以下、添付図面を参照して、本願の開示する検査装置、接合装置、接合システムおよび検査方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<1.接合システム100の構成>
まず、本実施形態に係る接合システムの構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る接合システムの構成を示す図である。なお、以下においては、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示す本実施形態に係る接合システム100は、第1基板W1と第2基板W2とを接合することによって重合基板Tを形成する。なお、本実施形態では、第1基板W1および第2基板W2はシリコン(Si)ウェハであるものとする。また、本実施形態では、第1基板W1および第2基板W2は、直径200mmサイズであるものとする。
図1に示すように、接合システム100は、搬入出ステーション1と、反転機構付きアライナ2(以下、単に「アライナ2」と記載する)と、ロードロック室3と、搬送室4と、熱処理装置5と、接合装置6とを備える。
搬入出ステーション1は、載置台7と、搬送領域8とを備える。載置台7は、複数(たとえば、4つ)のカセット載置板101を備える。各カセット載置板101には、複数枚(たとえば、25枚)の基板を水平状態で収容可能なカセットC1〜C3がそれぞれ載置される。カセットC1は、第1基板W1を収容するカセットであり、カセットC2は、第2基板W2を収容するカセットであり、カセットC3は、重合基板Tを収容するカセットである。
搬送領域8は、載置台7のY軸正方向側に隣接して配置される。かかる搬送領域8には、X軸方向に沿って延在する搬送路102と、この搬送路102に沿って移動可能な第1搬送装置103とが設けられる。第1搬送装置103は、Y軸方向、Z軸方向にも移動可能かつZ軸まわりに旋回可能であり、カセットC1〜C3、アライナ2およびロードロック室3に対して第1基板W1、第2基板W2および重合基板Tの搬入出を行う。なお、カセット載置板101には、カセットC1〜C3以外に、たとえば不具合が生じた基板を回収するためのカセット等が載置されてもよい。
アライナ2は、搬送領域8のY軸正方向側に隣接して配置される。アライナ2は、第1基板W1および第2基板W2の水平位置を調整する。たとえば、アライナ2は、第1基板W1および第2基板W2に形成されたオリエンテーションフラット(以下、「オリフラ」と言う)またはノッチの位置を検出し、検出したオリフラまたはノッチの位置を所定の位置に合わせるプリアライメント処理を行う。また、アライナ2は、第1基板W1の表裏を反転させる反転機構を有する。
ロードロック室3は、搬送領域8のY軸正方向側にゲートバルブ9aを介して隣接して配置される。ロードロック室3の内部には、第1基板W1、第2基板W2および重合基板Tを受け渡す受渡部が設けられる。受渡部は、冷却機能を備えたウェハ載置部(冷却板)であり、接合処理後の重合基板Tの温度をたとえば室温まで冷却することができる。
搬送室4は、ロードロック室3のY軸正方向側にゲートバルブ9bを介して隣接して配置される。搬送室4には、第2搬送装置104が配置される。第2搬送装置104は、水平方向に沿って伸縮可能なアーム部とZ軸まわりに旋回可能な基部とを備え、ロードロック室3、熱処理装置5および接合装置6に対して第1基板W1、第2基板W2および重合基板Tの搬入出を行う。
熱処理装置5は、搬送室4のX軸正方向側にゲートバルブ9cを介して隣接して配置される。熱処理装置5は、接合装置6による接合処理の前に、第1基板W1および第2基板W2を所定の温度に加熱する事前加熱処理を行う。熱処理装置5の構成については、後述する。
接合装置6は、搬送室4のY軸正方向側にゲートバルブ9dを介して隣接して配置される。接合装置6は、第1基板W1と第2基板W2とを接合して重合基板Tを形成する。接合装置6の構成については、後述する。
また、接合システム100は、制御装置200を備える。制御装置200は、接合システム100の動作を制御する。かかる制御装置200は、たとえばコンピュータであり、図示しない制御部と記憶部とを備える。記憶部は、たとえばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクといった記憶デバイスで構成されており、接合処理等の各種処理を制御するプログラムを格納する。制御部は、たとえばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって接合システム100の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録されていたものであって、その記録媒体から制御装置200の記憶部にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記録媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
<2.熱処理装置5の構成>
次に、熱処理装置5の構成について図2を参照して説明する。図2は、熱処理装置5の構成を示す図である。
図2に示すように、熱処理装置5は、チャンバ501と、第1保持部502と、第2保持部503とを備える。
チャンバ501は、内部を密閉可能な容器であり、第1保持部502と第2保持部503とを収容する。チャンバ501は、ゲートバルブ9cによって開閉される搬入出口511と、チャンバ501内部を吸気するための吸気口512と、チャンバ501内部に処理ガスを供給するための供給口513とを備える。吸気口512には、吸気装置514が接続される。また、供給口513には、バルブ515を介して処理ガス供給源516が接続される。
チャンバ501内には、第1基板W1および第2基板W2の表面の酸化膜を除去する処理ガスが処理ガス供給源516から供給される。本実施形態では、処理ガスとしてギ酸ガスが用いられるが、処理ガスは、必ずしもギ酸であることを要しない。
第1保持部502は、静電チャック521と、加熱部522と、冷却部523とを備える。静電チャック521は、吸着面を下方に向けた状態で、冷却部523の下面に取り付けられ、冷却部523は、チャンバ501の天井面に取り付けられる。また、加熱部522は、静電チャック521に内蔵される。
静電チャック521は、内部電極と誘電体とを有し、内部電極に電圧を印加することによって発生する静電気力を用いて第1基板W1を吸着面に吸着させる。加熱部522は、たとえばシーズヒータやセラミックヒータであり、静電チャック521を加熱することにより、静電チャック521に保持された第1基板W1を加熱する。冷却部523は、たとえばクーリングジャケットと断熱材とを積層して構成される。
第2保持部503は、静電チャック531と、加熱部532と、冷却部533とを備える。静電チャック531は、吸着面を上方に向けた状態で、冷却部533の上面に取り付けられ、冷却部533は、チャンバ501の底面に取り付けられる。また、加熱部532は、静電チャック531に内蔵される。これら静電チャック531、加熱部532および冷却部533の構成は、第1保持部502が備える静電チャック521、加熱部522および冷却部523の構成と同様であるため、ここでの説明は省略する。
<3.接合装置6の構成>
次に、接合装置6の構成について図3を参照して説明する。図3は、接合装置6の構成を示す図である。
図3に示すように、接合装置6は、フレーム構造体10と、第1保持部20と、第2保持部30と、チャンバ40と、吊下機構50と、水平位置調整部60とを備える。また、接合装置6は、加圧部70と、水平度調整部80と、アライメントマーク検出部90とを備える。
チャンバ40は、内部を密閉可能な容器であり、第1保持部20および第2保持部30を収容する。チャンバ40には、チャンバ40内を吸気するための吸気口41が設けられる。吸気口41には、吸気装置42が接続される。なお、チャンバ40は、第1支持部材11、第2支持部材12および第1支持部材11と第2支持部材12との間に設けられた隔壁45によって構成される。
第1保持部20は、第1基板W1を保持する保持部であり、フレーム構造体10の第1支持部材11の下面にスペーサー14を介して設けられる。第1保持部20には、図示しない加熱部が内蔵される。
