JP6569377B2 - ケーブルコネクタ及び配線基板 - Google Patents

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Description

本発明は、ケーブルコネクタ及び配線基板に関する。
従来から、サーバやルータ、ストレージ製品等の電子機器において、各電子機器間又は電子機器内の各配線基板間では、バックプレーンまたはケーブルを用いて電気信号を伝送している。
また、近年では、各配線基板間において高速の電気信号を伝送するために、差動信号伝送用ケーブルを用いて差動信号の伝送が行われる場合がある。差動信号伝送用ケーブルは、一対の芯線(信号線導体)を備えている。そして、各芯線には位相を180°反転させたプラス側信号及びマイナス側信号がそれぞれ伝送される。そして、これら2つの信号の電位差が信号レベルとなって、例えば電位差がプラスであれば「High」、マイナスであれば「Low」として、当該信号レベルが受信側で認識されるようになっている。
国際公開第2009/031394号 特開平10−312863号公報 特公平6−9151号公報
しかしながら、従来においては、配線基板に実装された半導体パッケージに対して電気信号をケーブル伝送する場合、ケーブルの先端側に設けたコネクタを配線基板側のコネクタに接続し、配線基板の配線パターンを介して電気信号を伝送していた。その結果、コネクタにおける接点箇所等でインピーダンスの不整合を招いてしまい、伝送損失が大きくなる虞があった。また、配線基板の配線パターンを介して電気信号を伝送することにより、伝送損失が大きくなる虞があった。
本件は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、半導体パッケージに対してケーブル伝送を行うに際し、伝送損失を低減することのできるケーブルコネクタに関する技術を提供することを目的とする。
本件の一観点によると、配線基板の実装面に実装される半導体パッケージの電極にケーブルの芯線を電気的に接続するケーブルコネクタであって、前記ケーブルの先端側に取り付けられ、且つ、前記配線基板を厚さ方向に貫通する貫通孔に挿入可能なコネクタハウジングと、前記ケーブルコネクタの先端面に形成され、前記芯線と電気的に接続される信号用ランドを含むコネクタ側コンタクトと、を備えるケーブルコネクタが提供される。
また、本件の一観点によると、実装面に実装された半導体パッケージと、当該半導体パッケージの電極にケーブルの芯線を電気的に接続するケーブルコネクタと、を備える配線基板であって、前記ケーブルコネクタは、前記ケーブルの先端側に取り付けられ、且つ、前記配線基板を厚さ方向に貫通する貫通孔に挿入可能なコネクタハウジングと、前記ケーブルコネクタの先端面に形成され、前記芯線と電気的に接続される信号用ランドを含むコネクタ側コンタクトと、を有する配線基板が提供される。
本件によれば、半導体パッケージに対してケーブル伝送を行うに際し、伝送損失を低減することのできるケーブルコネクタに関する技術を提供できる。
図1は、実施形態1に係る配線基板を有する基板ユニットの上面図である。 図2は、実施形態1に係る基板ユニットの側面図である。 図3は、実施形態1に係る半導体パッケージの概略構造図である。 図4は、実施形態1に係るLGAソケットの断面構造を示す図である。 図5は、実施形態1に係る配線基板の断面構造の概略図である。 図6は、図5の部分拡大図である。 図7は、実施形態1に係るコネクタ付きケーブルの縦断面構造を示す図である。 図8は、実施形態1に係るコネクタ付きケーブルのケーブル部の横断面構造を示す図である。 図9は、実施形態1に係るケーブルコネクタの先端面を示す図である。 図10は、実施形態1に係る配線基板の貫通孔にケーブルコネクタを挿入して、LGAソケットに接続した状態を示す図である。 図11は、実施形態1に係る配線基板のLGAソケットにケーブルコネクタを接続した状態における配線基板の実装面の一部を示す図である。 図12は、変形例に係るケーブルコネクタを示す図である。 図13は、実施形態2に係る配線基板の断面構造を示す部分拡大図である。 図14は、実施形態2に係るケーブルコネクタの縦断面構造を示す図である。 図15Aは、実施形態2に係る配線基板の貫通孔にケーブルコネクタを挿入している途中の状態を示す図である。 図15Bは、実施形態2に係るLGAソケットの凹部にケーブルコネクタを挿入している途中の状態を示す図である。 図15Cは、実施形態2に係るケーブルコネクタのコネクタ側コンタクトをLGAソケットのコンタクトピンに接続した後の状態を示す図である。
