JP6572078B2 - ピペットチップおよび液体注入方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ピペットチップおよび液体注入方法に関するものである。
ピペットやシリンジ等の注入器からの液体を試料容器に注入するピペットチップが広く利用されている。ピペットチップは筒状の本体部を備え、本体部は液体を吐出する吐出口が形成された先端部を有している。例えば医療分野では、生体から採取した血液内の化学成分(カリウム、ナトリウム、アルブミン、クレアチニン等)を測定する生化学検査において、ピペットチップを用いて血液を試料容器に注入している。そして、試料容器を遠心分離機にかけて血液を血球成分と血漿成分に分離している。血漿成分に基づいて化学成分の測定が行われる。
特許文献1には、吐出口からの血液の飛散範囲を制限するカバーを備えるピペットチップ(特許文献1ではディスペンサーノズルと表記)が記載されている。カバーは吐出口の周囲から血液の吐出方向に突き出しており、先端部の全外周を覆う筒状に形成されている。このカバーによって、ピペットチップを用いて血液を試料容器に注入する際に、注入対象の試料容器以外の箇所に血液が飛散することが防止される。
特許文献2には、血液が注入される注入口と、注入された血液を貯留する貯留部と、トラップ部とを備える試料容器(特許文献2では遠心分離用容器と表記)が記載されている。遠心分離後には、血球成分がトラップ部に捕捉され、血漿成分または血清成分のみが貯留部に残される。
特開2011−214842号公報 特開2014−198281号公報
特許文献2に記載の試料容器にピペットチップを用いて血液を注入する場合には、まず、試料容器の注入口に予め差し込まれたピペットチップに注入器をセットし、血液を注入する。そして、血液の注入後、注入器毎ピペットチップを注入口から抜き去る。
ここで、一般的にピペットチップのような細い管から液体を吐出した後には、吐出口に働く表面張力によって、滴下されない残留液滴が吐出口から吐出方向に張り出す。このため、特許文献2に記載の試料容器にピペットチップを用いて血液を注入する場合、ピペットチップを注入口から抜き去ったときに、残留液滴が注入口に付着することがあった。
残留液滴が注入口に付着した場合には、以下のような不都合が考えられる。残留液滴は遠心分離後も血球成分を含んでいるため、注入口に付着した残留液滴が遠心分離後に貯留部に落下した場合は、残留液滴の血球成分と貯留部の血漿成分または血清成分が混ざってしまって化学成分の測定値の信頼性が低下する。あるいは、注入口に付着した残留液滴が遠心分離によって遠心分離機内に飛散して遠心分離機が汚染される。遠心分離機内に飛散し液滴を放置しておくと、別の生体の試料容器の貯留部に落下し、その生体の化学成分の測定を誤ったりする。このため、残留液滴が注入口に付着することを確実に防止する手立てが要望されていた。
特許文献1に記載のピペットチップのようなカバーを設ければ、注入口と吐出口との直接の接触がカバーによって防がれるため、吐出口の残留液滴が直接注入口に付着することはない。しかしながら、特許文献1では、先端部の全外周を覆う筒状にカバーを形成しているので、カバーに残留液滴が付着し、付着した残留液滴がカバーに捕捉される可能性が高い。このため、吐出口の残留液滴に代わって、カバーに捕捉された残留液滴が注入口に付着するおそれがある。したがって、特許文献1に記載のカバー付きピペットチップをもってしても、残留液滴が注入口に付着することを確実に防止することはできない。
本発明は、吐出口の残留液滴が試料容器の注入口に付着することを確実に防止することが可能なピペットチップおよび液体注入方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のピペットチップは、注入器からの液体を吐出する吐出口が形成された先端部を有する筒状の本体部と、先端部に設けられ、吐出口の周囲から液体の吐出方向に突き出した突出部であり、本体部の軸回りに部分的に配置された突出部と、を備え、突出部は先端部の軸方向と直交する幅方向において先端部の中心軸回りの外周面との間に隙間を空けずに設けられており、かつ、突出部は前記吐出口と隔離して設けられている。また、本発明の別のピペットチップは、注入器からの液体を吐出する吐出口が形成された先端部を有する筒状の本体部と、先端部に設けられ、吐出口の周囲から液体の吐出方向に突き出した突出部であり、本体部の軸回りに部分的に配置された突出部と、を備え、突出部は、円柱形状であり、かつ、先端が丸められている。
突出部は複数個設けられており、複数個の突出部は、軸回りに間隔を空けて配置されていることが好ましい。この場合、複数個の突出部は、等間隔に配置されていることが好ましい。
突出部は、長手方向が吐出方向に延びる柱形状であることが好ましい
突出部は、軸回りの全周に対する占有割合が3%〜10%の範囲内であることが好ましい。また、突出部は、基端側から先端に向けて径が細くなるテーパ形状をしていることが好ましい。
注入器からの液体を吐出口に向かって流す本体部の流路には、液体の凝固を抑える抗凝固剤が塗布されていることが好ましい。
