JP6567860B2 - 塩化ビニリデン樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は塩化ビニリデン樹脂組成物に関する。
塩化ビニリデン樹脂組成物は、難燃性、耐薬品性、ガスバリア性に優れるものであるが、類似の塩化ビニル樹脂組成物に比べて非常に熱安定性が悪い。このため、塩化ビニリデン樹脂組成物は、加工時における加工温度範囲や加熱時間が制限され、製品加工時にロスや不良品が多く発生してしまう。例えば、塩化ビニリデン樹脂組成物は、主要な汎用用途であるラップ類の製造に用いられる場合、加工温度180℃付近で、加工機器の滞留時間が200〜300秒程度の短時間で加工され、加工時にかなりのロスや不良品が発生してしまう。このようなロスや不良品は、通常、焼却又は埋め立て処分され、環境に負荷を与え続けている。このような問題から、塩化ビニリデン樹脂組成物は、熱安定性の向上のための試みがなされている。例えば、塩化ビニリデン樹脂組成物は、ハイドロタルサイトやゼオライトの添加により、熱安定性が向上することが開示されている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。
特開2007−291297号公報 特開2008−13735号公報 特開2008−31397号公報
塩化ビニリデン樹脂組成物を産業的に加工生産するためには、熱安定性、ロールへの巻き付き等の成形加工性、強度、成形物の表面平滑性等が要求される。しかしながら、特許文献1のポリ塩化ビニリデン樹脂組成物は、熱安定性、成形加工性、強度、及び成形物の表面平滑性について、具体的な物性の開示がなく検討の余地がある。また、特許文献2の樹脂組成物は、成形加工性におけるロールへの巻き付きの特性に検討の余地があり、また、強度及び成形物の表面平滑性について、具体的な物性の開示がなく検討の余地がある。また、特許文献3の樹脂組成物は、成形加工性、成形物の表面平滑性について、具体的な物性の開示がなく検討の余地がある。すなわち、特許文献1〜3に開示されるポリ塩化ビニリデン樹脂組成物は、産業的に製造するためには、実用上の検討が不十分であった。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、熱安定性、成形加工性、強度、及び成形物の表面平滑性に優れる塩化ビニリデン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、以前本課題を解決するために様々な工夫を試みたが、その中でハイドロタルサイトが塩化ビニリデン系樹脂組成物に対して特異な熱安定性を示すことを見出した(上記特許文献2及び3)。しかし、ハイドロタルサイトを含有させるだけでは、産業的な加工生産を実施するには成形加工性に改善の余地があり、更に検討の結果、ハイドロタルサイト系化合物及びゼオライトのうち少なくとも1種及びエチレン系樹脂の特定量の添加が熱安定性や成形加工性などを向上させ、産業的な加工生産をするために効果的であることを見出して本発明を完成させた。本発明は、以下の各発明を提供するものである。
本発明に係る塩化ビニリデン系樹脂組成物は、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、ハイドロタルサイト系化合物及びゼオライトのうち少なくとも1種0.3〜10.0重量部と、メルトフローレート(JIS K 7210−1999に準拠、190℃、荷重2.16kg)が0.3〜100(g/10min)であるエチレン系樹脂0.3〜8.0重量部と、任意成分としてエチレン系樹脂以外の(メタ)アクリル酸アルキル樹脂と、を含有してなり、エチレン系樹脂は、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸系エステル共重合体からなる群より選択される少なくとも一種であ(メタ)アクリル酸アルキル樹脂は、メタクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキルのうちの1種または2種以上を重合させた樹脂であり、(メタ)アクリル酸アルキル樹脂を含有する場合、(メタ)アクリル酸アルキル樹脂を0.3〜6.0質量部含有する。
また、塩化ビニリデン系樹脂が樹脂廃材を含有するものでもよい。また、エチレン系樹脂は、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むものでもよい。また、エチレン系樹脂は、エチレン−アクリル酸系エステル共重合体を含むものでもよい。また、エチレン−アクリル酸系エステル共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−エタクリル酸エステル共重合体のうち少なくとも1種であってもよい。また、(メタ)アクリル酸アルキル樹脂は、メタクリル酸アルキル−アクリル酸アルキル共重体でもよい。また、ハイドロタルサイト系化合物及びゼオライトのうち少なくとも1種の含有量が、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、1.0〜5.0重量部でもよい。エチレン系樹脂の含有量が、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、1.0〜5.0重量部でもよい。また、エチレン系樹脂のメルトフローレート(JIS K 7210−1999に準拠、190℃、荷重2.16kg)が1〜50(g/10min)であるものでもよい。
