JP6571365B2 - 近接センサ装置 - Google Patents

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本発明は、赤外線等の光によって人の指、手等の被検出体の近接を検出する近接センサ装置、特には人の指、手等が近接したときに画面表示を起動させる、表示面にアイコン、タッチボタン等の隠れた表示部を表示させる、あるいは静止画表示を動画表示に切り替えるといった表示駆動をする表示装置等に適用される近接センサ装置に関するものである。
従来、例えば自動車のナビゲーションシステム、タブレット端末、スマートフォン等に用いられる液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)においては、LCDに備えられたタッチパネル等を操作するために人の指が表示画面に近接したときに、画面表示を起動させる、表示面にアイコン、タッチボタン等の隠れた表示部を表示させる、あるいは静止画表示を動画表示に切り替えるといった表示駆動をするために、近接センサ装置を設ける場合がある。この近接センサ装置としては、静電容量型近接センサ装置、インダクタンス型近接センサ装置、赤外線近接センサ装置等がある。
赤外線近接センサ装置を備えたLCDの1例を図4(a),(b)に示す。なお、図4(a),(b)に示すLCDは、本願出願人が先に提案した構成のものである(特願2014-57418)。
図4(a)はLCDの正面図、(b)はLCDの断面図である。このLCDは、表示面22aに近接する人の指等の被検出体29を検出する赤外線検出ユニット26が左右両端に設けられた液晶表示パネル22と、表示面22a及び赤外線検出ユニット26を覆うガラス板、プラスチック板等から成る透明部材21と、液晶表示パネル22を嵌め込むための開口を有するプラスチック等から成る枠体23と、液晶表示パネル22の反表示面22bの側に設けられたプラスチック等から成る保護部材25と、を有している。そして、赤外線検出ユニット26は、赤外線受光素子26bとそれよりも数が多い赤外線発光素子26aを備えているとともに、赤外線発光素子26aが表示面22aの中心部の法線h方向に向くように傾けて設置されている。この構成により、周囲の電子部品、回路配線等にEMI(Electromagnetic Interference)を生じさせたり、逆に周囲の電子部品、回路配線等からEMIを受けることがなく、また液晶表示パネル22の表示面22aの中央部等に近接した、赤外線検出ユニット26設置位置から横方向に離れた人の手等の被検出体29を、良好に検出することができる。
赤外線検出ユニット26は、透明部材21によって覆われているが、透明部材21の赤外線検出ユニット26を覆っている部位は、例えば赤外線を通すが可視光は通さない黒色等の色合いの遮光層、遮光部材が設けられており、また透明部材1の表示面22aに対応する部位は、可視光を通すために透明である。また赤外線検出ユニット26は、例えば、液晶表示パネル22の反表示面22bの端部に取り付けられた張り出し部材28に、接着剤による接着、ネジ止め等の手段により設置されている。張り出し部材28は、液晶表示パネル22の反表示面22bに透明接着剤、高透明性接着剤転写テープ(Optically Clear Adhesive Tape:OCA)等の両面接着テープなどによって取り付けられる。また、張り出し部材28は、例えば、液晶表示パネル22の反表示面22bから張り出している部位が表示面22aの中心部に向かって傾斜しており、その部位に赤外線検出ユニット26が設置されている。また図4(b)に示すように、視認者側から、透明部材21、液晶表示パネル22、液晶表示パネル22を嵌め込むための開口を有する枠体23、バックライト24、バックライト24固定用のアルミニウム等から成る金属枠体24aと、保護部材25が配置されている。金属枠体24aはフレーム23に嵌めこみ、ネジ止め等の手段で固定され、保護部材25は枠体23にネジ止め等の手段で固定される。なお、27はバックライト24の液晶表示パネル22と反対側の主面に設けられたアルミニウム(Al)等から成る接地用等の導体板である。
赤外線発光素子26aの赤外線の放射方向は、放射軸(放射中心軸)Acと表示面22a及び透明部材21の外側主面との成す角度θが45°を含む所定の角度範囲とされており、表示面22aの中央部からある程度(約10cm)離れたところにある、赤外線検出ユニット26設置位置から横方向に離れた人の手等の被検出体29を効果的に検出できるように構成されている。