吊下機構50は、第1保持部20を上方から吊り下げた状態で保持する。かかる吊下機構50により、第1保持部20は、スペーサー14との間に隙間をあけた状態で配置される。水平位置調整部60は、第1保持部20の水平位置を調整する。水平位置とは、水平方向における位置および向きのことである。これら吊下機構50および水平位置調整部60の構成については、後述する。
第2保持部30は、第2基板W2を保持する保持部であり、フレーム構造体10の第2支持部材12の上面に対して接離可能に設けられる。また、第2保持部30は、第1保持部20の下方に対向配置される。第2保持部30には、図示しない加熱部が内蔵される。
加圧部70は、第2保持部30の中央部に接続された固定シャフト71と、固定シャフト71と同一軸線上に配置された可動シャフト72と、可動シャフト72を鉛直方向に移動させる駆動部73とを備える。かかる加圧部70は、駆動部73を用いて可動シャフト72を鉛直方向に移動させて固定シャフト71に突き当てる。これにより、第2保持部30が第1保持部20に接近して、第2保持部30に保持された第2基板W2が第1保持部20に保持された第1基板W1に押圧される。
水平度調整部80は、加圧部70よりも第2保持部30の外周側に接続される。かかる水平度調整部80は、支持板81と、支持板81に一端が接続された複数の第1支柱部材82と、第1支柱部材82の他端に接続され、第1支柱部材82を鉛直方向に沿って移動させる複数の駆動部83と、第2保持部30に一端が接続され、他端が支持板81に接続された複数の第2支柱部材84とを備える。かかる水平度調整部80は、複数の駆動部83を用いて複数の第1支柱部材82を鉛直方向に沿って個別に移動させることによって、第2保持部30の外周部の高さを合わせる。これにより、第2保持部30の水平度が調整される。なお、加圧部70および水平度調整部80の駆動部73,83は、フレーム構造体10の第3支持部材13に固定される。
アライメントマーク検出部90は、第1支持部材11の上方に設けられた撮像部91と、第2支持部材12の下方に設けられた光源92とを備える。光源92は、チャンバ40の外部に配置され、第2支持部材12および第2保持部30に形成された貫通孔を介して第1基板W1および第2基板W2に対して光を照射する。光源92から照射される光は、赤外光である。撮像部91は、チャンバ40の外部に配置され、第1支持部材11、スペーサー14および第1保持部20に形成された貫通孔を介して第1基板W1および第2基板W2に設けられたアライメントマークを撮像する。撮像部91による撮像結果は、制御装置200に出力される。アライメントマーク検出部90のより具体的な構成は、図13A等を用いて後述する。
接合装置6は、上記のように構成されており、吸気装置42を用いてチャンバ40内を減圧し、第1保持部20および第2保持部30に内蔵された加熱部を用いて第1基板W1および第2基板W2を加熱する。また、接合装置6は、アライメントマーク検出部90の検出結果に基づき、アライメントマークの水平位置を検査し、検査結果に基づいて水平位置調整部60を用いて第1保持部20の水平位置を調整する。また、接合装置6は、水平度調整部80を用いて第2保持部30の水平度を調整する。そして、接合装置6は、加圧部70を用いて第1基板W1と第2基板W2とを押圧して重合基板Tを形成する。なお、第1基板W1と第2基板W2とは、第1基板W1に設けられた金属と第2基板W2に設けられた金属により接合される。
<4−1.第1保持部20およびその周辺の構成>
次に、上述した接合装置6の構成について具体的に説明する。まず、第1保持部20およびその周辺の構成について図4を参照して説明する。図4は、第1保持部20およびその周辺の構成を示す図である。
図4に示すように、第1保持部20は、静電チャック21と、加熱部22と、冷却部23と、プレート24とを備える。プレート24の上面には、吊下機構50が接続される。また、プレート24の下面外周部には、水平位置調整部60が接続される。冷却部23は、プレート24よりも小径であり、プレート24の下面中央部に取り付けられる。静電チャック21は、冷却部23よりも小径であり、冷却部23の下面中央部に取り付けられる。加熱部22は、静電チャック21に内蔵される。なお、静電チャック21は、必ずしも冷却部23より小径であることを要しない。
静電チャック21は、内部電極と誘電体とを有し、内部電極に電圧を印加することによって発生する静電気力を用いて第1基板W1を吸着面に吸着させる。加熱部22は、たとえばシーズヒータやセラミックヒータであり、静電チャック21を加熱することにより、静電チャック21に保持された第1基板W1を加熱する。
冷却部23は、たとえばクーリングジャケットおよび断熱材を積層して構成される。ここで、冷却部23の構成について図5を参照して説明する。図5は、冷却部23の構成を示す図である。
図5に示すように、冷却部23は、第1クーリングジャケット231と、第2クーリングジャケット232と、断熱材233とを備える。第1クーリングジャケット231は、プレート24に隣接して設けられ、第2クーリングジャケット232は、第1保持部20に隣接して設けられ、断熱材233は、第1クーリングジャケット231と第2クーリングジャケット232との間に設けられる。
第1クーリングジャケット231は、一連の接合処理の間、常時動作する。これにより、プレート24や撮像部91等への熱影響を抑えることができる。一方、第2クーリングジャケット232は、第1基板W1と第2基板W2とを接合後、重合基板Tを冷却する間だけ動作する。これにより、重合基板Tを効率良く冷却することができる。
なお、熱処理装置5の第1保持部502および第2保持部503が備える冷却部523,533も上述した冷却部23と同様の構成であってもよい。
図4に戻り、吊下機構50は、本体部51と、ワイヤー52と、支持体53と、弾性部材54と、シール部材55と、固定部56とを備える。
本体部51は、円筒状の部材であり、第1支持部材11の上部に配置される。ワイヤー52は、本体部51の内部に挿通されるとともに、第1支持部材11およびスペーサー14(「上方部材」の一例に相当)を上下に貫通する貫通孔58にも挿通されて、チャンバ40の内部まで到達する。支持体53は、本体部51に挿通された円柱状の部材であり、下端部においてワイヤー52の上端部を固定する。弾性部材54は、たとえばコイルばねであり、本体部51に対して支持体53を弾性的に支持する。シール部材55は、本体部51と支持体53との間を密閉する。固定部56は、ワイヤー52の下端部に設けられ、第1保持部20のプレート24に固定される。
吊下機構50は、上記のように構成されており、ワイヤー52を用いて第1保持部20をスペーサー14との間に隙間をあけた状態で吊り下げて保持する。なお、接合装置6は、吊下機構50を複数備える。
なお、吊下機構50は、第1保持部20の鉛直方向への移動を許容しつつ第1保持部20を支持するものであればよく、上記で例示した構成に限定されるものではない。
アライメントマーク検出部90の撮像部91は、第1支持部材11、スペーサー14、プレート24、冷却部23および静電チャック21を上下に貫通する貫通孔94を介して第1基板W1および第2基板W2に設けられたアライメントマークを撮像する。
第1支持部材11の上部には、貫通孔94を閉塞する透明部材95が設けられる。透明部材95は、たとえば石英ガラスで形成される。かかる透明部材95により、撮像部91の視野を確保しつつチャンバ40の密閉性を保つことができる。
アライメントマーク検出部90は、撮像部91を昇降させる昇降部93を備える。昇降部93は、第1支持部材11の上部に設けられる。昇降部93は、鉛直方向に沿って延在するレール931と、レール931に沿って移動可能な移動部932とを備える。撮像部91は、鉛直下向きに視野を向けた状態で、移動部932に取り付けられる。アライメントマーク検出部90のさらなる構成は、図13A等を用いて後述する。
<4−2.水平位置調整部60の構成>
次に、水平位置調整部60の具体的な構成について図6および図7を参照して説明する。図6は、水平位置調整部60の構成を示す模式側面図である。図7は、水平位置調整部60の構成を示す模式底面図である。