以下、図面を参照しながら本件に関する実施形態を詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る配線基板1を有する基板ユニット100の上面図である。図2は、実施形態1に係る基板ユニット100の側面図である。
配線基板1は、上面側に半導体パッケージ2を実装する実装面1aを有している。また、配線基板1の下面側は、半導体パッケージ2が実装されない非実装面1bとなっている。図1に示す例では、配線基板1の実装面1aに4個の半導体パッケージ2が実装されているが、半導体パッケージ2を実装する数は特に限定されない。配線基板1の実装面1aには、メモリ3が実装されている。
図3は、実施形態1に係る半導体パッケージ2の概略構造図である。半導体パッケージ2は、パッケージ基板21、半導体チップ22、ヒートスプレッダ23、サーマルシート24等を備える。半導体パッケージ2と配線基板1との間の接続構造は、ランドグリッドアレイ(Land Grid Array:LGA)実装方式が採用されており、双方の間にはLGAソ
ケット4が介在している。パッケージ基板21は、例えば、ガラスエポキシ多層基板によって形成されている。パッケージ基板21の下面21aには、複数のランド(以下、「パッケージ側ランド」という)25が配置されている。
パッケージ基板21の上面には、半導体チップ22が例えば、フリップチップ接続等によって実装されている。ヒートスプレッダ23は、半導体チップ22を封止するリッド(キャップ)としての役割と、発熱体である半導体チップ22の熱を冷却ユニット5の冷却部6に伝熱する役割とを有する部材である。ヒートスプレッダ23は、例えば、熱硬化性樹脂によってパッケージ基板21の上面に接着されている。ヒートスプレッダ23は、例えば、銅やアルミニウムといった、熱伝導性(伝熱性)の優れた金属材料を用いることができる。ヒートスプレッダ23の上面には、サーマルシート24を挟んで冷却ユニット5の冷却部6が載置されており、ヒートスプレッダ23及びサーマルシート24を介して半導体チップ22の熱が冷却部6に伝熱される。
図1及び図3に示すように、冷却ユニット5は、冷却部6及びこの冷却部6に接続される水冷配管7を含んでいる。冷却部6の内部はウォータージャケット構造となっており、冷却水を通過させる内部流路6aを有している。水冷配管7は、供給管7a及び排出管7bを有しており、冷却部6の内部流路6aと共に冷却水の循環路を形成している。供給管7aから冷却部6に供給された冷却水は、ヒートスプレッダ23やサーマルシート24から伝わる半導体チップ22の熱を吸熱した後、排出管7bに排出される。このようにして、半導体チップ22が冷却ユニット5によって冷却される。
図2に示すように、配線基板1の非実装面1b側には、ボルスタープレート8が配置されている。ボルスタープレート8は、図示しない締結具によって配線基板1に固定されている。例えば、ボルスタープレート8と冷却部6に設けられたフランジ部(図示せず)とを、配線基板1のボルト貫通孔を挿通させた複数本のバネ付きボルト(図示せず)によって締結する。これにより、配線基板1の実装面1aと冷却部6に挟まれた半導体パッケージ2及びLGAソケット4が実装面1aに向かって押し付けられ、押圧されることで、これらが実装面1aに固定される。また、図3に示す符号9は、ボルスタープレート8の背面に配置されるケーブル保持固定板である。ケーブル保持固定板9については後述する。
また、図1、2に示す符号110はバックプレーン、符号120は電源コネクタである。バックプレーン110には、複数の配線基板1が図示しないコネクタを介して装着されている。図2に示す例では、2個の配線基板1がバックプレーン110に取り付けられているが、その数は特に限定されない。電源コネクタ120は、図示しない電源ユニットからの電力を、配線基板1に供給する。また、図2に示す符号50は、「コネクタ付きケーブル」である。コネクタ付きケーブル50の詳細については後述する。
図4は、実施形態1に係るLGAソケット4の断面構造を示す図である。LGAソケット4は、複数のコンタクトピン41と、各コンタクトピン41を支持する支持基材42を有する。支持基材42の材料の一例としては、アルミナ等のセラミック材料が挙げられる。また、コンタクトピン41は、例えばC型の金属バネであり、支持基材42を貫通している。そして、LGAソケット4は、配線基板1と半導体パッケージ2との間に介装される前の状態において、コンタクトピン41の一端が上面4aより上方に突出し、他端が下面4bより下方に突出している。
