[第1実施形態]
第1実施形態について、図1乃至図11(b)を用いて説明する。まず、第1実施形態の画像形成装置について図1乃至図4を用いて説明する。
<画像形成装置>
図1に示す画像形成装置100は電子写真技術を用いたカラー画像形成装置であり、画像形成に用いられる画像形成部として、装置本体60内に4色の画像形成ユニット600が中間転写ベルト61に対向して配置された、中間転写タンデム方式の装置である。なお、図1では図示の都合上、後述するシャッタ開閉機構(図7参照)や、後述する現像シャッタや搬送路シャッタなどの各シャッタ(図6参照)の図示を省略している。
画像形成装置100の記録材の搬送プロセスについて概要を説明する。記録材Sは、装置本体60に挿抜可能な用紙カセット62内に積載される形で収納されており、給紙ローラ63により画像形成タイミングに合わせて給紙される。用紙カセット62からの給紙は、例えば摩擦分離方式などが用いられる。給紙ローラ63により送り出された記録材Sは、搬送パス64の途中に配置されたレジストローラ65へと搬送される。そして、記録材Sはレジストローラ65において斜行補正やタイミング補正が行われた後、二次転写部T2へと送られる。二次転写部T2は、対向する二次転写内ローラ66及び二次転写外ローラ67により形成される転写ニップ部であり、所定の加圧力と静電的負荷バイアスを与えることで記録材S上にトナー像を吸着させる。
上述した二次転写部T2までの記録材Sの搬送プロセスに対して、同様のタイミングで二次転写部T2まで送られて来る画像の形成プロセスについて説明する。まず、画像形成ユニット600について説明するが、各色の画像形成ユニット600の構成は、トナーの色以外は基本的に同じであるため、以下、代表して、ブラック(BK)の画像形成ユニット600について説明する。
画像形成ユニット600は、像担持体としての感光ドラム1、帯電装置2、現像装置3、及びドラムクリーニング装置5等から構成される。回転駆動される感光ドラム1の表面は、帯電装置2により予め表面を一様に帯電され、その後、画像情報の信号に基づいて駆動される露光装置68によって静電潜像が形成される。次に、感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像装置3によるトナー現像を経て可視像化される。その後、感光ドラム1と中間転写ベルト61を挟んで対向配置される一次転写装置4により所定の加圧力及び静電的負荷バイアスが与えられ、感光ドラム1上に形成されたトナー像が、中間転写ベルト61上に一次転写される。ドラムクリーニング装置5は、一次転写後に感光ドラム1上に残留する一次転写残トナーを除去する。以上説明した画像形成ユニット600は、図1に示す構造の場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(BK)の4セット存在する。ただし、色数は4色に限定されるものではなく、また色の並び順もこの限りではない。
中間転写ベルト61は、テンションローラ6、二次転写内ローラ66、及び張架ローラ7a、7bによって張架され、図中矢印C方向へと搬送駆動される無端ベルトである。ここで、二次転写内ローラ66は、中間転写ベルト61を駆動する駆動ローラも兼ねる。上述のイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色の画像形成ユニット600により並列処理される各色の作像プロセスは、中間転写ベルト61上に一次転写された上流の色のトナー像上に順次重ね合わせるタイミングで行われる。その結果、最終的にはフルカラーのトナー像が中間転写ベルト61上に形成され、二次転写部T2へと搬送される。
以上、それぞれ説明した搬送プロセス及び作像プロセスを以って、二次転写部T2において記録材Sとフルカラートナー像のタイミングが一致し、二次転写が行われる。二次転写された後の記録材Sは定着装置9へと搬送され、所定の圧力と熱量によって記録材S上にトナー像が溶融固着される。画像定着された記録材Sは、排紙ローラ69の順回転に従い排紙トレイ601上に排出される。
ベルトクリーニング装置8は、二次転写部T2を通過した後つまりは二次転写後に中間転写ベルト61上に残留する二次転写残トナーを除去する。ドラムクリーニング装置5により除去された一次転写残トナー、ベルトクリーニング装置8により除去された二次転写残トナーは、回収トナー搬送部20に送られる。回収トナー搬送部20の上面側にはドラムクリーニング装置5及びベルトクリーニング装置8が接続可能であり、回収トナー搬送部20の下面側には回収容器10が接続可能となっている。回収トナー搬送部20は、送られた回収トナーを収容可能である。そして、回収トナー搬送部20に収容された回収トナーは、回収トナー搬送部20内に設けられた回収トナー搬送スクリュー43(後述する図6参照)によって、回収トナー搬送部20内を第二排出口としての排出口20aに向けて搬送される。こうして、感光ドラム1や中間転写ベルト61から除去されたトナーは、回収トナー搬送部20内を搬送されて回収容器10内に溜められる。
本実施形態において、現像装置3は画像形成動作に伴い劣化したトナーを現像容器から強制的に排出し得る。そして、強制排出された劣化トナーは回収トナー搬送部20に収容され、回収トナー搬送部20を通じて回収容器10へと搬送されて回収容器10に溜められる。そうするために、回収トナー搬送部20の上面側には現像装置3(詳しくは現像容器)も接続可能となっている。
<ドラムクリーニング装置>
