、気相成長時には反応炉2内に気相成長ガスが供給される。気相成長ガスとしては、例えば、シリコン単結晶膜の原料となる原料ガスと、原料ガスを希釈するキャリアガスと、シリコン単結晶膜に導電型を付与するドーパントガスと、を備える。
以上、気相成長装置1の主要な各部を説明した。気相成長装置1により基板Wにエピタキシャル層を成長してエピタキシャルウェーハを製造する場合には、先ず、反応炉2のサセプタ10に基板Wを載置させる。そして、図示省略するマスフローコントローラーにより流量が制御された気相成長ガスを反応炉2に向けて供給する。すると、気相成長ガスが図1Bに示すバッフル14の貫通孔Hを通過して各流路16a〜fに流れる。そして、各流路16a〜fを通過した気相成長ガスは、導入通路8を経て反応炉2内に導入される。導入された気相成長ガスによりシリコン単結晶薄膜が基板W上に気相成長し、シリコンエピタキシャルウェーハが製造される。
本発明の実施態様では、図1Bに示すバッフル14の複数の貫通孔Hに対応した形状の開口O2を有する管状の流路16a〜fを備える。よって、バッフル14の貫通孔Hを通過して流路16a〜fに至った気相成長ガスは、管状の各流路16a〜fいっぱいに広がるようにして各流路16a〜fを流れた後、導入通路8に流入して段部8cに衝突する。ここで、段部8cに衝突した気相成長ガスの一部は逆流しようとするが、後から次々に流路16a〜fいっぱいに広がった気相成長ガスが流れ、逆流しようとする気相成長ガスの流れは後からの流れに飲み込まれ、打ち消される。そのため、メンテナンスで段部8cの表面の多少の凹凸が形成されたり、メンテナンス前後で段部8cの配置が僅かにずれたりして段部8cの衝突で逆流しようとする気相成長ガスの流れに影響が生じても、その流れは打ち消される。その結果、段部8cの配置、段部8cの表面の形状は、気相成長ガス全体の流れに大きな影響を与えない。したがって、メンテナンス前後で気相成長ガスの流れを安定させることができ、メンテナンス前後で同じような気相成長ガスを基板Wに向けて導くことが可能となる。よって、メンテナンス前に作製したエピタキシャル層の膜厚分布をメンテナンス後に作製するエピタキシャルウェーハで再現しようとする際に再現性を高めることができる。
本発明の効果を確認するために以下の実験を行った。以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
(実施例)
実施例1では、気相成長装置1を用いて直径200mm、結晶方位(100)のシリコン単結晶基板を載置したサセプタ10を軸線O回りに回転させずに回転を止めた状態でその基板にシリコンエピタキシャル層を成長してシリコンエピタキシャルウェーハを作製し、作製したシリコンエピタキシャルウェーハの膜厚分布を測定した。そして、気相成長装置1の反応炉2からアッパーライナー6及びロワーライナー7を取り外して洗浄した(メンテナンスした)後、再び元の位置に取り付けて先と同様の条件でシリコンエピタキシャルウェーハを作製し、作製したシリコンエピタキシャルウェーハの膜厚分布を測定した。
実施例2では、気相成長装置1を用いて直径200mm、結晶方位(100)のシリコン単結晶基板を載置したサセプタ10を軸線O回りに回転させずに回転を止めた状態でその基板にシリコンエピタキシャル層を成長してシリコンエピタキシャルウェーハを作製し、作製したシリコンエピタキシャルウェーハの膜厚分布を測定した。次に、先と同様に気相成長装置1を使用してシリコンエピタキシャルウェーハを作製し、作製したシリコンエピタキシャルウェーハの膜厚分布を測定した。ただし、先にシリコンエピタキシャルウェーハを作製した際にはキャリアガスである水素の流量を通常用いる流量にしたのに対して、後にシリコンエピタキシャルウェーハを作製した際には、先の水素の流量の2倍の流量にしてシリコンエピタキシャルウェーハを作製した。
比較例では、気相成長装置1のインサート15に代えて図3A及び図3Bに示されるインサート115を用いる以外は、実施例1と同様に直径200mm、結晶方位(100)の基板を用いて2つのシリコンエピタキシャルウェーハを作製し、作製した各シリコンエピタキシャルウェーハの膜厚分布を測定した。次にインサート115について具体的に説明する。インサート15と同様の構成について同じ符号を付して説明を省略する。図3A及び図3Bに示すようにインサート115は、辺S1と辺S1に対向する対向辺S2を有する1組のプレート116を有する。各プレート116は、対向辺S2から辺S1に向けて貫通する複数(2つ)の流路116a、116bを備える。流路116a、116bは、それぞれ、横幅が広い横断面を有する管路として形成され、両端に開口(辺S1側の開口O11及び対向辺S2側の開口O12)を有する。開口O12はバッフル14の貫通孔Hより大きく形成され、各開口O12にはバッフル14から複数本の噴流が流入する。比較例では、以上の構成以外は、気相成長装置1と同様の気相成長装置を使用した。
図4A及び図4B、図5A及び図5B並びに図6A及び図6Bは、基板を回転させずに成長させたエピタキシャル層の膜厚分布の等高線図を示す。各図において下側が供給される気相成長ガスの上流側(上側が供給される気相成長ガスの下流側)となり、等高線が図示上側から図示下側に向かうに従いエピタキシャル層の膜厚が厚くなる。気相成長装置1のようなエピタキシャル成長装置で、シリコン単結晶基板にシリコンエピタキシャル層を成長する場合は、通常、エピタキシャル層の層厚は気相成長ガスの供給量で律速され、流速の速い部分の成長速度は高くなる。そのため、各図は、概ね気相成長ガスの流量分布を示していると考えてよい。
