JP6567470B2 - 共振器および量子計算機 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、物理系と結合する共振器と、その共振器を利用した量子計算機に関する。
近年、共振器と共振器内に配置された物理系との結合を利用した量子計算機が盛んに研究されている。このような量子計算機では、共振器の共通の共振器モードと結合する物理系が量子ビットとして使用される。量子計算機は、量子ビットを共通の共振器モードに共鳴させることによって量子ビット間の相互作用を導入し、その状態で量子ビットを光で操作することによって、計算を行なう。量子計算機においては、量子ゲート操作と呼ばれる量子ビットの光による操作が成功する確率を高めることが求められている。
特開平8−148739号公報
T. Pellizzari et al., Phys.Rev.Lett. 75, 3788 (1995) H. Goto et al, Opt. Exp. 21 20 24332(2013)
本発明が解決しようとする課題は、量子ゲート操作が成功する確率を高めることができる共振器および量子計算機を提供することである。
一実施形態に係る共振器は、内部に物理系を含む複屈折結晶に取り付けられた球面ミラーと、前記球面ミラーに対向する、前記複屈折結晶に取り付けられた平面ミラーと、を備える。前記共振器は、前記物理系と結合する共振器モードを有する。前記複屈折結晶は、前記共振器の光軸上での前記共振器モードの偏光方向に平行な第1の方向に偏光した光に対する第1の屈折率と、前記第1の屈折率とは異なる、前記光軸に平行な第2の方向に偏光した光に対する第2の屈折率と、を有する。前記共振器の共振器長をl、前記共振器モードのモードウエスト半径をω、前記共振器の1往復あたりの全損失をL、前記共振器長に依存しない前記共振器の1往復あたりの損失をA、前記第2の屈折率をnz、前記共振器モードの光の波長をλと表すと、次の式が満たされる。
第1の実施形態に係る共振器を示す断面図。 第1の実施形態に係る共振器を示す斜視図。 屈折率楕円体を示す図。 第1の実施形態に係る共振器の設計パラメータの範囲を示す図。 第1の実施形態に係る共振器の設計パラメータの範囲を示す図。 実施例2に係る量子計算機を示すブロック図。 (a)および(b)は、第2の実施形態に係る共振器の一例を示す上面図および正面図。 (a)および(b)は、第2の実施形態に係る共振器の他の例を示す上面図および正面図。 (a)および(b)は、第2の実施形態に係る共振器の他の例を示す上面図および正面図。 第2の実施形態に係る共振器の他の例を示す上面図。 (a)および(b)は、第2の実施形態に係る共振器の他の例を示す上面図および正面図。 第2の実施形態に係る操作光の変更方向と共振器モードの波面との関係を示す模式図。 第2の実施形態に係る操作光の変更方向と共振器モードの波面との関係を示す模式図。 散乱光強度の方向依存性を説明するための図。 (a)および(b)は、実施例3に係る共振器中の固体媒質の結晶軸の向きを説明するための図。 (a)および(b)は、図15に示した固体媒質中に生じるモードのサイズを説明するための図。 実施例3に関連する比較例に係る量子計算機を示す図。 実施例3に係る共振器を示す斜視図。 実施例3に係る量子計算機を示す図。
以下、図面を参照しながら種々の実施形態を説明する。以下の実施形態では、同一の構成要素に同一の参照符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
[第1の実施形態]
複屈折結晶にミラーを向かい合わせに取り付けたモノリシックな共振器を備え、複屈折結晶内部に含まれる物理系と共振器との結合を利用する量子計算機が知られている。このような共振器では、共振器モードと物理系とが効率的に結合することが望まれている。これは、共振器損失を低減し、共振器緩和率(共振器モードのエネルギーが単位時間あたりに失われる割合)を小さくすることにより達成することができる。共振器損失は、モード間の結合によって生じる損失(以下、モード結合損失と呼ぶ)を含む。本実施形態では、モード結合損失を低減する手法を説明する。共振器モードと物理系とが効率的に結合する共振器を量子計算機に用いることにより、アディアバティックパッセージに基づく量子ゲートなどの量子ゲート操作が成功する確率を向上させることが可能である。
図1および図2は、第1の実施形態に係る共振器10を概略的に示す断面図および斜視図である。共振器10は、図1および図2に示されるように、複屈折結晶11の表面14に取り付けられた球面ミラー12と、球面ミラー12に対向する、複屈折結晶11の表面15に取り付けられた平面ミラー13と、を備えるモノリシックなファブリペロー型共振器である。図2に示されるRは球面ミラー12の曲率半径を表す。
複屈折結晶11は、共振器10の共通の共振器モードと結合する物理系(例えば、原子またはイオン)を内部に含む。本実施形態では、共振器10の光軸と平行な方向をz軸方向とし、共振器10の光軸上での上記共通の共振器モードの偏光方向をx軸方向とする。ここで、偏光方向は、光の電場ベクトルの方向を指す。複屈折結晶11では、x軸方向に偏光した光(電場ベクトルがx軸方向に向く光)に対する屈折率nxは、z軸方向に偏光した光に対する屈折率nzと異なる。この共振器10では、平面ミラー13上にモードウエストが形成される。モードウエストは、共振器モードのスポットサイズが最も小さくなる場所を指す。
本実施形態では、共振器10の中で発生するモード結合損失を抑制することができる共振器の条件(共振器長およびモードウエスト半径)を提供する。まず、複屈折結晶中のモード結合損失を定式化する。そのために、(1)波数ベクトルに対する複屈折結晶の屈折率を求め、(2)共振器モードの電場分布を求め、(3)その共振器モードのスポットサイズおよび波面の曲率半径を求め、(4)複屈折結晶の屈折率の空間分布を求め、共振器長およびモードウエスト半径に対するモード結合定数および演算素子の性能指数を求める。続いて、このような手順で定式化したモード結合損失から(5)モード結合損失を抑制し高い演算素子性能を得ることができる条件を求める。
