定義
逆のことを記述していない、文脈から暗示的ではない、または当技術分野において慣習的でない限り、全ての部及びパーセントは重量に基づく。米国特許実施の目的で、任意の参照した特許、特許出願、または特許公報の内容は、特に合成技術の開示、定義(本開示に具体的に提供されるいかなる定義とも矛盾しない範囲で)、及び当技術分野における一般知識に関して、参照によりその全体が組み込まれる(またはその等価的な米国版が、そのように参照により組み込まれる)。
本開示における数値範囲は、近似値であり、したがって、別途指示されない限り、その範囲外の値を含み得る。数値範囲は、下限値以上から上限値以下まで1単位ずつ増加しながら全ての値を含むが、ただし、任意の低い方の値と任意の高い方の値との間は、少なくとも2単位離れている。一例として、例えば分子量、粘度、融解係数等の組成的特性、物理的特性、または他の特性が100〜1,000である場合、100、101、102等の全ての個々の値、及び100〜144、155〜170、197〜200等の部分的な範囲が明示的に列挙されることを意図している。1未満の値を含む範囲、または1よりも大きい少数(例えば、1.1、1.5等)を含む範囲に関しては、1単位は、必要に応じて、0.0001、0.001、0.01、または0.1であるとみなされる。10未満の1桁の数(例えば、1〜5)を含む範囲に関しては、1単位は、一般的に、0.1であるとみなされる。これらは、何が具体的に意図されているかという例に過ぎず、下限値と上限値との間の全ての数値の組み合わせが、本開示で明示的に提示されているものとみなされる。とりわけ、PVモジュールフレーム及びラックが製造される、組成物中の種々の成分の相対量に関しては、本開示内で数値範囲が提供される。
「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語及びそれらの派生語は、同一物が具体的に開示されているか否かにかかわらず、あらゆる追加的な構成要素、ステップ、または手順の存在を排除することを意図しない。任意の疑念を回避するために、「備える(comprising)」という用語を使用して特許請求される全ての組成物は、それとは反対に述べられない限り、ポリマーであるか否かにかかわらず、あらゆる追加的な添加剤、補助剤、または化合物を含み得る。対照的に、「〜から本質的に成る」という用語は、あらゆる後続の列挙の範囲から、実現可能性に必須ではないものを除いて、あらゆる他の構成要素、ステップ、または手順を除外する。「〜から成る」という用語は、具体的に描写または列記されていないあらゆる構成要素、ステップ、または手順を除外する。
プラスチック組成物
一実施形態において、本発明は、(A)熱可塑性ポリマー、(B)強化要素、(C)ハロゲン非含有の膨張性難燃剤、(D)耐衝撃性改良剤、(E)カップリング剤、及び随意に、(F)1つ以上の添加剤を含む、組成物である。一実施形態において、本発明は、組成物の重量に基づいて、(A)10〜80重量%の熱可塑性ポリマー、(B)10〜55重量%の強化要素、(C)1〜30重量%のハロゲン非含有の膨張性難燃剤、(D)1〜20重量%の耐衝撃性改良剤、(E)0.001〜0.5重量%カップリング剤、及び随意に、(F)1つ以上の添加剤を含む、組成物である。
一実施形態において、本発明は、(A)熱可塑性ポリマー、特に熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、(B)強化要素、特にガラス繊維、(C)ハロゲン非含有の膨張性難燃剤、(D)耐衝撃性改良剤、特に(A)の熱可塑性ポリマーでないポリオレフィンエラストマー、(E)カップリング剤、及び随意に、(F)抗酸化剤、UV安定剤等の1つ以上の添加剤を含む組成物から作製される、光起電力(PV)フレーム、PVラック、またはPVフレームもしくはPVラック構成要素である。一実施形態において、本発明は、組成物の重量に基づいて、(A)10〜80重量%の熱可塑性ポリマー、(B)10〜55重量%の強化要素、(C)1〜30重量%のハロゲン非含有の膨張性難燃剤、(D)1〜20重量%の耐衝撃性改良剤、(E)0.001〜0.5重量%のカップリング剤、及び随意に、(F)1つ以上の添加剤を含む組成物から作製される、光起電力(PV)フレーム、PVラック、またはPVフレームもしくはPVラック構成要素である。
適切な熱可塑性ポリマーの限定的でない例としては、オレフィン系ポリマー、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリエステル、ポリスチレン、高耐衝撃性ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態において、熱可塑性ポリマーは、ハロゲン非含有ポリマーである。本明細書で使用される「ハロゲン非含有」は、汚染物質として存在し得るハロゲン以外のハロゲンがないことを意味する。
一実施形態において、熱可塑性ポリマーは、オレフィン系ポリマーである。本明細書で使用されるとき、「オレフィン系ポリマー」は、重合した形態でオレフィン、例えばエチレンまたはプロピレンを含むポリマーである。オレフィン系ポリマーは、ポリマーの全重量に基づいて、オレフィンの重合した形態の重量パーセントの大部分を占め得る。オレフィン系ポリマーの限定的でない例としては、エチレン系ポリマー及びプロピレン系ポリマーが挙げられる。一実施形態において、オレフィン系ポリマーは、エチレン系ポリマーである。適切なエチレン系ポリマーの限定的でない例としては、エチレン/α−オレフィンコポリマー(エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー)、エチレン/(アクリル酸)コポリマー、エチレン/メチルアクリレートコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/プロピレン/ジエンコポリマー、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。一実施形態において、オレフィン系ポリマーは、プロピレン系ポリマーである。適切なプロピレン系ポリマーの限定的でない例としては、耐衝撃性改良ポリプロピレン(IPP)を含むプロピレンホモポリマー及びプロピレンコポリマーが挙げられる。熱可塑性ポリマーは、可撓性、耐溶媒性、熱安定性、及び/または機械的強度を最終組成物に提供する。
一実施形態において、熱可塑性ポリマーは、エチレン/α−オレフィンコポリマー、オレフィンブロックエチレン/α−オレフィンコポリマー、またはそれらの組み合わせである。一実施形態において、熱可塑性ポリマーは、エチレン/ブテンコポリマーである。一実施形態において、熱可塑性ポリマーは、オレフィンブロックエチレン/ブテンコポリマーである。
一実施形態において、熱可塑性ポリマーは、IPPである。耐衝撃性改良ポリプロピレンは、既知のポリマーであり、また、少なくとも2つの主要成分、成分A及び成分Bを含む。成分Aは、好ましくは、アイソタクチックプロピレンホモポリマーであるが、特定の特性を得るために、小量のコモノマーが使用され得る。一般的に、そのような成分Aのコポリマーは、10重量%以下の、好ましくは6重量%未満以下の、エチレン、ブテン、ヘキセン、またはオクテン等のコモノマーを含有する。最も好ましくは、4重量%未満のエチレンが使用される。最終結果は、通常、ホモポリマー成分Aと比較して、より低い剛性を有するが、いくらか衝撃強度が増加する生成物である。
本明細書で使用される成分Aは、全般的に、IPP組成物のキシレン不溶部分を指し、成分Bは、全般的に、キシレン可溶部分を指す。キシレン可溶部分が明らかに高分子量成分及び低分子量成分の双方を有する場合、低分子量成分は、アモルファス低分子量プロピレンホモポリマーに起因する。したがって、そのような状況における成分Bは、高分子量部分だけを指す。
成分Bは、最も好ましくは、本質的にプロピレン及びエチレンから成るコポリマーであるが、所望される特定の製品特性に応じて、他のプロピレンコポリマー、エチレンコポリマー、またはターポリマーが適切であり得る。例えば、プロピレン/ブテン、ヘキセン、またはオクテンコポリマー、及びエチレン/ブテン、ヘキセン、またはオクテンコポリマーが使用され得、プロピレン/エチレン/ヘキセン−1ターポリマーが使用され得る。しかしながら、好ましい実施形態において、成分Bは、少なくとも40重量%のプロピレン、より好ましくは、80重量%〜30重量%のプロピレン、さらに好ましくは、70重量%〜35重量%のプロピレンを含むコポリマーである。成分Bのコモノマー含有量は、好ましくは、20〜70重量%の範囲のコモノマー、より好ましくは、30〜65重量%の範囲のコモノマー、さらに好ましくは、35〜60重量%の範囲のコモノマーである。最も好ましくは、成分Bは、本質的に、プロピレン、及び20%〜70%のエチレン、より好ましくは、30%〜65%のエチレン、最も好ましくは、35%〜60%のエチレンから成る。