ドラムクリーニング装置5について、図2を用いて説明する。図2に示すように、ドラムクリーニング装置5は、ハウジング51と、クリーニングブレード52と、トナー搬送スクリュー53とを有している。クリーニングブレード52は例えばポリウレタンゴム等からなる弾性ブレードであり、感光ドラム1の回転方向(図中矢印R1方向)に対してカウンタ方向に当接されている。クリーニングブレード52は回転する感光ドラム1を摺擦することで、一次転写後に感光ドラム1に残留する一次転写残トナーを機械的に掻き取って感光ドラム1から除去する。感光ドラム1から除去された一次転写残トナーはハウジング51内に落下し、ハウジング51内に配設されているトナー搬送スクリュー53によって感光ドラム1の回転軸線方向(長手方向)に、ハウジング51の排出口(不図示)まで搬送される。ハウジング51の排出口は回収トナー搬送部20(図1参照)に接続されているので、感光ドラム1から除去された一次転写残トナーは回収トナー搬送部20に送られる。
<ベルトクリーニング装置>
ベルトクリーニング装置8について、図3を用いて説明する。図3に示すように、ベルトクリーニング装置8は、ハウジング81と、クリーニングブレード82と、トナー搬送スクリュー83とを有している。クリーニングブレード82は例えばポリウレタンゴム等からなる弾性ブレードであり、中間転写ベルト61の回転方向(図中矢印C方向)に対してカウンタ方向に当接されている。クリーニングブレード82は回転する中間転写ベルト61を摺擦することで、二次転写後に中間転写ベルト61に残留する二次転写残トナーを機械的に掻き取って中間転写ベルト61から除去する。中間転写ベルト61から除去された二次転写残トナーはハウジング81内に落下し、ハウジング81内に配設されているトナー搬送スクリュー83によって中間転写ベルト61の回転方向に交差する幅方向に、ハウジング81の排出口(不図示)まで搬送される。ハウジング81の排出口は回収トナー搬送部20に接続されているので、中間転写ベルト61から除去された二次転写残トナーは回収トナー搬送部20に送られる。
<現像装置>
現像装置3について、図4を用いて説明する。現像装置3は、ハウジングを形成する現像容器30内が、略中央部において図面垂直方向に延在する壁部34によって、図面右側の現像室3aと図面左側の撹拌室3bとに水平方向に区画されている。即ち、図4に示す現像装置3は、現像室3aと撹拌室3bとを水平に配置した横撹拌型の現像装置である。現像室3a及び撹拌室3bの各室内には、現像スクリュー31と撹拌スクリュー32がそれぞれ回転自在に配設されている。現像スクリュー31及び撹拌スクリュー32は、回転軸の周りに螺旋状に設けられた搬送翼(スクリュー羽根)を有するスクリュー構造である。現像スクリュー31と撹拌スクリュー32とが回転すると、現像剤は撹拌されながら現像室3aと撹拌室3bとを循環搬送される。
現像装置3では、作像プロセスにおいて消費されたトナーを補填するため、現像剤補給装置(例えばホッパー)から現像容器30内に、トナーとキャリアの両方を含む補給用現像剤が補給される。画像形成動作に伴い補給用現像剤が随時に補給されると、現像容器30内の現像剤量は次第に増加する。これは、画像形成時にトナーは消費されるが、キャリアは消費されずに現像容器30内に残るからである。しかし、第一収容体としての現像容器30内の現像剤が多くなり過ぎると、現像剤の撹拌が不十分となって濃度ムラやカブリが発生したり、あるいは現像容器30から現像剤が溢れ出したりする。そこで、過剰な現像剤(劣化トナーを含む)を現像容器30の内部から排出するために、撹拌室3bには撹拌スクリュー32の回転方向最下流に排出口3c(図1参照)が設けられている。撹拌スクリュー32によって排出口3cまで搬送された現像剤は、排出口3cから現像容器30外に排出される。排出口3cからは、少量ずつ現像剤が排出される。第一排出口としての排出口3cは回収トナー搬送部20に接続されているので、現像装置3から排出された劣化トナーは回収トナー搬送部20に送られる。
図1に戻って、各色(Y、M、C、BK)の画像形成ユニット600は、装置本体60に対し装着及び離脱可能に設けられている。本実施形態では、複数の画像形成ユニット600が作像筐体200(引き出し式トレイ)に保持されている。また、各色の画像形成ユニット600の他に、回収トナー搬送部20が作像筐体200により保持されている。それ故、画像形成ユニット600と回収トナー搬送部20とは共に、装置本体60に対し一体的に挿抜され得る。
装置本体60の前面側(図1手前側)には、不図示の開閉扉が装置本体60の前面に向け開閉自在に設けられている。この開閉扉が開かれて装置本体60の前面が開放されると、作像筐体200が露出する。保持部材としての作像筐体200は、側面に装置本体60の前面側から後面側(図1手前側から奥側)に向けて延設された一対のレール部材201を有する。作像筐体200は、該レール部材201を介して装置本体60内を前後方向(感光ドラム1の回転軸線方向)にスライド移動可能に装置本体60に保持される(所謂フロントローディング方式)。これにより、装着状態の作像筐体200は装置本体60の前面側へと引き出され、作像筐体200から各色の画像形成ユニット600を着脱可能な非装着状態を取り得る。そして、非装着状態の作像筐体200は装置本体60の後面側へと押し込まれることによって、各色の画像形成ユニット600が画像形成可能な装着状態を取り得る。なお、回収トナー搬送部20は画像形成ユニット600と同様に作像筐体200から着脱可能、つまりは装置本体60に対し装着及び離脱可能に設けられていてよい。
トナー収容体としての回収容器10は、作像筐体200とは別途独立して装置本体60に挿抜可能に設けられている。回収容器10は作像筐体200と同様に装置本体60に対して、前面側(図1の手前側)から後面側(図1の奥側)へと挿入可能に、また後面側から前面側へと引き出し可能に設けられている。回収容器10は、作像筐体200に保持されている回収トナー搬送部20と連通可能になっている。
