JP6568732B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バリエータと、複数の変速段を選択可能な副変速機構とを有し、車両に搭載された無段変速機を制御する制御装置に関するものである。
車両に搭載されたバリエータ(無段変速機構)において、通常の変速は、プライマリプーリ回転センサ(バリエータ入力側回転センサ),セカンダリプーリ回転センサ(バリエータ出力側回転センサ)及び車速センサの各出力(プライマリ回転数,セカンダリ回転数及び車速)や、バリエータへの入力トルクの大きさ(例えば、スロットル開度)に基づいて実行される。
また、バリエータと有段変速機構(例えば、副変速機構)とを直列に備えた自動変速機において、有段変速機構の掛け替え変速と同時にバリエータの変速を行なう協調変速制御も開発されている(特許文献1参照)。
この協調変速制御は、自動変速機の変速比(トータル変速比)が、バリエータの変速比(無段変速比)と有段変速機構の変速比(有段変速比)との積であることに着目し、有段変速比を変更する際に同時に無段変速比を変更してトータル変速比の変動を抑制して、変動ショックの発生を抑制しようとするものである。
この協調変速制御も、プライマリプーリ回転センサ,セカンダリプーリ回転センサ及び車速センサの各出力や、バリエータへの入力トルクの大きさ(例えば、エンジンのスロットル開度)に基づいて実行される。
特開2010−203502号公報
ところで、車速センサ自体のフェールや車速センサの出力信号伝達系統のフェールなど、車速センサがフェールすると、以下のような課題が発生する。
車速センサがフェールすると車速情報が失われるため、バリエータの通常の変速が困難になるおそれがある(第1の課題)。
また、車速センサがフェールすると協調変速制御を実行することが困難になり、例えば副変速機構の変速段を変更する際に変速ショックが生じるおそれがある(第2の課題)。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、車速センサがフェールしたときに発生する上記の課題の少なくとも何れかを解決できるようにした、無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の無段変速機の制御装置は、バリエータと、前記バリエータの出力側に配置され、複数の前進変速段を選択可能な副変速機構と、前記バリエータの入力側の回転速度を検知可能なバリエータ入力側回転センサと、前記バリエータの出力側の回転速度を検知可能なバリエータ出力側回転センサと、車速を検知可能な車速センサと、前記バリエータ入力側回転センサ,前記バリエータ出力側回転センサ及び前記車速センサの検出情報に基づいて前記バリエータ及び前記副変速機構を制御する制御手段と、を有する、車両用の無段変速機の制御装置であって、前記制御手段は、前記車速センサのフェールが判定されると、前記車速センサの検出情報から演算された第1車速に替えて、前記副変速機構の変速段情報及び前記バリエータ出力側回転センサの検出情報から演算された第2車速を用いて、前記バリエータの変速比を制御する変速比制御部を有し、前記制御手段は、前記副変速機構の変速段を制御すると共に、車両の前進走行中に前記車速センサのフェールが判定されると、車両の前進走行中の前進変速段の変更を禁止する変速段制御部を有することを特徴としている。
)前記複数の前進変速段には、第1変速段と、前記第1変速段よりも変速比の小さい第2変速段と、が含まれ、前記変速段制御部は、フェール直前の変速段が前記第2変速段の場合は、その後の車両の停車中に前記副変速機構の変速段を前記第1変速段へ変更して固定することが好ましい。
本発明によれば、変速比制御部が、車速センサのフェールが判定されると、車速センサの検出情報から演算された第1車速に替えて、副変速機構の変速段情報及びバリエータ出力側回転センサの検出情報から演算された第2車速を用いて、バリエータの変速比を制御するので、バリエータの変速比を適切に制御することができる。
また、変速段制御部が、車両の前進走行中に車速センサのフェールが判定されると、車両の前進走行中の前進変速段の変更を禁止することにより、副変速機構の前進変速段の変更に伴う変速ショックの発生を回避することができる。
