JP6564840B2 - 透湿性濾材 - Google Patents

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Description

本発明は、透湿性を有する濾材に関し、特にPTFE多孔質膜を用いて形成されたものに関する。
従来から、湿度の異なる二つの気体が透湿性を有する濾材(透湿性濾材)を介して隣り合うように配置されることで、湿度の高い方の気体から湿度の低い方の気体へ、透湿性濾材を介して湿気(水蒸気)を移動させ、双方の気体の少なくとも一方の湿度を調整する方法が知られている。例えば、透湿性濾材を用いて形成された袋体の中に吸着材が収容されて構成された部材を用いる方法が知られている(特許文献1参照)。
斯かる部材の内側の空気は、吸着材によって水蒸気が吸着されるため、袋体の外側の空気よりも湿度が低くなる。これにより、外側の空気の水蒸気が透湿性濾材を透過して袋体の内側に侵入し、吸着材に吸着されることになる。つまり、斯かる部材が所定の空間に配置されることで、斯かる空間の空気(袋体の外側の空気)の湿度を調整(調湿)することが可能となる。
上記のような透湿性濾材としては、水蒸気が透過可能であると共に、透湿性濾材を介して隣り合う空間を良好に仕切れることが必要となる。このような透湿性濾材を構成する素材としては、ポリテトラフルオロエチレンの多孔質膜(以下、PTFE多孔質膜とも記す)が用いられる。斯かるPTFE多孔質膜は、良好な透湿性を有することが知られている。このため、湿度の異なる二つの気体がPTFE多孔質膜を介して隣り合うように配置されることで、斯かる二つの気体を区別しつつも、湿度の高い方の気体から湿度の低い方の気体へ水蒸気を移動(透湿性濾材を透過して移動)させることが可能となる。
特開平11−57377号公報
ところで、上記のようなPTFE多孔質膜は、比較的に厚みが薄く、コシがないため、PTFE多孔質膜のみを透湿性濾材として用いることは、ハンドリングが悪い。このため、ある程度の厚みの通気性シートをPTFE多孔質膜に積層することで、ハンドリング性の良い(コシのある)透湿性濾材が提供されている。
しかしながら、斯かる透湿性濾材は、PTFE多孔質膜に通気性シートが積層されているため、PTFE多孔質膜のみよりも厚みが厚くなる。ここで、透湿性濾材の透湿性(一方面側から他方面側への水蒸気の移動度)は、濾材の厚みに反比例するため、斯かる透湿性濾材は、PTFE多孔質膜単体よりも透湿性が低いものとなる。このため、斯かる透湿性濾材では、一方の面側から他方の面側への水蒸気の透過が効果的に行われなくなる。
そこで、本発明は、PTFE多孔質膜に通気性シートが積層されてなる透湿性濾材であって、PTFE多孔質膜自体の透湿性に比べて、透湿性の低下が抑制された透湿性濾材を提供することを課題とする。
本発明に係る透湿性濾材は、シート状に形成されて一方の面側から他方の面側に向かって水蒸気を透過可能に構成された透湿性濾材であって、疎水性を有する疎水性層と親水性を有する親水性層とが接触するように積層されて親水性層によって前記一方の面が形成され、疎水性層によって前記他方の面が形成されており、疎水性層がPTFEを用いて形成されたPTFE多孔質膜から構成されると共に、親水性層が通気性を有する通気性シートから構成されており、疎水性層は、吸水率が0.01%未満であり、親水性層は、吸水率が0.03%以上1.6%以下であり、親水性層側から疎水性層側へ向かって水蒸気が透過するように構成されることを特徴とする。
斯かる構成によれば、湿度の異なる二つの気体が透湿性濾材を介して隣り合うように配置された際に、透湿性濾材の一方の面側から他方の面側に向かって水蒸気が透過することになる。この際、疎水性層又は親水性層の何れか一方がPTFE多孔質膜から構成されると共に、疎水性層又は親水性層の何れか他方が通気性シートから構成されることで、疎水性層内の水蒸気量と親水性層内の水蒸気量との差が生じることになる。そして、斯かる水蒸気量の差によって、透湿性濾材の一方の面側から他方の面側への水蒸気の透過速度が増加する。これにより、PTFE多孔質膜に通気性シートが積層されることによって生じる透湿性の低下を抑制することができ、良好な透湿性を有する透湿性濾材を得ることができる。
前記通気性シートは、不織布を用いて形成されており、該不織布は、厚みが20μm以上1000μm以下であることが好ましい。
従来、上記のような構成の不織布がPTFE多孔質膜に積層されて透湿性濾材が形成された場合、斯かる透湿性濾材は、PTFE多孔質膜単体の透湿性よりも透湿性が著しく低下することになる。しかしながら、本願発明のように、親水性層又は疎水性層の何れか一方がPTFEを用いて形成されたPTFE多孔質膜から構成されると共に、親水性層又は疎水性層の何れか他方を構成する通気性シートとして上記のような不織布が用いられることで、PTFE多孔質膜に通気性シートが積層されることによって生じる透湿性の低下を抑制することができ、良好な透湿性を有する透湿性濾材を得ることができる。
