以下、この発明を実施するための形態(以下「実施の形態」という)について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態1]
図1は実施の形態1に係る画像形成装置の概要を示し、図2はその画像形成装置における一部(作像装置及び現像剤補給システム)を示し、図3はその画像形成装置における他の一部(廃棄現像剤回収システム)を示している。
<画像形成装置全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されている。この画像形成装置1は、図1に示されるように、筐体10の内部空間に、現像剤で構成される画像を被記録材の一例としての記録用紙9に形成して出力する画像出力部2と、画像出力部2に供給すべき所要の記録用紙9を収容して供給する給紙部4と、画像出力部2で不要になる現像剤を廃棄現像剤として収集した後に回収する廃棄現像剤回収システム100、制御装置7等が設置されている。図中の一点鎖線は、筐体10内において記録用紙9が主に搬送される搬送経路を示す。
画像出力部2は、公知の電子写真方式、静電記録方式等の画像記録方式を利用して現像剤を構成するトナー(着色等がされた微粉体)で現像されるトナー像を形成する複数の作像装置20と、各作像装置20で形成された各トナー像を一次的に保持して記録用紙9に転写する中間転写装置30と、中間転写装置30でトナー像が転写された記録用紙9を通過させてトナー像の定着を行う定着装置45等で主に構成されている。また、給紙部4は、記録用紙9を収容して送出する給紙装置40と、給紙装置40から送出される記録用紙9を中間転写装置30の二次転写部まで搬送する給紙路43とで主に構成されている。
画像出力部2における作像装置20は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(黒:K)の4色のトナー像と特別色SA,SBの特別色トナー像をそれぞれ専用に形成することができる6つの作像装置20Y,20M,20C,20K,20SA,20SBで構成されている。6つの作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)は、筐体10の内部空間において直列に並べた状態となるよう配置されている。また、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)は、以下に示すようにほぼ共通した構成のものである。
各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)は、図1や図2に示すように、矢印で示す方向に回転する感光ドラム21を備えており、この感光ドラム21の周囲に、次のような各装置が主に配置されている。その主な装置とは、感光ドラム21の周面(厳密には帯電と潜像の形成とが可能な像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置22と、感光ドラム21の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する露光装置23と、その静電潜像を対応する色(Y,M,C,K,SA,SB)の現像剤のトナーで現像して可視像であるトナー像とする現像装置24(Y,M,C,K,SA,SB)と、そのトナー像を中間転写装置30(の中間転写ベルト)に転写する一次転写装置25と、転写後の感光ドラム21の周面に残留して付着するトナー等の付着物を除去するドラム清掃装置26とである。
このうち露光装置23には、画像形成装置1に入力されるプリント対象となる画像の情報について図示しない画像処理装置12(図8:画像処理部)で必要な画像処理が施され、その処理後に得られる各色成分の画像信号が図示しない露光駆動部に送信されるようになっている。画像形成装置1には、画像読取装置や、パーソナルコンピュータ等の情報端末や、記憶媒体の読み書き装置等の図示しない画像情報機器が外部接続通信部13を介して接続可能となっており、その画像情報機器から画像の情報が入力される。
現像装置24(Y,M,C,K,SA,SB)はいずれも、図2等に示すように、所要の色成分等からなる非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤8を収容する現像剤収容器24aを有しており、その現像剤収容器24aの内部に、その二成分現像剤8を回転しながら保持して感光ドラム21と近接して対向する現像領域に搬送する現像ロール24bや、その収容されている現像剤8を回転して攪拌しながら現像ロール24bに搬送する攪拌搬送部材24cや、現像ロール24bに保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材24d等が配置されて構成されている。特別色SA,SBの現像剤8におけるトナーは、例えば、上記4色では表現が困難又は不可能であった色材等で構成される。具体的には、上記4色以外の色のトナー、点字用の発泡性トナー、蛍光色トナー、光沢を向上させるトナー等である。
また、現像装置24(Y,M,C,K,SA,SB)は、図2に示すように、現像剤の補給システム5により、各現像剤が補給されるようになっている。補給システム5は、4色(Y,M,C,K)及び特別色(SA,SB)の補給現像剤(磁性キャリアを含む非磁性トナー)80をそれぞれ収納する現像剤カートリッジ50(Y,M,C,K,SA,SB)と、各現像剤カートリッジ50の補給現像剤80を各現像装置24にそれぞれ必要な時期に必要な量だけ搬送する補給装置53(Y,M,C,K,SA,SB)とで構成されている。現像剤カートリッジ50は、筐体10に設けられるカートリッジ装着部に対して着脱して容易に交換できる着脱交換式になっている。
補給装置53はいずれも、各現像剤カートリッジ50の排出口から排出される補給現像剤を受け入れて一時的に貯留するとともに、その貯留されている補給現像剤を各現像装置24にむけてそれぞれ送り出すものである。各補給装置53から送り出される補給現像剤は、接続搬送装置56を通して各現像装置24に搬送される。図2等における符号52は、現像剤カートリッジ50内の補給現像剤を排出口にむけて搬送する搬送部材51を回転駆動させる駆動装置である。符号57は、補給装置53内に貯留されている補給現像剤の一部を送出口にむけて送り出す送出部材54等を回転駆動させる駆動装置であり、符号55は、補給装置53内に貯留されている補給現像剤を攪拌しながら送出部材54の付近を通過させるよう循環搬送する攪拌搬送部材である。また、符号58は、補給装置53内に貯留されている補給現像剤の設定値以上の有無を検出する残量検出センサであり、符号29は、現像装置24内に収容されている現像剤のトナー濃度(現像剤中におけるトナーの割合)を検出するトナー濃度検出センサである。