また、本発明に係る成形体は、上記した塩化ビニリデン樹脂組成物から形成されてもよい。
本発明に係る塩化ビニリデン樹脂組成物によれば、熱安定性に優れるため、通常の加工温度の範囲で長時間、安定した状態で成形体を加工生産することができる。また、ロールの巻き付きがよく、ロールやスクリューへの巻き付きに要する時間が短く且つロールやスクリューへの粘着が生じにくいので、射出成形法、押出し成形法、ブロー成形法、プレス成形法、カレンダー成形法等の汎用加工法による成形加工性に優れ、成形体を早く且つ安定して加工することができる。また、樹脂組成物は、成形加工性及び強度に優れるため、成形加工の冷却時や巻き取り作業時に生じる破断やしわなどの発生が抑制されるので、安定して加工することができる。また、塩化ビニリデン樹脂のガスバリア性、難燃性、耐薬品性等に加え、強度及び成形体の表面平滑性に優れるため、産業的利用価値が高く、幅広い用途に用いることができる。
また、塩化ビニリデン系樹脂が樹脂廃材を含有する場合、製造コストを下げることができるとともに環境負荷を軽減することができる。また、塩化ビニリデン系樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸アルキル樹脂を、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、0.1〜10.0重量部含有してなる場合、樹脂組成物は、成形加工機のロールやスクリューへの巻き付きに要する時間が短くなるとともにロールやスクリューへの粘着が生じにくくなるため、成形加工性が向上する。また、エチレン系樹脂は、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むものである場合、汎用材料であるため、入手が容易である。また、エチレン系樹脂は、エチレン−アクリル酸系エステル共重合体を含むものである場合、加工機器とのなじみがよく、成形加工性が向上する。また、エチレン−アクリル酸系エステル共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−エタクリル酸エステル共重合体のうち少なくとも1種である場合、加工機器とのなじみがよく、成形加工性が向上する。また、(メタ)アクリル酸アルキル樹脂は、メタクリル酸アルキル−アクリル酸アルキル共重体である場合、樹脂組成物は、成形加工機のロールやスクリューへの巻き付きに要する時間が短くなるとともにロールやスクリューへの粘着が生じにくくなるため、成形加工性が向上する。また、ハイドロタルサイト系化合物及びゼオライトのうち少なくとも1種の含有量が、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、1.0〜5.0重量部である場合、樹脂組成物は熱安定性が向上する。また、エチレン系樹脂の含有量が、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、1.0〜5.0重量部である場合、樹脂組成物は、熱安定性が向上し且つ成形加工機のロールやスクリューへの巻き付きに要する時間が短くなるとともにロールやスクリューへの粘着が生じにくくなるため、成形加工性が向上する。また、エチレン系樹脂のメルトフローレート(JIS K 7210−1999に準拠、190℃、荷重2.16kg)が1〜50(g/10min)である場合、樹脂組成物は、熱安定性が向上し且つ成形加工機のロールやスクリューへの巻き付きに要する時間が短くなるとともにロールやスクリューへの粘着が生じにくくなるため、成形加工性が向上する。また、(メタ)アクリル酸アルキル樹脂の含有量が、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、0.3〜6.0重量部である場合、樹脂組成物は、成形加工機のロールやスクリューへの巻き付きに要する時間が短くなるとともにロールやスクリューへの粘着が生じにくくなるため、成形加工性が向上する。
また、本発明に係る成形体は、上記した塩化ビニリデン樹脂組成物から形成される場合、ガスバリア性、難燃性、耐薬品性等を有し、かつ、強度及び表面平滑性に優れるので、産業的利用価値が高く、幅広い用途に用いることができる。
実施例で用いたカレンダー成形機を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本実施形態の塩化ビニリデン樹脂組成物は、塩化ビニリデン系樹脂と、ハイドロタルサイト系化合物及びゼオライトのうち少なくとも1種と、エチレン系樹脂と、を含有してなる。なお、以下の説明において「塩化ビニリデン樹脂組成物」を「樹脂組成物」と称す。
塩化ビニリデン系樹脂は、塩化ビニリデン系樹脂全体に対して、塩化ビニリデンに由来する構成単位を50重量%以上含む樹脂をいう。塩化ビニリデン系樹脂は、例えば、塩化ビニリデン単独重合体、塩化ビニリデンと他の単量体との共重合体、及びこれらの混合物を含むことができる。また、塩化ビニリデン系樹脂は、他の樹脂や少量の添加剤を含んでもよい。
