JP6572316B2 - 曲げ部の曲率が制御される成形ソーワイヤ - Google Patents

曲げ部の曲率が制御される成形ソーワイヤ Download PDF

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Description

本発明は、水晶、シリコン、ガリウムヒ素、および希土類磁性合金等の硬くかつ壊れやすい材料を切断するためのソーワイヤに関する。このワイヤは、固定されていない研磨切断および固定された研磨切断に好適である。
硬くかつ壊れやすい材料を切断するためにマルチワイヤソーが初めて開発された当初から、ワイヤの切断性能の改良が試みられている。マルチワイヤソーでは、1本のワイヤが2〜4つの一連のキャプスタンの間で複数のループ状に配置される(「マルチワヤイヤソー」という名称は、その機械内に1本の長いワイヤのみがあるという点から不適当な名称である)。キャプスタンには溝があり、ワイヤループが1つの平面内で相互に平行な配置に保たれ、ここで、ワイヤウェブと呼ばれる研磨粒子(通常、シリコンカーバイドダスト)がその中に拡散されている液体キャリア(通常、オイルまたはポリエチレングリコール(PEG)等の粘性液体)からなるスラリが、キャプスタンにより一方向または往復して移動させられているワイヤウェブの上に注入される。
ワイヤの役割は、液体キャリアと研磨粒子とを切断部に巻き込む、すなわち引き込むことである。粒子は被加工物とワイヤとの間で付着および回転し、それによって被加工物の材料を削り取る(三体研磨)。相応に、ワイヤ材料も削り取られるため、ワイヤウェブに常に新しいワイヤを供給して、摩耗したワイヤと交換しなければならない。
ソーワイヤとして使用されるワイヤは、主として、これに限定されないが、丸くかつ直線であり、硬引きで高抗張力の高炭素鋼である。このようなワイヤは、もともと200μmまたは180μm等のごく微細なゲージで製作できるが、現在、120μmのワイヤが標準である。110、100、さらには90〜80μm等、はるかに細いゲージのワイヤの使用へと進みつつある。切断中、ワイヤは引っ張られた状態にしなければならないため、引張強さもそれに伴って増大させなければならない。120μmのワイヤの場合、現時点では4000N/mmを超える引張強さが一般的である。
新しいワイヤの表面は非常に平滑で円筒形であり、その結果、被加工物とワイヤとの間のスラリ界面層のスラリ中の研磨粒子は、ワイヤが切断部の入口から出口まで移動するうちに枯渇することになる。例えば200mm未満という短い切断長さの場合、これは問題ではないが、例えば300mmを超えるようなより長い切断長さの場合には問題となる。したがって、初期において、例えば穴、リグ、くぼみ、または直径の変化等の表面凹凸を有するソーワイヤを提供することにより(国際公開第90/12670号パンフレット)、切断部へのスラリの引き込みを改善することが考案されていた。
代替のより現実的な方式は、平滑で丸いワイヤのままであるが、直線のワイヤを制御された方法で変形させて、それを「成形ワイヤ」とするものである。例えば、ワイヤをらせん状に変形させるもの(1992年の日本特許第4057666号公報)か、ワイヤに規則的な波形クリンプを誘導するもの(1989年の日本特許第1289527号公報)である。別の現時点で一般的な代替案では、ワイヤは、相互に実質的に垂直な2つの異なる平面内で波形にクリンプされる(国際公開第2006/067062号パンフレット)。このようなダブルクリンプにより、切断部内のワイヤの好ましい向き付けを導きうるシングルクリンプのソーワイヤの平面的性質を幾分低下させる。しかしながら、ダブルクリンプであっても、好ましい向きに導くことができ、なぜなら、国際公開第2012/069314号パンフレットにおいて実証されているように、両方向への等しい変形は実現が難しいからである。後者の公報において提案されている、この向き付けの問題に対する解決法は、ワイヤを実質的にらせん状に変形させることであり、直線の部分と外向きの曲げ部とが交互になる。シングルクリンプワイヤの平面的性質を低下させるなおも別の代替案は、シングルクリンプワイヤをその軸の周囲で捩じることである(中国特許第102205563A号明細書)。
スチール製フィラメントのクリンプは、スチールコードの分野から一般的に知られているが(例えば、欧州特許第1141477B1号明細書、特開平7189148A号公報、特開平6073674A号公報参照)、クリンプの曲げ度は誘導される波形の波長、すなわちピッチおよび振幅、すなわち高さによって不変的に表現され、これはほとんどワイヤの直径「d」に対する相対的意味で表現される。しかしながら、このようなパラメータでは、ワイヤに誘導される実際の曲げ部を適切に制御できない。
実際に、ソーワイヤの最も重要な特性の1つであるその破断荷重は、ワイヤのクリンプまたは曲げ部によって深刻な影響を受ける。また、切断中のワイヤの使用はワイヤの長さにわたる100%の品質管理であるため、ワイヤ内に弱い連結部があると破断につながり、時間および材料の損失を招く。
したがって、本発明の目的は、制御された局所的な曲げ度をワイヤに付与することにより、既存の種類の成形ソーワイヤを改良することである。本発明の他の目的は、製造中にこの曲げ度を制御する方法を提供することである。本発明の別の目的は、この局所的な曲げ度を決定するための測定方法を提供することである。
成形ソーワイヤは、微分幾何学において空間曲線として知られるものの現実世界の例である。微分幾何学に関する標準的な教科書または「http://mathworld.wolfram.com」等のウェブサイトを参照されたい。後者には以下のように記載されている(例えば、「Curvature(曲率)」の項目参照)。成形ソーワイヤに空間曲線のある幾何学的原理を応用するには、ワイヤの中心線を空間曲線の代表と考える。中心線は、ワイヤの断面の中心点をつないだ線である。中心点は、断面にわたる座標の幾何学平均である。
空間曲線の基本定理では、あらゆる空間曲線は、その曲線の長さ「s」に沿った局所的曲率「κ(s)」および局所的捩れ「τ(s)」がわかっていれば再構成できるとされている。曲率および捩れは、1つの数値の連続的関数でなければならない。曲線は、起点および当初の向き以外には固有である。曲率および捩れは、曲線の角度変化率が曲線の長さに沿ってどのように変化するかを次式:
Figure 0006572316

