図1は、本発明の実施の形態にかかる照明装置1のシステム全体図である。照明装置1は、複数の照明器具130および照明サーバ12を備えており、全体として1つの照明システムを構成している。照明装置1は、例えばビルディング、商業施設、工業施設、その他の大規模施設などに設置することができる。照明装置1は、1つの部屋に複数の照明器具130が設けられ、その部屋内で複数の人が活動しているという環境下で好適に使用することができる。照明サーバ12は、ネットワークを介して監視端末14および複数のユーザ端末161〜166等と通信可能である。
概要を説明すると、照明装置1は、監視端末14に表示される監視画面200および複数のユーザ端末161〜166に表示されるユーザ画面300に、それぞれ、複数の照明器具130の情報としての照明シンボル310を表示する。監視画面200は、後述するように、複数の照明器具130、調光センサ141、照度センサ142、人感センサ143等の情報を表示させた画面である。ユーザ画面300は、後述するように、複数の照明器具130の情報を表示させ、且つ、監視画面200よりもデータ量が少ない画面である。ユーザ画面300は、より具体的には、複数の照明器具130に関する表示情報および操作内容が監視画面200よりも少ない画面である。照明装置1においては、監視端末14に表示される監視画面200およびユーザ端末161〜166に表示されるユーザ画面300において操作があった場合には、照明サーバ12によりその操作に応じた制御が実現される。
照明サーバ12はウェブ(Web)サーバであり、監視端末14およびユーザ端末161〜166はクライアントであり、これらはクライアントサーバシステムを構築している。監視端末14およびユーザ端末161〜166は、それぞれ、モニタおよび入力機器(典型的には、キーボード、およびマウス等のポインティングデバイス)を備えている。監視端末14およびユーザ端末161〜166は例えばデスクトップパーソナルコンピュータとしてもよいが、これに限定されず、タブレットPC、ノートPCなどのモバイルPC、携帯電話などの携帯通信機器で代替されてもよい。
図1を参照して照明装置1の構成をより具体的に説明すると、まず、照明装置1は管理システム10を含んでいる。管理システム10は、照明サーバ12および監視端末14を備えている。監視端末14は、少なくとも1台(典型的には数台程度)備えられており、管理者のみが使用できるように設けられた端末である。監視端末14および照明サーバ12は、ネットワーク20に接続している。ネットワーク20は、例えば100BaseTのイーサネット(Ethernet)(登録商標)である。ネットワーク20には、アナンシェータ16およびLCU盤31、32が接続している。LCU盤31、32のほかにさらに他のLCU盤が接続してもよく、あるいはLCU盤31ひとつのみが接続していてもよい。LCU盤31は、例えば10個の系統を備えている。LCU盤31は、専有部110のFバス120に接続している。専有部110は、Fバス120と、このFバス120にそれぞれ接続した天井埋込エリアコントローラ140、調光センサ141、照度センサ142、人感センサ143、壁スイッチ144を備えている。Fバス120には、天井埋込増幅器145が接続しており、この天井埋込増幅器145にはFバス122が接続している。専有部110は、このFバス122にそれぞれ接続した複数の照明器具130を備えている。複数の照明器具130はデジタルI/F付の照明器具である。複数の照明器具130は、調光率制御が可能な照明器具131と、調光率制御ができない照明器具132を含んでいる。複数の照明器具130のうち照明器具131は、照明器具本体131aと、デジタルI/F付の制御ユニット131bとを備えている。制御ユニット131bに対してデジタル制御信号を送信することで、照明器具本体131aの点灯状態を制御することができる。照明器具本体131aは、LEDあるいは有機ELを光源として備えた光源モジュールと、この光源モジュールを点灯させる点灯装置とを備えている。制御ユニット131bは、Fバス122およびネットワーク20を介して照明サーバ12と通信する機能を有している。これ以外の複数の照明器具130それぞれも、同様に、照明器具本体、およびデジタルI/F付の制御ユニットを備えている。