塩化ビニリデンと他の単量体との共重合体を用いる場合、他の単量体としては、塩化ビニリデン系樹脂と共重合可能なものであれば、任意のものを用いることができる。他の単量体としては、例えば、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。塩化ビニリデンと他の単量体との共重合体としては、例えば、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味し、例えば、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
塩化ビニリデン系樹脂は、一度も成形加工されていない未使用樹脂(バージン材)、成形加工された樹脂廃材及びこれらの混合物を用いることができる。塩化ビニリデン系樹脂が樹脂廃材を含有する場合、製造コストを下げることができるとともに環境負荷を軽減することができる。また、塩化ビニリデン系樹脂は、樹脂廃材のみからなるものでもよく、この場合でも、耐熱性、成形加工性、強度及び成形体の表面平滑性に優れる塩化ビニリデン樹脂組成物を製造することができる。樹脂廃材としては、廃材であれば、任意のものを用いることができ、複数の物質が混在してもよい。これらの中でも、ラップ、シート、フィルム等の製造時に発生した樹脂廃材を用いることが好ましい。このような製造時に発生した樹脂廃材を用いる場合、不純物の混入が少ないため、高品質の樹脂組成物を製造することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、ゼオライト、ハイドロタルサイト系化合物及びこれらの混合物を含む。樹脂組成物は、ハイドロタルサイト系化合物及びゼオライトのうち少なくとも1種を、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、0.3〜10.0重量部、好ましくは1.0〜5.0重量部含有してなる。ハイドロタルサイト系化合物及びゼオライトのうち少なくとも1種の含有量が、上記範囲である場合、樹脂組成物の熱安定性が向上する。なお、上記範囲を超える場合、この効果は変わらない。
ハイドロタルサイト系化合物は、2価の金属イオンと3価の金属イオンからなる層状複水酸化物であって、層間に陰イオンを持つ化合物である。例えば、ハイドロタルサイト系化合物は、下記一般式(1)で表される化合物を用いることができ、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
2+ 1―X3+ (OH)(An−X/n・mHO・・・(1)
一般式(1)中、M2+は、2価の金属イオンであり、M3+は、3価の金属イオンであり、An−はn価アニオンである。また、xは、0<x<0.5の条件を満足する数値であり、mは、0≦m≦4の条件を満足する数値である。
2+としては、マグネシウム(Mg2+)、コバルト(Co2+)、ニッケル(Ni2+)、亜鉛(Zn2+)等が挙げられ、中でもMg2+が好ましい。M3+としては、例えば、アルミニウム(Al3+)、コバルト(Co3+)、鉄(Fe3+)、クロム(Cr3+)等が挙げられ、中でもAl3+が好ましい。An−としては、例えば、Cl、Br、I、NO 、ClO 、SO 2−、CO 2−、SiO 2−、Si 2−、HPO 2−、HBO 2−、PO 3−、Fe(CN) 3−、Fe(CN) 4−、CHCOO、C(OH)COO、(OCOCOO)2−、(OCOCCOO)2−等が挙げられ、中でもCO 2−が好ましい。
上記ハイドロタルサイト系化合物の中でも、熱安定性の向上の観点から、一般式:MgAl(OH)16CO・4HO(一般式(1)中、x=0.25、n=2、m=0.5)で表される化合物が好ましい。
ハイドロタルサイト系化合物は、天然鉱物、合成物及びこれらの混合物を用いることができる。合成物を用いる場合、不純物の含有がより少ないものとなる。また、ハイドロタルサイト系化合物は、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、大協化成工業株式会社製の商品名RX304B(一般式:MgAl(OH)16CO・4HO)等を用いることができる。ハイドロタルサイト系化合物の粒子径は、限定されないが、平均粒子径で1μm以下のものを用いる場合、樹脂組成物中に容易に分散させることができ、熱安定性がより効果的に向上する。
ゼオライトは、アルミノケイ酸塩からなり、その結晶構造中に空隙を有する。ゼオライトは、例えば、アルミノケイ酸ナトリウムを主成分とするものを用いることができ、1種を単独又は2種以上を併用して用いることができる。また、ゼオライトは、天然物及び合成物のいずれも用いることができる。合成物を用いる場合、不純物の含有が少ないものとなる。また、ゼオライトは市販品を用いることができる。市販品としては、大協化成工業株式会社製の商品名RX304A(アルミノケイ酸塩が主成分である合成物)等を用いることができる。ゼオライトの粒子径は、特に限定されないが、例えば、ゼオライトの粒子径が、平均粒子径で1μm以下のものを用いる場合、樹脂組成物中に容易に分散させることができ、熱安定性がより効果的に向上する。