また、LGAソケット4は、内部空間を区画する区画壁43を有し、区画壁43によってコンタクトピン41を個別に格納する格納室44が形成されている。但し、区画壁43によって、コンタクトピン41の格納室44を個別に形成しなくてもよい。また、図4において、符号41aは「電源用コンタクトピン」、符号41bは「GND(グラウンド)
用コンタクトピン」、符号41cは「信号用コンタクトピン」である。そして、これらを総称してコンタクトピン41と呼ぶ。
図5は、実施形態1に係る配線基板1の断面構造の概略図である。図6は、図5の部分拡大図である。配線基板1は、例えば多層基板であって、内部に配線パターン10が形成されている。配線パターン10は、例えば電源配線層である。また、配線基板1には、二つの貫通孔11が設けられており、配線基板1を厚さ方向に貫通している。また、配線基板1の実装面1aには、複数のランド(以下、「基板側ランド」という)12が設けられている。また、配線パターン10は、ビア13を介して基板側ランド12に接続されている。一方、パッケージ基板21の下面21aに設けられたパッケージ側ランド25のうち、符号25aは「パッケージ側電源用ランド」、符号25bは「パッケージ側GND(グラウンド)用ランド」、符号25cは「パッケージ側信号用ランド」である。
配線基板1の実装面1aと半導体パッケージ2との間には、LGAソケット4が配設されている。配線基板1の組立時において、ボルスタープレート8と冷却部6を締結するバネ付きボルト(図示せず)を締め付けることで、配線基板1の実装面1aと半導体パッケージ2との間に挟まれたLGAソケット4が押圧される。その際、LGAソケット4の電源用コンタクトピン41aは、パッケージ側電源用ランド25aと、基板側ランド12に位置が合わされている。これにより、LGAソケット4の電源用コンタクトピン41aの端部にパッケージ側電源用ランド25a及び基板側ランド12がそれぞれ押し付けられ、これらが圧接される。その結果、LGAソケット4の電源用コンタクトピン41aを介してパッケージ側電源用ランド25a及び基板側ランド12が電気的に接続される(図6を参照)。
図6に示すように、配線基板1と半導体パッケージ2の間にLGAソケット4が配設された状態で、LGAソケット4のGND用コンタクトピン41bにパッケージ側GND用ランド25bが押し付けられ、これらが弾性的に圧接している。また、LGAソケット4の信号用コンタクトピン41cにパッケージ側信号用ランド25cが押し付けられることでこれらが弾性的に圧接している。これにより、GND用コンタクトピン41b及びパッケージ側GND用ランド25bと、信号用コンタクトピン41c及びパッケージ側信号用ランド25cが電気的に接続された状態となっている。
次に、コネクタ付きケーブル50と半導体パッケージ2との高速ケーブル伝送について説明する。図7は、実施形態1に係るコネクタ付きケーブル50の縦断面構造を示す図である。コネクタ付きケーブル50は、ケーブル部60と、ケーブル部60の先端側に設けられたケーブルコネクタ70を備えている。本実施形態におけるコネクタ付きケーブル50(ケーブル部60)は、2本の芯線61を有する差動伝送ケーブルである。
図8は、実施形態1に係るコネクタ付きケーブル50のケーブル部60の横断面構造を示す図である。コネクタ付きケーブル50は、所謂差動信号伝送用ケーブルである。ケーブル部60は、高速の差動信号を伝送するための導体である一対の差動信号用芯線61を有する。各差動信号用芯線61のうちの何れか一方には、差動信号としてのプラス側信号が伝送される。また、各差動信号用芯線61のうちの何れか他方には、差動信号としてのマイナス側信号が伝送される。そして、これら2つの差動信号の電位差が信号レベルとなって、例えば電位差がプラスであれば「High」、マイナスであれば「Low」として、当該
信号レベルが受信側で認識されるようになっている。各差動信号用芯線61は、例えば、その表面に錫めっき処理が施された軟銅線によって形成されていてもよい。
また、一対の差動信号用芯線61の周囲は絶縁体62によって一括して覆われている。絶縁体62の横断面形状は、図8に示す例では略楕円形状となっているが、これには限ら
