JP6569309B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱陰極フィラメントを有する低圧放電灯を点灯する放電灯点灯装置に関する。
特許文献1は、低周波のフィラメント電流を供給することができる放電灯点灯装置を開示する。この点灯装置は、フィラメント用電源として商用電源用トランスを備え、トランスの一次側が商用電源に接続され、二次側の2つの巻線が一対のフィラメントにそれぞれ接続される。すなわち、商用電源電圧から降圧されて生成された低周波電圧がフィラメントに印加され、フィラメント電流が流れる。
特許文献2は、蛍光ランプのランプ電流及びフィラメント電流をハーフブリッジ回路から供給する放電灯点灯装置を開示する。この放電灯点灯装置では、一方のフィラメント電流の経路に挿入接続されたシャント抵抗によってフィラメントに流れる電流が電圧値に変換され、この電圧に基づいてハーフブリッジ回路の駆動周波数が制御される。これにより、フィラメント電流、すなわち予熱量が制御される。
特開平6−251883号公報 特開平10−340791号公報
しかし、特許文献1のようなフィラメント電流の供給構成(以下、「商用電源トランス方式」という)には、以下のような問題がある。
第1に、放電灯の始動性低下、更には点灯特性の低下の問題がある。具体的には、点灯装置(フィラメント電源用のトランス)と放電灯との間の出力配線の抵抗成分による電圧降下のためにフィラメント電流が減少し得ることが問題となる。例えば、フィラメントの抵抗値が2.5Ω、出力配線の長さが50m、出力配線の導体断面積が0.75mmである場合、出力配線の抵抗値は、フィラメントの抵抗値と同じ約2.5Ωとなる。商用電源トランスは電圧源として作用し、出力配線はフィラメントに直列接続されるので、上記の場合、出力配線が充分に短い場合に比べて約半分の電圧、すなわち約半分の電流しかフィラメントに供給されないことになる。その結果として、ランプ始動前の予熱期間において、フィラメントから放出される電子放射物質が不十分となり、放電灯の始動性が低下する。また、ランプ始動後の安定点灯時においても、適切な値の電流がフィラメントに供給されないことは、放電灯の点灯特性の観点から好ましくない。この電圧降下の影響を小さくするために導体断面積の大きい配線を使用して出力配線の抵抗値を低減すること、又は全ての点灯装置に対して出力配線の長さを統一して電圧降下の影響を予め考慮して設計することは、理論上は可能であるが、これらの対策は配線コスト及び配線の取り回しの観点から現実的ではない。したがって、商用電源トランス方式によると、出力配線の長さに応じてフィラメント電流を適正化することが難しく、放電灯の始動性が低下するとともに適正な点灯特性が確保されなくなる。
第2に、点灯装置の大型化及びラインナップ増加の問題がある。上述したように商用電源トランス方式においては、商用周波数用のトランスを用いる必要があるため、そのサイズ及び重量が増大する。また、商用電源の電圧及び想定されるフィラメント電圧に応じた巻数比のトランスが必要となることから、商用電源の仕様及び放電灯の仕様に応じて異なるトランスを用意する必要があり、フィラメント用電源の標準化が難しい。したがって、商用電源トランス方式によると、フィラメント用電源乃至は点灯装置の小型化及び標準化を図ることが難しい。
第3に、フィラメントへの出力に関する各種機能の適切な付加が課題となる。具体的には、上述のようにフィラメントに所望の電流を通電する機能が付加されることが望ましい。一方、フィラメントへの出力において短絡状態又は開放状態が発生する可能性があり、このような短絡状態又は開放状態に起因するフィラメント用電源又は点灯装置の故障を防止する機能が付加される必要がある。また、ランプは一対のフィラメントを有するが、上記の各機能を付加しつつも、付加された回路要素によって双方のフィラメント電流のバランスが崩れないようにすることが望ましい。フィラメント電流のバランスが崩れる一例として、特許文献2のように、一方のフィラメントに電流検出用の抵抗が挿入接続される構成の場合、この抵抗での損失によって当該フィラメントの電流が他方のフィラメントの電流よりも少なくなってしまう。もちろん、上記の全ての機能を実現するための回路構成を双方のフィラメントに対して2組付加すればフィラメント電流のバランスは確保されるが、これでは点灯装置が複雑化及び高コスト化してしまう。したがって、両フィラメントへの出力に関する各種機能を、フィラメント電流のバランスを維持しつつ簡素かつ低コストに付加する構成が必要となる。
そこで、本発明は、一対の熱陰極フィラメントを有する低圧放電灯を点灯する放電灯点灯装置において、出力配線の長さにかかわらずフィラメント電流を適正化し、点灯装置の小型化及び標準化を図り、かつ熱陰極フィラメントへの出力に関する各種機能を適切な態様で付加することを課題とする。
本発明の、第1及び第2の熱陰極フィラメントを有する低圧放電灯を点灯する放電灯点灯装置は、低圧放電灯にランプ電圧又はランプ電流を供給する第1の電源回路と、第1の電源回路の一部から入力される直流電圧を直流の第1及び第2のフィラメント電流に変換して第1及び第2のフィラメント電流を第1及び第2の熱陰極フィラメントにそれぞれ供給する絶縁型のDC/DCコンバータ、第1のフィラメント電流を検出する第1の電流検出回路並びに第2のフィラメント電流を検出する第2の電流検出回路を有する第2の電源回路と、第1の電流検出回路によって検出される第1の電流検出値が目標値に一致するようにDC/DCコンバータを制御する定電流制御を実行し、第2の電流検出回路によって検出される第2の電流検出値が所定範囲外となる場合にDC/DCコンバータの出力動作を停止させる保護動作を実行するように構成された制御部とを備える。
本発明の放電灯点灯装置によると、主電源回路の一部から入力される直流電圧がフィラメント用電源回路のDC/DCコンバータによって直流の第1及び第2のフィラメント電流に変換され、第1のフィラメント電流が制御部によって定電流制御される一方で、第2のフィラメント電流が所定範囲外となるとDC/DCコンバータの出力動作が停止される。このような構成により、放電灯点灯装置から低圧放電灯までの出力配線の抵抗成分に起因する電圧降下にかかわらず所望値の電流をフィラメントに通電することが可能となる。これにより、出力配線の長さにかかわらず、フィラメント電流が適正化され、低圧放電灯の始動性の向上及び安定点灯中における適正な点灯特性の確保が可能となる。また、第2の電源回路がDC/DCコンバータによって構成されるので、商用電源トランスを用いる商用電源トランス方式に比べて放電灯点灯装置が大幅に小型化される。更に、第2の電源回路がDC/DCコンバータによって構成されるので、入力電源電圧の値にかかわらず、又は低圧放電灯の種類にかかわらず、実質的に同じ回路構成の第2の電源回路を採用することができるため、放電灯点灯装置の標準化が可能となる。また更に、第1のフィラメント電流の定電流制御が実行されつつ、第2のフィラメント電流の異常時に第2の電源回路の保護動作が実行されるので、両熱陰極フィラメントへの出力の異常に対する保護機能が実現される。そして、第2のフィラメント電流の保護動作を実現する回路においては定電流制御が不要であるので、定電流制御のための回路を第1及び第2の熱陰極フィラメントに対して2組設ける場合よりも簡素かつ低コストな構成が実現される。
ここで、第1の電流検出回路が第1のフィラメント電流の経路に挿入接続された第1の抵抗素子からなり、第2の電流検出回路が第2のフィラメント電流の経路に挿入接続された第2の抵抗素子からなり、前記第1のフィラメント電流と前記第2のフィラメント電流とが等しくなるように第1及び第2の抵抗素子の抵抗値が設定されることが好ましい。これにより、第1及び第2のフィラメント電流のバランスが確保される。