で説明し、式中、「θ」は曲線の長さ「s」の接線ベクトルの角度であり、「α」は曲線に対する接触平面の角度であり、いずれも、選択されるが一定の任意の基準フレームに関する曲線長さ「s」の場合である。接触平面は、その曲線に対する単位接ベクトルと単位主法線ベクトルとにより画定される平面である。曲率「κ(s)」の符号は常にプラスであり、捩れ「τ(s)」の符号は、右手系の曲線ではプラス、左手系の曲線ではマイナスである。曲率を曲線長さ「s」における「曲率半径ρ(s)」により表現することがより好都合であり得る。この「曲率半径」とは、曲線に対する接触円の半径である。「接触円」とは、接触平面内にある空間曲線の二階微分値に接する円である。
本発明の第一の態様によれば、硬くかつ壊れやすい材料を切断するための成形ソーワイヤが特許請求される。ソーワイヤは、スチールワイヤを含む。スチールワイヤは、高炭素、高抗張力タイプである。典型的には、普通炭素スチールが使用される。場合により、スチールワイヤは、亜鉛または真鍮コーティングなどの金属コーティングで被覆される。
一般に、スチールワイヤの断面は多角形とすることができるが、好ましくは、ワイヤは直径「d」の円形の断面を有する。中心線はワイヤの円形断面の中心に追従する。ソーワイヤは、曲げ部であって、その間にセグメントを有する曲げ部を有する。曲げ部は、ワイヤのうち、中心線が直接隣接するセクションから実質的に逸脱する箇所である。曲げ部は、少なくとも「N」の曲げ部を含む長さにわたり、1から大きくなる「i」の添え字により番号付けでき、「N」は50以上であり、すなわち、少なくとも50以上の連続する曲げ部を考えなければならない。50以上の曲げ部は、良好な統計を得るための代表的数値であることがわかっている。現実的に、これは最低50mm〜最大250mmの測定長さに対応する。セグメントは曲げ部を相互に接続する。従って、ワイヤに沿った点は、曲げ部またはセグメントの何れかにあるが、同時にセグメントと曲げ部とにはあり得ない。
曲げ部の方向の変化率は、曲線の長さに沿った曲率により定量化される。曲げ部の各々において、曲率「κ(s)」は最大値に到達し、これは、添え字「i」を有する曲げ部について、「最大曲率k」と呼ばれる(ギリシャ文字の代わりにラテン文字を用いるのは、曲率の実測値を数学的理論値と区別するためである)。留意すべき重要な点として、測定張力がワイヤの形状に影響を与えるため、引っ張りながらソーワイヤに加えられる測定張力は限定されたままである。約1ニュートンの数値であればワイヤの形状を歪めないことがわかっている。
最大曲率の程度をスチールワイヤの直径「d」に関連付けるために、曲率にワイヤの直径の半分を乗じる:「kd/2」。この数量は無次元であり、曲げ度と呼ばれる。物理的に、これはスチールワイヤの外側繊維に曲げ部の外側へと加えられる最大永久伸びと等しい。この数はパーセンテージとして表現することもできる。曲率の程度はワイヤの正確な形状により非常に影響を受けやすいため、曲げ部の規則性は、平均および標準偏差等の統計的手段を通じて評価するのが最善である。
本発明者らは、50以上の曲げ部(N≧50)のサンプリングによって十分な精度が得られることを発見した。本発明者らの経験によれば、新しい未使用のワイヤの平均曲げ度は0.5〜5%であるか、または数式で表現される場合、
Figure 0006572316