(1)屈折率分布(波数分布)
複屈折結晶中では偏光方向によって屈折率が異なるため、波数ベクトルによっても屈折率が異なる。そこで、任意の波数ベクトルが与えられた場合の屈折率を定式化する。図3に示される座標系の屈折率楕円体30は次式のように表される。
このθを用いて切り口楕円の原点からの距離rは次式のように表される。
(2)共振器モードの電場分布の定式化
このようにして定式化された屈折率と波数の関係を用いて、共振器モードの電場分布は次のような積分(フレネル−キルヒホッフの回折積分)で表される。
この積分を実行するために、指数部のzの係数をkxおよびkyの2次までに展開する。共振器モードの光軸付近の波数ベクトルの方向はz軸方向に近く、kxおよびkyは波数に比べて小さいため、このような近似は妥当である。kxおよびkyの2次まで展開した共振器モードの電場分布は次式のようになる。
(3)スポットサイズおよび波面の曲率半径の定式化
共振器モードの電場分布からz軸(光軸)上の各点におけるモードのスポットサイズおよび波面の曲率半径を求める。モードjのx2およびy2の各項とスポットサイズωjx、ωjyおよび波面の曲率半径Rjx、Rjyとの関係は次式のように表される。
従って、スポットサイズおよび波面の曲率半径は次式のように表される。
(4)屈折率分布(空間分布)とモード結合定数および演算素子の性能指数
複屈折性を持つ媒質で作られた共振器は、その共振器モードに対応して媒質中に屈折率分布が生じる。そのような屈折率分布が存在すると、各偏光の空間モード(横モード)は互いに結合する。そこで、基本モードが無限個の高次モードと結合する場合における結合定数およびモード結合損失を求める。また、そのような共振器を利用した量子演算素子の性能指標を定式化する。ここで、モード結合の結合定数は、屈折率分布n(x,y,z)に電場強度E(x,y,z)を乗じたものを全空間に対して積分した値に比例する。このとき、基本モードと結合する高次モードは無限個存在すると仮定するので、全ての高次モードの結合の総和を表す有効結合定数は、結合する高次モードの種類や数に依存しない。また、xおよびy軸方向の屈折率分布は、ガウシアンビームの性質上、各zに対して幅の異なる同じ関数で表される。従って、各zのスポットサイズ上での屈折率分布nsi(z)を求めることで、次式のように結合定数を求めることができる。
各位置における屈折率の空間分布は、波数ベクトルのky/kzおよびkx/kzから求めることができる。各zのスポットサイズ上でのky/kzをx=0の平面で各zのスポットサイズを結ぶ曲線の接線の傾きとし、kx/kzをy=0の平面で各zのスポットサイズを結ぶ曲線の接線の傾きとする。これはω1x(z)などをzで微分することで得られる。そのようにして得られたky/kzおよびkx/kzから、次式のようにスポット上での屈折率の空間分布を求めることができる。
このような屈折率分布によってモード間の結合は生じる。その結合定数は次式のように求められる。
ここで、モード結合損失以外の共振器長あたりの損失とミラーの透過率を加えたものをf(l)とすると、共振器の共振器長あたりの損失は次式のように表される。
ここで、L0は、モード間結合に関する全ての比例係数を繰り込んだ係数である。これを用いて、それぞれの偏光モードに対する共振器緩和率κ1、κ2は次式のように表される。
共振器の演算素子としての性能を決める性能指数naiは次式のように表すことができる。
性能指数は、その値が小さいほど演算素子が高性能であることを示す。性能指数naiは、上記κ、κを用いて次式のように表される。
ここで、cは、γおよびgのωに対する係数ならびにκの係数などを全て繰り込んだ定数である。
(5)損失を抑制し高い演算素子性能を得ることができる条件
このように求めた共振器の性能指数naiの式から損失を抑制し演算素子としての性能を向上させる条件を調べる。まず、モード結合損失以外の損失が共振器長に依存しない(f(l)=AL0)場合に、最適な演算素子性能が得られる条件を調べる。この場合のnaiは次式のように表される。
これらの式を微分して最適な共振器長lは次式のように表される。
また、図4から明らかなように、共振器長lが最適な共振器長l0の半分から2倍までの範囲(0.5l0≦l≦2l0)では、性能指数naの変化は小さい、すなわち、モード間結合による損失が効果的に抑制される。従って、0.5l0≦l≦2l0が満たされるように共振器が設計されてもよい。
また、モード結合損失以外の損失が共振器長に比例する(f(l)=BlL0)場合に、最適な演算素子性能が得られる条件を調べる。この場合のnaiは次式のように表される。
この式を微分して最適な共振器長は次式のように表される。
また、共振器長lが最適な共振器長l0の半分から2倍までの範囲(0.5l0≦l≦2l0)でも、モード間結合による損失が効果的に抑制される。従って、0.5l0≦l≦2l0が満たされるように共振器が設計されてもよい。
このような条件はモード結合損失以外の損失がより一般の関数で表されるような場合にも、上記の方法と同様の方法で求めることができる。また、ここで示した例は一例であり、種々の共振器に対して上記の解析手法を用いてモード結合損失を定式化することで、複屈折結晶に取り付けた共振器の共振器モードの損失を抑制する条件を得ることができる。
(実施例1)
実施例1では、モード結合損失以外の損失が共振器長に依存しない場合における共振器の一例について説明する。
