以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[接続基地局選択方法]
まず、本開示の接続基地局選択方法について説明する。
ここでは、無線基地局n、及び、無線基地局nに接続する無線端末kについて検討する。
まず、無線端末kの時刻tにおける平均スループットRk(t)は次式(2)で表される。
ここで、bk,n(t)は、時刻tにおいて無線端末kが無線基地局nに接続しているか否かを示す変数である。時刻tにおいて無線端末kが無線基地局nに接続していればbk,n(t)=1、接続していなければbk,n(t)=0となる。また、wk,n(t)は、時刻tにおいて無線端末kが無線基地局nに接続したときの無線端末kに対する割当帯域幅を示す。rk,nは、無線端末kが無線基地局nに接続したときに得られる周波数利用効率(受信品質に相当)を示す。また、Tavgはスループットの平均化時間を示す。
無線基地局におけるシステム全体のスループット(システムスループット)U(t)は、非特許文献2により次式(3)で一般化することができる。
ここで、pkは、無線端末k毎に設定される優先度の重み付けを示す。また、αは無線基地局のスケジューラにおける無線端末への無線リソースの割当方法を制御するパラメータを示す。
例えば、α=0は、ユーザスループットの算術平均が最大になるように無線端末にリソースを割り当てる方法に対応する。これはユーザスループットが高い無線端末にリソースが優先的に割り当てられるMax CIRスケジューリング方法に相当する。
α=1は、ユーザスループットの幾何平均が最大になるように無線端末にリソースを割り当てる方法に対応する。これはプロポーショナルフェアネス(PF)スケジューリングに相当する。
α=2は、ユーザスループットの調和平均が最大になるように無線端末にリソースを割り当てる方法に対応する。
α=∞は、ユーザスループットの大きさに依らず同等の割合で無線端末にリソースを割り当てる方法に対応する。これはラウンドロビンスケジューリングに相当する。
つまり、このパラメータαが無線基地局における割当ポリシに相当する。
そして、無線基地局は、式(3)に示すU(t)が最大となるように無線端末に無線リソースを割り当てることで、設定されたパラメータαに対応する割当ポリシを加味して、無線リソースを割り当てる。
ここで、式(3)に示すシステムスループットU(t)を最大にするには、式(2)に示すRk(t)を式(3)に代入し、U(t)が最大となる接続無線基地局bk,n(t)及び割当帯域幅wk,n(t)を求めればよい。これは、U(t)に関する凸最適化問題である。時刻t-1から時刻tへの時間経過において接続無線基地局及び割当周波数(割当帯域幅)に変化があった場合に、システムスループットU(t)の差分ΔUが少なくとも増加していれば、その変化はU(t)が最大となる状態に近づいていることになる。そこで、テイラー展開を用いると、システムスループットU(t)の差分ΔUは次式(4)のように表される。
時間経過に比べてTavgが十分大きいとすると、ΔUを最大化するには、次式(5)に示すG(t)を最大化する接続無線基地局bk,n(t)及び割当帯域幅wk,n(t)を求めればよいことになる。
式(5)に示すG(t)の最適化について、無線基地局間の連携を行わずに、分散処理で逐次的に求めることを考える。
ここで、時刻tで無線基地局nに接続している無線端末群をKn(t)と仮定し、無線端末k∈Kn(t)に対する無線基地局nの無線リソース割当について検討する。つまり、接続無線基地局bk,n(t)を固定した場合の、割当帯域幅wk,n(t)を求める。
最適な無線リソース割当は、非特許文献2により、次式(6)のように表される。
ただし、式(6)では、以下の式(7)に示す条件を満たしている。
これは、凸最適化問題となっている。そこで、ラグランジュ関数は次式(8)で定義される。
また、このときのKKT(Karush-Kuhn-Tucker)条件は、次式(9)で表される。
これを解くと、最適な割当帯域幅wk,n(t)は、次式(10)で表される。
ここで、βn(t)は次式(11)で表される。
[最適な割当帯域幅について]
ここで、式(10)を用いて、割当ポリシを加味した場合における最適な割当帯域幅について説明する。つまり、式(10)で示される割当帯域幅wk,n(t)について説明する。
なお、式(10)に示すpkは無線端末kに対する優先度の重み付けであり、各無線端末に対する優先度を等しくする場合には無線端末kに対するpkには同じ値が設定される。ここでは、無線端末間には優先度が等しく設定されることを想定して、pk=1の場合について説明する。
式(10)における1つ目の式において、分母は、割当ポリシαを適用した場合の、無線基地局nに接続する全ての無線端末i(∈Kn(t))における周波数利用効率の合算値であり、分子は、割当ポリシαを適用した場合の、無線端末kにおける周波数利用効率である。
つまり、無線端末kにおける最適な割当帯域幅wk,n(t)は、無線基地局nに接続する全無線端末の周波数利用効率の合算値に対する、無線端末kの周波数利用効率の割合で求められることが分かる。また、割当ポリシαを適用した場合の、無線基地局nに接続する全無線端末における周波数利用効率の合算値は、式(11)に示すβn(t)(分子)に含まれる。
また、割当帯域幅wk,n(t)は、割当ポリシαと、無線基地局nに接続する全無線端末の周波数利用効率の合算値と、無線端末kの周波数利用効率(受信品質に相当)と、を用いて算出されることが分かる。
[接続基地局の切替方法]
上記のようにして、無線端末への無線リソース割当の際に割当ポリシαを加味した最適な割当帯域幅を求めることができる。ここでは、無線端末が接続する無線基地局を切り替える接続基地局切替方法について説明する。
時刻tにおいて、無線端末kが、無線基地局nに新たに接続したときの割当帯域幅w~k,n(t)は、次式(12)のように求めることができる。
ここでβn(t-1)は、時刻t-1において、無線基地局nに接続している無線端末に基づく情報であり、次式(13)で表される。
ここで、式(12)に示す割当帯域幅w~k,n(t)を無線端末kについて算出するには、式(13)に示す、無線基地局nに接続する無線端末に基づく情報βn(t-1)が必要となる。
そこで、まず、無線基地局は、このβn(t-1)を無線端末kに向けて通知する。こうすることで、無線端末kは、無線基地局nに新たに接続したときの割当帯域幅を算出することができる。
次に、無線端末kは複数の無線基地局の中から接続基地局を選択する。具体的には、無線端末kは、各無線基地局に関するメトリックを求め、求めたメトリックを比較して接続基地局候補を選択する。
図1は、メトリックを用いた接続基地局候補の選択方法の一例を示すフロー図である。
まず、無線端末kは、無線基地局nに新規接続することを想定する(ステップ(以下、「ST」と表す)101)。
無線端末kは、式(12)に示す割当帯域幅w~k,n(t)に基づいて、無線端末kが無線基地局nに新規接続したときに見込まれるスループット(見込みスループット)を見積もる(ST102)。この際、無線端末kは無線基地局nの受信品質を別途測定しておき、測定した受信品質を用いてスループットの見積りを行う。
次に、無線端末kは、見込みスループットに基づいて、無線端末kが無線基地局nに新規接続したときのメトリックM~k,n(t)を次式(14)に従って求める(ST103)。
無線端末kは、このメトリックの算出を、接続基地局候補となりうる周辺の無線基地局の全てに対して行う(ST104、ST105)。
なお、無線端末kにおけるスループットが高い無線基地局ほど、メトリックの値は大きくなる。つまり、無線端末kでは、算出されるメトリックが最大となる無線基地局nを接続基地局候補として選択することで、より高いスループットを得られる無線基地局に接続することができる。