であるのが最もよい。この「平均曲げ度」が付与されると、破断荷重保持および切断性能の点で最善の結果が得られる。
0.5%未満の曲げ度では、曲げ部が直線のワイヤとほとんど区別できないため、有利ではなくなる。このようなソーワイヤは、それがスラリを研磨剤と共に切断部に引き込む能力を失う。
平均曲げ度が5%を超えると、ソーワイヤの破断荷重は、切断プロセス中にはるかに切れやすくなるため、安定性がなくなる程度まで劣化する。より太いワイヤ、例えば直径200〜300μmのワイヤに関して、得られる破断荷重は切断中に加えられる負荷と比較して十分に高いため、ある程度の破断荷重の損失は容認できる。したがって、この範囲のワイヤ径では、3%〜5%の平均曲げ度は許容可能である。
例えば、120μm〜200μm等のより細いゲージのソーワイヤでは、3%を超える大きい曲げ度であると、切断中の破断の問題につながる。したがって、このワイヤ直径の範囲の場合、平均曲げ度の範囲は0.5%〜3%、さらに1.5%〜3%の範囲に保持される。
最後に、120μmより細いか、またはそれと等しいワイヤの場合、平均曲げ度は0.5〜2%で最良であり、好ましくは1.5%未満にとどめなければならず、これは、そうしなければ破断荷重がソーワイヤの使用中の張力に近くなりすぎるからである。
本発明のソーワイヤの別の好ましい特徴において、曲げ部間のセグメントは実質的に直線である。「実質的に直線」とは、これらセグメントの曲率半径がセグメントのいずれにおいても100×dを下回らないことを意味する。これは、セグメントの曲線長さにわたって曲げ度が0.5%より小さいことに対応する。したがって、ワイヤのうち、曲げ度が0.5%以下である長さはセグメントの一部と考えられ、これに対して、0.5%より大きいものは曲げ部の一部である。
スチールワイヤの中心線全長にわたり測定される場合、本発明者らは、セグメントの全長がそのスチールワイヤの中心線全長の85%未満であれば最善であることを発見した。このパーセンテージがより高いと、ワイヤには、切断部へのスラリの引込みを改善するための十分な曲げ部がない。これに対して、セグメントの全長が33%未満であると、ワイヤには、切断部の内側に当てて研磨剤を掃引し、それによって切断を改善するのに十分なセクションがない。したがって、最良の切断結果は、セグメントの長さがスチールワイヤの中心線全長の50%〜85%であるときに得られる。
5%を超える曲げ度の単一の曲げ部は、ワイヤ内で特に弱い地点である。実際に、単一の曲げ部の高い曲げ度は、ワイヤの性能を低下させる可能性がある。この曲げ部は最も弱い連結を表すため、ワイヤが切断中に切れるリスクが高い。このような曲げ部は避けるべきである。
単一の曲げ部の曲げ度が限界間にとどまるようなソーワイヤを作ることは特に困難である。本発明者らは、曲げ部における可変性の程度を小さくするための製造方法を発見した。これらの方法によれば、50を超える曲げ部の曲げ度の標準偏差を0.005、すなわち0.5%未満に保持することができた。式では、
Figure 0006572316