れない。絶縁体62は、例えば低誘電率のフッ素樹脂などによって形成されていてもよい。更に、絶縁体62の周囲には、外来ノイズの影響を抑制するための導電性シールド層63が絶縁体62を覆うように配置されている。導電性シールド層63は、例えば、絶縁体62の外周に巻かれた金属テープであってもよいし、シームレスな金属層であってもよい。また、導電性シールド層63の周囲には、ケーブル部60を保護するための保護外皮としてのシース64が導電性シールド層63を覆うようにして設けられている。シース64は、例えば、耐熱ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)によって形成されていて
もよい。
図7に示すように、コネクタ付きケーブル50における先端側には、ケーブルコネクタ70が取り付けられている。図9は、実施形態1に係るコネクタ付きケーブル50におけるケーブルコネクタ70の先端面70aを示す図である。ケーブルコネクタ70は、コネクタ付きケーブル50の先端側に取り付けられ、且つ、配線基板1を厚さ方向に貫通する貫通孔11に挿入可能なコネクタハウジング71と、ケーブルコネクタ70の先端面70aに形成されるコネクタ側コンタクト72を有する。コネクタハウジング71は、例えば樹脂によって形成されている。
コネクタハウジング71が付設されるケーブル部60の先端部は、シース64が剥がされおり、これによって露出した導電性シールド層63の外周側にコネクタハウジング71が直接取り付けられている。コネクタハウジング71は、導電性シールド層63の外面形状に対応する内壁面71aを有するハウジングである。図7に示す符号71bは、コネクタハウジング71の先端面であり、符号71cは、コネクタハウジング71の後端面である。コネクタハウジング71の先端面71bと後端面71cは略矩形状を有し、先端面71bよりも後端面71cの方が大きい。また、符号60aはケーブル部60の先端面である。
図7に示すように、コネクタハウジング71は、ケーブル部60の先端面60aとコネクタハウジング71の先端面71bとが同一平面内に位置するように、ケーブル部60の外周側に取り付けられている。その結果、コネクタハウジング71の先端面71b及びケーブル部60の先端面60aによって、ケーブルコネクタ70の先端面(以下、「コネクタ先端面」という)70aが形成される(図7、9を参照)。また、図7に示すように、コネクタハウジング71の内壁面71aに沿ってケーブル部60の導電性シールド層63がコネクタ先端面70aまで延在している。
次に、コネクタ先端面70aについて説明する。コネクタ先端面70aには、LGAソケット4のコンタクトピン41に接触させるためのコネクタ側コンタクト72が形成されている。コネクタ側コンタクト72は、コネクタ先端面70aに形成される一対の信号用ランド73、及びGND用ランド74を含んでいる。信号用ランド73は、コネクタ先端面70aまで延伸するケーブル部60の差動信号用芯線61の先端と電気的に接続されている平面電極である。そして、一対の信号用ランド73における一方は、一対の差動信号用芯線61における一方に接続されている。そして、一対の信号用ランド73における他方は、一対の差動信号用芯線61における他方に接続されている。また、各信号用ランド73は、コネクタ先端面70aに沿った円形状平面を有しており、他方の信号用ランド73と独立して設けられている。
また、GND用ランド74は、コネクタ先端面70aまで延伸するケーブル部60の導電性シールド層63と電気的に接続された平面電極である。GND用ランド74は、ケーブル部60の先端面60aとコネクタハウジング71の先端面71bとの境界部において導電性シールド層63と接続され、コネクタハウジング71の先端面71b上に沿って延在している。図9に示す例において、GND用ランド74は、楕円形状から一回り小さな
楕円形状をくり抜いて残った残部と等価な形状を有している。そして、GND用ランド74は、コネクタ先端面70aにおいて、一対の信号用ランド73の各々と独立して設けられている。
更に、コネクタハウジング71は、図7に示すように、先端面71bと後端面71cとを接続するテーパ状の側壁であるガイド壁71dを有している。ガイド壁71dは、先端面71b側から後端面71c側に向かってコネクタハウジング71の横断面積が徐々に広がるように傾斜した傾斜面として形成されている。以上のような構造を有するケーブルコネクタ70は、図6で説明した配線基板1の貫通孔11に挿入及び嵌合することが可能である。
図10は、実施形態1に係る配線基板1の貫通孔11にケーブルコネクタ70を挿入して、LGAソケット4に接続(装着)した状態を示す図である。図11は、実施形態1に係る配線基板1のLGAソケット4にケーブルコネクタ70を接続した状態における配線基板1の実装面1aの一部を示す図である。