そこで、無線端末kは、各無線基地局のメトリックを比較して、メトリックが最大となる無線基地局を接続基地局候補として選択する(ST106)。
次に、無線端末kは、選択した接続基地局候補が、元の接続基地局(現在接続している無線基地局)であるか否かを判定する(ST107)。接続基地局候補が元の接続基地局ではない場合(ST107:No)、無線端末kは接続基地局の変更を行う(ST108)。一方、接続基地局候補が元の接続基地局である場合(ST107:Yes)、無線端末kは接続基地局の変更を行わない(ST109)。
接続基地局の変更を行う場合、無線端末kは、無線端末kが接続基地局候補である無線基地局nに新規に接続するときのメトリック(式(14)を参照)を当該無線基地局nに報告する。
無線基地局nは、無線端末kと同様にして自局を接続基地局候補としてメトリックを報告してきた複数の無線端末の中から、メトリックが最大となる無線端末を選択する。無線基地局nは、選択した無線端末に対して接続を許可する。
この時、無線基地局nにおいて新規に接続が許可される無線端末は1つである。これは、式(12)で求められる割当帯域幅が、1つの無線端末が無線基地局nに新たに接続した場合を想定しているためである。この場合、無線基地局nに複数の無線端末が新規に同時接続してしまうと、無線端末側で見込んだスループットが得られなくなってしまう。よって、無線基地局nを接続基地局候補とする複数の無線端末が存在する場合には、上述した接続基地局切替処理を、1無線端末ずつ逐次的に行うことで対応することができる。このため、無線端末の接続基地局に変更が生じた場合には、変更後の状況に沿った情報、つまり式(13)に示す、無線基地局nに接続する全端末に基づく情報βn(t-1)は、新たに接続された無線端末を考慮して更新される。
以上のように、接続基地局選択方法を適用することで、無線基地局における割当ポリシを加味した無線リソース割当を行う際に、割当ポリシに基づくシステムスループットを最大にする最適な接続基地局を選択することができる。
なお、式(13)に示すβn(t-1)には、システム帯域幅Wnが含まれている。ただし、システム帯域幅Wnは、無線端末において既知の情報である場合には、Wnをβn(t-1)に含めなくてもよい。無線端末において既知の情報である状況としては、例えば、無線基地局毎に同じである場合、又は、ハンドオーバのための隣接基地局測定用の情報として無線基地局から無線端末にシステム帯域幅を通知する場合などがある。この場合、式(13)に示す無線基地局nに接続する端末に基づく情報βn(t-1)は、次式(15)で表されるものでもよい。
式(15)に示すβn(t-1)は、無線基地局nに接続する全ての無線端末における割当ポリシを加味した周波数利用効率の合算値を示している。
(実施の形態1)
[通信システムの概要]
本開示の各実施の形態に係る通信システムは、例えば、無線基地局100及び無線端末200を備える。
通信システムは、例えば、マクロセル内にスモールセルが配置されたテロジーニアスネットワーク構成を採り、無線端末200は、複数の無線基地局100(マクロセル又はスモールセルに対応)の何れかに接続して、通信を行う。
また、無線基地局100及び無線端末200は、上述した接続基地局選択方法を用いて、複数の無線基地局100の中から、無線端末200が接続する接続基地局を選択する。
図2は本開示の実施の形態に係る無線基地局100の要部構成を示すブロック図である。図2に示す基地局100において、送信処理部102は、システム性能を決定する割当ポリシを示す第1の情報(α)、及び、無線端末200が複数の無線基地局100の各々に接続した場合に当該無線端末200に割り当てられる割当帯域幅を算出するための第2の情報(β)を送信する。受信処理部104は、複数の無線端末200から、各無線端末200における接続基地局候補、及び、当該接続基地局候補に接続した場合の当該無線端末におけるスループットに関する第3の情報(メトリック)を受信する。ここで、接続基地局候補は、上記第1の情報、第2の情報、及び、各無線端末200で測定される受信品質を用いて算出される割当帯域幅から求まるスループットが最も大きい無線基地局100である。判定部106は、複数の無線基地局100の各々について、当該無線基地局100を接続基地局候補とする無線端末200の中から、第3の情報(メトリック)に基づいて、スループットが最も大きい無線端末200に対して当該無線基地局100への接続を許可する。
また、図3は、本開示の実施の形態に係る端末200の要部構成を示すブロック図である。図3に示す端末200において、受信処理部202は、システム性能を決定する割当ポリシを示す第1の情報(α)、及び、無線端末200が複数の無線基地局100の各々に接続した場合に当該無線端末200に割り当てられる割当帯域幅を算出するための第2の情報(β)を受信する。受信品質測定部206は、複数の無線基地局100の各々に対する受信品質を測定する。割当帯域幅算出部205は、複数の無線基地局100の各々に対して、第1の情報、前記第2の情報及び受信品質を用いて、割当帯域幅を算出する。スループット算出部207は、割当帯域幅及び受信品質を用いて、複数の無線基地局100の各々に無線端末200が接続した場合のスループットを算出する。選択部209は、複数の無線基地局100の中から、算出されたスループットが最も大きい無線基地局100を接続基地局候補として選択する。送信処理部212は、接続基地局候補、及び、当該接続基地局候補に対応するスループットに関する第3の情報(メトリック)を送信する。接続基地局変更制御部213は、接続基地局候補に対する接続の指示に従って、無線基地局100の接続切替を制御する。
[無線基地局の構成]
図4は、本実施の形態に係る無線基地局100の構成を示すブロック図である。図4において、無線基地局100は、補助情報生成部101と、送信処理部102と、アンテナ103と、受信処理部104と、フィードバック情報抽出部105と、判定部106と、変更情報生成部107と、を有する。
補助情報生成部101は、割当ポリシが適用された自局(無線基地局100)に無線端末200が新規に接続した場合に当該無線端末200に割り当てられる割当帯域幅を算出するために必要となる補助情報(β)を生成する。補助情報生成部101は、生成した補助情報を送信処理部102に出力する。なお、補助情報としては、例えば、式(13)又は式(15)に示すβn(t-1)が挙げられる。
また、補助情報生成部101は、後述する判定部106から、自局(無線基地局100)と接続する無線端末200について変更が生じたことを通知された場合、接続する無線端末200の変更を反映させるために、接続変更後の無線端末に基づいて、無線端末200が割当帯域幅を算出するために必要となる補助情報(β)を更新する。
送信処理部102には、参照信号、割当ポリシを示す情報、補助情報生成部101から出力される補助情報、又は、後述する変更情報生成部107から出力される変更情報が入力される。
ここで、参照信号は、無線端末200において当該無線端末200と無線基地局100との間の回線を測定するため用いる信号であり、無線基地局100及び無線端末200の双方において、信号の系列、位置、タイミングが共有されている信号(既知信号)である。
また、割当ポリシは、無線基地局100を含む通信システムにおいて適用されている、無線端末200への無線リソースの割当方針を示す情報(α)である。つまり、割当ポリシは、システム性能を決定する情報である。
送信処理部102は、所定のフォーマットに従って、割当ポリシ、補助情報、又は、変更情報を含む送信データを生成し、生成した送信データに対して符号化処理、変調処理などの送信処理を施して送信信号を生成する。また、送信信号には、例えば、物理レイヤに関するに制御情報、又は、物理レイヤより上位レイヤで通知される制御信号などが含まれてもよい。