本実施形態の樹脂組成物は、エチレン系樹脂を、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、0.3〜8.0重量部、好ましくは1.0〜5.0重量部含有してなる。エチレン系樹脂は、エチレン由来の構成単位を50重量%以上含有する樹脂である。エチレン系樹脂の含有量が上記範囲である場合、樹脂組成物は熱安定性が向上し、通常の加工温度の範囲で長時間、安定して成形体を加工生産できるものになる。
エチレン系樹脂は、メルトフローレートが0.3〜100(g/10min)である樹脂である。中でも、メルトフローレートは1.0〜50(g/10min)であると好ましく、1.0〜30(g/10min)であるのがより好ましい。エチレン系樹脂のメルトフローレートが上記範囲である場合、樹脂組成物は熱安定性が向上し、通常の加工温度の範囲で長時間、安定して成形体を加工生産できるものになる。なお、本明細書においてメルトフローレートとは、JIS K 7210−1999に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgにて測定した値である。
また、含有量及びメルトフローレートが上記範囲であるエチレン系樹脂を含有する樹脂組成物は、成形加工機のロールやスクリューへの巻き付きに要する時間が短くなるとともにロールやスクリューへの粘着が生じにくくなるため、成形加工性が向上する。この成形加工性の特性は、樹脂組成物が、射出成形法、押出し成形法、ブロー成形法、プレス成形法、カレンダー成形法等の汎用加工法による成形加工性に優れ、特にカレンダー成形法に対して優れた成形加工性を有することを意味している。
エチレン系樹脂としては、エチレン由来の構成単位を50重量%以上含有し、メルトフローレートが上記範囲である樹脂であれば、任意のものを用いることができる。エチレン系樹脂としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンと他の単量体との共重合体を用いることができる。中でも、エチレン単独重合体;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−エタクリル酸エステル共重合体等のエチレン−アクリル酸系エステル共重合体;からなる群より選択される少なくとも1種を用いるのが好ましい。なお、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。エチレン系樹脂が、エチレン−アクリル酸系エステル共重合体である場合、加工機器とのなじみがよい点で好ましい。
また、エチレン系樹脂は、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン及びこれらの混合物を用いることができる。これらのエチレン系樹脂は、汎用材料であるため、入手が容易である点から好ましい。このようなエチレン系樹脂は、公知の方法で合成したものを用いることができる。また、エチレン系樹脂は、市販品を用いることができる。例えば、高密度ポリエチレンの市販品としては、商品名「M8500」(京葉ポリエチレン株式会社製)等を用いることができる。また、例えば、低密度ポリエチレンの市販品としては、商品名「ペトロセン(登録商標)」(東ソー株式会社社製)等を用いることができる。また、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンの市販品としては、商品名「エボリュー(登録商標)」(株式会社プライムポリマー社製)等を用いることができる。
また、エチレン−アクリル酸系エステル共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−エタクリル酸エステル共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。中でも、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体における(メタ)アクリル酸由来の構造単位の含有量が、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体全重量に対して、2.0〜35.0重量%である場合、より好ましい。また、エタクリル酸エステル共重合体におけるエタクリル酸由来の構造単位の含有量が、エタクリル酸エステル共重合体全重量に対して、2.0〜35.0重量%であることが、より好ましい。
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸プロピル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。また、エチレン−エタクリル酸エステル共重合体としては、例えば、エチレン−エタクリル酸メチル共重合体、エチレン−エタクリル酸エチル共重合体、エチレン−エタクリル酸プロピル共重合体、エチレン−エタクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。