前記疎水性層と親水性層とが接触するように積層されて構成される。
斯かる構成によれば、疎水性層と親水性層とが接触することで、親水性層と疎水性層との間に他の層が介在する場合よりも、親水性層と疎水性層との距離が近くなる。このため、親水性層と疎水性層との水蒸気の濃度差による水蒸気の移動がより迅速に行われる。このため、PTFE多孔質膜に通気性シートが積層されることによって生じる透湿性の低下をより抑制することができ、良好な透湿性を有する透湿性濾材を得ることができる。
以上のように、本発明によれば、PTFE多孔質膜に通気性シートが積層された状態であっても、PTFE多孔質膜自体の透湿性に比べて、透湿性の低下を抑制することができる。
本願発明の実施形態に係る透湿性濾材の断面図。
以下、本発明の実施形態について図1を参照しながら説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
本実施形態に係る透湿性濾材1は、図1に示すように、シート状の形状を有するものである。そして、透湿性濾材1は、一方の面側から他方の面側に向かって水蒸気を透過可能に構成される。具体的には、透湿性濾材1は、疎水性を有する疎水性層2と親水性を有する親水性層3とが積層されて構成される。なお、親水性とは、各層を構成する素材(具体的には、樹脂自体)の吸水率が0.01%以上であることをいい、疎水性とは、各層を構成する素材(具体的には、樹脂自体)の吸水率が0.01%未満であることをいう。吸水率とは、ASTM規格 D570に準拠して、23度、24時間の条件で測定されるものである。
透湿性濾材1は、PTFEを用いて形成されたPTFE多孔質膜と通気性を有する通気性シートとから構成される。具体的には、疎水性層2又は親水性層3の何れか一方がPTFE多孔質膜から構成されると共に、疎水性層2又は親水性層3の何れか他方が通気性シートから構成される。つまり、疎水性層2がPTFE多孔質膜から構成される場合、親水性層3が通気性シートから構成され、親水性層3がPTFE多孔質膜から構成される場合、疎水性層2が通気性シートから構成される。以下では、疎水性層2がPTFE多孔質膜から構成され、親水性層3が通気性シートから構成される場合について説明する。
疎水性層2がPTFE多孔質膜から構成される場合、疎水性を有するPTFE多孔質膜が使用される。斯かるPTFE多孔質膜の吸水率としては、特に限定されるものではないが、0.01%未満であり、0%であることが好ましい。また、PTFE多孔質膜は、多孔質であると共に、透過流速5.3cm/secでの圧力損失が80mmHO以下であることが好ましい。また、PTFE多孔質膜は、透過流速5.3cm/sec、測定粒子径0.1μm以上0.2μm以下での捕集効率が好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上であり、PF値が22以上であることが好ましい。PTFE多孔質膜を形成する方法としては、例えば、下記の方法を採用することができる。
具体的には、PTFEファインパウダーに液状潤滑剤を添加してペースト状の混合物を形成する。液状潤滑剤としては、特に限定されるものではなく、混合物表面に適度な濡れ性を付与し得るものであればよく、抽出処理や加熱処理によって除去し得るものであれば特に好ましい。例えば、流動パラフィン、ナフサ、ホワイトオイルなどの炭化水素等が液状潤滑剤として用いられる。液状潤滑剤の添加量としては、特に限定されるものではなく、例えば、PTFEファインパウダー100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
そして、前記混合物を予備成形し、予備成形体を成形する。予備成形は、混合物から液状潤滑剤が分離しない程度の圧力で行うことが好ましい。次に、得られた予備成形体を押出成形や圧延成形することでシート状に成形する。その後、得られた成形体を一軸延伸又は二軸延伸することで多孔質化させてPTFE多孔質膜とする。なお、延伸条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、30℃以上400℃以下の温度環境で、延伸倍率が各軸1.5倍以上200倍以下であることが好ましい。また、延伸工程で焼成処理されない場合には、延伸工程後に融点以上の温度でPTFE多孔質膜を焼成することが好ましい。