配線基板1の貫通孔11は、矩形状の横断面を有し、コネクタハウジング71を挿入することができる。本実施形態においては、コネクタハウジング71のガイド壁71dが、先端面71bの位置において横断面が貫通孔11よりも小さい。より詳しくは、コネクタハウジング71の先端側において、ガイド壁71dの長辺及び短辺の各寸法が、貫通孔11の長辺及び短辺の各寸法よりも小さくなっている。ケーブルコネクタ70は、配線基板1における非実装面1b側から貫通孔11に挿入される。ここで、ケーブルコネクタ70(コネクタハウジング71)の先端側における横断面は貫通孔11よりも小さいため、貫通孔11に対してケーブルコネクタ70を容易に挿入することができる。
また、コネクタハウジング71のガイド壁71dは、後端面71cの位置において横断面が貫通孔11よりも若干大きい。より詳しくは、コネクタハウジング71の後端側において、ガイド壁71dの長辺及び短辺の少なくとも一方が、貫通孔11の長辺及び短辺の各寸法よりも若干大きい。これによれば、ケーブルコネクタ70(コネクタハウジング71)を貫通孔11に挿入させる過程で、ガイド壁71dの後端側が貫通孔11の内壁面と摺接(摺動)する。
このように、ガイド壁71dを貫通孔11の内壁面に摺接させつつケーブルコネクタ70を挿入することで、ガイド壁71dは、ケーブルコネクタ70における一対の信号用ランド73をLGAソケット4の信号用コンタクトピン41cの各々に案内する。また、ガイド壁71dは、ケーブルコネクタ70におけるGND用ランド74をLGAソケット4のGND用コンタクトピン41bに案内する。つまり、ケーブルコネクタ70における一対の信号用ランド73をLGAソケット4の信号用コンタクトピン41cの各々に位置を合わせ、GND用ランド74をGND用コンタクトピン41bに位置を合わせることができる。
そして、ケーブルコネクタ70を貫通孔11に規定位置まで挿入することで、ケーブルコネクタ70における信号用ランド73をLGAソケット4の信号用コンタクトピン41cに押し付けることでこれらを圧接することができる。また、ケーブルコネクタ70におけるGND用ランド74をLGAソケット4のGND用コンタクトピン41bに押し付けることでこれらを圧接することができる。これにより、図10に示すように、LGAソケット4の信号用コンタクトピン41cを介して、ケーブルコネクタ70の信号用ランド73をパッケージ側信号用ランド25cと電気的に接続することができる。また、LGAソケット4のGND用コンタクトピン41bを介して、ケーブルコネクタ70のGND用ランド74をパッケージ側GND用ランド25bと電気的に接続することができる。
なお、ケーブルコネクタ70における後端側の横断面は貫通孔11よりも若干大きいため、ケーブルコネクタ70が規定位置まで挿入された状態では、貫通孔11の内壁面に対してガイド壁71dが係合されている。これにより、コネクタ付きケーブル50の重量に抗して、ケーブルコネクタ70を貫通孔11に嵌合させることができ、以ってコネクタ側コンタクト72とLGAソケット4のコンタクトピン41との接触状態を維持することができる。なお、図10に示すように、ボルスタープレート8の背面側には、ケーブル保持固定板9が固定具90(図2を参照)によって固定されている。また、ボルスタープレート8及びケーブル保持固定板9における配線基板1の貫通孔11に対応する位置には、それぞれ挿通孔8a,9aが形成されている。コネクタ付きケーブル50は、ケーブル保持固定板9の挿通孔9b及びボルスタープレート8の挿通孔8aを挿通される。ケーブル保持固定板9は、例えばコネクタ付きケーブル50のケーブル部60におけるシース64と挿通孔9aの縁部との間の摩擦力等によってコネクタ付きケーブル50を保持し、コネクタ付きケーブル50の抜け落ちを抑制する構造としてもよい。
本実施形態におけるケーブルコネクタ70によれば、コネクタ付きケーブル50における差動信号用芯線61を、配線基板1の配線パターン10を介さずに、半導体パッケージ2の半導体チップ22に伝送することができる。つまり、配線基板1の配線パターン10を介さずに配線基板1間で高速の電気信号を伝送することができるため、伝送損失を低減することができる。
<変形例>
次に、変形例に係るケーブルコネクタ70Aについて説明する。図12は、変形例に係るケーブルコネクタ70Aを示す図である。ケーブルコネクタ70Aは、コネクタハウジング71の内部にコネクタ部75が格納されており、ケーブル部60の先端側に対して装着されている。