例えば、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体の市販品としては、商品名「アクリフト(登録商標)」(住友化学株式会社製)等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸アルキル樹脂を含有することができる。樹脂組成物は、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、(メタ)アクリル酸アルキル樹脂を0.1〜10.0重量部、好ましくは0.3〜6.0重量部含有することができる。(メタ)アクリル酸アルキル樹脂の含有量が上記範囲の場合、樹脂組成物は、成形加工機のロールやスクリューへの巻き付きに要する時間が短くなるとともにロールやスクリューへの粘着が生じにくくなるため、成形加工性が向上する。
(メタ)アクリル酸アルキル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、メタアクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸トリデシル等のメタクリル酸アルキル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキル;等が挙げられ、これらを1種、または2種以上を共重合させた樹脂を用いることができる。中でも、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルを共重合させたメタクリル酸アルキル−アクリル酸アルキル共重合体(以下の説明において、「MAR・AAR共重合体」と称す。)が好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキル樹脂は、公知の方法で合成したものを用いることができる。また、(メタ)アクリル酸アルキル樹脂は、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、商品名「メタブレン(登録商標)L−1000」(三菱レイヨン株式会社製、組成:MAR・AAR共重合体)等が挙げられる。
また、本実施形態の樹脂組成物は、添加剤などの他の成分を含んでもよい。添加剤としては、特に限定されないが、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、強化剤、スリップ剤、帯電防止剤、顔料、無機及び有機の充填剤等が含まれていてもよい。樹脂組成物に耐候性を付与する場合、紫外線吸収剤、ラジカル補足剤等の酸化防止剤を添加するのが好ましい。なお、添加剤の含有量は、本発明の趣旨を逸脱しない量であれば、任意である。
次に、実施形態に係る成形体を説明する。成形体は、樹脂組成物から形成される。樹脂組成物は上記したように成形加工性に優れるため、成形体は、カレンダー成形法、射出成形法、押出し成形法、ブロー成形法、プレス成形法等の公知の汎用加工法により容易に製造することができる。
成形体は、ガスバリア性、難燃性、耐薬品性等を有し、かつ、強度及び表面平滑性に優れるので、産業的利用価値が高く、幅広い用途に用いることができる。また、成形体は、上記した樹脂廃材を使用して製造する場合、低コストで製造することができる。成形体としては、例えば、建材、土木資材、農業用資材、包装資材などに用いるシートやフィルム、繊維材料等に用いることができる。中でも、成形体がシート又はフィルムである場合、強度及び表面平滑性に優れる点、ガスバリア性、難燃性、耐薬品性を有する点、カレンダー成形法により製造しやすい点から適している。
また、成形体は、上記した紫外線吸収剤、ラジカル補足剤等の酸化防止剤等の添加剤を含有させた樹脂組成物を用いることにより、耐候性を向上させることができる。この成形体は、建材、土木資材、農業用資材、包装資材など室外の用途にも、好適に用いることができる。
以上のように、本実施形態に係る成形体は、ガスバリア性、難燃性、耐薬品性等を有し、かつ、強度及び表面平滑性に優れるので、産業的利用価値が高く、幅広い用途に用いることができる。
次に、本実施形態に係る樹脂組成物の製造方法及び成形体の製造方法を説明する。ただし、これらの製造方法は、一例であり、以下に説明する製造方法に限定されるものではない。
樹脂組成物の製造は、まず、樹脂組成物の原料として、上記した塩化ビニリデン系樹脂、ハイドロタルサイト系化合物及びゼオライトのうち少なくとも1種と、エチレン系樹脂と、を準備する。また、樹脂組成物に(メタ)アクリル酸アルキル樹脂を含有させる場合、上記した(メタ)アクリル酸アルキル樹脂を準備する。なお、塩化ビニリデン系樹脂は、樹脂廃材を用いてもよい。また、上記以外の樹脂や添加剤などの他の成分を含有させる場合は、他の成分を準備する。
次に、準備した各原料を所定の割合で混合し、混合物を得る。各原料の所定の割合は、ハイドロタルサイト系化合物及びゼオライトのうち少なくとも1種は、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、0.3〜10.0重量部、好ましくは1.0〜5.0重量部である。また、エチレン系樹脂は、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、0.3〜8.0重量部、好ましくは1.0〜5.0重量部である。また、(メタ)アクリル酸アルキル樹脂は、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、0.1〜10.0重量部、好ましくは0.3〜6.0重量部である。また、上記以外の樹脂や添加剤などの他の成分を含有させる場合は、成分に合わせた所定の割合で適宜混合する。