図4Aは、実施例1においてメンテナンス前に作製したエピタキシャルウェーハの膜厚分布を示し、図4Bは、実施例1においてメンテナンス後に作製したエピタキシャルウェーハの膜厚分布を示す。図4A及び図4Bは、ほとんど変わらない形状であるため、メンテナンスにより部材の取り付け位置などが変化しても気相成長ガスの流量分布に与える影響が少ないことが分かる。そして、図4A及び図4Bから、それぞれの気相成長ガスの流量分布が比較的均一であることが分かる。それに対して、図5Aは、比較例においてメンテナンス前に作製したエピタキシャルウェーハの膜厚分布を示し、図5Bは、比較例においてメンテナンス後に作製したエピタキシャルウェーハの膜厚分布を示す。図5A及び図5Bは、等高線の形状が大きく異なるため、メンテナンスにより部材の取り付け位置などが変化することで、気相成長ガスの流量分布に大きな影響を与えることが分かる。実施例1と比較例の比較から、実施例1のインサート15の流路16a〜fがメンテナンス前後における気相成長ガスの流量分布の再現性を高めていることが分かる。
また、図6Aは、実施例2において通常の流量のキャリアガスを流して作製したエピタキシャルウェーハの膜厚分布を示し、図6Bは、実施例2において通常の倍の流量のキャリアガスを流して作製したエピタキシャルウェーハの膜厚分布を示す。図6A及び図6Bは、等高線の形状が大きく変わらないことから、気相成長装置1においてキャリアガスの流量を増減しても気相成長ガスの流量分布が大きく変わらないことが分かる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその具体的な記載に限定されることなく、例示した構成等を技術的に矛盾のない範囲で適宜組み合わせて実施することも可能であるし、またある要素、処理を周知の形態に置き換えて実施することもできる。
1 気相成長装置 2 反応炉
3 ベースリング 6 アッパーライナー
7 ロワーライナー 8 導入通路(通路)
8a 入口 8b 出口
8c 段部 8c1 第1面
8c2 第2面 10 サセプタ
14 バッフル H 貫通孔
15 インジェクションインサート 16 プレート
16a〜16f 流路 O1 開口(第1開口)
O2 開口(第2開口) 17 湾曲管路
18 端管路 W 基板

Claims (7)

  1. 原料ガスにより基板にエピタキシャル層を気相成長させる反応炉と、
    前記反応炉内に通じる入口と、前記入口の上方かつ前記入口より前記反応炉側に位置して前記反応炉内に至る出口と、を有して前記入口と前記出口を接続して前記反応炉内に前記原料ガスを導入する通路と、
    前記通路内に位置して前記入口に対向する第1面と前記第1面の上端から前記出口に延びる第2面を有する段部と、
    前記入口に対向する第1開口と、前記第1開口から前記入口の外側に向けて延びた先に位置する第2開口と、を有して前記入口に前記原料ガスを導く管状の流路と、
    前記第2開口に対応した形状、かつ、前記第2開口に連なって通じる貫通孔を有して前記原料ガスを前記貫通孔から前記流路に導くバッフルと、
    を備え
    前記流路は、前記第1開口と前記第2開口の間に位置する湾曲した湾曲管路と、前記湾曲管路に連なって通じるとともに前記第1開口側の前記流路の端に位置する端管路と、を有することを特徴とする気相成長装置。
  2. 前記第1面は、前記反応炉側から鉛直方向に延びる軸線を中心とする円弧状の曲面であり、
    前記端管路は、前記軸線に対して直交する方向に沿って位置する請求項1に記載の気相成長装置。
  3. 前記流路により前記原料ガスの少なくとも一部が前記第1面に対して垂直に導かれる請求項1または2に記載の気相成長装置。
  4. 前記基板は、シリコン単結晶基板であり、
    前記エピタキシャル層は、シリコンエピタキシャル層であり、
    前記流路は石英製である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  5. 前記流路は、正方形、長方形、又は、正方形若しくは長方形の角を丸めた形状の横断面を有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  6. 原料ガスにより基板にエピタキシャル層を気相成長させる反応炉内に通じる入口と、前記入口の上方かつ前記入口より前記反応炉側に位置して前記反応炉内に至る出口と、を接続する通路内において前記入口に対向する第1面と前記第1面の上端から前記出口に延びる第2面を有する段部に向けて前記原料ガスの噴流を抑制して前記原料ガスを導入する工程と、
    前記導入する工程により導入した前記原料ガスにより前記エピタキシャル層を前記基板に成長する工程と、
    を備え、
    前記導入する工程は、
    前記入口に対向する第1開口と、前記第1開口から前記入口の外側に向けて延びた先に位置する第2開口と、を有して前記入口に前記原料ガスを導く管状の流路と、
    前記第2開口に対応した形状、かつ、前記第2開口に連なって通じる貫通孔を有して前記原料ガスを前記貫通孔から前記流路に導くバッフルと、
    を使用して前記段部に前記原料ガスを導入し、
    前記流路は、前記第1開口と前記第2開口の間に位置する湾曲した湾曲管路と、前記湾曲管路に連なって通じるとともに前記第1開口側の前記流路の端に位置する端管路と、を有することを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
  7. 前記流路は、互いに融合させる融合面を有する第1部材と第2部材の少なくとも一方の前記融合面に溝を形成した後に、前記第1部材と前記第2部材の前記融合面を融合させて前記溝が管状に形成されたものを前記流路として使用する請求項6に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
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