先端部と突出部は一体に形成されていることが好ましい。
本発明の液体注入方法は、注入器からの液体を吐出する吐出口が形成された先端部を有する筒状の本体部と、先端部に設けられ、吐出口の周囲から液体の吐出方向に突き出した突出部であり、本体部の軸回りに部分的に配置された突出部と、を備え、突出部は先端部の軸方向と直交する幅方向において先端部の中心軸回りの外周面との間に隙間を空けずに設けられており、かつ、突出部は吐出口と隔離して設けられているピペットチップを用い、注入器にピペットチップを取り付けて、ピペットチップの先端部を試料容器の注入口に差し込んで、注入器から液体を試料容器に注入する。また、本発明の別の液体注入方法は、注入器からの液体を吐出する吐出口が形成された先端部を有する筒状の本体部と、先端部に設けられ、吐出口の周囲から液体の吐出方向に突き出した突出部であり、本体部の軸回りに部分的に配置された突出部と、を備え、突出部は先端部の軸方向と直交する幅方向において先端部の中心軸回りの外周面との間に隙間を空けずに設けられており、かつ、突出部は吐出口と隔離して設けられているピペットチップを用い、注入器にピペットチップを取り付けて、ピペットチップの先端部を試料容器の注入口に差し込んで、注入器から液体を試料容器に注入する。
注入器は、生体から採取した血液を遠心分離用の試料容器に注入するために用いられることが好ましい。
本発明によれば、吐出口の周囲から液体の吐出方向に突き出し、本体部の軸回りに部分的に配置された突出部を先端部に設けるので、吐出口の残留液滴が試料容器の注入口に付着することを確実に防止することが可能なピペットチップおよび液体注入方法を提供することができる。
シリンジ、ピペットチップ、および試料容器の分解斜視図である。 シリンジ、ピペットチップ、および試料容器を一体化した状態を示す斜視図である。 ピペットチップの斜視図である。 ピペットチップの縦断面図(X−Xの切断面)と、平面図である。 先端部付近の拡大斜視図である。 先端部付近の拡大断面図である。 先端部付近の拡大平面図である。 試料容器の分解斜視図である。 試料容器の断面図である。 遠心分離機の説明図である。 (A)はピペットチップを介して血液を試料容器に注入する様子を示す説明図であり、(B)はピペットチップを試料容器から抜き去る様子を示す説明図である。 ピペットチップが傾いた状態を示す説明図である。 比較例の従来のピペットチップの説明図である。 試料容器内において、血液が遠心分離された後の状態を示す説明図である。 試料容器の縦断面図(X−Xの切断面)と、底面図である。 有害光L2の説明図である。 粗面化の説明図である。
図1および図2において、ピペットチップ10、シリンジ(注入器に相当)11および試料容器12は、例えば、生体から採取された血液の検査に用いられる。ピペットチップ10は、シリンジ11から、血液(液体に相当)を試料容器12に注入する場合にシリンジ11に取り付けて使用される。
シリンジ11は、円筒形状のシリンダ11Aと、シリンダ11A内に挿入されるプランジャ11B(図11参照)とを有している。シリンダ11Aの長手方向において、基端側からプランジャ11Bが挿入され、先端側には細径部11Cが形成される。細径部11Cには、シリンダ11A内への血液の吸引やシリンダ11A内の血液の吐出を行う開口が形成されている。
ピペットチップ10も、筒形状をしており、ピペットチップ10は細径部11Cに着脱自在に取り付けられる。
シリンジ11から試料容器12に血液を注入する場合には、細径部11Cにピペットチップ10が取り付けられる。ピペットチップ10が取り付けられた後、図2に示すように、ピペットチップ10の先端部20が試料容器12の注入口12Aに差し込まれる。この状態で、シリンジ11からピペットチップ10を通じて試料容器12に血液が注入される。
試料容器12は、例えば、血液検査に際して、血液を、血漿成分(または血清成分)と、赤血球や白血球からなる血球成分とに分離するための容器である。試料容器12は、血液の各成分の比重が異なることを利用して、遠心力の作用によって各成分を遠心分離する遠心分離用の容器である。試料容器12は、略円筒形状の本体が軸回りに回転することによって、血液の各成分が分離される。
ピペットチップ10と試料容器12は、例えば、ディスポーザルタイプ(1回使用タイプ)のキットとして提供され、検査試料となる血液毎に用いられる。これらに加えて、シリンジ11をディスポーザルタイプとしてもよい。
なお、図1において符号CAで示す一点鎖線は、それぞれが筒状体で構成される、ピペットチップ10、シリンジ11、および試料容器12の中心軸である。また、図1および図2において符号EDで示す矢印は、血液の吐出方向である。
図3および図4において、ピペットチップ10は、略円筒形状の本体部14と突出部15で構成されている。本体部14と突出部15は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の透明な樹脂により一体的に形成されている。本体部14は、中心軸CAに沿った長手方向において、基端側に嵌合部16が形成されている。嵌合部16は、シリンジ11の細径部11Cの外径とほぼ同径の内径を持つ円筒形状であり、嵌合穴16Aに細径部11Cが差し込まれる形で、細径部11Cと嵌合する(図11参照)。