原料の混合は、任意の方法により行うことができる。例えば、混合は、例えば、商品名「ヘンシェルミキサー」(日本コークス工業株式会社製)、商品名「スーパーミキサー」(カワタ株式会社製)、リボンブレンダー等、公知の混合装置を用いて行うことができる。
なお、原料の混合の際、あるいは原料を混合した後に、原料を混合した混合物の造粒を行ってもよい。造粒は、公知の方法により行うことができる。例えば、造粒は、押出機等を用いた強制造粒法により行うことができる。また、混合及び造粒は、混合装置及び造粒装置を備える装置を用いて、同時に行ってもよい。例えば、混合及び造粒は、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等を用いて行うことができる。なお、造粒を行うか否かは任意である。例えば、樹脂組成物は、原料を混合した混合物を造粒せずに、溶融混練して冷却することにより製造してもよい。
次に、原料を混合した混合物を溶融混練し、冷却する。これにより樹脂組成物が完成する。溶融混練は、例えば、公知の溶融混錬装置を用いて行うことができる。なお、溶融混錬の温度及び時間は、樹脂組成物が熱分解しない温度及び時間であれば、任意である。溶融混錬の温度及び時間は、例えば、温度は155℃〜180℃に設定され、時間は30分〜60分程度に設定される。冷却は、原料の混合物を溶融混錬した溶融混錬物を冷却し固化させる。冷却は、任意の方法により行うことができる。例えば、冷却は、溶融混錬物を室温で冷却してもよいし、冷却装置により冷却してもよい。
また、成形体を製造する場合、上記した原料の混合物又は樹脂組成物を、溶融混錬した後、成形して、冷却する。成形は、例えば、カレンダー成形機、射出成形機、押出し成形機、ブロー成形機、プレス成形機等の成形機を用いて、任意の形状に行うことができる。なお、成形の温度及び時間は、樹脂組成物が熱分解しない温度及び時間であれば任意である。成形の温度及び時間は、例えば、温度は155℃〜180℃に設定され、時間は30分〜60分程度に設定される。
以上のように、実施形態に係る樹脂組成物の製造方法は、樹脂組成物を容易に製造することができる。また、成形体の製造方法は、成形体を容易に製造することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
[実施例1〜10、比較例1〜6]
実施例1〜10及び比較例1〜6の樹脂組成物の製造は、図1に示すカレンダー成形機1を用いて、シート状の成形体2として製造した。図1は、カレンダー成形機1を示す図である。このカレンダー成形機1は、一対のロール3、3を備える、いわゆる2本ロール式である。一対のロール3、3は、それぞれ、不図示の駆動装置により、互いに逆方向に回転するように形成され、水平に並んで配置される。また、一対のロール3、3は、それぞれ、不図示の駆動装置を備え、ロール間距離dを任意の距離に設定可能に形成される。また、一対のロール3、3は、それぞれ、不図示の加熱装置によりロール3、3の表面の温度を所定の温度に設定可能に形成される。一対のロール3、3は、それぞれ、直径が8インチに形成される。カレンダー成形機1は、一対のロール3、3上に投入された原料を、溶融混錬するとともに、この溶融混練物4をシート状に成形して、シート状の成形体2を製造する。
なお、樹脂組成物の成形体2の製造に用いるカレンダー成形機1は、一対のロール3、3の以外に他のロールを備えるものを用いてもよい。例えば、カレンダー成形機1は、ロール3を3つ以上備えるものを用いてもよい。また、ロール3の直径は、8インチに限らず、任意の直径のものを用いてよい。また、カレンダー成形機1は、原料の溶融混錬を行う溶融混錬装置5を備えるものを用いてもよい。また、カレンダー成形機1は、原料の粉砕装置を備えていてもよい。また、カレンダー成形機1は、冷却ロール等の冷却装置を備えるものを用いてもよい。
実施例1〜10及び比較例1〜6の樹脂組成物は、それぞれ、表1及び表2に示す割合で各原料を配合した混合物50〜200gを、ロール間距離dを所定距離且つ温度を155〜180℃に設定した一対のロール3、3上に投入し、溶融混錬するとともにシート状に成形した後、室温で冷却することにより、シート状の成形体2として製造した。なお、製造した成形体2(実施例1〜10、比較例1〜6)の厚さは、0.2〜1.0mmの範囲であった。