となり、式中、
Figure 0006572316

である。したがって、好ましくは、
Std≦0.005 {5}
である。
別の好ましい実施形態において、100×dの軸長さ「L」にわたる曲げ部の数は少なくとも10である。軸長さ「L」とは、ソーワイヤのサンプルの2つの固定点間の、1ニュートンの負荷を受けて保持される直線長さを意味する。軸長さは常に曲線長さ「S」より短く、これは、ワイヤの軸が直線であり、中心線はそうでないからである。十分な曲げ部がないと、スラリの引込みは不十分であろう。
曲げ部の数が100×dあたり100の曲げ部を超えると、ワイヤの余剰長さが大きくなりすぎ、切断中にワイヤが伸びる。「余剰長さ」とは、中心線の曲線長さと軸長さとの差、すなわち「S−L」である。パーセンテージ「(S−L)/L」で表すと、「余剰長さ」は0.06%より大きいが、0.6%を超えるべきではない。より好ましくは、余剰長さのパーセンテージは0.06%〜0.3%である。ワイヤが伸びると、切断中にワイヤウェブが平坦でなくなることがあり得る。
ワイヤは、多数の好ましい形状に形成できる。制御された平均曲げ度を有する本発明は、それらの何れにも等しく適用でき、それは、ワイヤの性能が最も弱い連結部、すなわち曲げ部で決まるからである。以下の実施形態において、すべての曲げ部および/またはセグメントに前述の最大曲率の制限が適用される。
第一の好ましい形状によれば、ワイヤは軸の周囲で螺旋形状を有する。曲げ部はこのワイヤに、曲げ部が軸から離れて外側に向かうように誘導される。螺旋から始めて、平滑な曲線が間欠的に外側に曲げられる形状を得ることができる。各曲げ部において、曲率の程度は局所的最大値となる。曲げ部間にセグメントがある。
第二の好ましい実施形態において、ソーワイヤはスチールワイヤであり、これに波の形状のクリンプが設けられる。クリンプとは、その後の曲げ部が反対向きになる(左、右、左、右...)となることを意味する。波の形状は、中心線の波長と振幅とで表すことができるが、これのパラメータは、後に示すように、曲率の程度を引き出すには不十分である。
クリンプは1つの固定された平面内に存在でき、その結果、平坦なクリンプのソーワイヤとなる。
あるいは、スチールワイヤにおいて複数の平面内にあるクリンプを付与することもできる。例えば、第一の平面内の第一の波形クリンプと、第二の平面内の第二の波形クリンプとがあってもよく、第一の平面は第二の平面と異なるが、第一および第二の平面はソーワイヤの軸に沿って相互に交差する。第一の平面に平行なこのようなソーワイヤを見ると、第二のクリンプのみが見え、その逆でもある。
この形状の利点は、それにより、1つのみの単一のクリンプ平面と比較して、単位軸長さあたりの曲げ部の数を増やすことができる点である。また、ソーワイヤは、単一平面クリンプと比較して、切断中に好ましい向きを向く傾向が低くなる。手順は、3つ、4つ、またはそれを超える平面に容易に拡張し、それによって長さの軸方向の単位あたりの曲げ部の数を徐々に増やすことかできる。
第三の好ましい実施形態において、ワイヤは、すべてがソーワイヤの軸で交差する1つまたは複数の平面内でクリンプされ、平面の組はソーワイヤの軸に沿って、それが軸方向の長さに沿って進む際に全体として回転する。平面の回転は、時計回りでも反時計回りでもよい。さらに、第一の長さについては第一の回転方向、次に第二の長さを反対の回転方向と交互にすることもできる。
ソーワイヤにはまた、スチールワイヤの表面上で、またはそこに固定された研磨層が設けられてもよい。研磨層は、結合層中に保持される研磨粒子を含む。結合層は、金属結合層とすることができ、これは電解めっきまたははんだ材への浸漬により堆積される金属結合層とすることができる。あるいは、結合層は、有機結合層とすることができる。研磨層は、ソーワイヤの幾何学的測定前に取り除かなればならない。
本発明の第二の態様によれば、ソーワイヤの曲率が決定されうる方法に関する手順が示されている。
このために、国際公開第95/16816号パンフレットに記載されているような軸走査装置が使用される。この装置は、試験対象のソーワイヤの端を保持するための100〜500mm離間された2つの軸方向に整列するチャックを含む。ソーワイヤには、例えば重りによって1±0.2Nの制御された張力が加えられる。KEYENCE LS 3034レーザスキャンシステム等のリニアスキャニング装置をKEYENCE LS 3100処理ユニットと共に、エンコーディング高精度リニアドライブ(精度はステップサイズ50μmで±10μmより高い)によってソーワイヤの軸に平行に移動させる。ソーワイヤの軸はZ軸と呼ばれる。レーザスキャンシステムの測定平面はZ軸に垂直である。レーザスキャンシステムは、ワイヤの外縁を最大±0.5μmの精度でスキャンできる。
「Δz」だけ離間された等距離の個別の測定点「z」における第一のスキャンでは、ワイヤの下側および上側縁辺が判断され、それら両方の平均がZ軸に垂直な軸、すなわちX軸に沿った中心線の位置として使用される。このようにして、位置「x(z)」が測定され、コンピュータに保存される。添え字「j」は、サブリング地点の通し番号であり、測定点の数「M」までカウントされる。
次に、チャックが90°回転されて、スキャンが繰り返される。ここで、XおよびZ軸に垂直なY軸に沿った数値「y(z)」が測定され、保存される。このようにして、トリプレット「(x(z),y(z),z)」が得られ、これがソーワイヤの中心線の形状を決定する。
(x(z),y(z),z)を記録する別の方法は、1つのパスでx(z)とy(z)との両方を記録する2つの相互に垂直なレーザスキャンシステムを有することである。データの分析手順は同じである。
数学的に、パラメータt(これは必ずしも曲線長さ(s)とは限らない)により長方形のデカルト座標系で表現される空間曲線
Figure 0006572316

は、次式
Figure 0006572316

のように定義でき、したがって、曲率κ(t)は、次式
Figure 0006572316

で表すことができ、ダッシュの付いた記号はtの微分値を表す。ソーワイヤは一般的な長い形状を有し、測定装置のチャック間に保持されているとき、その経路では戻らないため、z座標をその曲線のパラメータとして使用できる。したがって、z=tとなるため、z’=1およびz’’=0となり、それによって曲率に関する上記の表現は約分され、
Figure 0006572316

となり、式中、ダッシュの付いた記号はここではzの微分値を表す。
安定した正確な微分を実行するために、Savitzky−Golay法が用いられてきた(‘Smoothing and Differentiation of Data by Simplified Least Squares Procedures’by Abraham Savitzky,M.J.E.Golay,Analytical chemistry,Vol 36,No.8(1 July 1964),pp 1627−1639参照)。
簡潔に言えば、このアルゴリズムは、測定点「x」の周囲の曲線を、点「x」の両側の「m」個の点を通じた線形最小二乗法により、程度「n」の部分多項式で近似するものであり、すなわち、合計で「2m+1」の点が関わり、
Figure 0006572316

となり、式中、q=(z−z)/Δzおよび
Figure 0006572316

は係数ベクトル(列)である。したがって、zの近傍では、qは2m+1の数値−m、−m+1、−m+2...0、1、2、...m−1、mをとる。
最小二乗法により最小化される数量は、
Figure 0006572316

であり、式中、xj+i=x(zj+1)は点「j+i」でのX軸に沿った測定値である。
したがって、行列{11}
Figure 0006572316

を定義する場合、解の係数ベクトルは、(通常の方程式を解くことによって)
Figure 0006572316

となることがわかり、式中、
Figure 0006572316

は、次式の測定値の列ベクトルである。
(xj−m;xj−m+1;xj−m+2...x....xj+m−2;xj+m−1;xj+m. {13}
多項式の程度は、近似関数でとられた近傍点の数より小さいか、またはそれと等しくなければならず、すなわち、「2m≧n」である(「2m=n」のケースは「ε=0」である退化のケースであり、すなわち、この多項式はすべての測定点を計算できる)。
点に関する予測(ハット
Figure 0006572316