さらに、変速段制御部が、フェール直前の前進変速段が第1変速段よりも変速比の小さい第2変速段の場合は、その後の車両の停車中に副変速機構の変速段を第1変速段へ変更して固定することにより、再発進時の駆動力を確保でき、また、副変速機構の前進変速段の変更に伴う変速ショックの発生を回避することができる。
本発明の一実施形態にかかる制御装置が適用された車両の駆動系と制御系とを示す全体システム図である。 本発明の一実施形態にかかる制御装置による変速制御の際に用いられる変速線を例示する変速線図である。 本発明の一実施形態にかかる無段変速機の制御装置による制御を説明するフローチャートであって、(a)は車速センサのフェール判定を説明するフローチャート、(b)はセンサフェール時の車速の演算を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.全体システム構成]
図1は、本実施形態に係る制御装置が適用された車両の駆動系と制御系とを示す全体システム図である。
図1に示すように、車両の駆動系は、駆動源であるエンジン(内燃機関)1と、トルクコンバータ2と、バリエータ(無段変速機構)3と、副変速機構4と、終減速機構5と、ディファレンシャル5Aと、駆動輪6,6とを備えている。なお、トルクコンバータ2とバリエータ3と副変速機構4とをトランスミッションケース内に収納することにより無段変速機100(以下、CVT100という)が構成される。
トルクコンバータ2は、トルク増大機能を有する発進要素であり、トルク増大機能を必要としないときは、エンジン出力軸11(=トルクコンバータ入力軸)とトルクコンバータ出力軸21とを直結可能なロックアップクラッチ(図示略)を有する。
バリエータ3は、ベルト34のプーリ32,33への巻付き半径の変更により変速機入力軸30の入力回転数と変速機出力軸31の出力回転数との比である変速比(変速機入力回転数/変速機出力回転数)を無段階に変化させる無段変速機能を備える。
なお、図1では、トルクコンバータ出力軸21と変速機入力軸30とを同一軸としているが、トルクコンバータ出力軸21と変速機入力軸30とを別軸とし、ギヤ機構などを介して動力連結する構成を採用する場合もある。
本実施形態のバリエータ3は、プライマリプーリ32と、セカンダリプーリ33と、動力伝達部材としてのベルト(又はチェーン)34とを有し、作動油(ATF;(Automatic Transmission Fluid)の油圧によって制御される。
詳細は図示しないが、プライマリプーリ32は、固定プーリ及びスライドプーリにより構成され、スライドプーリは、プライマリ油圧室に導かれる油圧(プライマリ圧又はプライマリプーリ圧ともいう)に応じて軸方向にスライド移動する。
同様に、セカンダリプーリ33は、固定プーリ及びスライドプーリにより構成され、スライドプーリは、セカンダリ油圧室に導かれる油圧(セカンダリ圧又はセカンダリプーリ圧ともいう)に応じて軸方向にスライド移動する。
プライマリプーリ32及びセカンダリプーリ33の各固定プーリ及びスライドプーリの各対向面であるシーブ面は、何れもV字形状をなしており、ベルト34は、プライマリプーリ32及びセカンダリプーリ33のV字形状のシーブ面に掛け渡され、ベルト34の両側部分と各シーブ面との接触により動力が伝達される。
プライマリプーリ32及びセカンダリプーリ33の各スライドプーリの移動に応じて、プライマリプーリ32及びセカンダリプーリ33へのベルト34の巻付き半径が変更されて、変速比が変更される。
副変速機構4は、前進2段・後進1段の有段変速機構であり、詳細は図示しないが、例えば、2つの遊星歯車のキャリアを連結したラビニョウ型遊星歯車機構と、ラビニョウ型遊星歯車機構を構成する複数の回転要素に接続され、それらの連係状態を変更する複数の摩擦締結要素とを備える。
これらの複数の摩擦締結要素は、ローアンドリバースブレーキ(以下、「ローブレーキ」)LR/B、ハイクラッチH/C及びリバースブレーキR/Bであり、各摩擦締結要素の油室に給排される油圧に応じて締結及び解放を行なう。
下記の表1に示すように、前進1速を選択する場合は、ローブレーキLR/Bのみを締結する。また、前進2速を選択する場合は、ハイクラッチH/Cのみを締結する。さらに、後進を選択する場合は、リバースブレーキR/Bのみを締結する。
Figure 0006568732
また、終減速機構5は、バリエータ3の変速機出力軸31からの変速機出力回転を減速し、ディファレンシャル5Aは減速した変速機出力回転に差動機能を与えて左右の駆動輪6,6にドライブ軸61,61を介して伝達する。