一実施形態において、熱可塑性ポリマーは、一般的に、組成物の10〜80重量パーセント(重量%)、より一般的には、25〜70重量%を占める。
適切な強化要素の限定的でない例としては、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、炭酸カルシウム、オルガノクレー、マーブルダスト、セメントダスト、長石、二酸化ケイ素またはガラス、ヒュームドシリカ、ケイ酸塩、アルミナ、臭化アンモニウム、三酸化アンチモン、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、硫酸バリウム、シリコーン、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、ガラスミクロスフィア、チョーク、雲母、粘土、ウォラストナイト、八モリブデン酸アンモニウム、膨張性化合物、膨張性黒鉛、及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。強化要素は、シラン、脂肪酸、及び同類のもの等の、種々の表面被覆または表面処理を含み得る。ガラス繊維、特に長ガラス繊維は、好適な強化要素である。
一実施形態において、強化要素は、一般的に、組成物の10〜55重量パーセント(重量%)、より一般的には、25〜40重量%を占める。
一実施形態において、本発明の実践において使用されるハロゲン非含有の膨張性難燃剤(FR)システムは、1つ以上の有機リン系及び/または窒素系膨張性FRを含み、随意に、ピペラジン成分を含む。一実施形態において、ハロゲン非含有の膨張性FR系は、一般的に、組成物の1〜30重量パーセント(重量%)、より一般的には、5〜25重量%を占める。
一実施形態において、ハロゲン非含有の膨張性FR系は、有機窒素/リン系化合物の少なくとも1、10、15、20重量%、最も好ましくは、少なくとも30重量%を占める。一般的な有機窒素/リン系化合物の最大量は、ハロゲン非含有の膨張性FR系の70、60、50重量%を超えない、より好ましくは、45重量%を超えない。
一実施形態において、ハロゲン非含有の膨張性FR系は、ピペラジン系化合物の30〜99重量%を占める。ピペラジン系化合物の好適な量は、少なくとも30、40重量%、及び少なくとも50重量%である。特定の実施形態において、FR系は、ピペラジン系化合物の55〜65重量%、及び1つ以上の他の難燃剤(例えば、有機窒素/リン系化合物)の35〜45重量%を占めることができる。
適切なハロゲン非含有の膨張性難燃剤の限定的でない例としては、有機ホスホン酸、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、亜ホスホン酸塩、亜ホスフィン酸塩、ホスフィンオキシド、ホスフィン、亜リン酸塩またはリン酸塩、塩化ホスホニトリル、リン酸エステルアミド、リン酸アミド、ホスホン酸アミド、ホスフィン酸アミド、ならびにメラミンポリリン酸塩、メラミンピロリン酸塩、及びメラミンシアヌレートを含むメラミン及びメラミン誘導体、ならびにこれらの材料のうちの2つ以上の混合物が挙げられるが、それらに限定されない。例としては、フェニルビスドデシルリン酸塩、フェニルビスネオペンチルリン酸塩、リン酸水素フェニルエチレン、フェニル−ビス−3,5,5´−トリメチルヘキシルリン酸塩、エチルジフェニルリン酸塩、2−エチルヘキシルジ(p−トリル)リン酸塩、リン酸水素ジフェニル、ビス(2−エチル−ヘキシル)p−トリルリン酸塩、トリトリルリン酸塩、ビス(2−エチルヘキシル)−フェニルリン酸塩、トリ(ノニルフェニル)リン酸塩、リン酸水素フェニルメチル、ジ(ドデシル)p−トリルリン酸塩、トリクレシルリン酸塩、トリフェニルリン酸塩、トリフェニルリン酸塩、ジブチルフェニルリン酸塩、2−クロロエチルジフェニルリン酸塩、p−トリルビス(2,5,5´−トリメチルヘキシル)リン酸塩、2−エチルヘキシルジフェニルリン酸塩、及びリン酸水素ジフェニルが挙げられる。第USP6,404,971号で説明されるタイプのリン酸エステルは、リン系FRの例である。追加的な例としては、ビスフェノールA二リン酸塩(BAPP)(Adeka Palmarole)及び/またはレゾルシノールビス(ジフェニルリン酸塩)(Fyroflex RDP)(Supresta,ICI)等の液体リン酸塩、ならびにアンモニウムポリリン酸塩(APP)、ピペラジンピロリン酸塩、ピペラジンオルトリン酸塩、及びピペラジンポリリン酸塩等の固体リンが挙げられる。APPは、しばしば、メラミン誘導体等の難燃剤共添加剤とともに使用される。Melafine(DSM)(2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン、微粉砕メラミン)も有用である。
FR系のピペラジン成分の例としては、ピペラジンピロリン酸塩、ピペラジンオルトリン酸塩、及びピペラジンポリリン酸塩等の化合物が挙げられる。追加的な例としては、第US2009/0281215号及び第WO2009/016129号で説明されるような、ポリトリアジニル化合物もしくはオリゴマー、またはピペラジン基を含むポリマー1,3,5−トリアジン誘導体が挙げられる。
衝撃改良剤は、変形及び/または破壊に対する物質の耐性を高めるために、物質に加えられる材料である。変形及び/または破壊に対する物質の耐性を高めるという文脈において、衝撃改良剤の限定的でない例としては、天然及び合成ゴム(例えば、エチレンプロピレンゴム(EPRまたはEPDM))、エチレン酢酸ビニル(EVA)、スチレン−ブロックコポリマー(SBC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、及びポリオレフィンエラストマー(POE)が挙げられる。
本発明の実践においては、任意のエラストメリックポリオレフィンを使用することができるが、好適なエラストメリックポリオレフィンは、メタロセン触媒または拘束幾何触媒等のシングルサイト触媒で作製され、一般的に、95℃未満、好ましくは、90℃未満、より好ましくは、85℃未満、さらに好ましくは、80℃未満、なおさらに好ましくは、75℃未満の融点を有する。
本発明の実践において有用なエラストメリックポリオレフィンコポリマーとしては、インターポリマーの重量に基づいて、15重量%を挟む、好ましくは、少なくとも20重量%の、より好ましくは、少なくとも25重量%のα−オレフィン含有量を有する、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが挙げられる。これらのインターポリマーは、一般的に、インターポリマーの重量に基づいて、50重量%未満、好ましくは、45重量%未満、より好ましくは、40重量%未満、及びさらに好ましくは、35重量%未満のα−オレフィン含有量を有する。α−オレフィン含有量は、Randall(Rev.Macromol.Chem.Phys.,C29(2&3))で説明される手順を使用して、13C核磁気共鳴(NMR)分光法によって測定される。一般的に、インターポリマーのα−オレフィン含有量が多くなるほど、密度が低くなり、インターポリマーがより非晶性になり、これは、衝撃改良剤として所望される物理的特性及び化学的特性に変質させる。
α−オレフィンは、好ましくは、C3−20の直鎖状、分岐状、または環状のα−オレフィンである。インターポリマーという用語は、少なくとも2つのモノマーから作製されるポリマーを指す。例えば、コポリマー、ターポリマー、及びテトラポリマーが挙げられる。C3−20α−アルファオレフィンの例としては、プロペン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、及び1−オクタデセンが挙げられる。α−オレフィンはまた、シクロヘキサンまたはシクロペンタン等の環状構造も含有することができ、3−シクロヘキシル−1−プロペン(アリルシクロヘキサン)及びビニルシクロヘキサン等のα−オレフィンをもたらす。用語の古典的な意味におけるα−オレフィンではなく、本発明の目的に関するノルボルネン及び関連するオレフィン、特に5−エチリデン−2−ノルボルネン等の環状オレフィンは、α−オレフィンであり、また、上で説明されるα−オレフィンのいくつかまたは全ての代わりに使用することができる。同様に、スチレン及びその関連するオレフィン(例えば、α−メチルスチレン等)は、本発明の目的に関するα−オレフィンである。例示的なポリオレフィンコポリマーとしては、エチレン/プロピレン、エチレン/ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテン、エチレン/スチレン、及び同類のものが挙げられる。例示的なターポリマーとしては、エチレン/プロピレン/1−オクテン、エチレン/プロピレン/ブテン、エチレン/ブテン/1−オクテン、エチレン/プロピレン/ジエンモノマー(EPDM)、及びエチレン/ブテン/スチレンが挙げられる。コポリマーは、ランダムまたはブロックとすることができる。