実施例1に係る共振器は、図1に示されるように、複屈折結晶11としてのPr3+イオンをドープしたY2SiO5結晶(Pr:YSO)と、Y2SiO5結晶の表面14に配置された球面ミラー12と、Y2SiO5結晶の表面15に配置された平面ミラー13と、を備えるモノリシックなファブリペロー型共振器である。球面ミラー12および平面ミラー13は、Y2SiO5結晶の結晶軸(b軸、D1軸、D2軸)のうちのb軸が共振器の光軸(z軸)方向になるように配置され、光軸上での共振器モードの偏光方向(x軸方向)がD2軸方向になるように使用される。光の波長を606nmとすると、D2軸方向の偏光の屈折率は約1.81であり、b軸方向の偏光の屈折率は約1.79である。球面ミラー12は、曲率半径がR=2.000mmとなるようにY2SiO5結晶の表面14を研磨し、研磨した表面14に誘電体多層膜を成膜することにより作製される。Y2SiO5結晶は、共振器長が0.173mmとなるように加工される。平面ミラー13は、平面研磨した表面15に誘電体多層膜を成膜することにより作製される。これにより、モードウエスト半径は5μmとなる。
このように加工された共振器は、例えば、球面ミラー12上でAL0=0.01%程度の損失があり、且つ、複屈折結晶中の損失BlL0が無視できる程度しかない場合において、上述したモード結合損失を抑制する条件を満たす。また、このように加工された共振器は、例えば、複屈折結晶中の損失がBlL0=0.01%程度であり、且つ、球面ミラー12上での損失AL0が無視できる程度しかない場合においても、上述したモード結合損失を抑制する条件を満たす。したがって、実施例1に係る共振器によれば、モード結合損失を抑制することができる。
(実施例2)
実施例2では、第1の実施形態に係る共振器を用いた量子計算機について説明する。
図6は、実施例2に係る量子計算機を概略的に示している。図6に示される量子計算機は、図1に示される共振器10を備える。共振器10は、Pr3+:Y2SiO5結晶を複屈折結晶11として備える。共振器10は、クライオスタット68内に設置され、低温に(例えば4Kに)保たれる。
量子計算機は、量子ビットを担う物理系を操作するための操作光を生成し、操作光を物理系に照射する光源装置を備える。光源装置は、半導体レーザー60、ビームスプリッタ61、ミラー62、音響光学素子63、64、ミラー65、66、レンズ67、および制御装置69を含む。半導体レーザー60から出力されたレーザー光は、ビームスプリッタ61によって2つに分割される。分割されたレーザー光の一方は、音響光学素子63に入射し、他方は、ミラー62によって反射されて音響光学素子64に入射する。音響光学素子63、64は、制御装置69によって生成された制御信号に従ってレーザー光の周波数および強度を変調する。音響光学素子63によって変調されたレーザー光は、共振器10に照射されるように、ミラー65、66、レンズ67によって導かれる。音響光学素子63によって変調されたレーザー光は、共振器10に照射されるように、レンズ67によって導かれる。量子計算機は、これらの2つのレーザー光の照射によって2つの量子ビットを選択的に操作することによって量子ゲートを実行することができる。
実施例2に係る量子計算機は、共振器の共振器モードと共振器内に配置された複屈折結晶に含まれる物理系とが効率的に結合する共振器を用いて量子ゲート操作を行なう。これにより、量子ゲート操作の成功確率を向上することができる。
[第2の実施形態]
量子ビットを担う物理系を光で操作し、物理系が共通の共振器モードに共鳴することで物理系間の相互作用を導入する量子計算機において、量子ゲート操作の誤りが特定の原因から生じる場合に、その誤りの情報処理への影響を抑える方法が知られている。ここで、量子ゲート操作の誤りは、量子ゲート操作後における量子ビットの実際の量子状態が量子ゲート操作後に期待される量子ビットの量子状態と異なることに対応する。例えば、ある量子ビットの量子状態に応じてもう一つの量子ビットの量子状態を変化させる条件付き量子ゲート、または、2量子ビットゲートと呼ばれる量子ゲートが操作光によるアディアバティックパッセージという手法で実行され、その際に、量子ビットを担う物理系から自然放出により光子が失われるか、量子ビットを担う物理系間に相互作用を導入するために必要な共振器モードの光子が失われるかのいずれかによって誤りが生じることがある。このようにして失われる光子を損失光子と呼ぶ。これらの場合では、誤り訂正用の量子ゲート操作を加えながら、損失光子を検出するように量子計算機を構成しておき、量子計算機は、損失光子が検出されない場合の情報処理結果を採用する。それにより、誤りの情報処理への影響を効率的に抑えることができる。
ところが、量子ビットが固体媒質中にある場合、固体媒質中または外部と固体媒質との界面で操作光が散乱され、損失光子よりも強い散乱光が光検出器に届き、操作光による散乱光と損失光子との区別が困難になる。従って、損失光子を正しく検出することができない。このため、損失光子が実際には失われていない場合であっても、散乱光に起因して情報処理結果が破棄される場合がある、すなわち、量子ゲート操作が失敗したと見なされる場合がある。
第2の実施形態では、固体媒質中の物理系を量子ビットとして利用する場合において、量子ビットを操作するための操作光の散乱の影響を受けずに、損失光子を正しく検出できるようにする手法を提供する。
図7(a)および(b)は、第2の実施形態に係る量子計算機に用いられる一例の共振器70を概略的に示す上面図および正面図である。共振器70は、図7(a)および(b)に示されるように、固体媒質71と、固体媒質71に取り付けられた球面ミラー72と、球面ミラー72に対向する、固体媒質71に取り付けられた球面ミラー73と、を備える。固体媒質71は、共振器70の共通の共振器モードに共鳴する物理系を内部に含む。固体媒質71は、量子ビットを担う物理系を操作するための操作光の進行方向における厚さが異なる領域を有する。以下では、厚さは、特に指定しない限り、操作光の進行方向における厚さを指すものとする。図7(a)において、操作光は、入射面77から出射面78へ進む。具体的には、固体媒質71は、厚さの薄い領域74と、球面ミラー72、73にそれぞれ隣接する厚さの厚い領域76と、領域74と領域76との間のテーパー状に広がる領域75と、を有する。領域74に位置する物理系が量子ビットとして利用され、領域74の一部に操作光が照射される。以下では、領域74を照射領域と呼ぶ。操作光は、例えば、図6に示されるような光源装置から発せられる。