このような車両の制御系のうち、特にCVT100の制御系は、図1に示すように、変速油圧コントロールユニット7と、自動変速機コントロールユニット8(制御手段、以下、ATCU8という)とを備えている。
なお、ATCU8は、入出力装置,多数の制御プログラムを内蔵した記憶装置(ROM,RAM等),中央処理装置(CPU),タイマカウンタ等を備えて構成される。
[2.CVTの制御]
油圧コントロールユニット7は、図示しないが、オイルポンプと、夫々がソレノイドによって作動制御されるレギュレータ弁と、プライマリ圧減圧弁と、セカンダリ圧減圧弁と、を備え、ライン圧と、プライマリ圧と、セカンダリ圧とを作り出す。
ATCU8には、バリエータ入力側回転センサ80、バリエータ出力側回転センサ81、車速センサ82、セカンダリ圧センサ(図示略)、プライマリ圧センサ(図示略)、アクセル開度センサ(図示略)、スロットル開度センサ(図示略)等の各種センサが接続され、これらのセンサ情報やスイッチ情報が入力される。
バリエータ入力側回転センサ80は、バリエータ3の入力側の回転速度(単位時間回転数)を検出するセンサであればよく、ここでは、プライマリプーリ32の回転速度(プライマリ回転数)Npriを直接検出するプライマリプーリ回転センサが適用される。
バリエータ出力側回転センサ81は、バリエータ3の出力側の回転速度をセンサであればよく、ここでは、セカンダリプーリ33の回転速度(セカンダリ回転数)Nsecを直接検出するセカンダリプーリ回転センサが適用される。
車速センサ82は、車速Vspに相関する回転速度を検出するセンサであればよく、ここでは、副変速機構4の出力軸41の回転速度(変速機出力回転数)Noutを検出する変速機出力回転センサが適用される。
セカンダリ圧センサは、セカンダリ油圧室に導かれるセカンダリ圧(セカンダリプーリ圧とも呼ぶ)を検出する圧力センサであり、プライマリ圧センサは、プライマリ油圧室に導かれるプライマリ圧(プライマリプーリ圧とも呼ぶ)を検出する圧力センサである。
アクセル開度センサは、車両のアクセル開度APOを検出する位置センサであり、スロットル開度センサは、エンジン1のスロットル開度TVOを検出する位置センサである。
本装置のATCU8は、バリエータ3の変速比を制御する変速比制御部8aと、副変速機構4の変速段を制御する変速段制御部8bと、変速比制御部8a及び変速段制御部8bによる制御に用いる車速Vspを演算する車速演算部8cと、を有している。
変速比制御部8aは、アクセル開度センサからのアクセル開度APOの情報等からバリエータ3の伝達トルク容量を算出し、更に、この伝達トルク容量に応じたセカンダリ圧目標値を求め、これに基づいてセカンダリ圧Psecを制御する。
また、変速比制御部8aは、目標変速比と実変速比とセカンダリ圧の指示値とからプライマリ圧目標値を求め、これに基づいてプライマリ圧Ppriを制御する。
変速段制御部8bは、通常の前進走行時には、車速Vspとスロットル開度TVOとに基づいて、前進1速と前進2速との切替を実施する。
車速演算部8cでは、車速センサ82が正常な通常時には、車速センサ82により検出され変速機出力回転数Noutに、減速機構5の減速比及び車輪6の直径を用いて、車速Vspを演算する。
図2は、本制御装置にかかる変速制御の際に用いられる変速線を例示する変速線図である。この図2の変速線図は、バリエータ3の変速線と、有段変速機構である副変速機構4の変速線とを組み合わせたものである。
図2の変速線図では、横軸に車速Vsp、縦軸にプライマリ回転数Npriをとっており、車速Vsp及びプライマリ回転数Npriにより副変速機構4の変速線が規定され、車速Vsp及びバリエータ3への入力トルクに相関するスロットル開度TVOによりバリエータ3の変速線が規定される。
図2において、副変速機構4の変速段として前進1速が選択されている場合、バリエータ3の変速可能領域は、1速最Low線から1速最Hi線までの領域である。一方、副変速機構4の変速段として前進2速が選択されている場合、バリエータ3の変速可能領域は、2速最Low線から2速最Hi線までの領域である。
このため、図2の領域Aは、副変速機構4の変速段が前進1速であるときのみ変速制御が可能な領域となる。また、図2の領域Bは、副変速機構4の変速段が前進1速であるとき及び前進2速であるときに共に変速制御が可能な領域となる。図2の領域Cは、副変速機構4の変速段が前進2速であるときのみ変速制御が可能な領域となる。