本発明の実践において有用なエラストメリックポリオレフィンコポリマーは、ASTM D−3418−03の手順を使用して、示差走査熱量測定(DSC)によって測定したときに、−20℃度未満、好ましくは、−40度未満、より好ましくは、−50℃未満、さらに好ましくは、−60℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する。さらに、一般的に、本発明の実践において使用されるエラストメリックポリオレフィンコポリマーはまた、(ASTM D−1238(190℃/2.16kg)によって測定したときに)100g/10分未満、好ましくは、75g/10分未満、より好ましくは、50g/10分未満、さらに好ましくは、35g/10分未満のメルトインデックスも有する。一般的な最小MIは、1であり、より一般的には、5である。
本発明において有用なエラストメリックオレフィンインターポリマーのより具体的な例としては、超低比重ポリエチレン(VLDPE)(例えば、Dow Chemical Companyによって作製されたFLEXOMERエチレン/1−ヘキセンポリエチレン)、均一に分岐した直鎖状のエチレン/α−オレフィンコポリマー(例えば、Mitsui Petrochemicals Company LimitedによるTAFMER及びExxon Chemical CompanyによるEXACT)、及び均一に分岐した実質的に直鎖状のエチレン/α−オレフィンポリマー(例えば、Dow Chemical Companyから入手可能なAFFINITY及びENGAGEポリエチレン)が挙げられる。より好適なエラストメリックポリオレフィンコポリマーは、均一に分岐した直鎖状の、及び実質的に直鎖状のエチレンコポリマーである。実質的に直鎖状のエチレンコポリマーが特に好ましく、第USP5,272,236号、第5,278,272号、及び第5,986,028号でより完全に説明される。
熱可塑性ポリマー(組成物の成分A)及び衝撃改良剤(組成物の成分D)はどちらも、ポリオレフィンエラストマーとすることができるが、それらは、いずれの所与の組成物においても決して同じポリオレフィンエラストマーではない。換言すれば、熱可塑性ポリマーがエチレン−プロピレンコポリマーである場合、衝撃改良剤は、エチレン−プロピレンコポリマー以外の何か、例えば、エチレン−ブテンコポリマー、またはエチレン−オクテンコポリマー、またはEPDM等である。一実施形態において、組成物は、熱可塑性ポリマー(成分A)としてのIPP、及び衝撃改良剤(成分D)としての実質的に直鎖状のエチレンコポリマー、例えばENGAGEエラストマーを含む。
一実施形態において、衝撃改良剤は、一般的に、組成物の1〜20重量%、より一般的に、5〜15重量%を占める。
一実施形態において、本発明の組成物において使用されるカップリング剤としては、ビス(スルホニルアジド)(BSA)、エチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマー(例えば、DuPontによるELVAX40L 03(40%VA、3MI))、及びアミノ化オレフィンブロックコポリマー(例えば、Dow Chemical CompanyによるINFUSE9807)が挙げられるが、それらに限定されない。他のカップリング剤の例としては、ビニル基及びエトキシ基を含むポリシロキサン(例えば、DYNASYLAN6498(オリゴマービニルシラン))、及びヒドロキシ末端ジメチルシロキサン(0.1未満の酢酸ビニル)が挙げられる。一実施形態において、カップリング剤は、一般的に、組成物の0.001〜0.5重量%を占める。
本発明の組成物は、それらに限定されないが、抗酸化剤(例えば、IRGANOX(商標)1010(Ciba/BASF)等のヒンダードフェノール)、熱(溶融加工)安定剤、加水分解安定性増強剤、熱安定剤、掃酸剤、着色剤または色素、UV安定剤、UV吸収剤、成核剤、加工助剤(油、ステアリン酸等の有機酸、有機酸の金属塩等)、帯電防止剤、防煙剤、滴下防止剤、硬化剤、可塑剤(ジオクチルフタレートまたはエポキシ化ダイズ油等)、潤滑剤、乳化剤、光学増白剤、シラン(遊離形態またはフィラー表面改質剤として)、セメント、尿素、ペンタエリトリトールのような多価アルコール、鉱物、過酸化物、光安定剤(ヒンダードアミン等)、離型剤、ワックス(ポリエチレンワックス等)、粘度改良剤、炭化剤(例えば、ペンタエリトリトール)、及び他の添加剤、等の1つ以上の安定剤及び/または添加剤を、これらの添加剤が本発明の組成物から作製される物品の所望の物理的特性または機械的特性を阻害しない程度まで組み込むことができる。存在する場合、これらの添加剤は、既知の量で、及び既知の方法で使用されるが、一般的に、添加剤、または添加剤のパッケージは、最終組成物のゼロ重量%よりも多く、例えば、0.01〜2重量%、より一般的には、0.1〜1重量%である。有用な粘度改良剤の例としては、The Dow Chemical Companyから入手可能なVORANOL3010及びVORANOL222−029等の、ポリエーテルポリオールが挙げられる。有用な市販の滴下防止剤としては、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)、VIKOFLEX7010(メチルエポキシソイエート(エポキシ化エステルファミリー))、及びVIKOLOXアルファオレフィンエポキシ(C−16)(1,2−エポキシヘキサデカン(95重量%超)及び1−ヘキサデセン(5重量%未満)の混合物)が挙げられ、どちらもeFAMEから入手可能である。有用な分散剤/金属キレート剤は、n−オクチルホスホン酸(UNIPLEX OPA)である。
本発明の組成物の配合は、当業者に知られている標準的な手段によって行うことができる。配合装置の例としては、BANBURYまたはBOLLINGの内部ミキサー等の内部バッチミキサーである。代替として、連続1軸または2軸ミキサー、例えば、FARRELの連続ミキサー、WERNER and PFLEIDERERの2軸ミキサー、BUSSの混練連続押出機を使用することができる。利用するミキサーのタイプ、及びミキサーの動作条件は、粘度、体積抵抗率、及び押し出された表面の平滑性等の、組成物の特性に影響を及ぼす。ポリマーブレンドとFR及び随意の添加剤パッケージとの配合温度は、一般的に、120℃〜220℃、より一般的には、160℃〜200℃である。最終組成物の種々の成分は、任意の順序で、または同時に加えて、互いに化合させることができるが、一般的に、最初に相溶剤(含まれる場合)をIPPと化合させ、最初に熱可塑性ポリマーをFRパッケージの成分のうちの1つ以上と化合させ、2つの混合物をFRパッケージの任意の残りの成分と化合させ、そして、任意の添加剤を互いに化合させる。いくつかの実施形態において、添加剤は、予混合マスターバッチとして添加され、これは一般に、添加剤を、内部プラスチック樹脂、例えばIPPまたは熱可塑性ポリマーのうちの1つの中へ、別々にまたは一緒に分散させることによって形成される。マスターバッチは、溶融配合法によって好都合に形成される。
PVモジュール及びラック
以下の図面は、従来技術及び本発明の種々の実施形態を例示する。同じ構成要素及び部品は、図面の全体を通して同じ番号が付される。
従来技術
図1A及び1Bは、2つの従来の、従来技術によるソーラーパネルアレイを例示する。各実例では、複数のソーラーパネル11が、格子構成のアレイラックまたはフレーム12(図1C及び1Dで示される)に取り付けられる。アレイラック12は、複数のソーラーパネル11を受容し、保持する様式で組み立てられる、金属製、一般的にはアルミニウム製のクロスサポート12Aと、金属製、一般的にはアルミニウム製のトラス12Bとを備える。ソーラーパネルは、図1Eで例示されるように、任意の従来の様式で、一般的に複数の金属製締結具13によって、ラック12に取り付けられる。ソーラーパネルをアレイラックに固定するための他の手段としては、ナット及びボルト、ならびに溶接(いずれも示さず)が挙げられる。各ソーラーパネルは、他の取り付けたソーラーパネルとの整合を確保するために、アレイラックに取り付けるときにレベリングを必要とし、また、アレイラックは、全部でないとしても、大部分が金属であるので、接地することを必要とする(図示せず)。アレイラックを屋根に配置する場合は、一般的に、アレイラックを適所に保持するためにバラスト(図示せず)が必要とされる。アレイラックを地面に配置する場合は、一般的に、コンクリートまたは金属製の支柱も必要とされる。