図6および図7に示すように、水平位置調整部60は、第1保持部20の位置をY軸方向(「第1水平方向」の一例に相当)に沿って調整する第1調整部60Yと、第1保持部20の位置をX軸方向(「第2水平方向」の一例に相当)に沿って調整する第2調整部60Xとを備える。
第2調整部60Xは、第1保持部20のプレート24に対してX軸方向に沿った力を加える2つの移動機構60X1,60X2を備える。2つの移動機構60X1,60X2は、Y軸方向に沿って並列に配置されており、移動機構60X1は静電チャック21の中心位置よりもY軸負方向側に配置され、移動機構60X2は静電チャック21の中心位置よりもY軸正方向側に配置される。なお、ここでは、第2調整部60Xが2つの移動機構60X1,60X2を備える場合の例を示すが、第2調整部60Xは、3つ以上の移動機構を備えていてもよい。
移動機構60X1は、固定プレート16を介して第1支持部材11に固定された駆動部61と、駆動部61によりX軸方向に沿って移動するシャフト62と、シャフト62に接続され、シャフト62とともにX軸方向に沿って移動する第1移動部材63と、第1移動部材63をX軸方向に摺動可能に支持する第1ガイド部64とを備える。
チャンバ40の移動機構60X1と対向する位置には、開口部43が設けられており、移動機構60X1の第1移動部材63は、開口部43に挿通される。開口部43の外側(移動機構60X1側)の開口端には、開口部43の内側に張り出した第1フランジ部44が設けられる。
移動機構60X1は、第1移動部材63の中途部に設けられた第2フランジ部65と、鉛直方向に延在する軸部66を有し、第1移動部材63の先端部に対して軸部66を介して鉛直軸まわりに回転可能に軸支された第2移動部材67と、プレート24の下面外周部に固定され、第2移動部材67をY軸方向に摺動可能に支持する第2ガイド部68とを備える。
そして、移動機構60X1は、一端が第1フランジ部44に接続され、他端が第2フランジ部65に接続されたベローズ69を備える。かかるベローズ69により、チャンバ40の密閉性を確保しつつ、チャンバ40の外部からチャンバ40の内部に設けられたプレート24を移動させることができる。
図6に示すように、移動機構60X1は、第2フランジ部65、軸部66、第2移動部材67および第2ガイド部68のみがチャンバ40の内部に配置され、駆動部61、シャフト62、第1移動部材63および第1ガイド部64がチャンバ40の外部に配置される。かかる構成とすることにより、チャンバ40の容積を小さくすることができ、吸気効率や加熱効率を向上させることができる。また、チャンバ40内での発塵等を抑えることができる。
移動機構60X1は、上記のように構成されており、駆動部61によってシャフト62をX軸方向に沿って移動させることにより、シャフト62に接続された第1移動部材63をX軸方向に沿って移動させて、第1移動部材63に軸支された第2移動部材67をX軸方向に沿って移動させる。これにより、プレート24に対してX軸方向に沿った力を加えることができる。なお、移動機構60X2の構成は、移動機構60X1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
第2調整部60Xは、移動機構60X1の第2移動部材67と移動機構60X2の第2移動部材67とを同じ距離だけ移動させることによって、第1保持部20をX軸方向沿って移動させることができる。
また、水平位置調整部60は、従動機構60Dを備える。従動機構60Dは、駆動部61およびシャフト62を有さない点を除き、移動機構60X1,60X2および第1調整部60Yと同様の構成を有する。かかる従動機構60Dは、プレート24の移動に伴って第2移動部材67および第1移動部材63が従動的に移動する。なお、水平位置調整部60は、必ずしも従動機構60Dを備えることを要しない。
第1調整部60Yは、移動機構60X1と同様の構成を有する。かかる第1調整部60Yは、シャフト62および第1移動部材63がY軸方向に沿って延在する向きに配置されており、駆動部61によってシャフト62をY軸方向に沿って移動させることにより、シャフト62に接続された第1移動部材63をY軸方向に沿って移動させて、第1移動部材63に軸支された第2移動部材67をY軸方向に沿って移動させる。これにより、プレート24をY軸方向に沿って移動させる。
なお、ここでは、シャフト62および第1移動部材63の軸線がプレート24の中心(静電チャック21の中心)を通る位置に第1調整部60Yが配置される場合の例を示したが、第1調整部60Yは、シャフト62および第1移動部材63の軸線がプレート24の中心(静電チャック21の中心)からずれた位置に配置されてもよい。
本実施形態に係る水平位置調整部60は、第2調整部60Xが備える2つの移動機構60X1,60X2および第1調整部60Yを用いて、第1保持部20を鉛直軸まわりに回転させることができる。すなわち、水平位置調整部60は、移動機構60X1が有する第2移動部材67と、移動機構60X2が有する第2移動部材67とを異なる移動量でX軸方向へ移動させるとともに、第1調整部60Yの第1移動部材63をY軸方向に沿って移動させる。
これにより、水平位置調整部60は、第1保持部20の中心位置を変えることなく第1保持部20を鉛直軸周りに回転させることができる。そして、第1保持部20が鉛直軸周りに回転することで、第1保持部20に保持された第1基板W1の水平方向における向きが変更される。
<4−3.第2保持部30およびその周辺の構成>
次に、第2保持部30およびその周辺の構成について図8を参照して説明する。図8は、第2保持部30およびその周辺の構成を示す図である。
図8に示すように、第2保持部30は、静電チャック31と、加熱部32と、冷却部33と、プレート34とを備える。プレート34は、第2支持部材12の上面に対して接離可能に設けられる。冷却部33は、プレート34の上面に取り付けられ、静電チャック31は、冷却部33の上面に取り付けられる。加熱部32は、静電チャック31に内蔵される。
静電チャック31は、内部電極と誘電体とを有し、内部電極に電圧を印加することによって発生する静電気力を用いて第2基板W2を吸着面に吸着させる。加熱部32は、たとえばシーズヒータやセラミックヒータであり、静電チャック31を加熱することにより、静電チャック31に保持された第2基板W2を加熱する。冷却部33は、図5に示す冷却部23と同様の構成を有する。
また、図8に示すように、アライメントマーク検出部90の光源92は、光軸を鉛直上方に向けた状態で、図示しない固定部を介して第2支持部材12に固定される。かかる光源92は、第2支持部材12、プレート34、冷却部33および静電チャック31を上下に貫通する貫通孔96を介して第1基板W1および第2基板W2に対して光を照射する。
第2支持部材12の下部には、貫通孔96を閉塞する透明部材97が設けられる。透明部材97は、たとえば石英ガラスで形成される。かかる透明部材97により、光源92の光路を妨げることなくチャンバ40の密閉性を保つことができる。アライメントマーク検出部90のさらなる構成は、図13A等を用いて後述する。
<4−4.加圧部70および水平度調整部80の構成>
次に、加圧部70および水平度調整部80の構成について図9を参照して説明する。図9は、加圧部70および水平度調整部80の構成を示す図である。
図9に示すように、加圧部70の固定シャフト71は、プレート34の下面中央部に上端部が接続される。固定シャフト71は、第2支持部材12を貫通しており、その下端部は、第2支持部材12の下方に位置する。固定シャフト71の下端部には、フランジ部74が設けられる。
加圧部70は、固定シャフト71の外周を覆うベローズ75を備える。ベローズ75は、第2支持部材12の下部に一端が接続され、他端がフランジ部74に接続される。かかるベローズ75により、チャンバ40の密閉性を確保しつつ、チャンバ40の外部からチャンバ40の内部に設けられたプレート34を移動させることができる。
加圧部70の可動シャフト72は、固定シャフト71の下端面に当接する当接部721を有する。ここで、当接部721の構成について図10を参照して説明する。図10は、当接部721の構成を示す図である。