また、第2の電源回路は、第1のフィラメント電流を出力する第1の出力回路、第2のフィラメント電流を出力する第2の出力回路、及び第1の出力回路の出力電圧を検出する第1の電圧検出回路を有し、制御部は、第1の電圧検出回路によって検出される電圧検出値が上限値以下となるようにDC/DCコンバータを制御するように構成される。これにより、第1の熱陰極フィラメントへの出力の開放状態に対する保護機能が強化される。
また、第2の電源回路は、第1のフィラメント電流を出力する第1の出力回路、第2のフィラメント電流を出力する第2の出力回路、及び第2の出力回路の出力電圧を検出する第2の電圧検出回路を有し、制御部は、第2の電圧検出回路によって検出される電圧検出値が所定範囲外となる場合に保護動作を実行するように構成される。これにより、第2の熱陰極フィラメントへの出力の開放状態に対する保護機能が簡素かつ低コストな構成で強化される。
さらに、DC/DCコンバータの起動後であって第1の電源回路からランプ電圧が出力される前の予熱期間において、予熱期間の開始直後の所定期間に、制御部が目標値を段階的又は連続的に上昇させるように構成されてもよい。これにより、第2の熱陰極フィラメントへの出力が短絡又は開放していた場合であっても上記所定期間中に保護動作が実行され、その後に大きなストレスが回路部品にかかることが未然に防止される。
また、DC/DCコンバータの起動後であって第1の電源回路からランプ電圧が出力される前の予熱期間の一部を含む所定期間において、制御部が、目標値を安定点灯期間における目標値よりも上昇させるとともに保護動作を無効化するように構成されてもよい。これにより、上記所定期間においてフィラメント加熱が加速されることによって、予熱期間が短縮されて迅速な点灯動作が得られるとともに保護機能の誤作動が防止される。
また、DC/DCコンバータがフライバックコンバータからなることが好ましい。これにより、上述した有利な効果の各々が簡素な構成で実現される。
本発明の第1の実施形態による放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。 第1の実施形態を補足する図である。 第1の実施形態による放電灯点灯装置の動作を説明する図である。 本発明の第2及び第3の実施形態による放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。 第2及び第3の実施形態を補足する図である。 第2及び第3の実施形態による放電灯点灯装置の代替の回路構成を示す図である。 第2の実施形態による放電灯点灯装置の動作を説明する図である。 第3の実施形態による放電灯点灯装置の動作の一例を説明する図である。 第3の実施形態による放電灯点灯装置の動作の他の例を説明する図である。 本発明の変形例による放電灯点灯装置の回路構成を部分的に示す図である。
<第1の実施形態>
図1に、本発明の第1の実施形態による放電灯点灯装置1(以下、「点灯装置1」という)の回路構成を示す。点灯装置1は、主電源回路2、フィラメント用電源回路3及び制御部4を備える。点灯装置1は、商用電源等の交流電源ACから給電され、出力配線W1、W2、W3及びW4介して低圧放電灯5(以下、「放電灯5」という)に電力を供給する。必要に応じて、イグナイタ6が、出力配線W3及びW4上において放電灯5側に接続される。具体的には、点灯装置1は、出力端子T1、T2、T3及びT4を有し、放電灯5(又は放電灯5及びイグナイタ6を含むユニット、以下同じ)は入力端子T5、T6、T7及びT8を有し、端子T1、T2、T3及びT4と端子T5、T6、T7及びT8の間に出力配線W1、W2、W3及びW4がそれぞれ接続される。
放電灯5は、一対の熱陰極フィラメント51及び52(以下、それぞれ「フィラメント51及び52」という)を有する。フィラメント51は端子T7及びT8に接続され、フィラメント52は端子T5及びT6に(イグナイタ6が接続される場合にはイグナイタ6を介して)接続される。フィラメント51及び52が加熱されることにより、放電に寄与する電子放電物質が放出される。
なお、本明細書における用語の定義は以下の通りである。放電灯5の両端間(すなわちフィラメント51−52間)に印加される電圧及び通電される電流をそれぞれ「ランプ電圧」及び「ランプ電流」という。フィラメント51及び52に流れる電流を総称して「フィラメント電流」といい、フィラメント51に流れる電流及びフィラメント52に流れる電流をそれぞれ「フィラメント電流i51」及び「フィラメント電流i52」という。また、放電灯5が絶縁破壊することにより放電を開始する動作を「ランプ始動」といい、ランプ始動前にフィラメント電流が通電される動作を「予熱」といい、ランプ始動後にランプ電流が通電される動作を「安定点灯」というものとする。また、フィラメント電流について、予熱期間中に流れるフィラメント電流を「予熱電流」ともいう。また、フィラメント電流の定電流制御とは、フィラメント電流の値をある目標値一致させる制御のことをいい、目標値が固定されているか変動しているかは、この用語の定義に影響しない。また、以降の説明において、各回路素子の各回路への区分けは説明の便宜上のものであり、本発明を拘束するものではない。
主電源回路2は、整流回路20、昇圧コンバータ22、降圧コンバータ24及びフルブリッジ回路25を備える。概略として、交流電源ACからの入力電圧が整流回路20によって整流され、整流回路20の整流出力が昇圧コンバータ22によって昇圧され、昇圧コンバータ22の昇圧出力が降圧コンバータ24によって降圧され、降圧コンバータ24からの降圧出力がフルブリッジ回路25によって交流変換される。フルブリッジ回路25によって交流変換された電力が出力配線W1及びW4を介して放電灯5の両端間に供給される。すなわち、主電源回路2は、昇圧コンバータ22、降圧コンバータ24及びフルブリッジ回路25によってDC/ACコンバータを構成し、後述するように放電灯5に低周波のランプ電圧又は電流を供給する。
整流回路20は、ダイオードブリッジ等の全波整流回路からなる。入力電源が交流電源ではなく、バッテリ等の直流電源である場合には整流回路20は不要である。なお、整流回路20の前段又は後段には、ノイズフィルタ、電流ヒューズ、バリスタ等の入力回路(不図示)が必要に応じて設けられる。
昇圧コンバータ22は、MOSFET等のスイッチング素子221、インダクタ222、ダイオード223及び平滑コンデンサ224を含み、整流回路20の整流出力を昇圧して平滑化する。スイッチング素子221のオン時にインダクタ222→スイッチング素子221に電流が流れ、インダクタ222にエネルギーが蓄えられる。スイッチング素子221のオフ時に、インダクタ222に蓄えられているエネルギーにより、インダクタ222→ダイオード223→平滑コンデンサ224に電流が流れ、平滑コンデンサ224が充電される。スイッチング素子221は、昇圧コンバータ22の昇圧出力電圧が所定値となるように制御部4(制御回路40)によってPWM駆動される。なお、平滑コンデンサ224の低電位側電極と同電位のノードをグランドG1というものとする。
降圧コンバータ24は、MOSFET等のスイッチング素子241、インダクタ242、ダイオード243及びコンデンサ244を含み、昇圧コンバータ22の昇圧出力から、制限された電流を生成する。スイッチング素子241のオン時にスイッチング素子241→インダクタ242→フルブリッジ回路25→放電灯5→フルブリッジ回路25→電流検出抵抗246に電流が流れ、インダクタ242にエネルギーが蓄えられる。スイッチング素子241のオフ時に、インダクタ242に蓄えられているエネルギーにより、インダクタ242→フルブリッジ回路25→放電灯5→フルブリッジ回路25→電流検出抵抗246→ダイオード243に電流が流れる。コンデンサ244は降圧コンバータ24の出力を平滑する。スイッチング素子241は、制御部4(制御回路40)によってPWM駆動され、そのオン幅(オンデューティ)は制御回路40において決定される。