なお、用いた原料のうち、塩化ビニリデン系樹脂は、塩化ビニリデン由来の構成単位を60重量%以上と、塩化ビニル由来の構成単位を10〜20%とを含有する塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体であるラップの廃材(樹脂廃材)を用いた。なお、ラップの廃材は、フィルム延伸後の廃材を一辺の長さを5〜50mm程度に粉砕したもの、または平均粒径が3〜6mmのフィルム延伸前の廃材を用いた。また、ハイドロタルサイト系化合物は、一般式:MgAl(OH)16CO・4HOの組成である商品名「RX304B」(大協化成工業株式会社製)を用いた。また、ゼオライトは、結晶アルミノケイ酸ナトリウムを主成分とする合成ゼオライトである商品名「RX304A」(大協化成工業株式会社製)を用いた。また、高密度ポリエチレンは、商品名「M8500」(京葉ポリエチレン株式会社製、組成:エチレン単独重合体、メルトフローレート:5.0(g/10min)、比重0.960g/cm)を用いた。また、低密度ポリエチレンは、商品名「ペトロセン(登録商標)170」(東ソー株式会社社製、組成:エチレン単独重合体、メルトフローレート:7.0(g/10min))を用いた。また、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、商品名「エボリュー(登録商標)SP2020」(株式会社プライムポリマー社製、組成:エチレン−ヘキセン共重合体、メルトフローレート:2.3(g/10min))を用いた。また、エチレン−アクリル酸系エステル共重合体は、商品名「アクリフト(登録商標)WK402」(住友化学株式会社製、組成:エチレン78%、メタクリル酸エステル22%、メルトフローレート:12.0(g/10min))を用いた。また、(メタ)アクリル酸アルキル樹脂は、商品名「メタブレン(登録商標)L−1000」(三菱レイヨン株式会社製、組成:MAR・AAR共重合体)を用いた。
製造したシート状の成形体2について、シート表面性及びシート強度の評価を行った。これらの結果を各表に示す。シート表面性の評価は、表面形状の目視による観察により行い、表面が滑らかな状態で、フローマークや浪打がないものを○、表面にざらつきがあったものやフローマークや浪打が見られたものを×と判定した。また、シート強度の評価は、手で引き裂くことにより行い、容易に引き裂くことができないものを○、容易に引き裂くことができたものを×と判定した。
また、樹脂組成物の成形加工性を調べるため、樹脂組成物がロールに巻き付く時間(ロール巻き付き時間)、樹脂組成物がロールに粘着する時間(ロール粘着時間)の測定を行った。また樹脂組成物の熱安定性を調べるため、樹脂組成物が熱分解する時間(熱分解時間)の測定を行った。これらの測定は、図1に示すカレンダー成形機1を用い、ロール間距離dを所定距離に設定し且つ温度を155〜180℃に設定した一対のロール3、3上に投入し、練り返しを繰り返しながら、一対のロール3、3表面の樹脂組成物の状態を観察して行った。これらの結果を各表に示す。
なお、ロール巻き付き時間は、原料をカレンダー成形機1に投入後、投入した原料の全量が一対のロール3、3に絡みつくまでの時間とし、3分以内を○(合格)、3分を超えたものを×(不合格)とした。また、ロール粘着時間は、投入した原料が一対のロール3、3に巻き付いた後、練り返しを繰り返し行い、一対のロール3、3への粘着が始まる時間とした。また、熱分解時間は、投入した原料が一対のロール3、3に巻き付いた後、樹脂の一部が黒化するまでの時間とした。なお、ロール粘着時間及び熱分解時間は、30分以内は不合格、30分を超えたものを合格とした。
Figure 0006567860
Figure 0006567860
以下、実施例及び比較例の結果を説明する。表1に示す実施例1〜10の樹脂組成物は、熱分解時間が長く、熱安定性に優れるものであることがわかる。また、実施例1〜10の樹脂組成物は、ロール巻き付き時間が短く且つロール粘着時間が長いことから、ロールへの巻き付きがよく且つロールへの粘着が生じにくいものであり、成形加工性に優れるものであることがわかる。また、実施例1〜10の樹脂組成物は、シート表面性及びシート強度に優れ、成形体(シート)の強度及び表面平滑性に優れるものであることがわかる。また、実施例9及び10のように、(メタ)アクリル酸アルキル樹脂を所定量含有する樹脂組成物は、ロール巻き付き時間がより短くなり、さらにロールへの巻き付きがよく、成形加工性に優れるものであることがわかる。
一方、表2に示す比較例1〜3のように、エチレン系樹脂を含まないもの、エチレン系樹脂の含有量が少ないものは、ロール巻き付き時間が遅く且つロール粘着時間が短いことから、ロールへの巻き付きが悪く且つロールへの粘着が起こりやすい、成形加工性に劣るものであることがわかる。また、このことから、エチレン系樹脂は、成形加工性を向上させることがわかる。また、比較例4及び5のように、エチレン系樹脂の含有量が多すぎる樹脂組成物は、成形体(シート)の強度及び表面平滑性に劣ることがわかる。また、比較例6のように、(メタ)アクリル酸アルキル樹脂の量が多すぎても、成形体(シート)の強度及び表面平滑性に劣ることがわかる。
以上のように、本実施形態に係る樹脂組成物は、熱安定性に優れるため、通常の加工温度の範囲で長時間、安定した状態で成形体を加工生産することができる。また、ロールの巻き付きがよく、ロールやスクリューへの巻き付きに要する時間が短く且つロールやスクリューへの粘着が生じにくいので、カレンダー成形法、射出成形法、押出し成形法、ブロー成形法、プレス成形法等の汎用加工法による成形加工性に優れ、成形体を早く且つ安定して加工することができる。中でも、カレンダー成形法に好適に用いることができる。また、樹脂組成物は、成形加工性及び強度に優れるため、成形加工の冷却時や巻き取り作業時に生じる破断やしわなどの発生が抑制され、安定して加工することができる。また、樹脂組成物は、塩化ビニリデン樹脂の特性(ガスバリア性、難燃性、耐薬品性等)を有し、強度及び成形体の表面平滑性に優れるため、産業的利用価値が高く、幅広い用途に用いることができる。また、樹脂廃材を用いて製造することができるため、製造コストを下げることができるとともに環境負荷を軽減することができる。また、本実施形態の樹脂組成物は、他樹脂と混合・混練してブレンド物を作る場合も有効である。