また、赤外線を用いた従来の検出装置の1例として、赤外線の送信部から時間をずらして複数の送信信号を送信する送信制御手段と、第1送信信号に対する第1反射信号と、それと送信タイミングが異なる第2送信信号に対する第2反射信号と、に基づいて、検出対象の距離を検出する検出手段と、検出に用いる閾値を変更する閾値変更手段と、を備えた検出装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2006−71620号公報
しかしながら、図4に示した従来の赤外線近接センサ装置は、以下のような問題点があった。即ち、図5(a)に示すように、液晶表示パネル22の表示面22aに近づいた人の指、手等の被検出体29が、一方の赤外線検出ユニット31aの側にある場合、赤外線受光素子33aによって検出された検出信号SL39aは閾値38aよりも十分に大きな信号レベルとなる。これに対し、他方の赤外線検出ユニット31bの赤外線受光素子33bによって検出された検出信号SR39bは閾値38bよりも小さな信号レベルとなる。これにより、被検出体29が赤外線検出ユニット31aの側にあることを特定できる。また、図5(b)に示すように、液晶表示パネル22の表示面22aに近づいた被検出体29が、他方の赤外線検出ユニット31bの側にある場合も、同様にして被検出体29が赤外線検出ユニット31bの側にあることを特定できる。しかし、被検出体29が液晶表示パネル22の表示面22aの中央部に近づいた場合、検出信号SL39a及び検出信号SR39bの両方が閾値38a、閾値38bよりも小さな信号レベルとなる場合があった。即ち、赤外線発光素子32a,32bから放射された赤外線のうち数%程度が赤外線受光素子33a,33bによって検出されるために、赤外線検出ユニット31a,31bの両方から最も離れた部位である表示面22aの中央部に被検出体29が近接しても、それを検出できない場合がある。
また、特許文献1に開示された検出装置は、検出対象の距離に応じて検出に用いる閾値を変更するために、検出対象の距離を検出する検出手段及び検出に用いる閾値を変更する閾値変更手段を設ける必要があり、装置構成が複雑になるとともに検出に時間がかかりやすいという問題点があった。
従って、本発明は上記従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、人の指、手等の被検出体が近接領域のどこに近づいても容易に検出することができる近接センサ装置を提供することである。
本発明の近接センサ装置は、被検出体が近接する近接領域を有するセンサ本体部と、そのセンサ本体部に設けられた発光素子及び受光素子を有する光検出ユニットと、前記受光素子の検出信号に基づいて被検出体の近接領域への近接を検出する検出信号処理部と、を有する近接センサ装置であって、前記光検出ユニットは、前記センサ本体部の近接領域の周囲に互いに間隔をあけて複数設けられており、前記検出信号処理部は、それぞれの前記受光素子の検出信号とそれを所定時間遅延させて成る遅延信号との差分を判定用の検出信号とし、それぞれの前記判定用の検出信号の和をとって和信号とするとともに前記和信号と複数の前記受光素子のうちの一つに設定された所定の閾値とを比較することによって前記被検出体の近接または非近接を判定する構成である。
本発明の近接センサ装置は、好ましくは、複数の前記光検出ユニットは、前記近接領域の周囲に互いに対向するように位置する2つのものを含んでいる。
また本発明の近接センサ装置は、好ましくは、複数の前記光検出ユニットは、それぞれの発光素子の発光期間が互いに重なっていない。
また本発明の近接センサ装置は、好ましくは、前記光検出ユニットは、赤外線検出ユニットである。
本発明の近接センサ装置は、被検出体が近接する近接領域を有するセンサ本体部と、そのセンサ本体部に設けられた発光素子及び受光素子を有する光検出ユニットと、受光素子
の検出信号に基づいて被検出体の近接領域への近接を検出する検出信号処理部と、を有する近接センサ装置であって、光検出ユニットは、センサ本体部の近接領域の周囲に互いに間隔をあけて複数設けられており、検出信号処理部は、それぞれの受光素子の検出信号とそれを所定時間遅延させて成る遅延信号との差分を判定用の検出信号とし、それぞれの判定用の検出信号の和をとって和信号とするとともに和信号と複数の受光素子のうちの一つに設定された所定の閾値とを比較することによって被検出体の近接または非近接を判定することから、被検出体が近接領域のどこに近接したとしても、それぞれの受光素子の検出信号の和信号は一つの受光素子の閾値よりも大きくなるので、被検出体の近接領域への近接を検出することができる。