さらに、現像装置24(Y,M,C,K,SA,SB)は、その現像剤収容器24aに収容されている二成分現像剤8のキャリアの劣化に対処するため、その現像剤8の一部(磁性キャリアとそれに付着する非磁性トナー)を廃棄現像剤として現像装置24の外部に排出させる方式、いわゆるトリックル現像方式を採用している。この現像剤の一部の排出は、現像剤収容器24aの一端部において攪拌搬送部材24cで搬送される現像剤のうち所定の高さを超える分のものを溢れ出し口から排出させて収集する溢れ出し構造部24e(図2)により行われる。各現像装置24から排出される廃棄現像剤は、最終的に廃棄現像剤回収システム100により回収される。
ドラム清掃装置26は、一次転写位置を通過した後の感光ドラム21の周面に接触して残留トナー等の付着物を除去する弾性ブレード26aと、弾性ブレード26aで除去したトナー等の付着物を廃棄現像剤として収集して廃棄現像剤回収システム100に送り出すよう駆動する送出部材26b等で構成されている。
画像出力部2における中間転写装置30は、図1等に示すように、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)の下方の位置に存在するように配置される。この中間転写装置30は、感光ドラム21と一次転写装置25(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印で示す方向に回転する中間転写ベルト31と、中間転写ベルト31をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数の支持ロール32a〜32fと、支持ロール32eに支持されている中間転写ベルト31の外周面部分に所定の圧力で接触して回転する二次転写ロール35と、二次転写ロール35を通過した後に中間転写ベルト31の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を除去するベルト清掃装置36とで主に構成されている。
ベルト清掃装置36は、二次転写位置を通過した後の中間転写ベルト31の外周面に接触して残留トナー等の付着物を除去する弾性ブレード36aと、弾性ブレード36aよりも回転方向上流側で中間転写ベルト31の外周面に接触して付着物を除去する回転ブラシ36bと、弾性ブレード36a及び回転ブラシ36bで除去したトナー等の付着物を廃棄現像剤として収集して廃棄現像剤回収システム100に送り出すよう駆動する送出部材36c等で構成されている。
画像出力部2における定着装置45は、筐体46の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるように加熱手段によって加熱される加熱回転体47と、この加熱回転体47の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して従動回転する加圧用回転体48とを設置したものである。この定着装置45でトナー像の定着が終了して画像が形成された記録用紙9は、複数の搬送ロール対や搬送ガイド材で構成される排出搬送路を通して筐体10等に設置される排出部に搬送されて収容される。
給紙部4の給紙装置40は、中間転写装置30の下方側の位置に存在するように配置される。給紙装置4は、筐体10の正面(操作者が使用時に向き合う側面)側に引き出すことができるように取り付けられ、所望のサイズ、種類等の記録用紙9を積載した状態で収容する単数(又は複数)の用紙収容体41と、用紙収容体41から記録用紙9を1枚ずつ送り出す送出装置42とで主に構成されている。また、給紙部4の給紙路43は、給紙装置40の送出装置42と中間転写装置30の二次転写位置(中間転写ベルト31と二次転写ロール35の間)との間を接続する状態で配置される、複数の用紙搬送ロール対43a,43b,43c,…や搬送ガイド材で構成されている。
制御装置(中央制御部や後記の各制御部)7は、演算処理装置、記憶素子及び装置、制御装置、入出力装置等で構成されるものであり、その記憶素子に格納される制御プログラム及びデータに基づいて所要の制御動作を実行するようになっている。記憶素子及び記憶装置は、ROM,RAM等の記憶素子や磁気ディスク装置等の外部記録装置で構成されている。
制御装置7には、図4に示されるように、前述したトナー濃度センサ29等の検出器や、画像処理装置12や、外部接続通信部13や、各種の情報の入力や表示を行う入力・表示装置(操作パネル等)14が接続されており、その各接続相手から制御に必要な情報がそれぞれ入力されるようになっている。また、制御装置7には、画像出力部2を構成する作像装置20、中間転写装置30及び定着装置45の各動作を制御する画像出力部制御部71や、後述する廃棄現像剤回収システム100の動作を制御する回収システム制御部72や、画像処理装置12や、接続通信部13や、入力・表示装置14等と接続されており、その各接続相手の各動作に必要な制御信号をそれぞれ送信するようになっている。
<画像形成装置の各動作>
この画像形成装置1においては、以下に説明する基本的な画像形成動作が行われる。ここでは、画像出力部2における4つの作像装置20(Y,M,C,K)のすべてを使用して形成する4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成する画像形成動作のパターン(フルカラーモード)を説明する。
前記した画像情報機器などから外部接続通信部13を通して制御装置7に画像形成動作(プリント)の要求の指示があると、画像出力部2や給紙部4等が始動し始める。画像出力部2では、4つの作像装置20(Y,M,C,K)において、各感光ドラム21が矢印で示す方向に回転し、各帯電装置22がその各感光ドラム21の周面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位にそれぞれ帯電させる。続いて、露光装置23が、帯電後の感光ドラム21の周面に対し、画像処理装置12から送信された各色成分(Y,M,C,K)に分解された画像データに基づいて発光される光を照射して露光を行い、所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
続いて、各現像装置24(Y,M,C,K)が、感光ドラム21に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーを供給して静電的に付着させる。これにより、各感光ドラム21上の各色成分の静電潜像は、各現像装置24を通過することにより、その対応する色のトナーでそれぞれ現像されて4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
次いで、各作像装置20(Y,M,C,K)の感光ドラム21上に形成された各色のトナー像が、一次転写装置25により、中間転写装置30の中間転写ベルト31に対して順番に重ね合わるようにして一次転写される。また、中間転写装置30は、中間転写ベルト31に一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送した後、給紙部4の給紙装置40から給紙路43を経由して搬送されて送り込まれる記録用紙9に二次転写ロール34が一括して二次転写させる。