本体部14は、嵌合部16の先端側に、フランジ17およびノズル部18を有している。フランジ17は、中心軸CAを中心とし、中心軸CAに対して垂直な方向に張り出した円板であり、嵌合部16とノズル部18の境界に位置している。フランジ17は、ピペットチップ10を把持するための把持部として機能する。
ノズル部18は、中心軸CAを中心とする流路19が内部に形成された略円筒形状である。流路19は、シリンジ11からの血液を吐出口20Aに向かって流す。流路19は嵌合部16の嵌合穴16Aに連通する。流路19は、例えば、ノズル部18において嵌合穴16Aよりも径が細くなり、さらに、ノズル部18の基端側(フランジ17側)から先端部20(吐出方向EDの下流側)に向かって徐々に径が細くなるテーパ形状である。この流路19の形状に倣って、ノズル部18の外形も、先端部20に向かって徐々に径が細くなるテーパ形状となっている。
本体部14の寸法は、例えば、中心軸CA方向の長さが約20mm、嵌合部16の直径が約6mm、フランジ17の直径が約12mm、ノズル部18の直径が先端部20で約4mmである。
流路19には、例えば、血液の凝固を抑えるヘパリン等の抗凝固剤21が塗布されている。血液は空気に触れると凝固しやすいため、試料容器12への注入時に流路19を通過する血液に抗凝固剤21を添加することにより、血液の凝固を防止する。
先端部20には、中心軸CAを中心とする円形の吐出口20Aが形成されている。吐出口20Aは、流路19を介して嵌合穴16Aと連通している。シリンジ11の細径部11Cから吐出されて、ノズル部18の流路19を流れた血液は、先端部20の吐出口20Aから吐出される。
ノズル部18の外周面には、ノズル部18の径方向(中心軸CAと直交する方向)に張り出すリブ22が形成されている。リブ22は、ノズル部18の長手方向(中心軸CAと一致する方向)に延びる細長い薄板である。リブ22は、ノズル部18の長手方向のほぼ全長に渡って延びており、より具体的には、フランジ17から先端部20まで形成されている。
リブ22は、例えば、ノズル部18の軸回りの周方向において、3箇所設けられている。本例の3つのリブ22は、周方向において等間隔で配置されており、各リブ22の間隔は120°(360°/3)である。
リブ22は、ノズル部18の外周からの張り出し量が、先端部20側(吐出方向EDの下流側)において、注入口12Aの内径よりも小さい。そして、リブ22において、フランジ17側(吐出方向EDの上流側)に向かう途中に嵌合部22Aが設けられている。嵌合部22Aの張り出し量は、注入口12Aの内径と等しいか、またはわずかに大きい。注入口12Aに対してノズル部18を嵌合部22Aまで挿入すると、注入口12Aと嵌合部22Aとが嵌合して、ピペットチップ10を試料容器12に固定することができる(図11(A)参照)。
嵌合部22Aの先端部20側は、先端部20に向かうにつれて張り出し量が小さくなるテーパ部となっている。ノズル部18は、リブ22が注入口12Aの内縁と接触しながら注入口12Aに挿入される。この挿入時に、テーパ部は、嵌合部22Aを注入口12Aにスムーズに到達させるためのガイド面として機能する。
リブ22において、嵌合部22Aよりもフランジ17側には、ストッパ部22Bが形成されている。ストッパ部22Bの張り出し量は、注入口12Aの内径よりも大きく、ストッパ部22Bによってノズル部18の注入口12Aの挿入量は規制される。
リブ22は、試料容器12の注入口12Aにノズル部18を挿入した場合に、ノズル部18の外周と注入口12Aの間に通気路を確保するためのものである。ノズル部18が注入口12Aに挿入されると、リブ22は、嵌合部22Aにおいて注入口12Aと嵌合する(図11(A)参照)。
この状態では、ノズル部18の外周面において各リブ22が設けられていない部分は、注入口12Aとの間に間隔が空き、隙間を生じる。この隙間が試料容器12の内外を連通する通気路となる。通気路が確保されることにより、試料容器12に血液を注入する際に、試料容器12の内外の気液交換が確実に行われるため、円滑な注入を行うことができる。
突出部15は、先端部20の吐出口20Aの周囲から吐出方向EDに突き出す形状をしており、先端部20と一体に形成されている。また、突出部15は、中心軸CA回りに部分的に配置されている。
より詳しくは図5の先端部20付近の拡大斜視図に示すように、本例では、3つの突出部15が、中心軸CAの周方向において間隔を開けて配置されている。3つの突出部15は、3つのリブ22の先端面22Cにそれぞれ設けられており、各リブ22と同じく、中心軸CA回りの周方向において等間隔(3つなので120°間隔)で配置されている。突出部15は、長手方向が吐出方向EDに延びる柱形状である。
図6に示すように、ノズル部18から血液が吐出されると、先端部20の吐出口20Aには、吐出口20A付近にある血液が、二点鎖線の楕円形状で示すように、表面張力の作用によって吐出口20Aから張り出した状態で残留し、これが残留液滴24となる。突出部15は、ピペットチップ10を試料容器12の注入口12Aから引き抜く際に、吐出口20Aに残留する残留液滴24が、注入口12Aおよびその近傍に付着することを防止する。