図2A及び2Bは、それぞれ、ソーラーパネル21の正面21A及び裏面21Bを例示する。ソーラーパネル21は、金属製、一般的にはアルミニウム製のフレーム部品24A〜Dを備え、該フレーム部品は、図2Cで例示されるように金属製ねじ25A〜Bで、または図2Dで例示されるように金属製コーナーインサート26によって、コーナー部で接合される。ソーラーパネルのフレームワークもまた、金属製であるので、金属製アレイラックと同様に、フレーム24Aに取り付けられる接地ボルト27A、接地ナット27B〜C、及び接地ワイヤ27D〜Eで、図2Eで例示されるように接地することを必要とする。ソーラーパネル21Bの裏面には、接続箱28(図2B)が取り付けられ、該接続箱は、光起電力セル29(図2A)によって発生した電気を収集して、最終用途または電気グリッドに移送する。
第1の実施形態:PVモジュール及びラック
図3Aは、本発明のソーラーパネルアセンブリ及びその支持基部の一実施形態の分解図である。ソーラーパネルアセンブリ31は、光起電力アレイ32(裏側から視認される)と、一体化したまたは継ぎ合わせた接続箱33(図3B)と、電気ポート34(図3C)と、前方基部取付具35A及び35Bと、後方基部取付具35C及び35Dと、ウインドディフレクタ36とを備える。前方及び後方基部取付具は、光起電力アレイの裏面に対して平坦に折り畳むことができ、前方基部取付具は、一般的に、後方基部取付具よりも短く、一般的に50%を超えて短い。支持ラック37は、中間コネクタボード39によって互いに対して接合される、支持載置基部38A及び38Bを備える。
図3Dはさらに、前方エレベーション42B及び後方エレベーション43Bを有するフレーム基部41Bを備える、載置基部38Bを例示する。フレーム基部41Bは、図3A及び3Eで示されるように、載置基部38A及び38Bの接合を可能にするように、中間コネクタボード39のペグ(図示せず)をスナップフィット関係で受容するようにサイズ決定され、成形される、穴44Bを装備する。フレーム基部前方エレベーション42Bは、前方基部取付具35Bの穴46Bに係合するために、ペグ45Bを装備する。フレーム基部前方エレベーション42Aは、ソーラーパネルアセンブリ31を支持し、同時に、該ソーラーパネルアセンブリがペグ45A及び45Bを中心に枢動することを可能にするように、フレーム基部前方エレベーション42Bに類似する様式で設計される。穴35A及びペグ45Aの係合は、図3Fで例示される。
図3Gで示されるように、フレーム基部後方エレベーション43Bは、スロット47Bを備え、該スロットは、後方基部取付具35Dをスナップフィット関係で受容するようにサイズ決定され、成形される。フレーム基部後方エレベーション43Aは、ソーラーパネルアセンブリ31を支持し、同時に、該ソーラーパネルアセンブリがペグ45A及び45Bを中心に枢動することを可能にするように、後方フレーム基部エレベーション43Bに類似する様式で設計される。この枢動特徴に関して、後方基部取付具35C及び35Dは、前方基部取付具がペグ45A及び45Bを中心に回転するときにパネルが後方基部取付具の上を摺動することを可能にする様式で、ソーラーパネルアセンブリ31のフレームに係合する。ソーラーパネルアセンブリフレームに対する後方基部取付具の係合は、図3Hで例示される。後方基部取付具35Dは、ソーラーパネルアセンブリフレーム52に固定されるスライダー49を摺動的に受容するようにサイズ決定され、成形される、クラウン48を備える。このソーラーパネルアセンブリの枢動及び摺動の組み合わせは、アレイの中の他のパネルに対するパネルのレベリングに対する必要性を排除し、また、据え付け整合を損ない得る風及び他の力に容易に対応することを可能にする。
後方基部取付具35C及び35Dはまた、ウインドディフレクタ36の高さ縁部を受容し、保持するためのスロットも備える。これは、図3Iで示され、該図は、ウインドディフレクタ36の高さ縁部と、後方基部取付具35Dのスロット51との係合を示す。
図3Jは、それらの支持ラックがともにアレイの中に位置付けられた、2つのソーラーパネルアセンブリを例示する。アセンブリ及びラックは、隣接するフレーム基部を覆って配置されるバラスト53によって適所に保持される。
第2の実施形態:PVモジュール及びラック
本発明の一実施形態において、PVモジュールフレームは、以下の特徴、(A)一体成形またはオーバーモールドした部品、(B)L字形状、(C)一方の部品がフレームの片側に位置し、もう一方の部品がフレームの反対側かつその上に位置する、ツーピースの接続箱、(D)(パネルの正面側から見て)パネルの裏側上にいかなるワイヤも見えないこと、(E)自己整合デバイス、及び(F)パネルに機械的強度を提供するための、パネルの裏面の少なくとも1つの構造部材、のうちの1つ以上を特徴とする。一実施形態において、本発明のPVモジュールは、図4A〜Dでより完全に説明されるこれらの特徴のうちの2つ、または3つ、または4つ、または5つ、または6つ全てを特徴とする。
図4Aにおいて、PVモジュール54は、L字形フレーム55と、接続箱56A〜Dと、自己整合デバイス57A〜D(57B及び57Dだけが示される)と、構造ビーム58A〜Bとを備える。接続箱及び自己整合デバイスは、半フレームに一体化され、例えば、成形半フレームの部品である。一方の接続箱は、電気をモジュールに移動させ、もう一方の接続箱は、モジュールから電気を移動させる。図4B及び4Cで示されるように、一方のモジュールの整合デバイスは、隣接するモジュールの整合デバイスに連結される。一方の整合デバイス、例えば57Aは、雌型端部を装備し、一方で、もう一方の整合デバイス、例えば57Bは、雄型端部を装備する。デバイスは、一方のモジュールの雌型整合デバイスが隣接するモジュールの雄型整合デバイスに対向するように、各モジュール上に位置付けられる。雄型及び雌型整合デバイスは、ともに嵌合されたときに、隣接するモジュールを互いに対して所望の整合で係止する、スナップフィットユニオンを可能にするようにサイズ決定され、成形される。整合デバイスがともに係止されると、それらは、短いワイヤ、例えば図4Bの59を遮蔽し、該ワイヤは、1つのモジュールの1つの接続箱を、隣接するモジュールの1つの接続箱に接続する。
PVモジュール54はまた、構造ビーム58A及び58Bも装備する。一実施形態において、PVモジュールは、1つのビームを装備する。別の実施形態において、PVモジュールは、2つを超えるビームを装備する。一実施形態において、PVモジュールは、ビームを伴わない。構造ビームは、存在するときに、機械的強度を光起電力アレイに提供する。
図4Dで示されるように、構造ビームは、光起電力アレイの裏側に、かつモジュールの長端部内に位置付けられる。これらの構造ビームは、それぞれ、レール61A及び61Bに係合するようにサイズ決定され、成形され、よって、ビーム58A及び58Bは、レール61A及び61Bの上を、または該レール内を摺動する。構造ビーム58A〜B及びレール61A〜Bはどちらも、一般的に、管状であり、また、開口を備え、該開口は、一方がもう一方の上に整合されたときに、ピンまたは他の係止デバイス62A〜Dを両構造体の中へ挿入し、したがって、固定位置で一方をもう一方に係止することを可能にする。このレールは、一般的に、C字形状を有し、すなわち、レールの片側が構造ビームを受容するように開いているが、該開口部は、ビームを、レール端部に挿入するか、またはレール端部間のある領域からではなく、レール端部から取り外さなければならないようにサイズ決定される。この特徴は、PVモジュールをアレイラックまたは他のフレームに取り付けるためのねじ、ボルト、及び同類のものに対する必要性を削減または排除し、また、自己整合デバイス及び一体化接続箱によって、組み立てる時間及び労力を削減する。
フレームの組み立ては、迅速かつ簡単である。L字形フレームは、開口側を上にして平坦面上に敷設され、すなわち、L字の一方の脚部が表面に平行に接し、L字のもう一方の脚部が垂直に上方に延在する。シーラーをフレームの内部及び/または光起電力アレイパネルの縁部に塗布し、次いで、シーラーがパネル縁部とフレームとの間にあるように、パネルをフレームの開口の中へ挿入する。次いで、パネルがフレームに確実に固定されるように、シーラーを硬化させる。
次いで、構造ビームをフレームに挿入し、任意の好都合な方法、例えば、機械的締結具、圧縮嵌め、接着剤等によって固定し、次いで、組み立てたモジュールをレールの上へ摺動させる。モジュールは、整合デバイス、軟質ワイヤ、例えば図4Bの49と連結される接続箱を使用してともにスナップフィットされるか、または、接続箱がそのような接続(図示せず)を装備する場合に、ともにスナップフィットされ、次いで、PVモジュールがスナップピンによってレールに固定される。