また、降圧コンバータ24は、電圧検出回路245及び電流検出回路246を含む。電圧検出回路245は降圧コンバータ24の出力端に並列接続された抵抗分圧回路からなり、ノードAに示す分圧値(以下、「検出値A」という)が制御回路40に入力される。これにより、降圧コンバータ24の出力電圧が検出される。なお、ランプ電圧値は降圧コンバータ24の出力電圧値に実質的に等しい。電流検出回路246は低抵抗素子からなり、降圧コンバータ24の出力電流経路に挿入され、ノードBに示す電流検出回路246に発生する電圧値(以下、「検出値B」という)が制御回路40に入力される。これにより、降圧コンバータ24の出力電流が検出される。なお、ランプ電流値は降圧コンバータ24の出力電流値に実質的に等しい。
フルブリッジ回路25は、MOSFET等からなるスイッチング素子251、252、253及び254を含むフルブリッジを構成し、降圧コンバータ24の直流出力を交流変換する。スイッチング素子251及び252の接続点が端子T1を介して出力配線W1に接続され、スイッチング素子253及び254の接続点が端子T4を介して出力配線W4に接続される。これにより、フルブリッジ回路25からの交流出力が放電灯5に供給される。制御回路40に含まれるドライバによってスイッチング素子251及び254と、スイッチング素子252及び253とが、50Hz〜1kHz程度の周波数(以下、「低周波」という)で交互にオンオフされる。これにより、低周波矩形波の電圧又は電流が出力配線W1及びW4を介して放電灯5に印加又は通電される。
フィラメント用電源回路3は、DC/DCコンバータ30、電流検出回路31、電圧検出回路32、電流検出回路33及び電圧検出回路34を備える。概略として、フィラメント用電源回路3は、昇圧コンバータ22の出力端から入力される直流電圧を二出力の直流電流に変換する。一方の出力が出力配線W3及びW4を介してフィラメント51に供給され、他方の出力が出力配線W1及びW2を介してフィラメント52に供給される。これにより、直流のフィラメント電流がフィラメント51及び52の各々に供給される。
DC/DCコンバータ30は、MOSFET等からなるスイッチング素子301、トランス302、出力回路30aのダイオード303及び出力コンデンサ304、並びに出力回路30bのダイオード305及び出力コンデンサ306を含み、絶縁型のフライバックコンバータ(降圧コンバータ)を構成する。DC/DCコンバータ30の1次側の基準電位はグランドG1であり、2次側の基準電位は出力コンデンサ304の低電位側電極と同電位のノード(以下、「グランドG2」という)となる。なお、図1においては、出力コンデンサ304及び306として電解コンデンサを図示しているが、スイッチング素子301のスイッチング動作による高周波リップルを除去できれば、出力コンデンサ304及び306はフィルムコンデンサ等であってもよい。
DC/DCコンバータ30において、スイッチング素子301のオン期間にトランス302の一次巻線によってエネルギーが蓄積され、スイッチング素子301のオフ期間にそのエネルギーがトランス302の2次巻線側に出力される。スイッチング素子301は、制御回路40によって数10kHz〜100kHz程度の高周波でPWM駆動される。出力回路30aにおいて一方の2次巻線の出力がダイオード303を介してコンデンサ304に充電され、出力回路30bにおいて他方の2次巻線の出力がダイオード305を介してコンデンサ306に充電される。DC/DCコンバータ30の出力は、スイッチング素子301のPWM駆動におけるオンデューティ(オン幅)、トランス302の1次巻線に対する2次巻線の巻数比等によって決まる。出力回路30aからの出力電流は、端子T4→出力配線W4→端子T8→イグナイタ6(トランス604)→フィラメント51→イグナイタ6(トランス604)→端子T7→出力配線W3→端子T3に流れ、フィラメント電流i51となる。一方、出力回路30bからの出力電流は、端子T1→出力配線W1→端子T5→フィラメント52→端子T6→出力配線W2→端子T2に流れ、フィラメント電流i52となる。
電流検出回路31は電流検出抵抗310からなり、出力回路30aの出力電流(すなわち、フィラメント電流i51)を検出する。電流検出抵抗310はグランドG2と端子T3(出力配線W3)の間に挿入接続された低抵抗素子からなり、フィラメント電流i51に比例した電圧が電流検出抵抗310に発生する。電流検出抵抗310によって検出される検出電流値は、後述のフィードバック回路41に入力される。
電圧検出回路32は出力コンデンサ304に並列接続された分圧抵抗回路からなり、出力回路30aの出力電圧を検出する。この出力電圧は、フィラメント51の両端電圧から配線W3及びW4並びにトランス604の2次巻線での降下電圧を減じた電圧であり、フィラメント51の両端電圧を間接的に示す電圧でもある。電圧検出抵抗32によって検出される出力回路30aの出力電圧値は、後述のフィードバック回路41に入力される。
電流検出回路33は電流検出抵抗330及びフォトカプラ331を備え、出力回路30bの出力電流(すなわち、フィラメント電流i52)を検出する。電流検出抵抗330は出力コンデンサ306の負極端と端子T2(出力配線W2)の間に挿入接続された低抵抗素子からなり、フィラメント電流i52に比例した電圧が電流検出抵抗330に発生する。フォトカプラ331のフォトダイオードのアノード端が電流検出抵抗330の高電位端に、フォトダイオードのカソード端が電流検出抵抗330の低電位端に接続される。フォトカプラ331のフォトトランジスタは基準電位をグランドG1として制御回路40に接続される。例えば、フォトトランジスタのコレクタ端子が不図示の抵抗を介して制御回路40の制御電源に接続され、エミッタ端子がグランドG1に接続されるようにすればよい。あるいは、フォトトランジスタのコレクタ端子が制御回路40の制御電源に接続され、エミッタ端子が不図示の抵抗を介してグランドG1に接続されるようにしてもよい。いずれの場合であっても電流検出抵抗330の電圧(すなわちフィラメント電流i52)の増減に応じて、フォトカプラ331のフォトトランジスタの出力値D(以下、「検出値D」という)が変化する。
電流検出回路33によって、出力回路30aの出力短絡時の保護機能が実現される。例えば、誤配線等により出力配線W1−W2間で短絡状態が発生した場合、フィラメント52が短絡故障した場合等に、電流検出抵抗330の電圧が増大する。電流検出抵抗330の電圧が増大して検出値Dが所定範囲外となると、制御回路40は出力短絡状態を判別し、DC/DCコンバータ30の出力動作、すなわちスイッチング素子301の駆動を停止させる。
ここで、電流検出抵抗310の抵抗値と電流検出抵抗330の抵抗値とはフィラメント電流i51とフィラメント電流i52とが実質的に等しくなるように設定される。これにより、両フィラメント電流のバランスが確保される。例えば、イグナイタ6が接続される場合には、後述のイグナイタ6のトランス604の2次巻線による電圧降下も考慮して、フィラメント51及び52の両端電圧が等しくなるように、電流検出抵抗310の抵抗値よりも電圧検出抵抗330の抵抗値の方が若干大きくなるように設定される。なお、DC/DCコンバータ30の設計上、トランス302の2次巻線の巻数には制限があり(巻数を少なくする必要があり)、出力回路30a及び30bに対する2次巻数比を調整することによってフィラメント電流i51及びi52のバランスを調整することは難しい。より具体的には、仮に、フィラメント51に対して電流検出抵抗310が接続される一方でフィラメント52に対して電流検出抵抗330が接続されなかったとした場合、電流検出抵抗310での損失によってi51<i52となってしまう。そして、このような場合に、トランス302の2次巻線の巻数比を調整することによって両電流の差分を相殺してi51=i52とすることは難しい。この問題は、上述したようにフィラメント電流の経路にイグナイタ6(トランス604の2次巻線)が挿入接続される場合も同様である。これに対して、抵抗素子の抵抗値は比較的細かいピッチで調整可能であることから、電流検出抵抗330が接続されていれば、電流検出抵抗330の抵抗値を適切に選定することによって、フィラメント電流i51とフィラメント電流i52とを実質的に等しくすることができる。このように、電流検出抵抗330は、フィラメント電流i51及びi52のバランスをとる役割も果たしている。
