JP6570852B2 - 生体成分推定装置、生体成分推定方法、およびプログラム - Google Patents

生体成分推定装置、生体成分推定方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、生体成分推定装置、生体成分推定方法、およびプログラムに関する。
糖尿病あるいは耐糖能異常を持つ患者にとって、血糖値のモニタリングは必須である。血糖値をモニターする代表的な方法として、生体から採血した血液を用いる方法が知られている。例えば、採決した血液中のグルコースをGOD(グルコースオキシターゼ)やGDH(グルコースデヒドロゲナーゼ)などの酵素と反応させる。これによって、血液中に含まれるグルコース量に応じた数の電子を発生させる。そして、この血液に電圧を印加することで発生した電流値を用いて、血糖値をモニタリングする方法が知られている。
血糖値などの生体成分は、生体の体内で継時的に変動する場合がある。生体成分の変化量を測定するためには、穿刺による血液採取を繰り返し行う必要があった。このため、痛みの低減、感染症の抑制などの観点から、非侵襲で血糖値の変化を測定することが求められてきた。非侵襲に血糖値の変動を測定する方法としては、例えば、皮膚の吸光度スペクトルを用いて血糖値を推定する技術や、Optical Coherence Tomography(OCT)によって得られた断層画像を用いて血糖値を推定する技術が知られている。
特開2014−18478号公報 米国特許出願公開第2011/0124988号公報
丸尾勝彦著「近赤外分光法による非侵襲血糖値測定の研究」、電気通信大学大学院電気通信学研究科 博士(工学)の学位申請論文、2007年6月 V.V.Sapozhnikova著、「Effect on blood glucose monitoring of skin pressure exerted by an optical coherence tomography probe」,Bio.Med.Opt.13(2)、021112 Kirill V Larin、他著、「Specificity of noninvasive blood glucose sensing using optical coherence tomography technique:A pilot study」、Physics in Medicine and Biology、48(10)、2003、p1371−1390 O’Sullivan、他著、「Diffuse optical imaging using spatially and temporally modulated light」、J.Biomed.Opt.17(7)、071311
しかしながら、従来では、生体成分の変化量を、非侵襲で且つ精度良く測定することは困難であった。
本発明が解決しようとする課題は、非侵襲でかつ精度良く生体成分の変化量を推定することができる、生体成分推定装置、生体成分推定方法、およびプログラムを提供することである。
実施形態の生体成分推定装置は、投影部と、撮影部と、第1取得部と、第1推定部と、記憶部と、を備える。投影部は、所定の空間周波数の周期構造を有する構造化照明を生体の測定対象領域に投影する。撮影部は、前記構造化照明の投影された前記測定対象領域を撮影し、該測定対象領域に投影された前記構造化照明の近赤外領域の波長領域を含む光に対する拡散反射画像を取得する。第1取得部は、前記拡散反射画像から、前記光に対する、前記測定対象領域の散乱係数を画素毎に規定した散乱係数分布画像を生成することによって前記散乱係数分布画像を取得する。第1推定部は、前記散乱係数分布画像の一部の第1領域に基づいて、生体成分の変化量を推定する。記憶部は、前記散乱係数分布画像より小さいサイズであり且つ予め定めた形状を示す基準テンプレートと、前記散乱係数分布画像に含まれる生体構造の第1パターンと、前記散乱係数分布画像上における前記第1パターンに対する前記基準テンプレートの相対位置と、を記憶する。第1推定部は、前記散乱係数分布画像に含まれる、前記第1パターンを特定する第1特定部と、前記散乱係数分布画像における、特定した前記第1パターンに対して前記相対位置に配置した前記基準テンプレート内の領域を前記第1領域として特定する第2特定部と、前記散乱係数分布画像における、特定した前記第1領域を構成する画素毎に規定された散乱係数の基準散乱係数との差である変化量に対応する前記生体成分の変化量を、散乱係数の変化量に対応する血糖値の変化量を予め登録した第3情報から読取り、読取った該変化量を、前記生体成分の変化量として推定する第2推定部と、を有する。
生体成分推定装置の機能的構成を示すブロック図。 第1情報、第2情報、および第3情報の各々のデータ構造の一例を示す図。 生体の光に対する散乱係数の説明図。 散乱係数分布画像および吸収係数分布画像の生成の説明図。 空間周波数と拡散振幅反射率との関係を示す線図。 吸収係数分布画像および散乱係数分布画像の一例を示す模式図。 測定対象領域がずれた状態の一例を示す模式図。 表示画面の一例を示す図。 表示画面の一例を示す図。 生体成分推定処理の手順を示すフローチャート。 図10のステップS100の処理の手順を示すフローチャート。 図10のステップS102の処理の手順を示すフローチャート。 割り込み処理の手順を示すフローチャート。 ハードウェア構成例を示すブロック図。
以下に添付図面を参照して、生体成分推定装置、生体成分推定方法、およびプログラムの一の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の生体成分推定装置10の機能的構成を示すブロック図の一例である。
生体成分推定装置10は、生体の生体成分の変化量を推定する装置である。生体とは、例えば、人間や、人間以外の動物などである。生体成分は、生体に含まれる成分を示す。生体成分は、具体的には、血液に含まれる成分である。生体成分は、例えば、血糖(具体的には、グルコース)や、水分などである。
以下では、一例として、生体成分推定装置10が、血糖値の変化量を生体成分の変化量として推定する形態を説明する。しかし、生体成分推定装置10が推定する生体成分の変化量は、生体成分の変化量であればよく、血糖値の変化量に限定されない。
本実施の形態では、生体成分推定装置10は、生体の測定対象領域Eから、血糖値の変化量を推定する。測定対象領域Eは、生体の皮膚上の領域である。
生体成分推定装置10は、制御部12と、記憶部14と、入力部18と、表示部20と、駆動部22と、音出力部24と、投影部26と、撮影部28と、を備える。
記憶部14、入力部18、表示部20、駆動部22、音出力部24、投影部26、および撮影部28は、制御部12とデータや信号が授受可能なように接続されている。
本実施の形態では、生体成分推定装置10は、制御部12と、記憶部14と、入力部18と、表示部20と、駆動部22と、音出力部24と、投影部26と、撮影部28と、が一体的に設けられた構成である場合を説明する。しかし、生体成分推定装置10は、制御部12、記憶部14、入力部18、表示部20、駆動部22、音出力部24、投影部26、および撮影部28の少なくとも1つが、他の機能部と別体として構成されていてもよい。
入力部18は、ユーザが各種の操作入力を行う機能部である。入力部18は、例えば、マウス、ボタン、リモコン、キーボード、マイク等の音声認識装置、および画像認識装置などの1または複数を組み合せたものである。
表示部20は、各種画像を表示する公知の表示装置である。表示部20は、例えば、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)である。
なお、入力部18および表示部20は、一体的に構成されていてもよい。具体的には、入力部18および表示部20は、入力機能及び表示機能の双方を備えたUI(User Interface)部16として構成されていてもよい。UI部16には、例えば、タッチパネル付LCDなどがある。
駆動部22は、生体成分推定装置10本体を振動させる駆動部である。駆動部22は、制御部12の制御によって生体成分推定装置10本体を振動させる。音出力部24は、音を出力する機能部である。音出力部24は、例えば、スピーカである。
なお、表示部20、駆動部22、および音出力部24の少なくとも1つは、各種情報を生体成分推定装置10の外部へ出力するための出力部25として機能する。なお、生体成分推定装置10は、駆動部22および音出力部24の少なくとも一方を備えない構成であってもよい。
投影部26は、生体の測定対象領域Eへ向かって光を投影する。投影部26は、例えば、プロジェクタである。測定対象領域Eへ投影する光は、近赤外領域の波長領域を含む。近赤外領域は、例えば、0.7μm〜2.5μmの波長領域である。
本実施の形態では、投影部26は、構造化照明Lを測定対象領域Eに投影する。構造化照明Lは、所定の空間周波数の周期構造を有する光である。構造化照明Lを構成する光は、上述したように、近赤外領域の波長領域を含む。
投影部26は、制御部12の制御によって、構造化照明Lを測定対象領域Eへ投影する。構造化照明Lの空間周波数は、制御部12の制御によって調整される。
生体の測定対象領域Eに投影された構造化照明Lの光は、生体内部へ侵入し、吸収および散乱する。生体内部で散乱した光の一部は、生体外部へも散乱する。