で示される)と添え字jを有する点での偏差は{14}となる。
Figure 0006572316
点「m+1」から始めて上昇させ、第一の点を減らし、次の点が入るようにシフトさせることにより、「M−2m」の点に関する予測を行うことができる。同じ手順は
Figure 0006572316

ベクトルについても実行され、再び偏差を予測できる。予測された偏差の数値から、曲率が式{8}よって各点について(測定シーケンスの開始および終了のエンドポイントを除く)計算できる。
このような手順は、MatLab(登録商標)(MathWorks(登録商標)が販売)、LabVIEW(National Instruments(登録商標)が販売)、GNU Octaveおよびその他のよく知られたソフトウェアパッケージ内のサブルーチンとして利用可能である。
このようにして、各測定点(最初および最後の「m」個のデータポイントを除く)において曲率を計算でき、各添え字「j」で曲率「k」を計算できる。さらに、各測定点の曲線長さは、
Figure 0006572316

として計算でき、それにより、中心線に沿った曲線長さを点「j」における曲率の数値に連結できる。このようにして、曲率−長さグラフを構成できる。
本発明の第三の態様によれば、本発明によるソーワイヤを製造する方法が開示される。この方法は、以下のステップを含む。
− ニュートンで表現される破断荷重「F」を有する、直径「d」のスチールワイヤを提供するステップ。直径は、50μm〜300μmの範囲とすることができる。スチールワイヤの破断荷重は、典型的には約30〜250Nの範囲であってもよい。スチールワイヤは、ワイヤ線引き機から直接取得しても、またはワイヤ巻取装置内のスプールから巻き出してもよい。
− スチールワイヤは1つまたは複数の曲げ装置で動的に案内される。曲げ装置は複数の歯を有する。歯の上部は丸く、歯の半径「R」を有する。ワイヤは、同じくニュートンで表現される張力「T」下で保持される。これは、スチールワイヤが1つまたは複数の曲げ装置を通過した後に測定される張力である。
本発明者らは、所望の程度の曲率を得るために、歯の半径「R」がスチールワイヤの直径の4倍(4×d)より大きくなければならず、張力が「F」の3〜30%の範囲でなければならないことを発見した。
「歯」という用語は、歯車型車輪上の歯のみと解釈するべきではない。「歯」は、円盤の外周において円盤に垂直に配置されたピンによって実装されても同等によい。したがって、歯の半径「R」はピンの直径の半分と等しい。同様に、「歯付車輪」という用語は、その円周において垂直のピンを有する円盤、または円盤の縁において実装される歯を有するディスク、すなわち歯車を指してもよい。
さらにより好ましい動作範囲は、張力が「F」の7.5〜20%に保持され、歯の半径「Rt」がスチールワイヤの直径の4倍(4×d)より大きいか、またはそれと等しく、かつ(12.5×d)倍より小さいことである。したがって、曲げ部間の距離に対して幾何学的制約が加えられるため、歯の半径は大きすぎることになりえない。
曲げ装置は、様々な方法で実装できる。第一の好ましい実施形態において、ワイヤは1つの歯付車輪上で単純に線引きされる。ワイヤは、車輪上の少なくとも3つの歯にわたっていなければならない。その結果、曲げ部は常に同じ方向となるため、ワイヤは概して円形となる。したがって、この種の曲げ部はそれ自体の軸の周囲でのワイヤの回転と最良に組み合わせられる。結果として得られるワイヤは、概して螺旋状の形状を示し、曲げ部はワイヤの軸の外側に向かう。
あるいは、曲げ装置は、1つまたは複数の相互に噛み合う歯付車輪のペアとすることができ、それらの間にワイヤが供給される。歯付車輪の各ペアは、スチールワイヤにクリンプを付与する。「クリンプ」とは、ワイヤの長さに沿った1つの平面内の反復的ジグザグ変形を意味する。クリンプは、波長「λ」と振幅とを有する。歯またはピン間の円周方向の距離は、付与される波長に対応する。波長ごとに2つの曲げ部があり、したがって単位長さあたりの曲げ部の数は「2/λ」である。車輪は、2つの対向する歯の上部間の1つの歯の入込みがスチールワイヤの直径「d」の1〜10倍に設定されるように調整される。さらにはるかに好ましいのは、これがスチールワイヤの直径の2〜10倍、または2〜5倍の場合である。この入込みは、クリンプの振幅に影響を与える。しかしながら、後に示すように、振幅と波長は曲げ部における曲率の数値に影響を与えない。曲率は幾何学的特性と完全に無関係である。
別の好ましい実施形態において、1つのペアの歯付車輪を通過した後、1つのクリンプを有するワイヤを、第二のペアの歯付車輪を通るように案内できる。第二のペアの車輪は、好ましくは、第一のクリンプ平面と異なる、例えばそれに対して垂直の平面内のクリンプを誘導する。好ましくは、第二のクリンプの波長「λ」は第一の波長「λ」と異なる。第二のクリンプはさらに、単位長さあたりの曲げ部の総数に追加される。良好な推定は次式
Figure 0006572316