L字形フレームは、光起電力アレイの縁部とフレームとの間の空間を小さくする必要があるので、より小さい設置面積(例えば、2.5%以上)を有するPVモジュールの構築を可能にする。これは、モジュールの重量及び構造コストを削減する。
第3の実施形態:PVモジュール及びアンカーブロック
本発明の一実施形態において、PVモジュールフレームは(i)好ましくは一体化接続箱を有する、裏面シート、及び(ii)4つのコーナーコネクタによってともに矩形構成に接合される、4つの直線状側部フレームセグメントを備える。裏面シートは、ソーラーセル層によって積層することができる。PVモジュールは、クロスアンカーブロックを使用してアレイに固定することができる。
PVモジュール、フレーム、及び/またはアンカーブロックは、以下の特徴、
(A) モジュールが、(1)後方支持体、(2)前方支持体、(3)前方支持体と裏面支持体との間の吸収体層、及び(4)前方及び後方支持体ならびに吸収体層を取り囲むフレームを備え、該フレームは、4つのコーナーコネクタによってともに矩形構成に接合される、4つの直線状側部セグメントを備えること、
(B) 複数のフレームモジュールをアレイ状に組み立て、保持し、該アレイを支持体、例えば屋根またはコンクリート製支柱に固定するためのクロスアンカーブロック、
(C) 接続箱及び電気端子機能と一体化することができる、別個の構造裏面シート、
(D) 別個の構造裏面シート上の中空または中実のリブ、
(E) 垂直及び/または水平及び/または波状及び/または傾斜した及び/または格子状である、裏面シートリブパターン、
(F) ソーラーセルアレイパネルに積層される別個の構造裏面シート、
(G) アセンブリが、ソーラーセルアレイパネルを1つ以上のフレームレールの中へ摺動させることを必要とすること、
(H) フレームレールが、構造裏面シートを係合するためのチャネルを備えること、
(I) クロスアンカーブロックが、モジュールに係合し、保持するためのスナップフィット、及び/またはPVモジュールと支持体、例えば屋根、コンクリート製支柱等との間に空間を作成するステップを含むこと、
(J) コーナーコネクタとクロスアンカーブロックのスナップフィットとの一体化が、モジュール間及びモジュールの中での電気接続を提供するためにPVモジュール同士を接続してすぐに使えるようにするための電気接続機能を有し、例えば、PVモジュールをクロスアンカーブロックの中へ押し込んだ時点で、電流が一方のモジュールからもう一方に流れることができるように電気接続が作成されること、及び
(K) フレームのプラスチックが、熱可塑性または熱硬化性であり、1.5MPa〜30MPaまでヤング率を有すること、
のうちの1つ以上を特徴とする。
図5A〜Dは、本発明のこの実施例を例示する。第1のステップとして、ソーラーセルのアレイを備えるシートを構造裏面シートに積層することによって、ソーラーセルパネルを構築する。一実施形態において、構造裏面シートは、ソーラーセルが積層されるソーラーセルのシートに強度を与えるための、リブまたは補強部材(図示せず)を備える。図5Aは、ソーラーセルパネル63の、直線状側部フレームセグメント64A及び64Bの中への挿入を示す。積層ソーラーセルパネルは、ソーラーセルパネル及び構造シートの積層過程ならびにサイズ及び形状に応じて、単一または二重(またはより多くの)の縁部を有することができる。図5A及び5Bにおいて、積層ソーラーセルパネル63は、二重縁部を伴って示され、よって、直線状側部フレームセグメント64A及び64Bは、積層ソーラーパネル63の縁部に係合し、保持するための、二重チャネル65A及び65Bを備える。側部フレームセグメント64A及び64Bがパネル63の側縁部に取り付けられると、側部フレームセグメント66A及び66Bがパネル63に取り付けられる(図5C)。側部フレームセグメント66A及び66Bは、長さが短い点を除いて、側部フレームセグメント64A及び64Bと構造的に類似しているが、一実施形態において、図示しないが、これらのセグメントは、同じ長さのものであり、また、正方形の形状にともに接合される。側部フレームセグメント66A及び66Bは、パネル63に取り付けられ、それぞれ、最初に、コーナーコネクタ67A〜Dと嵌合される。これらのコネクタは、側部フレームセグメントの端部にぴったりと係合し、保持するようにサイズ決定され、成形される。コーナーコネクタがフレームセグメントに取り付けられると、これらのアセンブリ(例えば、図5Dの68)がパネル及びフレームセグメントにスナップ嵌めされて、フレームパネル69(図5C)を形成する。側部フレームセグメントは、中実または中空とすることができ、中空である場合は、空にするか、または満たすことができる。好ましい一実施形態において、側部フレームセグメントは、中空であり、固体で硬質(高弾性率)の発泡体(図示せず)が充填される。発泡体の挿入物は、重量比に対するフレームの剛性を高めることによって、剛性をフレームに与え、よって、より小さいフレームの使用を可能にし、よって、取り扱い及び据え付けを簡単にする。
コーナーコネクタの一実施形態は、図5E〜Gでより完全に説明される。図5E〜Fは、それぞれ、コーナーコネクタ67Aの外側の図及び内側の図を例示する。コーナーコネクタ67Aは、3つの主区間、第1のアーム71Aと、第2のアーム71Bと、中央本体71Cとを備え、2つのアームが本体から延在する。各アームは、側部または縁部フレームの端部に確実に係合し、保持するようにサイズ決定され、成形され、また、それぞれ、構造裏面シートの底面を静置することができる棚部72Aまたは72Bを備える。中央本体71Cは、側部及び縁部フレームの対応するチャネルとまだ係合していないソーラーパネル及び構造裏面シートの一部に係合し、保持するための、チャネル73A及び73Bを備える。中央本体71Cの外側には、図5H〜Jで説明されるクロスアンカーブロックに係合するための、挿入タブ74A及び74Bが位置付けられる。コーナーコネクタは、一般的に、単一のプラスチック製成形部品で構成され、全般的に、ソーラーパネルの中の全てのコーナーコネクタは、組成物及び構造が同じである。直線状側部フレームセグメントと同様に、コーナーコネクタは、中実または中空とすることができ、中空である場合は、空にするか、または満たすことができる。好ましい一実施形態において、コーナーコネクタは、中空であり、固体で硬質(高弾性率)の発泡体(図示せず)が充填される。発泡体の挿入物は、重量比に対するコネクタの剛性を高めることによって、剛性をコネクタに与え、よって、より小さいコネクタの使用を可能にし、よって、取り扱い及び据え付けを簡単にする。
図5Gは、縁部フレーム及び積層ソーラーパネルと係合するコーナーコネクタの切断図を提供する。この図において、ソーラーセルアレイパネル75は、リブ77A〜Bを備える構造裏面シート76に積層される。積層ソーラーパネルは、フレーム78のチャネル内でその端部が保持され、積層ソーラーパネルの端部は、中央本体71Cの対応するチャネル内で保持される。
図5H〜Jは、屋根頂部または類似の構造体へのこの実施形態のソーラーパネルアレイの据え付けを例示する。図5Hにおいて、アンカーブロック79は、ソーラーパネル69のコーナーコネクタ67Bと係合する。アンカーブロック70は、十字の一般的形状を有し、その各アームは、コーナーコネクタの中央本体の挿入タブ(例えば、74A)を受容し、確実に保持するようにサイズ決定され、成形される、キャビティ(例えば、81)を備える。図5Hで例示されるように、タブ及び空洞は、台形の一般的形状を有し、後方から前方を持ち上げずにアンカーブロックからコーナーコネクタが外れるのを阻止するために、十字のアームに対してより幅の広い区間を有する。挿入タブを受容するためのアンカーブロック上の空洞は、ブロック上に位置付けられ、よって、ソーラーパネル及びそれが載置される表面の下に空間が作成され、よって、パネルの下を空気が流れることを可能にし、したがって、パネルから周囲への熱伝達を促進する。
屋根または他の表面へのソーラーパネルアレイの据え付けでは、最初に、アンカーブロックを所望のパターンでレイアウトし(例えば、図5I)、次いで、簡単に、パネルの各コーナーをアンカーブロックの中へ位置付けることによってソーラーパネルアセンブリを適所にスナップ嵌めし、そして、パネルの各コーナーに圧力を印加して、パネルをブロックの受容四半部へスナップ嵌めする(図5J)。代表的なソーラーパネルアレイは、標準的な格子の形態をとるが、該アレイは、任意の所望の構成、例えば、三角形、ダイヤモンド形、円形等をとることができる。
第4の実施態様:PVモジュールフレーム
本発明の一実施形態において、PVモジュールは、アングルコーナーコネクタを備える。このコネクタは、十分な強度及び剛性、ならびにすっきりとした外観をPVモジュールに与え、一方で、モジュールの簡単な組み立てをもたらす。