量子ビットを担う物理系は、共通の共振器モードに共鳴し、その共振器モードに存在する光子を介して2量子ビットゲートに必要な相互作用を及ぼし合う。固体媒質71は、この共振器モードの光子寿命への影響が2量子ビットゲートの実行に支障がない範囲において部分的に薄くされている。
固体媒質71内部で操作光によって生じる散乱光の総量は、固体媒質71が一般的な一様な透明媒質であって散乱光の総量が入射光のごく一部(例えば10%以下)である場合には、固体媒質71内部での操作光の光路長にほぼ比例する。固体媒質71は、そのような透明媒質であり得る。固体媒質71は、固体媒質71内部での操作光の光路長が短くなるように、照射領域74がその近傍の領域75、76よりも薄くなるように形成されている。これにより、散乱光の発生を軽減することができる。
図8(a)および(b)は、第2の実施形態に係る量子計算機に用いられる他の例の共振器80を概略的に示す上面図および正面図である。共振器80は、図8(a)および(b)に示されるように、固体媒質81と、固体媒質81に取り付けられた球面ミラー82と、球面ミラー82に対向する、固体媒質81に取り付けられた平面ミラー83と、を備える。固体媒質81は、共振器80の共通の共振器モードに共鳴する物理系を内部に含む。固体媒質81は、平面ミラー83に隣接する厚さの薄い照射領域84と、球面ミラー82に隣接する厚さの厚い領域86と、照射領域84と領域86との間のテーパー状に広がる領域85と、を有する。
図9(a)および(b)は、第2の実施形態に係る量子計算機に用いられる他の例の共振器90を概略的に示す上面図および正面図である。図9(a)および(b)に示される共振器90は、ウィスパリングギャラリーモードと呼ばれる共振器モードを有するトロイダル型または円盤型共振器である。共振器90は、円盤状の固体媒質91を備える。固体媒質91には、光の入出力用のテーパー光ファイバー(図示せず)が接続される。固体媒質91は、共振器90の共通の共振器モードに共鳴する物理系を内部に含む。この共振器モードは、固体媒質91内部において固体媒質91の外周に沿って存在する。固体媒質91は、外周に沿う厚さの薄い照射領域94と、照射領域94の内側に位置する厚さの厚い領域95と、を含む。
図10は、第2の実施形態に係る量子計算機に用いられる他の例の共振器100を概略的に示す上面図である。共振器100は、図10に示されるように、固体媒質101と、固体媒質101に取り付けられた球面ミラー102、103、104を備える。固体媒質101は、共振器100の共通の共振器モードに共鳴する物理系を内部に含む。この共振器モードは、球面ミラー102と球面ミラー103との間、球面ミラー103と球面ミラー104との間、および球面ミラー102と球面ミラー104との間に存在する。固体媒質101の照射領域105は、近傍の他の領域より薄く形成されている。
図8(a)および(b)に示される共振器80、図9(a)および(b)に示される共振器90、並びに、図10に示される共振器100はいずれも、図7(a)および(b)に示される共振器70に関して説明したものと同様に、固体媒質内部での操作光の光路長が短くなる形状を有しており、それにより、散乱光の発生を軽減することができる。
次に説明するようにさらなる散乱光が発生することがある。例えば図7に示される共振器70において、操作光は、入射面77を通じて固体媒質71に入射し、固体媒質71中を通過し、出射面78を通じて固体媒質71の外へ出射される。このとき、操作光の一部は、出射面78で反射され、固体媒質71中を再び通過する。この場合、出射面78からの反射光によって固体媒質71内部でさらなる散乱光が発生する。反射光が入射面77に到達した場合、反射光の大部分は入射面77を通じて固体媒質71の外へ出射されるが、反射光の一部は、入射面77で反射され、固体媒質71中を再び通過する。入射面77からの反射光によって固体媒質71内部でさらなる散乱光が発生する。また、出射面78から出射された操作光は、例えば何らかの物体によって反射されるなどして、固体媒質71に再び入射することがある。固体媒質71に再び入射した操作光に起因して、固体媒質71内部でさらなる散乱光が発生する。上述したようなさらなる散乱光の発生を防止する機構について説明する。
図11(a)および(b)は、第2の実施形態に係る量子計算機に用いられる他の例の共振器110を概略的に示す上面図および正面図である。共振器110は、図11(a)および(b)に示されるように、固体媒質71と、互いに対向して固体媒質71に取り付けられた球面ミラー72、73と、照射領域74の入射面77に施された反射防止コーティング111と、照射領域74の出射面78に施された反射防止コーティング112と、反射防止コーティング112に対向して設けられた光トラップ113と、を備える。光トラップ113は、操作光の進行方向において反射防止コーティング112の先に設置されている。なお、固体媒質71は、図11(a)に示されるような照射領域74が近傍の領域75、76よりも薄い形状を有する例に限らず、例えば図2に示される共振器10のように、照射領域74が他の領域75、76と同じ厚さを有していてもよい。
反射防止コーティング111、112は、内部反射を防止する。具体的には、反射防止コーティング112は、固体媒質71中を移動する操作光が出射面78で反射されることを防止する。反射防止コーティング112を設けることにより、出射面78で反射される操作光が低減される。反射防止コーティング111は、出射面78で反射されて固体媒質71中を移動する操作光が入射面77で反射されることを防止する。反射防止コーティング111を設けることにより、入射面77で反射される操作光が低減される。