次いで、トナー像が二次転写された記録用紙9は、中間転写ベルト31から剥離された後に定着装置45に導入されて必要な定着処理(加熱及び加圧)を受けてそのトナー像が定着され、これにより画像が形成される。最後に、定着後の用紙9は、その片面への画像の形成を行うだけの画像形成動作の場合には、例えば筐体10に形成される図示しない排出収容部に排出されて収容される。
以上の画像形成動作により、画像出力部2から4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像が形成された記録用紙9が出力される。複数枚の画像形成動作が要求されている場合には、以上の画像形成動作がほぼ同様に繰り返される。
ちなみに、この画像形成装置1においては、前記特別色SA,SBのトナー像を形成する場合、その作像装置20SA,20SBにおいて前述した作像装置20(Y,M,C,K)と同様の動作が行われることにより各感光ドラム21に特別色SA,SBのトナー像が形成される。この作像装置20SA,20SBで形成された特別色SA,SBのトナー像は、中間転写装置30により最終的に記録用紙9に(例えば、他の色のトナー像と併せて)転写された後、定着装置45において定着される。
また、画像形成装置1においては、現像装置24におけるトナー濃度検出センサ29の検出結果が予め設定する設定値以下になると、補給装置53が所要の時間だけ作動して各現像剤カートリッジ50から現像剤を補給対象となる現像装置24に補給する動作が行われる。
さらに、この画像形成装置1においては、その画像形成動作等の実行中に、図3に示されるように、画像出力部2の各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)における各感光ドラム21の一次転写後の周面に残留するトナー等の不要物がドラム清掃装置26により除去されて収集された後に廃棄現像剤81として排出され、また、画像出力部2の中間転写装置30における中間転写ベルト31の外周面に残留するトナー等の不要物がベルト清掃装置36により除去されて収集された後に廃棄現像剤82として排出される。また、各作像装置20における各現像装置24(Y,M,C,K,SA,SB)では、前記したトリックル現像方式により現像剤の一部が溢れ出て収集された後に廃棄現像剤83として外部に排出される。
このとき、ドラム清掃装置26では廃棄現像剤81として一次転写されなかった未転写のトナーが最も多く除去され、ベルト清掃装置36では廃棄現像剤82として二次転写されなかった未転写のトナーが最も多く除去される。また、各現像装置24では廃棄現像剤83として、キャリアとそのキャリアに付着するトナーとが排出される。
そして、画像形成装置1では、このようにドラム清掃装置26及びベルト清掃装置36で収集されて排出される廃棄現像剤81,82と各現像装置24で収集されて排出される廃棄現像剤83の双方が、後述する廃棄現像剤回収システム100により回収される。
<廃棄現像剤回収システムの構成>
次に、廃棄現像剤回収システム100について説明する。
廃棄現像剤回収システム100は、図3等に示すように、画像出力部2における各ドラム清掃装置26、ベルト清掃装置36及び各現像装置24からそれぞれ排出される廃棄現像剤81〜83を最終的にまとめて収容する2つの回収容器200A,200Bと、その各ドラム清掃装置26、ベルト清掃装置36及び各現像装置24からそれぞれ排出される廃棄現像剤81〜83を収集しながら2つの回収容器200A,200Bのいずれか一方の容器まで移送する移送装置102とで構成されている。
移送装置102は、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)のドラム清掃装置26及び現像装置24からそれぞれ排出される廃棄現像剤を1つにまとめて移送する第1移送装置110と、中間転写装置30のベルト清掃装置36から排出されるトナーを搬送する第2移送装置120と、第1移送装置110及び第2移送装置120で移送される廃棄現像剤を1つにまとめて移送する第3移送装置130と、第3移送装置130で移送される廃棄現像剤を最終的に回収容器200A,200Bのいずれか一方にまで移送する第4(最終)移送装置140を備えている。
上記第1移送装置110は、筐体10の後方側の部位において各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)の下方になる位置にほぼ水平の状態(座標軸Xで示す方向に沿う状態)に配置される第1移送管112と、第1移送管112の内部空間で回転して廃棄現像剤81,83をその移送方向の下流側にむけて搬送する図示しないスクリューオーガー等の搬送部材と、その搬送部材に回転動力を伝える駆動装置とで構成されている。移送方向は、図3等において第1移送管112の付近に記載した矢印で示す方向である(これ以降の各移送管における移送方向も同様である。)。
第1移送装置110の第1移送管112には、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)におけるドラム清掃装置26の廃棄現像剤排出口及び現像装置24の廃棄現像剤排出口との間をそれぞれ接続して廃棄現像剤(81,83)を移送する接続移送装置115(Y,M,C,K,SA,SB)が接続されている。この接続移送装置115はいずれも、各作像装置20におけるドラム清掃装置26の排出口及び現像装置24の排出口と第1移送管112との間を接続するようにほぼ上下の方向(座標軸Yの鉛直方向)にそった状態で配置される管状部材116と、管状部材116の内部空間において上下の方向に振動するよう進退して内壁に付着する廃棄現像剤等を取り崩す図示しないコイルスプリング等の崩し部材と、その崩し部材を進退運動させるための動力を伝える駆動装置とで構成されている。
上記第2移送装置120は、筐体10の後方側の部位において中間転写装置30のベルト清掃装置36の下方になる位置にほぼ水平の状態になる状態で配置される第2移送管122と、第2移送管122の内部空間で回転して廃棄現像剤82をその移送方向下流側に移送する図示しないスクリューオーガー等の搬送部材と、その搬送部材に回転動力を伝える駆動装置とで構成されている。第2移送装置120における移送方向の下流側は、第1移送装置110の第1移送管112の下流端側の端部と接合されて内部空間が互いに接続されている。