なお、図1では複数の照明器具130のうち照明器具131、132の2つのみを図示しているが、実際にはより多くのデジタルI/F付の照明器具がFバス122に接続されている。ただし、照明サーバ12により制御される照明器具の個数は、実際の建物の大きさおよび間取りに応じて設置される照明器具の個数に応じて決定されるものであり、本発明では特に限定されるものではない。なお、ネットワーク20は例えばオフィスビルディング内におけるイントラネットなどの社内ネットワークの一部であってもよいが、照明サーバ12とユーザ端末161〜166を接続するネットワークの具体的仕様などは、本発明では特に限定されない。また、図示しないゲートウェイなどを介してインターネットへ接続していてもよい。
図1において、専有部110は部屋208の内部に設けられている。図1で模式的に部屋208に設置される構成を破線で囲っている。部屋208は例えばオフィスフロアの一室であり、この部屋208にはクライアントシステム150が設けられている。クライアントシステム150は、例えば6つのクライアントPCであるユーザ端末161〜166がそれぞれLAN154に接続したものである。LAN154はルータ152を介してネットワーク20に接続している。クライアントシステム150は、これらのネットワークを介して、照明サーバ12と通信を行うことができる。
照明サーバ12は、監視画面200を監視端末14に表示させる通信を監視端末14との間で行うとともに、ユーザ画面300をユーザ端末161〜166に表示させる通信をユーザ端末161〜166との間で行う。また、監視画面200およびユーザ画面300はそれぞれGUI(グラフィカルユーザインターフェース)として機能し、それぞれの画面上のアイコンなどを操作することで、複数の照明器具130をそれぞれ制御することができる。照明装置1は、監視画面200に対する操作とユーザ画面300に対する操作がそれぞれあったとき、照明サーバ12はそれらの操作に応じて複数の照明器具130を制御する。ここでいう「操作」には具体的には複数の照明器具130の点灯/消灯の切り替え、調光率の変更、各種センサの入/切(つまりオンオフ)、および各種センサのパラメータ値の変更等が含まれる。
好ましい形態として、本実施の形態では、Webブラウザによって監視画面200およびユーザ画面300の閲覧および操作が可能となっている。Webブラウザは広く普及しているので、専用ソフトウェアを用意しなくとも監視端末14およびユーザ端末161〜166において照明に関する情報の表示および操作が可能となるという利点がある。
照明装置1は、共用部40も備えている。共用部40は、内部にリモコンリレー43、44を備える分電盤42と、分電盤42に接続した複数の照明器具51、52、53を備えている(これらを共用照明器具50とも称す)。共用照明器具50は、リモコンリレー43、44と接続されている。共用部40は、例えば廊下などの共用スペースに設置される。共用部内はMバスで各構成が接続されている。照明サーバ12は、リモコンリレー43、44のオンオフを制御することで、共用照明器具50の点灯と消灯などを切り替える。
図2は、本発明の実施の形態にかかる監視画面200を示す図である。監視画面200は、建物の間取り図201、複数の照明シンボル310、および各種センサ(具体的には、調光センサ141、照度センサ142、人感センサ143など)の情報を含んでいる。複数の照明シンボル310は、間取り図201に配置された複数の照明器具130にそれぞれ一対一で対応付けられているか、あるいはグルーピングされたいくつかの照明器具130に一括で対応付けられている。間取り図201は、ビルディングにおけるワンフロア全体(あるいは複数の部屋を含むある程度の広さを持った区画)の間取りを示している。
図3は、本発明の実施の形態にかかるユーザ画面300を示す図である。ユーザ画面300は、建物の間取り図201の一部である部分間取り図308、および部分間取り図308に含まれる照明シンボル310を選択的に含んでいる。部分間取り図308は、間取り図201の一部の部屋を抜き出したものである。部分間取り図308に含まれる照明シンボル310を選択的に含んでいるので、ユーザ画面300は監視画面200よりも照明シンボル310の数が少ない。例えば図3では5×5=25個の照明シンボル310が図示されている。ユーザ画面300の照明シンボル310は、部分間取り図308に実際に設置された複数の照明器具130に一対一で対応付けられているか、あるいはグルーピングされたいくつかの照明器具130に一括で対応付けられている。
