JP6569086B2 - フレーム部材及び仕切り装置 - Google Patents

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本発明は、空間を仕切るために用いられる仕切り装置に利用される仕切り板用のフレーム部材及び当該フレーム部材を利用した仕切り装置に関する。
例えば、アパート、マンション等の集合住宅のベランダにおいては、プライバシー保護などの観点から、隣家との間に仕切り(パーティション)装置が配される。
この種の仕切り装置は、例えば、ケイ酸カルシウム等の不燃性材料からなる矩形平板状の仕切り板を、アルミ押出し成形材等からなるフレーム部材によって支持し、これを取付けステーによって建築物の躯体に取り付けて固定するようにしている。
フレーム部材が仕切り板を挟んで対向するそれぞれの部位には、仕切り板の端部を収容する凹形状の収容部が形成されている。
ここで、仕切り板の板厚と、これを収容するフレーム部材の収容部の板厚方向の幅と、の間隙が大きいと、風などを受けたときに仕切り板が振動してびびり音等が生じる場合があり好ましくない。
一方、仕切り板はケイ酸カルシウム等の不燃性材料であり表面に塗装を施すものであるが、塗装の厚みの寸法バラツキは比較的大きく、当該塗装の厚さを含めて仕切り板の製品寸法(特に、板厚)を厳しく管理することは難しいといった実情がある。このため、収容部の板厚方向における幅の寸法をつめて間隙を小さくしようとすると、仕切り板の端部が収容部に収容できなくなる事態が生じる場合がある。
そこで、収容部の底部の一端から外側に向けて広がるように傾斜して形成される外向傾斜側面と、底部の他端から外向傾斜側面と略平行に内側に向かって所定距離だけ延在する内向傾斜側面及び内向傾斜側面の終点(突出部)から変曲して外側に向けて広がるように傾斜して形成される外向傾斜側面と、を含んで構成されるフレーム部材が提案されている (例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−223420号公報
しかしながら、上記従来のフレーム部材であっても特に仕切り板の板厚が基準よりもやや大きい場合、仕切り板の端部を収容部の底部まで入れづらく、収容部に対して仕切り板を垂直方向に支持することが難しい場合がある。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、簡単かつ安価な構成でありながら、耐久性に優れ、製品コストを増大させたり作業性を悪化させたりすることなく、仕切り板をしっかりと収容し、かつガタなどの発生を抑制することができる仕切り板用のフレーム部材、及び当該フレーム部材を用いた仕切り装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係るフレーム部材は、仕切り板の端部が挿入される凹状の収容部を備え、該収容部には、挿入された前記仕切り板の端面が当接する底部と、該底部を挟んで前記収容部の入口方向に伸びる第一側部及び第二側部と、が配され、前記第一側部に稜部が配され、前記第一側部が、前記稜部を挟んで前記底部側の基端部と、前記収容部の入口側の先端部と、に分かれて形成されるとともに、前記先端部の先端から前記稜部までの距離が、前記基端部の基端から前記稜部までの距離よりも長く形成され、前記基端部が、前記底部から略鉛直上方に立設して配され、前記先端部が、前記基端部よりも前記収容部の入口を広げる方向に前記基端部に対して傾いて配され、前記第一側部側に突出する凸部が、前記収容部の入口を構成する前記第二側部の先端に配されている。
また、本発明に係るフレーム部材は、さらに、前記底部の幅方向長さ及び前記凸部と前記先端部との距離が、ともに前記仕切り板の板厚よりも長く形成され、前記底部の鉛直上方に立設して前記凸部の先端を通る仮想面と前記基端部との距離が、前記仕切り板の板厚よりも短い。
そして、本発明に係る仕切り装置は、仕切り板と、該仕切り板の端部を介して前記仕切り板を支持する本発明に係るフレーム部材と、を備える。
本発明によれば、簡単かつ安価な構成でありながら、耐久性に優れ、製品コストを増大させたり作業性を悪化させたりすることなく、より好適に仕切り板を収容し、かつガタなどの発生を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る仕切り装置の概要を示す全体構成図である。 本発明の一実施形態に係る縦フレームを長手方向に直交する平面で切断した状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る仕切り装置における横フレームを長手方向に直交する平面で切断した状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る縦フレームに仕切り板が挿入された状態を示す断面図である。