なお、図11(a)および(b)に示される例では、反射防止コーティングは、入射面77および出射面78の両方に施されているが、反射防止コーティングが施される部分は、この例に限定されない。例えば、反射防止コーティングは入射面77および出射面78の一方のみに施されていてもよい。好ましくは、出射面78に反射防止コーティングが施される。また、反射防止コーティングは、入射面77および出射面78以外の部分にも施されていてもよい。
光トラップ113は、固体媒質71を透過した操作光をトラップ(捕捉)する。光トラップ113を設けることにより、固体媒質71を透過した操作光が固体媒質71に再び入射することが防止される。なお、光トラップ113の代わりに、光吸収体が用いられてもよい。
なお、反射防止コーティングおよび光トラップまたは光吸収体は、図8(a)および(b)に示される共振器80、図9(a)および(b)に示される共振器90、並びに、図10に示される共振器100などの他の共振器に適用することもできる。
以上のように、反射防止コーティング111、112および光トラップ113により、操作光が固体媒質71内で多重反射して散乱光が発生することが防止されるとともに、固体媒質71の外に一旦出た操作光が再び固体媒質71中に戻って散乱光が発生すること、および固体媒質71の外に出た操作光が何らかの散乱体に到達してそれにより散乱光が発生することが防止される。その結果、散乱光が、損失光子を検出する光検出器に到達することを防ぐことができる。さらに、固体媒質71内で発生した散乱光が、入射面77または出射面78に到達した場合に、入射面77または出射面78で反射されて固体媒質71内に再び戻ることを防ぐことができる。
本実施形態では、操作光の偏光方向は共振器モードの波面と交わる(例えば直交する)方向に設定されることができる。偏光方向は、光の電場ベクトルの方向を指す。図12(a)および(b)は、図7(a)および(b)に示されるファブリペロー型共振器70において、操作光の偏光方向が共振器モードの波面と直交する方向に設定される様子を示している。図13(a)および(b)は、図9(a)および(b)に示される共振器90のような共振器130において、操作光の偏光方向が共振器モードの波面と直交する方向に設定される様子を示している。共振器130の固体媒質131では、照射領域がその近傍の領域と同じ厚さを有している。操作光の偏光方向が共振器モードの波面と直交する方向に設定される場合、共振器モードの波面と直交する方向には、散乱光が発生しにくくなる。その理由は後述する。
損失光子が、共振器モードの光と共振器外部の光との間の入出力部から主に失われるとする。例えば、ファブリペロー型共振器の場合、共振器を構成するミラー(例えば、球面ミラー72または球面ミラー73)から損失光子が失われる。また、トロイダル型または円盤型共振器の場合、入出力用のテーパー光ファイバーを通して損失光子が失われる。これらのような場合、共振器モードから固体媒質外に出る損失光子の、共振器モード外での空間モード(存在する場所および進む方向)が明らかであるため、その空間モードに合わせて光検出器または光子検出器を設置することになる、すなわち、共振器を構成するミラーの近くまたは入出力用テーパー光ファイバーの端面に設置することになると考えられる。その際、操作光の偏光方向を共振器モードの波面と直交する方向に設定することで、光検出器に損失光子でない光子、すなわち、操作光により発生した散乱光が到達する可能性を大幅に減少させることができる。
次に、操作光の偏光方向を共振器モードの波面と直交する方向に設定することで、共振器モードの波面と直交する方向に散乱光が発生しにくくなる理由を説明する。
散乱体に光が照射され、それにより散乱光が発生する場合、散乱光の強度分布は、照射光の進行方向およびその偏光方向に大きく依存する。その依存性について図14を参照して説明する。図14に示すように、z軸方向に進む照射光がy軸方向に振動する電場ベクトルを持つとする。照射光が散乱体により散乱されることで散乱光が発生する場合、散乱体で誘起される双極子モーメントの方向もy軸方向である。この双極子モーメントから放射される電磁波が散乱光であるが、その遠方(far field)での強度は、z軸方向およびx軸方向に進む散乱光では強く、y軸方向に進む散乱光では弱くなる。y軸方向と散乱体から散乱光の強度を観測する観測点への方向とのなす角をθとすると、単位立体角あたりの強度(パワー)は、sin2θに比例する。従って、操作光の偏光方向を共振器モードの波面と直交する方向に設定することで、共振器モードの波面と直交する方向には、散乱光が発生しにくくなる。
前述したように照射領域に反射防止コーティングを設けると、固体媒質内で発生する散乱光は、固体媒質と外部との界面で反射することなく、固体媒質外に出るようになる。また、操作光の偏光方向が共振器モードの波面と直交する方向に設定される場合、固体媒質外に出る散乱光が強くなる方向は、固体媒質の操作光照射スポットを含む共振器モードの波面の面内方向を中心に限られる。このため、照射領域に反射防止コーティングを設け、且つ、操作光の偏光方向を共振器モードの波面と直交する方向に設定することにより、損失光子が、共振器モードの光と共振器外部の光との間の入出力部以外から失われる場合、例えば、共振器モード中での散乱光または量子ビットを担う物理系から自然放出により失われる場合でも、操作光が固体媒質で散乱されることにより生じる散乱光の影響を避け、損失光子をより正確に検出するための光検出器の配置を選択することが可能になる。
以上のように、本実施形態によれば、(1)固体媒質の照射領域を近傍の他の領域より薄く形成すること、(2)反射防止コーティングおよび光トラップまたは光吸収体を設けること、および(3)操作光の偏光方向を共振器モードの波面と交差する方向に設定すること、のうちの少なくとも1つを採用することにより、量子ビットを操作するための操作光の散乱の影響を受けずに正しく損失光子を検出することができるようになる。