により得られる。
手順は、車輪のペアの第三、第四等のペアを直列にすることにより継続できる。クリンプの調整および付与に特に好都合な装置は、本出願人による出願PCT/中国特許出願公開第2013/085200号明細書に記載されている。
別の好ましい実施形態において、1つまたは複数の曲げ装置は、スチールワイヤの軸に関して回転させることができる。これは、装置を回転させ、スチールワイヤを回転させないようにすることにより、またはワイヤを、それが静止した曲げ装置内に案内される間に回転させることにより、または両方を回転させることにより実現できる。
2つの曲げ装置が使用される場合、最大曲率の統計的分布は、曲げ装置の各々により誘導される曲率が異なっていると、2つのピークを有することになりうる。
以下に、本発明の具体的な実施形態について述べ、図面によって本発明をさらに詳しく説明する。
曲率に関する異なる説明を示す。 曲率に関する異なる説明を示す。 曲率に関する異なる説明を示す。 同じソーワイヤのX−ZおよびY−Z平面内の中心線を示す。 図4aおよび4bに示されるような、同じソーワイヤの曲線長さに関する曲率を示す。 図5aの一部の拡大図である。 ワイヤの相対的破断荷重と平均曲げ度との間の関係を示す。 歯の半径と平均曲げ度での張力との関係を示す。
図1、2、および3は、Y−Z平面内の3つの平面波形を示す。これらはソーワイヤのクリンプの「ユニットセル表現」とみなすことができる。ユニットセルを反復することにより、1平面クリンプを有するソーワイヤの中心線の表現が得られる。3つの表現1a、2a、および3aはすべて、同じ波長、すなわち100ユニットと、振幅、すなわち25ユニットとを有する。座標のスケールは等尺性とすることが意図されている(ただし、グラフの再現により、変化されている可能性がある)。曲線から計算された曲率が図1b、2b、および3bに示されている。これらは上述のような様々な手順で計算されている。
図1aにおいて、クリンプは半径25ユニットの2つの半円形の形態であり、これはZ方向への50ユニットに相当する。図1bは、計算による対応する曲率「K」(逆ユニット)を示す。横軸では、曲線に沿った曲線長さ「s」が使用されている。「s」の長さは100ユニットの波長より長い点に留意されたく、これは中心線の長さが軸長さより長いからである。クリンプは半径25ユニットの半円形で構成されるため、曲率は1/25、すなわち0.04逆ユニットの数値で一定のままである。
図2aは、正弦波の形態のクリンプを示す。再び、図1aの場合と同様に、波長は100ユニットであり、振幅は25ユニットである。ここで、曲率「K」(1/ユニット)は0〜0.10ユニット−1で変化する挙動を示している。変曲点(Z=0.50および100ユニット)において、曲率は、これらの点の二階微分値y’’がゼロとなるため、ゼロになる。1つの波長について2つのピークが発生する点に留意されたい。
図3aは、鋸刃のフーリエ級数内の限定的な項数を合算することによって得られる鋸歯曲線を示す。対応する曲率のグラフが図3bに示されている。ここで、高曲率の領域は、曲線の山と谷とが発生する箇所(Z=25および75ユニット)に極めて限定される。山と谷との曲げ部が短いため、曲率「K」はこれらの位置において約0.32ユニット−1に上昇する。ピーク間に存在するローブは、この級数内でとられた項数が限定されていることによる。曲率は空間曲線の二階微分値で構成されるため、これは曲線の方向のわずかな変化に対しても非常に影響を受けやすい。
図4aおよび4bにおいて、曲げ部であって、その間にセグメントを有する曲げ部を有するソーワイヤが、段落[0037]〜[0038]の手順に従って段落[0036]に記載されている装置で分析されている。スチールワイヤの直径「d」は116μmである。ワイヤは、ワイヤをねじらずにチャック間に取り付けられ、その後、わずかに引っ張られた(1N)。この場合、スキャン長さは100mmである。図4aは、コンピュータスクリーンのスクリーンショットであり、測定装置から読み取られたZおよびX座標を示す。その後、チャックは90°回転させられ、第二のトレースが記録され、それが図4bのY−Z平面に示されている。これら2つのトレースにより、中心線の位置が個別の地点(x(z),y(z),z)において3D空間で完全に記録される。
ここで、これらの個別の地点を演算で操作できる。例えば、ワイヤをZ軸の周囲で角度59°だけ数学的に回転させることにより、ワイヤの中心線は1つの平面内の波長3.62mm、ピーク−ピーク振幅59μmの1つのクリンプを示している。ワイヤを仮想的にさらに回転させると、148°の角度の平面内に波長3.06mm、振幅31μmの第二の1つのクリンプが発生する。したがって、このソーワイヤは、相互に対して89°でソーワイヤの軸で交差する平面内の2種類のクリンプを含むタイプとなる。
ソフトウェアパッケージLabVIEW(National Instruments(登録商標)が販売)において、トレースがSavitsky−Golay法に従って数値微分された。この方式は、ソフトウェアパッケージ(「Savitzky−Golay Filter Coefficients.vi」)において利用可能な既製の「仮想機器(.vi)」である。この手順では、結果は、当然のことながら、使用される多項式の程度「n」と各ベクトル内のデータポイントの数「2m+1」とに依存する。
適正な実験後、本発明者らは、「n=5」および「m=9」の設定(すなわち、ベクトル{13}内に19のデータポイントがある)がソーワイヤの分析にとって最も適当であることを発見した。考慮される長さは19×50μm、すなわち0.95mmであり、これは金属ワイヤの直径の約8倍である。ソーワイヤは、その直径の4〜10倍の長さについて分析するべきである。分析インタバルのサンプルポイントの数を増やすことにより、空間曲線のすべての特徴が「平均化」される。使用するサンプルポイントが少ないと、ノイズが高くなりすぎる。