領域A〜Cでは、図2の変速線に従って、車速Vspとスロットル開度TVO(図2中のTVO1〜TVO4の値は、TVO1<TVO2<TVO3<TVO4)とに対応した変速機入力回転数目標値(プライマリ回転数Npriの目標値)を求め、この変速機入力回転数目標が達成されるように、バリエータ3が制御される。
バリエータ3の変速比は、プライマリ回転数Npriとセカンダリ回転数Nsecとの比(=Npri/Nsec)であり、セカンダリ回転数Nsecは車速Vspと比例するので、プライマリ回転数Npriを変速機入力回転数目標値Npriにすることは、バリエータ3の変速比を目標変速比に制御することに相当する。
これに対し、有段変速機構である副変速機構4の変速線には、前進1速から前進2速に切り替わる1→2UP線と、前進2速から前進1速に切り替わる2→1Down線とがある。
例えば、車速Vspとスロットル開度TVOとで決定される走行状態が、1→2UP線を低車速側から高車速側に向かって横切るような走行状態であると、副変速機構4では、前進2速を選択すべくローブレーキを解放すると共にハイクラッチを締結する。
一方、車速Vspとスロットル開度TVOとで決定される走行状態が、2→1Down線を高車速側から低車速側に向かって横切るような走行状態であると、副変速機構4では、前進1速を選択すべく、ハイクラッチを解放すると共にローブレーキを締結する。
変速段制御部8bは、車速Vspとスロットル開度TVOとで決定される走行状態が、これらの変速線により決定される前進1速領域と前進2速領域との何れにあるかに応じて、前進1速と前進2速との切替(掛け替え変速)を実施する。
例えば、車速Vspとスロットル開度TVOとで決定される走行状態が、1→2UP線を低車速側から高車速側に向かって横切るような走行状態であると、副変速機構4として前進2速を選択すべく、ローブレーキを解放すると共にハイクラッチを締結する掛け替え変速を行なう。
これに対し、車速Vspとスロットル開度TVOとで決定される走行状態が、2→1Down線を高車速側から低車速側に向かって横切るような走行状態であると、有段変速機構9として前進1速を選択すべく、ハイクラッチを解放すると共にローブレーキを締結する掛け替え変速を行なう。
このように、図2の変速線図を用いて、車速Vspとスロットル開度TVOとから、変速段制御部8bでは、副変速機構の前進1速又は前進2速が選択され、これと同時に、変速比制御部8aでは、変速比制御が行われる。
つまり、副変速機構4では、変速段に応じた有段変速比で変速を行ない、バリエータ3では、ベルト34のプーリ32,33への巻付き半径に応じた無段変速比で変速を行なうので、ATCU8としては、副変速機構4の変速比とバリエータ3の変速比とを乗算したトータル変速比で変速が実施される。
そして、ATCU8では、副変速機構4の変速段を切り替える際に、この副変速機構4の掛け替え変速と同時にバリエータ3の無段変速を行うことで、バリエータ3の変速制御を副変速機構4の変速制御に協調させる。この変速制御は、協調変速制御と呼ばれる。
協調変速制御では、副変速機構4の有段変速比の変更に伴って、このトータル変速比の変動を抑制するように、バリエータ3の無段変速比を制御して、有段変速比を、変速前ギヤ比から変速後ギヤ比に滑らかに移行するように操作する。
[3.車速センサフェール時のフェール制御]
ここで、車速センサ82がフェール(故障)した場合に、ATCU8の変速比制御部8a及び変速段制御部8bが行なうCVT100のフェール制御について説明する。
ATCU8では、車速センサ82がフェールしていることの判定は、セカンダリプーリ回転センサ81が正常であることを前提に、車速センサ82の検出値(変速機出力回転数Nout)と、セカンダリプーリ回転センサ81の検出値(セカンダリ回転数Nsec)とが所定の関係にあるか否かにより判定する。
つまり、バリエータ3の出力回転速度であるセカンダリ回転数Nsecは、副変速機構4により変速されて出力されるので、副変速機構4の出力回転速度(即ち、CVT100の出力回転速度)である変速機出力回転数Noutは、次式(1)に示すように、セカンダリ回転数Nsecと、副変速機構4の変速段に応じた変速比Rsubとから演算できる。