(実施例3)
実施例3に係る量子計算機では、量子ビットとして、Y2SiO5結晶中のPr3+イオンの核スピンの量子状態を用いる。
図15(a)および(b)に示される量子ビットを含む固体媒質151は、次のようにして用意される。Y2SiO5結晶中のY3+イオンのうちの10-6%をPr3+イオンで置換したPr3+:Y2SiO5結晶からなる1辺3mmの立方体を作製し、立方体の1つの面を、その面の中心に接する曲率半径3.3mmの球面に加工する。その際、Pr3+:Y2SiO5結晶の結晶軸の方向は次のようにする。球面の中心(O点とする)と球面に対向する平面の中心(B点とする)とを結ぶ直線と直交する方向で、かつ球面に接する4つの平面のいずれかに直交する方向に結晶のB軸を設定する。D2軸は、O点とB点とを結ぶ直線と平行にならずかつ直交しないようにする。
図16に示すように、固体媒質151の球面とそれに対向する平面に誘電体多層膜ミラー162、163を形成すると、固体媒質151中に共振器モードが生じる。O点とB点とを結ぶ直線と結晶に形成した球面との交点をA点とする。A点とB点とを結ぶ直線ABに沿って生じるTEM00モードのうち、Pr3+イオンの3H4-1D2遷移と共鳴する494.7THz近傍の共振器モードを、量子ビットを担う物理系間(Pr3+イオン間)に相互作用を導入するために利用する。この共振器モードは、B点にモードの太さが最小となるモードウエストを持ち、そこのモードウエスト半径(モード半径)は約10μmとなる。また、モードウエスト近傍では、モードの波面は、ほぼ平面となる。A点では、モード半径が最大の33μmとなる。
この共振器モードとPr3+イオンとの相互作用の大きさ(結合定数)は、直線ABに近いほど、またモード半径が小さいところほど強くなる。従って、B点近傍のイオンを量子ビットとして用いる。本実施例の場合、モードウエストの位置に固体媒質151の端面と誘電体多層膜ミラー163がある。操作光が固体媒質151の端面または誘電体多層膜ミラー163によって散乱されることを避けるために、B点よりも約500μmだけA点方向に移動したC点のイオンを量子ビットとして用いる。本実施例の場合、モードウエスト半径10μmが共振器モードの波長(494.7THzに相当する約606nm)より十分大きいため、A点方向に向かってのモードの広がり角が小さく、C点でもB点とほぼ同様の結合定数が得られる。従って、量子ビットの操作に利用する操作光をC点に約10μmに集光して照射し、そこに存在するイオンを量子ビットとして利用する。
固体媒質151の球面と対向する面も球面に加工し、固体媒質151内部にモードウエストを生じさせることもできる。例えば、固体媒質として、本実施例の上記の固体媒質151のA点とB点の間の長さ(共振器長)を6mmとし、B点側の平面もその平面の中心点でその平面に接する球面に加工し、さらに両方の球面の曲率半径を3.3mmとすると、A点とB点を結ぶ線分の中点にモードウエストが生じる。その場合には、その中点に操作光を照射し、そこに存在するイオンを量子ビットとして利用する。
固体媒質151が操作光に対してほぼ透明な単結晶であり、ミラーを作製する面の研磨精度が十分高い場合、本実施例の固体媒質151から量子ビットを担うPr3+イオン間の相互作用に必要な光子が失われる主な過程は、ミラー162または163を通して固体媒質151外部に光子が抜け出る過程であると考えられる。このような過程で失われる損失光子を検出するために、図17に示すように、A点の近傍に半径100μmのピンホール171と光検出器173とを設置し、B点の近傍に30μmのピンホール172と光検出器174とを設置する。
この状態で、まず電場ベクトルが直線ABと直交し、またその電場ベクトルが入射面と平行である約100μWの操作光を照射し、2つの光検出器173、174で検出された光強度の合計を記録し、それをI1とする。
次に、上記の固体媒質151の球面と対向する正方形の面の中心と中心を共有する100μm×3mmの長方形(長辺が上記入射面と平行)の部分のミラーを残して、その長方形の両脇をえぐるように四角柱を切り取った構造(図18に示される)の共振器を用意し、図19に示すように、A点の近傍に半径100μmのピンホール171と光検出器173とを設置し、B点の近傍に30μmのピンホール172と光検出器174とを設置する。前述したものと同様にして、操作光をC点に照射し、光検出器173、174で検出された光強度の合計を記録し、それをI2とする。
I1とI2の比は、主に操作光が散乱光を発生しながら固体媒質151中を進む光路長の差異に起因して、次のようになる。
ここで、SはA点近傍のピンホール171の開口部面積である。図18に示される共振器を用いる場合、光検出器173、174に到達する散乱光の光子は30分の1程度に低減する。すなわち、本実施例に係る量子計算機(図19)では、照射領域における固体媒質の厚さが照射領域近傍の他の部分の厚さより薄い固体媒質151を用いることにより、操作光が固体媒質で散乱され生じる散乱光が損失光子の正確な検出を妨げる影響を軽減することができる。
(実施例4)
実施例4に係る量子計算機は、実施例3と同様の量子計算機において、固体媒質151の操作光入射面と操作光出射面に反射防止コーティングを施したものである。このコーティングにより、操作光が出射面で反射して再び固体媒質151内に入り、散乱光を発生させたり、出射面と入射面との間で反射を繰り返し、固体媒質内で散乱光を発生させたり、固体媒質151内で発生した散乱光が出射面や入射面に到達した場合に反射して再び固体媒質151内に戻ったりする確率が減る。そのため、本実施例によれば、実施例3の場合に比べて、光検出器に到達する散乱光の光子をさらに減少させることができる。