図10に示すように、当接部721の固定シャフト71との当接面は、凸曲面である。一方、固定シャフト71の当接部721との当接面は、凹曲面である。かかる構成とすることにより、固定シャフト71を安定して押圧することができる。なお、当接部721の固定シャフト71との当接面が凹曲面であり、固定シャフト71の当接部721との当接面が凸曲面であってもよい。
また、当接部721の構成は、上記の例に限定されない。当接部721の変形例について図11を参照して説明する。図11は、変形例に係る当接部721の構成を示す図である。
図11に示すように、可動シャフト72は、当接部721の固定シャフト71との当接面にゴム等の弾性部材722を備えていてもよい。かかる場合、当接部721および固定シャフト71の各当接面は、平坦面とする。かかる構成によっても、固定シャフト71を安定して押圧することができる。なお、弾性部材722は、固定シャフト71の当接部721との当接面に設けられてもよい。
加圧部70は、上記のように構成されており、駆動部73を用いて可動シャフト72を鉛直上方に移動させて固定シャフト71に突き当てることにより、固定シャフト71に接続された第2保持部30を第1保持部20に接近させて、第2保持部30に保持された第2基板W2を第1保持部20に保持された第1基板W1に押圧する。
図9に戻り、水平度調整部80の構成について説明する。水平度調整部80の第2支柱部材84は、加圧部70よりも第2保持部30の外周側に上端部が接続される。また、第2支柱部材84は、第2支持部材12を貫通しており、その下端部は、支持板81に接続される。
水平度調整部80は、第2支柱部材84の外周を覆うベローズ85を備える。ベローズ85は、第2支持部材12の下部に一端が接続され、他端が支持板81の上部に接続される。かかるベローズ85により、チャンバ40の密閉性を確保しつつ、チャンバ40の外部からチャンバ40の内部に設けられたプレート34を移動させることができる。
第2支柱部材84には、ロードセル86が設けられている。ロードセル86は、水平度調整部80を用いて第1基板W1および第2基板W2を押圧した場合に第1基板W1および第2基板W2にかかる押圧力を検出する圧力検出部である。ロードセル86の検出結果は、制御装置200に出力される。
図12は、水平度調整部80を上方から見た図である。図12に示すように、水平度調整部80の支持板81は、平面視略三角形状の平板である。水平度調整部80は、3つの第1支柱部材82と、3つの駆動部83と、3つの第2支柱部材84とを備える。
3つの第1支柱部材82は、支持板81の各頂点部分に接続される。3つの駆動部83は、第1支柱部材82の他端側にそれぞれ接続される。3つの第2支柱部材84は、3つの第1支柱部材82の各々に対応して設けられており、対応する第1支柱部材82よりも支持板81の内周側に接続される。
水平度調整部80は、上記のように構成されており、3つの駆動部83を用いて3つの第1支柱部材82を鉛直方向に沿って個別に移動させることにより、第2保持部30の水平度を調整する。
<4−5.アライメントマーク検出部90の構成>
次に、アライメントマーク検出部90の構成について、より具体的に、図13A〜図13D、図14および図15を参照して説明する。図13Aは、アライメントマーク検出部90の構成を示す図である。なお、図13Aでは、上述した透明部材95,97の図示を省略している。
また、図13Bは、温度に対するSiウェハの透過波長特性を示す図であり、図13Cは、Siウェハの透過強度および波長の温度依存性を示す図である。また、図13Dは、アライメントマーク検出部90の光学特性の説明図である。
また、図14は、第1基板W1に設けられるアライメントマークM1の一例を示す図であり、図15は、第2基板W2に設けられるアライメントマークM2の一例を示す図である。
図13Aに示すように、第1基板W1および第2基板W2には、アライメントマークM1,M2が予め形成されている。アライメントマークM1は、たとえば図14に示すように、十字形状を有する。また、アライメントマークM2は、たとえば図15に示すように、四角形の内部を十字にくり抜いた形状を有する。後述する水平位置調整処理では、水平位置調整部60を用いて第1保持部20の水平位置を調整することにより、アライメントマークM1の十字形状とアライメントマークM2の十字形状とを一致させる。
また、図13Aに示すように、撮像部91は、貫通孔94へ向けたカメラレンズ91aと、本体部91bと、撮像素子91baとを備える。撮像素子91baは、たとえばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサである。
また、アライメントマーク検出部90は、導光部98と、集光レンズ99とをさらに備える。導光部98は、光源92および集光レンズ99の間に配置され、光源92からの光を集光レンズ99へ向けて導光する。導光部98は、たとえばバンドル(結束)された複数本の光ファイバである。
集光レンズ99は、導光部98および貫通孔96の間に配置され、導光部98により導光された光を貫通孔96へ向けて集光する。
このような構成により、アライメントマーク検出部90の光源92は、第2保持部30の下方から鉛直上方に向けて光を照射する。光源92から照射された光は、導光部98、集光レンズ99、透明部材97(図示略)、貫通孔96、第2基板W2、第1基板W1、貫通孔94および透明部材95(図示略)、カメラレンズ91aを介して撮像部91の撮像素子91baへ到達する。すなわち、撮像部91は、貫通孔94を介して透過光によりアライメントマークM1,M2を撮像する。なお、アライメントマークM2は、アライメントマークM1を透過して撮像される。
アライメントマークM1,M2は、第1基板W1および第2基板W2の一端部および他端部の少なくとも2箇所に形成される。また、接合装置6は、第1基板W1および第2基板W2の一端側と他端側とにそれぞれアライメントマーク検出部90を1つずつ備える。
ところで、物を構成する各素材には固有の透過波長領域があり、かかる透過波長領域は、物の温度変化に応じて変化する。具体的には、図13Bに示すように、たとえば本実施形態における第1基板W1および第2基板W2を構成するSiの場合、常温ではおよそ1100nm付近であり、第1基板W1および第2基板W2の温度が上昇するに連れて透過波長領域は長波長側へシフトしてゆくことがわかる。
ここで、たとえば第1基板W1および第2基板W2をアルミニウム−ゲルマニウムにより共晶結合させようとする場合、図13Bに示すように、その共晶点450℃の近傍においては、透過波長領域は1250nm付近以上である。また、たとえば第1基板W1および第2基板W2を錫−銀−銅により共晶結合させようとする場合、その共晶点270℃の近傍においては、透過波長領域は1200nm付近以上である。なお、透過波長領域は基板の種類により若干の変化があるため、「付近」には±数十nmの範囲を含むものとする。
したがって、図13Cに示すように、たとえば上述の錫−銀−銅による共晶結合であれば、1200nm以下として示す透過波長領域R’であっても1200nm付近の光はある程度の透過強度を有するので(図中の250Cまたは300Cのカーブ参照)、撮像部91の撮像する撮像画像へ解析や検査に必要となる品質を付与することができる。
しかし、錫−銀−銅による共晶結合だけでなく、上述のアルミニウム−ゲルマニウムによる共晶結合をも精度高く行おうとすれば(図中の450Cまたは500Cのカーブ参照)、撮像画像へ必要となる品質を付与するうえでは、1200nm以上として示す透過波長領域Rにおける透過強度が確保されることが好ましい。言い換えれば、第1基板W1および第2基板W2の温度が250℃以上となる場合に、1200nm以上の光をより強く透過させることのできる構成が好ましい。
そこで、本実施形態では、接合装置6の光学系として構成されるアライメントマーク検出部90は、導光部98と、集光レンズ99とを備え、さらに図13Dに示す光学特性を有するように構成される。なお、図13D中における各グラフの実線のカーブは本実施形態の場合を、破線のカーブは比較例における場合を、それぞれ模式的に示している。