第2移送装置120の第2移送管122には、ベルト清掃装置36の廃棄現像剤排出口との間を接続してトナーを移送する接続移送装置125が接続されている。接続移送装置125は、ベルト清掃装置36の排出口と第2移送管122との間を接続するようにほぼ上下の方向にそった状態で配置される管状部材で少なくとも構成されている。ちなみに、第2移送装置120は、第3移送装置130がベルト清掃装置36よりも作像装置20側と反対側に配置される場合には、その設置が不要となり、例えば接続移送装置125を第1移送装置110の第1移送管112の一部に接続した構成にすればよい。また、第2移送装置120は、ベルト清掃装置36がない場合(画像出力部2が中間転写方式を採用しない方式の場合)には不要になることは言うまでもない。
上記第3移送装置130は、第1移送装置110の第1移送管112と第2移送装置120の第2移送管122の接合部から重力方向(座標軸Yにほぼ沿う方向)の下方側に存在する第4移送装置140にむけてほぼ上下の方向にそった状態で配置される管状部材132と、管状部材132の内部空間において上下の方向に進退して内壁に付着する廃棄現像剤(81〜83)を取り崩す図示しないコイルスプリング等の崩し部材と、その崩し部材を進退運動させるための動力を伝える駆動装置とで構成されている。
上記第4移送装置140は、第3移送装置130の管状部材132の下部と一方の回収容器200A(又は200B)の受け口とを少なくとも接続するよう全体がほぼ水平の状態になるよう配置される第4移送管142と、第4移送管142の内部空間で回転して廃棄現像剤81〜83をその移送方向の下流側(実際には後述する排出口)にむけて搬送する図示しないスクリューオーガー等の搬送部材と、その搬送部材に回転動力を伝える駆動装置とで構成されている。
移送装置102における第1移送管112、第2移送管122及び第4移送管142としては、例えば円筒状のパイプが使用されている。第3移送管132としては、例えば内部空間が下方になるほど断面円形の径が次第に小さいくなる形状の管状部材が使用されている。
このうち第4移送管142については、図5に示されるように、その上面部のうち第3移送装置130の管状部材132と接続する部分に、その管状部材132を通して移送される廃棄現像剤81〜83を受け入れる図示しない接続口(受け口)が設けられている。また、第4移送管142については、その重力方向下流側になる下面部のうち回収容器200の受け口と接続する部分に、その第4移送管142を通して移送される廃棄現像剤を回収容器200に落下させて排出させる排出口(排出部)145が設けられている。排出口145は、例えば、重力方向下側に向いて突出する円筒状の突出部として形成されている。
回収システム100における回収容器200A,200Bはいずれも、図3、図4等に示すように、その外観がほぼ長方体の同じ形状からなる容器である。この回収容器200A,200Bは、その上面部201に廃棄現像剤(81〜83)を受け入れる受け口210が設けられ、その1つの側面部202に取っ手部220が設けられている。
また、この回収容器200A,200Bは、画像形成装置1の筐体10の背面側下部に形成された容器装着部(空間部)15に着脱自在に装着されて容易に交換することができる形式(着脱交換式)になっている。すなわち、回収容器200A,200Bは、図5等に例示されるように、筐体10の容器装着部15において各回収容器200を所要の配置位置にそれぞれ到達させて停止させるように一括して移動させる移動装置150に着脱自在に装着される。
移動装置150は、容器装着部15において両矢印で示す一定の方向C1,C2に往復移動し得る状態で配置された移動台151を備えており、その移動台151に設けられた2つの装着枠部152,153に回収容器200A,200Bを配分して着脱自在に装着するようになっている。
移動台151は、図5や図6に示されるように、回収容器200の受け口210を移送装置102の第4移送管142における排出部145と接続させる回収位置P1と、回収容器200を交換や点検のために移動台151(容器装着部15)から着脱させる着脱位置P2と、回収容器200を容器装着部15内に一時的に待機させる待機位置P3を含む所要の配置位置に、必要な回収容器200をそれぞれ到達させて停止させるよう移動するようになっている。ちなみに、実施の形態1における着脱位置P2は、図6に示されるように、交換する対象になる回収容器200を装着している容器装着部152(153)が筐体10(容器装着部15)の外部に露出した状態になる位置に設定されている。また、移動台151は、画像形成装置の使用者等の手動により所要の位置まで移動させられて停止するようになっている。
また、移動台151には、図3や図5等に示されるように、回収容器200A,200Bの各受け口210を、第4移送管142の排出口145と接続するときに開けた状態にし、それ以外のときに閉めた状態にする開閉シャッター156が装備されている。開閉シャッター156は、例えば、図7に示すように、移動台151に固定して取り付けられ、装着枠部152,153に装着される回収容器200A,200Bの各受け口210と向き合う貫通孔157a,157bを設けた1つの板状の固定部材157と、固定部材157に対して両矢印D1,D2で示す方向に移動自在に取り付けられ、固定部材157の貫通孔157a,157bとそれぞれ対峙し得る貫通孔158a,158b及びその貫通孔157a,157bをそれぞれ塞ぐ非貫通部158c,158dを有する2つの板状の可動部材158A,158Bとで構成されている。
この開閉シャッター156は、可動部材158A,158Bが移動装置150(移動台151)の移動により回収位置P1に移動して停止するときに、例えば固定部材157に対して矢印D1で示す方向に相対的に移動して固定部材157の貫通孔157を開けた状態(貫通した状態)にし、また、可動部材158A,158Bが回収位置P1以外の他の配置位置(P2,P3)にあるときに、(例えば矢印D2で示す方向に移動して)固定部材157の貫通孔157を塞いだ状態(非貫通の状態)にする仕組みになっている。ちなみに、開閉シャッター156としては、この他にも例えば、2つの板状の可動部材158A,158Bを省略した固定部材157のみで構成されるものであって、その固定部材157における貫通孔157a,157bが第4移送管142の排出口145とそれぞれ直接向き合ったときに開けた状態になり、かつ向き合わないときに塞いだ状態になる簡略型の開閉シャッターを適用しても構わない。
さらに、移動台151は、その2つの装着枠部152,153に、図5等に示されるように、回収容器200が装着されたことと回収容器200が取り外されたこと(着脱)を検出する着脱検出センサ108a,108bがそれぞれ設けられている。この着脱検出センサ108としては、例えば、回収容器200の着脱操作時における容器の有無を直接検出する方式のセンサが使用される。