本発明に係る一実施形態について、図1から図4を参照して説明する。
本実施形態に係る仕切り装置10は、図1に示すように、矩形状の仕切り板11,12の縦端部(端部)11A,12Aを支持する縦フレーム(フレーム部材)13,15と、横端部11B,12Bを支持する横フレーム16,17,18と、を備えている。なお、場合によっては、仕切り板11,12を一枚ものとして、横フレーム17を省略する場合もある。
仕切り板11,12は、従来同様、例えばケイ酸カルシウム等の不燃性材料からなるボードであり、表面に塗装が施されている。
縦フレーム13,15は、図2に示すように、仕切り板11,12の縦端部11A,12Aが挿入される凹状の縦収容部(収容部)20を備えている。この縦収容部20には、縦端部11A,12Aの各端面11a,12aが当接する底部21と、底部21を挟んで縦収容部20の入口E方向に伸びる第一側部22及び第二側部23と、が配されている。
第一側部22には稜部22Aが配され、第一側部22が、稜部22Aを挟んで底部21側の基端部25と、縦収容部20の入口E側の先端部26と、に分かれて形成されている。基端部25は平面状に形成されており、底部21に対して鉛直上方に伸びるように配されている。先端部26は、基端部25と同様に平面状に形成されているとともに、基端部25よりも縦収容部20の入口Eを広げる方向に基端部25に対して角度θだけ傾いて配されている。先端部26の先端26Aから稜部22Aまでの距離L1は、基端部25の基端25Aから稜部22Aまでの距離L2よりも長く形成されている。
第二側部23は、第一側部22の基端部25と平行に底部21に対して鉛直上方に伸びるように配されている。縦収容部20の入口Eの一部となる第二側部23の先端には、第一側部22側に突出する凸部27が配されている。
底部21の幅方向長さW及び凸部27と先端部26との距離L3が、ともに仕切り板11,12の板厚tよりも長くなるように、且つ底部21に立設して凸部27の先端を通る仮想面Pと基端部25との距離L4が、仕切り板11,12の板厚tよりも短くなるように形成されている。
縦フレーム13,15には、後述する例えばL字型の取付けステー30を当該縦フレーム13,15に取り付けるためのレール溝Rが長手方向に亘って設けられている。
横フレーム16,17,18は、図3に示すように、仕切り板11,12の横端部11B,12Bが挿入される凹状の横収容部28を備えている。横収容部28は、入口側が仕切り板11,12の板厚tより若干幅広に形成され、仕切り板11,12の収容方向に向かって漸次幅狭になるよう断面がテーパ形状に形成されている。
次に本実施形態に係る縦フレーム13,15を使用した仕切り装置10の組立方法及び作用について、図2及び図4を参照して説明する。
まず、縦フレーム13,15の一方である、例えば縦フレーム13に、横フレーム16,17,18を不図示の連結用ビス等を用いて仮組みする。次に、この状態で仕切り板11,12の横端部11B,12Bを横フレーム16,17,18に形成されている各横収容部28に挿入し、横収容部28に沿わせて仕切り板11,12を縦フレーム13の方向へ移動させる。
ここで、底部21の幅方向長さW及び凸部27と先端部26との距離L3が、ともに仕切り板11,12の板厚tよりも長く形成されている。そのため、仕切り板11,12の縦端部11A,12Aは縦フレーム15の縦収容部20の入口Eよりスムーズに挿入されつつ、先端部26に沿って底部21の方向へ導かれる。
ここで、底部21に立設して凸部27の先端を通る仮想面Pと基端部25との距離L4が、仕切り板11,12の板厚tよりも短く形成されている。そのため、仕切り板11,12の端面11a,12aが稜部22Aを通過したところで仕切り板11,12の進入方向を変更して、端面11a,12aを底部21に当接すると、縦端部11A,12Aの第一側部22側が第一側部22の基端部25によって、第二側部23側が第二側部23の凸部27によって、それぞれ押圧される状態となる。こうして仕切り板11,12の移動が規制されてそれぞれ縦フレーム13,15に固定される。