すなわち、図13Dに示すように、光源92は、1200nm以上の透過波長領域Rにおいてたとえば目標強度Tg1の光を照射可能に設けられている。目標強度Tg1は、撮像部91の撮像素子91baにおいて必要となる受光感度、すなわち目標感度Tg4に対応した発光強度である。なお、光源92には、たとえばハロゲン光源を用いることができる。
また、集光レンズ99は、1200nm以上の透過波長領域Rにおいてたとえば目標透過率Tg2の光を透過可能に設けられている。目標透過率Tg2は、前述の目標感度Tg4に対応した所定の閾値Th以上の透過率である。
また、同様に、カメラレンズ91aは、1200nm以上の透過波長領域Rにおいてたとえば目標透過率Tg3の光を透過可能に設けられている。目標透過率Tg3は、前述の目標感度Tg4に対応した所定の閾値Th以上の透過率である。たとえば閾値Thは60%である。なお、ここでは、集光レンズ99およびカメラレンズ91aの閾値Thを同値としているが、無論、第1基板W1および第2基板W2自体の透過率等に応じて、集光レンズ99およびカメラレンズ91aにおけるそれぞれの閾値Thを異なるものとしてもよい。
集光レンズ99およびカメラレンズ91aは、たとえばコーティング処理によって、透過波長領域Rにおいて上記目標透過率Tg2,Tg3をそれぞれ得られるように設けられている。
本実施形態に係る接合システム100では、接合装置6の光学系であるアライメントマーク検出部90を上記のように構成することとした。これにより、本実施形態によれば、たとえば250℃以上の高温により第1基板W1および第2基板W2を接合する場合であっても、第1基板W1および第2基板W2の水平位置を検査するためのアライメントマークM1,M2を品質高く撮像することができるので、これに基づく検査品質を向上させ、さらに接合精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、上述したように第1基板W1および第2基板W2は直径200mmサイズであるものとしているが、たとえば直径300mmサイズの場合でも、透過波長領域Rは昇温時には図13Cに示したのと同様の傾向で長波長側へシフトするので、300mmサイズの場合にも同様に本実施形態を適用することができる。ただし、200サイズの場合、室温での第1基板W1および第2基板W2自体の透過波長領域Rにおける光の透過率は10%台であるのに対し、300mmサイズの場合、同透過率は55%程度になる。
このため、第1基板W1および第2基板W2のサイズに応じて、たとえば200mmサイズよりも透過率の高い300mmサイズの場合は、前述の閾値Thを200mmサイズよりも小さくすることとしてもよい。すなわち、閾値Thを規定するためのパラメータとして第1基板W1および第2基板W2のサイズを加味することができる。
<5.静電チャック521,531,21,31の構成>
次に、熱処理装置5が備える静電チャック521,531および接合装置6が備える静電チャック21,31の構成について図16を参照して説明する。図16は、静電チャック521,531,21,31の定格使用温度範囲を示す図である。
本実施形態に係る接合システム100では、熱処理装置5において第1基板W1および第2基板W2を常温から第1の温度まで昇温した後、接合装置6において第1基板W1および第2基板W2を第1の温度よりも高い第2の温度まで昇温したうえで、第1基板W1および第2基板W2を接合する。
第2の温度は、たとえば、第1基板W1上の金属と第2基板W2上の金属との接合が可能な温度である。本実施形態に係る接合システム100において、第2の温度は、たとえば270〜500℃である。また、第1の温度は、たとえば150〜250℃である。
ここで、室温から500℃程度までの広範な温度範囲において基板を適切に保持することのできる静電チャックは、現時点では存在しない。静電チャックが備える誘電体の体積抵抗率が温度に応じて変動するためである。
そこで、本実施形態に係る接合システム100では、定格使用温度範囲が異なる2種類の静電チャック(静電チャック521,531と静電チャック21,31)を熱処理装置5と接合装置6とにそれぞれ設け、熱処理装置5と接合装置6とで第1基板W1および第2基板W2を段階的に加熱することとした。これにより、第1基板W1および第2基板W2を静電チャックで適切に保持しつつ、室温から270〜500℃まで昇温することができるため、第1基板W1および第2基板W2の高精度な接合を実現することができる。また、第1基板W1および第2基板W2の加熱処理を、熱処理装置5と接合装置6とで分担して行うようにすることで、一連の基板処理のスループットを向上させることができる。
図16には、熱処理装置5に設けられる静電チャック521,531の定格使用温度範囲R1と、接合装置6に設けられる静電チャック21,31の定格使用温度範囲R2とを示している。ここで、定格使用温度範囲とは、静電チャックを適正に動作させることが可能な温度範囲、すなわちリーク電流や吸着力の低下等が生じない温度範囲として定められた温度範囲である。
図16に示すように、本実施形態に係る接合システム100では、熱処理装置5の静電チャック521,531として、定格使用温度範囲R1の上限が第1の温度よりも低いものが用いられる。定格使用温度範囲R1の上限は、たとえば200℃である。また、本実施形態に係る接合システム100では、接合装置6の静電チャック21,31として、定格使用温度範囲R2の下限が第1の温度よりも高いものが用いられる。定格使用温度範囲R2の下限は、たとえば270℃である。
このように、本実施形態に係る接合システム100において、静電チャック521,531の定格使用温度範囲R1と静電チャック21,31の定格使用温度範囲R2とは、重複せず互いに離れており、定格使用温度範囲R1と定格使用温度範囲R2との間に第1の温度が存在する。
上述したように、常温から500℃程度までの広範な温度範囲をカバーする静電チャックは、現時点では存在しない。このため、定格使用温度範囲R1の静電チャック521,531を備える熱処理装置5の他に、第1の温度を定格使用温度範囲に含むような静電チャックを備える熱処理装置を別途設け、これら2つの熱処理装置を用いて第1基板W1および第2基板W2を常温から第1の温度まで昇温させることが考えられる。しかしながら、このようにすると、製造コストの増大やスループットの低下を招くおそれがある。これに対し、本実施形態に係る接合システム100では、上記のように構成することにより、製造コストの増大やスループットの低下を防止することができる。
なお、本実施形態では、熱処理装置5において第1基板W1および第2基板W2を常温から昇温させるものとするが、これに限らず、たとえば、第1の温度に予熱された熱処理装置5において第1基板W1および第2基板W2を第1の温度に加熱するプロセスも考えられる。かかる場合における静電チャック521,531,21,31の構成について図17を参照して説明する。図17は、変形例に係る静電チャック521,531,21,31の定格使用温度範囲を示す図である。
図17に示すように、熱処理装置5を第1の温度に予熱しておく場合、熱処理装置5の静電チャック521,531としては、下限が常温よりも高く、かつ、上限が定格使用温度範囲R2の下限よりも高い定格使用温度範囲R3を有する静電チャックを用いることができる。
<6.接合システム100の具体的動作>
次に、接合システム100の具体的動作について図18を参照して説明する。図18は、接合システム100で実行される一連の処理手順を示すフローチャートである。
図18に示すように、接合システム100では、まず、搬入出ステーション1の第1搬送装置103が、カセット載置板101に載置されたカセットC1から第1基板W1を取り出してアライナ2へ搬送する。第1基板W1は、非接合面が下方を向いた状態で搬送される。なお、第1基板W1の板面のうち、電子回路が形成される側の板面が接合面であり、かかる接合面とは反対側の面が非接合面である。
アライナ2へ搬送された第1基板W1は、アライナ2によってプリアライメント処理が施される(ステップS101)。たとえば、アライナ2では、第1基板W1に形成されたオリフラまたはノッチの位置を検出し、検出したオリフラまたはノッチの位置を所定の位置に合わせる処理が行われる。