図5は、作像筐体200に保持される回収トナー搬送部20及び画像形成ユニット600と、回収容器10とを示す斜視図である。ただし、作像筐体200については図示を省略している。
図5に示すように、画像形成ユニット600は感光ドラム1の回転軸線方向を、図示を省略した作像筐体200の挿抜方向(図中矢印X方向)に向けて、感光ドラム1の回転軸線方向に交差する幅方向(図中矢印Y方向)に並べられる。第二収容体としての回収トナー搬送部20は、幅方向に並列する複数の画像形成ユニット600の一端部側に配置されている。回収トナー搬送部20は、受入口21を介して各画像形成ユニット600と接続される。具体的には、回収トナー搬送部20は、受入口21を介して現像装置3やドラムクリーニング装置5と接続される。なお、作像筐体200は回収トナー搬送部20及び画像形成ユニット600の他にシャッタ開閉機構300を保持しているが、シャッタ開閉機構300については後述する(後述の図7乃至図11(b)参照)。
かかる構成の画像形成装置100において、作像筐体200から画像形成ユニット600を挿抜するときに、画像形成ユニット600と回収トナー搬送部20との連通部が開放されたままであると、そこから回収トナーが漏れてしまい得る。また、作像筐体200の挿抜時あるいは回収容器10の挿抜時に、回収容器10と回収トナー搬送部20との連通部が開放されたままであると、そこから回収トナーが漏れてしまい得る。そこで、画像形成ユニット600と回収トナー搬送部20との連通部、回収容器10と回収トナー搬送部20との連通部を開閉するために、複数のシャッタが設けられている。このシャッタについて図6を用いて説明する。
ただし、以下では説明を理解しやすくするために、画像形成ユニット600に設けられるシャッタとして現像装置3の排出口3cを開閉する現像シャッタ35について説明する。画像形成ユニット600に設けられるシャッタとしてはドラムクリーニング装置5の排出口を開閉するシャッタもあるが、これについては現像シャッタ35と同様の構成であってよいので、図示及び説明を省略する。
図6に示すように、回収トナー搬送部20は、現像装置3から回収容器10まで続く一連の回収トナー搬送路を形成する。現像装置3には、排出口3cを開閉する現像シャッタ35が設けられている。第一シャッタとしての現像シャッタ35は、排出口3cを閉じる位置と開く位置との間でスライド移動可能に設けられている。回収トナー搬送部20には、排出口20aを開閉する搬送路シャッタ22が設けられている。第二シャッタとしての搬送路シャッタ22は、排出口20aを閉じる位置と開く位置との間でスライド移動可能に設けられている。詳しくは後述するように(図7乃至図9参照)、現像シャッタ35は第一付勢手段としての圧縮バネの付勢力によって排出口3cを閉じる方向に付勢されている。他方、搬送路シャッタ22は第二付勢手段としての引張バネの付勢力によって排出口20aを開く方向に付勢されている。そして、これら現像シャッタ35及び搬送路シャッタ22は、シャッタ開閉機構により同時に開閉されるようになっている。なお、個々を比べた場合、搬送路シャッタ22の付勢力は現像シャッタ35の付勢力よりも大きい。
回収容器10には、受入口10aを開閉する回収シャッタ91が設けられている。回収シャッタ91は、回収容器10の挿抜動作に伴って受入口10aを閉じる位置と開く位置との間でスライド移動可能に設けられている。回収シャッタ91は不図示のバネによって受入口10aを閉じる向きに常時付勢されているので、回収容器10が装着されていない場合、回収シャッタ91は閉じる位置に維持される。つまり、回収シャッタ91は、回収容器10の装着時に受入口10aを閉じる位置から開く位置に移動し、回収容器10の離脱時に受入口10aを開く位置から閉じる位置に移動する。
また、回収トナー搬送部20には搬送路シャッタ22の他に、連結シャッタ23が設けられている。連結シャッタ23は、回収容器10の挿抜動作に伴って回収トナー搬送部20の排出口20aを閉じる位置と開く位置との間でスライド移動可能に、搬送路シャッタ22よりも下方に設けられている。連結シャッタ23は、不図示のバネによって排出口20aを閉じる向きに常時付勢されている。連結シャッタ23は回収容器10の装着時、バネの付勢力に抗して閉じる位置から開く位置に移動される。また、連結シャッタ23は回収容器10の離脱時、バネの付勢力に従って開く位置から閉じる位置に移動される。回収トナー搬送部20に連結シャッタ92を設けておけば、特に回収容器10が非装着状態である場合に、回収トナー搬送部20内に残った回収トナーが飛散するのを防止できるので好ましい。
なお、図6に示すように、回収トナー搬送部20には、回収トナー搬送スクリュー43が回転自在に配設されている。回収トナー搬送スクリュー43は、略水平に且つ回転可能に作像筐体200の挿抜方向に交差する方向(回収トナー搬送部20の長手方向)の両端で軸支されている。回収トナー搬送スクリュー43は、回転軸の周りに螺旋状に設けられた搬送翼(スクリュー羽根)を有するスクリュー構造である。それ故、回収トナー搬送部20内の回収トナーは、回収トナー搬送スクリュー43が回転することによって搬送される。
本実施形態では回収トナー搬送部20をコンパクトにするため、回収トナー搬送部20には1つの排出口20aが設けられている。排出口20aは回収トナー搬送部20の端部に設けられず、回収トナー搬送部20の長手方向の中央寄りに設けられている。こうした排出口20aの配設位置ゆえ、回収トナー搬送スクリュー43には、回収トナー搬送部20の両端部側から排出口20aへ向けて回収トナーを搬送可能に、排出口20aを境に搬送向き(螺旋向き)の異なる搬送翼が回転軸上に設けられている。具体的には、回収トナー搬送スクリュー43は、回収トナーを回収トナー搬送部20の一端部側から排出口20aに向かって搬送する第一搬送翼43aを有する。また、回収トナー搬送スクリュー43は、回収トナーを回収トナー搬送部20の他端部側から排出口20aに向かって第一搬送翼43aの搬送方向と逆方向に搬送する第二搬送翼43bを有する。これにより、回収トナー搬送部20の回収トナーは、第一搬送翼43aと第二搬送翼43bとによって排出口20aを挟んで互いに対向する向きに両端部から排出口20aに向けて搬送される。