コネクタ部75は、ケーブル部60における差動信号用芯線61の先端に接続される延長用芯線76が設けられている。更に、コネクタ部75は、延長用芯線76の周囲を覆うと共に絶縁体62の先端に接続される延長用絶縁体77と、この延長用絶縁体77の周囲を覆うと共に導電性シールド層63の先端に接続される延長用導電性シールド層78を有している。また、本変形例において、コネクタ部75の延長用芯線76とケーブル部60の差動信号用芯線61との接続部は、例えば何れか一方をオス型のピンインサートとし、他方をメス型のソケットインサートとして形成することで、着脱自在となっていてもよい。この場合、コネクタ付きケーブル50のケーブル部60に対して、コネクタ部75を含むケーブルコネクタ70Aを着脱自在に装着できる。また、コネクタ部75の延長用芯線76とケーブル部60の差動信号用芯線61との接続部において、延長用芯線76及び差動信号用芯線61を半田によって接合してもよい。
また、ケーブルコネクタ70Aのコネクタ部75は、延長用芯線76、延長用絶縁体77及び延長用導電性シールド層78の先端が、ケーブルコネクタ70Aの先端面であるコネクタ先端面70aまで延伸している。そして、図12に示すように、ケーブルコネクタ70Aにおけるコネクタハウジング71は、コネクタ部75の先端面75aとコネクタハウジング71の先端面71bとが同一平面内に位置するように、コネクタ部75の外周側に取り付けられている。その結果、コネクタハウジング71の先端面71b及びコネクタ部75の先端面75aによって、ケーブルコネクタ70Aのコネクタ先端面70aが形成されている。
また、コネクタ先端面70aには、LGAソケット4のコンタクトピン41に接触させるコネクタ側コンタクト72が形成されており、コネクタ側コンタクト72は、一対の信
号用ランド73A及びGND用ランド74Aを含んでいる。一対の信号用ランド73Aは、各延長用芯線76の先端に接続されると共に、コネクタ部75の先端面75a上に互いに独立して形成されている。また、GND用ランド74Aは、延長用導電性シールド層78の先端に接続されると共にコネクタハウジング71の先端面71b上に一対の信号用ランド73Aの各々と独立して設けられている。
ケーブルコネクタ70Aは、ケーブル部60における差動信号用芯線61、絶縁体62、導電性シールド層63を延長する延長用芯線76、延長用絶縁体77、延長用導電性シールド層78を含むコネクタ部75をコネクタハウジング71内に格納している。そして、本変形例に係るケーブルコネクタ70Aにおいても、図7、9、10等で説明したケーブルコネクタ70と同様、コネクタ付きケーブル50と半導体パッケージ2との間の高速ケーブル伝送を実現することができる。そして、ケーブルコネクタ70Aは、コネクタ付きケーブル50における差動信号用芯線61及び導電性シールド層63を、配線基板1の配線パターン10を介さずにパッケージ側信号用ランド25c及びパッケージ側GND用ランド25bと電気的に接続できる。これにより、コネクタ付きケーブル50と半導体パッケージ2との間の高速ケーブル伝送において、信号の伝送損失を低減することができる。
<実施形態2>
次に、実施形態2について説明する。図13は、実施形態2に係る配線基板1の断面構造を示す部分拡大図である。図14は、実施形態2に係るケーブルコネクタ70Bの縦断面構造を示す図である。実施形態2に係るケーブルコネクタ70Bは、コネクタ付きケーブル50におけるケーブル部60の先端に取り付けられている。実施形態2におけるケーブルコネクタ70Bは、実施形態1におけるケーブルコネクタ70よりも軸方向の長さが短くなっているが、その他の構造は図7に示したケーブルコネクタ70と共通である。以下、実施形態1に係る配線基板1との相違点を中心に説明する。
本実施形態においては、LGAソケット4の下面に、ケーブルコネクタ70の先端側を挿入及び嵌合するための凹部45が形成されている。LGAソケット4の下面は、配線基板1の実装面1aに対向する方の面である。凹部45は、LGAソケット4のうち、信号用コンタクトピン41c及びGND用コンタクトピン41bに対応する位置、即ち、ケーブルコネクタ70のコネクタ側コンタクト72を装着する位置に形成されており、矩形状の横断面を有している。図13に示すように、本実施形態におけるLGAソケット4は、信号用コンタクトピン41cを格納する格納室44とGND用コンタクトピン41bを格納する格納室44との間を区画する区画壁43aが他の区画壁43に比べて短くなっている。これにより、LGAソケット4の下面側に、コネクタハウジング71を収容可能とするための凹部45が形成される。