なお、本実施形態では、フィラメント電流i51及びi52が実質的に等しくなるように電流検出抵抗310及び330の抵抗値が設定されるが、意図的にフィラメント電流i51及びi52を異ならせるように抵抗値の異なる流検出抵抗310及び330を採用してもよい。例えば、直流点灯用の放電灯等においてフィラメント51とフィラメント52とが相互に異なる仕様である場合に、フィラメント電流i51とフィラメント電流i52とが所望の比となるように電流検出抵抗310及び330の抵抗比が設定されてもよい。
電圧検出回路34は、抵抗341、ツェナーダイオード342及びフォトカプラ343を備え、出力回路30bの出力電圧を検出する。この出力電圧は、フィラメント52の両端電圧から配線W1及びW2での降下電圧を減じた電圧であり、フィラメント52の両端電圧を間接的に示す電圧でもある。抵抗341、ツェナーダイオード342及びフォトカプラ343のフォトダイオードの直列回路が出力コンデンサ306に並列接続され、フォトカプラ343のフォトトランジスタは基準電位をグランドG1として制御回路40に接続される。例えば、フォトトランジスタのコレクタ端子が不図示の抵抗を介して制御回路40の制御電源に接続され、エミッタ端子がグランドG1に接続されるようにすればよい。あるいは、フォトトランジスタのコレクタ端子が制御回路40の制御電源に接続され、エミッタ端子が不図示の抵抗を介してグランドG1に接続されるようにしてもよい。いずれの場合であっても出力回路30bの出力電圧の増減に応じて、フォトカプラ343のフォトトランジスタの出力値E(以下、「検出値E」という)が変化する。
電圧検出回路34によって、出力回路30bの出力開放時の保護機能が実現される。例えば、放電灯5が点灯装置1に接続されていない場合、誤配線等により配線W1及びW2がフィラメント52に接続されていない場合、フィラメント52が開放故障した場合等に、出力回路30bの出力電圧が増大する。これにより、ツェナーダイオード342がオンし、フォトカプラ343のフォトダイオードに流れる電流の増加によって検出値Eが所定範囲外となると、制御回路40は出力開放状態を判別し、DC/DCコンバータ30の出力動作、すなわちスイッチング素子301の駆動を停止させる。
なお、本実施形態では、出力回路30b、電流検出回路33及び制御回路40において、電流検出抵抗330の電圧値が所定範囲(上限閾値)を超えることによって出力短絡による異常が検出されるものとするが、電流検出抵抗330の電圧値が所定範囲(下限閾値)を下回ることによって出力開放による異常が検出されるようにしてもよい。同様に、本実施形態では、出力回路30b、電圧検出回路34及び制御回路40において、検出される出力電圧が所定範囲(上限閾値)を超えることによって出力開放による異常が検出されるものとするが、上記出力電圧が所定範囲(下限閾値)を下回ることによって出力短絡による異常が検出されるようにしてもよい。
制御部4は、制御回路40及びフィードバック回路41を備える。概略として、制御部4は、主電源回路2及びフィラメント用電源回路3の動作を制御する。特に、電流検出回路31によって検出された電流検出値が電流目標値に一致するようにDC/DCコンバータ30を制御し、電圧検出回路32によって検出された電圧検出値が電圧目標値(上限値)以下となるようにDC/DCコンバータ30を制御する。すなわち、制御部4において、出力回路30aの出力電圧が上限値以下に維持されつつ、出力電流(フィラメント電流i51)が定電流制御される。また、制御部41は、上述したように、出力回路30bの出力電流(フィラメント電流i52)又は出力電圧が所定範囲外となる場合にDC/DCコンバータ30の出力動作を停止させる。
制御回路40は、グランドG1を基準電位として、スイッチング素子221、スイッチング素子241、スイッチング素子251〜254、及びスイッチング素子301の駆動を制御する。具体的には、制御回路40は、昇圧コンバータ22の出力電圧が所定値となるようにスイッチング素子221をPWM駆動する。制御回路40はまた、検出値Aが目標値(上限値)以下となり、検出値Bが目標値に一致するように降圧コンバータ24のスイッチング素子241をPWM駆動する。すなわち、降圧コンバータ24及び制御回路40によって、出力電圧が上限値以下に維持されつつ、ランプ電流がフィードバック制御される。あるいは、制御回路40が、検出値Aと検出値Bの乗算値が電力目標値に一致するように降圧コンバータ24のスイッチング素子241をPWM駆動するようにしてもよい。この場合、降圧コンバータ24及び制御回路40によって、出力電圧が上限値以下に維持されつつ、ランプ電力がフィードバック制御される。また、制御回路40は、上述したようにフルブリッジ回路25のスイッチング素子251〜254を低周波駆動する。
また、DC/DCコンバータ30について、制御回路40は、後述のフィードバック回路41によって生成される検出値Cに基づいて決定されるオン幅によってスイッチング素子301をPWM駆動する。更に、制御回路40は、上述のように、検出値D及びEが所定範囲外となる場合に、スイッチング素子301を停止させることができる。この際、制御回路40は、昇圧コンバータ22(スイッチング素子221)、降圧コンバータ24(スイッチング素子241)及びフルブリッジ回路25(スイッチング素子251〜254)のうちの一部又は全部の動作を停止させるようにしてもよい。
なお、制御回路40の制御電圧は、インダクタ222、インダクタ242若しくはトランス302の補助巻線(不図示)に発生する電圧又は平滑コンデンサ224の電圧から得られる電力をもとに適宜供給されるものとする。
予熱期間中においては、制御回路40は、スイッチング素子221及び301を駆動し、スイッチング素子241を実質的に停止させるとともに、スイッチング素子251〜254を停止させる。また、ランプ始動時及び安定点灯中においては、制御回路40は、スイッチング素子221、241、251〜254及び301を駆動する。
フィードバック回路41は、オペアンプ411及び412、電圧源413及び414、ダイオード415及び416、電圧源417、抵抗418並びにフォトカプラ419を含み、グランドG2を基準電位とする。概略として、オペアンプ411は出力回路30aの出力電流(すなわち、フィラメント電流i51)を一定化させる機能を担う定電流制御用のオペアンプであり、オペアンプ412は出力回路30aの出力電圧を一定化させる機能を担う定電圧制御用のオペアンプである。そして、出力回路30aの出力状態に応じて、定電流制御及び定電圧制御の一方がダイオード415及び416からなるダイオードOR回路によって選択され、フォトカプラ419のフォトダイオードにおける入力状態が決定される。これに応じて、フォトカプラ419のフォトトランジスタにおける出力が検出値Cとして制御回路40に入力される。すなわち、スイッチング素子301は、制御回路40及びフィードバック回路41によって定電流制御又は定電圧制御のいずれか一方を行うようにPWM制御される。実質的には、出力回路30aの出力電圧が上限値以下に維持されつつ、出力電流(すなわち、フィラメント電流i51)が定電流制御される。