Nout=Nsec/Rsub ・・・(1)
したがって、車速センサ82が正常であれば、車速センサ82の検出値Nout_detは、式(1)のようにセカンダリ回転数Nsecと副変速機構4の変速段の変速比Rsubとから算出される演算値Nout_calと等しく又は略等しく(Nout_det≒Nout_cal)なる。
なお、セカンダリプーリ回転センサ81が正常であることは、変速比制御部8aによる変速比制御において実変速比を目標変速比に接近させる制御が支障なく行なわれていることから判定することができる。
車速演算部8cでは、車速センサ82が正常な通常時には、前述のように、車速センサ82により検出され変速機出力回転数Noutに、減速機構5の減速比及び車輪6の直径を用いて、車速Vspを演算する(この車速を第1車速とする)。
一方、車速演算部8cでは、車速センサ82のフェールが判定されると、車速センサ82の検出情報である変速機出力回転数Noutに替えて、副変速機構4の変速段情報(現在使用中の変速段)である変速比Rsub及びセカンダリプーリ回転センサ81の検出情報であるセカンダリ回転数Nsecから車速Vspを演算する(この車速を第2車速とする)。
つまり、前記式(1)に示すように、変速機出力回転数Noutは、セカンダリ回転数Nsecと、副変速機構4の現在使用中の変速段に応じた変速比Rsubとから演算でき、変速機出力回転数Noutに替えて、セカンダリ回転数Nsecを変速比Rsubで除算した値を使用して、第2車速を演算することができる。
そして、変速比制御部8aでは、車速センサ82のフェールが判定されると、第1車速に替えて、第2車速を用いて、バリエータ3の変速比を制御する。
また、変速段制御部8bでは、車両の走行中に車速センサ82のフェールが判定されると、副変速機構4の変速段をフェール直前の変速段に固定する。すなわち、フェール判定後は走行中の変速段の変更を禁止する。例えば、副変速機構4のフェール直前の変速段が前進1速であれば前進1速に固定し、副変速機構4のフェール直前の変速段が前進2速であれば前進2速に固定する。
そして、変速段制御部8bでは、このように副変速機構4の変速段をフェール直前の変速段に固定して、その後車両が停止したら、副変速機構4の変速段を前進1速に固定する。また、フェール判定後は走行中の変速段の変更が禁止されているので、停車後の再走行後も前進1速が維持され続ける。
例えば、停止前の走行中に固定した副変速機構4の変速段が前進2速なら、前進1速に切り替えて固定し、また、走行中に固定した副変速機構4の変速段が前進1速ならそのまま前進1速への固定を維持する。
[4.作用及び効果]
本発明の一実施形態にかかる無段変速機の制御装置は、上記のように構成されているので、車速センサ82のフェール時には、例えば、図3のフローチャートに示すように、フェールの判定やフェール制御を行なうことができる。
なお、図3(a),(b)の処理は、車両のキースイッチ(図示略)がオン状態であれば、所定周期で実施される。
まず、車速センサ82のフェール判定については、図3(a)に示すように、ATCU8では、車速センサ82の検出値Nout_detと、式(1)のようにセカンダリ回転数Nsecと副変速機構4の変速段の変速比Rsubとから算出される演算値Nout_calとを比較し、検出値Nout_detと演算値Nout_calとの差ΔNout(=|Nout_det−Nout_cal|)が所定値ΔNout0以下か否かを判定する(ステップS10)。
所定値ΔNout0は微小値であるので、差ΔNoutが所定値ΔNout0以下であれば、検出値Nout_detは演算値Nout_calと等しい又は略等しい(Nout_det≒Nout_cal)ものとなる。
差ΔNoutが所定値ΔNout0以下であれば、車速センサ82は正常であると判定し(ステップS20)、差ΔNoutが所定値ΔNout0よりも大きければ、車速センサ82はフェールしていると判定(フェール判定)する(ステップS30)。
そして、フェール制御については、図3(b)に示すように、まず、車速センサ82がフェールしているか否かを判定する(ステップS110)。ここで、車速センサ82がフェールしていない(即ち、正常である)と判定されれば、車速演算部8cが、車速センサ8の出力(変速機出力回転数Nout)に基づいて第1車速を演算する(ステップS180)。