ところで、ケーブルコネクタ70Bにおけるコネクタハウジング71のガイド壁71dは、先端面71bの位置において横断面が凹部45よりも小さい。より詳しくは、コネクタハウジング71の先端側において、ガイド壁71dの長辺及び短辺の各寸法が、凹部45の長辺及び短辺の各寸法よりも小さい。また、コネクタハウジング71のガイド壁71dは、後端面71cの位置において横断面が凹部45よりも若干大きくなっている。より詳しくは、コネクタハウジング71の後端側において、ガイド壁71dの長辺及び短辺の少なくとも一方が、凹部45の長辺及び短辺の各寸法よりも若干大きい。更に、コネクタハウジング71のガイド壁71dは、後端面71cの位置においても、その横断面が配線基板1の貫通孔11よりも一回り小さくなっている。
図15Aは、実施形態2に係る配線基板1の貫通孔11にケーブルコネクタ70Bを挿入している途中の状態を示す図である。図15Bは、実施形態2に係るLGAソケット4
の凹部45にケーブルコネクタ70Bを挿入している途中の状態を示す図である。図15Cは、実施形態2に係るケーブルコネクタ70Bのコネクタ側コンタクト72をLGAソケット4のコンタクトピン41に接続した後の状態を示す図である。
図15Aに示すように、ケーブルコネクタ70Bは、配線基板1における非実装面1b側から貫通孔11に挿入される。配線基板1の貫通孔11にケーブルコネクタ70Bを挿入する際、配線基板1の貫通孔11とコネクタハウジング71との間にはクリアランス(隙間)が形成される。これにより、貫通孔11の内壁面に対してケーブルコネクタ70Bを干渉させることなく、LGAソケット4へと円滑にケーブルコネクタ70Bを導くことができる。そして、図15Bに示すように、ケーブルコネクタ70Bは、コネクタ側コンタクト72側からLGAソケット4の凹部45へと挿入される。その際、コネクタハウジング71の先端側は凹部45の横断面よりも小さいため、凹部45に対してコネクタハウジング71を容易に挿入することができる。
そして、凹部45に対するコネクタハウジング71の挿入が進んでゆくと、ガイド壁71dが凹部45の内壁面に摺接する。これにより、ケーブルコネクタ70Bにおける一対の信号用ランド73が、LGAソケット4の信号用コンタクトピン41cの各々に自動で位置合わせされ、GND用ランド74がGND用コンタクトピン41bに自動で位置合わせされる。
そして、LGAソケット4の凹部45に対してケーブルコネクタ70Bを規定位置まで挿入すると、図15Cに示すように、一対の信号用ランド73が信号用コンタクトピン41cに押し当てられ、これらが圧接される。また、GND用ランド74がGND用コンタクトピン41bに押し当てられ、これらが圧接される。その結果、LGAソケット4の信号用コンタクトピン41cを介して、ケーブルコネクタ70Bの信号用ランド73をパッケージ側信号用ランド25cと電気的に接続することができる。また、LGAソケット4のGND用コンタクトピン41bを介して、ケーブルコネクタ70BのGND用ランド74をパッケージ側GND用ランド25bと電気的に接続することができる。
ここで、ケーブルコネクタ70Bにおける後端側の横断面はLGAソケット4の凹部45よりも若干大きい。そのため、ケーブルコネクタ70Bが規定位置まで挿入された状態では、LGAソケット4における凹部45の内壁面に対してガイド壁71dが係合されている。これにより、コネクタ付きケーブル50の重量に抗して、ケーブルコネクタ70BをLGAソケット4の凹部45に嵌合させることができ、以ってコネクタ側コンタクト72とLGAソケット4のコンタクトピン41との接触状態を維持することができる。一方、配線基板1の貫通孔11は、ケーブルコネクタ70Bの横断面に比べて大きな寸法として形成することができるため、配線基板1に貫通孔11を穿設する際に高い加工精度が要求されないという利点がある。
以上、実施形態に係るケーブルコネクタ及びそれを備えた配線基板について説明したが、実施形態には種々の変更、改良、組み合わせ等が可能である。例えば、上述までの実施形態では、ケーブルコネクタ70を差動伝送ケーブルに取り付ける場合を例に説明したが、その他の電気ケーブルに適用してもよい。また、本実施形態においては、LGAソケット4を介して、ケーブルコネクタ70の信号用ランド73を半導体パッケージ2のパッケージ側信号用ランド25cと電気的に接続しているが、これには限られない。
1・・・配線基板
1a・・・実装面
1b・・・非実装面
2・・・半導体パッケージ
3・・・メモリ
4・・・LGAソケット
5・・・冷却ユニット
10・・・配線パターン
11・・・貫通孔
