JP6566561B2 - 椅子 - Google Patents
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Description
この場合、弾性部材に圧縮方向の初期荷重が付与され、着座時における弾性部材の変形に伴う脚柱の大きな沈み込みや、脚柱の急激な傾動が抑制される。
この場合、脚柱の傾動位置に拘わらず、球面状のガイド面が安定して設置ベース側の摺動ガイドに線接触するようになる。このため、脚柱の傾動時に不要な摺動抵抗が生じにくくなる。したがって、この構造を採用することにより、脚柱の安定した傾動を得ることが可能になる。
この場合、脚柱がいずれの方向に傾動した場合にも球面状のガイド面が安定して設置ベース側の摺動ガイドに線接触するようになる。
この場合、例えば、支持壁を金属等の堅牢な部材によって形成し、摺動ガイドを摺動性の高い樹脂等によって形成することにより、支持壁の充分な剛性や強度を確保しつつ、抜け規制部のガイド面に対する摺動性を高めることが可能になる。
この場合、脚柱の下端が、本体部よりも外径の大きい当接壁によって弾性部材に当接することになるため、脚柱の傾動に伴う荷重を弾性部材上の広い面積に作用させることが可能になる。したがって、弾性部材に局所的な負荷がより作用しにくくなる。
この場合、脚柱の本体部側の部材と抜け規制部の間の距離が、スペーサ部材によって常に一定に維持されるため、抜け規制部のガイド面が摺動ガイドに安定して案内され、脚柱の傾動が安定するようになる。
また、本発明においては、脚柱が傾動するときや初期姿勢に復帰するときに、抜け規制部の球面状のガイド面が設置ベース側の摺動ガイドに摺接してガイドされるため、脚柱の円滑な傾動と弾性部材による安定した弾性反力を得ることができる。
図1は、実施形態に係る椅子1を正面から見た図であり、図2は、椅子1全体の縦断面を示した図である。
これらの図に示すように、椅子1は、建造物のフロア等の設置面上に載置される設置ベース10と、設置ベース10から上方に起立し、起立位置を中心とした円周方向の任意の方向に傾動可能となるように設置ベース10に支持される円筒状の脚柱11と、脚柱11の上部に支持され、着座者の着座荷重を上面で受ける座体12と、を備えている。
設置ベース10は、上面視が円形状の板金製のベースフレーム13と、ベースフレーム13に取り付けられ、ベースフレーム13の上部を覆う上面視が円形状の樹脂製の上装部材14と、を備えている。上装部材14は、外周縁部から中心部に向かって緩やかな曲面を描いて上方に膨出しており、膨出部分の中心領域には、脚柱11の下部領域が傾動可能に挿通される傾動許容孔15が形成されている。ベースフレーム13は、中央領域が上方に隆起し、その隆起した部分が略水平に延在する平坦な壁となっている。この平坦な壁は、後述する弾性部材19の下面を支持する支持壁16とされている。ベースフレーム13の支持壁16の上面と上装部材14の間には、空間部17が設けられている。
なお、上装部材14の傾動許容孔15の周縁部15aは、略一定厚みの薄肉の壁によって形成されており、その周縁部15aの下面は、周縁部15aの上面側の形状に略沿うように、略球面状の円弧面とされている。また、図2に示すように、ベースフレーム13の外周縁部の下面には、下方に突出して設置面に接する円環状の設置部材90が取り付けられている。設置部材90は、滑りにくい樹脂材料によって形成され、設置ベース10の外周端部よりも内側に配置されている。
スペーサ部材24は、軸部24aの上端にフランジ部24bを有している。脚柱11の当接壁18には貫通孔18aが形成されており、スペーサ部材24の軸部24aがその貫通孔18aに上方から挿入されている。スペーサ部材24のフランジ部24bは、当接壁18の上面に当接してスペーサ部材24の下方変位を規制されている。また、スペーサ部材24の軸部24aの内周面には、ボルト25の軸部が螺合される雌ねじが設けられている。
また、脚柱11は、平坦な当接壁18と支持壁16の間に挟持された弾性部材19が撓むことにより、任意方向の傾動が許容されているが、脚柱11の傾動時には、抜け規制部材22の頭部22bの球面状のガイド面23が摺動ガイド21の支持面21a上を摺動することにより、脚柱11の傾動がガイドされる。したがって、脚柱11は弾性部材19よりも下方のガイド面23の球面中心Cの近傍部を中心として傾動することになる。
なお、この実施形態においては、抜け規制部材22が、スペーサ24とボルト25によって支持壁18に締結固定されることにより、弾性部材19が所定量圧縮されるようにしているが、弾性部材19は、抜け規制部材22を支持壁18に固定する前に予め圧縮しておくようにしても良い。