現像シャッタ35及び搬送路シャッタ22を同時に開閉するため、作像筐体200にはシャッタ開閉機構300が設けられている。シャッタ開閉機構300は、現像シャッタ35が開状態であれば搬送路シャッタ22も開状態に、現像シャッタ35が閉状態であれば搬送路シャッタ22も閉状態にそれぞれを開閉動作する。つまり、現像シャッタ35と搬送路シャッタ22とが同じ開閉状態となるように開閉動作する。シャッタ開閉機構300について、図7乃至図11(b)を用いて説明する。なお、図8ではレバー330の図示を省略している。
図7に示すように、シャッタ開閉機構300は、現像シャッタ35を開閉する現像シャッタ開閉機構301と、搬送路シャッタ22を開閉する搬送路シャッタ開閉機構310と、これらを動作させる操作リンク機構320とを有する。現像シャッタ開閉機構301は、複数(ここでは4つ)の現像シャッタ35を同時に開閉動作する。搬送路シャッタ開閉機構310は、1つの搬送路シャッタ22を開閉動作する。操作リンク機構320は操作部材としてのレバー330を有し、レバー330は使用者に把持されて揺動操作可能に設けられている。操作リンク機構320は、レバー330の動きに応じて現像シャッタ開閉機構301と搬送路シャッタ開閉機構310とを動作して、それらに現像シャッタ35と搬送路シャッタ22とを同時に開閉させる。レバー330は現像シャッタ35及び搬送路シャッタ22の両方が共に開いた状態となる開位置(第一位置)と、現像シャッタ35及び搬送路シャッタ22の両方が共に閉じた状態となる閉位置(第二位置)との間を揺動自在である。そして、レバー330は開位置又は閉位置に維持され得る。
現像シャッタ開閉機構301は、レバー330の揺動動作と現像シャッタ35の開閉動作とをリンクさせる。現像シャッタ開閉機構301は、図8に示すように、シャッタ開閉部材304とリンクスライダ308とに大きく分けることができる。シャッタ開閉部材304は、現像シャッタ35側に向け延設された長尺状の動作部303と、上方に向け突設された円筒状の突部305とを有する。動作部303の延びる向きと突部305の突出する向きは、互いに直交している。リンクスライダ308は、複数の係合部306と1つの現像リンク溝部307とを有する。係合部306は、現像シャッタ35に対応する数(ここでは4つ)だけ設けてある。係合部306には、シャッタ開閉部材304の突部305が遊嵌される。係合部306は突部305の突出向きに延在する壁を有し、この壁の内面に突部305の周面が当接される。これにより、突部305ひいてはシャッタ開閉部材304の移動可能範囲は、係合部306によって囲まれた範囲に制限される。係合部306は、レバー330が開位置にある場合に突部305が現像シャッタ35に最も近づき、レバー330が閉位置にある場合に突部305が現像シャッタ35から最も離れるように、図示のような形状に形成される。現像リンク溝部307は、リンクスライダ308のシャッタ開閉部材304と反対側の側面に設けられ、後述の第二揺動カム322の突部325が遊嵌される。
搬送路シャッタ開閉機構310は、レバー330の揺動動作と搬送路シャッタ22の開閉動作とをリンクさせる。搬送路シャッタ開閉機構310は、図8に示すように、長尺状に伸びるリンクアーム311と回収リンク部312とを有する。リンクアーム311は、一端が搬送路シャッタ22を軸支する。回収リンク部312はリンクアーム311の他端側に設けられて、操作リンク機構320に接続される。回収リンク部312は所定形状の孔(又は溝)であり、後述の第一揺動カム321の突部324が遊嵌される。
操作リンク機構320は、リンクスライダ308及びリンクアーム311を感光ドラム1の回転軸線方向に交差する幅方向(図5の矢印Y方向参照)に往復移動する。操作リンク機構320は、図8に示すように、第一揺動カム321と第二揺動カム322と回転軸323とを有する。回転軸323の一端側には、図示を省略したレバー330(図7参照)が固定されている。第一揺動カム321は、回転軸323にレバー330よりも現像シャッタ開閉機構301側寄りに固定されている。他方、第二揺動カム322は、レバー330と反対側の回転軸323の他端側に固定されている。これら第一揺動カム321と第二揺動カム322は、レバー330の動きに従って回転軸323を中心にレバー330と同じ角度で揺動動作する。第一揺動カム321の先端側には、リンクアーム311の回収リンク部312に遊嵌可能に円筒状の突部324が設けられている。第二揺動カム322の先端側には、リンクスライダ308の現像リンク溝部307に遊嵌可能に円筒状の突部325が設けられている。
続いて、現像シャッタ35について説明する。図8に示すように、現像シャッタ35は閉塞部35aと窓部35bとを有している。閉塞部35aは、現像装置3の排出口3c(図6参照)に位置付けられることで排出口3cを閉状態とする。窓部35bは、排出口3cに位置付けられることで排出口3cを開状態とする。現像シャッタ35は圧縮バネ36に接続され、この圧縮バネ36によって排出口3cを閉じる向きに常時付勢されている。圧縮バネ36の一端側は、現像装置3のフランジ部(不図示)に固定されている。圧縮バネ36の他端側には、圧縮バネ36を受ける受け座として機能する当接部37が設けられている。また、当接部37にはシャッタ開閉部材304の動作部303が常時当接していることから、当接部37はシャッタ開閉部材304の動作に応じて動作部303から押圧力を受ける被押圧部としても機能する。