21・・・パッケージ基板
22・・・半導体チップ
25・・・パッケージ側ランド
25a・・・パッケージ側電源用ランド
25b・・・パッケージ側GND用ランド
25c・・・パッケージ側信号用ランド
41・・・コネクタ付きケーブル
41a・・・電源用コンタクトピン
41b・・・GND用コンタクトピン
41c・・・信号用コンタクトピン
42・・・支持基材
43・・・区画壁
50・・・コネクタ付きケーブル
60・・・ケーブル部
61・・・差動信号用芯線
62・・・絶縁体
63・・・導電性シールド層
64・・・シース
70・・・ケーブルコネクタ
70a・・・先端面
71・・・コネクタハウジング
71d・・・ガイド壁
72・・・コネクタ側コンタクト
73・・・信号用ランド
74・・・GND用ランド
100・・・基板ユニット

Claims (6)

  1. 配線基板の実装面に実装される半導体パッケージの電極にケーブルの芯線を電気的に接続するケーブルコネクタであって、
    前記ケーブルの先端側に取り付けられ、且つ、前記配線基板を厚さ方向に貫通する貫通孔に挿入可能なコネクタハウジングと、
    前記ケーブルコネクタの先端面に形成され、前記芯線と電気的に接続される信号用ランドを含むコネクタ側コンタクトと、
    を備え
    前記コネクタ側コンタクトにおける前記信号用ランドは、前記実装面と前記半導体パッケージとの間に配設されたLGAソケットの信号用コンタクトを介して、前記半導体パッケージに形成されたパッケージ側信号用ランドと電気的に接続され、
    前記コネクタハウジングは、前記LGAソケットに形成された凹部に挿入可能であり、且つ、前記凹部の内壁面と摺接することで前記コネクタ側コンタクトにおける前記信号用ランドを前記信号用コンタクトに案内するガイド壁を有する、
    ケーブルコネクタ。
  2. 前記コネクタハウジングは、前記貫通孔の内壁面と摺接することで前記コネクタ側コンタクトにおける前記信号用ランドを前記信号用コンタクトに案内するガイド壁を有する、
    請求項に記載のケーブルコネクタ。
  3. 前記ケーブルにおける前記芯線は、絶縁体に覆われる2本の差動信号用芯線を含み、
    前記ケーブルコネクタの前記先端面において、前記差動信号用芯線の各々と電気的に接続される前記信号用ランドが互いに独立して形成されている、
    請求項1又は2に記載のケーブルコネクタ。
  4. 前記ケーブルは、
    前記芯線の外周を覆う絶縁体と、
    前記絶縁体の周囲を覆う導電性シールド層と、
    を含み、
    前記ケーブルコネクタの前記先端面において、前記導電性シールド層と電気的に接続さ
    れるGND用ランドが前記信号用ランドと独立して形成されており、当該GND用ランドは、前記LGAソケットに設けられたGND用コンタクトを介して前記半導体パッケージに形成されたパッケージ側GND用ランドと電気的に接続される、
    請求項からの何れか一項に記載のケーブルコネクタ。
  5. 前記ケーブルコネクタは、前記コネクタハウジング内に格納されたコネクタ部であって、前記ケーブルにおける前記芯線の先端に接続されると共に前記先端面まで延在する延長用芯線を有するコネクタ部を有し、
    前記先端面において、前記延長用芯線の先端に前記信号用ランドが形成されている、
    請求項からの何れか一項に記載のケーブルコネクタ。
  6. 実装面に実装された半導体パッケージと、当該半導体パッケージの電極にケーブルの芯線を電気的に接続するケーブルコネクタと、を備える配線基板であって、
    前記ケーブルコネクタは、
    前記ケーブルの先端側に取り付けられ、且つ、前記配線基板を厚さ方向に貫通する貫通孔に挿入可能なコネクタハウジングと、
    前記ケーブルコネクタの先端面に形成され、前記芯線と電気的に接続される信号用ランドを含むコネクタ側コンタクトと、を有し、
    前記コネクタ側コンタクトにおける前記信号用ランドは、前記実装面と前記半導体パッケージとの間に配設されたLGAソケットの信号用コンタクトを介して、前記半導体パッケージに形成されたパッケージ側信号用ランドと電気的に接続され、
    前記コネクタハウジングは、前記LGAソケットに形成された凹部に挿入可能であり、且つ、前記凹部の内壁面と摺接することで前記コネクタ側コンタクトにおける前記信号用ランドを前記信号用コンタクトに案内するガイド壁を有する、
    配線基板。
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