定電流制御用のオペアンプ411の負入力端子(−)には電流検出回路31によって検出された電流検出値が入力され、正入力端子(+)にはフィラメント電流i51の目標値に対応する電圧値が電圧源413から入力される。なお、オペアンプ411の負入力端子と出力端子間には不図示の帰還素子(抵抗、コンデンサ、又はこれらの直列回路若しくは並列回路)が接続されるものとする。オペアンプ411は、負入力端子に入力される電流検出値と、正入力端子に入力される電圧値との誤差を増幅して出力する。言い換えると、ダイオード415がオンされて定電流制御が選択されている場合には、オペアンプ411は電流検出値が電圧源413の電圧値に一致するようにスイッチング素子301のPWM制御におけるオン幅を決定することになる。この定電流制御によって、出力回路30aの出力短絡時に出力電流が過大となることを防止することもできる。
定電圧制御用のオペアンプ412の負入力端子(−)には電圧検出回路32によって検出された電圧検出値が入力され、正入力端子(+)には出力電圧の目標値(上限値)に対応する電圧値が電圧源414から入力される。なお、オペアンプ412の負入力端子と出力端子間にも不図示の帰還素子が接続されるものとする。オペアンプ412は、負入力端子に入力される電圧検出値と、正入力端子に入力される電圧値との誤差を増幅して出力する。言い換えると、ダイオード416がオンされて定電圧制御が選択されている場合には、オペアンプ412は電圧検出値が電圧源414の電圧値に一致するようにスイッチング素子301のPWM制御におけるオン幅を決定することになる。この定電圧制御によって、出力回路30aの出力開放時に出力電圧が過大となることを防止することができる。
ダイオード415及び416からなるダイオードOR回路は、オペアンプ411の出力端子電圧又はオペアンプ412の出力端子電圧のいずれか低い方に対してオンする。ダイオードOR回路の共通アノードはフォトカプラ419のフォトダイオードのカソード側に接続される。フォトカプラ419のフォトダイオードのアノードは電圧源417の出力に抵抗418を介して接続される。フォトカプラ419のフォトトランジスタはグランドG1を基準電位とし、フォトダイオードに流れる電流(発光)に応じた検出値Cを出力する。制御回路40は検出値Cに応じたパルス幅のPWM駆動信号を生成し、それをスイッチング素子301のゲート電圧として出力する。
そして、フィードバック回路41及び制御回路40によってフィラメント電流i51が目標値に定電流制御されることによって、(出力回路30b〜フィラメント52が正常な状態であることを前提として)フィラメント電流i52も同様に定電流制御される。また、フィードバック回路41及び制御回路40によって出力回路30aの出力電圧が上限値以下に定電圧制御されることによって、(出力回路30b〜フィラメント52が正常な状態であることを前提として)出力回路30bの出力電圧も同様に定電圧制御される。
フィードバック回路41の制御電圧は、トランス302の補助巻線から得られるものであればよい。図2に、フィードバック回路41の制御電圧及び各電圧源の電圧を生成するための補助電源回路42の一例を示す。補助電源回路42は、トランス302の補助巻線S3、ダイオード421、コンデンサ422、トランジスタ423、抵抗424、ツェナーダイオード425、ダイオード426及びコンデンサ427を備える。補助巻線S3に発生する電圧がダイオード421及びコンデンサ422によって整流及び平滑され、この平滑された電圧が、トランジスタ423、抵抗424及びツェナーダイオード425によって構成されたシリーズレギュレータで降圧される。この降圧された電圧がダイオード426を介してコンデンサ427によって平滑され、フィードバック回路41の制御電圧Vccが生成される。電圧源417は制御電圧Vccであり、電圧源413及び414はそれぞれ制御電圧Vccを分圧する抵抗分圧回路であればよい。なお、補助電源回路42は、三端子レギュレータ、シャントレギュレータ等を用いて構成されていてもよい。
イグナイタ6は、抵抗601、コンデンサ602、放電ギャップ603及びトランス604を備え、トランス604の2次巻線が端子T7及びT8とフィラメント51との間に接続される。イグナイタ6は、ランプ始動時に、出力配線W1−W4間のランプ電圧(フルブリッジ回路25の無負荷二次電圧)にパルス電圧を重畳し、ランプ始動を促進する。ただし、フルブリッジ回路25の無負荷二次電圧だけでランプ始動が可能な場合には、イグナイタ6は動作しないか、あるいは不要である。ランプ始動時において、フルブリッジ回路25の無負荷二次電圧が抵抗601を介してコンデンサ602に充電され、コンデンサ602の電圧が放電ギャップ603のブレークダウン電圧を超えると、放電ギャップ603が導通する。これにより、トランス604の1次巻線にパルス電圧が発生し、このパルス電圧がトランス604の巻数比に応じて昇圧され、2次巻線において高圧パルス電圧となって無負荷二次電圧に重畳される。ランプ始動後は、フルブリッジ回路25の出力電圧が無負荷二次電圧よりも低くなり、コンデンサ602に充電される電圧が放電ギャップ603のブレークダウン電圧を超えることはない。すなわち、ランプ始動後は、イグナイタ6は動作しない。
図3を参照して、点灯装置1の動作を説明する。図3において、縦軸上段にフィラメント用電源回路3のDC/DCコンバータ30の出力電流(フィラメント電流)を示し、縦軸下段に主電源回路2のフルブリッジ回路25の出力電圧(ランプ電圧)を示し、横軸に時間を示す。
時刻t0において、制御回路40がDC/DCコンバータ30の出力動作を開始させる。なお、時刻t0の時点で昇圧コンバータ22は動作を開始しているものとする。時刻t0以降において、DC/DCコンバータ30及び制御部4によって、フィラメント電流(フィラメント電流i51)が電流値I1となるように定電流制御が行われる。なお、電流値I1は、ランプ始動後も放電灯5が安定して点灯を続けるための電流値であるものとする。
時刻t1において、制御回路40がフルブリッジ回路25の出力動作を開始させ、これにより、ランプ始動が完了するまで一時的に無負荷電圧Voが出力される(この間にイグナイタ6が動作し得る、以下同じ)。その後、ランプ始動後に、フルブリッジ回路25の出力電圧は、安定点灯中のランプ電圧に略等しい電圧値VLに低下する。すなわち、ランプ始動後の安定点灯期間では、ランプ電圧(VL)に対応する低周波ランプ電流が主電源回路2から放電灯5に供給されるとともに、直流フィラメント電流(I1)がフィラメント用電源回路3からフィラメント51及び52の各々に供給される。なお、時刻t0−t1間の時間は、放電灯の種類にもよるが1〜3秒程度であればよい。
以上のように、本実施形態の点灯装置1によると、主電源回路2の一部から入力される直流電圧がフィラメント用電源回路3のDC/DCコンバータ30によって直流のフィラメント電流i51及びi52に変換される。そして、制御部4によって、フィラメント電流i51が定電流制御されるとともに、フィラメント電流i52が所定範囲外となるとDC/DCコンバータ30の出力動作が停止される。このような構成により、以下の効果が得られる。
(1)予熱電流適正化による放電灯5の始動性向上
上述したように、点灯装置1から放電灯5には、定電流制御された直流のフィラメント電流が供給される。したがって、出力配線W1〜W4の長さ、すなわち抵抗成分に起因する電圧降下にかかわらず所望値の電流をフィラメント51及び52に通電することが可能となる。これにより、出力配線W1〜W4の長さにかかわらず、ランプ始動に際してフィラメント51及び52が充分加熱され、フィラメント51及び52からの電子放射物質の放出が促進され、放電灯5の始動性の向上が可能となる。また、安定点灯においても所定のフィラメント電流が通電されるので適正な点灯特性が確保される。