残留液滴24の付着が防止されると、血液検査の測定値の信頼性が確保されることに加えて、遠心分離機46(図10参照)の汚染が抑制される。すなわち、試料容器12は、血液が注入された後、遠心分離機46に装着されて回転する。遠心分離により、試料容器12内の血液は、血球成分と血漿成分とに分離される。遠心分離後において、注入口12A付近に付着した分離前の血液が試料容器12内に落下すると、血液検査の化学成分の測定値の信頼性が低下する。
また、注入口12A付近に残留液滴24が付着した状態で試料容器12が回転すると、残留液滴24が飛散して遠心分離機46内が汚染される。遠心分離機46内に飛散した液滴が放置されると、別の生体の試料容器に落下するおそれもある。この場合、別の生体の血液検査の測定値を誤らせる原因となる可能性もある。残留液滴24の付着を防止することにより、こうした不都合を排除することができる。
突出部15の長さHGは、残留液滴24の吐出方向EDの最大長さをHLとしたとき、下記式(1)の条件を満たす長さであることが好ましい。長さHGは、具体的には、吐出方向ED(中心軸CA方向)における、吐出口20Aの位置からの長さであり、吐出口20Aが形成される先端部20の先端面20Bからの長さである。
HL≦HG・・・・・・・式(1)
突出部15の長さHGが、この条件を満たせば、残留液滴24の周囲を突出部15によって確実にガードすることができる。これにより、残留液滴24と注入口12Aの接触を防止することができる。
また、複数の突出部15間の距離について、径方向における吐出口20Aの中心(中心軸CA)から突出部15までの距離をRG、吐出口20Aに残留する残留液滴24の吐出口20Aの径方向における最大幅をDLとしたとき、距離RGは、下記式(2)の条件を満たすことが好ましい。
DL/2≦RG・・・・・式(2)
距離RGがこの条件を満たせば、径方向における残留液滴24と突出部15との接触を低減することができるので、残留液滴24が突出部15に付着しにくい。
なお、長手方向(中心軸CA方向)において、突出部15の外径が変化している場合、距離RGも変化する。このような場合には、距離RGとしては、例えば、中心軸CA方向における最小値が使用される。最小値が条件式(2)を満たしていれば、突出部15の長手方向の全長に渡って条件式(2)を満たすことになる。
もちろん、距離RGとしては最小値の代わりに最大値や平均値を使用してもよい。この場合には、突出部15の長手方向の位置によっては条件式(2)を満たさない部分も生じるが、こうしても一定の効果は認められる。
突出部15の長手方向の長さは、例えば、約2mmであり、直径は約1mm程度である。
また、突出部15は、断面が円形の円柱形状である。円柱形状とすることで、角柱形状とした場合と比較して、次のようなメリットがある。すなわち、ピペットチップ10は、図1に示すとおり、突出部15の先端15Aが鉛直方向において下端となる姿勢で試料容器12に差し込まれる。
試料容器12内に挿入されたピペットチップ10は、吐出口20Aから血液を吐出して血液を注入後、試料容器12外に引き抜かれる。吐出の際に吐出口20Aの近傍に位置する突出部15には血液が付着する。円柱形状の場合には、角柱形状と異なり、突出部15の外周面に角が無いため、血液が付着しても液切れがよい。
そのため、突出部15に血液が付着しても、付着した血液は重力の作用により先端15Aに向けて滑り落ちて、下方に落下するので、突出部15によって血液が捕捉されにくい。試料容器12からピペットチップ10が引き抜かれる際に、突出部15は注入口12Aを通過するが、突出部15には血液が捕捉されていないため、突出部15と注入口12Aが接触しても、突出部15から注入口12Aに血液が付着することはない。
また、突出部15が血液を捕捉しないようにするという同じ目的で、突出部15の先端15Aは丸められており、角の無い形状となっている。さらに、突出部15は、基端側から先端15Aに向けて径が細くなるテーパ形状をしている。こうした形状を採用する理由も、突出部15に付着した血液を下方に滑り落ちやすくして、突出部15が血液を捕捉しないようにするためである。
また、先端部20において、突出部15は、先端部20の中心軸CA方向と直交する幅方向(吐出口20Aの径方向)において、先端部20の中心軸CA回りの外周面20Cとの間に隙間を空けずに設けられている。
突出部15と先端部20の間に隙間があると、吐出口20Aから吐出された血液や残留液滴24が、毛管現象により隙間に流入して先端部20の外周面20Cや突出部15の基端部分に付着するおそれがある。例えば、特許文献1の図1に記載されているように、吐出口が形成されるノズルの先端部の周囲に、先端部の軸回りの外周面との間に間隔を空けてカバーを設けると、先端部の外周面とカバーの隙間から血液が流入してカバーに血液が付着するおそれがある。こうした血液の付着を防止するために、突出部15は、外周面20Cとの間には隙間を空けずに形成されている。