このように構成することで、当接部37に動作部303から押圧力が加えられている場合には、圧縮バネ36の付勢力に抗して、圧縮バネ36を圧縮する向きに当接部37が押され、現像シャッタ35の窓部35bが排出口3cの下に位置して開状態となる。これに対し、当接部37に動作部303から押圧力が加えられていない場合には、圧縮バネ36の付勢力に従って、現像シャッタ35の閉塞部35aが排出口3cの下に位置して閉状態となる。この場合、現像装置3が作像筐体200(図1参照)から取り外されても、現像シャッタ35は圧縮バネ36の付勢力を受け続けるので、排出口3cの閉状態が維持される。
搬送路シャッタ22について図9を用いて説明する。図9に示すように、搬送路シャッタ22は、閉塞部22aと窓部22bとを有している。閉塞部22aは、回収トナー搬送部20の排出口20a(図6参照)に位置付けられることで排出口20aを閉状態とする。窓部22bは、排出口20aに位置付けられることで排出口20aを開状態とする。搬送路シャッタ22は引張バネ25に接続され、引張バネ25によって排出口20aを開く向きに常時付勢されている。引張バネ25の一端側は搬送路シャッタ22の突起部22cに固定され、引張バネ25の他端側はシャッタガイドカバー27に固定されている。また、搬送路シャッタ22は側面から外側に突出する円筒状の軸部22dを有し、軸部22dを介してリンクアーム311(図8参照)に軸支される。
シャッタガイドカバー27は、搬送路シャッタ22をスライド移動可能に保持して搬送路シャッタ22を案内する。シャッタガイドカバー27には、引張バネ25による付勢方向への搬送路シャッタ22の移動を規制することで、搬送路シャッタ22を所定位置に位付けて保持する突当り部24が設けられている。シャッタガイドカバー27は、排出口20aに取り付けできるようになっている。
このように構成することで、搬送路シャッタ22が引張バネ25を伸張する向きに移動されていなければ、引張バネ25の付勢力に従って、搬送路シャッタ22の窓部22bが排出口20aの下に位置して開状態となる。これに対し、搬送路シャッタ22が引張バネ25を伸張する向きに移動されていれば、引張バネ25の付勢力に抗して、搬送路シャッタ22の閉塞部22aが排出口20aの下に位置して閉状態となる。この場合、現像装置3が作像筐体200(図1参照)から取り外されても、レバー330は閉位置に維持され、搬送路シャッタ22は引張バネ25の付勢力により戻らないので、排出口20aの閉状態が維持される。
上述のように、シャッタ開閉機構300は、使用者によるレバー330の操作に応じて操作リンク機構320を介し現像シャッタ開閉機構301と搬送路シャッタ開閉機構310とが動作して、現像シャッタ35と搬送路シャッタ22とを同時に開閉動作し得る。そこで、シャッタ開閉機構300による現像シャッタ35及び搬送路シャッタ22の開閉動作について、図10(a)乃至図11(b)を用いて具体的に説明する。なお、ここでは、図10(a)に示すようにレバー330が開位置にある場合、現像シャッタ35及び搬送路シャッタ22は開いている。他方、図11(a)に示すようにレバー330が閉位置にある場合、現像シャッタ35及び搬送路シャッタ22は閉じている。
搬送路シャッタ22を閉じる動作について、図10(a)を用いて説明する。図10(a)に示すように、レバー330が図面右側(図中矢印R1方向)へ揺動されると、第一揺動カム321が回転軸323を中心にレバー330と同じように揺動する。すると、第一揺動カム321の突部324がリンクアーム311の回収リンク部312に当接してこれを押圧するので、リンクアーム311にはレバー330に加えられた外力が押圧力として付加される。これにより、リンクアーム311は図面右側にスライド移動する。リンクアーム311が図面右側にスライド移動すると、リンクアーム311に軸部22dを介して軸支された搬送路シャッタ22に対し、引張バネ25の付勢力(図中矢印F1)に抗する力が付加される。これにより、搬送路シャッタ22は図面右側にスライド移動する。この結果、搬送路シャッタ22の閉塞部22aが回収トナー搬送部20の排出口20a(図6参照)に位置付けられて、排出口20aを閉状態とする。このように、搬送路シャッタ22は引張バネ25の付勢力に抗する力が付加されて閉じられる。
現像シャッタ35を閉じる動作について、図10(b)を用いて説明する。レバー330が図面右側(図中矢印R1方向)へ揺動されると、図10(b)に示すように、第二揺動カム322が回転軸323を中心にレバー330と同じように揺動する。すると、第二揺動カム322の突部325がリンクスライダ308の現像リンク溝部307に当接してこれを押圧するので、リンクスライダ308にはレバー330に加えられた外力が押圧力(図中矢印C1)として付加される。これにより、リンクスライダ308は図面右側にスライド移動する。リンクスライダ308が図面右側にスライド移動すると、突部305がリンクスライダ308の係合部306の内壁面に沿って摺動され、シャッタ開閉部材304は図中下側(装置本体前面側)にスライド移動する。そして、この場合、現像シャッタ35には圧縮バネ36の付勢力(図中矢印F2)が付加されている。そのため、シャッタ開閉部材304が図中下側にスライド移動することに伴って、動作部303が当接部37から離れる向き(図中下側)に後退すると、圧縮バネ36の付勢力に抗する力が弱まる。そうなれば、現像シャッタ35は圧縮バネ36の付勢力に従って図中下側にスライド移動する。この結果、現像シャッタ35の閉塞部35aが現像装置3の排出口3c(図6参照)に位置付けられて、排出口3cを閉状態とする。このように、現像シャッタ35は圧縮バネ36の付勢力に従って閉じられる。