親水性層3が通気性シートから構成される場合、親水性を有する通気性シートが使用される。通気性シートを構成する素材(具体的には、樹脂自体)の吸水率としては、特に限定されるものではないが、0.01%以上であり、0.03%以上2%以下であることが好ましく、0.3%以上1.6%以下であることがより好ましい。通気性シートとしては、特に限定されるものではなく、例えば、不織布や織布、ネット等を用いることができるが、不織布を用いることが特に好ましい。
また、PTFE多孔質膜(疎水性層2)と通気性シート(親水性層3)とを熱溶着(熱ラミネート)させる場合には、熱可塑性を有する素材からなる不織布を通気性シートとして用いることが好ましい。例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリアミド、ポリエステル、芳香族ポリアミド、アクリル、ポリイミド等の合成繊維、これらの複合材等から構成された不織布を通気性シートとして用いることが好ましい。
また、不織布としては、融点に差がある二成分を原料とする繊維からなるものであることが好ましい。例えば、芯部分と鞘部分とが融点の異なる成分から構成された芯鞘繊維で形成される不織布を用いることができる。芯鞘繊維から構成される不織布(通気性シート)としては、例えば、ポリプロピレン(PP)から形成される芯部分とポリエチレン(PE)から形成される鞘部分とを備える芯鞘繊維からなる不織布が挙げられる。そして、斯かる不織布は、PMMA処理されることで、鞘部分を形成するPEが親水性を有するものである。又は、ポリプロピレンテレフタレート(PET)から形成される芯部分とナイロン6(PA6)から形成される鞘部分とを備える芯鞘繊維からなる不織布が挙げられる。そして、斯かる不織布は、鞘部分を形成するPA6が親水性を有することで、親水性を有するものである。つまり、上記の不織布(通気性シート)の親水性は、鞘部分の構成に由来するものである。
なお、不織布を構成する繊維は、一成分から構成されるものであってもよく、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)の繊維から構成されてもよい。斯かる不織布は、EVAが親水性を有する素材であることで、親水性を有するものである。また、通気性シートの親水性は、通気性シートを構成する素材がプラズマ処理されることで親水性を有するように構成されてもよい。
通気性シートが不織布である場合、該不織布は、厚み(即ち、親水性層3の厚み)としては、特に限定されるものではなく、例えば、20μm以上1000μm以下であることが好ましく、50μm以上500μm以下であることがより好ましい。また、不織布の目付としては、2g/m以上200g/m以下であることが好ましく、10g/m以上100g/m以下であることがより好ましい。
疎水性層2と親水性層3とを積層して透湿性濾材1を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、通気性シート(好ましくは、不織布)を加熱して軟化させてPTFE多孔質膜と圧着(即ち、熱ラミネート)することで、疎水性層2と親水性層3とを積層する方法を採用することができる。又は、PTFE多孔質膜と通気性シートとの間にホットメルトや感圧型の接着剤を配置し、PTFE多孔質膜と通気性シートとを圧着することで、疎水性層2と親水性層3とを積層する方法を採用することができる。つまり、本願実施形態の透湿性濾材1は、疎水性層2と親水性層3とが積層されて接触した状態となる。
PTFE多孔質膜と通気性シートとを圧着する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、一対のローラー部材(図示せず)の間に、PTFE多孔質膜と通気性シートとを積層させつつ搬送し、PTFE多孔質膜と通気性シートとを連続的に圧着する方法を採用することができる。又は、一対のプレート(図示せず)間に、枚葉体状のPTFE多孔質膜および通気性シートを積層した状態で配置し、枚葉体毎に断続的に圧着を行う方法を採用してもよい。
上記のようにして形成される透湿性濾材1の厚みとしては、特に限定されるものではなく、例えば、0.02mm以上0.5mm以下であることが好ましく、0.07mm以上0.3mm以下であることがより好ましい。また、透湿性濾材1の透湿度としては、特に限定されるものではなく、例えば、一時間当たり150g/m以上175g/m以下であることが好ましく、160g/m以上170g/m以下であることがより好ましい。なお、透湿度とは、下記実施例に記載の方法で測定されるものである。
以上のように、本発明に係る透湿性濾材によれば、PTFE多孔質膜に通気性シートが積層された状態であっても、PTFE多孔質膜自体の透湿性に比べて、透湿性の低下を抑制することができる。