アンテナ103は、送信処理部102で生成された送信信号を、無線端末200に向けて送信する。また、アンテナ103は、無線端末200から送信された信号を受信する。
受信処理部104は、アンテナ103で受信した受信信号に対して、復調処理、復号処理などの受信処理を施して受信データを生成する。
フィードバック情報抽出部105は、受信処理部104において生成された受信データの中から、無線端末200からフィードバックされたフィードバック情報を抽出する。各無線端末200から送信されたフィードバック情報には、当該無線端末200において選択された接続基地局候補、及び、当該接続基地局に接続した場合の当該無線端末200における見込みスループットに関する情報が含まれる。見込みスループットに関する情報としては、例えば、式(14)に示すメトリックが挙げられる。なお、見込みスループットが高いほど、メトリックの値は大きい。
判定部106は、フィードバック情報抽出部105で抽出されたフィードバック情報に基づいて、自局(無線基地局100)と接続する無線端末200を判定する。例えば、判定部106は、フィードバック情報を送信した無線端末200のうち、報告されるメトリックが最大となる無線端末200を、接続する無線端末として判定する。すなわち、判定部106は、無線基地局100を接続基地局候補とする無線端末200の中から、メトリックに基づいて、見込みスループットが最も大きい無線端末200に対して当該無線基地局への接続を許可する。また、判定部106は、判定の結果、自局(無線基地局100)に接続する無線端末について変更が生じた場合、変更が生じたことを示す情報を、補助情報生成部101及び変更情報生成部107に出力する。
変更情報生成部107は、自局と接続する無線端末200について変更が生じたことを示す情報が判定部106から出力された場合、変更の対象となる無線端末200(例えば、接続許可された無線端末200)に対して、接続基地局が変更となること(つまり、ハンドオーバ)を指示する情報(変更情報)を生成する。生成された変更情報は、他の情報と同様に、送信処理部102に入力されて、送信処理が施される。
[無線端末の構成]
図5は、本実施の形態に係る無線端末200の構成を示すブロック図である。図5において、無線端末200は、アンテナ201と、受信処理部202と、割当ポリシ抽出部203と、補助情報抽出部204と、割当帯域幅算出部205と、受信品質測定部206と、スループット算出部207と、メトリック算出部208と、選択部209と、判定部210と、フィードバック情報生成部211と、送信処理部212と、接続基地局変更制御部213と、を有する。
アンテナ201は、無線基地局100から送信された信号を受信して、受信信号を受信処理部202に出力する。また、アンテナ201は、送信処理部212から出力される送信信号を、無線基地局100に向けて送信する。
受信処理部202は、アンテナ201で受信した受信信号に対して、復調処理、復号処理などの受信処理を施して受信データを得る。受信処理部202は、得られた受信データを割当ポリシ抽出部203、補助情報抽出部204、受信品質測定部206、及び、接続基地局変更制御部213に出力する。
割当ポリシ抽出部203は、受信処理部202から出力される受信データの中から、無線基地局100から通知された割当ポリシ(α)を示す情報を抽出し、抽出した割当ポリシを示す情報を割当帯域幅算出部205へ出力する。
補助情報抽出部204は、受信処理部202から出力される受信データの中から、無線基地局100から通知された補助情報(β)を抽出し、抽出した補助情報を割当帯域幅算出部205へ出力する。なお、補助情報は、接続基地局候補となりうる複数の無線基地局100に対してそれぞれ得られる。
割当帯域幅算出部205は、割当ポリシ抽出部203から出力される割当ポリシ、補助情報抽出部204から出力される補助情報、及び、受信品質測定部206から出力される受信品質に基づいて、接続基地局候補となりうる複数の無線基地局100の各々に接続した場合に自機(無線端末200)に割り当てられる割当帯域幅をそれぞれ算出する。割当帯域幅算出部205は、算出した割当帯域幅を示す情報をスループット算出部207へ出力する。
受信品質測定部206は、受信処理部202から出力される受信データに含まれる、無線基地局100から送信された参照信号を用いて、無線基地局100と無線端末200との間の受信品質を測定する。受信品質としては、例えば、RSRP及びRSRQ(Reference Signal Reference Quality)等が挙げられる。
スループット算出部207は、割当帯域幅算出部205から出力される割当帯域幅、及び、受信品質測定部206から出力される受信品質を用いて、接続基地局候補となりうる複数の無線基地局100の各々に新規接続した場合の見込みスループットを算出する。スループット算出部207は、算出した見込みスループットをメトリック算出部208へ出力する。
メトリック算出部208は、スループット算出部207から出力される見込みスループットに基づいて、接続基地局候補となりうる複数の無線基地局100に対するメトリック(見込みスループットに関する情報)をそれぞれ算出する。メトリック算出部208は、接続基地局の候補となりうる複数の無線基地局100に対してメトリックをそれぞれ算出する。
選択部209は、メトリック算出部208から出力されるメトリックに基づいて、複数の無線基地局100の中から、メトリックが最も大きい無線基地局100を接続基地局候補として選択する。すなわち、接続基地局候補は、割当ポリシ(α)、補助情報(β)、及び、各無線端末200で測定される受信品質を用いて算出される割当帯域幅から求まる見込みスループットが最も大きい無線基地局100である。
判定部210は、選択部209において選択された接続基地局候補が、無線端末200が元々接続していた接続基地局(現在接続している無線基地局100)と同一であるか否かを判定する。そして、判定部210は、選択された接続基地局候補が元々接続していた接続基地局と同一である場合には、接続基地局の変更を行わず、接続基地局との通信を継続すると判定する。一方、判定部210は、選択した接続基地局候補が元々接続していた接続基地局と異なる場合には、接続基地局の変更を行うと判定する。判定部210は、接続基地局の変更を行うと判定した場合、選択された接続基地局候補、及び、当該接続基地局候補に対するメトリックをフィードバック情報生成部211へ出力する。
フィードバック情報生成部211は、判定部210から出力される、接続基地局候補及びメトリックを含むフィードバック情報を生成し、生成したフィードバック情報を送信処理部212へ出力する。
送信処理部212は、所定のフォーマットに従って、フィードバック情報生成部211から出力されるフィードバック情報を用いて送信データを生成し、生成した送信データに対して符号化処理、変調処理などの送信処理を施して送信信号を生成する。
接続基地局変更制御部213は、無線基地局100からの接続基地局候補に対する接続の指示に従って、無線基地局100の接続切替を制御する。具体的には、接続基地局変更制御部213は、無線基地局100から自機(無線端末200)に対して接続基地局を変更する指示があった場合に、受信処理部202から出力される受信データの中から変更情報を抽出し、変更情報に示される指示に基づいて接続基地局変更の制御を行う。
[無線基地局100及び無線端末200の動作]
以上の構成を有する無線基地局100及び無線端末200における接続基地局選択方法について詳細に説明する。
上述したように、無線基地局100は、無線基地局100における無線リソースの割当ポリシ(α)を無線端末200へ通知する。また、無線基地局100は、割当ポリシαを適用した場合の、無線基地局100に接続している全ての無線端末200における周波数利用効率の合算値を補助情報(β)として通知する。