座支持部材28は、上端面に座体12が取り付けられる本体ブロック28Aと、本体ブロック28Aの下端に連設され、外筒11Bの上端部に嵌合固定されるボス部28Bと、を備えている。ボス部28Bと本体ブロック28Aの軸心部には、ガススプリング29の上端部が嵌合固定されている。本体ブロック28Aの上面の略中央には操作レバー30の基端のプッシュ操作部30aが配置される凹部28A−1が形成されている。
着座者は、例えば、椅子1の座体12の前に後向きで立ち、座体12に手を添えて座体12の上面に腰を下ろす。このとき、椅子1の脚柱11は、着座者から座体12に加える荷重の位置と方向に応じて、設置ベース10に対して適宜傾動する。このとき、設置ベース10と脚柱11の間に介装された弾性部材19が変形し、弾性部材19において脚柱11の傾動に応じた反力を発生する。
椅子1は、弾性部材19に蓄積された反力と、着座者の臀部を通して座体12に入力される荷重とがバランスしたところで脚柱11の傾動を停止する。この状態において、着座者の臀部は座体12の上面に安定して保持されることになる。
座体12等に荷重が加えられて脚柱11が傾動するときには、図6に示すように、当接壁18と支持壁16の間に介装された弾性部材19が荷重の加わった側に押し潰されつつ、弾性部材19よりも下方に位置されている抜け規制部材22の球面状のガイド面23が摺動ガイド21の支持面21aに対して摺動し、この摺動によって脚柱11の傾動がガイドされる。
したがって、脚柱11の傾動時には、脚柱11はガイド面23の球面中心Cの近傍を中心として傾動することになるため、当接壁18と支持壁16の間に挟持された弾性部材19の上部には、ガイド面23の球面中心Cの近傍を中心としたモーメントが作用する。このため、弾性部材19の広範な領域に圧縮方向とせん断方向の荷重が弾性反力として蓄積される。この結果、弾性部材19には局所的な負荷が作用しにくくなる。
10 設置ベース
11 脚柱
11A 内筒(本体部)
12 座体
16 支持壁
18 当接壁
19 弾性部材
20 挿通孔
21 摺動ガイド
22 抜け規制部材(抜け規制部)
23 ガイド面
24 スペーサ部材
Claims (7)
- 設置面に載置され、若しくは固定される設置ベースと、
前記設置ベースから上方に起立し、前記設置ベースに傾動可能に支持される脚柱と、
前記脚柱の上部に支持され、着座者の着座荷重を受ける座体と、
前記脚柱と前記設置ベースの間に介装され、前記脚柱を初期傾動姿勢である鉛直姿勢となるように付勢する弾性部材と、
前記脚柱の下部に一体に設けられ、前記設置ベース上の前記弾性部材に対する支持壁を下方に貫通して前記設置ベースからの抜けを規制される抜け規制部と、を備え、
前記設置ベースの前記支持壁には、前記抜け規制部の一部が挿通される挿通孔と、該挿通孔の下面側の周縁部において前記抜け規制部と摺動可能に当接する摺動ガイドと、が設けられ、
前記抜け規制部は、前記挿通孔の下方において前記摺動ガイドに摺動可能に当接する上方に凸の球面状のガイド面を有していることを特徴とする椅子。 - 前記弾性部材は、前記脚柱と前記設置ベースの前記支持壁との間に圧縮状態で挟持固定されていることを特徴とする請求項1に記載の椅子。
- 前記摺動ガイドは、前記抜け規制部の前記ガイド面との当接部が凸状の湾曲面によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の椅子。
- 前記摺動ガイドは、前記抜け規制部の前記ガイド面との当接部が前記挿通孔の周域に沿って環状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の椅子。
- 前記設置ベースは、前記支持壁と前記摺動ガイドが別体部材によって構成されていることを特徴とする請求項3に記載の椅子。
- 前記脚柱は、当該脚柱の本体部よりも径方向外側に張り出して前記弾性部材の上面に当接する当接壁を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の椅子。
- 前記抜け規制部は、前記脚柱の本体部側の部材と別体部品によって構成され、
前記本体部側の部材と前記設置ベース側の前記支持壁とによって前記弾性部材を挟持した状態で、前記抜け規制部が前記支持壁とともに前記本体部側の部材に共締め固定されるとともに、前記本体部側の部材に対する前記抜け規制部の近接離反方向の変位を規制するスペーサ部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の椅子。
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