即ち、湿度の異なる二つの気体が透湿性濾材1を介して隣り合うように配置された際に、透湿性濾材1の一方の面側から他方の面側に向かって水蒸気が透過することになる。この際、疎水性層2又は親水性層3の何れか一方がPTFE多孔質膜から構成されると共に、疎水性層2又は親水性層3の何れか他方が通気性シートから構成されることで、疎水性層2内の水蒸気量と親水性層3内の水蒸気量との差が生じることになる。そして、斯かる水蒸気量の差によって、透湿性濾材1の一方の面側から他方の面側への水蒸気の透過速度が増加する。これにより、PTFE多孔質膜に通気性シートが積層されることによって生じる透湿性の低下を抑制することができ、良好な透湿性を有する透湿性濾材1を得ることができる。
具体的には、従来、上記のような構成の通気性シート(不織布)がPTFE多孔質膜に積層されて透湿性濾材1が形成された場合、斯かる透湿性濾材1は、PTFE多孔質膜単体の透湿性よりも透湿性が著しく低下することになる。しかしながら、本実施形態のように、親水性層3又は疎水性層2の何れか一方がPTFEを用いて形成されたPTFE多孔質膜から構成されると共に、親水性層3又は疎水性層2の何れか他方を構成する通気性シートとして上記のような不織布が用いられることで、PTFE多孔質膜に通気性シートが積層されることによって生じる透湿性の低下を抑制することができ、良好な透湿性を有する透湿性濾材1を得ることができる。特に、親水性層側から疎水性層側に向かって(換言すれば、層内の水蒸気量が高い側から低い側へ向かって)の透湿性の低下を好適に抑制することができる。
また、疎水性層2と親水性層3とが接触することで、親水性層3と疎水性層2との間に他の層が介在する場合よりも、親水性層3と疎水性層2との距離が近くなる。このため、親水性層3と疎水性層2との水蒸気の濃度差による水蒸気の移動がより迅速に行われる。このため、PTFE多孔質膜に通気性シートが積層されることによって生じる透湿性の低下をより抑制することができ、良好な透湿性を有する透湿性濾材1を得ることができる。
なお、本発明に係る透湿性濾材は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
例えば、上記実施形態では、疎水性層2がPTFE多孔質膜から形成され、親水性層3が通気性シートから形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、親水化されたPTFE多孔質膜を用いて親水性層3が形成され、疎水性を有する通気性シートを用いて疎水性層2が形成されてもよい。親水化されたPTFE多孔質膜としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)によって親水化処理されたPTFE多孔質膜(PVAとPTFEの芯鞘構造)等を用いることができる。一方、疎水性を有する通気性シートとしては、例えば、芯部分がポリプロピレン(PP)から構成され、鞘部分が親水化されていないポリエチレン(PE)から構成されたもの等が挙げられる。
また、上記実施形態では、疎水性層2および親水性層3の二層から透湿性濾材が形成され、疎水性層2と親水性層3とが接触するように積層されているが、これに限定されるものではなく、疎水性層2と親水性層3との間に他の層(例えば、透湿度に影響を与えない不織布等)が積層されてもよい。また、疎水性層2と親水性層3とが積層された状態において、疎水性層2側の表面や親水性層3側の表面に他の層(例えば、透湿度に影響を与えない不織布等)が積層されてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。
1.使用材料
(1)親水性層
・親水化PTFE多孔質膜(日東電工社製のPTFE多孔質膜をPVAで処理して親水化したもの)
・EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)濾材(クラレ社製 エバール)
・不織布1(芯部分がPPで鞘部分がPEの芯鞘繊維からなる不織布をPMMA処理したもの)(不織布:廣瀬製紙社製 HOP)
・不織布2(芯部分がPETで鞘部分がPA−6の芯鞘繊維からなる不織布)(BONAR社製 Colback)
・不織布3(EVAの繊維からなる不織布)(日東電工社製)
(2)疎水性層
・PTFE多孔質膜(日東電工社製)
・不織布4(芯部分がPPで鞘部分がPEの芯鞘繊維からなる不織布)(廣瀬製紙社製 HOP)
・不織布5(芯部分がPETで鞘部分がPEの芯鞘繊維からなる不織布)(ユニチカ社製 SE100SHO)