さらに、変速段制御部8bが、第1車速として得られた車速Vsp、及び、スロットル開度センサで得られたスロットル開度TVOに基づいた通常の制御によって副変速機構4の変速段を制御する(ステップS190)。
また、車速センサ82が正常であれば、変速比制御部8aが、バリエータ3の変速制御を第1車速及びスロットル開度TVOに基づいて通常通りに行ない、副変速機構4の変速段切替時には、協調制御を通常通りに行なう。
一方、ステップS110で、車速センサ82がフェールしていると判定されれば、変速段制御部8bが、副変速機構4の変速段が前進1速であるか否かを判定する(ステップS120)。ここで、副変速機構4の変速段が前進1速であれば、副変速機構4の変速段を前進1速に固定する(ステップS130)。
そして、車速演算部8cが、車速センサ82の出力(変速機出力回転数Nout)に替えて、副変速機構4の変速段情報(前進1速の変速比Rsub)及びセカンダリプーリ回転センサ81の出力(セカンダリ回転数Nsec)に基づいて第2車速を演算する(ステップS140)。
一方、ステップS120で副変速機構4の変速段が前進1速でないと判定されたら、この場合、副変速機構4の変速段は前進2速であり、ATCU8(変速比制御部8a,変速段制御部8b及び車速演算部8c)が、車両が走行中であるか否かを判定する(ステップS150)。
ここで、車両が走行中であると判定されれば、副変速機構4の変速段を前進2速のままに固定して、副変速機構4の変速段情報(前進2速の変速比Rsub)及びセカンダリプーリ回転センサ81の出力(セカンダリ回転数Nsec)に基づいて第2車速を演算する(ステップS170)。
一方、ステップS150で、車両が走行中でない、即ち、停車中であると判定されたら、副変速機構4の変速段を前進2速から前進1速に切り替えて固定し(ステップS160)、副変速機構4の変速段情報(前進1速の変速比Rsub)及びセカンダリプーリ回転センサ81の出力(セカンダリ回転数Nsec)に基づいて第2車速を演算する(ステップS140)。
上記のステップS110〜ステップS190の処理は、ステップS200で、キースイッチオフが判定されるまで所定周期で繰り返して実行し、キースイッチオフが判定されたら終了する。
このようにして、車速センサ82がフェールした場合には、副変速機構4の変速段を固定するため、トータル変速比の制御範囲は減少するが、バリエータ3の変速制御を通常と同様に行なうことができ、車両の円滑な走行を実施することができる。
また、車速センサ82がフェールした場合には、副変速機構4の変速段を固定するため、協調変速制御自体が不要となり、副変速機構の変速段を変更する際に生じる変速ショックを招くこともない。
車速センサ82がフェールして、車両が走行から停止をした場合には、副変速機構4の変速段が前進1速でなければ前進1速に切り替えて、前進1速に固定するので、その後の車両の再発進時の駆動力を確保できる。また、変速を実行するのは車両の停止中なので、変速ショックが発生することもない。
[5.その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の一部を用いたり本実施形態の一部を変更したりして実施しても良い。
例えば、バリエータ入力側回転センサ80は、バリエータ3の入力側の回転速度(回転数)を検出するセンサであればよく、変速機入力軸30と機械的に連結された軸(例えば、トルクコンバータ出力軸21)の回転数など、プライマリ回転数Npriと一定比率の対応関係のある回転数を検出するセンサであればよい。この場合、センサ検出値に一定の係数をかけてプライマリ回転数Npriを演算することができる。
同様に、バリエータ出力側回転センサ81は、バリエータ3の出力側の回転速度(回転数)を検出するセンサであればよく、変速機出力軸31と機械的に連結された軸の回転数など、セカンダリ回転数Nsecと一定比率の対応関係のある回転数を検出するセンサであればよい。この場合も、センサ検出値に一定の係数をかけてセカンダリ回転数Nsecを演算することができる。
また、上記実施形態では、車速センサ82に、副変速機構4の出力軸41の回転速度(変速機出力回転数)Noutを検出する変速機出力回転センサを適用しているが、車速センサ82は、車速Vspに相関する回転速度を検出するセンサであればよく、例えば、ディファレンシャル5Aの入力部(図1中に*で示す)の回転を検出するセンサを適用してもよい。この場合も、センサ検出値に一定の係数をかけて車速Vspを演算することができる。