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、本発明の技術範囲は、上記の実施形態や実施例に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態や実施例で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上記の実施形態や実施例で説明した要件は、適宜組み合わせることができる。
本発明の樹脂組成物は、ガスバリア性、難燃性、耐薬品性等の特性を有し、且つ熱安定性、成形加工性、強度、及び成形物の表面平滑性に優れる特性を有するので、これらの特性を生かした新たな用途、例えば建材、土木資材、農業用資材、包装資材等の開発が期待される。また、本実施形態の樹脂組成物の原材料は、樹脂廃材や市販の汎用原材料を用いることができるため、樹脂組成物やその成形品を安価で製造することができる。
1・・・カレンダー成形機、2・・・成形体、3・・・ロール、4・・・溶融混練物、5・・・溶融混錬装置、d・・・ロール間距離

Claims (10)

  1. 塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、ハイドロタルサイト系化合物及びゼオライトのうち少なくとも1種0.3〜10.0重量部と、メルトフローレート(JIS K 7210−1999に準拠、190℃、荷重2.16kg)が0.3〜100(g/10min)であるエチレン系樹脂0.3〜8.0重量部と、任意成分として前記エチレン系樹脂以外の(メタ)アクリル酸アルキル樹脂と、を含有してなり、
    前記エチレン系樹脂は、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸系エステル共重合体からなる群より選択される少なくとも一種であ
    前記(メタ)アクリル酸アルキル樹脂は、メタクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキルのうちの1種または2種以上を重合させた樹脂であり、
    前記(メタ)アクリル酸アルキル樹脂を含有する場合、前記(メタ)アクリル酸アルキル樹脂を0.3〜6.0質量部含有する、塩化ビニリデン樹脂組成物。
  2. 前記塩化ビニリデン系樹脂が樹脂廃材を含有する請求項1に記載の塩化ビニリデン樹脂組成物。
  3. 前記エチレン系樹脂は、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1又は請求項2に記載の塩化ビニリデン樹脂組成物。
  4. 前記エチレン系樹脂は、エチレン−アクリル酸系エステル共重合体を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の塩化ビニリデン樹脂組成物。
  5. 前記エチレン−アクリル酸系エステル共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−エタクリル酸エステル共重合体のうち少なくとも1種である請求項4に記載の塩化ビニリデン樹脂組成物。
  6. 前記(メタ)アクリル酸アルキル樹脂は、メタクリル酸アルキル−アクリル酸アルキル共重合体である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の塩化ビニリデン樹脂組成物。
  7. 前記ハイドロタルサイト系化合物及びゼオライトのうち少なくとも1種の含有量が、前記塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、1.0〜5.0重量部である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の塩化ビニリデン樹脂組成物。
  8. 前記エチレン系樹脂の含有量が、前記塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して、1.0〜5.0重量部である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の塩化ビニリデン樹脂組成物。
  9. 前記エチレン系樹脂のメルトフローレート(JIS K 7210−1999に準拠、190℃、荷重2.16kg)が1〜50(g/10min)である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の塩化ビニリデン樹脂組成物。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の塩化ビニリデン樹脂組成物から形成される成形体。
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