本例においては、先端部20の外周面20Cから径方向に張り出したリブ22が、先端部20の先端面20Bとほぼ同じ位置まで延びており、突出部15は、リブ22の先端面22Cから立設されている。そのため、突出部15と先端部20の外周面20Cとの間に血液が流入する隙間は無い。これにより、先端部20の外周面20Cや突出部15の基端部分に血液が付着することが防止される。
なお、突出部15を、リブ22の先端面22Cではなく、先端部20の外周面20Cや先端面20Bに直接設けてもよい。
図7に示すように、3つの突出部15は、中心軸CA回りに間隔G1を空けて配置されている。突出部15は、例えば、中心軸CA回りの全周に対する占有割合は3%〜10%の範囲内である。ここで、占有割合は、突出部が間隔G1の無い円筒形状をしており、中心軸CA回りの全周に及ぶ場合を100%とする。突出部15の占有割合が3%〜10%の範囲内とは、本例においては、突出部15の中心軸CA回りの周方向の幅DGの3つ分の合計値が、突出部が全周に及ぶ場合の中心軸CA回りの円周の3%〜10%の範囲内であることを意味する。
具体的には、図7に示すように先端部20の半径をRF、1つの突出部15の周方向の幅をDG、突出部15の数をNとしたとき、突出部15は中心軸CA回りの全周に対する占有割合が3%〜10%の範囲内であるという条件は次式(3)で表される。
0.03×2πRF≦N×DG≦0.1×2πRF・・・(3)
先端部20の半径RFは例えば1.45mmであり、突出部15の周方向の幅DGは例えば0.2mmである。この場合の突出部15の中心軸CA回りの全周に対する占有割合は、先端部20の円周が1.45×2×π≒9.11mm、突出部15の数Nは3のため、3つの突出部15の周方向の幅DGの合計値は3×0.2mm=0.6mmであるので、0.6/9.11≒0.066=6.6%となり、上記の条件を満たしている。
突出部15の占有割合が低いほど、突出部15の幅DGは小さくなる。幅DGが小さいほど、血液との接触面積が減るので、突出部15による血液の捕捉が防止される。そのため、血液の捕捉を防止する観点からは、突出部15の占有割合は低いほどよい。一方、突出部15の幅DGが小さすぎると、突出部15の剛性が確保できなくなってしまう。そのため、幅DGの剛性を確保するための下限値として、占有割合は3%以上あることが好ましい。
図8および図9において、試料容器12は、蓋部材31と本体部材32とで構成される。これら各部材31、32は円筒形状の外観を有し、ピペットチップ10と同様、透明な樹脂によりそれぞれ一体的に形成されている。
蓋部材31は、外周部33と内周部34とを備えている。内周部34は内部がくり抜かれた略円錐形状を有し、その頂部には前述の注入口12Aが形成されている。外周部33は、内周部34を取り囲む円環形状である。外周部33の下端には、外周部33よりも外径が一回り小さい嵌合部33Aが形成されており、嵌合部33Aが本体部材32と嵌合する。
本体部材32は、血液を貯留する貯留部36、および血液の成分のうちの血球成分を捕捉するトラップ部37を備えている。貯留部36は、逆円錐形状をした空間を有しており、この空間は上部38Aから底部38Bに向かうにつれて直径が減少する漏斗形状(funnel-shaped)をしたハウジング38によって画定される。ハウジング38は漏斗形状をしているため、外周面38Cは、中心軸CAに対して傾斜している。
トラップ部37は、ハウジング38の上部38Aと接続し、上部38Aよりも径が一回り大きい円板形状の空間である。トラップ部37には分離剤(分離ゲルとも呼ばれる)41が配されている。分離剤41には、遠心分離の分離対象である血液の2つの成分、具体的には血漿成分と血球成分の中間の比重を有し、かつチクソトロピー性をもつ材料が適宜選択される。
トラップ部37の上部には、蓋部材31の嵌合部33Aと嵌合する嵌合部32Aが設けられている。蓋部材31と本体部材32は、各嵌合部33A、32Aが嵌合された状態で溶着される。
本体部材32には、貯留部36を構成するハウジング38の外側に、円環部42が設けられている。円環部42は、ハウジング38の傾斜した外周面38Cの全周を取り囲む円環形状をしている。この形状により、円環部42の内周面42Aとハウジング38の外周面38Cとの間には、破線で示す隙間G2が形成される。隙間G2は、試料容器12を、図10に示す遠心分離機46の装着部と嵌合させる凹部として設けられる。
図10に示すように、遠心分離機46は、例えば、開閉自在な蓋47と、試料容器12を収容する空間を形成する筐体48と、空間内に配置され、試料容器12が装着される回転台49とを備えている。
回転台49は、モータ等の回転機構(図示せず)によって、回転軸ARを中心にして矢印で示す方向に回転する。また、回転台49には、隙間G2内に進入してハウジング38および円環部42と嵌合する装着部51が形成されている。この装着部51に装着されることで、試料容器12は、中心軸CAと回転台49の回転軸ARが一致した状態で回転台49に固定される。この状態で、モータの駆動により試料容器12が回転して、血液が遠心分離される。