撮影部28は、この散乱した光による拡散反射画像を取得する。具体的には、撮影部28は、構造化照明Lの投影された測定対象領域Eを撮影し、該測定対象領域Eに投影された構造化照明Lの光に対する拡散反射画像を取得する。
記憶部14は、各種データを記憶する。本実施の形態では、記憶部14は、基準テンプレートと、異常を示す変化量と、第1情報と、第2情報と、第3情報と、を記憶する。
基準テンプレートは、散乱係数分布画像(詳細後述)より小さいサイズであり且つ予め定めた形状を示す。基準テンプレートの形状は、例えば、矩形状である。具体的には、基準テンプレートは、散乱係数分布画像より小さい、例えば矩形状の画像である。なお、基準テンプレートは、画像に限定されず、上記サイズの上記形状を示すデータ(例えば、座標データ)であってもよい。
基準テンプレートは、予めサイズおよび形状が定められており、予め記憶部14に記憶されている。なお、基準テンプレートのサイズおよび形状は、ユーザによる入力部18の操作により適宜変更可能としてもよい。
散乱係数分布画像は、生体の測定対象領域Eの散乱係数を画素毎に規定した二次元の画像である。散乱係数は、近赤外領域の波長領域を含む光に対する、測定対象領域Eの散乱係数である。散乱係数分布画像は、制御部12によって生成される(詳細後述)。
異常を示す変化量は、医学的観点から異常であるとみなす、血糖値の変化量を示す。異常を示す変化量は、予め記憶部14に記憶する。なお、異常を示す変化量は、ユーザによる入力部18の操作により、適宜変更可能としてもよい。
第1情報は、取得タイミングと、血糖値の変化量と、追跡情報と、を対応づけた情報である。第1情報は、更に他の情報を対応づけた形態であってもよい。
第2情報は、第1時間帯と、異常を示す変化量と、を対応づけた情報である。第3情報は、血糖値の変化量と、散乱係数の変化量と、を対応づけた情報である。
図2は、第1情報30、第2情報32、および第3情報34の各々のデータ構造の一例を示す図である。
図2(A)は、第1情報30のデータ構造の一例を示す図である。図2(A)に示す例では、第1情報30は、ユーザIDと、測定IDと、取得タイミングと、血糖値の変化量と、追跡情報と、を対応づけた情報である。第1情報30のデータ形式は限定されず、例えば、テーブルであってもよいし、データベースであってもよい。
ユーザIDは、生体成分推定装置10を使用するユーザを識別する識別情報である。測定IDは、測定タイミングを識別する情報である。測定タイミングは、生体成分推定装置10に電力が供給されて血糖値の変化量の推定が開始されてから、生体の同一の測定対象領域Eに基づく血糖値の変化量の推定が終了または電力供給が遮断(すなわち、電源オフ)されるまで、を1回とした測定のタイミングを示す。
取得タイミングは、後述する制御部12による、散乱係数分布画像の取得タイミングを示す。取得タイミングは、詳細には、散乱係数分布画像の生成に用いた複数の拡散反射画像(詳細後述)の撮影タイミングの内、1つの撮影タイミングと一致する。例えば、取得タイミングは、散乱係数分布画像の生成に用いた複数の拡散反射画像の撮影タイミングの内、最も早い撮影タイミングと一致する。取得タイミングは、例えば、年、月、日、時間、分、秒を含む。
なお、図2(A)に示す例では、取得タイミングは、10分おきである場合を示した。しかし、取得タイミングは、10分おきに限定されない。例えば、取得タイミングは、1分〜10分おきであってもよいし、これらの間隔以外であってもよい。
血糖値の変化量は、1つの散乱係数分布画像ごと(すなわち、1つの取得タイミングごと)に算出され、第1情報30に登録される。
血糖値の変化量は、基準の血糖値に対する変化量を示す。基準の血糖値は、例えば、血糖値の変化量は、基準として定めた取得タイミングの血糖値に対する、他の取得タイミングの血糖値の変化量を示す。取得タイミングの血糖値は、具体的には、取得した散乱計数分布画像の生成に用いた拡散反射画像の撮影タイミングにおける、生体の測定対象領域Eの血糖値を示す。
基準として定めた取得タイミングは、例えば、同一のユーザIDによって識別されるユーザの、同一の測定IDによって識別される測定タイミングにおける、最初の(初回の)取得タイミングの血糖値である。また、基準として定めた取得タイミングは、例えば、前回の取得タイミングの血糖値であってもよい。
第1情報30に登録される血糖値の変化量は、後述する制御部12の処理によって算出され、取得タイミングに対応づけて第1情報30に登録される。
追跡情報は、生体上の測定対象領域Eの変動を補正するために用いる情報である。生体の同一の測定対象領域Eに投影部26から構造化照明Lを投影、および該測定対象領域Eを撮影部28で撮影しているときに、生体の身体の変動などにより、取得タイミング毎に、構造化照明Lの投影領域や撮影部28による撮影領域がずれる場合がある。追跡情報は、このずれによる測定対象領域Eの変動を補正するために用いる。
追跡情報は、基準テンプレートと、第1パターンと、相対位置と、を含む。基準テンプレートは、上記と同様である。
第1パターンは、散乱係数分布画像に含まれる、生体構造の経路と大きさを示す画像である。第1パターンは、例えば、生体(測定対象領域E)に含まれる、血管、筋、腱、および靭帯の少なくとも一つの経路を示す画像である。
第1パターンは、後述する制御部12の処理によって、散乱係数分布画像または吸収係数分布画像(詳細後述)から特定される。
相対位置は、散乱係数分布画像における、第1パターンに対する基準テンプレートの相対位置を示す。相対位置は、例えば、散乱係数分布画像に含まれる第1パターンに対する基準テンプレートの位置を、方向や距離(画素数)、回転角度などで示したものである。なお、相対位置は、散乱係数分布画像と同じ取得タイミングで取得した吸収係数分布画像における、第1パターンに対する基準テンプレートの相対位置であってもよい。
相対位置は、後述する制御部12の処理によって算出される。
図2(B)は、第2情報32のデータ構造の一例を示す図である。第2情報32は、第1時間帯と、第1時間帯に対応する異常を示す変化量と、を対応づけた情報である。第1時間帯は、例えば、測定対象の生体成分の種類に応じた変化量について、医学的観点から注視すべき時間帯を示す。
例えば、生体成分が血糖値である場合、早朝の時間帯における血糖値の変化量が、医学的観点から問題となる場合がある。この場合、第1時間帯は、早朝を示す時間帯(例えば、午前3時から午前8時)である。第1時間帯に対応する異常を示す変化量は、対応する第1時間帯において、医学的観点から異常であるとみなす血糖値の変化量を示す。
記憶部14は、予め第2情報32を記憶する。なお、第2情報32に含まれる、第1時間帯と異常を示す変化量との組合せは、1種類に限定されない。すなわち、第2情報32に、第1時間帯と異常を示す変化量との組合せを複数種類登録した形態であってよい。なお、第2情報32は、ユーザによる操作指示などにより、適宜変更可能としてもよい。
図2(C)は、第3情報34のデータ構造の一例を示す図である。第3情報34は、血糖値の変化量と、散乱係数の変化量と、を対応づけた情報である。
ここで、生体の光に対する散乱係数は、グルコースの血中濃度(すなわち血糖値)と相関がある。
図3は、生体の光に対する散乱の説明図である。生体の散乱は、細胞外液(ECF:Extracellular Fluid)Bと、細胞構成要素やタンパク質凝集体などの微小浮遊物体Aと、の屈折率差に起因する。
近赤外領域の光に対する細胞外液Bの屈折率nECFは、1.35〜1.36である。また、散乱体として機能する微小浮遊物体Aの屈折率nSは、1.35〜1.41である。生体中のグルコース濃度が増加すると、細胞外液Bの屈折率も増加する。この屈折率の増加分をδnglcoseとする。すると、細胞外液Bと微小浮遊物体Aとの屈折率差Δnは、下記式(A)で表せる。
Δn=nS−nECF+δnglcose ・・・式(A)
式(A)に示すように、グルコース濃度が増加するほど、屈折率差Δnは小さくなる。生体内の散乱係数は、Mie散乱理論モデルに適合する。このため、屈折率差Δnが小さいほど、生体の散乱係数も小さくなる。
例えば、血中のグルコース濃度の変化量に対して、散乱係数は、0.6%mM−1(0.33%/(10mg/dL))の割合で変化する。
そこで、本実施の形態の生体成分推定装置10では、散乱係数の変化量に対する血糖値の変化量を予め測定または算出する。そして、測定または算出した、散乱係数の変化量と血糖値の変化量と、を対応づけて第3情報34に予め登録する。
図1に戻り、制御部12は、生体成分推定装置10を制御する。制御部12は、第1取得部12Aと、第1推定部12Bと、投影制御部12Fと、撮影制御部12Gと、第3特定部12Hと、第2算出部12Iと、記憶制御部12Jと、検出部12Kと、受付部12Lと、表示制御部12Mと、出力制御部12Nと、有する。
第1取得部12A、第1推定部12B、投影制御部12F、撮影制御部12G、第3特定部12H、第2算出部12I、記憶制御部12J、検出部12K、受付部12L、表示制御部12M、および出力制御部12Nの一部またはすべては、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)などのハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