本発明の近接センサ装置は、好ましくは、複数の光検出ユニットは、近接領域の周囲に互いに対向するように位置する2つのものを含んでいることから、被検出体が近接領域のどこに近接したとしても、被検出体の近接領域への近接をより容易に検出することができる。
また本発明の近接センサ装置は、好ましくは、複数の光検出ユニットは、それぞれの発光素子の発光期間が互いに重なっていないことから、ある光検出ユニットの受光素子に他の光検出ユニットの発光素子の光が入り込むことを防ぐことができる。これにより、誤検出が発生することを防いで検出の精度を高めることができる。
また本発明の近接センサ装置は、好ましくは、光検出ユニットは、赤外線検出ユニットであることから、赤外線を反射しやすい人の指、手等を検出するのに好適な近接センサ装置となる。
図1(a)〜(c)は、本発明の近接センサ装置について実施の形態の1例を示すものであり、(a)はセンサ本体部の近接領域の一端側に被検出体が近接した場合の検出信号を説明するセンサ本体部及び光検出ユニットの断面図、(b)はセンサ本体部の近接領域の他端側に被検出体が近接した場合の検出信号を説明するセンサ本体部及び光検出ユニットの断面図、(c)はセンサ本体部の近接領域の中央部に被検出体が近接した場合の検出信号を説明するセンサ本体部及び光検出ユニットの断面図である。 図2は(a),(b)は、本発明の近接センサ装置について実施の形態の他例を示すものであり、(a)は近接センサ装置における光検出ユニット及びその周辺回路部のブロック図、(b)は2つの光検出ユニットについて発光素子の発光タイミング及び受光素子の受光タイミングを示すタイミングチャートである。 図3は、本発明の近接センサ装置について実施の形態の他例を示すものであり、検出信号と基準信号との差分をとることを示すグラフである。 図4(a),(b)は、従来の赤外線近接センサ装置を備えた液晶表示装置を示すものであり、(a)は液晶表示装置の正面図、(b)は液晶表示装置の断面図である。 図5(a)〜(c)は、従来の近接センサ装置を示すものであり、(a)はセンサ本体部の近接領域の一端側に被検出体が近接した場合の検出信号を説明するセンサ本体部及び光検出ユニットの断面図、(b)はセンサ本体部の近接領域の他端側に被検出体が近接した場合の検出信号を説明するセンサ本体部及び光検出ユニットの断面図、(c)はセンサ本体部の近接領域の中央部に被検出体が近接した場合の検出信号を説明するセンサ本体部及び光検出ユニットの断面図である。
以下、本発明の近接センサ装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、本発明の近接センサ装置の主要な構成部材等を示している。従って、本発明の近接センサ装置は、図に示されていない回路基板、配線導体、制御IC,LSI等の周知の構成部材を備えていてもよい。
図1〜図3は、本発明の近接センサ装置について実施の形態の各種例を示すものであり、これらの図に示すように、本発明の近接センサ装置は、被検出体4が近接する近接領域7aを有するセンサ本体部7と、そのセンサ本体部7に設けられた発光素子2a,2b及び受光素子3a,3bを有する光検出ユニット1a,1bと、受光素子3a,3bの検出信号に基づいて被検出体4の近接領域7aへの近接を検出する検出信号処理部5と、を有する近接センサ装置であって、光検出ユニット1a,1bは、センサ本体部7の近接領域7aの周囲に互いに間隔をあけて複数設けられており、検出信号処理部5は、それぞれの受光素子3a,3bの検出信号9a(SL),9b(SR)の和信号9c(SL+SR)をとるとともに和信号9c(SL+SR)と複数の受光素子3a,3bのうちの一つに設定された所定の閾値8a(8b)とを比較することによって被検出体4の近接または非近接を判定する構成である。この構成により、被検出体4が近接領域7aのどこに近接したとしても、それぞれの受光素子3a,3bの検出信号9a(SL),9b(SR)の和信号9c(SL+SR)は一つの受光素子3a(3b)の閾値8a(8b)よりも大きくなるので、被検出体4の近接領域7aへの近接を検出することができる。