また、移動装置150においては、図5等に示されるように、移動装置150により回収位置P1に移動させられて停止している回収容器200A又は200Bを検出する位置検出センサ109が設けられている。位置検出センサ109としては、例えば、容器装置部15の回収位置P1の直下となる底部に設置し、その回収位置P1に停止している回収容器200を直接的に識別することができる方式のセンサが使用されたり、あるいはその回収位置P1に停止している移動第151の容器装着部152,153のいずれかであるかを検出したうえでその容器装着部152,153に装着されている回収容器200を間接的に識別することができる方式のセンサが使用される。
また、容器装着部15の回収位置P1には、図4、図5等に示されるように、その回収位置P1に停止している回収容器200A又は200Bの内部に収容される廃棄現像剤(81〜83)が所定の収容量(完全に満杯になる少し手前の量:満杯手前の状態)になるまで収容されたことを検出する1つの満杯検出センサ107が設けられている。この満杯検出センサ107としては、例えば、廃棄現像剤に含まれる磁性キャリアの透磁率を測定することにより、その収容された非磁性トナー及び磁性キャリアの収容量(収容状態)が所定の収容量以上になったことを検出する透磁センサや、所定の高さ位置において回収容器200に光を透過させるように照射し、その光が収容された廃棄現像剤で遮断されて受光できないか又は遮断されずに透過して受光されるかにより収容量を検出する光学センサが使用される。また、この満杯検出センサ107は、例えば、回収位置P1に停止している回収容器200の取っ手部220が形成された側面部202とは反対側の側面部203と対峙する部位に配置される。
さらに、制御装置7には、図8に示されるように、上述した満杯検出センサ107、着脱検出センサ108及び位置検出センサ109が接続されており、その各検出結果がそれぞれ送信されるようになっている。また、制御装置7に接続されている回収システム制御部72は、移送装置102における各搬送部材に回転動力を伝える図示しない駆動装置と接続されており、その各駆動装置に対して回転駆動の動作に関する所要の制御信号を送信するようになっている。
そして、この回収システム100においては、後述する動作として説明するように、2つの回収容器200A,200Bのうちの1つ(本例では回収容器200B)を、それ以外の他の回収容器(本例では回収容器200A)が満杯検出センサ107で検出された後に移動装置150により回収位置P1から着脱位置P2に移動させられて着脱されるときに優先して、回収位置P1に移動させて廃棄現像剤(81〜83)を収容する、いわば廃棄現像剤を一時的に収容するバッファ容器として使用するように構成している。
実施の形態1では、図5に示すように移動装置150の移動台151において容器装着部15の奥側(矢印C1で示す方向の側)に位置する第2容器装着部153に、バッファ容器として使用するよう選定された回収容器200Bを装着している。また、移動装置150の移動台151において容器装着部15の手前側になる第1容器装着部152には、それ以外の他の回収容器200Aを装着している。
この2つの回収容器200A,200Bは、図6bに示すように、移動装置150における移動台151を2つの容器装着部152,153が筐体10の外部に露出した状態になる位置まで引き出した後、その状態にある容器装着部152,153にそれぞれ装着される。この装着時には、2つの回収容器200A,200Bが各容器装着部152,153に装着されることが着脱検出センサ108a,108bによりそれぞれ検出される。また、この装着されるときの回収容器200A,200Bは、その各受け口210が、図6bに示されるように、移動台151における開閉シャッター156の固定部材157の貫通孔157a,157bとそれぞれ対向した状態になる。ちなみに、2つの回収容器200A,200Bが着脱位置P2にある段階では、開閉シャッター156の固定部材157における貫通孔157a,157bが、可動部材158の非貫通部158c、158dにより閉じられた状態になっている。
移動台151の各容器装着部152,153に装着された回収容器200A,200Bは、図5に示されるように、回収容器200Aが回収位置P1に到達し、回収容器200Bが待機位置P3に到達して停止するよう、移動台151を筐体10の奥側に押し込む方向に移動させられる。この際、回収位置P1に停止して存在している回収容器が回収容器200Aであることが位置検出センサ109で検出される。また、このときの開閉シャッター156は、回収位置P1に存在する回収容器200Aと対峙する固定部材157の貫通孔157aが、可動部材158の貫通部158aにより開けられた状態になるとともに、第4移送装置140の第4移送管142における排出口145を開けて連続した状態になる(図5)。この結果、回収容器200Aは、その受け口210が第4移送管142における排出口145と接続された状態になる。
また、回収システム100(制御装置7の回収システム制御部72)では、後述する動作として説明するように、回収位置P1にある回収容器200が満杯検出センサ107により満杯手前の状態が検出されると、画像形成装置1の使用者に対し、その検出された回収容器200を交換する必要があることを促すための報知を行うように構成されている。その報知としては、例えば、入力・表示装置14や外部接続機器の表示画面に交換を促す警告メッセージを表示することが行われる。この際、回収位置P1に停止している回収容器200がどちらの容器かについては、位置検出センサ109で検出される。
また、回収システム100では、その検出された回収容器200が長時間にわたり交換されず、収容されるべき廃棄現像剤が溢れ出すことを防止するため、図8等に示すように、その問題の現象が発生することを予測できる所要の対象要素eについて計算(カウント)するカウンター(カウント部)16を設けている。そして、回収システム100(制御装置7の回収システム制御部72)は、カウンター16による対象要素eの計測値が予め設定する設定値(閾値)Nを超えたことを検出したときに、画像形成動作を強制的に停止させ、対象の収容容器200の交換がされるまで画像形成動作を実行できないように構成されている。対象要素eとしては、例えば、画像形成枚数(プリント枚数)、経過時間等が適用される。
さらに、回収システム100(制御装置7の回収システム制御部72)では、交換対象の回収容器200が着脱位置P2に移動させられて停止した後に取り外された後、新たな回収容器200が装着されたときには、その交換された新たな回収容器200を回収位置P1に移動させて戻すことを促す報知を行うように構成されている。その報知としては、例えば、入力・表示装置14や外部接続機器の表示画面に回収位置P1に戻すことを促す警告メッセージを表示することが行われる。この際、交換対象の(満杯手前の状態と検出された)回収容器200が着脱位置P2で着脱されることについては、交換が促された回収容器200が装着された容器装着部152(153)に設置されている着脱検出センサ108a(108b)で検出される。
<廃棄現像剤回収システムの主な動作>
この回収システム100は、基本的に以下のように作動する。