搬送路シャッタ22を開く動作について、図11(a)を用いて説明する。図11(a)に示すように、レバー330が図面左側(図中矢印R2方向)へ揺動されると、第一揺動カム321が回転軸323を中心にレバー330と同じように揺動する。すると、リンクアーム311の回収リンク部312に当接しこれを押圧していた第一揺動カム321の突部324が、回収リンク部312との当接面から離れる向き(図面左側)に移動する。これにより、リンクアーム311に付加されていた押圧力が弱まる。そして、この場合、搬送路シャッタ22には引張バネ25の付勢力(図中矢印F1)が付加されている。そのため、リンクアーム311に付加されていた押圧力が弱まれば、搬送路シャッタ22は引張バネ25の付勢力に従って図面左側にスライド移動する。この結果、搬送路シャッタ22の窓部22bが回収トナー搬送部20の排出口20a(図6参照)に位置付けられて、排出口20aを開状態とする。このように、搬送路シャッタ22は引張バネ25の付勢力に従って開かれる。
現像シャッタ35を開く動作について、図11(b)を用いて説明する。レバー330が図面左側(図中矢印R2方向)へ揺動されると、図11(b)に示すように、第二揺動カム322が回転軸323を中心にレバー330と同じように揺動する。すると、第二揺動カム322の突部325がリンクスライダ308の現像リンク溝部307に当接してこれを押圧することで、リンクスライダ308にはレバー330に加えられた外力が押圧力(図中矢印C2)として付加される。これにより、リンクスライダ308は図面左側にスライド移動する。リンクスライダ308が図面左側にスライド移動すると、突部305がリンクスライダ308の係合部306の内壁面に沿って摺動されることで、シャッタ開閉部材304は図中上側(装置本体後面側)にスライド移動する。シャッタ開閉部材304が図中上側にスライド移動すると、動作部303が当接部37を押圧する。そして、当接部37には圧縮バネ36が接続され、現像シャッタ35には圧縮バネ36の付勢力(図中矢印F2)が付加されている。従って、リンクアーム311が図面左側にスライド移動すると、現像シャッタ35に対し圧縮バネ36の付勢力に抗する力が付加される。これにより、現像シャッタ35は図中上側にスライド移動する。この結果、現像シャッタ35の窓部35bが現像装置3の排出口3c(図6参照)に位置付けられて、排出口3cを開状態とする。このように、現像シャッタ35は圧縮バネ36の付勢力に抗する力が付加されて開かれる。
以上のように、シャッタ開閉機構300は、レバー330に付加される外力によって現像シャッタ35及び搬送路シャッタ22を同時に開閉し得る。つまり、シャッタ開閉機構300は、レバー330に付加された外力を現像シャッタ35と搬送路シャッタ22とを開閉する力に変えている。ただし、本実施形態では、現像シャッタ35は圧縮バネ36によって排出口3cを閉じる向きに常時付勢され、搬送路シャッタ22は引張バネ25によって排出口20aを開く向きに常時付勢されている。即ち、現像シャッタ35と搬送路シャッタ22では、開閉方向に関して付勢方向が反対向きである。そのため、現像シャッタ35と搬送路シャッタ22を開く場合、使用者はレバー330に対し圧縮バネ36の付勢力に抗する力を加える必要がある。しかし、本実施形態の場合、引張バネ25の付勢力に抗する力は必要とされず、逆に引張バネ25の付勢力が圧縮バネ36の付勢力に抗する力として寄与し得る。反対に、現像シャッタ35と搬送路シャッタ22を閉じる場合、使用者はレバー330に対し引張バネ25の付勢力に抗する力を加える必要がある。しかし、本実施形態の場合、圧縮バネ36の付勢力に抗する力は必要とされず、逆に圧縮バネ36の付勢力が引張バネ25の付勢力に抗する力として寄与し得る。
従来の場合、現像シャッタ35及び搬送路シャッタ22の全てを閉じる向き又は開く向きにバネによって付勢した場合には、レバーを操作する際にレバー操作を重くする力かレバー操作を軽くする力のどちらか一方しか働かない。特にレバー操作を重くする力しか働かない場合、使用者は現像シャッタ35及び搬送路シャッタ22の開閉を円滑に行うのが難しくなる。これに対し、本実施形態の場合、現像シャッタ35及び搬送路シャッタ22をレバー操作により開閉させる際に、一方のシャッタをバネの付勢力に抗して移動させ、他方のシャッタをバネの付勢力に従って移動させるようにした。これによれば、レバー操作する際に、レバー330に対しレバー操作を重くする力と軽くする力の両方が加わる。そのため、使用者は従来に比較して小さな力をレバー330に付加するだけで、現像シャッタ35及び搬送路シャッタ22を同時に開閉できることから、使用者はシャッタの開閉を円滑に行うことができるようになる。
また、本実施形態によれば、使用者はレバー操作により全ての現像シャッタ35を閉じた状態で現像装置3を作像筐体200から取り外すことができる。そして、使用者は作像筐体200に現像装置3を装着後、レバー操作により全ての現像シャッタ35を開くことができる。さらに、1つのレバー330を操作するだけで全ての現像シャッタ35を同時に開閉できるため、シャッタ開閉の誤操作が生じ難く、使用者が確実に現像シャッタ35を閉じた状態で現像装置3の交換作業を行うことができる。このように、使用者は現像装置3の交換時にレバー操作によってシャッタの開閉動作を簡単且つ確実に行うことができることから、現像装置3の交換作業時にトナー漏れを生じさせ難い。例えば、使用者が誤って交換対象でない現像装置3を作像筐体200から取り外したとしても、それについても現像シャッタ35が閉じられているので、トナーが漏れない。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について、図12(a)乃至図13(b)を用いて説明する。第2実施形態は、圧縮バネ36の代わりに引張バネを用いて排出口3cを閉じる方向に現像シャッタ35を付勢する一方で、引張バネ25の代わりに圧縮バネを用いて排出口20aを開く方向に搬送路シャッタ22を付勢する場合である。図12(a)及び図12(b)は現像シャッタ35及び搬送路シャッタ22が開いている場合を示し、図13(a)及び図13(b)は現像シャッタ35及び搬送路シャッタ22が閉じている場合を示す。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