一方、無線端末200は、通知された割当ポリシ、補助情報、及び、無線端末200が測定した受信品質を用いて、複数の無線基地局100の各々に接続した場合の割当帯域幅を算出し、算出した割当帯域幅から求まる見込みスループットが最も大きい無線基地局100を接続基地局候補として選択する。
以下、上述した接続基地局選択方法を実現する具体的な方法の一例について説明する。
図6は、接続基地局選択方法の一例における無線基地局100及び無線端末200の処理手順を示すフロー図である。
なお、図6に示す処理の前に、無線端末k(無線端末200)は、無線基地局M(無線基地局100)に接続しているものとする。また、無線基地局N(無線基地局100)は、無線基地局Mに隣接しているものとする。つまり、無線端末kに対して、無線基地局Mは接続基地局であり、無線基地局Nは隣接基地局である。
図6では、無線端末kが、無線基地局Mから無線基地局Nへ接続基地局を切り替える手順について説明する。
ST201では、接続基地局である無線基地局Mは、無線基地局Mにおいて適用されている割当ポリシを、無線基地局Mの周辺の無線端末200(無線端末kを含む)に対して報知する。
ここで、割当ポリシとしては、本実施の形態で説明しているパラメータαが相当する。
割当ポリシの報知方法としては、例えば、割当ポリシを無線基地局100から送信される報知情報において通知する方法がある。又は、LTEシステムでは、例えば、システム情報(System Information Blocks:SIB)を用いて割当ポリシを通知する方法がある。また、無線端末200に対して割当ポリシを個別に通知する方法でもよい。例えば、LTEシステムでは、RRC(Radio Resource Control)シグナリングを用いて通知する方法がある。また、割当ポリシαを通知する方法としては、例えば、αの値そのものを直接通知する方法、又は、複数のαの値を予め設定し、設定されたαの値に関連付けられた指示情報を通知する方法などがある。
また、割当ポリシが変更される状況としては、以下のようなものがある。
例えば、無線基地局100におけるトラフィックが変化した場合がある。又は、例えば、無線基地局100に接続している無線端末200の数が多くなった場合には、無線リソースを公平に割り当てるように割当ポリシを変更すること(例えば、αの値を大きくすること)等が考えられる。
また、無線基地局100毎に割当ポリシを異ならせることも考えられる。例えば、広いエリアをカバーするマクロセルの無線基地局100では公平性を優先し(αの値を大きくする)、トラフィックが集中するエリアに配置されるスモールセルの無線基地局100では高い伝送効率を優先する(αの値を小さくする)というように、状況の異なる無線基地局100毎に割当ポリシを変更してもよい。
ST202では、無線基地局Nは、無線基地局M(無線端末kの接続基地局)に対して、無線基地局Nにおける割当帯域幅を算出するための補助情報を通知する。無線基地局Nにおける補助情報は、無線基地局Nに無線端末kが新たに接続する場合に、無線端末kに対して無線基地局Nが割り当てる割当帯域幅を算出するために必要となる情報である。例えば、補助情報としては、式(13)又は式(15)が相当する。
なお、無線基地局Mには、無線基地局N以外の他の無線基地局(接続基地局候補となりうる無線基地局)からも各無線基地局に対する補助情報が通知される。
ST203では、無線基地局Mは、ST202で複数の無線基地局(無線基地局Nを含む)から通知された補助情報、及び、自局(無線基地局M)における補助情報を含む、無線端末kの周辺の無線基地局100に関する補助情報を無線端末kに通知する。
この際、ST201で通知される割当ポリシと同様に、補助情報は、SIBを用いて通知されてもよく、RRCシグナリングを用いて通知されてもよく、無線端末kに個別に通知する場合には、前述のRRCシグナリングに加えて、L1/L2シグナリングを用いて通知されてもよい。
ST204では、無線端末kは、ST201において接続基地局である無線基地局Mから通知された割当ポリシと、ST203において無線基地局Mから通知された、周辺の各無線基地局100における補助情報を用いて、各無線基地局100に対する割当帯域幅を算出する。無線端末kは、例えば、式(12)に従って無線基地局nの割当帯域幅(w~k,n)を算出する。
式(12)に示すように、無線端末kは、各無線基地局100に対する無線端末kの割当帯域幅を、割当ポリシαを適用した場合の、当該無線基地局100に接続している全ての無線端末200における周波数利用効率の合算値と、当該無線端末kの周波数利用効率との合計に対する、当該無線端末kの周波数利用効率の割合を用いて算出する。
ST205では、無線基地局Mが参照信号を送信し、ST206では、無線基地局Nが参照信号を送信する。なお、無線基地局M及び無線基地局N以外の周辺の他の無線基地局100も参照信号を送信しているものとする。
ST207では、無線端末kは、ST205及びST206において無線基地局M及び無線基地局Nからそれぞれ送信される参照信号を用いて、無線基地局Mに関する受信品質、及び、無線基地局Nに関する受信品質を測定する。なお、無線端末kは、無線基地局M及び無線基地局N以外の周辺の他の無線基地局100から送信される参照信号を用いて受信品質を測定するものとする。
各無線基地局100の受信品質は、時間方向及び周波数方向に平均の受信品質が好ましい。測定される受信品質としては、例えば、所望信号対雑音電力比(Signal to Noise power Ratio:SNR)、所望信号対干渉信号(Signal to Interference power Ratio:SIR)、及び、所望信号対干渉雑音電力比(Signal to Interference plus Noise power Ratio:SINR)などがある。
無線端末kでは、測定された無線基地局nの受信品質より、例えば、式(12)及び式(14)に含まれるrk,nが求められる。
なお、各無線基地局100から送信される参照信号の送信タイミング、及び、無線端末200における受信品質の測定タイミングは、図6に示す処理手順の順番に限定されるものではない。例えば、各無線基地局100からの参照信号は、周期的に送信されるもの、無線基地局100及び無線端末200の双方で共有しているタイミングで送信するものがある。これらの参照信号の送信タイミングにおいて、無線端末200は受信品質を測定すればよい。LTEシステムにおけるより具体的な参照信号の例として、周期的に送信されるものにはセル個別の参照信号(CRS:Cell Specific Reference Signal)があり、無線基地局100及び無線端末200の双方で共有しているタイミングで送信するものにはチャネル測定用参照信号(CSI-RS:Channel State Information - Reference Signal)がある。
ST208では、無線端末kは、ST204で算出した各無線基地局100における割当帯域幅(w~k,nに相当)、及び、ST207で測定した各無線基地局100に関する受信品質(rk,nに相当)に基づいて、各無線基地局100に接続した場合の無線端末kにおける見込みスループットを算出する。また、ST208では、無線端末kは、算出した見込みスループットを用いて、各無線基地局100に対するメトリックを算出する。メトリックとしては、例えば、式(14)が相当する。
また、ST208では、無線端末kは、各無線基地局100に対するメトリックに基づいて、接続基地局候補を選択する。接続基地局選択方法としては、例えば、図1に示す方法がある。すなわち、無線端末kは、算出されたメトリックのうち最大のメトリックを有する無線基地局100を接続基地局候補として選択する。なお、図6では、無線端末kは、無線基地局Nを接続基地局候補として選択する。