その後、仕切り板11,12のもう一方の縦端部11A,12Aを縦フレーム15の縦収容部20に同様に収容する。こうして、仕切り板11,12の縦端部11A,12Aは縦フレーム13,15の縦収容部20にそれぞれ収容され、縦フレーム13,15が横フレーム16,17,18に対して略直交する位置に固定される。さらに、不図示の連結用ビス等にて正式に締め付けることで各フレームをしっかりと連結して固定する。こうして組み立てられた仕切り装置10を、取付けステー30によって建築物の躯体Bに取り付けて固定する。
この縦フレーム13,15及び仕切り装置10によれば、仕切り板11,12を縦収容部20に挿入して固定する際、基端部25と凸部27とによって仕切り板11,12をそれぞれ反対方向から押圧する。そのため、底部21に対する仕切り板11,12の回転移動や直進移動をより好適に規制して仕切り板11,12を縦フレーム13,15に安定して固定することができる。
この際、底部21の幅方向長さW及び凸部27と先端部26との距離L3が、ともに仕切り板11,12の板厚tよりも長く形成され、底部21に立設して凸部27の先端を通る仮想面Pと基端部25との距離L4が、仕切り板の板厚tよりも短い。そのため、仕切り板11,12の板厚tが基準値よりも厚めに形成されたものを挿入する際にも、縦収容部20に容易に挿入でき、基端部25と凸部27との間でより好適に押圧して仕切り板11,12を安定して固定することができる。
また、第一側部22の先端部26が平面状に形成されているので、仕切り板11,12を縦収容部20に滑らせながらスムーズに挿入することができる。そして、第一側部22の基端部25が平面状に形成されているので、縦収容部20に挿入された仕切り板11,12を線ではなく面で押圧することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態では、第一側部22の基端部25及び先端部26がともに平面状に形成されているとしているが、先端部は縦端部11A,12Aを挿入しやすい形状であればこれに限らない。また、基端部も縦端部11A,12Aと接触して押圧できる形状であれば平面状に限らない。
また、縦フレーム13,15の縦収容部20の形状を図2に示す形状として説明したが、縦フレーム13,15の縦収容部20の代わりに横フレームの横収容部の形状を同様の形状とすることもできる。また、縦フレーム及び横フレームの双方の収容部の形状を同様の形状とすることもできる。
さらに、本実施形態では、ベランダ等に用いられる仕切り板用のフレーム部材及び仕切り装置に関して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、室内その他の場所で利用される仕切り板用のフレーム部材及び仕切り板装置であってもよく、固定式、可動式に限らず適用してもよい。
10 仕切り装置
11,12 仕切り板
11A,12A 縦端部(端部)
11a,12a 端面
13,15 縦フレーム(フレーム部材)
20 縦収容部(収容部)
21 底部
22 第一側部
22A 稜部
23 第二側部
25 基端部
26 先端部
26A 先端
27 凸部
E 入口
P 仮想面

Claims (3)

  1. 仕切り板の端部が挿入される凹状の収容部を備え、
    該収容部には、挿入された前記仕切り板の端面が当接する底部と、
    該底部を挟んで前記収容部の入口方向に伸びる第一側部及び第二側部と、が配され、
    前記第一側部に稜部が配され、前記第一側部が、前記稜部を挟んで前記底部側の基端部と、前記収容部の入口側の先端部と、に分かれて形成されるとともに、前記先端部の先端から前記稜部までの距離が、前記基端部の基端から前記稜部までの距離よりも長く形成され、
    前記基端部が、前記底部から略鉛直上方に立設して配され、
    前記先端部が、前記基端部よりも前記収容部の入口を広げる方向に前記基端部に対して傾いて配され、
    前記第一側部側に突出する凸部が、前記収容部の入口を構成する前記第二側部の先端に配されたフレーム部材。
  2. 前記底部の幅方向長さ及び前記凸部と前記先端部との距離が、ともに前記仕切り板の板厚よりも長く形成され、
    前記底部の鉛直上方に立設して前記凸部の先端を通る仮想面と前記基端部との距離が、前記仕切り板の板厚よりも短い請求項1に記載のフレーム部材。
  3. 仕切り板と、
    該仕切り板の端部を介して前記仕切り板を支持する請求項1又は2に記載のフレーム部材と、
    を備える仕切り装置。
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