図2と図3を用いながら監視画面200とユーザ画面300の機能の違いを説明する。ユーザ画面300は、監視画面200よりもデータ量が少なく、より具体的には、複数の照明器具130に関する表示情報および操作内容が監視画面200よりも少ない。この点をより具体的に説明する。
(1)まず表示情報については、ユーザ画面300は、監視画面200よりも「表示範囲」が狭い。つまり、ユーザ画面300は、部分間取り図308、および複数の照明シンボル310のうち部分間取り図308に含まれる照明器具に対応した一部の照明シンボル310のみを有する。従って、監視画面200よりも表示範囲(あるいは表示量)が狭い。
(2)また、表示情報に関して、ユーザ画面300の「表示内容」を監視画面200よりも少なくして差をつけてもよい。表示内容について具体的に説明すると、例えば監視画面200は、複数の照明器具130の制御に関連して、照明に関するスケジュール制御画面、省エネ明るさ制御画面、一覧制御画面、複数の照明器具130のグルーピング設定のためのグループ設定画面、調光率の時間的な変化を記録した調光トレンド画面などの追加的画面を表示できるようになっていてもよく、その一方でユーザ画面300にはこれらの追加的画面を表示する機能は持たせない。
(3)また、ユーザ画面300は、監視画面200よりも操作内容が少ない。つまり、ユーザ画面300の操作内容は、本実施の形態では、複数の照明器具130の点灯/消灯の切替、および調光率の調整に限られている。これに対し、監視画面200はこれに加えて、さらに他の詳細設定、たとえば初期照度補正に関する設定などを含んでいてもよい。
このような違いを持たせる理由は、管理者側、ユーザ側の利用目的を考慮し、監視画面200とユーザ画面300のそれぞれの役割が異なるからである。監視画面200は一括管理を目的としているので、ワンフロア全体など比較的広範囲にわたって多数の照明器具の状態を表示したりそれらの照明器具を操作したりする必要がある。これに対しユーザ画面300は、ユーザ端末161〜166を使用するユーザが必要とする最低限の機能を持っていればよい。つまり、表示範囲はそのユーザ端末161〜166の周辺にある少数の照明器具だけで足り、操作内容も点灯/消灯の切替があればよく、好ましくはさらに調光率を調整できればよい。これにより、それぞれの部屋に設けられた壁スイッチ144まで移動しなくとも、ユーザ端末161〜166の使用中にユーザ端末161〜166により簡単に複数の照明器具130を操作することができる。また、管理システム10において設定した詳細設定についてはユーザ画面300を介した変更ができず、監視端末14を介してのみそのような詳細設定を変更することできる。よって、管理者による詳細設定がユーザ端末161〜166を使用するユーザによって不用意に変更されることを防止することができる。さらに、上記の違いによれば、データ通信量という観点から、ユーザ画面300のデータ量を監視画面200よりも少なく抑えることができる。多数設けられるユーザ端末161〜166それぞれと照明サーバ12とが通信を行っても、1つ1つのデータ通信量を抑制しているので、全体としての通信負荷を抑制でき、ユーザ画面300を表示させるユーザ端末161〜166の個数を例えば3000個などまで増やすことができる。
なお、本実施の形態では好ましい形態として、ユーザ画面300のデータ量を監視画面200よりも小さくするために、表示範囲および操作対象の両方に差をつけている。しかしながら、本発明はこれに限られず、表示範囲と操作対象のどちらか一方にのみ差をつけることにより、ユーザ画面300のデータ量を監視画面200よりも小さくしてもよい。
本実施の形態では、好ましい形態として、監視端末14を操作する管理者が複数の照明シンボル310をそれぞれ監視画面200上で移動することで、間取り図201に対する相対的な位置を事後的に変更することができる。移動方法としては、例えば、ポインティングデバイスでドラッグアンドドロップをすることでモニタ上のアイコンを個別に或いはまとめて移動する一般的なコンピュータ操作と同様の操作により、複数の照明シンボル310をそれぞれ移動可能としてもよい。