使用される多項式の程度は少なくとも4であるべきである。これは、トライポッド接空間、主法線、および従法線の空間曲線が、曲線長さ「s」における3次の多項式で局所的に表現できるからである。より高次の項は、エラーを吸収するために残される。5より高い多項式の程度を使用することは、曲率および捩りの式では最初の3つの微分値のみが使用されるため、有益ではない。より高次の項により、よりよいフィットが可能となるが、微分ではより低次の項のみが現れるために無用である。
さらに特筆すべき点として、曲率はチャック間のワイヤの向きとは全く無関係であり、信頼できる結果を得るために、ワイヤの留め付けは相互に正確に直径方向でなくてもよい。曲率がワイヤの変形により変化の原因となるのは、張力を加えてワイヤを変形させるときのみである。
Savitsky−Golay法により、XおよびYの一次および二次微分値に関する数値予測が式{14}よって得られ、その後、曲率の表現{8}において使用された。このようにして、各データポイント(最初の9つおよび最後の9つの点を除く)に関して、曲率「k」を計算できる。各点に関して、曲線長さ「s」も{15}を使って計算できる。ここで、数量「kd/2」を「s」の関数としてプロットすることにより、図5aのグラフが得られる。
図5aにおいて、曲線は、その最高値が曲げ部において測定される最大曲率に対応するピークの連続を示している。これらは、特許請求の範囲の文言のように「最大曲率kd/2」であり、小さい円により示される。破線は0.5%の曲率、すなわち曲率半径「100×d」に対応する。したがって、その線より下の点はセグメントに属し、その線の位置またはそれより上の点は曲げ部に属する。
図5bは、図5aの30〜60mmの範囲の拡大図である。これはピークをより明瞭に示し、また、直線のセグメントをグラフから容易に抽出できる。
LabVIEWの別のモジュールで最大曲率が検出され、特定される。明らかに、0.5%の閾値より高いピークが特定される。したがって、以下の統計を容易に抽出できる。
− 0〜100mmの範囲内に87のピークがある、すなわち「N=87」である。
− したがって、1mmあたりのピークの数は0.87であり、100×dあたりのピークの数は10.092である。
− 87kd/2の最高曲げ値の平均は0.95%であり、標準偏差は0.24%である。
− 観察された最大kd/2の数値は2.5%(「s」が約92mmと等しいとき)である。
一連の実験において、直径115μm、引張強さ3650N/mmのスチールワイヤが歯付車輪のペアの間で変形され、したがって、シングルクリンプワイヤが形成された。以下のパラメータを変化させた。
− クリンプ形成中のワイヤへの張力「T」
− 歯の半径「R」。これは、歯の半径が0.3(2.6×d)、0.5(4.35×d)、1(8.70×d)、1.5(13×d)mmの異なる歯付車輪を使用することによる。
− クリンプの波長:1.8、2.8、3.1、および3.7mm。
得られたサンプルを前述のように幾何学的に分析し、およびその機械的特性、特に引張強さを判定した。その結果が図6に示されている。
図6において、測定された平均曲げ度(%)に関する相対的破断荷重(クリンプのない直線のワイヤの数値に関する%)が示されている。異なる記号は、上述のパラメータの様々な組合せを示す。平均曲げ度が5%の限度を超えると、直線のワイヤに関する引張強さが14%失われると予想でき、これは、ソーワイヤの用途にとっては大きすぎる。
平均曲げ度が3〜5%のソーワイヤの場合、10〜15%の引張強さの損失を予想できる。200μm〜300μmの範囲のより太いソーワイヤの場合、これは依然として容認可能である。これは、図6において実線のブラケットで示されている。
平均曲げ度が1.5%〜3%のワイヤの場合、5.5%〜10%の引張強さの損失は、直径120μm〜200μmのワイヤについて容認可能である(図6における破線のブラケット)。
最後に、平均曲げ度が0.5〜1.5%のワイヤの場合、1.5〜5.5%という最も小さい引張強さの損失が予想され、したがって、120μmより細いか、またはそれと等しいワイヤにとって最も適当である。これは、図6において点線のブラケットで示されている。
別の一連の実験において、加工条件の影響を調査した。直径「d」が120μmの直線のスチールワイヤを、その歯の半径が「d」の12.5倍である第一のペアの変形車輪を通るように異なる張力レベルで誘導した。張力レベルは、曲げ装置を通過した後に測定する。車輪の窪みは2×dに設定した。その後、平均曲げ度をワイヤ上で測定した。第二の一連の試験では、同じ直線のワイヤが、歯の半径8.3×dで、同じ異なる張力レベルおよび同じ窪みの程度の車輪のペアを通じて変形された。
その結果が図7に示されている。図中、加えられる異なる張力レベル「T」が破断荷重「F」の分数として横軸「T/Fm(%)」で表現される。縦軸では、平均曲げ度(「AVG kdi/2」)が縦軸においてパーセントで表される。より大きい歯の半径が使用された場合(12.5×d)、所望の最小曲げ度を得るために、より大きい張力を加えなければならない。しかしながら、大きい歯の半径には、ワイヤが変形しすぎず、また標準偏差が低く保たれる(1つの標準変化のエラーバーにより示される)という利点がある。
歯の半径が「8.3×d」であると、同様の直径のスチールワイヤについて、平均曲げ度が0.50〜1.50%の好ましい範囲となった。望ましくは、張力が破断荷重の10〜30%に保持される。しかしながら、曲率はより高い標準偏差を示す。