図12(a)及び図13(a)に示すように、搬送路シャッタ221は閉塞部221aと窓部221bとを有している。閉塞部221aは、回収トナー搬送部20の排出口20a(図6参照)に位置付けられることで排出口20aを閉状態とする。窓部221bは、排出口20aに位置付けられることで排出口20aを開状態とする。搬送路シャッタ221は圧縮バネ36Aに接続され、この圧縮バネ36Aによって排出口20aを開く向きに常時付勢される。搬送路シャッタ221には、圧縮バネ36Aを受ける受け座として機能する座面221cが設けられている。圧縮バネ36Aの一端部は、シャッタガイドカバー27Aに固定されている。シャッタガイドカバー27Aは、搬送路シャッタ221をスライド移動可能に保持して搬送路シャッタ221を案内する。シャッタガイドカバー27Aは、排出口20aに取り付けできるようになっている。
このように構成することで、リンクアーム311に押圧力が付加されていない場合には(図12(a)参照)、圧縮バネ36Aの付勢力に従って座面221cを介して搬送路シャッタ221が図面左側に押される。搬送路シャッタ221の窓部221bが排出口20aの下に位置して開状態となる。これに対し、リンクアーム311に押圧力が付加されている場合には、圧縮バネ36Aの付勢力に抗し圧縮バネ36Aを圧縮する向きに搬送路シャッタ221が移動され、搬送路シャッタ221の閉塞部221aが排出口20aの下に位置して閉状態となる。
図12(b)及び図13(b)に示すように、現像シャッタ351は閉塞部351aと窓部351bとを有している。閉塞部351aは、現像装置3の排出口3c(図6参照)に位置付けられることで排出口3cを閉状態とする。窓部351bは、排出口3cに位置付けられることで排出口3cを開状態とする。現像シャッタ351は、一端部が引張バネ25Aに接続されており、この引張バネ25Aによって排出口3cを開く向きに常時付勢されている。引張バネ25Aの一端部は、現像装置3のフランジ部(不図示)に固定されている。引張バネ25Aの他端部は、現像シャッタ351の突設部351dに固定されている。また、現像シャッタ351は、後述するシャッタ開閉部材304Aの係止部304bと係止する突設部351cを有する。
上記の現像シャッタ351に対応して、シャッタ開閉部材304Aは、現像シャッタ351側に向け延設された略L字状の係止部304bと、上方に向け突設された円筒状の突部305Aとを有する。係止部304bは、現像シャッタ351の突設部351cと係止される。リンクスライダ308Aは、複数の係合部306Aと1つの現像リンク溝部307とを有する。係合部306Aは、現像シャッタ351に対応する数だけある。係合部306Aには、シャッタ開閉部材304Aの突部305Aが遊嵌される。係合部306Aは図面垂直方向に延在する壁を有し、この壁の内壁面に突部305Aの周面が当接される。これにより、突部305Aひいてはシャッタ開閉部材304Aの動作は、係合部306Aの壁によって囲まれた範囲に制限される。係合部306Aは、現像シャッタ351が付勢される向きが異なることから、係合部306(図10(a)参照)と壁の形状が異なっている。係合部306Aは、レバー330が開位置にある場合に突部305Aが現像シャッタ351から最も離れ、レバー330が閉位置にある場合に突部305Aが現像シャッタ351に最も近づくように形成されている。
このように構成することで、シャッタ開閉部材304Aが引張バネ25Aを伸張する向きに移動されていない場合には(図13(b)参照)、引張バネ25の付勢力に従って、現像シャッタ351の窓部351bが排出口3cの下に位置して開状態となる。これに対し、シャッタ開閉部材304Aが引張バネ25Aを伸張する向きに移動された場合には(図12(b)参照)、引張バネ25Aの付勢力に抗して、現像シャッタ35の閉塞部351aが排出口3cの下に位置して閉状態となる。この場合、現像装置3が作像筐体200(図1参照)から取り外されても、レバー330は閉位置に維持され、現像シャッタ351は引張バネ25Aの付勢力により戻らないので、排出口3cの閉状態が維持される。
搬送路シャッタ221及び現像シャッタ351を閉じる動作について、図12(a)及び図12(b)を用いて説明する。図12(a)に示すように、レバー330が図面右側(図中矢印R1方向)へ揺動されると、第一揺動カム321を介してリンクアーム311は図面右側にスライド移動する。リンクアーム311が図面右側にスライド移動すると、リンクアーム311に軸支された搬送路シャッタ22に対し、圧縮バネ36Aの付勢力(図中矢印F3)に抗する力が付加され、搬送路シャッタ221は図面右側にスライド移動する。この結果、搬送路シャッタ221の閉塞部221aが回収トナー搬送部20の排出口20a(図6参照)に位置付けられて、排出口20aを閉状態とする。このように、搬送路シャッタ221は圧縮バネ36Aの付勢力に抗する力が付加されて閉じられる。