この実施形態は、図6A〜Iで例示される。図6Aは、フレーム区間83A〜D及びソーラーセルアレイ84を備える、PVモジュール正面側82Aを示す。図6Bは、フレーム区間83A〜D及びコーナーコネクタ85A〜Dを備える、PVモジュールの背面側82Bを示す。
任意の所与のPVモジュールのコーナーコネクタの全ては、本質的に、サイズ、形状、及び機能が同じである。図6C〜Dで示されるように、コーナーコネクタ、例えば85Aは、L字形状であり、第1及び第2の脚部86A〜Bが直角区間87A〜Bによって接合される。各脚部の外面上には(図6C)、コネクタをフレーム区間に接合するためのタブ(88A、88B)がエンボス加工されるか、または別様には携持される。図6Cで示されるように、タブは、I字形状であるが、他のタブ形状、例えば、十字(+)、プラス/マイナス記号(±)を用いることもできる。タブのクロスバーは、タブを携持するコネクタ脚部から離間され、タブは、一般的に、及び好ましくは、タブを携持する脚部よりも小さいサイズである。
コネクタ上のタブは、フレームの区間によって受容され、保持されるようにサイズ決定され、成形される。各フレーム区間は、サイズ及び形状がコネクタのタブに対応する2つのスロットまたは他の開口(各端部上に1つ)を有し(例えば、図6E、スロット88C)、スロットの長さは、タブの長さよりも長く、よって、タブをスロットの中へ挿入するときに下方向に移動させることを可能にし、よって、タブのクロスバーは、スロットのクロスバーとそれ以上整合しない。各コネクタ上のタブは、同じサイズ及び形状のもの、または異なるサイズ及び/または形状のものとすることができ、一般的に、及び好ましくは、同じサイズ及び形状のものとすることができる。
図6F〜Hは、コーナーコネクタがPVモジュールフレームの2つの区間を連結または接合する様式を例示する。図6Fは、対応するスロットの中へ挿入されるタブを示し、図6Gは、次いで、スロットの下方に摺動させたタブを示し、よって、タブのクロスバーは、スロットのクロスバーとそれ以上整合せず、よって、フレームに対してタブを適所に係止する。この手順は繰り返され、フレームセクションが、コネクタが既に取り付けられたフレームセクションに接合されて、図6Hで示されるように、2つのフレーム区間をPVモジュールに接続する。
2つのフレーム区間、例えば83B及び83Cとコーナーコネクタ(フレーム83B及び83Cの内部にあり、したがって、示されない)との接合によって、PVモジュールのコーナーが形成されると、そして、一般的に、PVモジュールソーラーアレイパネル及び存在する場合は構造裏面シートがフレームの中へ挿入された後に、コーナーの継ぎ目の外側をレーザー89または類似するツールを使用して溶接する(図6I)。
第5の実施形態:PVモジュールフレーム
本発明の一実施形態において、PVモジュールは、ヒンジ及びスナップ嵌めの特徴を有するフレーム構造を備える。本モジュールは、(i)一体化ヒンジ付フレームカバーを有する一体成形部品のフレーム、(ii)ソーラーセルアレイパネルを支持するための、フレーム縁部上の縁部ステップ、(iii)スナップフィットカバー、及び(iv)フレーム縁部上の一体化接続箱を特徴とする。ヒンジ付きフレームカバーは、フレーム底部とスナップ嵌めし、一体または多重のセグメントとすることができ、一体の場合、すなわち、単一成形部品である場合、フレームとともに、またはフレームとは別に成形することができる。この実施形態の設計は、多重部品構造の曲げ強度よりも良好な曲げ強度、組み立ての複雑さ及び時間の削減、カバー及びフレームの別々の製造と比較して製造コストの削減、及びフレームに対するソーラーパネルアレイの固定の支援をもたらすことができる。
図7A〜Bは、ヒンジ及びスナップフィット構造を有する、この実施形態の一体化PVモジュールを例示する。図7Aは、ソーラーセルアレイパネル84を備える、組み立てた(閉じた)PVモジュール91Aを示す。ヒンジ付頂部フレームカバー92A〜Dは、フレーム底部93A〜D(93A及び93Cは示さず)を覆って閉じられる。図7Bは、頂部フレームカバー92A〜Dを開き、ヒンジセット94A〜D、及びフレーム底部93A〜D(93A及び93Cは示さず)を有する、分解した(開いた)PVモジュール91Bを示す。
図7C〜Dは、フレーム/カバーのスナップフィットの一実施形態の例示である。図7Cは、フレームカバー/底部フレームを開いたアセンブリを示す。フレームカバー92Aは、フィンガー96Aを装備するプランジャ95Aを装備する。プランジャ95Aは、フレームカバー92Aに対してサイズ決定され、成形され、及び配置され、よって、ウェル97Aに進入することができ、フィンガー96Aは、ウェル97A内に位置するフィンガー98Aに係合することができる。フィンガー96A及び98Aは、それぞれ、プランジャ95A及びウェル97Aに対して成形され、サイズ決定され、及び配置され、よって、フレームカバー92Aがフレーム底部93Aを覆って閉じたときに、フィンガーは、プランジャ95Aをウェル97A内で確実に保持するように相互係止する。フレーム底部93Aは、ソーラーセルアレイパネル84を静置することができる棚部またはレッジ99Aを備え、フレームカバー92Aは、十分に長く、フレーム底部93Aを覆って閉じたときに、(フレームカバー92Aは、)棚部99A上に静置されるソーラーセルアレイパネル84の縁部を覆って延在する。フレームカバー92Aは、ヒンジ94Aによってフレーム底部93Aに接続される。図7Dは、組み立てたまたは閉じた状態のフレームカバー92A/フレーム底部93Aの構造を示す。
図7E〜Fは、図7C〜Dの代替の実施形態を示す。この代替の実施態様において、プランジャ95A上のフィンガー96Aは、プランジャ95B上のプランジャヘッド96Bと置き換えられる。ウェル97Aの形状は、プランジャヘッド96Bを受け、保持するようにフレーム底部93Bに対してサイズ決定され、成形され、位置するウェル97Bに変更される。代替のプランジャ及びウェルの形状は、本発明の実践において使用することができる。
PVモジュール91Aの組み立ては、簡単かつ迅速である。底部フレーム93A〜Dは、本明細書の他の部分で説明される様式等の任意の好都合な様式で所望の構成に組み立てられる、単一の一体化部品として、または別々の部品として成形することができる。フレームカバー92A〜Dはまた、フレーム底部93A〜Dを伴う単一の一体化構造体(フレームカバーがフレーム底部にヒンジで連結される、好ましい構造体)の一部として成形することもでき、またはフレームカバーは、構築過程中に別々に取り付けられる別々の部品に成形することができる(この実施形態において、ヒンジは、構造体の部品ではない)。組み立ては、簡単に、パネルの各縁部が対応するフレーム縁部上に載置されるように、フレームに対してサイズ決定されるソーラーセルアレイパネルをフレーム底部の上へ配置し、次いで、パネルのこれらの縁部を覆ってフレームカバーを閉じ、よって、プランジャがその対応するウェルに進入し、係合する。本発明の一実施形態において、フレーム底部93A〜Dのうちの1つ以上は、本明細書においてさらに説明される一体化接続箱を備える。
第6の実施形態:PVモジュールフレーム
本発明の一実施形態において、PVモジュールは、ブロー成形過程によって製造される。この過程は、複雑な形状を有する中空部品の製造を可能にし、構造裏面シート及び接続箱の一体化を可能にし、また、重量比に対する高い剛性を提供する(これは、モジュールの重量を、したがって、コストを削減する)。
この実施形態の過程は、高剛性で低収縮の複合体を生成するために、熱可塑性オレフィン(TPO)に長ガラス繊維を充填するステップを含む。TPO複合体は、UV安定剤、色素または染料、抗酸化剤、及び成核剤が挙げられるが、それらに限定されない添加剤と化合される。TPO複合体はまた、PVモジュールが動作中に熱を放出し、したがって、セルの効率を最大にすることを確実にするために、放射を介してエネルギーを放出する充填剤も含有し得る。これらの冷却粒子は、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、及び同類のものを含むことができる。
TPO複合体は、図8A〜Cで説明されるような一体化したフレーム及び裏面シートを生成するために、従来のブロー成形装置及び条件を使用して押し出される。次いで、ソーラーセルアレイパネルをフレームの中へ挿入し、そして、防水システムを確保するために、エラストメリックシーラントを塗布する。
図8Aは、ソーラーセルアレイパネル84が載置される、ブロー成形した中空プラスチックフレーム102を備える、PVモジュール101の正面側を示す。パネルは、エラストメリックシーラント(図示せず)によってフレーム上の適所で密閉され、該シーラントは、パネル及びフレームの縁部によって形成される継ぎ目に塗布される。