つづいて、アライナ2は、第1基板W1の表裏を反転させる反転処理を行う(ステップS102)。これにより、第1基板W1は、非接合面が上方を向いた状態となる。その後、第1基板W1は、第1搬送装置103によってアライナ2からロードロック室3へ搬送され、搬送室4の第2搬送装置104によってロードロック室3から熱処理装置5へ搬送される。そして、第1基板W1は、接合面を下方に向けた状態で、熱処理装置5の第1保持部502が備える静電チャック521に吸着保持される。
一方、接合システム100では、上述したプリアライメント処理と同様の処理が第2基板W2に対しても行われる(ステップS103)。すなわち、第1搬送装置103は、カセット載置板101に載置されたカセットC2から第2基板W2を取り出してアライナ2へ搬送する。このとき、第2基板W2は、非接合面が下方を向いた状態で搬送される。そして、アライナ2へ搬送された第2基板W2は、アライナ2によってプリアライメント処理が施される。
その後、第2基板W2は、第1搬送装置103によってアライナ2からロードロック室3へ搬送され、第2搬送装置104によってロードロック室3から熱処理装置5へ搬送される。そして、第2基板W2は、接合面を上方に向けた状態で、熱処理装置5の第2保持部503が備える静電チャック531に吸着保持される。なお、ステップS101〜S103の順番は、必ずしもこの順番であることを要しない。
つづいて、接合システム100では、接合処理に先立って第1基板W1および第2基板W2を事前に加熱する前熱処理が行われる(ステップS104)。かかる前熱処理では、第1保持部502および第2保持部503にそれぞれ設けられた加熱部522,532を用いて第1基板W1および第2基板W2を常温から第1の温度まで加熱する。前熱処理における昇温レートは、たとえば10℃/minである。なお、ロードロック室3、搬送室4および熱処理装置5は、10〜20Pa程度の中真空に保たれている。
つづいて、熱処理装置5では、ガス処理が行われる(ステップS105)。かかるガス処理では、処理ガス供給源516からチャンバ501内にギ酸ガスを供給する。これにより、第1基板W1および第2基板W2上にそれぞれ設けられた金属の表面の酸化膜が除去される。その後、第1基板W1および第2基板W2は、第2搬送装置104によって熱処理装置5から取り出され、第1基板W1は、接合面を下方に向けた状態で接合装置6の第1保持部20に保持され、第2基板W2は、接合面を上方に向けた状態で接合装置6の第2保持部30に保持される。このとき、接合装置6のチャンバ40内は、ロードロック室3、搬送室4および熱処理装置5と同様、10〜20Pa程度の中真空に保たれている。このため、ガス処理後の第1基板W1および第2基板W2が接合装置6において接合されるまでの間、第1基板W1および第2基板W2上にそれぞれ設けられた金属の表面に酸化膜が形成されることを防止することができる。なお、ガス処理は、ステップS104に示す前熱処理において、たとえば200〜250℃で実施される。
このように、接合システム100では、ゲートバルブ9cによって熱処理装置5と搬送室4とを遮断した状態で、熱処理装置5においてガス処理を行うこととしたため、搬送室4の処理ガスによる汚染を防止することができる。
つづいて、接合システム100では、接合処理が行われる(ステップS106)。かかる接合処理では、接合装置6が、第1基板W1と第2基板W2とを接合する処理を行う。かかる接合処理の具体的な処理手順については、後述する。
つづいて、接合システム100では、搬出処理が行われる(ステップS107)。かかる搬出処理では、搬送室4の第2搬送装置104が、接合装置6から重合基板Tを取り出してロードロック室3の受渡部に載置する。受渡部に載置された重合基板Tは、受渡部(冷却板)によって200℃から室温まで冷却される。その後、搬入出ステーション1の第1搬送装置103が、ロードロック室3から重合基板Tを取り出してカセット載置板101に載置されたカセットC3に収容する。これにより、一連の処理が終了する。
このように、接合システム100では、接合装置6において重合基板Tを室温よりも高い所定の温度(ここでは、200℃)まで冷却した後、ロードロック室3の受渡部において重合基板Tを室温まで冷却することとした。したがって、接合装置6において重合基板Tの温度を室温まで冷却する場合と比較して、接合装置6における処理時間(タクトタイム)を短縮することができる。
<7.接合処理の処理手順>
次に、ステップS106における接合処理の具体的な処理手順について図19〜図27を参照して説明する。図19は、接合処理の処理手順を示すフローチャートである。図20〜図22は、水平度調整処理の動作例を示す図である。図23〜図25は、水平位置調整処理の動作例を示す図である。図26は、仮加圧処理の動作例を示す図である。図27は、本加圧処理の動作例を示す図である。なお、図20〜図22、図26および図27では、アライメントマーク検出部90を省略して示している。
図19に示すように、接合装置6は、加熱部22,32(図4、図8参照)を用いて、第1保持部20に保持された第1基板W1および第2保持部30に保持された第2基板W2の昇温を開始する(ステップS201)。なお、第1保持部20および第2保持部30は、加熱部22,32によって予め第1の温度に加熱された状態となっており、接合装置6は、第1保持部20および第2保持部30で第1基板W1および第2基板W2を保持した後、第1保持部20および第2保持部30を第1の温度から第2の温度まで昇温する。
つづいて、接合装置6は、吸気装置42を用いてチャンバ40内を減圧する(ステップS202)。チャンバ40内は、ロードロック室3、搬送室4および熱処理装置5よりも低い圧力、言い換えれば、高い真空度に設定される。たとえば、接合システム100において、ロードロック室3、搬送室4および熱処理装置5は、10〜20Pa程度の中真空に設定されるのに対し、接合装置6のチャンバ40内は、0.005Pa以下の高真空に設定される。
つづいて、接合装置6は、第1基板W1および第2基板W2の温度が第2の温度に到達する前に、第2保持部30の水平度を調整する水平度調整処理を行う(ステップS203)。
水平度調整処理において、接合装置6は、図20に示すように、水平度調整部80の3つの駆動部83(図12参照)を用いて第2保持部30を上昇させることにより、第2保持部30に保持された第2基板W2を第1保持部20に保持された第1基板W1に当接させる。このときの各ロードセル86の検出結果は、制御装置200に出力される。
つづいて、図21に示すように、接合装置6は、水平度調整部80の3つの駆動部83を用いて第2保持部30を下降させる。また、制御装置200は、前述のロードセル86の検出結果に応じて各駆動部83の駆動量、すなわち、各第2支柱部材84の移動量を決定する。そして、接合装置6は、制御装置200によって決定された駆動量に応じて駆動部83を個別に駆動させて第2保持部30の水平度を調整する。
たとえば、図21に示す2つのロードセル86のうち、右側のロードセル86によって検出された圧力が、左側のロードセル86によって検出された圧力よりも大きいと仮定する。この場合、第2保持部30の右側が第1保持部20に対して方当たりしている、すなわち、第2保持部30の右側が上方に傾いていることが考えられる。
そこで、接合装置6は、図22に示すように、たとえば左側の駆動部83のみを駆動させて左側の第2支柱部材84のみを上昇させて、第2保持部30の左側を上昇させる。これにより、第2保持部30を水平にすることができる。なお、接合装置6は、各ロードセル86により検出される圧力の差が所定範囲内になるまで上述した水平度調整処理を繰り返してもよい。
このように、本実施形態に係る接合システム100によれば、水平度調整部80を用いて第2保持部30の水平度を調整することで、第2保持部30の第1保持部20への方当たりを防止することができるため、第1基板W1および第2基板W2の高精度な接合を実現することができる。また、本実施形態に係る接合システム100では、第1基板W1および第2基板W2の温度が第2の温度に到達する前、すなわち、第1基板W1上の金属と第2基板W2上の金属との接合が可能な温度に到達する前に、第2保持部30の水平度を調整する水平度調整処理を行うこととした。これにより、水平度調整処理において第2基板W2を第1基板W1に一旦当接させた際に、第1基板W1と第2基板W2とが接合されてしまうことを防止することができる。