まず、回収システム100は、少なくとも前述の画像出力部2による画像形成動作(プリント)が実行されている時期に併せて作動する。つまり、回収システム100は、画像形成動作が開始されると、移送装置102における各駆動装置が始動して各搬送部材や崩し部材がそれぞれ回転又は進退運動し始める。
初めに、移送装置102の第1移送装置110においては、各作像装置20の清掃装置26及び現像装置24(の溢れ出し構造部24e)の収集部で収集されてからそれぞれ排出される廃棄現像剤81,83が、各接続搬送装置115(Y,M,C,K,SA,SB)の管状部材116をそれぞれ通して落下し、第1移送管112の内部空間に受け入れられて集められた後、回転駆動する搬送部材により第1移送管112の内部空間を矢印で示す移送方向に移動するよう搬送される。また、移送装置102の第2移送装置120においては、中間転写装置30のベルト清掃装置36から排出される廃棄現像剤82が、接続搬送部125の管状部材を通して自然落下し、第2移送管122の内部空間に受け入れられた後、回転駆動する搬送部材により矢印で示す移送方向に移動するよう搬送される。
続いて、移送装置102の第3移送装置130においては、第1移送装置110及び第2移送装置120で各移送方向にそれぞれ移送されて一箇所(結合部)に集められた廃棄現像剤81〜83が、管状部材133を通して落下し、第4移送装置140の第4移送管142の内部空間に受け入れられる。
次いで、移送装置102の第4移送装置140においては、第4移送管142に受け入れられた廃棄現像剤81〜83を、第4移送管142の内部空間で回転駆動する搬送部材により矢印で示す移送方向に移動するよう搬送し、第4移送管142の排出口145に達したところで落下させる。これにより、移送装置102で移送された廃棄現像剤81〜83が、回収位置P1に停止している回収容器200(原則として回収容器200A)の受け口210を通してその収容空間内にまとめて収容される。
次に、画像形成動作が実行されているときの回収システム100における2つの回収容器200A,200Bの取り扱いに関する動作について説明する。
まず、回収システム100では、画像出力部2による画像形成動作が開始(許可)されると、図9に示されるように、その回収システム100で使用する2つの回収容器200A,200Bが全て装着されているか否かの検出が行われる(ステップ10:以下単に「S10」と表示することもある。他のステップの表示も同様とする。)。この検出は、移動装置150の移動台151に配置された着脱検出センサ108a,108bにより行われる。
このとき、2つの回収容器200A,200Bの装着が検出された場合は、回収位置P1に設置された満杯検出センサ107による満杯検出(満杯手前の状態の検出)が開始される(S12)。一方、2つの回収容器200A,200Bの少なくとも1つの装着が検出されない場合は、開始された画像形成動作が中止される(S11)。この場合は、例えば、回収システム制御部71等により回収容器200の装着を促すための警告メッセージの表示などを行う報知動作が実行される。
その後、満杯検出センサ107による満杯検出が開始され、制御装置7において満杯検出センサ107が満杯手前の状態を検出したことが確認されると(S13)、回収位置P1に停止している回収容器200の識別が行われる(S14)。この識別は、移動装置150に設けられている位置検出センサ109の検出結果に基づいて行われる。
ステップS14において「回収容器A」であると識別された場合は、制御装置7(回収システム制御部71)により回収容器Aの交換を促すための警告メッセージの表示をする報知動作が実行される(S15)とともに、対象要素e1のカウント動作が開始される(S16)。対象要素e1は、例えば、前述した画像形成枚数又は経過時間が採用され、カウンター61でカウントされる。また、これに続いて、交換対象の回収容器200Aが着脱位置P2に移動されて着脱されたか否かが検出される(S17)。
ここで、交換対象の回収容器200Aの着脱は、図6aに示されるように、その回収容器200Aが回収位置P1(図5)から着脱位置P2(図6a)に移動して停止するよう、移動装置150の移動台151を移動させた状態にした後に行われる。具体的には、満杯手前の状態と検出された回収容器200Aを移動台151の第1容器装着部152から取り外した後、新たな回収容器200(C)を第1容器装着部152に装着する。このときの回収容器200A、200Cの着脱は、移動台151の第1容器装着部152に設置された着脱検出センサ108aにより検出される。
そして、この回収システム100では、移動装置150の移動台151を矢印C2で示す方向に移動させる操作を行うことにより、交換対象の回収容器200Aを回収位置P1から着脱位置P2に移動させると、図5や図6aに示すように、その移動台151の第2容器装着部153に装着されている回収容器200Bが一括して(一体で)移動し、待機位置P3から回収位置P1に移動させられて停止した状態になる(図6a)。
この際、開閉シャッター156は、回収容器200Bと対峙する固定部材157の貫通部157bが可動部材158の貫通部158bにより開けられた状態にされる。これにより、回収容器200Bの受け口210は、第4移送装置140の第4移送管142における排出口145と接続された状態になる。またこのとき画像形成装置1では、画像出力部2による画像形成動作が実行されているため、その画像出力部2におけるドラム清掃装置26等から排出される廃棄現像剤(81〜83)が移送装置102により移送され続けるが、このときに移送される廃棄現像剤は回収容器200Bに収容される。つまり、回収容器200Bは、交換対象の回収容器200Aが着脱位置P2において着脱交換されるときに優先して回収位置P1に移動させられて、その交換作業中に排出される廃棄現像剤を一時的に収容するバッファ容器として使用される。この結果、画像形成動作が実行されているときに回収容器200Aの交換作業を行っても、その画像形成動作により排出される廃棄現像剤が回収容器200Bに一時的に収容されることになるので、その実行中の画像形成動作を停止させる必要がなくなる。
ステップS17において第1装着部152における回収容器200Aの着脱が検出されると、その交換された新たな回収容器200(C)を回収位置P1に移動して戻す警告メッセージの表示が行われる(S18)。次いで、交換された新たな回収容器200(C)が回収位置P1に移動して存在しているか否かが位置検出センサ109の検出結果に基づいて検出され(S19)、新たな回収容器200(C)が回収位置P1に存在していることが確認されると、実行中の画像形成動作が強制的に停止されることなく継続される(S20)。この場合、回収システム100は、ステップS10に戻って上述した各ステップを同様に経由しながら動作し続けることになる。