また、ST208では、無線端末kは、選択した接続基地局候補が現在の接続基地局と同一であるか否かを判定する。図6では、無線端末kは、選択した接続基地局候補である無線端末Nが現在接続している無線基地局Mとは異なると判定する。
ST208において接続基地局候補が接続基地局と異なると判断された場合、ST209では、無線端末kは、選択した接続基地局候補に関するメトリックを含むフィードバック情報を、接続基地局候補に報告する。図6では、接続基地局候補として無線基地局Nが選択されているので、無線端末kは、無線基地局Nに対して、無線基地局Nに関するメトリックを報告する。
なお、図6では、無線端末kから無線基地局Nにメトリックを直接報告する場合について示しているが、これに限定されるものではない。例えば、無線端末kが、接続基地局である無線基地局Mに接続基地局候補である無線基地局Nに関するメトリックを報告して、無線基地局Mが、無線端末kから受け取ったメトリックを無線基地局Nに通知してもよい。
ST210では、無線基地局Nは、ST209において無線端末kからメトリックを受け取るのと同様にして、他の無線端末200(図示せず)が接続基地局候補として無線基地局Nを選択した場合には、これらの無線端末200からのメトリックも受け取る。そして、無線基地局Nは、複数の無線基地局200から報告されたメトリックを比較して、メトリックが最大となる無線端末200を選択し、選択した無線端末200に対して新規の接続を許可する。図6では、無線基地局Nは、無線端末kに対して新規接続を許可する。
ST211では、無線基地局Nは、ST210において新規接続を許可した無線端末kに対して、接続基地局を変更することを指示する変更情報を通知する。例えば、変更情報には、無線端末kに対して、接続基地局を無線基地局Mから無線基地局Nにハンドオーバを行うように指示する情報が含まれる。
無線端末kは、ST211で変更情報を受け取ると、ST212において接続基地局を無線基地局Mから無線基地局Nに変更するためのハンドオーバを行う。
ST212における無線端末kのハンドオーバが完了した後、ST213では、無線基地局Nは、無線端末kに対してデータを送信し、ST214では、無線端末kは、ST213で送信されたデータを受信する。
ST210において無線端末kに対して無線基地局Nへの新規の接続が許可された場合、無線基地局Nに接続する無線端末数及び無線基地局Mに接続する無線端末数の状況に変化が生じることになる。このため、ST215及びST216では、無線端末kの新規接続を許可した無線基地局N、及び、無線端末kが離れた無線基地局Mは、各無線基地局における補助情報を更新する。
なお、本実施の形態では、割当ポリシとしてパラメータαを通知しているが、これに限定しなくてもよい。例えば、適応的に使い分ける割当ポリシが予め決まっている場合には、その割当ポリシに対応する割当モードを設定しておき、無線基地局100から無線端末200へ割当モードを指示してもよい。無線端末200は指示された割当モードに対応する割当ポリシにより、本実施の形態と同様にして接続基地局候補を選択することで、本実施の形態と同様な動作を行うことが可能となる。
以上のように、本実施の形態では、無線基地局100は、無線基地局100の割当ポリシと、割当ポリシ適用時における接続基地局候補での無線端末200の割当帯域幅の算出に用いる補助情報とを、当該無線端末200へ通知する。そして、無線端末200は、割当ポリシ、補助情報、及び、測定した受信品質を用いて、各無線基地局100に接続した場合の割当帯域幅から求まる見込みスループットに基づいて、接続基地局候補を選択する。そして、各無線基地局100は、複数の無線端末200の中から接続を新たに許可する無線端末200を決定する。
こうすることで、無線端末200は、無線基地局100における無線リソース割当の際の所望の割当ポリシを考慮した割当帯域幅から求まる見込みスループットに従って、最適な接続基地局候補を選択することができる。また、無線基地局100は、見込みスループットに基づいて自局を接続基地局候補として選択した無線端末200の中から、当該見込みスループット(メトリック)が最大となる無線端末200の新規接続を許可することができる。
以上より、本実施の形態によれば、システムにおける無線リソースの柔軟な割当を考慮して、無線端末200に対する最適な無線基地局100への接続が可能となり、システム全体のスループットを最大化することができる。
また、本実施の形態によれば、無線端末200においてシステムスループットを考慮した最適な接続基地局の選択を行うことにより、接続基地局選択におけるネットワーク側の負荷の増大を防ぐことができる。
(実施の形態2)
隣接する複数の無線基地局においてトラフィック状況が異なる場合、又は、トラフィック状況が変化する過渡状態の場合では、或る無線基地局に対しては、接続基地局選択において有効である割当ポリシであっても、トラフィック状況が異なる他の無線基地局に対しては当該割当ポリシが有効ではないことがある。このような場合には、他の無線基地局では最適な接続基地局選択を行えない可能性がある。
そこで、本実施の形態では、無線基地局での無線リソース割当において、複数の異なる割当ポリシを適応的に切り替える場合について説明する。
図7は、本実施の形態に係る無線基地局300の構成を示すブロック図であり、図8は、本実施の形態に係る無線端末400の構成を示すブロック図である。なお、図7及び図8において、実施の形態1(図4、図5)と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
図7に示す無線基地局300は、実施の形態1(図4)と比較して、2つの異なる無線リソース割当の方針が設定された第1割当ポリシ及び第2割当ポリシが入力される点、2つの割当ポリシにそれぞれ対応する第1補助情報生成部301−1及び第2補助情報生成部301−2を備える点、及び、判定部302の動作が異なる。
具体的には、第1補助情報生成部301−1は、第1割当ポリシが適用された自局(無線基地局300)に無線端末400が新規に接続した場合に当該無線端末400に割り当てられる割当帯域幅を算出するために必要となる補助情報(第1補助情報)を生成する。
第2補助情報生成部301−1は、第2割当ポリシが適用された自局(無線基地局300)に無線端末400が新規に接続した場合に当該無線端末400に割り当てられる割当帯域幅を算出するために必要となる補助情報(第2補助情報)を生成する。
送信処理部102は、参照信号、第1割当ポリシ、第1補助情報、第2割当ポリシ及び第2補助情報を含む送信信号をアンテナ103を介して無線端末400へ送信する。
受信処理部104は、アンテナ103を介して無線端末400からフィードバック情報を受信する。フィードバック情報には、第1割当ポリシ及び第2割当ポリシの各々に対して、無線端末400において選択された接続基地局候補、及び、当該接続基地局に接続した場合の当該無線端末400における見込みスループットに関する情報(メトリック)が含まれる。
判定部302は、判定部は、第1割当ポリシ及び第2割当ポリシのうち、無線基地局300に適用されている割当ポリシに対応する情報(メトリック)を用いて、無線端末400に対する接続許可を判定する。例えば、判定部302は、無線基地局300に適用された割当ポリシに対して報告されるメトリックが最大となる無線端末400を、接続する無線端末として判定する。
一方、図8に示す無線端末400は、実施の形態1(図5)と比較して、第1割当ポリシに対応する第1割当ポリシ抽出部401−1〜第1フィードバック情報生成部408−1、及び、第1割当ポリシと異なる第2割当ポリシに対応する第2割当ポリシ抽出部401−2〜第2フィードバック情報生成部408−2を備える点が異なる。