つづいて、接合装置6は、第1保持部20の水平位置を調整する水平位置調整処理を行う(ステップS204)。
まず、接合装置6は、図23に示すように、アライメントマーク検出部90の昇降部93を用いて撮像部91を移動させて、第1基板W1および第2基板W2のうち第1基板W1のみを撮像部91の被写界深度D内に位置させる。この状態で、接合装置6は、第1基板W1および第2基板W2に設けられたアライメントマークM1,M2を撮像する。これにより、アライメントマークM1には焦点が合っており、アライメントマークM2には焦点が合っていない画像が得られる。この画像の画像データは制御装置200へ出力される。制御装置200は、取得した画像データに対してエッジ検出を行うことにより、アライメントマークM1を検出する。
つづいて、接合装置6は、図24に示すように、アライメントマーク検出部90の昇降部93を用いて撮像部91を移動させて、第1基板W1および第2基板W2のうち第2基板W2のみを撮像部91の被写界深度D内に位置させる。この状態で、接合装置6は、第1基板W1および第2基板W2に設けられたアライメントマークM1,M2を撮像する。これにより、アライメントマークM2には焦点が合っており、アライメントマークM1には焦点が合っていない画像が得られる。この画像の画像データは制御装置200へ出力される。制御装置200は、取得した画像データに対してエッジ検出を行うことにより、アライメントマークM2を検出する。
そして、制御装置200は、アライメントマークM1,M2の検出結果に基づき、第1保持部20の水平方向における位置および向きを検査する検査処理を行い、その検査処理結果に基づいて第1保持部20の水平方向における位置および向きを調整する調整処理を水平位置調整部60に対して実行させる。具体的には、制御装置200は、アライメントマークM1の十字形状(図14参照)の位置がアライメントマークM2の十字形状(図15参照)の位置と一致するように、水平位置調整部60を制御して第1保持部20の水平方向における位置および向きを調整する。
水平位置調整部60は、第1調整部60Yおよび第2調整部60Xを用いて第1保持部20を水平方向に移動させたり、鉛直軸まわりに回転させたりする。これにより、主に、第1搬送装置103や第2搬送装置104による搬送誤差に起因する第1基板W1および第2基板W2の位置ずれが解消される(第1調整処理)。
このように、本実施形態に係る接合システム100では、第1基板W1および第2基板W2のうち第1基板W1のみを被写界深度D内に位置させた状態と、第2基板W2のみを被写界深度D内に位置させた状態との各々においてアライメントマークM1,M2を撮像する撮像処理を撮像部91に対して実行させる。そして、本実施形態に係る接合システム100では、撮像部91の撮像結果に基づいてアライメントマークM1,M2の水平位置を検査し、第1保持部20の水平方向における位置を調整する調整処理を水平位置調整部60に対して実行させる。
これにより、アライメントマークM1にのみ焦点が合った画像とアライメントマークM2にのみ焦点が合った画像とをそれぞれ得ることができ、これらの画像を用いてアライメントマークM1,M2を適切に検出することができる。言い換えれば、アライメントマークM1,M2の両方に焦点が合った画像を用いることによってアライメントマークM1,M2を誤検出することを防止することができる。
また、本実施形態に係る接合システム100では、撮像処理において、アライメントマーク検出部90の昇降部93を制御して撮像部91を上昇または下降させることによって、第1基板W1を被写界深度D内に位置させた状態と、第2基板W2を被写界深度D内に位置させた状態とを切り替えることとした。これにより、たとえば第1保持部20や第2保持部30を移動させることによって第1基板W1を被写界深度D内に位置させた状態と、第2基板W2を被写界深度D内に位置させた状態とを切り替えるように構成した場合と比較して、第1保持部20および第2保持部30の調整後の水平位置や水平度を維持することができる。
また、本実施形態に係る接合システム100では、第1基板W1および第2基板W2の一端側に設けられたアライメントマークM1,M2を撮像する撮像部91と、第1基板W1および第2基板W2の他端側に設けられたアライメントマークM1,M2を撮像する撮像部91とを備える(図4参照)。そして、本実施形態に係る接合システム100では、これら2つの撮像部91の撮像結果に基づいて上述した調整処理を行うことにより、特に、第1保持部20の水平方向における向きを精度良く調整することができる。
その後、接合装置6は、図25に示すように、水平度調整部80を用いて第2保持部30を上昇させて、第2基板W2を第1基板W1に接触しない程度に近接させる。この状態で、接合装置6は、第1調整処理に使用した画像データを用いて調整処理を再度実行する(第2調整処理)。
このように、本実施形態に係る接合システム100では、第2保持部30が第1保持部20から離れた第1の位置に位置した状態で撮像処理および調整処理を実行した後、水平度調整部80を制御して、第2保持部30を第1の位置よりも第1保持部20に近い第2の位置まで移動させ、その後、第2保持部30が第2の位置に位置した状態で調整処理を再度実行することとした。これにより、第1調整処理後、第2基板W2を第1基板W1に接近させる際に第2保持部30の位置ずれが生じたとしても、その後、第2調整処理によってかかる位置ずれを解消することができる。言い換えれば、第1基板W1と第2基板W2とを可能な限り近接させた状態で調整処理を行うことで、その後の第2保持部30の上昇に伴う位置ずれを可及的に低減することができる。
また、本実施形態に係る接合システム100では、第1保持部20と直上のスペーサー14との間に隙間が設けられている(図4参照)。このため、水平位置調整処理によって第1保持部20が移動したとしても、第1保持部20とスペーサー14との間で摩擦が生じることがない。したがって、第1保持部20とスペーサー14との摩擦によるゴミの発生等を防止することができる。
なお、ここでは、第2基板W2を第2の位置に移動させた後に、第2調整処理を行う場合の例を示したが、接合装置6は、第2保持部30を第2の位置へ向けて上昇させながら、第2調整処理を連続的に行ってもよい。
接合装置6は、水平位置調整処理後も撮像部91を用いてアライメントマークM1,M2を撮像し続けることで、後段の仮加圧処理(ステップS205)および本加圧処理(ステップS206)における第1基板W1および第2基板W2の位置ずれの有無を監視することができる。なお、制御装置200は、仮加圧処理および本加圧処理において、アライメントマークM1とアライメントマークM2とのずれ量が閾値を超えたと判定した場合には、仮加圧処理または本加圧処理を中止したり、アラームを出力して作業者に報知したりしてもよい。
つづいて、接合装置6は、仮加圧処理を行う(ステップS205)。具体的には、図26に示すように、接合装置6は、水平度調整部80を用いて第2保持部30を上昇させて第2基板W2を第1基板W1に接触させるとともに、第2基板W2を第1基板W1に第1の押圧力で押圧する。第1の押圧力は、たとえば12kNである。
つづいて、接合装置6は、本加圧処理を行う(ステップS206)。具体的には、図27に示すように、接合装置6は、加圧部70を用いて第2基板W2を第1基板W1に第2の押圧力で押圧する。第2の押圧力は、たとえば40〜60kNである。これにより、第1基板W1と第2基板W2とが接合されて重合基板Tが形成される。
このように、本実施形態に係る接合システム100では、水平度調整部80を用いて第2基板W2を第1基板W1に第1の押圧力で押圧した状態で、加圧部70を用いて第2基板W2を第1の押圧力よりも大きい第2の押圧力で第1基板W1に押圧することとした。これにより、本加圧処理時における第1基板W1および第2基板W2の位置ずれが防止される。したがって、本実施形態に係る接合システム100によれば、接合精度を向上させることができる。