本発明の近接センサ装置において、検出に用いられる光は受光素子3a,3bによって検出可能な光であればよく、例えば、可視光であれば波長が約400nm〜約750nmの光であり、赤外線であれば波長が約750nm〜約1400nmの近赤外線等である。また、検出に用いられる光は、紫外線、可視光、赤外線等の種々の波長、周波数の光を含んでいてもよく、その中で赤外線を受光素子3a,3bによって検出する近接センサ装置、あるいは可視光を受光素子3a,3bによって検出する近接センサ装置等として、種々の検出形態を採り得る。特には、光検出ユニット1a,1bは、赤外線検出ユニットであることが好ましい。この場合、赤外線を反射しやすい人の指、手等を検出するのに好適な近接センサ装置となる。
また本発明の近接センサ装置において、図2(a)に示すように、発光素子2の発光期間、発光強度等の制御、及び受光素子の受光期間、受光感度等の制御は、検出制御部6によって行う。また、受光素子3の検出信号に基づいて被検出体4の近接領域7aへの近接の検出は、検出信号処理部5によって行う。
発光素子2は赤外線発光ダイオード(IR−LED)等から成り、受光素子3はフォトダイオード(PD)等から成る。図2(b)に示すように、発光素子2は、発光時(ON時)の駆動電流は例えば200mA、非発光時(OFF時)の駆動電流は例えば0mAである。発光素子2a,2bの発光期間、非発光期間は、それぞれ8msec(ミリ秒)程度に設定される。受光素子3a,3bの受光期間も、発光素子2a,2bの発光期間、非発光期間に同期して8msec程度に設定される。そして、複数の光検出ユニット(図2(b)の場合は2つの光検出ユニット)は、それぞれの発光素子2a,2bの発光期間が互いに重なっていないことが好ましい。この場合、ある光検出ユニットの受光素子3a(3b)に他の光検出ユニットの発光素子2b(2a)の光が入り込むことを防ぐことができる。これにより、誤検出が発生することを防いで検出の精度を高めることができる。
また本発明の近接センサ装置は、複数の光検出ユニットは、近接領域7aの周囲に互いに対向するように位置する2つの光検出ユニット1a,1bを含んでいることが好ましい。この場合、被検出体4が近接領域7aのどこに近接したとしても、被検出体4の近接領域7aへの近接をより容易に検出することができる。即ち、LCDの表示面のような矩形状の面から成る近接領域7aであれば、近接領域7aの中心点、中心線に対して点対称、線対称の位置関係になるように配置された2つの光検出ユニット1a,1bがある場合、近接領域7aの全領域を検出可能とすることが容易になるからである。勿論、2つの光検出ユニット1a,1bに加えて他の光検出ユニットがあってもよく、その場合3角測量と同じ原理によって近接領域7aにおいて被検出体4の座標検出を行うこともできる。また、上記の構成により、被検出体4の誤検出を防ぐことができ、また被検出体4の検出感度が向上するとともに被検出体4の位置を精度良く特定することが可能となる。例えば、光検出ユニット1a,1bがLCD等の表示装置の表示面の周囲であってその左右両端にそれぞれあり、それらが表示面の縦中心線について対称的な位置にあることがよい。この場合、被検出体4の表示面の横方向における位置を特定するのに有利である。また、光検出ユニット1が表示面の周囲であってその左右両端にそれぞれあり、さらに上下両端の少なくとも一方にあるとよい。この場合、被検出体4の表示面の面内における位置を特定するのに有利である。
光検出ユニット1a,1bは、発光素子2a,2bの放射中心軸及び受光素子3a,3bの受光中心軸が、近接領域7aの中心部の方向に向くように傾けて設置されていることが好ましい。この場合、近接領域7aの中心部に近接した被検出体4を感度良く検出することができる。発光素子2a,2bの放射中心軸及び受光素子3a,3bの受光中心軸の、平面から成る近接領域7aの面に対する傾斜角度は、40度程度を中心とし、10度程度〜80度程度であることがよい。より好ましくは、30度程度〜60度程度がよい。
本発明の近接センサ装置の検出可能領域空間は、図4に示すLCDの場合であれば、透明部材21の外側表面からそれに垂直な方向において約10cm〜約15cm離れた位置までの空間に相当する。従って、所定の閾値は20lx(ルクス)程度の照度の光を1つの受光素子3a(3b)によって受光したときの信号レベルに相当し、図4に示すLCDの場合であれば、透明部材21の外側表面からそれに垂直な方向において10数cm離れた位置に人の手等の被検出体4がある場合の検出信号強度である。具体的には、図4に示す10インチ程度のLCDであれば、その左右両端に250mm程度の間隔をもって光検出ユニット1a,1bを、表示面22aの中心部の方向に向けて40度の傾斜角度で傾けて設置した場合に、表示面22aの中心部から120mm程度離れた人の手を1つの受光素子3a(3b)によって検出したときの検出信号強度に相当する。