図8Bは、一体化裏面シート103を有するプラスチックフレーム102と、一体化接続箱カバー106を有する一体化接続箱105とを備える、PVモジュール101の背面側を示す。裏面シートは、一体化長さリブ104Aと、一体化幅リブ104Bとを備える。本明細書で使用されるときに、「一体化」は、互いに対して別途取り付けられる別個の部品とは対照的に、全ての構成要素、すなわち、フレーム、リブを有する裏面シート、接続箱、及びカバーが、単一の成形された部品であることを意味する。
図8Cは、図8AのPVモジュールの横断区間を示す。この図で分かるように、プラスチックフレーム102及び長さリブ104A及び幅リブ104Bはどちらも、それぞれ、中空である。
オーバーモールドフレームを生成するための射出成形過程
本発明の一実施形態において、PVモジュールは、オーバーモールド過程を使用して生成される。この過程は、ワンステップであり、また、より良好な密閉性を有するフレームを生成する。PVモジュール、フレーム、及び/または過程は、以下の特徴、
(A) モジュールが、(1)裏面支持体、(2)前方支持体、(3)前方支持体と裏面支持体との間の吸収体層、及び(4)フレームが、(i)裏面支持体、及び(ii)一体化フレームと積層体との間の中間層と一体化されるように、裏面支持体及び正面支持体、ならびに吸収体層を取り囲む、一体化フレームを備えること、
(B) フレームが、ワンステップのオーバーモールド過程を介して作製されること、
(C) フレームが、単一の一体成形された部品であり、したがって、モジュールの組み立てを簡単にすること、
(D) フレームが、構造プラスチック裏面シートと一体化されること、
(E) フレームが、接続箱及び/または電気端子箱と一体化されること、
(F) フレームが、接続箱カバーと一体化されること、
(G) フレームが、その縁部を密閉するための接着剤を必要とせず、したがって、モジュールセルのためのより良好な密閉を提供すること、
(H) 中間層が、熱可塑性または熱硬化性であり、また、オーバーモールド材料及び積層材料と合致する、ある特定の線熱膨張係数(CLTE)を有すること、
(I) インターレイが、前方支持体及び吸収体層とともに積層されるか、または接着剤によって前方支持体及び吸収体層と接着されること、及び/または
(J) フレームのプラスチックが、熱可塑性または熱硬化性であり、1.5MPa〜30MPaのヤング率を有すること、
のうちの1つ以上を特徴とする。
図9A〜Fは、本発明の一実施形態を説明する。図9Aは、ソーラーセルアレイパネル84を示す。このパネルは、1つまたは複数のソーラーセルを備えることができ、また、は単一層または多層構造とすることができる。図9Bは、プラスチックフレーム108でオーバーモールドしたパネル84を備える、完成したモジュール107を示す。
図9Cは、金型底部109内のソーラーセルパネル84を示し、図9Dは、パネル84を覆うように金型カバー111が適所にある、図9Cの金型内のパネルを示す。図9Eは、プラスチックを注入してオーバーモールドプラスチックフレーム108を形成した後の、図9Dの閉じた金型を示す。図9Fは、金型カバー111及び金型底部109から離型した完成品107を示す分解図である。
第7の実施形態:PVモジュールフレーム
本発明の一実施形態において、PVモジュールの載置ラックは、モジュール自体に一体化される。この設計は、据え付けコスト及び時間の節約をもたらす。
図10A〜Fは、一体化ラックを有するPVモジュールに関する複数の変形例を示す。図10Aは、ヒンジ114A〜Dによってそれぞれフレーム115に取り付けられる延長したラック脚部113A〜Dを有する、モジュール112を示す。ラック脚部113A〜Bは、太陽に対するモジュール112の曝露を最適化するように、該モジュールに傾斜を提供するために、ラック脚部113C〜Dよりも長い。脚部113A〜Bと113C〜Dとの長さの差は、幅広く広く変化させることができる。ヒンジは、ラック脚部を延長した位置または折り畳んだ位置に保持するが、脚部を一方の位置からもう一方に移動させるときに解除することができる、解除可能なロック機能(図示せず)を有する。矢印116A〜Dは、脚部を移動させてそれらをモジュール112の裏面の中へ折り畳む方向を示し、図10Bは、脚部をモジュールの背面側に折り畳んだモジュールを示す。図10Bにおけるモジュールの構成は、保管及び輸送に十分に役立ち、スイングアウトする性質の脚部は、屋根または支柱への簡単な据え付けに役立つ。
図10C〜Eは、この実施形態の別の変形例を示す。図10C〜Dは、フレーム115の外に、かつモジュール112の裏面に対してではなく、フレーム115のチャネル117A〜Dの中へそれぞれ折り畳まれたラック脚部113A〜Dを示す。図10Eは、側部アーム118B及び118D(側部アームA及びCは示さず)によって適所に係止した、延長した脚部を示す。脚部及び側部アームは、脚部をフレームのチャネルの中へ折り畳むことを可能にするために、ヒンジ(図示せず)を装備する。
図10Fは、後方ラック脚部のそれぞれの高さを調整することを可能にするために、後方ラック脚部113A〜Bが伸縮構造である、別の変形例を示す。この設計の脚部は、それぞれ、脚部を所望の高さに係止するための手段119A〜Bを装備する。これらの手段としては、スナップ留めスリーブ、ペグ、及び穴、ならびに、種々の圧縮構造物、例えばねじりリングが挙げられるが、それらに限定されない。
第8の実施形態:PVモジュールフレーム
本発明の一実施形態において、PVモジュールは、ソーラーパネルアセンブリを挿入することができる、1つの縁部上の閉じることができる入口を有する、ワンピースの一体化したフレームを特徴とする。フレームは、アセンブリのための4つの縁部支持体を提供し、アセンブリをフレームの中へ挿入する入口ポートを、一般的にスナップフィットの蓋によって、閉じて、密閉することができる。
PVモジュールは、以下の特徴、
(A) 裏面支持体、正面支持体、及び正面支持体と裏面支持体との間の吸収体層を備え、1つのフレームがアセンブリを取り囲む、ソーラーパネルモジュール、
(B) ワンピースの一体化成形されたフレーム、
(C) フレームに一体化された接続箱、
(D) アセンブリをフレームの中へ挿入することができる、フレームの一端部上の入口、
(E) フレームの中への入口は、スナップフィット閉鎖具による密閉ブロックまたは蓋によって閉じることができ、該蓋は、フレームにヒンジで結合することができ、またはフレームから取り外すことができること、
(F) フレームの閉じた蓋と挿入したアセンブリとの間のシーラント位置であって、一般的に、アセンブリがフレームに挿入された後、かつ蓋が閉じられる前に、十分なシーラントが塗布されること、
のうちの1つ以上を特徴とする。
挿入したアセンブリを覆って確実に蓋を閉じるために、十分なシーラントが塗布される。一実施形態において、シーラントはまた、フレームの上部分と下部分との間の接着剤としての役割も果たす。シーラントの組成物は、本発明の実践には重要でない。
フレームの組成物は、好都合に変更することもでき、また、熱可塑性または熱硬化性材料とすることができる。一般的に、フレームが処方される材料は、1.5MPa〜30MPaのヤング率を有し、該ヤング率は、繊維(例えば、ガラス繊維、炭素繊維等)を処方に含むことによって強化することができる。組成物は、抗酸化剤、UV安定剤、色素、染料、成核剤、難燃性剤、及び同類のもの等の種々の添加剤によって強化することができる。組成物はまた、モジュールが動作中に熱を放出し、セルの効率を最大にすることを確実にするために、1つ以上の充填材も含有することができる。これらの充填剤としては、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ホウ素、及び同類のものが挙げられる。
一体成形した部品設計によって、この実施形態のPVモジュールフレームは、曲げ/撓みに対する良好な抵抗力を提供し、一体化接続箱によってモジュールの組み立てを軽減し、また、ソーラーパネルアセンブリの簡単な挿入を提供する。
図11Aは、本発明のこの実施形態の1つのPVモジュールアセンブリの分解図である。PVモジュールフレーム120は、一体化接続箱121、トラック122、及び入口ポート123を備える、一体化した単一成形部品である。トラック122及び入口ポート123は、ソーラーパネルアセンブリ124を受容し、保持するようにサイズ決定され、成形される。PVモジュールのアセンブリにおいて、ソーラーパネルアセンブリ124は、運動矢印125で示されるように、入口ポート123の中を通って挿入され、よって、パネルの縁部がトラック122に係合し、該トラックによって保持される。アセンブリがフレーム内にある時点で、入口ポートを覆ってシーラント(図示せず)が塗布され、密閉ブロック(または蓋)が、運動矢印126で示されるように、フレームの中へ挿入される。組み立てたPVモジュール127は、図11Bで示される。