投影制御部12Fは、投影部26を制御する。撮影制御部12Gは、撮影部28を制御する。受付部12Lは、ユーザによる入力部18の操作を受け付ける。
第1取得部12Aは、散乱係数分布画像を取得する。散乱係数分布画像は、上述したように、生体の測定対象領域Eの散乱係数を画素毎に規定した画像である。
第1取得部12Aは、同一位置の測定対象領域Eについて、複数の散乱係数分布画像を取得する。すなわち、第1取得部12Aは、1つの測定タイミングにおいて、複数の散乱係数分布画像を取得する。
また、本実施の形態では、第1取得部12Aは、吸収係数分布画像を更に取得する。第1取得部12Aは、取得タイミングごとに、1組の吸収係数分布画像と散乱係数分布画像とを取得する。
吸収係数分布画像は、光に対する吸収係数を画素毎に規定した画像である。光は、上述したように、近赤外領域の波長領域を含む。
なお、第1取得部12Aは、記憶部14や外部装置から複数の散乱係数分布画像および複数の吸収係数分布画像を取得してもよい。
本実施の形態では、第1取得部12Aは、撮影によって撮影部28が取得した拡散反射画像から、散乱係数分布画像および吸収係数分布画像を生成する場合を説明する。
図4は、散乱係数分布画像および吸収係数分布画像の生成の説明図である。
まず、第1取得部12Aは、空間周波数f(kは、1以上a以下の整数、aは2以上の整数)の異なる複数種類の構造化照明Lを測定対象領域Eへ投影するように、投影部26を制御する。
このとき、第1取得部12Aは、各種類の空間周波数fについて、位相(2πp/m(mは3以上の整数,pは|p|≦mとなる整数))の異なる構造化照明Lを測定対象領域Eへ投影するように、投影部26を制御する。第1取得部12Aは、1種類の空間周波数fについて、位相を2π/mずつ均等に変化させた構造化照明Lを照射するように、投影部26を制御する。
具体的には、第1取得部12Aは、空間周波数fと位相2πp/mとを含む投影指示を投影部26へ送信する。投影指示を受付けた投影部26は、投影指示に含まれる空間周波数fおよび位相2πp/mの構造化照明Lを測定対象領域Eへ投影する。例えば、投影部26は、正弦波を、投影指示に含まれる空間周波数f、位相2πp/mで変調した構造化照明Lを生成し、測定対象領域Eへ投影する。
撮影部28は、投影部26によって測定対象領域Eに構造化照明Lが投影されるたびに、測定対象領域Eを撮影し、拡散反射画像を取得する。このため、撮影部28は、投影指示に含まれる空間周波数fおよび位相2πp/mの各々に対応する拡散反射画像を取得する。
図4(A)および図4(B)は、拡散反射画像40の一例を示す図である。図4(A)は、空間周波数f1の構造化照明Lを投影したときの、拡散反射画像40Aの一例を示す図である。図4(B)は、空間周波数f2の構造化照明Lを投影したときの、拡散反射画像40Bの一例を示す図である。
図4に示す例では、構造化照明Lの光として、660nm±5nmの波長の光を用いた場合を示した。しかし、構造化照明Lの光は、近赤外領域の波長領域を含む光であればよく、この値に限定されない。なお、生体の光に対する吸収係数および散乱係数には、波長特性がある。このため、構造化照明Lの光として用いる波長の帯域は、±10nm以下とすることが好ましい。
撮影部28は、各種類の空間周波数fの各々について、位相2πp/mの異なるm枚の拡散反射画像40を取得する。すなわち、撮影部28は、1つの空間周波数fについて、位相の異なる複数の拡散反射画像40を取得する。
第1取得部12Aは、撮影部28が取得した、各空間周波数fの各々における位相の異なる複数の拡散反射画像40を用いて、空間周波数fごとに、画素毎の拡散振幅強度(Mac(r,f))を算出する。Mac(r,f)における、rは、画素の位置を示す。言い換えると、第1取得部12Aは、拡散反射画像40から、画素毎に拡散振幅強度を規定した拡散振幅強度画像を生成する。
図4(C)および図4(D)は、拡散振幅強度画像42の一例を示す図である。図4(C)は、図4(A)に示す拡散反射画像40Aを含む複数の位相の異なる拡散反射画像を用いて算出した、拡散振幅強度画像42Aの一例を示す図である。図4(D)は、図4(B)に示す拡散反射画像40Bを含む複数の位相の異なる拡散反射画像を用いて算出した、拡散振幅強度画像42Bの一例を示す図である。
ここで、第1取得部12Aは、吸収係数および散乱係数が既知の校正用サンプルを用意する。校正用サンプルは、例えば、吸収係数および散乱係数が既知の、生体疑似ファントムである。この生体疑似ファントムは、吸収係数および散乱係数が一様なものが望ましい。校正用サンプルは、予め用意すればよい。そして、第1取得部12Aは、上記と同様にして、各空間周波数fの各々における位相の異なる複数の拡散反射画像40(校正用の拡散反射画像とする)を得る。
そして、第1取得部12Aは、校正用の拡散反射画像を用いて、空間周波数fごとに、画素毎の拡散振幅強度(Mac,ref(r,f)を算出する。Mac,ref(r,f)における、rは、画素の位置を示す。言い換えると、第1取得部12Aは、校正用の拡散反射画像から、画素毎に拡散振幅強度を規定した、校正用の拡散振幅強度画像を生成する。
ここで、生体の構造化照明Lの光に対する拡散振幅反射率は、下記式(1)に示すように解析的に表すことができる。下記式(1)は、放射輸送方程式(Radiative transfer equation)を拡散近似することで得られる拡散方程式に、空間的な正弦波変調光源を適用したときの,拡散振幅反射率を表す式である。
式(1)中、Rd(f)は、拡散振幅反射率を示す。fは、空間周波数を示す。Aは、比例係数であり、下記式(2)で表される。
式(2)中、n生体の測定波長における屈折率である。
また、式(1)中、μtrは、輸送係数であり、下記式(3)で表される。式(1)中、μeffは、下記式(4)で表され、μ’ effは、下記式(5)で表され、a’は、等価アルベドであり、下記式(6)で表される。
式(3)中、μは、吸収係数を示す。μ’は、等価散乱係数を示す。
第1取得部12Aは、校正用サンプルの吸収係数と散乱係数を、上記式(1)にあてはめる。これにより、第1取得部12Aは、空間周波数fの各々について、校正用サンプルにおける、構造化照明Lの光に対する拡散振幅反射率R(f)を求める。以下、校正用サンプルの、各空間周波数fにおける画素ごとの拡散振幅反射率R(f)を、(Rd,ref(r,f)とする。
そして、第1取得部12Aは、下記式(7)を用いて、空間周波数fごとに、生体の測定対象領域Eにおける、画素毎の拡散振幅反射率R(r,f)を求める。
そして、第1取得部12Aは、空間周波数fごとに求めた、画素毎の拡散振幅反射率R(r,f)から、画素毎の吸収係数μと等価散乱係数μ’を算出する。
本実施の形態では、第1取得部12Aは、非線形回帰により、画素毎の吸収係数μと等価散乱係数μ’を算出する。
図5は、ある画素における、空間周波数fと拡散振幅反射率との関係を示す線図である。第1取得部12Aは、画素毎に、空間周波数fに対応する、算出した拡散振幅反射率R(r,f)をプロットする。
これらの測定点(プロット)は、拡散方程式である式(1)に従う。このため、第1取得部12Aは、式(1)によって示される関数を用いて、非線形回帰により、吸収係数μと等価散乱係数μ’とを算出する。
そして、第1取得部12Aは、画素毎に算出した等価散乱係数μ’を、対応する画素位置に配置することで、生体の測定対象領域Eの散乱係数を画素毎に規定した散乱係数分布画像を生成する。
また、第1取得部12Aは、画素毎に算出した吸収係数μを、対応する画素位置に配置することで、生体の測定対象領域Eの吸収係数を画素毎に規定した吸収係数分布画像を生成する。
図4(E)は、吸収係数分布画像44の一例を示す図である。図4(F)は、散乱係数分布画像46の一例を示す図である。
波長660nmの光は、生体に含まれるヘモグロビンによる吸収が多い。このため、図4(E)に示すように、吸収係数分布画像44には、生体の測定対象領域Eにおける皮膚の表面近くの静脈の経路が確認できる。
以上のようにして、第1取得部12Aは、測定対象領域Eの散乱係数分布画像46および吸収係数分布画像44を取得する。すなわち、本実施の形態では、第1取得部12Aは、拡散反射画像40から散乱係数分布画像46および吸収係数分布画像44を生成することによって、散乱係数分布画像46および吸収係数分布画像44を取得する。
なお、第1取得部12Aは、少なくとも散乱係数分布画像46を取得すればよい。しかし、第1取得部12Aは、散乱係数分布画像46および吸収係数分布画像44を取得することが好ましい。
また、第1取得部12Aは、各測定タイミングにおいて、空間周波数と位相を変えた構造化照明Lを測定対象領域Eへ投影し、測定対象領域Eの撮影により得た拡散反射画像40から吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46を得る、一連の工程を繰り返す。第1取得部12Aは、この一連の工程を繰り返すことにより、複数の吸収係数分布画像44および複数の散乱係数分布画像46を得る。
このため、上述した“取得タイミング”とは、具体的には、空間周波数と位相を変えた構造化照明Lを測定対象領域Eへ投影し、測定対象領域Eの撮影により、空間周波数または位相の異なる複数の拡散反射画像40を取得し、該複数の拡散反射画像40から、1組の吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46を得る、といった一連の工程を、1つの「取得タイミング」としてとらえたものである。