また、受光素子3a,3bの検出信号9a(SL),9b(SR)をとるときに、図3に示すように、検出信号9と、それを所定時間遅延させて成る遅延信号から成る基準信号(ベース信号)8との差分ΔSをとり、そのΔSを検出信号9a(SL),9b(SR)とし、それを閾値8a,8bと比較してもよい。この場合、検出信号9が小さい場合であっても、検出信号9a(SL),9b(SR)を確実に取得することができる。検出信号9の遅延信号としての基準信号の遅延時間は、100msec乃至500msec程度であることが好ましい。この場合、人の手が近接領域7aに近接してくる時間が100msec〜500msec程度であり、それが検出信号9の立ち上がり部に相当するのであり、立ち上がり部の100msec〜500msec程度の間に検出信号9と基準信号8との差分ΔSをとると、差分ΔSを大きくしてとることができる。また、検出信号9の立ち上がり部から後の信号は、人の手が近接領域7aに近接した状態が長時間続くことが多いため、立ち上がり部のような変化がないか、小さくなりやすい。より好ましくは、200msec〜300msecがよい。
また、図1(c)に示すように、受光素子3a,3bの検出信号9a(SL),9b(SR)が、双方とも閾値8a(8b)よりも小さい場合、検出信号9a(SL),9b(SR)を増幅して、それぞれが閾値8a(8b)の1/2のレベルを超えるようにすることが好ましい。この場合、検出信号9a(SL),9b(SR)の和信号9c(SL+SR)が閾値8a(8b)を常に超えることとなる。より好ましくは、検出信号9a(SL),9b(SR)が、双方とも閾値8a(8b)の1/2以下である場合、検出信号9a(SL),9b(SR)を増幅して、それぞれが閾値8a(8b)の1/2のレベルを超えるようにすることがよい。
また、本発明の近接センサ装置を適用した表示装置は、人の指等が表示面に近接したときに画面表示を起動させる、表示面にアイコン、タッチボタン等の通常は隠れている操作部を表示させる、静止画表示を動画表示に切り替える、あるいは画面表示を複数の画面表示とするといった表示駆動をすることができる。さらに、ホログラム等を用いることにより、表示面の前方の空間にアイコン、タッチボタン等の操作部を表示させることもできる。また、近接センサ装置のセンサ本体部は、例えば表示装置であれば表示パネル、透明保護基板等に相当する。
表示装置の1例としてのLCDは以下のような構成である。LCDは、TFTを含む画素部が多数形成されたガラス基板等から成るアレイ側基板と、カラーフィルタ及びブラックマトリクスが形成されたガラス基板等から成るカラーフィルタ側基板とを互いに対向させて、それらの基板を所定の間隔でもって貼り合わせ、それらの基板間に液晶を充填、封入させることによって作製される。また、一般的に、カラーフィルタ側基板は、TFT及びITO等の透明電極から成る画素電極から成る画素部に対向する側の面、すなわち液晶側の面の全面に、画素電極との間で液晶に印加する垂直電界を形成するための共通電極が形成されている。この共通電極は、IPS(In-Plane Switching)方式のLCDの場合、アレイ側基板の画素部に画素電極と同じ面内に形成されることによって横電界(水平電界)を生じさせるものとなる。また共通電極は、FFS(Fringe Field Switching)方式のLCDの場合、アレイ側基板の画素部に画素電極の上方または下方に絶縁層を挟んで形成されることによって端部電界(フリンジ電界)を生じさせるものとなる。また、カラーフィルタ側基板の液晶側の面には、各画素部に対応する赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが形成されており、各画素部を通過する光が相互に干渉することを防ぐブラックマトリクスがカラーフィルタの外周を囲むように形成されている。なお、カラーフィルタを覆ってオーバーコート層が形成されており、オーバーコート層上に共通電極が形成されている。