図3にはユーザ画面300が図示されている。監視画面200およびユーザ画面300には、予め互いに異なるURL(Uniform Resource Locator)が割り当てられている。監視端末14およびユーザ端末161〜166においてWebブラウザ302にそれぞれURLを入力することで、監視画面200がWebブラウザ上で閲覧される。Webブラウザ302のURL入力欄306にURLを入力することで、メイン画面304に部分間取り図308および複数の照明シンボル310が表示される。
図4は、本発明の実施の形態にかかる照明シンボル310を示す図である。照明シンボル310は、アイコン312と、その周辺に文字の形態で表示された照明情報314および調光率情報316を含んでいる。ユーザ画面300に含まれる操作内容は、複数の照明器具130の点灯/消灯の切替および調光率の変更を含む。ユーザインタフェース(典型的にはマウス)を用いてアイコン312を操作(例えばクリック)すると、この照明シンボル310と予め対応付けられた照明器具(例えば照明器具131)の点灯/消灯を切り替えることができる。点灯/消灯の切替に伴って、アイコン312の図柄も予め設定した点灯図柄と消灯図柄との間で切り替わる。また、同様に調光率情報316をクリックすると、スライダ318が出現し、このスライダ318を操作することでこの照明シンボル310と予め対応付けられた照明器具(例えば照明器具131)の調光率を変更することができる。Webページ上でこのような操作を実現するプログラミング技術はすでに公知の各種技術を使用すればよく、本発明では特に限定しない。
なお、図4に示す照明シンボル310は一例であり、本発明はこれに限定されない。さまざまな文字、図形、記号、色彩またはこれらの結合を用いて画面上に複数の照明器具130の情報を表示することができる。照明シンボル310にアイコン画像を含ませることはユーザにとって直感的な操作を可能するという利点があるが、必ずしも必須ではない。また、必ずしも照明シンボル310に文字情報を含めなくともよい。なお、監視画面200とユーザ画面300の画面デザインは統一されていてもよく、あるいは互いに異なっていてもよい。例えば、監視画面200とユーザ画面300との間で必ずしも同じ照明シンボル310を用いなくともよく、例えばユーザ画面300の照明シンボル310をより簡略化して照明サーバ12とユーザ端末161〜166との間のデータ通信量を減らしてもよい。
図5は、本発明の実施の形態の変形例にかかる照明シンボル310の表示変更を示す図である。以下に説明する表示変更機能を付加することが好ましい。図4と図5を比較すると、照明情報314がアイコン312の紙面下側に、調光率情報316がアイコン312の紙面右側にそれぞれ移動している。このように照明情報314および調光率情報316(これらをまとめて「照明器具情報」とも称す)を表示する位置の変更が可能であることが好ましい。好ましくは、複数の照明シンボル310それぞれの表示変更を互いに独立に可能としてもよい。つまり1つの照明シンボル310は図4に示すレイアウトとし、他の照明シンボル310は図5に示すレイアウトとする、というように、複数の照明シンボル310の間で照明器具情報の表示位置を相違させることを可能としてもよい。間取り図201あるいは部分間取り図308と照明シンボル310とが重なり合うと位置関係によっては視認性が低下することもあるので、個別に調節できることが好ましいからである。そのための手段の一例としては、一つのユーザ画面300に含まれるそれぞれの照明シンボル310に、固有の「文字情報配置データ」を持たせておいてもよい。なお、この表示変更機能は、ユーザ端末161〜166それぞれにおいて互いに異なる表示変更を可能としてもよく、ユーザの一人の表示位置設定が他のユーザの表示位置設定に影響しないように互いに独立化させてもよい。ユーザごとに見易さが異なることもありうるからである。そのための手段の一例としては、ユーザ端末161〜166それぞれに与えられるユーザ画面300それぞれに、固有の「文字情報配置管理用データ」を持たせておいてもよい。