また、第1取得部12Aは、この一連の工程である取得タイミングの異なる、複数の組の、吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46を取得する。
図1に戻り、第1推定部12Bは、第1取得部12Aが取得した散乱係数分布画像46に基づいて、生体成分の変化量を推定する。本実施の形態では、第1推定部12Bは、血糖値の変化量を推定する。
第1推定部12Bは、同じ測定ID(測定タイミング)に対応する、取得タイミングの異なる複数の散乱係数分布画像46の各々について、対応する散乱係数を算出する。第1推定部12Bは、複数の散乱係数分布画像46の各々について、各画素に規定された散乱係数の相加平均を算出することで、各散乱係数分布画像46の各々に対応する散乱係数を算出する。
そして、第1推定部12Bは、同じ測定ID(測定タイミング)に対応する、複数の取得タイミングの各々で取得した散乱係数分布画像46について、基準とする他の散乱係数分布画像46に対応する散乱係数からの変化量を算出する。基準とする他の散乱係数分布画像46は、上述したように、例えば、前回の取得タイミングで取得した散乱係数分布画像46である。そして、第1推定部12Bは、算出した散乱係数の変化量に対応する血糖値の変化量を、第3情報34(図2(C)参照)から読取る。これにより、第1推定部12Bは、各取得タイミングに対応する、血糖値の変化量を推定する。
なお、第1推定部12Bは、予め基準とする散乱係数を定めておいてもよい。そして、第1推定部12Bは、複数の取得タイミングの各々で取得した散乱係数分布画像46の各々に対応する散乱係数と、基準とする散乱係数と、の差の各々を、各々の取得タイミングに対応する散乱係数の変化量として算出してもよい。そして、第1推定部12Bは、算出した散乱係数の変化量に対応する血糖値の変化量を、第3情報34(図2(C)参照)から読取る。これにより、第1推定部12Bは、各取得タイミングに対応する、血糖値の変化量を推定してもよい。
このように、本実施の形態の生体成分推定装置10は、散乱係数分布画像46に基づいて、生体成分の変化量を推定する。このため、穿刺による血液採取を繰り返し行う必要がなく、非侵襲で、且つ、散乱係数分布画像により精度良く生体成分の変化量を推定することができる。
また、複数の取得タイミングの内、少なくとも1回、穿刺による血液採取を行い、酵素を用いた公知の方法により血糖値を測定してもよい。この場合、第1推定部12Bでは、該取得タイミングに対応する血糖値を、記憶部14へ記憶する。そして、第1推定部12Bは、血糖値の判明した取得タイミングの散乱係数分布画像46に対応する散乱係数と、他の散乱係数分布画像46に対応する散乱係数と、の変化量を算出する。そして、第1推定部12Bは、血糖値の判明した取得タイミングの血糖値と、算出した変化量と、の合計値を、該変化量に対応する取得タイミングの血糖値として更に算出してもよい。これにより、第1推定部12Bは、変動する血糖値を、低侵襲で、且つ精度良く推定することができる。
ここで、同一の測定対象領域Eに投影部26から構造化照明Lを投影、および該測定対象領域Eを撮影部28で撮影しているときに、生体の身体の変動などにより、構造化照明Lの投影領域や撮影部28による撮影領域がずれる場合がある。
このため、第1推定部12Bは、散乱係数分布画像46の一部の領域である第1領域に基づいて、血糖値(生体成分)の変化量を推定することが好ましい。
この場合、第1推定部12Bは、第1特定部12Cと、第2特定部12Dと、第2推定部12Eと、を備えた構成であることが好ましい。
第1特定部12Cは、散乱係数分布画像46に含まれる第1パターンを特定する。第1パターンは、上述したように、散乱係数分布画像46に含まれる、生体構造の経路と大きさを示す画像である。
第1特定部12Cは、現在の測定IDに対応する第1パターンを、第1情報30(図2(A)参照)から読取る。第1情報30に登録されている第1パターンを含む追跡情報は、対応する測定IDに対応する複数の取得タイミングの内、1回目の取得タイミングで取得した吸収係数分布画像44や散乱係数分布画像46を用いて生成されたものである(詳細後述)。
そして、第1特定部12Cは、散乱係数分布画像46に含まれる、第1パターンを特定する。すなわち、第1特定部12Cは、散乱係数分布画像46における、読取った第1パターンに一致する生体構造の経路を示す領域を特定する。散乱係数分布画像46に含まれる第1パターンの特定には、公知のパターンマッチングを用いればよい。
図6は、吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46の一例を示す模式図である。図6(A)と図6(B)は、同じ取得タイミングで取得した吸収係数分布画像44Aおよび散乱係数分布画像46Aの各々を示す模式図である。
例えば、第1特定部12Cは、散乱係数分布画像46Aにおける、第1パターンPに一致する生体構造の経路を示す領域を特定する。
ここで、吸収係数分布画像44は、散乱係数分布画像46に比べて、静脈などの血管のパターンを識別しやすい。一方、散乱係数分布画像46は、吸収係数分布画像44に比べて、筋や腱や靭帯のパターンを識別しやすい。
このため、測定対象領域Eによって、吸収係数分布画像44A(図6(A)参照)が、散乱係数分布画像46A(図6(B)参照)に比べて、生体構造のパターンを識別しやすい場合がある。
この場合、第1特定部12Cは、まず、吸収係数分布画像44Aにおける、第1パターンPに一致する生体構造の経路を示す領域を特定する。そして、該吸収係数分布画像44Aと同じ取得タイミングの散乱係数分布画像46A上に、特定した第1パターンPをそのままあてはめる。
詳細には、第1特定部12Cは、吸収係数分布画像44Aから特定した第1パターンPを構成する各画素の画素位置を読取る。そして、第1特定部12Cは、同じ取得タイミングで取得した散乱係数分布画像46A上における、読取った画素位置の画素によって示されるパターンを、第1パターンPとして特定する。これにより、第1特定部12Cは、散乱係数分布画像46Aに含まれる、第1パターンPを特定すればよい。
また、上述したように、吸収係数分布画像44は、散乱係数分布画像46に比べて、静脈などの血管のパターンを識別しやすい。吸収係数分布画像44では、血管のパターンが他の領域に比べて明るい領域として示される。このため、第1特定部12Cは、吸収係数分布画像44A自体(吸収係数分布画像44Aの全体)を、第1パターンPとして用いてもよい。言い換えると、第1特定部12Cは、吸収係数分布画像44A自体(吸収係数分布画像44Aの全体)を、パターンマッチングに用いるテンプレートとして用いてもよい。
第2特定部12Dは、散乱係数分布画像46における、特定した第1パターンPに対して相対位置に配置された基準テンプレートT内の領域を、第1領域Sとして特定する。
第2特定部12Dは、第1情報30(図2(A)参照)から、現在の測定IDに対応する追跡情報に含まれる相対位置を読取る。そして、第2特定部12Dは、散乱係数分布画像46上における、特定した第1パターンPに対して読取った相対位置に、基準テンプレートTを配置する。
例えば、図6(B)に示すように、散乱係数分布画像46A上に基準テンプレートTを配置する。散乱係数分布画像46Aにおける基準テンプレートTの配置位置は、同じ取得タイミングの吸収係数分布画像44A(図6(A)参照)上の第1パターンPに対する読取った相対位置と同じ位置である。
そして、第2特定部12Dは、散乱係数分布画像46A上に配置した基準テンプレートT内の領域を、第1領域Sとして特定する。
第2推定部12Eは、散乱係数分布画像46Aにおける、特定した第1領域Sを構成する画素毎に規定された散乱係数に基づいて、生体成分(例えば、血糖値)の変化量を推定する。
詳細には、第2推定部12Eは、特定した第1領域Sを構成する画素毎に規定された散乱係数の相加平均を、該散乱係数分布画像46Aに対応する散乱係数として算出する。
そして、第2推定部12Eは、同じ測定ID(測定タイミング)に対応する、前回の取得タイミングに対応する散乱係数に対する、今回算出した散乱係数の変化量を算出する。
そして、第2推定部12Eは、算出した散乱係数の変化量に対応する血糖値の変化量を、第3情報34(図2(C)参照)から読取る。これにより、第2推定部12Eは、血糖値の変化量を推定する。
このように、第1推定部12Bが、散乱係数分布画像46の一部の領域である第1領域Sに基づいて、血糖値(生体成分)の変化量を推定することで、生体上の測定対象領域Eの変動を補正することができる。
図7は、図6に示す散乱係数分布画像46Aおよび吸収係数分布画像44Bの取得タイミングから、測定対象領域Eが少しずれた状態の一例を示す模式図である。
図7(A)に示すように、吸収係数分布画像44Bに含まれる第1パターンPの位置は、吸収係数分布画像44A(図6(A)参照)からずれた位置となっている。
図7(A)に示すように、吸収係数分布画像44Bに含まれる第1パターンPの位置や角度がずれた場合であっても、第1パターンPに対する基準テンプレートTの相対位置は一定である。また、第1パターンは、血管、筋、腱、および靭帯などの経路を示し、これらの経路は、血糖値の変化量の推移をモニターする数時間から数十時間の間に大きく変化することはない。また、第1パターンは、生体構造(例えば、血管など)の経路を示すことから、被験者の姿勢や血圧などにより血管の太さが変わった場合であっても、経路自体は大きく変化することはない。また、第1パターンによって示される経路は、被験者ごと、または測定対象領域Eごとに特異なパターンを示す。