なお、上記の親水化PTFE多孔質膜は、以下の方法で形成されたものである。具体的には、PTFEファインパウダー(ダイキン社製、ポリフロンF104)100重量部に、液状潤滑剤(ドデカン)19重量部を均一に混合して混合物を形成し、該混合物を予備成形した。次に、得られた予備成形体をシート状にペースト押出してシート状の成形体を形成した。得られたシート状の成形体を1対の金属圧延ロール間に通して、厚さ200μmの長尺シートとしてから、液潤滑剤を乾燥除去した。そして、得られた長尺シートを280℃の延伸温度で長手方向に3倍に延伸し、さらにテンター法により150℃の延伸温度で幅方向に6倍に延伸して、PTFE多孔質膜を得た。
そして、得られたPTFE多孔質膜をイソプロピルアルコールで含浸させた後、PVA溶液に浸漬した。その後、グルタールアルデヒドでPVAを架橋して親水化PTFE多孔質膜を得た。
また、上記の疎水性層を構成するPTFE多孔質膜は、以下の方法で形成されたものである。具体的には、PTFEファインパウダー(ダイキン社製、ポリフロンF104)100重量部に液状潤滑剤(ドデカン)19重量部を均一に混合して混合物を形成し、該混合物を予備成形した。次に、得られた予備成形体をシート状にペースト押出してシート状の成形体を形成した。得られたシート状の成形体を1対の金属圧延ロール間に通して、厚さ200μmの長尺シートとしてから、液潤滑剤を乾燥除去した。そして、得られた長尺シートを280℃の延伸温度で長手方向に14倍に延伸し、さらにテンター法により150℃の延伸温度で幅方向に30倍に延伸して、疎水性層を構成するPTFE多孔質膜を得た。
2.吸水率の測定
上記の使用材料のうち、EVOH濾材以外は、ASTM規格 D570に準拠して、23度、24時間の条件で、吸水率を測定した。EVOH濾材に関しては、所定サイズのEVOH濾材を水に浸漬した際に増加する濾材の質量の割合を吸水率として測定した。
3.透湿性濾材の作成
下記表1に記載の層構成となるように、上記の各使用材料を積層して実施例1〜4の透湿性濾材と比較例1〜4の透湿性濾材とを作成した。
4.透湿度の測定
秤量済みの吸湿剤(塩化カルシウム)をカップ(JIS L 1099に準拠したφ60mmの開口面を有するもの)に収容し、カップの開口面全体を隙間なく覆うように透湿性濾材をカップの開口部に取り付けた。この際、吸湿剤と透湿性濾材との間隔は、3mmとし、透湿面積は、0.00283mとした。透湿性濾材で開口面が覆われたカップを湿度80%、温度30℃の恒温槽内に一時間配置した。その後、斯かるカップを恒温槽から取り出して、吸湿剤を秤量した。そして、恒温槽に入れる前と恒温槽に入れた後の吸湿剤の質量の差(即ち、吸湿剤に吸収された水蒸気量)Aとカップの開口面の面積Bとを用いて、下記(1)式により、透湿度を算出した。透湿度については、下記表1に示す。

透湿度(g/m/h)=A/B…(1)
<まとめ>
各実施例と各比較例とを比較すると、基準例の透湿度に対して、各実施例の方が透湿度の低下が抑制されることが認められる。つまり、疎水性層と親水性層とが積層されて、何れか一方の層がPTFE多孔質膜から構成され、何れか他方の層が不織布から構成されることで、PTFE多孔質膜に不織布が積層されることによって生じる透湿度の低下を抑制することができる。
また、一般的に、透湿度は、透湿性濾材の厚みに反比例するが、実施例1〜3を比較すると、厚みが最も厚い実施例2の透湿度が最も高いことが認められる。つまり、疎水性層がPTFE多孔質膜から構成され、疎水性層が不織布から構成される場合、疎水性層と親水性層の吸水率の差が大きい方が透湿度が高くなることが認められる。
1…透湿性濾材、2…疎水性層、3…親水性層

Claims (2)

  1. シート状に形成されて一方の面側から他方の面側に向かって水蒸気を透過可能に構成された透湿性濾材であって、
    疎水性を有する疎水性層と親水性を有する親水性層とが接触するように積層されて親水性層によって前記一方の面が形成され、疎水性層によって前記他方の面が形成されており、
    疎水性層がPTFEを用いて形成されたPTFE多孔質膜から構成されると共に、親水性層が通気性を有する通気性シートから構成されており、
    疎水性層は、吸水率が0.01%未満であり、親水性層は、吸水率が0.03%以上1.6%以下であり
    親水性層側から疎水性層側へ向かって水蒸気が透過するように構成されることを特徴とする透湿性濾材。
  2. 前記通気性シートは、不織布を用いて形成されており、該不織布は、厚みが20μm以上1000μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の透湿性濾材。

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