また、アレイ側基板の液晶側の面の縁部全周と、カラーフィルタ側基板の液晶側の面の縁部全周とが、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、合成ゴム等から成る封止部材によって接着、封止されている。さらに、アレイ側基板の液晶側の面における封止部材から外部に突出した部位には、IC,LSI等から成る、ゲート信号線駆動回路素子、画像信号線駆動回路素子としての半導体素子がCOG(Chip On Glass)方式等の実装方法により搭載されており、さらに半導体素子に外部から駆動信号、制御信号を入出力するFPC(Flexible Printed Circuit)が、上記突出した部位の端部に設置されている。また、カラーフィルタ側基板の表示側の面に、OCA等を介してカバーガラスと称される透明保護基板を設ける。
表示装置としては、LCDに限らず、有機EL(Electro Luminescence)装置、無機EL装置、プラズマディスプレイ、FED(Field Emitting Display)、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)、GLV(Grating Light Valve)装置、PDP(Plasma Display)装置、電子ペーパーディスプレイ、DMD(Digital micro Mirror Device)、圧電セラミックディスプレイ、LEDディスプレイなどがある。さらに、これらの表示装置を有する電子機器としては、自動車経路誘導システム(カーナビゲーションシステム)、船舶経路誘導システム、航空機経路誘導システム、スマートフォン端末、携帯電話、タブレット端末、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電子手帳、電子書籍、電子辞書、コンピュータ、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム機器の端末装置、テレビジョン、商品表示タグ、価格表示タグ、産業用のプログラマブル表示装置、カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー、ファクシミリ、プリンター、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機、ヘッドアップディスプレイ装置、プロジェクタ装置、デジタル表示式腕時計、スマートウォッチ、頭部装着型画像表示装置(Head Mounted Display device :HMD)などがある。
なお、本発明の近接センサ装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜の設計的な変更、改良を含んでいてもよい。
1a、1b 光検出ユニット
2a、2b 発光素子
3a、3b 受光素子
4 被検出体
7 センサ本体部
7a 近接領域
8a、8b 閾値
9a、9b 検出信号
9c 和信号

Claims (4)

  1. 被検出体が近接する近接領域を有するセンサ本体部と、そのセンサ本体部に設けられた発光素子及び受光素子を有する光検出ユニットと、前記受光素子の検出信号に基づいて被検出体の前記近接領域への近接を検出する検出信号処理部と、を有する近接センサ装置であって、前記光検出ユニットは、前記センサ本体部の近接領域の周囲に互いに間隔をあけて複数設けられており、前記検出信号処理部は、それぞれの前記受光素子の検出信号とそれを所定時間遅延させて成る遅延信号との差分を判定用の検出信号とし、それぞれの前記判定用の検出信号の和をとって和信号とするとともに前記和信号と複数の前記受光素子のうちの一つに設定された所定の閾値とを比較することによって前記被検出体の近接または非近接を判定する近接センサ装置。
  2. 複数の前記光検出ユニットは、前記近接領域の周囲に互いに対向するように位置する2つのものを含んでいる請求項1に記載の近接センサ装置。
  3. 複数の前記光検出ユニットは、それぞれの発光素子の発光期間が互いに重なっていない請求項1または請求項2に記載の近接センサ装置。
  4. 前記光検出ユニットは、赤外線検出ユニットである請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の近接センサ装置。
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