このため、第1推定部12Bは、散乱係数分布画像46における、第1パターンPに対する相対位置が常に一定の基準テンプレートT内の第1領域Sを用いて、血糖値の変化量を推定することができる。
すなわち、吸収係数分布画像44Bと同じ取得タイミングの散乱係数分布画像46B(図7(B)参照)における基準テンプレートT内の第1領域Sと、異なる取得タイミングの散乱係数分布画像46A(図6(B)参照)における基準テンプレートT内の第1領域Sと、は、生体上の同じ領域を示すものとなる。
このため、生体の身体の変動などにより、構造化照明Lの投影領域や撮影部28による撮影領域がずれた場合であっても、ずれによる、生体成分の変化量推定の精度低下を抑制することができる。
すなわち、第1推定部12Bが、散乱係数分布画像46の一部の領域である第1領域Sに基づいて、血糖値の変化量を推定すると、更に精度良く、生体成分の変化量を推定することができる。
ここで、各測定ID(測定タイミング)に対応する第1パターンなどの追跡情報は、第3特定部12H、第2算出部12I、および記憶制御部12Jによって作成され、第1情報30に登録される。
具体的には、第3特定部12Hは、同じ測定ID(測定タイミング)に対応する複数の散乱係数分布画像46の内、最初の取得タイミングで取得した散乱係数分布画像46または吸収係数分布画像44を画像解析し、該散乱係数分布画像46に含まれる生体構造のパターンを、第1パターンとして特定する。パターンは、生体構造の経路を示す画像である。
例えば、記憶部14は、生体の血管、筋、腱、靭帯、などの生体構造として特定可能な基本の経路を示す基準パターンを複数種類予め記憶する。
第3特定部12Hは、公知の画像処理によるパターンマッチング処理などにより、最初の取得タイミングで取得した散乱係数分布画像46に含まれる、基本パターンの少なくとも一部と同様の経路を示す部分を、第1パターンとして特定する。
なお、同じ測定IDに対応する複数の散乱係数分布画像46が既に取得済である場合、第3特定部12は、同じ測定IDに対応する複数の散乱係数分布画像46の内、何れか1つの散乱係数分布画像46に含まれる生体構造のパターンを、第1パターンとして特定すればよい。すなわち、第1パターンを特定する散乱係数分布画像46は、最初の取得タイミングで取得した散乱係数分布画像46に限定されない。
なお、上述したように、吸収係数分布画像44は、散乱係数分布画像46に比べて、静脈などの血管のパターンを識別しやすい。一方、散乱係数分布画像46は、吸収係数分布画像44に比べて、筋や腱や靭帯のパターンを識別しやすい。
このため、第3特定部12Hは、最初の取得タイミングで取得した、吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46の双方を用いて、第1パターンを特定することが好ましい。
図6を用いて説明する。図6に示す吸収係数分布画像44Aおよび散乱係数分布画像46Aが、最初の取得タイミングで取得した吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46であったと仮定する。
図6に示す例では、吸収係数分布画像44A(図6(A)参照)は、散乱係数分布画像46A(図6(B)参照)に比べて、生体構造のパターンを識別しやすい。この場合、第3特定部12Hは、吸収係数分布画像44Aに含まれる生体構造のパターンを、第1パターンPとして特定する(図6(A)参照)。
なお、散乱係数分布画像46Aが吸収係数分布画像44Aに比べて、生体構造のパターンを識別しやすい場合がある。この場合には、第3特定部12Hは、散乱係数分布画像46Aに含まれる生体構造のパターンを、第1パターンPとして特定すればよい。
第2算出部12Iは、第1パターンPを特定した吸収係数分布画像44A上に基準テンプレートを配置する。そして、第2算出部12Iは、吸収係数分布画像44Aにおける、特定した第1パターンPに対する配置した基準テンプレートの相対位置を算出する(図6(A)参照)。
第3特定部12Hが散乱係数分布画像46Aから第1パターンPを特定した場合、第2算出部12Iは、散乱係数分布画像46A上に基準テンプレートTを配置する。そして、第2算出部12Iは、散乱係数分布画像46Aにおける、特定した第1パターンPに対する配置した基準テンプレートの相対位置を算出する(図6(B)参照)。
基準テンプレートTは、上述したように、散乱係数分布画像46A(散乱係数分布画像46)よりより小さいサイズであり且つ予め定めた形状(例えば、矩形状の枠)を示す。散乱係数分布画像46と、吸収係数分布画像44のサイズは同じである。このため、基準テンプレートTは、吸収係数分布画像44A(吸収係数分布画像44)より小さいサイズである。
基準テンプレートTの配置位置は、散乱係数分布画像44Aまたは散乱係数分布画像46A内の任意の位置であって、基準テンプレートTによって示される枠の全体が散乱係数分布画像46Aまたは吸収係数分布画像44B内に収まる位置であれば、何れの位置であってもよい。また、基準テンプレートTの少なくとも一部が、散乱係数分布画像46Aまたは吸収係数分布画像44Aの画像端部に連続しないように(非接触に)配置することが好ましい。散乱係数分布画像46Aおよび吸収係数分布画像44Aの画像端部は、測定対象領域Eのずれなどにより、次回の取得タイミング時には取得されない可能性があるためである。
記憶制御部12Jは、第3特定部12Hが特定した第1パターンPと、第2算出部12Iが算出した相対位置と、基準テンプレートTと、を、現在の測定IDに対応づけて記憶部14へ記憶する。詳細には、記憶制御部12Jは、第3特定部12Hが特定した、第1パターンPと、相対位置と、基準テンプレートTと、を対応づけて追跡情報とし、該第1パターンPの特定に用いた吸収係数分布画像44Aまたは散乱係数分布画像46Aの取得タイミングに対応する測定IDに対応づけて、第1情報30に登録する。
このため、図2(A)に示すように、第1情報30には、追跡情報(基準テンプレート、第1パターン、相対位置)が、測定IDごとに対応づけて登録される。なお、基準テンプレートTについては、測定ID間で同一であってもよい。このため、基準テンプレートTは、第1情報30内に登録せず、記憶部14内に別途記憶してもよい。
図1に戻り、表示制御部12Mは、各種画像を表示部20へ表示する。
例えば、表示制御部12Mは、第1推定部12Bが推定した生体成分(例えば、血糖値)の変化量を示す画像を表示部20に表示する。
生体成分の変化量を示す画像は、例えば、変化量の経時変化を示すグラフや線図や、変化量を示す数値を表す画像である。
このとき、表示制御部12Mは、第1推定部12Bが推定した生体成分(例えば、血糖値)の変化量を示す画像における、異常を示す変化量の領域を、該領域以外とは異なる表示形態で表示部20に表示することが好ましい。異なる表示形態とは、色、輝度、点滅間隔、サイズ(太字など)、の少なくとも1つが異なることを示す。
図8は、血糖値の変化量を示す画像の表示画面52の一例を示す図である。例えば、表示制御部12Mは、表示画面52を表示部20に表示する。
図8に示す例では、表示画面52は、血糖値の変化量を示す画像として、時間に対する血糖値の変化量を示す線図54を含む。例えば、線図54における一部の領域が正常領域54Aであり、一部の領域が異常領域54Bである。正常領域54Aは、血糖値の変化量が正常な取得タイミング(時間)領域である。異常領域54Bは、血糖値の変化量が異常な取得タイミング(時間)の領域である。表示制御部12Mは、異常領域54Bの表示形態を、正常領域54Aとは異なる表示形態で表示することが好ましい。
具体的には、表示制御部12Mは、記憶部14から、異常を示す変化量を読取る。そして、表示制御部12Mは、第1推定部12Bが推定した、各取得タイミングに対応する血糖値の変化量の内、異常を示す変化量を特定する。表示制御部12Mは、特定した、異常を示す変化量の領域(異常領域54B)を、該領域以外の領域(正常領域54A)とは異なる表示形態で、表示部20に表示すればよい。
図1に戻り、検出部12Kは、測定対象領域Eに対する撮影部28の位置ずれを検出する。検出部12Kは、第1特定部12Cが、吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46から第1パターンPを特定できなかった場合に、位置ずれを検出する。
すなわち、ある取得タイミングで取得した吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46内に、対応する第1パターンPの経路が認識出来ない場合がある。このような場合、同じ領域を用いて血糖値の変化量を測定すると、血糖値の変化量の推定精度が低下する場合がある。
そこで、検出部12Kは、ある取得タイミングで取得した吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46内に、対応する第1パターンPが認識不可能である場合に、位置ずれを検出する。