次に、上記構成による作用について、図11〜図14を用いて説明する。図11に示すように、血液検査を行う場合には、生体から採取された血液BLがシリンジ11から、試料容器12に注入される。注入に先だって、シリンジ11には、ピペットチップ10が装着される。試料容器12は、台座52に固定される。
そして、図11(A)に示すように、ピペットチップ10のノズル部18が先端部20から試料容器12の注入口12Aに挿入される。ピペットチップ10は、リブ22が注入口12Aと嵌合し、ストッパ部22B(図4参照)によって挿入量が規制されるまで注入口12Aに挿入される。
ピペットチップ10が挿入された状態で、プランジャ11Bがシリンダ11Aにおいて吐出方向EDに押し込まれる。これにより、シリンダ11A内の血液BLに圧力が掛かり、吐出される。血液BLは、ピペットチップ10の流路19を通り、抗凝固剤21と混合されつつ、先端部20の吐出口20Aに達し、吐出口20Aから吐出される。吐出により試料容器12に血液BLが注入されて、注入された血液BLが貯留部36に貯留される。
図11(B)に示すように、血液BLは、液面が、貯留部36内の目標高さTHに達するまで注入される。そして、血液BLの液面が目標高さTHに達して、予め決められた所定量の血液BLが貯留部36に注入されると、注入が終了される。注入が終了すると、ピペットチップ10が注入口12Aから抜き去られる。
この際に、シリンジ11内および流路19内に血液BLが残っている場合には、吐出口20Aにある血液BLが表面張力によって、吐出口20Aから吐出方向EDに張り出して、吐出口20Aに残留液滴24として付着する。
注入口12Aからのピペットチップ10の引き抜きは、図11(B)に示すように、ピペットチップ10を、注入口12Aの中心軸CAと平行にまっすぐ引き抜かれる場合もあれば、リブ22と注入口12Aとの嵌合を緩めるために図12に示すように、ピペットチップ10が捩られながら引き抜かれる場合もある。
この場合には、図12に示すように、注入口12Aの中心軸CAに対して、ピペットチップ10が傾いた状態になる。この状態になっても、吐出口20Aの周囲には突出部15が設けられているので、突出部15により残留液滴24の周囲はガードされる。そのため、残留液滴24が注入口12Aに付着することは無い。
これに対して、図13に示す比較例のように、突出部15が設けられていない場合には、残留液滴24の周囲がガードされないため、ピペットチップ10が傾くと、残留液滴24が注入口12Aに付着するおそれがある。図13は、突出部15が設けられていない点のみが、図12に示す本発明と相違し、他の点はすべて同様である。
また、突出部15は、中心軸CA回りの全周ではなく、部分的に配置されているため、突出部15が全周に及ぶ場合と比べて、血液との接触面積が減る。そのため、突出部15による血液の捕捉が防止される。
より具体的には、従来技術として紹介した特許文献1の図1〜図3に記載されているカバーは、ノズル先端部の吐出口の周囲において、全外周を覆う筒状であるため、血液との接触面積が大きく、吐出口から吐出された血液がカバーに捕捉されやすい。血液がカバーに捕捉されると、カバーに付着した血液が、試料容器12の注入口12Aに付着するおそれもある。
このような従来技術と比較して、突出部15は、中心軸CA回りに部分的に配置されているため、血液との接触面積が小さく、血液を捕捉しにくい。そのため、突出部15から注入口12Aに血液が付着することはない。これにより、残留液滴24が注入口12Aに付着することを確実に防止することができる。
しかも、上記条件式(3)で示したように、突出部15は、中心軸CA回りの全周に対する占有割合が10%以下であるため、血液との接触面積が減るため、突出部15による血液の捕捉が防止される。
また、3つの突出部15は、周方向において等間隔に配置されているため、ピペットチップ10がどの方向に傾いても、残留液滴24と注入口12Aとの接触をガードすることができる。
また、突出部15は、図6に示したとおり、上記式(1)の条件を満たす長さHGを有しているため、残留液滴24と注入口12Aとの接触を確実にガードすることができる。また、突出部15は、上記式(2)の条件を満たす距離RGに配置されているため、径方向における残留液滴24と突出部15との接触を低減できるため、残留液滴24が突出部15に付着しにくい。
ピペットチップ10が引き抜かれた後、試料容器12は、遠心分離機46にセットされて、血液BLの遠心分離が行われる。遠心分離機46内において、試料容器12は高速で回転されるが、突出部15の効果により、注入口12Aに血液BLは付着していないため、遠心分離機46内に血液BLが飛散することはない。
図14に示すように、遠心分離が終了すると、分離剤41よりも比重が大きい血球成分BL2は、分離剤41によってトラップ部37に捕捉される。分離剤41よりも比重が小さい血漿部分BL1は、回転終了後、重力の作用によりトラップ部37から貯留部36に流れ出して、貯留部36に貯留される。こうして血液の遠心分離が完了する。
突出部15の効果により、注入口12Aに分離前の血液BLは付着していないため、注入口12Aから分離前の血液BLが、貯留部36内に落下して血漿成分BL1に混入することもない。