なお、この表示変更機能を実現するプログラムを照明サーバ12で実行する権限は、監視端末14とユーザ端末161〜166の両方に持たせてもよく、あるいは監視端末14のみに持たせてもよい。
図6は、本発明の実施の形態にかかる監視画面200とユーザ画面300、301の関係を示す図である。間取り図201における部屋208を抜き出した部分間取り図308およびこれに含まれる照明シンボル310が、ユーザ画面300に含まれている。ユーザ画面300は、表示内容が同じ複数のユーザ画面3001、3002、・・・300nを含む。ユーザ画面3001〜300nは、それぞれ互いに異なるURLが割り当てられている。つまりURLテーブルTB1に含まれるURL001、URL002、・・・URL00nがそれぞれユーザ画面3001、3002、・・・300nに一対一対応で関連付けられている。間取り図201における部屋210を抜き出した部分間取り図309およびこれに含まれる照明シンボル310がユーザ画面301に含まれる。同様に、ユーザ画面301も、互いに表示内容が同じ複数のユーザ画面3011、3012、・・・301nを備えている。URLテーブルTB2に含まれるURL011、URL012、・・・URL01nが、それぞれユーザ画面3011、3012、・・・301nに一対一対応で関連付けられている。本実施の形態では例示のため部屋208、部屋210のみについて説明したが、より多くの部屋について同様にユーザ画面300、301を作成してもよい。
図7は、本発明の実施の形態にかかる監視画面200およびユーザ画面300のレイヤ構造を示す模式図である。ユーザ画面300は、地図レイヤ322と、この地図レイヤ322に重ねられ複数の照明シンボル310が並べられた照明シンボルレイヤ320を含んでいる。なお、地図レイヤ322および照明シンボルレイヤ320を備える点は、監視画面200も同様である。地図レイヤ322には、間取り図201が定められている。間取り図201には、CADデータなどから生成した部屋の平面図、およびその部屋に設置された照明器具の取り付け位置が定められている。地図レイヤ322における照明器具と、照明シンボルレイヤ320における照明シンボル310は、互いに個数および位置関係が一致していることが好ましい。しかしながら必ずしもこれに限られるものではない。例えば視認性などの理由から便宜的に照明シンボル310の表示位置と実際の照明器具取付位置とを厳密に一致させなくてもよく、例えば複数の照明器具130の一部をグルーピングして1つの照明シンボルでまとめて管理してもよい。この場合には、グルーピングした一群の照明器具を代表する1つの照明シンボル310のみを監視画面200およびユーザ画面300に表示してもよい。
照明サーバ12は、監視端末14の操作に応じて監視画面200および操作画面の内容を変更し、ユーザ端末161〜166によるユーザ画面300の変更は禁止する。つまり、監視端末14では、地図レイヤ322と照明シンボルレイヤ320それぞれの設定(具体的には、間取り図201あるいは照明シンボル310の表示位置、形状、内容など)を変更することができる。しかし、ユーザ端末161〜166においては地図レイヤ322および照明シンボルレイヤ320のいずれも変更はできず、与えられたユーザ画面300を参照し、予め与えられた操作(図4で説明したアイコンのクリックによる照明器具130の点灯/消灯の切替、および調光率の変更など)を行うことしかできない。
図8は、本発明の実施の形態にかかる照明サーバ12のブロック図である。照明サーバ12は、処理装置12aと、不揮発性の記憶デバイスであり典型的にはハードディスクドライブなどの大容量ストレージである補助記憶装置としての記憶装置12bと、主記憶装置としてのDRAM、SRAMなどのメモリ12cと、通信インターフェース12dとを備えている。これらは内部バスを通じて互いにデータ通信がなされている。処理装置12aは、メモリ12cおよび記憶装置12bと接続して演算処理を実行する。ただし照明サーバ12はすでに公知の各種サーバを利用すればよいので同様のデータ処理を実施できればよく、特にハードウェアおよびソフトウェアの構成は限定しない。記憶装置12bは、地図データ400と、照明シンボルデータ500と、図6に示したURLテーブルTB1、TB2と、識別テーブル600とを記憶している。