なお、第1割当ポリシ抽出部401−1〜第1フィードバック情報生成部408−1、及び、第2割当ポリシ抽出部401−2〜第2フィードバック情報生成部408−2は、基本的に、割当ポリシ抽出部203〜割当帯域幅算出部205、スループット算出部207〜フィードバック情報生成部211の動作と同様の動作を行うのでここではこれらの説明を省略する。
送信処理部212は、第1フィードバック情報生成部408−1から出力される第1割当ポリシに関するフィードバック情報と、第2フィードバック情報生成部408−2から出力される第2割当ポリシに関するフィードバック情報を用いて送信データを生成し、生成した送信データに対して符号化処理、変調処理などの送信処理を施して送信信号を生成する。つまり、無線端末400は、第1割当ポリシ及び第2割当ポリシの各々に対応する接続基地局候補、及び、当該接続基地局候補に対するメトリックを無線基地局300へフィードバックする。
[無線基地局300及び無線端末400の動作]
以上の構成を有する無線基地局300及び無線端末400における接続基地局選択方法について詳細に説明する。
無線基地局300は、無線端末400に対して複数の異なる割当ポリシを通知する。また、無線基地局300は、複数の異なる割当ポリシの各々を適用した場合の、無線基地局300に接続している全ての無線端末400における周波数利用効率の合算値を補助情報として通知する。
一方、無線端末400は、通知された複数の割当ポリシ、及び、各割当ポリシに対応する補助情報、及び、無線端末400が測定した受信品質を用いて、複数の無線基地局300の各々に接続した場合の割当帯域幅を算出し、算出した割当帯域幅から求まる見込みスループットが最も大きい無線基地局300を接続基地局候補として選択する。すなわち、無線端末400は、複数の割当ポリシの各々が適用された場合における接続基地局候補を別々に選択する。
すなわち、無線端末400は、例えば、2つの異なる割当ポリシが通知された場合には、それぞれの割当ポリシに対して1つの接続基地局候補を選択し、合計2つの接続基地局候補を無線基地局300へ報告する。なお、無線端末400から無線基地局300へのフィードバック情報には、複数の割当ポリシの各々に対する接続基地局候補及び当該接続基地局候補に対するメトリックが含まれる。
なお、無線端末400における各割当ポリシにおける接続基地局候補の選択方法については実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
そして、無線基地局300は、無線端末400から報告される、複数の割当ポリシに対応する接続基地局候補に基づいて、当該無線端末400に接続を許可する無線基地局を決定する。
例えば、無線基地局300は、無線端末400の接続基地局を決定する時点におけるトラフィック状況などに基づいて、複数の割当ポリシの中から、最適と判断する割当ポリシを用いて接続基地局の決定を行う。例えば、無線基地局300は、複数の割当ポリシのうち、トラフィック状況などに基づいて適用されている割当ポリシに対応する無線端末400のメトリックを用いて、無線端末400に対する接続許可を判定する。なお、無線基地局300における接続基地局の決定方法については、実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
このように、本実施の形態では、無線基地局300が複数の割当ポリシを無線端末400に通知し、無線端末400が各割当ポリシについて最適な接続基地局候補を選択し、各割当ポリシが適用される場合の接続基地局候補、及び、メトリックを、無線基地局300へフィードバックする。
こうすることで、無線基地局300は、複数の割当ポリシのうち、実際に適用される割当ポリシにおいてどの無線基地局にどの無線端末400を接続すればシステムスループットを最大化できるかを判断して、接続基地局を決定することができる。これにより、異なる複数の割当ポリシを適応的に使い分ける場合でも、システムスループットの最大化が図れる。
また、本実施の形態では、無線端末400によって複数の割当ポリシに対する接続基地局候補が選択されるので、無線基地局300は、例えば、トラフィック状況の変化に応じて、適用する割当ポリシを変更するとともに、無線端末400に対して変更後の割当ポリシにおいて最適な接続基地局を迅速に決定することができる。
このように、本実施の形態によれば、トラフィック等の状況の変化に応じて、柔軟かつ迅速に無線端末400に対する最適な基地局接続を実現でき、システムスループットを最大化することができる。
また、実際の通信システムを考慮した場合、割当ポリシは、オペレータのネットワーク運用に関する情報であり、ネットワーク管理におけるセキュリティ確保の観点からユーザを含めてオペレータ外に容易に分かるように通知されることは避けたいものと考えられる。このような観点から、本実施の形態のように、複数の割当ポリシが設定されており、無線端末400に対して各割当ポリシに関する情報(フィードバック情報)を常に報告させておくことで、オペレータが実際にどのような割当ポリシを適用しているかを通知することなく、割当ポリシを柔軟に切り替えて無線リソース割当を行うことができるという効果も得られる。
なお、本実施の形態では、複数の割当ポリシの各々に対する接続基地局候補及び当該接続基地局候補に対するメトリックをフィードバック情報に含める場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、無線端末400は、複数の割当ポリシに対する接続基地局候補及び当該接続基地局候補に対するメトリックを、1つの割当ポリシ毎に1つずつ順次フィードバックしてもよい。また、無線端末400は、複数の割当ポリシに対して優先度を設定し、優先度に応じて決定される割当ポリシに関する情報をフィードバックしてもよい。これらにより、フィードバックできる情報量に限りがある場合であっても、無線端末400は複数の割当ポリシについて必要な情報をフィードバックすることができる。
また、図7及び図8では、2つの異なる割当ポリシを使用する場合について説明したが、使用される割当ポリシの数は3個以上でもよい。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した接続基地局選択方法をLTEシステムにおいて適用する場合について説明する。
LTEシステムでは、周波数の異なる複数のキャリア(Component Carrier)を束ねて運用するキャリアアグリゲーションが適用されている。複数のキャリアは、異なる無線基地局から送信される場合もありうる。
つまり、キャリアアグリゲーションでは、或る無線基地局から送信されるキャリアと、別の無線基地局から送信される異なる周波数のキャリアとを束ねることができる。また、束ねられる複数のキャリアは、主となるキャリア(Primaryセル。以下、Pセルと呼ぶ)と、その他のキャリア(Secondaryセル。以下、Sセルと呼ぶ)とに区別される。運用方法の一例として、Pセルは制御情報を通知する等の制御機能を担当し、Sセルはデータを送信する機能を担当する方法がある。
ここで、無線端末毎にPセルを担う無線基地局とSセルを担う無線基地局とが異なる場合が想定される。更に、データ送信が行われるSセルを担う無線基地局の違いにより、システムスループットの違いが生じる場合も想定される。
そこで、本実施の形態では、Sセルを担う無線基地局の選択の際に、実施の形態1で説明した接続基地局選択方法を適用する場合について説明する。
図9は、本実施の形態に係る無線基地局500の構成を示すブロック図であり、図10は、本実施の形態に係る無線端末600の構成を示すブロック図である。なお、図9及び図10において、実施の形態1(図4、図5)と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