検出部12Kによって位置ずれが検出されたときに、表示制御部12Mは、位置ずれを示す情報を表示部20へ表示することが好ましい。位置ずれを示す情報は、生体における測定対象領域Eの位置の修正を推奨するメッセージを含んでいてもよい。
図9は、位置ずれを示す情報の表示画面50の一例を示す図である。検出部12Kが位置ずれを検出すると、表示制御部12Mは、例えば、「測定位置がずれています。位置を直して下さい。」などの位置ずれを示す情報や位置の修正を推奨するメッセージを、表示部20へ表示する。
このため、本実施の形態の生体成分推定装置10では、測定対象領域Eがずれていることを、容易にユーザに対して示すことができる。
図1に戻り、出力制御部12Nは、出力部25を制御する。上述したように、表示部20、駆動部22、および音出力部24が、各種情報を生体成分推定装置10の外部へ出力するための出力部25として機能する。
出力制御部12Nは、予め定めた第1時間帯に撮影された拡散反射画像40から生成された散乱係数分布画像46に基づいて推定された生体成分(例えば、血糖値)の変化量が、予め定めた異常を示す変化量を示す場合に、異常を示す情報を出力するように出力部25を制御する。
出力制御部12Nは、制御部12に記憶されている第2情報32(図2(B)参照)から第1時間帯を読取る。そして、出力制御部12Nは、第1推定部12Bによって推定された変化量の算出元の拡散反射画像40の撮影タイミングが、第1時間帯であるか否かを判断する。そして、出力制御部12Nは、該第1時間帯である場合に、該撮影タイミングで撮影された拡散反射画像40に基づいて推定された血糖値の変化量が、第2情報32における該第1時間帯に対応する異常を示す変化量と一致するか否か判断する。そして、出力制御部12Nは、一致すると判断した場合に、異常を示す情報を出力するように出力部25を制御すればよい。
具体的には、出力制御部12Nは、異常を示す情報を出力するように、表示部20、駆動部22、および音出力部24の少なくとも1つを制御する。
詳細には、出力制御部12Nは、生体成分推定装置10を振動させるように駆動部22を制御することで、異常を示す情報を出力するように出力部25を制御する。また、例えば、出力制御部12Nは、予め定めた音を出力するように音出力部24を制御することで、異常を示す情報を出力するように出力部25を制御する。また、例えば、出力制御部12Nは、予め定めた異常を示すメッセージを表示部20へ表示することで、異常を示す情報を出力するように出力部25を制御する。
出力制御部12Nの処理によって、医学的観点から注視すべき第1時間帯に、医学的観点から異常であるとみなす血糖値の変化量が推定されたときに、血糖値の変化量の推定結果が異常を示していることを、被験者に対して容易に示すことが可能となる。
次に、本実施の形態の生体成分推定装置10で実行する生体成分推定処理を説明する。
図10は、本実施の形態の生体成分推定装置10で実行する生体成分推定処理の手順を示すフローチャートである。生体成分推定装置10の制御部12では、1人のユーザIDによって識別されるユーザにおける、1回の測定タイミング(測定ID)ごとに、図10に示す手順を実行する。そして、測定ID(測定タイミング)ごとに、測定IDをカウントアップする。
まず、第1取得部12Aが、散乱係数分布画像46および吸収係数分布画像44を取得する(ステップS100)。
次に、第1推定部12Bが、ステップS100で取得した散乱係数分布画像46および吸収係数分布画像44に基づいて、生体成分の変化量を推定する(ステップS102)。
次に、第1推定部12Bは、推定した生体成分の変化量を、現在の測定IDおよび取得タイミングに対応づけて制御部12に記憶する(ステップS104)。
次に、受付部12Lが、生体成分の変化量の表示指示を受付けたか否かを判断する(ステップS106)。例えば、入力部18は、ユーザによる、生体成分の変化量の表示指示の入力を受け付けると、制御部12へ出力する。制御部12の受付部12Lは、生体成分の変化量の表示指示の入力を、入力部18から受け付けたか否かを判別することで、ステップS106の判断を行う。
ステップS106で肯定判断すると(ステップS106:Yes)、ステップS108へ進む。ステップS108では、表示制御部12Mが、生体成分の変化量を示す画像を表示部20へ表示する(ステップS108)。そして、ステップS110へ進む。
ステップS106で否定判断した場合(ステップS106:No)、ステップS110へ進む。
ステップS110では、受付部12Lが、終了指示を入力部18から受け付けたか否かを判断する(ステップS110)。ユーザは、入力部18を操作することで、測定の終了を指示する。ユーザによる入力部18の操作によって、測定の終了が指示されると、入力部18は、測定の終了指示を制御部12へ出力する。制御部12の受付部12Lは、入力部18から測定の終了指示を受付けたか否かを判断する。
ステップS110で否定判断すると(ステップS110:No)、上記ステップS100へ戻る。
一方、ステップS110で肯定判断すると(ステップS110:Yes)、本ルーチンを終了する。
次に、ステップ100の処理を詳細に説明する。図11は、図10のステップS100の処理の手順を示すフローチャートである。
まず、第1取得部12Aは、空間周波数fとして、kに1をセットする(ステップS200)。次に、第1取得部12Aは、位相(2πp/m)として、pに1をセットする(ステップS202)。
次に、第1取得部12Aは、セットした空間周波数fと位相2πp/mとを含む投影指示を投影部26へ送信する(ステップS204)。投影指示を受付けた投影部26は、投影指示に含まれる空間周波数fおよび位相2πp/mの構造化照明Lを測定対象領域Eへ投影する。
次に、撮影制御部12Gが、測定対象領域Eの撮影指示を撮影部28へ送信する(ステップS206)。撮影部28は、測定対象領域Eを撮影し、拡散反射画像40を取得し、制御部12へ出力する。第1取得部12Aは、撮影部28から拡散反射画像40を取得する(ステップS208)。第1取得部12Aは、取得した拡散反射画像40を記憶部14へ記憶する。
次に、第1取得部12Aは、位相(2πp/m)におけるpが、pの最大値であるmと一致するか否かを判断する(ステップS212)。ステップS212で否定判断すると(ステップS212:No)、pに“1”を加算し(ステップS214)、上記ステップS204へ戻る。
一方、ステップS212で肯定判断すると(ステップS212:Yes)、ステップS216へ進む。
ステップS216では、第1取得部12Aは、空間周波数fのkが、kの最大値であるaと一致するか否かを判断する(ステップS216)。ステップS216で否定判断すると(ステップS216:No)、ステップS218へ進む。ステップS218では、kに“1”を加算し(ステップS218)、上記ステップS202へ戻る。
ステップS216で肯定判断すると(ステップS216:Yes)、ステップS220へ進む。ステップS220では、第1取得部12Aは、ステップS200〜ステップS216の処理で取得した、空間周波数fの各々における位相の異なる複数の拡散反射画像40を用いて、空間周波数fごとに、画素毎の拡散振幅強度(Mac(r,f))を算出する(ステップS220)。
なお、第1取得部12Aは、上述したように、校正用サンプルについてもステップS200〜ステップS220の処理を行い、画素毎の拡散振幅強度(Mac,ref(r,f)を算出する。
次に、第1取得部12Aは、上記式(7)を用いて、空間周波数fごとに、生体の測定対象領域Eにおける、画素毎の拡散振幅反射率R(r,f)を算出する(ステップS222)。
次に、第1取得部12Aは、空間周波数fごとに求めた、画素毎の拡散振幅反射率R(r,f)から、画素毎の吸収係数μaと等価散乱係数μ’を算出する(ステップS224)。
そして、第1取得部12Aは、吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46を生成する(ステップS226)。ステップS226では、第1取得部12Aは、ステップS224で推定した、画素毎に算出した各画素の等価散乱係数μ’を、対応する画素位置に配置することで、生体の測定対象領域Eの散乱係数を画素毎に規定した散乱係数分布画像46を生成する。
また、第1取得部12Aは、ステップS224で画素毎に算出した各画素の吸収係数μを、対応する画素位置に配置することで、生体の測定対象領域Eの吸収係数を画素毎に規定した吸収係数分布画像44を生成する。
ステップS224の処理によって、第1取得部12Aは、吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46を取得する。
そして、第1取得部12Aは、生成した吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46を、現在の測定IDと、該吸収係数分布画像44および該散乱係数分布画像46の取得タイミングと、に対応づけて、記憶部14に記憶する(ステップS228)。そして、本ルーチンを終了する。
次に、図10におけるステップS102の処理を詳細に説明する。図12は、図10のステップS102の処理の手順を示すフローチャートである。