(2)点灯装置1の小型化
フィラメント用電源回路3がDC/DCコンバータ30によって構成され、そのトランス302は高周波スイッチング用トランスである。したがって、従来のようなフィラメント用電源回路に商用電源トランスが用いられる構成に比べてフィラメント用電源3は大幅に小型化される。これにより小型の点灯装置1が実現される。
(3)点灯装置1の標準化
フィラメント用電源回路3のDC/DCコンバータ30は、その性質上、異なる入力電圧に対してもそのスイッチング動作(オン幅等)を制御することによって、所望値のフィラメント電流を出力することができる。また、フィラメント用電源回路3の出力側において、異なる種類の放電灯5(すなわち、必要なフィラメント電流が異なる放電灯5)に対してもフィラメント電流の目標値を調整することによって、所望値のフィラメント電流を出力することができる。すなわち、交流電源ACの仕様にかかわらず、又は放電灯5の種類にかかわらず、実質的に同じ回路構成のフィラメント用電源回路3を採用することができるため、点灯装置1の標準化が可能となる。特に、DC/DCコンバータ30の入力となる昇圧コンバータ22の出力電圧が交流電源ACの電圧にかかわらず一定となるように構成されている場合、フィラメント用電源回路3を、全ての交流電源仕様に対するラインナップにおいて実質的に同じ構成とすることができ、点灯装置1の標準化が一層促進される。
(4)簡素かつ低コストな構成による保護機能の付加
制御回路40及びフィードバック回路41において、出力回路30aの出力電流の定電流制御又は出力電圧の定電圧制御(出力電圧を上限値以下とする制御)が行われることにより、フィラメント51に関する出力回路30aの出力短絡時の過電流防止及び出力開放時の過電圧防止の保護機能が担保される。一方、フィラメント52に対して電流検出回路33及び電圧検出回路34が付加され、制御回路40において、それぞれの検出値D又は検出値Eが所定範囲外となる場合にDC/DCコンバータ30の出力動作が停止される。これにより、フィラメント52に関する出力回路30bの出力短絡時の過電流防止及び出力開放時の過電圧防止の機能も実現される。そして、電流検出回路33及び電圧検出回路34からなる回路構成は、電流検出回路31、電圧検出回路32、フィードバック回路41及び補助電源回路42(図2参照)からなる回路構成と比べて回路規模が小さく、低コストである。したがって、本実施形態の構成によると、電流検出回路31、電圧検出回路32、フィードバック回路41及び補助電源回路42からなる回路構成をフィラメント51及び52の双方について2組設けたとした場合よりも点灯装置1が簡素かつ低コストとなる。このように、両フィラメント51及び52への出力に関する保護機能が簡素かつ低コストな態様で実現される。
(5)フィラメント電流のバランス確保
電流検出抵抗310がフィラメント51に直列接続され、電流検出抵抗330がフィラメント52に直列接続される。そして、フィラメント電流i51及びi52の経路における電圧降下を考慮して電流検出抵抗310及び330の抵抗値が適切に選定されることによって、フィラメント電流i51とフィラメント電流i52との比を、例えば双方が等しくなるように調整可能となる。これにより、フィラメント電流i51及びi52のバランスを確保することが可能となる。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態ではフィラメント電流を固定値としたが、本実施形態ではフィラメント電流が切替え可能な構成を示す。図4に、本実施形態による点灯装置1の回路構成を示す。本実施形態の点灯装置1と第1の実施形態の点灯装置1との相違は制御部4の構成及び動作にあり、他の構成は双方の実施形態において共通する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態では、概略として、予熱期間開始直後の所定期間T1におけるフィラメント電流i51の電流値が、その後の予熱期間中の期間T2及び安定点灯期間における電流値I1よりも低減される。この期間T1において、制御部4は、期間T2に先立って出力回路30bの出力の異常(例えば、放電灯5の未装着による開放状態、配線W1又はW2の誤配線による短絡状態及び開放状態、フィラメント52の短絡状態及び開放状態等)の有無を判別する。
本実施形態の制御部4の制御回路40及びフィードバック回路41においては、フィードバック回路41のオペアンプ411に接続された電圧源413の電圧が制御回路40から切り替えられるように構成される。具体的には、制御回路40の出力部からの切替信号S0がフォトカプラ401を介して切替信号S1としてフィードバック回路41に出力され、切替信号S1によって電圧源413の電圧値が切り替えられる。なお、フォトカプラ401の入力側(フォトダイオード)の基準電位はグランドG1であり、フォトカプラ401の出力側(フォトトランジスタ)の基準電位はグランドG2である。
例えば、図5に一例を示すように、電圧源413が、制御電圧Vccを分圧する抵抗413a及び413bに加えて、抵抗413bに並列接続された抵抗413c及びトランジスタ413dの直列回路を備えるようにすればよい。そして、フォトカプラ401のフォトトランジスタが抵抗413eを介して制御電圧Vccに接続され、フォトトランジスタのコレクタ端子がトランジスタ413dのベース端子に接続されるようにすればよい。そして、切替信号S0がローレベルで切替信号S1がハイレベルの場合にはトランジスタ413dがオンされて電圧源413の電圧値(オペアンプ411の正入力端子の電圧)が減少するように構成される。図5に示す例では、切替信号S0がローレベルからハイレベルに切り替えられると、切替信号S1がハイレベルからローレベルに切り替えられ、電圧源413の電圧値(目標値)が上昇し、オペアンプ411による定電流制御の結果としてフィラメント電流が増加する。切替信号S0が出力される切替タイミングは、制御回路40の内部タイマによって決定される。
また、代替例として、図6に示すように、フィードバック回路41が、グランドG2を基準電位とするタイマ回路431及び切替回路432を備える構成としてもよい。この構成においては、DC/DCコンバータ30が起動してフィードバック回路41に制御電圧Vccが供給されると、タイマ回路431が起動する。そして、タイマ回路431が所定期間の経過を計時すると、切替回路432が切替信号S1を出力する。タイマ回路431は、例えば、抵抗とコンデンサが直列接続されたRC積分回路等であればよい。
図7を参照して、本実施形態の点灯装置1の動作を説明する。図7において、縦軸上段にフィラメント用電源回路3のDC/DCコンバータ30の出力電流(フィラメント電流)を示し、縦軸下段に主電源回路2のフルブリッジ回路25の出力電圧(ランプ電圧)を示し、横軸に時間を示す。
時刻t0に期間T1が開始される。この時点で制御回路40がDC/DCコンバータ30の出力動作を開始させる。なお、時刻t0の時点で昇圧コンバータ22は動作を開始しているものとする。期間T1において、DC/DCコンバータ30及び制御部4によって、フィラメント電流が電流値I1よりも低い電流値I0に一致するように、フィラメント電流i51の定電流制御が行われる。期間T1の継続時間は、電流検出回路33、電圧検出回路34及び制御回路40が保護機能を実行することが可能な範囲で短く設定されることが好ましく、例えば、100msec程度(例えば、50msec〜150msec程度)であればよい。
時刻t2に期間T2が開始される。この時点で制御部4において、切替信号S1が出力されて定電流制御の目標値(すなわち、電圧源413の電圧値)が上昇され、フィラメント電流が電流値I0から電流値I1に増加する。期間T2においても、その後の出力短絡状態又は出力開放状態の発生(例えば、放電灯5が取り外された場合、フィラメント52が短絡又は開放した場合等)に備えて、電流検出回路33、電圧検出回路34及び制御回路40による検出が継続される。