Claims (17)

  1. 直径「d」と中心線とを有するスチールワイヤを含む、硬くかつ壊れやすい材料を切断するためのソーワイヤであって、前記ソーワイヤが、曲げ部であって、その間にセグメントを有する曲げ部を有し、前記中心線が、前記曲げ部の各々において、前記ソーワイヤに約1ニュートンの負荷をかけて測定されるときに最大曲率「k」を有する、ソーワイヤにおいて、
    少なくとも「N」の曲げ部を含み、「N」が50以上であるソーワイヤの長さにわたる、前記最大曲率と前記直径の半分との積の平均が0.5〜5%であるか、または式:
    Figure 0006572316

    におけるものであることを特徴とするソーワイヤ。
  2. 前記平均が0.5%〜1.5%である、請求項1に記載のソーワイヤ。
  3. 前記セグメントが100×dより大きい曲率半径を有する、請求項1または2に記載のソーワイヤ。
  4. 前記セグメントの曲線長さの全長が前記スチールワイヤの中心線の曲線長さの全長の85%未満である、請求項3に記載のソーワイヤ。
  5. 前記積k×d/2の最大値が0.05、すなわち5%以下である、請求項2または3に記載のソーワイヤ。
  6. 少なくとも50の曲げ部を含むソーワイヤの長さにわたる前記積k×d/2の標準偏差が0.005、すなわち0.5%未満である、請求項1〜5の何れか一項に記載のソーワイヤ。
  7. 曲げ部の数は、前記直径「d」の100倍の前記ソーワイヤの軸長さ「L」にわたり少なくとも10である、
    請求項1〜6の何れか一項に記載のソーワイヤ。
  8. 軸の周囲で螺旋形状を有し、前記曲げ部が前記軸の半径方向に外側に向かう、請求項1〜7の何れか一項に記載のソーワイヤ。
  9. 前記ソーワイヤの軸を含む少なくとも1つの平面内の波の形状のクリンプを含む、請求項1〜7の何れか一項に記載のソーワイヤ。
  10. 第一の波形クリンプが第一の平面内にあり、第二の波形クリンプが第二の平面内にあり、前記第一の平面が前記第二の平面と異なり、前記第一および第二の平面が前記ソーワイヤの前記軸に沿って相互に交差する、請求項9に記載のソーワイヤ。
  11. 前記少なくとも1つの平面は複数の平面であり、前記複数の平面は前記軸を含み、前記複数の平面は前記ソーワイヤの前記軸長さに沿って増減する角度を有する、請求項9または10に記載のソーワイヤ。
  12. 前記スチールワイヤの表面上に固定された研磨層をさらに含む、請求項1〜11の何れか一項に記載のソーワイヤ。
  13. 請求項1〜12の何れか一項に記載のソーワイヤを製造する方法であって、
    − ニュートンでの破断負荷Fを有する、直径「d」のスチールワイヤを提供するステップと、
    − 前記スチールワイヤを、歯の半径「R」の歯を有する1つまたは複数の曲げ装置の上へと、ニュートンでの張力「T」下で曲げ装置の後に案内し、それにより、前記歯の間にセグメントを有する前記歯において曲げ部を誘導するステップと
    を含む、方法において、
    前記歯の半径「R」が前記直径「d」の4倍より大きく、一方で前記張力「T」が「F」の3%〜30%に保持されることを特徴とする方法。
  14. 前記曲げ装置が単一の歯付車輪であり、その上で前記スチールワイヤが少なくとも3つの歯にわたる、請求項13に記載の方法。
  15. 前記曲げ装置が1つまたは複数の相互に噛み合う歯付車輪のペアであり、それを通じて前記ワイヤが案内され、それにより、前記スチールワイヤにクリンプが形成され、2つの対向する歯の上部間における1つの歯の上部の入込みが前記スチールワイヤの前記直径「d」の1〜10倍に設定される、請求項13に記載の方法。
  16. 前記歯付車輪のペアの2つ以上が前記スチールワイヤの異なる軸平面内のクリンプを付与する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記1つまたは複数の曲げ装置が前記スチールワイヤの軸に対して回転する又は前記スチールワイヤが前記1つまたは複数の曲げ装置に対して回転する、
    請求項13に記載の方法。
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