したがって、この画像形成装置1(回収システム100)においては、2つの回収容器200A,200Bのうちの一方の回収容器(実施の形態1では200B)を、一時的に廃棄現像剤を収容するバッファ容器として使用することができる。また、このように1つの回収容器200Bをバッファ容器として使用できることにより、満杯手前の状態と検出された回収容器200Aの交換作業を、実行中の画像形成動作を停止させることなく行うことができる。また、バッファ容器として選定される回収容器200Bは、回収専用の他の回収容器200A(200C)と同じ構成の回収容器で済むため、画像形成装置1(回収システム100)についても、その回収容器200Bとして構成の異なる特別の回収容器を用意する必要がなくコスト上昇を抑制することができ、全体として簡易な構成で実施することができる。
なお、ステップS17において、交換対象の回収容器200Aの着脱が検出されない場合は、カウンター16による対象要素e1の計測値K1が閾値N1以上になるか否かが判断される(S21)。
この際、計測値K1が閾値N1を下回れる段階では、ステップS17に戻って交換対象の回収容器200Aが着脱された否かについての確認が繰り返して行わるが、計測値K1が閾値N1以上になった場合は、実行中の画像形成動作が停止させられる(S22)。これにより、回収容器200Aの交換を促す報知がなされた後にその回収容器200Aの交換が長い時間行われないときがあっても、画像出力部2による画像形成動作が停止させられて廃棄現像剤の回収システム100への排出もされなくなり、この結果、交換対象の回収容器200Aに収容限度を超えた量の廃棄現像剤が収容されることで、その過剰の分の廃棄現像剤が受け口210から溢れ出すような現象が発生することが抑制又は防止される。
一方、ステップS14においては、回収位置P1において満杯検出センサ107で満杯が検出された回収容器が「回収容器B」であると識別される場合がある。
これは、選定された回収容器Bが、それ以外の他の回収容器200A(交換された新たな回収容器200C等を含む)の交換作業中に画像出力部2から排出される廃棄現像剤を一時的に収容するバッファ容器として主に使用されるが、その回収容器200Bも、回収位置P1に移動させられて複数回にわたり廃棄現像剤を収容するので、その廃棄現像剤も徐々に蓄積することになり(図6a)、ついにはその廃棄現像剤の収容状態が満杯検出センサ107で検出されるレベルの満杯手前の状態になることがあるからである。
この場合は、図10に示されるように、制御装置7(回収システム制御部71)により回収容器Bに対する対象要素e2のカウントが開始され(S23)、実行中の画像形成動作がとりあえず継続される(S24)。対象要素e2は、例えば、前述した画像形成枚数又は経過時間が採用され、カウンター61でカウントされる。このときの対象要素e2としては、一般に回収容器200Aに対して採用した対象要素e1と同じ要素が同様に使用されるが、対象要素e1と異なる要素を採用しても構わない。
続いて、カウンター16による対象要素e2の計測値K2が閾値N2以上になるか否かが判断される(S25)。この際、計測値K2が閾値N2以上にならない段階では、実行中の画像形成動作が継続されるが、計測値K2が閾値N2以上になった場合は、回収容器200Bの廃棄現像剤の収容状態が完全に満杯な状態になるとみなされて、実行中の画像形成動作が強制的に停止させられる(S26)。
このステップS26における画像形成動作の停止により、画像出力部2による画像形成動作が停止させられて廃棄現像剤の回収システム100への排出がされなくなり、この結果、交換対象の回収容器200Bに収容限度を超えた量の廃棄現像剤が収容されることで、その過剰な分の廃棄現像剤が受け口210から溢れ出すような現象が発生することが防止される。ステップS25における計測値K2の閾値N2については、計測値K2の対象要素e2が回収容器200Aで適用した対象要素e1と同じ内容である場合であれば、その回収容器200Aに適用する計測値K1の閾値N1と同じ値を採用することができるが、異なる値を採用しても構わない。
ちなみに、バッファ容器としての回収容器200Bが満杯検出センサ107で満杯手前の状態と検出されたときには、その回収容器200を交換することができない。つまり、この時点では、実行中の画像形成動作が継続されているため、仮に回収容器200を交換のために着脱位置P2に移動した場合(図6c)は、回収位置P1に回収容器200が存在しないことになってしまい、その実行中の画像形成動作により排出される廃棄現像剤を収容することができなくなるからである。
また参考までに、回収システム100では、ステップS25における画像形成動作の停止がなされた後の動作として例えば次の動作が実行される。
すなわち、図10に二点鎖線で示すように、まず完全に満杯の状態になったと検出された回収容器200Bの交換を促す表示をする報知動作を行った後(S30)、移動台151の第2装着部153での回収容器200Bの着脱が行われて新しい回収容器200B´に交換されたか否かが検出される(S31)。ステップS31において第2装着部153における回収容器200Bの着脱が検出されると、その交換された新たな回収容器200B´を待機位置P3に移動して戻すことを促すための警告メッセージの表示が行われる(S32)。最後に、交換された回収専用の回収容器200Cが回収位置P1に存在するか否かが位置検出センサ109の検出結果に基づいて検出され続け(S33)、その回収容器200Cが回収位置P1に停止して存在していることが確認されると、以上説明した画像形成動作の実行中における回収システム100の全動作工程が一旦終了する。
ここで、交換対象の回収容器200Bの着脱は、図6bに示されるように、その回収容器200Bが回収位置P1(図6a)から着脱位置P2(図6b)に移動して停止するように、移動装置150の移動台151を移動させた状態にした後に行われる。具体的には、完全な満杯の状態と検出された回収容器200Bを第2容器装着部153から取り外した後、新たな回収容器200B´を第2容器装着部153に装着する。このとき交換された新たな回収容器200B´は、移動装置150の移動台151を移動させることにより待機位置P3に移動させられ、回収容器200Aの次の着脱交換が行われるまで待機位置P3に待機する。
[実施の形態2]
図11は、実施の形態2に係る画像形成装置1の廃棄現像剤回収システム100の要部を示している。実施の形態2における回収システム100は、満杯検知センサ107を2つの検出位置を移動するよう構成して変更した以外は実施の形態1に係る画像形成装置1の回収システム100と同じ構成のものである。
実施の形態2における満杯検知センサ107は、図11に示されるように、回収専用の他の回収容器200A(200C)の満杯手前の状態を検出する第1検出位置M1とバッファ容器として選定された1つの回収容器200Bにおける廃棄現像剤の所定の収容状態を第1検出位置M1よりも重力方向下側になる位置で検出する第2検出位置M2との間を、移動装置150における移動台151の移動動作に連動して移動するよう構成されている。