時刻t3に期間T2が終了される。この時点で制御回路40がフルブリッジ回路25の出力動作を開始させ、これにより、ランプ始動が完了するまで一時的に無負荷電圧Voが出力される。ランプ始動後、フルブリッジ回路25の出力電圧は、安定点灯中のランプ電圧に略等しい電圧値VLに低下する。すなわち、ランプ始動後の安定点灯期間では、ランプ電圧(VL)に対応する低周波ランプ電流が主電源回路2から放電灯5に供給されるとともに、直流フィラメント電流(I1)がフィラメント用電源回路3からフィラメント51及び52の各々に供給される。
以上のように、本実施形態の点灯装置1によると、第1の実施形態に関して説明した有利な効果(1)〜(5)に加えて、以下の有利な効果が得られる。
(6)フィラメント故障時の部品ストレスの抑制
本実施形態では、予熱期間において、制御部4がフィラメント電流i51の目標値を段階的に上昇させ、これにより、フィラメント電流が電流値I1よりも小さい電流値I0となる期間T1が設けられる。このように、出力回路30bの出力に異常が発生していた場合であっても、低出力の期間T1において保護動作が実行され、その後に大きなストレスが回路部品にかかることが未然に防止される。
<第3の実施形態>
上記第2の実施形態では予熱期間(期間T2)のフィラメント電流と安定点灯期間のフィラメント電流が同じである構成を示したが、本実施形態では、予熱期間中のフィラメント電流が安定点灯期間中のフィラメント電流よりも増加されて予熱期間が短縮される構成を示す。本実施形態による点灯装置1の回路構成は、図4乃至図6に示す第2の実施形態のものと同様であり、本実施形態の点灯装置1と第2の実施形態の点灯装置1との相違は制御部4の動作にある。
本実施形態では、予熱期間の一部を含む所定期間T3におけるフィラメント電流i51の電流値が安定点灯用の電流値I1よりも増加される。なお、一般に、フィラメントの抵抗値は温度に大きく依存し、ランプ始動前の低温時においてはフィラメントの抵抗値は低い。したがって、予熱期間においてフィラメント電流を増大させることによって、DC/DCコンバータ30の出力電力が安定点灯時に比べて大きく増加することはない。そして、この期間T3において、制御部4は、出力回路30bの出力の異常(例えば、放電灯5の未装着による開放状態、配線W1又はW2の誤配線による短絡状態及び開放状態、フィラメント52の短絡状態及び開放状態等)に対する保護機能を無効化する。すなわち、期間T3では、検出値D又はEが所定範囲外となっていたとしても、制御回路40はDC/DCコンバータ30に出力動作を継続させる。
図8Aを参照して、本実施形態の点灯装置1の動作を説明する。図8Aにおいて、縦軸上段にフィラメント用電源回路3のDC/DCコンバータ30の出力電流(フィラメント電流)を示し、縦軸下段に主電源回路2のフルブリッジ回路25の出力電圧(ランプ電圧)を示し、横軸に時間を示す。
時刻t0に期間T1が開始される。この時点で制御回路40がDC/DCコンバータ30の出力動作を開始させる。なお、時刻t0の時点で昇圧コンバータ22は動作を開始しているものとする。期間T1において、DC/DCコンバータ30及び制御部4によって、フィラメント電流i51が(第2の実施形態と同様に)電流値I0に一致するように定電流制御が行われる。
時刻t4に期間T3が開始される。この時点で制御部4において、切替信号S1が出力されて定電流制御の目標値(すなわち、電圧源413の電圧値)が上昇され、フィラメント電流が電流値I0から電流値I2に増加する。電流値I2は、安定点灯用の電流値I1よりも大きい。この期間T3においては、電流検出回路33、電圧検出回路34及び制御回路40による保護動作が無効化(マスク)される。言い換えると、上記保護動作は期間T3以外で行われる。
時刻t5に期間T3が終了される。この時点で切替信号S1が出力されて定電流制御の目標値が低減され、フィラメント電流が電流値I2から電流値I1に減少する。
時刻t6において、制御回路40がフルブリッジ回路25の出力動作を開始させ、これにより、ランプ始動が完了するまで一時的に無負荷電圧Voが出力される。ランプ始動後、フルブリッジ回路25の出力電圧は、安定点灯中のランプ電圧に略等しい電圧値VLに低下する。すなわち、ランプ始動後の安定点灯期間では、ランプ電圧(VL)に対応する低周波ランプ電流が主電源回路2から放電灯5に供給されるとともに、直流フィラメント電流(I1)がフィラメント用電源回路3からフィラメント51及び52の各々に供給される。
本実施形態の点灯装置1の動作は、図8Bに示すような態様であってもよい。図8Aと同様に、図8Bにおいても、縦軸上段にフィラメント用電源回路3のDC/DCコンバータ30の出力電流(フィラメント電流)を示し、縦軸下段に主電源回路2のフルブリッジ回路25の出力電圧(ランプ電圧)を示し、横軸に時間を示す。
時刻t0に期間T1´が開始される。この時点で制御回路40がDC/DCコンバータ30の出力動作を開始させる。なお、時刻t0の時点で昇圧コンバータ22は動作を開始しているものとする。期間T1´において、DC/DCコンバータ30及び制御部4によって、フィラメント電流i51が(第1の実施形態と同様に)電流値I1に一致するように定電流制御が行われる。なお、期間T1´の継続時間は、第2の実施形態における期間T1の継続時間と同程度であればよい。
時刻t7に期間T3が開始される。この時点で制御部4において、切替信号S1が出力されて定電流制御の目標値(すなわち、電圧源413の電圧値)が上昇され、フィラメント電流が電流値I1から電流値I2に増加する。この期間T3において、電流検出回路33、電圧検出回路34及び制御回路40による保護動作が無効化(マスク)される。言い換えると、上記保護動作は期間T3以外で行われる。
時刻t8において、制御回路40がフルブリッジ回路25の出力動作を開始させ、これにより、ランプ始動が完了するまで一時的に無負荷電圧Voが出力される。ランプ始動後、フルブリッジ回路25の出力電圧は、安定点灯中のランプ電圧に略等しい電圧値VLに低下する。すなわち、ランプ始動後においては、ランプ電圧(VL)に対応する低周波ランプ電流が主電源回路2から放電灯5に供給される。
時刻t9に期間T3が終了される。この時点で切替信号S1が出力されて定電流制御の目標値が低減され、フィラメント電流が電流値I2から電流値I1に減少する。これにより、安定点灯期間においては、低周波ランプ電流が主電源回路2から放電灯5に供給されるとともに、直流フィラメント電流(I1)がフィラメント用電源回路3からフィラメント51及び52の各々に供給される。これにより、ランプ始動の瞬間においてもフィラメント加熱が充分になされ、放電灯5の始動性がより向上する。本例では、例えば、期間T1は100msec程度であり、期間T3は3sec程度であり、時刻t9はランプが点灯を開始してから1sec程度後であればよい。
図8A及び図8Bに示す動作において、制御回路40において、期間T3の終了タイミングは、内部タイマによって決定されるようにしてもよいし、検出値A又はBに基づいて決定されるようにしてもよい。いずれの場合であっても、期間T3の終了タイミングは、概ねランプ始動のタイミング付近であればよく、例えば、ランプ始動時の±1sec程度以内であればよい。なお、ランプ始動時には、検出値Aによってランプ電圧の急激な低下が検出され、検出値Bによってランプ電流の発生が検出され、これらの検出結果の一方又は両方によって期間T3の終了タイミングが決定される。予熱期間においてフィラメント電流が増加されることによって、フィラメント加熱が加速されるので、予熱期間は第1及び第2の実施形態の場合に比べて短く設定される。