レバー330が図面右側(図中矢印R1方向)へ揺動されると、図12(b)に示すように、第二揺動カム322を介し、リンクスライダ308Aにはレバー330に加えられた外力が押圧力(図中矢印C3)として付加される。これにより、リンクスライダ308Aは図面右側にスライド移動する。リンクスライダ308Aが図面右側にスライド移動すると、突部305Aがリンクスライダ308Aの係合部306Aの内壁面に沿って摺動され、シャッタ開閉部材304Aは現像シャッタ351側にスライド移動する。そして、現像シャッタ351には引張バネ25Aの付勢力(図中矢印F4)が付加されている。そのため、シャッタ開閉部材304Aが現像シャッタ351側にスライド移動することに伴って、引張バネ25Aの付勢力に抗する力が弱まり、現像シャッタ351は引張バネ25Aの付勢力に従って図中上側にスライド移動する。この結果、現像シャッタ351の閉塞部351aが現像装置3の排出口3c(図6参照)に位置付けられて、排出口3cを閉状態とする。このように、現像シャッタ351は引張バネ25Aの付勢力に従って閉じられる。
図13(a)に示すように、レバー330が図面左側(図中矢印R2方向)へ揺動されると、第一揺動カム321を介してリンクアーム311は図面左側にスライド移動する。リンクアーム311が図面左側にスライド移動すると、リンクアーム311に付加されていた押圧力が弱まる。そして、搬送路シャッタ221には圧縮バネ36Aの付勢力(図中矢印F3)が付加されている。そのため、リンクアーム311に付加されていた押圧力が弱まれば、搬送路シャッタ221は圧縮バネ36Aの付勢力に従って図面左側にスライド移動する。この結果、搬送路シャッタ221の窓部221bが回収トナー搬送部20の排出口20a(図6参照)に位置付けられて、排出口20aを開状態とする。このように、搬送路シャッタ221は圧縮バネ36Aの付勢力に従って開かれる。
レバー330が図面左側(図中矢印R2方向)へ揺動されると、図13(b)に示すように、第二揺動カム322を介し、リンクスライダ308Aにはレバー330に加えられた外力が押圧力(図中矢印C4)として付加される。これにより、リンクスライダ308Aは図面左側にスライド移動する。リンクスライダ308Aが図面左側にスライド移動すると、突部305Aがリンクスライダ308Aの係合部306Aの内壁面に沿って摺動されることで、シャッタ開閉部材304Aは図中下側(装置本体前面側)にスライド移動する。シャッタ開閉部材304Aが図中下側にスライド移動すると、係止部304bに突設部351cを介して係止された現像シャッタ351が図中下側にスライド移動する。このとき、現像シャッタ351には、引張バネ25Aの付勢力に抗する力が付加されている。この結果、現像シャッタ351の窓部351bが現像装置3の排出口3c(図6参照)に位置付けられて、排出口3cを開状態とする。このように、現像シャッタ351は引張バネ25Aの付勢力に抗する力が付加されて開かれる。
以上のように、第2実施形態の場合でも第1実施形態の場合と同様に、レバー330の操作方向によらず、レバー330に対して操作を重くする力と軽くする力の両方が加わり操作時にレバー330に係る負荷を相殺できる。従って、使用者は従来に比較して小さな力をレバー330に付加するだけで、現像シャッタ35及び搬送路シャッタ22を同時に開閉できることから、使用者はシャッタの開閉を円滑に行うことができるようになる、という第1実施形態と同様の効果が得られる。
[他の実施形態]
なお、上述した実施形態では、回収トナー搬送部20と現像装置3の間の現像シャッタ35と、回収トナー搬送部20と回収容器10の間の搬送路シャッタ22とをレバー3303により同時に動かすようにしているが、これに限られない。例えば、ドラムクリーニング装置5やベルトクリーニング装置13などと回収トナー搬送部20との間に設けられるシャッタを、レバー操作に従って機械的に動かす場合に適用しても上述したような同様の効果が得られる。
なお、本実施形態において、現像シャッタを付勢する付勢力よりも、搬送路シャッタを付勢する付勢力の方が大きくなるように、それぞれのシャッタを付勢するバネの付勢力を決めるのが好ましい。これは、現像シャッタ35は4つあるため、現像シャッタ35の開閉動作時には4つのバネの付勢力がレバー330に付加される。これに対し、搬送路シャッタは1つであるため、搬送路シャッタ22の開閉動作時には1つのバネの付勢力のみがレバー330に付加される。そのため、搬送路シャッタ22によりレバー330に付加される付勢力を大きくしないと負荷の相殺が小さくなり、使用者によるシャッタ開閉動作に大きく影響し得るからである。
また、回収トナー搬送部20では、回収トナーが回収トナー搬送スクリュー43によって排出口20aに向けて搬送されることから(図6参照)、トナー搬送方向上流に比べ下流側の方が搬送される回収トナーの量が多くなりがちである。その場合、トナー詰まりが生じやすい。これを避けるため、回収トナー搬送部20の排出口20aは、現像装置3の排出口3cよりも開口面積が大きく形成されている。開口面積が大きければ、搬送路シャッタ22の窓部22bは、現像シャッタ35の窓部35bよりも大きくする必要がある。ただし、窓部の面積を大きくするとトナー漏れが生じやすくなる。そこで、搬送路シャッタ22を閉じる際には、排出口20aに対する閉塞部22aの押圧力を大きくする必要がある。このため、搬送路シャッタ22は現像シャッタ35に比べて、シャッタ移動時に排出口20aとの接触による摺動抵抗が大きくなり得る。この点に鑑み、バネにより搬送路シャッタ22に付加される付勢力は、現像シャッタ35に加わる付勢力に比べて大きい方がよい。なお、各シャッタを付勢するのは上述したバネのような弾性部材に限られない。
なお、上述した実施形態では、各色の感光ドラム1から中間転写ベルト61に各色のトナー像を一次転写した後に、記録材Sに各色の複合トナー像を一括して二次転写する構成の画像形成装置を説明したが、これに限らない。例えば、感光ドラムから記録材に直接転写する直接転写方式の画像形成装置であってもよい。