また、本実施例では、出射面から出た操作光を受ける光トラップが設けられる。これにより、出射面から出た操作光が、物体にあたったり空気や空気中の微粒子で散乱されたりして、光検出器に到達し、損失光子の正確な検出を妨げる影響を軽減する。この光トラップ設置による効果は、実施例3と後述する実施例5においても有効である。
以上のように、本実施例に係る量子計算機では、固体材料の操作光入射面と操作光出射面に反射防止コーティングを設け、出射面の先に光トラップまたは光吸収体を設けることにより、操作光が固体媒質や固体媒質外の物質で散乱され生じる散乱光が損失光子の正確な検出を妨げる影響を軽減することができる。
(実施例5)
実施例5では、実施例4と同様の量子計算機において、操作光の偏光方向が、直線ABの方向に一致するように、すなわち、C点における共振器モードの波面に直交するように設定される。この場合、光検出器に到達する散乱光の進行方向と操作光の偏光方向がなす角を、A点側の検出器173の場合をθ1、B点側の検出器174の場合をθ2とすると、
となる。実施例3および実施例4における操作光の偏光では、
である。
操作光により発生する散乱光の強度は、操作光の偏光方向と散乱体から散乱光の強度を観測する観測点への方向とのなす角をθとすると、sin2θに比例する。従って、操作光の偏光方向を本実施例のように設定することにより、実施例3に比べて、光検出器に到達する散乱光の光子をさらに1/100〜1/1000程度に低減することができる。
本実施例での固体媒質151内部で操作光により発生する散乱を、光ファイバーの石英による700nmの波長の光での散乱程度と考える。光ファイバーの石英では、3dB/km程度の散乱損失がある。従って、強度Iinの入射光がlkm固体媒質151中を進んだ場合の全散乱光強度(散乱損失)は、
となる。本実施例では、照射領域における操作光の進行方向における固体媒質151の厚さは100μmなので、100μWの操作光により発生する全散乱光は、
となる。このうち、2つの光検出器173、174に届く散乱光の強度Iは、仮に操作光の偏光方向が直線ABに直交する場合には、
となり、本実施例のように操作光の偏光方向が直線ABに平行である場合は、2つの光検出器173、174に届く散乱光の強度をその1/100〜1/1000である10-15Wより弱くすることが可能である。
例えば、2量子ビットゲートを100μsで実行する場合、損失光子の光子1個のエネルギーは約4×10-19Jなので、このような量子ゲートの場合の損失光子の検出には、ゲート1回あたり1光子が損失する場合の損失光子強度である4×10-19J/100μs=4×10-15Wの光を正確に検出する必要がある。本実施例では、操作光により発生する散乱光の光子が光検出器に到達する強度を10-15W以下に抑えることができ、損失光子の正確な検出が可能になる。
以上の実施例3、実施例4、実施例5では、強い操作光により散乱光が生じ、その生じた散乱光がさらに固体媒質中で散乱される多重散乱は無視できるほど小さい場合を考えたが、多重散乱を考慮しても、第2の実施形態において説明した技法は有効である。また、以上の実施例3、実施例4、実施例5において固体媒質と外部との界面での散乱を考慮した場合でも、第2の実施形態において説明した技法は有効である。
(付記)
以下に、第2の実施形態の好ましい態様を付記する。
[1]第1の態様に係る量子計算機は、
量子ビットを担う物理系を含む固体媒質を備え、前記物理系と共鳴する共振器モードを有する共振器と、
前記物理系が前記共振器モードによって互いに結合した状態で、前記共振器モードの波面と交わる偏光方向を有する操作光を前記物理系に照射する光源部と、
前記物理系から失われる光子または前記共振器モードから失われる光子を検出する検出器と、
を備える。
[2]:[1]に記載した量子計算機において、前記固体媒質は、前記物理系が配置された第1の領域および前記第1の領域と異なる第2の領域を含み、前記第1の領域は、前記操作光の進行方向における厚さが前記第2の領域よりも薄い。
[3]:[1]または[2]に記載した量子計算機において、前記操作光が入射する前記固体媒質の第1の面に第1の反射防止コーティングが施されており、前記操作光が出射する前記固体媒質の第2の面に第2の反射防止コーティングが施されており、前記第2の反射防止コーティングに対向して配置される光トラップまたは光吸収体をさらに備える。
[4]:第2の態様に係る量子計算機は、
量子ビットを担う物理系が配置された第1の領域および前記第1の領域と異なる第2の領域を含む固体媒質を備え、前記物理系と共鳴する共振器モードを有する共振器であって、前記第1の領域は、前記物理系を操作するための操作光の進行方向における厚さが前記第2の領域よりも薄い、共振器と、
前記物理系が前記共振器モードによって結合した状態で、前記物理系を操作するための操作光を前記物理系に照射する光源部と、
前記物理系から失われる光子または前記共振器モードから失われる光子を検出する検出器と、
を備える。
[5]:[4]に記載した量子計算機において、前記操作光が入射する前記固体媒質の第1の面に第1の反射防止コーティングが施されており、前記操作光が出射する前記固体媒質の第2の面に第2の反射防止コーティングが施されており、前記第2の反射防止コーティングに対向して配置される光トラップまたは光吸収体をさらに備える。
[6]:第3の態様に係る量子計算機は、
量子ビットを担う物理系を含む固体媒質を備え、前記物理系と共鳴する共振器モードを有する共振器であって、前記物理系を操作するための操作光が入射する前記共振器の第1の面に反射防止コーティングが施されており、前記操作光が射出する前記共振器の第2の面に第2の反射防止コーティングが施されている、共振器と、
前記第2の反射防止コーティングに対向して配置される光トラップまたは光吸収体と、
前記物理系が前記共振器モードによって結合した状態で、前記操作光を前記物理系に照射する光源部と、
前記物理系から失われる光子または前記共振器モードから失われる光子を検出する検出器と、