以上のように、本実施形態の点灯装置1によると、第1及び第2の実施形態に関して説明した有利な効果(1)〜(6)に加えて、以下の有利な効果が得られる。
(7)予熱期間の短縮と保護機能の誤作動防止
本実施形態では、予熱期間(期間T3)におけるフィラメント電流を安定点灯用のフィラメント電流に対して増加させることができるので、フィラメント51及び52の加熱を加速し、予熱期間を短縮して迅速な点灯動作を得ることができる。そして、フィラメント電流が増加する期間T3においては、出力回路30bに関する過電流保護及び過電圧保護が無効化されるので、予熱期間を短縮しつつも保護機能の誤作動を防止することができる。
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
(1)主電源回路2に関する変形
上記各実施形態では、交流点灯用の放電灯5が低周波点灯される構成を示したが、直流点灯用の放電灯が直流点灯される構成にも本発明は適用可能である。この場合、主電源回路2は直流電圧及び直流電流を出力するDC/DCコンバータからなる。
(2)フィラメント用電源回路3に関する変形
上記各実施形態においては、DC/DCコンバータ30の入力電圧が、昇圧コンバータ22の出力部から供給される構成を示したが、DC/DCコンバータ30の入力電圧は他の箇所から入力されるようにしてもよい。例えば、図9に示すように、DC/DCコンバータ30の入力電圧が、昇圧コンバータ22の入力部(すなわち、整流回路20の出力部)から供給されるようにしてもよい。この場合、入力コンデンサ201には、点灯装置1の力率を低下させないために比較的容量の小さいコンデンサを用いることが望ましい。したがって、DC/DCコンバータ30への入力電圧は非平滑の脈流電圧となる。出力コンデンサ304及び306については、交流電源ACの電源周波数に起因するリップルがフィラメント電流に表れるのを防止したい場合には比較的容量の大きいコンデンサを用いることが好ましい。
また、第1の実施形態において上述した有利な効果「(2)点灯装置1の小型化」及び「(3)点灯装置1の標準化」は、DC/DCコンバータ30が簡素な構成のフライバックコンバータであることによって一層担保されるものであるが、本発明は、他の形態の絶縁型DC/DCコンバータによっても実現可能である。例えば、DC/DCコンバータは、フォワードコンバータ、プッシュプルコンバータ等であってもよい。
(3)制御部4(切替信号S0及びS1)に関する変形
上記第2及び第3の実施形態においては、制御部4において切替信号S0及びS1が段階的に切り替えられてフィラメント電流が段階的に増加又は減少される構成を示したが、制御部4においてリニアに変化する切替信号S0及びS1が生成されてフィラメント電流が連続的に増加又は減少される構成としてもよい。
(4)安定点灯中の動作に関する変形
上記各実施形態においては、ランプ始動後の安定点灯時において、フィラメント51及び52にフィラメント電流が通電される構成を示したが、放電灯5が安定点灯中のフィラメント電流を必要としないような放電灯である場合には、制御部4(制御回路40)がフィラメント用電源回路3(DC/DCコンバータ30)の動作を停止させるようにしてもよい。これにより、安定点灯中の消費電力が減少し、より高効率な点灯装置1が実現される。
1 放電灯点灯装置
2 主電源回路(第1の電源回路)
3 フィラメント用電源回路(第2の電源回路)
4 制御部
5 低圧放電灯
30 DC/DCコンバータ
30a 出力回路(第1の出力回路)
30b 出力回路(第2の出力回路)
31 電流検出回路(第1の電流検出回路)
32 電圧検出回路(第1の電圧検出回路)
33 電流検出回路(第2の電流検出回路)
34 電圧検出回路(第2の電圧検出回路)
51 熱陰極フィラメント(第1の熱陰極フィラメント)
52 熱陰極フィラメント(第2の熱陰極フィラメント)
310 電流検出抵抗(第1の抵抗素子)
330 電流検出抵抗(第2の抵抗素子)

Claims (7)

  1. 第1及び第2の熱陰極フィラメントを有する低圧放電灯を点灯する放電灯点灯装置であって、
    前記低圧放電灯にランプ電圧又はランプ電流を供給する第1の電源回路と、
    前記第1の電源回路の一部から入力される直流電圧を直流の第1及び第2のフィラメント電流に変換して該第1及び第2のフィラメント電流を前記第1及び第2の熱陰極フィラメントにそれぞれ供給する絶縁型のDC/DCコンバータ、前記第1のフィラメント電流を検出する第1の電流検出回路並びに前記第2のフィラメント電流を検出する第2の電流検出回路を有する第2の電源回路と、
    前記第1の電流検出回路によって検出される第1の電流検出値が目標値に一致するように前記DC/DCコンバータを制御する定電流制御を実行するフィードバック回路及び制御回路を含み、該制御回路が、前記第2の電流検出回路によって検出される第2の電流検出値が所定範囲外となる場合に前記DC/DCコンバータの出力動作を停止させる保護動作を実行するように構成された、制御部と
    を備えた放電灯点灯装置。
  2. 請求項1に記載の放電灯点灯装置において、前記第1の電流検出回路が前記第1のフィラメント電流の経路に挿入接続された第1の抵抗素子からなり、前記第2の電流検出回路が前記第2のフィラメント電流の経路に挿入接続された第2の抵抗素子からなり、前記第1のフィラメント電流と前記第2のフィラメント電流とが等しくなるように前記第1及び第2の抵抗素子の抵抗値が設定された、放電灯点灯装置。
  3. 請求項1又は2に記載の放電灯点灯装置において、
    前記第2の電源回路が、前記第1のフィラメント電流を出力する第1の出力回路、前記第2のフィラメント電流を出力する第2の出力回路、及び前記第1の出力回路の出力電圧を検出する第1の電圧検出回路を有し、
    前記制御部が、前記第1の電圧検出回路によって検出される電圧検出値が上限値以下となるように前記DC/DCコンバータを制御するように構成された、放電灯点灯装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の放電灯点灯装置において、
    前記第2の電源回路が、前記第1のフィラメント電流を出力する第1の出力回路、前記第2のフィラメント電流を出力する第2の出力回路、及び該第2の出力回路の出力電圧を検出する第2の電圧検出回路を有し、
    前記制御部が、前記第2の電圧検出回路によって検出される電圧検出値が所定範囲外となる場合に前記保護動作を実行するように構成された、放電灯点灯装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の放電灯点灯装置において、
    前記DC/DCコンバータの起動後であって前記第1の電源回路から前記ランプ電圧が出力される前の予熱期間において、該予熱期間の開始直後の所定期間に、前記制御部が、前記目標値を段階的又は連続的に上昇させるように構成された、放電灯点灯装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の放電灯点灯装置において、
    前記DC/DCコンバータの起動後であって前記第1の電源回路から前記ランプ電圧が出力される前の予熱期間の一部を含む所定期間において、前記制御部が、前記目標値を安定点灯期間における目標値よりも上昇させるとともに前記保護動作を無効化するように構成された、放電灯点灯装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の放電灯点灯装置において、前記DC/DCコンバータがフライバックコンバータからなる、放電灯点灯装置。
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