無線基地局500は、例えば、Pセルを担う無線基地局であって、Sセルを担う少なくとも1つの無線基地局の中から、無線端末600に割り当てられるSセルに対応する無線基地局を決定する。
図9に示す無線基地局500は、実施の形態1(図4)と比較して、変更情報生成部501の動作が異なる。
変更情報生成部501は、実施の形態1(図4)の無線基地局100の変更情報生成部107と基本的な動作は同じである。変更情報生成部501は、自局と接続する無線端末600について、当該無線端末600が接続するSセルに対応する無線基地局の変更が生じたことを示す情報が判定部106から出力された場合、変更の対象となる無線端末600に対して、接続するSセル(無線基地局)が変更となることを指示する変更情報を生成する。生成された変更情報は、他の情報と同様に、送信処理部102に入力されて、送信処理が施される。
一方、図10に示す無線端末600は、実施の形態1(図5)と比較して、選択部601、判定部602、接続Sセル変更制御部603の動作が異なる。
選択部601は、実施の形態1(図5)の無線端末200の選択部209と基本的な動作は同じである。選択部601は、無線端末600に対するSセルとなりうる複数の無線基地局の中から、メトリック算出部208から出力されるメトリックが最も大きい無線基地局を接続Sセル候補として選択する。
判定部602は、実施の形態1(図5)の無線端末200の判定部210と基本的な動作は同じである。判定部602は、選択部601において選択された接続Sセル候補が、無線端末600が元々接続していた接続Sセルと同一であるか否かを判定する。そして、判定部602は、選択された接続Sセル候補が元々接続していた接続Sセルと同一である場合には、接続Sセルの変更を行わず、接続Sセルからのデータ受信を継続すると判定する。一方、判定部602は、選択した接続Sセル候補が元々接続していた接続Sセルと異なる場合には、接続Sセルの変更を行うと判定する。判定部602は、接続Sセルの変更を行うと判定した場合、選択された接続Sセル候補、及び、当該接続Sセル候補に対するメトリックをフィードバック情報生成部211へ出力する。
接続Sセル変更制御部603は、無線基地局500からの接続Sセル候補に対する接続の指示に従って、Sセルを担う無線基地局の接続切替を制御する。具体的には、接続Sセル変更制御部603は、無線基地局500から自機(無線端末600)に対して接続Sセルを変更する指示があった場合に、受信処理部202から出力される受信データの中から変更情報を抽出し、変更情報に示される指示に基づいて接続Sセル変更の制御を行う。
以下、上述した接続Sセルの選択方法を実現する具体的な方法の一例について説明する。
図11は、接続Sセル選択方法の一例におけるPセル(無線基地局500)、Sセル#1、Sセル#2及び無線端末k(無線端末600)の処理手順を示すフロー図である。
なお、図11に示す処理の前に、無線端末kは、Pセル及びSセル#1に接続しているものとする。
また、図11では、無線端末kに対して制御情報を通知する送信元、及び、無線端末kからフィードバック情報を報告される送信先がPセルに統一される。つまり、Sセル#1及びSセル#2における割当帯域幅を無線端末kが算出するための補助情報は、Pセルに集められ、Pセルから無線端末kへまとめて通知される。
図11では、無線端末kが、Sセル#1からSセル#2への接続Sセルを切り替える手順について説明する。
ST301では、Pセルは、Pセルにおいて適用されている割当ポリシを、Pセルの周辺の無線端末600(無線端末kを含む)に対して報知する。
ST302では、Sセル#1は、Pセルに対して、Sセル#1における割当帯域幅を算出するための補助情報を通知する。ST303では、Sセル#2は、Pセルに対して、Sセル#2における割当帯域幅を算出するための補助情報を通知する。例えば、補助情報としては、式(13)又は式(15)が相当する。
なお、Pセルには、Sセル#1及びSセル#2以外の他の無線基地局(接続Sセル候補となりうる無線基地局)からも各無線基地局に対する補助情報が通知される。
ST304では、Pセルは、ST302及びST303でSセル#1及びSセル#2から通知された補助情報を含む、無線端末kの周辺の無線基地局(接続Sセル候補となりうる無線基地局)に関する補助情報を無線端末kに通知する。
ST305では、無線端末kは、ST301においてPセルから通知された割当ポリシと、ST304においてPセルから通知された、周辺の各無線基地局の補助情報を用いて、各無線基地局に対する割当帯域幅を算出する。無線端末kは、例えば、式(12)に従って無線基地局nの割当帯域幅(w~k,n)を算出する。
ST306では、Sセル#1が参照信号を送信し、ST307では、Sセル#2が参照信号を送信する。なお、Sセル#1及びSセル#2以外の周辺の他の無線基地局も参照信号を送信しているものとする。
ST308では、無線端末kは、ST306及びST307においてSセル#1及びSセル#2からそれぞれ送信される参照信号を用いて、Sセル#1に関する受信品質、及び、Sセル#2に関する受信品質をそれぞれ測定する。なお、無線端末kは、Sセル#1及びSセル#2以外の周辺の他の無線基地局から送信される参照信号を用いて受信品質を測定するものとする。
無線端末kでは、接続Sセル候補となりうる無線基地局nの測定された受信品質より、例えば、式(12)及び式(14)に含まれるrk,nが求められる。
ST309では、無線端末kは、ST305で算出した各無線基地局における割当帯域幅(w~k,nに相当)、及び、ST308で測定した各無線基地局に関する受信品質(rk,nに相当)に基づいて、各無線基地局に接続した場合の無線端末kにおける見込みスループットを算出する。また、ST309では、無線端末kは、算出した見込みスループットを用いて、各無線基地局に対するメトリックを算出する。メトリックとしては、例えば、式(14)が相当する。
また、ST309では、無線端末kは、各無線基地局に対するメトリックに基づいて、接続Sセル候補を選択する。接続Sセル選択方法としては、例えば、図1に示す接続基地局選択方法がある。すなわち、無線端末kは、算出されたメトリックのうち最大のメトリックを有する無線基地局を接続Sセル候補として選択する。なお、図11では、無線端末kは、Sセル#2を接続Sセル候補として選択する。
また、ST309では、無線端末kは、選択した接続Sセル候補が現在の接続Sセルと同一であるか否かを判定する。図11では、無線端末kは、選択した接続Sセル候補であるSセル#2が現在接続しているSセル#1とは異なると判定する。
ST309において接続Sセル候補が接続Sセルと異なると判断された場合、ST310では、無線端末kは、選択した接続Sセル候補に関するメトリックを含むフィードバック情報をPセルに報告する。図11では、接続Sセル候補としてSセル#2が選択されているので、無線端末kは、Pセルに対して、接続Sセル候補(Sセル#2)及びSセル#2に関するメトリックを報告する。
ST311では、Pセルは、ST310において無線端末kからメトリックを受け取るのと同様にして、他の無線端末600(図示せず)が接続Sセル候補としてSセル#2を選択した場合には、これらの無線端末600からのメトリックも受け取る。そして、Pセルは、複数の無線基地局600から報告されたメトリックを比較して、メトリックが最大となる無線端末600を選択し、選択した無線端末600に対してSセル#2への新規接続を許可する。図11では、Pセルは、無線端末kに対してSセル#2への新規接続を許可する。
ST312では、Pセルは、ST311においてSセル#2への新規接続を許可した無線端末kに対して、接続Sセルを変更することを指示する変更情報を通知する。無線端末kは、ST312で変更情報を受け取ると、ST313において接続SセルをSセル#1からSセル#2へ変更する。