図9〜11は、本発明の実施の形態にかかる照明サーバ12が有するデータの模式図である。図9に示す地図データ400は、それぞれが建物の間取り図201を有する複数の地図レイヤ322からなる。図10に示す照明シンボルデータ500は、複数の照明シンボルレイヤ320からなる。照明シンボルレイヤ320それぞれは、照明の「シンボル関連データ」を含んでいる。「シンボル関連データ」は、具体的には、図4および図5に示した、アイコン312の画像データ、照明器具情報(つまり照明情報314および調光率情報316)を示す文字データ、照明シンボルレイヤ320上における各照明シンボル310の個数および位置、および、図5で説明した照明器具情報の表示位置を含む電子データである。地図データ400から選択された地図レイヤ322と照明シンボルデータ500から選択された照明シンボルレイヤ320とが組み合わされて1つのユーザ画面300を生成することができる。URLテーブルTB1、TB2は、図6で説明したとおり、ユーザ画面3001〜300nそれぞれと互いに異なる複数のURLとを対応付けるテーブルである。例えばULRテーブルTB1のなかの1つのURL001が、1つのユーザ画面3001に対応付けられている。ユーザ画面3001は、予め決定された地図レイヤ322および照明シンボルレイヤ320とから形成される。
なお、上記はデータ構造の一例として地図レイヤ322と照明シンボルレイヤ320の組として監視画面200およびユーザ画面300をそれぞれ生成しており、これにより間取り図201の変更や照明シンボル310の変更を個別のデータ修正により行うことができる。しかしながら、本発明はこのような形態に限られるものではない。本発明はこのような複数のレイヤに分けて個別にデータを管理するデータ構造形態に限定されるものではなく、公知の画像データ生成方法、GUIデータ生成方法、Webページ生成方法をそれぞれ使用すればよく、レイヤを分けずに間取り図201および照明シンボル310を一体に生成、管理、表示、および変更するデータ構造形態であってもよい。
図11に示す識別テーブル600には、複数の照明器具130についての情報がまとめられている。識別テーブル600には、識別情報ごとに器具種別、状態、およびシンボル名が入力されている。「識別情報」は、照明装置1が設置される建物に設けられた複数の照明器具130それぞれを識別するための情報である。例えば照明器具131、132にはそれぞれ固有の識別情報が予め割り振られている。「器具種別」の欄には、識別情報で識別される照明器具(例えば照明器具131)の仕様が記録されており、例えば、その照明器具(例えば照明器具131)が調光制御機能を有しているのか否かなどが記録されている。「状態」には、識別情報で識別される照明器具(例えば照明器具131)がいかなる状態にあるかが上書き可能に書き込まれており、点灯/消灯のいずれの状態にあるかが書き込まれたり、調光制御可能な照明器具であれば現在の調光率が何%かが書き込まれている。このような書込処理は記憶装置12bにプログラムの形態で保存され、処理装置12aが随時実行する。「シンボル名」は、シンボル関連データと識別情報との対応関係を定めた情報であり、「状態」に書き込まれた内容に従って監視画面200およびユーザ画面300のそれぞれの照明シンボル310の表示画像、文字情報を更新する。また、「シンボル名」は、監視画面200およびユーザ画面300上でなんらかの操作があったときにどの照明器具に対してどのような制御を行えばよいかという対応関係を判別するために用いられる。なお、図8に例示するように、LCU盤番号LCU1・・・LCUnごとに、複数の照明器具130の識別情報がまとめられていてもよい。
通信インターフェース12dは、ネットワーク(具体的にはネットワーク20)と接続している。通信インターフェース12dは、LCU盤31、32に入っているコントローラと通信しており、複数の照明器具131、132(具体的にはその内部の制御ユニット131b)、監視端末14、およびユーザ端末161〜166とそれぞれ通信可能である。