まず、第1推定部12Bが、記憶部14に追跡情報が記憶済であるか否かを判断する(ステップS300)。具体的には、第1推定部12Bは、現在の測定IDに対応する追跡情報が、第1情報30(図2(A)参照)に登録済であるか否かを判別することで、ステップS300の判断を行う。ステップS300で肯定判断すると(ステップS300:Yes)。後述するステップS310へ進む。
ステップS300で否定判断すると(ステップS300)、ステップS302へ進む。ステップS302では、第3特定部12Hが、現在の測定ID(測定タイミング)に対応する、最初の取得タイミングで取得した散乱係数分布画像46に含まれる生体構造のパターンを、第1パターンとして特定する(ステップS302)。なお、上述したように、第3特定部12Hは、吸収係数分布画像44から第1パターンを特定してもよい。
次に、第2算出部12Iは、ステップS302で特定に用いた散乱係数分布画像46上に基準テンプレートTを配置する(ステップS304)。そして、第2算出部12Iは、ステップS302で特定に用いた散乱係数分布画像46上における、特定した第1パターンPに対する、配置した基準テンプレートTの相対位置を算出する(ステップS306)。
次に、記憶制御部12Jは、ステップS302で第3特定部12Hが特定した第1パターンPと、ステップS306で第2算出部12Iが算出した相対位置と、基準テンプレートTと、を対応づけて追跡情報とし、記憶部14へ記憶する(ステップS308)。すなわち、記憶制御部12Jは、該追跡情報を、現在の測定IDに対応づけて、第1情報30(図2(A)参照)に登録する。そして、ステップS310へ進む。
ステップS310では、第1特定部12Cが、現在の測定IDに対応する追跡情報を第1情報30から読取る(ステップS310)。
次に、第1特定部12Cは、上記ステップS100(図10、図11のステップS200〜ステップS228)の処理によって取得した、吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46を読取る。この吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46は、第1取得部12Aが、同じ取得タイミングで取得したものである。そして、第1特定部12Cは、この吸収係数分布画像44または散乱係数分布画像46に含まれる、ステップS310で読取った追跡情報に含まれる第1パターンを特定する(ステップS312)。
すなわち、第1特定部12Cは、散乱係数分布画像46または吸収係数分布画像44における、第1パターンに一致する生体構造の経路を示す領域を特定する。
次に、検出部12Kが、第1特定部12Cが吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46から第1パターンPを特定出来たか否かを判断する(ステップS314)。特定出来なかった場合(ステップS314:No)、検出部12Kは、位置ずれを検出する(ステップS316)。
そして、表示制御部12Mは、位置ずれを示す情報を表示部20へ表示する(ステップS318)。そして、ステップS100へ戻る(図10参照)。一方、ステップS314で肯定判断した場合(ステップS314:Yes)、ステップS320へ進む。
ステップS320では、吸収係数分布画像44および散乱係数分布画像46における、ステップS312で特定した第1パターンPに対して相対位置に配置された基準テンプレートT内の領域を、第1領域Sとして特定する(ステップS320)。ステップS320で用いる相対位置は、ステップS310で読取った追跡情報に含まれる相対位置である。
次に、第2推定部12Eが、散乱係数分布画像46における、ステップ320で特定した第1領域Sを構成する画素毎に規定された散乱係数に基づいて、血糖値の変化量を推定する(ステップS322)。そして、第2推定部12Eは、推定した血糖値の変化量を、現在の測定IDおよび推定に用いた散乱係数分布画像46の取得タイミングに対応づけて第1情報30に登録し、本ルーチンを終了する。
次に、生体成分推定装置10が実行する割り込み処理を実行する。図13は、生体成分推定装置10が実行する割り込み処理の手順を示すフローチャートである。
制御部12は、図13に示す割り込み処理を繰り返し実行する。まず、出力制御部12Nが、撮影タイミングが、記憶部14に記憶されている第1時間帯と一致するか否かを判断する(ステップS400)。例えば、出力制御部12Nは、記憶部14に記憶されている、現在の測定IDに対応する複数の撮影タイミングの内、第1時間帯と一致する撮影タイミングが有るか否かを判別することで、ステップS400の判断を行う。
なお、撮影制御部12Gは、撮影部28が測定対象領域Eを撮影して拡散反射画像40を取得する度に、該拡散反射画像40の撮影タイミングと、該拡散反射画像40と、を対応づけて記憶部14へ記憶すればよい。
ステップS400で否定判断すると(ステップS400:No)、本ルーチンを終了する。一方、ステップS400で肯定判断すると(ステップS400:Yes)、ステップS402へ進む。
ステップS402では、出力制御部12Nは、第1時間帯の撮影タイミングで撮影された拡散反射画像40から生成された散乱係数分布画像46に基づいて推定された、血糖値の変化量が、第2情報32(図2(B)参照)における該第1時間帯に対応する異常を示す変化量と一致するか否を判断する(ステップS402)。ステップS402で否定判断すると(ステップS402:No)、本ルーチンを終了する。
一方、ステップS402で肯定判断すると(ステップS402:Yes)、ステップS404へ進む。ステップS404では、出力制御部12Nは、異常を示す情報を出力するように出力部25を制御し(ステップS404)、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施の形態の生体成分推定装置10は、第1取得部12Aと、第1推定部12Bと、を備える。第1取得部12Aは、近赤外領域の波長領域を含む光に対する、生体の測定対象領域Eの散乱係数を画素毎に規定した散乱係数分布画像46を取得する。第1推定部12Bは、散乱係数分布画像46に基づいて、生体成分の変化量を推定する。
このように、本実施の形態の生体成分推定装置10は、複数の散乱係数分布画像に基づいて、生体成分の変化量を推定する。このため、本実施の形態の生体成分推定装置10では、穿刺による血液採取を繰り返し行う必要がない。また、散乱係数分布画像を用いることから、生体成分推定装置10は、精度良く生体成分の変化量を推定することができる。
従って、本実施の形態の生体成分推定装置10は、非侵襲でかつ精度良く生体成分の変化量を推定することができる。
また、本実施の形態の生体成分推定装置10は、第1取得部12Aと、第1推定部12Bと、表示制御部12Mと、を備える。第1取得部12Aは、近赤外領域の波長領域を含む光に対する、生体の測定対象領域Eの散乱係数を画素毎に規定した散乱係数分布画像46を取得する。第1推定部12Bは、散乱係数分布画像46に基づいて、生体成分の変化量を推定する。表示制御部12Mは、推定した生体成分の変化量を示す画像を、表示部20に表示する。
このため、本実施の形態の生体成分推定装置10では、上記効果に加えて、生体成分の変化量をユーザに対して容易に提示することができる。
なお、本実施の形態の生体成分推定装置10では、第1推定部12Bは、追跡情報を用いて、散乱係数分布画像46に含まれる第1パターンPのパターンマッチングにより血糖値(生体成分)の変化量を推定する場合を一例として示した。
しかし、生体成分推定装置10に、生体の身体の変動、構造化照明Lの投影領域、および撮影部28による撮影領域、の少なくとも1つを検出する公知の検出機構を備えた構成としてもよい。この場合、第1推定部12Bは、該検出機構による検出結果を用いて、散乱係数分布画像46における第1領域Sのずれを補正し、血糖値(生体成分)の変化量を推定すればよい。
次に、本実施の形態の生体成分推定装置10のハードウェア構成について説明する。図14は、本実施の形態の生体成分推定装置10のハードウェア構成例を示すブロック図である。
本実施の形態の生体成分推定装置10は、表示部60、I/F(インターフェース)部61、撮影部62、入力部63、音出力部64、CPU(Central Processing Unit)65、ROM(Read Only Memory)66、RAM(Random Access Memory)67、HDD(ハードディスクドライブ)68、投影部69、および駆動部70などがバス71により相互に接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
CPU65は、生体成分推定装置10の全体の処理を制御する演算装置である。RAM67は、CPU65による各種処理に必要なデータを記憶する。ROM66は、CPU65による各種処理を実現するプログラム等を記憶する。HDD68は、上述した記憶部14に相当する。I/F部61は、外部装置や外部端末に通信回線等を介して接続し、接続した外部装置や外部端末との間でデータを送受信するためのインターフェースである。表示部60、撮影部62、入力部63、音出力部64、投影部69、および駆動部70は、表示部20、撮影部28、入力部18、音出力部24、投影部26、および駆動部22の各々に相当する。
本実施の形態の生体成分推定装置10で実行される上記各種処理を実行するためのプログラムは、ROM66等に予め組み込んで提供される。