また、上述したように、本実施形態に係る接合システム100では、第1保持部20は、吊下機構50によって吊り下げられた状態で保持されている(図4参照)。したがって、仮加圧処理および本加圧処理において第1保持部20に押圧力が加わると、第1保持部20は、上方に移動して直上のスペーサー14に当接することとなる。これにより、第1保持部20に印加された押圧力は、直上のスペーサー14や第1支持部材11に伝わることとなる。一方、吊下機構50は、第1保持部20が上昇するとワイヤー52が弛むこととなる。したがって、第1保持部20に印加された押圧力は、吊下機構50には伝わらない。
このように、本実施形態に係る接合システム100によれば、第1保持部20を水平方向に移動可能な状態で支持する機構に対して負荷をかけにくくすることができる。
つづいて、接合装置6は、重合基板Tを所定の降温レートで降温する(ステップS207)。そして、接合装置6は、重合基板Tが所定の温度(たとえば、200℃)まで降温した後、加圧部70の可動シャフト72を下降させるとともに、水平度調整部80を用いて第2保持部30を下降させて、接合処理を終了する。
上述してきたように、本実施形態に係る接合装置6は、第1保持部20と、第2保持部30と、チャンバ40と、アライメントマーク検出部90(「光学系」の一例に相当)と、制御装置200(「制御部」の一例に相当)とを備える。
第1保持部20は、第1基板W1を吸着保持する。第2保持部30は、第1保持部20に対して鉛直方向に対向配置され、第2基板W2を吸着保持する。チャンバ40は、第1保持部20および第2保持部30を収容し、内部を密閉可能である。
アライメントマーク検出部90は、第1基板W1および第2基板W2へ光を透過させて透過光により第1基板W1および第2基板W2を撮像する。具体的には、アライメントマーク検出部90は、貫通孔94(「第1貫通孔」の一例に相当)および貫通孔96(「第2貫通孔」の一例に相当)と、撮像部91と、光源92と、集光レンズ99(「第2レンズ」の一例に相当)とを備える。
貫通孔94および貫通孔96は、対向配置させてチャンバ40に形成される。撮像部91は、貫通孔94へ向けたカメラレンズ91a(「第1レンズ」の一例に相当)を有してチャンバ40の外部に配置され、貫通孔94を介し、第1基板W1および第2基板W2に設けられたアライメントマークM1,M2を撮像する。光源92は、チャンバ40の外部に配置され、貫通孔96を介し、第1基板W1および第2基板W2へ向けて光を照射する。
集光レンズ99は、光源92および貫通孔96の間に配置され、光源92からの光を第1基板W1および第2基板W2へ向けて集光する。カメラレンズ91aおよび集光レンズ99は、第1基板W1および第2基板W2の温度に応じた透過波長領域Rの光の撮像部91における目標感度Tg4に対応した所定の閾値Th以上となる透過率を有する。
制御装置200は、撮像処理においてアライメントマークM1,M2をアライメントマーク検出部90に対し撮像させるとともに、検査処理においてアライメントマーク検出部90の撮像結果に基づいてアライメントマークM1,M2の水平位置を検査し、検査結果に基づいて第1保持部20の水平位置を調整する。
したがって、本実施形態に係る接合装置6によれば、接合精度を向上させることができる。
なお、上述した本実施形態では、アライメントマーク検出部90を光学系として備える接合装置6を主たる例に挙げて説明したが、かかる光学系により光を透過させる対象は無論、接合される第1基板W1および第2基板W2同士に限られない。また、撮像され、検査される対象も、アライメントマークM1,M2に限られない。
したがって、本実施形態は、光学系を備える検査装置に適用することができる。すなわち、本実施形態に係る検査装置は、保持部(例えば「第1保持部20および第2保持部30」)と、チャンバ40と、光学系(例えば「アライメントマーク検出部90」)と、制御装置200とを備える。
保持部は、被検査物(例えば「第1基板W1および第2基板W2」)を保持する。チャンバ40は、保持部を収容し、内部を密閉可能である。光学系は、被検査物へ光を透過させて透過光により被検査物を撮像する。制御装置200は、チャンバ40の内部を減圧した状態で被検査物を撮像する撮像処理を光学系に対して実行させるとともに、光学系の撮像結果に基づいて被検査物を検査する検査処理を実行する。
光学系は、貫通孔94および貫通孔96と、撮像部91と、光源92と、集光レンズ99とを備える。貫通孔94および貫通孔96は、対向配置させてチャンバ40に形成される。撮像部91は、貫通孔94へ向けたカメラレンズ91aを有してチャンバ40の外部に配置され、貫通孔94を介し、被検査物を撮像する。
光源92は、チャンバ40の外部に配置され、貫通孔96を介し、被検査物へ向けて光を照射する。集光レンズ99は、光源92および貫通孔96の間に配置され、光源92からの光を被検査物へ向けて集光する。
カメラレンズ91aおよび集光レンズ99は、被検査物の温度に応じた透過波長領域Rの光の撮像部91における目標感度Tg4に対応した所定の閾値Th以上となる透過率を有する。
したがって、本実施形態に係る検査装置によれば、検査精度を向上させることができる。
ところで、上述してきた実施形態では、接合システム100が実行する一連の基板処理として、前熱処理(ステップS104)および接合処理(ステップS106)において、第1基板W1および第2基板W2を昇温して加熱する場合を例に挙げて説明した。しかし、第1基板W1および第2基板W2の加熱方法は、上記の例に限定されない。
たとえば、前熱処理(ステップS104)は、第1基板W1および第2基板W2を一定温度で加熱する処理であってもよい。この場合、第1保持部502および第2保持部503を予め第1の温度に加熱しておけばよい。また、接合処理(ステップS106)も、第1基板W1および第2基板W2を一定温度で加熱する処理であってもよい。この場合、第1保持部20および第2保持部30を予め第2の温度に加熱しておけばよい。
このように、前熱処理(ステップS104)および接合処理(ステップS106)において、第1基板W1および第2基板W2を一定温度で加熱することにより、第1基板W1および第2基板W2を昇温して加熱する場合と比較して、加熱に要する時間を短縮することができる。
なお、接合システム100では、前熱処理において第1基板W1および第2基板W2を一定温度で加熱した後、接合処理において第1基板W1および第2基板W2を昇温して加熱してもよい。また、接合システム100では、前熱処理において第1基板W1および第2基板W2を昇温して加熱した後、接合処理において第1基板W1および第2基板W2を一定温度で加熱してもよい。また、接合システム100では、前熱処理において第1基板W1および第2基板W2を一定温度で加熱した後、接合処理において第1基板W1および第2基板W2を一定温度で加熱してもよい。
また、上述してきた実施形態では、第1基板W1および第2基板W2のうち一方を撮像部91の被写界深度内に位置させた状態と、第1基板W1および第2基板W2のうち他方を撮像部91の被写界深度内に位置させた状態との各々においてアライメントマークM1,M2を撮像する撮像処理を行う場合の例について説明した。しかし、撮像処理は上記の例に限定されない。たとえば、接合システム100では、第1基板W1および第2基板W2の両方を撮像部91の被写界深度内に位置させた状態でアライメントマークM1,M2を撮像する撮像処理を行ってもよい。
また、上述してきた実施形態では、加圧部70が第2保持部30を鉛直方向に移動させる場合の例について説明したが、加圧部70は、第1保持部20を鉛直方向に移動させるものであってもよい。また、上述してきた実施形態では、水平位置調整部60が第1保持部20の水平位置を調整する場合の例について説明したが、水平位置調整部60は、第2保持部30の水平位置を調整してもよい。また、上述してきた実施形態では、第1保持部20が第2保持部30の上方に配置される場合の例を示したが、第1保持部20は、第2保持部30の下方に配置されてもよい。また、上述してきた実施形態では、撮像部91が第1支持部材11の上方に配置され、光源92が第2支持部材12の下方に配置される場合の例について説明したが、光源92が第1支持部材11の上方に配置され、撮像部91が第2支持部材12の下方に配置されてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。