図11Cは、フレームの中へ挿入した密閉ブロック、及びソーラーパネルアセンブリを例示する。ソーラーパネルアセンブリ124は、正面または頂部支持体124Aと、裏面または底部支持体124Bと、吸収体パネル(すなわち、ソーラーセルアレイ)124Cとを備える。アセンブリは、トラック122にぴったりと嵌合し、該トラックによって携持され、該トラックは、上部トラック面122A及び下部トラック面122Bのそれぞれによって画定される。トラック面122A〜Bは、アセンブリ124の外縁部と密閉ブロック125との間に位置付けられるシーラント129によって、密閉ブロック125をスナップフィット閉鎖具に確実に係合するようにサイズ決定され、成形される。
第9の実施形態:PVモジュール
本発明の一実施形態において、PVモジュールは、底部スキン及び複数の離間された支持脚部を備える裏面パネルを特徴とする。脚部は、PVモジュールの冷却を支援する開いたチャネルまたはチムニーを作成する様式で、光起電力積層体の底面に取り付けられる。図12は、裏面パネルの実施例を示す。
PVモジュールは、以下の特徴、
(A) 裏面パネルは、底部スキン及び複数の離間された支持脚部を備える。一般的に、裏面パネルは、単一の一体化成形プラスチック部品である。裏面パネルは、脚部を光起電力積層体の底面に接着すること、例えば糊付けすることによって、PV積層体に取り付けられる。
(B) 裏面パネルは、一般的に、繊維強化ポリマーで作製される。繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、バサルト繊維、ケブラー繊維、粗紡の高強度ポリマー繊維、マット組紐もしくは織布地、及び/またはそれらの2つ以上の組み合わせとすることができる。底部スキンは、最適な材料使用量で最大の剛性及び強度を与えるように設計することができる。例えば、底部スキンの外部層は、繊維マットまたは織った繊維強化ポリマーで作製することができる。
(C) 裏面パネルは、押出過程によって作製することができる。連続繊維または繊維マットが裏面パネルに組み込まれる場合は、引抜きによって作製することもできる。
(D) パックパネルの光起電力モジュールへの取り付けによって形成されるチャネルまたはチムニーは、ベントとしての役割を果たし、光起電力モジュールから熱を除去することができ、一般的に、従来のPVモジュール構造物よりも高い効率を有する。より低い温度で動作する能力によって、PVモジュールは、より効率的に電力を生成することができる。
(E) モジュール縁部のチャネルは、小さくて薄い接続箱を保持することができ、縁部の脚部は、機械加工して穴を作製して、電気ケーブルまたは他のケーブルが、接続箱または他のPVモジュール構造体と接続するために、縁部の脚部を通ることを可能にすることができる。
(F) 一部のチャネルのスキンは、モジュールを固定するための穴または係止機構を作製することを可能にするために、他のスキンよりも厚くすることができる。
(G) 裏面パネルは、いくつかの用途においてラックの使用量を削減または排除するために、及び/または正面ガラスプレートの厚さを削減するために、十分に強くすることができる。
(H) 裏面パネルの個々のチャネルの幅は、変化させることができる。例えば、PV積層縁部に対する支持を高めるために、モジュール縁部でより小さい幅のチャネルを使用することができ、一方で、ベント容量を高めるために、より大きい幅のチャネルを内部で使用することができる。
のうちの1つを特徴とする。
図12は、この実施形態のPVモジュールの分解図を例示する。裏面パネル130は、複数のチャネルまたはチムニー133を形成するように離間される複数の一体的な脚部131を有する、裏面スキン132を備える。脚部131は、一般的に、及び好ましくは、同じサイズ(高さ、長さ、及び厚さ)及び形状であるが、該脚部の数は、好都合に変化させることができる。一方からもう一方への脚部の間隔も変化させることができ、したがって、一方からもう一方へのチャネルのサイズを変化させることができる。裏面パネル131は、任意の従来の方法によって、一般的には、各脚部の頂部に接着剤を塗布し、次いで、十分な温度及び圧力下で、及び接着剤を硬化させるのに十分な時間の長さにわたって、脚部をPV積層体134に接触させることによって、PV積層体に取り付けられる。
積層工程
本発明の一実施形態では、単一のステップで、複数のPVモジュール層が、一体化フレーム及び構造裏面シートに積層される。複数のPVモジュール層は、頂部の透明ポリマーまたはガラス層、カプセル化層、及びシリコン層を備える。カプセル化層は、一般的に、エチレン酢酸ビニル(EVA)等のポリマーを含む。積層は、積層デバイスにおいて、及び圧力または真空条件下で行われる。積層の後に、ソーラーセル層の縁部を密閉するために、接着剤、例えばシリコーンゴムが塗布される。
複数のPVモジュールのカプセル化過程は、材料のシートをガラスの上へ配置するステップと、次いで、それを予め分類し、接続したソーラーセルの上へ配置するステップとを含む。次いで、別のシート状カプセル化層がその上に配置され、続いて、最終構造裏面シートが、ソーラーパネルの裏面でモジュールフレームと一体化される。次いで、完成した積層体を積層機械の中へ配置し、該機械でカプセル化材料を溶融させる最適な温度まで加熱する。一実施形態では、積層過程を促進するために、過剰圧力が積層体に印加される。一実施形態では、次いで、加熱過程中に閉じ込められた任意の気泡を除去するために、真空が適用され、ガラス表面に接着された、密閉されたソーラーセルアレイをもたらす。この過程は、モジュール組み立て過程のサイクル時間を短縮するために、フレームを伴う構造裏面シートをセル層の上へ積層する。
結果として生じる積層生成物は、従来作製されているPV製品と比較して、向上した曲げ強度を呈する。PV積層体をフレームに接合するこのワンステップ過程は、製品、すなわち、PVモジュールの組み立て過程を軽減する。裏面シート上にリブを含むことによって、PVモジュールは、望ましい曲げ及びねじりの剛性及び強度を呈する。好ましい一実施形態において、接続箱は、裏面シート構造の中へ一体化される。
原材料
表1は、これらの実施例において使用される材料を報告する。
調合過程
FRマスターバッチの調製
FR添加剤、抗酸化剤、UV−安定剤、カラーマスターバッチ、ENGAGE8200、及びSK B391Gを、高速ミキサーにおいて毎分900回転(rpm)で3分間、予混合する。混合物を、ZSK40押出機(L/D=48)の主送給口に送給する。スクリュー速度は、250rpmに設定し、バレル温度は、190〜200℃に設定する。送給速度は、毎時30キログラム(kg/h)である。配合中に材料を保護するために、窒素流入口を第2の区間に使用する。揮発物を除去するために、真空を開放する。ストランドは、水で冷却し、次いで、ペレットに切断する。
ガラス繊維/IPPマスターバッチの調製
PP樹脂及び400〜800ppmのDPO−ビスルホニルアジドカップリング剤、及びガラス繊維を、50:50の重量比で、処方に従ってZSK40(L/D=48)押出機の中央ポートに送給する。ガラス繊維は、区間5のベントポートの中へ送給する。スクリュー速度は、250rpmに設定し、バレル温度は、190〜200℃に設定する。送給速度は、40kg/hである。揮発物を除去するために、真空を開放する。ストランドは、水で冷却し、次いで、ペレットに切断する。
射出成形
GF強化IPPマスターバッチペレット及びFRマスターバッチを、50:50の重量比で、射出成型装置の中へ送給する。バレル温度は、70℃、190℃、200℃、200℃、及び200℃に設定する。金型温度は、30℃である。機械試験、電気試験、及びFR試験のためのASTM標準試験片をFANUC製機械において射出成形する。
試験
機械的性能
引張強度及び曲げ強度の試験は、ASTM D638に従って、INSTRON5565によって行う。
アイゾット衝撃試験は、ASTM D256に従って、CEIST6960上で行う。
UL94
UL94垂直燃焼性試験は、ASTM D3801に従って、UL94チャンバによって行う。
UV曝露
1000時間のUV曝露は、IEC61215に従って、Q−labによるQUVによって行う。
結果
表2は、異なるガラス繊維強化IPP複合体の性能を報告する。膨張性FR系50A−2の追加は、FRの性能を飛躍的に高める。20%の50A−2(本発明の実施例1)に関して、複合体は、UL94 V−0(3.2mm)を達成することができ、また、比較実施例1と比較して、機械的性能及び耐候性に対して良好なバランスを示す。25%の50A−2(本発明の実施例1)に関して、複合体は、UL94 V−0(1.6mm)を達成することができる。対照的に、40%のMg(OH)2(比較実施例2)に関して、複合体は、UL94 V−0(3.2mm)の試験で不合格になる。