なお、本実施の形態の生体成分推定装置10で実行されるプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供するように構成してもよい。
また、本実施の形態の生体成分推定装置10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態の生体成分推定装置10における上記各処理を実行するためのプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
本実施の形態の生体成分推定装置10で実行される上記各種処理を実行するためのプログラムは、上述した各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、上記HDD68に格納されている各種情報、すなわち記憶部14に格納されている各種情報は、外部装置(例えばサーバ)に格納してもよい。この場合には、該外部装置とCPU65と、を、ネットワーク等を介して接続した構成とすればよい。
なお、上記には、本実施の形態を説明したが、上記実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 生体成分推定装置
12A 第1取得部
12B 第1推定部
12C 第1特定部
12D 第2特定部
12E 第2推定部
12H 第3特定部
12I 第2算出部
12J 記憶制御部
12M 表示制御部
12N 出力制御部
14 記憶部
20 表示部
22 駆動部
24 音出力部
26 投影部
28 撮影部

Claims (11)

  1. 所定の空間周波数の周期構造を有する構造化照明を生体の測定対象領域に投影する投影部と、
    前記構造化照明の投影された前記測定対象領域を撮影し、該測定対象領域に投影された前記構造化照明の、近赤外領域の波長領域を含む光に対する拡散反射画像を取得する撮影部と、
    前記拡散反射画像から、前記光に対する、前記測定対象領域の散乱係数を画素毎に規定した散乱係数分布画像を生成することによって前記散乱係数分布画像を取得する第1取得部と、
    前記散乱係数分布画像の一部の第1領域に基づいて、生体成分の変化量を推定する第1推定部と、
    前記散乱係数分布画像より小さいサイズであり且つ予め定めた形状を示す基準テンプレートと、前記散乱係数分布画像に含まれる生体構造の第1パターンと、前記散乱係数分布画像上における前記第1パターンに対する前記基準テンプレートの相対位置と、を記憶した記憶部と、
    を備え、
    前記第1推定部は、
    前記散乱係数分布画像に含まれる、前記第1パターンを特定する第1特定部と、
    前記散乱係数分布画像における、特定した前記第1パターンに対して前記相対位置に配置した前記基準テンプレート内の領域を前記第1領域として特定する第2特定部と、
    前記散乱係数分布画像における、特定した前記第1領域を構成する画素毎に規定された散乱係数の基準散乱係数との差である変化量に対応する前記生体成分の変化量を、散乱係数の変化量に対応する血糖値の変化量を予め登録した第3情報から読取り、読取った該変化量を、前記生体成分の変化量として推定する第2推定部と、
    を有する、
    生体成分推定装置。
  2. 複数の前記散乱係数分布画像の内、1つの前記散乱係数分布画像に含まれる生体構造のパターンを、前記第1パターンとして特定する第3特定部と、
    該散乱係数分布画像上に前記基準テンプレートを配置し、特定した該第1パターンに対する配置した前記基準テンプレートの前記相対位置を算出する第2算出部と、
    特定した前記第1パターンと、算出した前記相対位置と、を、前記基準テンプレートに対応づけて前記記憶部に記憶する記憶制御部と、
    を備える、請求項1に記載の生体成分推定装置。
  3. 前記第1取得部は、前記光に対する吸収係数を画素毎に規定した吸収係数分布画像を更に取得し、
    当該生体成分推定装置は、
    複数の前記吸収係数分布画像の内、1つの前記吸収係数分布画像に含まれる生体構造のパターンを、前記第1パターンとして特定する第3特定部と、
    該吸収係数分布画像上に前記基準テンプレートを配置し、特定した該第1パターンに対する配置した前記基準テンプレートの前記相対位置を算出する第2算出部と、
    特定した前記第1パターンと、算出した前記相対位置と、を、前記基準テンプレートに対応づけて前記記憶部に記憶する記憶制御部と、
    を備える、請求項1に記載の生体成分推定装置。
  4. 前記第1パターンは、生体に含まれる血管、筋、腱、および靭帯の少なくとも一つの経路を示す、請求項1に記載の生体成分推定装置。
  5. 前記生体成分の変化量は、血糖値の変化量である、請求項1に記載の生体成分推定装置。
  6. 推定した前記生体成分の変化量を示す画像を表示部に表示する表示制御部を備える、請求項1に記載の生体成分推定装置。
  7. 前記表示制御部は、
    推定した前記生体成分の変化量を示す画像における、異常を示す変化量の領域を、該領域以外とは異なる表示形態で前記表示部に表示する、請求項6に記載の生体成分推定装置。
  8. 予め定めた第1時間帯に撮影された前記拡散反射画像から生成された前記散乱係数分布画像に基づいて推定された前記生体成分の変化量が、予め定めた異常を示す変化量を示す場合に、異常を示す情報を出力するように出力部を制御する出力制御部と、
    を備える、請求項1に記載の生体成分推定装置。
  9. 前記測定対象領域に対する前記撮影部の位置ずれを検出する検出部と、
    前記位置ずれが検出されたときに、前記位置ずれを示す情報を表示部へ表示する表示制御部と、
    を備える、請求項1に記載の生体成分推定装置。
  10. コンピュータで実行される生体成分推定方法であって、
    所定の空間周波数の周期構造を有する構造化照明を生体の測定対象領域に投影する投影ステップと、
    前記構造化照明の投影された前記測定対象領域を撮影し、該測定対象領域に投影された前記構造化照明の、近赤外領域の波長領域を含む光に対する拡散反射画像を取得する撮影ステップと、
    前記拡散反射画像から、前記光に対する、前記測定対象領域の散乱係数を画素毎に規定した散乱係数分布画像を生成することによって前記散乱係数分布画像を取得する第1取得ステップと、
    前記散乱係数分布画像の一部の第1領域に基づいて、生体成分の変化量を推定する推定ステップと、
    を含み、
    前記推定ステップは、
    前記散乱係数分布画像より小さいサイズであり且つ予め定めた形状を示す基準テンプレートと、前記散乱係数分布画像に含まれる生体構造の第1パターンと、前記散乱係数分布画像上における前記第1パターンに対する前記基準テンプレートの相対位置と、を記憶した記憶部から、前記散乱係数分布画像に含まれる、前記第1パターンを特定する第1特定ステップと、
    前記散乱係数分布画像における、特定した前記第1パターンに対して前記相対位置に配置した前記基準テンプレート内の領域を前記第1領域として特定する第2特定ステップと、
    前記散乱係数分布画像における、特定した前記第1領域を構成する画素毎に規定された散乱係数の基準散乱係数との差である変化量に対応する前記生体成分の変化量を、散乱係数の変化量に対応する血糖値の変化量を予め登録した第3情報から読取り、読取った該変化量を、前記生体成分の変化量として推定する第2推定ステップと、
    を含む、
    生体成分推定方法。
  11. 所定の空間周波数の周期構造を有する構造化照明を生体の測定対象領域に投影する投影ステップと、
    前記構造化照明の投影された前記測定対象領域を撮影し、該測定対象領域に投影された前記構造化照明の、近赤外領域の波長領域を含む光に対する拡散反射画像を取得する撮影ステップと、
    前記拡散反射画像から、前記光に対する、前記測定対象領域の散乱係数を画素毎に規定した散乱係数分布画像を生成することによって前記散乱係数分布画像を取得する第1取得ステップと、
    前記散乱係数分布画像の一部の第1領域に基づいて、生体成分の変化量を推定する推定ステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記推定ステップは、
    前記散乱係数分布画像より小さいサイズであり且つ予め定めた形状を示す基準テンプレートと、前記散乱係数分布画像に含まれる生体構造の第1パターンと、前記散乱係数分布画像上における前記第1パターンに対する前記基準テンプレートの相対位置と、を記憶した記憶部から、前記散乱係数分布画像に含まれる、前記第1パターンを特定する第1特定ステップと、
    前記散乱係数分布画像における、特定した前記第1パターンに対して前記相対位置に配置した前記基準テンプレート内の領域を前記第1領域として特定する第2特定ステップと、
    前記散乱係数分布画像における、特定した前記第1領域を構成する画素毎に規定された散乱係数の基準散乱係数との差である変化量に対応する前記生体成分の変化量を、散乱係数の変化量に対応する血糖値の変化量を予め登録した第3情報から読取り、読取った該変化量を、前記生体成分の変化量として推定する第2推定ステップと、
    を含む、
    プログラム。
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