図1を用いて、照明装置1の動作を説明する。導入段階と運用段階とをそれぞれ説明すると、まず、照明装置1の導入段階では、監視端末14に表示させるべき監視画面200、およびユーザ端末161〜166それぞれに表示させるユーザ画面300の生成が行われる。図6で説明したように、部屋208、210ごとに異なるユーザ画面300、301がそれぞれ個別に作成される。これらの画面を生成するために、照明装置1を導入する建物の地図データ400、照明シンボルデータ500、URLテーブルTB1,TB2、および識別テーブル600を作成する。
次に運用段階に入ると、ユーザ端末161〜166のユーザには、それぞれ、予め何らかの通信手段によりURL001〜00nのいずれかを伝達しておく。処理装置12aは、ユーザ端末161〜166からの識別信号(URL)にしたがって、ユーザ画面300を表示させるための信号をユーザ端末161〜166に送信する。例えば、図1におけるユーザ端末161のユーザが、ユーザ端末161のWebブラウザにおいてURLテーブルTB1のURL001を入力する。これにより、ユーザ端末161のモニタに、URL001に予め対応付けられているユーザ画面3001が表示される。図6で説明したように、記憶装置12bには、複数のユーザ画面300が格納されており、複数のユーザ画面300それぞれが個別のURLを備える。よって、他のユーザ端末162のユーザがURL002をWebブラウザに入力することで、このユーザはユーザ画面3002を閲覧できる。
次に、例えばユーザ端末161のユーザが、ユーザ画面3001における、照明器具131に対応付けられた照明シンボル310のアイコン312をクリックしたとする。このクリックに応じて、照明器具131を制御するための通信および処理が実行される。つまり、このクリック操作に応じた操作信号がユーザ端末161から送信され、照明サーバ12はネットワーク20を介してこの操作信号を受信する。ここでは、一例として、アイコン312をクリックすると点灯/消灯が切り替わるという設定がされているものとする。照明サーバ12の処理装置12aは、ユーザ端末161において照明器具131に対応付けられたアイコン312がクリックされたことを示す操作信号を受信したとき、照明器具131の点灯/消灯を切り替えるための制御信号を制御ユニット131bに送信する。さらに、点灯/消灯が切り替わったので、照明器具131に対応付けられた照明シンボル310の表示を変更するための通信および処理が実行される。つまり照明サーバ12において識別テーブル600内の状態書き換えが行われ、アイコン312の表示が切替えられる。このように、処理装置12aは、通信インターフェース12dからの通信内容に基づいて監視画面200およびユーザ画面300の表示内容を変更する。
なお、アイコン312の表示切替(つまり最新状態への更新)は、操作が行われたユーザ端末161のみならず、操作が行われていないユーザ端末162〜166のユーザ画面300においても同期して行われることが好ましい。ユーザ端末162〜166は、ユーザ端末161と同じ部屋208に設置されており、同じユーザ画面3001と同じ内容のユーザ画面3002〜300nを有するからである。なお、例えば複数のユーザ端末161、162の間で同じ照明器具(例えば照明器具131)に対する操作が競合したときには、例えば、時間的に最も後になされた操作(つまり最新の操作)を優先してもよい。なお、ここではアイコン312をクリックすることで点灯/消灯が切り替わる場合を説明したが、図4で説明したようにスライダ318で調光率を変更する操作があったときも上記と同様である。すなわち、操作されたスライダ318に対応付けられた特定の照明器具(例えば照明器具131)の調光制御、およびこれに対応づけられた照明シンボル310の調光率表示を切り替えるための通信および処理を照明サーバ12が実行すればよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、監視画面200よりも機能を絞ったユーザ画面300を介してユーザ端末161〜166と照明サーバ12を通信させるようにしている。これにより、ユーザ端末161〜166の使用中にユーザ端末161〜166によりそれぞれのユーザが個別にかつ簡単に複数の照明器具130を操作するシステムをコンピュータネットワーク上で実現することができる。