本例において、突出部15を中心軸CA回りに部分的に配置する例として、3つの突出部15を等間隔で配置した例で説明したが、これに限られない。突出部15を中心軸CA回りに部分的に配置されるとは、中心軸CA回りの全周ではなく、周方向の少なくとも一部が欠落している態様を意味する。
そのため、例えば、突出部15の数は4つ以上でもよいし、1つでもよい。1つあるいは2つの場合は、突出部15の幅DGが小さいと、残留液滴24の全週をすべてガードすることはできない。そのため、ピペットチップ10を傾ける方向によってはガードが緩くなり、残留液滴24の注入口12Aへの付着を防止できない場合もある。そのため、本例で示した3つの突出部15を等間隔で配置する態様のように、突出部15の数や配置は、全周に渡ってガードが可能な数および配置が選択されることが好ましい。
もちろん、突出部15の周方向の幅DG(図7参照)を大きくすれば、突出部15の数が1つや2つでも全周をガードすることは可能である。例えば、1つの突出部15の幅DGを、周方向の角度換算で90°程度の範囲に渡る幅にすれば、対角位置に2つ設ければ、全周をガードすることが可能である。
しかし、幅DGを広くすると、吐出された血液と突出部15との接触面積が大きくなるため、突出部15に血液が付着しやすいというデメリットが生じる。一方、突出部15の数を3つ以上にしてもよいが、全周をガードする数としては3つあるいは4つ程度あれば十分であり、数を多くし過ぎてもメリットは少ない。そのため、上記例のように突出部15は3つ程度であることが好ましい。
また、本例のように、突出部15を等間隔で配置すれば、複数個の突出部15を局所的に偏在させる場合と比較して、少ない数で全周のガードが可能となるため、効率的である。しかも、3つ程度の突出部15を等間隔で配置すれば、突出部15を幅DGが狭い柱状で形成しても、全周のガードが可能となる。幅DGが狭いほど血液との接触面積は減るため、突出部15に血液が付着しにくいというメリットがある。
また、本例の突出部15は、円柱形状で形成されているが、角柱形状でもよい。しかし、上述のとおり、突出部15を円柱形状とすることで、角柱形状とした場合と比較して、角が無いため、液切れがよい。そのため、突出部15によって血液が捕捉されにくい。
「試料容器の変形例」
図15〜17に示す試料容器12の変形例は、上述の試料容器12に、導光部56を設けたものである。導光部56以外の点は同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。以下、相違点である導光部56を中心に説明する。
導光部56は、貯留部36内から円環部42の外部へ光を導光する。導光部56は、貯留部36に貯留される血液BLの液面が、目標高さTHに達したか否かを外部から視認するための視認窓である。貯留部36を構成するハウジング38の外周面38Cと、円環部42の内周面42Aとの間には隙間G2がある。そのため、貯留部36内の液面を外部から観察しようとすると、貯留部36内から円環部42の外部に向かう光は、外周面38Cや内周面42Aにおいて屈折する。そのため、液面が目標高さTHに達したか否かを正確に確認することができない。
導光部56は、外周面38Cと内周面42Aとの間の隙間に位置し、貯留部36を構成するハウジング38と円環部42の両方と一体に形成されている。このため、導光部56には、外周面38Cや内周面42Aが無い。これにより、貯留部36内から導光部56を通って円環部42の外部に向かう光L1は、外周面38Cや内周面42Aにおける屈折の影響を受けることなく円環部42の外部に射出する。目EYによって導光部56を覗くことで、貯留部36内の液面が目標高さTHに達したか否かを正確に確認することができる。
導光部56は、貯留部36に貯留される血液BLの目標となる液面の高さTHに合わせて、貯留部36の底部38Bからの高さが決められている。
図15において、試料容器12の底面図に示すように、導光部56は、円環部42の中心軸CA回りに部分的に配置されている。具体的には、導光部56は、90°間隔で4箇所に配置されている。導光部56は、中心軸CA回りの全周に設けてもよいが、部分的に配置することで、次のようなメリットがある。
すなわち、導光部56を設けると、導光部56を設けない場合(図14参照)と比べて、ハウジング38の上部付近の厚みが増す。樹脂は厚みが増すほど内部の温度が冷めにくいため、厚みが増すと、温度分布にローカリティが発生し、寸法ムラが生じやすい。そのため、中心軸CA回りの全周に導光部56を設けると、全周に渡って厚みが増すため、全周に寸法ムラが生じやすくなる。こうした寸法ムラは、本体部材32と蓋部材31との溶着面にも影響を及ぼすため、溶着不良の原因となる。これに対して、本例のように導光部56を中心軸CA回りに部分的に配置することで、寸法ムラが低減されるため、溶着不良が生じにくいというメリットが得られる。
また、複数個(本例では4個)の導光部56を等間隔で配置することで、複数個の導光部56が局所的に偏在する場合と比べて、導光部56の数を増やすことなく、多方向からの視認性を確保することができる。