を備える。
[7]第4の態様に係る量子計算方法は、
量子ビットを担う物理系を含む固体媒質を備え、前記物理系と共鳴する共振器モードを有する共振器を用意することと、
前記物理系が前記共振器モードによって互いに結合した状態で、前記共振器モードの波面と交わる偏光方向を有する操作光を前記物理系に照射することと、
前記物理系から失われる光子または前記共振器モードから失われる光子を検出することと、
を備える。
[8]:[7]に記載した量子計算方法において、前記固体媒質は、前記物理系が配置された第1の領域および前記第1の領域と異なる第2の領域を含み、前記第1の領域は、前記操作光の進行方向における厚さが前記第2の領域よりも薄い。
[9]:[7]または[8]に記載した量子計算方法において、前記操作光が入射する前記固体媒質の第1の面に第1の反射防止コーティングが施されており、前記操作光が出射する前記固体媒質の第2の面に第2の反射防止コーティングが施されており、前記第2の反射防止コーティングに対向して配置される光トラップまたは光吸収体を用意することをさらに備える。
[10]:第5の態様に係る量子計算方法は、
量子ビットを担う物理系が配置された第1の領域および前記第1の領域と異なる第2の領域を含む固体媒質を備え、前記物理系と共鳴する共振器モードを有する共振器であって、前記第1の領域は、前記物理系を操作するための操作光の進行方向における厚さが前記第2の領域よりも薄い、共振器を用意することと、
前記物理系が前記共振器モードによって結合した状態で、前記物理系を操作するための操作光を前記物理系に照射することと、
前記物理系から失われる光子または前記共振器モードから失われる光子を検出することと、
を備える。
[11]:[10]に記載した量子計算方法において、前記操作光が入射する前記固体媒質の第1の面に第1の反射防止コーティングが施されており、前記操作光が出射する前記固体媒質の第2の面に第2の反射防止コーティングが施されており、前記第2の反射防止コーティングに対向して配置される光トラップまたは光吸収体を用意することをさらに備える。
[12]:第6の態様に係る量子計算方法は、
量子ビットを担う物理系を含む固体媒質を備え、前記物理系と共鳴する共振器モードを有する共振器であって、前記物理系を操作するための操作光が入射する前記共振器の第1の面に反射防止コーティングが施されており、前記操作光が射出する前記共振器の第2の面に第2の反射防止コーティングが施されている、共振器を用意することと、
前記第2の反射防止コーティングに対向して配置される光トラップまたは光吸収体を用意することと、
前記物理系が前記共振器モードによって結合した状態で、前記操作光を前記物理系に照射することと、
前記物理系から失われる光子または前記共振器モードから失われる光子を検出することと、
を備える。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…共振器、11…複屈折結晶、12…球面ミラー、13…平面ミラー、30…屈折率楕円体、60…半導体レーザー、61…ビームスプリッタ、62…ミラー、63…音響光学素子、64…音響光学素子、65,66…ミラー、67…レンズ、68…クライオスタット、69…制御装置、70…共振器、71…固体媒質、72,73…球面ミラー、74…照射領域、77…入射面、78…出射面、80…共振器、81…固体媒質、82…球面ミラー、83…平面ミラー、84…照射領域、90…共振器、91…固体媒質、94…照射領域、100…共振器、101…固体媒質、102,103,104…球面ミラー、105…照射領域、110…共振器、111,112…反射防止コーティング、113…光トラップ、130…共振器、131…固体媒質、151…固体媒質、162,163…誘電体多層膜ミラー171,172…ピンホール、173,174…光検出器。

Claims (5)

  1. 内部に物理系を含む複屈折結晶に取り付けられた球面ミラーと、
    前記球面ミラーに対向する、前記複屈折結晶に取り付けられた平面ミラーと、
    を備え、前記物理系と結合する共振器モードを有する共振器であって、
    前記複屈折結晶は、前記共振器の光軸上での前記共振器モードの偏光方向に平行な第1の方向に偏光した光に対する第1の屈折率と、前記第1の屈折率とは異なる、前記光軸に平行な第2の方向に偏光した光に対する第2の屈折率と、を有し、
    前記共振器の共振器長をl、前記共振器モードのモードウエスト半径をω、前記共振器の1往復あたりの全損失をL、前記共振器長に依存しない前記共振器の1往復あたりの損失をA、前記第2の屈折率をnz、前記共振器モードの光の波長をλと表すと、次式が満たされる、
    共振器。
  2. 次式を満たす、請求項1に記載の共振器。
  3. 内部に物理系を含む複屈折結晶に取り付けられた球面ミラーと、
    前記球面ミラーに対向する、前記複屈折結晶に取り付けられた平面ミラーと、
    を備え、前記物理系と結合する共振器モードを有する共振器であって、
    前記複屈折結晶は、前記共振器の光軸上での前記共振器モードの偏光方向に平行な第1の方向に偏光した光に対する第1の屈折率と、前記第1の屈折率とは異なる、前記光軸に平行な第2の方向に偏光した光に対する第2の屈折率と、を有し、
    前記共振器の共振器長をl、前記共振器モードのモードウエスト半径をω、前記共振器の1往復あたりの全損失をL、前記共振器長に比例する前記共振器の1往復あたりの損失をB、前記第2の屈折率をnz、前記共振器モードの光の波長をλと表すと、次式が満たされる、
    共振器。
  4. 次式が満たされる、請求項3に記載の共振器。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の共振器を備える量子計算機。
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