すなわち、満杯検知センサ107は、第1検出位置M1と第2検出位置M2との間を往復移動できるように取り付けられているとともに、移動台151の移動動作に連動して位置が移動させられる連動変位機構160と接続されている。
連動変位機構160は、容器装着部15に配置される支持軸161を中心に揺動するよう取り付けられ、一端部が満杯検知センサ107を第1検出位置M1と第2検出位置M2に変位させるよう動く支持材162と、支持材162の他端部に一端が回動自在に接続され、支持材162の一端部を第1検出位置M1と第2検出位置M2との間で変位させるように動く揺動材163とで組み合わせられたリンク機構部と、移動台151に固定して取り付けられ、揺動材163の他端に回転自在に取り付けられた回転体(ガイド車輪)164を第1検出位置M1に相当する高さ位置と第2検出位置M2に相当する高さ位置に転動させて変位させるガイドレール165とで構成されている。
ガイドレール165は、第1検出位置M1に相当する高さ位置を保持する第1ガイド部分165Aと、第2検出位置M2に相当する高さ位置を保持する第2ガイド部分165Bと、第1ガイド部分165A及び第2ガイド部分165Bを接続する傾斜接続部分165Cを有する形状になっている。第1ガイド部分165Aは、移動台151の第1容器装着部152に装着される回収容器200A(200C)が回収位置P1に移動して停止しているときに、満杯検知センサ107を第1検出位置M1に存在させ続けるように設けられている。また第2ガイド部分165Bは、移動台151の第2容器装着部153に装着される回収容器200Bが回収位置P1に移動して停止しているときに、満杯検知センサ107を第2検出位置M2に存在させ続けるように設けられている。
第2検出位置M2は、図11cに例示するように、第1検出位置M1よりも重力方向下側に高さh分だけ相対的に低い位置になる。このため、バッファ容器としての回収容器200Bは、図11b、cに示すように、その収容状態を満杯検知センサ107が第2検出位置M2で検出した段階では、その回収容器200Bにおける廃棄現像剤を更に収容することが可能な余力の空間が、第1検出位置M1で満杯手前の状態が検出される回収専用の回収容器200A(200C)よりも、検出位置M1と検出位置M2の高低差hだけ多く(大きく)なる。
以下、この実施の形態2における回収システム100の主な動作について説明する。
満杯検知センサ107は、図11aに示すように、移動台151の第1容器装着部152に装着された回収専用の回収容器200(200C)が回収位置P1に停止しているときには、リンク機構部の揺動材163(回転体164)がガイドレール165の第1ガイド部165Aに案内されて支持されることになり、第1検出位置M1に移動した状態に保持される。このため、回収位置P1に停止している回収容器200(200C)は、第1検出位置M1にある満杯検知センサ107で満杯手前の状態が検出される。この場合、回収システム100では、前述したように図9に示すステップS15〜S22の各動作が各状態に応じて実行される。
また、満杯検知センサ107は、図11bに示すように、移動台151の第2容器装着部153に装着されたバッファ容器としての回収容器200Bが回収位置P1に停止しているときには、リンク機構部の揺動材163(回転体164)がガイドレール165の第2ガイド部165Bに案内されて支持されることになり、第2検出位置M2に移動した状態に保持される。このため、回収位置P1に停止している回収容器200Bは、第2検出位置M2にある満杯検知センサ107で所定の収容状態が検出される。この場合、回収システム100では、前述したように図10に示すステップS23〜S26の各動作が各状態に応じて実行される。
この際、ステップS25における計測値K2の閾値N2については、前述したように第2検出位置M2にある満杯検知センサ107で検出された段階での回収容器200Bの収容量が第1検出位置M1で検出した場合に比べて少なくなるため、閾値N2よりも小さい値の閾値N3に設定される。これにより、回収容器200Bが満杯検知センサ107で検出された後においても、回収容器200Bが完全に満杯の状態になると予測される時期に至るまでの所要時間が長くなり、回収容器200Bの交換時期ひいては実行中の画像形成動作の停止時期を少し先に延ばすことができる。
以上により、実施の形態2における回収システム100によれば、バッファ容器として選定された1つの回収容器200Bが第2検出位置M2で検出されることで回収容器200Bの収容状態が満杯手前の状態よりも早期の(少ない)状態であることが検出されることになる。そして、回収容器200Bは第2検出位置M2で検出された後もある一定量の廃棄現像剤を確実に収容することが可能になり、この結果、満杯手前の状態と検出された回収専用の回収容器200A(200C)の交換作業を、実行中の画像形成動作を停止させることなく、実施の形態1における回収システム100の場合に比べてより安定して行うことができる。
[他の実施の形態]
実施の形態1,2では、回収システム100として、移動装置150における移動台151を移動させて停止させる所要の配置位置の着脱位置P2が筐体10の外部に設定される構成例(図6)を示したが、それに限定されず、例えば、着脱位置P2も筐体10の内部に存在するよう構成してもよい。そのように構成した場合、待機位置P3については、選定された回収容器200Bを着脱するための着脱位置に変更する。また、この構成の場合、着脱位置P2に該当する筐体10(容器装着部15)の部分には、開閉扉を設置する等の必要な構成を追加すればよい。
また、実施の形態1,2では、回収システム100として、2つの回収容器200A,200を装着して使用する構成例を示したが、3つ以上の回収容器200を装着して使用するよう構成することも可能である。そのように構成する場合、回収位置P1は1つであるが、着脱位置P2や待機位置P3については必要に応じて複数設けるよう構成すればよい。また、この場合、着脱検出センサ108などについては、例えば、使用する回収容器200の数に適合した数量を設けるようにすればよい。
この他、画像形成装置1については、単色の画像を形成するタイプの画像形成装置や、中間転写装置3を使用せずに記録用紙9を複数の作像装置20の一次転写位置を通過させるように搬送する用紙搬送装置を採用する画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置1については、作像装置20の数が他の複数(6つ以外の複数)であってもよい。さらに、現像装置24としては、トリックル現像を行わない(つまり廃棄現像剤83を排出しない)タイプの現像装置を適用してもよい。さらに、この発明における廃棄現像剤は、少なくともトナーを含むものであればよいが、これ以外にも、キャリア、各種外添剤、紙粉等のトナー以外の物が含まれていても差し支えない。