また、図16に示すように、ハウジング38の内部で全反射して伝播する光が有害光L2となって導光部56内に進入する場合がある。この場合、血液BLの液面が目標高さTHに達していない状態でも、有害光L2によって、あたかも液面が目標高さTHに達しているような錯覚を与えてしまう場合がある。
このような問題を解決するために、図17に示すように、有害光L2の伝播経路となるハウジング38の外周面38Cを粗面化することで、有害光L2の導光部56への進入を抑えることが好ましい。具体的には、外周面38Cにおいて、底部38Bから導光部56までの範囲が粗面化される。
外周面38Cを粗面化すると、ハウジング38内で発生した有害光L2が、ハウジング38内で乱反射するため、導光部56への進入が抑えられる。これにより、視認者の目EYには、内部反射せずに目標高さTHからストレートに外部に射出する光L1だけが入射するため、液面が目標高さTHに達しているか否かを正確に確認することができる。
外周面38Cの粗面化の程度について、表面粗さRaは、0.4〜1.6の範囲内であることが好ましい。実験によれば、Raがこの範囲外になると、ハウジング38内部で多重反射した光が若干みえ、コントラストが低下する懸念があるからである。特に、Ra=0.95程度であることが好ましい。なお、ここで、Raは、JIS規格(JIS B0601(1994)、JIS B0031(1994))で定義された算術平均粗さである。概略としては、算術平均粗さは、粗さ測定機によって外周面38Cの凹凸を測定することにより、外周面38Cの凹凸のプロファイルを表す粗さ曲線を算出し、算出した粗さ曲線に基づいて、測定区間内における外周面38Cの凹凸の大きさの平均を求めたものである。粗さ曲線は、X軸に測定方向を、Y軸に凹凸の大きさを割り当てた曲線である。詳細は、上記JIS規格の定義による。
なお、ハウジング38の外周面38Cに加えて、導光部56の底面56A(図16参照)や側面56B(図15参照)についても粗面化することが好ましい。これにより、導光部56で内部反射して射出する有害光L2を低減することができる。また、導光部56を中心軸CA回りの全周に渡って設ける場合には、全周に渡って粗面化することが好ましい。
本発明は、上記実施形態や上述した変形例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、上記実施形態や上述した変形例を適宜組み合わせることも可能である。
10 ピペットチップ
11 シリンジ
12 試料容器
12A 注入口
14 本体部
15 突出部
18 ノズル部
20 先端部
20A 吐出口
20C 外周面
CA 中心軸

Claims (10)

  1. 注入器からの液体を吐出する吐出口が形成された先端部を有する筒状の本体部と、
    前記先端部に設けられ、前記吐出口の周囲から前記液体の吐出方向に突き出した突出部であり、前記本体部の軸回りに部分的に配置された突出部と、を備え、
    前記突出部は前記先端部の軸方向と直交する幅方向において前記先端部の中心軸回りの外周面との間に隙間を空けずに設けられており、かつ、前記突出部は前記吐出口と隔離して設けられているピペットチップ。
  2. 前記突出部は複数個設けられており、
    複数個の前記突出部は、前記軸回りに間隔を空けて配置されている請求項に記載のピペットチップ。
  3. 複数個の前記突出部は、等間隔に配置されている請求項1または2に記載のピペットチップ。
  4. 前記突出部は、長手方向が前記吐出方向に延びる柱形状である請求項1ないしのいずれか1項に記載のピペットチップ。
  5. 前記突出部は、前記軸回りの全周に対する占有割合が3%〜10%の範囲内である請求項1ないしのいずれか1項に記載のピペットチップ。
  6. 前記突出部は、基端側から先端に向けて径が細くなるテーパ形状をしている請求項1ないしのいずれか1項に記載のピペットチップ。
  7. 前記注入器からの前記液体を前記吐出口に向かって流す前記本体部の流路には、前記液体の凝固を抑える抗凝固剤が塗布されている請求項1ないしのいずれか1項に記載のピペットチップ。
  8. 前記先端部と前記突出部は一体に形成されている請求項1ないしのいずれか1項に記載のピペットチップ。
  9. 注入器からの液体を吐出する吐出口が形成された先端部を有する筒状の本体部と、前記先端部に設けられ、前記吐出口の周囲から前記液体の吐出方向に突き出した突出部であり、前記本体部の軸回りに部分的に配置された突出部と、を備え、前記突出部は前記先端部の軸方向と直交する幅方向において前記先端部の中心軸回りの外周面との間に隙間を空けずに設けられており、かつ、前記突出部は前記吐出口と隔離して設けられているピペットチップを用い、
    前記注入器に前記ピペットチップを取り付けて、
    前記ピペットチップの前記先端部を試料容器の注入口に差し込んで、
    前記注入器から前記液体を試料容器に注入する液体注入方法。
  10. 前記注入器は、生体から採取した血液を遠心分離用の試料容器に注入するために用いられる請求項に記載の液体注入方法。
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