ST314では、Pセルは、現在の接続SセルであるSセル#1、及び、新規の接続SセルであるSセル#2に対して、無線端末kに対する接続Sセルの変更を指示する。ST315では、Sセル#1は、無線端末kへのデータ送信を停止する。すなわち、Sセル#1は、無線端末kに対するSセルとしての機能を終了させる。
ST314における無線端末kのSセルの切替が完了した後、ST316では、Sセル#2は、無線端末kに対してデータを送信し、ST317では、無線端末kは、ST316で送信されたデータを受信する。すなわち、Sセル#2は、無線端末kに対するSセルとしての機能を開始する。
ST313において無線端末kのSセルを担う無線基地局がSセル#1からSセル#1へ切り替わった場合、Sセル#1に接続する無線端末数及びSセル#2に接続する無線端末数の状況に変化が生じることになる。このため、ST318及びST319では、無線端末kの新たな接続SセルであるSセル#2、及び、無線端末kが離れたSセル#1は、各Sセルにおける補助情報を更新する。
このように、LTEシステムにおいて、無線端末600に対してSセルを担う無線基地局を決定する場合に、実施の形態1と同様、無線端末600は、接続Sセル候補となりうる無線基地局における無線リソース割当の際の所望の割当ポリシを考慮した割当帯域幅から求まる見込みスループットに従って、最適な接続Sセル候補を選択することができる。また、Pセルを担う無線基地局500は、見込みスループットに基づいて、同一の接続Sセル候補を選択した無線端末600の中から、当該見込みスループット(メトリック)が最大となる無線端末600に対して、当該接続Sセル候補への新規接続を許可することができる。
以上より、本実施の形態によれば、LTEシステムにおける無線リソースの柔軟な割当を考慮して、無線端末600に対する最適なSセルへの接続が可能となり、システム全体のスループットを最大化することができる。
また、LTEシステムにおけるキャリアアグリゲーションでは、Sセル選択の際に、無線基地局を意識しなくてもよい。例えば、同一の無線基地局において複数のキャリアがサポートされている場合であっても、それぞれのキャリアでは周波数が異なることにより伝搬状況の差異があり、接続する無線端末が異なることによりトラフィック状況又は干渉状況の差異がある。このことから、同一の無線基地局がサポートする各キャリアは別のものと認識することができる。そこで、本実施の形態では、Sセルの選択において、各キャリアの選択に対して、実施の形態1で説明した接続基地局選択方法を適用することで、無線基地局を意識することなく、システムスループットの最大化を実現できる。
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
なお、上記実施の形態では、無線端末が無線基地局に対して見込みスループットに関するメトリックをフィードバックする場合について説明したが、無線端末は、見込みスループットを無線基地局へフィードバックしてもよい。
また、上記実施の形態では、本開示の一態様をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力と出力を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
本開示の無線基地局は、システム性能を決定する割当ポリシを示す第1の情報、及び、前記割当ポリシが適用された場合に無線端末に割り当てられる割当帯域幅に関する第2の情報を送信する送信部と、複数の無線端末の各々から、接続基地局候補、及び、当該接続基地局候補に接続した場合のスループットに関する第3の情報を受信し、前記接続基地局候補は、前記第1の情報、前記第2の情報、及び、受信品質を用いて算出される前記割当帯域幅から求まる前記スループットが最も大きい無線基地局である、受信部と、前記第3の情報に基づいて、前記スループットが最も大きい無線端末に対して接続を制御する判定部と、を具備する構成を採る。
本開示の無線基地局において、前記第2の情報は、前記割当ポリシが適用された場合の、当該無線基地局に接続している全ての無線端末における周波数利用効率の合算値を示す。
本開示の無線基地局において、前記割当帯域幅は、前記割当ポリシが適用された場合の、当該無線基地局に接続している全ての無線端末における周波数利用効率の合算値と、前記受信品質を用いて算出される、前記割当ポリシが適用された場合の、当該無線端末の周波数利用効率との合計に対する、当該無線端末の周波数利用効率の割合を用いて算出される。
本開示の無線基地局において、前記スループットは、前記割当帯域幅及び前記受信品質から算出され、前記スループットが高いほど、前記第3の情報に示される値は大きい。
本開示の無線基地局において、接続される無線端末に変更が生じた場合、前記第2の情報は、接続変更後の無線端末に基づいて更新される。
本開示の無線基地局において、前記送信部は、複数の前記割当ポリシを示す前記第1の情報を送信し、前記受信部は、前記複数の割当ポリシの各々に対応する前記第3の情報を受信し、前記判定部は、前記複数の割当ポリシのうち、前記無線基地局に適用されている割当ポリシに対応する前記第3の情報を用いて、無線端末に対する接続を制御する。
本開示の無線基地局において、前記無線基地局は、キャリアアグリゲーションにおけるセカンダリセル(Sセル)に対応する無線基地局である。
本開示の無線端末は、システム性能を決定する割当ポリシを示す第1の情報、及び、前記割当ポリシが適用された複数の無線基地局の各々において無線端末に割り当てられる割当帯域幅に関する第2の情報を受信する受信部と、前記複数の無線基地局の各々に対する受信品質を測定する測定部と、前記複数の無線基地局の各々に対して、前記第1の情報、前記第2の情報及び前記受信品質を用いて、前記割当帯域幅を算出する第1算出部と、前記割当帯域幅及び前記受信品質を用いて、前記複数の無線基地局の各々に対するスループットを算出する第2算出部と、前記複数の無線基地局の中から、前記算出されたスループットが最も大きい無線基地局を接続基地局候補として選択する選択部と、前記接続基地局候補、及び、当該接続基地局候補に対応する前記スループットに関する第3の情報を送信する送信部と、無線基地局の接続切替を制御する制御部と、を具備する構成を採る。
本開示の通信制御方法は、システム性能を決定する割当ポリシを示す第1の情報、及び、前記割当ポリシが適用された場合に無線端末に割り当てられる割当帯域幅に関する第2の情報を送信する工程と、複数の無線端末の各々から、接続基地局候補、及び、当該接続基地局候補に接続した場合のスループットに関する第3の情報を受信し、前記接続基地局候補は、前記第1の情報、前記第2の情報、及び、受信品質を用いて算出される前記割当帯域幅から求まる前記スループットが最も大きい無線基地局である、工程と、前記第3の情報に基づいて、前記スループットが最も大きい無線端末に対して接続を制御する工程と、を具備する。
本開示の通信制御方法は、システム性能を決定する割当ポリシを示す第1の情報、及び、前記割当ポリシが適用された複数の無線基地局の各々において無線端末に割り当てられる割当帯域幅に関する第2の情報を受信する工程と、前記複数の無線基地局の各々に対する受信品質を測定する工程と、前記複数の無線基地局の各々に対して、前記第1の情報、前記第2の情報及び前記受信品質を用いて、前記割当帯域幅を算出する工程と、前記割当帯域幅及び前記受信品質を用いて、前記複数の無線基地局の各々に対するスループットを算出する工程と、前記複数の無線基地局の中から、前記算出されたスループットが最も大きい無線基地局を接続基地局候補として選択する工程と、前記接続基地局候補、及び、当該接続基地局候補に対応する前記スループットに関する第3の情報を送信する工程と、無線基地局の接続切替を制御する工程と、を具備する。