さらに、上記実施形態では、車速センサ82の検出値Nout_detと、セカンダリ回転数Nsecと副変速機構4の変速段の変速比Rsubとから算出される演算値Nout_calとを比較して、車速センサ82のフェールを判定したが、車速センサ82のフェール判定はこれに限らない。
例えば、車速センサ82からの出力信号の周期や出力値の変動を検出して、これらに基づいて判定しても良く、例えば出力信号の周期や出力値が異常な変動を生じたらフェールであると判定しても良い。
さらに、上記実施形態では、車両の駆動源がエンジン(内燃機関)1であるが、例えば、本発明は、エンジン及び電動モータを駆動源としたハイブリッド車など、種々の駆動源を有する車両に適用することができる。
また、上記実施形態では、有段変速機構である副変速機構が、前進1速と前進2速とを備えた2段変速機構により構成されているが、この有段変速機構は、3段以上の変速段を有する多段変速機構により構成してもよい。
この場合、有段変速機構には、少なくとも、前進1速と前進2速と前進3速との変速段があることになり、何れの変速段であっても、車両の走行中に車速センサのフェールが判定されたら、その時点の変速段を固定して、その後、車両が停止したら、より低速側の(より変速比が大きい)変速段に切り替えて固定することが、発進性能確保の上で好ましい。
例えば、走行中に、前進1速や前進2速よりも変速比の小さい前進3速(第2変速段に相当する)に固定していた場合には、停止後に、この第3変速段よりも変速比の大きい前進1速或いは前進2速(第1変速段に相当する)に切り替えて固定することが好ましい。
1 エンジン(内燃機関)
2 トルクコンバータ
3 バリエータ(無段変速機構)
4 副変速機構(有段変速機構)
5 終減速機構
5A ディファレンシャル
6 駆動輪
100 無段変速機(CVT)
30 変速機入力軸
31 変速機出力軸
32 プライマリのプーリ
33 セカンダリプーリ
34 ベルト
7 変速油圧コントロールユニット
8 CVT電子コントロールユニット(制御手段、ATCU)
8a 変速比制御部
8b 変速段制御部
8c 車速演算部
61 ドライブ軸
80 プライマリプーリ回転センサ(バリエータ入力側回転センサ)
81 セカンダリプーリ回転センサ(バリエータ出力側回転センサ)
82 車速センサ(変速機出力回転センサ)
Npri プライマリプーリ32の回転速度(プライマリ回転数)
Nsec セカンダリプーリ33の回転速度(セカンダリ回転数)
Nout 副変速機構4の出力軸41の回転速度(変速機出力回転数)

Claims (2)

  1. バリエータと、
    前記バリエータの出力側に配置され、複数の前進変速段を選択可能な副変速機構と、
    前記バリエータの入力側の回転速度を検知可能なバリエータ入力側回転センサと、
    前記バリエータの出力側の回転速度を検知可能なバリエータ出力側回転センサと、
    車速を検知可能な車速センサと、
    前記バリエータ入力側回転センサ,前記バリエータ出力側回転センサ及び前記車速センサの検出情報に基づいて前記バリエータ及び前記副変速機構を制御する制御手段と、を有する、車両用の無段変速機の制御装置であって、
    前記制御手段は、前記車速センサのフェールが判定されると、前記車速センサの検出情報から演算された第1車速に替えて、前記副変速機構の変速段情報及び前記バリエータ出力側回転センサの検出情報から演算された第2車速を用いて、前記バリエータの変速比を制御する変速比制御部を有し、
    前記制御手段は、前記副変速機構の変速段を制御すると共に、車両の前進走行中に前記車速センサのフェールが判定されると、車両の前進走行中の前進変速段の変更を禁止する変速段制御部を有する
    ことを特徴とする、無段変速機の制御装置。
  2. 前記複数の前進変速段には、第1変速段と、前記第1変速段よりも変速比の小さい第2変速段と、が含まれ、
    前記変速段制御部は、フェール直前の変速段が前記第2変速段の場合は、その後の車両の停車中に前記副変速機構の変速段を前記第1変速段へ変更して固定する
    ことを特徴とする、請求項記載の無段変速機の制御装置。
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